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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】人選支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20230101AFI20240702BHJP
   G06Q 10/20 20230101ALI20240702BHJP
【FI】
G06Q10/06
G06Q10/20
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023525217
(86)(22)【出願日】2021-06-01
(86)【国際出願番号】 JP2021020878
(87)【国際公開番号】W WO2022254582
(87)【国際公開日】2022-12-08
【審査請求日】2023-07-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】助田 剛
【審査官】平井 嗣人
(56)【参考文献】
【文献】特開平5-101244(JP,A)
【文献】特開2011-128997(JP,A)
【文献】特開2009-214964(JP,A)
【文献】特開2009-107816(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇降機設備の保守担当者の選出作業を支援する人選支援システムであって、
複数の前記昇降機設備の管理項目を含む保守管理情報と、地図データベースと、が格納されたメモリと、
前記メモリと結合されたプロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、
前記保守管理情報の中から検索された1又は複数の対象設備の管理項目を管理項目一覧として抽出し、前記管理項目一覧の一部又は全部を表示装置に表示する検索処理と、
前記1又は複数の対象設備に対する新たな保守担当者候補の入力を受けて、前記保守担当者候補の情報と前記管理項目の情報とを前記1又は複数の対象設備の地図上の位置に関連付けた支援地図情報を前記地図データベースを用いて生成し、生成された前記支援地図情報を前記表示装置に表示するマップ生成処理と、
を実行するように構成され
前記管理項目の情報は、前記対象設備の保守作業に必要とされる保守作業時間の情報を含み、
前記マップ生成処理において、前記プロセッサは、
前記1又は複数の対象設備のそれぞれの地図上の位置に、対応する前記保守担当者候補の固有マークを付加し、
前記固有マークに更に前記保守作業時間の情報を反映させる
ように構成される人選支援システム。
【請求項2】
前記マップ生成処理において、前記プロセッサは、
前記保守作業時間が長いほど前記固有マークの大きさを大きくする
ように構成される請求項に記載の人選支援システム。
【請求項3】
昇降機設備の保守担当者の選出作業を支援する人選支援システムであって、
複数の前記昇降機設備の管理項目を含む保守管理情報と、地図データベースと、が格納されたメモリと、
前記メモリと結合されたプロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、
前記保守管理情報の中から検索された1又は複数の対象設備の管理項目を管理項目一覧として抽出し、前記管理項目一覧の一部又は全部を表示装置に表示する検索処理と、
前記1又は複数の対象設備に対する新たな保守担当者候補の入力を受けて、前記保守担当者候補の情報と前記管理項目の情報とを前記1又は複数の対象設備の地図上の位置に関連付けた支援地図情報を前記地図データベースを用いて生成し、生成された前記支援地図情報を前記表示装置に表示するマップ生成処理と、
を実行するように構成され
前記管理項目の情報は、前記対象設備の保守点検を行う点検月を規定した点検月情報を含み、
前記マップ生成処理において、前記プロセッサは、
前記1又は複数の対象設備のそれぞれの地図上の位置に、対応する前記保守担当者候補の固有マークを付加し、
前記固有マークに更に前記点検月情報を反映させる
ように構成される人選支援システム。
【請求項4】
昇降機設備の保守担当者の選出作業を支援する人選支援システムであって、
複数の前記昇降機設備の管理項目を含む保守管理情報と、地図データベースと、が格納されたメモリと、
前記メモリと結合されたプロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、
前記保守管理情報の中から検索された1又は複数の対象設備の管理項目を管理項目一覧として抽出し、前記管理項目一覧の一部又は全部を表示装置に表示する検索処理と、
前記1又は複数の対象設備に対する新たな保守担当者候補の入力を受けて、前記保守担当者候補の情報と前記管理項目の情報とを前記1又は複数の対象設備の地図上の位置に関連付けた支援地図情報を前記地図データベースを用いて生成し、生成された前記支援地図情報を前記表示装置に表示するマップ生成処理と、
