(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】物品移載装置
(51)【国際特許分類】
B65G 47/46 20060101AFI20240702BHJP
B65G 47/82 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
B65G47/46 A
B65G47/82 C
B65G47/46 B
B65G47/82 A
(21)【出願番号】P 2019179382
(22)【出願日】2019-09-30
【審査請求日】2022-08-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 亮民
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-014383(JP,A)
【文献】特開2018-076176(JP,A)
【文献】特開平03-027896(JP,A)
【文献】特開2015-030617(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/46
B65G 47/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の物品が戴せられる戴置面を含む戴置部から容器へ前記複数の物品を移載する
押さえ板を備えた物品移載装置であって、
前記容器と前記戴置部とを相対移動させる駆動部と、
前記駆動部の動作を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記戴置部上の前記物品が前記容器の上方にある時に、前記容器と前記物品との間から前記戴置部が抜かれるように、傾斜させた前記載置部の下方側の端を前記容器
の底面に沿って相対移動させ
、前記載置面に沿って移動する前記押さえ板により前記複数の物品を前記容器へ移載させる、
物品移載装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記戴置部から前記容器へと前記物品を移載する際、前記駆動部の動作を制御して、前記戴置部の前記戴置面と、前記容器の底面とがなす角度を変化させる、
請求項1に記載の物品移載装置。
【請求項3】
前記容器は、前記底面を囲むように配置され、前記物品を収容する収容空間を前記容器に形成する側壁を含み
、
前記戴置部は、第1端及び第2端と、前記第1端と前記第2端との間で広がる前記戴置面とを有する、プレート状の第1部材を含み、
前記制御部は、前記戴置部から前記容器へと前記物品を移載する際、前記駆動部の動作を制御して、前記載置部の下方側の端としての前記第1部材の前記第1端が、前記第1部材の前記第2端より低い位置であって、かつ、前記側壁の上端よりも低くに位置する前記収容空間に配置されるように、前記第1部材の前記戴置面と前記容器の前記底面とがなす角度を変化させる、
請求項2に記載の物品移載装置。
【請求項4】
前記制御部が、前記容器と前記物品との間から前記戴置部が抜かれるように前記駆動部の動作を制御する際、前記第1部材の前記第1端は、前記収容空間内を第1方向に、前記第1方向の下流側に配置されている前記容器の前記側壁の近傍まで相対移動する、
請求項3に記載の物品移載装置。
【請求項5】
前記制御部が、前記容器と前記物品との間から前記戴置部が抜かれるように前記駆動部の動作を制御する際、前記第1部材の前記第1端は、前記容器の前記底面に沿って、前記第1方向の下流側に配置されている前記容器の前記側壁の近傍まで相対移動する、
請求項4に記載の物品移載装置。
【請求項6】
前記制御部が、前記容器と前記物品との間から前記戴置部が抜かれるように前記駆動部の動作を制御する際、前記第1部材の前記第1端は、前記第1方向の上流側に配置されている前記容器の前記側壁の近傍から、前記第1方向の下流側に配置されている前記容器の前記側壁の近傍まで相対移動する、
請求項4又は5に記載の物品移載装置。
【請求項7】
前記戴置部は、第3端及び第4端と、前記第3端と前記第4端との間で広がる前記戴置面とを有する、プレート状の第2部材を更に含み、
前記制御部は、前記戴置部から前記容器へと前記物品を移載する際、前記駆動部の動作を制御して、前記第2部材の前記第3端が、前記第2部材の前記第4端より低い位置であって、かつ、前記側壁の上端よりも低くに位置する前記収容空間に配置されるように、前記第2部材の前記戴置面と前記容器の前記底面とがなす角度を変化させ、
前記制御部が、前記容器と前記物品との間から前記戴置部が抜かれるように前記駆動部の動作を制御する際、前記第2部材の前記第3端は、前記収容空間内を前記第1方向とは逆方向の第2方向に、前記第2方向の下流側に配置されている前記容器の前記側壁の近傍まで相対移動する、
請求項4又は5に記載の物品移載装置。
【請求項8】
前記第1部材の前記戴置面に沿って、前記第2端側から前記第1端側へと移動するプッシャを更に備える、
請求項3から7のいずれか1項に記載の物品移載装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、戴置部から容器へ複数の物品を移載する物品移載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1(特開2011-251702号公報)のように、戴置部に置かれている複数の物品を吸着ユニットで把持して容器詰め位置へと移動させ、容器詰め位置で吸着ユニットによる把持を解除して物品を容器に移す物品移載装置が知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1(特開2011-251702号公報)の物品移載装置では、物品を吸着ユニットで把持し、その後に物品の把持を解除するため、移載処理に要する時間が長時間化しやすい。
【0004】
本発明の課題は、戴置部から容器へ複数の物品を移載する物品移載装置であって、移載時間を短時間化できる効率の良い物品移載装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1観点に係る物品移載装置は、複数の物品が戴せられる戴置面を含む戴置部から、容器へ、複数の物品を移載する。物品移載装置は、駆動部と、制御部と、を備える。駆動部は、容器と戴置部とを相対移動させる。制御部は、駆動部の動作を制御する。制御部は、戴置部上の物品が容器の上方にある時に、容器と物品との間から戴置部が抜かれるように駆動部の動作を制御する。
【0006】
この物品移載装置では、戴置部の物品を把持して移動させ、容器上で物品の把持を解除する場合に比べ、物品移載に要する時間の短時間化を図ることができる。
【0007】
また、物品を吸着ユニットで把持する場合には、吸着ユニットによる物品の吸着把持の際に物品を損傷する、吸着把持が不完全となり物品を把持できない/物品を落下させる等の不具合が発生するおそれがある。これに対し、この物品移載装置では移載のために物品を把持しなくてよいので、物品把持の際に生じ得る不具合の発生を無くすことができる。
【0008】
第2観点に係る物品移載装置は、第1観点に係る物品移載装置であって、制御部は、戴置部から容器へと物品を移載する際、駆動部の動作を制御して、戴置部の戴置面と、容器の底面とがなす角度を変化させる。
【0009】
この物品移載装置では、戴置部の戴置面の容器の底面に対する角度を変化させることで、傾斜を利用して物品を容器に移載できる。また、傾斜を利用して物品を容器に移載することで、物品を鉛直落下させる場合に比べ物品に対する損傷を抑制できる。
【0010】
