(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】車両用表示制御装置、車両用表示装置、車両用表示制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
B60R 16/02 20060101AFI20240702BHJP
B60R 16/027 20060101ALI20240702BHJP
B60K 35/23 20240101ALI20240702BHJP
G06F 3/0481 20220101ALI20240702BHJP
G06F 3/0489 20220101ALI20240702BHJP
G06F 3/02 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
B60R16/02 630J
B60R16/027 T
B60K35/23
G06F3/0481
G06F3/0489
G06F3/02 460
(21)【出願番号】P 2021133606
(22)【出願日】2021-08-18
【審査請求日】2023-05-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】浜辺 亮太
(72)【発明者】
【氏名】廣田 貴浩
(72)【発明者】
【氏名】村田 善則
(72)【発明者】
【氏名】堀 慧悟
【審査官】神田 泰貴
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-075157(JP,A)
【文献】特開2016-074315(JP,A)
【文献】特開2007-290562(JP,A)
【文献】特開2019-016276(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 35/00 - 37/06
B60R 9/00 - 11/06
B60R 16/00 - 17/02
G06F 3/01
G06F 3/048 - 3/04895
G06F 3/02 - 3/027
H03M 11/00 - 11/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
押下時に実現される機能を任意に割り当て可能なマルチファンクションスイッチを含むスイッチ群の画像を表示装置に表示させるにあたり、前記マルチファンクションスイッチへの機能の割り当て状況を取得し、前記スイッチ群の画像のうち機能が未割り当てのマルチファンクションスイッチが
ある場合に
、対応する表示領域に
機能が未割り当てであることを示す第1のシンボルを表示させる制御部を含む車両用表示制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記スイッチ群の画像を前記表示装置に表示させるにあたり、前記スイッチ群に設けられユーザによるタッチ位置を検出するタッチセンサから前記タッチ位置を取得し、前記スイッチ群の画像のうち取得したタッチ位置に対応するスイッチの表示領域に第2のシンボルを表示させる請求項1記載の車両用表示制御装置。
【請求項3】
前記スイッチ群はステアリングホイールに設けられている請求項1または請求項2記載の車両用表示制御装置。
【請求項4】
前記タッチ位置の移動に伴い、前記第2のシンボルを前記スイッチ群の画像の対応する表示領域に移動させる請求項2記載の車両用表示制御装置。
【請求項5】
前記表示装置はHUDである請求項1~請求項4の何れか1項記載の車両用表示制御装置。
【請求項6】
請求項1~請求項5の何れか1項記載の車両用表示制御装置と、
前記表示装置と、
を含む車両用表示装置。
【請求項7】
押下時に実現される機能を任意に割り当て可能なマルチファンクションスイッチを含むスイッチ群の画像を表示装置に表示させるにあたり、前記マルチファンクションスイッチへの機能の割り当て状況を取得し、前記スイッチ群の画像のうち機能が未割り当てのマルチファンクションスイッチ
がある場合に
、対応する表示領域に
機能が未割り当てであることを示す第1のシンボルを表示させることを含む処理をコンピュータによって実行させる車両用表示制御方法。
【請求項8】
コンピュータに、
押下時に実現される機能を任意に割り当て可能なマルチファンクションスイッチを含むスイッチ群の画像を表示装置に表示させるにあたり、前記マルチファンクションスイッチへの機能の割り当て状況を取得し、前記スイッチ群の画像のうち機能が未割り当てのマルチファンクションスイッチ
がある場合に
、対応する表示領域に
