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特許7512738情報処理装置、画像形成装置、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】情報処理装置、画像形成装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/70 20170101AFI20240702BHJP
   B41J 25/20 20060101ALI20240702BHJP
   B65H 45/04 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
G06T7/70 B
B41J25/20
B65H45/04
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020125719
(22)【出願日】2020-07-22
(65)【公開番号】P2022021860
(43)【公開日】2022-02-03
【審査請求日】2023-06-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 翔吾
(72)【発明者】
【氏名】澤井 賢司
【審査官】真木 健彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-045784(JP,A)
【文献】特開2019-073389(JP,A)
【文献】特開2000-159433(JP,A)
【文献】特開2009-067560(JP,A)
【文献】特開2009-120271(JP,A)
【文献】特開2018-189728(JP,A)
【文献】特開2019-074931(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/70
G06T 7/00
B41J 25/20
B65H 37/00
B65H 45/00
B65H 45/04
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを有し、前記プロセッサは、
媒体が折られた状態における当該媒体の第1面及び第2面の少なくとも一方の面の画像を読み取る読取手段と、
前記画像における識別画像に基づいて、前記画像が前記第1面又は前記第2面のいずれであるかを判別する判別手段と、
前記画像に基づいて、折りずれが生じている面を特定する特定手段と、
前記折りずれが生じている面が、前記第1面又は前記第2面のいずれで生じているかに応じて、折りずれの補正方向を決定する決定手段と、
を含む情報処理装置。
【請求項2】
前記媒体は、二つ折りの媒体であって、
前記二つ折りの媒体における第1面又は第2面の片面を読み取り、
前記片面における前記識別画像、及び前記折りずれに応じて、前記補正方向を決定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記片面が、前記折りずれが生じている面である場合、当該片面における用紙端側とは反対の方向を前記補正方向に決定する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記片面が、前記折りずれが生じている面ではない場合、当該片面における用紙端側の方向を前記補正方向に決定する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記折りずれに交差する方向における前記媒体の折り長を測定して補正量を検知する
請求項1から4のうちいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記媒体は、二つ折りの媒体であって、
前記二つ折りの媒体の第1面及び当該第2面の両面を読み取り、
前記一方の面における前記識別画像、及び前記折りずれに応じて、前記補正方向を決定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記媒体は、三つ折りの媒体であって、
前記媒体の第1面には第1識別画像が形成され、及び第2面には第2識別画像が形成されており、
前記三つ折りの媒体における第1面及び第2面の両面を読み取り、
前記第1識別画像並びに前記第2識別画像、及び前記折りずれに応じて、前記補正方向を決定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記第1面に折りずれが生じている場合、前記第1面における用紙端側の方向を前記補正方向に決定する
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記第2面に折りずれが生じている場合、前記第2面における用紙端側の方向を前記補正方向に決定する
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記折りずれから補正量を検知する
請求項1から9のうちいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
プロセッサを有するコンピュータに、
媒体が折られた状態における媒体の第1面及び第2面の少なくとも一方の面の画像を読み取るステップと、
前記画像における識別画像に基づいて、前記画像が前記第1面又は前記第2面のいずれであるかを判別するステップと、
前記画像に基づいて、折りずれが生じている面を特定するステップと、
前記折りずれが生じている面が、前記第1面又は前記第2面のいずれで生じているかに応じて、折りずれの補正方向を決定するステップと