第3観点に係る物品移載装置は、第2観点に係る物品移載装置であって、容器は側壁を含む。側壁は、容器の底面を囲むように配置され、物品を収容する収容空間を容器に形成する。戴置部は、プレート状の第1部材を含む。第1部材は、第1端と、第2端と、第1端と第2端との間で広がる戴置面と、を有する。制御部は、戴置部から容器へと物品を移載する際、駆動部の動作を制御して、第1部材の第1端が、第1部材の第2端より低い位置であって、かつ、側壁の上端よりも低くに位置する収容空間に配置されるように、第1部材の戴置面と容器の底面とがなす角度を変化させる。
【0011】
この物品移載装置では、少なくとも一時的に戴置部の第1部材の第1端が容器の側壁の上端より低い収容空間の内部に入り込むため、物品を、比較的低い位置に配置されている第1部材の第1端側から容器の底面へと移動させることができる。したがって、この物品移載装置では、物品の容器の底面への鉛直落下に伴う損傷が抑制されやすい。
【0012】
第4観点に係る物品移載装置は、第3観点に係る物品移載装置であって、制御部が、容器と物品との間から戴置部が抜かれるように駆動部の動作を制御する際、第1部材の第1端は、収容空間内を第1方向に、第1方向の下流側に配置されている容器の側壁の近傍まで相対移動する。
【0013】
この物品移載装置では、第1部材の第1端が容器の側壁の上端より低くに位置する収容空間の内部を移動するため、物品を、比較的低い位置に配置されている第1部材の第1端側から容器へと移動させることができる。したがって、この物品移載装置では、物品の容器の底面への鉛直落下に伴う損傷が抑制されやすい。
【0014】
第5観点に係る物品移載装置は、第4観点に係る物品移載装置であって、制御部が、容器と物品との間から戴置部が抜かれるように駆動部の動作を制御する際、第1部材の第1端は、容器の底面に沿って、第1方向の下流側に配置されている容器の側壁の近傍まで相対移動する。
【0015】
この物品移載装置では、第1部材の第1端が、第1方向の下流側に配置される容器の側壁の近傍まで、収容空間内の概ね同一高さ位置を移動するため、容器に移載する多くの物品について容器の底面への鉛直落下に伴う損傷を抑制することができる。
【0016】
第6観点に係る物品移載装置は、第4観点又は第5観点に係る物品移載装置であって、
制御部が、容器と物品との間から戴置部が抜かれるように駆動部の動作を制御する際、第1部材の第1端は、第1方向の上流側に配置されている容器の側壁の近傍から、第1方向の下流側に配置されている容器の側壁の近傍まで相対移動する。
【0017】
この物品移載装置では、第1部材の第1端が、収容空間を、第1方向の上流側に配置される容器の側壁の近傍から、第1方向の下流側に配置される容器の側壁の近傍まで移動する。したがって、本物品移載装置では、容器に移載するほとんどの物品について、容器の底面への鉛直落下に伴う損傷を抑制することができる。
【0018】
第7観点に係る物品移載装置は、第4観点又は第5観点に係る物品移載装置であって、戴置部は、プレート状の第2部材を更に含む。第2部材は、第3端と、第4端と、第3端と第4端との間で広がる戴置面とを有する。制御部は、戴置部から容器へと物品を移載する際、駆動部の動作を制御して、第2部材の第3端が、第2部材の第4端より低い位置であって、かつ、側壁の上端よりも低くに位置する収容空間に配置されるように、第2部材の戴置面と容器の底面とがなす角度を変化させる。制御部が、容器と物品との間から戴置部が抜かれるように駆動部の動作を制御する際、第2部材の第3端は、収容空間内を第1方向とは逆方向の第2方向に、第2方向の下流側に配置されている容器の側壁の近傍まで相対移動する。
【0019】
この物品移載装置では、第1部材及び第2部材を利用して、容器に移載する多くの物品について容器の底面への鉛直落下に伴う損傷を抑制することができる。
【0020】
第8観点に係る物品移載装置は、第1観点から第3観点のいずれかに係る物品移載装置であって、制御部が、容器と物品との間から戴置部が抜かれるように駆動部の動作を制御する際、駆動部は、戴置部を戴置面に沿って平行移動させる。
【0021】
この物品移載装置では、比較的シンプルな機構で容器と物品との間から戴置部を引き抜く動作を実現できる。
【0022】
第9観点に係る物品移載装置は、第3観点から第7観点のいずれかに係る物品移載装置であって、プッシャを更に備える。プッシャは、第1部材の戴置面に沿って、第2端側から第1端側へと移動する。
【0023】
この物品移載装置では、第1部材の戴置面に沿って物品を容器へと下方にスムースに移動させることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の物品移載装置では、物品移載に要する時間の短時間化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】第1実施形態に係る物品移載装置を含む物品移載システムを模式的に描画した平面図である。
【
図2】
図1の物品移載装置の制御ブロック図である。
【
図3】
図1の物品移載装置を、左側から見た
図1のIII-III矢視の側面断面図である。
【
図4A】
図1の物品移載装置の動作を説明するための図であり、物品移載装置を左側から見た側面断面図である。
【
図4B】
図1の物品移載装置の動作を説明するための図であり、物品移載装置を左側から見た側面断面図である。
【
図4C】
図1の物品移載装置の動作を説明するための図であり、物品移載装置を左側から見た側面断面図である。
【
図4D】
図1の物品移載装置の動作を説明するための図であり、物品移載装置を左側から見た側面断面図である。
【
図4E】
図1の物品移載装置の動作を説明するための図であり、物品移載装置を左側から見た側面断面図である。
【
図4F】
図1の物品移載装置の動作を説明するための図であり、物品移載装置を左側から見た側面断面図である。
【
図5】
図1の物品移載装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図6】変形例1Aの物品移載装置を左側から見た側面断面図である。
【
図7】変形例1Bの物品移載装置を左側から見た側面断面図である。
【
図8】変形例1Cの物品移載装置を後側から見た背面断面図である。
【
図9】変形例1Eの物品移載装置を左側から見た側面断面図である。
【
図10】第2実施形態の物品移載装置を、左側から見た側面断面図である。
【
図12A】
図10の物品移載装置の動作を説明するための図であり、物品移載装置を左側から見た側面断面図である。
【
図12B】
図10の物品移載装置の動作を説明するための図であり、物品移載装置を左側から見た側面断面図である。
【
図12C】
図10の物品移載装置の動作を説明するための図であり、物品移載装置を左側から見た側面断面図である。
【
図12D】
図10の物品移載装置の動作を説明するための図であり、物品移載装置を左側から見た側面断面図である。
【
図13】
図10の物品移載装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図14】変形例2Aの物品移載装置を左側から見た側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の物品移載装置の実施形態について以下に説明する。なお、以下で説明する実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【0027】
なお、以下の説明において、位置関係や向きを説明するため、便宜上、前、後、左、右等の表現を使う場合がある。これらの表現の示す方向は、特記無き場合図中に示した矢印の方向に従う。
【0028】
また、以下の説明において、平行、直交、垂直、水平、鉛直等の表現を用いる場合があるが、これらの表現は、厳密な意味で平行、直交、垂直、水平、鉛直等の関係にある場合に限定されず、実質的に平行、直交、垂直、水平、鉛直等の関係にある場合を含む。
