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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】情報処理装置、及び、情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/087 20230101AFI20240702BHJP
   B65G 1/137 20060101ALI20240702BHJP
   G01G 19/52 20060101ALI20240702BHJP
   G01G 19/414 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
G06Q10/087
B65G1/137 C
G01G19/52 Z
G01G19/414 Z
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2020210638
(22)【出願日】2020-12-18
(65)【公開番号】P2022097195
(43)【公開日】2022-06-30
【審査請求日】2023-02-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】駒嶺 聡史
【審査官】樋口 龍弥
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/217889(WO,A1)
【文献】特許第6678855(JP,B1)
【文献】国際公開第2019/154087(WO,A1)
【文献】特開平02-123005(JP,A)
【文献】特表2021-513140(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
B65G 1/137
G01G 19/52
G01G 19/414
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
保管場所に設置されている重量センサによる、前記保管場所の積載重量を示す測定値に基づいて、前記保管場所に保管されている第1の商品の在庫量を取得すること、
を実行する制御部を備える情報処理装置であって、
前記制御部は、
前記第1の商品の1個当たりの重量を取得することと、
前記重量センサの前回の測定値から今回の測定値への増加又は減少がある場合に、前記1個当たりの重量に基づいて、前記測定値の増加又は減少が前記第1の商品の追加又は削減によるか否かを判定することと、
前記測定値の増加又は減少が前記第1の商品の追加又は削減によることを判定した場合には前記在庫量を更新し、前記測定値の増加又は減少が前記第1の商品の追加又は削減によらないことを判定した場合には前記在庫量を更新しないことと、
を実行
前記制御部は、
前記測定値の増加又は減少が前記第1の商品の追加又は削減によるか否かを、前記測定値の増加又は減少の量が前記1個当たりの重量の倍数であるか否かによって判定し、
前記測定値の増加又は減少が前記第1の商品の追加又は削減によらないことを判定した場合に、前記測定値の増加又は減少の量が他の商品の1個当たりの重量の倍数であるか否かを判定し、
前記測定値の増加又は減少の量が他の商品の1個当たりの重量の倍数である場合には、前記保管場所に関連付くユーザに前記他の商品の前記保管場所への混入を通知する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は前記測定値の増加又は減少が前記第1の商品の追加又は削減によらないことを判定した場合に、前記測定値の増加又は減少の量を前記在庫量に反映させるか否かを前記保管場所に関連付くユーザに確認する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記他の商品は、前記ユーザに関連付き、他の重量センサが備えられている他の保管場所に保管される商品である、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記在庫量が所定値未満となる場合に、前記第1の商品の補充に関する信号を送信することをに実行する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記信号として、前記第1の商品の発注を行う信号を送信する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記信号として、前記保管場所に関連付くユーザへ、前記在庫量が所定値未満となったことを通知する信号を送信する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記保管場所に前記第1の商品と第2の商品とが混在して保管される場合に、
前記制御部は、
前記第2の商品の1個当たりの重量をに取得し、
前記重量センサの前回の測定値から今回の測定値への増加又は減少がある場合に、前記第1の商品及び前記第2の商品それぞれの1個当たりの重量に基づいて、前記測定値の増加又は減少が前記第1の商品又は前記第2の商品の少なくともいずれか一方の追加又は削減によるか否かを判定し、
前記測定値の増加又は減少が前記第1の商品又は前記第2の商品の少なくともいずれか一方の追加又は削減によることを判定した場合には前記第1の商品の在庫量又は前記第2の商品の在庫量の少なくともいずれかを更新し、前記測定値の増加又は減少が前記第1の商品又は前記第2の商品の追加又は削減によらないことを判定した場合には前記第1の商品の在庫量及び前記第2の商品の在庫量のいずれも更新しない、
求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記測定値の増加又は減少の量が前記第1の商品及び前記第2の商品の個数の組み合わせのいずれの重量にも該当しない場合には、前記測定値の増加又は減少が前記第1の商品又は前記第2の商品の追加又は削減に依らないことを判定する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
保管場所に設置されている重量センサによる、前記保管場所の積載重量を示す測定値に基づいて、前記保管場所に保管されている第1の商品の在庫量を取得することを実行するコンピュータが、
前記第1の商品の1個当たりの重量を取得することと、
前記重量センサの前回の測定値から今回の測定値への増加又は減少がある場合に、前記1個当たりの重量に基づいて、前記測定値の増加又は減少が前記第1の商品の追加又は削減によるか否かを判定することと、
前記測定値の増加又は減少が前記第1の商品の追加又は削減によることを判定した場合には前記在庫量を更新し、前記測定値の増加又は減少が前記第1の商品の追加又は削減によらないことを判定した場合には前記在庫量を更新しないことと、
を実行し、
前記コンピュータが、
前記測定値の増加又は減少が前記第1の商品の追加又は削減によるか否かを、前記測定値の増加又は減少の量が前記1個当たりの重量の倍数であるか否かによって判定し、
