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特許7513084情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/26 20240101AFI20240702BHJP
【FI】
G06Q50/26 300
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022512899
(86)(22)【出願日】2020-03-30
(86)【国際出願番号】 JP2020014549
(87)【国際公開番号】W WO2021199158
(87)【国際公開日】2021-10-07
【審査請求日】2022-08-01
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】則松 香威
【審査官】塩田 徳彦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0034790(US,A1)
【文献】国際公開第20/026367(WO,A1)
【文献】国際公開第20/026368(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0085201(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1国の保安検査において渡航者の手荷物に含まれる物品を示す物品情報を取得する取得部と、
前記渡航者の第2国への入国に関する手続に用いられる装置に前記第2国への持ち込みが制限されている前記物品について必要な手続に関する情報を提供する提供部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記第2国への持ち込みが制限されている前記物品は、前記第2国における検疫または税関において手続きが必要な物品である
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第2国への持ち込みが制限されている前記物品は、動物、植物、植物の種子、生肉と加工肉と菓子とを含む食品、金、宝石、時計、紙タバコ、及び、酒類の少なくともいずれかである
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記物品情報は、前記渡航者が渡航に使用する輸送機器への持ち込みが許可され、かつ、前記第2国への持ち込みが制限されている前記物品についての情報を含む、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記物品情報は、前記第2国において前記物品に適用される規則に応じた分類を含む、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記物品情報は、前記物品ごとの数量の情報を含む、
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記手続は、税関手続、検疫手続及び入国審査手続のうちの少なくとも1つを含む、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記手荷物は、前記輸送機器に搭乗する前記渡航者が客室内に持ち込む第1手荷物及び前記渡航者が搭乗前に預託した第2手荷物のうちの少なくとも1つである、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記提供部は、前記手続において係員が操作する前記装置に前記物品情報を提供する、
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記提供部は、前記手続を自動で実行する前記装置に前記物品情報を提供する、
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記渡航者の登録生体情報と前記物品情報を関連付けて記憶する記憶部、
をさらに備える請求項1乃至10のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記提供部は、前記装置において取得された前記渡航者の生体情報を前記登録生体情報と生体照合することにより、前記登録生体情報に関連付けられている前記物品情報を前記装置に提供する、
請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記生体情報及び前記登録生体情報は、前記渡航者の顔画像である、
請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記渡航者の識別情報と前記物品情報を関連付けて記憶する記憶部をさらに備え、
前記提供部は、前記装置において前記渡航者が携帯する記録媒体から取得した前記渡航者の前記識別情報に基づいて、前記識別情報に関連付けられている前記物品情報を前記装置に提供する
請求項1乃至10のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記提供部は、前記装置以外に、前記渡航者の識別情報に予め関連付けられている端末装置に対して前記物品情報を提供する、
請求項1乃至14のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項16】
コンピュータが、
第1国の保安検査において渡航者の手荷物に含まれる物品を示す物品情報を取得するステップと、
前記渡航者の第2国への入国に関する手続に用いられる装置に前記第2国への持ち込みが制限されている前記物品について必要な手続に関する情報を提供するステップと、
を実行する情報処理方法。
【請求項17】
コンピュータに、
第1国の保安検査において渡航者の手荷物に含まれる物品を示す物品情報を取得するステップと、
前記渡航者の第2国への入国に関する手続に用いられる装置に前記第2国への持ち込みが制限されている前記物品について必要な手続に関する情報を提供するステップと、
を実行させるためのプログラム。
【請求項18】
第1国の保安検査において、第2国へ渡航する渡航者の手荷物に含まれる物品を示す物品情報を取得する第1取得部と、
前記第2国への前記物品の持ち込みに関する規則を取得する第2取得部と、
前記物品情報及び前記規則に基づいて、前記第2国への前記物品の持ち込みが制限されるか否かを判定する判定処理を実行する判定部と、
前記判定処理の結果に基づいて、渡航前の前記渡航者に前記第2国への前記物品の持ち込みに対して課される手続を案内するための案内情報を生成する生成部と、
前記渡航者の前記第2国への入国に関する手続に用いられる装置に前記第2国への持ち込みが制限されている前記物品について必要な手続に関する情報を提供する提供部と、
を備える情報処理装置。
【請求項19】
コンピュータが、
第1国の保安検査において、第2国へ渡航する渡航者の手荷物に含まれる物品を示す物品情報を取得するステップと、
前記第2国への前記物品の持ち込みに関する規則を取得するステップと、
前記物品情報及び前記規則に基づいて、前記第2国への前記物品の持ち込みが制限されるか否かを判定する判定処理を実行するステップと、
前記判定処理の結果に基づいて、渡航前の前記渡航者に前記第2国への前記物品の持ち込みに対して課される手続を案内するための案内情報を生成するステップと、
前記渡航者の前記第2国への入国に関する手続に用いられる装置に前記第2国への持ち込みが制限されている前記物品について必要な手続に関する情報を提供するステップと、
を実行する情報処理方法。
【請求項20】
コンピュータに、
第1国の保安検査において、第2国へ渡航する渡航者の手荷物に含まれる物品を示す物品情報を取得するステップと、
前記第2国への前記物品の持ち込みに関する規則を取得するステップと、
前記物品情報及び前記規則に基づいて、前記第2国への前記物品の持ち込みが制限されるか否かを判定する判定処理を実行するステップと、
前記判定処理の結果に基づいて、渡航前の前記渡航者に前記第2国への前記物品の持ち込みに対して課される手続を案内するための案内情報を生成するステップと、
前記渡航者の前記第2国への入国に関する手続に用いられる装置に前記第2国への持ち込みが制限されている前記物品について必要な手続に関する情報を提供するステップと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、渡航者が携帯するICカードから手荷物に関する申告情報を取得し、渡航者の税関検査手続を自動的に実行できる出入国管理用カードシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-30448号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に例示されている出入国管理用カードシステムでは、申告カードに記録される手荷物の情報は、渡航者が第1国からの出国時に自己申告したものに限られる。このため、渡航者の手荷物に中に第2国の規則に違反する物品が含まれていても、申告内容に含まれていない場合には、第2国への入国に関する各種の手続において見落とされてしまう、あるいは、手続に長時間を要する等の問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、上述の問題に鑑み、渡航者の入国に関する手続を効率化できる情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一観点によれば、第1国の保安検査において渡航者の手荷物に含まれる物品を示す物品情報を取得する取得部と、前記渡航者の第2国への入国に関する手続に用いられる装置に前記物品情報を提供する提供部と、を備える情報処理装置が提供される。
【0007】
本発明の他の観点によれば、第1国の保安検査において渡航者の手荷物に含まれる物品を示す物品情報を取得するステップと、前記渡航者の第2国への入国に関する手続に用いられる装置に前記物品情報を提供するステップと、を備える情報処理方法が提供される。
【0008】
本発明のさらに他の観点によれば、コンピュータに、第1国の保安検査において渡航者の手荷物に含まれる物品を示す物品情報を取得するステップと、前記渡航者の第2国への入国に関する手続に用いられる装置に前記物品情報を提供するステップと、を実行させるためのプログラムが提供される。
【0009】
本発明のさらに他の観点によれば、第1国の保安検査において、第2国へ渡航する渡航者の手荷物に含まれる物品を示す物品情報を取得する第1取得部と、前記第2国への前記物品の持ち込みに関する規則を取得する第2取得部と、前記物品情報及び前記規則に基づいて、前記第2国への前記物品の持ち込みが制限されるか否かを判定する判定処理を実行する判定部と、前記判定処理の結果に基づいて、渡航前の前記渡航者に前記第2国への前記物品の持ち込みに対して課される手続を案内するための案内情報を生成する生成部と、を備える情報処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、渡航者の入国に関する手続を効率化できる情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施形態に係る情報処理システムの全体構成の一例を示す概略図である。
図2】第1実施形態に係る管理サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3】第1実施形態に係る管理サーバの機能ブロック図である。
図4】第1実施形態に係る利用者情報DBが記憶する情報の一例を示す図である。
図5】第1実施形態に係る第1手荷物検査情報DBが記憶する情報の一例を示す図である。
図6】第1実施形態に係る第2手荷物検査情報DBが記憶する情報の一例を示す図である。
図7】第1実施形態に係る第1国の空港の出国エリアの一例を示すレイアウト図である。
図8】第1実施形態に係る保安検査場の一例を示す模式図である。
図9】第1実施形態に係る受託手荷物の検査エリアの一例を示す模式図である。
図10】第1実施形態に係る第2国の空港の入国エリアの一例を示すレイアウト図である。
図11】第1実施形態に係る情報処理システムの処理の一例を示すフローチャートである。
図12】第1実施形態に係る撮影画像の一例を示す図である。
図13】第1実施形態に係る情報処理システムの機内持ち込み手荷物に対する検査処理の一例を示すフローチャートである。
図14】第1実施形態に係る情報処理システムの受託手荷物に対する検査処理の一例を示すフローチャートである。