【0029】
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態の物品移載装置100について説明する。
【0030】
(1)物品移載システムの全体概要
物品移載装置100を含む物品移載システム1の全体概要を、
図1を参照しながら説明する。
図1は、物品移載装置100を含む物品移載システム1を模式的に描画した平面図である。
【0031】
物品移載システム1は、容器C内に所定数量の物品Gを移載し、物品Gが中に入った容器Cを排出する装置である。
【0032】
ここでは、物品Gは、袋に詰められた食品である。例えば、物品Gは、袋に詰められたパンである。パンのような柔らかい食品は、外部から作用する力で変形、損傷しやすい。ただし、物品移載装置100が容器Cに移載する物品Gの種類は、特定の種類に限定されない。物品移載装置100は、様々な種類の物品の容器Cへの移載に利用できる。
【0033】
ここでは、容器Cは、食品業界で主に使用されている番重とも呼ばれる容器である。容器Cは、高さの比較的低い(側壁W1~W4の高さが比較的低い)、薄型の、物品の運搬用の容器である。容器Cは、底面Bと、底面Bを囲むように配置される側壁W1~W4と、を含む。容器Cの上面は開口している。物品移載システム1では、容器Cに上面の開口から物品Gが移載される。容器Cの底面Bは、上面視において四角形形状である。容器Cの側壁W1~W4は、容器Cの底面Bの4つの辺に沿って配置される。底面Bと、底面Bを囲む側壁W1~W4とは、物品Gを収容する収容空間Sを容器Cに形成する。なお、容器Cは、少なくとも上方が開口している容器であればよく、その形状等は、ここで例示している容器Cの形状等に限定されるものではない。
【0034】
物品移載システム1は、物品搬送装置X1と、容器供給装置X2と、物品移載装置100と、容器搬出装置X3と、を主に含む。物品移載装置100は、戴置部10を備える。
【0035】
物品搬送装置X1は、物品移載システム1の上流側の工程(例えば、物品Gの製造工程)から物品Gを搬送し、物品移載装置100へと物品Gを供給する。装置の種類を限定するものではないが、物品搬送装置X1は、例えばベルトコンベアである。物品搬送装置X1は、物品移載装置100の戴置部10に複数の物品Gが整列した状態で集合するように物品Gを搬送する。物品搬送装置X1は、例えば
図1のように、上方から見た時に、物品移載装置100の戴置部10に合計12個の物品Gが前後方向に3列に左右方向に4列に整列した状態で集合するように物品Gを搬送する。ただし、物品移載装置100の戴置部10に集合させられる物品Gの数量や、戴置部10における物品Gの整列の態様は、
図1に描画されている態様に限定されず、適宜決定されればよい。
【0036】
容器供給装置X2は、図示しない貯留場所に貯留されている空の(物品Gが入れられていない)容器Cを搬送し、物品移載装置100に供給する。具体的には、容器供給装置X2は、容器Cを、物品移載装置100の戴置部10の下方に供給する。装置の種類を限定するものではないが、容器供給装置X2は、例えばローラコンベアである。
図1中では、容器供給装置X2は、物品移載装置100の右方側から左方向に容器Cを搬送しているが、容器Cの搬送方向は例示に過ぎず、容器供給装置X2の配置や搬送方向は適宜設計されればよい。
【0037】
物品移載装置100は、戴置部10に戴せられている複数の物品Gを、戴置部10から容器Cへ移載する。物品移載装置100は、具体的には、戴置部10上の物品Gが容器Cの上方にある時に、容器Cと物品Gとの間から戴置部10が抜かれるように容器Cと戴置部10とを相対移動させることで、物品Gを容器Cへと移載する。物品移載装置100の詳細については後述する。
【0038】
容器搬出装置X3は、物品移載装置100によって物品Gが移載された容器Cを、物品移載装置100から搬出する。
図1中では、容器搬出装置X3は、物品移載装置100から前方に容器Cを搬送しているが、容器Cの搬送方向は例示に過ぎず、容器搬出装置X3の搬送方向は適宜設計されればよい。容器搬出装置X3により所定位置に搬送された容器Cは、容器移載装置(図示せず)によって台車(図示せず)に段積みされる。台車は、容器Cを移載システム1から移動させるための装置である。
【0039】
(2)物品移載装置の詳細構成
物品移載装置100の詳細構成について、
図1に加え、
図2及び
図3を参照しながら説明する。
図2は、物品移載装置100の制御ブロック図である。
図3は、物品移載装置100を、
図1の左側から見た、
図1のIII-III矢視の側面断面図である。
【0040】
物品移載装置100は、戴置部10と、戴置部駆動部18と、プッシャ20と、ローラ30と、容器移動機構40と、制御部60と、を備える。以下に、各構成について詳細を説明する。
【0041】
(2-1)戴置部
戴置部10は、物品搬送装置X1の供給する複数の物品Gを受け取り、容器Cに移載されるまで物品Gを戴置面16上で保持する。
【0042】
戴置部10は、主にプレート状の第1部材11を含む。本実施形態では、第1部材11は、
図1に示すように四角形形状の平面状の部材である。第1部材11は、第1端12と、第2端14と、第1端12と第2端14との間で広がる戴置面16と、を有する。第1端12は、後方側に配置され左右方向に延びる端部である。第2端14は、前方側に配置され左右方向に延びる端部である。
【0043】
第1部材11は、
図3のように、ローラ30の上方に戴置されている。ローラ30は、左右方向を回転軸とする、回転自在の部材である。また、第1部材11の後方端部近傍の左右の端部は、
図1のように支持部材11aにより支持されている。
【0044】
本実施形態では、第1部材11の戴置面16に、物品搬送装置X1により供給される物品Gが、
図1のように左右4列前後3列に並ぶように集合させられる。
【0045】
物品搬送装置X1による物品移載装置100への物品Gの供給時には、第1部材11の戴置面16は、
図3のように、概ね水平面である。言い換えれば、第1部材11の後方側の端部(第1端12)と、第1部材11の前方側の端部(第2端14)と、は概ね同一高さに配置される。第1部材11の第1端12は、物品搬送装置X1の搬送面の端部に隣接して配置されている。第1部材11の戴置面16は、物品搬送装置X1の搬送面の高さと概ね同一の高さに配置される。言い換えれば、第1部材11は、物品搬送装置X1による物品移載装置100への物品Gの供給時には、戴置面16が物品搬送装置X1の搬送面の高さと概ね同一の高さに配置されるように、支持部材11a及びローラ30が第1部材11を支持する。物品搬送装置X1は、戴置部10の後方側、すなわち第1端12側から前方に向かって物品Gを搬入する。物品搬送装置X1から戴置部10の戴置面16に移動してくる物品Gは、慣性で戴置面16上を前方へと移動する。なお、戴置面16上の最前列に配置される物品Gは、第1部材11の戴置面16の前部上方に配置されている後述するプッシャ20の押さえ板22に接触し、押さえ板22より前方への移動が規制される。戴置面16上の前方2列目以降に配置される物品G(
図1の例であれば前方2列目及び3列目の物品G)は、その前方に隣接する物品Gに接触して、前方への移動が規制される。
【0046】
戴置面16上に所定の個数の(本実施形態では12個の)物品Gが集合させられた後の第1部材11の動きについては後述する。
【0047】
(2-2)戴置部駆動部
戴置部駆動部18は、駆動部の一例である。
【0048】
戴置部駆動部18は、戴置部10の下方に配置されている物品Gの移載対象である容器Cと、戴置部10とを相対移動させる。具体的には、戴置部駆動部18は、物品移載位置P1に配置されている容器Cと、戴置部10の第1部材11とを相対移動させる。また、戴置部駆動部18は、戴置部10の戴置面16と、物品移載位置P1に配置されている容器Cの底面Bとがなす角度を変化させる。
