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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】車両
(51)【国際特許分類】
   B60K 6/26 20071001AFI20240702BHJP
   B60K 6/24 20071001ALI20240702BHJP
   B60K 6/405 20071001ALI20240702BHJP
   B60K 6/48 20071001ALI20240702BHJP
   B60K 6/54 20071001ALI20240702BHJP
   H02K 7/18 20060101ALI20240702BHJP
   H02K 7/04 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
B60K6/26 ZHV
B60K6/24
B60K6/405
B60K6/48
B60K6/54
H02K7/18 B
H02K7/04
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020113717
(22)【出願日】2020-07-01
(65)【公開番号】P2022012125
(43)【公開日】2022-01-17
【審査請求日】2023-03-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100176304
【弁理士】
【氏名又は名称】福成 勉
(72)【発明者】
【氏名】田中 洋
(72)【発明者】
【氏名】上野 聡士
(72)【発明者】
【氏名】木ノ下 浩
(72)【発明者】
【氏名】米盛 敬
【審査官】三宅 龍平
(56)【参考文献】
【文献】オーストリア国実用新案第00013720(AT,U1)
【文献】実開昭50-066109(JP,U)
【文献】特表2012-516807(JP,A)
【文献】国際公開第2012/069197(WO,A2)
【文献】特開昭64-015401(JP,A)
【文献】特表2017-503462(JP,A)
【文献】特開2018-202934(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 6/20 - 6/547
H02K 7/18
H02K 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに隣接配置されたエンジンおよびモータを有した、車両走行用の駆動源である駆動ユニットを備える車両であって、
前記エンジンは、駆動力を出力するエンジン出力軸と、外殻を構成するエンジンハウジングとを有し、
前記モータは、ロータおよびステータと、前記ロータが結合されるとともに、駆動力を出力するモータ出力軸と、外殻を構成するモータハウジングとを有し、
前記エンジンハウジングと前記モータハウジングとは、前記エンジンハウジングにおける前記モータハウジング側の端面と、前記モータハウジングにおける前記エンジンハウジング側の端面とが突き合わされた状態で互いに結合されており、
前記エンジン出力軸と前記モータ出力軸とは、一体形成、または、同心で且つ同期して回転するように互いに結合されており、
該車両は、前記モータ出力軸における前記エンジン出力軸が結合された側とは反対側に接続された、前記モータ出力軸と駆動輪との間で前記駆動力を伝達するシャフトをさらに備え、
前記モータの前記ロータは、前記ステータとの間で回転磁場を形成する本体部と、前記エンジンのバランスウェイトとして機能するウェイト部とを有し、
前記エンジンと前記モータとの隣接方向において、前記ロータにおける前記ウェイト部の一部は、前記エンジンハウジングと前記モータハウジングとの突き合わせ面よりも前記エンジンハウジング側に侵入した状態にある、
車両。
【請求項2】
請求項1に記載の車両において、
前記モータ出力軸が延びる方向に対して直交する方向を径方向とするとき、
前記ロータの前記ウェイト部を前記モータ出力軸の軸芯を含む断面で見る場合に、当該ウェイト部は、前記モータ出力軸の側且つ前記エンジンハウジングとは反対側から、前記径方向の外側且つ前記エンジンハウジング側に向かって斜めに延びる中間部と、前記中間部に連続し、前記径方向の外側に延びる外縁部とを有する、
車両。
【請求項3】
請求項2に記載の車両において、
前記ウェイト部の前記外縁部は、当該外縁部の外周面が、前記本体部の外周面よりも前記径方向の外側に位置するように設けられている、
車両。
【請求項4】
請求項3に記載の車両において、
前記ウェイト部の前記外縁部は、当該外縁部の外周面が、前記ステータの内周面よりも前記径方向の外側に位置するように設けられている、
車両。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載の車両において、
前記エンジンは、前記エンジン出力軸における、前記モータが隣接する側とは反対側の部分に結合されたユニット端バランスウェイトを更に有し、
前記ウェイト部は、前記ユニット端バランスウェイトよりも大径に設けられている、
