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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】アクセル装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 26/02 20060101AFI20240702BHJP
【FI】
B60K26/02
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2022095374
(22)【出願日】2022-06-14
(62)【分割の表示】P 2018237836の分割
【原出願日】2018-12-20
(65)【公開番号】P2022111389
(43)【公開日】2022-07-29
【審査請求日】2022-06-14
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】北 卓人
(72)【発明者】
【氏名】大雄 康弘
【審査官】結城 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-73144(JP,A)
【文献】特開2018-75912(JP,A)
【文献】特許第5273717(JP,B2)
【文献】米国特許第7908939(US,B2)
【文献】米国特許第7717012(US,B2)
【文献】桜庭智裕,根布谷秀人,加藤輝男,阿部智章,“樹脂オルガンタイプアクセルペダルの開発”,Honda R&D Technical Review,日本,株式会社本田技術研究所,2003年10月,Vol.15,No.2,pp.189-194,ISSN 0915-3918
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 26/02,
G05G 1/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オルガン構造タイプのアクセル装置(100)であって、
運転者によって踏み込まれるように構成されたパッド(200)と、
車体に取付可能なケース(300,600)と、
前記ケースに収容された内部可動機構(400)と、
前記ケースの外壁面(310)に設けられた開口部(312)を貫通した状態で前記パッドと前記内部可動機構とを連結するアーム(500)と、
を備え、
前記アームは、前記開口部の内壁面(312i)に対向する位置に凹部の無い側面(520)を有し、
前記アームは内部に空洞(530)を有し、前記空洞は、前記開口部の内壁面に対向する前記側面に到達せず前記アームの内部のみに形成されており、
前記空洞は、前記アームの内部において複数個に分割された状態で設けられている、アクセル装置。
【請求項2】
オルガン構造タイプのアクセル装置(100)であって、
運転者によって踏み込まれるように構成されたパッド(200)と、
車体に取付可能なケース(300,600)と、
前記ケースに収容された内部可動機構(400)と、
前記ケースの外壁面(310)に設けられた開口部(312)を貫通した状態で前記パッドと前記内部可動機構とを連結するアーム(500)と、
を備え、
前記アームは、前記開口部の内壁面(312i)に対向する位置に凹部の無い側面(520)を有し、
前記アームは内部に空洞(530)を有し、前記空洞は、前記開口部の内壁面に対向する前記側面に到達しないように構成されており、
前記空洞は、前記アームの内部において複数個に分割された状態で設けられている、アクセル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両のアクセル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、オルガン構造タイプのアクセル装置が開示されている。このアクセル装置は、車室の車体フロアに固定され、運転者のアクセル踏込量を検出する。このオルガン構造タイプのアクセル装置は、運転者が踏み込むパッドと、ケース内に収容されたペダルとを有し、ケースの開口部を通過するアームによってパッドとペダルとが連結されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】ドイツ特許出願公開第102009032664号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術では、開口部に異物が噛み込み易いという課題がある。また、アームの側面に溝が形成されているので、その溝と開口部の間に異物が溜まり易いという課題がある。