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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】台紙及びパッケージ
(51)【国際特許分類】
   B65D 73/00 20060101AFI20240702BHJP
【FI】
B65D73/00 E
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020115336
(22)【出願日】2020-07-03
(65)【公開番号】P2022013051
(43)【公開日】2022-01-18
【審査請求日】2022-12-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000122298
【氏名又は名称】王子ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003649
【氏名又は名称】弁理士法人真田特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100092978
【弁理士】
【氏名又は名称】真田 有
(72)【発明者】
【氏名】田口 頼幸
【審査官】米村 耕一
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-187004(JP,A)
【文献】実開昭54-021082(JP,U)
【文献】特開2018-079956(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0187264(US,A1)
【文献】実開昭54-126981(JP,U)
【文献】登録実用新案第3218423(JP,U)
【文献】実開平04-068861(JP,U)
【文献】特開2004-338797(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 73/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭部と前記頭部から延びた柄部とを有し、平面視でT字形状をなす物品と、
一枚のシートから形成され、前記物品が取り付けられた台紙と、を備え、
前記台紙は、
未使用状態において前記シートの外側領域に囲まれる中央領域に設けられ、横方向に沿って延びる折線を介して前記外側領域と連設され、使用状態において前記シートの厚み方向の一側へ前記折線で折り返されて前記外側領域よりも縦方向の一側へ突出するとともに前記厚み方向の一側で前記物品の前記柄部に接する舌部と、
前記外側領域における前記中央領域よりも前記縦方向の他側に設けられ、前記使用状態において前記舌部が前記折線で折り返されることにより前記中央領域に形成される貫通孔に通された前記物品の前記頭部に前記厚み方向の他側で接する支持部と、
前記貫通孔に向けて突設され、前記使用状態において前記物品を前記厚み方向の一側から保持する爪部と、を備え、
前記中央領域は、前記爪部が前記外側領域から前記貫通孔へ向けて突出するように前記爪部に相当する部分を切り欠いて構成され、
前記舌部が、前記物品に類似する平面視でT字形状をなし、
前記貫通孔が、前記舌部と一致する形状をなし、
前記貫通孔の前記支持部側の部分が、前記物品の前記頭部に類似する形状であるとともに、前記貫通孔の前記支持部側の部分に続く部分が、前記物品の前記柄部に類似する形状であって、
前記貫通孔の前記横方向の最大寸法は、前記物品の前記頭部の幅寸法よりもやや小さく設定され、
前記使用状態において、前記物品の前記柄部が前記厚み方向の一側で前記舌部に接し、前記物品の前記頭部が前記厚み方向の他側で前記支持部と接し、前記物品の前記柄部の中間部が前記厚み方向の一側から前記爪部で保持される
ことを特徴とするパッケージ。
【請求項2】
前記台紙は、前記横方向に互いに離隔して配置され、前記物品を前記横方向の両側から保持する一対の前記爪部を備えた
ことを特徴とする請求項1に記載のパッケージ。
【請求項3】
前記爪部は、前記貫通孔から前記外側領域に切り込まれた一対のスリット間に形成される基部と前記基部から前記貫通孔に向けて突出する凸部とを有し、フラップ状をなす