前記測定値の増加又は減少が前記第1の商品の追加又は削減によらないことを判定した場合に、前記測定値の増加又は減少の量が他の商品の1個当たりの重量の倍数であるか否かを判定し、
前記測定値の増加又は減少の量が他の商品の1個当たりの重量の倍数である場合には、前記保管場所に関連付くユーザに前記他の商品の前記保管場所への混入を通知する、
情報処理方法。
【請求項10】
前記コンピュータが、前記測定値の増加又は減少が前記第1の商品の追加又は削減によらないことを判定した場合に、前記測定値の増加又は減少の量を前記在庫量に反映させるか否かを前記保管場所に関連付くユーザに確認する、
請求項に記載の情報処理方法。
【請求項11】
前記他の商品は、前記ユーザに関連付き、他の重量センサが備えられている他の保管場所に保管される商品である、
請求項に記載の情報処理方法。
【請求項12】
前記コンピュータが、前記在庫量が所定値未満となる場合に、前記第1の商品の補充に関する信号を送信することをに実行する、
請求項9から11のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項13】
前記コンピュータが、前記信号として、前記第1の商品の発注を行う信号を送信する、請求項12に記載の情報処理方法。
【請求項14】
前記コンピュータが、前記信号として、前記保管場所に関連付くユーザへ、前記在庫量が所定値未満となったことを通知する信号を送信する、
請求項12に記載の情報処理方法。
【請求項15】
前記保管場所に前記第1の商品と第2の商品とが混在して保管される場合に、
前記コンピュータが、
前記第2の商品の1個当たりの重量をに取得し、
前記重量センサの前回の測定値から今回の測定値への増加又は減少がある場合に、前記第1の商品及び前記第2の商品それぞれの1個当たりの重量に基づいて、前記測定値の増加又は減少が前記第1の商品又は前記第2の商品の少なくともいずれか一方の追加又は削減によるか否かを判定し、
前記測定値の増加又は減少が前記第1の商品又は前記第2の商品の少なくともいずれか一方の追加又は削減によることを判定した場合には前記第1の商品の在庫量又は前記第2の商品の在庫量の少なくともいずれかを更新し、前記測定値の増加又は減少が前記第1の商品又は前記第2の商品の追加又は削減によらないことを判定した場合には前記第1の商品の在庫量及び前記第2の商品の在庫量のいずれも更新しない、
求項に記載の情報処理方法。
【請求項16】
前記コンピュータが、前記測定値の増加又は減少の量が前記第1の商品及び前記第2の商品の個数の組み合わせのいずれの重量にも該当しない場合には、前記測定値の増加又は減少が前記第1の商品又は前記第2の商品の追加又は削減に依らないことを判定する、
請求項15に記載の情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、及び、情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
筐体の天板上に載置される商品の重量を計測する重量センサの計測データによって在庫管理を行い、残量が適正在庫量よりも少なくなった場合に、当該商品を発注する在庫管理システムが開示されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-008331号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、筐体の天板上に載置される商品は、単一の商品であり、他の商品が混入した場合には、在庫量を正確に把握することができない。
【0005】
開示の態様の一つは、保管される商品が想定されている保管場所において、想定外の商品が混入する場合でも、より精度よく在庫管理を行うことが可能な情報処理装置、及び、情報処理方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の態様の一つは、
保管場所に設置されている重量センサによる、前記保管場所の積載重量を示す測定値に基づいて、前記保管場所に保管されている第1の商品の在庫量を取得すること、
を実行する制御部を備える情報処理装置であって、
前記制御部は、
前記第1の商品の1個当たりの重量を取得することと、
前記重量センサの前回の測定値から今回の測定値への増加又は減少がある場合に、前記1個当たりの重量に基づいて、前記測定値の増加又は減少が前記第1の商品の追加又は削減によるか否かを判定することと、
前記測定値の増加又は減少が前記第1の商品の追加又は削減によることを判定した場合には前記在庫量を更新し、前記測定値の増加又は減少が前記第1の商品の追加又は削減によらないことを判定した場合には前記在庫量を更新しないことと、
を実行する、
情報処理装置である。
【0007】
本開示の他の態様の一つは、
保管場所に設置されている重量センサによる、前記保管場所の積載重量を示す測定値に基づいて、前記保管場所に保管されている第1の商品の在庫量を取得すること、
を実行するコンピュータが、
前記第1の商品の1個当たりの重量を取得することと、
前記重量センサの前回の測定値から今回の測定値への増加又は減少がある場合に、前記1個当たりの重量に基づいて、前記測定値の増加又は減少が前記第1の商品の追加又は削減によるか否かを判定することと、
前記測定値の増加又は減少が前記第1の商品の追加又は削減によることを判定した場合には前記在庫量を更新し、前記測定値の増加又は減少が前記第1の商品の追加又は削減によ
らないことを判定した場合には前記在庫量を更新しないことと、
を実行する情報処理方法である。
【発明の効果】
【0008】
本開示の態様の一つによれば、保管される商品が想定されている保管場所において、想定外の商品が混入する場合でも、より精度よく在庫管理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1実施形態に係る在庫管理システムの構成の一例を示す図である。
図2図2は、第1実施形態に係る、管理サーバ、センサ装置、及びユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3図3は、第1実施形態に係る、管理サーバ、センサ装置、及び、ユーザ端末の機能構成の一例を示す図である。
図4図4は、在庫情報データベースに保持される情報の一例である。
図5図5は、管理サーバの商品の推定在庫量の管理処理のフローチャートの一例である。
図6図6は、保管場所に商品以外の商品が混入しない場合の、在庫管理システムの在庫管理による、商品の推定在庫量の遷移のタイムチャートの一例である。
図7図7は、商品以外の商品が混入する場合の、重量センサの測定値に準ずる在庫管理による商品の推定在庫量の遷移のタイムチャートの一例である。
図8図8は、保管場所に商品以外の商品が混入する場合の、在庫管理システムの在庫管理による、商品の推定在庫量の遷移のタイムチャートの一例である。
図9図9は、変形例1に係る、管理サーバの商品の推定在庫量の管理処理のフローチャートの一例である。
