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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/60 20060101AFI20240702BHJP
【FI】
H04N1/60
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020157153
(22)【出願日】2020-09-18
(65)【公開番号】P2022050949
(43)【公開日】2022-03-31
【審査請求日】2023-08-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森本 将司
(72)【発明者】
【氏名】岩渕 稔弘
【審査官】益戸 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-118524(JP,A)
【文献】特開平7-209772(JP,A)
【文献】特開2007-124554(JP,A)
【文献】特開2001-119591(JP,A)
【文献】特開2001-157066(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0029523(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを有し、
前記プロセッサは、
黒色成分以外の色成分である非黒色成分を黒色成分に置き換えるときの、その黒色成分の割合に従って、画像を対象として、非黒色成分を黒色成分に置き換え、
黒色成分の割合は、画像の明度によって定められ、かつ、割合の最小値まで、画像の彩度が高くなるほど減少し、割合の最小値を境に、画像の彩度が高くなるほど増大する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、更に、
画像の粒状性の優先度に応じて、黒色成分の割合の最小値を変える、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
画像の粒状性の優先度が高いほど、黒色成分の割合の最小値を小さくする、
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、更に、
画像の色再現性の優先度に応じて、黒色成分の割合の全体を、小さくし、又は、大きくする、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
画像の色再現性の優先度が高いほど、黒色成分の割合の全体を大きくする、
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、更に、
画像の色相に応じて、黒色成分の割合が最小となる彩度を変える、
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
予め定められた基準の色相について、黒色成分の割合が最小となる基準の彩度が予め定められており、
前記プロセッサは、更に、
特定の色相について、黒色成分の割合が最小となる彩度が変更された場合、前記特定の色相と前記基準の色相との間の色相においては、黒色成分の割合が最小となる彩度を、色相に応じて変える、
ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータが、
黒色成分以外の色成分である非黒色成分を黒色成分に置き換えるための、その黒色成分の割合に従って、画像を対象として、非黒色成分を黒色成分に置き換える、
ように動作させ、
黒色成分の割合は、画像の明度によって定められ、かつ、割合の最小値まで、画像の彩度が高くなるほど減少し、割合の最小値を境に、画像の彩度が高くなるほど増大する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
黒色成分以外の色成分である非黒色成分を黒色成分に置き換える技術が知られている。例えば、Y(イエロー)成分、M(マゼンタ)成分、及び、C(シアン)成分の3色が重なる部分のグレー成分を、ある割合でK(ブラック)成分に置き換えることがある。
【0003】
特許文献1には、デバイスに依存しない色空間の入力色信号を、墨信号を含む出力デバイスに依存する出力色信号に変換する色処理方法が記載されている。その方法においては、デバイスに依存しない色空間において出力デバイスの黒点と入力色信号に対応する入力点との位置関係から墨信号を決定し、その決定した墨信号と入力色信号とに基づいて、墨信号以外の色成分信号を決定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-208737号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般的に、画像の粒状性と色再現性との間にはトレードオフの関係が成立し、粒状性を向上させると、色再現性が低下する傾向にある。このようなトレードオフの関係が成立するため、非黒色成分を黒色成分に置き換える場合に、粒状性、色再現性及び階調性が良好な画像(例えば、粒状性と色再現性のバランスのとれが画像)を得るための黒色成分の割合をユーザが調整することは困難である。これに対処するために、例えば、画像の彩度が高くなるほど黒色成分の割合を常に減少させることが考えられる。しかし、この手法では、黒色成分の割合を減少させることで画像の粒状性が向上するが、明度が低くなると必要以上に色再現性が低下し、粒状性と色再現性のバランスが悪くなる。
