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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】時計
(51)【国際特許分類】
   G04B 19/00 20060101AFI20240702BHJP
   G04B 45/00 20060101ALI20240702BHJP
   G04C 10/04 20060101ALI20240702BHJP
   G04G 19/00 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
G04B19/00 P
G04B45/00 A
G04C10/04 C
G04G19/00 J
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021029745
(22)【出願日】2021-02-26
(65)【公開番号】P2022131022
(43)【公開日】2022-09-07
【審査請求日】2023-12-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】中沢 利則
【審査官】榮永 雅夫
(56)【参考文献】
【文献】スイス国特許発明第61740(CH,A)
【文献】米国特許第1505521(US,A)
【文献】特開2018-40698(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04B 1/00 - 99/00
G04C 1/00 - 99/00
G04G 3/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
時針および分針と、
切欠き部が形成された文字板と、
前記文字板の裏側に配置される板部材と、
前記時針および前記分針の軸に沿った方向から見た平面視において、前記文字板の前記
切欠き部に対応する位置に配置され、時刻を示す目盛として機能するとともに、時刻以外
の情報を指示する副針部材と、
を備えることを特徴とする時計であって、
前記板部材は、前記時針および前記分針によって指示されて時刻を表示する複数の時刻
目盛を有し、
前記文字板は、前記時刻目盛に対応する位置に開口を有することを特徴とする時計。
【請求項2】
請求項1に記載の時計において、
前記文字板は、前記時針および前記分針によって指示されて時刻を表示する複数の時刻
目盛を備えることを特徴とする時計。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の時計において、
前記副針部材および前記時刻目盛には、蛍光塗料が塗布されていることを特徴とする時計
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の時計において、
前記平面視において、前記副針部材は、複数の前記時刻目盛の少なくとも1つと同一形状
であることを特徴とする時計。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の時計において、
前記板部材には、前記副針部材に指示される情報目盛が表示されていることを特徴とする
時計。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の時計において、
前記副針部材には、前記情報を指示する指示印が表示されていることを特徴とする時計。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の時計において、
前記平面視において、前記副針部材の回転軸の位置は、前記副針部材の中心位置と異な
っていることを特徴とする時計。
【請求項8】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の時計において、
前記副針部材は、
前記情報を指示する副針と、
前記時針および前記分針によって指示されて時刻を表示する目盛部材と、
を備え、前記副針と前記目盛部材は連結されていることを特徴とする時計。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の時計において、
前記副針部材は、前記情報として電池残量を指示することを特徴とする時計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時計に関する。
【背景技術】
【0002】