車両。
【請求項6】
請求項5に記載の車両において、
前記ウェイト部は、前記ユニット端バランスウェイトと回転位相が略逆位相となるように設けられている、
車両。
【請求項7】
請求項2から請求項6の何れかに記載の車両において、
前記モータ出力軸の前記軸芯から前記外縁部の外周面までの距離をRa、前記軸芯から前記ステータの内周面までの距離をRd、前記軸芯から前記ステータの外周面までの距離をRcとする場合に、
Rc>Ra>Rdの関係を満たす、
車両。
【請求項8】
請求項1から請求項7の何れかに記載の車両において、
前記ウェイト部を前記モータ出力軸の軸方向の一方から見る場合に、当該ウェイト部は、扇形状を有する、
車両。
【請求項9】
請求項1から請求項8の何れかに記載の車両において、
前記エンジン出力軸と前記モータ出力軸とは、直に結合されている、
車両。
【請求項10】
請求項1から請求項9の何れかに記載の車両において、
前記エンジンは、ロータリーピストンを有するロータリーエンジンである、
車両。
【請求項11】
請求項10に記載の車両において、
前記駆動ユニットは、それぞれが前記ロータリーピストンを有する複数の前記ロータリーエンジンを含み、
前記エンジンハウジングは、筒形状を有するとともに、複数の前記ロータリーピストンを収容し、
前記モータハウジングは、筒形状を有するとともに、前記ロータおよび前記ステータを収容し、
前記エンジンハウジングと前記モータハウジングとは、締結手段により直に結合されている、
車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に関し、特に車両走行用の駆動ユニットにおけるバランスウェイトに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境負荷の低減などを目的として、車両走行用の駆動源としてエンジンに加えてモータを備えたハイブリッド型の車両が普及してきている。
【0003】
特許文献1には、走行用の駆動源としてエンジンおよびモータを備えた自動車が開示されている。特許文献1に開示の自動車では、走行用の駆動源として備えるエンジンおよびモータがともにフロントエリアに搭載されている。
【0004】
特許文献1に開示の自動車では、エンジンで走行するエンジン駆動モードと、モータで走行するモータ駆動モードとが切り替え可能となっている。運転者によりモータ駆動モードが選択された場合には、モータの駆動により自動車の走行がなされる。
【0005】
一方、運転者がエンジン駆動モードを選択した場合には、自動車の発進の際にはモータによる駆動アシストがなされ、所定車速以上でエンジンの駆動による自動車の走行がなされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2019-162964号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記のようなハイブリッド型の車両においても、車両運動性能の更なる向上が求められている。車両の運動性能を高めようとする場合には、エンジンおよびモータをユニット化してなる駆動ユニットを車両における中央に近い領域に配置することが有効である。このように駆動ユニットを配置することにより、車両が旋回し易くなり車両運動性能の向上を図ることができる。ただし、車両における中央に近い領域には、乗員スペースがあるので、駆動ユニットを搭載するためのスペースは限られる。よって、車両運動性能の向上を図るためには、駆動ユニットの小型化を図ることが必要である。
【0008】
また、車両走行のために駆動ユニットを駆動した際には、駆動輪を起点とした駆動ユニットの振動(上下方向の変位)が発生するが、車両運動性能の向上、および乗員の快適性確保という観点から、駆動ユニットの駆動時における振動をできるだけ小さく抑えることが望ましい。その実現のためにも、駆動ユニットを小型化し、車両における中央に近い領域に駆動ユニットを配置する必要がある。即ち、例えば後輪が駆動輪とする場合において、車両における中央に近い領域に駆動ユニットを配置すると、車両における前方の領域に駆動ユニットを配置する場合と比べて、駆動輪と駆動ユニットの先端(駆動輪とは反対側の端部)との間の距離が短くなり、駆動ユニットの上下方向の変位(振動)が小さくなる。
【0009】
本発明は、上記のような問題の解決を図ろうとなされたものであって、エンジンおよびモータを有する駆動ユニットの振動が小さく抑えられ、高い車両運動性能を備える車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
先ず、本発明者等は、駆動ユニットの駆動時における振動を小さく抑え、高い車両運動性能を実現するための方策を鋭意検討した。
【0011】
駆動ユニットの駆動時において、駆動輪を起点とした振動の発生原因は、エンジンである。
【0012】
そこで、本願発明者等は、先ずエンジンのハウジングに対してモータのハウジングを直に結合してなる構造を検討した。エンジンハウジングに対してモータハウジングを直に結合することにより、エンジンに対してモータの重量が付加されることになり、エンジンの振動が抑えられると考えた。