機能が未割り当てであることを示す第1のシンボルを表示させることを含む処理を実行させるための車両用表示制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は車両用表示制御装置、車両用表示装置、車両用表示制御方法および車両用表示制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両のステアリングホイールに設けられたスイッチ群の配置をHUD(Head-up Display)に画像として表示させることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両のステアリングホイールに設けられるスイッチ群の中には、押下時に実現される機能を任意に割り当て可能なマルチファンクションスイッチが含まれていることがある。ここで、上記のスイッチ群の画像をHUDなどの表示装置に表示させるにあたり、機能が未割り当てのマルチファンクションスイッチについては非表示にしたとすると、該当するマルチファンクションスイッチが壊れたとユーザが誤認する虞がある。
【0005】
本開示は上記事実を考慮して成されたもので、対応するマルチファンクションスイッチが、機能が未割り当てで正常に動作していることをユーザに認識させることができる車両用表示制御装置、車両用表示装置、車両用表示制御方法および車両用表示制御プログラムを得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様に係る車両用表示制御装置は、押下時に実現される機能を任意に割り当て可能なマルチファンクションスイッチを含むスイッチ群の画像を表示装置に表示させるにあたり、前記マルチファンクションスイッチへの機能の割り当て状況を取得し、前記スイッチ群の画像のうち機能が未割り当てのマルチファンクションスイッチに対応する表示領域に第1のシンボルを表示させる制御部を含んでいる。
【0007】
第1の態様では、マルチファンクションスイッチへの機能の割り当て状況を取得し、スイッチ群の画像のうち機能が未割り当てのマルチファンクションスイッチに対応する表示領域に第1のシンボルを表示させる。これにより、表示装置に表示された第1のシンボルに基づき、対応するマルチファンクションスイッチが、機能が未割り当てで正常に動作していることをユーザに認識させることができる。
【0008】
第2の態様は、第1の態様において、前記制御部は、前記スイッチ群の画像を表示装置に表示させるにあたり、前記スイッチ群に設けられユーザによるタッチ位置を検出するタッチセンサから前記タッチ位置を取得し、前記スイッチ群の画像のうち取得したタッチ位置に対応するスイッチの表示領域に第2のシンボルを表示させる。
【0009】
第2の態様では、スイッチ群に設けられユーザによるタッチ位置を検出するタッチセンサから前記タッチ位置を取得し、スイッチ群の画像のうち取得したタッチ位置に対応するスイッチの表示領域に第2のシンボルを表示させる。これにより、表示装置に表示されるスイッチ群の画像およびタッチ位置に対応する第2のシンボルに基づき、タッチ位置に対応するスイッチとその他のスイッチとの距離感をユーザに把握させることができる。
【0010】
第3の態様は、第1の態様又は第2の態様において、前記スイッチ群はステアリングホイールに設けられている。
【0011】
第3の態様では、表示装置に表示されたスイッチ群の画像を参照することで、ユーザがステアリングホイールのスイッチ群へ視線を下げることなく、スイッチ群を操作することができる。
【0012】
第4の態様は、第1の態様~第3の態様の何れかにおいて、前記表示装置はHUDである。
【0013】
第4の態様は、表示装置がHUDであるので、表示装置がメータディスプレイである場合などと比較して、ユーザがウインドシールド越しに車両前方を視認している状態から、表示装置に表示された画像を視認する際の視線移動量を小さくすることができる。
【0014】
第5の態様に係る車両用表示装置は、第1の態様~第4の態様の何れかに記載の車両用表示制御装置と、前記表示装置と、を含んでいる。
【0015】
第5の態様は、第1の態様~第4の態様の何れかに記載の車両用表示制御装置を含んでいるので、第1の態様と同様に、対応するマルチファンクションスイッチが、機能が未割り当てで正常に動作していることをユーザに認識させることができる。
【0016】
第6の態様に係る車両用表示制御方法は、押下時に実現される機能を任意に割り当て可能なマルチファンクションスイッチを含むスイッチ群の画像を表示装置に表示させるにあたり、前記マルチファンクションスイッチへの機能の割り当て状況を取得し、前記スイッチ群の画像のうち機能が未割り当てのマルチファンクションスイッチに対応する表示領域に第1のシンボルを表示させることを含む処理をコンピュータによって実行させる。