図15】第1実施形態に係る情報処理システムの入国審査時の処理の一例を示すシーケンスチャートである。
図16】第1実施形態に係る業務端末に表示される画面の一例を示す図である。
図17】第1実施形態に係る情報処理システムの入国審査時の処理の一例を示すシーケンスチャートである。
図18】第1実施形態に係る自動化ゲート装置に表示される画面の一例を示す図である。
図19】第1実施形態に係る情報処理システムの税関検査時の処理の一例を示すシーケンスチャートである。
図20】第1実施形態に係る業務端末に表示される画面の一例を示す図である。
図21】第1実施形態に係る情報処理システムの税関検査時の処理の一例を示すシーケンスチャートである。
図22】第1実施形態に係る自動税関ゲート装置に表示される画面の一例を示す図である。
図23】第2実施形態に係る情報処理システムの全体構成の一例を示す概略図である。
図24】第2実施形態に係る規則情報DBが記憶する情報の一例を示す図である。
図25】第2実施形態に係る管理サーバの機能ブロック図である。
図26】第2実施形態に係る情報処理システムの出国審査時の処理の一例を示すシーケンスチャートである。
図27】第2実施形態に係る業務端末に表示される画面の一例を示す図である。
図28】第2実施形態に係る情報処理システムの出国審査時の処理の一例を示すシーケンスチャートである。
図29】第2実施形態に係る自動化ゲート装置に表示される画面の一例を示す図である。
図30】第3実施形態に係る情報処理システムの全体構成の一例を示す概略図である。
図31】第3実施形態に係る情報処理システムの処理の一例を示すシーケンスチャートである。
図32】第4実施形態に係る情報処理装置の機能ブロック図である。
図33】第5実施形態に係る情報処理装置の機能ブロック図である。
図34】変形実施形態に係るユーザ端末に表示される画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の例示的な実施形態を説明する。図面において同様の要素又は対応する要素には同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化することがある。
【0013】
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の全体構成の一例を示す概略図である。本実施形態による情報処理システム1は、例えば、航空機で第1国の空港DAから第1国を出国して第1国とは異なる第2国の空港AAから第2国に入国する予定の利用者(渡航者)Uについて、第1国及び第2国でそれぞれ行われる一連の手続を支援するコンピュータシステムである。情報処理システム1は、例えば、入出国の管理局等の公的機関又はその機関から業務の委託を受けた受託者により運用される。
【0014】
図1に示すように、情報処理システム1は、管理サーバ10と、チェックイン端末20と、自動手荷物預け機30と、保安検査装置40と、自動化ゲート装置50と、搭乗ゲート装置60と、自動化ゲート装置70と、自動税関ゲート装置80と、業務端末42、52、72、82とを備える。管理サーバ10と他の装置とは、ネットワークNWを介してそれぞれ接続される。ネットワークNWは、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、移動体通信網等により構成されている。接続方式は、有線方式に限らず、無線方式でもよい。
【0015】
管理サーバ10は、利用者Uの入出国時における各種の審査手続を管理する情報処理装置である。管理サーバ10は、例えば、空港DA、空港AAを運営する空港会社、航空会社等の施設内に設置されている。なお、管理サーバ10は、単一のサーバである必要はなく、複数のサーバを含むサーバ群として構成されたものであってもよい。例えば、管理サーバ10の一部の機能を担うサーバが第1国に設置され、管理サーバ10の残部の機能を担う他のサーバが第2国に設置されていてもよい。
【0016】
図1に示すように、管理サーバ10は、利用者情報DB11と、第1手荷物検査情報DB12と、第2手荷物検査情報DB13とを備える。ただし、管理サーバ10が有するデータベースは、これらのデータベースに限られない。各データベースの詳細については後述する。
【0017】
チェックイン端末20は、第1国(出発国)の空港DA内のチェックインロビー(以下、「タッチポイントP1」という。)に設置されている。チェックイン端末20は、利用者Uが自身で操作することによって、チェックイン手続(搭乗手続)を行うためのセルフ端末である。利用者Uは、タッチポイントP1におけるチェックイン手続を完了すると、手荷物の預け場所あるいは保安検査場へ移動する。
【0018】
自動手荷物預け機30は、空港DA内の手荷物カウンタ(有人カウンタ)の隣接領域あるいはチェックイン端末20の近傍領域に設置されている。以下、自動手荷物預け機30が設置されている手続エリアを「タッチポイントP2」という。自動手荷物預け機30は、利用者Uが自身で操作することにより、客室内には持ち込まない又は持ち込めない手荷物を預け入れる手続を行うためのセルフ端末である。利用者Uは、手荷物預け入れ手続を完了すると、保安検査場へ移動する。預ける手荷物がない利用者Uの場合には、タッチポイントP2での手続は省略される。
【0019】
なお、以下の説明では、「手荷物」の用語は、特に明示する場合を除き、利用者Uが航空機の客室内へ持ち込む機内持ち込み手荷物(第1手荷物)と、タッチポイントP2において航空会社が利用者Uから預かる受託手荷物(第2手荷物)の両方を含む意味で使用する。
【0020】
保安検査装置40は、空港DA内の保安検査場に設置されている。業務端末42は、保安検査場の有人カウンタに設置されている。係員Sは、利用者Uの保安検査手続を行うために業務端末42を使用する。なお、本実施形態における「保安検査場」の用語は、特に明示する場合を除き、利用者Uが身体検査及び手荷物検査を受けるために通過する検査エリア(以下、「タッチポイントP3」という。)だけでなく、受託手荷物に対する保安検査を実行するバックヤード側の検査エリアの両方を含む意味で使用する。また、“保安検査装置”の用語は、保安検査場において保安検査に利用される各種の装置(後述する通行制御装置402、手荷物搬送装置403、カメラ404、手荷物検査装置405、身体検査装置406等)を全て含む意味で使用する。
【0021】
本実施形態の保安検査において検出される物品は、以下の(A)~(D)に分類される。
(A)機内持ち込み及び預け入れのいずれも不可である物品
スプレー缶類、漂白剤、ペイント類、ライター用燃料、火薬を使用した物品、薬物等の物品が該当する。
(B)機内持ち込みは可(制限あり)、預け入れは不可である物品
電子タバコ、電池類、喫煙用ライター等の物品が該当する。
(C)機内持ち込みは不可、預け入れは可である物品
ナイフ、ハサミ、先の尖った物品、バット、工具等の武器になり得る物品が該当する。
(D)第2国において持ち込みが禁止又は制限される可能性がある物品
例えば、動物、植物、植物の種子、食品(生肉、加工肉、菓子等)、金、宝石、時計、紙タバコ、酒類等の物品が該当する。
【0022】
以下、本実施形態では、説明の便宜上、上述の(A)~(D)の物品を「禁止物品」、「第1制限物品」、「第2制限物品」、「対象物品」とそれぞれ称して適宜区別する。また、上述の(A)~(C)の物品を纏めて「禁止・制限物品」とも称する。禁止・制限物品は、第1国の保安検査において検出されると、物品の種類に応じて渡航前に処理される。例えば、禁止・制限物品は、持ち込み方法の変更、廃棄、没収、あるいは罰則の対象となる。
【0023】
一方、対象物品については、第1国においては、受託手荷物又は機内持ち込み手荷物として航空機に持ち込むことは許可される。しかし、当該物品は、物品の種類と第2国における規則や法令によって取り扱われ方が異なる。例えば、利用者Uの手荷物に動物、植物、食品が含まれている場合には、第2国において検疫所での手続が必要になる場合があり得る。利用者Uの手荷物に所定の金額以上の貨幣が含まれている場合には、第2国において税関検査場での手続が必要になる場合があり得る。
【0024】
なお、第1国の保安検査において上述の(B)又は(C)に該当し、航空機に適切な方法で持ち運ばれた物品も、第2国においては対象物品に該当する場合がある。
【0025】
自動化ゲート装置50は、空港DA内の出国審査場(以下、「タッチポイントP4」という。)に設置されている。自動化ゲート装置50は、利用者Uの出国審査手続を自動的に行う装置である。利用者Uは、タッチポイントP4における出国審査手続を完了すると、免税店や搭乗ゲートが設けられている出国エリアへ移動する。業務端末52は、出国審査場の有人カウンタに設置されている。係員Sは、利用者Uの出国審査手続を行うために業務端末42を使用する。
【0026】
搭乗ゲート装置60は、出国エリアの搭乗ゲート(以下、「タッチポイントP5」という。)ごとに設置されたゲート装置である。搭乗ゲート装置60は、利用者Uが搭乗ゲートから搭乗可能な航空機の搭乗者であることを確認する。利用者Uは、タッチポイントP5における手続を完了すると、航空機に搭乗し、第2国へ向けて出国する。
【0027】
自動化ゲート装置70は、第2国(到着国)の空港AA内の入国審査場(以下、「タッチポイントP6」という。)に設置されている。自動化ゲート装置70は、利用者Uの入国審査手続を自動的に行う装置である。自動化ゲート装置70を利用可能な利用者Uは、例えば自動化ゲート装置70の利用に関する事前登録を行っている人物である。業務端末72は、入国審査場の有人カウンタに設置されている。係員Sは、利用者Uの入国審査手続を行うために業務端末72を使用する。
【0028】
自動税関ゲート装置80は、第2国の空港AA内の税関検査場(以下、「タッチポイントP7」という。)に設置されている。自動税関ゲート装置80は、利用者Uの税関検査手続を自動的に行う装置である。自動税関ゲート装置80を利用可能な利用者Uは、例えば自動税関ゲート装置80の利用に関する事前登録を行っている人物である。業務端末82は、税関検査場の有人カウンタに設置されている。係員Sは、利用者Uの税関検査手続を行うために業務端末82を使用する。
【0029】
業務端末42、52、72、82は、航空会社や空港施設の係員Sが各自の業務にそれぞれ使用する端末である。業務端末42、52、72、82は、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン等である。なお、本実施形態では、説明の便宜上、タッチポイントP3、P4、P6、P7の業務端末42、52、72、82のみが図示されているが、他のタッチポイントにも同様に業務端末が設置される。
【0030】
図2は、管理サーバ10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、管理サーバ10は、演算、制御及び記憶を行うコンピュータとして、CPU(Central Processing Unit)101と、RAM(Random Access Memory)102と、ROM(Read Only Memory)103と、ストレージ104と、通信I/F(Interface)105と、表示装置106と、入力装置107とを備える。各装置は、バス、配線、駆動装置等を介して相互に接続される。
【0031】
CPU101は、ROM103又はストレージ104に記憶されたプログラムに従って所定の動作を行うとともに、管理サーバ10の各部を制御する機能を有するプロセッサである。RAM102は、揮発性記憶媒体から構成され、CPU101の動作に必要な一時的なメモリ領域を提供する。
【0032】
ROM103は、不揮発性記憶媒体から構成され、管理サーバ10の動作に用いられるプログラム等の必要な情報を記憶する。ストレージ104は、不揮発性記憶媒体から構成され、管理サーバ10の動作用プログラムやデータを記憶する。ストレージ104は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)により構成される。
【0033】
通信I/F105は、イーサネット(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、4G等の規格に基づく通信インターフェースであり、他の装置との通信を行うためのモジュールである。
【0034】
表示装置106は、動画、静止画、文字等を表示する液晶ディスプレイ、OLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイ等であって、ユーザへの情報の提示に用いられる。
