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特許7513037釣銭管理システム、釣銭管理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】釣銭管理システム、釣銭管理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20240101AFI20240702BHJP
   G06Q 10/0631 20230101ALI20240702BHJP
【FI】
G06Q10/08
G06Q10/0631
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021577717
(86)(22)【出願日】2020-02-10
(86)【国際出願番号】 JP2020005051
(87)【国際公開番号】W WO2021161361
(87)【国際公開日】2021-08-19
【審査請求日】2022-07-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】春田 信子
【審査官】松野 広一
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-020582(JP,A)
【文献】特開平07-129859(JP,A)
【文献】特開2016-118876(JP,A)
【文献】国際公開第2016/031374(WO,A1)
【文献】国際公開第02/031720(WO,A1)
【文献】特開2006-260332(JP,A)
【文献】特開2019-040444(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
POSシステムと、
前記POSシステムにおける取引に関するデータ及び釣銭機内の各金種のデータを用い、説明変数を、時間帯毎の各金種の入金数、出金数とし、目的変数を、各金種の入金数、出金数とし、予測モデルが予測式から成り立つものとして、店舗情報、釣銭の金種、各金種の出金・入金情報、購入した商品情報を学習データとして機械学習し、予測モデルを作成し、生成した時間帯毎の各金種の入金数・出金数を予測式に当てはめ分析を行うことで、対象期間における対象店舗毎の各金種の釣銭増減の予測を行う予測分析部と、
前記予測分析部による予測結果を用いるとともに、ロードマップ、配金事業所の所在地の情報、従業員と配送車の情報を取り込み、各金種の配金数及び配金するサイクルを算出する配金算出部と、を備え、
前記配金算出部は、
前記予測結果による前記各金種の釣銭増減の予測から前記配金サイクル毎に対象店舗を分類し、
前記ロードマップおよび前記配金事業所の所在地の情報に応じて配金事業所の所在地を起点としたときの各対象店舗までの距離を算出し、
前記予測結果、前記ロードマップおよび前記配金事業所の所在地の情報に応じて、配金サイクル毎に、配金事業所から近い順にあらかじめ決められた距離、店舗数に応じて配金事業所に担当店舗を割り当て、事業所単位で店舗をリスト化し、
前記従業員と配送車の情報に応じて、前記リスト毎に、配金サイクル毎に事業所を起点として配金するルートを算出する際に、配金日の情報と従業員シフト情報、配車情報をマッチングさせ、配金スケジュールを生成する、
釣銭管理システム。
【請求項2】
前記対象店舗毎の釣銭機の収納容量に関する情報及び前記予測結果から、前記対象店舗毎の釣銭機における釣銭量の上限である第1閾値と釣銭量の下限である第2閾値とを算出する設定部をさらに備える、請求項1に記載の釣銭管理システム。
【請求項3】
前記予測分析部は、対象期間における対象店舗毎の各金種の釣銭増減の予測において、前記POSシステムにおける取引に関するデータに紐付く顧客属性のデータを考慮する、請求項1または2に記載の釣銭管理システム。
【請求項4】
コンピュータまたはシステムが、
POSシステムにおける取引に関するデータ及び釣銭機内の各金種のデータを用い、説明変数を、時間帯毎の各金種の入金数、出金数とし、目的変数を、各金種の入金数、出金数とし、予測モデルが予測式から成り立つものとして、店舗情報、釣銭の金種、各金種の出金・入金情報、購入した商品情報を学習データとして機械学習し、予測モデルを作成し、生成した時間帯毎の各金種の入金数・出金数を予測式に当てはめ分析を行うことで、対象期間における対象店舗毎の各金種の釣銭増減の予測を行う第1のステップと、