図10図10は、変形例2に係る、管理サーバの商品の推定在庫量の管理処理のフローチャートの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の態様の一つは、保管場所に設置されている重量センサによる、保管場所の積載重量を示す測定値に基づいて、保管場所に保管されている第1の商品の在庫量を取得することを実行する制御部を備える情報処理装置である。制御部は、第1の商品の1個当たりの重量を取得することと、重量センサの前回の測定値から今回の測定値への増加又は減少がある場合に、1個当たりの重量に基づいて、測定値の増加又は減少が第1の商品の追加又は削減によるか否かを判定することとを実行する。制御部は、測定値の増加又は減少が第1の商品の追加又は削減によることを判定した場合には第1の商品の在庫量を更新し、測定値の増加又は減少が第1の商品の追加又は削減によらないことを判定した場合には第1の商品の在庫量を更新しないことを実行する。
【0011】
情報処理装置は、例えば、サーバである。また、情報処理装置は、保管場所付近に存在するPC(Personal Computer)、及び、重量センサと接続するコンピュータ等であって
もよい。保管場所は、例えば、ユーザの自宅、オフィス、又は工場内の保管棚、保管庫、及び、箱等である。
【0012】
本開示の態様の一つによれば、第1の商品が保管されている保管場所に、第1の商品とは異なる他の商品が追加された場合には、第1の商品の在庫量は更新されないので、第1の商品の在庫量をより精度よく管理することができる。
【0013】
本開示の態様の一つでは、制御部は、測定値の増加又は減少が第1の商品の追加又は削減によるか否かを、測定値の増加又は減少の量が1個当たりの重量の倍数であるか否かに
よって判定するようにしてもよい。これによって、重量センサ以外のセンサを用いなくとも、より精度よく、保管場所への第1の商品の追加又は削減を検出することができる。また、第1の商品以外の商品が保管場所へ追加又は削減されたことを検出することができる。
【0014】
本開示の態様の一つでは、制御部は、測定値の増加又は減少が第1の商品の追加又は削減によらないことを判定した場合に、測定値の増加又は減少の量を在庫量に反映させるか否かを保管場所に関連付くユーザに確認するようにしてもよい。第1の商品とは異なっていても同じ種類の商品を第1の商品と同じ保管場所で保管したいという要望に応じて、第1の商品とは異なるものの種類が同じ商品を在庫管理の対象とすることができる。同じ種類の商品とは、第1の商品とは銘柄が異なるものの、品目が同じ商品である。具体的には、第1の商品がAという銘柄の醤油である場合には、第1の商品とは異なるものの種類が同じ商品はBという銘柄の醤油である。
【0015】
本開示の態様の一つでは、制御部は、測定値の増加又は減少が第1の商品の追加又は削減によらないことを判定した場合に、測定値の増加又は減少の量が他の商品の1個当たりの重量の倍数であるか否かを判定してもよい。制御部は、測定値の増加又は減少の量が他の商品の1個当たりの重量の倍数である場合には、保管場所に関連付くユーザに他の商品の保管場所への混入を通知するようにしてもよい。これによって、他の商品の保管場所への混入をリマインドできる。例えば、他の商品は、ユーザに関連付き、他の重量センサが備えられている他の保管場所に保管される商品である場合には、保管場所の間違いをユーザに気付かせることができる。
【0016】
本開示の態様の一つでは、制御部は、在庫量が所定値未満となる場合に、第1の商品の補充に関する信号を送信することをさらに実行するようにしてもよい。第1の商品の補充に関する信号は、例えば、第1の商品の発注を行う信号であってもよい。または、第1の商品の補充に関する信号は、保管場所に関連付くユーザへ、在庫量が所定値未満となったことを通知する信号であってもよい。これによって、第1の商品の在庫量を一定に保つためのサポートをすることができる。
【0017】
本開示の態様の一つでは、保管場所に第1の商品と第2の商品とが混在して保管されてもよい。この場合には、制御部は、第2の商品の1個当たりの重量をさらに取得してもよい。制御部は、重量センサの前回の測定値から今回の測定値への増加又は減少がある場合に、第1の商品及び第2の商品それぞれの1個当たりの重量に基づいて、測定値の増加又は減少が第1の商品又は第2の商品の少なくともいずれか一方の追加又は削減によるか否かを判定してもよい。また、制御部は、測定値の増加又は減少が第1の商品又は第2の商品の少なくともいずれか一方の追加又は削減によることを判定した場合には第1の商品の在庫量又は第2の商品の在庫量の少なくともいずれかを更新し、測定値の増加又は減少が第1の商品又は第2の商品の追加又は削減によらないことを判定した場合には第1の商品の在庫量及び第2の商品の在庫量のいずれも更新しないようにしてもよい。制御部は、測定値の増加又は減少の量が第1の商品及び第2の商品の個数の組み合わせのいずれの重量にも該当しない場合には、測定値の増加又は減少が第1の商品又は第2の商品の追加又は削減に依らないことを判定するようにしてもよい。これによって、保管場所に第1の商品と第2の商品とが混在している場合でも、重量センサ以外のセンサを用いずとも、第1の商品の在庫量と第2の商品の在庫量とを管理することができる。
【0018】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本発明は実施形態の構成に限定されない。
【0019】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る在庫管理システム100の構成の一例を示す図である。在庫管理システム100は、例えば、ユーザの自宅等において、所定の保管場所に保管される、購入済みの商品の在庫を管理するシステムである。在庫管理システム100は、管理サーバ1、保管場所200に備えられるセンサ装置2、及び、センサ装置2に関連付くユーザのユーザ端末3を含む。なお、図1に示される例では、保管場所200は、ユーザの自宅内に設置されている保管庫又は保管棚のうちの一段を示す。ただし、これに限られず、保管場所200は、センサ装置2が設置されている箱、及び、マット等であってもよい。また、保管場所200は、例えば、オフィス及び工場等に設置されていてもよい。
【0020】
第1実施形態では、保管場所200において保管される商品500は、予め登録されている単一の商品に限定されることとする。また、第1実施形態では、商品500は、複数段に渡ることなく、1つの重量センサによって積載されている重量が検知可能な1枚の板に積載されていることとする。
【0021】
ネットワークN1は、例えば、インターネット等の公衆回線網である。ネットワークN1には、管理サーバ1、センサ装置2及び、ユーザ端末3が接続している。センサ装置2及びユーザ端末3は、ネットワークN1を通じて、管理サーバ1と通信可能である。
【0022】
センサ装置2は、例えば、保管場所200に積載される重量を測定する重量センサを備える制御装置である。センサ装置2は、保管場所200と一体として販売されるものであってもよいし、単体で販売され、保管場所200に後付けできるものであってもよい。センサ装置2は、例えば、自宅内に設置されている中継装置に無線接続して、ネットワークN1に接続する。
