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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】電気駆動式バルブ
(51)【国際特許分類】
   H02P 8/36 20060101AFI20240702BHJP
   F16K 31/04 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
H02P8/36
F16K31/04 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020163717
(22)【出願日】2020-09-29
(65)【公開番号】P2022055975
(43)【公開日】2022-04-08
【審査請求日】2023-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100107537
【弁理士】
【氏名又は名称】磯貝 克臣
(72)【発明者】
【氏名】岩尾 恵仁斉
(72)【発明者】
【氏名】橋本 謙一
【審査官】池田 貴俊
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-161054(JP,A)
【文献】特開平05-176597(JP,A)
【文献】特開昭58-175997(JP,A)
【文献】特開平11-341891(JP,A)
【文献】特開2005-308350(JP,A)
【文献】特開昭58-036196(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02P 8/36
F16K 31/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
湯水の混合比及び流量の少なくとも一方を調整する電気駆動式バルブであって、
複数相を有するステッピングモータと、
前記ステッピングモータの回転位置に応じて移動可能である弁体と、
前記ステッピングモータの回転及び停止を制御するために、前記ステッピングモータの前記複数相の各々に駆動電圧パターンを供給するモータ制御部と、
を備え、
前記弁体の位置に応じて、湯水の混合比及び流量の少なくとも一方が調整されるようになっており、
前記モータ制御部は、前記ステッピングモータの停止期間中の少なくとも一部において、前記駆動電圧パターンとして前記複数相のうちの少なくとも1つの相に間欠的なパルス電圧を供給するようになっており、
前記モータ制御部は、前記ステッピングモータの停止期間中に、前記ステッピングモータの回転指令を受信可能となっており、
前記モータ制御部は、前記間欠的なパルス電圧の1つの供給中に前記回転指令を受信した場合、当該1つのパルス電圧の供給が終了した後に直ちに、前記ステッピングモータの前記複数相の各々への回転駆動用の駆動電圧パターンの供給を開始するようになっており、
前記モータ制御部は、前記間欠的なパルス電圧の谷間に相当する期間中に前記回転指令を受信した場合、前記間欠的なパルス電圧の周期を変更して直ちに次の1つのパルス電圧を供給し、当該1つのパルス電圧の供給が終了した後に直ちに、前記ステッピングモータの前記複数相の各々への回転駆動用の駆動電圧パターンの供給を開始するようになっている
ことを特徴とする電気駆動式バルブ。
【請求項2】
湯水の混合比及び流量の少なくとも一方を調整する電気駆動式バルブであって、
複数相を有するステッピングモータと、
前記ステッピングモータの回転位置に応じて移動可能である弁体と、
前記ステッピングモータの回転及び停止を制御するために、前記ステッピングモータの前記複数相の各々に駆動電圧パターンを供給するモータ制御部と、
を備え、
前記弁体の位置に応じて、湯水の混合比及び流量の少なくとも一方が調整されるようになっており、
前記モータ制御部は、前記ステッピングモータの停止期間中の少なくとも一部において、前記駆動電圧パターンとして前記複数相のうちの少なくとも1つの相に間欠的なパルス電圧を供給するようになっており、
前記モータ制御部は、前記ステッピングモータの停止期間中に、前記ステッピングモータの回転指令を受信可能となっており、
前記モータ制御部は、前記間欠的なパルス電圧の1つの供給中に前記回転指令を受信した場合、当該1つのパルス電圧の供給が終了した後に直ちに、前記ステッピングモータの前記複数相の各々への回転駆動用の駆動電圧パターンの供給を開始するようになっており、
前記モータ制御部は、前記間欠的なパルス電圧の谷間に相当する期間中に前記回転指令を受信した場合、前記間欠的なパルス電圧の次の1つのパルス電圧の供給を待って、当該1つのパルス電圧の供給が終了した後に直ちに、前記ステッピングモータの前記複数相の各々への回転駆動用の駆動電圧パターンの供給を開始するようになっている
ことを特徴とする電気駆動式バルブ。
【請求項3】
前記モータ制御部は、前記ステッピングモータの停止期間中の少なくとも一部において、前記駆動電圧パターンとして前記複数相のうちの隣り合う2つの相に間欠的なパルス電圧を供給するようになっている
ことを特徴とする請求項1または2に記載の電気駆動式バルブ。
【請求項4】
前記ステッピングモータの前記複数相の各々への回転駆動用の駆動電圧パターンは、t秒を所定の設定時間とし、n、kを共に自然数として、当該回転駆動が(n×t)秒間以上継続する場合、k=1,・・・,n-1として、
t秒間である第1期間において、前記ステッピングモータの停止期間中にパルス電圧が供給されていた相を1つだけずらした相、または、前記ステッピングモータの停止期間中にパルス電圧が供給されていた相の群を1つだけずらした相の群、に与えられる第1駆動電圧と、
第k期間の後のt秒間である第(k+1)期間において、第k期間中に第k駆動電圧が供給されていた相を更に1つだけずらした相、または、第k期間中に第k駆動電圧が供給されていた相の群を更に1つだけずらした相の群、に与えられる第(k+1)駆動電圧と、
を有している
ことを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の電気駆動式バルブ。
【請求項5】
前記ステッピングモータの前記複数相の各々への回転駆動用の駆動電圧パターンは、t秒及びt秒より長い(t+α)秒をそれぞれ所定の設定時間とし、n、kを共に自然数として、当該回転駆動が(n×t+α)秒間以上継続する場合、k=1,・・・,n-1として、
(t+α)秒間である第1期間において、前記ステッピングモータの停止期間中にパルス電圧が供給されていた相を1つだけずらした相、または、前記ステッピングモータの停止期間中にパルス電圧が供給されていた相の群を1つだけずらした相の群、に与えられる第1駆動電圧と、
第k期間の後のt秒間である第(k+1)期間において、第k期間中に第k駆動電圧が供給されていた相を更に1つだけずらした相、または、第k期間中に第k駆動電圧が供給されていた相の群を更に1つだけずらした相の群、に与えられる第(k+1)駆動電圧と、
を有している
ことを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の電気駆動式バルブ。
【請求項6】
湯水の混合比及び流量の少なくとも一方を調整する電気駆動式バルブであって、
複数相を有するステッピングモータと、
前記ステッピングモータの回転位置に応じて移動可能である弁体と、
前記ステッピングモータの回転及び停止を制御するために、前記ステッピングモータの前記複数相の各々に駆動電圧パターンを供給するモータ制御部と、
を備え、
前記弁体の位置に応じて、湯水の混合比及び流量の少なくとも一方が調整されるようになっており、
前記モータ制御部は、前記ステッピングモータの停止期間中の少なくとも一部において、前記駆動電圧パターンとして前記複数相のうちの少なくとも1つの相に間欠的なパルス電圧を供給するようになっており、
前記ステッピングモータの前記複数相の各々への回転駆動用の駆動電圧パターンは、t秒及びt秒より長い(t+α)秒をそれぞれ所定の設定時間とし、n、kを共に自然数として、当該回転駆動が(n×t+α)秒間以上継続する場合、k=1,・・・,n-1として、
(t+α)秒間である第1期間において、前記ステッピングモータの停止期間中にパルス電圧が供給されていた相を1つだけずらした相、または、前記ステッピングモータの停止期間中にパルス電圧が供給されていた相の群を1つだけずらした相の群、に与えられる第1駆動電圧と、
第k期間の後のt秒間である第(k+1)期間において、第k期間中に第k駆動電圧が供給されていた相を更に1つだけずらした相、または、第k期間中に第k駆動電圧が供給されていた相の群を更に1つだけずらした相の群、に与えられる第(k+1)駆動電圧と、
を有している
ことを特徴とする電気駆動式バルブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステッピングモータを用いて湯水の混合比及び流量の少なくとも一方を調整する電気駆動式バルブに関する。
【背景技術】
【0002】
ステッピングモータを用いて湯水の混合比及び流量の少なくとも一方を調整する電気駆動式バルブは、弁体の位置決め精度を高めることができるため、すでに広く利用されている。例えば、特許文献1には、ステッピングモータを用いて湯水の流量を調整する流量調整バルブが記載されている。また、ステッピングモータは、温度調整バルブにも適用可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-201200号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、ステッピングモータは、複数相のステータを有しており、当該複数相のステータの各々に駆動電圧パターンが供給されることで、ロータが回転駆動され、あるいは、ロータの停止が維持される。
