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特許7512885液晶装置、液晶装置の製造方法、および電子機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】液晶装置、液晶装置の製造方法、および電子機器
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1343 20060101AFI20240702BHJP
   G02F 1/1368 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
G02F1/1343
G02F1/1368
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020213281
(22)【出願日】2020-12-23
(65)【公開番号】P2022099489
(43)【公開日】2022-07-05
【審査請求日】2023-11-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 幸大
【審査官】山本 貴一
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-188110(JP,A)
【文献】特開2007-187720(JP,A)
【文献】特開2002-040455(JP,A)
【文献】特開2020-091350(JP,A)
【文献】特開2013-114182(JP,A)
【文献】特開2014-174431(JP,A)
【文献】特開2001-066635(JP,A)
【文献】特開2010-152254(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0369424(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2001/0026341(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1343
G02F 1/1368
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶分子を有する液晶層と、
第1方向に沿って延在する第1端と、前記第1端と交差し、第2方向に沿って延在する第2端と、前記第2端と交差し、前記第1方向に沿って延在する第3端と、前記第1端および前記第3端と交差し、前記第2方向に沿って延在する第4端と、を有する画素電極と、
前記画素電極に対応して設けられたトランジスターと、
前記画素電極の前記第3端および前記第4端に沿って延在し、前記画素電極に覆われる壁部と、
を備え、
前記壁部は、第1層と、前記第1層に対して前記画素電極の側から互いに全体が平面視で重なるように積層された第2層と、を含み、前記第2層は、前記第1層とは異なる材料からなり、前記第1層より厚いことを特徴とする液晶装置。
【請求項2】
請求項1に記載の液晶装置において、
前記第1層は、遮光性材料からなることを特徴とする液晶装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の液晶装置において、
前記壁部は、前記画素電極と隣り合う画素電極と平面視で離間していることを特徴とする液晶装置。
【請求項4】
請求項1から3までの何れか一項に記載の液晶装置において、
前記トランジスターは、前記第3端と前記第4端との交差領域に対応して設けられていることを特徴とする液晶装置。
【請求項5】
請求項4に記載の液晶装置において、
前記液晶分子は、平面視で前記画素電極が設けられた領域において、前記第1方向および前記第2方向と交差して前記交差領域に向かう方向に配向方向が設定され、
前記画素電極の前記第1端および前記第2端は、前記壁部と重なっていないことを特徴とする液晶装置。
【請求項6】
請求項4または5に記載の液晶装置において、
前記液晶分子は、負の誘電率異方性を備え、
前記液晶分子は、前記画素電極とは反対の第1端部が前記画素電極側の第2端部より前記交差領域の側に位置するように前記画素電極に対する法線方向に対して傾いていることを特徴とする液晶装置。
【請求項7】
請求項1から6までの何れか一項に記載の液晶装置において、
前記画素電極は、前記壁部を覆うように前記壁部の両側の側面に沿って設けられていることを特徴とする液晶装置。
【請求項8】
請求項1から7までの何れか一項に記載の液晶装置において、
前記第1方向に沿って延在する第1遮光部材と、
前記第1方向と交差し、前記第2方向に沿って延在する第2遮光部材と、
前記第2遮光部材と交差し、前記第1方向に沿って延在する第3遮光部材と、
前記第1遮光部材および前記第3遮光部材と交差し、前記第2方向に沿って延在する第4遮光部材と、
備え、
前記画素電極は、前記第1遮光部材、前記第2遮光部材、前記第3遮光部材および前記第4遮光部材の各々に端部が沿うように設けられ、
前記壁部は、前記第1遮光部材、前記第2遮光部材、前記第3遮光部材および前記第4遮光部材が設けられた層と前記画素電極が設けられた層との間で前記画素電極の端部に沿って延在することを特徴とする液晶装置。
【請求項9】
液晶分子を有する液晶層と、
第1方向に沿って延在する第1端と、前記第1方向と交差する第2方向に沿って延在する第2端と、前記第2端と交差し、前記第1方向に沿って延在する第3端と、前記第1端および前記第3端と交差し、前記第2方向に沿って延在する第4端と、を有する画素電極と、
前記画素電極に対応して設けられたトランジスターと、
前記画素電極の前記第3端および前記第4端に沿って延在し、前記画素電極に覆われる壁部と、
を備えた液晶装置の製造方法において、
前記壁部を形成する工程では、
前記壁部の下層側部分である第1層を形成するための第1膜を成膜する工程と、
前記第1膜と異なる材料によって、前記壁部の上層側部分である第2層を形成するための第2膜を前記第1膜の上層側に成膜する工程と、
前記第1膜をエッチングストッパーとして前記第2膜をパターニングして前記第2層を形成する工程と、
前記第1膜のうち、前記第2層から露出している部分を除去し、前記第1層を形成する工程と、
を行うことを特徴とする液晶装置の製造方法。
【請求項10】
