(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/00 20060101AFI20240702BHJP
G03G 15/01 20060101ALI20240702BHJP
G03G 21/12 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
G03G15/00 303
G03G15/01 J
G03G15/01 114
G03G21/12
(21)【出願番号】P 2020142723
(22)【出願日】2020-08-26
【審査請求日】2023-05-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100174104
【氏名又は名称】奥田 康一
(72)【発明者】
【氏名】栗原 一晃
【審査官】佐藤 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-045038(JP,A)
【文献】特開2013-254102(JP,A)
【文献】特開2018-084677(JP,A)
【文献】特開2015-138203(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/00
G03G 15/01
G03G 21/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
扁平形状の光輝性顔料を含む光輝性トナーにより第1トナー像を第1像担持体上に形成する第1画像形成部と、
光輝性顔料を含まない非光輝性トナーにより第2トナー像を第2像担持体上に形成する第2画像形成部と、
前記第1トナー像及び前記第2トナー像を転写体へ転写する転写部と、
前記転写部を制御する制御部と
を具え、
前記制御部は、前記転写体上に形成された前記第1トナー像に前記第2トナー像を重畳させない場合よりも、前記転写体上に形成された前記第1トナー像及び前記第2トナー像を重畳させる場合の方が、前記光輝性トナーの転写効率を低くするように制御する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記転写部は、前記第1トナー像を前記第1像担持体から前記転写体に転写する第1転写部、及び前記第2トナー像を前記第2像担持体から前記転写体に転写する第2転写部をそれぞれ有し、
前記制御部は、前記第1トナー像及び前記第2トナー像を前記転写体上で重畳させる場合に前記第1転写部へ印加する電圧の絶対値よりも、前記第1トナー像及び前記第2トナー像を前記転写体上で重畳させない場合に前記第1転写部へ印加する電圧の絶対値の方が小さくなるよう制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記転写部は、前記第1トナー像を前記第1像担持体から前記転写体に転写する第1転写部、及び前記第2トナー像を前記第2像担持体から前記転写体に転写する第2転写部をそれぞれ有し、
前記制御部は、前記第1トナー像及び前記第2トナー像を前記転写体上で重畳させない場合に、前記第2転写部において前記転写体上の前記第1トナー像の一部を前記第2像担持体へ逆転写させるよう制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記転写部は、複数の前記第2転写部を有し、
前記第1画像形成部に設けられ、前記第1像担持体から転写されずに回収された前記光輝性トナーを廃トナーとして収容する第1廃トナー収容部と、
前記第2画像形成部に設けられ、複数の前記第2転写部とそれぞれ対応し、前記第2像担持体から転写されずに回収された前記非光輝性トナー、及び前記第2転写部により前記転写体からそれぞれ回収された前記光輝性トナーを、前記廃トナーとしてそれぞれ収容する複数の第2廃トナー収容部と、
前記第1廃トナー収容部及び複数の前記第2廃トナー収容部にそれぞれ収容されている前記廃トナーの量である廃トナー量をそれぞれ算出する廃トナー量算出部と
を具え、
前記制御部は、前記第1トナー像及び前記第2トナー像を前記転写体上で重畳させない場合に、前記廃トナー量が最も少ない前記第2廃トナー収容部と対応する前記第2転写部により、前記転写体上の前記第1トナー像の一部を前記第2像担持体へ逆転写させるよう制御する
ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記転写部は、複数の前記第2転写部を有し、
前記第1画像形成部に設けられ、前記第1像担持体から転写されずに回収された前記光輝性トナーを廃トナーとして収容する第1廃トナー収容部と、
前記第2画像形成部に設けられ、複数の前記第2転写部とそれぞれ対応し、前記第2像担持体から転写されずに回収された前記非光輝性トナー、及び前記第2転写部により前記転写体からそれぞれ回収された前記光輝性トナーを、前記廃トナーとしてそれぞれ収容する複数の第2廃トナー収容部と、
前記第1廃トナー収容部及び複数の前記第2廃トナー収容部にそれぞれ収容されている前記廃トナーの量である廃トナー量をそれぞれ算出する廃トナー量算出部と
を具え、
前記制御部は、前記第1トナー像及び前記第2トナー像を前記転写体上で重畳させない場合に、前記第2廃トナー収容部それぞれの前記廃トナー量に応じた度合で、前記第2転写部により前記転写体上の前記第1トナー像の一部を前記第2像担持体へ逆転写させるよう制御する
ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記転写部は、複数の前記第2転写部を有し、
複数の前記第2転写部とそれぞれ対応し、前記第2像担持体から転写されずに回収された前記非光輝性トナー、及び前記第2転写部により前記転写体からそれぞれ回収された前記光輝性トナーを、廃トナーとしてそれぞれ収容する複数の第2廃トナー収容部と、
複数の前記第2廃トナー収容部にそれぞれ収容されている前記廃トナーの量である廃トナー量をそれぞれ算出する廃トナー量算出部と
を具え、
前記制御部は、前記第1トナー像及び前記第2トナー像を前記転写体上で重畳させない場合に、前記第2廃トナー収容部の前記廃トナー量が所定の基準値未満であるとき、当該第2廃トナー収容部と対応する前記第2転写部により、前記転写体上の前記第1トナー像の一部を前記第2像担持体へ逆転写させるよう制御する
ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第1像担持体から転写されずに回収された前記光輝性トナーを前記廃トナーとして収容する第1廃トナー収容部
を具え、
前記廃トナー量算出部は、前記第1廃トナー収容部に収容されている前記廃トナーの量を前記廃トナー量として算出し、
前記制御部は、前記第1トナー像及び前記第2トナー像を前記転写体上で重畳させない場合であって、且つ前記第1廃トナー収容部の前記廃トナー量が前記基準値未満となる場合、当該廃トナー量が当該基準値以上である場合よりも、前記光輝性トナーの転写効率を低くするように制御する
ことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記転写部は、複数の前記第2転写部を有し、
複数の前記第2転写部とそれぞれ対応し、前記第2像担持体から転写されずに回収された前記非光輝性トナー、及び前記第2転写部により前記転写体からそれぞれ回収された前記光輝性トナーを、廃トナーとしてそれぞれ収容する複数の第2廃トナー収容部と、
前記第2廃トナー収容部と一体に設けられ、複数の前記第2転写部とそれぞれ対応し、前記非光輝性トナーを収容する複数の第2トナー収容部と、
複数の前記第2トナー収容部にそれぞれ収容されている前記非光輝性トナーの量であるトナー量をそれぞれ算出するトナー量算出部と
を具え、
前記制御部は、前記第1トナー像及び前記第2トナー像を前記転写体上で重畳させない場合に、前記第2トナー収容部の前記トナー量が所定の基準値未満であるとき、当該第2トナー収容部と対応する前記第2転写部により、前記転写体上の前記第1トナー像の一部を前記第2像担持体へ逆転写させるよう制御する
ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記第1像担持体から転写されずに回収された前記光輝性トナーを前記廃トナーとして収容する第1廃トナー収容部と、
前記第1廃トナー収容部と一体に設けられ、前記光輝性トナーを収容する第1トナー収容部と
を具え、
前記トナー量算出部は、前記第1トナー収容部に収容されている前記トナー量を算出し、
前記制御部は、前記第1トナー像及び前記第2トナー像を前記転写体上で重畳させない場合であって、且つ前記第1トナー収容部の前記トナー量が前記基準値未満となる場合、当該トナー量が当該基準値以上である場合よりも、前記光輝性トナーの転写効率を低くするように制御する
ことを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置に関し、例えば電子写真式のプリンタに適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置として、コンピュータ装置等から供給される画像に基づき、各色の画像形成ユニットにより各色のトナーによるトナー画像を形成し、このトナー画像を用紙等の媒体に転写し、これに熱及び圧力を加えて定着させることにより、印刷処理を行うものが広く普及している。
【0003】
また近年では、アルミニウム等の金属顔料を含んだ光輝性トナーを用いることにより、一般的な顔料を含んだトナーを用いる場合と比較して、光沢を高めた印刷処理を行う画像形成装置も提案されている(例えば、特許文献1参照)。なお便宜上、光輝性トナーを用紙等の媒体に転写した際に表れる色を光輝色とも呼ぶ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、光輝性トナーは、含有される金属顔料の粒子が扁平な形状となっている。このため画像形成装置では、用紙に転写される光輝性トナーの層厚を比較的薄くした場合、層内で粒子の扁平な面が紙面と平行に近い姿勢に近付くため、結果的に高い光沢性が得られることになる。
【0006】
一方、画像形成装置の画像形成ユニットは、トナーを供給する供給ローラ、周側面にトナーの薄層を形成する現像ローラ、感光体ドラムを帯電させる帯電ローラ、及び周側面に形成された静電潜像に現像ローラからトナーを付着させてトナー画像を形成する感光体ドラム等を有している。また画像形成ユニットでは、例えば現像ブレードと呼ばれる板状の部材を現像ローラの周側面に押し当てており、該現像ブレードの剛性や現像ローラの周側面との間隔等を調整することにより、トナーの薄層の厚さを調整することができる。
【0007】
そこで画像形成装置では、例えば光輝色の画像形成ユニットにおいて、現像ブレードと現像ローラとの間隔を狭めることにより、該現像ローラの表面に形成する光輝性トナーの層厚を小さくすることが考えられる。しかしながらこの場合、画像形成ユニットでは、光輝性トナーに含まれる金属顔料が現像ブレード及び現像ローラの間に引っ掛かり、回転する現像ローラの表面上から光輝性トナーを除去してしまい、周方向に沿って光輝性トナーが付着していない筋状の部分が形成される場合がある。
【0008】
このような場合、画像形成装置は、光輝性トナーが用紙に転写された光輝トナー像において、該用紙の搬送方向に沿って光輝性トナーが局所的に付着していない筋状の部分(以下これを白スジと呼ぶ)が発生し、画質を大幅に低下させてしまう。
【0009】
また画像形成装置では、光輝色のみ(すなわち単色)による画像を形成する場合の他に、光輝色と他の色とを重ねた画像を形成する場合がある。このため画像形成装置では、光輝色単色の画像、及び光輝色と他の色とを重ねた画像の何れを形成する場合においても、光輝性トナーの層厚を極力薄くすることにより光輝性を高めたい、と言う要望があった。
【0010】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、光輝色を単色で使用する場合、及び他の色と重ねて使用する場合の何れにおいても光輝性を十分に発揮し得る画像形成装置を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