【0017】
第6の態様は、第1の態様と同様に、対応するマルチファンクションスイッチが、機能が未割り当てで正常に動作していることをユーザに認識させることができる。
【0018】
第7の態様に係る車両用表示制御プログラムは、コンピュータに、押下時に実現される機能を任意に割り当て可能なマルチファンクションスイッチを含むスイッチ群の画像を表示装置に表示させるにあたり、前記マルチファンクションスイッチへの機能の割り当て状況を取得し、前記スイッチ群の画像のうち機能が未割り当てのマルチファンクションスイッチに対応する表示領域に第1のシンボルを表示させることを含む処理を実行させる。
【0019】
第7の態様は、第1の態様と同様に、対応するマルチファンクションスイッチが、機能が未割り当てで正常に動作していることをユーザに認識させることができる。
【発明の効果】
【0020】
本開示は、対応するマルチファンクションスイッチが、機能が未割り当てで正常に動作していることをユーザに認識させることができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】実施形態に係る車両用表示装置およびその周辺の概略構成を示すブロック図である。
【
図4】車両の車室前部を車両後方側から見た斜視図である。
【
図5】ステアリングホイールの一部を拡大して示す図である。
【
図6】表示制御ECUで実行される制御処理を示すフローチャートである。
【
図7】HUDに表示されるスイッチ群の画像の一例を示すイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して本開示の実施形態の一例を詳細に説明する。
図1には、本実施形態に係る車両用表示装置10が示されている。車両用表示装置10は、車両に搭載され、表示装置の一例であるHUD12と、HUD12による画像の表示を制御する表示制御ECU(Electronic Control Unit)22と、を含んでいる。なお、表示制御ECU22は、本開示に係る車両用表示制御装置の一例である。
【0023】
図2に示すように、HUD12は、表示画像の投影光を射出する表示部14と、凹面鏡から成り表示部14から射出された投影光を車両のウインドシールド18へ反射・投影させるミラー16と、ミラー角変更ACT(actuator)20と、を含んでいる。ウインドシールド18のうち表示画像が投影される範囲74(
図4参照)の室内側表面には、ハーフミラーなどの処理が施されており、ユーザが、投影した表示画像を視認可能で、かつ、ウインドシールド18を通して車両の外の光景も視認可能とされている。ミラー角変更ACT20は、ミラー16の角度を変更することで、ウインドシールド18上への表示画像の投影位置を変更することが可能とされている。
【0024】
図1に示すように、表示制御ECU22は、CPU(Central Processing Unit)24と、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などのメモリ26と、を含んでいる。また表示制御ECU22は、HDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)などの不揮発性の記憶部28と、通信インタフェース(I/F)30と、入出力I/F31と、を含んでいる。CPU24、メモリ26、記憶部28、通信I/F30および入出力I/F31は内部バス32を介して互いに通信可能に接続されている。
【0025】
記憶部28には制御プログラム34が記憶されている。表示制御ECU22は、制御プログラム34が記憶部28から読み出されてメモリ26に展開され、メモリ26に展開された制御プログラム34がCPU24によって実行されることで、
図3に示す制御部36として機能する。
【0026】
制御部36は、押下時に実現される機能を任意に割り当て可能なマルチファンクションスイッチを含むスイッチ群(例えば、後述するステアリングスイッチ群44R、44L)の画像をHUD12に表示させるにあたり、以下の処理を行う。すなわち、制御部36は、マルチファンクションスイッチへの機能の割り当て状況を取得し、前記スイッチ群の画像のうち機能が未割り当てのマルチファンクションスイッチに対応する表示領域に第1のシンボルを表示させる。なお、制御プログラム34は本開示に係る車両用表示制御プログラムの一例である。
【0027】