時刻を指示する時刻表示用指針に加えて、時刻表示が停止されるまでの持続時間を表示する表示針および目盛板が設けられた電子時計が開示されている。
特許文献1では、時刻表示用指針で時刻を表示し、表示針で持続時間を表示することで、時刻と持続時間との両方を同時に確認できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-247708号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、時刻表示用指針にて指示される目盛に重ねて、持続時間を表示する表示針および目盛板が設けられている。そのため、時刻を示す目盛の一部を文字板に表示できなくなるので、時刻表示用指針による時刻の表示が読み取りにくくなってしまうといった問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の時計は、時針および分針と、切欠き部が形成された文字板と、前記文字板の裏側に配置される板部材と、前記時針および前記分針の軸に沿った方向から見た平面視において、前記文字板の前記切欠き部に対応する位置に配置され、時刻を示す目盛として機能するとともに、時刻以外の情報を指示する副針部材と、を備えることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本開示の第1実施形態に係る時計の概略を示す正面図。
図2】第1実施形態の時計の要部の概略を示す拡大断面図。
図3】第1実施形態の時計の概略を示す拡大断面図。
図4】第2実施形態の時計の概略を示す正面図。
図5】第2実施形態の時計の概略を示す拡大断面図。
図6】第3実施形態の時計の概略を示す正面図。
図7】第3実施形態の時計の要部の概略を示す拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[第1実施形態]
以下、本開示の第1実施形態に係る時計1について、図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態の時計1を示す正面図である。
図1に示すように、時計1は、ユーザーの手首に装着される腕時計である。本実施形態では、時計1は、外装ケース2と、文字板3と、日車4と、板部材5と、りゅうず6と、時刻目盛7と、指針である時針11、分針12、秒針13と、副針部材14と、指針軸15と、図示略のムーブメントとを備える。時針11、分針12、秒針13は、指針軸15が文字板3の平面中心位置に設けられたセンター針である。なお、指針軸15は、本開示の時針11および分針12の軸の一例である。
【0008】
[文字板]
文字板3は円板状の部材であり、小窓31が設けられている。そして、本実施形態では、当該小窓31および後述する窓部51を介して、日車4が視認可能となっている。また、文字板3は、1時位置、2時位置、3時位置、4時位置、5時位置、6時位置、7時位置、9時位置、10時位置、11時位置、12時位置に対応する箇所に開口32を有している。すなわち、文字板3には、8時位置を除く位置に、開口32が形成されている。
【0009】
また、本実施形態では、文字板3には、文字板3の中心に対して8時方向に、略半円形状の切欠き部33が形成されている。そして、指針軸15の軸方向から見た平面視において、文字板3の切欠き部33に対応する位置には、副針部材14が配置されている。
【0010】
[板部材]
板部材5は、円板状の部材であり、文字板3の裏側に配置されている。本実施形態では、板部材5には、前述した小窓31に対応する位置に窓部51が設けられている。これにより、小窓31および窓部51を介して、日車4が視認可能となっている。すなわち、本実施形態では、指針軸15の軸方向に対して、日車4、板部材5、文字板3がこの順に配置されている。
【0011】
また、指針軸15の軸方向から見た平面視において、板部材5には、切欠き部33に対応する位置に情報目盛52が表示されている。本実施形態では、情報目盛52は、副針部材14によって指示されて時計1の電池残量を示すように構成されている。なお、電池残量は本開示の時刻以外の情報の一例である。
【0012】
[副針部材14]
図2は、時計1の要部の概略を示す拡大断面図である。なお、図2は、図1のII-II線で切断した拡大断面図である。
図1図2に示すように、副針部材14は、板部材5における切欠き部33に対応する位置に配置されている。具体的には、副針部材14は、8時位置に配置されている。これにより、副針部材14は、時針11、分針12、秒針13によって指示されて時刻を表示する。すなわち、副針部材14は、時刻を表示する時刻目盛7の一部として機能する。