【0006】
本発明の目的は、黒色成分以外の色成分である非黒色成分を黒色成分に置き換える場合において、画像の彩度が高くなるほど黒色成分の割合を常に減少させる場合と比べて、粒状性と色再現性のバランスのとれた画像が得られるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、プロセッサを有し、前記プロセッサは、黒色成分以外の色成分である非黒色成分を黒色成分に置き換えるときの、その黒色成分の割合に従って、画像を対象として、非黒色成分を黒色成分に置き換え、黒色成分の割合は、画像の明度によって定められ、かつ、割合の最小値まで、画像の彩度が高くなるほど減少し、割合の最小値を境に、画像の彩度が高くなるほど増大する、情報処理装置である。
【0008】
請求項2に係る発明は、前記プロセッサは、更に、画像の粒状性の優先度に応じて、黒色成分の割合の最小値を変える、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置である。
【0009】
請求項3に係る発明は、前記プロセッサは、画像の粒状性の優先度が高いほど、黒色成分の割合の最小値を小さくする、ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置である。
【0010】
請求項4に係る発明は、前記プロセッサは、更に、画像の色再現性の優先度に応じて、黒色成分の割合の全体を、小さくし、又は、大きくする、ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の情報処理装置である。
【0011】
請求項5に係る発明は、前記プロセッサは、画像の色再現性の優先度が高いほど、黒色成分の割合の全体を大きくする、ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置である。
【0012】
請求項6に係る発明は、前記プロセッサは、更に、画像の色相に応じて、黒色成分の割合が最小となる彩度を変える、ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の情報処理装置である。
【0013】
請求項7に係る発明は、予め定められた基準の色相について、黒色成分の割合が最小となる基準の彩度が予め定められており、前記プロセッサは、更に、特定の色相について、黒色成分の割合が最小となる彩度が変更された場合、前記特定の色相と前記基準の色相との間の色相においては、黒色成分の割合が最小となる彩度を、色相に応じて変える、ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置である。
【0014】
請求項8に係る発明は、コンピュータが、黒色成分以外の色成分である非黒色成分を黒色成分に置き換えるための、その黒色成分の割合に従って、画像を対象として、非黒色成分を黒色成分に置き換える、ように動作させ、黒色成分の割合は、画像の明度によって定められ、かつ、割合の最小値まで、画像の彩度が高くなるほど減少し、割合の最小値を境に、画像の彩度が高くなるほど増大する、プログラムである。
【発明の効果】
【0015】
請求項1,8に係る発明によれば、黒色成分以外の色成分である非黒色成分を黒色成分に置き換える場合において、画像の彩度が高くなるほど黒色成分の割合を常に減少させる場合と比べて、粒状性と色再現性のバランスのとれた画像が得られる。
【0016】
請求項2に係る発明によれば、粒状性の優先度に応じた画像が得られる。
【0017】
請求項3に係る発明によれば、粒状性の優先度に関わらず黒色成分の割合の最小値を一定にする場合と比べて、粒状性の良好な画像が得られる。
【0018】
請求項4に係る発明によれば、色再現性の優先度に応じた画像が得られる。
【0019】
請求項5に係る発明によれば、色再現性の優先度に関わらず黒色成分の割合を変えない場合と比べて、色再現性の良好な画像が得られる。
【0020】
請求項6,7に係る発明によれば、色相に関わらず黒色成分の割合が最小となる彩度を一定にする場合と比べて、より色相に適した画像が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本実施形態に係る画像処理装置のハードウェアの構成を示すブロック図である。
図2】彩度に対するGCRレートを示す図である。
図3】彩度に対するGCRレートを示す図である。
図4】彩度に対するGCRレートを示す図である。
