(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】積層造形装置、および、線状部材の製造方法
(51)【国際特許分類】
B23K 26/34 20140101AFI20240702BHJP
B23K 26/064 20140101ALI20240702BHJP
B23K 26/144 20140101ALI20240702BHJP
B23K 26/21 20140101ALI20240702BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20240702BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20240702BHJP
B33Y 50/02 20150101ALI20240702BHJP
【FI】
B23K26/34
B23K26/064 A
B23K26/144
B23K26/21 Z
B33Y10/00
B33Y30/00
B33Y50/02
(21)【出願番号】P 2020187675
(22)【出願日】2020-11-11
【審査請求日】2023-03-15
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003609
【氏名又は名称】株式会社豊田中央研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100160691
【氏名又は名称】田邊 淳也
(72)【発明者】
【氏名】角田 貫一
(72)【発明者】
【氏名】大島 正
(72)【発明者】
【氏名】加藤 元
(72)【発明者】
【氏名】加藤 覚
【審査官】山内 隆平
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/150481(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/115406(WO,A1)
【文献】特開2006-068819(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/34
B23K 26/064
B23K 26/144
B23K 26/21
B33Y 10/00
B33Y 30/00
B33Y 50/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層造形装置であって、
レーザ光源から出射されたレーザ光を環形状に成形するとともに、成形した環形状のレーザ光を集光点に集光させる光学系と、
前記環形状のレーザ光の内側から前記集光点に向けて原料を供給する原料供給部と、
前記集光点を通過して加熱された原料が積層される台部と、
前記集光点に対する前記台部の相対位置を変更させる移動機構部と、を備え、
前記集光点に向けて原料を供給しつつ前記集光点に対する前記台部の相対位置を変更させることによって、前記台部に積層された原料の加工点に新たに積層される原料の積層方向を変化させて線状部材を造形し、
前記移動機構部は、前記レーザ光のうち前記集光点よりも先でデフォーカスされた部分が前記加工点に照射されることで、前記加工点の原料がさらに加熱されるように、前記集光点に対する前記台部の相対位置を変更させる、
積層造形装置。
【請求項2】
請求項1に記載の積層造形装置であって、
前記原料供給部は、粉末状の原料を含む搬送ガスを前記集光点に向けて噴射する、
積層造形装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の積層造形装置であって、
前記レーザ光源から出射されるレーザ光は、赤外線レーザ光であり、
前記集光点に向けて供給される原料は、銅と、銀と、金とのうちの少なくとも1つを含む、
積層造形装置。
【請求項4】
線状部材の製造方法であって、
レーザ光源からレーザ光を出射させることによって、前記レーザ光を環形状に成形するとともに、成形した環形状のレーザ光を集光点に集光させるレーザ成形工程と、
前記環形状のレーザ光の内側から、原料を前記集光点に向けて供給することで、前記集光点に集光されたレーザ光によって前記原料を加熱する加熱工程と、
前記集光点を通過して加熱された原料を台部上に積層させる積層工程と、を備え、
前記積層工程において、前記集光点に対する前記台部の相対位置を変更することによって、
前記レーザ光のうち前記集光点よりも先でデフォーカスされた部分が前記台部に積層された原料の加工点に照射されることで前記加工点の原料をさらに加熱しつつ、前
記加工点に新たに積層される原料の積層方向を変化させて線状部材を造形する、
