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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】整列装置及び箱詰めシステム
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/29 20060101AFI20240702BHJP
   B65B 5/06 20060101ALI20240702BHJP
   B65B 35/40 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
B65G47/29 F
B65B5/06
B65B35/40
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021043590
(22)【出願日】2021-03-17
(65)【公開番号】P2022143193
(43)【公開日】2022-10-03
【審査請求日】2023-10-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000001834
【氏名又は名称】三機工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小柳 充弘
【審査官】福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-001473(JP,A)
【文献】実公昭49-025983(JP,Y1)
【文献】国際公開第2018/116612(WO,A1)
【文献】特開平08-258973(JP,A)
【文献】特開昭58-104821(JP,A)
【文献】実開平07-040408(JP,U)
【文献】実開昭57-007724(JP,U)
【文献】特開昭58-073503(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/29
B65B 5/06
B65B 35/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベアにより搬送された物品を第一方向に沿って並べる整列装置であって、
前記第一方向に沿ってスライド可能なスライドテーブルと、
前記コンベアの上を移動する前記物品を停止させるストッパと、
前記ストッパが停止させた前記物品を前記スライドテーブルの上へ押し出すプッシャと、
前記プッシャが前記物品を押し出すときに前記スライドテーブルを移動させるテーブル駆動部と、
前記スライドテーブルの上の前記物品を間に置いて、それぞれが前記第一方向に沿って延びる一対のサイドガイドと、
前記一対の前記サイドガイドの間の距離であるガイド間距離を変えるサイドガイド駆動部と、
を備え、
前記物品を並べ終わると、前記サイドガイド駆動部が前記ガイド間距離を拡大させることを特徴とする整列装置。
【請求項2】
前記スライドテーブルの幅は、前記第一方向に対して直交する水平方向についての前記スライドテーブルの上面の寸法であり、
前記スライドテーブルの前記幅は、前記幅の方向についての前記物品の寸法よりも小さい請求項1に記載の整列装置。
【請求項3】
前記物品は、内容物が包装袋に包まれたピロー包装体であり、
前記スライドテーブルの前記幅は、前記幅の方向についての前記内容物の寸法よりも小さい請求項2に記載の整列装置。
【請求項4】
前記物品は、内容物が包装袋に包まれたピロー包装体であり、
前記物品を並べているときの前記ガイド間距離は、前記ガイド間距離の方向についての前記内容物の寸法よりも大きく、かつ、前記ガイド間距離の方向についての前記ピロー包装体の寸法よりも小さく、
前記物品を並べ終わって前記サイドガイド駆動部が前記ガイド間距離を拡大させた後の前記ガイド間距離は、前記ピロー包装体の前記寸法よりも大きい請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の整列装置。
【請求項5】
前記第一方向に垂直な平面で前記サイドガイドを切断した断面形状が円形である請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の整列装置。
【請求項6】
前記スライドテーブルは、前記コンベアの上面のベルトの下を通って前記ベルトと交差する舌状部を有する請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の整列装置。
【請求項7】
前記スライドテーブルの上面は、前記コンベアから離れる方向に向かって下り坂になるように、水平面に対して傾斜している請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の整列装置。
【請求項8】
互いに平行な一対のアーム回転軸のそれぞれを中心に回動可能な一対のアームと、
前記一対の前記アームのそれぞれに取り付けられ、前記物品が把持されたときに前記物品の下面に接する一対の支持部と、
前記一対の前記アーム回転軸の間の距離である回転軸間距離が変わるように、前記一対の前記アーム回転軸を平行移動させる平行移動部と、
前記一対の前記支持部の間の距離である支持部間距離が変わるように前記一対の前記アームのそれぞれを回動させる回動駆動部と、
を有し、
前記スライドテーブルの中心軸と、前記回転軸間距離、及び、前記支持部間距離の中央とが一致するよう芯出しをし、前記物品の上方空間に前記一対の前記支持部を位置させる待機状態に移動可能で、その後前記一対の前記支持部を前記物品の下位置に空間中で移動した後把持状態に移動可能とする、
前記物品を把持するロボットハンドに対して、
上方から降下してくる前記ロボットハンドの前記一対の前記支持部が前記物品の下から前記物品を掬い上げる際に、前記物品下に前記一対の前記支持部が入り込むことを許す幅を有する前記スライドテーブルと、前記一対の前記支持部の邪魔にならないよう退避する前記一対の前記サイドガイドとを備えたことを特徴とする
請求項2から請求項7のいずれか一項に記載の整列装置。
【請求項9】
互いに平行な一対のアーム回転軸のそれぞれを中心に回動可能な一対のアームと、
前記一対の前記アームのそれぞれに取り付けられ、前記物品が把持されたときに前記物品の下面に接する一対の支持部と、
前記一対の前記アーム回転軸の間の距離である回転軸間距離が変わるように、前記一対の前記アーム回転軸を平行移動させる平行移動部と、
