(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】空調システムからのデータ収集システムおよびデータ収集方法
(51)【国際特許分類】
F24F 11/89 20180101AFI20240702BHJP
F24F 11/49 20180101ALI20240702BHJP
F24F 11/526 20180101ALI20240702BHJP
F24F 11/88 20180101ALI20240702BHJP
F24F 1/20 20110101ALI20240702BHJP
F24F 140/00 20180101ALN20240702BHJP
【FI】
F24F11/89
F24F11/49
F24F11/526
F24F11/88
F24F1/20
F24F140:00
(21)【出願番号】P 2020109424
(22)【出願日】2020-06-25
【審査請求日】2023-05-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100142642
【氏名又は名称】小澤 次郎
(72)【発明者】
【氏名】伊左治 陽平
【審査官】佐藤 正浩
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-103540(JP,A)
【文献】実開平07-034562(JP,U)
【文献】特開平05-083264(JP,A)
【文献】実開平02-012664(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/89
F24F 11/49
F24F 11/526
F24F 11/88
F24F 1/20
F24F 140/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調システムから収集されたデータを格納する収集装置と、
前記収集装置に接続され、前記空調システムの端子台の複数の接続部のうち前記空調システムの機器を接続している接続部に各々が
互いに拘束されずに個別に接続される第1仮設端子および第2仮設端子、前記第1仮設端子に接続される第1仮設配線、ならびに前記第2仮設端子に接続される第2仮設配線を有する仮設ケーブルと、
前記第1仮設配線および前記第2仮設配線の間にわたって接続される入力部、および前記入力部に入力される電気信号によって開閉される出力部を有するリレーと、
前記出力部の開閉動作を検知するときに発報を行う発報装置と、
を備え
、
前記第1仮設端子および前記第2仮設端子の各々は、前記接続部に磁力によって吸着する磁石を有する、
空調システムからのデータ収集システム。
【請求項2】
前記仮設ケーブルは、前記第1仮設端子および前記第1仮設配線を着脱可能に接続する第1コネクタ、ならびに前記第2仮設端子および前記第2仮設配線を着脱可能に接続する第2コネクタを有する
請求項1に記載の空調システムからのデータ収集システム。
【請求項3】
前記入力部は、前記第1仮設配線および前記第2仮設配線において前記端子台より前記収集装置に近い位置に接続される
請求項1または請求項2に記載の空調システムからのデータ収集システム。
【請求項4】
前記発報装置は、前記発報装置、前記空調システム、または前記空調システムが設けられた建物の少なくともいずれかを特定する情報を含めて、無線通信によって発報を行う、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のデータ収集システム。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のデータ収集システムを用いた空調システムからのデータ収集方法であり、
前記接続部における前記空調システムの機器の接続を維持し前記空調システムの運転を継続させたまま、前記仮設ケーブルの前記第1仮設端子および前記第2仮設端子の各々を前記接続部に接続する第1工程と、
前記第1工程において前記仮設ケーブルを介して前記接続部に接続された前記収集装置を起動したままにすることで、予め設定された収集期間の間、運転を継続している前記空調システムから収集されたデータを前記収集装置に格納する第2工程と、
前記第2工程の後に、前記接続部における前記空調システムの機器の接続を維持し前記空調システムの運転を継続させたまま、前記仮設ケーブルの前記第1仮設端子および前記第2仮設端子の各々を前記接続部から取り外す第3工程と、
を備え、
前記第2工程の前記収集期間の間に、前記発報装置の発報があった場合に、前記仮設ケーブルの前記第1仮設端子および前記第2仮設端子の各々の前記接続部への接続を復帰する、