【0023】
保管場所200に保管される商品500は、例えば、飲料、食品、及び、調味料等の食料品、日用品、及び、洗剤等である。ただし、保管場所200に保管される物品はこれらに限定されない。センサ装置2は、例えば、所定の周期で保管場所200に積載されている重量を測定した場合に、測定値を管理サーバ1へ送信する。ただし、これに限られず、センサ装置2は、保管場所200に積載されている重量に変化がある場合にも、測定値を管理サーバ1へ送信するようにしてもよい。
【0024】
管理サーバ1は、センサ装置2から重量の測定値を受信すると、前回の測定値からの増加又は減少の量が、商品500の1個当たりの重量の倍数である場合には、保管場所200に保管されている商品500の在庫量を更新する。一方で、前回の測定値からの増加又は減少の量が、商品500の1個当たりの重量の倍数でない場合には、商品500以外の商品が追加又は削減されたことを判定して、保管場所200に保管されている商品500の在庫量を更新しない。管理サーバ1が把握する、保管場所200に保管されている商品500の在庫量は推定値であるため、以降、単に、商品500の推定在庫量、と称される。
【0025】
管理サーバ1は、商品500の推定在庫量が所定値未満となる場合に、商品500の補充に関する信号を送信する。商品500の補充に関する信号は、例えば、所定量の商品500を外部サーバ4に発注する信号、または、ユーザに商品500の在庫が少ないことを通知する信号である。外部サーバ4へ商品500を発注する信号及びユーザに商品500の在庫が少ないことを通知する信号は、「第1の商品の補充に関する信号」の一例である。外部サーバ4は、実店舗又はウェブ上の店舗を管理するサーバである。
【0026】
第1実施形態によれば、保管場所200に保管されている商品500の推定在庫量を、重量センサ以外のセンサを用いることなく、精度よく管理することができる。
【0027】
図2は、第1実施形態に係る、管理サーバ1、センサ装置2、及びユーザ端末3のハードウェア構成の一例を示す図である。管理サーバ1は、ハードウェア構成として、CPU(Central Processing Unit)101、メモリ102、外部記憶装置103、及び、通信
部104を有する。メモリ102および外部記憶装置103は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体である。管理サーバ1は、「情報処理装置」の一例である。
【0028】
外部記憶装置103は、様々なプログラムや、各プログラムの実行に際してCPU 101が使用するデータを格納する。外部記憶装置103は、例えば、EPROM(Erasable Programmable ROM)、及び/又は、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive)である。外部記憶装置103に保持されるプログラムには、例えば、オペレーティングシステム(OS)、在庫管理システム100の制御プログラム、及び、その他様々なアプリケーションプログラムがある。在庫管理システム100の制御プログラムは、保管場所200の在庫管理を行うためのプログラムである。
【0029】
メモリ102は、CPU 101に、外部記憶装置103に格納されているプログラムをロードする記憶領域及び作業領域を提供したり、バッファとして用いられたりする記憶装置である。メモリ102は、例えば、ROM(Read Only Memory)、及び、RAM(Random Access Memory)のような半導体メモリを含む。
【0030】
CPU 101は、外部記憶装置103に保持されたOS及び様々なアプリケーションプログラムをメモリ102にロードして実行することによって、様々な処理を実行する。CPU 101は、1つに限られず、複数備えられてもよい。CPU 101は、「制御部」の一例である。
【0031】
通信部104は、ネットワークとの情報の入出力を行うインタフェースである。通信部104は、例えば、LAN(Local Area Network)カード等である。ただし、通信部104はこれに限定されず、例えば、光回線のONU(Optical Network Unit)インタフェースであってもよい。管理サーバ1のハードウェア構成は、図2に示されるものに限定されない。
【0032】
センサ装置2は、ハードウェア構成として、CPU 201、メモリ202、外部記憶装置203、無線通信部204、及び、重量センサ205を備える。CPU 201、メモリ202、及び、外部記憶装置203は、それぞれ、CPU 101、メモリ102、及び、外部記憶装置103と同様である。
【0033】
無線通信部204は、ネットワークとの情報の入出力を行うインタフェースである。無線通信部204は、例えば、WiFi、又は、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)等の無線通信を行い、例えば、ユーザの自宅内に設置されたアクセスポイント等の中継装置に接続することで、ネットワークN1にアクセスし、管理サーバ1への通信を行う。
【0034】
重量センサ205は、保管場所200に積載されている重量を、例えば、所定の周期で測定する。重量センサ205の測定周期は、例えば、100ミリ秒~1分の間の範囲で任意に設定される。重量センサ205は、測定値をCPU 201へ出力する。なお、センサ装置2に接続する重量センサ205は複数であってもよい。例えば、保管場所200が複数の棚を含む保管棚である場合には、各棚に重量センサ205が備えられ、各棚について保管されている商品500の推定在庫量を合計して、保管場所200に保管されている商品500の推定在庫量が管理される。
【0035】
次に、ユーザ端末3は、ハードウェア構成として、CPU 301、メモリ302、外
部記憶装置303、無線通信部304、及び、タッチパネルディスプレイ305を備える。CPU 301、メモリ302、及び、外部記憶装置303は、CPU 101、メモリ102、及び、外部記憶装置103と同様である。外部記憶装置303には、在庫管理システム100のクライアントアプリケーションプログラムが格納されている。
【0036】
無線通信部304は、所定の無線通信方式によって、ネットワークN1に接続する。無線通信部304は、例えば、LTE(Long Term Evolution)、LTE-Advance
d、及び、5G等の移動体無線通信方式、又は、WiFi等の無線通信を行う。
【0037】
タッチパネルディスプレイ305は、ユーザからの操作入力を受け付け、CPU 301へ出力する。また、タッチパネルディスプレイ305は、CPU 301から入力される画像を表示する。なお、図2に示される管理サーバ1、センサ装置2、及び、ユーザ端末3のハードウェア構成は一例であり、これらに限定されない。
【0038】
図3は、第1実施形態に係る、管理サーバ1、センサ装置2、及び、ユーザ端末3の機能構成の一例を示す図である。まず、センサ装置2は、機能構成として、受信部21、制御部22、及び、送信部23を含む。これらの機能構成要素は、センサ装置2のCPU 201が外部記憶装置203内の所定のプログラムを実行することによって達成される。