請求項1から8までの何れか一項に記載の液晶装置と、光路シフトデバイスと、を備えていることを特徴とする電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶装置、液晶装置の製造方法、および電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶装置は、透光性の複数の画素電極、および複数の画素電極を覆う第1配向膜が一方面側に設けられた第1基板と、第1基板と対向する面側に第2配向膜が設けられた第2基板と、第1基板と第2基板との間に設けられた液晶層とを有している。複数の画素電極の端部は各々、第1方向に延在する第1遮光部、および第2方向に延在する第2遮光部に重なっている。かかる液晶装置において、第1遮光部と第2遮光部とに囲まれた開口部については、第2方向のサイズを第1方向のサイズより小さくし、第1遮光部の第2方向の幅を第2遮光部の第1方向の幅より広くする構造が提案されている(特許文献1参照)。また、画素電極の中心を開口部の中心に対して第2方向に沿う方向で液晶分子のプレチルトの方位にずらすことが提案されている。かかる構成によれば、第2方向で隣り合う画素電極間に発生する横電界の影響で液晶分子の配向が乱れた場合でも、配向の乱れが発生した領域が第2遮光部から張り出す範囲を狭くすることができるので、横電界を原因とするコントラストの低下を抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-148625号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、横電界に起因する配向の乱れが発生する部分の遮光部の幅を広くして横電界の影響を隠す構造であるため、横電界に起因する配向の乱れを確実に隠すには遮光部の幅を広げることになる。その結果、表示光量の低下が発生する。それ故、特許文献1に記載の構成では、横電界に起因する液晶分子の配向の乱れの影響を抑制して画像のコントラスト比を高めた場合、明るい画像を表示できなくなるという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明に係る液晶装置の一態様は、液晶分子を有する液晶層と、第1方向に沿って延在する第1端と、前記第1端と交差し、第2方向に沿って延在する第2端と、前記第2端と交差し、前記第1方向に沿って延在する第3端と、前記第1端および前記第3端と交差し、前記第2方向に沿って延在する第4端と、を有する画素電極と、前記画素電極に対応して設けられたトランジスターと、前記画素電極の前記第3端および前記第4端に沿って延在し、前記画素電極に覆われる壁部と、を備え、前記壁部は、第1層と、前記第1層に対して前記画素電極の側から互いに全体が平面視で重なるように積層された第2層と、を含み、前記第2層は、前記第1層とは異なる材料からなり、前記第1層より厚いことを特徴とする。
【0006】
本発明の別態様は、液晶分子を有する液晶層と、第1方向に沿って延在する第1端と、前記第1方向と交差する第2方向に沿って延在する第2端と、前記第2端と交差し、前記第1方向に沿って延在する第3端と、前記第1端および前記第3端と交差し、前記第2方向に沿って延在する第4端と、を有する画素電極と、前記画素電極に対応して設けられたトランジスターと、前記画素電極の前記第3端および前記第4端に沿って延在し、前記画素電極に覆われる壁部と、を備えた液晶装置の製造方法において、前記壁部を形成する工程では、前記壁部の下層側部分である第1層を形成するための第1膜を成膜する工程と、前記第1膜と異なる材料によって、前記壁部の上層側部分である第2層を形成するための第2膜を前記第1膜の上層側に成膜する工程と、前記第1膜をエッチングストッパーとして前記第2膜をパターニングして前記第2層を形成する工程と、前記第1膜のうち、前記第2層から露出している部分を除去し、前記第1層を形成する工程と、を行うことを特徴とする。
【0007】
本発明に係る電子機器は、本発明を適用した液晶装置と、光路シフトデバイスと、を備えていることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態1に係る液晶装置の一態様を示す平面図。
図2図1に示す液晶装置のH-H′断面図。
図3図1に示す液晶装置の電気的構成を示す説明図。
図4図1に示す液晶装置に用いた液晶分子等の説明図。
図5図1に示す液晶装置の画素の平面図。
図6図5に示す画素のE-E′断面図。
図7図5に示す遮光部材等のレイアウトを模式的に示す説明図。
図8図7のF1-F1′断面を模式的に示す説明図。
図9図7のG1-G1′断面を模式的に示す説明図。
図10図7等に示す凸部の横電界に対する効果を示す説明図。
図11図1に示す液晶装置の製造工程を示す工程断面図。
図12図7に示す画素電極を形成する際に用いたレジストマスクの一態様を示す説明図。
図13図7に示す画素電極を形成する際に用いたレジストマスクの別態様を示す説明図。
図14】本発明の実施の形態2に係る液晶装置の説明図。
図15】本発明を適用した液晶装置を用いた投射型表示装置の概略構成図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下に参照する図面は、説明する部分が認識可能な状態となるように、適宜拡大、縮小、あるいは誇張して表示している。また、説明に必要な構成要素以外は図示を省略する場合がある。また、以下の説明において「平面視」とは、第1基板10および画素電極9aに対する法線方向からみた様子を意味する。
【0010】
[実施の形態1]
1.液晶装置の構成
図1は、本発明の実施の形態1に係る液晶装置100の一態様を示す平面図であり、液晶装置100を第2基板20側からみた様子を示してある。図2は、図1に示す液晶装置100のH-H′断面図である。
【0011】
図1および図2に示すように、液晶装置100は、透光性の第1基板10と透光性の第2基板20とが所定の隙間を介してシール材107によって貼り合わされた液晶パネル100pを有している。シール材107は第2基板20の外縁に沿うように枠状に設けられており、第1基板10と第2基板20との間でシール材107によって囲まれた領域に液晶層80が配置されている。第1基板10および第2基板20はいずれも四角形であり、液晶装置100の略中央において、表示領域10aは、時計の3時-9時方向である第1方向Xの寸法が0時-6時方向の寸法である第2方向Yの寸法より長い長方形の領域として設けられている。かかる形状に対応して、シール材107も略長方形の枠状に設けられ、シール材107の内周縁と表示領域10aの外周縁との間には矩形枠状の周辺領域10bが設けられている。
【0012】
第1基板10は、石英やガラス等の透光性の基板本体19を有する。基板本体19の第2基板20の側を向く一方面19sの側において、表示領域10aの外側には、時計の6時の側で第1基板10の第1方向Xに延在する一辺に沿ってデータ線駆動回路101および複数の端子102が形成されており、第2方向Yに延在する二辺に沿って走査線駆動回路104が形成されている。端子102には、フレキシブル配線基板105が接続されており、第1基板10には、フレキシブル配線基板105を介して各種電位や各種信号が入力される。
【0013】
基板本体19の一方面19sの側において、表示領域10aには、ITO(Indium Tin Oxide)膜等からなる透光性の複数の画素電極9a、および複数の画素電極9aの各々に電気的に接続する画素スイッチング用のトランジスター(図示せず)がマトリクス状に形成されている。画素電極9aに対して第2基板20側には第1配向膜16が形成されている。従って、基板本体19から第1配向膜16までが第1基板10に相当する。
【0014】
第2基板20は、石英やガラス等の透光性の基板本体29を有する。基板本体29の第1基板10の側を向く一方面29sの側には、ITO膜等からなる透光性の共通電極21が形成されており、共通電極21に対して第1基板10側には第2配向膜26が形成されている。従って、基板本体29から第2配向膜26までが第2基板20に相当する。共通電極21は、第2基板20の略全面に形成されている。
【0015】
第2基板20において、共通電極21に対して第1基板10とは反対側には、金属または金属化合物等からなる遮光性の遮光膜23、および透光性の保護膜27が形成されている。遮光膜23は、例えば、表示領域10aの外周縁に沿って延在する額縁状の見切り23aとして形成されている。遮光膜23は、隣り合う画素電極9aにより挟まれた領域と平面視で重なる領域に格子状のブラックマトリクスとして形成されることもある。第1基板10の周辺領域10bのうち、見切り23aと平面視で重なる領域には、画素電極9aと同時形成されたダミー画素電極9bが形成されている。