【0035】
入力装置107は、キーボード、ポインティングデバイス、ボタン等であって、ユーザによる操作を受け付ける。表示装置106及び入力装置107は、タッチパネルとして一体に形成されていてもよい。
【0036】
なお、図2に示されているハードウェア構成は一例であり、これら以外の装置が追加されていてもよく、一部の装置が設けられていなくてもよい。また、一部の装置が同様の機能を有する別の装置に置換されていてもよい。また、本実施形態の一部の機能がネットワークNWを介して他の装置により提供されてもよく、本実施形態の機能が複数の装置に分散されて実現されてもよい。このように、図2に示されているハードウェア構成は適宜変更可能である。
【0037】
図3は、本実施形態に係る管理サーバ10の機能ブロック図である。管理サーバ10は、リンク部10aと、手荷物検査部10bと、身体検査部10cと、物品情報取得部10dと、記憶部10eと、照合部10fと、物品情報提供部10gとを備えている。
【0038】
リンク部10aは、出国エリア(制限区域)への入場を要求した利用者Uの識別情報と利用者Uが所持する手荷物の識別情報とを関連付ける。利用者Uの識別情報としては、生体情報、旅券番号、予約番号等が用いられる。
【0039】
手荷物検査部10bは、後述する手荷物検査装置405を用いて手荷物を撮影した画像(例えばX線撮影画像)と検出対象の物品に関する特徴情報との関係を予め学習した学習モデルに基づいて手荷物検査処理を実行する。
【0040】
身体検査部10cは、後述する身体検査装置406を用いて利用者Uの身体を撮影した画像(あるいは測定した測定値)と検出対象の物品に関する特徴情報との関係を予め学習した学習モデルに基づいて身体検査処理を実行する。
【0041】
物品情報取得部10dは、第1国の保安検査において利用者U(渡航者)の手荷物に含まれる物品を示す物品情報を取得する。物品情報は、渡航者が渡航に使用する航空機への持ち込みが許可され、かつ、第2国への持ち込みが制限されている物品(対象物品)についての情報を含む。
【0042】
なお、物品情報には、手荷物に含まれる任意の物品の情報を含んでもよい。処理時間を短縮化するために、物品情報は、手荷物に含まれる物品のうち、禁止・制限物品及び対象物品に該当する物品のみに限定してもよい。
【0043】
記憶部10eは、利用者情報、物品情報、学習モデル、処理結果等の管理サーバ10の各部で用いられる情報を記憶する。照合部10fは、取得された利用者Uの生体情報と利用者情報DB11内に登録されている生体情報との照合処理を実行し、その照合結果を出力する。
【0044】
物品情報提供部10gは、利用者Uの第2国への入国に関する手続に用いられる装置に、利用者U(渡航者)の手荷物に含まれる物品を示す物品情報を提供する。入国に関する手続としては、税関検査手続、検疫手続及び入国審査手続のうちの少なくとも1つを含むものとする。
【0045】
CPU101は、ROM103、ストレージ104等に記憶されたプログラムをRAM102にロードして実行することで、所定の演算処理を行う。また、CPU101は、当該プログラムに基づいて、通信I/F105等の管理サーバ10の各部を制御する。これらにより、CPU101は、リンク部10a、手荷物検査部10b、身体検査部10c、物品情報取得部10d、記憶部10e、照合部10f及び物品情報提供部10g等の機能を実現する。
【0046】
なお、図3において管理サーバ10内に記載されている機能ブロックの各機能の一部又は全部は、管理サーバ10の外部の装置に設けられていてもよい。すなわち、上述の各機能は、管理サーバ10単独によって実現されてもよく、外部の装置との協働により実現されてもよい。
【0047】
図4は、利用者情報DB11が記憶する情報の一例を示す図である。利用者情報DB11は、利用者ID、登録顔画像、特徴量、搭乗者名、予約番号、出発地、目的地、運行年月日、エアラインコード、便番号、シート番号、国籍、旅券番号、姓、名、生年月日、性別、受託手荷物ID及びステータスをデータ項目としている。なお、これらのデータ項目は一例であり、他のデータ項目をさらに含んでいてもよい。
【0048】
利用者IDは、利用者Uを一意に識別する識別子である。本実施形態では、利用者IDは、タッチポイントP1において旅券を所持する利用者Uを撮影した顔画像と旅券から読み取られた旅券顔画像との照合結果が一致することを条件として発行されるものとする。
【0049】
登録顔画像は、利用者Uについて登録された顔画像である。登録顔画像は、利用者Uからの同意に基づいて登録され、所定のタイミングで削除されると好適である。特徴量は、生体情報(登録顔画像)から抽出される値である。なお、本実施形態における生体情報の語句は、顔画像及び顔画像から抽出される特徴量を意味するものとするが、生体情報は顔画像及び顔特徴量に限られない。すなわち、利用者Uの生体情報として、虹彩画像、指紋画像、掌紋画像及び耳介画像等を用いて生体認証を行ってもよい。
【0050】
予約番号は、搭乗予約情報を一意に識別する識別子である。エアラインコードは、航空会社を一意に識別する識別子である。図4に示す利用者情報のうち、搭乗予約情報としては、搭乗者名、予約番号、出発地、目的地、エアラインコード、便番号、運行年月日、シート番号、国籍、旅券番号、姓、名、生年月日、性別及び受託手荷物IDが挙げられる。搭乗予約情報は、旅券及び搭乗券等の記録媒体から取得できる。また、搭乗予約情報は、航空会社のシステム(不図示)からも旅券番号又は予約番号をキーとして取得できる。受託手荷物IDは、受託手荷物を一意に識別する識別子である。ステータスは、タッチポイントP1~P7における手続の進捗状況を示す情報である。
【0051】
図5は、第1手荷物検査情報DB12が記憶する情報の一例を示す図である。第1手荷物検査情報DB12は、機内持ち込み手荷物に対する手荷物検査の情報を記憶するデータベースである。第1手荷物検査情報DB12は、利用者ID、撮影顔画像、トレイID、検査結果(検査前/正常/エラー)、手荷物保管場所、検査画像ID及び物品情報をデータ項目としている。なお、これらのデータ項目は一例であり、他のデータ項目をさらに含んでいてもよい。
【0052】
物品情報は、例えば検出された物品が属する分類(1)~(N)、検出区分(1)~(N)、各物品の数量(1)~(N)等の情報をそれぞれ含んでいると好適である。分類としては、例えばスプレー缶類、薬品類、火器類、ナイフ類、機械、動物、植物、植物の種子、食品類、貴金属類、酒類等が挙げられる。検出区分としては、例えば禁止物品、第1制限物品、第2制限物品、対象物品、その他の物品が挙げられる。
【0053】
図6は、第2手荷物検査情報DB13が記憶する情報の一例を示す図である。第2手荷物検査情報DB13は、受託手荷物に対する手荷物検査の情報を記憶するデータベースである。第2手荷物検査情報DB13は、受託手荷物ID、手荷物保管場所、検査画像ID、検査結果(検査前/正常/エラー)及び物品情報をデータ項目としている。なお、これらのデータ項目は一例であり、他のデータ項目をさらに含んでいてもよい。
【0054】
図7は、第1国の空港DAの出国エリアの一例を示すレイアウト図である。図7に示すように、出国エリアには、チェックインカウンタ(タッチポイントP1)、手荷物カウンタ(タッチポイントP2)、保安検査場(タッチポイントP3)、税関検査場A1及び出国審査場(タッチポイントP4)が配されている。利用者Uは、タッチポイントP1~P4を通過すると、搭乗ゲート(タッチポイントP5)のある制限区域に移動する。なお、保安検査場を通過した利用者Uのうち、免税店で物品を購入した旅行客は、税関検査場A1において旅券の提示等の手続を行うことが義務付けられている。
【0055】
図8は、保安検査場の一例を示す模式図である。保安検査場(タッチポイントP3)の入口及び出口には、通行制御装置402が設けられている。通行制御装置402は、利用者Uの通行可否を判定する装置である。通行制御装置402は、例えば生体情報取得装置、媒体読取装置及びゲートを備えると好適である。
【0056】
通行制御装置402は、生体情報取得装置により撮影した顔画像を管理サーバ10に送信し、利用者Uが顔画像の登録者であるか否かについての認証処理を要求する。そして、通行制御装置402は、管理サーバ10において利用者Uが顔画像の登録者として認証された場合には、ゲートを開放して利用者Uが保安検査場へ入場することを許可する。通行制御装置402は、顔画像が登録されていない利用者Uについては、媒体読取装置により旅券のICチップの記録情報を読取り、利用者Uの通行可否を判定する。図8に示す複数の利用者U1~U11は、保安検査場への通行が許可された人物である。
【0057】
図中の左側には、手荷物検査エリアが設けられている。手荷物検査エリアには、手荷物搬送装置403と、手荷物検査装置405と、保管ボックス410とが設けられている
【0058】
手荷物検査装置405は、利用者Uの手荷物の中に禁止物品、第1制限物品、第2制限物品、対象物品(以下、「対象物品等」という。)が含まれるか否かを非接触で検査する装置である。手荷物検査装置405の例としては、X線を用いて手荷物を撮影し、その撮影画像を管理サーバ10へ出力するX線スキャナ、CTスキャナ等が挙げられる。手荷物検査装置405としては、検出精度を向上させるために、3次元のX線撮影画像を撮影できるCTスキャナを用いると好適である。管理サーバ10は、手荷物検査装置405から撮影画像を受信すると、例えば所定の学習モデルに基づいて手荷物の中に対象物品等が含まれるか否かを判定する。
【0059】
図8に示す5人の利用者U1~U5は、手荷物を所定の搬送トレイTに収納した状態で、手荷物搬送装置403のベルトコンベアの上に置く。これにより、搬送トレイTは矢印D1方向に移動していく。手荷物を収納した搬送トレイTは、手荷物検査装置405の中に挿入される。そして、搬送トレイT内の手荷物に対して、手荷物検査装置405及び管理サーバ10の協働による手荷物検査が実行される。
【0060】
また、手荷物搬送装置403の搬送方向の下流側には、NGレーンL1と、OKレーンL2~L6と、不明レーンL7の合計7レーンが分岐して設けられている。NGレーンL1は、航空機内へ持ち込めない禁止・制限物品が検出された手荷物が搬送される再検査レーンであり、係員S2が配置されている。OKレーンL2~L6は、禁止・制限物品が検出されなかった手荷物が搬送されるレーンであり、OKレーンL2~L6の先には保管ボックス410がそれぞれ設けられている。手荷物は、保管ボックス410の裏側から自動的に格納される。不明レーンL7は、所有者不明の搬送トレイTが搬送されるレーンである。
【0061】
一方、図中の右側には、身体検査エリアが設けられている。身体検査エリアには、2つの検査ブースが設けられている。各検査ブースには、身体検査装置406と、業務端末42と、カメラ404とが設けられている。図8では、利用者U7と利用者U9が身体検査装置406による身体検査を受けていることが示されている。
【0062】
身体検査装置406は、利用者Uが対象物品等を所持しているか否かを非接触で検査する装置である。身体検査装置406の一例としては、金属探知機、ミリ波スキャナ、テラヘルツ波スキャナ等が挙げられる。身体検査に用いられる身体検査装置406の種類は、1つに限られない。金属探知機は、利用者Uが危険物となりうる金属類を身につけているか否かを確認する装置である。空港施設では、金属探知機としてゲートタイプのものが広く用いられている。
【0063】
ミリ波スキャナは、例えばミリ波を利用者Uの身体に対して照射し、利用者Uの身体からの反射波のエネルギーを測定して利用者Uの身体を映像化する装置である。ミリ波は、例えば波長が1ミリメートル以上10ミリメートル以下、周波数帯域が30GHz~300GHz程度の電磁波である。
【0064】
同様に、テラヘルツ波スキャナは、テラヘルツ波を用いて利用者Uの身体を映像化する装置である。テラヘルツ波は、例えば波長が100マイクロメートル以上1ミリメートル以下、周波数帯域が300GHz~3THz程度の電磁波である。ミリ波スキャナ及びテラヘルツ波スキャナには、物体から自然放射される電磁波を測定するパッシブ型と、物体に電磁波を照射したときの反射波を測定するアクティブ型の2種類がある。
【0065】
身体検査エリアの出口付近のエリアには、複数のサイネージ端末409が設けられている。サイネージ端末409は、管理サーバ10から受信した各種の案内情報を利用者Uに提示するための表示端末である。
【0066】