かかる課題を解決するため本発明の画像形成装置においては、扁平形状の光輝性顔料を含む光輝性トナーにより第1トナー像を第1像担持体上に形成する第1画像形成部と、光輝性顔料を含まない非光輝性トナーにより第2トナー像を第2像担持体上に形成する第2画像形成部と、第1トナー像及び第2トナー像を転写体へ転写する転写部と、転写部を制御する制御部とを設け、制御部は、転写体上に形成された第1トナー像に第2トナー像を重畳させない場合よりも、転写体上に形成された第1トナー像及び第2トナー像を重畳させる場合の方が、光輝性トナーの転写効率を低くするように制御するようにした。
【0013】
本発明は、転写体上に形成された第1トナー像に第2トナー像を重畳させない場合、転写効率を比較的高くして光輝性トナーのほぼ全てを転写体に転写させるため、第1画像形成部以外の他の箇所で該転写体から該光輝性トナーの一部を回収させることにより、第1トナー像の層厚を小さくできる。また本発明は、転写体上に形成された第1トナー像に第2トナー像を重畳させる場合、転写効率を比較的低くして光輝性トナーの一部を転写体に転写させるため、第1画像形成部において該光輝性トナーのうち転写されなかった残りの部分を第1像担持体から回収させることにより、第1トナー像の層厚を小さくできる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、光輝色を単色で使用する場合、及び他の色と重ねて使用する場合の何れにおいても光輝性を十分に発揮し得る画像形成装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】画像形成装置の全体構成を示す略線図である。
【
図2】画像形成ユニットの構成を示す略線図である。
【
図3】第1の実施の形態による画像形成装置の回路構成を示すブロック図である。
【
図4】ベタ画像パターンにおけるトナーの測定領域を示す略線図である。
【
図5】現像ローラ電圧及び供給ローラ電圧の差分とトナー付着量との関係を示す略線図である。
【
図6】現像ローラ電圧及び潜像電圧の差分とトナー付着量との関係を示す略線図である。
【
図7】1次転写電圧と視感反射率差分及び転写効率との関係を示す略線図である。
【
図8】転写効率を変化させた場合におけるトナーの転写を示す略線図である。
【
図9】トナーの転写及び逆転写を示す略線図である。
【
図10】印刷処理手順を示すフローチャートである。
【
図11】第1の実施の形態による逆転写設定処理手順を示すフローチャートである。
【
図12】第2の実施の形態による制御部の回路構成を示すブロック図である。
【
図13】第2の実施の形態による逆転写設定処理手順を示すフローチャートである。
【
図14】1次転写電圧とトナー付着量との関係並びに転写電圧補正値を示す略線図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
【0017】
[1.第1の実施の形態]
[1-1.画像形成装置の構成]
図1に示すように、第1の実施の形態による画像形成装置1は、電子写真式のプリンタであり、媒体としての用紙100にカラーの画像を形成する(すなわち印刷する)ことができる。因みに画像形成装置1は、原稿を読み取るイメージスキャナ機能や電話回線を使用した通信機能等を有しておらず、プリンタ機能のみを有する単機能のSFP(Single Function Printer)となっている。
【0018】
画像形成装置1は、略箱型に形成された筐体2の内部に種々の部品が配置されている。因みに以下では、
図1における右端部分を画像形成装置1の正面とし、この正面と対峙して見た場合の上下方向、左右方向及び前後方向をそれぞれ定義した上で説明する。
【0019】
画像形成装置1は、制御部3により全体を統括制御するようになっている。この制御部3は、コンピュータ装置等の上位装置(図示せず)と無線又は有線により接続されており、この上位装置から印刷対象の画像を表す画像データが与えられると共に当該画像データの印刷が指示されると、用紙100の表面に印刷画像を形成する印刷処理を実行する。また筐体2の上面における前寄りには、種々の情報を表示する表示部7と、ユーザの操作を受け付ける操作部8とが設けられている。
【0020】
筐体2の内部における上側には、前側から後側へ向かって、5個の画像形成ユニット10K、10C、10M、10Y、及び10Sが順に配置されている。画像形成ユニット10K、10C、10M、10Y、及び10CLは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、及びシルバー(S)の各色にそれぞれ対応しているものの、色のみが相違しており、何れも同様に構成されている。このうちシルバー(S)は、光輝色とも呼ばれており、アルミニウム等でなる扁平な金属顔料の粒子を含有し、該粒子の扁平面において光を高い反射率で反射するため、金属のような光輝性を持たせたい場合等に使用される。
【0021】
説明の都合上、以下では画像形成ユニット10K、10C、10M、10Y、及び10Sをまとめて画像形成ユニット10とも呼ぶ。また以下では、シルバー以外の各色、すなわちブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)及びイエロー(Y)の4色をまとめて標準カラーと呼ぶ。さらに以下では、シルバーの画像形成ユニット10Sを第1画像形成部とも呼び、また標準カラーの画像形成ユニット10(10K、10C、10M及び10Y)を第2画像形成部とも呼ぶ。
【0022】
画像形成ユニット10は、現像ユニットとも呼ばれており、
図2に示すように、画像形成本体部11、トナーカートリッジ12及びLED(Light Emitting Diode)ヘッド13により構成されている。このうちLEDヘッド13は、露光装置とも呼ばれており、複数のLEDチップが左右方向に沿って直線状に配置されている。
【0023】
トナーカートリッジ12は、画像形成本体部11の上側に設けられ、当該画像形成本体部11の上端近傍に対し着脱可能に構成されている。トナーカートリッジ12の内部には、未使用のトナーを収容するトナー収容部12Aと、廃棄すべき廃トナーを収容する廃トナー収容部12Bとが設けられている。このトナーカートリッジ12は、トナー収容部12Aに収容されているトナーを画像形成本体部11へ供給すると共に、該画像形成本体部11において回収された廃トナーを廃トナー収容部12Bに収容する。
【0024】
説明の都合上、以下では、シルバーの画像形成ユニット10Sにおけるトナーカートリッジ12のトナー収容部12A及び廃トナー収容部12Bを、それぞれ第1トナー収容部及び第1廃トナー収容部とも呼ぶ。また以下では、標準カラー各色の画像形成ユニット10におけるトナーカートリッジ12のトナー収容部12A及び廃トナー収容部12Bを、それぞれ第2トナー収容部及び第2廃トナー収容部とも呼ぶ。
【0025】
画像形成本体部11には、供給ローラ14、現像ローラ15、現像ブレード16、感光体ドラム17、帯電ローラ18及びクリーニングブレード19が設けられると共に、本体側トナー収容空間11A及び本体側廃トナー収容空間11Bがそれぞれ形成されている。このうち供給ローラ14、現像ローラ15、感光体ドラム17及び帯電ローラ18は、中心軸を左右方向に沿わせた細長い円柱状又は円筒状に形成されており、それぞれ画像形成本体部11により回転可能に支持されると共に、その一端(例えば右端)に、図示しないギヤが設けられている。また画像形成本体部11は、供給ローラ14等の各ギヤ、及び他のギヤ等の組み合わせにより、該供給ローラ14等に駆動力を順次伝達する駆動伝達部11Tを形成している。
【0026】
本体側トナー収容空間11Aは、画像形成本体部11の後上寄りに位置する空間であり、トナーカートリッジ12が装着された状態におけるトナー収容部12Aのほぼ真下に位置し、該トナー収容部12Aから供給されるトナーを収容する。また本体側トナー収容空間11Aには、収容されているトナーを撹拌するトナー撹拌機構(図示せず)等が設けられている。説明の都合上、以下では、シルバーのトナーを光輝性トナーとも呼び、また標準カラー各色のトナーを非光輝性トナーとも呼ぶ。
【0027】
供給ローラ14は、周側面に導電性ウレタンゴム発泡体等でなる弾性層が形成されており、本体側トナー収容空間11Aの後下側に位置している。現像ローラ15は、周側面に弾性を有する弾性層や導電性を有する表面層等が形成されており、供給ローラ14の前側に当接している。現像ブレード16は、例えば所定厚さのステンレス鋼板でなり、僅かに弾性変形した状態で、その下端近傍を現像ローラ15の周側面における上端近傍に当接させている。
【0028】
感光体ドラム17は、導電性支持体17A及び光導電層17Bを有している。導電性支持体17Aは、例えばアルミニウムの管状部材である。光導電層17Bは、例えば導電性支持体17Aの外周面に電荷発生層、電荷輸送層を順次積層した有機系感光体である。この感光体ドラム17は、画像形成本体部11の下側から下端近傍を露出させており、且つ現像ローラ15の前側に当接している。説明の都合上、以下では感光体ドラム17を像担持体とも呼び、シルバーの画像形成ユニット10Sにおける感光体ドラム17を第1像担持体とも呼び、標準カラー各色の画像形成ユニット10における感光体ドラム17を第2像担持体とも呼ぶ。
【0029】
帯電ローラ18は、例えば金属製の管状部材の外周面に、半導電性エピクロロヒドリンゴム層を被覆した構成であり、感光体ドラム17の前上側に当接している。クリーニングブレード19は、例えばウレタンゴム製であり、左右方向に長い薄板状に形成され、感光体ドラム17の前下側に当接している。このためクリーニングブレード19は、感光体ドラム17が回転し、且つその周側面にトナーが付着していた場合、このトナーを掻き落とすことができる。本体側廃トナー収容空間11Bは、クリーニングブレード19の前下側に位置し、上側乃至後側を除いた各部分が概ね閉塞された空間を形成しており、感光体ドラム17から掻き落とされた廃トナーを一時的に収容する。
【0030】
また画像形成本体部11には、図示しない廃トナー搬送部が設けられている。この廃トナー搬送部は、本体側廃トナー収容空間11Bとトナーカートリッジ12の廃トナー収容部12Bとを接続すると共に、所定の搬送機構が組み込まれており、該本体側廃トナー収容空間11Bから該廃トナー収容部12Bへ廃トナーを搬送する。
【0031】
この画像形成本体部11は、後述する駆動モータから駆動力が供給されることにより、供給ローラ14、現像ローラ15及び帯電ローラ18を矢印R1方向(図中の時計回り)へ回転させると共に、感光体ドラム17を矢印R2方向(図中の反時計回り)へ回転させる。さらに画像形成本体部11は、供給ローラ14、現像ローラ15、現像ブレード16及び帯電ローラ18にそれぞれ所定のバイアス電圧を印加することにより、それぞれ帯電させる。
【0032】
供給ローラ14は、帯電により、本体側トナー収容空間11A内のトナーを周側面に付着させ、回転によりこのトナーを現像ローラ15の周側面に付着させる。現像ローラ15は、現像ブレード16によって周側面から余分なトナーが除去された後、この周側面を感光体ドラム17の周側面に当接させる。
【0033】
一方、帯電ローラ18は、帯電した状態で感光体ドラム17と当接することにより、当該感光体ドラム17の周側面を一様に帯電させる。LEDヘッド13は、制御部3(
図1)から供給される画像データ信号に基づいた発光パターンで、所定の時間間隔毎に発光することにより、感光体ドラム17を露光する。これにより感光体ドラム17は、その上端近傍において周側面に静電潜像が形成される。
【0034】
続いて感光体ドラム17は、矢印R2方向へ回転することにより、この静電潜像が形成された箇所を現像ローラ15と当接させる。これにより感光体ドラム17の周側面には、静電潜像に基づいてトナーが付着し、画像データに基づいたトナー画像が現像される。感光体ドラム17は、さらに矢印R2方向へ回転することにより、トナー画像を該感光体ドラム17の下端近傍に到達させる。説明の都合上、以下ではシルバーのトナー画像を第1トナー像とも呼び、また標準カラー各色のトナー画像を第2トナー像とも呼ぶ。