本実施形態では、副針部材14は、軸部材141と、表示部材142とを有している。
【0013】
軸部材141は、棒状の部材であり、基端側が図示略のムーブメントに取り付けられ、先端側には表示部材142が取り付けられている。これにより、ムーブメントによって軸部材141が回動させられることで、表示部材142が回動する。なお、軸部材141は、本開示の回転軸の一例である。
【0014】
表示部材142は円板状の部材であり、表面に直線状とされた指示印143が表示されている。これにより、副針部材14は、指示印143により情報目盛52を指示することで、時計1の電池残量を指示可能に構成されている。なお、本実施形態では、表示部材142の表面には、蛍光塗料が塗布されている。
【0015】
ここで、本実施形態では、指針軸15の軸方向から見た平面視において、表示部材142の中心位置とは異なる位置に、軸部材141が取り付けられている。そして、表示部材142において、指示印143の基端部が軸部材141の取付箇所に位置している。これにより、軸部材141が表示部材142の中心位置に取り付けられた場合に比べて、表示部材142の回動に応じた指示印143の振れ幅が大きくなる。そのため、指示印143による情報目盛52の指示の視認性を向上することができる。
【0016】
[時刻目盛]
図3は、時計1の概略を示す拡大断面図である。なお、図3図1のIII-III線で切断した断面図である。
図1図3に示すように、板部材5は、開口32に対応する位置に、時針11、分針12、秒針13によって指示されて時刻を表示する複数の時刻目盛7を有する。本実施形態では、時刻目盛7が文字板3の裏側に配置された板部材5に設けられるので、文字板3の加工や装飾をしやすくすることができる。
【0017】
また、本実施形態では、指針軸15の軸方向から見た平面視において、12時位置に配置された第1時刻目盛71は五角形状とされ、3時位置、6時位置、および、9時位置に配置される第2時刻目盛72は、長方形状と形成されている。これにより、所謂クロスラインに配置される時刻目盛71、72の視認性を向上している。さらに、1時位置、2時位置、4時位置、5時位置、7時位置、10時位置、および、11時位置に配置された第3時刻目盛73は、円形状とされている。すなわち、本実施形態では、指針軸15の軸方向から見た平面視において、1時位置、2時位置、4時位置、5時位置、7時位置、10時位置、および、11時位置に配置された第3時刻目盛73と、副針部材14の表示部材142とが同一形状とされている。これにより、時計1は、時刻目盛7における統一感を有している。
【0018】
さらに、本実施形態では、時刻目盛7の表面には、前述した表示部材142と同様に、蛍光塗料が塗布されている。これにより、ユーザーが海中等の暗所において時計1を確認した場合の視認性を向上することができる。
【0019】
[第1実施形態の作用効果]
このような本実施形態では、以下の効果を得ることができる。
本実施形態では、副針部材14は、時刻以外の情報である電池残量を指示するとともに、時針11、分針12、および、秒針13によって指示されて時刻を表示する。そのため、時刻を表示する目盛を省略することなく、電池残量を指示する副針部材14を設けることができる。そのため、時針11、分針12、および、秒針13による時刻の表示を読み取りやすくでき、かつ、時刻以外の情報である電池残量を表示することができる。
【0020】
本実施形態では、時刻を表示するための時刻目盛7を、文字板3の裏側に配置される板部材5に配置するので、文字板3の加工や装飾をしやすくすることができる。
【0021】
本実施形態では、副針部材14および時刻目盛7には、蛍光塗料が塗布されている。これにより、例えば、ユーザーが海中等の暗所において時計1を確認した場合の視認性を向上することができる。
【0022】
本実施形態では、指針軸15に沿った方向から見た平面視において、副針部材14は、第3時刻目盛73と同一形状であるので、時刻目盛7としての統一感を演出することができる。
【0023】
本実施形態では、副針部材14が配置された板部材5に情報目盛52が表示されるので、副針部材14と情報目盛52との位置合わせを容易にすることができる。そのため、時計1の組み立てを容易にすることができる。
【0024】
本実施形態では、副針部材14には、情報目盛52を指示する指示印143が表示されている。これにより、副針部材14に針部材を取り付けなくても、電池残量を副針部材14にて指示することができる。そのため、時計1の部品点数を少なくすることができる。
【0025】