そこで、これらの課題の少なくとも一部を解決することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1の形態によるオルガン構造タイプのアクセル装置(100)は、運転者によって踏み込まれるように構成されたパッド(200)と、車体に取付可能なケース(300,600)と、前記ケースに収容された内部可動機構(400)と、前記ケースの外壁面(310)に設けられた開口部(312)を貫通した状態で前記パッドと前記内部可動機構とを連結するアーム(500)と、を備え、前記アームは、前記開口部の内壁面(312i)に対向する位置に凹部の無い側面(520)を有し、前記アームは内部に空洞(530)を有する。一形態では、前記空洞は、前記開口部の内壁面に対向する前記側面に到達せず前記アームの内部のみに形成されている。他の形態では、前記空洞は、前記アームの内部において複数個に分割された状態で設けられている。
【0006】
第1の形態のアクセル装置によれば、アームの側面に凹部が設けられていないので、異物が開口部に挟まった場合にも、アクセル操作を行うことにより、異物がケースの内部側に動いて開口部からケースの内部に払い出される。従って、異物が開口部に溜まり難い構造とすることが可能である。
【0007】
本開示の第2の形態によれば、オルガン構造タイプのアクセル装置(100)が提供される。このアクセル装置は、運転者によって踏み込まれるように構成されたパッド(200)と、車体に取付可能なケース(300,600)と、前記ケースに収容された内部可動機構(400)と、前記ケースの外壁面(310)に設けられた開口部(312)を貫通した状態で前記パッドと前記内部可動機構とを連結するアーム(500)と、を備え、前記開口部の全周を囲い前記パッドの方向に突出する突出部(314,624)が設けられている。
【0008】
第2の形態のアクセル装置によれば、開口部の全周に突出部が設けられているので、開口部とアームの隙間から異物がケース内部に侵入し難い構造とすることが可能である。
【0009】
本開示の第3の形態によるオルガン構造タイプのアクセル装置(100)は、運転者によって踏み込まれるように構成されたパッド(200)と、車体に取付可能なケース(300,600)と、前記ケースに収容された内部可動機構(400)と、前記ケースの外壁面(310)に設けられた開口部(312)を貫通した状態で前記パッドと前記内部可動機構とを連結するアーム(500)と、を備え、前記ケースを前記パッドの側から見たときに、前記外壁面は、前記開口部の周縁の上側部分を構成し前記パッドに対向する上側周縁面(314up)を有し、前記アクセル装置は、前記上側周縁面と前記アームの側面(520)との成す角度(θ0)が90度以上になるように構成されている。
【0010】
第3の形態のアクセル装置によれば、開口部に近づく異物が開口部の上側周縁面とアーム側面に当たり跳ね返るので、開口部とアームの隙間から異物がケース内部に侵入し難い構造とすることが可能である。
【0011】
本開示の第4の形態によるオルガン構造タイプのアクセル装置(100)は、運転者によって踏み込まれるように構成されたパッド(200)と、車体に取付可能なケース(300,600)と、前記ケースに収容された内部可動機構(400)と、前記ケースの外壁面(310)に設けられた開口部(312)を貫通した状態で前記パッドと前記内部可動機構とを連結するアーム(500)と、を備え、前記アームの側面(520)に対向する前記開口部の内壁面(312i)は、前記内壁面と前記アームの側面との間の隙間が前記ケースの内部に向かって拡大するように構成されている。
【0012】
第4の形態のアクセル装置によれば、異物が開口部に挟まった場合にも、アクセル操作を行うことにより、異物がケースの内部側に動いて開口部からケースの内部に払い出されるので、異物が開口部に溜まり難い構造とすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態のアクセル装置の側面図。
図2】カバーを外した状態のアクセル装置の側面図。
図3】カバーを外した状態のアクセル装置の斜視図。
図4】ペダルの斜視図。
図5】アクセル全閉状態を示す側面図。
図6】アクセル全開状態を示す側面図。
図7図1の7-7断面図。
図8図7の8-8断面図。
図9図7の9-9断面図。
図10A】開口部を囲う突出部の上側面に関する第1構造例を示す図。
図10B】開口部を囲う突出部の上側面に関する第2構造例を示す図。
図11A】内部に空洞を有するアームの第1構造例を示す図。
図11B】内部に空洞を有するアームの第1構造例の断面図。
図12A】内部に空洞を有するアームの第2構造例を示す図。