空調システムからのデータ収集方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空調システムからのデータ収集システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、空調システムの通信システムの例を開示する。通信システムは、ケーブルおよび通信端末機を備える。ケーブルは、空調システムの端子台に接続される。通信端末機は、ケーブルを通じて空調システムからデータの入力を受ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
空調システムにおいて、保守などのため長期の収集期間にわたってデータを収集することがある。特許文献1のシステムなどによってデータを収集する場合に、空調システムおよびケーブルの接続が収集期間中に外れることがある。このとき、データが収集されないまま収集期間が経過してデータの収集のやり直しが必要になる場合に、保守などに要する期間が長期化する可能性がある。
【0005】
本開示は、このような課題の解決に係るものである。本開示は、空調システムに接続されるケーブルの外れを簡易な構成によって検知できるデータ収集システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る空調システムからのデータ収集システムは、空調システムから収集されたデータを格納する収集装置と、収集装置に接続され、空調システムの端子台の複数の接続部のうち空調システムの機器を接続している接続部に各々が互いに拘束されずに個別に接続される第1仮設端子および第2仮設端子、第1仮設端子に接続される第1仮設配線、ならびに第2仮設端子に接続される第2仮設配線を有する仮設ケーブルと、第1仮設配線および第2仮設配線の間にわたって接続される入力部、および入力部に入力される電気信号によって開閉される出力部を有するリレーと、出力部の開閉動作を検知するときに発報を行う発報装置と、を備え、前記第1仮設端子および前記第2仮設端子の各々は、前記接続部に磁力によって吸着する磁石を有する。
本開示に係る空調システムからのデータ収集方法は、上記のデータ収集システムを用いた空調システムからのデータ収集方法であり、前記接続部における前記空調システムの機器の接続を維持し前記空調システムの運転を継続させたまま、前記仮設ケーブルの前記第1仮設端子および前記第2仮設端子の各々を前記接続部に接続する第1工程と、前記第1工程において前記仮設ケーブルを介して前記接続部に接続された前記収集装置を起動したままにすることで、予め設定された収集期間の間、運転を継続している前記空調システムから収集されたデータを前記収集装置に格納する第2工程と、前記第2工程の後に、前記接続部における前記空調システムの機器の接続を維持し前記空調システムの運転を継続させたまま、前記仮設ケーブルの前記第1仮設端子および前記第2仮設端子の各々を前記接続部から取り外す第3工程と、を備え、前記第2工程の前記収集期間の間に、前記発報装置の発報があった場合に、前記仮設ケーブルの前記第1仮設端子および前記第2仮設端子の各々の前記接続部への接続を復帰する方法である。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係るデータ収集システムであれば、空調システムに接続されるケーブルの外れを簡易な構成によって検知できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1に係るデータ収集システムの構成図である。
【
図3】実施の形態1に係る仮設ケーブルの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示を実施するための形態について添付の図面を参照しながら説明する。各図において、同一または相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化または省略する。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係るデータ収集システム1の構成図である。
【0011】
データ収集システム1は、空調システム2に適用される。空調システム2は、建物3などの空気調和を行うシステムである。空調システム2は、室内機4と、室外機5と、を備える。室内機4および室外機5は、空調システム2の機器の例である。室内機4は、建物3の内部に配置される機器である。室内機4は、建物3の内部の空気と熱交換を行う。室内機4および室外機5は、図示されない配管を通る冷媒などによって互いに熱交換を行う。室外機5は、建物3の外部に配置される機器である。室外機5は、建物3の外部の空気と熱交換を行う。室外機5は、端子台6を有する。室内機4および室外機5は、端子台6を通じて接続される。端子台6は、複数の接続部7を有する。接続部7は、例えば圧着端子を圧着するビスなどを含む。
【0012】