例えば、利用者U10は、身体検査を完了した人物であり、サイネージ端末409の前に立っている。サイネージ端末409は、利用者U10の顔画像を撮影すると、その撮影顔画像を管理サーバ10へ送信する。サイネージ端末409には、管理サーバ10における認証結果に応じて、手荷物の保管場所あるいは手荷物検査のステータス等が表示されると好適である。
【0067】
保管ボックス410は、手荷物搬送装置403によって搬送された利用者Uの手荷物を内部に保管する装置である。保管ボックス410は、各利用者Uの顔画像を撮影すると、その撮影顔画像を管理サーバ10へ送信する。保管ボックス410は、管理サーバ10における認証が成功すると、電子錠を解除する。例えば、利用者U11は、認証に成功し、保管ボックス410の中から自身の手荷物を取り出していることを示している。
【0068】
図9は、受託手荷物の検査エリアの一例を示す模式図である。当該検査エリアには、手荷物搬送装置403、カメラ404及び手荷物検査装置405が設けられている。図9では、手荷物搬送装置403のベルトコンベアの上には、複数の受託手荷物Bが置かれている。受託手荷物Bは、矢印D2方向に移動していく。
【0069】
カメラ404は、受託手荷物Bが手荷物検査装置405に到達する前に、受託手荷物Bに装着されたタグTGの表面に印字されたバーコードを読み取り、読取情報を管理サーバ10へ出力する。バーコードには、例えば、受託手荷物Bの識別情報及び利用者Uが搭乗する予定の航空機の便名(便番号)等が記録されている。なお、バーコードが印字されたタグTGの代わりに、RFIDタグを用いてもよい。この場合には、カメラ404の代わりに、タグ読取装置を設ければよい。
【0070】
その後、受託手荷物Bは、ベルトコンベアの駆動に伴い、手荷物検査装置405の中に挿入される。そして、受託手荷物Bに対して、手荷物検査装置405及び管理サーバ10の協働による手荷物検査が実行される。手荷物検査装置405により禁止・制限物品が検出された場合には、係員Sは受託手荷物Bの再検査を行う。これに対し、手荷物検査により禁止・制限物品(特に、上述の(A)・(B)の物品)が検出されなかった場合には、受託手荷物Bは航空機の便名に関連付けられている保管場所まで自動的に搬送される。
【0071】
図10は、第2国の空港AAの入国エリアの一例を示すレイアウト図である。図10に示すように、入国エリアには、入国審査場(タッチポイントP6)、手荷物受取場A2、検疫所A3、税関検査場(タッチポイントP7)が配されている。利用者Uは、入国審査場において入国審査手続を完了すると、手荷物受取場A2で受託手荷物を受け取り、税関検査場へ移動する。利用者Uは、税関検査場において手続を完了すると、第2国へ入国できる。ただし、利用者Uが第2国に動物、植物、食品等の物品を持ち込む場合には、税関検査場での手続の前に、検疫所A3において別途手続を行う必要がある。
【0072】
続いて、図面を参照しながら、本実施形態における情報処理システム1の動作について説明する。
【0073】
<利用者と手荷物の関連付け>
図11は、情報処理システム1の処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、利用者Uが保安検査場において機内持ち込み手荷物について検査を受ける際に、手荷物の所有者である利用者Uと手荷物とを関連付けるために実行される。
【0074】
先ず、管理サーバ10は、カメラ404において撮影された撮影画像を取得する(ステップS101)。次に、管理サーバ10は、取得された撮影画像の中に保安検査の被検者である利用者Uを検出したと判定すると(ステップS102、YES)、処理はステップS103へ移行する。
【0075】
これに対し、管理サーバ10は、取得された撮影画像の中に利用者Uを検出していないと判定すると(ステップS102、NO)、処理はステップS101へ戻る。
【0076】
次に、管理サーバ10は、撮影画像の中から搬送トレイの表面に付されている所定のバーコードを検出したと判定すると(ステップS103、YES)、処理はステップS104へ移行する。
【0077】
これに対し、管理サーバ10は、撮影画像の中から搬送トレイの表面に付されている所定のバーコードを検出しないと判定すると(ステップS103、NO)、処理はステップS101へ戻る。すなわち、ステップS101~ステップS103の処理は、利用者U(被検者)及び搬送トレイのバーコードが一緒に映っている撮影画像が取得されるまで繰り返される。
【0078】
図12は、保安検査の開始時に撮影された撮影画像の一例を示す図である。ここでは、利用者Uが搬送トレイTの中に手荷物Bを収納したときに撮影された撮影画像IMG01が示されている。また、搬送トレイTの表面には、トレイIDを示すバーコードCが印字されている。このように、一つの撮影画像IMG01の中から利用者Uの顔画像(生体情報)と搬送トレイTの識別情報が同時に取得され、利用者Uと搬送トレイT(すなわち、手荷物B)とを関連付けるリンク情報が作成される。なお、利用者Uが複数の搬送トレイTに手荷物Bを分けて収納する場合には、複数のリンク情報が作成されるものとする。
【0079】
次に、管理サーバ10は、ステップS103において検出されたバーコードをデコードして搬送トレイを識別するトレイIDを取得する(ステップS104)。
【0080】
次に、管理サーバ10は、撮影画像の中から利用者Uの顔画像を取得する(ステップS105)。なお、同一撮影画像の中に複数の人物が含まれる場合には、目間距離等に基づいて人物間の位置関係を判定し、前方に位置する人物の顔画像を取得すると好適である。
【0081】
次に、管理サーバ10は、ステップS105において取得された顔画像を利用者情報DB11に記憶されている登録顔画像と1対N(N≧2)で顔照合する(ステップS106)。
【0082】
次に、管理サーバ10は、利用者Uが顔画像の登録者であると判定すると(ステップS107、YES)、処理はステップS108へ移行する。これに対し、管理サーバ10は、利用者Uが顔画像の登録者ではないと判定すると(ステップS107、NO)、処理はステップS109へ移行する。
【0083】
ステップS108において、管理サーバ10は、生体情報に基づいて利用者Uの利用者IDを特定する。具体的には、利用者情報DB11に記憶されている登録顔画像のうち、顔画像との照合結果が照合一致である登録顔画像に関連付けられた利用者IDを特定する。
【0084】
ステップS109において、管理サーバ10は、利用者Uの旅券情報を取得する。次に、管理サーバ10は、旅券情報に含まれる旅券番号に基づいて利用者情報DB11を参照し、利用者IDを特定する(ステップS110)。利用者Uの旅券情報は、例えば、利用者Uが手荷物を搬送トレイの中に収納する際あるいは係員Sから搬送トレイを受け取る際に、図示しない媒体読取装置で読み取ることにより取得できる。
【0085】
そして、管理サーバ10は、利用者ID、トレイID、顔画像及び検査画像を関連付けて第1手荷物検査情報DB12に登録し(ステップS111)、処理を終了する。
【0086】
<機内持ち込み手荷物に対する検査>
図13は、情報処理システム1の機内持ち込み手荷物に対する検査処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、例えば機内持ち込み手荷物が手荷物搬送装置403の駆動によって手荷物検査装置405の位置まで搬送された際に実行される。なお、図13の説明では“禁止・制限物品”からは、機内持ち込み手荷物として航空機への持ち込みが許される第1制限物品は除くものとする。
【0087】
先ず、管理サーバ10は、手荷物検査装置405の近傍に設置されているカメラ404から受信した撮影画像の中から、手荷物検査装置405の中へ移動する搬送トレイを検出したと判定すると(ステップS201、YES)、処理はステップS202へ移行する。これに対し、管理サーバ10は、搬送トレイを検出していないと判定すると(ステップS201、NO)、待機状態が維持される。
【0088】
次に、管理サーバ10は、カメラ404から取得した撮影画像の画像解析により搬送トレイのトレイIDを特定する(ステップS202)。
【0089】
次に、管理サーバ10は、トレイIDをキーとして第1手荷物検査情報DB12を参照して利用者IDを特定する(ステップS203)。
【0090】
次に、管理サーバ10は、手荷物検査装置405と協働して手荷物検査処理を実行する(ステップS204)。具体的には、管理サーバ10は、手荷物検査装置405において撮影された撮影画像(例えば3次元X線画像)の画像解析処理を行う。
【0091】
次に、管理サーバ10は、画像解析処理により手荷物の中に禁止・制限物品を含むか否かを判定する(ステップS205)。ここで、管理サーバ10が、手荷物の中に禁止・制限物品を含むと判定すると(ステップS205、YES)、処理はステップS206へ移行する。これに対し、管理サーバ10が、手荷物の中に禁止・制限物品を含まないと判定すると(ステップS205、NO)、処理はステップS209へ移行する。
【0092】
ステップS206において、管理サーバ10は、禁止・制限物品の物品情報を生成する。禁止・制限物品の物品情報は、物品の分類、数量、大きさ等に関する情報を含む。
【0093】
次に、管理サーバ10は、禁止・制限物品の検出結果を業務端末42に出力する(ステップS207)。次に、管理サーバ10は、禁止・制限物品が検出された手荷物の搬送先をNGレーンに決定する(ステップS208)。その後、処理はステップS211へ移行する。
【0094】
ステップS209において、管理サーバ10は、禁止・制限物品の非検出結果を業務端末42に出力する。次に、管理サーバ10は、手荷物の保管先となる保管ボックス410を決定する(ステップS210)。その後、処理はステップS211へ移行する。
【0095】
ステップS211において、管理サーバ10は、手荷物の中に対象物品を含むか否かを判定する。ここで、管理サーバ10は、手荷物の中に対象物品を含むと判定した場合(ステップS211、YES)、処理はステップS212へ移行する。これに対し、手荷物の中に対象物品を含まないと判定した場合(ステップS211、NO)、処理はステップS213へ移行する。
【0096】
ステップS212において、管理サーバ10は、対象物品の物品情報を生成する。対象物品の物品情報は、物品の分類、数量、大きさ等に関する情報を含む。
【0097】
ステップS213において、管理サーバ10は、手荷物搬送装置403に対して駆動制御情報を出力し、ステップS208又はステップS210において決定された搬送先(保管先)に手荷物を搬送させる。
【0098】
そして、管理サーバ10は、利用者Uの利用者ID及び手荷物検査の検査結果に基づいて第1手荷物検査情報DB12を更新し(ステップS214)、処理を終了する。
【0099】
<受託手荷物に対する検査>
図14は、情報処理システム1の受託手荷物に対する検査処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、例えば受託手荷物が手荷物搬送装置403の駆動によって手荷物検査装置405の位置まで搬送された際に実行される。なお、図14の説明では“禁止・制限物品”からは、受託手荷物として航空機への持ち込みが許される第2制限物品は除くものとする。
【0100】
先ず、管理サーバ10は、手荷物検査装置405の近傍に設置されているカメラ404から受信した撮影画像の中から、受託手荷物に付されているタグを検出したと判定すると(ステップS301、YES)、処理はステップS302へ移行する。これに対し、管理サーバ10は、タグを検出していないと判定すると(ステップS301、NO)、待機状態が維持される。
【0101】
次に、管理サーバ10は、撮影画像に含まれるタグの情報を読み取ることにより、受託手荷物ID及び搬送先を特定する(ステップS302)。
【0102】
次に、管理サーバ10は、受託手荷物IDをキーとして利用者情報DB11を参照し、受託手荷物の所有者である利用者Uの利用者IDを特定する(ステップS303)。
【0103】
次に、管理サーバ10は、手荷物検査装置405と協働して手荷物検査処理を実行する(ステップS304)。具体的には、管理サーバ10は、手荷物検査装置405において撮影された撮影画像(例えば3次元X線画像)の画像解析処理を行う。
【0104】
次に、管理サーバ10は、画像解析処理により受託手荷物の中に禁止・制限物品を含むか否かを判定する(ステップS305)。ここで、管理サーバ10が、受託手荷物の中に禁止・制限物品を含むと判定すると(ステップS305、YES)、処理はステップS306へ移行する。これに対し、管理サーバ10が、受託手荷物の中に禁止・制限物品を含まないと判定すると(ステップS305、NO)、処理はステップS309へ移行する。