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のパッケージ。
【請求項4】
前記シートは、前記舌部の縁部に対応する線で切り込まれた切断線を有する
ことを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載のパッケージ。
【請求項5】
前記台紙は、前記使用状態において、前記縦方向の最大寸法が、前記物品の前記縦方向の最大寸法よりも大きい
ことを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載のパッケージ。
【請求項6】
前記シートは、紙製である
ことを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載のパッケージ。
【請求項7】
前記折線は、前記シートの紙目と交差する
ことを特徴とする請求項6に記載のパッケージ。
【請求項8】
前記物品が取り付けられた前記使用状態の前記台紙を内装する袋体を更に備えた
ことを特徴とする請求項1~7の何れか1項に記載のパッケージ。
【請求項9】
請求項1~8の何れか1項に記載のパッケージを構成するパッケージ用台紙
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品に取り付けられる台紙、及び、物品に取り付けられた台紙が袋体に内装されたパッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品の姿勢を安定化するために物品に取り付けられる台紙が知られている。例えば特許文献1には、物品としてのピーラーに切り起こし片が巻き付けられることでピーラーを保持する台紙が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実用新案登録第3221303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に台紙は、物品の全体を安定して支持するために、特許文献1に示されるように物品よりも大きく形成される。このため、資材コストの抑制が難しいという課題がある。また、台紙において物品の姿勢を安定化するための構造が複雑であると、台紙を組み立てる作業や台紙を物品に取り付ける作業が煩雑になり、製造コストの増大を招く。
【0005】
本件は、前述したような課題に鑑みて創案されたものであり、コストを抑えつつ物品の姿勢を安定化することを目的の一つとする。なお、この目的に限らず、後述する「発明を実施するための形態」に示す各構成から導き出される作用及び効果であって、従来の技術では得られない作用及び効果を奏することも、本件の他の目的として位置付けることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本件の台紙は、一枚のシートから形成され、物品に取り付けられる台紙であって、未使用状態において前記シートの外側領域に囲まれる中央領域に設けられ、横方向に沿って延びる折線を介して前記外側領域と連設され、使用状態において前記シートの厚み方向の一側へ前記折線で折り返されて前記外側領域よりも縦方向の一側へ突出するとともに前記厚み方向の一側で前記物品に接する舌部と、前記外側領域における前記中央領域よりも前記縦方向の他側に設けられ、前記使用状態において前記舌部が前記折線で折り返されることにより前記中央領域に形成される貫通孔に通された前記物品に前記厚み方向の他側で接する支持部と、を備えたことを特徴としている。
【0007】
本件のパッケージは、前記台紙と、前記物品に取り付けられた前記使用状態の前記台紙を内装する袋体と、を備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本件によれば、コストを抑えつつ物品の姿勢を安定化できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】台紙が物品に取り付けられた状態を示す平面図である。
図2図1の台紙に組み立てられるシートの平面図である。
図3図1の台紙を単体で示す平面図である。
図4図1のA-A矢視断面図である。