図5】色相を説明するための図である。
図6】彩度に対するGCRレートを示す図である。
図7】色相を説明するための図である。
図8】彩度に対するGCRレートを示す図である。
図9】色相を説明するための図である。
図10】粒状性の優先度を設定するためのユーザインターフェースを示す図である。
図11】粒状性の優先度を設定するためのユーザインターフェースを示す図である。
図12】粒状性の優先度を設定するためのユーザインターフェースを示す図である。
図13】GCRレートを設定するためのユーザインターフェースを示す図である。
図14】GCRレートを設定するためのユーザインターフェースを示す図である。
図15】彩度と色相とを設定するためのユーザインターフェースを示す図である。
図16】彩度と色相とを設定するためのユーザインターフェースを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1を参照して、本実施形態に係る画像処理装置について説明する。図1には、本実施形態に係る画像処理装置10のハードウェアの構成の一例が示されている。
【0023】
画像処理装置10は、情報処理装置の一例であり、例えば、ワークステーション、パーソナルコンピュータ(以下、「PC」と称する)、タブレットPC、スマートフォン、又は、その他の装置(例えば、プリンタや、スキャナや、これらを含む複合機等)であってもよい。また、画像処理装置10は、プリンタや複合機等の装置に組み込まれてもよい。
【0024】
画像処理装置10は、例えば、インターネットやLAN(Local Area Network)等の通信経路、外部装置、又は、記憶媒体等を介して、画像データを受け付け、その受け付けた画像データに対して画像処理を実行し、画像処理が実行された画像データを出力する。例えば、画像処理が実行された画像データは、プリンタや複合機に出力されてプリントされてもよいし、ディスプレイに出力されて表示されてもよいし、画像処理装置10又は外部装置のメモリに記憶されてもよい。
【0025】
以下、画像処理装置10に入力される画像データ(つまり、画像処理装置10が受け付ける画像データ)を「入力画像データ」と称し、画像処理装置10が出力する画像データを「出力画像データ」と称することとする。
【0026】
入力画像データ及び出力画像データは、複数の色成分の組み合わせを表す色信号である。例えば、入力画像データ及び出力画像データは、黒色成分であるK(ブラック)成分と、K成分以外の色成分である非黒色成分と、の組み合わせを表す色信号である。非黒色成分は、例えば、C(シアン)成分、M(マゼンタ)成分、及び、Y(イエロー)成分の組み合わせである。つまり、入力画像データ及び出力画像データは、C成分、M成分、Y成分及びK成分の組み合わせを表すCMYK色信号である。上記の非黒色成分は一例に過ぎず、CMY成分と他の色成分とを含む色成分であってもよいし、CMY成分以外の色成分を含む色成分であってもよい。
【0027】
なお、R(レッド)成分、G(グリーン)成分、及び、B(ブルー)成分の組み合わせを表すRGB色信号である画像データが、画像処理装置10に入力されて、画像処理装置10にて、RGB色信号がCMYK色信号に変換されてもよい。この場合、変換後のCMYK色信号が入力画像データとして扱われる。例えば、RGB色信号である画像データをプリントするときに、このような色変換が行われる。詳しく説明すると、画像処理装置10は、プリントの対象となる、RGB色信号である画像データを受け付け、RGB色信号を、プリンタであるデバイスに依存する色空間(例えば、CMYK成分で規定される色空間)の色信号(例えばCMYK色信号)に変換し、変換後の画像データをプリンタに出力する。プリンタは、変換後の画像データをプリントする。
【0028】
図1に示すように、画像処理装置10は、一例として、通信装置12と、UI14と、メモリ16と、プロセッサ18とを含む。
【0029】
通信装置12は、通信チップや通信回路等を有する通信インターフェースであり、他の装置に情報を送信する機能、及び、他の装置から送信されてきた情報を受信する機能を有する。通信装置12による通信は、有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。
【0030】
UI14はユーザインターフェースであり、ディスプレイと操作装置とを含む。ディスプレイは、液晶ディスプレイやELディスプレイ等である。操作装置は、キーボードや入力キーやマウスや操作パネル等である。UI14は、ディスプレイと操作装置とを兼ね備えたタッチパネル等のUIであってもよい。
【0031】
メモリ16は、各種の情報を記憶する1又は複数の記憶領域を構成する装置である。メモリ16は、例えば、ハードディスクドライブ、各種のメモリ(例えばRAMやDRAMやROM等)、その他の記憶装置(例えば光ディスク等)、又は、それらの組み合わせである。1又は複数のメモリ16が、画像処理装置10に含まれている。
【0032】
プロセッサ18は、画像処理装置10の各部の動作を制御するように構成されている。プロセッサ18は、メモリを有してもよい。