また、表示制御ECU22はシステムバス40に接続されており、このシステムバス40には、車載機器42、右ステアリングスイッチ群44R、左ステアリングスイッチ群44Lおよびスイッチ管理ECU80が接続されている。車載機器42は、エアコンディショナー、オーディオ、カーナビゲーションシステムおよび音声入力装置などの機器に加えて、ACC(Adaptive Cruise Control)およびLTA(Lane Tracing Assist)などの走行支援機器を含む。
【0028】
図4に示すように、本実施形態に係る車両用表示装置10が搭載された車両70の車室前部には、インストルメントパネル72が配設されている。ウインドシールド18は、インストルメントパネル72の前端部に配設され、車両上下方向かつ車両幅方向に延在されて車室内と車室外とを区画している。インストルメントパネル72における運転席側(車両右側)には、図示しないステアリングコラムを介してステアリングホイール76が設けられている。ステアリングホイール76は、略円環状のリム部76Aを備えている。また、リム部76Aの内周側には中央部を構成するハブ部76Bが設けられており、リム部76Aとハブ部76Bとが複数(本実施形態では3つ)のスポーク部76Cによって連結されている。
【0029】
スポーク部76Cは、リム部76Aの右側とハブ部76Bとの間、リム部76Aの左側とハブ部76Bとの間、およびリム部76Aの下側とハブ部76Bとの間の三カ所に設けられている。ここで、リム部76Aの右側とハブ部76Bとの間のスポーク部76Cには、右ステアリングスイッチ群44Rが設けられている。また、リム部76Aの左側とハブ部76Bとの間のスポーク部76Cには、左ステアリングスイッチ群44Lが設けられている。
【0030】
右ステアリングスイッチ群44Rは、右第1タクトスイッチ46、右第2タクトスイッチ48および右第3タクトスイッチ50を含んでおり、これらは、それぞれ接点検出式のスイッチによって構成されている。さらに、右ステアリングスイッチ群44Rは、右第1静電センサ52、右第2静電センサ54および右第3静電センサ56を備えている。なお、静電センサ52,54,56は本開示におけるタッチセンサの一例である。
【0031】
図5に示すように、右第1タクトスイッチ46は、およそ五角形で角が丸められた形状とされており、上スイッチ46A、下スイッチ46B、右スイッチ46Cおよび左スイッチ46Dを備えている。このため、右第1タクトスイッチ46は、上下左右に押下可能に構成されている。
【0032】
また、右第1タクトスイッチ46には右第1静電センサ52が設けられており、車両の運転席に着座しているユーザ(以下、単にユーザという)が右第1タクトスイッチ46にタッチしたことを検知可能とされている。具体的には、ユーザが右第1タクトスイッチ46における上スイッチ46A、下スイッチ46B、右スイッチ46Cおよび左スイッチ46Dのうち、何れのスイッチにタッチしているか検知可能とされている。なお、上スイッチ46A、下スイッチ46B、右スイッチ46Cおよび左スイッチ46Dは、押下時に実現される機能を任意に割り当て可能なマルチファンクションスイッチとされている。
【0033】
右第2タクトスイッチ48は、ステアリングホイール76を正面から見て右第1タクトスイッチ46の左隣に配設されており、車両上下方向を長手方向とする略矩形状に形成され、上スイッチ48Aおよび下スイッチ48Bを備えている。このため、右第2タクトスイッチ48は、上下に押下可能に構成されている。
【0034】
また、右第2タクトスイッチ48には右第2静電センサ54が設けられており、ユーザが右第2タクトスイッチ48にタッチしたことを検知可能とされている。具体的には、ユーザが右第2タクトスイッチ48における上スイッチ48Aおよび下スイッチ48Bのうち、何れのスイッチにタッチしているか検知可能とされている。
【0035】
右第3タクトスイッチ50は、ステアリングホイール76を正面から見て右第1タクトスイッチ46および右第2タクトスイッチ48の下側に配設されており、車両幅方向を長手方向とする略矩形状に形成されている。右第3タクトスイッチ50には右第3静電センサ56が設けられており、ユーザが右第3タクトスイッチ50にタッチしたことを検知できるように構成されている。
【0036】
一方、
図1に示すように、左ステアリングスイッチ群44Lは、左第1タクトスイッチ58、左第2タクトスイッチ60および左第3タクトスイッチ62を備えており、それぞれ接点検出式のスイッチによって構成されている。さらに、左ステアリングスイッチ群44Lは、左第1静電センサ64、左第2静電センサ66および左第3静電センサ68を備えている。なお、静電センサ64,66,68は本開示におけるタッチセンサの一例である。
