(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】商品登録装置、制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/01 20060101AFI20240702BHJP
G07G 1/12 20060101ALI20240702BHJP
G06Q 30/06 20230101ALI20240702BHJP
【FI】
G07G1/01 301E
G07G1/12 321K
G06Q30/06
(21)【出願番号】P 2023030766
(22)【出願日】2023-03-01
(62)【分割の表示】P 2021139070の分割
【原出願日】2015-12-07
【審査請求日】2023-03-01
(31)【優先権主張番号】P 2015039632
(32)【優先日】2015-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】中村 翔太
(72)【発明者】
【氏名】池澤 るみ
【審査官】山本 裕太
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-192256(JP,A)
【文献】特開2014-119880(JP,A)
【文献】特開平05-233963(JP,A)
【文献】特開2013-206423(JP,A)
【文献】特開2014-142922(JP,A)
【文献】特許第7238932(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/01
G07G 1/12
G06Q 30/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品登録装置及び複数の精算装置を含むシステムにおける前記商品登録装置であって、
精算対象として登録された商品の商品情報により生成された精算情報を精算装置に送信する処理手段と、
前記複数の精算装置のうち当該精算情報の送信先とする精算装置を選択可能な選択画面を表示する表示制御手段と、
を有し、
前記選択画面には、前記複数の精算装置の各々について、最新の精算情報の送信時刻、精算装置が処理対象として有している精算情報に基づいて計算される商品個数、精算金額と支払金額との組み合わせ、及び精算装置を利用している人物の属性の少なくともいずれか1つ
が表示されるとともに、故障している精算装置については前記少なくともいずれか1つの代わりに当該精算装置の故障に関する故障情報が表示される、商品登録装置。
【請求項2】
前記選択画面には、精算対象として登録された前記商品の個数がさらに表示される請求項1に記載の商品登録装置。
【請求項3】
前記選択画面には、精算装置を利用している顧客の属性がさらに表示される請求項1又は2に記載の商品登録装置。
【請求項4】
商品登録装置及び複数の精算装置を含むシステムにおける前記商品登録装置によって実行される制御方法であって、
精算対象として登録された商品の商品情報により生成された精算情報を精算装置に送信するステップと、
前記複数の精算装置のうち当該精算情報の送信先とする精算装置を選択可能な選択画面を表示するステップと、
を有し、
前記選択画面には、前記複数の精算装置の各々について、最新の精算情報の送信時刻、精算装置が処理対象として有している精算情報に基づいて計算される商品個数、精算金額と支払金額との組み合わせ、及び精算装置を利用している人物の属性の少なくともいずれか1つ
が表示されるとともに、故障している精算装置については前記少なくともいずれか1つの代わりに当該精算装置の故障に関する故障情報が表示される、制御方法。
【請求項5】
商品登録装置及び複数の精算装置を含むシステムにおける前記商品登録装置を、
精算対象として登録された商品の商品情報により生成された精算情報を精算装置に送信する処理手段、
前記複数の精算装置のうち当該精算情報の送信先とする精算装置を選択可能な選択画面を表示する表示制御手段、
として機能させるプログラムであって、
前記選択画面には、前記複数の精算装置の各々について、最新の精算情報の送信時刻、精算装置が処理対象として有している精算情報に基づいて計算される商品個数、精算金額と支払金額との組み合わせ、及び精算装置を利用している人物の属性の少なくともいずれか1つ
が表示されるとともに、故障している精算装置については前記少なくともいずれか1つの代わりに当該精算装置の故障に関する故障情報が表示される、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品の精算を行う装置を使い分ける技術に関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケット等の店舗におけるレジ端末では、(1)精算対象の商品を登録する処理(バーコードの読み取りなど)及び(2)登録された商品の精算を行う処理(代金の受け取りやおつりの返却など)という2つの処理が行われる。
【0003】
そして、このようなレジ端末の機能を2つの装置に分離し、(1)の処理と(2)の処理とを異なる装置で行うという運用方法がある。例えば特許文献1は、(1)の処理に用いられる登録装置と、(2)の処理に用いられる会計装置とが分離して設けられている販売管理システムを開示している。店員は、登録装置を用いて商品の登録を行う。そして、商品の登録が完了すると、登録装置が登録レシートを発行する。購入客はその登録レシートを持って会計装置へ移動し、その登録レシートを会計装置に読み取らせる。すると、登録レシートの内容に基づく会計処理が行える状態となるため、購入客は会計装置を操作(代金を投入するなど)して会計を行う。以下、このように会計装置で登録レシートなどの可搬媒体から読み取った情報を用いて精算処理を行う方式を、シート方式と表記する。また、以下、会計装置のことを精算装置とも表記する。
【0004】
また、上述のように登録レシート等を利用せず、ある商品登録装置によって登録された商品の精算処理を行う精算装置を、その商品登録装置から指定するという方式(以下、指定方式)もある。この方式の場合、購入客は、どの精算装置が指定されたかを店員から聞き、その精算装置へ移動して精算を行う。
【0005】
一般に、指定方式では、各商品登録装置の付近に、その商品登録装置に対応する精算装置が置かれている。そして、ある商品登録装置は、登録した商品の精算処理を行わせる精算装置として、その商品登録装置に対応している精算装置を指定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
指定方式には、店員等のユーザが意図した精算装置を顧客に利用させることができるなどの利点がある。指定方式において「どの精算装置を選択すべきか」をユーザが判断する際、その意思決定を支援する技術が求められる。
【0008】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものである。本発明の目的の一つは、指定方式においてユーザが精算装置を選択するときに当該ユーザの意思決定を支援する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によれば、
商品登録装置及び複数の精算装置を含むシステムにおける前記商品登録装置であって、
精算対象として登録された商品の商品情報により生成された精算情報を精算装置に送信する処理手段と、
前記複数の精算装置のうち当該精算情報の送信先とする精算装置を選択可能な選択画面を表示する表示制御手段と、
を有し、
前記選択画面には、前記複数の精算装置の各々について、最新の精算情報の送信時刻、精算装置が処理対象として有している精算情報に基づいて計算される商品個数、精算金額と支払金額との組み合わせ、精算装置を利用している人物の属性および精算装置の障害情報の少なくともいずれか1つが表示される、商品登録装置が提供される。
【0010】
本発明の一態様によれば、
商品登録装置及び複数の精算装置を含むシステムにおける前記商品登録装置によって実行される制御方法であって、
精算対象として登録された商品の商品情報により生成された精算情報を精算装置に送信するステップと、
前記複数の精算装置のうち当該精算情報の送信先とする精算装置を選択可能な選択画面を表示するステップと、
を有し、
前記選択画面には、前記複数の精算装置の各々について、最新の精算情報の送信時刻、精算装置が処理対象として有している精算情報に基づいて計算される商品個数、精算金額と支払金額との組み合わせ、精算装置を利用している人物の属性および精算装置の障害情報の少なくともいずれか1つが表示される、制御方法が提供される。
【0011】
本発明の一態様によれば、
商品登録装置及び複数の精算装置を含むシステムにおける前記商品登録装置を、
精算対象として登録された商品の商品情報により生成された精算情報を精算装置に送信する処理手段、
前記複数の精算装置のうち当該精算情報の送信先とする精算装置を選択可能な選択画面を表示する表示制御手段、