【0013】
しかし、エンジンハウジングに対してモータハウジングを直に結合するだけでは、エンジンの駆動時における振動を十分に抑えることができないことが分かった。仮に、エンジンの振動を抑えることだけを考える場合には、モータハウジングの重量を増加させればよいことになるが、この場合には、駆動ユニット全体での重量も増加することになり、車両運動性能の低下に繋がってしまい、採用することは難しい。
【0014】
次に、本発明者等は、駆動ユニットの長さ、即ち、出力軸が延びる方向での駆動ユニットの寸法を短くすることを考えた。駆動ユニットの長さを短くすることができれば、駆動輪と駆動ユニットの先端(駆動輪とは反対側の端部)との間の距離を短くすることができ、上下方向での変位量を小さく抑えることができる。
【0015】
そこで、本発明者等は、エンジンハウジングに対してモータハウジングを直に結合することに加え、駆動ユニットの長さ、即ち、出力軸が延びる方向での駆動ユニットの寸法を短くすることによって、駆動ユニットを更に小型化することを考えた。駆動ユニットの長さを短くすることができれば、駆動輪と駆動ユニットの先端(駆動輪とは反対側の端部)との間の距離を更に短くすることができ、上下方向での変位量を小さく抑えることができる。
【0016】
ここで、エンジンにおいては、従来からエンジン出力軸に駆動時の振動を抑えるためのバランスウェイトが設けられている。バランスウェイトは、エンジンの出力軸に対して、当該出力軸の長手方向の端部に設けられる。このため、上記のように、単にエンジンハウジングとモータハウジングとを直に結合しようとしても、エンジン出力軸の一端側(モータを結合しようとする側)に設けられたバランスウェイトの厚み分だけ、駆動ユニット全体での長さが長くなってしまうことになる。
【0017】
そこで、本発明者等は、振動を抑制するバランスウェイトの機能を確保しつつも、バランスウェイトの厚みによる駆動ユニット全体の長さの拡大を抑制し得る構造を鋭意検討し、本発明を完成させるに至った。
【0018】
具体的に、本発明の一態様に係る車両は、互いに隣接配置されたエンジンおよびモータを有した、車両走行用の駆動源である駆動ユニットを備える車両であって、前記エンジンは、駆動力を出力するエンジン出力軸と、外殻を構成するエンジンハウジングとを有し、前記モータは、ロータおよびステータと、前記ロータが結合されるとともに、駆動力を出力するモータ出力軸と、外殻を構成するモータハウジングとを有し、前記エンジンハウジングと前記モータハウジングとは、前記エンジンハウジングにおける前記モータハウジング側の端面と、前記モータハウジングにおける前記エンジンハウジング側の端面とが突き合わされた状態で互いに結合されており、該車両は、前記モータ出力軸における前記エンジン出力軸が結合された側とは反対側に接続された、前記モータ出力軸と駆動輪との間で前記駆動力を伝達するシャフトをさらに備え、前記エンジン出力軸と前記モータ出力軸とは、一体形成、または、同心で且つ同期して回転するように互いに結合されており、前記モータの前記ロータは、前記ステータとの間で回転磁場を形成する本体部と、前記エンジンのバランスウェイトとして機能するウェイト部とを有し、前記エンジンと前記モータとの隣接方向において、前記ロータにおける前記ウェイト部の一部は、前記エンジンハウジングと前記モータハウジングとの突き合わせ面よりも前記エンジンハウジング側に侵入した状態にある
【0019】
上記態様に係る車両では、エンジンとモータがユニット化されてなる駆動ユニットを備えるので、エンジンとモータとがユニット化されていない場合に比べて駆動源の小型化が可能であり、車両の中央またはその近傍に駆動ユニットを配置することができる。具体的には、上記態様に係る車両では、エンジンハウジングとモータハウジングを一体形成または結合し、エンジン出力軸とモータ出力軸を一体形成または結合しているので、エンジンとモータとの間に間隔を空けて配設する場合に比べて、特に長さ(エンジン出力軸およびモータ出力軸の軸方向での寸法)を短くすることができる。よって、上記態様に係る車両では、車両運動性能の向上と駆動ユニットの振動低減とを図ることができる。
【0020】
また、上記態様に係る車両では、エンジンハウジングとモータハウジングとを一体形成または結合しているので、モータの重量をエンジンに付加することができる。よって、エンジンの駆動時に発生する振動(上下動)を更に抑制することができる。
【0021】
なお、上記において「一体形成」とは、単一の部材から一体に構成されていることを意味する。具体的には、「エンジンハウジングとモータハウジングが一体形成」とは、単一のハウジングの一部をエンジンハウジングとし、当該ハウジングの他の一部をモータハウジングとしている状態を意味する。同様に、「エンジン出力軸とモータ出力軸とが一体形成」とは、単一のシャフトの一部をエンジン出力軸とし、当該シャフトの他の一部をモータ出力軸としている状態を意味する。
【0022】