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、画像形成装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
折り位置調整等の目的のため、折り機によって折られた位置のずれ量を自動検知する試みがされている。その方法として、折られた媒体の折り長を検知する方法や、折られた媒体の用紙端におけるずれ量を検知する方法がある。
例えば、特許文献1は、手差しの記録媒体を折る場合、この記録媒体の表裏に拘わらず、既定の折り方をすることができる記録媒体折りシステムを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-113284
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、折られたままの媒体から折られた位置のずれ量を検知する方法において、いずれの面を読み取っているかを判断できないと、折りずれが生じている方向を判別できず、補正方向を特定することが出来ない。
【0005】
本発明は、折り機で折られた媒体における折り位置の補正量を出力する場合に、折りずれ量の補正方向を特定することができる情報処理装置、画像形成装置、プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、プロセッサを有し、前記プロセッサは、媒体が折られた状態における当該媒体の第1面及び第2面の少なくとも一方の面の画像を読み取る読取手段と、前記画像における識別画像に基づいて、前記画像が前記第1面又は前記第2面のいずれであるかを判別する判別手段と、前記画像に基づいて、折りずれが生じている面を特定する特定手段と、前記折りずれが生じている面が、前記第1面又は前記第2面のいずれで生じているかに応じて、折りずれの補正方向を決定する決定手段と、を含む情報処理装置である。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の情報処理装置において、前記媒体は、二つ折りの媒体であって、前記二つ折りの媒体における第1面又は第2面の片面を読み取り、前記片面における前記識別画像、及び前記折りずれに応じて、前記補正方向を決定する。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の情報処理装置において、前記片面が、前記折りずれが生じている面である場合、当該片面における用紙端側とは反対の方向を前記補正方向に決定する。
請求項4に係る発明は、請求項2に記載の情報処理装置において、前記片面が、前記折りずれが生じている面ではない場合、当該片面における用紙端側の方向を前記補正方向に決定する。
請求項5に係る発明は、請求項1から4のうちいずれか一項に記載の情報処理装置において、前記折りずれに交差する方向における前記媒体の折り長を測定して補正量を検知する。
請求項6に係る発明は、請求項1に記載の情報処理装置において、前記媒体は、二つ折りの媒体であって、前記二つ折りの媒体の第1面及び当該第2面の両面を読み取り、前記一方の面における前記識別画像、及び前記折りずれに応じて、前記補正方向を決定する。
請求項7に係る発明は、請求項1に記載の情報処理装置において、前記媒体は、三つ折りの媒体であって、前記媒体の第1面には第1識別画像が形成され、及び第2面には第2識別画像が形成されており、前記三つ折りの媒体における第1面及び第2面の両面を読み取り、前記第1識別画像並びに前記第2識別画像、及び前記折りずれに応じて、前記補正方向を決定する。
請求項8に係る発明は、請求項7に記載の情報処理装置において、前記第1面に折りずれが生じている場合、前記第1面における用紙端側の方向を前記補正方向に決定する。
請求項9に係る発明は、請求項7に記載の情報処理装置において、前記第2面に折りずれが生じている場合、前記第2面における用紙端側の方向を前記補正方向に決定する。
請求項10に係る発明は、前記折りずれから補正量を検知する請求項1から9のうちいずれか一項に記載の情報処理装置。
請求項11に係る発明は、媒体が折られた状態で読み取られたときに、当該媒体の第1面及び第2面を判別できるように、前記第1面となる領域及び前記第2面となる領域のうち少なくとも一方に、識別画像を形成する画像形成手段と、前記識別画像が外側になるように媒体を折る折り手段とを有する画像形成装置。
請求項12に係る発明は、請求項11に記載の画像形成装置において、前記画像形成手段は、二つ折りの媒体における第1面及び第2面となる部分の少なくとも片面に前記識別画像を形成する。
請求項13に係る発明は、請求項11に記載の画像形成装置において、前記画像形成手段は、三つ折りの媒体における第1面及び第2面の両面に前記識別画像を形成する。
請求項14に係る発明は、プロセッサを有するコンピュータに、媒体が折られた状態における媒体の第1面及び第2面の少なくとも一方の面の画像を読み取るステップと、前記画像における識別画像に基づいて、前記画像が前記第1面又は前記第2面のいずれであるかを判別するステップと、前記画像に基づいて、折りずれが生じている面を特定するステップと、前記折りずれが生じている面が、前記第1面又は前記第2面のいずれで生じているかに応じて、折りずれの補正方向を決定するステップとを実行させるプログラムである。
請求項15に係る発明は、媒体が折られた状態で読み取られたときに、当該媒体の第1面及び第2面を判別できるように、前記第1面となる領域及び前記第2面となる領域のうち少なくとも一方に、識別画像を形成するステップと、前記識別画像が外側になるように媒体を折るステップとを実行するためのプログラムである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1及び15に係る発明によれば、全ての折り方について折られた用紙を広げて折り位置調整を行う場合に比べ、より迅速かつ簡易に折り位置調整を行うことができる。