【0105】
ステップS306において、管理サーバ10は、禁止・制限物品の物品情報を生成する。禁止・制限物品の物品情報は、物品の分類、数量、大きさ等に関する情報を含む。
【0106】
次に、管理サーバ10は、禁止・制限物品の検出結果を業務端末42に出力する(ステップS307)。次に、管理サーバ10は、受託手荷物の搬送先を変更する(ステップS308)。具体的には、管理サーバ10は、タグに記録されていた当初の搬送先から再検査場所へ受託手荷物の搬送先を変更する。その後、処理はステップS310へ移行する。ステップS309において、管理サーバ10は、禁止・制限物品の非検出結果を業務端末42に出力する。その後、処理はステップS310へ移行する。
【0107】
ステップS310において、管理サーバ10は、受託手荷物の中に対象物品を含むか否かを判定する。ここで、管理サーバ10は、受託手荷物の中に対象物品を含むと判定した場合(ステップS310、YES)、処理はステップS311へ移行する。これに対し、手荷物の中に対象物品を含まないと判定した場合(ステップS310、NO)、処理はステップS312へ移行する。
【0108】
ステップS311において、管理サーバ10は、手荷物搬送装置403に対して駆動制御情報を出力し、ステップS302において特定された搬送先又はステップS308において変更された搬送先に受託手荷物を搬送させる。
【0109】
そして、管理サーバ10は、受託手荷物ID、利用者Uの利用者ID、及び手荷物検査の検査結果に基づいて第2手荷物検査情報DB13を更新し(ステップS313)、処理を終了する。
【0110】
なお、第2国において持ち込み数量に制限がある物品がある場合を考慮し、図13及び図14の処理の中で、禁止・制限物品及び対象物品の数量をそれぞれ検出すると好適である。また、同一人物の機内持ち込み手荷物と受託手荷物の中に共通する物品が含まれている場合には、物品ごとに数量を合算し、利用者IDと関連付けてデータベースに記憶すると好適である。当該情報を記憶するデータベースは、利用者情報DB11、第1手荷物検査情報DB12及び第2手荷物検査情報DB13のいずれかでもよいし、他のデータベースでもよい。
【0111】
<入国審査手続(1)>
図15は、情報処理システム1の入国審査手続時の処理の一例を示すシーケンスチャートである。この処理は、第2国に到着した利用者Uが、係員Sがいる有人カウンタで入国審査手続を受けるときに実行される。
【0112】
先ず、業務端末72は、係員Sの操作により、利用者Uの識別情報を取得する(ステップS401)。ここでは、利用者Uの識別情報は、利用者Uの顔画像(生体情報)又は旅券等の記録媒体から読み取られる旅券番号とする。なお、旅券のICチップに記録されている生体情報を利用者Uの識別情報として用いることもできる。
【0113】
次に、業務端末72は、管理サーバ10にリクエストデータを送信する(ステップS402)。リクエストデータは、利用者Uの識別情報と、利用者情報及び物品情報の送信要求とを含む。利用者Uの識別情報として顔画像(生体情報)が取得されている場合には、顔画像のデータを含む。
【0114】
管理サーバ10は、業務端末72からリクエストデータを受信すると、リクエストデータに含まれる利用者Uの識別情報は顔画像であるか否かを判定する(ステップS403)。ここで、管理サーバ10は、利用者Uの識別情報は顔画像であると判定すると(ステップS403、YES)、処理はステップS404へ移行する。これに対し、管理サーバ10は、利用者Uの識別情報は旅券番号であると判定すると(ステップS403、NO)、処理はステップS405へ移行する。
【0115】
ステップS404において、管理サーバ10は、利用者Uの顔照合を行う。すなわち、管理サーバ10は、業務端末72から受信した対象顔画像と、利用者情報DB11に登録された複数の登録顔画像とを1:Nで照合する。
【0116】
ステップS405において、管理サーバ10は、利用者情報DB11を参照し、利用者情報及び物品情報を取得する。次に、管理サーバ10は、利用者情報及び物品情報を含むレスポンスデータを業務端末72に送信する(ステップS406)。
【0117】
ステップS407において、業務端末72は、管理サーバ10から受信したレスポンスデータ及び係員Sの操作に基づいて入国審査手続を行う。次に、業務端末72は、利用者Uの入国を許可するか否かを判定する(ステップS408)。
【0118】
ここで、業務端末72は、利用者Uの入国を許可すると判定した場合(ステップS408、YES)、処理はステップS409へ移行する。これに対し、業務端末72は、利用者Uの入国を許可しないと判定した場合(ステップS408、NO)、エラー情報を通知する(ステップS410)。
【0119】
ステップS409において、業務端末72は、レスポンスデータに含まれる物品情報に基づいて、利用者Uの手荷物の中に他の手続が必要な物品があるか否かを判定する。具体的には、業務端末72は、第2国の法令・規則により持ち込みが禁止又は制限されている物品のリストと、管理サーバ10から提供された物品情報とを比較することにより、判定処理を行う。
【0120】
ここで、業務端末72が、他の手続が必要な物品があると判定すると(ステップS409、YES)、業務指示情報を表示し(ステップS411)、処理はステップS412へ移行する。
【0121】
図16は、業務端末72に表示される画面の一例を示す図である。ここでは、係員Sに対する業務指示のメッセージ(「AAA国において利用者の手荷物の中からBBB国への持ち込みが禁止又は制限されている物品が検出されています。手荷物を確認し、利用者に必要な手続を案内してください。」)と、利用者Uの利用者情報と、物品情報とが表示されている。なお、業務指示画面には、利用者Uを撮影した顔画像又は旅券の顔画像をさらに表示してもよい。
【0122】
これに対し、業務端末72が、他の手続が必要な物品はないと判定すると(ステップS409、NO)、処理はステップS412へ移行する。
【0123】
ステップS412において、業務端末72は、リクエストデータを管理サーバ10へ送信する。リクエストデータは、利用者ID、入国審査手続の結果及びデータベースの更新要求を含む。
【0124】
次に、管理サーバ10は、業務端末72からリクエストデータを受信すると、利用者情報DB11を更新する(ステップS413)。具体的には、管理サーバ10は、利用者IDをキーとして利用者情報DB11のステータスを“入国審査手続完了”に更新する。
【0125】
そして、管理サーバ10は、処理結果を含むレスポンスデータを業務端末72へ送信し(ステップS414)、処理を終了する。
【0126】
<入国審査手続(2)>
【0127】
図17は、情報処理システム1の入国審査時の処理の一例を示すシーケンスチャートである。この処理は、第2国に到着した利用者Uが、自動化ゲート装置70において入国審査手続を受けるときに実行される。
【0128】
先ず、自動化ゲート装置70は、利用者Uの識別情報を取得する(ステップS501)。ここでは、利用者Uの識別情報は、利用者Uの顔画像(生体情報)又は旅券等の記録媒体から読み取られる旅券番号とする。なお、旅券のICカードに記録されている生体情報を利用者Uの識別情報として用いることもできる。
【0129】
次に、自動化ゲート装置70は、管理サーバ10にリクエストデータを送信する(ステップS502)。リクエストデータは、利用者Uの識別情報と、利用者情報及び物品情報の送信要求とを含む。利用者Uの識別情報として顔画像(生体情報)が取得されている場合には、顔画像のデータを含む。
【0130】
管理サーバ10は、自動化ゲート装置70からリクエストデータを受信すると、リクエストデータに含まれる利用者Uの識別情報は顔画像であるか否かを判定する(ステップS503)。
【0131】
ここで、管理サーバ10は、利用者Uの識別情報は顔画像であると判定すると(ステップS503、YES)、処理はステップS504へ移行する。これに対し、管理サーバ10は、利用者Uの識別情報は旅券番号であると判定すると(ステップS503、NO)、処理はステップS505へ移行する。
【0132】
ステップS504において、管理サーバ10は、利用者Uの顔照合を行う。すなわち、管理サーバ10は、自動化ゲート装置70から受信した対象顔画像と、利用者情報DB11に登録された複数の登録顔画像とを1:Nで照合する。
【0133】
ステップS505において、管理サーバ10は、利用者情報及び物品情報を取得する。次に、管理サーバ10は、利用者情報及び物品情報を含むレスポンスデータを自動化ゲート装置70に送信する(ステップS506)。
【0134】
ステップS507において、自動化ゲート装置70は、管理サーバ10から受信したレスポンスデータに基づいて入国審査手続を自動で行う。次に、自動化ゲート装置70は、利用者Uの入国を許可するか否かを判定する(ステップS508)。
【0135】
ここで、自動化ゲート装置70は、利用者Uの入国を許可すると判定した場合(ステップS508、YES)、処理はステップS509へ移行する。これに対し、自動化ゲート装置70は、利用者Uの入国を許可しないと判定した場合(ステップS508、NO)、エラー情報を通知する(ステップS510)。
【0136】
ステップS509において、自動化ゲート装置70は、レスポンスデータに含まれる物品情報に基づいて、利用者の手荷物の中に他の手続が必要な物品があるか否かを判定する。ここで、自動化ゲート装置70が、他の手続が必要な物品があると判定すると(ステップS509、YES)、利用者Uに対する案内情報を表示し(ステップS511)、処理はステップS512へ移行する。
【0137】
図18は、自動化ゲート装置70に表示される画面の一例を示す図である。ここでは、利用者Uに対して物品の持ち込みに際して必要な手続を案内するメッセージ(「AAA国において、あなたの手荷物の中からBBB国への持ち込みが制限されている物品が検出されています。検疫所で下記の物品について手続を行ってください。」)と、物品情報とが表示されている。
【0138】
これに対し、自動化ゲート装置70が、他の手続が必要な物品はないと判定すると(ステップS509、NO)、処理はステップS512へ移行する。
【0139】
ステップS512において、自動化ゲート装置70は、ゲートを開放する。次に、自動化ゲート装置70は、リクエストデータを管理サーバ10へ送信する(ステップS513)。リクエストデータは、利用者ID、入国審査手続の結果及びデータベースの更新要求を含む。
【0140】
次に、管理サーバ10は、自動化ゲート装置70からリクエストデータを受信すると、利用者情報DB11を更新する(ステップS514)。具体的には、管理サーバ10は、利用者IDをキーとして利用者情報DB11のステータスを“入国審査手続完了”に更新する。
【0141】
そして、管理サーバ10は、処理結果を含むレスポンスデータを自動化ゲート装置70へ送信し(ステップS515)、処理を終了する。
【0142】
<税関検査手続(1)>
図19は、情報処理システム1の税関検査時の処理の一例を示すシーケンスチャートである。この処理は、入国審査手続を完了した利用者Uが、係員Sがいる有人カウンタにおいて税関検査手続を受けるときに実行される。
【0143】
先ず、業務端末82は、利用者Uの識別情報を取得する(ステップS601)。ここでは、利用者Uの識別情報は、利用者Uの顔画像(生体情報)又は旅券等の記録媒体から読み取られる旅券番号とする。なお、旅券のICカードに記録されている生体情報を利用者Uの識別情報として用いることもできる。
【0144】
次に、業務端末82は、管理サーバ10にリクエストデータを送信する(ステップS602)。リクエストデータは、利用者Uの識別情報と、利用者情報及び物品情報の送信要求とを含む。利用者Uの識別情報として顔画像(生体情報)が取得されている場合には、顔画像のデータを含む。
【0145】
管理サーバ10は、業務端末82からリクエストデータを受信すると、リクエストデータに含まれる利用者Uの識別情報は顔画像であるか否かを判定する(ステップS603)。
【0146】
ここで、管理サーバ10は、利用者Uの識別情報は顔画像であると判定すると(ステップS603、YES)、処理はステップS604へ移行する。これに対し、管理サーバ10は、利用者Uの識別情報は旅券番号であると判定すると(ステップS603、NO)、処理はステップS605へ移行する。
【0147】
ステップS604において、管理サーバ10は、利用者Uの顔照合を行う。すなわち、管理サーバ10は、業務端末82から受信した対象顔画像と、利用者情報DB11に登録された複数の登録顔画像とを1:Nで照合する。