を実行するように構成され
前記管理項目の情報は、前記対象設備の区分を規定した情報を含み、
前記マップ生成処理において、前記プロセッサは、
前記1又は複数の対象設備のそれぞれの地図上の位置に、対応する前記保守担当者候補の固有マークを付加し、
前記固有マークに更に前記区分を反映させる
ように構成される人選支援システム。
【請求項5】
昇降機設備の保守担当者の選出作業を支援する人選支援システムであって、
複数の前記昇降機設備の管理項目を含む保守管理情報と、地図データベースと、が格納されたメモリと、
前記メモリと結合されたプロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、
前記保守管理情報の中から検索された1又は複数の対象設備の管理項目を管理項目一覧として抽出し、前記管理項目一覧の一部又は全部を表示装置に表示する検索処理と、
前記1又は複数の対象設備に対する新たな保守担当者候補の入力を受けて、前記保守担当者候補の情報と前記管理項目の情報とを前記1又は複数の対象設備の地図上の位置に関連付けた支援地図情報を前記地図データベースを用いて生成し、生成された前記支援地図情報を前記表示装置に表示するマップ生成処理と、
を実行するように構成され
前記管理項目の情報は、前記対象設備の保守管理の特記情報を含み、
前記マップ生成処理において、前記プロセッサは、
前記1又は複数の対象設備のそれぞれの地図上の位置に、対応する前記保守担当者候補の固有マークを付加し、
前記固有マークに更に前記特記情報を反映させる
ように構成される人選支援システム。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記1又は複数の対象設備に対する新たな保守担当者候補の入力を受けて、前記保守担当者候補の担当状況を集計し、集計された集計結果情報を前記表示装置に表示する集計処理を実行するように構成される請求項1から請求項5の何れか1項に記載の人選支援システム。
【請求項7】
前記固有マークは、保守担当者候補毎に色、形、模様、又は文字情報によって区別されたマークである請求項1から請求項6の何れか1項に記載の人選支援システム。
【請求項8】
前記プロセッサは、
前記1又は複数の対象設備に対する前記保守担当者候補の登録の入力を受けて、前記保守管理情報の前記管理項目に含まれる保守担当者を更新する情報更新処理を実行するように構成される請求項1から請求項の何れか1項に記載の人選支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、人選支援システムに係り、特に昇降機設備の保守担当者の選出作業を支援する人選支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、設備機器の故障が発生したときに派遣する作業員を選出する際に使用する支援装置に関する技術が開示されている。この技術では、故障が発生したビル名と故障状態を入力すると、その故障の修復ランクと、作業ランクと、作業者の技量ランクとが表示画面に表示される。これにより、専門知識を持たない指示連絡担当者であっても、修復に生かせる作業員の選出が可能になるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】日本特開平11-195191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エレベーター等の昇降機設備には、定期的な保守管理を行うための保守担当者が割り当てられている。保守担当者は、年間を通じて割り当てられた昇降機設備の保守作業を担当する。
【0005】
保守担当者を変更する場合、新たな保守担当者の選出作業は人選責任者によって行われる。この際、人選責任者は、社内データベースに登録されている昇降機設置建物住所、機種、契約作業形態等の情報を参照しながら新たな保守担当者の人選を行う。このような現状の人選作業は、必要な情報を人選責任者自身で収集する点において作業負担が大きいという課題がある。特許文献1の技術は、必要な情報を画面に表示するという点では、人選責任者の負荷軽減の効果が見込める。しかしながら、特許文献1の技術は、昇降機設備の保守担当者の人選という特定事情において表示すべき情報について検討されていない。
【0006】