【0035】
一方、筐体2(
図1)内における各画像形成ユニット10の下側には、中間転写部20が配置されている。中間転写部20には、駆動ローラ21、従動ローラ22、2次転写バックアップローラ23及び中間転写ベルト24、5個の1次転写ローラ25、並びにベルトクリーニングユニット26が設けられている。このうち駆動ローラ21、従動ローラ22、2次転写バックアップローラ23及び1次転写ローラ25は、何れも中心軸を左右方向に沿わせた円柱状に形成されている。
【0036】
駆動ローラ21は、画像形成ユニット10Kの前下側に配置されており、筐体2により回転可能に支持されている。この駆動ローラ21は、図示しないモータから駆動力が供給されると、矢印R1方向に回転する。従動ローラ22は、画像形成ユニット10Sの後下側に配置されており、筐体2により回転可能に支持されている。駆動ローラ21及び従動ローラ22は、それぞれの上端が、各画像形成ユニット10における感光体ドラム17の下端と同等若しくは僅かに下側に位置している。2次転写バックアップローラ23は、駆動ローラ21の後下側且つ従動ローラ22の前下側に配置されており、回転可能に支持されている。
【0037】
転写体としての中間転写ベルト24は、高抵抗のプラスチックフィルムにより無端ベルトとして構成されており、駆動ローラ21、従動ローラ22及び2次転写バックアップローラ23の周囲を周回するように張架されている。さらに中間転写部20には、中間転写ベルト24のうち駆動ローラ21及び従動ローラ22の間に張架された部分の下側、すなわち5個の画像形成ユニット10それぞれの真下となる位置であり、中間転写ベルト24を挟んで各感光体ドラム17とそれぞれ対向する位置に、5個の1次転写ローラ25がそれぞれ配置されている。1次転写ローラ25は、筐体2により回転可能に支持されると共に、所定のバイアス電圧が印加されるようになっている。
【0038】
以下では、1次転写ローラ25を転写部とも呼び、シルバーの画像形成ユニット10Sと対応する1次転写ローラ25を第1転写部とも呼び、標準カラー各色の画像形成ユニット10とそれぞれ対応する1次転写ローラ25を第2転写部とも呼ぶ。また以下では、感光体ドラム17及び1次転写ローラ25の間で中間転写ベルト24を挟持している箇所を1次転写箇所P25と呼ぶ(
図2)。
【0039】
ベルトクリーニングユニット26は、従動ローラ22の前下側に配置されており、クリーニングブレード26A及び廃トナー収容器26Bにより構成されている。クリーニングブレード26Aは、画像形成ユニット10(
図2)のクリーニングブレード19と同様、左右方向に長い薄板状に形成され、中間転写ベルト24の外周面に当接している。このためクリーニングブレード26Aは、中間転写ベルト24が走行し、且つその外周面にトナーが付着していた場合、このトナーを掻き落とすことができる。廃トナー収容器26Bは、クリーニングブレード26Aの前下側に位置し、上側の一部を除いた各部分が概ね閉塞された空間を形成しており、中間転写ベルト24から掻き落とされた廃トナーを収容する。
【0040】
中間転写部20は、後述する用紙搬送モータから供給される駆動力により駆動ローラ21を矢印R1方向へ回転させ、これにより中間転写ベルト24を矢印D1に沿った方向に走行させる。また各1次転写ローラ25は、所定のバイアス電圧が印加された状態で、矢印R1方向に回転する。これにより各画像形成ユニット10は、感光体ドラム17(
図2)の周側面における下端近傍の1次転写箇所P25において、トナー画像を中間転写ベルト24にそれぞれ転写し、且つ各色のトナー画像を順次重ねることができる。このとき中間転写ベルト24の表面には、上流側のシルバーから順次、各色のトナー画像が重ねられることになる。中間転写部20は、この中間転写ベルト24を走行させることにより、画像形成ユニットから転写されたトナー画像を、2次転写バックアップローラ23の近傍に到達させる。
【0041】
このとき画像形成ユニット10(
図2)では、感光体ドラム17の周側面に形成されていたトナー画像を構成するトナーのうち、中間転写ベルト24に転写されなかったものを、クリーニングブレード19により掻き落として廃トナーとし、これを本体側廃トナー収容空間11Bに収容させる。その後、廃トナーは廃トナー搬送部(図示せず)によりトナーカートリッジ12の廃トナー収容部12Bへ搬送され、収容される。
【0042】
一方、筐体2(
図1)内の最下部には、用紙100を収容する用紙カセット5が設けられている。用紙カセット5の前上方には、給紙部30が配置されている。給紙部30は、用紙カセット5の前上側に配置されたホッピングローラ31、用紙100を搬送路6(図中に破線で示す)に沿って上方へ案内する搬送ガイド33、該搬送路6を挟んで互いに対向するレジストローラ35等により構成されている。因みに
図1では、搬送ガイド33の一部を模式的に表している。
【0043】
給紙部30は、制御部3の制御に基づいて各ローラを適宜回転させることにより、用紙カセット5に集積された状態で収容されている用紙100を1枚ずつ分離しながらピックアップし、搬送ガイド33により搬送路6に沿って前上方へ進行させ、やがて後上方へ折り返してレジストローラ35に当接させる。レジストローラ35は、回転が適宜抑制されており、用紙100に摩擦力を作用させることにより、進行方向に対して該用紙100の側辺が傾斜する、いわゆる斜行を修正し、先頭及び末尾の端辺を左右に沿わせた状態としてから、後方へ送り出す。
【0044】
レジストローラ35の後側には、中搬送部40が配置されている。中搬送部40は、搬送ガイド41によりほぼ前後方向に沿った搬送路6を形成しており、その途中に2次転写部43が配置されている。
【0045】
2次転写部43は、搬送路6の上側に上述した中間転写部20の2次転写バックアップローラ23を配置し、該搬送路6の下側に2次転写ローラ44を配置している。2次転写ローラ44は、2次転写バックアップローラ23と同様、中心軸を左右方向に沿わせた円柱状に構成されており、図示しない支持部材により回転可能に支持されると共に上方向に付勢されている。すなわち2次転写部43は、2次転写バックアップローラ23及び2次転写ローラ44により、搬送路6上で、中間転写ベルト24を上下から挟持(すなわちニップ)している。さらに2次転写ローラ44は、所定のバイアス電圧が印加されている。このため2次転写部43は、中間転写ベルト24上のトナー画像を用紙100に転写し、この用紙100を後方へ送り出すことができる。
【0046】
2次転写部43(
図1)の後側には、定着部45が配置されている。定着部45は、搬送路6を挟んで対向するように配置された加熱ローラ46及び加圧ローラ47により構成されている。加熱部としての加熱ローラ46は、中心軸を左右方向に向けた円筒状に形成されており、内部にヒータや温度を検出する温度センサ等が設けられている。加圧部としての加圧ローラ47は、加熱ローラ46と同様の円筒状に形成されており、上側の表面を加熱ローラ46における下側の表面に押し付けている。
【0047】
この定着部45は、後述する定着制御部の制御に基づき、加熱ローラ46を所定の温度に加熱すると共に当該加熱ローラ46及び加圧ローラ47をそれぞれ所定方向へ回転させる。これにより定着部45は、2次転写部43から各色のトナー画像が重ねて転写された用紙100を受け取ると、これを加熱ローラ46及び加圧ローラ47により挟持し(すなわちニップし)、さらに熱及び圧力を加えることにより、該トナー画像を該用紙100に定着させて、後方へ送り出す。
【0048】
定着部45の後上側には、排紙部50が設けられている。排紙部50は、用紙100を搬送路6に沿って上方へ案内する搬送ガイド51、及び搬送路6を挟んで互いに対向する搬送ローラ52、53及び54等により構成されている。排紙部50は、定着部45から受け取った用紙100を搬送路6に沿って後上方へ搬送し、やがて前上方へ折り返して排出口55から排紙トレイ56へ排出する。
【0049】
このようにして画像形成装置1では、5個の画像形成ユニット10により5色分のトナー画像を形成して中間転写ベルト24に順次転写し、これを2次転写部43において用紙100に転写し、さらに定着部45によって定着させることにより、いわゆる中間転写方式によって、シルバーを含むカラーの画像を用紙100に印刷する。
【0050】
[1-2.画像形成装置の回路構成]
次に、画像形成装置1の回路構成について説明する。
図3に示すように、画像形成装置1は、制御部3を中心に回路が構成されている。この制御部3には、印刷制御部61、記憶部62、インターフェイス制御部64、高圧電源制御部65、ヘッド駆動制御部66、定着制御部67、搬送モータ制御部68及び駆動制御部69等が設けられている。
【0051】
印刷制御部61は、図示しないCPU(Central Processing Unit)やマイクロプロセッサ、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)、入出力ポート及びタイマ等を有しており、記憶部62から所定のプログラムを読み出して実行することにより、様々な処理を実行する。また印刷制御部61は、操作部8から操作信号を取得すると共に、センサ群9から種々の検知信号を取得する。このうちセンサ群9は、画像形成装置1の内部における種々の箇所に設けられた種々のセンサであり、例えば用紙100の有無や装置内部の温度及び湿度、画像形成ユニット10により生成されたトナー画像におけるトナーの濃度、及びトナーカートリッジ12におけるトナーの残量等を検知する。
【0052】
記憶部62は、例えばRAMのような揮発性の記憶手段及びフラッシュメモリやハードディスクドライブ等のような不揮発性の記憶手段であり、各種プログラムや設定情報等、種々の情報を記憶する。また記憶部62には、受信メモリ62A及び画像データメモリ62Bを有している。
【0053】
インターフェイス制御部64は、所定のネットワーク等を介して上位装置(図示せず)等と接続されており、この上位装置等から印刷データや制御コマンド等を受信して印刷制御部61へ供給し、又は記憶部62の受信メモリ62Aに供給して記憶させる。印刷制御部61は、受信メモリ62Aに記憶されている印刷データを読み出して所定の編集処理を行うことにより画像データを生成し、これを画像データメモリ62Bに記憶させ、またこれを読み出してヘッド駆動制御部66へ供給する。
【0054】
高圧電源制御部65は、印刷制御部61の命令に基づき、帯電電圧電源71、現像ローラ電圧電源72、現像ブレード電圧電源73、供給ローラ電圧電源74、1次転写電圧電源75及び2次転写電圧電源76とそれぞれ接続されており、それぞれから供給する電力の電圧を制御する。この帯電電圧電源71、現像ローラ電圧電源72、現像ブレード電圧電源73、供給ローラ電圧電源74、1次転写電圧電源75及び2次転写電圧電源76は、帯電ローラ18、現像ローラ15、現像ブレード16、供給ローラ14、1次転写ローラ25及び2次転写バックアップローラ23に対して、それぞれ電力を供給する。
【0055】
以下では、帯電ローラ18、現像ローラ15、現像ブレード16、供給ローラ14、1次転写ローラ25及び2次転写バックアップローラ23にそれぞれ印加される電圧を、帯電電圧V18、現像ローラ電圧V15、現像ブレード電圧V16、供給ローラ電圧V14、1次転写電圧V25及び2次転写電圧V23とする。
【0056】
ヘッド駆動制御部66は、画像データメモリ62Bから読み出された画像データが印刷制御部61から供給されると、該印刷制御部61の命令に基づき、これをLEDヘッド13へ供給すると共に、該LEDヘッド13を制御することにより、画像データに基づいた発光パターンで各LEDを発光させる。定着制御部67は、印刷制御部61の命令に基づき、定着部45の加熱ローラ46を所定の温度となるように制御しながら、該加熱ローラ46及び加圧ローラ47の回転を制御する。
【0057】