本実施形態では、指針軸15に沿った方向から見た平面視において、副針部材14の軸部材141の位置は、副針部材14の中心位置と異なっている。これにより、副針部材14の回動に対して、副針部材14による指示の振れ幅を大きくすることができる。そのため、副針部材14による電池残量の指示の視認性を向上することができる。
【0026】
本実施形態では、副針部材14は、電池残量を指示するように構成されている。これにより、ユーザーは時計1の電池残量を確認することができる。
【0027】
[第2実施形態]
次に、本開示の第2実施形態に係る時計1Aを図面に基づいて説明する。
第2実施形態の時計1Aは、時刻目盛7Aが文字板3Aに配置される点で前述した第1実施形態と相違する。なお、第2実施形態において、第1実施形態と同一または同様の構成には同一符号を付し、説明を省略する。
【0028】
図4は、第2実施形態の時計1Aを示す正面図であり、図5は、時計1Aの概略を示す拡大断面図である。なお、図5図4のV-V線で切断した断面図である。
図4図5に示すように、本実施形態では、時計1Aは、外装ケース2と、文字板3Aと、日車4と、板部材5と、りゅうず6と、時刻目盛7Aと、指針である時針11、分針12、秒針13と、副針部材14と、指針軸15と、図示略のムーブメントとを備える。
そして、本実施形態では、文字板3Aは、1時位置、2時位置、3時位置、4時位置、5時位置、6時位置、7時位置、9時位置、10時位置、11時位置、12時位置に、時刻目盛7Aを有している。
このように、本実施形態では、文字板3Aに時刻目盛7Aが配置されるので、文字板3Aには、時刻目盛7Aを視認させるための開口が設けられていない。
【0029】
また、前述した第1実施形態と同様に、本実施形態では、指針軸15の軸方向から見た平面視において、12時位置に配置された第1時刻目盛71Aは五角形状とされ、3時位置、6時位置、および、9時位置に配置される第2時刻目盛72Aは、長方形状と形成されている。また、1時位置、2時位置、4時位置、5時位置、7時位置、10時位置、および、11時位置に配置された第3時刻目盛73Aは、円形状とされている。すなわち、指針軸15の軸方向から見た平面視において、1時位置、2時位置、4時位置、5時位置、7時位置、10時位置、および、11時位置に配置された第3時刻目盛73Aと、副針部材14の表示部材142とは同一形状とされている。
【0030】
[第2実施形態の作用効果]
このような本実施形態では、以下の効果を得ることができる。
本実施形態では、時針11、分針12、および、秒針13によって指示されて時刻を表示する複数の時刻目盛7Aは、文字板3Aに配置されている。これにより、例えば、文字板の裏側に配置された板部材に時刻目盛を配置する場合に比べて、文字板に形成された開口位置と、板部材に配置された時刻目盛の位置とを合わせる必要がないので、時計1の組み立てを容易にすることができる。
【0031】
[第3実施形態]
次に、本開示の第3実施形態に係る時計1Bを図面に基づいて説明する。
第3実施形態の時計1Bは、副針部材14Bが副針144Bおよび目盛部材145Bを有する点で前述した第1、2実施形態と相違する。なお、第3実施形態において、第1、2実施形態と同一または同様の構成には同一符号を付し、説明を省略する。
【0032】
図6は、第3実施形態の時計1Bを示す正面図であり、図7は、時計1Bの要部の概略を示す拡大断面図である。なお、図7図6のVII-VII線で切断した断面図である。
図6図7に示すように、本実施形態では、時計1Bは、外装ケース2と、円板状の文字板3と、日車4と、板部材5と、りゅうず6と、時刻目盛7と、指針である時針11、分針12、秒針13と、副針部材14Bと、指針軸15と、図示略のムーブメントとを備える。
【0033】
[副針部材]
副針部材14Bは、前述した第1、2実施形態と同様に、文字板3の切欠き部33に対応する位置に配置されている。具体的には、副針部材14Bは、8時位置に配置されている。これにより、副針部材14は、時針11、分針12、秒針13によって指示されて時刻を表示する。すなわち、副針部材14Bは、時刻を表示する時刻目盛7の一部として機能する。
本実施形態では、副針部材14Bは、軸部材141Bと、副針144Bと、目盛部材145Bとを有する。
【0034】
軸部材141Bは、棒状の部材であり、基端側が図示略のムーブメントに取り付けられ、先端側には副針144Bが取り付けられている。これにより、ムーブメントによって軸部材141が回動させられることで、副針144Bが回動する。
また、本実施形態では、軸部材141Bは、目盛部材145Bを貫通している。
【0035】