【0016】
第2基板20には、複数の画素電極9aの各々に対向するレンズ24が構成されている。具体的には、基板本体29には、凹曲面240からなるレンズ面が形成され、凹曲面240はレンズ層28によって覆われている。レンズ層28の屈折率は、基板本体29の屈折率より大である。例えば、基板本体29は石英基板(シリコン酸化物、SiO2)からなり、屈折率が1.48であるのに対して、レンズ層28は、シリコン酸窒化膜(SiON)からなり、屈折率が1.58~1.68である。それ故、レンズ24は、光を収束させる正のパワーを有している。本形態において、レンズ層28に対して第1基板10の側に遮光膜23および保護膜27が形成されている。
【0017】
第1基板10には、シール材107より外側において第2基板20の角部分と重なる領域に、第1基板10と第2基板20との間で電気的導通をとるための基板間導通用電極109が形成されている。基板間導通用電極109には、導電粒子を含んだ基板間導通材109aが配置されており、第2基板20の共通電極21は、基板間導通材109aおよび基板間導通用電極109を介して、第1基板10側に電気的に接続されている。このため、共通電極21は、第1基板10の側から共通電位が印加されている。
【0018】
本形態の液晶装置100は、透過型液晶装置として構成されている。透過型液晶装置では、第1基板10および第2基板20のうち、一方側の基板から入射した光が他方側の基板を透過して出射される間に変調されて画像を表示する。本形態では、図2に矢印Lで示すように、第2基板20の側から入射した光が第1基板10を透過して出射される間に液晶層80によって画素毎に変調され、画像を表示する。
【0019】
2.液晶装置100の電気的構成
図3は、図1に示す液晶装置100の電気的構成を示す説明図である。図3に示すように、液晶装置100の表示領域10aにおいて、マトリクス状に形成された複数の画素100aの各々には、画素電極9a、およびこの画素電極9aに対応するトランジスター31が形成されており、画像信号S1、S2・・・Snを供給するデータ線6aがトランジスター31のソースに電気的に接続されている。データ線6aに書き込む画像信号S1、S2・・・Snは、この順に線順次に供給しても構わないし、相隣接する複数のデータ線6a同士に対して、グループ毎に供給するようにしてもよい。トランジスター31のゲートには走査線3aが電気的に接続されており、走査線3aは、所定のタイミングで走査信号H1、H2・・・Hmをこの順に線順次でゲートに印加する。画素電極9aは、トランジスター31のドレインに電気的に接続されており、トランジスター31を一定期間だけそのオン状態とすることにより、データ線6aから供給される画像信号S1、S2・・・Snを各画素100aに所定のタイミングで書き込む。このようにして画素電極9aを介して画素100aに書き込まれた画像信号S1、S2、・・・Snは、図2を参照して説明した第2基板20の共通電極21との間で一定期間保持される。液晶層80は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能にする。それ故、液晶装置100からは画像信号S1、S2、・・・Snに応じたコントラストを持つ光が出射される。
【0020】
ここで、各画素100aに保持された画像信号S1、S2、・・・Snがリークするのを防ぐために、容量線5aを利用して、画素電極9aと共通電極21との間に形成される液晶容量と並列に保持容量55を付加することがある。この場合、画素電極9aの電圧は、ソース電圧が印加された時間よりも長い時間、保持容量55により保持される。これにより、電荷の保持特性は改善され、コントラスト比の高いアクティブマトリクス型の液晶装置100が実現できる。
【0021】
3.液晶層80等の構成
図4は、図1に示す液晶装置100に用いた液晶分子85等の説明図である。図4において、第1配向膜16および第2配向膜26は、ポリイミド膜や無機配向膜からなる。本形態において、第1配向膜16および第2配向膜26は、SiO(x<2)、SiO、TiO、MgO、AlO3等の無機の斜方蒸着膜である。
【0022】
従って、第1配向膜16および第2配向膜26は、カラムと称せられる柱状体16a、26aが第1基板10および第2基板20に対して斜めに形成された柱状構造物からなる。それ故、第1配向膜16および第2配向膜26は、液晶層80に用いた負の誘電率異方性を備えた液晶分子85を第1基板10および第2基板20に対して斜め傾斜配向させ、液晶分子85にプレチルトを付している。画素電極9aと共通電極21との間に電圧を印加しない状態で、第1基板10および第2基板20に対して垂直な法線方向と液晶分子85の長軸方向とがなす角度がプレチルト角θpである。プレチルト角θpは、例えば3°~5°程度である。
【0023】
第1基板10に対する液晶分子85のプレチルトの方位Pd1は、液晶分子85の長軸方向の第1基板10とは反対側の第1端部851が第1基板10側の第2端部852に対して位置する方位である。かかる液晶装置100では、画素電極9aと共通電極21との間に駆動電圧を印加すると、液晶分子85がプレチルトの方位Pd1に倒れる。第2基板20に対する液晶分子85のプレチルトの方位Pd2は、第1基板10に対する液晶分子85のプレチルトの方位Pd1に対して反平行である。
【0024】
このようにして、液晶装置100は、VA(Vertical Alignment)モードの液晶装置として構成されている。また、液晶装置100では、クロスニコルに配置された一対の偏光素子の間において、一対の偏光素子の透過軸または吸収軸に対して、プレチルト方向であるプレチルトの方位Pd1が45°の角度θPdを成すように液晶装置100が配置される(図1参照)。従って、各画素毎に画素電極9aと共通電極21との間に印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が増加し、液晶装置100は、全体として各画素から画像信号に応じたコントラストをもつ光が射出されるノーマリーブラックモードで画像を表示する。
【0025】
本形態では、図1に示すように、第1配向膜16を形成する際の蒸着方向D10は、時計の7時30分から1時30分に向かう方位であり、蒸着方向D10が第1基板10に対する法線V1と成す角度はθa(図4参照)である。その際に、柱状体16aが成長する方向は、時計の7時30分から1時30分からに向かう方位である。従って、第1基板10に対する液晶分子85のプレチルト方向であるプレチルトの方位Pd1は、時計の1時30分から7時30分に向かう方位である。第2配向膜26を形成する際の蒸着方向D20は、時計の1時30分から7時30分に向かう方位であり、蒸着方向D20が第2基板20に対する法線V2と成す角度はθa(図4参照)である。その際、柱状体26aが成長する方向は、時計の7時30分から1時30分に向かう方位である。従って、第2基板20に対する液晶分子85のプレチルトの方位Pd2は、時計の7時30分から1時30分に向かう方位である。それ故、液晶分子85のプレチルトの方位Pd1、Pd2は、第1方向Xおよび第2方向Yの各々に45°の角度で交差している。以下、プレチルトの方位Pd1を液晶分子85の配向方向(プレチルト方向P)とする。従って、プレチルト方向Pは、時計の1時30分から7時30分に向かう方向である。