搬送モータ制御部68は、印刷制御部61の命令に基づき、用紙搬送モータ77を制御する。これに応じて用紙搬送モータ77は、給紙部30(
図1)のレジストローラ35、中間転写部20の駆動ローラ21及び排紙部50の搬送ローラ52等へ駆動力を供給する。
【0058】
駆動制御部69は、印刷制御部61の命令に基づき、駆動モータ78を制御する。これに応じて駆動モータ78は、画像形成ユニット10(
図2)の感光体ドラム17に駆動力を供給する。また感光体ドラム17は、画像形成本体部11の駆動伝達部11Tを介して、駆動力を現像ローラ15等へ伝達する。
【0059】
また印刷制御部61(
図3)は、所定の印刷プログラムを実行することにより、その内部に転写効率制御部81、逆転写制御部82、印刷画像密度算出部83及びトナー廃棄制御部84といった複数の機能ブロックを形成する。
【0060】
転写効率制御部81は、5個の画像形成ユニット10それぞれについて、転写効率を制御する。この転写効率は、画像形成ユニット10において、感光体ドラム17から中間転写ベルト24へトナー画像を転写する際に、該感光体ドラム17に付着しているトナーのうち中間転写ベルト24に転写されたトナーの割合を、百分率により表した数値[%]である。
【0061】
これを換言すれば、転写効率は、感光体ドラム17上に付着した(すなわち現像された)トナーの、中間転写ベルト24への転写性の良さを効率の良さと見なして、数値化したものである。このため転写効率は、その数値が小さいほどトナーの転写性が悪いことを示し、その数値が大きいほど転写性が良いことを示している。
【0062】
逆転写制御部82は、標準カラー各色の画像形成ユニット10(10K、10C、10M及び10Y)において、中間転写ベルト24から感光体ドラム17にトナーを転写させる逆転写に関する制御を行う。
【0063】
印刷画像密度算出部83は、5個の画像形成ユニット10それぞれについて、すなわちトナーの色ごとに、トナー画像を生成する場合における印刷画像密度をそれぞれ算出する。ここで印刷画像密度は、印刷デューティとも呼ばれており、印刷可能範囲を構成する全画素に対する、トナーを転写する画素の割合を百分率により表した数値[%]である。
【0064】
これを換言すれば、例えば所定の領域(例えば感光ドラム1周分や印刷媒体1ページ分等)の印刷可能範囲における全部分にベタ画像(ソリッド画像)を印刷する場合のような、印刷する面積の割合(すなわち面積率)が100[%]となる場合、印刷画像密度は100[%]となる。また、この印刷可能範囲のうち1[%]に相当する面積に印刷を行う場合、印刷画像密度は1[%]となる。
【0065】
ここで、使用ドット数Cm、回転数Cd及び総ドット数COを用いて、印刷画像密度DPDを数式化すると、次の(1)式のように表すことができる。
【0066】
【0067】
ただし使用ドット数Cmは、感光体ドラム17がCd回転する間に、実際に画像を形成するために使用されたドットの数であり、当該画像を形成する間にLEDヘッド13(
図2)により露光されたドットの総数である。また総ドット数COは、感光体ドラム17(
図2)の1回転あたりの総ドット数、すなわち、露光の有無に限らず、感光体ドラム17が1回転する間に使用し得る、画像を形成する際に潜在的に使用可能なドットの総数である。換言すれば、総ドット数COは、全ての画素にトナーを転写するベタ画像(ソリッド画像)を形成する場合に用いられるドット数の合計値である。従って、値(Cd×CO)は、感光体ドラム17がCd回転する間に、画像を形成する際に潜在的に使用可能なドット数の合計値を表す。
【0068】
トナー廃棄制御部84は、画像形成本体部11(
図2)の本体側トナー収容空間11Aに収容されているトナーが長時間に渡って撹拌され、十分に劣化したと判定した場合に、当該トナーを廃棄させるトナー廃棄処理を行うよう制御する。
【0069】
トナー廃棄制御部84は、このトナー廃棄処理において、まず本体側トナー収容空間11A(
図2)内のトナーを現像ローラ15により感光体ドラム17に付着させ、これをクリーニングブレード19により掻き落とすことで本体側廃トナー収容空間11Bに収容させる。続いてトナー廃棄制御部84は、本体側廃トナー収容空間11Bに収容されているトナー(すなわち廃トナー)を、廃トナー搬送部(図示せず)により搬送し、トナーカートリッジ12の廃トナー収容部12Bに収容させる。
【0070】
このように画像形成装置1では、制御部3の印刷制御部61を中心として、高圧電源制御部65等の各制御部と連携しながら各部を適宜制御することにより、上位装置から得られた印刷データや制御コマンド等に基づいた画像を適切に印刷し得るようになっている。
【0071】
[1-3.トナーの製造]
次に、画像形成ユニット10(
図2)のトナーカートリッジ12に収容されるトナー(現像剤とも呼ばれる)の製造について説明する。本実施の形態では、特に光輝色であるシルバーのトナー(すなわち光輝性トナー)の製造について説明する。
【0072】
光輝色であるシルバーのトナーは、上述したように、アルミニウム等でなる金属の粒子を顔料として含有している。以下では、この顔料を金属顔料又は光輝性顔料とも呼ぶ。シルバーのトナーは、上述したように、主に扁平形状の粒子でなる顔料を含有しており、比較的大きい面積を有する扁平面において、多くの光を一定の方向へ反射することにより、光輝性(いわゆるメタリック感)を呈する。一方、標準カラー各色のトナーは、主に非扁平な形状の粒子でなる顔料を含有しており、当該顔料の粒子が、球状や楕円体状、或いは複雑な立体形状等であり、扁平面のような比較的大きい平坦な面を有していないため、光の反射率が相対的に低くなっている。説明の都合上、以下ではシルバーのトナーを扁平顔料トナーとも呼び、また標準カラー各色のトナーを非扁平顔料トナーとも呼ぶ。
【0073】
また、一般に現像剤は、所望の色を発色させるための顔料の他に、この顔料を用紙100等の媒体に結着させるための結着樹脂や、帯電性を向上させるための外添剤等が含まれている。説明の都合上、以下では、顔料及び結着樹脂を含む粒子やこの粒子が集合した粉状物をトナー又はトナー粒子と呼ぶ。
【0074】
このシルバーのトナーを製造する場合、本実施の形態では、まず無機分散剤を分散させた水性媒体を生成する。具体的には、純水27000重量部に工業用リン酸三ナトリウム十二水和物920重量部を混合し、液温60[℃]で溶解させた後、pH(水素イオン指数)調整用の希硝酸を添加する。この水溶液に、純水4500重量部に工業用塩化カルシウム無水物440重量部を溶解させた塩化カルシウム水溶液を投入し、液温を60[℃]に維持しながら、ラインミル(プライミクス株式会社)により回転速度を3566[rpm]で34分間高速撹拌させる。これにより、懸濁安定剤(無機分散剤)を分散させた水性媒体である水相を調整する。
【0075】
また本実施の形態では、樹脂溶液を調整する工程において、顔料分散油性媒体を生成する。具体的には、有機溶媒である酢酸エチル7430重量部に対し、光輝性顔料(体積中位径5.37[μm])を395重量部、及び帯電制御剤(BONTRON E-84:オリエント化学工業株式会社製)を60重量部、それぞれ混合し、顔料分散液を作成する。このうち光輝性顔料は、アルミニウム(Al)の微小な薄片、すなわち平板状、扁平状若しくは鱗片状に形成された小片を含有している。以下では、この光輝性顔料をアルミニウム顔料、金属顔料又は銀トナー顔料とも呼ぶ。
【0076】
ここで光輝性顔料は、仮に体積中位径(平均粒径、平均中位径、又は顔料粒径とも呼ぶ)が5[μm]未満であった場合、現像剤の光輝性が比較的低くなり、画像の光輝性も低くなり、画像品位が低下してしまうと考えられる。また光輝性顔料は、仮に体積中位径が20[μm]よりも大きい場合、該光輝性顔料をトナー母粒子に内包させることができず、現像剤を形成することが困難になること、また仮に現像剤を形成できたとしても、画像形成装置1内においてこの現像剤を搬送することが困難になり、画像を適切に形成できないと考えられる。このため光輝性顔料は、5[μm]以上20[μm]以下が好ましい。
【0077】
その後、本実施の形態では、顔料分散液の液温を60[℃]に維持しながら、帯電制御樹脂(FCA-726N:藤倉化成株式会社製)を60重量部、離型剤としてエステルワックス(WE-4:日油株式会社製)を150重量部、バインダ樹脂(結着樹脂)としてポリエステル樹脂を1310重量部投入し、固形物がなくなるまで撹拌させる。これにより、顔料分散油性媒体である油相を調製する。
【0078】
次に本実施の形態では、液温を60[℃]に維持した水相に油相を投入し、回転速度を900[rpm]として5分間撹拌することにより懸濁させ、懸濁液中に粒子を形成する。続いて、懸濁液を減圧蒸留することにより酢酸エチルを除去し、現像剤を含むスラリーを形成する。さらに、このスラリーに硝酸を加えてpH(水素イオン指数)を1.6以下にして撹拌し、懸濁安定剤であるリン酸三カルシウムを溶解させ、脱水することにより、現像剤を形成する。続いて、脱水した現像剤を純水に再分散させて撹拌し、水洗浄を行う。その後、本実施の形態では、脱水工程、乾燥工程及び分級工程を行うことにより、トナー母粒子を生成する。
【0079】
本実施の形態では、このようにして生成したトナー母粒子に、外添工程として小シリカ(RY200:日本アエロジル株式会社製)を1.5[重量%]、コロイダルシリカ(X24-9163A:信越化学工業株式会社製)を2.29[重量%]、メラミン粒子(EPOSTAR S:株式会社日本触媒製)を0.37[重量%]入れて混合する。かくして本実施の形態では、光輝性を有するシルバーのトナーを得ることができる。
【0080】
[1-4.トナー付着量の調整]
次に、画像形成装置1により印刷処理を行う場合における、用紙100等の媒体に付着するトナーの単位面積当たりの量を表すトナー付着量(媒体上付着量とも呼ぶ)の調整について説明する。
【0081】
[1-4-1.トナー付着量の定義及び測定]
本実施の形態では、画像形成ユニット10において形成されたトナー画像が、中間転写ベルト24に転写された上で、2次転写部43において用紙100に転写された場合における、該用紙100に付着したトナーの単位面積当たりの重量[mg/cm2]を、トナー付着量と定義する。
【0082】
すなわちトナー付着量は、用紙100の紙面のうち1[cm2]の範囲に付着したトナーの重量を計測することにより求められる。そこで本実施の形態では、例えば以下の要領で光輝性トナーのトナー付着量を計測及び算出した。
【0083】
まず、金属製でなり平面状の部分を有する治具を用意し、この治具の平面部分のうち面積が1[cm2]である部分に両面テープを貼り付ける。この状態でこの治具の重量を電子天秤(ザルトリウス、CAP225D)で計測した後、外部電源を用いて+300[V]の直流電圧をこの治具に印加する。
【0084】
次に、
図4に示すように、印刷画像密度を100[%]とした画像パターン(すなわちトナー画像、以下これをベタ画像パターンBTと呼ぶ)を転写した媒体(すなわち用紙100)を用意する。この媒体に対し、主走査方向に関してほぼ中央であり媒体搬送方向(すなわち副走査方向)に関して先頭付近である10[mm]四方の領域(以下これを測定領域ARと呼ぶ)に対し、治具を1回押し当てて媒体上のトナーを採取する。因みに用紙100は、主走査方向(図における左右方向)の長さが297[mm]であり、A4サイズにおける長辺又はA3サイズにおける短辺と同等である。続いて、トナーが付着した治具の重量を、電子天秤により再び計測する。その後、トナー採取の前後における治具の重量の増加分を算出することにより、トナー付着量[mg/cm
2]が得られる。
【0085】
また本実施の形態では、感光体ドラム17のトナー付着量[mg/cm2]についても、同様の手法により計測及び算出した。具体的には、画像形成装置1の画像形成ユニット10Sにおいて感光体ドラム17の周側面にシルバーのトナー画像を形成し、当該トナー画像が中間転写ベルト24に転写される前に該感光体ドラム17の回転を停止させた状態で、該感光体ドラム17の周側面に付着しているトナーを採取及び計測し、トナー付着量を算出した。