として機能させるプログラムであって、
前記選択画面には、前記複数の精算装置の各々について、最新の精算情報の送信時刻、精算装置が処理対象として有している精算情報に基づいて計算される商品個数、精算金額と支払金額との組み合わせ、精算装置を利用している人物の属性および精算装置の障害情報の少なくともいずれか1つが表示される、プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、指定方式においてユーザが精算装置を選択するときに当該ユーザの意思決定を支援する技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
【0014】
【
図1】実施形態1に係る情報処理システムを例示するブロック図である。
【
図2】実施形態1の情報処理システムによって実行される処理の流れを示すフローチャートである。
【
図3】各機能構成部が商品登録装置の内部に実装される場合の情報処理システム2000を例示する図である。
【
図4】各機能構成部がサーバ装置の内部に実装される場合の情報処理システム2000を例示する図である。
【
図5】情報処理装置のハードウエア構成を例示するブロック図である。
【
図6】実施例の情報処理システムが有する商品登録装置、第1精算装置、及び第2精算装置のレイアウトを例示する図である。
【
図7】商品登録装置、第1精算装置、及び第2精算装置のレイアウトを例示する第2の図である。
【
図8】商品登録装置、第1精算装置、及び第2精算装置のレイアウトを例示する第3の図である。
【
図9】制御部によって表示される選択画面を例示する第1の図である。
【
図10】制御部によって表示される選択画面を例示する第2の図である。
【
図11】実施形態2の情報処理システムによって実行される処理の流れを例示するフローチャートである。
【
図12】実施形態3の情報処理システムによって実行される処理の流れを例示するフローチャートである。
【
図13】実施形態4の情報処理システムによって実行される処理の流れを例示する第1のフローチャートである。
【
図14】実施形態4の情報処理システムによって実行される処理の流れを例示する第2のフローチャートである。
【
図15】実施形態5の情報処理システムによって実行される処理の流れを例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0016】
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係る情報処理システム2000を例示するブロック図である。
図1において、各ブロックは、ハードウエア単位の構成ではなく、機能単位の構成を表している。
【0017】
情報処理システム2000は、商品登録装置3000、第1精算装置4020、及び第2精算装置4040を有する。情報処理システム2000を利用する店舗では、商品登録装置3000、第1精算装置4020、及び第2精算装置4040を用いて商品の精算が行われる。ここで、商品登録装置3000、第1精算装置4020、及び第2精算装置4040の設置数はそれぞれ1以上である。
【0018】
商品登録装置3000は、商品を精算対象として登録する処理に用いられる。店員は、商品登録装置3000を操作して、顧客が購入する各商品を精算対象として登録する。その結果、精算情報が生成される。精算情報は、精算対象として登録された商品の精算処理に関する情報である。
【0019】
各精算装置は、精算対象として登録された商品の精算(代金の支払いなど)に用いられる。商品登録装置3000における商品の登録が終わった後、顧客は、精算装置のところへ行く。精算装置は、商品登録装置3000による登録処理の結果生成された精算情報を用いて、精算処理を行う。具体的には、精算装置は、顧客に対する代金の提示、投入された代金の数え上げ、及びおつりの払い戻しなどを行う。
【0020】
情報処理システム2000はさらに、第1処理部2020、第2処理部2040、及び制御部2060を有する。第1処理部2020は第1の精算装置に精算情報を関連付ける。第1精算装置4020に精算情報が関連付けられた場合、顧客は、精算情報が関連付けられた第1精算装置4020で精算処理を行う。
【0021】
第2処理部2040は、精算情報を第2精算装置4040において可搬媒体から読み取られる識別情報に関連付けるか、又は精算情報を可搬媒体に出力する。この場合、顧客は、上記可搬媒体を持って任意の第2精算装置4040のところへ行き、第2精算装置4040に上記可搬媒体を読み取らせることで精算処理を行う。
【0022】
制御部2060は、精算情報を第1処理部2020及び第2処理部2040のどちらに処理させるかを制御する。
【0023】
<処理の流れ>
図2は実施形態1の情報処理システム2000によって実行される処理の流れを示すフローチャートである。制御部2060は、第1処理部2020と第2処理部2040のどちらに精算情報を処理させるかを決定する(S102)。第1処理部2020に精算情報を処理させる場合(S104:第1処理部)、
図2の処理はステップS106に進む。一方、第2処理部2040に精算情報を処理させる場合(S104:第2処理部)、
図2の処理はステップS110に進む。
【0024】
ステップS106において、第1処理部2020は、いずれかの第1精算装置4020に精算情報を関連付ける。その精算情報に基づく精算処理が、その精算情報が関連付けられた第1精算装置4020によって行われる(S108)。
【0025】
一方、ステップS110において、第2処理部2040は、精算情報を第2精算装置4040において可搬媒体から読み取られる識別情報に関連付けるか、又は精算情報を可搬媒体に出力する。その精算情報に基づく精算処理が、上記可搬媒体を読み取る第2精算装置4040によって行われる(S112)。
【0026】
以上のように、本実施形態の情報処理システム2000は、精算情報に基づく精算処理を第1精算装置4020と第2精算装置4040のどちらに行わせるかを制御する。第1精算装置4020に精算処理を行わせる場合、例えば顧客に特定の精算装置を利用させることができるという利点がある。一方、第2精算装置4040を利用する場合、例えば顧客がどの第2精算装置4040を利用するかを自由に選択できるという利点がある。本実施形態の情報処理システム2000によれば、これらの利点を考慮して制御部2060が制御を行うようにすることにより、精算装置を適切に使い分けることができる。
【0027】
以下、本実施形態についてさらに詳細を述べる。
【0028】
<情報処理システム2000の実装方法>
第1処理部2020、第2処理部2040、及び制御部2060は、1つ又は複数の情報処理装置によって実装される。例えばこれらの機能構成部の全てが、商品登録装置3000の内部に実装される(
図3)。
【0029】
また、情報処理システム2000が、商品登録装置3000、第1精算装置4020、及び第1精算装置4020とそれぞれ通信可能に接続されているサーバ装置5000を有するとする。この場合、第1処理部2020、第2処理部2040、及び制御部2060は、サーバ装置5000の内部に実装されてもよい(
図4)。またこれらの機能構成部の一部を商品登録装置3000の内部に実装し、残りの機能構成部をサーバ装置5000の内部に実装してもよい(図示せず)。
【0030】
<商品登録装置3000による商品の登録処理>
商品登録装置3000を用いて精算対象の商品を登録する処理には、様々な既知の技術を利用できる。例えば商品登録装置3000は、商品に付されたバーコードなどのシンボルを読み取ることで、その商品を精算対象として登録する。
【0031】
1つの精算処理における精算対象には、複数の商品が含まれうる。例えば商品登録装置3000は、精算対象の登録処理の開始を指示する操作を受け付けた後、精算対象の登録処理の終了を指示する操作を受け付けるまでの間に登録された1つ又は複数の商品を、1つの精算処理における精算対象として登録する。ある精算処理に関する精算情報は、その精算処理の対象として登録された各商品のID(Identifier)などを示す。また精算情報は、取引番号、各商品の金額、及び合計金額などをさらに示してもよい。
【0032】
<精算情報について>
例えば精算情報は、その精算情報に含まれる商品を精算対象として登録した商品登録装置3000によって生成される。この場合、商品登録装置3000は、生成した精算情報をサーバ装置5000へ送信するか、又は商品登録装置3000からアクセス可能な記憶装置に記憶させる。精算情報を受信したサーバ装置5000は、サーバ装置5000からアクセス可能な記憶装置に精算情報を記憶させる。
【0033】
また例えば、精算情報は、サーバ装置5000によって生成されてもよい。この場合、例えばサーバ装置5000は、商品登録装置3000から、精算対象として登録された商品に関する情報を取得し、その情報を用いて精算情報を生成する。そして、サーバ装置5000は、生成した精算情報をサーバ装置5000からアクセス可能な記憶装置に記憶させる。