【0039】
受信部21及び送信部23は、管理サーバ1とのインタフェースである。受信部21は、制御部22から入力されたデータを、無線通信部204を通じて、管理サーバ1へ送信する。送信部23は、無線通信部204を通じて管理サーバ1からデータを受信し、受信したデータを制御部22へ出力する。
【0040】
制御部22は、重量センサ205から、所定の周期で保管場所200に積載されている重量の測定値の入力を受ける。制御部22は、重量センサ205から保管場所200に積載されている重量の測定値の入力を受けると、重量情報を生成して、送信部23を通じて管理サーバ1へ送信する。重量情報には、例えば、タイムスタンプ、重量センサ205の識別情報、及び、測定値が含まれている。
【0041】
次に、管理サーバ1は、機能構成として、受信部11、制御部12、送信部13、ユーザ情報DB 14、及び、在庫情報DB 15を備える。これらの機能構成要素は、CPU 101が在庫管理システム100の制御プログラムを実行することによって達成される。
【0042】
受信部11及び送信部13は、ネットワークN1とのインタフェースである。受信部11は、例えば、センサ装置2、ユーザ端末3、及び、外部サーバ4からネットワークN1を通じてデータを受信し、制御部12へ出力する。送信部13は、制御部12から入力されたデータを、ネットワークN1を通じて、ユーザ端末3へ送信する。
【0043】
制御部12は、受信部11を通じて、センサ装置2から重量情報を受信する。制御部12は、前回の測定値と今回の測定値とを比較して、今回の測定値が前回の測定値から増加又は減少しているか否かを判定する。今回の測定値が前回の測定値から増加又は減少している場合には、制御部12は、前回の測定値から増加又は減少した重量が、商品500の1個当たりの重量の倍数であるか否かを判定する。前回の測定値から増加又は減少した重量が、商品500の1個当たりの重量の倍数である場合には、制御部12は、保管場所200に商品500が追加又は削減されたことを判定し、在庫情報DB 15の商品500の推定在庫量を更新する。今回の測定値が前回の測定値から増加している場合には、推定在庫量は増加した重量に相当する量を加算して更新される。今回の測定値が前回の測定値から減少している場合には、推定在庫量は減少した重量に相当する量を減算して更新され
る。なお、推定在庫量は、重量で示されていてもよいし、商品500の個数で示されてもよい。
【0044】
今回の測定値が前回の測定値から増加又は減少していない場合、及び、前回の測定値から増加又は減少した重量が商品500の1個当たりの重量の倍数でない場合には、第1実施形態では、制御部12は、商品500の推定在庫量を更新しない。前回の測定値から増加又は減少した重量が商品500の1個当たりの重量の倍数でない場合には、制御部12は、商品500以外の商品が保管場所200に追加又は削減されたことを判定するからである。
【0045】
制御部12は、商品500の推定在庫量が所定値未満である場合には、例えば、所定量の商品500を外部サーバ4へ発注する処理を実行したり、商品500の在庫量が少ないことをユーザ端末3へ通知したりする。この処理で用いられる在庫量の閾値は、商品500に応じて異なってもよい。また、この処理で用いられる閾値は、ユーザによって指定されてもよい。
【0046】
ユーザ情報DB 14及び在庫情報DB 15は、管理サーバ1の外部記憶装置103の記憶領域に作成される。ユーザ情報DB 14は、ユーザに関するユーザ情報を保持する。ユーザ情報には、例えば、ユーザの識別情報、ユーザの氏名、ユーザの住所、及び、重量センサ205の識別情報が含まれる。ユーザ情報には、自動発注に関する情報も含まれてもよい。自動発注に関する情報には、例えば、自動発注の対象の商品の識別情報、及び、1回の配送当たりの発注量等が含まれる。
【0047】
在庫情報DB 15は、センサ装置2が設置されている保管場所200に保管されている商品500に関する情報を保持する。在庫情報DB 15に保持される情報の詳細については後述される。
【0048】
次に、ユーザ端末3は、機能構成として、受信部31、制御部32、及び、送信部33を備える。これらの機能構成要素は、CPU 301が在庫管理システム100のクライアントアプリケーションプログラムを実行することによって達成される。
【0049】
受信部31及び送信部33は、管理サーバ1とのインタフェースである。受信部31は、制御部32から入力されたデータを、無線通信部304を通じて、管理サーバ1へ送信する。送信部33は、無線通信部304を通じて管理サーバ1からデータを受信し、受信したデータを制御部32へ出力する。
【0050】
制御部32は、受信部31を通じて、管理サーバ1から受信された通知を、例えば、タッチパネルディスプレイ305に表示する。また、タッチパネルディスプレイ305を通じてユーザから入力された応答を、送信部33を通じて、管理サーバ1へ送信する。
【0051】
なお、管理サーバ1、センサ装置2、及び、ユーザ端末3の機能構成は、図3に示されるものに限定されない。例えば、管理サーバ1の処理の一部をセンサ装置2が行ってもよい。
【0052】
図4は、在庫情報DB 15に保持される情報の一例である。在庫情報DB 15には、各ユーザについて、在庫情報テーブルが保持されている。在庫情報テーブルには、センサID、商品ID、1個当たりの重量、及び、推定在庫量のフィールドが含まれている。
【0053】
センサIDのフィールドには、重量センサ205の識別情報が格納される。商品IDのフィールドには、重量センサ205に対応する保管場所200に保管されている商品50
0の識別情報が格納される。1個当たりの重量のフィールドには、商品500の1個当たりの重量が格納される。推定在庫量のフィールドには、重量センサ205に対応する保管場所200に保管されている商品500の推定在庫量が格納される。推定在庫量のフィールドには、重量又は個数のいずれが格納されてもよい。
【0054】
在庫情報テーブルのセンサID、商品ID、及び、1個当たりの重量のフィールドの値は、例えば、ユーザ端末3を通じて、ユーザによって登録される。または、1個当たりの重量のフィールドの値は、商品IDのフィールドの値に基づいて、制御部12がウェブ上から取得してもよい。
【0055】
推定在庫量のフィールドは、制御部12がセンサ装置2からの重量情報に基づいて更新する。なお、例えば、1つの商品500が複数の棚に亘って保管されており、複数の重量センサ205によって在庫量が管理されている場合には、当該商品500の推定在庫量は、商品IDのフィールドの値が当該商品500の識別情報であるエントリの推定在庫量のフィールドの値の合計値となる。
【0056】