請求項2、3、4、5及び6に係る発明によれば、二つ折りの媒体における折り位置調整処理において、補正方向を決定することができ、より迅速かつ簡易に折り位置調整を行うことができる。
請求項7及び10に係る発明によれば、三つ折りの媒体における折り位置調整処理において、補正方向を決定することができ、より迅速かつ簡易に折り位置調整を行うことができる。
請求項11及び14に係る発明によれば、媒体が折られた状態で読み取られた場合であっても、媒体の第1面及び第2面を判別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】画像形成装置の機能構成を示すブロック図。
図2】一実施形態に係る情報処理装置の概略図。
図3】折り位置調整処理のフローチャートの例を示す図。
図4】折り位置調整処理におけるメニュー画面の例を示す図。
図5】用紙を広げずに折りずれ量を検知できる折り方の例を示す図。
図6】画像解析で得られる線と用紙端及び折り線との関係を示すテーブルの例を示す図。
図7】外三つ折りの用紙を読み取る例を示す図。
図8】用紙を広げないと折りずれ量を検知できない折り方の例を示す図。
図9】用紙の折り方の例を示す図。
図10】案内画面を生成する処理のフローチャートの例を示す図。
図11】ユーザに調整シートをプラテンガラス上に載置させる際の案内画面の例を示す図。
図12】ユーザに調整シートをプラテンガラス上に載置させる際の案内画像が形成された用紙の例を示す図。
図13】識別画像が形成された巻き三つ折りの用紙を広げた状態の例を示す図。
図14】識別画像が形成された外三つ折りの用紙における表裏の例を示す図。
図15】用紙に形成される識別画像の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
1.構成
図1は、一実施形態に係る画像形成装置1の機能構成を示すブロック図である。本実施形態の画像形成装置1は、ユーザインターフェイス(以下「UI」という)から用紙における折り処理の指示を受け付ける処理、用紙に画像を形成する処理、用紙を折る処理、用紙に形成された画像を読み取る(すなわち、スキャンする)処理、用紙の折り位置を検知する処理、用紙の折り位置を調整する処理を行う。ここで「折り位置」とは、画像形成装置1が、用紙に対する折り処理を行う位置をいう。なお、「用紙」は、媒体の一例である。
【0010】
画像形成装置1は、制御部101、記憶部102、UI103、画像形成部104、画像読取部105、判別部106、特定部107、決定部108、検知部109、及び折り部110を備える。制御部101は、記憶部102に格納されるプログラム等に従って各種処理を実行する。制御部101は、UI103、画像形成部104、画像読取部105、及び折り部110と接続され、これらを制御する。なお、「折り部」は、折り機の一例である。制御部101は、情報処理装置の一例である。制御部101は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを備える。記憶部102は、制御部101が実行するプログラム、折り方に関する情報、及び折り位置の調整処理の過程で得られる情報を記憶する。記憶部102は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及びフラッシュメモリ等の記録装置を有する。UI103は、ユーザインターフェイスを提供する。具体的には、UI103は、折り位置調整処理に関する画面、ユーザにより入力される操作を受け付ける画面等の画像形成装置の機能に関する画面を表示する。UI103は、液晶ディスプレイ等の表示装置、及びタッチスクリーン等の入力装置を有する。
【0011】
制御部101は、判別部106、特定部107、決定部108、及び検知部109を有する。判別部106は、読み取られた画像がどちらの面(すなわち後述する第1面又は第2面)であるかを判別する。特定部107、折りずれが生じている面を特定する。決定部108は、折り位置調整処理における折りずれ量の補正方向を決定する。ここで「補正方向」とは、折りずれ量を減少させる方向、すなわち、実折り位置を移動させる方向をいう。「折りずれ量」とは、実折り位置と基準折り位置との距離(長さ)のことをいう。「基準折り位置」とは、その用紙の所望の折り位置をいう。「折りずれが生じている」とは、実折り位置と基準折り位置との差がしきい値以上であることをいう。「折りずれが生じている面」とは、読み取られた画像において折りずれが明示的に観測できる面をいう。基準折り位置は、折り方毎に定義される。一例において、基準折り位置は、用紙を複数の領域に等分する位置である。「実折り位置」とは、折り部110による折り処理により、用紙に実際に形成された折り目の位置をいう。検知部109は、折りずれ量を検知する。さらに、検知部109は、折り位置を調整するための調整値を算出する。画像形成部104は、用紙に画像を形成する。画像読取部105は、用紙の表面状態(「表面状態」は、用紙に形成された画像を含む)を画像として読み取る。折り部110は、ユーザにより入力される指示に基づいて、用紙に折り処理を行う。一例として、折り部110は、複数枚の用紙を重ねて中綴じした後に二つ折りの折り処理をする等して小冊子を作成する機能を有する。
【0012】