【0034】
また、商品登録装置3000やサーバ装置5000は、精算情報を、第1精算装置4020や第2精算装置4040からアクセス可能な記憶装置に記憶させてもよい。
【0035】
なお、精算情報を生成する具体的な方法には様々な既知の技術を利用できるため、説明を省略する。
【0036】
例えば第1精算装置4020や第2精算装置4040は、精算情報を取得するために、精算情報のIDを示すリクエストをサーバ装置5000又は商品登録装置3000へ送信する。サーバ装置5000又は商品登録装置3000は、受信した精算情報のIDに関連付けられている精算情報を第1精算装置4020や第2精算装置4040へ送信する。
【0037】
また、第1精算装置4020や第2精算装置4040は、自身からアクセス可能な記憶装置に記憶されている精算情報を取得してもよい。
【0038】
<第1処理部2020の詳細>
第1処理部2020が第1精算装置4020と精算情報とを関連付ける方法は様々である。例えば第1処理部2020は、第1精算装置4020のIDと精算情報のIDとを関連付けることで、第1精算装置4020と精算情報とを関連付ける。具体的には、第1処理部2020は、関連付けの対象とした第1精算装置4020へ精算情報のIDを送信する。第1精算装置4020は、受信した精算情報のIDに関連付けられている精算情報をサーバ装置5000などから取得する。
【0039】
また例えば、第1処理部2020は、関連付けの対象とする第1精算装置4020に対して精算情報を送信することにより、精算情報と第1精算装置4020とを関連付けてもよい。
【0040】
ここで、第1処理部2020がサーバ装置5000の内部に実装されている場合、第1処理部2020は、関連付けの対象となる精算情報のID又は精算情報を商品登録装置3000から取得する。
【0041】
第1処理部2020が精算情報に対して関連付ける第1精算装置4020は、ユーザから指定される第1精算装置4020であってもよいし、予め設定さえた条件に基づき第1処理部2020によって決定される第1精算装置4020であってもよい。ここで、ユーザは顧客又は店員などである。ユーザから指定される第1精算装置4020に対して精算情報を関連付ける方法については、実施形態2で説明する。
【0042】
精算情報に関連付ける第1精算装置4020を第1処理部2020が決定する方法は様々である。例えば第1処理部2020は、各第1精算装置4020の状態に基づいて、精算情報に関連付ける第1精算装置4020を決定する。例えば第1処理部2020は、新たに関連付けられる精算情報に基づいて精算処理を行える第1精算装置4020に対して、精算情報を関連付ける。ここで、新たに関連付けられる精算情報に基づいて精算処理を行える第1精算装置4020は、例えば、現在顧客によって利用されていない第1精算装置4020である。新たに関連付けられる精算情報に基づいて精算処理を行える第1精算装置4020についての詳細は、実施形態3で説明する。
【0043】
また例えば、第1処理部2020は、精算情報を、その精算情報が示す商品の登録を行った商品登録装置3000と予め関連付けられている第1精算装置4020に対して関連付ける。ある商品登録装置3000に対して予め関連付ける第1精算装置4020は、例えばその商品登録装置3000を利用する顧客の動線付近にある第1精算装置4020である。ここで、商品登録装置3000を利用する顧客の動線とは、商品登録装置3000を利用する顧客が通る経路である。第1処理部2020は、情報処理システム2000の内部又は外部に記憶されている記憶装置から、商品登録装置3000と第1精算装置4020との対応関係を示す情報を取得することで、商品登録装置3000と第1精算装置4020との対応関係を把握する。
【0044】
なお、顧客がすぐに利用を開始できる第1精算装置4020や、精算情報が示す商品の登録を行った商品登録装置3000に関連付けられている第1精算装置4020が複数ある場合、第1処理部2020は、それら複数の第1精算装置4020の内の1つにその精算情報を関連付ける。例えば第1処理部2020は、それら複数の第1精算装置4020の内、精算情報が示す商品の登録を行った商品登録装置3000に最も近い位置に設置されている第1精算装置4020に対して、その精算情報を関連付ける。また例えば、第1処理部2020は、上記複数の第1精算装置4020の中からランダムに1つを選択し、選択した第1精算装置4020に対して精算情報を関連付けてもよい。
【0045】
ここで、商品登録装置3000に最も近い位置に設置されている第1精算装置4020を第1処理部2020が把握する方法は様々である。例えば第1処理部2020は、商品登録装置3000及び第1精算装置4020の位置情報を取得することで、商品登録装置3000に最も近い位置に設置されている第1精算装置4020を把握する。また例えば、第1処理部2020は、商品登録装置3000と、その商品登録装置3000の最も近くに設置されている第1精算装置4020とを関連付けた情報を取得することで、商品登録装置3000に最も近い位置に設置されている第1精算装置4020を把握する。各装置の位置情報や商品登録装置3000と第1精算装置4020とを関連付けた情報などは、情報処理システム2000の内部又は外部の記憶部に予め記憶しておく。
【0046】
また、第1精算装置4020は、全ての第1精算装置4020の中からランダムに1つを選択し、選択した第1精算装置4020に対して精算情報を関連付けてもよい。
【0047】
<第2処理部2040の詳細>
前述したように、第2処理部2040は、精算情報を第2精算装置4040において可搬媒体から読み取られる識別情報に関連付けるか、又は精算情報を可搬媒体に出力する。ここで、第2精算装置4040が読み取ることができる情報には様々なものがある。第2精算装置4040が読み取ることができる情報は、第2精算装置4040の構成や機能に応じて異なる。そのため、第2精算装置4040の構成や機能に応じて、第2処理部2040の動作も異なる。以下、第2処理部2040が可搬媒体から読み取る情報に対応させて、第1処理部2020の動作について説明する。
【0048】
<<第2精算装置4040が精算情報のIDを読み取る場合>>
第2精算装置4040が可搬媒体から精算情報のIDを読み取る場合、第2処理部2040は、関連付けの対象とする精算情報のIDを取得し、取得した精算情報のIDを可搬媒体に対して出力する。これにより、可搬媒体から読み取られる識別情報(精算情報のID)に対して精算情報が関連付けられる。以下、第2処理部2040が可搬媒体に対して精算情報のIDを出力する方法について説明する。
【0049】
例えば第2処理部2040は、第2精算装置4040によって読み取られる可搬媒体の出力を行う。この可搬媒体は、例えば紙やプラスチック等のシートである。このとき、第2処理部2040は、可搬媒体に精算情報のIDを出力(印字又は記録など)する。シートに精算情報のIDを印字する場合、精算情報のIDは、例えば各種のコード(文字列、バーコード、又は二次元コードなど)を用いて印字される。顧客は、第2処理部2040によって出力されたシートを第2精算装置4040へ持って行き、そのシート上に印字された精算情報のIDを第2精算装置4040に読み取らせる。これにより、第2精算装置4040は、精算情報のIDを取得する。なお上記シートは、使い捨てのものであってもよいし、再利用可能なリライト式カードなどであってもよい。
【0050】
また第2処理部2040は、可搬媒体の出力を行わず、顧客が予め持っている可搬媒体に対して精算情報のIDを出力してもよい。例えば第2処理部2040は、顧客の会員カードに精算情報のIDを記録する。また例えば、第2処理部2040は、顧客の携帯端末に対して、精算情報のIDを送信する。この場合、顧客の携帯端末は、第2処理部2040によって送信された精算情報のIDを受信し、そのIDを表示画面上に表示する機能を有する。
【0051】
第2処理部2040が精算情報のIDの送信先を特定する方法は様々である。例えば顧客が店舗において会員登録をしている場合、会員情報がメールアドレスを含むようにしておく。この場合、例えば第2処理部2040は、顧客が提示した会員カードなどを読み取ることで、その顧客の会員情報に含まれるメールアドレスを取得する。そして、第2処理部2040は、取得したメールアドレスを宛先として、精算情報のIDを送信する。
【0052】
また例えば、顧客が、店舗等から提供される専用のアプリケーションを予め携帯端末にインストールしておく。このアプリケーションは、商品登録装置3000と無線通信の接続を確立する機能を備える。そして商品登録装置3000は、接続が確立されたアプリケーションに対して精算情報のIDを送信する。
【0053】
<<第2精算装置4040が精算情報を読み取る場合>>