線状部材の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層造形装置、および、線状部材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、原料を積層することで部材を製造する積層造形装置が知られている。積層造形装置を用いた部材の製造方法において、レーザ光を照射することで溶融させた原料を積層し、原料同士を接続させる場合がある。例えば、特許文献1には、コンデンサレンズを用いて複数のレーザ光を原料に集光することで原料を溶融し、線状部材を製造する技術が開示されている。非特許文献1には、落下する銅粉末に対して、銅において吸収率が高い青色レーザ光を照射することで、鉛直方向上方に延びる直線状の線状部材を製造する技術が開示されている。特許文献2には、断面が半円形状の2つのレーザ光を用いて部材を加工する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開2017/170890号明細書
【文献】特開2019-63837号公報
【非特許文献】
【0004】
【文献】「純銅の粉末を用いて細線を形成する技術」、インターネット<URL:http://www.jwri.osaka-u.ac.jp/work/laser1905.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記先行技術によっても、積層造形装置において、レーザ光のエネルギを効率的に利用して三次元形状の線状部材を造形する技術については、なお、改善の余地があった。特許文献1に記載の技術では、複数の方向から照射されるレーザ光を集光点に集光することで、集光点を通過する原料を急速に加熱する。このため、複数のレーザ光を1か所に集光させる必要があり、光軸の調整に困難を伴う。レーザ光を1か所に集光できない場合、原料を加熱しきれず、原料が溶融しないおそれがある。原料が溶融しないと、原料同士を接続させることができないため、三次元形状の線状部材を製造することは困難である。非特許文献1に記載の技術で用いられる青色レーザ光は、出力が低いため、銅からなる線状部材を造形するためには、複数の青色レーザ光を集光点に集光させる必要がある。このため、複数の青色レーザ光を集光点に集光できない場合には銅が溶融しないおそれがあり、この場合、銅からなる三次元形状の線状部材を製造することは困難である。特許文献2に記載の技術では、断面が半円形状の2つのレーザ光は、加工される部材上に集光されており、部材の原料は、部材上のレーザ光の集光点に向けて供給される。このため、レーザ光の出力が低い場合、あるいは、部材のレーザ光に対する吸収率が低い場合、集光点において部材の原料が十分に加熱されないおそれがあり、部材を加工することは困難である。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、積層造形装置において、レーザ光のエネルギを効率的に利用して三次元形状の線状部材を造形することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
【0008】
(1)本発明の一形態によれば、積層造形装置が提供される。この積層造形装置は、レーザ光源から出射されたレーザ光を環形状に成形するとともに、成形した環形状のレーザ光を集光点に集光させる光学系と、前記環形状のレーザ光の内側から前記集光点に向けて原料を供給する原料供給部と、前記集光点を通過して加熱された原料が積層される台部と、前記集光点に対する前記台部の相対位置を変更させる移動機構部と、を備え、前記集光点に向けて原料を供給しつつ前記集光点に対する前記台部の相対位置を変更させることによって、前記台部に積層された原料の加工点に新たに積層される原料の積層方向を変化させて線状部材を造形する。
【0009】
この構成によれば、光学系において、レーザ光源から出射されたレーザ光は、環形状に成形されたのち集光点に集光される。線状部材の原料は、環形状のレーザ光の内側から集光点に向けて供給されることで集光点を含む領域を通過し加熱され、台部に積層される。集光点を通り過ぎたレーザ光は、台部上に積層されていく原料をさらに加熱する。このとき、移動機構部によって集光点に対する台部の相対位置を変更させることで、台部に積層された原料の加工点での原料の積層方向を変化させて線状部材を造形する。このように、上記構成の積層造形装置では、レーザ光が進む方向において、集光点の先に、原料の加工点が位置しているため、環形状のレーザ光の内側から供給される原料は、集光点を含む領域と加工点とで加熱される。パワー密度が高い集光点を含む領域において、レーザ光によって原料が加熱されると、原料の温度が上昇し、原料のレーザ光に対する吸収率が増大する。このレーザ光に対する吸収率が増大した原料は、台部上に積層されていく原料の加工点において集光点を通り過ぎたレーザ光によってさらに加熱されるため、レーザ光源から出射されたレーザ光の出力が低い場合でも原料は溶融しやすくなり、線状部材を造形することができる。また、集光点に対する台部の相対位置を変更することによって原料の加工点に新たに積層される原料の積層方向を変化させることで、三次元形状の線状部材を造形することができる。さらに、原料は、環形状のレーザ光の内側から集光点に向けて供給されるため、レーザ光の外側から原料が供給される場合に比べ、環形状のレーザ光によって加熱されやすい。したがって、レーザ光のエネルギを効率的に利用して三次元形状の線状部材を造形することができる。