前記一対の前記支持部の間の距離である支持部間距離が変わるように前記一対の前記アームのそれぞれを回動させる回動駆動部と、
を有し、
前記スライドテーブルの中心軸と、前記回転軸間距離、及び、前記支持部間距離の中央とが一致するよう芯出しをし、前記物品の上方空間に一対の支持部を位置させる待機状態に移動可能で、その後前記一対の支持部を前記物品の下位置に空間中で移動した後把持状態に移動可能とする、
前記物品を把持するロボットハンドと、
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の整列装置と、
を備え、
前記整列装置により整列された前記物品を前記ロボットハンドで空中へ移動させ、
別な位置にある番重である箱に上方向から詰める箱詰めシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、整列装置及び箱詰めシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年コンビニエンスストア等で販売されているおにぎりは、きわめて人気の高い売れ筋の商品として認知されて親しまれている。このようなおにぎりは、効率的な生産かつ一定の品質を確保するため工場で機械生産されるのが一般的で、この生産工場では大量のおにぎりを型で成形したり、成型後のおにぎりを樹脂フィルム包装で包装したりする工程間を搬送するコンベヤ設備が用いられ流れ作業で生産されている。工場から出荷される場合、トラック運送に適し食品を搬送する標準形態として、番重と呼ばれるコンテナ内に整然と格納することで、製品であるおにぎりをより多く傷めずに取り扱うことが標準となっている。しかし、流れ作業で生産された包装済みのおにぎり製品について、番重に詰める際に落下させて傷めるわけにはいかず、コンベアから空中で食品を搬送できるロボットハンドへ受け渡す整列装置、及び、当該ロボットハンドを動かすロボットを備える箱詰めシステムが必要となる。
【0003】
下記特許文献1に開示された食品の詰め込み装置は、食品を供給する供給部と、供給部により並べられた複数の食品を把持する把持部と、把持部により把持された複数の食品をトレイ上に搬送する搬送部とを備える。把持部は、複数の食品が並べられた方向において複数の食品をその両側から挟む一対の挟持部材を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-218268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の装置では、ベルトコンベア上を流れてきた食品を、吸着ヘッドを有するロボットアームにより吸着して移動させることで、1個ずつ並べていく。つまり、整列装置としてロボットアームを利用し、その前段のコンベア上では、食品1個ずつを平置きで流していて、1個ずつをロボットアーム先端で掴み、掴んだ食品を90度回転2回行って食品の三角形の三辺が形成する面を合わせて整列することを、ロボットアームが行って所定の数を整列させ、その後2本のロボットアームで食品整列群を空中に浮かせて箱詰めしている。このため、まず食品を並べて整列させるのに時間がかかり、効率が良くないという課題がある。
【0006】
本開示は、上述のような課題を解決するためになされたもので、物品を効率良く並べることのできる整列装置、及び、ロボットハンドへ物品を効率よく受け渡せる整列装置、及び、当該整列装置と当該ロボットハンドとを備えた箱詰めシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る整列装置は、コンベアにより搬送された物品を第一方向に沿って並べる整列装置であって、第一方向に沿ってスライド可能なスライドテーブルと、コンベアの上を移動する物品を停止させるストッパと、ストッパが停止させた物品をスライドテーブルの上へ押し出すプッシャと、プッシャが物品を押し出すときにスライドテーブルを移動させるテーブル駆動部と、スライドテーブルの上の物品を間に置いて、それぞれが第一方向に沿って延びる一対のサイドガイドと、一対のサイドガイドの間の距離であるガイド間距離を変えるサイドガイド駆動部と、を備えるものである。
本開示に係るロボットハンドへ物品を受け渡す整列装置は、上方から降下してくるロボットハンドの一対の支持部が物品の下から物品を掬い上げる際に、物品下に一対の支持部が入り込むことを許すスライドテーブルと、支持部の邪魔にならないよう退避する一対のサイドガイドとを備えるものである。
本開示に係る箱詰めシステムは、上記整列装置及び上記ロボットハンドを備え、整列装置により整列された物品を箱に詰めるものである。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、物品を効率良く並べることのできる整列装置、及び、ロボットハンドへ物品を効率よく受け渡せる整列装置、及び、当該整列装置と当該ロボットハンドとを備えた箱詰めシステムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1による箱詰めシステムの立面図である。
図2】実施の形態1による箱詰めシステムの立面図である。
図3】実施の形態1による箱詰めシステムが備える整列装置の断面図である。
図4】実施の形態1による箱詰めシステムが備える整列装置及びロボットハンドの断面図である。
図5】実施の形態1による箱詰めシステムが備えるロボットハンドの側面図である。
図6】ロボットハンドがピロー包装体を把持する前の断面図である。
図7】ロボットハンドがピロー包装体を把持した後の断面図である。
図8】番重内でロボットハンドがピロー包装体を解放したときの断面図である。
図9】実施の形態1による箱詰めシステムの、整列装置及びコンベアの部分を示す平面図である。
図10】実施の形態1による整列装置の側面図である。
図11】実施の形態1による箱詰めシステムの、整列装置及びコンベアの部分を示す立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。各図において共通または対応する要素には、同一の符号を付して、説明を簡略化または省略する。なお、本開示で角度に言及した場合において、和が360度となる優角と劣角とがあるときには原則として劣角の角度を指すものとし、和が180度となる鋭角と鈍角とがある場合には原則として鋭角の角度を指すものとする。
【0011】
実施の形態1.