【0086】
[1-4-2.各部の電圧とトナー付着量との関係]
次に、画像形成装置1としてMICROLINE C941(株式会社沖データ製)を使用した場合に、シルバーの画像形成ユニット10S(
図2)における現像ローラ電圧V15及び供給ローラ電圧V14の差分電圧を変化させながら、現像ローラ15に対するトナーの付着量を求めたところ、
図5に示すようなグラフが得られた。
【0087】
図5の横軸、すなわち画像形成ユニット10S(
図2)における現像ローラ電圧V15及び供給ローラ電圧V14の差分は、供給ローラ14から現像ローラ15に対するトナーの供給の度合に影響を与える。
【0088】
一方、画像形成ユニット10Sでは、仮に供給ローラ14から現像ローラ15に対するトナーの供給量が不十分であり、現像ローラ15におけるトナーの層厚が比較的薄かった場合、該現像ローラ15の外周面と現像ブレード16との隙間が比較的狭くなる。そうすると画像形成ユニット10Sでは、シルバーのトナーに含まれる光輝性顔料の粒子がこの隙間に引っ掛かり、いわば詰まった状態を発生させるため、現像ローラ15の回転に伴い、該現像ローラ15の外周面に周方向に沿ってトナーが付着していない筋状の部分が発生する恐れがある。
【0089】
この場合、画像形成ユニット10Sでは、感光体ドラム17の外周面に形成されるトナー画像においても、周方向に沿って筋状にトナーが付着していない部分が形成されてしまう。そうすると、画像形成装置1では、2次転写部43において用紙100に転写される画像において、該用紙100の搬送方向に沿って筋状にシルバーのトナーが付着していない部分、いわゆる白スジが発生してしまう。
【0090】
そこで画像形成ユニット10Sでは、現像ローラ15の周側面に付着するトナーの層に関し、光輝性顔料の粒子が引っ掛からない程度の層厚となるように、具体的にはトナー付着量が0.85[mg/cm
2]以上となるように、現像ローラ電圧V15及び供給ローラ電圧V14の差分電圧が設定されている(
図5)。因みに画像形成ユニット10Sでは、トナー付着量が0.85[mg/cm
2]未満であった場合、現像ローラ15の周側面において周方向に沿って筋状にトナーが付着していない状態、すなわち「スジ」が発生した状態となることが観察されたため、トナー画像の生成に適さないと評価された。
【0091】
ところで画像形成ユニット10Sでは、現像ローラ電圧V15と、感光体ドラム17においてLEDヘッド13により露光された潜像部分の電圧(以下これを潜像電圧と呼ぶ)との差分電圧を変化させることにより、感光体ドラム17のトナー付着量を増減させることができる。そこで、画像形成ユニット10Sにおいて、潜像電圧と感光体ドラム17におけるトナー付着量との関係を求めたところ、
図6に示すようなグラフが得られた。
【0092】
また画像形成ユニット10Sでは、現像ローラ15の周速度(すなわち周側面の進行速度)と、感光体ドラム17の周速度とを相違させる(差を持たせる)ことにより、現像ローラ15のトナー付着量と感光体ドラム17のトナー付着量とを相違させることができる。そこで画像形成ユニット10Sでは、現像ローラ15の周速度よりも感光体ドラム17の周速度を小さく(すなわち遅く)なるように駆動伝達部11Tが調整されており、現像ローラ15のトナー付着量よりも感光体ドラム17のトナー付着量を増加させるようになっている。
【0093】
そのうえで画像形成ユニット10Sでは、現像ローラ15の現像ローラ電圧V15及び感光体ドラム17における潜像電圧がそれぞれ所定の電圧に調整されることにより、感光体ドラム17のトナー付着量が1.0[mg/cm2]に設定されている。因みに画像形成ユニット10Sでは、現像ローラ電圧V15に限らず、他のローラの電圧を適宜調整することにより、結果的に感光体ドラム17のトナー付着量を1.0[mg/cm2]に設定することもできる。
【0094】
次に、画像形成装置1において画像形成ユニット10Sにおける1次転写電圧V25(以下これを転写電圧とも呼ぶ)に対する、視感反射率差分ΔYの値との関係、及び転写効率(感光体ドラム17に付着したトナーのうち中間転写ベルト24に転写されたトナーの割合)との関係をそれぞれ求めたところ、
図7に示すグラフが得られた。
【0095】
このうち視感反射率差分ΔYは、明るさを表す指標である視感反射率Yを2種類用いて得られる差分値である。具体的に視感反射率差分ΔYは、印刷前の用紙100(いわゆる白紙)における視感反射率Y1と、印刷後の用紙100における視感反射率Y2との差分となっている。この視感反射率差分ΔYは、シルバー(S)のトナーを用いて用紙100に印刷された画像における、メタリック感(すなわち金属のような光沢感)の度合を表す指標として利用可能であり、例えば分光測色計(CM-2600d、測定径φ=8[mm]、コニカミノルタ株式会社製)を用いて測定することができる。
【0096】
この
図7から、画像形成ユニット10Sでは、転写電圧が約500[V]であるときに転写効率が最も高く、該転写電圧が約500[V]から増加するに連れて転写効率が低下し、また該転写電圧が約500[V]から減少するに連れて転写効率が低下することが分かる。
【0097】
画像形成ユニット10Sでは、転写効率が低下すると、感光体ドラム17から中間転写ベルト24に転写されずに該感光体ドラム17に残るトナー、すなわちクリーニングブレード19により掻き落とされ、最終的に廃トナー収容部12B(
図2)に収容される廃トナーの量が増加することになる。このため画像形成ユニット10Sでは、一般に、トナーを有効に利用する観点から、できるだけ転写効率が高いことが望ましい。すなわち画像形成ユニット10Sでは、標準的に、1次転写電圧V25を約500[V]に設定することになる。以下、この電圧を標準電圧とも呼ぶ。
【0098】
ここで、画像形成装置1の画像形成ユニット10Sにより中間転写ベルト24にトナー画像を転写する様子を模式化すると、
図8(A)のように表すことができる。すなわち画像形成ユニット10Sでは、感光体ドラム17の周側面にシルバートナーTSによりトナー画像が形成された後、1次転写箇所P25において該シルバートナーTSの大部分が中間転写ベルト24に転写されている。このため画像形成ユニット10Sでは、感光体ドラム17のうち1次転写箇所P25を通過した部分には、シルバートナーTSが殆ど残っていない。
【0099】
ところで
図7では、転写電圧が約500[V]から上昇した場合、視感反射率差分ΔYの値、すなわちメタリック感が増加している。これは、次のような理由によると考えられる。
【0100】
すなわちシルバーの画像形成ユニット10Sでは、転写電圧が約500[V]から上昇すると、転写効率が低下することにより、中間転写ベルト24に転写されるトナー画像の層厚が小さく(すなわち薄く)なる。そうすると、このトナー画像が印刷された用紙100では、扁平な光輝性顔料の粒子のうち、紙面に対する当該粒子の扁平面のなす角度が小さい(すなわち平行に近い)ものの割合が高まり、光の反射率が高まることになる。
【0101】
このような関係から、画像形成ユニット10Sでは、転写電圧(すなわち1次転写電圧V25)を上昇させて転写効率を敢えて低下させることにより、結果的に視感反射率差分ΔY(メタリック感)を増加させる、といった方策が考えられる。
【0102】
具体的に画像形成ユニット10Sでは、
図8(A)と対応する
図8(B)に示すように、感光体ドラム17の周側面にシルバートナーTSによりトナー画像が形成された後、1次転写箇所P25において、該シルバートナーTSの一部を中間転写ベルト24に転写し、残りの部分を感光体ドラム17側に残す。このように転写効率を低下させた状態で中間転写ベルト24に転写されたトナー画像(
図8(B))は、標準的な転写効率により中間転写ベルト24に転写されたトナー画像(
図8(A))と比較して、層厚が小さく(薄く)なっている。
【0103】
ただしこの場合、シルバーの画像形成ユニット10Sでは、感光体ドラム17に残ったシルバートナーTSをクリーニングブレード19(
図2)により掻き落として廃トナーとし、最終的にトナーカートリッジ12の廃トナー収容部12Bに収容させることになる。すなわちシルバーの画像形成ユニット10Sでは、転写効率を低下させた場合、廃トナー収容部12Bに収容される廃トナーの量を増加させることになる。
【0104】
[1-4-3.逆転写によるトナー付着量の削減]
ところで画像形成装置1には、中間転写ベルト24の走行方向に関して上流側に位置している画像形成ユニット10においてトナー画像を該中間転写ベルト24に転写させた後、下流側の他の画像形成ユニット10において該中間転写ベルト24から感光体ドラム17へトナーを転写させる、逆転写と呼ばれる手法がある。
【0105】
画像形成装置1は、この逆転写を利用し、下流側の画像形成ユニット10において中間転写ベルト24上に付着しているトナー画像の一部を逆転写させることにより、該中間転写ベルト24上に残されるトナー画像の層厚を比較的小さくすることができる。
【0106】
ここでは、画像形成装置1においてシルバー単色の画像を用紙100に印刷する場合について、シルバーの画像形成ユニット10Sにおいてトナー画像を中間転写ベルト24に転写させた後、イエローの画像形成ユニット10Yにおいてその一部を感光体ドラム17に逆転写させる様子を例に説明する。
【0107】
画像形成装置1は、
図8(A)と対応する
図9(A)に示すように、まず上流側の画像形成ユニット10Sにおいて、感光体ドラム17の周側面にシルバーのトナー画像を形成してから、標準的な転写効率により該トナー画像を中間転写ベルト24に転写させる。これにより、中間転写ベルト24上には、1次転写箇所P25の下流側において、シルバートナーTSによる、層厚が比較的大きい(すなわち厚い)トナー画像が形成されている。
【0108】
次に画像形成装置1は、
図9(B)に示すように、画像形成ユニット10Sの下流側に位置する画像形成ユニット10Yにおいて、1次転写ローラ25に印加する1次転写電圧V25を調整することにより、中間転写ベルト24上のシルバートナーTSによるトナー画像の一部を、感光体ドラム17側に転写(すなわち逆転写)させる。
【0109】
その後、イエローの画像形成ユニット10Yでは、1次転写箇所P25において感光体ドラム17に逆転写されたシルバートナーTSをクリーニングブレード19により掻き落として廃トナーとし、トナーカートリッジ12の廃トナー収容部12Bへ搬送して収容させる。この結果、中間転写ベルト24上には、画像形成ユニット10Yにおける1次転写箇所P25の下流側において、シルバートナーTSによる、層厚が比較的小さい(すなわち薄い)トナー画像が残されている。
【0110】
すなわち画像形成装置1では、下流側の画像形成ユニット10において逆転写を行うことにより、シルバーの画像形成ユニット10Sにおいて廃トナー収容部12Bに廃トナーを殆ど収容させること無く、層厚が比較的小さい(薄い)シルバートナーTSによるトナー画像を形成することができる。
【0111】
[1-4-4.印刷処理]
ところで画像形成装置1では、標準カラーの画像形成ユニット10において、感光体ドラム17の周側面に形成した標準カラーのトナー画像を中間転写ベルト24に転写すること(以下これを通常転写と呼ぶ)と、上述した逆転写とを同時に行うことはできない。これは、標準カラーの画像形成ユニット10において、1次転写電圧V25を通常転写に適した電圧又は逆転写に適した電圧に切り替えており、両方の電圧を同時に印加することが原理的にできないためである。
【0112】
そこで画像形成装置1では、シルバーのみによる単色の画像を印刷する場合に、標準カラー各色(シルバー以外の各色)の画像形成ユニット10において逆転写を行い、シルバーと他の各色とを組み合わせた画像を印刷するカラー印刷を行う場合に、シルバーの画像形成ユニット10Sにおいて転写効率を低下させるようになっている。すなわち画像形成装置1では、画像データにおいて使用されている色の種類に応じて、トナー付着量の調整方法を切り替えるようになっている。
【0113】
具体的に画像形成装置1の印刷制御部61(