【0010】
(2)上記形態の積層造形装置において、前記移動機構部は、前記レーザ光のうち前記集光点よりも先でデフォーカスされた部分が前記台部に積層された原料の前記加工点に照射されるように、前記集光点に対する前記台部の相対位置を変更させてもよい。この構成によれば、加工点に照射される、デフォーカスで拡大した環形状のレーザ光によって、環形状のレーザ光の内側の台部の材料や積層された原料が溶融したメルトプールが形成される。このメルトプールの原料は比較的高温となっているため、レーザ光に対する吸収率が増大する。これにより、低出力のレーザ光であっても溶融している状態を維持することができるため、線状部材の先端のような比較的小さな領域においてもメルトプールを形成することができる。したがって、原料の溶融と凝固とによって積層される原料同士が比較的強固に接続されるため、線状部材を支持するサポート材がなくても、任意の三次元形状の線状部材を造形することができる。
【0011】
(3)上記形態の積層造形装置において、前記原料供給部は、粉末状の原料を含む搬送ガスを前記集光点に向けて噴射してもよい。この構成によれば、集光点には、粉末状の原料を含む搬送ガスが噴射される。これにより、粉末状の原料は、集光点を含む領域を通りやすくなるため、加熱されやすくなる。また、搬送ガスの流量を変更することで、原料が、集光点を含む領域を通過する時間を調整することができる。これにより、レーザ光による原料の加熱の程度を調整することができるため、加工点における原料の状態を調整できる。したがって、造形される線状部材の形状の自由度を高めることができる。
【0012】
(4)上記形態の積層造形装置において、前記レーザ光源から出射されるレーザ光は、赤外線レーザ光であり、前記集光点に向けて供給される原料は、銅と、銀と、金とのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。この構成によれば、材料加工用として一般的な赤外線レーザ光に対して吸収率の低い銅や、銀、金などの金属を原料に含む場合でも、原料は、集光点と加工点とのそれぞれにおいて加熱されるため、積層による線状部材の造形が可能となる。これにより、製造コストを低減しつつ、信頼性の高い三次元形状の線状部材を造形することができる。
【0013】
(5)本発明の別の形態によれば、線状部材の製造方法が提供される。この線状部材の製造方法は、レーザ光源からレーザ光を出射させることによって、前記レーザ光を環形状に成形するとともに、成形した環形状のレーザ光を集光点に集光させるレーザ成形工程と、前記環形状のレーザ光の内側から、原料を前記集光点に向けて供給することで、前記集光点に集光されたレーザ光によって前記原料を加熱する加熱工程と、前記集光点を通過して加熱された原料を台部上に積層させる積層工程と、を備え、前記積層工程において、前記集光点に対する前記台部の相対位置を変更することによって、前記台部に積層された原料の加工点に新たに積層される原料の積層方向を変化させて線状部材を造形する。この構成によれば、レーザ成形工程において、環形状に成形されたレーザ光を集光点に集光させる。加熱工程では、環形状のレーザ光の内側から、原料を集光点に向けて供給する。これにより、集光点を含む領域を通過する原料は、レーザ光によって加熱される。集光点で加熱された原料は、積層工程において、台部上に積層される。積層工程では、集光点に対する台部の相対位置を変更することで、台部に積層された原料の加工点に新たに積層される原料の積層方向を変化させて線状部材を造形する。これにより、原料は、集光点を含む領域と加工点とで加熱されるため、レーザ光源から出射されたレーザ光の出力が低い場合でも原料は溶融しやすくなり、線状部材を造形することができる。また、集光点に対する台部の相対位置を変更することによって原料の加工点に新たに積層される原料の積層方向を変化させることで、三次元形状の線状部材を造形することができる。さらに、原料は、環形状のレーザ光の内側から集光点に向けて供給されるため、環形状のレーザ光によって加熱されやすい。したがって、レーザ光のエネルギを効率的に利用して三次元形状の線状部材を造形することができる。
【0014】
(6)上記形態の線状部材の製造方法において、前記積層工程において、前記レーザ光のうち前記集光点よりも先でデフォーカスされた部分が前記台部に積層された原料の前記加工点に照射されるように、前記集光点に対する前記台部の相対位置を変更してもよい。この構成によれば、加工点に照射される、デフォーカスで拡大した環形状のレーザ光によって、環形状のレーザ光の内側の台部の材料や積層された原料が溶融しメルトプールが形成される。これにより、低出力のレーザ光であっても、線状部材の先端のような比較的小さな領域においてもメルトプールを形成することができるため、線状部材を支持するサポート材がなくても、任意の三次元形状の線状部材を造形することができる。