【0005】
図6に示すように、例えば4相のステッピングモータにおいて、2ms(ミリ秒)の第1期間t1において3相及び4相の群に駆動電圧が供給されていた場合、次の2msの第2期間t2においては、3相及び4相の群を1つだけずらした相の群、すなわち、4相及び1相の群、に駆動電圧が供給される。
【0006】
そして、更に次の2msの第3期間t3においては、4相及び1相の群を1つだけずらした相の群、すなわち、1相及び2相の群、に駆動電圧が供給される。
【0007】
そして、更に次の2msの第4期間t4においては、1相及び2相の群を1つだけずらした相の群、すなわち、2相及び3相の群、に駆動電圧が供給される。
【0008】
そして、更に次の2msの第5期間t5においては、2相及び3相の群を1つだけずらした相の群、すなわち、3相及び4相の群、に駆動電圧が供給される。この状態は、第1期間の状態と同一である。
【0009】
以上のように複数相のステータの各々への駆動電圧パターンの供給を例えば2ms毎にずらしていくことにより、ロータが回転駆動される。
【0010】
一方、ステッピングモータの停止指令が受信されると、そのタイミングで駆動電圧が供給されていた相の群(図6の例では2相及び3相)に、その後も継続的に電圧が供給され続ける(「停止励磁」と呼ばれる)。これにより、対応するステータ位置にロータが保持され、すなわち、ロータが停止される。
【0011】
本件発明者は、湯水の混合比及び流量の少なくとも一方を調整する電気駆動式バルブにステッピングモータを利用することについて検討を重ねる中で、以上のようなステッピングモータの動作方法では、以下のような問題があることを知見した。
【0012】
すなわち、ステッピングモータが停止している間、同一の相の群(図6の例では2相及び3相)に電圧が供給され続けるため、微量ではあるが発熱状態が継続することとなる。このことは、湯水の混合比及び流量の少なくとも一方を調整する電気駆動式バルブとしては、湯水の温度に対する外乱要因となって、好ましくない。
【0013】
一方で、「停止励磁」を行わないと、ロータがフリーになってしまうため、振動等によってロータの位置が変わってしまう(ロータの停止状態を維持できない)という懸念がある。
【0014】
本件発明者は、様々な検討ないし実験を積み重ねる中で、「停止励磁」を継続的に供給するのではなく、間欠的なパルス電圧として供給することが、ステッピングモータ(ロータ)の停止状態を維持しながらステッピングモータの発熱を抑制する上で極めて効果的であるとの知見を得た。
【0015】
本発明は、以上のような知見に基づいてなされたものである。本発明の目的は、ステッピングモータを用いて湯水の混合比及び流量の少なくとも一方を調整する電気駆動式バルブであって、ステッピングモータの停止状態を維持しながらステッピングモータの発熱を抑制することができる電気駆動式バルブを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、湯水の混合比及び流量の少なくとも一方を調整する電気駆動式バルブであって、複数相を有するステッピングモータと、前記ステッピングモータの回転位置に応じて移動可能である弁体と、前記ステッピングモータの回転及び停止を制御するために、前記ステッピングモータの前記複数相の各々に駆動電圧パターンを供給するモータ制御部と、を備え、前記弁体の位置に応じて、湯水の混合比及び流量の少なくとも一方が調整されるようになっており、前記モータ制御部は、前記ステッピングモータの停止期間中の少なくとも一部において、前記駆動電圧パターンとして前記複数相のうちの少なくとも1つの相に間欠的なパルス電圧を供給するようになっていることを特徴とする電気駆動式バルブである。
【0017】
本発明によれば、ステッピングモータの停止期間中の少なくとも一部において、駆動電圧パターンとして複数相のうちの少なくとも1つの相に間欠的なパルス電圧が供給されるため、ステッピングモータの停止状態を維持しながらステッピングモータの発熱を抑制することができる。
【0018】
前記モータ制御部は、前記ステッピングモータの停止期間中の少なくとも一部において、前記駆動電圧パターンとして前記複数相のうちの隣り合う2つの相に間欠的なパルス電圧を供給するようになっていることが好ましい。
【0019】
この場合、2つの相にパルス電圧が供給されるため、ステッピングモータの停止状態をより確実に維持することができる。
【0020】
また、前記モータ制御部は、前記ステッピングモータの停止期間中に、前記ステッピングモータの回転指令を受信可能となっており、前記モータ制御部は、前記間欠的なパルス電圧の1つの供給中に前記回転指令を受信した場合、当該1つのパルス電圧の供給が終了した後に直ちに、前記ステッピングモータの前記複数相の各々への回転駆動用の駆動電圧パターンの供給を開始するようになっており、前記モータ制御部は、前記間欠的なパルス電圧の谷間に相当する期間中に前記回転指令を受信した場合、前記間欠的なパルス電圧の周期を変更して直ちに次の1つのパルス電圧を供給し、当該1つのパルス電圧の供給が終了した後に直ちに、前記ステッピングモータの前記複数相の各々への回転駆動用の駆動電圧パターンの供給を開始するようになっていることが好ましい。
【0021】
これによれば、パルス電圧によってステッピングモータの停止状態(ロータの位置)を高精度に位置出し(位置決め)した状態で、回転指令に基づく回転駆動用の駆動電圧パターンの供給が開始されるため、当該回転指令に基づく回転駆動が高精度に実現される。
【0022】
あるいは、前記モータ制御部は、前記ステッピングモータの停止期間中に、前記ステッピングモータの回転指令を受信可能となっており、前記モータ制御部は、前記間欠的なパルス電圧の1つの供給中に前記回転指令を受信した場合、当該1つのパルス電圧の供給が終了した後に直ちに、前記ステッピングモータの前記複数相の各々への回転駆動用の駆動電圧パターンの供給を開始するようになっており、前記モータ制御部は、前記間欠的なパルス電圧の谷間に相当する期間中に前記回転指令を受信した場合、前記間欠的なパルス電圧の次の1つのパルス電圧の供給を待って、当該1つのパルス電圧の供給が終了した後に直ちに、前記ステッピングモータの前記複数相の各々への回転駆動用の駆動電圧パターンの供給を開始するようになっていることが好ましい。
【0023】
これによっても、パルス電圧によってステッピングモータの停止状態(ロータの位置)を高精度に位置出し(位置決め)した状態で、回転指令に基づく回転駆動用の駆動電圧パターンの供給が開始されるため、当該回転指令に基づく回転駆動が高精度に実現される。
【0024】
例えば、前記ステッピングモータの前記複数相の各々への回転駆動用の駆動電圧パターンは、t秒を所定の設定時間とし、n、kを共に自然数として、当該回転駆動が(n×t)秒間以上継続する場合、k=1,・・・,n-1として、t秒間である第1期間において、前記ステッピングモータの停止期間中にパルス電圧が供給されていた相を1つだけずらした相、または、前記ステッピングモータの停止期間中にパルス電圧が供給されていた相の群を1つだけずらした相の群、に与えられる第1駆動電圧と、第k期間の後のt秒間である第(k+1)期間において、第k期間中に第k駆動電圧が供給されていた相を更に1つだけずらした相、または、第k期間中に第k駆動電圧が供給されていた相の群を更に1つだけずらした相の群、に与えられる第(k+1)駆動電圧と、を有している。
【0025】
あるいは、極めて短時間の(例えばt~2t程度の)回転駆動をより高精度に実現するべく、回転駆動用の駆動電圧パターンの第1期間を他の期間よりも長くすることが好ましい。具体的には、前記ステッピングモータの前記複数相の各々への回転駆動用の駆動電圧パターンは、t秒及びt秒より長い(t+α)秒をそれぞれ所定の設定時間とし、n、kを共に自然数として、当該回転駆動が(n×t+α)秒間以上継続する場合、k=1,・・・,n-1として、(t+α)秒間である第1期間において、前記ステッピングモータの停止期間中にパルス電圧が供給されていた相を1つだけずらした相、または、前記ステッピングモータの停止期間中にパルス電圧が供給されていた相の群を1つだけずらした相の群、に与えられる第1駆動電圧と、第k期間の後のt秒間である第(k+1)期間において、第k期間中に第k駆動電圧が供給されていた相を更に1つだけずらした相、または、第k期間中に第k駆動電圧が供給されていた相の群を更に1つだけずらした相の群、に与えられる第(k+1)駆動電圧と、を有していることが好ましい。
【0026】
この場合において、α秒をより長くすれば、回転駆動の精度はより高くなるが、あまり長くし過ぎると、始動が遅れ過ぎる。α≦4tが、好適な範囲である。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、ステッピングモータの停止期間中の少なくとも一部において、駆動電圧パターンとして複数相のうちの少なくとも1つの相に間欠的なパルス電圧が供給されるため、ステッピングモータの停止状態を維持しながらステッピングモータの発熱を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の一実施形態による電気駆動式バルブの構成概略図である。
図2】本実施形態による電気駆動式バルブのステッピングモータの4相の各々に供給される駆動電圧パターンの第1例の図である。