本開示は、上述のような課題を解決するためになされたもので、昇降機設備の保守担当者の選出作業において、人選責任者にとって有用な情報を表示することによって人選作業の負担を軽減することのできる人選支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の人選支援システムは、昇降機設備の保守担当者の選出作業を支援する人選支援システムに適用される。人選支援システムは、複数の昇降機設備の管理項目を含む保守管理情報と、地図データベースと、が格納されたメモリと、メモリと結合されたプロセッサと、を備える。プロセッサは、保守管理情報の中から検索された1又は複数の対象設備の管理項目を管理項目一覧として抽出し、管理項目一覧の一部又は全部を表示装置に表示する検索処理と、1又は複数の対象設備に対する新たな保守担当者候補の入力を受けて、保守担当者候補の情報と管理項目の情報とを1又は複数の対象設備の地図上の位置に関連付けた支援地図情報を地図データベースを用いて生成し、生成された支援地図情報を表示装置に表示するマップ生成処理と、を実行するように構成される。
管理項目の情報は、対象設備の区分を規定した情報を含む。マップ生成処理において、プロセッサは、1又は複数の対象設備のそれぞれの地図上の位置に、対応する保守担当者候補の固有マークを付加し、固有マークに更に区分を反映させるように構成される。
或いは、管理項目の情報は、対象設備の保守点検を行う点検月を規定した点検月情報を含むマップ生成処理において、プロセッサは、1又は複数の対象設備のそれぞれの地図上の位置に、対応する保守担当者候補の固有マークを付加し、固有マークに更に点検月情報を反映させるように構成される。
或いは、管理項目の情報は、対象設備の区分を規定した情報を含む。マップ生成処理において、プロセッサは、1又は複数の対象設備のそれぞれの地図上の位置に、対応する保守担当者候補の固有マークを付加し、固有マークに更に区分を反映させるように構成される。
或いは、管理項目の情報は、対象設備の保守管理の特記情報を含む。マップ生成処理において、プロセッサは、1又は複数の対象設備のそれぞれの地図上の位置に、対応する保守担当者候補の固有マークを付加し、固有マークに更に特記情報を反映させるように構成される。
【発明の効果】
【0008】
本開示の人選支援システムによれば、1又は複数の対象設備に対する新たな保守担当者候補の入力を受けて、保守担当者候補の担当状況を対象設備の地図上の位置に関連付けた支援地図情報が生成される。これにより、人選責任者は、保守担当者候補毎の担当エリア状況を視覚的に認識することが可能となる。その結果、昇降機設備の保守担当者の選出作業において、人選責任者による人選作業の負担が軽減される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態に係る人選支援システムの構成図である。
図2】制御装置のプロセッサがプログラムを実行することによって実現される機能を示す機能ブロック図である。
図3】人選責任者が昇降機設備の保守担当者を変更する際に実行される処理の流れを示すフローチャートである。
図4】検索条件の入力画面の一例を示す図である。
図5】抽出された対象設備の管理項目一覧の一例を示す図である。
図6】集計表示画面の一例を示す図である。
図7】表示装置に表示された支援地図情報の一例を示す図である。
図8】変更登録の表示画面の一例を示す図である。
図9】標準保守作業時間を反映させた支援地図情報の一例を示す図である。
図10】昇降機設備の区分を反映させた支援地図情報の一例を示す図である。
図11】作業難易度を反映させた支援地図情報の一例を示す図である。
図12】特記情報を反映させた支援地図情報の一例を示す図である。
図13】点検月情報を反映させた支援地図情報の一例を示す図である。
図14】制御装置20のハードウェア資源の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。なお、各図において共通する要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0011】
実施の形態.
1.実施の形態の人選支援システムの構成
図1は、実施の形態に係る人選支援システムの構成図である。人選支援システム10は、昇降機設備の保守担当者の選出作業を行う人選責任者によって利用されるシステムである。人選支援システム10は、入力装置12と、表示装置14と、制御装置20と、有している。
【0012】
入力装置12は、人選責任者が昇降機設備の保守担当者の人選のための操作を入力するための機器である。典型的には、入力装置12は、キーボード、マウス、タッチパネル、等が例示される。表示装置14は、人選責任者が参照する画像を出力するディスプレイである。
【0013】
制御装置20は、プロセッサ22と、プロセッサ22に結合されたメモリ24とを備えている。メモリ24には、プロセッサ22で実行可能な1つ又は複数のプログラム26とそれに関連する種々のデータ28が記憶されている。
【0014】
プロセッサ22がプログラム26を実行することにより、プロセッサ22による各種処理が実現される。プログラム26には、例えば、昇降機設備の保守担当者の人選支援を実現するためのプログラムが含まれる。プログラム26は、メモリ24に記憶されることもできるし、補助記憶装置であるコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されることもできる。