【0015】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、積層造形装置を含むシステム、これら装置およびシステムの制御方法、これら装置およびシステムにおいて線状部材の製造方法を実行させるコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを配布するためのサーバ装置、そのコンピュータプログラムを記憶した一時的でない記憶媒体等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】第1実施形態の積層造形装置の概略構成を示す模式図である。
【
図3】線状部材の製造方法を説明するフローチャートである。
【
図4】線状部材の製造方法を説明する第1の模式図である。
【
図5】線状部材の製造時における加工点の拡大図である。
【
図6】線状部材の製造方法を説明する第2の模式図である。
【
図7】積層造形装置の作動を説明する第1の模式図である。
【
図8】積層造形装置の作動を説明する第2の模式図である。
【
図9】積層造形装置の作動を説明する第3の模式図である。
【
図10】積層造形装置の作動を説明する第4の模式図である。
【
図11】積層造形装置の作動を説明する第5の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態の積層造形装置1の概略構成を示す模式図である。
図2は、環形状のレーザ光を説明する模式図である。積層造形装置1は、銅粉末を積層することで銅からなる線状部材3を造形する装置である。積層造形装置1は、直線形状の線状部材に限らず、螺旋状や円形状が連続的に重なったような比較的複雑な三次元形状の線状部材を造形することが可能である。積層造形装置1は、加工ヘッド2と、第1移動機構部30と、台部40と、第2移動機構部50と、制御部60と、を備える。なお、説明の便宜上、
図1では、本実施形態の積層造形装置1において、鉛直方向をz軸方向とする。また、水平面上において、第2移動機構部50から台部40が延伸する方向をx軸方向とし、x軸方向に垂直な方向をy軸方向とする。
【0018】
加工ヘッド2は、積層造形装置1において、z軸方向のプラス側に設けられている。加工ヘッド2は、光学系10と、原料供給部20と、を備える。本実施形態では、加工ヘッド2は、x軸方向に移動可能である。
【0019】
光学系10は、レーザ光源11と、アキシコンレンズ12と、凸レンズ13と、を備えており、加工ヘッド2において、z軸方向のプラス側に設けられている。レーザ光源11は、レーザ光を出射する光源であり、本実施形態では、波長1070nmの赤外線レーザ光Lz1を発振するファイバーレーザ発振器である。アキシコンレンズ12は、レーザ光源11のz軸方向のマイナス側に設けられている。アキシコンレンズ12は、レーザ光源11から出射された、光軸A1に垂直な断面形状が円形状の赤外線レーザ光Lz1から、断面形状が環形状の赤外線レーザ光Lz2を形成する(
図1の断面形状Cs参照)。凸レンズ13は、アキシコンレンズ12のz軸方向のマイナス側に設けられており、アキシコンレンズ12が成形した環形状の赤外線レーザ光Lz2を集光点F1に集光させる(
図2参照)。なお、レーザ光源11は、ファイバーレーザ発振器に限定されず、固体レーザや半導体レーザなどであってもよい。
【0020】
原料供給部20は、加工ヘッド2において、z軸方向のマイナス側に配置されており、光学系10から出射される環形状の赤外線レーザ光Lz2の内側から、集光点F1に向けて、原料を供給する。原料供給部20は、原料タンク21と、ガスタンク22と、噴射ノズル23と、を有する。原料タンク21は、積層されることで線状部材3となる粉末状の原料5を貯留するタンクであり、噴射ノズル23に接続されている。本実施形態では、原料タンク21には、銅粉末が貯留されている。ガスタンク22は、原料5を搬送するためのガスが貯留されている。本実施形態では、ガスタンク22には、例えば、アルゴンが貯留されている。噴射ノズル23は、
図2に示すように、原料タンク21から供給される粉末状の原料5をガスタンク22から供給される搬送ガスG1を用いて、集光点F1に向けて噴射する。本実施形態では、噴射ノズル23の噴射口23aは、z軸方向において、集光点F1の10mm程度上方に配置されている。本実施形態では、搬送ガスG1の流量を変更することで、集光点F1を含む領域を通過する時間を調整することができる。
【0021】
第1移動機構部30は、加工ヘッド2に接続されている。第1移動機構部30は、電気的に接続されている制御部60の指令に応じて、加工ヘッド2をx軸に沿った方向に移動させることが可能である。これにより、積層造形装置1では、集光点F1に対する台部40の相対位置を変更させることができる。
【0022】
台部40は、集光点F1に対してz軸のマイナス方向に配置されている金属製の板状部材である。本実施形態では、台部40は、例えば、SS400から形成されており、z軸方向において、集光点F1から1~3mm下方に上面41が位置するように配置されている。台部40の上面41には、集光点F1を通過して加熱された原料5が積層されることで、線状部材3が造形される。台部40は、回転シャフト40aの回転軸A2を回転中心として回転可能に設けられている。