図1及び図2は、実施の形態1による箱詰めシステム1の立面図である。なお、図2は、図1の視点とは直交する方向の視点から見た図である。図3は、実施の形態1による箱詰めシステム1が備える整列装置2の断面図である。図4は、実施の形態1による箱詰めシステム1が備える整列装置2及びロボットハンド3の断面図である。図5は、実施の形態1による箱詰めシステム1が備えるロボットハンド3の側面図である。
【0012】
実施の形態1による箱詰めシステム1は、整列装置2及びロボットハンド3を備える。整列装置2は、コンベア4により搬送された物品を第一方向に沿って並べる。箱詰めシステム1は、整列装置2により整列された物品を、ロボットハンド3で把持して移動させ、箱に詰める動作を自動で行う。箱詰めシステム1の上流側の装置から、物品が、例えば、1秒に1個程度の速さで、箱詰めシステム1のコンベア4へ流れてくる。本実施の形態では、物品として、ピロー包装体90を例に説明する。ただし、本開示における物品は、ピロー包装体90に限定されるものではない。また、本実施の形態では、箱として、番重95を例に説明する。番重95は、蓋のない浅い運搬容器である。
【0013】
図3に示すように、本実施の形態におけるピロー包装体90は、内容物91と、内容物91を包む包装袋92とを有する。図示の例における内容物91は、握り飯である。図示の例における内容物91は、三角形の握り飯であるが、この例に代えて、円形の握り飯でもよいし、俵型の握り飯でもよい。また、本開示における内容物91は、例えば、パン、サンドイッチ、菓子、野菜、総菜、加工食品など、握り飯以外の食品でもよいし、食品以外のものでもよい。
【0014】
図2に示すように、箱詰めシステム1は、コントローラ5を備える。コントローラ5は、箱詰めシステム1の動作を制御する。コントローラ5は、少なくとも一つのメモリと、少なくとも一つのプロセッサとを備えていてもよい。図1に示すように、箱詰めシステム1は、ロボットアーム6を備える。ロボットアーム6の先端にロボットハンド3が取り付けられている。ただし、図1では、ロボットハンド3の図示が省略されている。また、図2では、ロボットアーム6及びロボットハンド3の図示が省略されている。
【0015】
コンベア4は、ピロー包装体90の広い面が、水平面に対して垂直、かつ、移動方向に平行になるように、ピロー包装体90を移動させる。図示の例では、内容物91である握り飯の三角形の三辺で囲われた面が形成する平坦な面が、ピロー包装体90の広い面を形成する。コンベア4の長手方向に沿って延びる側壁29が、コンベア4の両側に設けられている。側壁29がピロー包装体90に接することで、コンベア4上でピロー包装体90が立った姿勢を維持する。
【0016】
図2に示すように、整列装置2は、コンベア4上を移動してきたピロー包装体90を、第一方向に沿って、複数個、1列に並べる。第一方向は、コンベア4の搬送方向に対して、直交する。この第一方向とは、後述するようにロボットハンド3の下端にあり一列に並んだ複数のピロー包装体90を掬い上げる際に、下方に位置する一対の支持部8の延びる方向と一致する。図1において、コンベア4上のピロー包装体90は、左から右へ向かって搬送される。整列装置2は、隣接するピロー包装体90の広い面同士が向かい合うように、ピロー包装体90を並べる。
【0017】
整列装置2が所定数のピロー包装体90を並べ終わると、図4に示すように、その上方へ、ロボットアーム6がロボットハンド3を移動させる。ロボットアーム6は、ロボットハンド3の下端部の一対の支持部の離れ距離である支持部間距離の中央軸と後述するスライドテーブル13の中央軸とを合わせて待機位置とする。その後、ロボットアーム6がロボットハンド3を下降させる。ロボットハンド3は、整列装置2が1列に並べた所定数のピロー包装体90を一度に把持する。図示の例では、整列装置2は、10個のピロー包装体90を1列に並べる。ロボットハンド3は、10個のピロー包装体90を一度に把持する。ロボットアーム6は、ロボットハンド3が把持したピロー包装体90を、整列装置2から垂直方向へ空間中で掬い上げて移動したのち、空中を移動して、図1中の第一テーブル20の上に載置された番重95の中へ移動させる。
【0018】
本実施の形態の箱詰めシステム1は、2台の整列装置2を備える。本実施の形態の箱詰めシステム1であれば、一方の整列装置2が並べたピロー包装体90をロボットハンド3及びロボットアーム6が第一テーブル20上の番重95へ移動させている間に、他方の整列装置2がピロー包装体90を並べることができる。それゆえ、番重95にピロー包装体90を詰める速さが向上する。
【0019】
図2及び図3に示すように、本実施の形態の整列装置2は、スライドテーブル13と、ストッパ14と、プッシャ15と、テーブル駆動部16と、一対のサイドガイド17と、サイドガイド駆動部18とを備える。スライドテーブル13は、第一方向に沿ってスライド可能である。スライドテーブル13の上面は、第一方向を長手方向とする細長い形状を有する。図3は、第一方向に対して垂直な断面図に相当する。図2に示す例では、スライドテーブル13の上面は、コンベア4から離れる方向に向かって下り坂になるように、水平面に対して傾斜している。すなわち、本実施の形態における第一方向は、水平面に対して傾斜している。ただし、本開示では、第一方向、及び、スライドテーブル13の上面が、水平面に対して平行でもよい。
【0020】