【0026】
4.画素の具体的構成
図5は、図1に示す液晶装置100の画素の平面図である。図6は、図5に示す画素のE-E′断面図である。なお、図5では、各層を以下の線で表してある。また、図5では、互いの端部が平面視で重なり合う層については、層の形状等が分かりやすいように、端部の位置をずらしてある。
第1遮光膜8a=細くて長い破線
半導体膜31a=細くて短い点線
走査線3a=太い実線
ドレイン電極4a=細い実線
データ線6aおよび中継電極6b=細い一点鎖線
容量線5a=太い一点鎖線
第2遮光膜7aおよび中継電極7b=太い二点鎖線
画素電極9a=太い破線
【0027】
図5に示すように、第1基板10の一方面10s側には、複数の画素電極9aが形成されており、隣り合う画素電極9aにより挟まれた画素間領域に沿ってデータ線6aおよび走査線3aが形成されている。画素間領域は縦横に延在しており、走査線3aは画素間領域のうち、第1方向Xに延在する第1画素間領域に沿って直線的に延在し、データ線6aは、第2方向Yに延在する第2画素間領域に沿って直線的に延在している。また、データ線6aと走査線3aとの交差に対応してトランジスター31、および画素電極9aが形成されており、トランジスター31は、データ線6aと走査線3aとの交差領域およびその付近を利用して形成されている。第1基板10には容量線5aが形成されており、かかる容量線5aには共通電位Vcomが印加されている。容量線5aは、走査線3aおよびデータ線6aに重なるように延在して格子状に形成されている。トランジスター31の上層側には第2遮光膜7aが形成されており、かかる第2遮光膜7aは、データ線6aに重なるように延在している。トランジスター31の下層側には第1遮光膜8aが形成されており、かかる第1遮光膜8aは、走査線3aおよびデータ線6aと重なるように延在している。このようにして、第1遮光膜8a、走査線3a、容量線5a、データ線6a、および第2遮光膜7aによって、複数の画素電極9aの端部に沿うように延在する格子状の遮光部材2が形成されている。
【0028】
図6に示すように、第1基板10において、基板本体19の一方面19sには、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる第1遮光膜8aが形成されている。本形態において、第1遮光膜8aは、タングステンシリサイド(WSi)、タングステン、窒化チタン等の遮光膜からなり、光が半導体膜31aに入射してトランジスター31で光電流に起因する誤動作が発生することを抑制する。第1遮光膜8aを走査線として構成する場合もあり、この場合、後述するゲート電極3bと第1遮光膜8aとを導通させた構成とする。
【0029】
第1基板10において、第1遮光膜8aの上層側には、シリコン酸化膜等からなる透光性の層間絶縁膜41が形成され、層間絶縁膜41の上層側には、半導体膜31aを備えたトランジスター31が形成されている。トランジスター31は、データ線6aの延在方向に長さ方向を向けた半導体膜31aと、半導体膜31aの長さ方向と直交する方向に延在して半導体膜31aの長さ方向の中央部分に重なるゲート電極3bとを備えた薄膜トランジスター(Thin Film Transistor:TFT)である。本形態において、ゲート電極3bは走査線3aの一部からなる。トランジスター31は、半導体膜31aとゲート電極3bとの間に透光性のゲート絶縁膜32を有している。半導体膜31aは、ゲート電極3bに対してゲート絶縁膜32を介して対向するチャネル領域31gを備えているとともに、チャネル領域31gの両側にソース領域31bおよびドレイン領域31cを備えている。トランジスター31は、LDD構造を有している。従って、ソース領域31bおよびドレイン領域31cは各々、チャネル領域31gの両側に低濃度領域を備え、低濃度領域に対してチャネル領域31gとは反対側で隣接する領域に高濃度領域を備えている。
【0030】
半導体膜31aは、ポリシリコン膜によって構成されている。ゲート絶縁膜32は、半導体膜31aを熱酸化したシリコン酸化膜からなる第1ゲート絶縁膜32aと、減圧CVD法等により形成されたシリコン酸化膜からなる第2ゲート絶縁膜32bとの2層構造からなる。ゲート電極3bおよび走査線3aは、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる。
【0031】
ゲート電極3bの上層側にはシリコン酸化膜等からなる透光性の層間絶縁膜42が形成され、層間絶縁膜42の上層にはドレイン電極4aが形成されている。ドレイン電極4aは、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる。ドレイン電極4aは、層間絶縁膜42およびゲート絶縁膜32を貫通するコンタクトホール42aを介してドレイン領域31cに導通している。
【0032】
ドレイン電極4aの上層には、シリコン酸化膜等からなる透光性の保護膜49、および透光性の誘電体膜48が形成されており、誘電体膜48の上層には容量線5aが形成されている。誘電体膜48としては、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜等のシリコン化合物を用いることができる他、アルミニウム酸化膜、チタン酸化膜、タンタル酸化膜、ニオブ酸化膜、ハフニウム酸化膜、ランタン酸化膜、ジルコニウム酸化膜等の高誘電率の誘電体膜を用いることができる。容量線5aは、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる。容量線5aは、誘電体膜48を介してドレイン電極4aと重なっており、保持容量55を構成している。
【0033】
容量線5aの上層にはシリコン酸化膜等からなる透光性の層間絶縁膜43が形成されており、層間絶縁膜43の上層には、データ線6aと中継電極6bとが同一の導電膜により形成されている。データ線6aおよび中継電極6bは、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる。データ線6aは、層間絶縁膜43、保護膜49、層間絶縁膜42およびゲート絶縁膜32を貫通するコンタクトホール43aを介してソース領域31bに導通している。中継電極6bは、層間絶縁膜43および保護膜49を貫通するコンタクトホール43bを介してドレイン電極4aに導通している。
【0034】
データ線6aおよび中継電極6bの上層にはシリコン酸化膜等からなる透光性の層間絶縁膜44が形成されており、層間絶縁膜44の上層には、第2遮光膜7aおよび中継電極7bが同一の導電膜によって形成されている。層間絶縁膜44の表面は平坦化されている。第2遮光膜7aおよび中継電極7bは、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる。中継電極7bは、層間絶縁膜44を貫通するコンタクトホール44aを介して中継電極6bに導通している。第2遮光膜7aは、データ線6aと重なるように延在している。なお、第2遮光膜7aを容量線5aと導通させて、定電位である共通電位Vcomを印加してシールドとして利用してもよい。
【0035】