図3】本実施形態による電気駆動式バルブのステッピングモータの4相の各々に供給される駆動電圧パターンの第2例の図である。
図4】本実施形態による電気駆動式バルブのステッピングモータの4相の各々に供給される駆動電圧パターンの第3例の図である。
図5】本実施形態による電気駆動式バルブのステッピングモータの4相の各々に供給される駆動電圧パターンの第4例の図である。
図6】ステッピングモータの4相の各々に供給される駆動電圧パターンの従来例の図である。
図7】本発明を適用可能な新型の水栓弁装置の概略斜視図である。
図8図7の水栓弁装置の概略正面図である。
図9図7の水栓弁装置の概略縦断面斜視図である。
図10図7の水栓弁装置の概略縦断面図である。
図11図10のシリンダ体部分の拡大図である。
図12】シリンダ体及びシャフト体を抜き出して示す概略斜視図である。
図13】水側補助管部材の概略斜視図である(湯側補助管部材も同様)。
図14】規制部材を示す図であり、図14(a)は内方側から見た側面図であり、図14(b)及び図14(c)は内方側から見た斜視図である。
図15】水側補助管部材及び湯側補助管部材がシリンダ体に当接する様子を示す概略図である。
図16】シリンダ体の回転位置に応じて温度調整がなされ、シリンダ体の軸方向位置に応じて流量調整がなされる場合の概略説明図である。
図17】シリンダ体の軸方向位置に応じて温度調整がなされ、シリンダ体の回転位置
【発明を実施するための形態】
【0029】
次に、添付図面を参照して、本発明の一実施形態による電気駆動式バルブについて説明する。
【0030】
図1:構成)
図1は、本実施形態による電気駆動式バルブ110の構成概略図である。図1に示すように、本実施形態による電気駆動式バルブ110は、4相(複数相の一例)を有するステッピングモータ111と、ステッピングモータ111の回転位置に応じて移動可能である弁体112と、ステッピングモータ111の回転及び停止を制御するためにステッピングモータ111の4相の各々に駆動電圧パターンを供給するモータ制御部113と、を備えている。
【0031】
本実施形態では、弁体112の位置に応じて、湯水の混合比及び流量の少なくとも一方が調整されるようになっている。
【0032】
そして、モータ制御部113は、ステッピングモータ111の停止期間中の少なくとも一部において、駆動電圧パターンとして4相のうちの隣り合う2相(少なくとも1つの相の一例)に間欠的なパルス電圧を供給するようになっている。
【0033】
図2:駆動電圧パターンの第1例)
図2は、本実施形態による電気駆動式バルブ110のステッピングモータ111の4相の各々に供給される駆動電圧パターンの第1例の図である。図2に示すように、2ms(ミリ秒)の第1期間t1において、3相及び4相の群に駆動電圧が供給され、次の2msの第2期間t2において、3相及び4相の群を1つだけずらした相の群、すなわち、4相及び1相の群、に駆動電圧が供給される。
【0034】
そして、更に次の2msの第3期間t3において、4相及び1相の群を1つだけずらした相の群、すなわち、1相及び2相の群、に駆動電圧が供給される。
【0035】
そして、更に次の2msの第4期間t4において、1相及び2相の群を1つだけずらした相の群、すなわち、2相及び3相の群、に駆動電圧が供給される。
【0036】
そして、更に次の2msの第5期間t5において、2相及び3相の群を1つだけずらした相の群、すなわち、3相及び4相の群、に駆動電圧が供給される。この状態は、第1期間t1の状態と同一である。
【0037】
以上のように4相(のステータ)の各々への駆動電圧パターンの供給を例えば2ms毎にずらしていくことにより、ロータが回転駆動される。
【0038】
一方、モータ制御部113がステッピングモータ111の停止指令を受信すると、そのタイミングで駆動電圧が供給されていた相の群(図2の例では2相及び3相)に、その後も継続的に電圧が供給され続ける(「停止励磁」と呼ばれる)。これにより、対応するステータ位置にロータが保持され、すなわち、ロータが停止される。
【0039】
従来は、この停止励磁が継続的に供給されていたが、本実施形態では、停止励磁は20msだけ供給され(この供給時間20msは設定変更により増減可能)、その後は、間欠的なパルス電圧の供給に移行する。間欠的なパルス電圧は、停止励磁が供給されていた相の群(図2の例では2相及び3相)に供給される。
【0040】
図2の例では、間欠的なパルス電圧は、周期的なパルス電圧であって、2msのパルス幅であり、4msの間隔(谷間)を伴って、周期は6msである。このような間欠的なパルス電圧によれば、パルス電圧の谷間において振動等が生じてロータの位置が変わる(ずれる)ことがあっても、当該谷間の時間が短時間であるから次のパルス電圧の供給(印加)によって再びロータが元の位置に保持され、すなわち、ロータの停止状態が確実に維持され得る。一方、当該谷間の時間が存在することにより、ステッピングモータ111からの発熱量は顕著に抑制され得る。
【0041】
本件発明者の知見によれば、好適なパルス幅の範囲は、1ms~10ms程度であり、好適な谷間時間の範囲は、1ms~10ms程度である。
【0042】
続いて、モータ制御部113がステッピングモータ111の回転指令を受信すると、4相の各々への回転駆動用の駆動電圧パターンの供給が開始される。具体的には、2msの新たな第1期間t1において、パルス電圧が供給されていた2相及び3相の群を1つだけずらした相の群、すなわち、3相及び4相の群、に駆動電圧が供給される。
【0043】
そして、次の2msの新たな第2期間t2において、3相及び4相の群を1つだけずらした相の群、すなわち、4相及び1相の群、に駆動電圧が供給される。
【0044】
そして、更に次の2msの新たな第3期間t3において、4相及び1相の群を1つだけずらした相の群、すなわち、1相及び2相の群、に駆動電圧が供給される。
【0045】
そして、更に次の2msの新たな第4期間t4において、1相及び2相の群を1つだけずらした相の群、すなわち、2相及び3相の群、に駆動電圧が供給される。
【0046】
そして、更に次の2msの新たな第5期間t5において、2相及び3相の群を1つだけずらした相の群、すなわち、3相及び4相の群、に駆動電圧が供給される。この状態は、新たな第1期間t1の状態と同一である。
【0047】
以上のように4相(のステータ)の各々への駆動電圧パターンの供給を例えば2ms毎にずらしていくことにより、ロータが回転駆動される。
【0048】
図3:駆動電圧パターンの第2例)
図2の例では、モータ制御部113がステッピングモータ111の回転指令を受信したタイミングが、ちょうどパルス電圧の供給終了のタイミングとなっている。従って、モータ制御部113がステッピングモータ111の回転指令を受信したタイミングで直ちに回転駆動用の駆動電圧パターンの供給を開始しても(パルス電圧が供給されていた相の群から1つずれた相の群に駆動電圧が供給される)、不都合が生じることはない。
【0049】
また、モータ制御部113がステッピングモータ111の回転指令を受信したタイミングが、パルス電圧の供給終了のタイミングでなくても、パルス電圧の供給中であるならば、パルス電圧の供給(印加)によってロータが元の位置に保持されていることがある程度期待される。このため、この場合も、モータ制御部113がステッピングモータ111の回転指令を受信したタイミングで直ちに回転駆動用の駆動電圧パターンの供給を開始しても、不都合が生じる可能性は低い。
【0050】
しかしながら、 モータ制御部113がステッピングモータ111の回転指令を受信したタイミングが、パルス電圧の谷間に相当する期間中であるならば、振動等によってロータの位置が変わってしまっている可能性があるため、直ちに回転駆動用の駆動電圧パターンの供給を開始してしまうと(パルス電圧が供給されていた相の群から1つずれた相の群に駆動電圧が供給される)、回転駆動の所望の精度が得られない可能性がある。
【0051】
図3に示した駆動電圧パターンの第2例は、このような問題に対処するものである。
【0052】
図3において、回転駆動状態から停止励磁供給状態を経てパルス電圧供給状態に移行するまでの駆動電圧パターンは、図2と同一であるから、その詳細な説明は省略する。
【0053】
図3の例では、モータ制御部113がステッピングモータ111の回転指令を受信したタイミングが、パルス電圧の谷間に相当する期間中であるならば、周期的なパルス電圧の周期を変更して直ちに次の1つのパルス電圧を供給し、当該1つのパルス電圧の供給が終了した後に、回転駆動用の駆動電圧パターンの供給が開始される。
【0054】
これによれば、パルス電圧によってステッピングモータ111の停止状態(ロータの位置)を高精度に位置出し(位置決め)した状態で、回転指令に基づく回転駆動用の駆動電圧パターンの供給が開始されるため、当該回転指令に基づく回転駆動が高精度に実現される。(但し、回転駆動の始動は、パルス電圧1つ分の時間(2ms)だけ遅れる。)
【0055】
図3において、新たな回転駆動状態(新たな第1期間t1以後)の駆動電圧パターンは、図2と同一であるから、その詳細な説明は省略する。
【0056】
なお、モータ制御部113がステッピングモータ111の回転指令を受信したタイミングが、ちょうどパルス電圧の供給開始のタイミングであったり、パルス電圧の供給途中であった場合には、当該パルス電圧の供給が終了するのを待ってから、回転駆動用の駆動電圧パターンの供給が開始されることが好ましい。このような態様とすれば、当該パルス電圧の供給(印加)によってロータが元の位置に保持されていることが、より確実に期待できる。
【0057】