【0015】
メモリ24に記憶されているデータ28は、地図データベース、保守管理情報、対象一覧情報、及び集計結果情報を含む。地図データベースは、地図情報を管理するデータベースである。保守管理情報は、保守管理対象の複数の昇降機設備の管理項目が記憶された情報である。地図データベース及び保守管理情報は、制御装置20と通信ネットワークを介して接続される管理サーバのメモリに記憶されていてもよい。対象一覧情報は、後述する検索処理によって保守管理情報から抽出された情報である。集計結果情報は、後述する集計処理によって演算された集計結果の情報である。
【0016】
2.実施の形態の人選支援システムを用いた人選方法
図2は、制御装置のプロセッサがプログラムを実行することによって実現される機能を示す機能ブロック図である。図2に示すように、プロセッサ22は、検索処理を実行する検索処理部221と、集計処理を実行する集計処理部222と、マップ生成処理を実行するマップ生成処理部223と、情報更新処理を実行する情報更新処理部224と、を備える。以下、人選責任者が昇降機設備の保守担当者を変更する手順を例に、プロセッサ22のこれらの機能について説明する。
【0017】
図3は、人選責任者が昇降機設備の保守担当者を変更する際に実行される処理の流れを示すフローチャートである。人選責任者は、制御装置20のプロセッサ22に以下のステップS100からS106の処理を実行させることによって、昇降機設備の保守管理者の変更を行う。
【0018】
[ステップS100:検索処理]
図4は、検索条件の入力画面の一例を示す図である。制御装置20は、表示装置14に例えば図4に示す検索画面を表示している。図4の検索画面例では、支店名である「部門」、「担当先」の課及び係、「担当者」、及び昇降機設備の「建物番号」の何れかの項目を用いた検索が可能に構成されている。検索条件の入力は、人選責任者が入力装置12から直接文字を入力してもよいし、各項目のプルダウンリストから選択してもよい。人選責任者は、検索条件を入力した後、画面上の検索ボタンをクリックする。
【0019】
検索処理は、検索ボタンが押されたことを受けてプロセッサ22の検索処理部221によって実行される。典型的には、検索処理では、入力された検索条件を満たす対象設備の管理項目を保守管理情報から抽出する。抽出された対象設備の保守管理情報は、対象一覧情報としてメモリ24に格納されるとともに、その一部又は全部が表示装置14に表示される。
【0020】
[ステップS102:集計処理]
図5は、抽出された対象設備の管理項目一覧の一例を示す図である。この図に示す例では、対象設備の管理項目として、建物番号、号機、建物名称、建物所在地、機種コード、機種分類、停止数、昇降機の区分、作業形態、点検月、及び特記事項が表示装置14に表示される。なお、表示装置14に表示される管理項目は、人選責任者が選択する構成でもよい。また、管理項目一覧には、現行の保守担当者の情報として、担当先コード、担当先名、担当者コード、及び担当者名が含まれる。また、管理項目一覧には、変更後の保守担当者の候補の情報を入力するための入力欄が設けられている。
【0021】
人選責任者は、管理項目一覧及び後述する支援地図情報を参照しながら、図5中の「変更後」の保守担当者候補の入力欄に新たな保守担当者候補を入力する。図5では、既に保守担当者候補が入力された表示を図示している。図6は、集計表示画面の一例を示す図である。人選責任者は、新たな保守担当者候補を入力した後、図6の画面中の計算反映ボタンをクリックする。
【0022】
集計処理は、計算反映ボタンが押されたことを受けてプロセッサ22の集計処理部222によって実行される。典型的には、集計処理では、新たな保守担当者候補毎の担当状況が集計される。集計された集計結果情報は、メモリ24に格納されるとともに、その一部又は全部が表示装置14に表示される。図6に示す例では、保守担当者候補毎の昇降機設備の担当台数、年間の標準保守作業時間の合計値、及び検査作業時間の合計値が表示されている。これらの集計データ項目は、各保守担当者候補の負荷状況を把握する点において有用な情報である。なお、集計処理部222が集計する集計データ項目に限定はない。すなわち、集計処理部222は、対象一覧情報から集計可能な項目であれば、他の項目を集計して表示してもよい。また、集計処理は、保守担当者候補毎の集計に限らず、担当先等の他の項目毎に集計を行ってもよい。
【0023】
[ステップS104:マップ生成処理]
マップ生成処理は、計算反映ボタンが押されたことを受けてプロセッサ22のマップ生成処理部223によって実行される。典型的には、マップ生成処理では、対象一覧情報から昇降機設備の建物所在地と新たな保守担当者候補の情報が抽出される。そして、保守担当者候補の固有マークが地図データベースから抽出された地図上の建物所在地の位置にプロットされる。これにより、保守担当者候補の情報が地図上の建物所在地の位置に関連付けられる。マップ生成処理によって生成された地図情報は、以下「支援地図情報」と呼ばれる。生成された支援地図情報は、メモリ24に格納されるとともに、表示装置14に表示される。