【0023】
第2移動機構部50は、台部40に接続されている。第2移動機構部50は、電気的に接続されている制御部60の指令に応じて、回転軸A2を回転中心として台部40を回転させることが可能である。これにより、積層造形装置1では、集光点F1に対する台部40の相対位置を変更させることができる。
【0024】
制御部60は、ROM、RAM、および、CPUを含んで構成されるコンピュータである。制御部60は、事前に入力されている、線状部材3の造形に関するコンピュータプログラムに基づいて、積層造形装置1の作動を制御する。具体的には、制御部60は、光学系10について、レーザ光源11によるレーザ光の出射を制御する。また、制御部60は、原料供給部20について、粉末状の原料5の供給タイミングや供給量を制御するとともに、搬送ガスG1の供給タイミングや供給量を制御する。さらに、制御部60は、第1移動機構部30による加工ヘッド2のx軸方向への移動を制御するとともに、第2移動機構部50による台部40の回転を開始するタイミングや回転を停止するタイミング、回転速度などを制御する。制御部60による制御の詳細な内容は、後述する。
【0025】
次に、本実施形態の線状部材3の製造方法の詳細を説明する。本実施形態の線状部材3の製造方法は、銅からなる原料5を積層することで、直線形状を含む任意の三次元形状の線状部材3を製造する方法であって、積層造形装置1の操作者による線状部材3の造形の開始の指示によって実行可能である。
【0026】
図3は、線状部材3の製造方法を説明するフローチャートである。線状部材3の製造方法では、最初に、レーザ光源11から赤外線レーザ光Lz1を出射させることによって赤外線レーザ光Lz1を環形状に成形するとともに、成形した環形状の赤外線レーザ光Lz2を集光点F1に集光させる(ステップS11:レーザ成形工程)。具体的には、光学系10において、制御部60からの指令に応じてレーザ光源11から赤外線レーザ光を出射させる。レーザ光源11が出射した赤外線レーザ光Lz1は、アキシコンレンズ12を通過することで、環形状の赤外線レーザ光Lz2となる(
図1参照)。環形状に成形された赤外線レーザ光Lz2は、凸レンズ13を通過することで集光点F1に集光される。集光点F1を通過した赤外線レーザ光Lz2は、台部40の上面41に照射される。このとき、上面41に照射される赤外線レーザ光Lz2は、集光点F1を通り過ぎているため、デフォーカスの状態となっており、環形状となる(
図2の断面形状Cs参照)。
【0027】
次に、原料供給部20を用いて原料5を集光点F1に向けて供給することで、集光点F1と集光点F1の周囲の領域(以下、「集光点F1を含む領域」という)において原料5を加熱する(ステップS12:加熱工程)。加熱工程では、原料供給部20は、制御部60からの指令に応じて、粉末状の原料5をガスタンク22から供給される搬送ガスG1で搬送させた形で、集光点F1に向けて噴射する。
【0028】
図4は、線状部材3の製造方法を説明する第1の模式図である。
図4(a)は、x軸に沿った方向から見た積層造形装置1の一部を示しており、加熱工程を開始した直後の状態を示している。加熱工程を開始した直後では、集光点F1を通過した赤外線レーザ光Lz2が台部40の上面41に照射されているため、上面41に、台部40の材料(SS400)が溶融したメルトプール(溶融池)42が形成される。本実施形態では、メルトプール42は、
図4(a)に示すように、z軸方向において、台部40の回転軸A2からずれた位置に形成される。加熱工程では、噴射ノズル23が噴射する原料5は、集光点F1を含む領域を通過することで、集光された赤外線レーザ光Lz2によって加熱される。
【0029】
集光点F1を含む領域を通過することで加熱された原料5は、台部40の上面41に積層される(ステップS13:積層工程)。このとき、赤外線レーザ光Lz2で加熱された原料5は、台部40のメルトプール42上に積層される。ここで、赤外線レーザ光Lz2で加熱された原料5が積層される個所を加工点P1とする(
図4参照)。加熱工程において原料5が次々に供給されると、積層工程において、集光点F1を含む領域で加熱された原料5が順次加工点P1に積層される。これにより、
図4(b)に示すように、z軸方向に延伸する線状部材3の一部3aが形成される。
【0030】
図5は、線状部材3の製造時における加工点P1の拡大図である。
図5に示す拡大図は、
図4(b)のA部拡大図である。線状部材3の一部3aの上面3bには、集光点F1を通過してデフォーカスの状態となった環形状の赤外線レーザ光Lz2が照射される。これにより、赤外線レーザ光Lz2の内側は、照射される赤外線レーザ光Lz2のエネルギによって加熱されるため、原料5のメルトプール5aが形成される。なお、