なお、在庫情報テーブルに保持される情報は、図4に示されるものに限定されない。また、在庫情報テーブルへのエントリの登録、更新、及び削除の方法は、上述の方法に限定されない。例えば、在庫情報テーブルは、商品500の在庫量の閾値を保持するフィールドを備えていてもよい。商品500の在庫量の閾値は、例えば、ユーザによって指定されてもよい。また、在庫情報テーブルは、商品500の推定在庫量が閾値未満となる場合に実行されるアクションを指定するフィールドを備えていてもよい。商品500の推定在庫量が閾値未満となる場合に実行されるアクションには、例えば、商品500の自動発注、及び、商品500の在庫が少ないことの通知等である。
【0057】
<処理の流れ>
図5は、管理サーバ1の商品500の推定在庫量の管理処理のフローチャートの一例である。図5に示される処理は、所定の周期で繰り返し実行される。図5に示される処理の実行主体は、CPU 101であるが、便宜上、機能構成要素を主体として説明する。以降のフローチャートについても同様である。
【0058】
OP101では、制御部12は、受信部11を通じて、センサ装置2から重量情報を受信したか否かを判定する。センサ装置2から重量情報が受信された場合には(OP101:YES)、処理がOP102へ進む。センサ装置2から購入情報が受信されていない場合には(OP101:NO)、図5に示される処理が終了する。なお、重量情報が受信された場合には、制御部12は、受信した重量情報をメモリ102の所定の記憶領域に保存する。このとき、前回受信した重量情報を今回受信した重量情報で上書き更新してもよいし、今回受信した重量情報を含む直近の所定回数分の重量情報を保持してもよい。
【0059】
OP102では、制御部12は、受信した重量情報に含まれる測定値と、当該センサ装置2からの前回の重量情報に含まれる測定値とを比較し、今回の測定値が前回の測定値から増加又は減少しているか否かを判定する。今回の測定値が前回の測定値から増加又は減少している場合には(OP102:YES)、処理がOP103へ進む。今回の測定値が前回の測定値から増加又は減少していない場合には(OP102:NO)、図5に示される処理が終了する。なお、重量情報の受信が初回の場合には、前回の測定値が存在しないため、前回の測定値を0とみなし、測定値が増加するため、OP102の判定は肯定判定となる。
【0060】
OP103では、制御部12は、前回の測定値から今回の測定値への増加又は減少の量が商品500の1個当たりの重量の倍数であるか否かを判定する。商品500の1個当た
りの重量は、在庫情報DB 15内の受信した重量情報に含まれるユーザの識別情報に合致する在庫情報テーブルの、受信した重量情報に含まれる重量センサの識別情報にセンサIDのフィールドの値が合致するエントリの1個当たりの重量のフィールドの値から取得される。前回の測定値から今回の測定値への増加又は減少の量が商品500の1個当たりの重量の倍数である場合には(OP103:YES)、処理がOP104へ進む。前回の測定値から今回の測定値への増加又は減少の量が商品500の1個当たりの重量の倍数でない場合には(OP103:NO)、図5に示される処理が終了する。
【0061】
OP104では、制御部12は、OP101において受信した重量情報に含まれる測定値に基づいて、該当の重量センサによって管理されている商品500の推定在庫量を更新する。より具体的には、制御部12は、在庫情報DB 15内の受信した重量情報に含まれるユーザの識別情報に合致する在庫情報テーブルの、受信した重量情報に含まれる重量センサの識別情報にセンサIDのフィールドの値が合致するエントリの推定在庫量のフィールドの値を更新する。推定在庫量が重量である場合には、制御部12は、測定値の増加又は減少量を加算又は減算することで、在庫情報DB 15内の当該エントリの推定在庫量のフィールドの値を更新する。推定在庫量が重量である場合には、制御部12は、前回の測定値から今回の測定値への増加又は減少の量を商品500の1個当たりの重量で割った値を、在庫情報DB 15内の当該エントリの推定在庫量のフィールドの値に加算又は減算して更新する。
【0062】
OP105では、制御部12は、商品500の推定在庫量が所定値未満であるか否かを判定する。商品500が複数の重量センサ205によって管理されている場合、すなわち、在庫情報DB 15の当該ユーザの在庫情報テーブルにおいて、商品IDのフィールドの値が商品500の識別情報に合致するエントリが複数ある場合には、OP105では商品500の推定在庫量として、当該複数のエントリの推定在庫量のフィールドの値の合計値が用いられる。
【0063】
商品500の推定在庫量が所定値未満である場合には(OP105:YES)、処理がOP106へ進む。商品500の推定在庫量が所定値以上である場合には(OP105:NO)、図5に示される処理が終了する。
【0064】
OP106では、制御部12は、商品500を所定量外部サーバ4へ発注する。その後、図5に示される処理が終了する。なお、図5に示される処理は一例であって、管理サーバ1の商品500の推定在庫量の管理処理は図5に示される処理に限定されない。例えば、OP106における処理は、商品500の補充に関する信号が発せられる処理であればよく、例えば、在庫が少ないことのユーザ端末3への通知であってもよい。商品500の自動発注の信号、及び、商品500の在庫が少ないことの通知の信号は、それぞれ、「商品500の補充に関する信号」の一例である。
【0065】
図6図8を用いて、保管場所200に保管されている商品の量の遷移の具体例について説明する。図6は、保管場所200に保管される商品がすべて商品500である、すなわち、保管場所200に商品500以外の商品が混入しない場合の、在庫管理システム100の在庫管理による、商品500の推定在庫量の遷移のタイムチャートの一例である。時間T0~T5は、それぞれ、保管場所200に保管されている商品500の量の測定が実行されたタイミングである。
【0066】
まず、図6図8に共通して、(1)商品500の1個当たりの重量は50gである、(2)商品500の補充に関する信号が発信される閾値は、75gである。1回当たりの自動発注における発注量は、商品500が3個(150g)である、(3)時間T0の時点では、保管場所200には、100g(2個)の商品500が保管されている、ことが
前提であるとする。また、直線のグラフは、保管場所200に保管されている商品500の実際の重量(重量センサ205の測定値)であり、カッコ内の数値は保管場所200に保管されている実際の商品500の在庫量を示す。
【0067】
図6では、時間T1では、保管場所200に1個(50g)の商品500が追加され、重量センサ205の測定値が50g増加する(図5、OP102:YES)。管理サーバ1は、測定値の増加量(50g)が商品500の1個当たりの重量(50g)であるので(図5、OP103:YES)、重量センサ205の測定値の増加量(50g)を加算して推定在庫量を更新する(図5、OP104)。時間T1における推定在庫量は150gである。
【0068】
時間T2及びT3では、それぞれ、保管場所200から1個ずつ商品500が出される。時間T2及び時間T3それぞれにおける重量センサ205の測定値は100g、50gとなり、50gずつ減少する(図5、OP102:YES)。時間T2及びT3それぞれにおいて、管理サーバ1は、測定値の減少量(50g)が商品500の1個当たりの重量(50g)であるので(図5、OP103:YES)、重量センサ205の測定値の減少量(50g)を減算して推定在庫量を更新する(図5、OP104)。時間T2における推定在庫量は100gとなる。時間T3における推定在庫量は50gとなる。