図4:駆動電圧パターンの第3例)
図4に、駆動電圧パターンの第3例を示す。
【0058】
図4において、回転駆動状態から停止励磁供給状態を経てパルス電圧供給状態に移行するまでの駆動電圧パターンは、図2と同一であるから、その詳細な説明は省略する。
【0059】
図4の例では、モータ制御部113がステッピングモータ111の回転指令を受信したタイミングが、パルス電圧の谷間に相当する期間中であるならば、周期的なパルス電圧の次の1つのパルス電圧の供給を待って、当該1つのパルス電圧の供給が終了した後に、回転駆動用の駆動電圧パターンの供給が開始される。
【0060】
これによっても、パルス電圧によってステッピングモータ111の停止状態(ロータの位置)を高精度に位置出し(位置決め)した状態で、回転指令に基づく回転駆動用の駆動電圧パターンの供給が開始されるため、当該回転指令に基づく回転駆動が高精度に実現される。(但し、回転駆動の始動は、次の1つのパルス電圧の供給を待つ時間(0~4ms)+パルス電圧1つ分の時間(2ms)だけ遅れる。)
【0061】
図4において、新たな回転駆動状態(新たな第1期間t1以後)の駆動電圧パターンは、図2と同一であるから、その詳細な説明は省略する。
【0062】
図5:駆動電圧パターンの第4例)
極めて短時間の(例えばt~2t程度の)回転駆動をより高精度に実現するべく、回転駆動用の駆動電圧パターンの第1期間を他の期間よりも長くしてもよい。図5に示した駆動電圧パターンの第4例は、このような態様を採用するものである。
【0063】
図5において、回転駆動状態から停止励磁供給状態を経てパルス電圧供給状態に移行するまでの駆動電圧パターンは、図2と同一であるから、その詳細な説明は省略する。
【0064】
図5の例でも、モータ制御部113がステッピングモータ111の回転指令を受信したタイミングが、ちょうどパルス電圧の供給終了のタイミングとなっている(この条件は、図5の例にとって必須ではない)。そして、モータ制御部113がステッピングモータ111の回転指令を受信したタイミングで直ちに回転駆動用の駆動電圧パターンの供給が開始されている(この条件も、図5の例にとって必須ではない)。
【0065】
一方、図5の例の特徴として、新たな第1期間t1が2msではなく、4ms(他の新たな期間t2~t5の各々の2倍)とされている。
【0066】
これにより、新たな第1期間t1においてロータが所望のステータ位置により確実に対応することとなるため、微細な回転駆動をより高精度に実現することができる。(但し、回転駆動の実質的な始動は、第1期間t1を延長した時間(2ms)だけ遅れる。)
【0067】
なお、新たな第1期間t1を延長する時間(α秒)は、より長くすれば、回転駆動の精度はより高くなるが、あまり長くし過ぎると、始動が遅れ過ぎる。新たな第1期間t1の好適な範囲は、他の新たな期間t2~t5の各々(2ms)の5倍以下(10ms以下)であることが、好適である。(α秒について言えば、他の新たな期間t2~t5の各々の4倍以下(8ms以下)であることが、好適である。)
【0068】
本発明は、以下に説明する新型の水栓弁装置に適用可能である。
【0069】
具体的には、以下に説明する新型の水栓弁装置100の第1操作部41及び第2操作部51の各々に、本発明を適用可能である。
【0070】
次に、添付図面を参照して、新型の水栓弁装置について説明する。
【0071】
当該水栓弁装置100は、温度調整と流量調整との両方の電動化を実現することに適した水栓弁装置である。
【0072】
図7は、本発明を適用可能な新型の水栓弁装置100の概略斜視図であり、図8は、図7の水栓弁装置100の概略正面図であり、図9は、図7の水栓弁装置100の概略縦断面斜視図であり、図10は、図7の水栓弁装置100の概略縦断面図である。
【0073】
また、図11は、図10のシリンダ体部分の拡大図であり、図12は、シリンダ体30及びシャフト体20を抜き出して示す概略斜視図である。
【0074】
図7乃至図12に示すように、本図示例の水栓弁装置100は、中空円筒状に構成されたシリンダ体30と、当該シリンダ体30を軸方向移動可能且つ回転可能に収容するハウジング体10と、を備えている。
【0075】
[シリンダ体30]
シリンダ体30は、例えば、外径15mm、肉厚0.5mm、軸方向長さ50mmであり、ステンレス鋼によって形成されている。シリンダ体30を樹脂材料で構成する場合には、さらに肉厚にすることが好ましい。
【0076】
特に図11を参照して、シリンダ体30の右端には樹脂製の右端壁31が嵌合され、シリンダ体30の左端には樹脂製の左端壁32が嵌合されている。
【0077】
シリンダ30の周壁33の右側領域には、略矩形状の水流入孔34が設けられている。水流入孔34は、例えば、周方向角度(軸心回りに測った角度)0°(以後の角度位置の説明の基準とする)~90°で開口し、シリンダ体30の右端から軸方向に一定の距離の領域に形成されている。
【0078】
シリンダ体30の周壁33の左側領域には、略矩形状の湯流入孔35が設けられている。湯流入孔35は、例えば、周方向角度(軸心回りに測った角度)90°~180°で開口し(すなわち、水流入孔34とは異なる角度位置で開口し)、シリンダ体30の左端から軸方向に一定の距離の領域に形成されている。
【0079】
シリンダ体30の周壁33の軸方向略中央領域には、湯水流出孔36が設けられている。
【0080】
また、本図示例のシリンダ体30は、右端壁31から左端壁32まで延在する中心管部37を有している。シリンダ体30の湯水流出孔36に対応する軸方向位置において、中心管部37の径方向外側に延在する隔壁38が設けられている(図12も参照)。
【0081】
[シャフト体20]
そして、シャフト体20が、中心管部37内に挿通されると共に、右端壁31及び左端壁32とそれぞれ固定されている。これにより、シャフト体20とシリンダ体30とは、一体的に回転し、且つ、一体的に軸方向移動するようになっている。シャフト体20は、例えばφ3であり、ステンレス鋼製である。
【0082】
[ハウジング体10]
シリンダ体30を収容するハウジング体10の内部空間は、例えば円筒状空間であり、シリンダ体30の周壁33との間に隙間が設けられている。ハウジング体10も、ステンレス鋼によって形成されている。一方、ハウジング体10の外観は、概ね四角柱状となっており、PPS樹脂で構成されている。
【0083】
特に図11及び図12を参照して、ハウジング体10の内部空間の左端は、左側蓋部材47によって区画されている。左側蓋部材47は、概ねディスク状の部材であり、Oリング47aを介してハウジング体10の内周段差面内に嵌合されている。また、左側蓋部材47は、中央部にシャフト体20が挿通される貫通孔が設けられている。当該貫通孔は、Xリング47bによって、シャフト体20の回転及び軸方向移動を許容しつつ、シールされている。
【0084】
同様に、ハウジング体10の内部空間の右端は、右側蓋部材57によって区画されている。右側蓋部材57は、概ねディスク状の部材であり、Oリング57aを介してハウジング体10の内周段差面内に嵌合されている。また、右側蓋部材57は、中央部にシャフト体20が挿通される貫通孔が設けられている。当該貫通孔は、Xリング57bによって、シャフト体20の回転及び軸方向移動を許容しつつ、シールされている。
【0085】
また、ハウジング体10には、その内部空間に連通するように、水供給路、湯供給路、及び、湯水流出路が設けられている。
【0086】
具体的には、本図示例の湯水流出路は、ハウジング体10と一体の湯水流出口15によって提供されている。湯水流出口15は、ハウジング体10の上方に向けて開口しており、例えばエルボ接続管62を介して、湯水供給管63に接続されている。
【0087】
また、シリンダ体30が可動域内のどの位置姿勢であってもシリンダ体30の湯水流出孔36の全部が連通できる大きさ及び位置に、湯水流出口15が設けられている。
【0088】
一方、本図示例の水供給路は、ハウジング体10から取り外し可能な水供給管11と、当該水供給管11内とハウジング体10の内部空間とを連通する水側連通孔12と、によって提供されている。水供給管11は、ハウジング体10の下方面に設けられた接続口11r内にOリングを介して嵌合している。水側連通孔12は、水供給管11側が円形断面孔となっており、ハウジング体10の内部空間側が当該円形断面内に収まる矩形断面孔となっている。
【0089】
同様に、本図示例の湯供給路は、ハウジング体10から取り外し可能な湯供給管13と、当該湯供給管13内とハウジング体10の内部空間とを連通する湯側連通孔14と、によって提供されている。によって提供されている。水供給管11と同様に、湯供給管13も、ハウジング体10の下方面に設けられた接続口13r内にOリングを介して嵌合している。水側連通孔12と同様に、湯側連通孔14も、湯供給管13側が円形断面孔となっており、ハウジング体10の内部空間側が当該円形断面内に収まる矩形断面孔となっている。
【0090】
[補助管部材16、18]
そして、水側連通孔12の内部に、水側補助管部材16の下方側(一方側の一例)が収容されている。水側補助管部材16は、その下方側と上方側(他方側の一例)との間の水圧差に応じて、水側連通孔12の内部を上方または下方に摺動移動可能となっている。具体的には、水側連通孔12と水側補助管部材16との間にパッキン17(水側シール部材)が介在しており、当該パッキン17が、水側補助管部材16を水側連通孔12に対して上方または下方に摺動移動可能に保持している。そして、水側補助管部材16が上方に移動した時、水側補助管部材16の上方側(他方側の一例)は、シリンダ体30の周壁33に当接可能で、且つ、水流入孔34に連通可能となっている。