データ収集システム1は、空調システム2からデータを収集するシステムである。データ収集システム1は、例えば収集期間にわたるデータの収集に用いられる。収集期間は、例えば1か月から2か月にわたる程度の長期の期間である。データ収集システム1によって収集されたデータは、空調システム2の保守などに用いられる。当該データは、例えば空調システム2に発生している故障または不調の診断などに用いられる。データ収集システム1は、収集装置8と、仮設ケーブル9と、リレー10と、発報装置11と、を備える。
【0013】
収集装置8は、空調装置からデータを収集されたデータを格納する装置である。収集装置8は、例えば保守用のPC(Personal Computer)などである。
【0014】
仮設ケーブル9は、空調システム2および収集装置8を接続するケーブルである。仮設ケーブル9は、2つの仮設端子12、2つの仮設配線13、および2つのコネクタ14を有する。各々の仮設端子12は、空調システム2の端子台6に接続される。仮設端子12の一方は、第1仮設端子である。仮設端子12の他方は、第2仮設端子である。各々の仮設配線13は、電気信号を伝送する配線である。一方の仮設配線13は、第1仮設配線である。他方の仮設配線13は、第2仮設配線である。第1仮設配線は、第1仮設端子に接続される。第2仮設配線は、第2仮設端子に接続される。各々のコネクタ14は、仮設端子12および仮設配線13を着脱可能に接続する部分である。一方のコネクタ14は、第1仮設端子および第1仮設配線を接続する第1コネクタである。他方のコネクタ14は、第2仮設端子および第2仮設配線を接続する第2コネクタである。
【0015】
リレー10は、入力部15および出力部16を備える。入力部15は、例えばリレー10のコイルに接続されるコイル端子を含む。入力部15は、仮設ケーブル9の2つの仮設配線13の間にわたって接続される。入力部15は、例えば仮設配線13において端子台6より収集装置8に近い位置に接続される。この例において、入力部15は、仮設配線13の収集装置8に近い端部に接続される。出力部16は、入力部15に入力される電気信号によって開閉される部分である。入力部15に入力される電気信号は、例えばリレー10のコイルを励磁する電圧信号である。出力部16は、例えばコイルの励磁の有無によって開閉される可動接点端子および固定接点端子を含む。出力部16は、例えばNO接点(NO:Normally Open)を有している。
【0016】
発報装置11は、例えば情報センター17などへの発報を行う装置である。情報センター17は、空調システム2などの情報を収集する拠点である。発報装置11は、通信機18と、監視装置19と、を備える。この例において、発報装置11は、仮設の装置である。なお、発報装置11は、空調システム2において例えば室外機5などに接続されている常設の装置であってもよい。発報装置11が常設の装置である場合に、発報装置11は、例えば室外機5などに内蔵されていてもよい。あるいは、仮設の発報装置11は、常設の発報装置が設けられている空調システム2において追加的に設けられる装置であってもよい。
【0017】
通信機18は、発報装置11の外部の装置との間で通信を行う部分である。通信機18は、例えば無線通信の機能を搭載する。通信機18は、例えば電話回線網などを通じて情報センター17に接続される。通信機18は、例えばPHS端末(PHS:Personal Handy-phone System)などである。
【0018】
監視装置19は、データ収集システム1または空調システム2などの状態を監視する装置である。監視装置19は、検知回路20を備える。この例において、検知回路20は、リレー10の出力部16を直列に含む。監視装置19は、検知回路20によってリレー10の出力部16の開閉動作を検知する。監視装置19は、検知回路20が出力部16の開閉動作を検知するときに、通信機18を通じて情報センター17への発報を行う。情報センター17への発報は、例えば発報装置11を特定する情報を含む。あるいは、情報センター17への発報は、空調システム2または空調システム2が設けられる建物3を特定する情報を含んでもよい。当該情報は、空調システム2の保守などの作業を行う保守員によって予め入力されていてもよい。
【0019】
図2は、実施の形態1に係る端子台6の正面図である。
【0020】
端子台6は、例えばハーモニカ端子台である。この例において、端子台6は、空調装置の室内機4および室外機5を接続する。室外機5の配線は、例えば圧着端子21が接続部7のビス22で圧着されることによって端子台6に接続される。室内機4に通じる配線は、例えば圧着端子21が接続部7のビス22で圧着されることによって端子台6に接続される。
【0021】
この例において、仮設端子12は、磁石23を有する。磁石23は、磁力によって接続部7に吸着する。仮設端子12は、磁石23の磁力によって、強磁性を有する材料によって形成される接続部7の部分に接続される。仮設端子12は、室外機5の配線が接続されている接続部7のビス22に接続される。これにより、仮設端子12は、端子台6における空調システム2の機器の間の接続を維持したまま容易に接続部7への接続および解除ができるようになる。