図12B】内部に空洞を有するアームの第3構造例の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
A. アクセル装置の全体構成:
図1図3に示すように、アクセル装置100は、車両の車体の一部を構成するフロアパネルFPに取り付け可能に構成されている。図1において、x軸方向は車両の進行方向を示し、y軸方向は車両の幅方向を示し、z軸方向は鉛直上方向を示す。後述する他の図におけるx,y,z軸の方向も、図1と同じ方向を示している。以下で説明するアクセル装置100の構造や配置の説明は、特に断らない限り、アクセル装置100が車体に設置された設置状態における構造や配置を意味している。例えば、「上方」や「上側」という語句は、アクセル装置100が車体に設置された設置状態における上方や上側を意味している。他の用語や説明も同様である。
【0015】
アクセル装置100は、運転者によって踏み込まれるように構成されたパッド200と、車体に取付可能なケース300と、ケース300内に収容された内部可動機構400と、ケース300の外壁面に設けられた開口部312を貫通した状態でパッド200と内部可動機構400とを連結するアーム500とを備える。開口部312は、「貫通孔312」と呼ぶこともできる。このように、ケース300の運転者側に設けられたパッド200とケース300に収容された内部可動機構400とをアーム500で連結した構造を有するアクセル装置100は、「オルガン構造タイプ」のアクセル装置と呼ばれている。
【0016】
パッド200は、運転者によって踏み込まれるように構成されており、その側面には板状の側面ガード部210が設けられている。パッド200の下端は、ケース300の下端に設けられた支点部材220によって支持されており、パッド200は支点部材220との接点を中心として回動可能である。側面ガード部210は、運転者の足がパッド200とケース300の間に挟み込まれないように、パッド200とケース300の間の隙間をガードする部材である。
【0017】
ケース300は、図2に示すように、内部収容空間SPを囲う収容壁として、パッド200に対向する前面壁310と、前面壁310に対向する背面壁320と、前面壁310と背面壁320の間の一方の側面を構成する開放側面330と、開放側面330と対向する側面壁340と、内部収容空間SPの上端を規定する上面壁350と、上面壁350と対向する下面壁360とを有する。開放側面330は壁面では無いので、厳密に言えば、開放側面330以外の壁310,320,340~360が内部収容空間SPを囲う収容壁として機能している。開放側面330は、図1に示すように、第1カバー部610と第2カバー部620で構成されるカバー600によって覆われて閉鎖される。本実施形態では、第1カバー部610と第2カバー部620は別体として構成されているが、これらを一体として構成してもよい。カバー600は、ケース300の内部収容空間SPの壁面を構成するので、ケース300の一部と考えることも可能である。本明細書において、広義の「ケース」は、ケース本体に相当するケース300と、カバー600とによって構成される。
【0018】
ケース300のパッド200と対向する外壁面には、アーム500を通過させる開口部312と、全開ストッパ390とが設けられている。全開ストッパ390は、パッド200が一杯に踏み込まれたときにパッド200に接することによってアクセル全開位置を規制する部材である。アクセル全開位置は、アクセル開度が100%となるように設定される位置である。全開ストッパ390の位置や構造については更に後述する。
【0019】
全開ストッパ390の更に上方にあるケース300の外壁面には、キックダウンスイッチ120が設置されている。キックダウンスイッチ120は、運転者がパッド200を強く踏み込むことによって一気にギアをシフトダウンさせる動作である「キックダウン」を検出するためのスイッチである。ケース300の最上部には、キックダウンスイッチ120を収容する収容室370が形成されている。図3では、収容室370からキックダウンスイッチ120が取り外された状態が示されている。
【0020】
図2に示すように、ケース300の背面壁320の内面には、背面壁320から前面壁310に向けて斜め上方に延びる板状の衝立部324が設けられている。衝立部324は、ケース300の開口部312から浸入してきた水が鉛直方向に落下したときに付勢部材430に直接到達しないように、付勢部材430の設置位置を避けた経路に水を導く機能を有している。
【0021】