コンベア4の長手方向に沿って延びる側壁29は整列装置2に交差するところでは切れている。ストッパ14は、コンベア4の上を移動するピロー包装体90に接することで、当該ピロー包装体90を停止させる。プッシャ15は、ストッパ14が停止させたピロー包装体90をスライドテーブル13の上へ押し出す。プッシャ15は、ピロー包装体90の内容物91である握り飯の三角形の三辺が形成する平坦な面が形成するピロー包装体の広い面を押すこととなる。テーブル駆動部16は、プッシャ15がピロー包装体90を押し出すときに、当該ピロー包装体90が押し出される方向と同方向に、スライドテーブル13を移動させる。一対のサイドガイド17のそれぞれは、第一方向に沿って延びる細長い形状を有する。スライドテーブル13上のピロー包装体90は、一対のサイドガイド17の間に位置する。一対のサイドガイド17の間の距離を以下「ガイド間距離」と称する。サイドガイド駆動部18は、ガイド間距離が変わるように一対のサイドガイド17を移動させる。すなわち、サイドガイド駆動部18は、一対のサイドガイド17が、互いに近づいたり、離れたりするように、一対のサイドガイド17を移動させる。例えば、一方のサイドガイド17の表面と、他方のサイドガイド17の表面との間の最短距離をガイド間距離としてもよい。
【0021】
図6は、ロボットハンド3がピロー包装体90を把持する前の断面図である。図7は、ロボットハンド3がピロー包装体90を把持した後の断面図である。ロボットハンド3がピロー包装体90を把持した後、把持されたピロー包装体90が第一テーブル20上の番重95内に入るようにロボットアーム6がロボットハンド3を移動させ、当該番重95内でロボットハンド3がピロー包装体90を解放する。図8は、番重95内でロボットハンド3がピロー包装体90を解放したときの断面図である。
【0022】
図4から図8に示すように、ロボットハンド3は、一対のアーム7と、一対のアーム7のそれぞれに取り付けられた一対の支持部8と、一対の側面部9とを備える。一対のアーム7は、互いに平行な一対のアーム回転軸10のそれぞれを中心に回動可能である。アーム7は、アーム回転軸10から下方へ突出する。図7に示すように、一対の支持部8は、ピロー包装体90が把持されたときにピロー包装体90の下面に接する。一対の側面部9は、ピロー包装体90が把持されたときにピロー包装体90を間に置いて向かい合う。なお、図4図6から図8の断面図は、アーム回転軸10に対して垂直な断面図である。
【0023】
以下の説明では、一対のアーム回転軸10の間の距離を「回転軸間距離」と称する。例えば、一対のアーム回転軸10のそれぞれの中心線の間の距離を回転軸間距離としてもよい。また、一対の側面部9の間の距離を「側面部間距離」と称する。例えば、一方の側面部9の内壁面と、他方の側面部9の内壁面との間の最短距離を側面部間距離としてもよい。また、一対の支持部8の間の距離を「支持部間距離」と称する。例えば、一方の支持部8の表面と、他方の支持部8の表面との間の最短距離を支持部間距離としてもよい。
【0024】
ロボットハンド3は、平行移動部11と、回動駆動部12とをさらに備える。平行移動部11は、回転軸間距離及び側面部間距離が変わるように、一対のアーム回転軸10及び一対の側面部9を平行移動させる。すなわち、平行移動部11は、一対のアーム回転軸10及び一対の側面部9が、互いに近づいたり、離れたりするように、それらを移動させる。この際、一方のアーム回転軸10と一方の側面部9が一体となって平行移動し、他方のアーム回転軸10と他方の側面部9が一体となって平行移動する。回動駆動部12は、支持部間距離が変わるように、一対のアーム7のそれぞれを回動させる。すなわち、回動駆動部12は、一対のアーム7の先端同士が、互いに近づいたり、離れたりするように、一対のアーム7を互いに反対方向に回動させる。
【0025】
ロボットハンド3を先端に有するロボットアーム6は、ロボットハンド3の2つの平行移動部11が一対のアーム回転軸10を平行移動するときの回転軸間距離の中央を、整列装置2のスライドテーブル13の長手方向の中心軸に合わせる位置に移動する。これによりロボットハンド3の一対のアーム回転軸10、一対の側面部9、及び一対の支持部8それぞれの、整列装置2のスライドテーブル13の長手方向中心軸ひいては複数のピロー包装体90を並べた列の中央軸に芯合わせが可能となる。また、ロボットハンド3を先端に有するロボットアーム6は、ロボットハンド3の一対のアーム7が有する一対の支持部8を、整列装置2のサイドガイド17の上端に接しない空中の上レベル位置に待機位置として位置させることが可能である。
ロボットハンド3を先端に有するロボットアーム6は、待機位置でロボットハンド3の一対のアーム7が有する一対の支持部8の間隔つまり支持部間距離を、整列装置2のスライドテーブル13の長手方向直交方向に向かうピロー包装体90の寸法よりも大きく位置させる。スライドテーブル13の長手方向直交方向の幅寸法は、スライドテーブル13の長手方向直交方向に向かうピロー包装体90の寸法よりも小さい寸法なので、待機位置から把持位置までピロー包装体90の寸法よりも広い幅の支持部間距離を保って下降する支持部8が、ピロー包装体90の下面より下位置で支持部材間距離を、空間でピロー包装体90の寸法よりも小さくできる。
【0026】
本実施の形態のロボットハンド3であれば、一対の支持部8がピロー包装体90の下面に接してピロー包装体90をすくい上げるように把持することができるので、ピロー包装体90のような柔らかい物品を損傷することなく確実に把持することができる。また、ピロー包装体90のように、負圧で吸着する方式のロボットハンドが把持できない物品でも、確実に把持することができる。また、ピロー包装体90を把持したロボットハンド3が移動するときに、ピロー包装体90が落下することを、一対の側面部9により、確実に防止できる。また、一対の支持部8を互いに近づけてピロー包装体90を把持する動作のときに、側面部間距離を一定に保ったまま、回動駆動部12により支持部間距離を縮小させることができる。このため、一対の側面部9が内容物91に押し当てられることがないので、内容物91の形が崩れるなどの損傷が発生することを確実に防止できる。