【0022】
図3は、実施の形態1に係る仮設ケーブル9の斜視図である。
図3において、一方の仮設配線13の端子台6側の端部が示される。
【0023】
仮設配線13において、着脱可能なコネクタ14によって複数の種類の仮設端子12が交換できる。交換可能な仮設端子12は、例えば接続部7の磁石23により接続部7のビス22に吸着することで接続する仮設端子12a、および接続部7のビス22などを挟み込むワニ口クリップ24によって接続する仮設端子12bなどを含む。
【0024】
続いて、データ収集システム1におけるデータ収集の例を説明する。
【0025】
保守員は、収集期間の開始時に、仮設ケーブル9の2つの仮設端子12を、端子台6の複数の接続部7のうち室内機4などの空調システム2の機器が接続されている接続部7に接続する。このとき仮設端子12が接続される接続部7は、収集するデータなどに応じて選択されてもよい。また、保守員は、端子台6における空調システム2の機器の間の接続を維持したまま仮設端子12の接続を行う。このとき、保守員は、空調システム2の運転を継続させたまま仮設端子12の接続を行う。
【0026】
その後、保守員は、収集装置8を起動してデータ収集の設定を行う。収集装置8の設定は、例えばデータ収集の頻度または収集期間などの設定を含む。収集装置8の設定は、収集するデータの選別の条件などを含んでもよい。このとき、保守員は、空調システム2または空調システム2が適用される建物3などの情報を発報装置11に入力してもよい。その後、保守員は、収集装置8によるデータ収集を開始する。保守員は、データ収集を開始した後、収集期間が経過するまで収集装置8を起動したまま空調システム2が適用される建物3を離れる。
【0027】
空調システム2のデータは、端子台6から仮設ケーブル9を通じて伝送される電気信号によって収集装置8に収集される。電気信号は、例えば一定の直流電圧に信号波形が重畳された信号などである。一定の直流電圧は、例えば30V程度の電圧である。収集装置8は、信号波形などに基づいて収集した空調システム2のデータを、収集期間の間継続して格納する。また、空調システム2のデータが収集されているときに、仮設ケーブル9に入力部15が接続されているリレー10のコイルは、一定の直流電圧によって励磁されている。このとき、リレー10の出力部16は、接点を閉じた状態にある。監視装置19は、検知回路20を通じて出力部16の接点が閉じていることを検知する。出力部16の接点が閉じているときに、監視装置19は、発報を行わない。
【0028】
ここで、収集期間の間において、例えば仮設ケーブル9に外部から力が加わった場合などに、仮設端子12が端子台6から外れることがある。このとき、仮設ケーブル9を通じて伝送される電気信号は遮断される。これにより、仮設ケーブル9に入力部15が接続されているリレー10のコイルが無励磁となる。リレー10の出力部16は、接点を開いた状態になる。監視装置19は、検知回路20を通じて出力部16の開動作を検知する。監視装置19は、出力部16の開動作を検知するときに、通信機18を通じて情報センター17への発報を行う。監視装置19から発報を受けた情報センター17の例えばオペレータは、発報があった旨を保守員に連絡する。連絡を受けた保守員は、仮設端子12が外れた空調システム2が適用される建物3を訪れる。保守員は、仮設端子12の端子台6への接続を復帰する。その後、保守員は、収集装置8によるデータ収集を再開する。保守員は、収集期間が経過するまで収集装置8を起動したまま空調システム2が適用される建物3を再び離れる。
【0029】
収集期間が経過した後に、保守員は、空調システム2が設けられる建物3を訪れる。保守員は、収集装置8によるデータ収集を終了する。保守員は、仮設端子12を端子台6から取り外す。このとき、保守員は、端子台6における空調システム2の機器の間の接続を維持したまま仮設端子12を取り外す。また、保守員は、空調システム2の運転を継続させたまま仮設端子12を取り外す。保守員は、収集装置8を回収する。保守員は、回収した収集装置8に格納された収集期間の間のデータを用いて故障または異常の診断などを行う。
【0030】
なお、空調システム2は、複数の室内機4を備えてもよい。空調システム2は、複数の室外機5を備えてもよい。空調システム2の機器は、空調システム2の中央制御装置などを含んでもよい。
【0031】
また、監視装置19は、空調システム2の常設の装置であってもよい。監視装置19は、有線または無線による情報センター17との通信の機能を搭載していてもよい。このとき、発報装置11は、通信機18を有していなくてもよい。また、常設の監視装置19が情報センター17との通信の機能を搭載していないときに、保守員は、監視装置19に仮設の通信機18を接続して発報装置11としてもよい。
【0032】