【0033】
プロセッサ18は、入力画像データの非黒色成分をK成分に置換するように構成されている。例えば、プロセッサ18は、入力画像データのCMY成分の3色の重なる部分のグレー成分を、ある割合でK成分に置換するGCR(Gray Component Replacement)処理を実行する。プロセッサ18は、GCR処理が実行された後の画像データを出力画像データとして出力する。
【0034】
CMY成分によって表現される目標色をGCR処理によって再現するために必要な最低限のK成分の量をminKと定義し、その目標色を再現可能な最大のK成分の量をmaxKと定義する。minK及びmaxKは、管理者等によって予め定められてもよいし、CMY成分によって表現される目標色を当該CMY成分中の1色の成分の量を0(ゼロ)にしつつ再現するために必要なK成分の量を、maxKと定義してもよい。
【0035】
プロセッサ18は、入力画像データのCMY成分の3色の重なる部分のグレー成分を、minK~maxKの間の量を有するK成分に置換する。
【0036】
置換に用いられるK成分の量は、GCRレートによって決定される。GCRレートは、CMY成分をK成分に置換するときのK成分の割合(例えば0%~100%)である。
【0037】
maxKにGCRレートを乗算することで、置換に用いられるK成分の量が決定される。GCRレートが100%である場合、置換に用いられるK成分の量はmaxKである。GCRレートが0%である場合、K成分への置換は行われないことになる。プロセッサ18は、GCRレートを用いてK成分の量を決定してもよい。GCRレートに基づくK成分の量が予め決定されてもよい。GCRレートを示す情報は、メモリ16に予め記憶される。
【0038】
GCRレートは、明度と彩度に応じて変わる。GCRレートは、明度と彩度を変数としてK成分の割合を規定する関数であってもよい。
【0039】
GCRレートは、明度によって定められ、かつ、GCRレートの最小値まで、彩度が高くなるほど減少し、GCRレートの最小値を境に、彩度が高くなるほど増大する。例えば、ある明度において、GCRレートは、GCRレートの最小値まで彩度が高くなるほど減少し、GCRレートの最小値を境に、彩度が高くなるほど増大する。また、GCRレートは、明度が低くなるほど増大する。
【0040】
プロセッサ18は、CMYK色信号である入力画像データを受け付け、CMY成分を、GCRレートによって決定される割合に応じた量を有するK成分に置換することで、出力画像データを生成する。例えば、プロセッサ18は、入力画像データの画素毎に、入力画像データの明度と彩度とに対応するGCRレートを決定し、maxKに、その決定したGCRレートを乗算することで、K成分の量を算出し、CMY成分を、その決定した量を有するK成分に置換する。
【0041】
RGB色信号である画像データが画像処理装置10に入力された場合、プロセッサ18は、当該画像データを、CMYK色信号で表される画像データ(例えば、出力先のプリンタに依存する色空間に従って表される画像データ)に変換し、その変換後の画像データを入力画像データとしてGCR処理を実行することで出力画像データを生成してもよい。
【0042】
以下、具体例を挙げて、画像処理装置10による処理について詳しく説明する。
【0043】
図2を参照して、GCRレートの一例について説明する。図2には、ある明度L*における、彩度C*とGCRレート(つまりK成分の割合)との対応関係が示されている。彩度C*とGCRレートとの対応関係を示す図において、横軸は彩度C*を示しており、縦軸はGCRレート(0%~100%)を示している。
【0044】
また、図2には、デバイスの色域100が示されている。例えば、このデバイスに出力画像データが出力される。デバイスの色域100は、彩度C*と明度L*とによって定められる。図2中の点Aは、ある明度L*において彩度C*が0(ゼロ)となる点である。点Bは、ある明度L*を維持しつつ彩度C*が最大となる点である。デバイスの色域100上の点A,Bはそれぞれ、彩度C*とGCRレートとの対応関係を示す図上の点A,Bに対応する。
【0045】
彩度C*とGCRレートとの対応関係を示す図において、横軸が彩度C*を示し、縦軸がGCRレートを示す場合、GCRレートを表すグラフは、下凸の形状を有する。その形状は、直線状の形状、曲線状の形状、又は、直線と曲線の組み合わせの形状である。以下、GCRレートについて詳しく説明する。
【0046】
例えば、彩度C*が0(ゼロ)(つまり点Aの彩度C*)のとき、GCRレートは0%より大きい値X0である。彩度C*が彩度C*1のとき、GCRレートは最小値である値X1である。値X1は0%以上の値である。彩度C*0から彩度C*1にかけて、彩度C*が高くなるほどGCRレートは減少する。彩度C*1以降においては、彩度C*が高くなるほど、GCRレートは増大するする。彩度C*2(つまり点Bの彩度C*)は、明度L*を維持したときの最も高い彩度であり、値X2は、彩度C*2のときのGCRレートである。GCRレートが最小値となる彩度C*1は、彩度C*=0と彩度C*2との間(つまり点Aと点Bとの間)の値である。値X1は、値X0,X2よりも小さい値である。