第2精算装置4040が可搬媒体から精算情報そのものを読み取る場合、第2処理部2040は、精算情報を取得し、精算情報のIDを可搬媒体に出力する方法と同様の方法で、この精算情報を可搬媒体に出力する。この場合、第2精算装置4040は、可搬媒体から精算情報を読み取ることで、精算情報を取得する。
【0054】
<<第2精算装置4040が精算情報のID以外の識別情報を読み取る場合>>
第2精算装置4040が可搬媒体から精算情報のID以外の識別情報を読み取るとする。この場合、第2処理部2040は、この識別情報を、顧客が予め持っている可搬媒体(会員カードや携帯端末など)から読み取る。例えばこの可搬媒体が会員カードである場合、この識別情報は会員IDなどである。第2処理部2040は、関連付けの対象である精算情報のIDを取得し、可搬媒体から読み取った識別情報に対してこの精算情報のIDを関連付ける。そして第2処理部2040は、関連付けた精算情報のID及び可搬媒体から読み取った識別情報をサーバ装置5000へ送信する。
【0055】
この場合、第2精算装置4040は、可搬媒体から識別情報を読み取り、この識別情報に基づいて精算情報を取得する。例えば第2精算装置4040は、サーバ装置5000に対し、この識別情報を示すリクエストを送信する。サーバ装置5000は、取得したリクエストに示されている識別情報に関連付けられている精算情報のIDを割り出し、この精算情報のIDによって特定される精算情報を第2精算装置4040へ送信する。
【0056】
なお、第2処理部2040がサーバ装置5000の内部に実装されている場合、第2処理部2040は、関連付けの対象となる精算情報のIDや精算情報を商品登録装置3000から取得する。
【0057】
<制御部2060の詳細>
制御部2060は、精算情報を第1処理部2020及び第2処理部2040のどちらに処理させるかを制御する。ここで、制御部2060が精算情報を第1処理部2020と第2処理部2040のどちらに処理させるのかを制御する方法は様々である。これらの具体的な手法については後述の各実施形態で説明する。
【0058】
制御部2060が動作するタイミングは様々である。例えば制御部2060は、商品登録装置3000による商品の登録が終了したタイミングで動作する。また例えば制御部2060は、商品登録装置3000による商品の登録が開始される前や、店員から精算情報を処理させる精算装置を決定する旨の操作を受け付けたタイミングで動作してもよい。
【0059】
<精算装置の詳細>
精算装置は精算情報を取得し、その精算情報に基づいて精算処理を行う。精算装置が商品の精算処理に用いる情報(精算情報)に基づいて精算処理を行う方法には、既知の手法が利用できる。この既知の手法についての詳細は省略する。
【0060】
第2精算装置4040は、可搬媒体から精算情報、精算情報のID、又は精算情報のID以外の識別情報を読み取る。可搬媒体から読み取る情報が精算情報である場合、第2精算装置4040は、可搬媒体から精算情報を読み取ることで、精算情報を取得する。なお、精算情報がバーコードなどのコード化された情報として可搬媒体に印字されている場合、第2精算装置4040は、読み取った情報を復号することで精算情報を割り出す。
【0061】
可搬媒体から読み取る情報が識別情報である場合、第2精算装置4040は、読み取った識別情報に関連付けられている精算情報を取得する。ここで、識別情報がバーコードなどのコード化された情報として可搬媒体に印字されている場合、第2精算装置4040は、読み取った情報を復号することで識別情報を割り出す。なお、第2精算装置4040が識別情報に基づいて精算情報を取得する方法については、前述した通りである。
【0062】
<ハードウエア構成例>
第1処理部2020、第2処理部2040、及び制御部2060を実装する情報処理装置の各機能構成部は、各機能構成部を実現するハードウエア(例:ハードワイヤードされた電子回路など)で実現されてもよいし、ハードウエアとソフトウエアとの組み合わせ(例:電子回路とそれを制御するプログラムの組み合わせなど)で実現されてもよい。
【0063】
情報処理装置は、PC(Personal Computer)、携帯型端末、又はサーバマシンなどの種々の計算機として実装される。ここで情報処理システム2000は、情報処理システム2000を実装するための専用の計算機に実装されてもよいし、その他のアプリケーション等も含まれている汎用の計算機に実装されてもよい。
【0064】
図5は、情報処理装置1000のハードウエア構成を例示するブロック図である。情報処理装置1000は、バス1020、プロセッサ1040、メモリ1060、ストレージ1080、入出力インタフェース1100、ネットワークインタフェース1120を有する。バス1020は、プロセッサ1040、メモリ1060、ストレージ1080、入出力インタフェース1100、及びネットワークインタフェース1120が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ1040などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。プロセッサ1040は、例えば CPU (Central Processing Unit) や GPU (Graphics Processing Unit) などの演算処理装置である。メモリ1060は、例えば RAM (Random Access Memory) や ROM (Read Only Memory) などのメモリである。ストレージ1080は、例えばハードディスク、SSD (Solid State Drive)、又はメモリカードなどの記憶装置である。また、ストレージ1080は、RAM や ROM 等のメモリであってもよい。
【0065】
入出力インタフェース1100は、情報処理装置1000と入出力デバイスとを接続するためのインタフェースである。入出力デバイスは、例えばキーボード、マウス、又はディスプレイなどである。情報処理装置1000が商品登録装置3000である場合、入出力デバイスにはさらに、商品の登録に利用するバーコードリーダなどが含まれる。
【0066】
ネットワークインタフェース1120は、情報処理装置1000を外部の装置(精算装置など)と接続するためのインタフェースである。ネットワークインタフェース1120は、有線回線と接続するためのネットワークインタフェースでもよいし、無線回線と接続するためのネットワークインタフェースでもよい。
【0067】
ストレージ1080は、情報処理装置1000の機能を実現するためのプログラムを記憶している。具体的には、第1処理部2020、第2処理部2040、及び制御部2060の機能を実現するプログラムモジュールを記憶している。プロセッサ1040は、これら各プログラムモジュールを実行することで、第1処理部2020、第2処理部2040、及び制御部2060の機能をそれぞれ実現する。ここでプロセッサ1040は、上記各モジュールを実行する際、これらのモジュールをメモリ1060上に読み出してから実行してもよいし、メモリ1060上に読み出さずに実行してもよい。
【0068】
情報処理装置1000のハードウエア構成は
図5に示した構成に限定されない。例えば、各プログラムモジュールはメモリ1060に格納されてもよい。この場合、情報処理装置1000は、ストレージ1080を備えていなくてもよい。
【0069】
また、情報処理システム2000の機能は複数の情報処理装置1000(商品登録装置3000とサーバ装置5000など)で実現されてもよい。
【0070】
<実施例>
以下、情報処理システム2000を利用して商品の精算が行われる流れを、各装置の具体的なレイアウトを用いて例示する。以下で説明する情報処理システム2000の動作は、上述した情報処理システム2000の動作の一例である。
【0071】
<<レイアウトについて>>
図6は、実施例の情報処理システム2000が有する商品登録装置3000、第1精算装置4020、及び第2精算装置4040のレイアウトを例示する図である。第1精算装置4020はそれぞれ、顧客10の動線に沿って商品登録装置3000の近くに設置されている。一方、第2精算装置4040は商品登録装置3000から少し離れた場所に設置されている。このレイアウトによれば、商品登録装置3000の最も近くにある第1精算装置4020とその商品登録装置3000との間の距離は、商品登録装置3000の最も近くに第2精算装置4040とその商品登録装置3000との間の距離よりも短くなっている。
【0072】
前述した通り、第1精算装置4020は、第1処理部2020によってその第1精算装置4020に関連付けられた精算情報を取得する。そのため、可搬媒体から読み取る情報に基づいて精算情報を取得する第2精算装置4040とは異なり、第1精算装置4020は、可搬媒体から識別情報などを読み取ることなく、精算情報を取得できる。よって、第1精算装置4020を利用する顧客は、精算装置に可搬媒体を読み取らせる必要がない。そのため、第1精算装置4020の方が顧客による操作が簡便であると言える。このように操作が簡便な第1精算装置4020を商品登録装置3000の近くに設置することで、精算装置の扱いに不慣れな顧客(子供やお年寄りなど)に対して操作が簡便な精算装置を利用させつつ、商品登録装置3000を操作する店員がこのような顧客のサポートを行えるなどの利点がある。