【0027】
箱詰めシステム1は、ロボットアーム6を整列装置2の上方から大きく移動して、第一テーブル20の上に載置される番重95の上方空間へロボットハンド3を移動する。移動されたロボットハンド3は、番重95内で、ピロー包装体90が、複数列、並列するように、番重95内にピロー包装体90を詰めていく。このとき、支持部8は後述のように細長い棒状の形状を有しているので、隣に並列に詰め込み済みのピロー包装体90のわずかな隙間を通って解放位置に移動可能なので、番重内にピロー包装体90の列を最大限詰め込める。箱詰めシステム1は、例えば、1列当たり10個のピロー包装体90が、5列、並列するように、計50個のピロー包装体90を一つの番重95内に詰める。
【0028】
本実施の形態において、一対の側面部9のそれぞれは、実質的に剛体である。すなわち、一対の側面部9のそれぞれは、ロボットハンド3がピロー包装体90を把持するときに、実質的に変形しないとみなせる。このため、繰り返しの変形による経年劣化が側面部9に生じないので、側面部9の交換などのメンテナンスが不要になる。また、側面部9を弾性変形させる必要がないので、ロボットハンド3が把持する物品の柔らかさあるいは硬さに応じて側面部9のバネ定数を変える必要もない。また、側面部9が実質的に剛体であることで、ロボットハンド3の移動中の慣性によって側面部9の位置が大きくずれることを確実に防止できる。それゆえ、ロボットハンド3の移動中に、側面部9がピロー包装体90に強く当たってピロー包装体90が損傷するようなことを確実に防止できる。
【0029】
本実施の形態において、一対の支持部8のそれぞれは、アーム回転軸10に平行な軸を中心に回転可能なローラで構成されている。支持部8がピロー包装体90の下面に接触しているときに支持部間距離が変わったときに、支持部8が回転することで、ピロー包装体90と支持部8との間に摩擦が発生することを確実に抑制できる。それゆえ、本実施の形態であれば、ピロー包装体90の下面に接触している支持部8が動いたときに、ピロー包装体90が支持部8に引きずられて動いてしまうことを、より確実に防止できる。
【0030】
図5に示すように、支持部8は、アーム回転軸10に平行な細長い棒状の形状を有する。支持部8の両端をアーム7が支持する。アーム7の先端部に支持部8が接続されている。アーム7は、支持部8の両端に接続された2本の部材を一組として構成される。一組のアーム7を構成する2本の部材は、アーム回転軸10の両端にそれぞれ固定されている。当該部材の長手軸は、アーム回転軸10に対して、実質的に垂直である。また、当該部材の長手軸は、支持部8の長手軸に対して、実質的に垂直である。図5の側面視において、一組のアーム7を構成する2本の部材の間に、側面部9が位置する。
【0031】
本実施の形態において、一対の側面部9のそれぞれは、平板状の形状を有する。一対の側面部9は、互いに平行に配置されている。側面部9は、水平面に対して垂直になる。このような側面部9であれば、図8に示すように、番重95内でロボットハンド3がピロー包装体90を解放するときに、すでに番重95内にあった隣の列のピロー包装体90に対して、なるべく近づけることができる。それゆえ、番重95内でのピロー包装体90の列と列の隙間をなるべく狭くすることができ、一つの番重95に収納するピロー包装体90の数を多くする上で有利になる。
【0032】
アーム回転軸10の中心から支持部8の表面までの最短距離は、アーム回転軸10の中心から側面部9の下端までの距離よりも、やや長い。支持部8は、側面部9の下端に接することなく、側面部9の直下を、水平方向に通過可能である。
【0033】
側面部9は、透明であってもよい。側面部9が透明であれば、ロボットハンド3が把持しているピロー包装体90を、工場の職員が、側面部9の外側から容易に視認することができる。
【0034】
本実施の形態のロボットハンド3は、図4に示す待機状態と、図7に示す把持状態と、図6及び図8に示す解放状態とに切り替え可能である。待機状態は、ロボットハンド3が待機しているときの状態である。把持状態は、ピロー包装体90がロボットハンド3により把持されているときの状態である。解放状態は、ロボットハンド3がピロー包装体90を把持する前の状態、または、把持されているピロー包装体90をロボットハンド3が解放するときの状態である。待機状態から平行移動部11が回転軸間距離及び側面部間距離を縮小させると解放状態になる。解放状態から回動駆動部12が支持部間距離を縮小させると把持状態になる。
【0035】
本実施の形態であれば、解放状態から、側面部間距離を一定に保ったまま支持部間距離を縮小させることで、把持状態にすることができる。このため、ピロー包装体90を把持するときに、一対の側面部9が内容物91に押し当てられることがないので、内容物91の形が崩れるなどの損傷が発生することを確実に防止できる。
【0036】
図7に示すように、把持状態のとき、支持部間距離は、側面部間距離よりも小さい。図6及び図8に示すように、解放状態のとき、支持部間距離は、側面部間距離以上になる。これにより、番重95内でロボットハンド3が解放状態になってからロボットハンド3が上昇するときに、解放されたピロー包装体90に支持部8が引っ掛かってしまうような事象が発生することをより確実に防止できる。
【0037】
図3に示すように、側面部9が平行移動する方向についての、ピロー包装体90の寸法を幅W1とし、内容物91の寸法を幅W2とする。スライドテーブル13の幅W3は、第一方向に対して直交する水平方向についてのスライドテーブル13の上面の寸法である。なお、ピロー包装体90の幅W1は、包装袋92が横方向から押されていないときの寸法である。また、幅W1、幅W2、幅W3、ガイド間距離、支持部間距離、及び、側面部間距離は、いずれも、同じ方向についての長さである。