【0069】
時間T3では、商品500の推定在庫量(50g)が在庫の閾値75g未満となるので(図5、OP105:YES)、管理サーバ1は、商品500を3個、外部サーバ4へ発注する。
【0070】
時間T4では、自動発注によって、3個の商品500がユーザの自宅へ配送され、保管場所200に3個の商品500が追加され、重量センサ205の測定値が200gとなり、150g増加する(図5、OP102:YES)。管理サーバ1は、測定値の増加量(150g)が商品500の1個当たりの重量(50g)の3倍であるので(図5、OP103:YES)、重量センサ205の測定値の増加量(150g)で推定在庫量を更新する(図5、OP104)。時間T4における推定在庫量は200gである。
【0071】
したがって、図6に示される例では、保管場所200に商品500以外の商品が混入しない場合には、重量センサ205の測定値と管理サーバ1が把握する商品500の推定在庫量とは同じ値で遷移することが示される。
【0072】
図7は、商品500以外の商品が混入する場合の、重量センサの測定値に準ずる在庫管理による商品500の推定在庫量の遷移のタイムチャートの一例である。図7では、在庫管理システム100の在庫管理が適用されず、重量センサの測定値のみで在庫管理が行われる。
【0073】
図7の時間T1では、商品500とは重量の異なる商品Aが1個、保管場所200に追加されたとする。商品Aの1個当たりの重量は90gであるとする。このとき、保管場所200の重量センサの測定値は190gとなる。なお、時間T1における商品500の在庫量は100gである。
【0074】
時間T2において、保管場所200から1個の商品500が出され、保管場所200の重量センサの測定値は140gとなる。一方、時間T2における商品500の在庫量は50gである。時間T2における商品500の在庫量(50g)は、在庫量の閾値(75g)未満となるので、本来ならば商品500の補充に関する信号が送信される。しかしながら、図7では、時間T2における重量センサの測定値は140gであり、重量センサの測定値が商品500の在庫量として認識される。そのため、商品500の在庫量が閾値(7
5g)を下回っているとは認識されず、商品500の補充に関する信号は送信されないので、商品500は補充されないままとなる。
【0075】
時間T3において、保管場所200から1個の商品500が出され、保管場所200の重量センサの測定値は90gとなる。この場合も時間T2と同様に、時間T3における商品500の在庫量(0g)は、在庫量の閾値(75g)を下回っているものの、時間T3における重量センサの測定値は90gであり、在庫量の閾値(75g)を下回っていないため、商品500は補充されないままとなる。
【0076】
したがって、図7に示される例では、重量センサの測定値に従って在庫管理がなされた場合には、保管場所200に商品500以外の商品が混入した場合には、保管場所200に実際に保管されている商品500の在庫量と、システム側で把握される商品500の在庫量とが乖離することが示される。これによって、例えば、商品500の補充がユーザの希望通りになされない可能性がある。
【0077】
図8は、保管場所200に商品500以外の商品が混入する場合の、在庫管理システム100の在庫管理による、商品500の推定在庫量の遷移のタイムチャートの一例である。図8では、直線のグラフは、重量センサ205の測定値を示す。点線のグラフは、管理サーバ1が把握する商品500の推定在庫量を示す。
【0078】
図8では、時間T1では、保管場所200に商品500とは異なる商品Aが1個(90g)追加され、重量センサ205の測定値が190gとなり、90g増加する(図5、OP102:YES)。管理サーバ1は、測定値の増加量(90g)が商品500の1個当たりの重量(50g)でないので(図5、OP103:NO)、商品500の推定在庫量(100g)を更新しない。したがって、時間T1における推定在庫量は100gである。
【0079】
時間T2では、保管場所200から1個の商品500が出される。時間T2における重量センサ205の測定値は140gとなり、50g減少する(図5、OP102:YES)。時間T2において、管理サーバ1は、測定値の減少量(50g)が商品500の1個当たりの重量(50g)であるので(図5、OP103:YES)、重量センサ205の測定値の増加量(50g)を減算して推定在庫量を更新する(図5、OP104)。時間T2における推定在庫量は50gとなる。
【0080】
時間T2では、商品500の推定在庫量(50g)が在庫の閾値75g未満となるので(図5、OP105:YES)、管理サーバ1は、商品500を3個、外部サーバ4へ発注する。
【0081】
時間T3では、自動発注によって、3個の商品500がユーザの自宅へ配送され、保管場所200に3個の商品500が追加される。これによって、重量センサ205の測定値が290gとなり、150g増加する(図5、OP102:YES)。管理サーバ1は、測定値の増加量(150g)が商品500の1個当たりの重量(50g)の3倍であるので(図5、OP103:YES)、重量センサ205の測定値の増加量(150g)を加算して推定在庫量を更新する(図5、OP104)。時間T4における推定在庫量は200gである。
【0082】
したがって、図8に示される例では、保管場所200に商品500以外の商品が混入した場合でも、在庫管理システム100の在庫管理によれば、重量センサ205の測定値と管理サーバ1が把握する商品500の推定在庫量とは同じ値で遷移することが示される。
【0083】
<第1実施形態の作用効果>
第1実施形態によれば、保管場所200に備えられた重量センサ205の測定値の増加又は減少の量が商品500の1個当たりの重量の倍数であるか否かに応じて、保管場所200に保管されている推定在庫量を更新する。これによって、より精度良く保管場所200に保管されている商品500の在庫量を管理することができる。精度良くとは、管理サーバ1が把握する保管場所200に保管されている商品500の量と、実際に保管場所200に保管されている商品500の量とが整合している、という意味である。
【0084】
また、第1実施形態では、重量センサ205以外のセンサを用いずとも、より精度良く保管場所200に保管されている商品500の在庫量を管理することができるので、x2をより簡素な構成とすることができる。
【0085】
また、第1実施形態では、商品500の推定在庫量が所定値未満となる場合には、管理サーバ1は商品500の補充に関する信号を送信する。これによって、保管場所200に商品500が補充される可能性が高まるので、商品500の在庫管理を容易にすることができる。
【0086】
<変形例1>