【0037】
図5に示すように、左第1タクトスイッチ58は、およそ五角形で角が丸められた形状とされており、上スイッチ58A、下スイッチ58B、右スイッチ58Cおよび左スイッチ58Dを備えている。このため、左第1タクトスイッチ58は、上下左右に押下できるように構成されている。
【0038】
また、左第1タクトスイッチ58には左第1静電センサ64が設けられており、ユーザが左第1タクトスイッチ58にタッチしたことを検知可能とされている。具体的には、ユーザが左第1タクトスイッチ58における上スイッチ58A、下スイッチ58B、右スイッチ58Cおよび左スイッチ58Dのうち、何れのスイッチにタッチしているか検知可能とされている。なお、上スイッチ58A、下スイッチ58B、右スイッチ58Cおよび左スイッチ58Dは、押下時に実現される機能を任意に割り当て可能なマルチファンクションスイッチとされている。
【0039】
左第2タクトスイッチ60は、ステアリングホイール76を正面から見て左第1タクトスイッチ58の右隣に配設されており、車両上下方向を長手方向とする略矩形状に形成され、上スイッチ60Aおよび下スイッチ60Bを備えている。このため、左第2タクトスイッチ60は、上下に押下可能に構成されている。
【0040】
また、左第2タクトスイッチ60には左第2静電センサ66が設けられており、ユーザが左第2タクトスイッチ60にタッチしたことを検知可能とされている。具体的には、ユーザが左第2タクトスイッチ60における上スイッチ60Aおよび下スイッチ60Bのうち、何れのスイッチにタッチしているか検知可能とされている。
【0041】
左第3タクトスイッチ62は、ステアリングホイール76を正面から見て左第1タクトスイッチ58および左第2タクトスイッチ60の下側に配設されており、車両幅方向を長手方向とする略矩形状に形成されている。左第3タクトスイッチ62には左第3静電センサ68が設けられており、ユーザが左第3タクトスイッチ62にタッチしたことを検知可能とされている。
【0042】
図1に示すスイッチ管理ECU80は、図示は省略するが、表示制御ECU22と同様に、CPU、メモリ、不揮発性の記憶部、通信I/Fなどを含んでいる。スイッチ管理ECU80の記憶部には、ステアリングスイッチ群44R、44Lの各スイッチに割り当てられている機能が登録された機能割り当てテーブル82が記憶されている。スイッチ管理ECU80は、ステアリングスイッチ群44R、44Lのうちの何れかのスイッチが押下されると、押下されたスイッチに割り当てられている機能を機能割り当てテーブル82から読み出す。そしてスイッチ管理ECU80は、読み出した機能に対応する車載機器42に対し、スイッチの押下により読み出した機能の実行が指示されたことを通知する。
【0043】
なお、右ステアリングスイッチ群44Rのうち、右第1タクトスイッチ46におけるスイッチ46A~46Dが、押下時に実現される機能を任意に割り当て可能なマルチファンクションスイッチとされている。また、左ステアリングスイッチ群44Rのうち、左第1タクトスイッチ58におけるスイッチ58A~58Dもマルチファンクションスイッチとされている。本実施形態において、マルチファンクションスイッチに割り当て可能な機能の一例は、オーディオの設定変更機能(電源のオンオフ、送り、戻し、音量、動作モードの切り替えなど)、電話発信機能、エアコンの設定変更機能(温度、風量、吹き出し口、自動モードのオンオフ、内外気切り替えなど)などである。
【0044】
スイッチ管理ECU80は、スイッチ46A~46Dおよびスイッチ58A~58Dの何れかに対し、押下時に実現される機能を割り当てる指示がステアリングスイッチ群44R、44Lなどを介してユーザから入力される度に、入力された指示に応じて機能割り当てテーブル82を更新する。但し、本実施形態において、マルチファンクションスイッチは、デフォルトでは、押下時に実現される機能が未割り当てとなっている。このため、車両70によっては、スイッチ46A~46Dおよびスイッチ58A~58Dの中に、押下時に実現される機能が未割り当てのままとなっているスイッチが存在している。
【0045】
次に本実施形態の作用として、
図6を参照し、車両70のイグニッションスイッチがオンの間、表示制御ECU22によって実行される制御処理について説明する。
【0046】
制御処理のステップ200において、制御部36は、スイッチ群44R、44Lの少なくとも一方の画像をHUD12に表示するか否か判定する。本実施形態では、一例として、スイッチ群44Rの何れかのスイッチがユーザによってタッチされた場合に、スイッチ群44Rの画像をHUD12に表示させる。また、スイッチ群44Lの何れかのスイッチがユーザによってタッチされた場合に、スイッチ群44Lの画像をHUD12に表示させる。