【0047】
値X0、値X1、GCRレートが最小値となる彩度C*1、及び、グラフの傾きは、明度L*に応じて変わってもよい。また、値X0、値X1、値X2、及び、彩度C*1は、ユーザによって変更されてもよい。
【0048】
図2には、ある明度L*のGCRレートのグラフが示されているが、他の明度L*におけるGCRレートのグラフも、図2に示されているGCRレートのグラフと同様の形状(つまり下凸の形状)を有する。
【0049】
例えば、明度L*毎に、彩度C*とGCRレートとの対応関係が定められており、明度L*毎の対応関係を示す情報が、メモリ16に予め記憶されている。また、明度L*が低くなるほど、GCRレートは増大する。
【0050】
プロセッサ18は、入力画像データを受け付け、画素毎に、明度L*に対応する、彩度C*とGCRレートとの対応関係に従って、彩度C*に対応するGCRレートを決定し、maxKに、その決定したGCRレートを乗算することでK成分の量を算出する。プロセッサ18は、入力画像データのCMY成分の3色の重なる部分のグレー成分を、その算出した量を有するK成分に置換する。これにより、出力画像データが生成される。
【0051】
本実施形態においては、彩度C*が0(ゼロ)から彩度C*1の間では、彩度C*が増大するほどGCRレートは減少し、彩度C*1にてGCRレートは最小値となる。彩度C*1より高い彩度C*では、彩度C*が増大するほどGCRレートは増大する。本実施形態に対して、比較例に係る方法として、彩度C*が増大するほどGCRレートを常に減少させる方法が考えられるが、比較例に係る方法では、低明度の領域の色域が狭くなり、例えば自然画の印象が悪化することがある。本実施形態によれば、比較例に係る方法と比べて、色域が広くなり、低明度の領域における色再現性が良好となり、階調性が良好となる。
【0052】
プロセッサ18は、画像データの粒状性の優先度に応じて、GCRレートの最小値を変えてもよい。つまり、プロセッサ18は、粒状性の優先度に応じて、GCRレートの最小値を小さくする、又は、大きくする。粒状性の優先度は、例えばユーザによって指定される。例えば、出力画像データがプリントされたときの画像の粒状性の優先度が、ユーザによって指定される。プロセッサ18は、その指定された優先度に応じて最小値を変える。例えば、プロセッサ18は、粒状性の優先度が高いほど、GCRレートの最小値を小さくする。
【0053】
以下、図3を参照して、粒状性の優先度に応じてGCRレートの最小値を変える処理について説明する。図3には、ある明度L*における、彩度C*とGCRレートとの関係が示されている。図3において、横軸は彩度C*を示しており、縦軸はGCRレート(0%~100%)を示している。
【0054】
プロセッサ18は、ユーザによって指定された粒状性の優先度に応じて、GCRレートの最小値を上下させる。値X1aは、粒状性の優先度が最も高いときのGCRレートの最小値である。値X1bは、粒状性の優先度が最も低いときのGCRレートの最小値である。プロセッサ18は、値X1aと値X1bとの間で、粒状性の優先度に応じてGCRレートの最小値を変える。
【0055】
例えば、プロセッサ18は、彩度C*1を変えずにGCRレートの最小値のみを変える。これに応じて、彩度C*が0(ゼロ)のときのGCRレートの値X0とGCRレートの最小値との間のGCRレートの傾きが変わる。また、彩度C*1以降のGCRレートの傾きが変わる。
【0056】
プロセッサ18は、粒状性の優先度によって定められる最小値を有するGCRレートのグラフに従って、入力画像データに対してGCR処理を実行することで出力画像データを生成する。
【0057】
一般的に、K成分の量が少ないと、画像の粒状性が良好となる(例えば、画像のざらつき感が少なくなる)。粒状性の優先度が高くなるほどGCRレートの最小値を小さくしてK成分の量を少なくすることで、粒状性が良好な画像が得られる。
【0058】
粒状性の優先度毎に、GCRレートの最小値、及び、その最小値を有するGCRレートのグラフが予め定められて、それらがメモリ16に予め記憶されてもよい。プロセッサ18は、メモリ16に記憶されているGCRレートに従ってGCR処理を実行する。
【0059】
プロセッサ18は、画像データの色再現性の優先度に応じて、GCRレートの全体を、小さくし、又は。大きくしてもよい。色再現性の優先度は、例えばユーザによって指定される。例えば、出力画像データがプリントされたときの画像の色再現性の優先度が、ユーザによって指定される。プロセッサ18は、その指定された優先度に応じてGCRレートを変える。例えば、プロセッサ18は、色再現性の優先度が高いほど、GCRレートの全体を大きくする。
【0060】
以下、図4を参照して、色再現性の優先度に応じたGCRレートを変える処理について説明する。図4には、ある明度L*における、彩度C*とGCRレートとの関係が示されている。図4において、横軸は彩度C*を示しており、縦軸はGCRレート(0%~100%)を示している。