また、上記態様に係る車両では、モータのロータがウェイト部を有し、当該ウェイト部がエンジンのバランスウェイトとして機能する。つまり、エンジンのバランスウェイトとロータが一体化されているので、モータのロータとは別にエンジン出力軸にバランスウェイトを設ける場合に比べて駆動ユニットの長さを短くすることができる。よって、エンジンの駆動時に駆動輪を起点として発生する駆動ユニットの振動(上下動)を更に抑えることができる。
【0024】
さらに、上記態様に係る車両では、ウェイト部の一部が上記突き合わせ面よりもエンジンハウジング側に侵入した状態となるように、ロータのウェイト部を形成しているので、当該ウェイト部を上記突き合わせ面よりもエンジンハウジング側に侵入させた分だけスペースの有効利用が可能となる。よって、上記態様に係る車両では、駆動ユニットの長さ((エンジン出力軸およびモータ出力軸の軸方向での寸法)を短くすることができ、駆動輪を起点とした駆動ユニットの振動(上下動)を抑制するのに更に優位である。
【0025】
上記態様に係る車両において、前記モータ出力軸が延びる方向に対して直交する方向を径方向とするとき、前記ロータの前記ウェイト部を前記モータ出力軸の軸芯を含む断面で見る場合に、当該ウェイト部は、前記モータ出力軸の側且つ前記エンジンハウジングとは反対側から、前記径方向の外側且つ前記エンジンハウジング側に向かって斜めに延びる中間部と、前記中間部に連続し、前記径方向の外側に延びる外縁部とを有する、ことにしてもよい。
【0026】
上記態様に係る車両では、エンジンハウジング側へと斜め外向きに延びる中環部を有するようにウェイト部を形成しているので、モータハウジング内のステータなどとウェイト部との干渉を避けることができる。
【0027】
上記態様に係る車両において、前記ウェイト部の前記外縁部は、当該外縁部の外周面が、前記本体部の外周面よりも前記径方向の外側に位置するように設けられている、ことにしてもよい。
【0028】
上記態様に係る車両では、ウェイト部における外縁部の外周面が、本体部の外周面よりも径方向外側に位置するようにしているので、エンジンの駆動時における振動抑制が容易であり、ロータの一部として設けたウェイト部がエンジンのバランスウェイトとして効果的に機能する。
【0029】
上記態様に係る車両において、前記ウェイト部の前記外縁部は、当該外縁部の外周面が、前記ステータの内周面よりも前記径方向の外側に位置するように設けられている、ことにしてもよい。
【0030】
上記態様に係る車両では、ウェイト部における外縁部の外周面が、ステータの内周面よりも径方向外側に位置するようにしているので、エンジンの駆動時における振動抑制が更に容易であり、ロータの一部として設けたウェイト部がエンジンのバランスウェイトとして効果的に機能する。
【0031】
上記態様に係る車両において、前記エンジンは、前記エンジン出力軸における、前記モータが隣接する側とは反対側の部分に結合されたユニット端バランスウェイトを更に有し、前記ウェイト部は、前記ユニット端バランスウェイトよりも大径に設けられている、ことにしてもよい。
【0032】
上記態様に係る車両では、エンジン出力軸にユニット端バランスウェイトを設けているので、モータにおけるロータのウェイト部だけでエンジンの駆動時における振動を抑制する場合に比べて、より確実にエンジンの振動(上下動)を抑えることができる。
【0033】
上記態様に係る車両において、前記ウェイト部は、前記ユニット端バランスウェイトと回転位相が略逆位相となるように設けられている、ことにしてもよい。
【0034】
上記態様に係る車両では、ロータにおけるウェイト部と、ユニット端バランスウェイトとの回転位相を略逆位相(略180deg.)としているので、効果的にエンジンの振動を抑えることができる。
上記態様に係る車両において、前記モータ出力軸の前記軸芯から前記外縁部の外周面までの距離をRa、前記軸芯から前記ステータの内周面までの距離をRd、前記軸芯から前記ステータの外周面までの距離をRcとする場合に、Rc>Ra>Rdの関係を満たす、ことにしてもよい。
【0035】
上記態様に係る車両において、前記ウェイト部を前記モータ出力軸の軸方向の一方から見る場合に、当該ウェイト部は、扇形状を有する、ことにしてもよい。
【0036】
上記態様に係る車両では、ロータにおけるウェイト部を扇形状としているので、エンジン出力軸およびモータ出力軸の周方向でのウェイトの配分を調整可能であり、より確実な振動抑制をするのに優位である。
【0037】
上記態様に係る車両において、前記エンジン出力軸と前記モータ出力軸とは、直に結合されている、ことにしてもよい。
【0038】
上記態様に係る車両では、エンジン出力軸とモータ出力軸とを直に結合させているので、エンジン出力軸とモータ出力軸とをカップリングなどを介して接続する場合に比べて、エンジン出力軸とモータ出力軸との間での回転位相のずれを生じ難く、ロータにおけるウェイト部がエンジンの振動を抑えるバランスウェイトとして安定して機能するのに優位である。
【0039】
上記態様に係る車両において、前記エンジンは、ロータリーピストンを有するロータリーエンジンである、ことにしてもよい。
【0040】