前記第1のステップにおける予測結果を用いるとともに、ロードマップ、配金事業所の所在地の情報、従業員と配送車の情報を取り込み、前記予測結果による前記各金種の釣銭増減の予測から配金サイクル毎に対象店舗を分類し、前記ロードマップおよび前記配金事業所の所在地の情報に応じて配金事業所の所在地を起点としたときの各対象店舗までの距離を算出し、前記予測結果、前記ロードマップおよび前記配金事業所の所在地の情報に応じて、配金サイクル毎に、配金事業所から近い順にあらかじめ決められた距離、店舗数に応じて配金事業所に担当店舗を割り当て、事業所単位で店舗をリスト化し、前記従業員と配送車の情報に応じて、前記リスト毎に、配金サイクル毎に事業所を起点として配金するルートを算出する際に、配金日の情報と従業員シフト情報、配車情報をマッチングさせ、各金種の配金数及び配金するサイクルを算出するステップと、を実行する、釣銭管理方法。
【請求項5】
POSシステムにおける取引に関するデータ及び釣銭機内の各金種のデータを用い、説明変数を、時間帯毎の各金種の入金数、出金数とし、目的変数を、各金種の入金数、出金数とし、予測モデルが予測式から成り立つものとして、店舗情報、釣銭の金種、各金種の出金・入金情報、購入した商品情報を学習データとして機械学習し、予測モデルを作成し、生成した時間帯毎の各金種の入金数・出金数を予測式に当てはめ分析を行うことで、対象期間における対象店舗毎の各金種の釣銭増減の予測を行う第1のステップと、
前記第1のステップにおける予測結果を用いるとともに、ロードマップ、配金事業所の所在地の情報、従業員と配送車の情報を取り込み、前記予測結果による前記各金種の釣銭増減の予測から配金サイクル毎に対象店舗を分類し、前記ロードマップおよび前記配金事業所の所在地の情報に応じて配金事業所の所在地を起点としたときの各対象店舗までの距離を算出し、前記予測結果、前記ロードマップおよび前記配金事業所の所在地の情報に応じて、配金サイクル毎に、配金事業所から近い順にあらかじめ決められた距離、店舗数に応じて配金事業所に担当店舗を割り当て、事業所単位で店舗をリスト化し、前記従業員と配送車の情報に応じて、前記リスト毎に、配金サイクル毎に事業所を起点として配金するルートを算出する際に、配金日の情報と従業員シフト情報、配車情報をマッチングさせ、各金種の配金数を算出するステップと、をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、釣銭管理システム、釣銭管理方法及びコンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
リテール・飲食業において店舗に設置されたレジ(POSレジ)の釣銭機に準備しておく釣銭(金種)準備金は、営業本部や店舗運営者(店長等)が、過去の傾向や経験や勘等から、各自の裁量で準備している。しかし、店舗営業中に釣銭が過剰又は不足の事態となる頻度が高い。対策として、従業員は不足する事態に陥る前に、常に、レジの釣銭機等に表示される各金種の残枚数や釣銭機の中身を確認しながら不足時期を推測し、その推測を元に不足になる前に店舗の責任者が個別に両替の判断を行っている。
【0003】
両替の判断後、店舗責任者又は従業員はレジから1万円札等のお金を出金し銀行等にて両替を行い、釣銭が不足とならないように対処している。しかしながら、不足を予測し両替を行っても必ずしも両替した金種を使うとは限らず、不必要(利用されない)になることもある。また、逆に過剰(レジから現金が溢れる)になりそうな場合は、釣銭機内の状況の目視や、レジの釣銭機からのアラーム等により、対象の金種をレジの釣銭機から出金し、売上金が回収されるまで金庫に入庫する作業を実施している。上記の両替・入庫作業は、従業員の人手や両替手数料が発生する。また、本来業務外の余計な作業となる。また、余剰金を店舗に置くことになりセキュリティリスクが高くなる。さらに、余計な現金があることにより、準備金を借入している店舗の場合は利息を余計に払うことになり、自己資金で運用している店舗は、本来投資にかけられるべき資金を利用できないという問題もあった。
【0004】
このようなことから、レジの釣銭機への釣銭の補充量を予測するシステムが検討されている。特許文献1には、店舗における取引毎、釣銭金種毎の紙幣又は貨幣の入出数及び毎日の最終釣銭在庫数を含む貨紙幣データをデータベースに蓄積しておき、蓄積されたデータに基づいて適正な補充釣銭数の予測演算を行うシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2013-020582号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載のシステムでは、基本的には釣銭の補充量の予測を行うのみである。しかしながら、釣銭の補充量が予測できても、釣銭の補充が必要なときに釣銭の準備金が店舗に配金されてくるとは限らない。また、釣銭の補充が不必要なときに釣銭の準備金が店舗に配金されてきてしまう場合も起こりうる。こういったことから、釣銭の準備金を配金する適切なサイクルを予測することが望まれている。