副針144Bは、円板部146Bおよび針部147Bを有し、軸部材141Bの先端部に取り付けられている。そして、副針144Bは、針部147Bにより情報目盛52を指示可能に構成されている。
本実施形態では、針部147Bは、指針軸15の軸方向から見た平面視で、先端部が目盛部材145Bの外周よりも外側に位置するように形成されている。これにより、針部147Bの先端部を、情報目盛52のより近傍に位置させることができるので、針部147Bによる情報目盛52の指示の視認性を向上できる。
【0036】
目盛部材145Bは、円板状とされ、板部材5に配置されている。本実施形態では、目盛部材145Bは、時針11、分針12、および、秒針13によって指示されて時刻を表示可能に構成されている。すなわち、本実施形態では、目盛部材145Bは、時刻目盛7の一部として構成されている。
また、本実施形態では、目盛部材145Bは、指針軸15の軸方向から見た平面視で、第3時刻目盛73と同一形状とされている。これにより、前述した第1、2実施形態と同様に、時刻目盛7としての統一感を演出できるようにしている。
さらに、本実施形態では、前述した第1、2実施形態と同様に、目盛部材145Bの表面には、蛍光塗料が塗布されている。
【0037】
[第3実施形態の作用効果]
このような本実施形態では、以下の効果を得ることができる。
本実施形態では、副針部材14Bは、情報目盛52を指示する副針144Bと、時刻を表示する目盛部材145Bとを有するので、副針144Bのデザインの自由度を高くすることができる。そのため、例えば、指針軸15の軸方向から見た平面視で、副針144Bの針部147Bの先端部を、目盛部材145Bの外周よりも外側に位置するように形成することで、副針144Bによる情報目盛52の指示の視認性を向上できる。
【0038】
[変形例]
なお、本開示は前述の実施形態に限定されるものではなく、本開示の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本開示に含まれるものである。
【0039】
前記各実施形態では、文字板3、3Aにおいて、切欠き部33は、文字板3、3Aの中心に対して8時方向に形成されていたが、これに限定されない。例えば、切欠き部は、文字板の中心に対して5時方向に形成されていてもよく、文字板における切欠き部の位置は任意に設定することができる。
【0040】
前記各実施形態では、時刻目盛7は、五角形状とされた第1時刻目盛71、71Aと、長方形状とされた第2時刻目盛72、72Aと、円形状とされた第3時刻目盛73、73Aとを有していたが、これに限定されない。例えば、複数の時刻目盛の形状は全て同じ形状であってもよく、時刻目盛の形状は任意に設定することができる。
【0041】
前記各実施形態では、情報目盛52は板部材5に表示されていたが、これに限定されない。例えば、副針部材によって指示される情報目盛は文字板に表示されていてもよい。
【0042】
前記各実施形態では、副針部材14、14Bは、時刻以外の情報として電池残量を指示可能に構成されていたが、これに限定されない。例えば、副針部材は、電池やぜんまいなど時計の動力源の持続時間、曜日情報、衛星信号の受信に関する情報等を指示する所謂機能針として構成されていてもよい。
【0043】
前記各実施形態では、時刻目盛7、7Aおよび副針部材14、14Bの表面には、蛍光塗料が塗布されていたが、これに限定されない。例えば、時刻目盛および副針部材に蛍光塗料が塗布されていない場合も、本開示に含まれる。
【0044】
前記第1、2実施形態では、指針軸15に沿った方向から見た平面視において、副針部材14の軸部材141の位置は、副針部材14の中心位置と異なっていたが、これに限定されない。例えば、軸部材が副針部材の中心位置に取り付けられている場合も、本開示に含まれる。
【0045】
前記各実施形態では、略半円形状の切欠き部33が形成されているとしたが、切欠き部33の形状はこれに限定されない。例えば、切欠き部の形状は、円形状であってもよいし、矩形状であってもよい。また、切欠き部の形状は、第3時刻目盛と相似形状であってもよい。
【0046】
前記各実施形態では、略半円形状の切欠き部33が形成され、板部材5に設けられた第3時刻目盛73と情報目盛52とが露出するように構成されていたが、これに限定されない。例えば、文字板に切欠き部が設けられていなくてもよい。この場合、8時位置の第3時刻目盛は、他の時刻目盛と同様に板部材に配置されおり、文字板は、時刻目盛に対応する複数の開口、および情報目盛を備えている。そして、8時位置の第3時刻目盛および文字板は、軸部材が貫通する貫通穴を有するようにしてもよい。なお、文字板に設けられた情報目盛の態様は、前記各実施形態と同様としてもよい。このような構成とすることで、時刻目盛の統一感がより高まり、時計の意匠性を向上できる。