図3)は、印刷処理を行う場合、図示しない上位装置から印刷データ及び制御コマンド等を受信すると、記憶部62から印刷プログラムを読み出して実行することにより、
図10に示す印刷処理手順RT1を開始し、最初のステップSP1に移る。
【0114】
ステップSP1において印刷制御部61は、印刷データを基に画像データを生成して画像データメモリ62B(
図3)に記憶させ、次のステップSP2に移る。ステップSP2において印刷制御部61は、画像データにシルバーが使用されているか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このことはシルバーのトナー画像における層厚を小さく(薄く)するための処理を行う必要があることを表している。このとき印刷制御部61は、次のステップSP3に移る。
【0115】
ステップSP3において印刷制御部61は、画像データにシルバー以外の標準カラーが使用されているか否か、すなわちブラック、シアン、マゼンタ及びイエローの少なくとも1色が含まれるか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このことは後の1次転写処理において、下流側に位置する当該カラーの画像形成ユニット10により逆転写処理を行い得ないため、シルバーの1次転写処理において転写効率を低下させる必要があることを表している。このとき印刷制御部61は、次のステップSP4に移る。
【0116】
ステップSP4において印刷制御部61は、シルバーの画像形成ユニット10Sにおける転写効率を低下させるための処理を行い、次のステップSP6に移る。具体的に印刷制御部61は、転写効率制御部81及び高圧電源制御部65(
図3)の制御により、1次転写電圧電源75から画像形成ユニット10Sの1次転写ローラ25に供給する1次転写電圧V25を、標準電圧(約500[V])よりも高い電圧(例えば約1600[V]等)に設定させる。
【0117】
一方、ステップSP3において否定結果が得られると、このことは後の1次転写処理において、下流側に位置する各カラーの画像形成ユニット10により逆転写処理を行い得ることを表している。このとき印刷制御部61は、逆転写処理に必要な設定処理を行うべく、次のステップSP5に移る。
【0118】
ステップSP5において印刷制御部61は、サブルーチンとして逆転写設定処理を行う。具体的に印刷制御部61は、
図11に示す逆転写設定処理手順RT2を開始してステップSP21に移る。ステップSP21において印刷制御部61は、高圧電源制御部65(
図3)の制御により、1次転写電圧電源75からシルバーの画像形成ユニット10Sに供給する1次転写電圧V25を標準電圧(約500[V])に設定させ、次のステップSP22に移る。
【0119】
すなわち印刷制御部61は、シルバーの画像形成ユニット10Sに供給する1次転写電圧V25の絶対値について、シルバーのトナー画像と標準カラー各色のトナー画像とを中間転写ベルト24上で重畳させる場合の値(1600[V])よりも、両トナー画像を重畳させない場合の値(500[V])の方が小さくなるよう制御している。
【0120】
ステップSP22において印刷制御部61は、逆転写制御部82及び高圧電源制御部65(
図3)の制御により、1次転写電圧電源75から標準カラー各色の画像形成ユニット10(10K、10C、10M及び10Y)に供給する1次転写電圧V25を所定の逆転写電圧に設定させ、次のステップSP23に移る。因みに逆転写電圧は、標準カラー各色で同一の値となっている。ステップSP23において印刷制御部61は、逆転写設定処理手順RT2を終了して元の印刷処理手順RT1(
図10)に戻り、ステップSP5を終えて次のステップSP6に移る。
【0121】
また、ステップSP2において否定結果が得られると、このことは画像データにシルバーが使用されていないため、シルバーのトナー付着量を調整するための処理を行う必要が無いことを表している。このとき印刷制御部61は、次のステップSP6に移る。
【0122】
ステップSP6において印刷制御部61は、各色について、ヘッド駆動制御部66により画像データをLEDヘッド13へ供給させると共に駆動制御部69により駆動モータ78を駆動させる等して、各画像形成ユニット10により感光体ドラム17の周側面にトナー画像をそれぞれ形成させ、次のステップSP7に移る。
【0123】
ステップSP7において印刷制御部61は、各色について、画像形成ユニット10の感光体ドラム17から中間転写ベルト24へトナー画像を転写させる1次転写処理を行わせ、次のステップSP8に移る。ただし、画像データにシルバー及びカラーが使用されている場合、シルバーの画像形成ユニット10Sは、転写効率を低下させることになる。また、画像データにシルバーのみが使用されている場合、標準カラー各色の画像形成ユニット10は、中間転写ベルト24からシルバーのトナーを感光体ドラム17へそれぞれ逆転写させることになる。
【0124】
ステップSP8において印刷制御部61は、2次転写部43において中間転写ベルト24から用紙100へトナー画像を転写させ、次のステップSP9に移る。ステップSP9において印刷制御部61は、定着部45によりトナー画像を用紙100に定着させる定着処理を行った後、次のステップSP10に移って印刷処理手順RT1を終了する。
【0125】
[1-5.効果等]
以上の構成において、第1の実施の形態による画像形成装置1は、シルバーを使用した画像データを印刷する場合、当該画像データに他の色が使用されているか否かに応じて異なる手法により、用紙100に転写されるトナー画像におけるシルバーの層厚を低下させるようにした。これにより画像形成装置1は、最終的に用紙100に印刷される画像において、シルバーのトナーに含まれる扁平な光輝性顔料のうち、扁平面が紙面と平行に近い姿勢となる割合を高めることができ、光を良好に反射して高い光輝性を呈する状態とすることができる。
【0126】
すなわち画像形成装置1は、画像データにおいてシルバーに加えて他の色も使用されている場合、シルバーの画像形成ユニット10において感光体ドラム17から中間転写ベルト24にトナー画像を転写させる際の転写効率を低下させるようにした。これにより画像形成装置1は、シルバーの画像形成ユニット10において感光体ドラム17から中間転写ベルト24にトナー画像の一部のみを転写させるため、該中間転写ベルト24上に形成されるシルバーのトナー画像における層厚を比較的小さく(薄く)することができる。
【0127】
また画像形成装置1は、このとき他の色の画像形成ユニット10において逆転写のような特殊な処理を行わないため、他の色のトナー画像を中間転写ベルト24に対し適切に転写させることができ、用紙100に対して良好な画像を印刷することができる。
【0128】
しかしながらこの場合、シルバーの画像形成ユニット10Sでは、感光体ドラム17から中間転写ベルト24に転写されなかったトナーが廃トナーとなり、最終的にトナーカートリッジ12の廃トナー収容部12B(
図2)に収容される。このため、画像形成装置1では、仮にシルバーの画像形成ユニット10Sにおいて転写効率を低下させる処理を多く行った場合、トナーカートリッジ12のトナー収容部12Aに未使用のトナーが残っているにも関わらず、廃トナー収容部12Bが満杯となり、該トナーカートリッジ12の交換が必要となる可能性がある。すなわち画像形成装置1では、使用可能なシルバーのトナーを無駄に廃棄することになる恐れがある。
【0129】
そこで画像形成装置1では、画像データにおいてシルバーのみが使用されている場合、該シルバーの画像形成ユニット10Sでは転写効率を低下させず、他の色の画像形成ユニット10において逆転写を行うようにした。すなわち画像形成装置1は、シルバーの画像形成ユニット10Sにおいて、通常の転写効率により感光体ドラム17から中間転写ベルト24へトナー画像の大部分を転写させた後、下流側の各色の画像形成ユニット10において該トナー画像の一部を感光体ドラム17に逆転写させるようにした。
【0130】
これにより画像形成装置1では、シルバーの画像形成ユニット10Sにおいて形成されたシルバーのトナー画像のうち、最終的に中間転写ベルト24上に残らない部分の廃トナーを、他の色の画像形成ユニット10において廃トナー収容部12Bに収容させることができる。換言すれば、画像形成装置1では、シルバーの画像形成ユニット10Sにおいて廃トナー収容部12Bにおける廃トナーの収容量を殆ど増加させることなく、中間転写ベルト24上に形成されるシルバーのトナー画像の層厚を小さく(薄く)することができる。
【0131】
これを換言すると、画像形成装置1では、シルバーの画像形成ユニット10S(
図2)において、現像ローラ15及び現像ブレード16の間に光輝性顔料が詰まり、最終的に印刷した画像に白スジが発生することを防止する観点から、現像ローラ15に付着させるトナーの層厚を薄くすることが困難となっている。その一方で画像形成装置1では、仮にシルバーの画像形成ユニット10Sにおいて常に転写効率を低下させた場合、トナーカートリッジ12の廃トナー収容部12Bがすぐに満杯となり、トナー収容部12Aに未使用のトナーが残っていたとしても該トナーカートリッジ12を交換することになり、無駄が生じてしまう。
【0132】
そこで画像形成装置1では、画像データがシルバー単色である場合に、シルバー以外の各色の画像形成ユニット10において中間転写ベルト24からシルバーのトナーを逆転写させることにより、廃トナーの収容先を各色の廃トナー収容部12Bに振り分けることができる。他の観点から見れば、シルバー以外の各色の画像形成ユニット10では、転写効率を低下させる必要性が無いことから、廃トナー収容部12Bにおける当該色の廃トナーの収容量が必ずしも多くないため、空き容量が十分であるところ、これにシルバーの廃トナーを収容することで、有効に活用することができる。
【0133】
ところでシルバーの画像形成ユニット10Sでは、
図7に示したように、転写電圧を標準電圧(約500[V])から増加させた場合及び減少させた場合の何れにおいても、転写効率を低下させることができ、その結果として視感反射率差分ΔY(すなわちメタリック感)を向上させ得る。しかしながら画像形成装置1では、シルバーのトナーの性質を考慮し、敢えて転写電圧を標準電圧から増加させることにより、転写効率を低下させるようにした。
【0134】
シルバーのトナーは、導電体である金属顔料を含有するため、他の色のトナーと比較して帯電性が低く、高電圧を利用した転写をさせにくい、という性質を有している。このため画像形成装置1では、中間転写ベルト24上においてシルバーのトナー画像と他の色のトナー画像とを重畳させた状態で、2次転写部43により中間転写ベルト24から用紙100に該トナー画像を転写させる際に、シルバーのトナーを他の色のトナーと同様に効率良く転写させることが難しくなる恐れがある。
【0135】
そこで画像形成装置1では、シルバーの画像形成ユニット10Sにおいて転写電圧を標準電圧から高めることにより、転写効率を低下させて視感反射率差分ΔYを高め得ると共に、シルバーのトナーにおける帯電量を増加させ、他の色のトナーにおける帯電量に近づけることができる。これにより画像形成装置1では、2次転写部43において、シルバーのトナーを他の色のトナーと同様に、用紙100に対して良好に転写させることが期待できる。
【0136】
以上の構成によれば、第1の実施の形態による画像形成装置1は、シルバーを使用した画像データを印刷する場合、当該画像データに標準カラー各色が使用されていればシルバーの画像形成ユニット10Sにおいて転写効率を低下させ、標準カラー各色が使用されていなければ標準カラー各色の画像形成ユニット10においてトナーを逆転写させる。これにより画像形成装置1は、白スジを発生させることなくシルバーのトナー画像における層厚を小さくでき、且つシルバーの廃トナーをシルバー又は標準カラー各色の廃トナー収容部12Bに振り分けながら、最終的に用紙100に印刷される画像において、光輝性を高めることができる。
【0137】
[2.第2の実施の形態]
[2-1.画像形成装置の構成]
第2の実施の形態による画像形成装置201(