図5】パッケージの台紙及び袋体を分解して示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本件の実施形態を説明する。この実施形態はあくまでも例示に過ぎず、下記の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることができる。
【0011】
[1.構成]
[1-1.台紙]
図1に示すように、本実施形態に係る台紙1は、例えば商品として陳列される物品2に取り付けられ、物品2を支持する。台紙1は、物品2の姿勢を安定化し、物品2を保護する機能をもつ。なお、図1では、台紙1を太線で示し、物品2を細線で示している。
【0012】
物品2は、所定の機能をもつ頭部2aと、頭部2aから延びた柄部2bとを有する。柄部2bは、細長い形状であり、物品2の持ち手として機能する。
【0013】
本実施形態の物品2は、紙製である。物品2は、台紙1が取り付けられた状態でシート状(平面状)をなす。言い換えると、物品2は、幅寸法W2及び長さ寸法L2に比べて厚み寸法が小さい形状である。なお、物品2は、台紙1から取り外された後(物品2の使用時)に立体的に組み立てられる構造を有してもよい。
ここでは、平面視でT字形状をなす物品2を例示する。物品2において、長さ寸法L2は、幅寸法W2よりも大きく設定されており、最大寸法をなす。また、物品2では、頭部2aが最大の幅寸法W2をなす。
【0014】
物品2は、例えば、皮をむくための刃が頭部2aに取り付けられたピーラーや、歯や舌を磨くためのブラシが頭部2aに設けられた歯ブラシや舌ブラシであってもよい。ほかにも物品2の具体例としては、爪やすりや栓抜きといった様々なものが挙げられる。また、物品2は、紙製でなくてもよいし、台紙1に取り付けられた状態で立体状をなしてもよい。ただし、台紙1による姿勢保持とコンパクト化との観点からは、物品2が台紙1に取り付けられた状態でシート状をなすことが好ましい。
【0015】
台紙1は、図2に例示する一枚のシート10から形成される。ここでは平面視で矩形状をなすシート10を例示する。以下、シート10の平面視に基づいて、横方向D1、縦方向D2及び厚み方向D3を定める。横方向D1及び縦方向D2は、いずれもシート10の延在面に沿う方向であって、互いに直交する。厚み方向D3は、横方向D1及び縦方向D2の双方と直交する。これらの横方向D1と縦方向D2と厚み方向D3は、シート10及び台紙1の説明に共通して用いる。
本実施形態では、図1~3に基づき、縦方向D2の一側を「下側」ともいい、縦方向D2の他側を「上側」ともいう。また、厚み方向D3の一側(図1~3の奥側)を「裏側」ともいい、厚み方向D3の他側(図1~3の手前側)を「表側」ともいう。さらに、横方向D1の寸法を「横寸法」ともいい、縦方向D2の寸法を「縦寸法」ともいう。
【0016】
ここでは、横方向D1の中心線C(図1参照)を基準として対称(図1~3では左右対称)に形成された台紙1及びシート10を例示する。
本実施形態のシート10は紙製である。シート10の紙目は、縦方向D2に沿って延びている。なお、台紙1及びシート10は、紙製に限定されず、例えばプラスチック製であってもよい。
【0017】
図2に示すように、シート10は、横方向D1の中間部で横方向D1に沿って延びる折線3と、折線3の両端部を繋ぐ切断線4とを有する。折線3は、シート10が台紙1に組み立てられる際に折り曲げられる線であり、切断線4の概ね下側に配置される。横方向D1に沿って延びる折線3は、シート10の縦方向D2に沿って延びる紙目と直交(交差)する。ここでは、リード罫(溝と切れ込みとが交互に配置された罫線)である折線3を例示する。
【0018】
切断線4は、シート10を厚み方向D3に貫通する切れ込みである。切断線4は、台紙1に設けられる後述の舌部6の縁部に対応する線をなす。
折線3及び切断線4は、シート10の外側領域11と、外側領域11で囲まれる中央領域12とを区画する。言い換えれば、シート10において、折線3及び切断線4で囲まれる領域が中央領域12であり、中央領域12よりも外側(外周側)の領域が外側領域11である。
【0019】
本実施形態のシート10は、切断線4から横方向D1の外側へ切り込まれた二対のスリット5を有する。スリット5は、切断線4と同様に、シート10を厚み方向D3に貫通する切れ込みである。ここでは、縦方向D2に並ぶ上下二つのスリット5が対をなすとともに、一対のスリット5が中央領域12よりも横方向D1の外側(図2では左右)にそれぞれ設けられた例を示す。