【0047】
このため、スイッチ群44Rおよびスイッチ群44Lの何れのスイッチもタッチされていない場合には、ステップ200の判定が否定されてステップ200に戻り、ステップ200の判定を繰り返す。この場合、HUD12にはスイッチ群44R、44Lの画像は表示されない。一方、スイッチ群44R、44Lの少なくとも一方がタッチされた場合には、ステップ200の判定が肯定されてステップ202へ移行する。この場合、スイッチ群44R、44Lのうちタッチされたスイッチ群44の画像が表示対象に設定される。
【0048】
なお、タッチされたスイッチ群44の画像をHUD12に一旦表示させた後は、タッチが解除されると直ちに前記画像の表示を消去するようにしてもよいし、タッチが解除されてから所定時間が経過したタイミングで前記画像の表示を消去するようにしてもよい。
【0049】
ステップ202において、制御部36は、表示対象のスイッチ群(スイッチ群44R、44Lの少なくとも一方)の各スイッチへの機能割り当て状況を表す情報(機能割り当てテーブル82に登録されている情報)をスイッチ管理ECU80から取得する。
【0050】
ステップ204において、制御部36は、ステップ202で取得した情報に基づいて表示対象のスイッチ群(スイッチ群44R、44Lの少なくとも一方)の画像を生成する。すなわち、まず制御部36は、表示対象のスイッチ群44を模した画像のデータを記憶部28などから読み込む。読み込んだ画像は、この時点では、各スイッチに対応する表示領域にアイコンやテキストなどが描画されていない。
【0051】
次に制御部36は、表示対象のスイッチ群44の各スイッチのうち、押下時に実現される機能が割り当てられているスイッチについて、割り当てられている機能に対応するアイコンおよびテキストの少なくとも一方を、前記スイッチに対応する表示領域に描画する。例として
図7は、表示対象のスイッチ群がスイッチ群44Lであり、スイッチ群44Lのうち下スイッチ58B、上スイッチ60A、下スイッチ60Bおよび左第3タクトスイッチ62について、割り当てられている機能に対応するアイコンが対応する表示領域に描画された状態が示されている。
【0052】
次のステップ206において、制御部36は、表示対象のスイッチ群44の各スイッチの中に、押下時に実現される機能が未割り当てのスイッチが有るか否か判定する。ステップ206の判定が否定された場合はステップ210へ移行する。また、ステップ206の判定が肯定された場合はステップ208へ移行する。
【0053】
ステップ208において、制御部36は、押下時に実現される機能が未割り当てのスイッチに対応する表示領域に第1のシンボル86(
図7参照)を描画する。本実施形態では、第1のシンボル86として、面積が第1所定値以下の円形のシンボルを適用している。例として
図7は、表示対象のスイッチ群がスイッチ群44Lであり、スイッチ群44Lのうち上スイッチ58A、右スイッチ58C、左スイッチ58Dについて、第1のシンボル86が対応する表示領域に描画された状態が示されている。
【0054】
ステップ210において、制御部36は、表示対象のスイッチ群44に設けられた静電センサから、ユーザによる表示対象のスイッチ群44に対するタッチ位置の検出結果を取得する。ステップ212において、制御部36は、ステップ210で取得したタッチ位置の検出結果に基づき、表示対象のスイッチ群44に対してユーザがタッチしているか否かを判定する。ステップ212の判定が否定された場合はステップ216へ移行する。
【0055】
また、ステップ212の判定が肯定された場合はステップ214へ移行する。ステップ214において、制御部36は、タッチ位置に対応する表示領域に第2のシンボル88(
図7参照)を描画する。本実施形態では、第2のシンボル88として、面積が第2所定値以上の円形のシンボル(但し、第2所定値>第1所定値)を適用している。例として
図7は、表示対象のスイッチ群がスイッチ群44Lであり、スイッチ群44Lのうち右スイッチ58Cについて、第2のシンボル88が対応する表示領域に描画された状態が示されている。
【0056】
ステップ216において、制御部36は、上述した処理により生成した画像(表示対象のスイッチ群44を模した画像)を、HUD12に表示させるその他の画像(例えば
図7に示す車速およびシフトポジションを表す画像)と合成する。そして、合成した画像をHUD12に表示させる。ステップ216の処理を行うとステップ200に戻る。