【0073】
ただし、第1精算装置4020及び第2精算装置4040のレイアウトは、
図6のレイアウトに限定されない。例えば
図7に示すように、第1精算装置4020と第2精算装置4040の位置が
図6の場合と逆であってもよい。また、
図8に示すように、第1精算装置4020及び第2精算装置4040の双方を顧客10の動線に沿って設置するレイアウトでもよい。
【0074】
<<精算の流れについて>>
以下、
図6で示されるレイアウトの店舗における商品の精算の流れについて例示する。商品登録装置3000を操作する店員20は、顧客10から商品を受け取り、その商品を精算対象として登録する。この時、制御部2060は、精算情報を第1精算装置4020と第2精算装置4040のどちらに処理させるかを決定する。例えば制御部2060は、店員20から、第1精算装置4020と第2精算装置4040のどちらに精算情報を処理させるかを示す入力を受け付ける。
【0075】
ここで店員20が、第1精算装置4020-1に精算情報を処理させることを指定したとする。この場合、制御部2060は、第1処理部2020に精算情報を処理させる。第1処理部2020は、第1精算装置4020-1に精算情報を関連付ける。具体的には、第1処理部2020は、第1精算装置4020-1に対して精算情報のIDを送信する。第1精算装置4020-1は、受信した精算情報のIDに関連付けられている精算情報をサーバ装置5000(図示せず)から取得する。
【0076】
店員20は、顧客10に、第1精算装置4020-1を利用するように伝える。顧客10は、第1精算装置4020-1のところへ行って精算処理を行う。具体的には、第1精算装置4020-1が、商品の合計金額などを顧客10に提示する。そして、顧客10が代金の投入等を行うことで、精算処理が完了する。
【0077】
一方、店員20が、第2精算装置4040に精算情報を処理させることを指定したとする。この場合、制御部2060は、第2処理部2040に精算情報を処理させる。第2処理部2040は、精算情報のIDが印字された可搬媒体を出力する。顧客10は、出力された可搬媒体を受け取り、任意の第2精算装置4040のところへ行く。そして、顧客10は、第2精算装置4040に上記可搬媒体を読み取らせる。この可搬媒体から精算情報のIDを読み取った第2精算装置4040は、この精算情報のIDに関連付けられている精算情報をサーバ装置5000から取得し、商品の合計金額などを顧客10に提示する。そして、顧客10が代金の投入等を行うことで、精算処理が完了する。
【0078】
なお、上述の実施例は、各第1精算装置4020や第2精算装置4040をそれぞれ1つの情報装置の内部に実装した例を示している。しかし、1つの情報処理装置の内部に第1精算装置4020及び第2精算装置4040の双方が実装されてもよい。つまり、1台の情報処理装置に、第1精算装置4020として動作する機能と第2精算装置4040として動作する機能の双方を持たせる。
【0079】
この場合、例えばこの情報処理装置は、第1精算装置4020と第2精算装置4040のどちらとして動作するかを示す設定を受け付ける。また例えば、この情報処理装置は、取得した情報の種類に基づいて、第1精算装置4020と第2精算装置4040のどちらとして動作するかを自動で決定する。具体的には、この情報処理装置は、例えば第1処理部2020から精算情報や精算情報のIDを受信した場合に、第1精算装置4020として動作する。一方、この情報処理装置は、例えば可搬媒体から識別情報や精算情報を読み取った場合に、第2精算装置4040として動作する。
【0080】
[実施形態2]
実施形態2の情報処理システム2000は、実施形態1の情報処理システム2000と同様に、例えば
図1で表される。下記で説明する点を除き、実施形態2の情報処理システム2000が有する機能は、実施形態1の情報処理システム2000が有する機能と同様である。
【0081】
実施形態2の制御部2060は、ユーザによる入力を受け付ける。そして、制御部2060は、受け付けた入力に基づいて、第1処理部2020と第2処理部2040のどちらに精算情報を処理させるかを決定する。
【0082】
例えば制御部2060は、商品登録装置3000と接続されている表示画面上に選択画面を表示する。
図9及び
図10は、制御部2060によって表示される選択画面30を例示する図である。
【0083】
図9の選択画面30は、ボタン40及びボタン50を有する。ボタン40が押された場合、制御部2060は第1処理部2020に精算情報を処理させる。一方、ボタン50が押された場合、制御部2060は第2処理部2040に精算情報を処理させる。
【0084】
なお、第1精算装置4020が複数台ある場合にボタン40が押された場合、例えば第1処理部2020は、例えば複数の第1精算装置4020の中から1つの第1精算装置4020を選択し、その第1精算装置4020に対して精算情報を関連付ける。例えば第1処理部2020は、顧客が購入する商品の登録を行った商品登録装置3000に最も近い位置に設置されている第1精算装置4020に対して精算情報を関連付ける。ここで、ある商品登録装置3000に最も近い第1精算装置4020を第1処理部2020が把握する方法については、実施形態1で説明した通りである。
【0085】
また、第1精算装置4020が複数台ある場合にボタン40が押された場合、例えば第1処理部2020は、複数の第1精算装置4020から1つを選択する画面をさらに表示してもよい。この場合、制御部2060は、その画面で選択された第1精算装置4020に精算情報を関連付ける。
【0086】
ここで、
図9においてボタン50の名称が「発券」になっているが、この名称はあくまで例示である。実施形態1で説明したように、第2処理部2040が行う処理は可搬媒体の出力(発券)に限定されない。ボタン40やボタン50の名称は、任意に設定することができる。例えば第1精算装置4020の設置場所と第2精算装置4040の設置場所に異なる名称が付けられている場合、ボタン40の名称とボタン50の名称をそれぞれ、第1精算装置4020の設置場所と第2精算装置4040の設置場所にする。
【0087】
図10の選択画面30は、ボタン50及びボタン60を有する。ボタン60は、第1精算装置4020を指定するためのボタンである。例えばボタン60-1が押された場合、制御部2060は、第1処理部2020に精算情報を処理させる。具体的には、第1処理部2020は、「精算装置1」という名称の第1精算装置4020に、精算情報を関連付ける。
【0088】
例えば店員は、第1精算装置4020に精算情報を処理させる場合、選択画面30に表示されている各第1精算装置4020に関する情報を見て、精算情報を処理させる第1精算装置4020を決定する。
図10では、各第1精算装置4020について、(1)精算装置の状態(待機中や使用中など)、(2)待ち人数(精算装置に並んでいる顧客の人数)、直近の精算情報が送信された送信時刻、(3)直近の精算情報において精算対象として登録されている商品の個数、(4)精算処理における精算金額、(5)精算装置に対する入金の状態、及び(6)現在精算装置を利用している顧客の属性を表示している。精算金額は、顧客が支払うべき金額を表す。入金の状態は、精算装置に対して現在何円入金されているか、又は精算装置に対して投入すべき残りの代金を示す。顧客の属性は、顧客の年齢や特徴(動作の機敏さなど)を表す。
【0089】
選択画面30に表示された各ボタンをユーザが押す方法は様々である。例えば選択画面30を表示するディスプレイがタッチパネルを有する場合、ユーザは各ボタンを指などで押す。また例えば、ユーザは、キーボードやマウスなどの各種入力デバイスを操作することで、各ボタンを押してもよい。
【0090】
なお、上述で例示した各種の選択操作を行う方法は、選択画面を通じて行う方法に限定されない。例えば
図9の選択画面30と同様の機能を実現するために、ボタン40とボタン50に相当する物理ボタンを商品登録装置3000やその周辺などに設けてもよい。また例えば、
図10の選択画面30と同様の機能を実現するために、ボタン50とボタン60に相当する物理ボタンを商品登録装置3000やその周辺などに設けてもよい。また、ボタン50は物理ボタンで実現し、ボタン60は選択画面上のボタンで実現するなど、選択画面上のボタンと物理ボタンの両方が用いられてもよい。
【0091】
<処理の流れ>
図11は、実施形態2の情報処理システム2000によって実行される処理の流れを例示するフローチャートである。制御部2060は、ユーザによる入力を受け付ける(S202)。ユーザによる入力が第1精算装置4020を指定する入力である場合(S204:第1精算装置)、
図11の処理はステップS206に進む。ユーザによる入力が第2精算装置4040を指定する入力である場合(S204:第2精算装置)、