【0091】
図13は、本図示例の水側補助管部材16の概略斜視図である。図13に示すように、本図示例の水側補助管部材16は、水側連通孔12の内部に対する摺動移動可能なストロークを規制する水側移動規制部として、フランジ部16fを有している。フランジ部16fは、水側連通孔12の水供給管11側の円形断面孔内に収容されており、水側連通孔12の矩形断面孔内には入れないサイズとなっており、フランジ部16fが当接することで水側補助管部材16の移動量を規制している。本図示例では、水側補助管部材16の摺動移動のストロークは1mmとなっている。また、水側補助管部材16は、パッキン17の嵌合のための溝部16gを有している。
【0092】
図13に示すように、水側補助管部材16の上方側の面16rは、出荷時(使用前)において、曲率半径10mm(好適な範囲は5mm~15mm)の円筒面の一部となっている。すなわち、当該曲率半径は、シリンダ体30の周壁33の曲率半径(8.5mm)よりもわずかに大きくなっている。これにより、水側補助管部材16の上方側の面16rの円弧状方向の両端部のみがシリンダ体30に当接するという状態(曲率半径の大小関係が逆の場合に生じ得る状態)が回避され、すなわち、水側補助管部材16の上方側の面16rの円弧状方向の中央部がシリンダ体30に当接する状態が確保され、水側補助管部材16の上方側の面16rとシリンダ体30との密着の程度が良好となる。
【0093】
また、水側補助管部材16の(少なくとも上方側の面の)硬度は、シリンダ体30の周壁33の硬度よりも小さい。これにより、シリンダ体30の周壁33が不所望に摩耗することが抑制される一方、水側補助管部材16の上方側の面16rは、シリンダ体30の周壁33に倣うように摩耗していくことが期待され、水側補助管部材16の上方側の面16rとシリンダ体30との密着性能にとって好適である。一方で、水側移動規制部としてのフランジ部16fによって、移動量が規制されているため、必要以上に摩耗してしまうことも抑制できる。
【0094】
硬度の大小は、例えば、ISO6507(JIS Z 2244)で規定される試験により得られるビッカース硬度によって判定される。本図示例の水側補助管部材16は、ポリアセタール樹脂製であり、ステンレス鋼製であるシリンダ体30の周壁33よりも、硬度は顕著に小さい。
【0095】
水側補助管部材16の管孔16hのサイズ及び(ハウジング体10の軸方向についての)位置は、水側補助管部材16と水流入孔34との連通量が最大となるように制御された状態で、水流入孔34の全体と連通できるようなサイズ及び位置となっている(後述の図15及び図16参照)。
【0096】
同様に、湯側連通孔14の内部に、湯側補助管部材18の下方側(一方側の一例)が収容されている。湯側補助管部材18は、その下方側と上方側(他方側の一例)との間の水圧差に応じて、湯側連通孔14の内部を上方または下方に摺動移動可能となっている。具体的には、湯側連通孔14と湯側補助管部材18との間にパッキン19(湯側シール部材)が介在しており、当該パッキン19が、湯側補助管部材18を湯側連通孔14に対して上方または下方に摺動移動可能に保持している。そして、湯側補助管部材18が上方に移動した時、湯側補助管部材18の上方側(他方側の一例)は、シリンダ体30の周壁33に当接可能で、且つ、湯流入孔35に連通可能となっている。
【0097】
図13は、本図示例の湯側補助管部材18の概略斜視図でもある。図13に示すように、本図示例の湯側補助管部材18も、湯側連通孔14の内部に対する摺動移動可能なストロークを規制する湯側移動規制部として、フランジ部18fを有している。フランジ部18fは、湯側連通孔14の湯供給管13側の円形断面孔内に収容されており、湯側連通孔14の矩形断面孔内には入れないサイズとなっており、フランジ部18fが当接することで湯側補助管部材18の移動量を規制している。本図示例では、湯側補助管部材18の摺動移動のストロークは5mmとなっている。また、湯側補助管部材18は、パッキン19の嵌合のための溝部18gを有している。
【0098】
図13に示すように、湯側補助管部材18の上方側の面18rも、出荷時(使用前)において、曲率半径10mm(好適な範囲は5mm~15mm)の円筒面の一部となっている。すなわち、当該曲率半径は、シリンダ体30の周壁33の曲率半径(8.5mm)よりもわずかに大きくなっている。これにより、湯側補助管部材18の上方側の面18rの円弧状方向の両端部のみがシリンダ体30に当接するという状態(曲率半径の大小関係が逆の場合に生じ得る状態)が回避され、すなわち、湯側補助管部材18の上方側の面18rの円弧状方向の中央部がシリンダ体30に当接する状態が確保され、湯側補助管部材18の上方側の面18rとシリンダ体30との密着の程度が良好となる。
【0099】
また、湯側補助管部材18の(少なくとも上方側の面の)硬度も、シリンダ体30の周壁33の硬度よりも小さい。これにより、シリンダ体30の周壁33が不所望に摩耗することが抑制される一方、湯側補助管部材18の上方側の面18rは、シリンダ体30の周壁33に倣うように摩耗していくことが期待され、湯側補助管部材18の上方側の面18rとシリンダ体30との密着性能にとって好適である。一方で、湯側移動規制部としてのフランジ部18fによって、移動量が規制されているため、必要以上に摩耗してしまうことも抑制できる。
【0100】
本図示例の湯側補助管部材18も、ポリアセタール樹脂製であり、ステンレス鋼製であるシリンダ体30の周壁33よりも、硬度は顕著に小さい。
【0101】
湯側補助管部材18の管孔18hのサイズ及び(ハウジング体10の軸方向についての)位置は、湯側補助管部材18と湯流入孔35との連通量が最大となるように制御された状態で、湯流入孔35の全体と連通できるようなサイズ及び位置となっている(後述の図15及び図16参照)。
【0102】
[第1操作機構40]
図7乃至図10に示すように、シリンダ体30の左側(軸方向一方側)に、第1操作機構40が設けられている。第1操作機構40は、回転操作可能に設けられた第1操作部41を有している。第1操作部41は、本図示例では、不図示の制御本体部から制御指令を受信して、当該制御指令によって回転操作され得るステッピングモータである。
【0103】
本図示例では、シャフト体20及びシリンダ体30は、第1操作部41の回転操作によって軸方向位置を変えないで回転位置を変えるようになっている。
【0104】
具体的には、特に図10に示すように、第1操作部41の回転軸(出力軸)41sが、回転筒42の底部に軸方向にも回転方向にも固定されている。回転筒42は、その底部が左側に位置するように配置されていて、ハウジング筒45内で軸線回りに回転可能に保持されている。
【0105】
ハウジング筒45は、その左側で、保持リング44を介して、第1操作部41の本体(回転軸41sの近傍位置)をも保持している。また、ハウジング筒45は、その右側で、接続リング46を介して、ハウジング体10の左端部及び左側蓋部材47に接続(嵌合)されている。接続リング46の中央部には、シャフト体20の挿通のための樹脂製滑り軸受(ブシュ)46bが設けられている(図11参照)。
【0106】
回転筒42は、右側(底部と反対側)が開放されており、摺動筒43が軸方向に摺動移動可能に嵌合されており、回転筒42と摺動筒43とは、回転方向には固定されている。例えば、摺動筒43は、軸方向断面において十字状に突出する4つの凸部を有していて、回転筒42は、当該4つの凸部を軸方向に摺動移動可能に収容する4つの凹部を有している。すなわち、当該4つの凸部のそれぞれが4つの凹部のそれぞれに収容されており、回転筒42が回転する際には、摺動筒43も同様に回転する。摺動筒43が回転すると、シャフト体20及びシリンダ体30も、同様に回転する。一方で、摺動筒43は、回転筒42に対して軸方向には固定されずに、回転筒42に収納されている。すなわち、シャフト体20が軸方向に移動しても、回転筒42が軸方向に移動してしまうことが抑制されている、もしくは、回転筒42に対して軸方向に力が掛からずに空転するようになっている。(このため、後述する第2操作部51の操作力が比較的小さくても、シャフト体20及びシリンダ体30の軸方向の移動が十分に可能である。)
【0107】
そして、摺動筒43が、シャフト体20の左端に固定されている。これにより、摺動筒43が、第1接続部材として、第1操作部41の回転軸41sに対して回転方向に固定される一方で、第1操作部41の回転軸41sに対して軸方向には移動可能となっている。
【0108】
本図示例では、第1操作部41は、最大で90°+αの回動操作を提供するようになっている。
【0109】
[第2操作機構50]
一方、シリンダ体30の右側(軸方向他方側)に、第2操作機構50が設けられている。第2操作機構50は、回転操作可能に設けられた第2操作部51を有している。第2操作部51も、本図示例では、不図示の制御本体部から無線で制御指令を受信して、当該制御指令によって回転操作され得るステッピングモータである。
【0110】
本図示例では、シャフト体20及びシリンダ体30は、第2操作部51の回転操作によって回転位置を変えないで軸方向位置を変えるようになっている。
【0111】
具体的には、特に図10に示すように、第2操作部51の回転軸(出力軸)51sが、回転筒52の底部に軸方向にも回転方向にも固定されている。回転筒42は、その底部が右側に位置するように配置されていて、ハウジング筒55内で軸線回りに回転可能に保持されている。
【0112】