【0061】
プロセッサ18は、ユーザによって指定された色再現性の優先度に応じて、GCRレートを表すグラフの全体を上下させる。GCRレートのグラフ20は、色再現性の優先度が最も高いときのGCRレートのグラフである。GCRレートのグラフ21は、色再現性の優先度が最も低いときのGCRレートのグラフである。プロセッサ18は、グラフ20とグラフ21との間で、色再現性の優先度に応じてGCRレートのグラフを上下にスライドさせる。各グラフの傾きは、色再現性の優先度に応じて変わらない。つまり、プロセッサ18は、色再現性の優先度に応じて、GCRレートのグラフを上下に平行移動させる。プロセッサ18は、GCRレートが最小値となる彩度C*1を変えない。
【0062】
プロセッサ18は、色再現性の優先度によって定められるGCRレートのグラフに従って、入力画像データに対してGCR処理を実行することで出力画像データを生成する。
【0063】
一般的に、K成分の量が多いと、画像の色再現性が良好となる。色再現性の優先度が高くなるほどGCRレートのグラフの全体を高くしてK成分の量を多くすることで、色再現性が良好な画像が得られる。
【0064】
なお、色再現性の優先度毎にGCRレートのグラフが予め定められて、メモリ16に予め記憶されてもよい。プロセッサ18は、メモリ16に記憶されているGCRレートに従ってGCR処理を実行する。
【0065】
また、プロセッサ18は、粒状性の優先度と色再現性の優先度の両方に応じて、GCRレートを変えてもよい。つまり、プロセッサ18は、粒状性の優先度に応じて、GCRレートの最小値を変え、かつ、GCRレートの全体を上下方向にスライドさせる。
【0066】
プロセッサ18は、画像データの色相に応じて、GCRレートが最小となる彩度を変えてもよい。プロセッサ18は、画像データに表されている対象物(例えば人や空)に応じて、GCRレートが最小となる彩度を変えてもよい。以下、この処理について説明する。
【0067】
図5には、色空間の一例が示されている。図5には、L*a*b*空間上のa*b*面が示されている。符号22が指し示す色相は50~80°であり、例えば、人の肌の色相に相当する色相である。
【0068】
図6には、色相が50~80°のときのGCRレートが示されている。GCRレートが最小となる彩度C*は、彩度C*1aである。例えば、彩度C*1aは10である。
【0069】
図7には、色空間の一例が示されている。図7には、L*a*b*空間上のa*b*面が示されている。符号28が指し示す色相は260~300°であり、例えば、空の色相に相当する色相である。
【0070】
図8には、色相が260~300°のときのGCRレートが示されている。GCRレートが最小となる彩度C*は、彩度C*1bである。例えば、彩度C*1bは40である。
【0071】
なお、プロセッサ18は、色相に応じてGCRレートの最小値を変えてもよいし、色相に応じてGCRレートの最小値を変えなくてもよい。例えば、彩度C*1aのときのGCRレートの最小値と、彩度C*1bのときのGCRレートの最小値は、同じ値であってもよいし、異なる値であってもよい。
【0072】
例えば、プロセッサ18は、色相の値が大きいほど、高い彩度C*にGCRレートの最小値を設定する。図6及び図8に示すように、彩度C*1bは、彩度C*1aよりも高い彩度である。
【0073】
例えば、画像データに表されている人の肌の色がより肌色らしく表現されるように、色相が50~80°では、低彩度の位置にGCRレートの最小値が設定される。また、画像データに表されている空の粒状感を良好にするために、色相260~300°では、高彩度の位置にGCRレートの最小値が設定される。
【0074】
プロセッサ18は、入力画像データに表されている対象物の色相に応じてGCRレートを変えて、入力画像データに対してGCR処理を実行することで出力画像データを生成する。例えば、プロセッサ18は、色相が50~80°の範囲に含まれる対象物に対しては、図6に示されているGCRレートに従ってGCR処理を実行し、色相が260~300°の範囲に含まれる対象物に対しては、図8に示されているGCRレートに従ってGCR処理を実行する。
【0075】
また、ユーザが、出力画像データに表されている対象物(例えば人の顔や空)を指定してもよい。プロセッサ18は、その指定された対象物の色相に対応するGCRレートに従ってGCR処理を実行する。
【0076】
また、予め定められた基準の色相について、GCRレートが最小となる基準の彩度が予め定められてもよい。色相が50~80°のときにGCRレートが最小となる彩度、及び、色相が260~300°のときにGCRレートが最小となる彩度は、この基準の彩度から変更された彩度である。
【0077】