【0148】
ステップS605において、管理サーバ10は、利用者情報及び物品情報を取得する。次に、管理サーバ10は、利用者情報及び物品情報を含むレスポンスデータを業務端末82に送信する(ステップS606)。次に、業務端末82は、利用者Uの申告情報を取得する(ステップS607)。
【0149】
ステップS608において、業務端末82は、管理サーバ10から受信したレスポンスデータに基づいて税関検査手続を自動で行う。次に、業務端末82は、利用者Uの入国を許可するか否かを判定する(ステップS609)。具体的には、業務端末82は、レスポンスデータに含まれる物品情報に基づいて、利用者の手荷物の中に他の手続が必要な物品があるか否かを判定する。
【0150】
ここで、業務端末82は、利用者Uの入国を許可すると判定した場合(ステップS609、YES)、処理はステップS610へ移行する。これに対し、業務端末82は、利用者Uの入国を許可しないと判定した場合(ステップS609、NO)、業務指示情報を表示する(ステップS611)。
【0151】
図20は、業務端末82に表示される画面の一例を示す図である。ここでは、係員Sに対する業務指示のメッセージ(「AAA国において利用者の手荷物の中から検出された物品の内容と申告内容が異なっています。手荷物を確認し、利用者に税関検査場での申告手続を案内してください。」)と、利用者Uの利用者情報と、物品情報とが表示されている。なお、業務指示画面には、利用者Uを撮影した顔画像又は旅券の顔画像をさらに表示してもよい。
【0152】
ステップS610において、業務端末82は、利用者Uの税関検査場からの退出を許可する。次に、業務端末82は、リクエストデータを管理サーバ10へ送信する(ステップS612)。リクエストデータは、利用者ID、税関検査手続の結果及びデータベースの更新要求を含む。
【0153】
次に、管理サーバ10は、業務端末82からリクエストデータを受信すると、利用者情報DB11を更新する(ステップS613)。具体的には、管理サーバ10は、利用者IDをキーとして利用者情報DB11のステータスを“税関検査手続完了”に更新する。
【0154】
そして、管理サーバ10は、処理結果を含むレスポンスデータを業務端末82へ送信し(ステップS614)、処理を終了する。
【0155】
<税関検査手続(2)>
【0156】
図21は、情報処理システム1の税関検査時の処理の一例を示すシーケンスチャートである。この処理は、入国審査手続を完了した利用者Uが、自動税関ゲート装置80において税関検査手続を受けるときに実行される。
【0157】
先ず、自動税関ゲート装置80は、利用者Uの識別情報を取得する(ステップS701)。ここでは、利用者Uの識別情報は、利用者Uの顔画像(生体情報)又は旅券等の記録媒体から読み取られる旅券番号とする。なお、旅券のICカードに記録されている生体情報を利用者Uの識別情報として用いることもできる。
【0158】
次に、自動税関ゲート装置80は、管理サーバ10にリクエストデータを送信する(ステップS702)。リクエストデータは、利用者Uの識別情報と、利用者情報及び物品情報の送信要求とを含む。利用者Uの識別情報として顔画像(生体情報)が取得されている場合には、顔画像のデータを含む。
【0159】
管理サーバ10は、自動税関ゲート装置80からリクエストデータを受信すると、リクエストデータに含まれる利用者Uの識別情報は顔画像であるか否かを判定する(ステップS703)。
【0160】
ここで、管理サーバ10は、利用者Uの識別情報は顔画像であると判定すると(ステップS703、YES)、処理はステップS704へ移行する。これに対し、管理サーバ10は、利用者Uの識別情報は旅券番号であると判定すると(ステップS703、NO)、処理はステップS705へ移行する。
【0161】
ステップS704において、管理サーバ10は、利用者Uの顔照合を行う。すなわち、管理サーバ10は、自動税関ゲート装置80から受信した対象顔画像と、利用者情報DB11に登録された複数の登録顔画像とを1:Nで照合する。
【0162】
ステップS705において、管理サーバ10は、利用者情報及び物品情報を取得する。次に、管理サーバ10は、利用者情報及び物品情報を含むレスポンスデータを自動税関ゲート装置80に送信する(ステップS706)。
【0163】
次に、自動税関ゲート装置80は、利用者Uから入力された申告情報を取得すると(ステップS707)、管理サーバ10から受信したレスポンスデータに基づいて税関検査手続を自動で行う(ステップS708)。次に、自動税関ゲート装置80は、利用者Uの入国を許可するか否かを判定する(ステップS709)。具体的には、自動税関ゲート装置80は、レスポンスデータに含まれる物品情報に基づいて、利用者の手荷物の中に他の手続が必要な物品があるか否かを判定する。
【0164】
ここで、自動税関ゲート装置80は、利用者Uの入国を許可すると判定した場合(ステップS709、YES)、処理はステップS710へ移行する。これに対し、自動税関ゲート装置80は、利用者Uの入国を許可しないと判定した場合(ステップS709、NO)、案内情報を表示する(ステップS711)。
【0165】
図22は、自動税関ゲート装置80に表示される画面の一例を示す図である。ここでは、利用者Uに対して物品の持ち込みに際して必要な手続を案内するメッセージ(「AAA国において、あなたの手荷物の中から申告手続が必要な物品が検出されています。申告内容に含まれていませんので、有人カウンタにて手続を行ってください。」)と、物品情報とが表示されている。
【0166】
なお、ステップS711において、自動税関ゲート装置80は、図22に示すような案内情報を表示するだけでなく、以下のような処理を行ってもよい。
(A)ゲートを開かずに、自動税関ゲート装置80の入口側に移動するように指示する。
(B)利用者Uに申告内容の修正を指示した上で、有人カウンタ(対面審査)に行くように案内する。
(C)税関検査場の係員Sが携帯する業務端末82に対してアラートを通知する。アラートの表示画面には、ゲートの位置、ゲートの番号、対象の利用者Uの顔画像等を図22の画面に含まれる情報と合わせて表示する。
【0167】
ステップS710において、自動税関ゲート装置80は、ゲートを開放する。次に、自動税関ゲート装置80は、リクエストデータを管理サーバ10へ送信する(ステップS712)。リクエストデータは、利用者ID、税関検査手続の結果及びデータベースの更新要求を含む。
【0168】
次に、管理サーバ10は、自動税関ゲート装置80からリクエストデータを受信すると、利用者情報DB11を更新する(ステップS713)。具体的には、管理サーバ10は、利用者IDをキーとして利用者情報DB11のステータスを“税関検査手続完了”に更新する。
【0169】
そして、管理サーバ10は、処理結果を含むレスポンスデータを自動税関ゲート装置80へ送信し(ステップS714)、処理を終了する。
【0170】
以上のように、本実施形態の情報処理システム1(管理サーバ10)は、第1国の保安検査において渡航者の手荷物に含まれる物品を示す物品情報を取得し、渡航者の第2国への入国に関する手続に用いられる装置に物品情報を提供する。これにより、第2国においては、入国者(利用者U)に対する手続を効率的に実行できる。
【0171】
管理サーバ10が、第2国の装置に対して提供する物品情報には、渡航者が渡航に使用する輸送機器への持ち込みが許可され、かつ、第2国への持ち込みが制限されている物品についての情報が含まれている。これにより、第2国の手続においては、入国者(利用者U)が所定の物品を国内に持ち込もうとしているか否かを容易に判定できる。
【0172】
また、物品情報には、物品ごとの数量の情報が含まれる。これにより、第2国においては、持ち込み数量に制限がある物品についての手続についても効率的に実行できる。
【0173】
本実施形態では、管理サーバ10は、機内持ち込み手荷物及び受託手荷物のそれぞれに対する手荷物検査で検出された物品情報を取得し、第2国の装置に対して物品情報を提供する構成である。これにより、第2国において利用者Uが対象物品を所持しているか否かを確実に判定することができる。
【0174】
管理サーバ10は、入国に関する手続において係員Sが操作する装置(業務端末72、業務端末82)及び当該手続を自動で実行する装置(自動化ゲート装置70、自動税関ゲート装置80)の両方にそれぞれ物品情報を提供できる。これにより、利用者Uが係員Sとの対話形式及びセルフ形式のいずれの手続方法を選択した場合でも、管理サーバ10は、手続を効率的に実行できる。
【0175】
本実施形態によれば、第2国の税関検査場において申告手続を行うべき利用者Uの人数を事前に把握することができる。該当する利用者(乗客)Uの人数は、フライトごとや時間ごとに把握できると好適である。例えば、14時に空港AAへ到着するNH01便の200名の乗客のうち、30名の乗客が税関検査場での申告手続を行う必要がある場合には、該当する乗客の情報を事前に(例えば航空機が空港AAに到着する前に)把握できる。同様に、14時から15時までの時間帯に空港AAに到着する1000名の乗客のうち、100名の乗客が税関検査場での申告手続を行う必要がある場合には、その情報を事前に把握できる。このように、税関検査場での申告手続を行う必要がある人物を事前に把握できるため、税関職員の配置を最適化できる。
【0176】
さらに、本実施形態によれば、税関検査場での申告手続が必要な人物が無申告で税関検査場を通過しようとした場合には、該当する人物を検知して通過を制限することができる。例えば、税関検査場での申告手続が必要な30名の人物のうち、3名の人物が無申告で税関検査場を通過しようとした場合には、その3名の人物の通過を制限することが可能になる。
【0177】
[第2実施形態]
本実施形態の情報処理システム2(管理サーバ10)は、第1国における審査手続の中で、渡航前の利用者Uに対して対象物品に関する情報を提供する機能をさらに備える点で第1実施形態とは異なる。なお、本実施形態において、第1実施形態で述べたものと重複する部分については説明を省略又は簡略化する場合がある。
【0178】
図23は、本実施形態に係る情報処理システム2の全体構成の一例を示す概略図である。図23に示すように、本実施形態の管理サーバ10は、規則情報DB14をさらに備えている。
【0179】
図24は、規則情報DB14が記憶する情報の一例を示す図である。規則情報DB14は、国内への物品の持ち込みが禁止又は制限されている物品に関する規則情報を国別に記憶するデータベースである。
【0180】
規則情報DB14は、国ごとに固有な国名コード、物品が属する分類(1)~(N)、物品の持ち込みの禁止・制限条件(1)~(N)、持ち込み時の運用区分をデータ項目として含んでいる。物品の分類(1)~(N)は、第2国において物品に適用される規則に応じて定義されていると好適である。禁止・制限条件の具体例としては、数量、金額、重量等が挙げられる。持ち込み時の運用区分の具体例としては、検疫、税関申告、没収・廃棄、罰則等が挙げられる。なお、これらのデータ項目は一例であり、他のデータ項目をさらに含んでいてもよい。
【0181】
図25は、本実施形態に係る管理サーバ10の機能ブロック図である。図25に示すように、本実施形態の管理サーバ10は、判定部10hをさらに備える。判定部10hは、利用者Uの手荷物に関する物品情報と、記憶部10e(規則情報DB14)に記憶されている渡航先における規則情報とに基づいて、手荷物の中に渡航先における対象物品を含んでいるか否かを判定する。
【0182】
<出国審査手続(1)>
図26は、情報処理システム2の出国審査時の処理の一例を示すシーケンスチャートである。この処理は、保安検査手続を完了した利用者Uが、係員Sがいる有人カウンタにおいて出国審査手続を受けるときに実行される。
【0183】
先ず、業務端末52は、係員Sの操作により、利用者Uの識別情報を取得する(ステップS801)。ここでは、利用者Uの識別情報は、利用者Uの顔画像(生体情報)又は旅券等の記録媒体から読み取られる旅券番号とする。なお、旅券のICカードに記録されている生体情報を利用者Uの識別情報として用いることもできる。
【0184】
次に、業務端末52は、管理サーバ10にリクエストデータを送信する(ステップS802)。リクエストデータは、利用者Uの識別情報と、利用者情報及び物品情報の送信要求とを含む。利用者Uの識別情報として顔画像(生体情報)が取得されている場合には、顔画像のデータを含む。
【0185】