【0047】
前記各実施形態では、時計1,1A,1Bは、時刻目盛7,7Aを指示して時刻を表示する時針11、分針12、および、秒針13を有していたが、これに限定されない。例えば、時計は、秒針を有していないものであってもよい。
【0048】
[本開示のまとめ]
本開示の時計は、時針および分針と、切欠き部が形成された文字板と、前記文字板の裏側に配置される板部材と、前記時針および前記分針の軸に沿った方向から見た平面視において前記文字板の前記切欠き部に対応する位置に配置され、時刻を示す目盛として機能するとともに、時刻以外の情報を指示する副針部材と、を備える。
これにより、副針部材は、時刻以外の情報を指示するとともに、時針および分針によって指示されて時刻を表示するので、時刻を表示する目盛を省略することなく、時刻以外の情報を指示する副針部材を設けることができる。そのため、時針および分針による時刻の表示を読み取りやすくでき、かつ、時刻以外の情報を表示することができる。
【0049】
本開示の時計において、前記板部材は、前記時針および前記分針によって指示されて時刻を表示する複数の時刻目盛を有し、前記文字板は、前記時刻目盛に対応する位置に開口を有していてもよい。
これにより、時刻を表示するための時刻目盛を、文字板の裏側に配置される板部材に配置するので、文字板の加工や装飾をしやすくすることができる。
【0050】
本開示の時計において、前記文字板は、前記時針および前記分針によって指示されて時刻を表示する複数の時刻目盛を備えていてもよい。
これにより、例えば、文字板の裏側に配置された板部材に時刻目盛を配置する場合に比べて、文字板に形成された開口位置と、板部材に配置された時刻目盛の位置とを合わせる必要がないので、時計の組み立てを容易にすることができる。
【0051】
本開示の時計において、前記副針部材および前記時刻目盛には、蛍光塗料が塗布されていてもよい。
これにより、例えば、ユーザーが海中等の暗所において時計を確認した場合の視認性を向上することができる。
【0052】
本開示の時計において、前記平面視において、前記副針部材は、複数の前記時刻目盛の少なくとも1つと同一形状であってもよい。
これにより、時刻目盛の少なくとも1つと、時刻を表示する副針部材とは同一形状であるため、時刻目盛としての統一感を演出することができる。
【0053】
本開示の時計において、前記板部材には、前記副針部材に指示される情報目盛が表示されていていてもよい。
これにより、副針部材が配置された板部材に情報目盛が表示されるので、副針部材と情報目盛との位置合わせを容易にすることができる。そのため、時計の組み立てを容易にすることができる。
【0054】
本開示の時計において、前記副針部材には、前記情報を指示する指示印が表示されていてもよい。
これにより、副針部材に針部材を取り付けなくても、時刻以外の情報を副針部材にて指示することができる。そのため、時計の部品点数を少なくすることができる。
【0055】
本開示の時計において、前記平面視において、前記副針部材の回転軸の位置は、前記副針部材の中心位置と異なっていてもよい。
これにより、副針部材の回動に対して、副針部材による指示の振れ幅を大きくすることができる。そのため、副針部材による情報の指示の視認性を向上することができる。
【0056】
本開示の時計において、前記副針部材は、前記情報を指示する副針と、前記時針および前記分針によって指示されて時刻を表示する目盛部材と、を備えていてもよい。
これにより、副針部材は、情報を指示する副針と、時刻を表示する目盛部材とを有するので、副針のデザインの自由度を高くすることができる。
【0057】
本開示の時計において、前記副針部材は、前記情報として電池残量を指示してもよい。
これにより、ユーザーは時計の電池残量を確認することができる。
【符号の説明】
【0058】
1,1A,1B…時計、2…外装ケース、3,3A…文字板、4…日車、5…板部材、6…りゅうず、7,7A…時刻目盛、11…時針、12…分針、13…秒針、14,14B…副針部材、15…指針軸、31…小窓、32…開口、33…切欠き部、51…窓部、52…情報目盛、71,71A…第1時刻目盛、72,72A…第2時刻目盛、73,73A…第3時刻目盛、141,141B…軸部材、142…表示部材、143…指示印、144B…副針、145B…目盛部材、146B…円板部、147B…針部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7