【0007】
本開示の目的は、上述した課題を鑑み、各金種の配金数及び配金するサイクルを適切に算出することができる釣銭管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様に係る釣銭管理システムは、POSシステムと、前記POSシステムにおける取引に関するデータ及び釣銭機内の各金種のデータを用いて、対象期間における対象店舗毎の各金種の釣銭増減の予測を行う予測分析部と、前記予測分析部による予測結果を用いて各金種の配金数及び配金するサイクルを算出する配金算出部と、を備える。
【0009】
本発明の第2の態様に係る釣銭管理方法は、POSシステムにおける取引に関するデータ及び釣銭機内の各金種のデータを用いて、対象期間における対象店舗毎の各金種の釣銭増減の予測を行う第1のステップと、前記第1のステップにおける予測結果を用いて各金種の配金数を算出するステップと、を備える。
【0010】
本発明の第3の態様に係る非一時的なコンピュータ可読媒体は、POSシステムにおける取引に関するデータ及び釣銭機内の各金種のデータを用いて、対象期間における対象店舗毎の各金種の釣銭増減の予測を行う第1のステップと、前記第1のステップにおける予測結果を用いて各金種の配金数を算出するステップと、をコンピュータに実行させるプログラムが格納されている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、各金種の配金数及び配金するサイクルを適切に算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施の形態1に係る釣銭管理システムの構成を示すブロック図である。
図2】実施の形態2に係る釣銭管理システムの構成を示すブロック図である。
図3】実施の形態2に係る釣銭管理システムの処理の流れを示すフローチャートである。
図4】実施の形態2に係る釣銭管理システムの処理の流れを示すフローチャートである。
図5】スケジュール表の一例について示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
【0014】
[実施の形態1]
以下、実施の形態1について説明する。
図1は、実施の形態1に係る釣銭管理システム200の構成を示すブロック図である。図1に示すように、釣銭管理システム200は、POSシステム201と、予測分析部204と、配金算出部212と、を備える。予測分析部204は、POSシステム201における取引に関するデータ及び釣銭機内の各金種のデータを用いて、対象期間における対象店舗毎の各金種の釣銭増減の予測を行う。配金算出部212は、予測分析部204による予測結果を用いて各金種の配金数及び配金するサイクルを算出する。
【0015】
このようにすることで、各金種の配金数及び配金するサイクルを適切に算出することができる。
【0016】
[実施の形態2]
以下、実施の形態2について説明する。
まず、実施の形態2にかかるに係る釣銭管理システム100の構成例について説明する。釣銭管理システム100は釣銭に関わる店舗運営を効率化するためのものである。図2は、実施の形態2に係る釣銭管理システム100の構成を示すブロック図である。図2に示すように、釣銭管理システム100は、POSシステム1、予測分析部4、予測結果出力部7、配信部10、配金算出部12、出力部20を有する。
【0017】
POSシステム1は、店舗の売上の管理や分析などを行うシステムであるが、ここでは主に釣銭の準備金の配金に関わる部分について説明する。POSシステム1は、データ抽出部2と、設定部3と、を含む。データ抽出部2には、POSシステム1で取り引きした売上等のデータ(POS関連データ)や釣銭機内の各金種の取引時の様々なデータ(釣銭関連データ)が蓄積される。
【0018】
ここで、POS関連データは、購入商品、購入日時、購入金額、購入場所、来店人数などである。釣銭関連データは、会計日時、会計時に支払った金種毎の数、受け取った釣銭の金種毎の数等である。なお、会計時にポイントカードを使用した場合、釣銭関連データは、ポイントカードの顧客情報(性別、年齢、購入回数、購入商品等)を元に作り出した店舗毎のペルソナデータからカテゴライズした各釣銭の入金・出金の重み付け情報である。POSシステム1は、外部システム900と連携している。外部システム900は、例えば、ポイントカード情報管理システムである。POSシステム1では、顧客属性のデータを外部システム900から取得してデータ抽出部2に蓄積する。外部システム900がポイントカード管理システムである場合、データ抽出部2には、POSシステム1で使用したポイントカードに紐付けられた顧客属性データが蓄積される。