【0057】
上述した制御処理により、ユーザがスイッチ群44Rまたはスイッチ群44Lをタッチすると、タッチしたスイッチ群44を模した画像がHUD12に表示される。この画像は、押下時に実現される機能が未割り当てのスイッチに対応する表示領域に第1のシンボル86が表示されている。これにより、ユーザは、タッチしたスイッチ群44のうち、第1のシンボル86が表示されている表示領域に対応するスイッチが、機能が未割り当てで正常に動作していることを認識することができる。
【0058】
また、HUD12に表示される画像は、ユーザがタッチしているスイッチに対応する表示領域に第2のシンボル88が表示されている。また、ユーザによるタッチ位置が第1スイッチから第2スイッチへ移動すると、第2のシンボル88の表示位置も、第1スイッチに対応する表示領域から第2スイッチに対応する表示領域へ移動する。これにより、ユーザは、タッチ位置に対応するスイッチとその他のスイッチとの距離感を把握することができる。
【0059】
以上説明したように、本実施形態において、制御部36は、押下時に実現される機能を任意に割り当て可能なマルチファンクションスイッチを含むスイッチ群44の画像をHUD12に表示させるにあたり、マルチファンクションスイッチへの機能の割り当て状況を取得し、スイッチ群44の画像のうち機能が未割り当てのマルチファンクションスイッチに対応する表示領域に第1のシンボル86を表示させる。これにより、HUD12に表示された第1のシンボルに基づき、対応するマルチファンクションスイッチが、機能が未割り当てで正常に動作していることをユーザに認識させることができる。
【0060】
また、本実施形態において、制御部36は、スイッチ群44の画像をHUD12に表示させるにあたり、スイッチ群44に設けられユーザによるタッチ位置を検出するタッチセンサから前記タッチ位置を取得し、スイッチ群44の画像のうち取得したタッチ位置に対応するスイッチの表示領域に第2のシンボル88を表示させる。これにより、HUD12に表示されるスイッチ群の画像およびタッチ位置に対応する第2のシンボル88に基づき、タッチ位置に対応するスイッチとその他のスイッチとの距離感をユーザに把握させることができる。
【0061】
また、本実施形態において、スイッチ群44はステアリングホイール76に設けられている。これにより、HUD12に表示されたスイッチ群44の画像を参照することで、ユーザがステアリングホイール76のスイッチ群44へ視線を下げることなく、スイッチ群44を操作することができる。
【0062】
また、本実施形態では、表示装置としてHUD12を適用している。これにより、表示装置がメータディスプレイである場合などと比較して、ユーザがウインドシールド18越しに車両前方を視認している状態から、表示装置に表示された画像を視認する際の視線移動量を小さくすることができる。
【0063】
なお、上記では第1シンボル86を円形とした態様を説明したが、これに限定されるものではなく、第1シンボル86は、例えばN角形(N≧3)、或いは「×」「☆」などの他の形状でもよい。また、第2のシンボル88についても円形に限るものではなく、他の形状でもよい。
【0064】
また、上記では、本開示におけるマルチファンクションスイッチを含むスイッチ群の一例として、ステアリングホイール76に設けられたスイッチ群44を適用した態様を説明したが、これに限定されるものではない。マルチファンクションスイッチを含むスイッチ群は、例えばインストルメントパネル72に設けられたスイッチであってもよい。
【0065】
また、上記では、本開示における表示装置の一例としてHUD12を適用した態様を説明したが、本開示はこれに限定されるものではなく、本開示における表示装置はメータディスプレイなどの他のディスプレイであってもよい。
【0066】
また、上記では、本開示に係る車両用表示制御プログラムの一例である制御プログラム34が記憶部28に予め記憶(インストール)されている態様を説明した。しかし、本開示に係る車両用表示制御プログラムは、HDD、SSD、DVD等の非一時的記録媒体に記録されている形態で提供することも可能である。
【符号の説明】
【0067】
10 車両用表示装置
12 HUD
22 表示制御ECU
34 制御プログラム
36 制御部
44R 右ステアリングスイッチ群
44R 左ステアリングスイッチ群
46A、46B、46C、46D スイッチ
52、54、56 静電センサ
58A、58B、58C、58D スイッチ
64、66、68 静電センサ
76 ステアリングホイール
86 第1のシンボル
88 第2のシンボル