図2は、一実施形態に係る画像形成装置1の概略図である。画像形成装置1は、搬送路20、トレイ26、送り出しローラ28、手差しトレイ30、及び自動搬送部44を備える。搬送路20は、トレイ26から折り部110まで用紙を搬送する経路であり、例えば複数のローラ及びこれらのローラを駆動するモータを含む。搬送路20は、その一端が各トレイ26に接続され、また、その他端が折り部110に接続される。搬送路20は、用紙を、あらかじめ決められた場所(例えば、トレイ26又は手差しトレイ30)から別の場所(例えば、画像形成部104又は折り部110)まで搬送する。
【0013】
トレイ26は、用紙を収容する。図1において、2つのトレイ26が示されているが、より多くのトレイ26が設けられても良い。トレイ26の各々は、例えば、異なる種類の用紙を収容する。送り出しローラ28は、トレイ26に収容された用紙を搬送路20へ送り出す。手差しトレイ30は、用紙を積載する。
【0014】
この例において、画像形成装置1は電子写真方式の画像形成装置である。画像形成部104は、トナー像形成部22、及び定着部24を備える。トナー像形成部22は、用紙にトナー像を形成する。具体的には、トナー像形成部22は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像データに基づいて生成されたY、M、C、Kの各色の画像信号を取得する。トナー像形成部22は、現像ユニット32Y、32M、32C、32K、転写ベルト34、転写ローラ36、及びローラ38を備える。トナー像形成部22は、取得した画像信号に基づいて、現像ユニット32Y、32M、32C、32Kのそれぞれで、感光体ドラム38Y、38M、38C、38Kに、Y、M、C、Kの各色のトナー像を転写ベルト34に重畳する。転写ベルト34は、搬送路側の転写ローラ36を含む複数のローラに巻き掛けられ、中間保持体として回転駆動する。転写ベルト34は、重畳されたトナー像を用紙に転写する。転写ベルト34は、現像ユニット32Y、32M、32C、及び32Kに設けられる感光体ドラム38Y、38M、38C、及び38Kと接する。転写ローラ36及びローラ38は、用紙と転写ベルト34とを共に挟持し、用紙に転写ベルト34のトナー像を転写する。転写ローラ36は、ローラ38と対向する。搬送路20は、転写ローラ36とローラ38との間に用紙を搬送する。定着部24は、用紙に形成されたトナー像を定着させ、用紙に画像を形成する。定着部24は、一対の定着ローラ40を備える。定着部24は、定着ローラ40の間へ搬送された用紙を、定着ローラ40によって挟持し、及び加圧しながら加熱する。
【0015】
画像読取部105は、自動搬送部44、露光光学系50、及び固体撮像素子CCD56を備える。画像読取部105は、プラテンガラスPGの下方に位置する。自動搬送部44は、給紙トレイ46に積載された用紙を画像読取部105まで搬送する。自動搬送部44は、給紙トレイ46、プラテンロール48、及び排紙トレイ49を備える。給紙トレイ46は、画像を読み取ろうとする用紙を積載する。給紙トレイ46は、積載された用紙を、プラテンロール48に給紙する。プラテンロール48は、給紙された用紙をプラテンガラスPG上に搬送する。排紙トレイ49は、画像の読取を終えた用紙を排出する。なお、詳細な構成は図示及び説明を省略するが、画像読取部105は用紙の両面を読み取ることができる。
【0016】
露光光学系50は、用紙の画像を読み取る。具体的には、露光光学系50は、プラテンガラスPG上に給紙される用紙、又はユーザがプラテンガラスPG上に載置する用紙に、光源52から光を照射し、用紙からの反射光を受光する。固体撮像素子CCD56は、受光した反射光を電気信号に変換する。露光光学系50は、光源52、及び複数のミラーを備える。ユーザがプラテンガラスPG上に載置した用紙の画像を読み取る場合、露光光学系50は、移動して用紙を走査する。
【0017】
折り部110は、折り機構18、及び排出トレイ58を備える。折り機構18は、ユーザにより入力される指示に基づいて、用紙に折り処理を行う。排出トレイ58は、折り処理が行われた用紙を排出する。
【0018】
折り位置調整処理において、折りずれ量を検知できても、折ったままの状態で読み取って、いずれの面を読み取っているかが分からない場合、折りずれが生じている方向を判別できず、補正方向を決定できない。そこで、画像形成装置1は、この問題に対処するものである。
【0019】
2.動作
図3は、画像形成装置1が行う折り位置量調整処理の例を示すフローチャートである。画像形成装置1は、例えば、パンフレット等の冊子を大量に印刷する業務用のプリンタである。ユーザが用紙の折りずれを調整すること所望する場合、画像形成装置1は、実際の冊子に用いられる用紙を印刷する前に、試し刷りの調整シートを印刷し、この調整シートを用いて折りずれ量を検知する。ここで「調整シート」とは、折り位置の調整処理を行うために用いる用紙のことをいう。画像形成部104は、調整シートに、折り線を検知しやすいパターン画像を形成する。あるいは、画像形成部104は、調整シートに何の画像も形成しなくてもよいし、実際の冊子に印刷される文字、画像等のコンテンツを形成してもよい。また、実際の冊子が、例えば、5枚綴じの場合、調整シートの枚数は1枚であっても良いし、5枚であってもよい。
【0020】
ステップS1において、UI103は、ユーザによる調整シートの作成指示の入力を受け付ける。この作成指示は、例えば、ユーザによりネットワークに接続されたパーソナルコンピュータ(以下「PC」という)等から入力されてもよい。この作成指示は、折り方情報を含む。ここで「折り方情報」とは、折り方の識別子及び用紙の識別子を含む情報をいう。
【0021】