【0019】
設定部3は、対象店舗毎の釣銭機の収納容量に関する情報及び後述する予測分析部4の予測結果から、第1閾値と第2閾値とを動的に算出する。ここで、第1閾値は対象店舗毎の釣銭機における釣銭量の上限(釣銭溢れになるおそれのある釣銭量)であり、第2閾値は釣銭量の下限(釣銭不足になるおそれのある釣銭量)である。対象店舗毎の釣銭機の収納容量に関する情報は、後述する配信部10から受け取る。POSシステム1は、釣銭量が、第1閾値を超えたとき、もしくは、第2閾値を下回ったときにアラームを発するようにする。
【0020】
予測分析部4は、POSシステム1における取引に関するデータ及び釣銭機内の各金種のデータを用いて、対象期間における対象店舗毎の各金種の釣銭増減の予測を行うもので、データ収集/加工部5と、予測部6と、を含む。データ収集/加工部5は、POSシステム1からPOS関連データ及び釣銭関連データを定期的に収集し、分析用のデータに加工する。ここで、分析用データとは、例えばポイントカードの顧客情報を元に作られた各店舗のペルソナデータを含む、予測部6で分析可能なデータである。予測部6は、加工された分析可能なデータを用いて、対象期間における対象店舗毎の各金種の釣銭増減の予測を行う。
【0021】
データ収集/加工部5においてポイントカード情報からペルソナデータを作成し、それを用いて予測部6で分析を行うと、対象店舗毎に、各時間帯、各曜日に来店する人の特徴が浮き彫りになり、会計の傾向が詳細に分かる。例えば、オフィス街のある店舗の平日お昼のペルソナデータより、客層として30代のサラリーマンが多いこと、彼らがお昼にボリュームがあってリーズナブルなものを頼む傾向があり、かつ、会計において小銭を出さない傾向があることが分かったとする。ここで言うリーズナブルなものとは、税抜き価格で500~600円前後のランチセットで、小銭とは50円、10円、1円である。この店舗では、昼時には、50円、10円、1円が釣銭として他店舗よりも多く出金すると予測される。このように、ポイントカード情報から作成したペルソナデータを用いると、対象期間における対象店舗毎の各金種の釣銭増減の予測精度が向上すると考えられる。
【0022】
予測結果出力部7は、予測結果を出力先に合わせて集計・加工するもので、集計部8と、加工部9と、を含む。集計部8は、出力された予測結果データに対して各配信先単位に集計を行う。加工部9は、集計が行われた後の予測結果データを各配信先に合わせた形に加工を行う。
【0023】
配信部10は、出力されたデータを配信先に配信するもので、配信設定機能部11を含む。配信設定機能部11は、配信先と配信サイクルの設定を行う。配信部10は、配信設定機能部11における設定に沿って各配信先に送付する。
【0024】
配金算出部12は、データ取込部13と、データ部14と、配金計画生成部17と、を含む。
【0025】
データ取込部13は、予測結果データを取り込むとともに、データ部14と各種データのやりとりを行う。データ部14には、データとして、配金するルート(以下、「配金ルート」という)を算出するための地図情報15、従業員のシフト及び配車を行うためのシフト情報16(従業員情報や配送車の情報等)が蓄積されている。データ取込部13は、データ部14から地図情報15とシフト情報16を取得し、予測結果データとともに配金計画生成部17に送付する。
【0026】
配金計画生成部17は、演算部18と、生成部19と、を含む。演算部18は、予測分析部4による予測結果を用いて各金種の配金数及び配金するサイクル(以下、「配金サイクル」という)を算出する。また、演算部18は、予測結果及び対象店舗が掲載された地図情報を用いて配金ルートの算出を行うようにしてもよい。さらに、演算部18は、予測結果及び従業員と配送車の情報を用いて、配金業務における従業員のシフト及び配車の算出を行うようにしてもよい。生成部19は、演算部18における最適な配金数・配金サイクル・配金ルート・従業員のシフト及び配車に関する情報を用いて配金計画書データを生成し、当該配金計画書データを出力部20に送る。
【0027】