第1実施形態では、保管場所200に備えられた重量センサ205の測定値の増加又は減少の量が商品500の1個当たりの重量の倍数でない場合には、商品500の推定在庫量は更新されない。しかしながら、測定値の増加又は減少の量に相当する商品が商品500と同じ種類の商品であり、商品500と同等に管理したいというユーザの要望がある場合がある。
【0087】
そこで、変形例1では、管理サーバ1は、保管場所200に備えられた重量センサ205の測定値の増加又は減少の量が商品500の1個当たりの重量の倍数でない場合には、測定値の増加又は減少の量に相当する商品を管理対象とするか否かをユーザに問い合わせる。ユーザから、当該商品を管理対象とするという回答があった場合に、管理サーバ1は、測定値の増加又は減少の量を商品500の推定在庫量に反映させる。
【0088】
図9は、変形例1に係る、管理サーバ1の商品500の推定在庫量の管理処理のフローチャートの一例である。図9では、第1実施形態に係る管理サーバ1の商品500の推定在庫量の管理処理(図5)と同じ処理には同じ符号が付されている。
【0089】
図9では、センサ装置2から重量情報が受信され(OP101:YES)、前回の測定値から今回の測定値へ増加又は減少があり(OP102:YES)、測定値の増加又は減少の量が商品500の1個当たりの重量の倍数でない場合には(OP103:NO)、処理がOP201へ進む。
【0090】
OP201では、制御部12は、ユーザ端末3へ、追加又は削減された商品を保管場所200に保管される管理対象とするかの問合せを送信する。OP202では、制御部12は、ユーザ端末3からOK回答が受信されたか否かを判定する。ユーザ端末3からOK回答が受信された場合には(OP202:YES)、処理がOP104へ進み、商品500の指定在庫量の更新(OP104)が行われる。
【0091】
変形例1によれば、保管場所200に混入した商品が、ユーザが商品500とともに管理対象としたい商品である場合に、当該保管場所200に混入した商品を管理対象とすることができる。
【0092】
<変形例2>
例えば、複数の棚を備える保管棚のうちの1つが商品500の保管場所200であり、他の棚は別の商品Bの保管場所として用いられる場合に、商品Bが商品500の保管場所に間違って置かれることが考えられる。変形例2では、このような場合に、管理サーバ1は、ユーザ端末3へエラーを送信して、商品Bの保管場所を間違えていることを気づかせる。
【0093】
図10は、変形例2に係る、管理サーバ1の商品500の推定在庫量の管理処理のフローチャートの一例である。図10では、第1実施形態に係る管理サーバ1の商品500の推定在庫量の管理処理(図5)と同じ処理には同じ符号が付されている。
【0094】
図10では、センサ装置2から重量情報が受信され(OP101:YES)、前回の測定値から今回の測定値へ増加又は減少があり(OP102:YES)、測定値の増加又は減少の量が商品500の1個当たりの重量の倍数でない場合には(OP103:NO)、処理がOP301へ進む。
【0095】
OP301では、制御部12は、測定値の増加又は減少の量が、例えば、在庫情報DB
15内の重量情報に含まれるユーザの在庫情報テーブルにおいて、他のセンサに関連付く商品の1個当たりの重量の倍数であるか否かを判定する。測定値の増加又は減少の量が他のセンサに関連付く商品の1個当たりの重量の倍数である場合には(OP301:YES)、処理がOP302へ進む。測定値の増加又は減少の量が他のセンサに関連付く商品の1個当たりの重量の倍数でない場合には(OP301:NO)、図10に示される処理が終了する。
【0096】
OP302では、制御部12は、ユーザ端末3へ、他の保管場所に保管されるべき商品の混入を示すエラーメッセージを送信する。その後、図10に示される処理が終了する。
【0097】
変形例2によれば、例えば、ユーザが商品の保管場所を間違えた場合に、そのことをユーザに気付かせることができる。
【0098】
<その他の実施形態>
上記の実施形態はあくまでも一例であって、本発明はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施しうる。
【0099】
第1実施形態及び変形例では、1つの保管場所200には単一の商品500が保管されることが想定されている。これに限られず、1個当たりの重量が異なり、且つ、一方の1個当たりの重量が他方の1個当たりの重量の倍数でない場合には、1つの保管場所200に複数の商品を保管することが可能である。例えば、保管場所に商品#1と商品#2とが保管される場合について説明する。この場合には、例えば、制御部12は、図5のOP103において、重量センサ205の測定値の増加又は減少の量が、商品#1及び商品#2の個数の組み合わせの重量に相当するか否かを判定すればよい。商品#1及び商品#2の個数の組み合わせは、商品#1と商品#2との重量の合計が測定値の増加又は減少の量を超えない範囲内での組み合わせである。なお、商品#1及び商品#2の個数の組み合わせには、商品#1が0個、又は、商品#2が0個の場合も含まれる。なお、保管場所200に3つ以上の異なる商品が保管される場合も同様にして在庫管理することができる。
【0100】
本開示において説明した処理や手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
【0101】
また、1つの装置が行うものとして説明した処理が、複数の装置によって分担して実行されてもよい。あるいは、異なる装置が行うものとして説明した処理が、1つの装置によ
って実行されても構わない。コンピュータシステムにおいて、各機能をどのようなハードウェア構成(サーバ構成)によって実現するかは柔軟に変更可能である。
【0102】
本発明は、上記の実施形態で説明した機能を実装したコンピュータプログラムをコンピュータに供給し、当該コンピュータが有する1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によってコンピュータに提供されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータに提供されてもよい。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ(HDD)等)、光ディスク(CD-ROM、DVDディスク、ブルーレイディスク等)など任意のタイプのディスク、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カード、フラッシュメモリ、光学式カード、電子的命令を格納するために適した任意のタイプの媒体を含む。
【符号の説明】
【0103】
1・・管理サーバ
2・・センサ装置
3・・ユーザ端末
4・・外部サーバ
11、21・・受信部
12、22・・制御部
13、23・・送信部
14・・ユーザ情報データベース
15・・在庫情報データベース
100・・在庫管理システム
101、201・・CPU
102、202・・メモリ
103、203・・外部記憶装置
104・・通信部
204・・無線通信部
205・・重量センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10