管理サーバ10は、業務端末52からリクエストデータを受信すると、リクエストデータに含まれる利用者Uの識別情報は顔画像であるか否かを判定する(ステップS803)。ここで、管理サーバ10は、利用者Uの識別情報は顔画像であると判定すると(ステップS803、YES)、処理はステップS804へ移行する。これに対し、管理サーバ10は、利用者Uの識別情報は旅券番号であると判定すると(ステップS803、NO)、処理はステップS805へ移行する。
【0186】
ステップS804において、管理サーバ10は、利用者Uの顔照合を行う。すなわち、管理サーバ10は、業務端末52から受信した対象顔画像と、利用者情報DB11に登録された複数の登録顔画像とを1:Nで照合する。
【0187】
ステップS805において、管理サーバ10は、利用者情報、物品情報及び規則情報を取得する。このとき、管理サーバ10は、渡航先の国コードに基づいて規則情報DB14から規則情報を取得する。次に、管理サーバ10は、利用者情報、物品情報及び規則情報を含むレスポンスデータを業務端末52に送信する(ステップS806)。
【0188】
ステップS807において、業務端末52は、管理サーバ10から受信したレスポンスデータ及び係員Sの操作に基づいて出国審査手続を行う。次に、業務端末52は、利用者Uの出国を許可するか否かを判定する(ステップS808)。
【0189】
ここで、業務端末52は、利用者Uの出国を許可すると判定した場合(ステップS808、YES)、処理はステップS809へ移行する。これに対し、業務端末52は、利用者Uの出国を許可しないと判定した場合(ステップS808、NO)、エラー情報を通知する(ステップS810)。
【0190】
ステップS809において、業務端末52は、レスポンスデータに含まれる物品情報に基づいて、利用者Uの手荷物の中に渡航先(第2国)において他の手続が必要な物品があるか否かを判定する。ここで、業務端末52が、渡航先で他の手続が必要な物品があると判定すると(ステップS809、YES)、業務指示情報を表示し(ステップS811)、処理はステップS812へ移行する。
【0191】
図27は、業務端末52に表示される画面の一例を示す図である。ここでは、係員Sに対する業務指示のメッセージ(「保安検査において、利用者の手荷物の中から渡航先のCCC国への持ち込みが禁止又は制限されている物品が検出されています。CCC国への入国後に下記の物品について手続を行う必要があることを利用者に案内してください。」)と、利用者Uの利用者情報と、物品情報とが表示されている。なお、業務指示画面には、利用者Uを撮影した顔画像又は旅券の顔画像をさらに表示してもよい。
【0192】
これに対し、業務端末52が、渡航先で他の手続が必要な物品はないと判定すると(ステップS809、NO)、処理はステップS812へ移行する。
【0193】
ステップS812において、業務端末52は、リクエストデータを管理サーバ10へ送信する。リクエストデータは、利用者ID、出国審査手続の結果及びデータベースの更新要求を含む。
【0194】
次に、管理サーバ10は、業務端末52からリクエストデータを受信すると、利用者情報DB11を更新する(ステップS813)。具体的には、管理サーバ10は、利用者IDをキーとして利用者情報DB11のステータスを“出国審査手続完了”に更新する。
【0195】
そして、管理サーバ10は、処理結果を含むレスポンスデータを業務端末52へ送信し(ステップS814)、処理を終了する。
【0196】
<出国審査手続(2)>
図28は、情報処理システム2の出国審査時の処理の一例を示すシーケンスチャートである。この処理は、保安検査手続を完了した利用者Uが、自動化ゲート装置50によって出国審査手続を受けるときに実行される。
【0197】
先ず、自動化ゲート装置50は、利用者Uの識別情報を取得する(ステップS901)。ここでは、利用者Uの識別情報は、利用者Uの顔画像(生体情報)又は旅券等の記録媒体から読み取られる旅券番号とする。なお、旅券のICカードに記録されている生体情報を利用者Uの識別情報として用いることもできる。
【0198】
次に、自動化ゲート装置50は、管理サーバ10にリクエストデータを送信する(ステップS902)。リクエストデータは、利用者Uの識別情報と、利用者情報及び物品情報の送信要求とを含む。利用者Uの識別情報として顔画像(生体情報)が取得されている場合には、顔画像のデータを含む。
【0199】
管理サーバ10は、自動化ゲート装置50からリクエストデータを受信すると、リクエストデータに含まれる利用者Uの識別情報は顔画像であるか否かを判定する(ステップS903)。
【0200】
ここで、管理サーバ10は、利用者Uの識別情報は顔画像であると判定すると(ステップS903、YES)、処理はステップS904へ移行する。これに対し、管理サーバ10は、利用者Uの識別情報は旅券番号であると判定すると(ステップS903、NO)、処理はステップS905へ移行する。
【0201】
ステップS904において、管理サーバ10は、利用者Uの顔照合を行う。すなわち、管理サーバ10は、自動化ゲート装置50から受信した対象顔画像と、利用者情報DB11に登録された複数の登録顔画像とを1:Nで照合する。
【0202】
ステップS905において、管理サーバ10は、利用者情報、物品情報及び規則情報を取得する。このとき、管理サーバ10は、渡航先の国コードに基づいて規則情報DB14から規則情報を取得する。次に、管理サーバ10は、利用者情報、物品情報及び規則情報を含むレスポンスデータを自動化ゲート装置50に送信する(ステップS906)。
【0203】
ステップS907において、自動化ゲート装置50は、管理サーバ10から受信したレスポンスデータに基づいて出国審査手続を自動で行う。次に、自動化ゲート装置50は、利用者Uの出国を許可するか否かを判定する(ステップS908)。
【0204】
ここで、自動化ゲート装置50は、利用者Uの出国を許可すると判定した場合(ステップS908、YES)、処理はステップS909へ移行する。これに対し、自動化ゲート装置50は、利用者Uの出国を許可しないと判定した場合(ステップS908、NO)、エラー情報を通知する(ステップS910)。
【0205】
ステップS909において、自動化ゲート装置50は、レスポンスデータに含まれる物品情報に基づいて、利用者の手荷物の中に他の手続が必要な物品があるか否かを判定する。ここで、自動化ゲート装置50が、渡航先で他の手続が必要な物品があると判定すると(ステップS909、YES)、利用者Uに対する案内情報を表示し(ステップS911)、処理はステップS912へ移行する。
【0206】
図29は、自動化ゲート装置50に表示される画面の一例を示す図である。ここでは、利用者Uに対して物品の持ち込みに際して必要な手続を案内するメッセージ(「あなたの手荷物の中から渡航先(CCC国)への持ち込みが禁止又は制限されている物品が検出されました。CCC国に到着しましたら、下記の物品について以下の手続を行ってください。」)と、物品情報とが表示されている。
【0207】
これに対し、自動化ゲート装置50が、渡航先で他の手続が必要な物品はないと判定すると(ステップS909、NO)、処理はステップS912へ移行する。
【0208】
ステップS912において、自動化ゲート装置50は、ゲートを開放する。次に、自動化ゲート装置50は、リクエストデータを管理サーバ10へ送信する(ステップS913)。リクエストデータは、利用者ID、出国審査手続の結果及びデータベースの更新要求を含む。
【0209】
次に、管理サーバ10は、自動化ゲート装置50からリクエストデータを受信すると、利用者情報DB11を更新する(ステップS914)。具体的には、管理サーバ10は、利用者IDをキーとして利用者情報DB11のステータスを“出国審査手続完了”に更新する。
【0210】
そして、管理サーバ10は、処理結果を含むレスポンスデータを自動化ゲート装置50へ送信し(ステップS915)、処理を終了する。
【0211】
以上のように、本実施形態の情報処理システム2(管理サーバ10)は、第1国における審査手続の中で、渡航前の利用者Uに対して対象物品に関する情報を提供する機能をさらに備える。これにより、利用者Uは第2国において対象物品に対して行う手続を事前に知ることができる。その結果、第2国への入国に関する手続をさらに効率化することができる。
【0212】
[第3実施形態]
本実施形態の情報処理システム3(管理サーバ10)は、入国又は出国に関する手続に用いられる装置以外の表示端末に対して、利用者Uが対象物品を所持しているか否かを通知する機能を備える点で上述した実施形態とは異なる。
【0213】
図30は、本実施形態に係る情報処理システム3の全体構成の一例を示す概略図である。図30に示されるように、第1国の空港DA及び第2国の空港AAには、サイネージ端末90がそれぞれ設置されている。複数のサイネージ端末90は、ネットワークNWを介して管理サーバ10に接続されている。
【0214】
サイネージ端末90は、利用者Uから取得した識別情報に基づいて管理サーバ10から物品情報を取得し、利用者Uに対して第2国における対象物品の情報と、第2国への入国時に対象物品の持ち込みに対して必要な手続とを案内する案内情報を表示する表示端末である。
【0215】
図31は、情報処理システム3における処理の一例を示すシーケンスチャートである。この処理は、例えば利用者Uがサイネージ端末90の前に立った時、あるいは、利用者Uがサイネージ端末90に旅券をかざした時に自動的に実行される。
【0216】
先ず、サイネージ端末90は、利用者Uの識別情報を取得する(ステップS1001)。ここでは、利用者Uの識別情報は、利用者Uの顔画像(生体情報)又は旅券等の記録媒体から読み取られる旅券番号とする。なお、旅券のICカードに記録されている生体情報を利用者Uの識別情報として用いることもできる。
【0217】
次に、サイネージ端末90は、管理サーバ10にリクエストデータを送信する(ステップS1002)。リクエストデータは、利用者Uの識別情報と、利用者情報、物品情報及び規則情報の送信要求とを含む。利用者Uの識別情報として顔画像(生体情報)が取得されている場合には、利用者情報は顔画像のデータを含む。
【0218】
管理サーバ10は、サイネージ端末90からリクエストデータを受信すると、リクエストデータに含まれる利用者Uの識別情報は顔画像であるか否かを判定する(ステップS1003)。ここで、管理サーバ10は、利用者Uの識別情報は顔画像であると判定すると(ステップS1003、YES)、処理はステップS1004へ移行する。これに対し、管理サーバ10は、利用者Uの識別情報は旅券番号であると判定すると(ステップS1003、NO)、処理はステップS1005へ移行する。
【0219】
ステップS1004において、管理サーバ10は、利用者Uの顔照合を行う。すなわち、管理サーバ10は、サイネージ端末90から受信した対象顔画像と、利用者情報DB11に登録された複数の登録顔画像とを1:Nで照合する。
【0220】
ステップS1005において、管理サーバ10は、利用者情報、物品情報及び規則情報を取得する。このとき、管理サーバ10は、渡航先の国コードに基づいて規則情報DB14から規則情報を取得する。次に、管理サーバ10は、利用者情報、物品情報及び規則情報を含むレスポンスデータをサイネージ端末90に送信する(ステップS1006)。
【0221】
次に、サイネージ端末90は、レスポンスデータに含まれる物品情報及び規則情報に基づいて、利用者Uの手荷物の中に渡航先の第2国において他の手続が必要な物品があるか否かを判定する(ステップS1007)。
【0222】
ここで、サイネージ端末90は、渡航先で他の手続が必要な物品があると判定すると(ステップS1007、YES)、案内情報を表示し(ステップS1008)、処理は終了する。
【0223】
これに対し、サイネージ端末90は、渡航先で他の手続が必要な物品はないと判定すると(ステップS1007、NO)、他の手続が必要な物品はない旨のメッセージを表示し(ステップS1009)、処理は終了する。
【0224】
以上のように、本実施形態の情報処理システム3(管理サーバ10)は、入国又は出国に関する手続に用いられる装置以外の表示端末(サイネージ端末90)に対して、利用者Uが対象物品を所持しているか否かを通知する機能を備える。これにより、利用者Uは第1国及び第2国の様々な場所において、第2国において対象物品に対して行う手続を事前に知ることができる。その結果、第2国における手続をさらに効率化することができる。
【0225】
[第4実施形態]
図32は、本実施形態における情報処理装置100の全体構成の一例を示す概略図である。情報処理装置100は、取得部100Aと提供部100Bを備える。取得部100Aは、第1国の保安検査において渡航者の手荷物に含まれる物品を示す物品情報を取得する。提供部100Bは、渡航者の第2国への入国に関する手続に用いられる装置に物品情報を提供する。