出力部20は、生成部19より送られてきた配金計画書データを出力するもので、出力設定機能部21を含む。出力設定機能部21は、配金先(配金事業者別等)や計画書を閲覧する形式等の設定を行う。出力部20では、出力設定機能部21における設定を元に、配金計画書データを、出力先のスマートフォーンやディスプレイ等に合わせて成形し、出力する。
【0028】
次に、釣銭管理システム100の処理の流れについて説明する。なお、以下の説明では図2についても適宜参照する
【0029】
図3及び図4は、釣銭管理システム100の処理の流れを示すフローチャートである。図3に示すように、まず、POSシステム1では、設定部3において、データの抽出条件の設定が完了したか否かを判定する(ステップS1)。ここでは、抽出条件とは、分析に利用するデータの対象店舗、ポイントカードに紐づく顧客情報、期間の指定、項目、目的変数(予測したい変数)対象、説明変数(目的変数を説明する変数)対象などである。完了している場合(YES)、処理をステップS2に進め、完了していない場合(NO)、すなわち他に抽出条件がまだある場合にはステップS1の処理を繰り返す。
【0030】
続いて、予測分析部4のデータ収集/加工部5において、POSシステム1のデータ抽出部2で抽出されたPOS関連データ及び釣銭関連データを取り込む(ステップS2)。続いて、データ収集/加工部5において取り込まれたPOS関連データ及び釣銭関連データをマージし、分析用データに加工する(ステップS3)。なお、POS関連情報からは、店舗毎のペルソナデータを作成し、釣銭関連情報からは、1時間単位の会計回数、入金数・出金数のカウント等を行う。また、ペルソナデータは、顧客の来店傾向(時間帯、回数、来店曜日)、年齢、性別、購入商品などに基づき機械学習等によって生成される。
【0031】
ステップS3に続いて、予測分析部4の予測部6において、分析用データから、釣銭増減の予測を実行する(ステップS4)。なお、釣銭増減の予測は、汎用分析ツールのSAP(SAP for Business Analytics)、SPSS(IBM SPSS statistics)などを用い、分析用に加工でされたデータ(店舗情報、釣銭の金種、各金種の出金・入金情報、購入した商品情報等)を学習データとして、機械学習(回帰分析等)を行い、予測モデルを作成する。予測モデルは予測式などから成り立ち、目的変数である各金種の入金数・出金数は、過去の店舗の入出金情報などから生成した説明変数(説明変数:時間帯毎の各金種の入金数・出金数)を予測式にあてはめ分析を行い、各店舗における各金種の入金数・出金数を予測する。
【0032】
ステップS4に続いて、予測結果出力部7において、予測されたデータ(予測結果データ)を店舗毎に集計する(ステップS5)。すなわち、ステップS5では、予測結果データに店舗情報、釣銭機の機器情報(釣銭収納容量の情報を含む)等を付与し、店舗毎にマージする。
【0033】
ステップS5に続いて、予測結果出力部7の加工部9において、釣銭機の機器情報に基づきデータを配信するサイクル(配信サイクル)を算出する(ステップS6)。続いて、加工部9において、店舗毎に集計された予測結果データを店舗毎に配金算出部12に配信するためのデータに加工する(ステップS7)。
【0034】
また、ステップS5に続いて、加工部9において、釣銭機の機器情報に基づき、上述したアラームの閾値(第1閾値及び第2閾値)を算出する(ステップS8)。続いて、加工部9において、アラームの閾値の計算結果を、POSシステム1に配信するためのデータに加工する(ステップS9)。
【0035】
ステップS7とステップS9の処理が終了した後、配信部10の配信設定機能部11において、配信先が設定されたか否かを判断する(ステップS10)。具体的には、配金算出部12に配信用のデータの配信先、POSシステム1に配信用いるデータの配信先を店舗毎、POS毎にそれぞれに配信あり/なしを設定する。配信先が設定された場合(YES)、処理をステップS12に進め、配信先が設定されていない場合(NO)、すなわち、他に設定がまだある場合にはステップS10の処理を繰り返す。続いて、配信部10において、ステップS10で設定した内容に基づき、配金算出部12又はPOSシステム1にデータを配信する(ステップS12)。
【0036】
ステップS12に続いて、図4に示すように、POSシステム1の設定部3では、受信した閾値データ内容に基づき、各金種のアラームの閾値を自動設定する(ステップS13)。なお、POSシステム1でのアラームの閾値の設定に関する処理はここで終了する。
【0037】