図1)は、第1の実施の形態による画像形成装置1と比較して、制御部3に代わる制御部203を有している点において相違するものの、他の点については同様に構成されている。
図3の一部と対応する
図12に示すように、制御部203は、第1の実施の形態による制御部3と比較して、印刷制御部61及び記憶部62に代わる印刷制御部261及び記憶部262を有する点において相違するものの、他の点については同様に構成されている。
【0138】
印刷制御部261は、第1の実施の形態による印刷制御部61と同様、図示しないCPU等を有しており、記憶部262から所定のプログラムを読み出して実行することにより、様々な処理を実行する。ただし印刷制御部261は、第1の実施の形態とは一部異なる処理を行うようになっている。記憶部262は、第1の実施の形態による記憶部62と同様、種々の情報を記憶するものの、第1の実施の形態と一部異なるプログラム等を記憶している。
【0139】
また印刷制御部261は、所定の印刷プログラムを実行することにより、第1の実施の形態と同様の転写効率制御部81、逆転写制御部82、印刷画像密度算出部83及びトナー廃棄制御部84に加えて、廃トナー量算出部285等の機能ブロックを内部に形成する。
【0140】
廃トナー量算出部285は、トナーの色ごとに、本体側廃トナー収容空間11Bに収容されている廃トナーの量を算出する。具体的に廃トナー量算出部285は、次の(2)式に従い、トナーの色ごと(すなわち画像形成ユニット10ごと)の廃トナー量W(n)[cm3]を、転写残トナー量Wtr、トナー廃棄量Wf、カブリトナー量Wb及び逆転写トナー量Wrを用いて算出する。ただし記号「n」は、色を表す文字(例えばS、K、C、M及びY等)に置き換えられる。
【0141】
【0142】
(2)式の転写残トナー量Wtrは、印刷処理が行われた際に、感光体ドラム17から中間転写ベルト24に転写されなかった転写残トナーの量[cm3]を表している。この転写残トナー量Wtrは、トナーの色ごとに設定される係数Aと、(1)式により得られる印刷画像密度DPDと、トナーの色ごとに設定される体積変換係数Vとを用いて、次の(3)式により算出される。
【0143】
【0144】
また(2)式のトナー廃棄量Wfは、上述したトナー廃棄処理が行われる際に廃棄されるトナーの量[cm3]を表している。このトナー廃棄量Wfは、トナー廃棄処理を行う場合における印刷画像密度DPDと、トナーの色ごとに設定される体積変換係数Vとを用いて、次の(4)式により算出される。
【0145】
【0146】
次に、(2)式のカブリトナー量Wbは、トナー画像においてトナーを転写すべきで無い箇所に付着し、用紙100に転写されてしまうトナーの量[cm3]を表している。このカブリトナー量Wbは、トナーの色ごとに設定される係数Bと、感光体ドラム17の回転数Cdと、トナーの色ごとに設定される体積変換係数Vとを用いて、次の(5)式により算出される。
【0147】
【0148】
さらに、(2)式の逆転写トナー量Wrは、中間転写ベルト24の走行方向に関し、上流側に位置する画像形成ユニット10により中間転写ベルト24に転写されたトナーの一部が、下流側に位置する画像形成ユニット10において、該中間転写ベルト24から感光体ドラム17にトナーを転写(すなわち逆転写)される量[cm3]を表している。この逆転写トナー量Wrは、トナーの色ごとに設定される回収率Cと、上流側の各画像形成ユニット10における印刷画像密度DPDu及び体積変換係数Vuとを用いて、次の(6)式により算出される。
【0149】
【0150】
また、(2)式における印刷画像密度DPDは、廃トナー量W(n)を算出しているトナーの色(すなわち画像形成ユニット10)における印刷画像密度DPDを表している。
【0151】
廃トナー量算出部285は、印刷処理やトナー廃棄処理等が行われる度に、(2)式等に従って廃トナー量W(n)をトナーの色ごとに算出し、最新の廃トナー量W(n)を記憶部262に記憶させるように、すなわち随時更新するようになっている。また廃トナー量算出部285は、トナーカートリッジ12(
図2)が交換されると、廃トナー量W(n)の値を「0」に初期化するようになっている。
【0152】
[2-2.印刷処理]
ところで画像形成装置201の印刷制御部261は、第1の実施の形態による画像形成装置1と同様に、印刷処理手順RT1(
図10)に従って印刷処理を実行するものの、ステップSP5において、第1の実施の形態と異なる逆転写設定処理を行うようになっている。
【0153】
具体的に印刷制御部261は、
図11と対応する
図13に示す逆転写設定処理手順RT3を開始してステップSP31に移る。ステップSP31において印刷制御部261は、ステップSP21(
図11)と同様、高圧電源制御部65(
図1)の制御により、1次転写電圧電源75からシルバーの画像形成ユニット10に供給する1次転写電圧V25を標準電圧(約500[V])に設定させ、次のステップSP22に移る。
【0154】
ステップSP22において印刷制御部261は、標準カラー各色(シルバー以外の各色)の廃トナー量W(n)を記憶部262から読み出し、次のステップSP33に移る。ステップSP33において印刷制御部261は、標準カラー各色の廃トナー量W(n)のうち、値が最も大きいものを選定すると共にその値を最大廃トナー量W_maxとし、次のステップSP34に移る。
【0155】
ステップSP34において印刷制御部261は、標準カラー各色の画像形成ユニット10において、中間転写ベルト24からシルバーのトナーを逆転写させる度合を表す逆転写率P(n)をそれぞれ算出し、次のステップSP35に移る。この逆転写率P(n)は、標準カラー各色の廃トナー量W(n)と最大廃トナー量W_maxとの差分を基に算出され、該差分の大きさに応じた度合となっている。すなわち逆転写率P(n)は、シルバーの下流側に位置する標準カラー各色の画像形成ユニット10において、該シルバーの廃トナーを回収する量を、色ごとの廃トナー量W(n)の少なさに応じた割合で割り振った値を表している。具体的に各色の逆転写率P(n)は、次の(7)式により算出される。
【0156】
【0157】
ステップSP35において印刷制御部261は、標準カラー各色の画像形成ユニット10ごとに、逆転写率P(n)に応じた1次転写電圧V25(以下これを転写電圧Tr(n)と呼ぶ)を算出し、次のステップSP36に移る。具体的に転写電圧Tr(n)は、逆転写を行わない場合に本来設定すべき転写電圧Tro(n)と、画像形成ユニット10ごとに設定される転写電圧補正値Trc(n)と、逆転写率P(n)とを用いて、次の(8)式に従って算出される。
【0158】
【0159】
ここで、イエローの画像形成ユニット10Yを例に、1次転写電圧V25(すなわち転写電圧Tr(Y))とトナー付着量との関係を
図14に示す。この
図14において、転写電圧Tr(Y)は、逆転写率P(Y)の値に応じて、転写電圧補正値Trc(Y)の範囲内で変化することになる。
【0160】
ステップSP36において印刷制御部261は、逆転写制御部82及び高圧電源制御部65(
図3)の制御により、1次転写電圧電源75から標準カラー各色の画像形成ユニット10に供給する1次転写電圧V25を、ステップSP35においてそれぞれ算出した転写電圧Tr(n)に設定し、次のステップSP37に移る。
【0161】
ステップSP37において印刷制御部261は、逆転写設定処理手順RT3を終了して元の印刷処理手順RT1に戻り、第1の実施の形態と同様の処理を行う。
【0162】
[2-3.効果等]
以上の構成において、第2の実施の形態による画像形成装置201は、第1の実施の形態と同様に、シルバーを使用した画像データを印刷する場合、当該画像データに他の色が使用されているか否かに応じて異なる手法により、用紙100に転写されるトナー画像におけるシルバーの層厚を低下させるようにした。これにより画像形成装置201は、最終的に用紙100に印刷される画像において、シルバーのトナーに含まれる扁平な光輝性顔料のうち、扁平面が紙面と平行に近い姿勢となる割合を高めることができ、光を良好に反射して高い光輝性を呈する状態とすることができる。
【0163】
特に画像形成装置201は、画像データにおいてシルバーのみが使用されている場合、標準カラー各色の画像形成ユニット10において、それぞれのトナーカートリッジ12における廃トナー収容部12Bの収容量である廃トナー量W(n)に応じた割合で、中間転写ベルト24からシルバーのトナーを逆転写させるようにした。
【0164】
このため画像形成装置201は、廃トナー収容部12Bの空容量に余裕が有る色の画像形成ユニット10において比較的多くのトナーを逆転写させる一方、廃トナー収容部12Bの空容量に余裕が無い色の画像形成ユニット10において比較的少ないトナーを逆転写させることができる。これを換言すれば、画像形成装置201は、標準カラー各色の画像形成ユニット10において、廃トナー収容部12Bにおける廃トナー量W(n)や空容量を、各色の間で同等に近付けるよう、それぞれが逆転写するトナーの量を適切に振り分けることができる。
【0165】
これにより画像形成装置201は、標準カラー各色の画像形成ユニット10において、当該色の未使用のトナーがトナー収容部12Aに残っているにも関わらず、廃トナー収容部12Bの空容量が無いためにトナーカートリッジ12の交換が必要となる、といった無駄の発生を回避することができる。すなわち画像形成装置201は、シルバー及び標準カラー各色の何れについても、廃トナー収容部12Bに新たな廃トナーを収容し得なくなる事態を極力回避することができる。
【0166】
また画像形成装置201は、トナーの色ごとに、転写残トナー量Wtr、トナー廃棄量Wf、カブリトナー量Wb及び逆転写トナー量Wrを用いて廃トナー量W(n)を算出し、該廃トナー量W(n)に基づいて各色の逆転写率P(n)を算出し、それぞれの転写電圧Tr(n)を算出するようにした。このため画像形成装置201は、各色の廃トナー収容部12Bに高精度なセンサ等を設けること無く、演算処理により、該廃トナー収容部12Bに収容されている廃トナーの量を表す廃トナー量W(n)を極めて精度良く算出できる。
【0167】
さらに画像形成装置201は、逆転写率P(n)を算出する(7)式において、当該色における廃トナー量W(n)と最大廃トナー量W_maxとの差分を、標準カラー各色における全ての当該差分を加算した値で除算することにより算出するようにした。このため画像形成装置201は、標準カラー各色における廃トナー量W(n)の差分を縮小させるような逆転写率P(n)の値を、比較的容易な演算処理により算出することができる。
【0168】
その他の点においても、第2の実施の形態による画像形成装置201は、第1の実施の形態による画像形成装置1と同様の作用効果を奏し得る。
【0169】
以上の構成によれば、第2の実施の形態による画像形成装置201は、シルバーを使用した画像データを印刷する場合、標準カラー各色が使用されていなければ、これらの画像形成ユニット10においてトナーを逆転写させる。このとき画像形成装置201は、標準カラー各色の廃トナー量W(n)に応じて逆転写率P(n)を算出し、逆転写させるトナーを適切に振り分ける。これにより画像形成装置201は、白スジを発生させることなくシルバーのトナー画像における層厚を小さくでき、且つシルバーの廃トナーをシルバー又は標準カラー各色の廃トナー収容部12Bに振り分け、且つ標準カラー各色の廃トナー量W(n)を同等に近づけながら、最終的に用紙100に印刷される画像において、光輝性を高めることができる。
【0170】
[3.他の実施の形態]
なお上述した第1の実施の形態においては、画像データがシルバー単色である場合に、シルバーの画像形成ユニット10Sにおいて、転写電圧を標準電圧(約500[V])から増加させることにより、転写効率を低下させる場合について述べた(
図7)。しかし本発明はこれに限らず、例えば転写電圧を標準電圧から減少させることにより、転写効率を低下させるようにしても良い。第2の実施の形態についても同様である。
【0171】