上記のように、エンジンとしてロータリーエンジンを採用する場合には、エンジンとしてレシプロエンジンを採用する場合に比べて、駆動ユニットの小型化を図ることができる。ロータリーエンジンは、レシプロエンジンに比べて高いエンジン回転数で使用されるためエンジン振動が大きいが、上述のように、駆動ユニットの長さを短くすることによって、駆動ユニットをより車両の中央側に配置することができるため、駆動輪と駆動ユニットの先端(駆動輪とは反対側の端部)との間の距離を短くすることができ、駆動ユニットの上下振動が十分小さく抑えられる。
【0041】
上記態様に係る車両において、前記駆動ユニットは、それぞれが前記ロータリーピストンを有する複数の前記ロータリーエンジンを含み、前記エンジンハウジングは、筒形状を有するとともに、複数の前記ロータリーピストンを収容し、前記モータハウジングは、筒形状を有するとともに、前記ロータおよび前記ステータを収容し、前記エンジンハウジングと前記モータハウジングとは、締結手段により直に結合されている、ことにしてもよい。
【0042】
上記のように、筒形状のエンジンハウジングと、同じく筒形状のモータハウジングとを締結手段により直接締結することにより、駆動ユニットの小型化を図ることができる。このため、上記構成を採用する場合には、駆動ユニットをより車両の中央側に配置することができ、駆動輪と駆動ユニットの先端(駆動輪とは反対側の端部)との間の距離を短くすることができる。よって、上記構成を採用する場合には、駆動ユニットの上下振動をより確実に抑えることが可能となる。
【発明の効果】
【0043】
上記の各態様に係る車両では、エンジンおよびモータを有する駆動ユニットの振動が小さく抑えられ、高い車両運動性能を備える。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】実施形態に係る車両の概略構成を示す模式図である。
図2】車両における駆動ユニットの搭載位置を示す模式図である。
図3】駆動ユニットの構成を示す斜視図である。
図4】駆動ユニットの構成を示す斜視図である。
図5】駆動ユニットを上方側から見た平面図である。
図6図5のC部の内部構成を示す断面図である。
図7図6のD部を拡大して示す断面図である。
図8】駆動ユニットにおけるモータを前方側から見た正面図である。
図9図5のB部の内部構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下では、本発明の実施形態について、図面を参酌しながら説明する。なお、以下で説明の形態は、本発明の一例であって、本発明は、その本質的な構成を除き何ら以下の形態に限定を受けるものではない。
【0046】
また、以下の説明で用いる図面において、「F」は車両前方、「R」は車両後方、「U」は車両上方、「L」は車両下方、「Le」は車両左方、「Ri」は車両右方をそれぞれ示す。
【0047】
[実施形態]
1.車両1の概略構成
本実施形態に係る車両1の概略構成について、図1を用いて説明する。
【0048】
図1に示すように、車両1では、当該車両1を駆動するための駆動ユニット10が、フロントエリア1aにおける後方側部分に搭載されている。駆動ユニット10は、エンジン11~13とモータ14とを有する。駆動ユニット10の詳細な構造については、後述する。
【0049】
駆動ユニット10の出力軸(モータ14のモータ出力軸)には、プロペラシャフト15が接続されている。プロペラシャフト15は、車両1の車幅方向中央を後方側に向けて延びている。プロペラシャフト15の後端は、トランスミッション16に接続されている。
【0050】
トランスミッション16には、デファレンシャルギヤ17が接続されている。そして、デファレンシャルギヤ17の車幅方向左右には、ドライブシャフト18,19がそれぞれ連結されている。ドライブシャフト18,19は、それぞれ後輪(駆動輪)20,21に接続されている。即ち、本実施形態に係る車両1では、フロントエリア1aに搭載された駆動ユニット10が発生する駆動力により駆動輪である後輪20,21を駆動して走行する。
【0051】
また、車両1においては、前輪22,23のそれぞれに対して、モータ24,25が接続されている。詳細な図示を省略しているが、モータ24,25は、所謂、インホイールモータである。モータ24,25は、車両1の発進時に動力を発生して前輪22,23に伝えるアシストモータとして機能する。また、モータ24,25は、車両1の減速時に発電する回生ブレーキとしても機能する。そして、車両1の減速時にモータ24,25で発生した電力は、キャパシタ28等に充電される。
【0052】
車両1には、バッテリ26およびインバータ27も搭載されている。バッテリ26は、駆動ユニット10のモータ14に対して電力を供給するための蓄電モジュールである。本実施形態に係るバッテリ26は、例えば、リチウムイオンバッテリである。バッテリ26からの電力は、インバータ27を介してモータ14に供給される。
【0053】
ここで、本実施形態に係る車両1では、駆動ユニット10の駆動モードとして、エンジン駆動モードとモータ駆動モードとを備える。エンジン駆動モードは、エンジン11~13から出力される駆動力で後輪(駆動輪)20,21を駆動して走行するモードである。モータ駆動モードは、モータ14から出力される駆動力で後輪(駆動輪)20,21を駆動して走行するモードである。