図11の処理はステップS110に進む。
【0092】
ステップS206において、第1処理部2020は、ユーザによって指定された第1精算装置4020に精算情報を処理させる。その後、
図11の処理はステップS108に進む。
【0093】
なお、ステップS108以降の流れ及びステップS110以降の流れは、
図2の場合と同様である。
【0094】
<ハードウエア構成例>
例えば実施形態2の情報処理システム2000は、実施形態1の情報処理システム2000と同様に、1つ又は複数の情報処理装置1000(
図5参照)を用いて実現される。本実施形態において、前述したストレージ1080に記憶される各プログラムモジュールには、本実施形態で説明した各機能を実現するプログラムがさらに含まれる。
【0095】
本実施形態によれば、顧客や店員による入力に基づいて、第1精算装置4020と第2精算装置4040のどちらにおいて精算処理を行うかが決定される。よって、顧客や店員の判断により、適切な精算装置を利用することができる。
【0096】
[実施形態3]
実施形態3の情報処理システム2000は、例えば実施形態1の情報処理システム2000と同様に、
図1で表される。実施形態3の情報処理システム2000は、下記で説明する点を除き、実施形態1の情報処理システム2000と同様の機能を有する。
【0097】
実施形態3の制御部2060は、精算装置の状態に応じて、第1処理部2020と第2処理部2040のどちらに精算情報を処理させるかを決定する。具体的には、制御部2060は、第1処理部2020によって新たに関連付けられる精算情報に基づく精算処理を第1精算装置4020が行える場合、第1処理部2020に精算情報を処理させる。一方、制御部2060は、第1処理部2020によって新たに関連付けられる精算情報に基づく精算処理を第1精算装置4020が行えない場合、第2処理部2040に精算情報を処理させる。
【0098】
<「精算装置の状態」について>
「第1処理部2020によって新たに関連付けられる精算情報に基づく精算処理を第1精算装置4020が行えない場合」を表す具体的な状況としては、様々な状況が考えられる。例えばこの状況は、(1)第1精算装置4020がその他の精算情報に基づく精算処理を行っている状況である。言い換えれば、その第1精算装置4020を他の顧客が利用している状況である。以下、(1)の状況を「使用中」と呼ぶ。
【0099】
また例えば、「第1処理部2020によって新たに関連付けられる精算情報に基づく精算処理を第1精算装置4020が行えない場合」を表す状況は、(2)第1精算装置4020がその他の精算情報に基づく精算処理を行っておらず、新たな精算情報の処理もできないという状況である。具体的には、第1精算装置4020が故障している状況や、第1精算装置4020と外部との間の通信回線が故障している状況などである。外部との間の通信回線が故障している場合、第1精算装置4020は精算情報を取得できないため、精算情報に基づく精算処理を行えない。以下、(2)の状況を「オフライン」と呼ぶ。
【0100】
情報処理システム2000は、使用中若しくはオフライン、又はその双方を「第1処理部2020によって新たに関連付けられる精算情報に基づく精算処理を第1精算装置4020が行えない場合」とする。ただし、情報処理システム2000は、使用中とオフライン以外の状況を「第1処理部2020によって新たに関連付けられる精算情報に基づく精算処理を第1精算装置4020が行えない場合」として扱ってもよい。
【0101】
「第1処理部2020によって新たに関連付けられる精算情報に基づく精算処理を第1精算装置4020が行えない場合」の定義は、例えば予め制御部2060に設定される。ただし、制御部2060は、この定義を表す設定情報を情報処理システム2000の内部又は外部の記憶装置から取得してもよい。
【0102】
なお、第1処理部2020によって新たに関連付けられる精算情報に基づいて精算処理を行える第1精算装置4020は、第1処理部2020によって新たに関連付けられる精算情報に基づいて精算処理を行えない第1精算装置4020以外の第1精算装置4020である。
【0103】
ここで、新たに関連付けられる精算情報に基づく精算処理を第1精算装置4020が行えるか否かという判定について、制御部2060が判定対象とする第1精算装置4020は、店舗に設置されている全ての第1精算装置4020であってもよいし、一部の第1精算装置4020であってもよい。
【0104】
一部の第1精算装置4020のみを上記の判定対象とする場合において、判定対象とする第1精算装置4020を制御部2060が決定する方法は様々である。例えば制御部2060は、顧客が購入する商品の登録に用いられた商品登録装置3000に対して予め関連付けられている第1精算装置4020を、上述の判定対象とする。この場合、制御部2060は、商品登録装置3000と第1精算装置4020との関連付けを示す情報を、情報処理システム2000の内部又は外部に設けられている記憶部から取得する。商品登録装置3000に対して関連付けておく第1精算装置4020は、例えばその商品登録装置3000を利用する顧客の動線付近に設置されている第1精算装置4020である。
【0105】
また例えば、制御部2060は、第1精算装置4020の位置情報を利用して、上述の判定対象とする第1精算装置4020を決定してもよい。具体的には、まず予め、商品登録装置3000に対し、店舗内の領域を示す情報を関連付けておく。この領域は、例えば商品登録装置3000を利用する顧客の動線付近を表す領域である。制御部2060は、顧客が購入する商品の登録に用いられた商品登録装置3000に関連付けられた領域、及び各第1精算装置4020の位置情報を取得する。そして制御部2060は、位置情報がこの領域内を示す第1精算装置4020のみを上記の判定対象とする。
【0106】
<「精算装置の状態」の取得方法>
例えば制御部2060は、各第1精算装置4020から、その第1精算装置4020の状態を表す情報を取得する。また例えば、各第1精算装置4020の状態は、サーバ装置5000によって監視されていてもよい。例えばサーバ装置5000は、各第1精算装置4020に対し、定期的又は不定期にメッセージなどを送ることで、各第1精算装置4020の状態を確認する。また例えば、サーバ装置5000は、各第1精算装置4020から、定期的又は不定期に第1精算装置4020の状態を表すメッセージなどを受信してもよい。制御部2060が商品登録装置3000の内部に実装されている場合、制御部2060は、サーバ装置5000から各第1精算装置4020の状態を取得する。
【0107】
<処理の流れ>
図12は、実施形態3の情報処理システム2000によって実行される処理の流れを例示するフローチャートである。制御部2060は、第1精算装置4020が使用中又はオフラインであるか否かを判定する(S302)。第1精算装置4020が使用中又はオフラインである場合(S302:YES)、
図12の処理はステップS110に進む。一方、第1精算装置4020が使用中でもオフラインでもない場合(S302:NO)、
図12の処理はステップS304に進む。
【0108】
ステップS304において、第1処理部2020は、どの第1精算装置4020に精算情報を関連付けるかを決定する。ここで、第1処理部2020が精算情報に関連付ける第1精算装置4020を決定する方法は、実施形態1で説明した通りである。第1処理部2020は、決定した第1精算装置4020に精算情報を関連付ける(S306)。その後、
図12の処理はステップS108に進む。
【0109】
ステップS108以降の流れ及びステップS110以降の流れは、
図2の場合と同様である。
【0110】
本実施形態によれば、第1精算装置4020と第2精算装置4040のどちらに精算処理を行わせるかが、精算装置の状態に基づいて自動的に決定される。具体的には、第1精算装置4020を使用できる場合には第1精算装置4020に精算処理を行わせ、第2精算装置4040を使用できない場合には第2精算装置4040に精算処理を行わせる。これにより、例えば、顧客に使用させる精算装置のデフォルトを第1精算装置4020にし、第1精算装置4020が使用できない場合に第2精算装置4040を使用させるという運用が可能となる。
【0111】
<変形例>
制御部2060は、顧客に使用させる精算装置のデフォルトを第2精算装置4040にし、第2精算装置4040が使用できない場合に第1精算装置4020を使用させるように制御を行ってもよい。この場合、第1処理部2020と第2処理部2040の扱いが、上述の場合と逆になる。具体的には、制御部2060は、第2精算装置4040において新たな精算情報に基づく精算処理が行えない場合に、第1処理部2020に精算情報を処理させる(第1精算装置4020に精算処理をさせる)。ここで、制御部2060は、第1精算装置4020の状態を取得する方法と同様の方法で、第2精算装置4040の状態を取得する。
【0112】