図4は、UI103が表示する、折り位置調整処理におけるメニュー画面の例を示す図である。UI103は、まず、メニュー画面を表示する。図4(a)は、メニュー画面の例を示す図である。この画面401には、例えば画像形成装置1において設定可能な項目の一覧が含まれる。ユーザは、所望の処理、ここでは「折り位置調整」を選択する。UI103は、ユーザによる「折り位置調整」の選択を受け付ける。
【0022】
ユーザにより「折り位置調整」の選択が入力されると、UI103は、次に、ユーザに用紙の折り方を選択させるための画面を表示する。図4(b)は、用紙の折り方を選択する画面の例を示す図である。この画面402には、「二つ折り」及び「三つ折り」等、折り部110において処理が可能な折り方の一覧が表示される。UI103は、ユーザによる折り方の選択を受け付ける。
【0023】
ユーザにより「用紙の折り方」の選択が入力されると、UI103は、次に、ユーザに用紙の種類を選択させための画面を表示する。図4(c)は、用紙の種類を選択する画面の例を示す図である。この画面403には、「トレイ1:A4」及び「トレイ2:A3」等、トレイ26に収容されている用紙の一覧が含まれる。UI103は、ユーザによる用紙の選択を受け付ける。
【0024】
ユーザにより「用紙の種類」の選択が入力されると、UI103は、次に、ユーザによる調整シートの作成指示の入力を受け付ける。図4(c)の画面は、調整シートの作成を指示するためのUIオブジェクト、例えば、スタートボタンを含む。ユーザによりこのスタートボタンがタッチされると、UI103はこれを調整シートの作成指示として受け付ける。制御部101は、調整シートの作成を開始する。
【0025】
ステップS2において、折り部110は、用紙に対し、選択された折り方の折り処理を行う。
例えば、「二つ折り」が選択された場合、折り部110は、二つ折りに対応する基準折り位置において、用紙に折り処理を行う。別の例において、「巻き三つ折り」が選択された場合、折り部110は、巻き三つ折りに対応する基準折り位置で、用紙に折り処理を行う。記憶部102は、用紙の折り方、及び用紙の種類毎に基準折り位置を記憶する。
【0026】
ステップS3において、UI103は、案内画面を表示する。ここで、「案内画面」とは、調整シートを画像読取部105に載置するようユーザに案内する画面をいう。図5は、ユーザに調整シートをプラテンガラス上に載置させる際の案内画面の例を示す図である。案内画面501は、例えば、「調整シートを広げずに、プラテンガラスに置いてください。」等の指示、及び調整シートの読み取りを指示するためのUIオブジェクト、例えば、スタートボタンを含む。ユーザは、この案内に従って調整シートを排出トレイ58から取り出し、画像読取部105に置く。この案内画面は、調整シートの読み取りを開始させるためのUIオブジェクト、例えばスタートボタンを含む。ユーザによりこのスタートボタンがタッチされると、UI103はこれを調整シートの読取指示として受け付ける。
【0027】
UI103が読取指示の入力を受け付けると、ステップS4において、画像読取部105は、調整シートの読取を開始する。
【0028】
ステップS5において、制御部101は、折りずれ量を検知する。
折りずれ量の検知方法について説明する。制御部101が折りずれ量を検知する際、画像読取部105が読み取った、調整シートの画像が用いられる。
【0029】
図6は、二つ折りの用紙を読み取る例を示す図である。
制御部101は、この画像に現れる用紙端、実折り位置、及び折り長に基づいて折りずれ量を検知する。ここで「用紙端」とは、用紙の端を形成する辺をいう。ここでは、4辺の用紙端のうち折り線とほぼ平行な方向の2辺の用紙端のみ考える。「折り長」とは、折られた状態の用紙における用紙端から基準折り位置までの最短の長さをいう。
【0030】
図6(a)はプラテンガラスPGの面に垂直かつ実折り位置の方向から見た断面を示す。折られた用紙の面のうち、プラテンガラスPGと対向する面を「表面」、その反対側を「裏面」という。図6(b)は表面の画像を、図6(c)は裏面の画像を、それぞれ示す。
【0031】
制御部101は、用紙を読み取った画像を解析し、用紙内部(すなわち用紙の外形の内側)にあり、かつ用紙の一端から他端まで延びる線を特定する。例えば、記憶部102は折り方の識別子、読み取られる面、及び用紙内部に現れる線との関係を対応づけたテーブルを記憶する。
【0032】
図7は、画像解析で得られる線と用紙端及び折り線との関係を示すテーブルの例を示す図である。ここで「分割数」とは、用紙を折ることにより分割される領域の(片面あたりの)数をいう。例えば、二つ折りでは、用紙の片面は2つの領域に分割される。制御部101は、折り方情報及びこのテーブルを参照して用紙端及び折り線を特定する。多くの場合において、表面及び裏面の少なくとも一方において用紙の外形より内側の領域の線(より詳細には、用紙の外形の一辺とほぼ平行に一端から他端まで延びる線。以下「用紙内部の線」という。)が検知できるはずである。制御部101は、少なくとも用紙内部の線が検知された面において、用紙の外形を形成する辺のうち、検知された内部の線とほぼ平行でありかつ距離が近い方の辺、及び内部の線と平行でありかつ距離が近い方の辺が、用紙端及び折り線のいずれに該当するか、図7のテーブルを参照して特定する。
【0033】
例えば、図6の例のように、二つ折りの場合、表面及び裏面のいずれか一方にのみ用紙内部の線が現れる。制御部101は、テーブルに従って、用紙内部の線が検知された面を第1面、それと反対の面を第2面と定義する。読み取った画像の表面及び裏面が第1面及び第2面のいずれに該当するかは、プラテンガラスPGに用紙を置くときの向きに依存する。図6の例において、制御部101は、第1面において内部の線601(すなわち一方の用紙端)から近い辺(すなわち用紙端603)を他方の用紙端と特定し、遠い辺(すなわち折り線602)を折り線と特定する。