【0054】
なお、車両1では、エンジン駆動モードで駆動の際にはモータ14は駆動力を発生させず、モータ駆動モードで駆動の際にはエンジン11~13は駆動力を発生させないように構成している。
【0055】
車両1において、エンジン駆動モードとモータ駆動モードとの切替制御は、駆動モード制御部29が行う。駆動モード制御部29は、CPU、ROM、RAM等を有するマイクロプロセッサを備えて構成されている。駆動モード制御部29は、運転者からの指示や、車両1の状況(車速、加減速度、バッテリ残容量)などを基に駆動モードの制御を実行する。
【0056】
2.駆動ユニット10の搭載位置
車両1における駆動ユニット10の搭載位置について、図2を用いて説明する。
【0057】
上述のように、車両1では、駆動ユニット10がフロントエリア1aの後方側部分に搭載されている。具体的には、駆動ユニット10の重心Ax10が、前輪22,23(図2では、前輪23のみを図示)の回転中心Ax23よりも後方側に位置するように駆動ユニット10が搭載されている。また、駆動ユニット10は、重心Ax10が前輪22,23の回転中心Ax23よりも下方側に位置するように搭載されている。
【0058】
即ち、車両1においては、重量物である駆動ユニット10をコンパクト化することによって、当該駆動ユニット10をフロントエリア1aの後方側部分であって、ボンネット30と間隔を空けた下方側部分に搭載されている。これにより、車両1の重心位置Ax1を車両1の長手方向の略中央の低い箇所とすることができる。
【0059】
3.駆動ユニット10およびその周辺の構成
駆動ユニット10の詳細構成およびその周辺の構成について、図3および図4を用いて説明する。
【0060】
図3および図4に示すように、駆動ユニット10が有するエンジン11~13は、ロータリーピストンを有するロータリーエンジンである。車両1において、エンジン11~13としてロータリーエンジンを採用することにより、駆動ユニット10の小型化を図るのに優位である。
【0061】
図4に示すように、エンジン11~13の下方には、オイルパン38が配設されている。オイルパン38は、車両前後方向および車幅方向の寸法に対して、高さ方向の寸法が小さい扁平形状を有する。これにより、駆動ユニット10の高さを低く抑えるのに優位である。
【0062】
上記のように、本実施形態に係る車両1においては、オイルパン38が扁平形状を有するため、エンジンオイルの収容容量が少ない。このため、エンジン11~13を流通したエンジンオイルを集めることが主な機能である。よって、駆動ユニット10の側方には、オイルパン38で集められたエンジンオイルを貯留するためのオイルタンク35が設けられている。
【0063】
図3および図4に示すように、駆動ユニット10の前方には、ラジエータ31およびオイルクーラ32が配設されている。ラジエータ31は、エンジン11~13の熱により高温となった冷却水を冷却するためのデバイスであり、後方側にラジエータファン31aを有する。
【0064】
オイルクーラ32は、ラジエータ31の後方に配置され、ラジエータ31に沿うように配設されている。オイルクーラ32の平面サイズは、ラジエータ31よりも小型である。
エンジン11~13とラジエータ31との間は、配管36,37により接続されている。配管37とエンジン11~13との接続部分には、ウォーターポンプ34が設けられている。
【0065】
オイルクーラ32、エンジン11~13、オイルタンク35、およびオイルパン38の相互間は、配管39~41等で接続されている。配管41とエンジン11~13との接続部分には、オイルポンプ33が設けられている。
【0066】
駆動ユニット10におけるモータ14は、エンジン13の後方に隣接して配置されている。エンジン11~13とモータ14とは出力軸を共有する直結構造となっている。車両1の上下方向および車幅方向において、モータ14の外観サイズは、エンジン11~13よりも小さく形成されている。
【0067】
モータ14における後端側の端面には、トルクチューブ42が結合されている。
【0068】
4.駆動ユニット10におけるエンジン11~13とモータ14との結合構造
駆動ユニット10におけるエンジン11~13とモータ14との結合構造について、図5を用いて説明する。
【0069】
図5に示すように、エンジン11~13は、外殻を構成するエンジンハウジング131を共有している。エンジンハウジング131は、筒形状の部材であって、内部にロータリーピストンやエンジン出力軸を収容している。
【0070】
また、モータ14は、外殻を構成するモータハウジング141を有する。モータハウジング141も、筒形状の部材であって、内部にロータおよびステータやモータ出力軸を収納している。
【0071】
エンジンハウジング131とモータハウジング141とは、車両1の前後方向において突き合わされ(突き合わせ面A-A)、複数のボルト(締結手段)43により直に結合されている。なお、「直に結合」とは、エンジンハウジング131のフランジ面とモータハウジング141のフランジ面とが直接当接する状態で結合されている場合だけでなく、間にパッキンが介挿された状態でエンジンハウジング131とモータハウジング141とが結合されている場合も含む。