【0226】
本実施形態によれば、渡航者の入国に関する手続を効率化できる情報処理装置100が提供される。
【0227】
[第5実施形態]
図33は、本実施形態における情報処理装置200の全体構成の一例を示す概略図である。情報処理装置200は、第1取得部200Aと、第2取得部200Bと、判定部200Cと、生成部200Dと、を備える。第1取得部200Aは、第1国の保安検査において、第2国へ渡航する渡航者の手荷物に含まれる物品を示す物品情報を取得する。第2取得部200Bは、第2国への物品の持ち込みに関する規則を取得する。判定部200Cは、物品情報及び規則に基づいて、第2国への物品の持ち込みが制限されるか否かを判定する判定処理を実行する。生成部200Dは、判定処理の結果に基づいて、渡航前の渡航者に第2国への物品の持ち込みに対して課される手続を案内するための案内情報を生成する。
【0228】
本実施形態によれば、渡航者の入国に関する手続を効率化できる情報処理装置200が提供される。
【0229】
[変形実施形態]
本発明は、上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。例えば、いずれかの実施形態の一部の構成を他の実施形態に追加した例や、他の実施形態の一部の構成と置換した例も、本発明の実施形態である。
【0230】
上述の実施形態では、利用者Uが航空機により出入国する場合について説明したが、本発明は、利用者Uが海港又は国境から出入国する場合にも適用可能である。
【0231】
また、管理サーバ10の機能は、複数のサーバが備えてもよい。例えば、第1国と第2国にサーバをそれぞれ設け、サーバ間で通信する構成にしてもよい。第1国のサーバから第2国のサーバへの物品情報の提供は、必ずしも第2国における手続時でなくてもよい。航空機が第1国の空港DAを出発し、第2国の空港AAに到着する前に、第1国のサーバが第2国のサーバに物品情報を搭乗情報と共に提供する構成にしてもよい。
【0232】
また、第1国において検出された対象物品の物品情報は、入国に関する手続以外の場面でも使用できる。例えば、対象物品が検出された利用者Uの行動を、空港の各所に配置されたカメラによって追跡し、その撮影画像を記憶してもよい。これにより、利用者Uが他の人物に対象物品を手渡すか否かを監視することもできる。
【0233】
また、受託手荷物に禁止・制限物品を含む場合には、該当する利用者Uの各タッチポイントの通過履歴に基づいて利用者Uの現在の位置やエリアを特定し、係員Sに通知してもよい。タッチポイントの通過履歴は、例えば顔認証処理の実行履歴や搭乗券等のチケットの読取処理の実行履歴である。さらに、利用者Uの現在の位置やエリアを特定した場合には、利用者Uの近くに設置された監視カメラと顔認証技術を用いて利用者Uを検出し、利用者Uの近くにいる係員Sに対して顔写真を含めて通知してもよい。
【0234】
また、上述した実施形態では、物品情報の通知先は空港に配置されている装置に限られていたが、通知先はこれに限られない。例えば、利用者Uの搭乗予約情報に利用者Uの所持するユーザ端末の連絡先を関連付けておくことにより、ユーザ端末に物品情報を通知する構成にしてもよい。図34は、変形実施形態に係るユーザ端末に表示される画面の一例を示す図である。ここでは、利用者Uに対して物品の持ち込みに際して必要な手続を案内するメッセージ(「あなたの手荷物の中から渡航先(CCC国)への持ち込みが禁止又は制限されている物品が検出されました。CCC国に到着しましたら、税関検査場で下記の物品について手続を行ってください。」)と、物品情報とが表示されている。
【0235】
図34に示すようなメッセージをユーザ端末に通知するタイミングとしては、例えば、(A)出国時に手荷物を検査したタイミング、(B)出国審査のタイミング、(C)入国審査のタイミング、(D)税関検査のタイミング等が挙げられるが、通知タイミングはこれらに限られない。また、ユーザ端末には、上述のようなメッセージの他に、航空機の位置情報やフライト情報(離陸時刻、到着予定時刻)等の情報を含めて通知してもよい。
【0236】
また、上述した実施形態では、対象物品の物品情報及びメッセージを画面に表示する場合について説明したが、通知方法は画面表示に限られない。例えば、自動化ゲート装置70等は、所定の用紙に物品情報をプリントアウトして利用者Uに提供してもよい。
【0237】
また、上述した実施形態では、輸送機器に搭乗する渡航者が客室内に持ち込む第1手荷物と、渡航者が搭乗前に預託した第2手荷物の両方から対象物品を検出する構成について説明したが、第1手荷物及び第2手荷物のうちの少なくとも1つを対象として物品情報を生成する構成にしてもよい。
【0238】
上述の実施形態の機能を実現するように該実施形態の構成を動作させるプログラムを記憶媒体に記録させ、記憶媒体に記録されたプログラムをコードとして読み出し、コンピュータにおいて実行する処理方法も各実施形態の範疇に含まれる。すなわち、コンピュータ読取可能な記憶媒体も各実施形態の範囲に含まれる。また、上述のプログラムが記録された記憶媒体だけでなく、そのプログラム自体も各実施形態に含まれる。また、上述の実施形態に含まれる1又は2以上の構成要素は、各構成要素の機能を実現するように構成されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の回路であってもよい。
【0239】
該記憶媒体としては例えばフロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD(Compact Disk)-ROM、磁気テープ、不揮発性メモリカード、ROMを用いることができる。また該記憶媒体に記録されたプログラム単体で処理を実行しているものに限らず、他のソフトウェア、拡張ボードの機能と共同して、OS(Operating System)上で動作して処理を実行するものも各実施形態の範疇に含まれる。
【0240】
上述の各実施形態の機能により実現されるサービスは、SaaS(Software as a Service)の形態でユーザに対して提供することもできる。
【0241】
なお、上述の実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【0242】
上述の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0243】
(付記1)
第1国の保安検査において渡航者の手荷物に含まれる物品を示す物品情報を取得する取得部と、
前記渡航者の第2国への入国に関する手続に用いられる装置に前記物品情報を提供する提供部と、
を備える情報処理装置。
【0244】
(付記2)
前記物品情報は、前記渡航者が渡航に使用する輸送機器への持ち込みが許可され、かつ、前記第2国への持ち込みが制限されている前記物品についての情報を含む、
付記1に記載の情報処理装置。
【0245】
(付記3)
前記物品情報は、前記第2国において前記物品に適用される規則に応じた分類を含む、
付記1又は2に記載の情報処理装置。
【0246】
(付記4)
前記物品情報は、前記物品ごとの数量の情報を含む、
付記1乃至3のいずれかに記載の情報処理装置。
【0247】
(付記5)
前記手続は、税関手続、検疫手続及び入国審査手続のうちの少なくとも1つを含む、
付記1乃至4のいずれかに記載の情報処理装置。
【0248】
(付記6)
前記手荷物は、前記輸送機器に搭乗する前記渡航者が客室内に持ち込む第1手荷物及び前記渡航者が搭乗前に預託した第2手荷物のうちの少なくとも1つである、
付記2に記載の情報処理装置。
【0249】
(付記7)
前記提供部は、前記手続において係員が操作する前記装置に前記物品情報を提供する、
付記1乃至6のいずれかに記載の情報処理装置。
【0250】
(付記8)
前記提供部は、前記手続を自動で実行する前記装置に前記物品情報を提供する、
付記1乃至6のいずれかに記載の情報処理装置。
【0251】
(付記9)
前記渡航者の登録生体情報と前記物品情報を関連付けて記憶する記憶部、
をさらに備える付記1乃至8のいずれかに記載の情報処理装置。
【0252】
(付記10)
前記提供部は、前記装置において取得された前記渡航者の生体情報を前記登録生体情報と生体照合することにより、前記登録生体情報に関連付けられている前記物品情報を前記装置に提供する、
付記9に記載の情報処理装置。
【0253】
(付記11)
前記生体情報及び前記登録生体情報は、前記渡航者の顔画像である、
付記10に記載の情報処理装置。
【0254】
(付記12)
前記渡航者の識別情報と前記物品情報を関連付けて記憶する記憶部をさらに備え、
前記提供部は、前記装置において前記渡航者が携帯する記録媒体から取得した前記渡航者の前記識別情報に基づいて、前記識別情報に関連付けられている前記物品情報を前記装置に提供する
付記1乃至8のいずれかに記載の情報処理装置。
【0255】
(付記13)
前記提供部は、前記装置以外に、前記渡航者の識別情報に予め関連付けられている端末装置に対して前記物品情報を提供する、
付記1乃至12のいずれかに記載の情報処理装置。
【0256】
(付記14)
第1国の保安検査において渡航者の手荷物に含まれる物品を示す物品情報を取得するステップと、
前記渡航者の第2国への入国に関する手続に用いられる装置に前記物品情報を提供するステップと、
を備える情報処理方法。
【0257】
(付記15)
コンピュータに、
第1国の保安検査において渡航者の手荷物に含まれる物品を示す物品情報を取得するステップと、
前記渡航者の第2国への入国に関する手続に用いられる装置に前記物品情報を提供するステップと、
を実行させるためのプログラムが記録された記録媒体。
【0258】
(付記16)
第1国の保安検査において、第2国へ渡航する渡航者の手荷物に含まれる物品を示す物品情報を取得する第1取得部と、
前記第2国への前記物品の持ち込みに関する規則を取得する第2取得部と、
前記物品情報及び前記規則に基づいて、前記第2国への前記物品の持ち込みが制限されるか否かを判定する判定処理を実行する判定部と、
前記判定処理の結果に基づいて、渡航前の前記渡航者に前記第2国への前記物品の持ち込みに対して課される手続を案内するための案内情報を生成する生成部と、
を備える情報処理装置。
【0259】
(付記17)
第1国の保安検査において、第2国へ渡航する渡航者の手荷物に含まれる物品を示す物品情報を取得するステップと、
前記第2国への前記物品の持ち込みに関する規則を取得するステップと、
前記物品情報及び前記規則に基づいて、前記第2国への前記物品の持ち込みが制限されるか否かを判定する判定処理を実行するステップと、
前記判定処理の結果に基づいて、渡航前の前記渡航者に前記第2国への前記物品の持ち込みに対して課される手続を案内するための案内情報を生成するステップと、
を備える情報処理方法。
【0260】
(付記18)
コンピュータに、
第1国の保安検査において、第2国へ渡航する渡航者の手荷物に含まれる物品を示す物品情報を取得するステップと、
前記第2国への前記物品の持ち込みに関する規則を取得するステップと、
前記物品情報及び前記規則に基づいて、前記第2国への前記物品の持ち込みが制限されるか否かを判定する判定処理を実行するステップと、
前記判定処理の結果に基づいて、渡航前の前記渡航者に前記第2国への前記物品の持ち込みに対して課される手続を案内するための案内情報を生成するステップと、
を実行させるためのプログラムが記録された記録媒体。
【符号の説明】
【0261】
NW・・・ネットワーク
U、U1~U11・・・利用者
S、S1~S5・・・係員
1、2、3・・・情報処理システム
10・・・管理サーバ
10a・・・リンク部
10b・・・手荷物検査部
10c・・・身体検査部
10d・・・物品情報取得部
10e・・・記憶部
10f・・・照合部
10g・・・物品情報提供部
10h・・・判定部
11・・・利用者情報DB
12・・・第1手荷物検査情報DB
13・・・第2手荷物検査情報DB
14・・・規則情報DB
20・・・チェックイン端末
30・・・自動手荷物預け機
40・・・保安検査装置
50、70・・・自動化ゲート装置
60・・・搭乗ゲート装置
80・・・自動税関ゲート装置
90・・・サイネージ端末
402・・・通行制御装置
403・・・手荷物搬送装置
404・・・カメラ
405・・・手荷物検査装置
406・・・身体検査装置
409・・・サイネージ端末
410・・・保管ボックス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34