【0034】
図8は、外三つ折りの用紙を読み取る例を示す図である。図8(a)はプラテンガラスPGに垂直かつ用紙の折り線に垂直な断面を示す。図8(b)は読み取った表面の画像を、図8(c)は裏面の画像を、それぞれ示す。折り方が外三つ折りであるので、表面及び裏面のいずれにも用紙内部の線が現れる。制御部101は、図7のテーブルに従って、一方の面を第2面と定義する。制御部101は、第1面において内部の線801(すなわち一方の用紙端)から近い辺(すなわち折り線)803を一方の折り線と特定し、遠い辺(すなわち折り線802)を他方の折り線と特定する。他方の用紙端804は、第1面及び第2面のいずれにおいても隠れて見えない。なお、図7のテーブルにおいて、用紙を広げると、用紙端1から順に、用紙端1、折り線1、折り線2、及び用紙端2の順で線が並ぶ。
【0035】
次に、折りずれ量の検知及び折り位置の調整について説明する。制御部101は、まず、基準折り位置を特定する。例えば、二つ折り(すなわち2分割)の場合、基準折り位置は、用紙を2等分する位置、すなわち折り線に垂直な辺の中点である。
【0036】
図6(b)の例において、折り線602の基準折り位置は、(用紙を広げた状態で)折り線602に垂直な辺の中点である。すなわち、折り線602から用紙端601までの距離d1及び折り線602から用紙端603までの距離d2は理想的には等しい。しかし、図6の例において実測される距離は、d1<d2である。折りずれ量Δdは、Δd=d2-d1である。制御部101は、折りずれ量が小さくなるように、理想的にはゼロになるように折り位置を調整する。
【0037】
図6(b)の例において、制御部101は、折り線602の位置をより用紙端603側に近づければよい。近づける量、すなわち、調整量δは、一例において、δ=Δd/2である。
【0038】
また、図6(c)の例において、折り線602の基準折り位置は、(用紙を広げた状態で)折り線602に垂直な辺の二等分点である。この場合、用紙を広げた状態における辺の長さを知る必要があるが、二つ折りの用紙における片面(すなわち、第1面及び第2面のいずれか一方)を読み取り、読み取った面に用紙端が1つしか現れていない場合(すなわち、読み取られた画像が図6(c)のみである場合)、一方の用紙端601が隠れて見えないため、折り線602から用紙端601までの距離d1辺の長さを計測できない。この場合、制御部101は、折り方情報に含まれる用紙の識別子を用いて、用紙の辺の長さ(すなわち、d1+d2)を特定する。具体的には、記憶部102が用紙の識別子と用紙の辺の長さとを対応づける情報を記憶しており、制御部101は、この情報を参照し、用紙の辺の長さを特定する。制御部101は、特定した辺の長さを二等分する位置に近づくように、折り位置を調整する。近づける量、すなわち、調整量δは、図6(b)の例と同様である
【0039】
図8の例において、折り線802の基準折り位置は、(用紙を広げた状態で)折り線802に垂直な辺の三等分点である。この場合、用紙を広げた状態における辺の長さを知る必要があるが、図8のように外三つ折りでは一方の用紙端804が隠れて見えないため、辺の長さを計測できない。この場合、制御部101は、折り方情報に含まれる用紙の識別子を用いて、用紙の辺の長さを特定する。具体的には、記憶部102が用紙の識別子と用紙の辺の長さとを対応づける情報を記憶しており、制御部101は、この情報を参照し、用紙の辺の長さを特定する。制御部101は、特定した辺の長さを三等分する位置に近づくように、折り位置を調整する。なお、図8(c)のように用紙端が1つしか現れない面からの読み取り画像のみでは、制御部101は図8(b)の面における用紙端を特定できない。このように、折り方によっては、片面の画像のみでは折りずれ量を検知できない。
【0040】
図9は、用紙の折り方の例を示す図である。これらは、それぞれ、(a)二つ折り、(b)巻き三つ折り、(c)外三つ折り(Z折り)、(d)内四つ折り、(e)外四つ折り、及び(f)W折りである。
【0041】
(a)二つ折り、(b)巻き三つ折り、及び(c)外三つ折り(Z折り)は、用紙を広げずに折りずれ量を検知できる折り方の一例である。
一方、(d)内四つ折り、(e)外四つ折り、及び(f)W折りは、用紙が折られたまま折りずれ量を検知できない折り方の一例である。
【0042】
本実施例は、「用紙を広げずに折りずれ量を検知できる折り方」に用いられる。ここで、「用紙を広げずに折りずれ量を検知できる折り方」とは、折られた用紙を少なくとも片面から読み取った画像において用紙端及び折り長を特定可能な折り方をいい、一例としては用紙における折り線の数が2本以下である折り方を言う。一方、「用紙を広げないと折りずれ量を検知できない折り方」とは、折られた用紙を両面から読み取った画像において用紙端及び折り長を特定できない(例えば、用紙端が隠れて見えない)折り方をいい、一例としては用紙における折り線の数が3本以上である折り方を言う。
【0043】
ステップS6において、制御部101は、読み取られた調整シートの画像から、折りずれを補正するための調整値を算出する。ここで「調整値」とは、制御部101が折りずれ量が減少するように折り位置を移動させる長さを示す。具体的には、制御部101は、読み取った画像から用紙端の位置の特定、実折り位置の特定、及び折り長の計測を行う。
【0044】