内部可動機構400は、図2に示すように、ケース300に回転可能に支持されるシャフト410と、シャフト410の外周部から斜め上方に延びるペダル420と、ペダル420の下方に収容されてアクセル全閉状態となる方向にペダル420に力を加える付勢部材430と、を含んでいる。本実施形態では、付勢部材430は圧縮バネであるが、引張バネやねじりバネなどの他の種類の付勢部材を用いて、アクセル全閉状態となる方向にペダル420に力を加えるようにしてもよい。なお、付勢部材として引張バネを用いる場合にはペダル420の上方に付勢部材が設けられ、ねじりバネを用いる場合にはペダル420の中心軸まわりに付勢部材が設けられる。図1に示すように、第1カバー部610は、シャフト410の側面部分に相当するケース300の開放側面330の下方部分を覆っている。第2カバー部620は、第1カバー部610よりも上方にある開放側面330の上方部分を覆っている。
【0022】
シャフト410の外側には、図1に示すように、シャフト410の回転角度に応じたアクセル開度信号を生成するアクセル開度センサ110が設けられている。本実施形態では、アクセル開度センサ110は、シャフト410に埋め込まれた永久磁石の向きを検出するホール素子を含む検出回路を備えている。但し、これ以外の種々のタイプのアクセル開度センサを用いることも可能である。
【0023】
図4に示すように、ペダル420は、シャフト410が挿入されるシリンダ部424と、シリンダ部424から斜め上方に延びるペダル延長部426とを有する。シリンダ部424からのペダル延長部426の分岐点を「ペダル420の根元」とも呼ぶ。ペダル延長部426の先端付近には、アーム500の先端部と係合する係合孔428が設けられている。ペダル延長部426の上面には、全閉ストッパ422がペダル延長部426の上面から突出するように設けられている。全閉ストッパ422は、ケース300の前面壁310の内面に接することによってアクセル全閉位置を規制する部材である。
【0024】
図5に示すように、アクセル全閉状態では、ペダル420の全閉ストッパ422がケース300の前面壁310の内面に当接する。図6に示すように、アクセル全開状態では、ケース300の前面壁310の外面に設けられた全開ストッパ390がパッド200に当接する。
【0025】
アクセル装置100の構成要素のうち、シャフト410と付勢部材430のバネ以外の要素は、樹脂で形成することが可能である。なお、上述したアクセル装置100の全体構成は一例であり、その一部を任意に省略することが可能である。例えば、側面ガード部210や衝立部324は省略してもよい。
【0026】
B. 開口部周辺の各種の構造例:
図7図9に示すように、ケース300の開口部312には、開口部312の全周を囲いパッド200の方向に突出する突出部314,624が設けられている。図7に示すように、開口部312の周囲の4辺のうちの3辺に沿ってケース300の突出部314が形成されており、他の一辺に沿って第2カバー部620の突出部624が形成されている。前述したように、第2カバー部620を含むカバー600は広義の「ケース」を構成するので、開口部312の全周は、広義のケースの突出部314,624によって囲われている。図8に示すように、突出部314は、前面壁310の外面から高さH314だけ突出している。図9に示すように、突出部624は、前面壁310の外面から高さH624だけ突出している。これらの高さH314,H624は、同じ値とすることが好ましい。このように、開口部312の周囲に突出部314,624を設けるようにすれば、開口部312とアーム500の隙間から異物がケース内部に侵入し難い構造とすることが可能である。
【0027】
図7は、突出部314,624をパッド200の側から見たものに相当する。このとき、ケース300の突出部314は、突出部314の上側の面を構成する上側面314usを有する。図7の例において、上側面314usは、左側に傾斜する傾斜部として構成されている。但し、上側面314usを、右側に傾斜する傾斜部として構成してもよく、或いは、左右に傾斜しない面として構成してもよい。
【0028】
図10Aに示す他の構造例では、突出部314の上側面314usは、左側に傾斜する傾斜部と右側に傾斜する傾斜部の両方を有している。図10Bに示す更に他の構造例では、突出部314の上側面314usは、上に凸の曲面を有している。このような曲面状の上側面314usの構造も、図10Aと同様に、左側に傾斜する傾斜部と右側に傾斜する傾斜部の両方を有しているものと考えることが可能である。
【0029】
図7図10A及び図10Bの例から理解できるように、突出部314の上側面314usは、右側又は左側に傾斜する傾斜部を有するように構成することが好ましい。こうすれば、異物を開口部312の上側面314usの傾斜部に沿って下方に導くことができるので、開口部312とアーム500の隙間から異物が進入し難い構造とすることが可能である。