第2遮光膜7aおよび中継電極7bの上層にはシリコン酸化膜等からなる透光性の層間絶縁膜45が形成されており、層間絶縁膜45の上層にはITO膜からなる画素電極9aが形成されている。層間絶縁膜45には、中継電極7bまで到達したコンタクトホール45aが形成されており、画素電極9aは、コンタクトホール45aを介して中継電極7bに電気的に接続している。その結果、画素電極9aは、中継電極7b、中継電極6bおよびドレイン電極4aを介してドレイン領域31cに電気的に接続している。層間絶縁膜45の表面は平坦化されている。画素電極9aの表面側には第1配向膜16が形成されている。
【0036】
5.遮光部材2のレイアウト等
図7は、図5に示す遮光部材2等のレイアウトを模式的に示す説明図である。なお、図7には、各層を以下の線で示してある。また、後述する壁部40が形成されていない従来の液晶装置において、ドメインが発生しやすい部分D0を細い一点鎖線で示してある。
遮光部材2=太い実線
画素電極9a=太い破線
壁部40=細い実線
【0037】
図6に示すように、基板本体19と画素電極9aとの間には、第1遮光膜8a、走査線3a、容量線5a、データ線6a、および第2遮光膜7aからなる遮光部材2が形成されており、遮光部材2は、複数の画素電極9aの境界に沿って第1方向Xおよび第2方向Yに延在している。複数の画素電極9aは同一の構成を有している。従って、複数の画素電極9aのうち、1つの画素電極9aに着目すると、図5および図7に示すように、画素電極9aは、第1方向Xに沿って延在する第1端9a1と、第2方向Yに沿って延在する第2端9a2とを有しており、第2端9a2は、第1端9a1と交差している。また、画素電極9aは、第1端9a1と対向するように第1方向Xに沿って延在する第3端9a3と、第2端9a2に対向するように第2方向Yに沿って延在する第4端9a4とを有しており、第3端9a3は第2端9a2と交差し、第4端9a4は第1端9a1および第3端9a3と交差している。
【0038】
遮光部材2は、第1方向Xに沿って延在する第1遮光部材2aと、第2方向Yに沿って延在する第2遮光部材2bとを有しており、第2遮光部材2bは、第1遮光部材2aと交差している。また、遮光部材2は、第1遮光部材2aと対向するように第1方向Xに沿って延在する第3遮光部材2cと、第2遮光部材2bに対向するように第2方向Yに沿って延在する第4遮光部材2dとを有しており、第3遮光部材2cは第2遮光部材2bと交差し、第4遮光部材2dは第1遮光部材2aおよび第3遮光部材2cと交差している。
【0039】
従って、画素電極9aの縁は、遮光部材2に沿って延在している。より具体的には、第1端9a1は第1遮光部材2aに沿って延在し、第2端9a2は第2遮光部材2bに沿って延在し、第3端9a3は第3遮光部材2cに沿って延在し、第4端9a4は第4遮光部材2dに沿って延在している。第1遮光部材2aと第3遮光部材2cとは、幅(延在方向と交差する方向の寸法)が等しく、第2遮光部材2bと第4遮光部材2dとは、幅が等しい。本形態において、第1遮光部材2a、第2遮光部材2b、第3遮光部材2cおよび第4遮光部材2dの幅が全て等しい。
【0040】
ここで、第1遮光部材2aと第2遮光部材2bとの交差領域を第1交差領域2eとし、第3遮光部材2cと第4遮光部材2dとの交差領域を第2交差領域2fとしたとき、図1および図4を参照して説明した液晶分子85の配向方向(プレチルト方向P)は、平面視で画素電極9aが設けられた領域において、第1方向Xおよび第2方向Yと交差して第2交差領域2fに向かう方向である。第1交差領域2eとは、第1遮光部材2aおよび第2遮光部材2bを延長した場合に互いに平面視で重なる領域であり、第2交差領域2fとは、第3遮光部材2cおよび第4遮光部材2dを延長した場合に互いに平面視で重なる領域である。また、トランジスター31は、第2交差領域2fに対応して設けられ、画素電極9aは、トランジスター31に対応して設けられている。
【0041】
本形態において、トランジスター31の半導体膜31aは、少なくとも一部が第3遮光部材2cと第4遮光部材2dとの第2交差領域2fに平面視で重なっている。また、半導体膜31aの全体が第3遮光部材2cおよび第4遮光部材2dのうちの一方と重なっている。従って、画素電極9aとトランジスター31とを電気的に接続するコンタクトホール45aは、第3遮光部材2cと平面視で重なる位置に設けられている。本形態において、半導体膜31aは、データ線6aと平面視で重なるように第2方向Yに直線的に延在していることから、半導体膜31aの全体が遮光部材2と平面視で重なっている。
【0042】
なお、半導体膜31aが走査線3aと平面視で重なるように第1方向Xに直線的に延在している態様や、半導体膜31aが長さ方向の途中位置で屈曲している態様が採用される場合がある。この場合も、半導体膜31aは遮光部材2と平面視で重なり、半導体膜31aは、少なくとも一部が第3遮光部材2cと第4遮光部材2dとの第2交差領域2fに平面視で重なることになる。
【0043】
6.壁部40の構成
図8は、図7のF1-F1′断面を模式的に示す説明図である。図9は、図7のG1-G1′断面を模式的に示す説明図である。なお、図8および図9には、液晶分子85の配向方向との関係が分かりやすいように、液晶分子85も示してある。
【0044】
図6および図7に示すように、遮光部材2が設けられた層と画素電極9aが設けられた層との間には、画素電極9aの端部に沿って第1方向Xおよび第2方向Yに延在する壁部40が設けられており、画素電極9aは壁部40を覆っている。本形態では、画素電極9aが設けられた層と層間絶縁膜45との間に壁部40が設けられており、画素電極9aとトランジスター31とを電気的に接続するコンタクトホール45aは、壁部40と平面視で重ならずに第3遮光部材2cと平面視で重なる位置において層間絶縁膜45を貫通するように設けられている。
【0045】
図7図8および図9に示すように、壁部40は、第3遮光部材2cおよび第4遮光部材2dに沿うように延在している。本形態において、壁部40は、第3遮光部材2cおよび第4遮光部材2dの幅方向の中央で延在している。ここで、第3遮光部材2cおよび第4遮光部材2dに沿う領域では、画素電極9aの第3端9a3に沿う部分、および第4端9a4に沿う部分が第3遮光部材2cおよび第4遮光部材2dと重なっており、壁部40を覆っている。本形態において、画素電極9aは、壁部40のうち、第3遮光部材2cに沿って第1方向Xに延在する第1部分401に対し、幅方向の両側の側面401a、401bに沿って設けられ、上面401cに重なっている。また、画素電極9aは、壁部40のうち、第4遮光部材2dに沿って第2方向Yに延在する第2部分402に対し、幅方向の両側の側面402a、402bに沿って設けられ、上面402cに重なっている。
【0046】
これに対して、第1遮光部材2aおよび第2遮光部材2bに沿う領域では、画素電極9aの第1端9a1に沿う部分、および第2端9a2に沿う部分は、第1遮光部材2aおよび第2遮光部材2bと平面視で重なっておらず、壁部40を覆っていない。本形態では、平面視において、画素電極9aと第1遮光部材2aとの間には隙間Gaが存在し、画素電極9aと第2遮光部材2bとの間には隙間Gbが存在している。
【0047】
また、壁部40は、画素電極9aと隣り合う他の画素電極9aと平面視で離間しており、他の画素電極9aとは平面視で重なっていない。より具体的には、壁部40は、平面視において、第1部分401と第2部分402とが第2交差領域2fで繋がってL字形状になっており、隣り合う他の画素電極9aと重なるように形成された壁部40とは離間して設けられており、繋がっていない。