図5では、線状部材3の一部3aにおける温度をハッチングのドットの密度で示しており、ドットの密度が低いほど高温であることを示している。すなわち、線状部材3の一部3aは、
図5に示すように、積層される順にしたがって温度が低下することで、線状部材3が造形されることとなる。
【0031】
図4(b)に戻り、本実施形態では、積層工程において、加熱された原料5を積層しつつ、集光点F1に対する台部40の相対位置が変更されるように、第2移動機構部50によって台部40を移動する。具体的には、第2移動機構部50は、台部40の回転軸A2を回転中心として回転する(
図4(b)の白抜き矢印R1)。
【0032】
図6は、線状部材3の製造方法を説明する第2の模式図である。
図6に示す模式図は、
図4(b)の状態から台部40を白抜き矢印R1の方向に回転したときの状態を示している。台部40の上面41に、加熱された原料5を積層しつつ台部40を回転すると、台部40に積層された原料5の加工点P1に新たに積層される原料5の積層方向が変化する。これにより、
図6に示すように、台部40の回転方向に沿った形状の線状部材3が造形される。
【0033】
線状部材3の製造方法は、上述の4つの工程が並行して実施される。これにより、所望の長さを有する任意の三次元形状の線状部材3を造形することができる。
【0034】
次に、本実施形態の積層造形装置1を用いた線状部材3の製造方法について、螺旋状の線状部材3を造形するときの積層造形装置1の具体的な作動を説明する。積層造形装置1では、第1移動機構部30によって加工ヘッド2を移動させつつ、第2移動機構部50によって台部40を回転させることで、線状部材3を螺旋状に造形することができる。
【0035】
図7は、線状部材3を製造するときの積層造形装置1の作動を説明する第1の模式図である。
図7には、線状部材3を造形する前の積層造形装置1の状態を示している。
図7(a)には、y軸に沿った方向で見た積層造形装置1を示しており、
図7(b)には、x軸に沿った方向で見た積層造形装置1を示している。
図7の状態では、台部40の上面41は、水平面に略平行な状態となっている。
図7に示すように、光軸A1と回転軸A2とは、ずれた位置関係となっている。なお、
図7には、第1移動機構部30と制御部60は、図示していない。
【0036】
図8は、線状部材3を製造するときの積層造形装置1の作動を説明する第2の模式図である。
図8に示す積層造形装置1の状態は、
図7の状態から、光学系10において、環形状の赤外線レーザ光Lz2を成形するとともに、環形状の赤外線レーザ光Lz2を集光点F1に集光させている。また、原料供給部20の噴射ノズル23において、粉末状の原料5を含む搬送ガスを集光点F1に噴射している。これにより、台部40の上面41には、レーザ光が照射される位置に台部40の材料が溶融したメルトプールが形成されたのち、加熱された原料5が積層された線状部材3の一部3aが造形される。このとき、線状部材3の一部3aの上部には、原料5のメルトプールが形成される。
【0037】
図9は、線状部材3を製造するときの積層造形装置1の作動を説明する第3の模式図である。
図9に示す積層造形装置1の状態は、
図8に示す状態から、加工ヘッド2および台部40を移動させている。具体的には、加工ヘッド2については、
図9(a)に示すように、x軸のプラス方向に移動させている(
図9(a)の白抜き矢印M11参照)。これにより、螺旋状の線状部材3の一部3aの加工点P1がx軸のプラス方向に移動する。また、台部40については、
図9(b)に示すように、回転軸A2を中心として白抜き矢印R11が示す方向に回転させている。これにより、線状部材3の一部3aと台部40との接続部分C1は、回転軸A2を中心として回転するため、積層される原料5の台部40に対する積層方向が変化し、x軸に沿った方向で線状部材3の一部3aを見ると、円弧形状となる(
図9(b)参照)。なお、
図9には、
図8の状態での加工ヘッド2と台部40の位置を二点鎖線で示している。
【0038】
図10は、線状部材3を製造するときの積層造形装置1の作動を説明する第4の模式図である。
図10に示す積層造形装置1の状態は、
図9に示す状態から、加工ヘッド2および台部40をさらに移動させている。具体的には、加工ヘッド2については、
図10(a)に示すように、
図9の状態に比べて、x軸のプラス方向にさらに移動させている(
図10(a)の白抜き矢印M12参照)。これにより、螺旋状の線状部材3の一部3aの加工点P1がx軸のプラス方向にさらに移動する。また、台部40については、
図10(b)に示すように、
図9の状態に比べて、回転軸A2を中心として白抜き矢印R12が示す方向にさらに回転させている。これにより、線状部材3の一部3aと台部40との接続部分C1は、回転軸A2を中心として回転するため、積層される原料5の台部40に対する積層方向が変化し、x軸に沿った方向で線状部材3の一部3aを見ると、円弧形状となる(
図10(b)参照)。なお、
図10には、
図9の状態での加工ヘッド2と台部40の位置を二点鎖線で示している。
【0039】