【0049】
なお、物品移載位置P1は、物品移載装置100が容器Cに物品Gを移載させる際に、容器Cが配置される位置である。本実施形態では、物品移載装置100による容器Cへの物品Gの移載が概ね完了するまで、容器Cは物品移載位置P1から移動しない。また、本実施形態では、物品移載位置P1に配置されている容器Cの底面Bは水平面である。
【0050】
戴置部駆動部18は、姿勢変更機構18aと、移動機構18bと、を含む。姿勢変更機構18a及び移動機構18bは、第1部材11の少なくとも一部を所定の方向に移動させることで、第1部材11の位置及び/又は姿勢を変化させる機構である。姿勢変更機構18a及び移動機構18bは、例えばエアシリンダを含み、エアシリンダを用いて第1部材11の少なくとも一部を移動させる。ただし、姿勢変更機構18a及び/又は移動機構18bの駆動源は、エアシリンダに限定されるものではなく、例えばモータ等の他の種類の駆動源を利用して第1部材11の少なくとも一部を移動させてもよい。また、第1部材11を以下に説明するように移動させることが可能であれば、姿勢変更機構18a及び移動機構18bとしての機能は、単一の機構により実現されてもよい。
【0051】
姿勢変更機構18aは、戴置部10の戴置面16と、容器Cの底面Bとがなす角度を変化させる。具体的には、姿勢変更機構18aは、第1部材11の状態を、戴置面16が水平である第1状態と、戴置面16が水平面に対して角度αだけ傾いている第2状態との間で切り換え、戴置部10の戴置面16と、水平面である容器Cの底面Bとがなす角度を変化させる。姿勢変更機構18aは、第1部材11の後端近傍の支持部材11aを上下方向に移動させて、第1部材11の第1状態と第2状態とを切り換える。第1状態は、第1部材11が、物品搬送装置X1が戴置部10の戴置面16に物品Gを集合させる時に取る状態である。第2状態は、第1部材11が、戴置部10から容器Cへの物品Gの移載開始時に取る姿勢である。第2状態の第1部材11では、第1端12が、第2端14より低い位置に配置される。本実施形態では、第2状態の第1部材11において、第1部材11の後端側が、第1部材11の前端側より低い位置に配置される。言い換えれば、第2状態の第1部材11では、戴置面16は前方側から後方側に向かって下り斜面となる。また、第2状態の第1部材11の第1端12は、物品移載位置P1に配置されている容器Cの側壁W1~W4の上端Tよりも低くに位置する収容空間Sに配置される。
【0052】
移動機構18bは、物品移載位置P1に配置されている容器Cと、戴置部10とを相対移動させる。具体的には、移動機構18bは、第1部材11を移動させて、物品移載位置P1に配置されている容器Cと、戴置部10とを相対移動させる。移動機構18bは、戴置部10上の物品Gが物品移載位置P1に配置されている容器Cの上方にある時に、第1部材11を移動させて、容器Cと物品Gとの間から戴置部10を引き抜く。物品Gの移載のために移動機構18bが第1部材11の移動を開始する時点では、第1部材11は、前記の第2状態にある。物品Gの移載のために移動機構18bが第1部材11の移動を開始する時点では、第1部材11の第1端12は、容器Cの収容空間S内に配置される。
【0053】
移動機構18bが、第1部材11をどのように移動させるかを説明する。以下の説明では、記載が煩雑になることを避けるため、容器Cと物品Gとの間から戴置部10が抜かれるように戴置部10を動作させる際、という表現に代えて、戴置部10の移載動作の際にという表現を用いる場合がある。
【0054】
好ましくは、戴置部10の移載動作の際、移動機構18bは、第1部材11の第1端12を、収容空間S内を第1方向D1に、第1方向D1の下流側に配置されている容器Cの側壁の近傍まで相対移動させる。好ましくは、戴置部10の移載動作の際、移動機構18bは、第1端12と容器Cの底面Bとの距離が側壁W1~W4の高さの1/2以下となるように、第1部材11の第1端12を、第1方向D1に、第1方向D1の下流側に配置されている容器Cの側壁の近傍まで相対移動させる。本実施形態では、第1方向D1は後方向である。また、第1方向D1の下流側に配置されている容器Cの側壁は、側壁W1である。具体的には、移動機構18bは、第1部材11の後方側(第1端12側)の左右方向端部で第1部材11を支持する支持部材11aを、第1方向D1に、第1方向D1の下流側に配置されている容器Cの側壁W1の近傍まで相対移動させる。
【0055】
さらに好ましくは、戴置部10の移載動作の際、移動機構18bは、第1部材11の第1端12を、容器Cの底面Bに沿って、収容空間S内を第1方向D1に、第1方向D1の下流側に配置されている容器Cの側壁W1の近傍まで相対移動させる。
【0056】
また、好ましくは、戴置部10の移載動作の際、移動機構18bは、第1部材11の第1端12を、第1方向D1の上流側に配置されている容器Cの側壁W2の近傍から、第1方向D1の下流側に配置されている容器Cの側壁W1の近傍まで、第1方向D1に相対移動させる。
【0057】
移動機構18bが、第1部材11の第1端12を第1方向D1に相対移動させる時、第1部材11が第1方向D1に移動して側壁W1に近づくほど、ローラ30に戴置されている第1部材11の水平面に対する傾きは大きくなる(
図4B~
図4E参照)。
【0058】
(2-3)プッシャ
プッシャ20は、主に、戴置部10から容器Cへと物品Gを移載する際に、第1部材11の戴置面16に沿って移動し、第1部材11の戴置面16上の物品Gが容器Cへと移動することを補助する。
【0059】
プッシャ20は、
図2及び
図3に示されるように、押さえ板22及び押さえ板駆動機構24を主に含む。押さえ板駆動機構24は、押さえ板22を移動させる機構である。押さえ板駆動機構24は、例えばエアシリンダやモータ等の駆動機構を含む。
【0060】
押さえ板22は、ここではプレート状の部材である。ただし、押さえ板22の形状は任意に選択されればよい。押さえ板22は、第1状態の第1部材11の戴置面16の前部上方に配置される。押さえ板22は、物品搬送装置X1が第1状態の第1部材11の戴置面16に物品Gを移動させる時に、物品Gの前方への移動を規制する。
【0061】
プッシャ20は、姿勢変更機構18aが、物品Gが戴置面16に置かれた第1状態の第1部材11の状態を第2状態に変更した時に、押さえ板22を、第1部材11の戴置面16に沿って、第2端14側から第1端12側へと移動させる(
図4A及び
図4B参照)。この結果、押さえ板22は、戴置面16上の物品Gに接触し、第1部材11の戴置面16上の物品Gの容器Cへの移動を補助する。
【0062】
(2-4)ローラ
ローラ30は、
図3のように、第1部材11の下方に配置され、第1部材11を下方側から支持する部材である。第1部材11は、ローラ30上に戴置されている。ローラ30は、左右方向に水平に延びる回転軸周りに回転自在である。
【0063】
(2-5)容器移動機構
本実施形態では、容器移動機構40は、容器Cを上下方向に移動させる機構である。容器移動機構40は、図示しないエアシリンダやモータ等の駆動源を含み、これらの駆動源を用いて、容器Cを支持する図示しない支持部を上下方向に移動させる。
【0064】
具体的には、容器移動機構40は、容器供給装置X2から供給された容器Cを上方の物品移載位置P1へと移動させる。また、容器移動機構40は、移動機構18bが第1部材11の移動を完了した後に、容器搬出装置X3に容器Cを引き渡すため容器Cを下方に移動させる。
【0065】
(2-6)制御部