【0048】
7.壁部40の断面構造
図6図9に示すように、壁部40は、第1層46aと、第1層46aに対して画素電極9a側から互いに全体が平面視で重なるように積層された第2層47aとを含み、第1層46aと第2層47aとは、完全に重なっている。このため、壁部40において、側面401a、401b、および側面402a、402bは高さ方向で連続した面になっている。
【0049】
また、第1層46aと第2層47aとは異なる材料からなる。例えば、第1層46aは、タングステンシリサイド(WSi)、窒化チタン(TiN)、窒化シリコン(SiN)、シリコン等からなり、第2層47aは酸化シリコン等からなる。第1層46aは壁部40の下層側部分を構成し、第2層47aは壁部40の上層側部分を構成する。第2層47aの厚さは、第1層46aの厚さより厚く、壁部40の大部分は第2層47aで構成される。ここで、第1層46aは、タングステンシリサイドや窒化チタン等の遮光性材料からなることが好ましい。
【0050】
8.壁部40の横電界に対する効果
図10は、図7等に示す壁部40の横電界に対する効果を示す説明図である。図10に示すように、本形態の液晶装置100において、第1基板10には、液晶分子85の配向方向に対応する方位では、隣り合う画素100aとの境界では、画素電極9aが壁部40の一部に被さっている。このため、液晶装置100を駆動した際、画素電極9aにオフ電圧が印加されている画素と、画素電極9aにオン電圧が印加されている画素との間において横電界の影響が画像に表われにくい。
【0051】
より具体的には、共通電極21に印加される共通電位を0Vとし、オフ状態(黒表示)の画素の画素電極9aに0Vのオフ電圧を印加し、オン状態(白表示)の画素の画素電極9aに5Vのオン電圧を印加したとする。この場合、オン状態の画素において、液晶分子85は、画素電極9aと共通電極21との間の縦電界(矢印Vaで示す。)によって、画素電極9aに対する法線方向から大きく傾く。ここで、オン状態の画素の画素電極9aとオフ状態の隣りの画素の画素電極9aとの間に横電界(矢印Vbで示す。)が発生すると、隣り合う画素の間において、画素電極9aに対する法線方向から液晶分子85の傾きが小さくなって、オン状態の画素の図7に部分D0で示す位置に黒い領域(ドメイン領域)が発生しようとする。しかるに本形態では、画素電極9aが壁部40に被さっていることによって、共通電極21との間の縦電界(矢印Vaで示す。)が強くなっている一方、隣りの画素電極9aとの横電界(矢印Vbで示す。)が小さくなっている。また、横電界の影響を受けるドメイン領域が画素の境界領域の側にシフトする。
【0052】
例えば、図10には、液晶層80の厚さを2.1μmとし、壁部40の高さを0μm、0.15μm、0.35μmと変化させた場合における画素内の各位置の透過率Tをシミュレーションした結果を短い破線L0、長い破線L1、および実線L2で示してある。壁部40を形成しない場合(壁部40の高さが0μmの場合)に、破線L0で示すように、縦電界の影響で透過率Tが低下したドメイン領域が隣りの画素から離間した位置に発生し、遮光部材2と重ならない。
【0053】
これに対して、壁部40の高さが0.15μmの場合、長い破線L1で示すように、縦電界の影響で透過率Tが低下したドメイン領域が隣りの画素の側にシフトし、ドメイン領域の一部が遮光部材2と重なる。壁部40の高さが0.35μmの場合、実線L2で示すように、縦電界の影響で透過率Tが低下したドメイン領域がさらに隣りの画素の側にシフトし、ドメイン領域の略全体が遮光部材2と重なる。従って、オン状態の画素において、横電界の影響で透過率Tが低下したドメイン領域は、その一部あるいは全体が遮光部材2と重なることになる。
【0054】
9.液晶装置100の製造方法
図11は、図1に示す液晶装置100の製造工程を示す工程断面図である。図11には、コンタクトホール45aおよび壁部40を形成する工程を示してある。図12は、図7に示す画素電極9aを形成する際に用いたレジストマスクReの一態様を示す説明図である。図13は、図7に示す画素電極9aを形成する際に用いたレジストマスクReの別態様を示す説明図である。図12および図13では、レジストマスクReを右下がりの破線を付した領域で示してある。
【0055】
液晶装置100の製造工程において第1基板10を製造するにあたっては、図11に示すように、基板本体19に層間絶縁膜45までを形成した後、壁部40を形成する。壁部40を形成する工程では、成膜工程ST1において、壁部40の下層側部分を形成するための第1膜46を形成する第1成膜工程を行った後、第1膜46と異なる材料によって、壁部40の上層側部分を形成するための第2膜47を第1膜46の上層側に形成する第2成膜工程を行う。第1膜46は、タングステンシリサイド、窒化チタン、窒化シリコン、シリコン等からなり、薄く形成される。第2膜47は酸化シリコン等からなり、厚く形成される。本形態において、第1膜46は、タングステンシリサイドや窒化チタン等の遮光性材料からなる。次に、壁部40の形成領域にレジスト等からなるエッチングマスクEmを形成する。
【0056】
第1パターニング工程ST2において、第1膜46をエッチングストッパーにして第2膜47をパターニングして壁部40の上層側部分を構成する第2層47aを形成した後、第2パターニング工程ST3では、第1膜46のうち、第2層47aから露出している部分を除去し、層間絶縁膜45を露出させる。エッチングマスクEmを除去し、第1層46aおよび第2層47aを備えた壁部40が形成される。第1膜46をエッチングストッパーとすることで、第2層47aの厚さは、第2膜47を成膜した際の厚さと等しく形成することができる。また、第1層46aの厚さも、第1膜46を成膜した際の厚さと等しく形成することができる。その結果、第1基板10において、第1層46aと第2層47aの厚さのばらつきを抑制でき、壁部40の厚さのばらつきを抑制できる。
【0057】
コンタクトホール形成工程ST4で、図6に示すコンタクトホール45aを形成する。コンタクトホール形成工程ST4では、第1パターニング工程ST2で形成された層間絶縁膜45の表面に別のエッチングマスクを形成した状態で、層間絶縁膜45をエッチングする。
【0058】
次に、層間絶縁膜45および壁部40を覆うようにITO膜等の透光性の導電膜をスパッタ法等により形成した後、導電膜をパターニングし、図7図9に示す画素電極9aを形成する画素電極形成工程を実行する。より具体的には、画素電極形成工程では、導電膜の上層に感光性レジストを塗布した後、露光および現像を行って、図12に示すように、レジストマスクReを形成し、この状態で、導電膜をエッチングする。かかる工程を行う際、導電膜の下層側では、壁部40が隣りの画素電極9aと平面視で離間しており、隣りの画素電極9aと重なる壁部40とは繋がっていない。従って、図13を参照して後述する場合と違って、感光性レジストに対する露光、現像を適正に行うことができるので、レジストマスクReを互いに独立して形成することができる。それ故、隣り合う画素電極9aの間での短絡を防止することができる。
【0059】