【0024】
図7は、表示装置に表示された支援地図情報の一例を示す図である。この図に示す例では、保守担当者候補毎に模様の異なる固有マークが、対応する昇降機設備の位置にプロットされている。保守担当者候補毎の固有マークに限定はない。例えば、それぞれの固有マークは、色、形、模様、文字情報等、視覚的に区別可能な形態で表されていればよい。このような支援地図情報によれば、人選責任者は、各保守担当者候補の担当物件の地理的なばらつきを視覚的に把握することができる。
【0025】
支援地図情報を参照した結果、人選責任者が保守担当者候補の人選を変更する場合がある。この場合、人選責任者は、図5の「変更後」の担当者欄に新たな保守担当者候補を入力し、画面中の計算反映ボタンをクリックする。これにより、集計処理及びマップ生成処理が再度行われ、その結果が表示装置14に表示される。人選責任者は、このような作業を繰り返すことにより、最適な保守担当者候補の担当配置を模索することができる。
【0026】
[ステップS106:情報更新処理]
情報更新処理は、登録実行ボタンが押されたことを受けてプロセッサ22の情報更新処理部224によって実行される。図8は、変更登録の表示画面の一例を示す図である。図8に示す表示例では、変更登録の表示画面として、変更登録時期が即時であるか指定された変更時期であるかを選択する項目と、登録実行ボタンとが表示されている。保守担当者候補の人選が決定された場合、人選責任者は、保守担当者候補を新たな保守担当者として登録すべく登録実行ボタンをクリックする。この際、人選責任者は、変更登録を即時に行うか、指定した変更時期に行うかを選択することができる。
【0027】
情報更新処理は、登録実行ボタンが押されたことを受けてプロセッサ22の情報更新処理部224によって実行される。典型的には、情報更新処理では、保守管理情報に記憶されている保守担当者が新たな保守担当者に更新される。なお、変更時期が指定されている場合、指定された変更時期に情報更新処理が行われる。
【0028】
以上のような人選支援システム10を利用した人選方法によれば、以下のような作用及び効果を得られる。
【0029】
人選責任者は、集計結果情報に加えて更に支援地図情報を参照することができる。これにより、人選責任者は、保守担当者候補毎の担当エリアを視覚的に認識することが可能となる。また、人選責任者は、新たな保守担当者候補を入力して計算反映ボタンをクリックする動作のみで、入力した保守担当者候補の集計結果情報と支援地図情報を参照することができる。このように、人選支援システム10によれば、人選責任者による人選作業の負担が大幅に軽減される。
【0030】
3.変形例
本実施の形態の人選支援システム10は、以下のように変形した態様を適用してもよい。
【0031】
3-1.人選支援システム10
人選支援システム10の制御装置20が備える機能の一部又は全部は、制御装置20と通信ネットワークを介して接続された管理サーバに配置されていてもよい。この場合、制御装置20は、通信ネットワークを介して管理サーバとの間で必要なデータの送受を行う。
【0032】
3-2.表示装置14
表示装置14は、複数の表示画面を一画面に集約して表示してもよい。すなわち、表示装置14は、図4に示す検索画面、図5に示す管理項目一覧、図6に示す集計結果、図7に示す支援地図情報、及び図8に示す変更登録の一部又は全部を一画面上に同時に表示してもよい。表示装置14は、人選責任者の入力操作を受けて複数の表示画面を切り替え可能に構成されていてもよい。
【0033】
3-3.マップ生成処理
マップ生成処理において生成される支援地図情報は、管理項目一覧に含まれる他の情報を視覚的に更に反映させてもよい。支援地図情報に反映させる情報としては、例えば以下の情報が考えられる。なお、以下の支援地図情報は、視認可能な範囲で複数の情報を組み合わせて表示してもよい。また、複数の支援地図情報が生成されている場合、人選責任者の入力操作によって、表示される支援地図情報を切り替え可能に構成されていてもよい。
【0034】
3-3-1.標準保守作業時間
図9は、標準保守作業時間を反映させた支援地図情報の一例を示す図である。この図に示す例では、管理項目一覧の標準保守作業時間を地図上に反映させている。典型的には、図9では、標準保守作業時間が長いほど図中の固有マークの大きさが大きくなるように図示している。このような支援地図情報によれば、人選責任者は、各保守担当者候補の負荷状況を正確に把握することができる。これにより、例えば人選責任者は、各保守担当者の年間の保守作業時間が平準化されるように人選を行うことができる。なお、標準保守作業時間の反映形態は図中の固有マークの大きさに限らない。すなわち、標準保守作業時間の反映形態は、保守担当者候補の表示形態と異なる形態であれば、例えば固有マークの色、形、模様、又は文字情報等の他の反映形態でもよい。