制御部60は、物品移載装置100の各部の動作を制御する制御装置である。なお、本実施形態では、制御部60は、物品移載装置100の専用の制御装置であるが、これに限定されるものではなく、他の装置の動作も制御する装置であってもよい。例えば、制御部60は、物品移載装置100に加え、物品搬送装置X1、容器供給装置X2、及び容器搬出装置X3の少なくとも一部の動作を制御するものであってもよい。
【0066】
本実施形態では、制御部60は、CPU等のプロセッサや記憶装置(図示省略)を有するコンピュータである。制御部60は、記憶装置に記憶されている物品移載装置100の動作の制御用のプログラムを読み出して実行し、このプログラムに従って物品移載装置100の動作を制御する。なお、制御部60は、ソフトウェアで実現されるものに限定されるものではない。物品移載装置100に以下で説明するような動作を実行させるものであれば、制御部60は、ハードウェアで実現されても、ソフトウェアとハードウェアとが協働することで実現されてもよい。
【0067】
制御部60は、
図2に示されているように、姿勢変更機構18a及び移動機構18bを含む戴置部駆動部18と、押さえ板駆動機構24と、容器移動機構40と、電気的に接続されている。制御部60は、姿勢変更機構18a、移動機構18b、押さえ板駆動機構24、及び容器移動機構40の動作を制御する。また、制御部60は、物品搬送装置X1、容器供給装置X2、及び容器搬出装置X3との間で、各種信号のやり取りをする。
【0068】
制御部60が物品移載装置100をどのように制御するかは、物品移載装置100の動作の説明の中で説明する。
【0069】
(3)物品移載装置の動作
物品移載装置100の動作について、
図3に加え、
図4A~
図4F及び
図5を参照しながら説明する。
図4A~
図4Fは、物品移載装置100の動作を説明するための図であり、物品移載装置100の動作を時系列に示した図である。
図4A~
図4Fは、
図3と同様に、物品移載装置100を
図1の左側から見た、
図1のIII-III矢視の側面断面図である。
図5は、物品移載装置100の動作を説明するためのフローチャートである。
【0070】
ここでは、戴置部10の戴置面16上に所定数量の物品Gが戴せられており、第1部材11が第1状態であり、容器移動機構40が容器Cを物品移載位置P1に移動させている状態を起点として、物品移載装置100の動作を説明する。
【0071】
まず、戴置部10から容器Cへと物品Gを移載する際、制御部60は、戴置部駆動部18の動作を制御して、戴置部10の姿勢を変更する。言い換えれば、戴置部10から容器Cへと物品Gを移載する際、制御部60は、戴置部駆動部18の動作を制御して、戴置部10の戴置面16と、物品移載位置P1に配置されている容器Cの底面Bとがなす角度を変化させる(ステップS1)。制御部60は、戴置面16と物品移載位置P1に配置されている容器Cの底面Bとがなす角度を変化させることで、第1部材11の第1端12を、第1部材11の第2端14より低い位置であって、かつ、容器Cの側壁W1~W4の上端Tよりも低くに位置する収容空間Sに配置する(
図4A参照)。具体的には、制御部60は、姿勢変更機構18aの動作を制御して、支持部材11aを第1部材11の状態を、戴置面16が水平である第1状態(
図3参照)から、戴置面16が水平面に対して角度αだけ傾いている第2状態(
図4A参照)へと変化させる。なお、姿勢変更機構18aが、第1部材11の状態を第2状態として、戴置面16と物品移載位置P1に配置されている容器Cの底面Bとがなす角度を変化させた時、第1部材11の第1端12は、容器Cの側壁W2の下端近傍に配置される(
図4A参照)。第1部材11の状態が第2状態となることで、第1部材11の戴置面16は、後方側(第1端12側)に向かって下り斜面となる。
【0072】
次に、制御部60は、プッシャ20の動作を制御して、戴置部10の第1部材11の戴置面16に沿って、プッシャ20の押さえ板22を、第1部材11の第2端14の側から第1部材11の第1端12の側に移動させる(ステップS2、
図4A及び
図4B参照)。言い換えれば、制御部60は、押さえ板22を物品移載位置P1に配置されている容器Cの底面Bに近づける。
【0073】
次に、制御部60は、戴置部10上の物品Gが容器Cの上方にある(物品移載位置P1にある)時に、容器Cと物品Gとの間から戴置部10が抜かれるように戴置部駆動部18の動作を制御する。具体的には、制御部60は、物品移載位置P1に配置されている容器Cと物品Gとの間から戴置部10が抜かれるように、第1部材11の第1端12が第1方向D1に相対移動するように移動機構18bの動作を制御する(ステップS3)。
【0074】
具体的には、制御部60は、移動機構18bが、第1端12の近傍で第1部材11を支持する支持部材11aを、第1方向D1に、第1方向D1の下流側に配置されている容器Cの側壁W1の近傍まで相対移動させるよう、移動機構18bの動作を制御する(
図4C~
図4E参照)。なお、好ましくは、移動機構18bは、支持部材11aを移動させて、第1部材11の第1端12を、容器Cの底面Bに沿って、収容空間S内を第1方向D1に、容器Cの側壁W1の近傍まで相対移動させる。移動機構18bが第1部材11を第1方向D1に移動させていくと、第1部材11の戴置面16の水平面に対する角度が次第に大きくなり次第に90°に近づく(
図4C~
図4E参照)。このような角度変化のため、戴置面16上の物品Gは、戴置面16上に残された状態になりにくい。移動機構18bが支持部材11aを第1方向D1に移動させていくことで、第1部材11の戴置面16上の物品Gは、戴置面16上での整列状態は維持したまま、後方から順に容器Cの底面Bに移載されていく(
図4C~
図4E参照)。
【0075】
次に、制御部60は、容器移動機構40の動作を制御して、容器Cを物品移載位置P1から下方に移動させる(ステップS4、
図4E及び
図4F参照)。容器移動機構40は、物品Gの移載済みの容器Cを、容器搬出装置X3に引き渡す。容器搬出装置X3は、物品移載装置100から引き渡された物品Gを移載済みの容器Cを搬出する。
【0076】
なお、上記の容器Cへの物品Gの移載が終了すると、制御部60は、戴置部駆動部18を駆動して第1部材11を
図3に描画した状態に戻し、容器供給装置X2が搬送してくる空の容器Cを物品移載位置P1に移動させる。
【0077】
(4)物品移載装置の特徴
(4-1)
本実施形態の物品移載装置100は、複数の物品Gが戴せられる戴置面16を含む戴置部10から、容器Cへ、複数の物品Gを移載する。物品移載装置100は、戴置部駆動部18と、制御部60と、を備える。戴置部駆動部18は、容器Cと戴置部10とを相対移動させる。制御部60は、戴置部駆動部18の動作を制御する。制御部60は、戴置部10上の物品Gが容器Cの上方にある時に、容器Cと物品Gとの間から戴置部10が抜かれるように戴置部駆動部18の動作を制御する。
【0078】
物品移載装置100では、戴置部10の物品Gを把持して移動させ、容器C上で物品Gの把持を解除する場合に比べ、物品移載に要する時間の短時間化を図ることができる。
【0079】
また、物品Gを吸着ユニットで把持する場合には、吸着ユニットによる物品Gの吸着把持の際に物品Gを損傷する、吸着把持が不完全となり物品Gを把持できない/物品Gを落下させる等の不具合が発生するおそれがある。これに対し、物品移載装置100では移載のために物品Gを把持しなくてよいので、物品Gの把持の際に生じ得る不具合の発生を無くすことができる。
【0080】
(4-2)
本実施形態の物品移載装置100では、制御部60は、戴置部10から容器Cへと物品Gを移載する際、戴置部駆動部18の動作を制御して、戴置部10の戴置面16と、容器Cの底面Bとがなす角度を変化させる。
【0081】