また、ステップS12に続いて、図4に示すように、配金算出部12では、データ取込部13において集計データを取り込む(ステップS14)。続いて、データ取込部13において、データ部14から、ロードマップや配金事業所の所在地などの情報(地図情報)、従業員や配送車の情報(シフト情報)を取り込む(ステップS15)。続いて、配金計画生成部17の演算部18において、配金サイクル毎に対象店舗を分類するとともに、配金事業所の所在地を起点としたときの各対象店舗までの距離を算出する(ステップS16)。
【0038】
続いて、配金計画生成部17の演算部18において、配金事業所単位で配金店舗リストを生成する(ステップS17)。すなわち、ステップS17では、配金サイクル毎に、配金事業所から近い順にあらかじめ決められた距離、店舗数に応じて配金事業所に担当店舗を割り当て、事業所単位で店舗をリスト化する。続いて、演算部18において、リスト毎に、配金サイクル毎に事業所を起点とし、効率的に配金するルートを算出する(ステップS18)。
【0039】
ステップS18に続いて、配金計画生成部17の生成部19において、地図上に店舗とルートをマッピングする(ステップS19)。続いて、生成部19において、従業員や配送車の情報(シフト情報)をマッチングする(ステップS20)。すなわち、ステップS20では、店舗毎に金種毎の配金数一覧(予測結果データ)と配金ルート情報に配金日の情報を付与する。続いて、生成部19において、配金店舗リストとサイクルから配金スケジュールを生成する(ステップS21)。すなわち、ステップS21では、ステップS20の配金日の情報と従業員シフト情報、配車情報をマッチングさせ、さらに各配金日の担当者、車番号情報を付与した配金スケジュールを生成する。なお、配金スケジュールには準備する配金数の情報も含まれる。
【0040】
ステップ21に続いて、生成部19において、ステップS21の配金スケジュールのデータとステップS19でルートをマッピングした地図情報とを合わせて、スケジュール表を生成する(ステップS22)。なお、スケジュール表の例については後述する。続いて、出力部20の出力設定機能部21において、出力設定が完了したか否か判断する(ステップS23)。ここで、出力設定では、PHONE、TAB、ディスプレイ、紙等の出力先を設定する。ステップS23で出力設定を完了した場合(YES)、処理を終了し、ステップS23で出力設定を完了していない場合(NO)、ステップS23の処理を繰り返す。
【0041】
図5は、スケジュール表の一例について示す模式図である。図5に示すように、配金日、配車番号、配車の担当者が記載され、一覧表には、店舗名毎に、配金箱の識別番号、各金種の配金数が記載されている。さらに、スケジュール表には配金のルートマップが示されている。
【0042】
以上より、予測分析部4において、POSシステム1における取引に関するデータ及び釣銭機内の各金種のデータを用いて、対象期間における対象店舗毎の各金種の釣銭増減の予測を行う。そして、配金算出部12において、予測分析部4による予測結果を用いて各金種の配金数及び配金するサイクルを算出する。このようにすることで、これまでのように営業本部や店舗運営者の今まで過去の傾向や勘などに頼ることなく、過不足なく釣銭の準備金を配金することが可能となるように各金種の配金数及び配金サイクルを適切に決めることができる。
【0043】
上述の実施の形態では、本発明をハードウェアの構成として説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明は、各処理を、CPU(Central Processing Unit)にプログラムを実行させることにより実現することも可能である。
【0044】
上述の認識カメラ調整方法を実現するためのプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory)を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0045】
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記によって限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0046】
1、201 POSシステム
2 データ抽出部
3 設定部
4、204 予測分析部
5 データ収集/加工部
6 予測部
7 予測結果出力部
8 集計部
9 加工部
10 配信部
11 配信設定機能部
12、212 配金算出部
13 データ取込部
14 データ部
15 地図情報
16 シフト情報
17 配金計画生成部
18 演算部
19 生成部
20出力部
21 出力設定機能部
100、200 釣銭管理システム
900 外部システム
図1
図2
図3
図4
図5