また上述した第2の実施の形態においては、画像データに標準カラーが使用されていなかった場合、(7)式に従い、標準カラー各色の廃トナー量W(n)と最大廃トナー量W_maxとの差分を基に、逆転写率P(n)を算出する場合について述べた。しかし本発明はこれに限らず、例えば廃トナー収容部12Bの最大収納容量から標準カラー各色の廃トナー量W(n)を減算することにより各色の収容可能容量を算出し、該収容可能容量の比率に応じて逆転写率P(n)を算出する等、種々の演算手法により逆転写率P(n)を算出しても良い。要は、標準カラー各色の廃トナー量W(n)に応じた度合で、すなわち標準カラー各色の間における廃トナー量W(n)の差分又は収納可能容量の差分を縮小させるような逆転写率P(n)を算出できれば良い。
【0172】
さらに上述した第2の実施の形態においては、画像データに標準カラーが使用されていなかった場合、標準カラー各色の画像形成ユニット10のみによりシルバーのトナーを逆転写させて廃トナー収容部12Bに収容させる場合について述べた。しかし本発明はこれに限らず、例えば標準カラー各色に加えてシルバーの廃トナー量W(n)も算出し、シルバーを含めた全色により(7)式に従って逆転写率P(n)を算出しても良い。この場合、シルバーの画像形成ユニット10Sでは、逆転写率P(n)に応じて転写効率を調整すれば良い。この場合、結果的に、第1の実施の形態と同様に、画像データに標準カラーの各色が使用されている場合と比較して、シルバーの画像形成ユニット10Sにおける転写効率を低下させることになる。
【0173】
さらに上述した第2の実施の形態においては、画像データに標準カラーが使用されていなかった場合、標準カラー各色の廃トナー量W(n)に応じた比率で算出された逆転写率P(n)に基づいた度合で、該標準カラー各色の画像形成ユニット10により、シルバーのトナーをそれぞれ逆転写させる場合について述べた。しかし本発明はこれに限らず、例えば廃トナー量W(n)が最も少ない標準カラーの画像形成ユニット10のみにより、シルバーのトナーを逆転写させても良い。或いは、例えばシルバーも含めた全ての色のうち廃トナー量W(n)が最も少ない画像形成ユニット10のみにより、シルバーのトナーを逆転写させても良い。仮にシルバーの廃トナー量W(S)が最も少なかった場合には、画像データに標準カラー各色が含まれている場合と同様、シルバーの画像形成ユニット10Sにおいて転写効率を低下させることにより、その廃トナー収容部12Bに廃トナーを収容させれば良い。
【0174】
さらに上述した第2の実施の形態においては、画像データに標準カラーが使用されていなかった場合、標準カラー各色の廃トナー量W(n)の比率を基に逆転写率P(n)を算出する場合について述べた。しかし本発明はこれに限らず、例えば所定の色の廃トナー収容部12B(
図2)における廃トナーの収容量が所定の基準値未満である場合に、当該色の逆転写率P(n)を高めるよう補正する等、廃トナー収容部12Bにおける廃トナーの量を基に、逆転写率P(n)を決定しても良く、また該逆転写率P(n)を増減させるよう補正しても良い。また、例えばシルバーの廃トナー収容部12Bにおける廃トナーの量が基準値未満であり比較的少ない場合に、画像データに標準カラーが使用されていないときにもシルバーの転写効率を低下させることにより、該シルバーの廃トナー収容部12Bに廃トナーを収容させても良い。
【0175】
さらに上述した第2の実施の形態においては、画像データに標準カラーが使用されていなかった場合、標準カラー各色の廃トナー量W(n)を基に逆転写率P(n)を算出する場合について述べた。しかし本発明はこれに限らず、例えば所定の色のトナー収容部12A(
図2)におけるトナーの収容量が所定の基準値未満であり、間もなく交換される可能性が高い場合に、当該色の逆転写率P(n)を高めるよう補正する等、トナー収容部12Aにおけるトナーの収容量(すなわち残量)を基に、逆転写率P(n)を増減させるよう補正しても良い。この場合、トナーの収容量については、例えば廃トナー量算出部285(
図12)と同様に構成されたトナー量算出部により、廃トナー量W(n)を算出した場合と同様に、印刷処理や濃度補正処理等においてトナーを消費した量を基に算出できる。これにより、早期に交換されるトナーカートリッジ12の廃トナー収容部12Bに対して優先的に廃トナーを収容させ、他の色の廃トナー収容部12Bの空容量を残しておくことができる。さらにこの場合、例えばシルバーのトナー収容部12Aにおけるトナーの残量が比較的少なく、該シルバーのトナーカートリッジ12が間もなく交換されると予想される場合には、画像データに標準カラーが使用されていないときにもシルバーの転写効率を低下させることにより、該シルバーの廃トナー収容部12Bに廃トナーを収容させても良い。
【0176】
さらに上述した第1の実施の形態においては、画像データに標準カラーが使用されていなかった場合、標準カラー各色の画像形成ユニット10において、中間転写ベルト24に転写されているシルバーのトナー画像の一部を逆転写させる場合について述べた。しかし本発明はこれに限らず、例えば標準カラー各色の画像形成ユニット10において逆転写を行わず、これよりも下流側に位置する2次転写部43において転写効率を低下させることにより、用紙100に転写されるシルバーのトナー画像におけるトナー付着量を低下させて層厚を減少させても良い。この場合、例えば標準カラー各色の画像形成ユニット10を上方向へ移動させて中間転写ベルト24から引き離すと共に感光体ドラム17等の回転を停止させることにより、該感光体ドラム17等の消耗を抑えるようにすることもできる。またこの場合、例えば画像形成装置1(
図1)内において中間転写ベルト24の走行方向に関して最も下流側にシルバーの画像形成ユニット10Sが配置されており、その下流側に標準カラー各色の画像形成ユニット10が配置されていなかったとしても、シルバーの廃トナー収容部12B以外の箇所にシルバーの廃トナーを収容させることができる。なお、中間転写ベルト24から用紙100に転写されなかったトナーについては、ベルトクリーニングユニット26(
図1)により該中間転写ベルト24から掻き落とすことができる。またこれら場合、2次転写部43では、1次転写電圧V25の場合と異なり、転写電圧を標準電圧から低下させて転写効率を低下させることにより、転写後の用紙100やトナー画像の帯電量を抑えることが望ましい。さらに、標準カラー各色の画像形成ユニット10において逆転写を行い、且つ2次転写部43において用紙100に対する転写効率を低下させても良い。第2の実施の形態についても同様である。
【0177】
さらに上述した第1の実施の形態においては、主に扁平な粒子でなる顔料(具体的には金属顔料)を含有するシルバー(銀色)のトナー画像について、中間転写ベルト24へのトナー付着量を低下させる場合について述べた。しかし本発明はこれに限らず、例えば金色など、光輝性を有する他の色のトナー画像について、中間転写ベルト24へのトナー付着量を低下させても良い。要は、トナーがアルミニウム等の金属顔料を含有することにより光輝性を有していれば良い。さらには、トナーが金属顔料を含有していなかったとしても、主に扁平な粒子でなる顔料を含有している場合に、トナー画像における中間転写ベルト24へのトナー付着量を低下させても良い。第2の実施の形態についても同様である。
【0178】
因みに金色のトナーは、例えばシルバーのトナーを製造する場合における製造工程の一部を変更することにより、製造することができる。具体的には、光輝性顔料としてアルミニウムを添加する際に、イエロー顔料(例えば有機顔料としてC.I.Pigment Yellow 180)と、マゼンタ顔料(例えば有機顔料としてC.I.Pigment Red 122)と、赤橙色蛍光色素(例えばFM-34N_Orange(シンロイヒ株式会社製))と、黄色蛍光色素(例えばFM-35N_Yellow(シンロイヒ株式会社製))とを添加することにより、金色のトナーを製造することができる。
【0179】
さらに上述した第1の実施の形態においては、画像形成装置1に対し、シルバーの画像形成ユニット10Sの他に、標準カラーとしてブラック、シアン、マゼンタ及びイエローの4色の画像形成ユニット10を設ける場合について述べた。しかし本発明はこれに限らず、例えば画像形成装置1に対し、シルバーの画像形成ユニット10Sの他に、3色以下又は5色以上の画像形成ユニット10を設けても良い。この場合、シルバー以外の色として、例えばホワイト(白色)やクリアー(透明色)等、種々の色が含まれていても良く、主に非扁平な粒子でなる顔料を含有するトナーであれば良い。第2の実施の形態についても同様である。
【0180】
さらに上述した第1の実施の形態においては、画像形成装置1がいわゆる中間転写方式であり、各画像形成ユニット10により形成したトナー画像を中間転写ベルト24に転写し、2次転写部43において該中間転写ベルト24から用紙100に該トナー画像を転写させる場合について述べた。しかし本発明はこれに限らず、例えば直接転写方式の画像形成装置において、画像形成ユニット10により形成されたトナー画像を用紙100に直接転写させる場合に適用しても良い。第2の実施の形態についても同様である。
【0181】
さらに上述した第1の実施の形態においては、制御部3(
図3)のインターフェイス制御部64等をハードウェアの回路として構成する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば印刷制御部61の転写効率制御部81等のように、所定のプログラムを実行することによってソフトウェアにより構成しても良い。また、印刷制御部61の転写効率制御部81等については、インターフェイス制御部64等のようにハードウェアにより構成しても良い。第2の実施の形態についても同様である。
【0182】
さらに上述した第1の実施の形態においては、本発明を単機能のプリンタである画像形成装置1に適用する場合について述べた。しかし本発明はこれに限らず、例えば複写機やファクシミリ装置の機能を有するMFP(Multi Function Peripheral)等、他の種々の機能を有する画像形成装置に適用しても良い。第2の実施の形態についても同様である。
【0183】
さらに本発明は、上述した各実施の形態及び他の実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した各実施の形態と上述した他の実施の形態の一部又は全部を任意に組み合わせた実施の形態や、一部を抽出した実施の形態にもその適用範囲が及ぶものである。
【0184】
さらに上述した第1の実施の形態においては、第1画像形成部としての画像形成ユニット10Sと、第2画像形成部としての画像形成ユニット10K、10C、10M及び10Yと、転写部としての1次転写ローラ25と、制御部としての制御部3とによって画像形成装置としての画像形成装置1を構成する場合について述べた。しかし本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる第1画像形成部と、第2画像形成部と、転写部と、制御部とによって画像形成装置を構成しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0185】
本発明は、例えば電子写真方式により金属顔料を含むトナーを用いてトナー画像を形成して用紙に画像を印刷する場合に利用できる。
【符号の説明】
【0186】
1、201……画像形成装置、3、203……制御部、10……画像形成ユニット、12……トナーカートリッジ、12A……トナー収容部、12B……廃トナー収容部、15……現像ローラ、17……感光体ドラム、24……中間転写ベルト、25……1次転写ローラ、43……2次転写部、61、261……印刷制御部、62、262……記憶部、65……高圧電源制御部、81……転写効率制御部、82……逆転写制御部、83……印刷画像密度算出部、285……廃トナー量算出部、DPD……印刷画像密度、Tr……転写電圧、Trc……転写電圧補正値、V14……供給ローラ電圧、V15……現像ローラ電圧、V23……2次転写電圧、V25……1次転写電圧、W……廃トナー量、W_max……最大廃トナー量、ΔY……視感反射率差分。