また、リレー10の出力部16は、例えばNC接点(NC:Normally Closed)を有していてもよい。このとき、監視装置19は、検知回路20を通じて出力部16の閉動作を検知する。監視装置19は、出力部16の閉動作を検知するときに、通信機18を通じて情報センター17への発報を行う。
【0033】
以上に説明したように、実施の形態1に係るデータ収集システム1は、収集装置8と、仮設ケーブル9と、リレー10と、発報装置11と、を備える。収集装置8は、空調システム2から収集されたデータを格納する。仮設ケーブル9は、収集装置8に接続される。仮設ケーブル9は、第1仮設端子、第2仮設端子、第1仮設配線、および第2仮設配線を有する。第1仮設端子および第2仮設配線の各々は、空調システム2の端子台6の複数の接続部7のうち、空調システム2の機器を接続している接続部7に接続される。第1仮設配線は、第1仮設端子に接続される。第2仮設配線は、第2仮設端子に接続される。リレー10は、入力部15および出力部16を有する。入力部15は、第1仮設配線および第2仮設配線の間にわたって接続される。出力部16は、入力部15に入力される電気信号によって開閉される。発報装置11は、出力部16の開閉動作を検知するときに発報を行う。
【0034】
データ収集システム1の仮設端子12は、空調システム2が稼働しているときに接続される。このため、仮設端子12は空調システム2の端子台6に強固に接続されない。ここで、収集期間は長期間にわたるため、収集期間の間に仮設ケーブル9にかかる力などによって仮設端子12および端子台6の接続が外れる可能性がある。ここで、仮設ケーブル9に加わる力は、例えば自重による力、風などによる力、または建物3の周囲において活動する人もしくは動物などによる力などであってもよい。発報装置11は、仮設端子12および端子台6の接続が外れたことを、リレー10の励磁が切れることなどによって検知する。このとき、発報装置11によって発報が行われる。このように、データ収集システム1において、空調システム2に接続される仮設ケーブル9の外れがリレー10などの簡易な構成によって検知される。また、保守員は、発報によって仮設ケーブル9の外れを把握できる。このため、保守員は、仮設端子12および端子台6の接続を速やかに復帰できる。これにより、データが収集されない期間が最小限になる。このため、データ収集のやり直しなどが発生しにくくなる。データ収集のやり直しが必要になった場合においても、やり直しを早期に開始できるようになる。このため、保守などに要する期間の長期化が抑えられる。
【0035】
また、仮設ケーブル9は、第1コネクタおよび第2コネクタを有する。第1コネクタは、第1仮設端子および第1仮設配線を着脱可能に接続する。第2コネクタは、第2仮設端子および第2仮設配線を着脱可能に接続する。
また、第1仮設端子および第2仮設端子の各々は、接続部7を挟み込んで接続するワニ口クリップ24を有してもよい。
また、第1仮設端子および第2仮設端子の各々は、接続部7に磁力によって吸着する磁石23を有してもよい。
【0036】
仮設端子12がコネクタ14によって交換できるので、保守員は、端子台6の接続部7の形態などに応じて仮設端子12の種類を選択できる。仮設端子12がワニ口クリップ24を有する場合に、接続部7にビス22の頭などの機械的な凸部があれば保守員は仮設端子12の接続および解除を容易に行える。接続部7に強磁性を有する材料が用いられていない場合においても、保守員は仮設端子12の接続を行える。また、仮設端子12が磁石23を有する場合に、接続部7に機械的な凸部がない場合においても保守員は仮設端子12の接続および解除を容易に行える。また、仮設端子12は、磁石23が設けられたワニ口クリップ24を有していてもよい。磁石23の磁力による吸着によって、仮設端子12および接続部7の接続がより強固になる。
【0037】
また、入力部15は、第1仮設配線および第2仮設配線において、端子台6より収集装置8に近い位置に接続される。
【0038】
入力部15および端子台6の間において、いずれかの仮設配線13に断線などの異常が発生した場合に、仮設ケーブル9の外れの検知と同様にリレー10の開閉動作によって発報が行われる。このため、仮設配線13において入力部15から端子台6までの間を長くとることによって、検知回路20がデータ収集システム1に生じた異常をより検知しやすくなる。これにより、空調システム2からのデータ収集がより確実に行われる。
【符号の説明】
【0039】
1 データ収集システム、 2 空調システム、 3 建物、 4 室内機、 5 室外機、 6 端子台、 7 接続部、 8 収集装置、 9 仮設ケーブル、 10 リレー、 11 発報装置、 12、12a、12b 仮設端子、 13 仮設配線、 14 コネクタ、 15 入力部、 16 出力部、 17 情報センター、 18 通信機、 19 監視装置、 20 検知回路、 21 圧着端子、 22 ビス、 23 磁石、 24 ワニ口クリップ