プロセッサ18は、特定の色相(例えば、50~80°の色相や260~300°の色相)について、GCRレートが最小となる彩度が変更された場合、特定の色相と基準の色相との間の色相においては、GCRレートが最小となる彩度を、色相に応じて変えてもよい。例えば、プロセッサ18は、GCRレートが最小となる彩度が、基準の色相にて基準の彩度と等しくなるように、特定の色相から基準の色相にかけて、GCRレートが最小となる彩度を徐々に又は段階的に変える。その変化は、線形的な変化であってもよいし、非線形的な変化であってもよい。以下、図5及び図7を参照して、この処理について説明する。
【0078】
図5において、符号22が指し示す50~80°の色相が、上記の特定の色相である。符号24が指し示す色相A1、及び、符号26が指し示す色相A2は、上記の基準の色相である。基準の色相である色相A1,A2においてGCRレートが最小となる彩度が、上記の基準の彩度である。例えば、基準の彩度C*は30である。
【0079】
GCRレートが最小となる彩度が、色相A1にて30となるように、色相50°から色相A1にかけて、GCRレートが最小となる彩度が、徐々に又は段階的に変更される。同様に、GCRレートが最小となる彩度が、色相A2にて30となるように、色相80°から色相A2にかけて、GCRレートが最小となる彩度が、徐々に又は段階的に変更される。なお、色相A1と色相A2との間の色相の範囲であって、50~80°の色相を含まない範囲(図5中の範囲A12)では、GCRレートが最小となる彩度は、基準の彩度である。
【0080】
また、図8において、符号28が指し示す260~300°の色相が、上記の特定の色相である。符号30が指し示す色相B1、及び、符号32が指し示す色相B2は、上記の基準の色相である。基準の色相である色相B1,B2においてGCRレートが最小となる彩度が、上記の基準の彩度である。例えば、基準の彩度C*は30である。
【0081】
GCRレートが最小となる彩度が、色相B1にて30となるように、色相260°から色相B1にかけて、GCRレートが最小となる彩度が、徐々に又は段階的に変更される。同様に、GCRレートが最小となる彩度が、色相B2にて30となるように、色相300°から色相B2にかけて、GCRレートが最小となる彩度が、徐々に又は段階的に変更される。なお、色相B1と色相b2との間の色相の範囲であって、260~300°の色相を含まない範囲(図7中の範囲B12)では、GCRレートが最小となる彩度は、基準の彩度である。
【0082】
上記の基準の色相、基準の色相においてGCRレートが最小となる基準の彩度、基準の彩度におけるGCRレートの最小値、及び、特定の色相と基準の色相との間においてGCRレートが最小となる彩度の変化の傾向(例えばその変化率)は、ユーザによって変更されてもよい。
【0083】
また、複数の特定の色相が設定されてもよい。図9に示すように、例えば、符号22が指し示す50~80°の色相と、符号28が指し示す260~300°の色相が、特定の色相として設定されている。この場合、プロセッサ18は、色相80°から色相260°にかけて、GCRレートが最小となる彩度を徐々に又は段階的に変える。また、上述したように、プロセッサ18は、色相50°から色相A1にかけて、GCRレートが最小となる彩度を徐々に又は段階的に変える。
【0084】
また、プロセッサ18は、粒状性の優先度及び色再現性の優先度の中の少なくとも1つの優先度と、色相とに応じて、GCRレートを変えてもよい。例えば、プロセッサ18は、粒状性の優先度に応じてGCRレートの最小値を変えると共に、色再現性の優先度に応じてGCRレートの全体を上下方向にスライドさせ、更に、色相に応じて、GCRレートが最小となる彩度C*を変えてもよい。もちろん、この場合の処理において、色相に応じてGCRレートが変更されると共に、粒状性の優先度又は色再現性の優先度のいずれか一方に応じてGCRレートが変更されてもよい。
【0085】
以下、各種の設定を行うためのユーザインターフェースについて説明する。以下に説明するユーザインターフェースは、例えば、画像処理装置10のディスプレイや、ユーザの端末装置のディスプレイに表示される。ユーザが、その表示されたユーザインターフェースを操作することで、設定が行われる。プロセッサ18は、その設定に従ってGCR処理を実行する。
【0086】
図10には、粒状性の優先度を設定するためのユーザインターフェースの一例が示されている。図10に示されているユーザインターフェースは、スライドバーである。このユーザインターフェースは、例えば、優先度(例えば5段階の優先度)を示す目盛34と、つまみ36とを含む。ユーザが、つまみ36を操作することで、粒状性の優先度が指定される。
【0087】
図11には、粒状性の優先度を設定するためのユーザインターフェースの別の例が示されている。図11に示されているユーザインターフェースは、プルダウン方式のユーザインターフェースである。例えば、粒状性の優先度がレベル(例えばレベル1~4)として表示され、優先度に対応するレベルがユーザによって指定される。
【0088】
図12には、粒状性の優先度を設定するためのユーザインターフェースの更に別の例が示されている。図12に示されているユーザインターフェースは、ラジオボタンである。例えば、粒状性の優先度がレベル(例えばレベル1~4)として表示され、ボタンを押すことでレベルが指定される。