【0072】
5.モータ14の内部構成
モータ14の内部構成について、図6を用いて説明する。
【0073】
図6に示すように、エンジンハウジング131の内部には、車両1の前後方向に延びるエンジン出力軸132が収容されている。また、エンジンハウジング131に内部には、モータ14との境界部分にリング状のオイルシール133も収容されている。
【0074】
モータハウジング141の内部には、エンジン出力軸132と同様に、車両1の前後方向に延びるモータ出力軸142と、モータ出力軸142の外周に結合されたロータ143と、ステータ145とが収容されている。また、モータハウジング141の内部には、エンジン13との境界部分にリング状のオイルシール144も収容されている。
【0075】
エンジンハウジング131とモータハウジング141とは、エンジンハウジング131の後端面131aとモータハウジング141の前端面141aとが突き合わせ面A-Aで突き合わされ、複数のボルト(締結手段)43により直に結合されている(図5を参照)。
【0076】
エンジン出力軸132とモータ出力軸142とは、エンジン出力軸132の軸芯Ax132とモータ出力軸142の軸芯Ax142とが同心で、且つ、同期して回転するように直に結合されている。即ち、エンジン11~13とモータ14とは、エンジン出力軸132とモータ出力軸142とが直結されている。
【0077】
モータ14のロータ143は、モータ出力軸142に結合されており、エンジン13側(前方側)に向けて延設されたウェイト部143aと、ステータ145の径方向内側に配設された本体部143bとを有する。ロータ143の本体部143bは、ステータ145との間で回転磁場を発生させる部材である。本実施形態では、一例として、ロータ143の本体部143bが永久磁石であり、ステータ145がコイルである。
【0078】
6.ロータ143におけるウェイト部143aの構造
ロータ143におけるウェイト部143aの構造について、図7および図8を用いて説明する。
【0079】
図7に示すように、ロータ143にウェイト部143aは、本体部143bおよびステータ145よりも前方側(エンジンハウジング131の内部空間131b側)に配設されている。ウェイト部143aは、モータ出力軸142の側から順に、中間部143cと外縁部143dとを有する。中間部143cは、モータ出力軸142の側から径方向外側へと行くのに従って、後方側から前方側に向けて斜め方向に延びるように設けられている。外縁部143dは、中間部143cに対してその外周部分で連続し、径方向外側に延びるように設けられている。外縁部143dは、中間部143cよりも厚肉に設けられている。
【0080】
なお、本明細書において「径方向」とは、エンジン出力軸132の軸芯Ax132(図6を参照)およびモータ出力軸142の軸芯Ax142(図6を参照)に対して直交する方向を指す。
【0081】
図8に示すように、モータ14を前方側から正面視した場合、ロータ143のウェイト部143aは、略扇形状をしている。ロータ143は、ウェイト部143aを含めてモータ出力軸142と一体に軸芯Ax142周りを回転する。
【0082】
図7に戻って、外縁部143dの前端面143fは、エンジンハウジング131とモータハウジング141との突き合わせ面A-Aよりも、エンジンハウジング131側に位置している。換言すると、ウェイト部143aにおける外縁部143dの一部(前方側部分)は、エンジンハウジング131とモータハウジング141との突き合わせ面A-Aよりもエンジンハウジング131側(前方側)に侵入した状態となっている。
【0083】
なお、エンジンハウジング131とモータハウジング141との突き合わせ面A-A上の径方向内側には、オイルシール144が配設されているが、ウェイト部143aが斜め方向に延びる中間部143cを有するために、ウェイト部143aとオイルシール144との間での干渉が防がれている。
【0084】
モータ出力軸142の軸芯Ax142(図7では、図示を省略)から外縁部143dの外周面143eまでの距離(半径)Raは、軸芯Ax142から本体部143bの外周面143gまでの距離(半径)Rbに対して次の関係を満たす。
Ra>Rb・・(式1)
また、半径Raは、軸芯Ax142からステータ145の内周面145aまでの距離(半径)Rdおよび軸芯Ax142から外周面145bまでの距離(半径)Rcに対して次の関係を満たす。
Rc>Ra>Rd・・(式2)
【0085】
7.バランスウェイト111の構造
本実施形態に係る車両1では、駆動ユニット10の前方側部分にバランスウェイト(ユニット端バランスウェイト)111が設けられている。バランスウェイト111の構造について、図9を用いて説明する。
【0086】
図9に示すように、駆動ユニット10の前方側部分に設けられたバランスウェイト111は、エンジン出力軸132に結合されており、中間部111cと外縁部111dとを有する。中間部111cは、エンジン出力軸132の側から径方向外側に向けて延びるように設けられている。なお、バランスウェイト111では、中間部111cがエンジン出力軸132の軸芯Ax132に対して直交する方向に延びるように設けられている。