図11は、線状部材3を製造するときの積層造形装置1の作動を説明する第5の模式図である。
図11に示す積層造形装置1では、
図10に示す状態から、加工ヘッド2および台部40をさらに移動させたのち、レーザ光の集光と、原料5の供給を停止している。すなわち、
図11の状態は、螺旋状の線状部材3が完成した状態である。
図9および
図10で説明したように加工ヘッド2をx軸のプラス方向に移動させつつ、回転軸A2を中心として台部40を回転させることで、
図11に示すような、螺旋状の線状部材3が造形される。
【0040】
以上説明した、本実施形態の積層造形装置1によれば、光学系10において、レーザ光源11から出射された赤外線レーザ光Lz1は、環形状に成形されたのち集光点F1に集光される。線状部材3の原料5は、環形状の赤外線レーザ光Lz2の内側から集光点F1に向けて供給されることで集光点F1を含む領域を通過し加熱され、台部40に積層される。集光点F1を通り過ぎた赤外線レーザ光Lz1は、台部40上に積層されていく原料5をさらに加熱する。このとき、第1移動機構部30および第2移動機構部50によって集光点F1に対する台部40の相対位置を変更させることで、台部40に積層された原料5の加工点P1での原料5の積層方向を変化させて線状部材3を造形する。このように、本実施形態の積層造形装置1では、赤外線レーザ光が進む方向において、集光点F1の先に、原料5の加工点P1が位置しているため、環形状の赤外線レーザ光Lz2の内側から供給される原料5は、集光点F1を含む領域と加工点P1とで加熱される。パワー密度が高い集光点F1を含む領域において、赤外線レーザ光Lz2によって原料5が加熱されると、原料5の温度が上昇し、原料5の赤外線レーザ光に対する吸収率が増大する。この赤外線レーザ光に対する吸収率が増大した原料5は、台部40上に積層されていく原料5の加工点P1において集光点F1を通り過ぎた赤外線レーザ光Lz2によってさらに加熱される。これにより、レーザ光源11から出射されたレーザ光の出力が低い場合でも原料5は溶融しやすくなり、線状部材3を造形することができる。また、集光点F1に対する台部40の相対位置を変更することによって原料5の加工点P1に新たに積層される原料5の積層方向を変化させることで、三次元形状の線状部材3を造形することができる。さらに、原料5は、環形状の赤外線レーザ光Lz2の内側から集光点F1に向けて供給される。これにより、環形状のレーザ光の外側から原料が供給される場合に比べ、環形状の赤外線レーザ光Lz2によって確実に加熱されるため、原料5の温度が上昇しやすい。したがって、レーザ光のエネルギを効率的に利用して三次元形状の線状部材3を造形することができる。
【0041】
また、本実施形態の積層造形装置1によれば、加工点P1に照射される、デフォーカスで拡大した環形状の赤外線レーザ光Lz2によって、環形状の赤外線レーザ光Lz2の内側の台部40の材料や積層された原料5が溶融したメルトプール42、5aが形成される。このメルトプール5aの原料5は比較的高温となっているため、レーザ光に対する吸収率が増大する。これにより、低出力のレーザ光であっても溶融している状態を維持することができるため、線状部材3の先端のような比較的小さな領域においてもメルトプール5aを形成することができる。したがって、原料5の溶融と凝固とによって積層される原料5同士が比較的強固に接続されるため、線状部材3を支持するサポート材がなくても、比較的複雑な任意の三次元形状の線状部材3を造形することができる。
【0042】
また、本実施形態の積層造形装置1によれば、集光点F1には、粉末状の原料5を含む搬送ガスG1が噴射される。これにより、粉末状の原料5は、集光点F1を含む領域を通りやすくなるため、加熱されやすくなる。また、搬送ガスG1の流量を変更することで、原料5が、集光点F1を含む領域を通過する時間を調整することができる。これにより、レーザ光による原料5の加熱の程度を調整することができるため、加工点P1における原料5の状態を調整できる。したがって、造形される線状部材3の形状の自由度を高めることができる。
【0043】
また、本実施形態の積層造形装置1によれば、材料加工用として一般的な赤外線レーザ光に対して吸収率の低い銅を原料5として用いる場合でも、原料5は、集光点F1と加工点P1とのそれぞれにおいて加熱されるため、積層による線状部材3の造形が可能となる。これにより、比較的高価な青色レーザ光の発振器を用いることなく銅からなる線状部材3を造形することができるため、製造コストを低減しつつ、信頼性の高い線状部材3を造形することができる。
【0044】