これに対して、図13に示す例のように、隣りの画素電極9aと重なる壁部40同士が繋がっている場合には、感光性レジストに対する露光を行った際、壁部40の側面に位置するレジストに露光不良が発生し、現像後、壁部40の両側にレジスト残りRfが発生し、レジストマスクRe同士が繋がるおそれがある。この場合、導電膜をエッチングした後、レジスト残りRfと重なる位置に導電膜の残りが発生し、隣り合う画素電極9aの間での短絡が発生することになる。
【0060】
10.本形態の主な効果
以上説明したように、本形態の液晶装置100においては、図10を参照して説明したように、液晶分子85のプレチルト方向Pに対応する側では、画素電極9aの第3端9a3および第4端9a4が壁部40に被さっている分、画素電極9aと共通電極21との間の縦電界が強く、隣りの画素電極9aとの間に発生する横電界が弱くなる。また、隣りの画素電極9aの影響で横電界が発生する領域が、隣りの画素電極9aとの境界領域側にシフトする。それ故、横電界の影響で液晶分子85の配向に乱れが発生した場合でも、かかる乱れの影響が画像に表われにくい。よって、本形態によれば、横電界に起因する液晶分子85の配向の乱れを原因とする画像の品位の低下を適正に抑制することができるので、表示した画像のコントラストが高い等、品位の高い画像を表示することができる。また、画素電極9aと平面視で重なる領域では、横電界が発生する領域が、隣りの画素電極9aとの境界領域側にシフトするため、画素電極9aと平面視で重なる領域を通過する表示量の低下が発生しにくい。それ故、明るい画像を表示することができる。よって、本形態によれば、横電界に起因する液晶分子85の配向の乱れの影響を抑制して画像のコントラスト比を高めた場合でも、明るい画像を表示することができる。
【0061】
また、横電界の影響で液晶分子85の配向に乱れが発生した場合でも、かかる乱れが発生した領域の一部あるいは全体が第3遮光部材2cおよび第4遮光部材2dと重なる。それ故、横電界の影響で液晶分子85の配向に乱れが発生した場合でも、かかる乱れを第3遮光部材2cおよび第4遮光部材2dによって隠すことができる。従って、液晶分子85の配向に乱れの影響が画像に表われにくい。よって、本形態によれば、横電界に起因する液晶分子85の配向の乱れを原因とする画像の品位の低下を適正に抑制することができるので、品位の高い画像を表示することができる。
【0062】
また、画素電極9aは、第3遮光部材2cおよび第4遮光部材2dと重なる領域において壁部40と重なっている結果、画素電極9aは、第3遮光部材2cとの第2方向Yにおける重なり幅が第1遮光部材2aとの第2方向Yにおける重なり幅より広く、第4遮光部材2dとの第1方向Xにおける重なり幅が第2遮光部材2bとの第1方向Xにおける重なり幅より広い。従って、第3遮光部材2cおよび第4遮光部材2dとの側で横電界の影響で液晶分子85の配向に乱れが発生した場合でも、かかる乱れが発生した領域の広い範囲が第3遮光部材2cおよび第4遮光部材2dと重なる。それ故、横電界の影響で液晶分子85の配向に乱れが発生した場合でも、かかる乱れの影響が画像に表われにくい。よって、本形態によれば、品位の高い画像を表示することができる。また、横電界の影響が発生しにくい側では、画素電極9aが第1遮光部材2aおよび第2遮光部材2bと重なっていないので、表示光量が低下しにくい。それ故、明るい画像を表示することができる。
【0063】
また、壁部40が第1層46aと、第1層46aと異なる材料からなる第2層47aとからなるため、図11を参照して説明したように、第2膜47をエッチングによるパターニングによって第2層47aとする際、第1膜46をエッチングストッパーとして利用することができる。それ故、画素電極9aと平面視で重なる領域では、壁部40を形成する部分以外、第2膜47を確実に除去することができる。また、画素電極9aと平面視で重なる領域では、壁部40を形成する部分以外、第1膜46を確実に除去することができる。従って、各画素において、画素電極9aと平面視で重なる領域の膜構成を同一とすることができるので、画素電極9aと平面視で重なる領域のリタデーションにばらつきが発生しにくい。それ故、本形態によれば、表示する画像に余計な着色が発生しにくい。
【0064】
また、壁部40において、第1層46aの厚さは、第1膜46を成膜した際の厚さと等しく、第2層47aの厚さは、第2膜47を成膜した際の厚さと等しく、第1膜46を成膜する際の精度、および第2膜47を成膜する際の精度は、エッチングする際のエッチング量より制御しやすい。従って、壁部40の高さにばらつきが発生しにくいので、各画素において、横電圧の影響を均等化することができる。
【0065】
また、第3遮光部材2cと第4遮光部材2dとの第2交差領域2fと重なるように、画素スイッチング用のトランジスター31の半導体膜を設けた場合でも、第3遮光部材2cと重なる領域に、トランジスター31と画素電極9aとを電気的に接続するコンタクトホール45aを設けることができる。
【0066】
さらに、壁部40が隣りの画素電極9aと平面視で離間しており、隣りの画素電極9aと重なる壁部40とは繋がっていない。従って、壁部40の第1層46aがタングステンシリサイド等の導電材料からなる場合でも、隣り合う画素電極9a同士が第1層46aを介して短絡することを防止することができる。また、図12および図13を参照して説明したように、感光性レジストに対する露光、現像を適正に行うことができるので、隣り合う画素電極9aの間での短絡を防止することができる。
【0067】
また、壁部40が隣りの画素電極9aと平面視で離間しているため、第1層46aがタングステンシリサイド等の導電材料である場合でも、画素電極9a同士の短絡を防止することができる。
【0068】
[実施の形態2]
図14は、本発明の実施の形態2に係る液晶装置100の説明図であり、図5に示す画素電極9aおよび壁部40等の平面的なレイアウトを模式的に示す説明図である。なお、本実施の形態に係る液晶装置100の基本的な構成は、本発明の実施の形態1に係る液晶装置100と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。実施の形態1では、壁部40は、第3遮光部材2cに沿って第1方向Xに延在する第1部分401と、第4遮光部材2dに沿って第2方向Yに延在する第2部分402とが第2交差領域2fにおいて平面視で繋がってL字形状になっていたが、本形態では、図14に示すように、第1部分401と第2部分402とが第2交差領域2fで平面視で繋がっていない。すなわち、壁部40は、第3遮光部材2cに沿う領域および第4遮光部材2dに沿う領域に、平面視で互いに離間して設けられている。かかる構成であっても、実施の形態1と同様な効果を奏する。
【0069】
[他の実施の形態]
上記実施の形態では、VAモードの液晶装置に本発明を適用したが、TNモードやOCBモード等の液晶装置に本発明を適用してもよい。
【0070】
[電子機器への搭載例]
図15は、本発明を適用した液晶装置100を用いた電子機器の概略構成図である。なお、以下の説明では、互いに異なる波長域の光が供給される複数のライトバルブ(赤色用ライトバルブ1(R)、緑色用ライトバルブ1(G)、および青色用ライトバルブ1(B))が用いられているが、いずれのライトバルブにも、本発明を適用した液晶装置100が用いられる。その際、液晶装置100に対し、第1偏光板141および第2偏光板142がクロスニコルに配置される。
【0071】