【0087】
外縁部111dは、中間部111cに対してその外周部分で連続し、径方向外側に延びるように設けられている。外縁部111dは、中間部111cよりも厚肉に設けられている。
【0088】
なお、図9では図示を省略しているが、バランスウェイト111も正面視において扇形状を有する。
【0089】
ここで、本実施形態に係る車両1では、エンジン出力軸132の軸芯Ax132から外縁部111dの外周面までの距離(半径)Reが、上記半径Raに対して次の関係を満たす。
Re<Ra・・(式3)
【0090】
[変形例]
上記実施形態に係る車両1においては、エンジンハウジング131とモータハウジング141とをそれぞれ別々に形成し、突き合わせ面A-Aで突き合わせて結合させることとしたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。本発明では、エンジンハウジングとモータハウジングとを一体成型してなる構造、即ち、単一のハウジングの一部をエンジンハウジングとし、当該ハウジングの他の一部をモータハウジングとした構造にすることも可能である。
【0091】
また、上記実施形態に係る車両1においては、エンジン出力軸132とモータ出力軸142とを別々に形成し、軸芯Ax132と軸芯Ax142とが同心で、且つ、同期して回転するように、互いを直に結合することとしたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。本発明では、エンジン出力軸とモータ出力軸とを一体形成してなる構造、即ち、単一のシャフトの一部をエンジン出力軸とし、当該シャフトの他の一部をモータ出力軸とした構造にすることも可能である。
【0092】
さらに、カップリング部材を間に介してエンジン出力軸とモータ出力軸とを結合することとしてもよい。ただし、この構成を採用する場合には、エンジン出力軸とモータ出力軸との回転位相が同一となるようにする。
【0093】
上記実施形態では、駆動ユニット10の前方側部分にバランスウェイト(ユニット端バランスウェイト)111を設けることとしたが、本発明では、ユニット端バランスウェイトを設けなくてもよい。
【0094】
また、上記実施形態では、バランスウェイト111とモータ14におけるロータ143のウェイト部143aとがともに正面視で扇形状を有することとしたが、バランスウェイト111およびウェイト部143aの正面視での形状はこれに限定されるものではない。短冊形状や半楕円形状などでもよい。
【0095】
また、上記実施形態では、ロータ143におけるウェイト部143aが中間部143cと外縁部143dとを有することとしたが、周辺の部位との干渉が避けられることを条件に種々の断面形状を採用することができる。例えば、階段状の断面形状を有するウェイト部を採用することもできる。
【0096】
また、上記実施形態では、バランスウェイト111とウェイト部143aとの回転位相については、特に言及しなかったが、エンジンの振動特性などを考慮して決めることができる。例えば、バランスウェイト111とウェイト部143aとの回転位相を略逆位相とすることも可能である。ここで、上記における「略」との語は、例えば、逆位相(位相差が180deg.)に対して1deg.未満のずれ(差異)がある場合も包含することを意味している。
【0097】
上記実施形態では、エンジン11~13の一例としてロータリーエンジンを採用することとしたが、本発明では、レシプロエンジンを採用することも可能である。エンジンとしてレシプロエンジンを採用する場合においても、レシプロエンジンのバランスウェイトに相当するフライホイールをモータにおけるロータと一体化することで、上記実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
【0098】
上記実施形態では、車両1の一例としてFR車を採用したが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、リヤに駆動ユニットを搭載し、駆動力を後輪に伝達するRR車や、運転席の後部に駆動ユニットを搭載し、駆動力を後輪に伝達するMR車、さらにはフロントエリアの後方側部分に駆動ユニットを搭載し、駆動力を前輪に伝達するFF車を採用することも可能である。
【符号の説明】
【0099】
1 車両
10 駆動ユニット
11~13 エンジン(ロータリーエンジン)
14 モータ
15 プロペラシャフト
20,21 後輪(駆動輪)
43 ボルト(締結手段)
111 バランスウェイト(ユニット端バランスウェイト)
111c 中間部
111d 外縁部
131 エンジンハウジング
132 エンジン出力軸
141 モータハウジング
142 モータ出力軸
143 ロータ
143a ウェイト部
143b 本体部
143c 中間部
143d 外縁部
145 ステータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9