第1精算装置4020と第2精算装置4040のどちらをデフォルトの精算装置にするかは、例えば店舗のレイアウトによって決定される。例えば、情報処理システム2000の管理者は、
図6に示すように第1精算装置4020が商品登録装置3000の近くに設置されている場合、第1精算装置4020をデフォルトの精算装置とするように、制御部2060の設定を行う。一方、情報処理システム2000の管理者は、
図7に示すように第2精算装置4040が商品登録装置3000の近くに設置されている場合、第2精算装置4040をデフォルトの精算装置とするように、制御部2060の設定を行う。また、制御部2060は、店舗のレイアウトを示す情報を取得し、その情報に基づいてどちらの精算装置をデフォルトにするのかを自動的に決定してもよい。例えば制御部2060は、商品登録装置3000に最も近い精算装置の種別を判別し、その種別の精算装置をデフォルトの精算装置とする。
【0113】
<ハードウエア構成例>
例えば実施形態3の情報処理システム2000は、実施形態1の情報処理システム2000と同様に、1つ又は複数の情報処理装置1000(
図5参照)を用いて実現される。本実施形態において、前述したストレージ1080に記憶される各プログラムモジュールには、本実施形態で説明した各機能を実現するプログラムがさらに含まれる。
【0114】
[実施形態4]
実施形態4の情報処理システム2000は、例えば実施形態1の情報処理システム2000と同様に、
図1で表される。実施形態4の情報処理システム2000は、下記で説明する点を除き、実施形態1の情報処理システム2000と同様の機能を有する。
【0115】
実施形態4の制御部2060は、精算装置を利用する顧客の属性に応じて、第1処理部2020と第2処理部2040のどちらに精算情報を処理させるかを決定する。顧客の属性は、顧客の年齢や特徴(動作の機敏さなど)を表す。
【0116】
<顧客の年齢に基づく制御>
子供やお年寄りは、若い大人と比較して体力が劣るなどの理由から、できる限り商品登録装置3000から近い商品登録装置3000を利用することを望む可能性が高い。また、子供やお年寄りは、若い大人と比較して装置の操作に不慣れであるなどの理由から、精算装置の操作方法を店員に尋ねる可能性が高い。そのため、店員がいる商品登録装置3000の近くにある精算装置を利用させる方が、顧客にとっても店員にとっても都合がよい。
【0117】
さらに、子供やお年寄りは、若い大人と比較し、精算装置へ移動するために要する時間が長いと考えられる。そのため、商品登録装置3000から近い精算装置を利用させた方が、商品の精算に要するトータルの時間が短くなる。トータルの時間とは、商品登録装置3000において商品の登録を行う時間、商品登録装置3000から精算装置へ移動する時間、及び精算装置で精算処理を行う時間の合計時間である。このトータルの時間が短いほど、店舗の利用効率が高く、かつ顧客の満足度が高くなると考えられる。
【0118】
そこで制御部2060は、顧客が子供又はお年寄りである場合、その顧客に、その顧客が購入する商品の登録を行った商品登録装置3000に近い精算装置を利用させるように制御を行う。ここで、「顧客が子供である場合」とは、例えば顧客の年齢がある所定値以下である場合である。また、「顧客がお年寄りである場合」とは、例えば顧客の年齢がある所定値以上である場合である。これらの所定値は、例えば予め制御部2060に設定しておく。ただし、制御部2060は、これらの所定値を情報処理システム2000の内部又は外部の記憶装置から取得してもよい。
【0119】
「その顧客に、その顧客が購入する商品の登録を行った商品登録装置3000に近い精算装置を利用させるように制御を行う」という処理は、例えば次の様な処理となる。まず、商品の登録を行った商品登録装置3000に最も近い精算装置が第1精算装置4020であるとする。この場合に顧客が子供又はお年寄りであるとき、制御部2060は、第1処理部2020に精算情報を処理させる。これにより、顧客は第1精算装置4020を利用することとなる。一方、商品の登録を行った商品登録装置3000に最も近い精算装置が第2精算装置4040であるとする。この場合に顧客が子供又はお年寄りであるとき、制御部2060は、第2処理部2040に精算情報を処理させる。これにより、顧客は第2精算装置4040を利用することになる。
【0120】
<顧客の動作の機敏さに基づく制御>
動作が機敏でない顧客は、商品登録装置3000から精算装置へ移動するために要する時間が長いと予想できる。前述したように、精算装置へ移動するために要する時間が長い顧客には、その顧客が購入する商品の登録を行った商品登録装置3000の近くの精算装置を利用させることが好ましい。
【0121】
そこで制御部2060は、顧客の動作が機敏でない場合に、その顧客が購入する商品の登録を行った商品登録装置3000に近い精算装置を利用させるように制御を行う。ここで、「顧客の動作が機敏でない場合」とは、例えば顧客の動作の機敏さを表す指標値がある所定値以下である場合である。顧客の動作の機敏さを表す指標値は、例えば顧客の動作の機敏さを5段階で表した値である。上記所定値は、例えば予め制御部2060に設定しておく。ただし、制御部2060は、上記所定値を情報処理システム2000の内部又は外部の記憶装置から取得してもよい。
【0122】
ここで、「顧客に、その顧客が購入する商品の登録を行った商品登録装置3000に近い精算装置を利用させるように制御を行う」という処理の具体的な処理は、顧客の年齢に基づいて制御を行う場合に説明したものと同様である。
【0123】
上述の顧客の属性は、情報処理システム2000に対して手動で入力されてもよいし、情報処理システム2000が自動で取得してもよい。前者の場合、例えば顧客の属性は、商品登録装置3000を操作してその顧客が購入する商品の登録をする店員によって入力される。例えば店員は、顧客の顔などから年齢を推定して入力し、顧客が店員に対して商品かごを差し出す際の動作などから顧客の動作の機敏さを入力する。
【0124】
情報処理システム2000が顧客の属性を自動で取得する場合、例えば顧客の属性は、顧客のID(会員IDなど)に関連付けられた状態で、情報処理システム2000の内部又は外部の記憶部に予め記憶されている。この場合店員は、商品登録装置3000を用いて、顧客の会員カードなどを読み取る。情報処理システム2000は、商品登録装置3000によって読み取られた顧客のIDを取得し、取得した顧客のIDに関連付けられているその顧客の属性を取得する。
【0125】
<処理の流れ1>
図13は、実施形態4の情報処理システム2000によって実行される処理の流れを例示する第1のフローチャートである。この例において、制御部2060は顧客の年齢に基づいて制御を行う。ここで、商品の登録を行った商品登録装置3000に最も近い精算装置は第1精算装置4020であるとする。
【0126】
制御部2060は、顧客の年齢が第1の所定値以下又は第2の所定値以上であるか否かを判定する(S402)。顧客の年齢が第1の所定値以下又は第2の所定値以上である場合(S402:YES)、
図13の処理はステップS304に進む。一方、顧客の年齢が第1の所定値より大きく第2の所定値より小さい場合(S402:NO)、
図13の処理はステップS110に進む。
【0127】
ステップS304以降の流れ及びステップS110以降の流れは、
図12の場合と同様である。
【0128】
<処理の流れ2>
図14は、実施形態4の情報処理システム2000によって実行される処理の流れを例示する第2のフローチャートである。この例において、制御部2060は顧客の動作の機敏さに基づいて制御を行う。ここで、商品の登録を行った商品登録装置3000に最も近い精算装置は第1精算装置4020であるとする。
【0129】
制御部2060は、顧客の動作の機敏さを表す指標値が所定値以下であるか否かを判定する(S502)。上記指標値が所定値以下である場合(S504:YES)、
図14の処理はステップS304に進む。一方、上記指標値が所定値より大きい場合(S504:NO)、
図14の処理はステップS110に進む。
【0130】
ステップS304以降の流れ及びステップS110以降の流れは、
図12の場合と同様である。
【0131】
<ハードウエア構成例>
例えば実施形態4の情報処理システム2000は、実施形態1の情報処理システム2000と同様に、1つ又は複数の情報処理装置1000(
図5参照)を用いて実現される。本実施形態において、前述したストレージ1080に記憶される各プログラムモジュールには、本実施形態で説明した各機能を実現するプログラムがさらに含まれる。
【0132】
本実施形態によれば、第1精算装置4020と第2精算装置4040のどちらに精算処理を行わせるかが、顧客の属性に基づいて自動的に決定される。これにより、各顧客に、その顧客の属性に応じた適切な精算装置を利用させることができ、精算装置の利用効率の向上や顧客満足度の向上などを図ることができる。
【0133】
[実施形態5]