【0020】
シート10の横寸法W0は、物品2の幅寸法W2よりも大きく設定されている(W0>W2)。一方、シート10の縦寸法L0は、物品2の長さ寸法L2よりも小さく設定されている(L0<L2)。
本実施形態のシート10は、切り抜かれた部分(孔)を有しない。したがって、シート10には、折線3を形成する罫線入れ加工と、切断線4及びスリット5を形成する切断加工とは施されるものの、打ち抜き加工は施されていない。
【0021】
図1及び図3に示すように、台紙1は、シート10が組み立てられることで、物品2を保持可能な使用状態となる。台紙1は、組立前の未使用状態(シート10の状態)では平面状をなすのに対し、組立後の使用状態では一部が厚み方向D3に凹凸をなす。
台紙1は、シート10の中央領域12に設けられた舌部6と、シート10の外側領域11における中央領域12よりも上側に設けられた支持部7とを備えている。また、本実施形態の台紙1は、物品2を横方向D1の両側から保持する一対の爪部8を更に備えている。
【0022】
舌部6は、折線3を介して外側領域11と連設されているとともに、切断線4により外側領域11と切り離されている。舌部6は、未使用状態において外側領域11に囲まれる中央領域12に設けられ、使用状態において折線3で裏側へ折り返されて外側領域11よりも下側へ突出する。本実施形態の舌部6は、このように折り返された使用状態における下側の縁部6aが、横方向D1に沿ってまっすぐに延びている。
台紙1では、上記のように使用状態において舌部6が折線3で折り返されることにより、シート10の中央領域12に貫通孔9が形成される。貫通孔9には、物品2の柄部2bが配置される。
【0023】
図3に示すように、台紙1の最大縦寸法(縦方向D2の最大寸法)L1は、上記のとおり外側領域11よりも下側へ突出する舌部6により、シート10の縦寸法L0よりも拡大される(L1>L0)。台紙1の最大縦寸法L1は、物品2の長さ寸法L2よりも大きく設定される。すなわち、台紙1は、最大縦寸法L1が物品2の長さ寸法L2よりも大きくなるように、舌部6の形状、大きさ及び配置が適宜設定される。なお、台紙1の最大横寸法(横方向D1の最大寸法)W1は、シート10の幅寸法W0と同一であり(W1=W0)、物品2の最大幅寸法W0よりも大きい。
【0024】
本実施形態の舌部6は、貫通孔9と一致する形状である。言い換えると、舌部6は、折線3で折り戻された(すなわち、台紙1がシート10に戻された)場合に、貫通孔9とぴったり重なる。ここでは、物品2に類似する形状である舌部6及び貫通孔9を例示する。なお、貫通孔9の最大横寸法Whは、物品2の頭部2aの幅寸法W2よりもやや小さく設定されている(Wh<W2)。
支持部7は、外側領域11の一部で構成される。舌部6及び支持部7は、貫通孔9の縦方向D2の外側にそれぞれ配置されている。言い換えると、縦方向D2における舌部6及び支持部7の間には、貫通孔9が配置されている。
【0025】
爪部8は、貫通孔9に向けて突設されている。本実施形態の爪部8は、一対のスリット5間に形成される基部8aと、基部8aから貫通孔9に向けて突出する凸部8bとを有し、フラップ状をなす。このように、爪部8は、上記のスリット5により基部8aが形成されることで、スリット5及び基部8aが設けられない場合と比べてサイズが拡大されている。
【0026】
一対の爪部8は、横方向D1に互いに離隔して配置される。本実施形態の一対の爪部8は、貫通孔9に通された物品2の柄部2bを横方向D1の両側から保持する。なお、ここで例示する台紙1には、上記のように折り返される舌部6の根本には折り返し用の折線3が設けられるのに対し、物品2を裏側から保持する爪部8の根本には折り返し又は折り曲げ用の罫線(溝)が設けられていない。ただし、爪部8の根本に折り返し又は折り曲げ用の罫線(溝)が設けられてもよい。
【0027】
図4に示すように、使用状態の台紙1では、貫通孔9に通された物品2に対し、舌部6が裏側で接するともに、支持部7が表側で接する。本実施形態では、舌部6が物品2の柄部2bに裏側で接し、支持部7が物品2の頭部2aに表側で接する。物品2に着目すれば、柄部2bが貫通孔9に通された状態で、柄部2bの下側の一部が舌部6の裏側に配置されるとともに、頭部2aの一部が支持部7の表側に配置される。このように、台紙1は、舌部6及び支持部7により厚み方向D3の両側で物品2を支持する。