【0035】
3-3-2.区分
図10は、昇降機設備の区分を反映させた支援地図情報の一例を示す図である。この図に示す例では、管理項目一覧の区分を地図上に反映させている。ここでの区分は、昇降機設備がエレベーターであるかエスカレーターであるかを規定した区分である。典型的には、図10では、丸印のマークか三角印のマークかによって昇降機設備の区分を視覚的に区別している。このような支援地図情報によれば、人選責任者は、各保守担当者候補の担当している昇降機設備の区分及び位置を視覚的に把握することができる。なお、区分の反映形態は図中の固有マークの形に限らない。すなわち、区分の反映形態は、保守担当者候補の表示形態と区別可能な形態であれば、例えば固有マークの色、大きさ、模様、又は文字情報等の他の反映形態でもよい。
【0036】
3-3-3.作業難易度
図11は、作業難易度を反映させた支援地図情報の一例を示す図である。この図に示す例では、管理項目一覧の機種コードから把握可能な保守作業の作業難易度を地図上に反映させている。典型的には、図11では、昇降機の機種コードから判断される作業難易度を難、普、易の3段階に区分して、それぞれの区分に対応する固有マークに異なる色を付している。このような支援地図情報によれば、人選責任者は、昇降機の難易度と各保守担当者候補の技量とを照らし合わせて保守担当者候補の人選を行うことができる。
【0037】
なお、作業難易度は、複数段階に区分して表示するのであれば、その段階数に限定はない。また、難易度の反映形態は図中の固有マークの色に限らない。すなわち、難易度の反映形態は、保守担当者候補の表示形態と区別可能な形態であれば、例えば固有マークの大きさ、形、模様、又は文字情報等の他の反映形態でもよい。
【0038】
3-3-3.特記情報
図12は、特記情報を反映させた支援地図情報の一例を示す図である。この図に示す例では、管理項目一覧の特記情報から把握される保守作業の特記事項を地図上に反映させている。ここでの特記情報は、例えば、保守作業実施日が夜間・休日に限定されているかどうかの情報である。図12では、保守作業実施日が夜間・休日に限定されているかどうかによって、固有マークに異なる色を付している。このような支援地図情報によれば、人選責任者は、特記情報を考慮して保守担当者の人選を行うことができる。
【0039】
なお、特記事項の項目は上記に限らず、他の項目が含まれていてもよい。また、特記事項の反映形態は、図中の固有マークの色に限らない。すなわち、難易度の反映形態は、保守担当者候補の表示形態と区別可能な形態であれば、例えば固有マークの大きさ、形、模様、又は文字情報等の他の反映形態でもよい。
【0040】
3-3-4.点検月情報
図13は、点検月情報を反映させた支援地図情報の一例を示す図である。この図に示す例では、管理項目一覧の点検月情報を地図上に反映させている。保守担当者は、例えば3か月に1回の頻度で保守点検を行う。ここでの点検月情報は、保守担当者が保守点検を行う月の情報である。図13では、点検月によって、固有マークに異なる色を付している。このような支援地図情報によれば、人選責任者は、点検月が同じ昇降機設備の担当が特定の保守担当者に偏ることを防ぐことができる。
【0041】
なお、点検月の反映形態は、図中の固有マークの色に限らない。すなわち、点検月の反映形態は、保守担当者候補の表示形態と区別可能な形態であれば、例えば固有マークの大きさ、形、模様、又は文字情報等の他の反映形態でもよい。また、点検月情報を含んだ支援地図情報は、点検月毎の表示を可能に構成されていてもよい。
【0042】
3-4.制御装置20
図14は、制御装置20のハードウェア資源の変形例を示す図である。図14に示す例では、制御装置20は、例えばプロセッサ22、メモリ24、及び専用ハードウェア30を含む処理回路32を備えている。図14は、制御装置20が有する機能の一部を専用ハードウェア30よって実現する例を示している。制御装置20が有する機能の全部を専用ハードウェア30によって実現しても良い。専用ハードウェア30として、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、又はこれらの組み合わせを採用できる。
【符号の説明】
【0043】
10 人選支援システム、 12 入力装置、 14 表示装置、 20 制御装置、 22 プロセッサ、 24 メモリ、 26 プログラム、 28 データ、 30 専用ハードウェア、 32 処理回路、 221 検索処理部、 222 集計処理部、 223 マップ生成処理部、 224 情報更新処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14