実施形態5の情報処理システム2000は、例えば実施形態1の情報処理システム2000と同様に、
図1で表される。実施形態5の情報処理システム2000は、下記で説明する点を除き、実施形態1の情報処理システム2000と同様の機能を有する。
【0134】
実施形態5の制御部2060は、商品登録装置3000で登録された精算対象に応じて、第1処理部2020と第2処理部2040のどちらに精算情報を処理させるかを決定する。
【0135】
精算対象の商品の数が多い場合又は精算対象の商品の重さが重い場合、顧客は、商品登録装置3000から近い精算装置の利用を望むと考えられる。またこれらの場合、顧客が精算装置へ移動するために要する時間が長いと考えられるため、商品の精算に要するトータルの時間が長いと考えられる。
【0136】
そこで精算対象の商品の数が多い場合又は精算対象の商品の重さが重い場合、制御部2060は、顧客に、その顧客が購入する商品の登録を行った商品登録装置3000に近い精算装置を利用させるように制御を行う。ここで、「商品の数が多い場合」とは、例えば商品の数がある所定値以上である場合である。また、「商品の重さが重い場合」とは、例えば商品の重さがある所定値以上である場合である。なお、精算対象として登録された商品が複数ある場合、「商品の重さ」は、各商品の重さの合計値を意味する。ここで制御部2060は、例えば各商品の重さを、各商品に関する情報を管理しているデータベースなどから取得する。上記各所定値は、例えば予め制御部2060に設定しておく。ただし、制御部2060は、これらの所定値を情報処理システム2000の内部又は外部の記憶装置から取得してもよい。
【0137】
ここで、「顧客に、その顧客が購入する商品の登録を行った商品登録装置3000に近い精算装置を利用させるように制御を行う」という処理の具体的な処理は、実施形態4で説明した処理と同様である。
【0138】
<処理の流れ>
図15は、実施形態5の情報処理システム2000によって実行される処理の流れを例示するフローチャートである。ここで、商品の登録を行った商品登録装置3000に最も近い精算装置は第1精算装置4020であるとする。
【0139】
制御部2060は、商品の数が第1の所定値以上又は商品の重さが第2の所定値以上であるか否かを判定する(S602)。商品の数が第1の所定値以上又は商品の重さが第2の所定値以上である場合(S602:YES)、
図15の処理はステップS304に進む。一方、商品の数が第1の所定値より小さくかつ商品の重さが第2の所定値より小さい場合(S602:NO)、
図15の処理はステップS110に進む。
【0140】
ステップS304以降の流れ及びステップS110以降の流れは、
図12の場合と同様である。
【0141】
<ハードウエア構成例>
例えば実施形態5の情報処理システム2000は、実施形態1の情報処理システム2000と同様に、1つ又は複数の情報処理装置1000(
図5参照)を用いて実現される。本実施形態において、前述したストレージ1080に記憶される各プログラムモジュールには、本実施形態で説明した各機能を実現するプログラムがさらに含まれる。
【0142】
本実施形態によれば、第1精算装置4020と第2精算装置4040のどちらに精算処理を行わせるかが、購入される商品の数や商品の重さに基づいて自動的に決定される。これにより、各顧客に、その顧客が購入する商品の数や商品の重さに応じた適切な精算装置を利用させることができ、精算装置の利用効率の向上や顧客満足度の向上などを図ることができる。
【0143】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記各実施形態の組み合わせ、及び上記実施形態以外の様々な構成を採用することもできる。
【0144】
例えば、実施形態3から実施形態5では、第1精算装置4020に精算処理を行わせる場合、精算処理を行わせる第1精算装置4020が第1処理部2020によって自動的に決定されている。しかし、実施形態3から実施形態5において、精算処理を行わせる第1精算装置4020をユーザが指定するようにしてもよい。この場合、例えば制御部2060が第1処理部2020に精算情報を処理させることを決定した後、第1処理部2020は、実施形態2で説明したように、第1精算装置4020を選択する選択画面を表示する。この選択画面は、例えば
図10の選択画面30である。この場合、選択画面30はボタン50を表示してもよいし、表示しなくてもよい。ボタン50が表示される場合、制御部2060の決定によって第1精算装置4020に精算処理をさせることになった場合であっても、店員や顧客の判断によって、第2精算装置4040に精算処理させることができる。よって、店員や顧客の判断を優先することができる柔軟な店舗の運用が実現できる。
【0145】
以下、参考形態の例を付記する。
1. 商品登録装置、並びに商品登録装置で登録された商品の精算情報を用いて精算処理をそれぞれ行う第1の精算装置及び第2の精算装置を含む情報処理システムであって、
第1の精算装置に精算情報を関連付ける第1処理手段と、
精算情報を第2の精算装置において可搬媒体から読み取られる識別情報に関連付ける、又は精算情報を可搬媒体に出力する第2処理手段と、
前記精算情報を前記第1処理手段及び前記第2処理手段のどちらに処理させるかを制御する制御手段と、
を有する情報処理システム。
2. 前記制御手段は、ユーザによる入力に基づいて前記第1処理手段と前記第2処理手段のどちらに処理させるかを制御する、1.に記載の情報処理システム。
3. 前記制御手段は、精算装置の状態、精算装置を利用する顧客の属性、又は前記商品登録装置で登録された精算対象に応じて、前記第1処理手段及び前記第2処理手段のどちらに前記精算情報を処理させるかを制御する、1.に記載の情報処理システム。
4. 前記制御手段は、前記第1処理手段によって新たに関連付けられる精算情報に基づく精算処理を第1の精算装置が行えない場合、前記第2処理手段に前記精算情報を処理させる、3.に記載の情報処理システム。
5. 前記制御手段は、精算装置を利用する顧客の属性に応じて、前記第1処理手段及び前記第2処理手段のどちらに前記精算情報を処理させるかを制御する、3.に記載の情報処理システム。
6. 前記制御手段は、登録された商品の数が第1所定値以上である場合、又は登録された商品の重さが第2所定値以上である場合、前記第1処理手段に前記精算情報を処理させる、3.に記載の情報処理システム。
7. 前記商品登録装置と前記第1の精算装置との間の距離は、前記商品登録装置と前記第2の精算装置との間の距離より短い、1.乃至6.いずれか一つに記載の情報処理システム。
8. 1.乃至7.いずれか一つに記載の情報処理システムにおける第1処理手段、第2処理手段、及び制御手段の少なくとも1つを有する情報処理装置。
9. コンピュータを8.に記載の情報処理装置として動作させるプログラム。
10. 商品登録装置、並びに商品登録装置で登録された商品の精算情報を用いて精算処理をそれぞれ行う第1の精算装置及び第2の精算装置を含む情報処理システムを制御するコンピュータによって実行される制御方法であって、
第1の精算装置に精算情報を関連付ける第1処理ステップと、
精算情報を第2の精算装置において可搬媒体から読み取られる識別情報に関連付ける、又は精算情報を可搬媒体に出力する第2処理ステップと、
前記精算情報を前記第1処理ステップ及び前記第2処理ステップのどちらに処理させるかを制御する制御ステップと、
を有する制御方法。
11. 前記制御ステップは、ユーザによる入力に基づいて前記第1処理ステップと前記第2処理ステップのどちらに処理させるかを制御する、10.に記載の制御方法。
12. 前記制御ステップは、精算装置の状態、精算装置を利用する顧客の属性、又は前記商品登録装置で登録された精算対象に応じて、前記第1処理ステップ及び前記第2処理ステップのどちらに前記精算情報を処理させるかを制御する、10.に記載の制御方法。
13. 前記制御ステップは、前記第1処理ステップによって新たに関連付けられる精算情報に基づく精算処理を第1の精算装置が行えない場合、前記第2処理ステップに前記精算情報を処理させる、12.に記載の制御方法。
14. 前記制御ステップは、精算装置を利用する顧客の属性に応じて、前記第1処理ステップ及び前記第2処理ステップのどちらに前記精算情報を処理させるかを制御する、12.に記載の制御方法。
15. 前記制御ステップは、登録された商品の数が第1所定値以上である場合、又は登録された商品の重さが第2所定値以上である場合、前記第1処理ステップに前記精算情報を処理させる、12.に記載の制御方法。
16. 前記商品登録装置と前記第1の精算装置との間の距離は、前記商品登録装置と前記第2の精算装置との間の距離より短い、10.乃至15.いずれか一つに記載の制御方法。
【0146】
この出願は、2015年2月27日に出願された日本出願特願2015-039632号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。