【0030】
図8に示すように、ケース300をパッド200の側から見たときに、ケース300の外壁面は、開口部312の周縁の上側部分を構成しパッド200に対向する上側周縁面314upを有する。図8の例では、上側周縁面314upは、開口部312の周囲の突出部314の表面に相当する。但し、突出部314を省略し、前面壁310の外面によって開口部312の上側周縁面を構成するようにしてもよい。
【0031】
上側周縁面314upは、上側周縁面314upとアーム500の側面520との成す角度θ0が90度以上になるように構成されていることが好ましい。こうすれば、開口部312に近づく異物が開口部312の上側周縁面314upとアーム500の側面520に当たって跳ね返るので、開口部312とアーム500の隙間から異物がケース300の内部に侵入し難い構造とすることが可能である。なお、この角度θ0は、アクセル全閉状態からアクセル全開状態に至る全可動範囲において90度以上になるように構成されていることが好ましい。また、角度θ0は、90度を超える角度とすることが更に好ましく、100度以上140度以下の範囲とすることが最も好ましい。
【0032】
図8及び図9には、アーム500の側面520に対向する開口部312の内壁面312iも示されている。開口部312の内壁面312iは、アーム500の側面520との間の隙間がケース300の内部に向かって拡大するように構成されている好ましい。図8及び図9の例では、開口部312の内壁面312iとアーム500の側面520との成す角度θ1~θ4が0度を超えており、開口部312の内壁面312iとアーム500の側面520との隙間がケース300の内部に向かって拡大することが示されている。このような構造を採用すれば、異物が開口部312に挟まった場合にも、アクセル操作を行うことにより、異物がケース300の内部側に動いて開口部312からケース300の内部に払い出される。この結果、異物が開口部312に溜まり難い構造とすることが可能である。
【0033】
なお、アクセル全閉状態からアクセル全開状態に至る全可動範囲において、開口部312の内壁面312iとアーム500の側面520との間の隙間がケース300の内部に向かって拡大するように構成されていることが好ましい。
【0034】
更に、図8及び図9に示されているように、アーム500は、開口部312の内壁面312iに対向する位置に、凹部の無い側面520を有するように構成されていることが好ましい。アーム500の側面520に凹部が設けられていない構造を採用すれば、異物がアーム500の側面520に溜まらず、アクセル操作を行うことにより、アーム500がケース300の内部に動いた場合にも、異物がケース300の内部に侵入し難い構造とすることが可能である。
【0035】
図11A及び図11Bに示すように、アーム500は、内部に空洞530を有するように構成してもよい。この場合に、空洞530は、開口部312の内壁面312iに対向するアーム500の側面520に到達せず、アーム500の内部のみに形成されていることが好ましい。こうすれば、アーム500の成形性を向上させつつ、異物がケース300の内部に侵入し難い構造とすることが可能である。
【0036】
図12A及び図12Bに示すように、アーム500の空洞530は、アーム500の内部において複数個に分割された状態で設けられていてもよい。こうすれば、アーム500の強度を向上させるとともに、アーム500の成形性を向上させつつ、異物がケース300の内部に侵入し難い構造とすることが可能である。
【0037】
なお、上述した各種の構造例は、それぞれ独立に任意に採用することが可能であり、また、それらを任意に組み合わせて採用することも可能である。
【0038】
本開示は、上述した実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実現することができる。上述した実施形態中の技術的特徴は、本開示の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、本開示の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【符号の説明】
【0039】
100…アクセル装置、200…パッド、300…ケース、312…開口部、312i…内壁面、314…突出部、314up…上側周縁面、314us…上側面、400…内部可動機構、500…アーム、520…側面、530…空洞、624…突出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B