【0028】
また、本実施形態の使用状態の台紙1では、貫通孔9に通された物品2を各爪部8が裏側から保持する。このとき、基部8aを有する各爪部8は、物品2がスリット5に入り込んで配置されることにより、凸部8bだけでなく基部8aにおいても物品2を裏側から保持する。
【0029】
[1-2.パッケージ]
図5に示すように、本実施形態のパッケージ20は、上記の台紙1と、物品2に取り付けられた台紙1を内装する袋体30とを備えている。本実施形態の袋体30は、ラミネート紙袋である。ここでは平面視で矩形状をなす袋体30を例示する。なお、袋体30の具体的な構造は特に限定されず、マチ付き(いわゆるガセット袋)であってもよいし、封緘用のフラップが設けられてもよい。
【0030】
袋体30は、物品2に取り付けられた使用状態の台紙1がぴったり収まる大きさに形成されている。具体的に言えば、袋体30は、横方向D1に対応する幅寸法W3が、台紙1の最大横寸法W1よりも僅かに大きく、縦方向D2に対応する長さ寸法L3が、台紙1の最大縦寸法L1よりも僅かに大きく設定されている(W3>W1かつL3>L1)。このような幅寸法W3及び縦寸法L3の袋体30に収容された台紙1は、横方向D1及び縦方向D2の双方において袋体30に対する変位が規制される。
【0031】
[2.作用及び効果]
(1)台紙1によれば、貫通孔9に通された物品2に対し、舌部6が裏側で接するとともに支持部7が表側で接するため、物品2を厚み方向D3の両側で支持できる。これにより、物品2の姿勢を安定化できる。また、物品2の姿勢が安定化することで台紙1に対する物品2の位置ズレが抑えられるため、物品2の保護性能も高められる。
【0032】
さらに、折り返された舌部6が外側領域11よりも下側へ突出することで、台紙1の最大縦寸法L1がシート10の縦寸法L0よりも拡大されるため、台紙1によればシート10よりも縦方向D2の広範囲にわたって物品2を支持できる。したがって、物品2の長さ寸法L2よりも小さい縦寸法L0のシート10から形成された台紙1であっても、縦方向D2の広範囲にわたって物品2の姿勢を安定化できる。これにより、物品2の支持機能を確保しつつ、シート10のサイズダウンを図れるため、資材コストを抑制できる。
また、台紙1は、一枚のシート10から形成されており、舌部6を折線3で折り返すだけで組み立てられるため、組立作業が容易であり、組立コストも抑えられる。
よって、台紙1によれば、コストを抑えつつ、物品2の姿勢を安定化できる。
【0033】
(2)貫通孔9に向けて突設された爪部8が使用状態において物品2を裏側から保持するため、上記のとおり舌部6及び支持部7で物品2を支持することに加えて、縦方向D2における舌部6及び支持部7の間で物品2を爪部8により拘束できる。特に、裏側から物品2を保持する爪部8によれば、折り返された舌部6の復元力(折り返しに対する抵抗力)で物品2が裏側へ押されたとしても、物品2を裏側から適切に拘束できる。よって、物品2の姿勢をより安定化できる。
【0034】
(3)横方向D1に互いに離隔して配置された一対の爪部8が物品2を横方向D1の両側から保持するため、横方向D1において物品2をバランスよく拘束できる。よって、物品2の姿勢を更に安定化できる。
【0035】
(4)一対のスリット5間に形成される基部8aと基部8aから貫通孔9に向けて突出する凸部8bとを有するフラップ状の爪部8によれば、スリット5及び基部8aが形成されない場合と比べてサイズが拡大されるため、物品2をより安定して拘束できる。また、スリット5に入り込んだ物品2を爪部8が保持することで、厚み方向D3の両側から物品2を挟み込んで固定できるため、物品2の拘束をより安定させられる。よって、物品2の姿勢を一層安定化できる。
【0036】
(5)シート10が舌部6の縁部に対応する線で切り込まれた切断線4を有し、舌部6が貫通孔9と一致する形状であるため、打ち抜き加工を施すことなくシート10を形成できる。言い換えれば、所定形状にカットされたシート状の資材に折線3及び切断線4を設けるだけでシート10を製造できる。よって、シート10の構成を簡素化できるとともに、打ち抜きによる廃材の発生が抑制されるため、資材の有効利用に資する。
【0037】