【0038】
本実施の形態において、スライドテーブル13の幅W3は、ピロー包装体90の幅W1よりも小さい。これにより、ロボットハンド3の支持部8が、スライドテーブル13上のピロー包装体90の下に入り込むことが可能となる。また、スライドテーブル13の幅W3は、内容物91の幅W2よりも小さい。これにより、ロボットハンド3の支持部8が、スライドテーブル13上のピロー包装体90の内容物91の下に入り込むことが可能となるので、ロボットハンド3がピロー包装体90をより確実に把持できる。
【0039】
図4に示すように、整列装置2が並べたピロー包装体90に向かって、上から、待機状態のロボットハンド3が下降するように、ロボットアーム6がロボットハンド3を移動させる。この際、支持部8の位置が、ピロー包装体90の上端と下端との間の高さの位置になるまで、ロボットハンド3が下降する。待機状態のときの支持部間距離及び側面部間距離のそれぞれは、ピロー包装体90の幅W1よりも大きい。このため、ロボットハンド3が下降したときに、支持部8及び側面部9がピロー包装体90に接触することを確実に防止できる。それゆえ、包装袋92が破損するなどの損傷が発生することを確実に防止できる。
【0040】
図4の待機状態から、平行移動部11が作動して支持部間距離及び側面部間距離を縮小させることで、ロボットハンド3は、図6の解放状態(把持する前)に切り替わる。この平行移動部11が作動して支持部間距離及び側面部間距離をそのまま変化させることが可能なことで、ピロー包装体90の種類がロットで変化して前記ピロー包装体90の幅W1が変化することに容易に対応が可能となる。その後、支持部8がピロー包装体90の下に入れるようになる位置まで、ロボットアーム6がロボットハンド3をさらに下降させる。その後、回動駆動部12が支持部間距離を縮小させると、図7のように、支持部8がピロー包装体90の下に入り込み、ロボットハンド3が把持状態となる。
【0041】
図6に示すように、解放状態のときの支持部間距離及び側面部間距離のそれぞれは、ピロー包装体90の幅W1以下で、かつ、内容物91の幅W2よりも大きい。これにより、以下の効果を奏する。図6の位置から図7の位置へロボットハンド3が下降するときに、一対の側面部9の内壁にピロー包装体90の包装袋92が接しているので、スライドテーブル13上でピロー包装体90が倒れてしまうことをより確実に防止できる。また、図7の把持状態のときでも、一対の側面部9が内容物91を押圧することがないので、内容物91の形が崩れるなどの損傷が発生することをより確実に防止できる。なお、図6及び図7において、包装袋92が一対の側面部9の外側へ食み出しているように描かれているが、実際には、包装袋92は、一対の側面部9の内壁に接する。
【0042】
図3に示すように、整列装置2がピロー包装体90を並べているときのガイド間距離は、内容物91の幅W2よりも大きく、かつ、ピロー包装体90の幅W1よりも小さい。これにより、以下の効果を奏する。スライドテーブル13上のピロー包装体90の包装袋92の両側に、一対のサイドガイド17が接しているので、スライドテーブル13上でピロー包装体90が倒れてしまうことをより確実に防止できる。一対のサイドガイド17が内容物91を押圧することがないので、内容物91の形が崩れるなどの損傷が発生することをより確実に防止できる。そして、スライドテーブル13を中心として一対のサイドガイド17がそれぞれ同じ距離を移動してガイド間距離を縮めたり延ばしたりすることで、複数のピロー包装体90の包装袋92の列に同様に両側方からサイドガイド17が接するのでピロー包装体の列の芯出しが可能となる。なお、図3において、包装袋92が一対のサイドガイド17の外側へ食み出しているように描かれているが、実際には、包装袋92は、一対のサイドガイド17の内側に接する。
【0043】
整列装置2がピロー包装体90を並べ終わると、図6に示すように、サイドガイド駆動部18がガイド間距離を拡大させる。整列装置2がピロー包装体90を並べ終わってサイドガイド駆動部18がガイド間距離を拡大させた後のガイド間距離は、ピロー包装体90の幅W1よりも大きい。これにより、一対のサイドガイド17の間に、解放状態のロボットハンド3の一対の支持部8及び一対の側面部9が挿入することが可能となる。
【0044】
図8に示すように、解放状態において、アーム回転軸10に平行な方向から見たときに、一対のアーム7のそれぞれが一対の側面部9のそれぞれに対してオーバーラップするように位置する。これにより、以下の効果を奏する。番重95内でロボットハンド3がピロー包装体90を解放するときに、アーム7及び支持部8が側面部9よりも外側へ張り出す量を最小限にできる。このため、番重95内でのピロー包装体90の列と列の隙間をなるべく狭くするように配置することができる。また、すでに番重95内にあった隣の列のピロー包装体90にロボットハンド3が衝突することをより確実に抑制できるので、番重95内でピロー包装体90の破損が発生することをより確実に防止できる。なお、番重95内でロボットハンド3がピロー包装体90を解放する前に、番重95の底面に支持部8が接近するように、ロボットアーム6がロボットハンド3を下降させる。
【0045】
本実施の形態における平行移動部11及び回動駆動部12は、エアシリンダを用いて構成されている。これにより、エアー駆動によりロボットハンド3の把持動作及び解放動作が可能であるので、例えば電流値制御のような複雑な制御が不要になるという利点がある。
【0046】