ハウジング筒55は、その右側で、保持リング54を介して、第2操作部51の本体(回転軸51sの近傍位置)をも保持している。また、ハウジング筒55は、その左側で、接続リング56を介して、ハウジング体10の右端部及び右側蓋部材57に接続(嵌合)されている。接続リング56の中央部にも、シャフト体20の挿通のための樹脂製滑り軸受(ブシュ)56bが設けられている(図11参照)。
【0113】
回転筒52の内部には、ピッチ16の台形2条雌ネジに対応する空間が形成されており、左側(底部と反対側)が開放されている。当該空間内に、ピッチ16の台形2条雄ネジに対応する螺合体53が螺合されている。当該螺合体53の左端部は、回転筒52の左端より更に左方にあって、ハウジング筒55の内面(及び本図示例では接続リング56の筒状部内面)に設けられた軸方向溝55g、56g(例えば上下2箇所)内に突出する突出部53p(例えば上下2箇所)を有しており、当該軸方向溝55g、56g内で軸方向に摺動移動可能となっている。これにより、第2操作部51の出力軸51sが回転すると、回転筒52も回転する一方で、当該回転筒52の内部空間と螺合体53との螺合、及び、軸方向溝55g、56gと突出部53pとの係合によって、螺合体53は軸方向に移動する。
【0114】
そして、螺合体53が、シャフト体20の右端部を、一対の止め輪58を介して保持している。これにより、螺合体53とシャフト体20とは、互いに回転可能であるが、軸方向には固定されていて、螺合体53の軸方向移動によってシャフト体20が軸方向移動するようになっている。すなわち、シャフト体20は、螺合体53に対して回転可能な状態で回転筒52に収納されており、シャフト体20が回転しても、螺合体53が同様に回転してしまうことが抑制されている、もしくは、螺合体53に対して回転方向に力が掛からずに空転するようになっている。(このため、前述の第1操作部41の操作力が比較的小さくても、シャフト体20及びシリンダ体30の回転が十分に可能である。)
【0115】
以上の構成により、回転筒52(の台形2条雌ネジに対応する空間)が、方向変換部材として、第2操作部51の回転操作力を軸方向移動力に変換するようになっており、螺合体53及び止め輪58が、第2接続部材として、回転筒52によって変換された軸方向移動力を受容するようになっている。
【0116】
本図示例では、第2操作部51は、最大で約150°の回動操作を提供するようになっている。これにより、シャフト体20(及びシリンダ体30)は、軸方向に約6.0mmの移動ストロークを有している。
【0117】
[第2操作部の規制部材]
本図示例の水栓弁装置100は、第2操作部51の回転可動域を所望に調整可能な規制部材を更に備えている。具体的には、図14に示すように、保持リング54の内周面に設けられた突出領域54pが、規制部材として、回転筒52の外周面に設けられたストッパ52sの回転軌道の一部を阻害することにより、回転筒52の回転可動域(すなわち第2操作部の回転可動域)を調整できるようになっている。
【0118】
図14(a)は、保持リング54の内周面に設けられた突出領域54pを内方側から見た側面図であり、図14(b)及び図14(c)は、当該突出領域54pを内方側から見た斜視図である。図14(a)乃至図14(c)に示すように、本図示例では、突出領域54pが約210°に亘っているため、回転筒52の回転可動域(すなわち第2操作部の回転可動域)は約150°に規制される。
【0119】
そして、保持リング54のハウジング筒55に対する固定位置は、長孔54hを利用して、手動で周方向に調整可能となっている。これにより、回転筒52の回転可動域(すなわち第2操作部51の回転可動域)を、所望のシャフト体20(及びシリンダ体30)の軸方向の可動域と合致するように、調整することができる。すなわち、ハウジング体10に対するシャフト体20及びシリンダ体30の軸方向位置の可動域の調整を、保持リング54(規制部材)の固定位置の調整による第2操作部51の回転可動域の調整によって実現することができる。このため、各部品に製造公差等に基づく個体毎のばらつきが存在する場合でも、後述する所望の流量調整ないし温度調整を高精度に実現することができる。
【0120】
[シャフト体20の両端]
前述の構成により、本図示例のシャフト体20の両端は、ハウジング体10の内部空間と連通しないように遮断された領域内にあって、大気開放されている(水圧ではなく大気圧を受けている)。
【0121】
具体的には、シャフト体20の左端は、樹脂製滑り軸受(ブシュ)46bとXリング47bとによって、ハウジング体10の内部空間と連通しないように遮断されており、シャフト体20の右端は、樹脂製滑り軸受(ブシュ)56bとXリング57bとによって、ハウジング体10の内部空間と連通しないように遮断されている。
【0122】
これにより、ハウジング体10の内部空間の水圧がシャフト体20に及ぼす影響が顕著に抑制されている。このため、シャフト体20(及びシリンダ体30)を回転ないし軸方向移動させるのに必要なトルク(力)が小さくて済み、すなわち、第1操作部41及び第2操作部51の各々に必要なトルクが小さくて済む。シャフト体20のうち遮断される部分の径が同径であれば、さらに良い。
【0123】
また、シャフト体20の両端は、第2操作部51の回転操作によってシャフト体20の軸方向位置が変えられても、大気開放された状態に維持されるようになっている。これにより、シャフト体20の軸方向位置が変えられても、第1操作部41及び第2操作部51の各々に必要なトルクが小さくて済む。
【0124】
また、ハウジング体10は、内部空間を区画するために、左側蓋部材47と右側蓋部材57とを有しているが、これらの蓋部材47、57を取り外すことで、ハウジング体10の内部の部品の組立ないし分解(例えばメンテナンス等のため)が容易である。
【0125】
更に、本図示例では、ハウジング体10の蓋部材47、57の各々がハウジング体10の軸方向端部よりも内方に位置していて、シャフト体20の長さを抑制している。
【0126】
[止水機能]
また、本図示例の水栓弁装置100は、湯水を止水する湯水止水部を更に備えている。シリンダ体30の摺動抵抗を最小限に抑えて流量調整及び温度調整に必要な操作トルクを低減するために完全なシール性能を持たせない場合でも湯水止水部を別途設けることで、確実な止水を実現することができる。
【0127】
具体的には、湯水止水部は、水供給路の上流側に設けられる水止水部11sと、湯供給路の上流側に設けられる湯止水部13sと、を有する(図9参照)。これによれば、湯または水が他方の上流側に逆流することが防止される。
【0128】
[水栓弁装置100の作用]
次に、本図示例の水栓弁装置100の作用について説明する。
【0129】
前述の構成により、本図示例のシリンダ体30は、第1操作部41の回転操作によって軸方向位置を変えないで回転位置を変えるようになっている一方、第2操作部51の回転操作によって回転位置を変えないで軸方向位置を変えるようになっている。
【0130】
そして、シリンダ体30の軸方向位置及び回転位置に応じて、水側補助管部材16(水供給路)と水流入孔34との連通量、及び、湯側補助管部材18(湯供給路)と湯流入孔35との連通量、が変化することによって、温度調整と流量調整との両方が実現されるようになっている。本図示例では、湯水流出孔36と湯水流出路とは、常時良好な連通状態に維持される。図15は、本図示例の水側補助管部材16及び湯側補助管部材18がシリンダ体30に当接する様子を示す概略図である。
【0131】
また、本図示例では、第1操作部41の回転操作によって、水側補助管部材16(水供給路)と水流入孔34との連通量と、湯側補助管部材18(湯供給路)と湯流入孔35との連通量と、の比率が変化して温度調整が実現されるようになっている。そして、第2操作部51の回転操作によって、水側補助管部材16(水供給路)と水流入孔34との連通量と、湯側補助管部材18(湯供給路)と湯流入孔35との連通量と、を合計した総連通量が変化して流量調整が実現されるようになっている。
【0132】
図16は、本図示例のシリンダ体30の位置制御の概略説明図である。本図示例では、シリンダ体30の回転位置に応じて温度調整がなされ、シリンダ体30の軸方向位置に応じて流量調整がなされる。
【0133】
図16(a)は、シリンダ体30の周壁33における水流入孔34と湯流入孔35の位置を概略的に示している。
【0134】
図16(b)は、水側補助管部材16(湯水給路)と水流入孔34との連通量が最大で、湯側補助管部材18(湯供給路)と湯流入孔35との連通が遮断される、という状態を概略的に示している。この時、湯水流出孔36及び湯水流出路を介して出力される湯水混合水は、水:100%、湯:0%、である(流量については100%である)。
【0135】
図16(c)は、図16(b)の状態から第1操作部41の回転操作によってシャフト体20及びシリンダ体30が回転位置を変え、水側補助管部材16(水供給路)と水流入孔34との連通量が50%で、湯側補助管部材18(湯供給路)と湯流入孔35との連通量も50%である、という状態を概略的に示している。この時、湯水流出孔36及び湯水流出路を介して出力される湯水混合水は、水:50%、湯:50%、である(流量については100%である)。
【0136】
図10(d)は、図10(c)の状態から更に第1操作部41の回転操作によってシャフト体20及びシリンダ体30が回転位置を変え、水側補助管部材16(水供給路)と水流入孔34との連通が遮断され、湯側補助管部材18(湯供給路)と湯流入孔35との連通量が最大である、という状態を概略的に示している。この時、湯水流出孔36及び湯水流出路を介して出力される湯水混合水は、水:0%、湯:100%、である(流量については100%である)。