物品移載装置100では、戴置部10の戴置面16の容器Cの底面Bに対する角度を変化させることで、傾斜を利用して物品Gを容器Cに移載できる。また、傾斜を利用して物品Gを容器Cに移載することで、物品Gを鉛直落下させる場合に比べ物品Gに対する損傷を抑制できる。
【0082】
(4-3)
本実施形態の物品移載装置100では、容器Cは側壁W1~W4を含む。側壁W1~W4は、容器Cの底面Bを囲むように配置され、物品Gを収容する収容空間Sを容器Cに形成する。戴置部10は、プレート状の第1部材11を含む。第1部材11は、第1端12と、第2端14と、第1端12と第2端14との間で広がる戴置面16と、を有する。制御部60は、戴置部10から容器Cへと物品Gを移載する際、戴置部駆動部18の動作を制御して、第1部材11の第1端12が、第1部材11の第2端14より低い位置であって、かつ、側壁W1~W4の上端Tよりも低くに位置する収容空間Sに配置されるように、第1部材11の戴置面16と容器Cの底面Bとがなす角度を変化させる。
【0083】
物品移載装置100では、少なくとも一時的に戴置部10の第1部材11の第1端12が容器Cの側壁W1~W4の上端Tより低くに位置する収容空間Sの内部に入り込む。そのため、物品移載装置100では、物品Gを比較的低い位置に配置されている第1部材11の第1端12側から容器Cの底面Bに移動させることができる。したがって、物品移載装置100では、物品Gの容器Cの底面Bへの鉛直落下に伴う損傷が抑制されやすい。
【0084】
(4-4)
本実施形態の物品移載装置100では、制御部60が、容器Cと物品Gとの間から戴置部10が抜かれるように戴置部駆動部18の動作を制御する際、第1部材11の第1端12は、収容空間S内を第1方向D1に、第1方向D1の下流側に配置されている容器Cの側壁W1の近傍まで相対移動する。
【0085】
物品移載装置100では、第1部材11の第1端12が容器Cの側壁W1~W4の上端Tより低くに位置する収容空間Sの内部を移動するため、物品Gを、比較的低い位置に配置されている第1部材11の第1端12側から容器Cへと移動させることができる。したがって、物品移載装置100では、物品Gの容器Cの底面Bへの鉛直落下に伴う損傷が抑制されやすい。
【0086】
(4-5)
本実施形態の物品移載装置100では、制御部60が容器Cと物品Gとの間から戴置部10が抜かれるように戴置部駆動部18の動作を制御する際、第1部材11の第1端12は、容器Cの底面Bに沿って、第1方向D1の下流側に配置されている容器Cの側壁W1の近傍まで相対移動する。
【0087】
物品移載装置100では、第1部材11の第1端12が、第1方向D1の下流側に配置される容器Cの側壁W1の近傍まで、収容空間S内の概ね同一高さ位置を移動する。そのため、容器Cに移載する多くの物品Gについて容器Cの底面Bへの鉛直落下に伴う損傷を抑制することができる。
【0088】
(4-6)
本実施形態の物品移載装置100では、制御部60が容器Cと物品Gとの間から戴置部10が抜かれるように戴置部駆動部18の動作を制御する際、第1部材11の第1端12は、第1方向D1の上流側に配置されている容器Cの側壁W2の近傍から、第1方向D1の下流側に配置されている容器Cの側壁W1の近傍まで相対移動する。
【0089】
物品移載装置100では、第1部材11の第1端12が、収容空間Sを、第1方向D1の上流側に配置される容器Cの側壁W1の近傍から、第1方向D1の下流側に配置される容器Cの側壁W2の近傍まで移動する。したがって、物品移載装置100では、容器Cに移載するほとんどの物品Gについて、容器Cの底面Bへの鉛直落下に伴う損傷を抑制することができる。
【0090】
(4-7)
本実施形態の物品移載装置100では、プッシャ20を備える。プッシャ20は、戴置部10の第1部材11の戴置面16に沿って、第1部材11の第2端14側から第1端12側へと移動する。具体的には、プッシャ20の押さえ板22は、戴置部10の第1部材11の戴置面16に沿って、第1部材11の第2端14側から第1端12側へと移動する。
【0091】
物品移載装置100では、第1部材11の戴置面16に沿って物品Gを容器Cへと下方にスムースに移動させることができる。
【0092】
(5)変形例
以下に、第1実施形態の変形例を示す。なお、各変形例の内容の一部又は全部は、互いに矛盾しない範囲で上記実施形態の内容や他の変形例の内容と組み合わされてもよい。
【0093】
(5-1)変形例1A
上記実施形態の物品移載装置100では、移動機構18bは、第1部材11の第1端12を、容器Cの底面Bに沿って、収容空間S内を第1方向D1に、第1方向D1の下流側に配置されている容器Cの側壁W1の近傍まで相対移動させる。
【0094】
ただし、第1部材11の移動の態様は、このような態様に限定されるものではない。例えば、移動機構18bは、第1部材11が第1方向D1に移動するに従って、第1部材11の第1端12が次第に高い位置に移動するように第1部材11を移動させてもよい。ただし、このように構成される場合にも、移動機構18bは、第1部材11の第1端12を、できるだけ低い高さ位置で、第1方向D1の下流側に配置されている容器Cの側壁W1の近傍まで相対移動させることが好ましい。具体的には、移動機構18bは、第1部材11の第1端12を、第1方向D1の下流側に配置されている容器Cの側壁W1の近傍まで、収容空間S内で相対移動させることが好ましい。このように構成されることで、第1部材11の戴置面16から容器Cの底面Bに物品Gが移動する際に、物品Gの落下による損傷が抑制されやすい。
【0095】
また、
図6に示している物品移載装置100Aのように、姿勢変更機構18aが戴置部10Aの第1部材11の状態を第2状態に変更した後、移動機構18bは、戴置部10Aの第1部材11の支持部材(図示省略)を戴置面16に沿って平行移動させてもよい(
図6の矢印E1参照)。言い換えれば、制御部60は、容器Cと物品Gとの間から戴置部10Aが抜かれるように戴置部駆動部18の動作を制御する際、移動機構18bは、
図6のように、戴置部10Aの第1部材11を戴置面16に沿って平行移動させてもよい。
図6に描画されている形態では、第1部材11は、第2状態(戴置面16の水平面に対する角度が角度αである状態)を維持したまま移動する。このように構成される場合であっても、移動機構18bは、第1部材11の第1端12を、できるだけ低い高さ位置で相対移動させることが好ましい。例えば、移動機構18bは、
図6中に二点鎖線で示すように、少なくとも容器Cの第1方向D1における中間位置(側壁W1と側壁W2との中央位置、
図6中の一点鎖線Aの位置)までは、第1部材11の第1端12を収容空間S内で相対移動させることが好ましい。このように構成されることで、第1部材11の戴置面16から容器Cの底面Bに物品Gが移動する際に、物品Gの落下による損傷が抑制されやすい。
【0096】
ただし、物品移載装置100Aでは、上記実施形態の物品移載装置100に比べれば、第1部材11の移動するスペースの関係上、装置の前後方向の長さが長くなりやすい。
【0097】
(5-2)変形例1B
上記実施形態では、物品移載装置100では、姿勢変更機構18aは、第1部材11の状態を第1状態から第2状態に変化させた後、移動機構18bが、第1部材11の第1端12を、容器Cの底面Bに沿って第1方向D1に相対移動させる。
【0098】
ただし、戴置部駆動部18の構成は、上記実施形態の構成に限定されるものではない。例えば、
図7に示した物品移載装置100Bのように、戴置部駆動部18は、姿勢変更機構18aを含んでいなくてもよい。また、移動機構18bは、上記の第1状態の第1部材11を、戴置部10Bを戴置面16の仮想面に沿って平行移動させてもよい(
図7中の矢印E2参照)。言い換えれば、制御部60が、物品移載位置P1に配置されている容器Cと物品Gとの間から戴置部10Bが抜かれるように戴置部駆動部18の動作を制御する際、移動機構18bは、