図9は、実施の形態1による箱詰めシステム1の、整列装置2及びコンベア4の部分を示す平面図である。なお、図9では、ガイド間距離が拡大したときの位置と、ガイド間距離が縮小したときの位置との両方の位置にサイドガイド17が描かれているが、実際には、その両方の位置の間をサイドガイド17が移動する。図10は、実施の形態1による整列装置2の側面図である。なお、図10は、図2の視点とは反対側の視点から見た図である。図11は、実施の形態1による箱詰めシステム1の、整列装置2及びコンベア4の部分を示す立面図である。なお、図11は、図1の視点とは反対側の視点から見た図である。
【0047】
図9において、コンベア4上のピロー包装体90は、上から下へ向かって搬送される。以下の説明では、箱詰めシステム1が備える2台の整列装置2のうち、コンベア4上のピロー包装体90の流れの上流側に位置する整列装置2を「上流の整列装置2」と称し、コンベア4上のピロー包装体90の流れの下流側に位置する整列装置2を「下流の整列装置2」と称して、両者を区別する場合がある。すなわち、図9において、上側に位置する整列装置2が上流の整列装置2に相当し、下側に位置する整列装置2が下流の整列装置2に相当する。2台の整列装置2に共通する事項については、両者を区別せずに説明する。
【0048】
図10に示すように、プッシャ15の押圧部は、プッシャ駆動部19により駆動されることで、第一方向に移動可能である。プッシャ駆動部19は、プッシャ15の押圧部がコンベア4上へ突出する突出位置と、プッシャ15の押圧部がコンベア4上から退避した退避位置とに、プッシャ15の押圧部を移動させる。プッシャ駆動部19は、エアシリンダを用いて構成されていてもよい。
【0049】
図9に示すように、この場合のコンベア4は図の下方に頭尾部があってベルトが帰り側へ折り返されておりこれより図の下方には搬送されないので、下流の整列装置2のストッパ14は、コンベア4上を横断する位置に固定されている。上流の整列装置2のストッパ14は、ストッパ駆動部21により、移動可能である。ストッパ駆動部21は、上流の整列装置2のストッパ14を、コンベア4上を横断する突出位置と、コンベア4上から退避した退避位置とに移動させる。ストッパ駆動部21は、エアシリンダを用いて構成されていてもよい。
【0050】
下流の整列装置2がピロー包装体90を並べるときには、図9のように、ストッパ駆動部21が、上流の整列装置2のストッパ14を、退避位置にする。これにより、コンベア4上を搬送されるピロー包装体90は、上流の整列装置2のストッパ14の位置を通過し、下流の整列装置2のストッパ14に接する位置で停止する。なお、各整列装置2のストッパ14の位置は、停止したピロー包装体90の中心位置が、対応する整列装置2の中心軸の位置に一致するように、予め設定されている。
【0051】
図9中の在荷センサ22は、下流の整列装置2のストッパ14の位置で停止したピロー包装体90の有無を検知するための光学式センサである。在荷センサ22がピロー包装体90の存在を検知すると、下流の整列装置2において、プッシャ駆動部19により駆動されたプッシャ15が、当該ピロー包装体90をスライドテーブル13の上へ押し出すのと同時に、テーブル駆動部16がスライドテーブル13を同じ方向へ同じ距離だけ移動させる。このときのプッシャ15及びスライドテーブル13の移動距離は、第一方向についてのピロー包装体90の一個分の寸法に相当する。テーブル駆動部16は、単軸ロボットを用いて構成されていてもよい。
【0052】
図10に示すように、スライドテーブル13の上面には、スライドテーブル13の上に最初に置かれたピロー包装体90に接するサポート23が取り付けられている。整列装置2がピロー包装体90を並べ始めるときには、サポート23がコンベア4の近くに位置するように、テーブル駆動部16がスライドテーブル13を移動させる。整列装置2がピロー包装体90を一個ずつ並べるにつれて、サポート23がコンベア4から遠ざかるように、テーブル駆動部16がスライドテーブル13を移動させる。
【0053】
本実施の形態におけるスライドテーブル13は、コンベア4の上面のベルトの下を通って当該ベルトと交差する舌状部13aを有する。舌状部13aは、細長い帯状の形状を有する。サポート23がコンベア4の近くに位置するときには、舌状部13aがコンベア4の整列装置2本体の位置する側の反対側へ、大きく突出する。舌状部13aの上面がスライドテーブル13の上面に相当する。本実施の形態であれば、コンベア4のベルトの上面と、スライドテーブル13の上面との間の段差をなるべく小さくすることができる。それゆえ、ピロー包装体90は、コンベア4上からスライドテーブル13上へ、より円滑に移動できる。
【0054】
本実施の形態の整列装置2によれば、コンベア4で流れてきたピロー包装体90などの物品を、そのまま、スライドテーブル13上で並べることができる。これにより、物品を効率良く並べることが可能となる。さらに、本実施の形態であれば、プッシャ15がピロー包装体90をスライドテーブル13の上へ押し出すときにテーブル駆動部16がスライドテーブル13を同じ方向へ同じ距離だけ移動させるので、押し出されたピロー包装体90が、スライドテーブル13上のピロー包装体90またはサポート23と、プッシャ15との間に挟まれて圧縮されるようなことがない。このため、内容物91の形が崩れたり、包装袋92が破損したりするような損傷が発生することをより確実に防止できる。
【0055】