制御部101(検知部109)は、特定した用紙端の位置、特定した実折り位置、及び計測した折り長に基づいて、調整値を算出する。
【0045】
図6(b)の例において、二つ折りの調整値を求める計算式は以下のようになる。
折り長=50
d1=40(用紙端601から実折り位置(すなわち折り線602)まで)
d2=60(実折り位置(すなわち折り線602)から用紙端603まで)
折りずれ量Δd=60-40=20
調整量δ=20/2=10
【0046】
また、図6(c)の例において、二つ折りの調整値を求める計算式は以下のようになる。
基準折り長=100
d2=60(実折り位置(すなわち折り線602)から用紙端603まで)
d1=100-60=40
折りずれ量Δd=60-40
折りずれ量Δd=20
調整量δ=20
【0047】
再び図3を参照する。ステップS7において、制御部101は、算出された調整値に基づいて、折りずれ量が減少するように折り部110を調整し、折りずれを調整する。折り部110
【0048】
折り位置調整処理において、ユーザがどのような向きで用紙を置くかは分からない。そのため、読み取られた画像が第1面及び第2面のいずれの面であるかを特定できない場合、折りずれが生じている方向を判別(すなわち補正方向を決定)できない。
【0049】
図10は、第1面及び第2面の一方の面のみにおける画像が読み取られ場合において、ステップS5において行われる折り位置の調整における、補正方向を決定する処理の例を示すフローチャート図である。この処理は、例えば、二つ折りが選択された場合に行われる。この処理は、例えばステップS5とステップS6との間において行われる。
【0050】
ステップS101において、制御部101(具体的には判別部106)は、読み取られた画像に現れる識別画像に基づいて、読み取った面が第1面又は第2面のいずれであるかを特定する。図11は、画像解析で得られる識別画像と、第1面及び第2面との関係を示すテーブルの例を示す図である。
【0051】
制御部101は、画像に現れる識別画像及びこのテーブルを参照し、読み取った画像が第1面又は第2面のいずれであるかを特定する。記憶部102は、識別画像の種類と、第1面又は第2面とを対応付けた情報を記憶している。判別部106は、画像に現れる識別画像に対応する情報を記憶部102から読み出し、折りずれが生じている面が第1面又は第2面のいずれであるかを判定する。
【0052】
図6の例において、制御部101は、例えば、読み取った画像に「■」の第1識別画像504が現れている場合、読み取った画像を第1面と特定する。
【0053】
ステップS102で、制御部101は、読み取られた画像に折りずれが現れているか判定する。読み取った画像に折りずれが現れていると判定する場合(ステップS102:YES)、ステップS103へ進む。
【0054】
ステップS103において、制御部101は、第1面の折り長が長くなる方向(すなわち、折り位置から第2面の用紙端へ向かう方向)を補正方向に決定する。
【0055】
一方、読み取った画像に折りずれが現れていない場合(ステップS102:NO)、ステップS104に進む。
【0056】
ステップS104において、制御部101は、読み取った面の実折り長を計測する。ここで「実折り長」とは、折り部110による折り処理がされた用紙にいて、折られた状態の用紙における用紙端から実折り位置までの最短の長さをいう。
【0057】
ステップS105において、計測された実折り長と、基準折り長との関係が、[実折り長<基準折り長]となる場合(ステップS105:YES)、ステップ103に進むすなわち、制御部101は、第1面が長くなる方向を補正方向に決定する(ステップS103)。
【0058】
一方、ステップS105において、[ 実折り長 < 基準折り長 ]とならない場合(すなわち、[実折り長>基準折り長])場合(ステップS105:NO)、ステップS106に進む。
【0059】
ステップS106において、制御部101は、第1面が短くなる方向(すなわち、折り位置から第1面の用紙端へ向かう方向(さらに言い換えると、第2面の折り長が長くなる方向))を補正方向に決定する。
【0060】
図12は、第1面及び第2面の両面における画像が読み取られる場合において、ステップS5において行われる折り位置の調整における、補正方向を決定する処理の例を示すフローチャート図である。この処理は、例えば、巻三つ折り、外三つ折り等の折り線が2本以上ある折り方が選択された場合に行われる。この処理は、例えばステップS5とステップS6との間において行われる。
【0061】
ステップS201において、制御部101(具体的には判別部106)は、読み取られた画像に現れる識別画像に基づいて、読み取った面が第1面又は第2面のいずれであるかを特定する。図11は、画像解析で得られる識別画像と、第1面及び第2面との関係を示すテーブルの例を示す図である。
【0062】
制御部101は、画像に現れる識別画像及びこのテーブルを参照し、読み取った画像が第1面又は第2面のいずれであるかを特定する。記憶部102は、識別画像の種類と、第1面又は第2面とを対応付けた情報を記憶している。判別部106は、画像に現れる識別画像に対応する情報を記憶部102から読み出し、折りずれが生じている面が第1面又は第2面のいずれであるかを判定する。
【0063】
図6の画像を読み取った例を考える。表面(図6(b))には「■」のマークが現れているので、制御部101は、この面を第1面と特定する。さらに、制御部101は、他方の画像(図6(c))における面を第2面と特定する。
【0064】