図7のように、戴置部10Bの第1部材11を戴置面16に沿って水平移動させてもよい。
図7に描画されている形態では、第1部材11は、第1状態を維持したまま移動する。第1部材11の戴置面16上の物品Gの移動は押さえ板22により抑制されるため、物品Gは容器C内に移載される。
【0099】
なお、物品移載装置100Bでは、上記実施形態の物品移載装置100に比べれば、第1部材11の移動するスペースの関係上、装置の前後方向の長さが長くなりやすい。
【0100】
(5-3)変形例1C
上記実施形態では、戴置部10は、単一のプレート状の第1部材11を含み、第1部材11の第1端12を、好ましくは、容器Cの側壁W2の近傍から、容器Cの側壁W1の近傍まで第1方向D1に相対移動させる。ただし、このような構成に限定されるものではなく、戴置部10は、複数のプレート状の部材を有していてもよい。
【0101】
例えば、
図8の物品移載装置100Cのように、戴置部10Cは、プレート状の第1部材11C1及び第2部材11C2を有する。第1部材11C1及び第2部材11C2は、同じ大きさ及び形状の部材である。第1部材11C1及び第2部材11C2は、四角形形状の部材である。第1部材11C1は右側に配置され、第2部材11C2は左側に配置されている。
【0102】
第1部材11C1は、第1端12C1と、第2端14C1と、第1端12C1と第2端14C1との間で広がる戴置面16C1と、を有する。第1端12C1は、左側に配置され前後方向に延びる第1部材11C1の端部である。第2端14C1は、右側に配置され前後方向に延びる第1部材11C1の端部である。
【0103】
第2部材11C2は、第1端12C2と、第2端14C2と、第1端12C2と第2端14C2との間で広がる戴置面16C2と、を有する。第1端12C2は、右側に配置され前後方向に延びる第2部材11C2の端部である。第2端14C2は、左側に配置され前後方向に延びる第2部材11C2の端部である。第2部材11C2の第1端12C2は、第3端の一例である。第2部材11C2の第2端14C2は、第4端の一例である。
【0104】
第1部材11C1は、
図8のように、前後方向を回転軸とする、回転自在のローラ30C1の上方に戴置されている。また、第1部材11C1の左側端部近傍の前後の端部は、図示しない支持部材により支持されている。第2部材11C2は、
図8のように、前後方向を回転軸とする、回転自在のローラ30C2の上方に戴置されている。また、第2部材11C2の右側端部近傍の前後の端部は、図示しない支持部材により支持されている。
【0105】
物品移載装置100Cでは、制御部60は、戴置部10Cから容器Cへと物品Gを移載する際、戴置部駆動部18の動作を制御して、第1部材11C1の第1端12C1が、第2部材11C2の第2端14C1より低い位置であって、かつ、容器Cの側壁W1~W4の上端Tよりも低くに位置する収容空間Sに配置されるように、第1部材11C1の戴置面16C1と容器Cの底面Bとがなす角度を変化させる(
図8中の点線参照)。また、制御部60は、容器Cと物品Gとの間から戴置部10Cが抜かれるように戴置部駆動部18の動作を制御する際、第1部材11C1の第1端12C1を、第1方向D1’(ここでは右方向)に、収容空間S内を、第1方向D1’の下流側に配置されている容器Cの側壁W3の近傍まで相対移動させる(
図8中の二点鎖線参照)。
【0106】
また、物品移載装置100Cでは、制御部60は、戴置部10Cから容器Cへと物品Gを移載する際、戴置部駆動部18の動作を制御して、第2部材11C2の第1端12C2が、第2部材11C2の第2端14C2より低い位置であって、かつ、容器Cの側壁W1~W4の上端Tよりも低くに位置する収容空間Sに配置されるように、第2部材11C2の戴置面16C2と容器Cの底面Bとがなす角度を変化させる(
図8中の点線参照)。また、制御部60は、容器Cと物品Gとの間から戴置部10Cが抜かれるように戴置部駆動部18の動作を制御する際、第2部材11C2の第1端12C2を、第2方向D2’に、収容空間S内を、第2方向D2’の下流側に配置されている容器Cの側壁W4の近傍まで相対移動させる(
図8中の二点鎖線参照)。ここでは、第2方向D2’は、第1方向D1’とは逆方向であって、ここでは左方向である。
【0107】
第1部材11C1の動作は、第1部材11C1の第1端12C1の第1方向D1’への移動の起点が容器Cの左右方向の中央部分であることと、第1方向D1’が前方向ではなく右方向である点を除き、上記実施形態の第1部材11の動作と同様である。また、第2部材11C2の動作は、動作方向が逆方向である点を除き、第1部材11C1の動作と同様である。そのため、ここでは、第1部材11C1及び第2部材11C2の動作の詳細な説明は省略する。
【0108】
(5-4)変形例1D
上記実施形態では、プッシャ20は、ステップS2で押さえ板22を移動させた後、押さえ板22をそれ以上移動させない。ただし、これに限定されるものではなく、プッシャ20は、移動機構18bが第1部材11を移動させている時に、押さえ板22が物品Gを押すように、押さえ板22を更に第1部材11の第1端12側に移動させてもよい。
【0109】
(5-5)変形例1E
上記実施形態では、物品移載装置100は、プッシャ20に代えて不動の押さえ板22を有していてもよい。言い換えれば、物品移載装置100は、押さえ板駆動機構24を有さなくてもよい。この場合、押さえ板22の主な機能は、物品Gの前方側への移動を規制することにある。なお、押さえ板22が不動である場合には、
図9のように、押さえ板22’は、戴置部10の第1部材11と一体に構成されてもよい。
【0110】
(5-6)変形例1F
上記実施形態では、第1部材11は平板状の部材であるが、これに限定されるものではなく、曲面状の部材であってもよい。
【0111】
(5-7)変形例1G
上記実施形態では、容器Cの高さ位置が容器移動機構40により上下方向に移動させられるが、これに限定されるものではない。容器Cは上下方向には移動せず、戴置部10が上下に移動してもよい。
【0112】
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態の物品移載装置200について説明する。物品移載装置200を含む物品移載システムは、物品移載装置200以外は第1実施形態と同様であるため、物品移載システムの全体概要の説明は省略する。以下に、物品移載装置200の詳細について説明する
(1)物品移載装置の詳細構成
物品移載装置200の詳細構成について、
図10及び
図11を参照しながら説明する。
図10は、物品移載装置200を左側から見た側面断面図である。
図11は、物品移載装置200の制御ブロック図である。
【0113】
なお、物品移載装置200は、第1実施形態の物品移載装置100と同様の点も多いため、ここでは物品移載装置200の物品移載装置100との相違点を主に説明する。
【0114】
物品移載装置200は、戴置部10と、駆動部150と、プッシャ20と、制御部160と、を備える。
【0115】
物品移載装置200は、ローラ30は有さず、戴置部10の第1部材11は、図示しない支持部材により支持される。戴置部10の第1部材11は、支持構造以外は第1実施形態と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0116】
駆動部150は、容器Cと戴置部10とを相対移動させる駆動部の一例である。駆動部150は、姿勢変更機構18aと、容器移動機構140と、を含む。姿勢変更機構18aは、第1実施形態と同様である。そのため、ここでは容器移動機構140についてのみ説明する。第1実施形態の容器移動機構40は、容器Cを上下方向にのみ移動させる。これに対し、容器移動機構140は、容器Cを上下方向に加え、少なくとも前後方向にも移動させる。容器移動機構140は、モータ等の駆動部により容器Cを支持する支持部材を後述するような態様で移動させる。