(6)台紙1の使用状態における最大縦寸法L1が物品2の縦方向の最大寸法である長さ寸法L2よりも大きいため、物品2に取り付けられた台紙1を物品2よりも縦方向D1の両側(下側及び上側)へ延出させられる。これにより、縦方向D2の外側からの外力に対して物品2をより確実に保護できる。よって、物品2の保護性能を更に高められる。
【0038】
(7)シート10が紙製であるため、台紙1の資材コストを抑えられるとともに、脱プラスチック化を実現できるため廃棄が容易となる。
(8)折線3がシート10の紙目と交差するため、折線3がシート10の紙目と平行に延びる場合と比べて、折線3で折り返された舌部6の復元力を大きくできる。これにより、舌部6を物品2に確実に接触させられるため、舌部6による物品2の支持性能を高められる。
【0039】
(9)パッケージ20によれば、物品2に取り付けられた台紙1が袋体30に内装されるため、上記のとおり台紙1が物品2の姿勢を安定化することで、袋体30の内部における物品2の位置ズレを抑制できる。これにより、物品2の保護性能を高められる。また、袋体30が台紙1及び物品2を覆うことによっても、物品2の保護性能を高められる。
(10)使用状態の台紙1がぴったり収まる大きさに形成された袋体30の内部では、袋体30に対する台紙1の変位が規制されるため、物品2の姿勢をより安定化できる。よって、物品2の保護性能を更に高められる。
【0040】
(11)折線3がリード罫であることにより、舌部6の折り返しを円滑化できる。一方、爪部8の根本には折り返し又は折り曲げ用の罫線が設けられないため、爪部8の意図しない折り返しや折り曲げを抑制できる。これにより、爪部8で物品2をより確実に保持できる。よって、物品2の姿勢をより確実に安定化できる。
【0041】
(12)貫通孔9の最大横寸法Whが物品2の最大幅寸法W2よりも小さいため、貫通孔9に通された物品2を台紙1に引っ掛けられる。これにより、貫通孔9からの物品2の抜け落ちを防止できるとともに、物品2の位置ズレを確実に抑制できる。よって、物品2の姿勢をより確実に安定化できる。
【0042】
(13)台紙1(シート10)と袋体30とがいずれも紙製であるため、資材コストを抑えられるとともに、廃棄が容易となる。また、台紙1(シート10)及び袋体30に加えて物品2も紙製であれば、資材コストを更に抑えられるとともに、廃棄が更に容易となる。
【0043】
(14)物品2が厚み寸法の比較的小さいシート状であるため、貫通孔9に通された物品2を、上記の舌部6及び支持部7により厚み方向D3の両側で良好に支持できる。このように、台紙1は、シート状の物品2の姿勢保持に好適である。また、物品2がシート状であれば、パッケージ20のコンパクト化に寄与する。
【0044】
[3.変形例]
上記の台紙1及びシート10の各構成は一例である。爪部8は、貫通孔9に向けて突設されればよく、スリット5間に形成される基部8aが省略されてもよい。すなわち、シート10からスリット5が省略されてもよい。また、爪部8の個数及び配置は、上記の実施形態で例示したものに限定されない。なお、爪部8は、台紙1から省略されてもよい。
【0045】
舌部6及び貫通孔9の各形状も上記のものに限定されない。舌部6及び貫通孔9は、形状が互いに一致していなくてもよい。例えば、シート10の中央領域12の一部を打ち抜くことで、舌部6を貫通孔9よりも小さく形成してもよい。この場合であっても、舌部6が折線3で折り返されて外側領域11よりも下側に突出する台紙1によれば、上記の実施形態と同様に、物品2の姿勢を安定化できる。
上記の実施形態で示した種々の寸法はいずれも一例である。
折線3は、シート10の紙目と平行に延びていてもよい。
【符号の説明】
【0046】
1 台紙
2 物品
2a 頭部
2b 柄部
3 折線
4 切断線
5 スリット
6 舌部
6a 下側の縁部
7 支持部
8 爪部
8a 基部
8b 凸部
9 貫通孔
10 シート
11 外側領域
12 中央領域
20 パッケージ
30 袋体
C 中心線
D1 横方向
D2 縦方向
D3 厚み方向
L0 シート10の縦寸法
L1 台紙1の最大縦寸法
L2 物品2の長さ寸法
L3 袋体30の長さ寸法
W0 シート10の横寸法
W1 台紙1の最大幅寸法
W2 物品2の幅寸法
W3 袋体30の幅寸法
Wh 貫通孔9の最大横寸法
図1
図2
図3
図4
図5