図10に示すように、本実施の形態におけるスライドテーブル13の上面は、コンベア4から離れる方向に向かって下り坂になるように、水平面に対して傾斜している。この傾斜角度は、2度から10度の範囲内の値であることが好ましく、例えば3度でもよい。スライドテーブル13の上面がこのように傾斜しているので、スライドテーブル13の上に最初に置かれたピロー包装体90は、サポート23に対して、わずかに、もたれかかる。また、2番目以降に並べられたピロー包装体90は、一つ前に並べられたピロー包装体90に対して、わずかに、もたれかかる。したがって、スライドテーブル13上のピロー包装体90が、サポート23とは反対側に倒れてしまうことをより確実に防止できる。また、隣り合うピロー包装体90同士の間に、適度な摩擦力が発生する。サイドガイド駆動部18がガイド間距離を拡大させてサイドガイド17がピロー包装体90から離れたときに、この摩擦力が、スライドテーブル13からのピロー包装体90の落下をより確実に防止する。
【0056】
なお、プッシャ駆動部19によるプッシャ15の押圧部の移動方向も、スライドテーブル13の上面の長手方向に平行になるように、水平面に対して傾斜していることが望ましい。
【0057】
また、整列装置2が並べたピロー包装体90をロボットハンド3が把持するときには、支持部8の長手方向が、スライドテーブル13の上面の長手方向に平行になるように、ロボットアーム6がロボットハンド3を傾斜させる。ピロー包装体90を把持したロボットハンド3が整列装置2から上昇した後、支持部8の長手方向が水平になるように、ロボットアーム6がロボットハンド3を水平な姿勢に戻す。
【0058】
図9中のカウンタ24は、下流の整列装置2が並べたピロー包装体90の数をコントローラ5がカウントするための光学式センサである。下流の整列装置2が並べたピロー包装体90の数が所定数(図示の例では10個)に達すると、コントローラ5は、下流の整列装置2がピロー包装体90を並べ終わったと判断し、上流の整列装置2のストッパ14を、ストッパ駆動部21により、突出位置に移動させる。また、コントローラ5は、下流の整列装置2が並べたピロー包装体90を、ロボットハンド3及びロボットアーム6により、第一テーブル20上の番重95内へ移動させる動作を開始する。
【0059】
上流の整列装置2のストッパ14が突出位置に移動すると、コンベア4上を移動するピロー包装体90は、上流の整列装置2のストッパ14に接する位置で停止する。在荷センサ25は、上流の整列装置2のストッパ14の位置で停止したピロー包装体90の有無を検知するための光学式センサである。在荷センサ25がピロー包装体90の存在を検知すると、上流の整列装置2において、プッシャ駆動部19により駆動されたプッシャ15が、当該ピロー包装体90をスライドテーブル13の上へ押し出すのと同時に、テーブル駆動部16がスライドテーブル13を同じ方向へ同じ距離だけ移動させる。上流の整列装置2がピロー包装体90を並べる動作は、下流の整列装置2と同様である。
【0060】
カウンタ26は、上流の整列装置2が並べたピロー包装体90の数をコントローラ5がカウントするための光学式センサである。上流の整列装置2が並べたピロー包装体90の数が所定数(図示の例では10個)に達すると、コントローラ5は、上流の整列装置2がピロー包装体90を並べ終わったと判断し、上流の整列装置2のストッパ14を、ストッパ駆動部21により、退避位置に移動させる。また、コントローラ5は、上流の整列装置2が並べたピロー包装体90を、ロボットハンド3及びロボットアーム6により、第一テーブル20上の番重95内へ移動させる動作を開始する。
【0061】
図9中の全在荷センサ27は、下流の整列装置2のスライドテーブル13の上に物がないことを確認するための光学式センサである。コントローラ5は、下流の整列装置2が並べたピロー包装体90をロボットハンド3及びロボットアーム6により取り去った後、万が一に取り残されたピロー包装体90が存在しないかどうかを、全在荷センサ27により確認する。
【0062】
全在荷センサ28は、上流の整列装置2のスライドテーブル13の上に物がないことを確認するための光学式センサである。コントローラ5は、上流の整列装置2が並べたピロー包装体90をロボットハンド3及びロボットアーム6により取り去った後、万が一に取り残されたピロー包装体90が存在しないかどうかを、全在荷センサ28により確認する。
【0063】
図3に示すように、本実施の形態では、第一方向に垂直な平面でサイドガイド17を切断した断面形状は、円形になっている。すなわち、サイドガイド17は、円形断面の棒状を呈する。このようなサイドガイド17によれば、サイドガイド17とピロー包装体90との接触面積をなるべく小さくする上で有利になる。その結果、ピロー包装体90がスライドテーブル13とともに第一方向に移動するときの、サイドガイド17とピロー包装体90との間の摩擦力が小さくなる。それゆえ、スライドテーブル13上のピロー包装体90が第一方向に移動するときに、ピロー包装体90がサイドガイド17に引きずられて回転してしまうような事象が発生することをより確実に防止できる。
【符号の説明】
【0064】
1 箱詰めシステム、 2 整列装置、 3 ロボットハンド、 4 コンベア、 5 コントローラ、 6 ロボットアーム、 7 アーム、 8 支持部、 9 側面部、 10 アーム回転軸、 11 平行移動部、 12 回動駆動部、 13 スライドテーブル、 13a 舌状部、 14 ストッパ、 15 プッシャ、 16 テーブル駆動部、 17 サイドガイド、 18 サイドガイド駆動部、 19 プッシャ駆動部、 20 第一テーブル、 21 ストッパ駆動部、 22 在荷センサ、 23 サポート、 24 カウンタ、 25 在荷センサ、 26 カウンタ、 27 全在荷センサ、 28 全在荷センサ、 29 側壁、 90 ピロー包装体、 91 内容物、 92 包装袋、 95 番重
図1
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