【0089】
図10から図12には、粒状性の優先度を設定するためのユーザインターフェースが示されているが、色再現性の優先度を設定するためのユーザインターフェースとして、図10から図12に示されているユーザインターフェースが用いられてもよい。
【0090】
図13には、GCRレートを設定するためのユーザインターフェースの一例が示されている。例えば、彩度C*に対するGCRレートのグラフがディスプレイに表示され、そのディスプレイの画面上にて、符号38が指し示すように、GCRレートの最小値がユーザによって変更される。GCRレートの最小値の変更に伴って、GCRレートの傾きも変更される。なお、GCRレートが最小値となる彩度C*が、ユーザによって変更されてもよい。
【0091】
図14には、GCRレートを設定するためのユーザインターフェースの別の例が示されている。例えば、彩度C*に対するGCRレートのグラフがディスプレイに表示され、そのディスプレイの画面上にて、符号40が指し示すように、GCRレートの全体がユーザによって上下方向にスライドされる。この場合、GCRレートの傾きは変更されない。図14に示す例では、GCRレートが最小値となる彩度C*が固定された状態で、GCRレートの全体が上下方向にスライドされているが、GCRレートが最小値となる彩度C*がユーザによって変更されてもよい。
【0092】
また、ユーザが明度L*を指定すると、その明度L*における彩度C*とGCRレートとの対応関係を表すグラフが、ディスプレイに表示されてもよい。例えば、図13及び図14に示されているグラフは、ある明度L*におけるグラフである。ユーザが明度L*を変更すると、その変更後の明度L*におけるグラフが表示され、ユーザが当該グラフを操作することで、GCRレートの最小値が変更されたり、GCRレートの全体が上下方向にスライドされたりする。
【0093】
プロセッサ18は、図13又は図14に示されているユーザインターフェースと共に、GCR処理が実行された後の出力画像データに基づく出力画像をディスプレイに表示させてもよい。例えば、図13又は図14に示されているユーザインターフェースにてGCRレートがユーザによって設定されると、プロセッサ18は、その設定されたGCRレートに従って、入力画像データに対してGCR処理を実行することで出力画像データを生成する。プロセッサ18は、その出力画像データに基づく出力画像をディスプレイに表示させる。また、プロセッサ18は、入力画像データに基づく入力画像と出力画像とを並べてディスプレイに表示させてもよい。
【0094】
図15には、彩度C*と色相hとを設定するためのユーザインターフェースの一例が示されている。ここでは一例として、対象物「肌」及び「空」のそれぞれの彩度C*と色相hとを設定するためのユーザインターフェースが示されている。ここで設定される彩度C*は、GCRレートが最小値となる彩度C*であり、色相hは、その彩度C*が適用される色相である。具体例を挙げて説明すると、対象物「肌」に関して、彩度C*「10」、及び、色相「50~80°」が設定されている。これにより、GCRレートが最小値となる彩度C*として「10」が設定され、その彩度C*が適用される色相として「50~80°」が設定される。対象物「空」についても同様である。これらの値は、ユーザによって入力される。
【0095】
図16には、彩度C*と色相hとを設定するためのユーザインターフェースの一例が示されている。例えば、入力画像データに基づく入力画像42が、ディスプレイに表示される。そのディスプレイの画面上にて、入力画像42中の画素がユーザによって指定されると、プロセッサ18は、その指定された画素のRGBの値(例えば、255,243,255)を入力画像データから取得する。次に、プロセッサ18は、その取得したRGBの値を、標準の色空間上の値であるL*a*b*に変換し、彩度C*と色相hとを算出する。その算出された彩度C*と色相hが、ユーザによって指定された画素の彩度C*と色相hである。
【0096】
上記各実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU: Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU: Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。また上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【符号の説明】
【0097】
10 画像処理装置、18 プロセッサ。
図1
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図4
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図7
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