【0137】
図16(e)は、図16(c)の状態から更に第1操作部41の回転操作によってシャフト体20及びシリンダ体30が回転位置を変え、水側補助管部材16(水供給路)と水流入孔34との連通量が45%で、湯側補助管部材18(湯供給路)と湯流入孔35との連通量が55%である、という状態を概略的に示している。この時、湯水流出孔36及び湯水流出路を介して出力される湯水混合水は、水:45%、湯:55%、である(流量については100%である)。
【0138】
図16(f)は、図16(e)の状態から更に第2操作部51の回転操作によってシャフト体20及びシリンダ体30が軸方向位置を変え、水側補助管部材16(水供給路)と水流入孔34との連通量が22.5%で、湯側補助管部材18(湯供給路)と湯流入孔35との連通量が27.5%である、という状態を概略的に示している。この時、湯水流出孔36及び湯水流出路を介して出力される湯水混合水は、水:45%、湯:55%、であるが、流量は50%である。
【0139】
図16(g)は、図16(f)の状態から更に第2操作部51の回転操作によってシャフト体20及びシリンダ体30が軸方向位置を変え、水側補助管部材16(水供給路)と水流入孔34との連通が遮断され、湯側補助管部材18(湯供給路)と湯流入孔35との連通も遮断されている、という状態を概略的に示している。この時、湯水流出孔36及び湯水流出路を介して出力される湯水混合水は、水:0%、湯:0%、である(すなわち、流量が0%である)。
【0140】
図16(a)乃至図16(g)に示すように、本図示例では、第1操作部41の回転操作によって、水側補助管部材16(水供給路)と水流入孔34との連通量と、湯側補助管部材18(湯供給路)と湯流入孔35との連通量と、の比率が変化して温度調整が実現され、第2操作部51の回転操作によって、水側補助管部材16(水供給路)と水流入孔34との連通量と、湯側補助管部材18(湯供給路)と湯流入孔35との連通量と、を合計した総連通量が変化して流量調整が実現される。
【0141】
なお、第1操作部41及び第2操作部51は、同時に回転操作可能である。第1操作部41及び第2操作部51が同時に回転操作される際、シャフト体20及びシリンダ体30は、軸方向位置を変えながら回転位置を変える。これによれば、第1操作部41と第2操作部51とが同時に操作されることで、より迅速な温度調整及び流量調整を実現することができる。
【0142】
[変形例]
前述の図示例において、例えば水流入孔34及び湯流入孔35の位置を変更することによって、第1操作部41と第2操作部51の機能を入れ替えることも可能である。すなわち、第1操作部41の回転操作によって、水側補助管部材16(水供給路)と水流入孔34との連通量と、湯側補助管部材18(湯供給路)と湯流入孔35との連通量と、を合計した総連通量が変化して流量調整が実現され、第2操作部51の回転操作によって、水側補助管部材16(水供給路)と水流入孔34との連通量と、湯側補助管部材18(湯供給路)と湯流入孔35との連通量と、の比率が変化して温度調整が実現されてもよい。
【0143】
このような変形例では、例えば、水流入孔34は、周方向角度(軸心回りに測った角度)0°~90°で開口し、シリンダ体30の右端から軸方向に一定の距離の領域に形成される。
【0144】
そして、例えば、湯流入孔35は、周方向角度(軸心回りに測った角度)0°~90°で開口し(すなわち、水流入孔34と同じ角度位置で開口し)、シリンダ体30の左端から軸方向に一定の距離の領域に形成される。
【0145】
図17は、このような変形例におけるシリンダ体30の位置制御の概略説明図である。当該変形例では、シリンダ体30の軸方向位置に応じて温度調整がなされ、シリンダ体30の回転位置に応じて流量調整がなされる。
【0146】
図17(a)は、シリンダ体30の周壁33における水流入孔34と湯流入孔35の位置を概略的に示している。
【0147】
図17(b)は、水側補助管部材16(水供給路)と水流入孔34との連通量が最大で、湯側補助管部材18(湯供給路)と湯流入孔35との連通が遮断される、という状態を概略的に示している。この時、湯水流出孔36及び湯水流出路を介して出力される湯水混合水は、水:100%、湯:0%、である(流量については100%である)。
【0148】
図17(c)は、図17(b)の状態から第2操作部51の回転操作によってシャフト体20及びシリンダ体30が軸方向位置を変え、水側補助管部材16(水供給路)と水流入孔34との連通量が50%で、湯側補助管部材18(湯供給路)と湯流入孔35との連通量も50%である、という状態を概略的に示している。この時、湯水流出孔36及び湯水流出路をして出力される湯水混合水は、水:50%、湯:50%、である(流量については100%である)。
【0149】
図17(d)は、図17(c)の状態から更に第2操作部51の回転操作によってシャフト体20及びシリンダ体30が軸方向位置を変え、水側補助管部材16(水供給路)と水流入孔34との連通が遮断され、湯側補助管部材18(湯供給路)と湯流入孔35との連通量が最大である、という状態を概略的に示している。この時、湯水流出孔36及び湯水流出路を介して出力される湯水混合水は、水:0%、湯:100%、である(流量については100%である)。
【0150】
図17(e)は、図17(c)の状態から更に第2操作部51の回転操作によってシャフト体20及びシリンダ体30が軸方向位置を変え、水側補助管部材16(水供給路)と水流入孔34との連通量が45%で、湯側補助管部材18(湯供給路)と湯流入孔35との連通量が55%である、という状態を概略的に示している。この時、湯水流出孔36及び湯水流出路を介して出力される湯水混合水は、水:45%、湯:55%、である(流量については100%である)。
【0151】
図17(f)は、図17(e)の状態から更に第1操作部41の回転操作によってシャフト体20及びシリンダ体30が回転位置を変え、水側補助管部材16(水供給路)と水流入孔34との連通量が22.5%で、湯側補助管部材18(湯供給路)と湯流入孔35との連通量が27.5%である、という状態を概略的に示している。この時、湯水流出孔36及び湯水流出路を介して出力される湯水混合水は、水:45%、湯:55%、であるが、流量は50%である。
【0152】
図17(g)は、図17(f)の状態から更に第1操作部41の回転操作によってシャフト体20及びシリンダ体30が回転位置を変え、水側補助管部材16(水供給路)と水流入孔34との連通が遮断され、湯側補助管部材18(湯供給路)と湯流入孔35との連通も遮断されている、という状態を概略的に示している。この時、湯水流出孔36及び湯水流出路を介して出力される湯水混合水は、水:0%、湯:0%、である(すなわち、流量が0%である)。
【0153】
図17(a)乃至図17(g)に示すように、当該変形例では、第2操作部51の回転操作によって、水側補助管部材16(水供給路)と水流入孔34との連通量と、湯側補助管部材18(湯供給路)と湯流入孔35との連通量と、の比率が変化して温度調整が実現され、第1操作部41の回転操作によって、水側補助管部材16(水供給路)と水流入孔34との連通量と、湯側補助管部材18(湯供給路)と湯流入孔35との連通量と、を合計した総連通量が変化して流量調整が実現される。
【0154】
[基本的効果]
以上のように、本図示例の水栓弁装置100によれば、共通のシリンダ体30の軸方向位置及び回転位置に応じて、温度調整と流量調整との両方が実現されるため、コンパクトな水栓弁設計が実現され得る。また、第1操作部41の電動化及び第2操作部51の電動化に支障がないため、温度調整と流量調整との両方の電動化を実現することに適している。
【0155】
また、本図示例の水栓弁装置100によれば、第1操作部41の回転操作によって、水側補助管部材16(水供給路)と水流入孔34との連通量と、湯側補助管部材18(湯供給路)と湯流入孔35との連通量と、の比率が変化して温度調整が実現される。そして、第2操作部51の回転操作によって、水側補助管部材16(水供給路)と水流入孔34との連通量と、湯側補助管部材18(湯供給路)と湯流入孔35との連通量と、を合計した総連通量が変化して流量調整が実現される。
【0156】
もっとも、シリンダ体30における水流入孔34の位置及び湯流入孔35の位置を変更することによって、第1操作部41と第2操作部51の機能を入れ替えることも可能である。すなわち、第2操作部51の回転操作によって、水側補助管部材16(水供給路)と水流入孔34との連通量と、湯側補助管部材18(湯供給路)と湯流入孔35との連通量と、の比率が変化して温度調整が実現され、第1操作部41の回転操作によって、水側補助管部材16(水供給路)と水流入孔34との連通量と、湯側補助管部材18(湯供給路)と湯流入孔35との連通量と、を合計した総連通量が変化して流量調整が実現されてもよい。
【0157】
また、本図示例の水栓弁装置100によれば、第1操作部41の回転操作によって軸方向位置を変えないで回転位置を変え、且つ、第2操作部51の回転操作によって回転位置を変えないで軸方向位置を変えるシャフト体20が設けられており、シリンダ体30は、当該シャフト体20に固定(接続)されている。これにより、シリンダ体30の位置を変更するための制御が、シャフト体20の位置を変更するための制御によって、比較的簡単な構成で実現されている。
【0158】
また、本図示例の水栓弁装置100によれば、第1操作部41及び第2操作部51は同時に回転操作可能であり、第1操作部41及び第2操作部51が同時に回転操作される際、シャフト体20及びシリンダ体30は、軸方向位置を変えながら回転位置を変える。これにより、第1操作部41と第2操作部51とが同時に操作されることで、より迅速な温度調整及び流量調整を実現することができる。