また、本実施形態の線状部材3の製造方法によれば、レーザ成形工程において、環形状に成形された赤外線レーザ光Lz2を集光点F1に集光させる。加熱工程では、環形状の赤外線レーザ光Lz2の内側から、原料5を集光点F1に向けて供給する。これにより、集光点F1を含む領域を通過する原料5は、赤外線レーザ光Lz2によって加熱される。集光点F1で加熱された原料5は、積層工程において、台部40上に積層される。積層工程では、集光点F1に対する台部40の相対位置を変更することで、台部40に積層された原料5の加工点P1に新たに積層される原料5の積層方向を変化させて線状部材3を造形する。これにより、原料5は、集光点F1を含む領域と加工点P1とで加熱されるため、レーザ光源11から出射されたレーザ光の出力が低い場合でも原料5は溶融しやすくなり、線状部材3を造形することができる。また、集光点F1に対する台部40の相対位置を変更することによって原料5の加工点P1に新たに積層される原料5の積層方向を変化させることで、三次元形状の線状部材3を造形することができる。さらに、原料5は、環形状の赤外線レーザ光Lz2の内側から集光点F1に向けて供給される。これにより、原料5は、集光点F1を通らない場合でも、環形状の赤外線レーザ光Lz2の内側から外側に出るときに赤外線レーザ光Lz2に接触するため、加熱されやすい。したがって、レーザ光のエネルギを効率的に利用して三次元形状の線状部材3を造形することができる。
【0045】
また、本実施形態の線状部材の製造方法によれば、加工点P1に照射される、デフォーカスで拡大した環形状の赤外線レーザ光Lz2によって、台部40の材料や積層された原料5が溶融し、メルトプール42、5aが形成される。これにより、台部40と原料5や、原料5同士を接続することができるため、線状部材3を支持するサポート材がなくても、螺旋形状のような比較的複雑な三次元形状の線状部材3を造形することができる。
【0046】
<本実施形態の変形例>
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0047】
[変形例1]
上述の実施形態では、積層造形装置1は、加工ヘッド2を移動可能な第1移動機構部30と、台部40を移動可能な第2移動機構部50とを備えるとした。しかしながら、第1移動機構部30または第2移動機構部50のいずれかであってもよく、積層造形装置1において、原料5を加熱し積層する間に、集光点F1に対する台部40の相対位置を変更させることができればよい。
【0048】
[変形例2]
上述の実施形態では、光学系10は、レーザ光源11と、アキシコンレンズ12と、凸レンズ13と、を備えているとした。しかしながら、光学系10の構成はこれに限定されない。環形状のレーザ光を形成したのち、その環形状のレーザ光を集光点に集光させることができればよい。
【0049】
[変形例3]
上述の実施形態では、デフォーカスされた環形状のレーザ光が照射される台部40または線状部材3の加工点P1には、メルトプール42、5aが形成されるとした。しかしながら、メルトプールは形成されなくてもよく、集光点F1と加工点P1とにおけるレーザ光の加熱によって原料5が溶融されればよい。メルトプールが形成されることで、加工点P1における原料5の赤外線レーザ光に対する吸収率が増大するため、より効率的に赤外線レーザ光のエネルギを吸収することができる。これにより、より低出力のレーザ光でも三次元形状の線状部材3を造形することができる。
【0050】
[変形例4]
上述の実施形態では、集光点F1への原料の供給は、粉末状の原料5を含む搬送ガスG1を噴射するとした。しかしながら、集光点F1への原料の供給方法は、これに限定されない。例えば、線状部材3の材料からなるワイヤを集光点F1に供給してもよい。
【0051】
[変形例5]
上述の実施形態では、積層造形装置1は、ファイバーレーザ発振器が発振する赤外線レーザ光を用いて、銅からなる線状部材3を形成するとした。しかしながら、レーザ光の種類と原料との組み合わせは、これに限定されない。レーザ光は、赤外線レーザ光に限定されず、赤外線とは異なる波長のレーザ光を用いてもよい。また、線状部材の原料は、銅に限定されず、銅を含む原料であってもよいし、赤外線レーザ光に対して吸収率が小さい銀や金などの銅とは異なる金属種を含む原料であってもよい。上述の実施形態では、材料加工用として一般的に用いられている比較的安価な赤外線レーザ光を用いて、赤外線レーザ光の吸収率が比較的低い銅からなる線状部材を造形している。上述の実施形態で説明したように、集光点と加工点とにおいてレーザ光のエネルギを効率的に吸収することで、レーザ光の種類と原料との組み合わせによっては原料のレーザ光に対する吸収率が低く場合でも、三次元形状の線状部材を安価に造形することができる。
【0052】
以上、実施形態、変形例に基づき本態様について説明してきたが、上記した態様の実施の形態は、本態様の理解を容易にするためのものであり、本態様を限定するものではない。本態様は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本態様にはその等価物が含まれる。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することができる。
【符号の説明】
【0053】
1…積層造形装置
3…線状部材
5…原料
10…光学系
20…原料供給部
30…第1移動機構部
40…台部
50…第2移動機構部
F1…集光点
G1…搬送ガス
Lz1,Lz2…赤外線レーザ光
P1…加工点