図15に示す電子機器210は、前方に設けられたスクリーン211に映像を投射する前方投影型のプロジェクターである。電子機器210は、光源部212と、ダイクロイックミラー213、214と、3つのライトバルブ(赤色用ライトバルブ1(R)、緑色用ライトバルブ1(G)、および青色用ライトバルブ1(B))と、投射光学系218と、クロスダイクロイックプリズム219(色合成光学系)と、リレー系230とを備えている。
【0072】
光源部212は、例えば、赤色光、緑色光および青色光を含む光源光を供給する超高圧水銀ランプで構成されている。ダイクロイックミラー213は、光源部212からの赤色光LRを透過させるとともに緑色光LGおよび青色光LBを反射する構成となっている。また、ダイクロイックミラー214は、ダイクロイックミラー213で反射された緑色光LGおよび青色光LBのうち青色光LBを透過させるとともに緑色光LGを反射する構成となっている。このように、ダイクロイックミラー213、214は、光源部212から出射された光を赤色光LRと緑色光LGと青色光LBとに分離する色分離光学系を構成する。ダイクロイックミラー213と光源部212との間には、インテグレーター221および偏光変換素子222が光源部212から順に配置されている。インテグレーター221は、光源部212から照射された光の照度分布を均一化する。偏光変換素子222は、光源部212からの光を例えばs偏光のような特定の振動方向を有する直線偏光に変換する。
【0073】
赤色用ライトバルブ1(R)は、ダイクロイックミラー213を透過して反射ミラー223で反射した赤色光LR(照明光)を画像信号に応じて変調し、変調した赤色光LR(変調光)をクロスダイクロイックプリズム219に向けて出射する。
緑色用ライトバルブ1(G)は、ダイクロイックミラー213で反射した後にダイクロイックミラー214で反射した緑色光LG(照明光)を、画像信号に応じて緑色光LGを変調し、変調した緑色光LG(変調光)をクロスダイクロイックプリズム219に向けて出射する。
【0074】
青色用ライトバルブ1(B)は、ダイクロイックミラー213で反射し、ダイクロイックミラー214を透過した後でリレー系230を経た青色光LB(照明光)を画像信号に応じて変調し、変調した青色光LB(変調光)をクロスダイクロイックプリズム219に向けて出射する。
【0075】
リレー系230は、リレーマイクロレンズ224a、224bと反射ミラー225a、225bとを備えている。リレーマイクロレンズ224a、224bは、青色光LBの光路が長いことによる光損失を防止するために設けられている。リレーマイクロレンズ224aは、ダイクロイックミラー214と反射ミラー225aとの間に配置されている。
【0076】
リレーマイクロレンズ224bは、反射ミラー225a、225bの間に配置されている。反射ミラー225aは、ダイクロイックミラー214を透過してリレーマイクロレンズ224aから出射した青色光LBをリレーマイクロレンズ224bに向けて反射するように配置されている。反射ミラー225bは、リレーマイクロレンズ224bから出射した青色光LBを青色用ライトバルブ1(B)に向けて反射するように配置されている。
【0077】
クロスダイクロイックプリズム219は、2つのダイクロイック膜219a、219bをX字型に直交配置した色合成光学系である。ダイクロイック膜219aは青色光LBを反射して緑色光LGを透過する。ダイクロイック膜219bは赤色光LRを反射して緑色光LGを透過する。
【0078】
従って、クロスダイクロイックプリズム219は、赤色用ライトバルブ1(R)、緑色用ライトバルブ1(G)、および青色用ライトバルブ1(B)の各々で変調された赤色光LRと緑色光LGと青色光LBとを合成し、投射光学系218に向けて出射するように構成されている。投射光学系218は、投影マイクロレンズ(図示略)を有しており、クロスダイクロイックプリズム219で合成された光をスクリーン211に投射するように構成されている。
【0079】
また、本形態の電子機器210には、表示光を光軸に直交する面内でシフトさせることにより、液晶装置100の解像度よりも高い解像度の投射画像を表示するための光路シフトデバイス250が設けられている。ここで、光路シフトデバイス250は、表示光を光軸に直交する面内で一軸方向または二軸方向にシフトさせる。表示光の一軸方向または二軸方向のシフトは、液晶装置100の画素のシフトに対応するので、横電界の影響を抑制した液晶装置100を適用することにより、解像度を向上できるとともに高品位な投射画像を表示できる。図15には、表示光を光軸に直交する面内で一軸方向にシフトさせる光路シフトデバイス250がクロスダイクロイックプリズム219と投射光学系218との間に配置されている態様が例示されている。
【0080】
光路シフトデバイス250は、平行平板形状の透過部材251と、透過部材251の傾きを変化させる駆動部252とを備えている。透過部材251は、光を透過させる際に内部で屈折を生じさせ、透過光の光軸を移動させる光学素子であり、ガラス板等によって構成されている。駆動部252は圧電素子等からなる。かかる構成によれば、表示光における各画素の像の位置を時間軸でずらすことによって、解像度の高い投射画像を実現する。
【0081】
[他の電子機器]
本発明を適用した液晶装置100は、投射型表示装置において、光源部として、各色の光を出射するLED光源、レーザー光源等を用い、かかる光源から出射された色光を各々、別の液晶装置に供給するように構成してもよい。液晶装置100は、投射画像を観察する側から投射する前方投射型プロジェクターに限らず、投射画像を観察する側とは反対の側から投射する後方投射型プロジェクターに用いてもよい。
【0082】
また、液晶装置100を適用可能な電子機器は、電子機器210に限定されない。液晶装置100は、例えば、投射型のHUD(ヘッドアップディスプレイ)や直視型のHMD(ヘッドマウントディスプレイ)、または電子ブック、パーソナルコンピューター、デジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダー型あるいはモニター直視型のビデオレコーダー、カーナビゲーションシステム、電子手帳、POSなどの情報端末機器の表示部として用いてもよい。
【符号の説明】
【0083】
1(B)…青色用ライトバルブ、1(G)…緑色用ライトバルブ、1(R)…赤色用ライトバルブ、2…遮光部材、2a…第1遮光部材、2b…第2遮光部材、2c…第3遮光部材、2d…第4遮光部材、2e…第1交差領域、2f…第2交差領域、3a…走査線、5a…容量線、6a…データ線、7a…第2遮光膜、8a…第1遮光膜、9a…画素電極、9a1…第1端、9a2…第2端、9a3…第3端、9a4…第4端、10…第1基板、10a…表示領域、16…第1配向膜、20…第2基板、21…共通電極、26…第2配向膜、31…トランジスター、45…層間絶縁膜、45a…コンタクトホール、46…第1膜、46a…第1層、47…第2膜、47a…第2層、80…液晶層、85…液晶分子、100…液晶装置、100a…画素、100p…液晶パネル、210…電子機器、212…光源部、218…投射光学系、250…光路シフトデバイス、251…透過部材、252…駆動部、401…第1部分、401a、401b、402a、402b…側面、401c、402c…上面、402…第2部分、851…第1端部、852…第2端部、P…プレチルト方向、X…第1方向、Y…第2方向。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15