【0159】
また、本図示例の水栓弁装置100によれば、シャフト体20に固定(接続)されると共に第1操作部41に対して回転方向に固定された第1接続部材としての摺動筒43が設けられており、当該摺動筒43は、第1操作部41に対して軸方向には移動可能である。これにより、第1操作部41の回転操作をシャフト体20の回転力として確実に伝達することができる一方で、摺動筒43(第1接続部材)の存在が第2操作部51の操作を阻害することがない。
【0160】
また、本図示例の水栓弁装置100によれば、第2操作部51の回転操作力を軸方向移動力に変換する方向変換部材としての回転筒52と、シャフト体20に対して相対回転を許容しつつ軸方向に固定されると共に回転筒52によって変換される軸方向移動力を受容する第2接続部材としての螺合体53及び止め輪58が設けられている。これにより、第2操作部51の回転操作をシャフト体20の軸方向移動力として確実に伝達することができる。
【0161】
また、本図示例の水栓弁装置100によれば、第2操作部51の回転可動域を所望に調整可能な規制部材として保持リング54の突出領域54pが設けられている。これにより、ハウジング体10に対するシリンダ体30の軸方向位置の可動域の調整を、保持リング54の突出領域54pによる第2操作部51の回転可動域の調整によって実現することができるため、各部品に製造公差等に基づく個体毎のばらつきが存在する場合でも、所望の流量調整ないし温度調整を実現することができる。
【0162】
[大気開放による効果]
また、本図示例の水栓弁装置100によれば、シャフト体20がシリンダ体30を軸方向に貫通しており、シャフト体20の両端は、ハウジング体10の内部空間と連通しない領域内にあって、大気開放されている。これにより、ハウジング体10の内部空間の水圧がシャフト体20に及ぼす影響が顕著に抑制されている。このため、シャフト体20を回転ないし軸方向移動させるのに必要なトルク(力)が小さくて済み、すなわち、電動化の実現にとって非常に都合が良い。
【0163】
特に、本図示例の水栓弁装置100によれば、シャフト体20の左端は、樹脂製滑り軸受(ブシュ)46bとXリング47bとによって、ハウジング体10の内部空間と連通しないように遮断されており、シャフト体20の右端は、樹脂製滑り軸受(ブシュ)56bとXリング57bとによって、ハウジング体10の内部空間と連通しないように遮断されている。このため、ハウジング体10の内部空間の水圧がシャフト体20に及ぼす影響が極めて効果的に抑制されている。また、シャフト体20の左右両端の、ハウジング体10の内部空間と連通しないように遮断されている部分の径は、等しくなっており、作用する水圧が相殺するように構成されている。
【0164】
更に、本図示例の水栓弁装置100によれば、シャフト体20の両端は、第2操作部51の回転操作によってシャフト体20の軸方向位置が変えられても、大気開放された状態に維持されるようになっている。これにより、シャフト体20の軸方向位置が変えられても、第1操作部41及び第2操作部51の各々に必要なトルクが小さくて済み、すなわち、電動化の実現にとって非常に都合が良い。
【0165】
また、本図示例の水栓弁装置100によれば、ハウジング体10の内部空間を区画するために、左側蓋部材47と右側蓋部材57とが設けられている。これにより、左側蓋部材47及び/または右側蓋部材57を取り外すことで、ハウジング体10の内部の部品の組立ないし分解(例えばメンテナンス等のため)が容易である。
【0166】
更に、本図示例の水栓弁装置100によれば、左側蓋部材47及び右側蓋部材57の各々が、ハウジング体10の軸方向端部よりも内方に位置している。これにより、シャフト体20の長さが抑制されており、水栓弁装置100のコンパクト化にとって都合が良い。
【0167】
また、本図示例の水栓弁装置100によれば、ハウジング体10とシリンダ体30との間に、ゴム製の弾性部材(いわゆるパッキン)が存在せず、ハウジング体10とシリンダ体30との間を直接接触させて一定のシール性を持たせている。これにより、ハウジング体10の内部でのシリンダ体30の動作が、不所望に阻害されるおそれが小さい。このことも、シリンダ体30の軸方向位置及び回転位置を変化させるトルク(力)が小さくて済むことに貢献している。
【0168】
[水側補助管部材及び湯側補助管部材による効果]
また、本図示例の水栓弁装置100によれば、水側補助管部材16がその一方側と他方側との間の水圧差に応じてシリンダ体30の周壁33に当接可能で且つ水流入孔34に連通可能であり、同様に、湯側補助管部材18がその一方側と他方側との間の水圧差に応じてシリンダ体30の周壁33に当接可能で且つ湯流入孔35に連通可能であるため、シリンダ体30の内部への水供給及び湯供給を確実に補助でき、ハウジング体10とシリンダ体30との間にゴム製の弾性部材を介在させる必要がない。このことも、シリンダ体30の軸方向位置及び回転位置を変化させるトルク(力)が小さくて済むことに貢献している。
【0169】
また、本図示例の水栓弁装置100によれば、水側補助管部材16は、水供給路に対する摺動移動可能なストロークを規制する水側移動規制部を有し、湯側補助管部材18は、湯供給路に対する摺動移動可能なストロークを規制する湯側移動規制部を有している。これにより、水側補助管部材16及び湯側補助管部材18の移動ストロークを所望の範囲に規制することができ、必要以上にシリンダ体30の方に突出することが防止されている。
【0170】
特に、本図示例の水栓弁装置100によれば、水側移動規制部は、フランジ形状を有するフランジ部16fとして提供され、湯側移動規制部も、フランジ形状を有するフランジ部18fとして提供されている。これにより、水側移動規制部及び湯側移動規制部が比較的簡単に提供されている。
【0171】
また、本図示例の水栓弁装置100によれば、水側補助管部材16の上方側の面16rの硬度及び湯側補助管部材18の上方側の面18rの硬度が、シリンダ体30の周壁33の硬度よりも小さい。これにより、シリンダ体30が不所望に摩耗することが抑制されている。一方、水側補助管部材16の上方側の面16r、及び、湯側補助管部材18の上方側の面18rは、シリンダ体30の周壁33に倣うように摩耗することが、むしろ好適である。
【0172】
特に、本図示例の水栓弁装置100によれば、シリンダ体30の周壁33は、所定の曲率半径を有する円筒面であり、水側補助管部材16の上方側の面16rは、所定の曲率半径を有する円筒面の一部であり、湯側補助管部材18の上方側の面18rは、所定の曲率半径を有する円筒面の一部であり、水側補助管部材16の上方側の面16rの曲率半径及び湯側補助管部材18の上方側の面18rの曲率半径は、シリンダ体30の周壁33の曲率半径よりも大きい。これにより、水側補助管部材16の上方側の面16r及び湯側補助管部材18の上方側の面の各々の円弧状方向の両端部のみがシリンダ体30に当接するという状態が回避され(円弧状方向の中央部でシリンダ体30に当接する状態が確保され)、水側補助管部材16の上方側の面16rとシリンダ体30との密着の程度が良好であり、同様に、湯側補助管部材18の上方側の面18rとシリンダ体30との密着の程度も良好である。
【0173】
また、本図示例の水栓弁装置100は、湯水を止水する湯水止水部が設けられている。これにより、流量調整機能によって最少流量に調整するたけでは止水が不完全である(遮断制御状態でのシール機能が不十分である)場合でも、確実な止水機能が確保されている。
【0174】
特に、本図示例の水栓弁装置100によれば、湯水止水部は、水供給路の上流側に設けられる水止水部11sと、湯供給路の上流側に設けられる湯止水部13sと、によって構成されており、湯または水が他方の上流側に逆流することが防止されている。
【符号の説明】
【0175】
110 電気駆動式バルブ
111 ステッピングモータ
112 弁体
113 モータ制御部
10 ハウジング体
11 水供給管
11r 接続口
11s 水止水部
12 水側連通孔
13 湯供給管
13r 接続口
13s 湯止水部
14 湯側連通孔
15 湯水流出口
16 水側補助管部材
16f フランジ部
16g 溝部
16h 管孔
16r 上方側(他方側)の受け面
17 パッキン
18 湯側補助管部材
18f フランジ部
18g 溝部
18h 管孔
18r 上方側(他方側)の受け面
19 パッキン
20 シャフト体
30 シリンダ体
31 右端壁
32 左端壁
33 周壁
34 水流入孔
35 湯流入孔
36 湯水流出孔
37 中心管部
38 隔壁
40 第1操作機構
41 第1操作部
41s 回転軸
42 回転筒
43 摺動筒
44 保持リング
45 ハウジング筒
46 接続リング
47 左側蓋部材
47a Oリング
47b Xリング
50 第2操作機構
51 第2操作部
51s 回転軸
52 回転筒
52s ストッパ
53 螺合体
53p 突出部
54 保持リング
54h 長孔
54p 突出領域
55 ハウジング筒
55g 軸方向溝
56 接続リング
56g 軸方向溝
57 右側蓋部材
57a Oリング
57b Xリング
58 止め輪
61 化粧板
62 エルボ接続管
63 湯水供給管
100 水栓弁装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
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図17