同様に、図8の画像を読み取った例を考える。表面(図8(b))には「■」のマークが現れているので、制御部101は、この面を第1面と特定する。さらに、裏面(図8(c))には「●」のマークが現れているので、制御部101は、この面を第2面と特定する。外三つ折りにおいては、第1面及び第2面の両面で折りずれが生じることがある。しかし、両面に形成された識別画像から、制御部101は、それぞれの折りずれが第1面及び第2面のどちらで生じている折りずれかを特定できる。
【0065】
再び図12を参照する。ステップS202において、制御部101は、特定された第1面に折りずれが現れているか判定する。読み取った画像に折りずれが現れていると判定された場合(ステップS202:YES)、制御部101は、処理をステップS203へ進める。
【0066】
ステップS203において、制御部101は、第1面の折り長が長くなる方向(すなわち、折り位置から第2面の用紙端へ向かう方向)を補正方向に決定する。
【0067】
一方、特定された第1面に折りずれが現れていないと判定された場合(ステップS202:NO)、制御部101は、処理をステップS204に進める。
【0068】
ステップS204において、制御部101は、第2面の折り長が長くなる方向(すなわち、折り位置から第1面の用紙端へ向かう方向)を補正方向に決定する。
【0069】
図13は、識別画像が形成された巻三つ折りの用紙を広げた状態の例を示す図である。図13(a)は、巻三つ折りの用紙を広げた状態における一方の面の例を示す図である。図13(b)は、巻三つ折りの用紙を広げた状態における他方の面の例を示す図である。折り線の本数が2本の場合、用紙は3つ領域に分割される。巻三つ折りの場合、折られた状態における用紙の外側となる面は、3つに分割される用紙の両側における一方の面、及び真ん中の面である。画像形成部104は、これらの面となる用紙の部分にそれぞれ異なる識別画像、例えば「■」及び「●」を形成する。巻三つ折りの場合には、広げた状態における用紙の同じ面(すなわち、片面)に複数の識別画像が形成される。
【0070】
図14は、識別画像が形成された外三つ折りの用紙における表裏の例を示す図である。図14(a)は、外三つ折りの用紙における表面(すなわち、一方の面)の例を示す図である。図14(b)は、外三つ折りの用紙における裏面(すなわち、他方の面)の例を示す図である。外三つ折りの場合、折られた状態における用紙の外側となる面は、3つに分割される用紙の両側における2つの面である。画像形成部104は、これらの面に相当する用紙の部分に異なるそれぞれ識別画像、例えば「■」及び「●」を形成する。外三つ折りの場合には、広げた状態における用紙の両面にそれぞれ識別画像が形成される。
【0071】
3.変形例
本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。以下に変形例をいくつか説明する。以下の変形例に記載した事項のうち2つ以上のものが組み合わせて用いられてもよい。
【0072】
3-1.識別画像
画像形成部104は、「■」、「●」等の識別画像を用紙に形成するのではなく、他の識別画像を用紙に形成してもよい。図15は、用紙に形成される識別画像の例を示す図である。図15(a)は、第1面に「■」の識別画像が形成された用紙の例を示す図である。図15(b)は、第1面に「■」が、第2面に「●」の識別画像が形成された用紙の例を示す図である。図15(c)は、第1面に「←(左向きの矢印)」が、第2面に「→(右向きの矢印)」の識別画像が形成された用紙の例を示す図である。矢印の先端は、それぞれ用紙端のある方向を示す。図15(d)は、第1面に「QRコード(登録商標)」の識別画像が形成された用紙の例を示す図である。QRコードは、折り方情報を示す画像の一例である。図15(e)は、「2本の線分」の識別画像が形成された用紙の例を示す図である。この2本の線分は、例えば、折り線を跨いで形成され、第1面では2本の線分は交わらないが、第2面では線分が交差するように、それぞれ傾きが異なる。図15(f)は、第1面に「パンチ穴」の識別画像が形成された用紙の例を示す図である。
3-2.用紙の自動読取
用紙を折ったまま折り位置を検知できる折り方の場合、ユーザに用紙を置かせるのではなく、画像形成装置1が自動的に用紙を画像読取部105に搬送してもよい。このとき、UI103は、案内画面を表示しなくてもよい。
【0073】
3-3.ハードウェア構成
なお、画像形成装置1のハードウェア構成はあくまで例示なものであって、どのようなハードウェア構成であってもよい。例えば、画像形成装置1と折り機(すなわち、折り部110)とが別の装置であってもよい。
【0074】
3-4.その他
制御部101が実行するプログラムは、それを記憶させた光ディスク等の記録媒体の形態で提供されてもよいし、インターネット等の通信回線を介してコンピュータにダウンロードさせ、それをインストールさせて利用可能にする形態で提供されてもよい。
【符号の説明】
【0075】
1…画像形成装置、101…制御部、102…記憶部、103…UI、104…画像形成部、105…画像読取部、106…判別部、107…特定部、108…決定部、109…検知部、110…折り部、18…折り機構、20…搬送路、22…トナー像形成部、24…定着部、26…トレイ、28…送り出しローラ、30…手差しトレイ、32Y,32M,32C,32K…現像ユニット、34…転写ベルト、36…転写ローラ、38Y,38M,38C,38K…感光体ドラム、38…ローラ、40…定着ローラ、44…自動搬送部、46…給紙トレイ、48…プラテンロール、49…排紙トレイ、50…露光光学系、52…光源、56…個体撮像素子CCD、58…排出トレイ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15