【0117】
プッシャ20は、第1実施形態のプッシャ20と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0118】
制御部160は、物理的な構造は、第1実施形態の制御部60と同様である。制御部160は、制御部60との相違点として、記憶装置に記憶されているプログラムをCPU等のプロセッサが実行することで、制御部160に電気的に接続されている、押さえ板駆動機構24と、姿勢変更機構18a及び容器移動機構140を含む駆動部150と、の動作を制御する。
【0119】
(2)物品移載装置の動作
物品移載装置200の動作について、
図10に加え、
図12A~
図12D及び
図13を参照して説明する。
図12A~
図12Dは、物品移載装置200の動作を説明するための図であり、物品移載装置200の動作を時系列に示した図である。
図12A~
図12Dは、
図10と同様に、物品移載装置200を左側から見た側面断面図である。
図13は、物品移載装置200の動作を説明するためのフローチャートである。
【0120】
ここでは、戴置部10の戴置面16上に所定数量の物品Gが戴せられており、第1部材11が前述の第1状態であり、容器移動機構40が容器Cを戴置部10の下方に移動させている状態を起点として、物品移載装置200の動作を説明する。
【0121】
まず、戴置部10から容器Cへと物品Gを移載する際に、制御部160は、駆動部150の動作を制御して、戴置部10の姿勢を変更する。言い換えれば、戴置部10から容器Cへと物品Gを移載する際、制御部160は、駆動部150の動作を制御して、戴置部10の戴置面16と、物品Gの移載対象の容器Cの底面Bとがなす角度を変化させる(ステップS11)。制御部160は、戴置面16と容器Cの底面Bとがなす角度を変化させることで、第1部材11の第1端12を、第1部材11の第2端14より低い位置であって、かつ、容器Cの側壁W1~W4の上端Tよりも低くに位置する収容空間Sに配置する(
図12A参照)。具体的には、制御部160は、姿勢変更機構18aの動作を制御して、第1部材11の状態を、戴置面16が水平である第1状態(
図10参照)から、戴置面16が水平面に対して角度αだけ傾いている第2状態(
図12A参照)へと変化させる。なお、姿勢変更機構18aが、第1部材11の状態を第2状態として、戴置面16と容器Cの底面Bとがなす角度を変化させた時、第1部材11の第1端12は、容器Cの側壁W2の下端近傍に配置される(
図4A参照)。第1部材11の状態が第2状態となることで、第1部材11の戴置面16は、後方側(第1端12側)に向かって下り斜面となる。
【0122】
次に、制御部60は、プッシャ20の動作を制御して、戴置部10の第1部材11の戴置面16に沿って、プッシャ20の押さえ板22を、第1部材11の第2端14の側から第1部材11の第1端12の側に移動させる(ステップS12)。言い換えれば、制御部60は、押さえ板22を容器Cの底面Bに近づける。このステップのプッシャ20の動作は、第1実施形態のステップS2と同様であるため、図示は省略する。
【0123】
次に、制御部160は、戴置部10上の物品Gが容器Cの上方にある時に、容器Cと物品Gとの間から戴置部10が抜かれるように駆動部150の動作を制御する。具体的には、制御部160は、容器Cと物品Gとの間から戴置部10が抜かれるように、第1部材11の第1端12が容器Cに対して前方に相対移動するように、容器Cを移動させる容器移動機構140の動作を制御する(ステップS13)。ここでは、第2状態の第1部材11は移動しないので、容器移動機構140は、容器Cを後方に(例えば、
図12Bのように、後方下向きの矢印Fの方向に)移動させる。好ましくは、容器移動機構140は、容器Cを移動させることで、第1部材11の第1端12を、収容空間S内を第1方向D1に、第1方向D1の下流側に配置されている容器Cの側壁W2の近傍まで相対移動させる。好ましくは、容器移動機構140は、第1端12と容器Cの底面Bとの距離が側壁W1~W4の高さの1/2以下となるように、第1部材11の第1端12を、第1方向D1に、第1方向D1の下流側に配置されている容器Cの側壁の近傍まで相対移動させる。言い換えれば、容器移動機構140は、第1部材11の第1端12を、容器Cに対して、第1実施形態と概ね同様に相対移動させることが好ましい。
【0124】
なお、第2実施形態では、物品Gの移載中、第1部材11の状態は第2状態のまま変化しないため、第1部材11を水平方向に移動させると、第1部材11が容器Cの側壁W2と接触する可能性がある。そのため、制御部160は、第1部材11が容器Cの側壁W2と接触しないよう、容器移動機構140の動作を制御することが好ましい。
【0125】
容器移動機構140が容器Cを後方に移動させていくことで、第1部材11の戴置面16上の物品Gは、戴置面16を第1端12側に滑るように移動して、後方から順に容器Cの底面Bに移載されていく(
図12C~
図12D参照)。制御部160は、容器移動機構140の動作を制御して、物品Gの移載済みの容器Cを、容器搬出装置X3に引き渡す。容器搬出装置X3は、物品移載装置100から引き渡された物品Gの移載済みの容器Cを搬出する。
【0126】
なお、上記の容器Cへの物品Gの移載が終了すると、制御部160は、駆動部150を駆動して第1部材11を
図9に描画した状態に戻し、容器供給装置X2が搬送してくる空の容器Cを戴置部10の下方に移動させる。
【0127】
(3)物品移載装置の特徴
(3-1)
本実施形態の物品移載装置200は、複数の物品Gが戴せられる戴置面16を含む戴置部10から、容器Cへ、複数の物品Gを移載する。物品移載装置200は、駆動部150と、制御部160と、を備える。駆動部150は、容器Cと戴置部10とを相対移動させる。制御部160は、駆動部150の動作を制御する。制御部160は、戴置部10上の物品Gが容器Cの上方にある時に、容器Cと物品Gとの間から戴置部10が抜かれるように駆動部150の動作を制御する。
【0128】
物品移載装置200では、戴置部10の物品Gを把持して移動させ、容器C上で物品Gの把持を解除する場合に比べ、物品移載に要する時間の短時間化を図ることができる。また、物品移載装置200では移載のために物品Gを把持しなくてよいので、物品Gの把持の際に生じ得る不具合の発生を無くすことができる。
【0129】
(3-2)
本実施形態の物品移載装置200では、制御部160は、戴置部10から容器Cへと物品Gを移載する際、駆動部150の動作を制御して、戴置部10の戴置面16と、容器Cの底面Bとがなす角度を変化させる。
【0130】
物品移載装置200では、戴置部10の戴置面16の容器Cの底面Bに対する角度を変化させることで、傾斜を利用して物品Gを容器Cに移載できる。また、傾斜を利用して物品Gを容器Cに移載することで、物品Gを鉛直落下させる場合に比べ物品Gに対する損傷を抑制できる。
【0131】
(3-3)
本実施形態の物品移載装置200では、戴置部10は、プレート状の第1部材11を含む。第1部材11は、第1端12と、第2端14と、第1端12と第2端14との間で広がる戴置面16と、を有する。制御部160は、戴置部10から容器Cへと物品Gを移載する際、駆動部150の動作を制御して、第1部材11の第1端12が、第1部材11の第2端14より低い位置であって、かつ、側壁W1~W4の上端Tよりも低くに位置する収容空間Sに配置されるように、第1部材11の戴置面16と容器Cの底面Bとがなす角度を変化させる。
【0132】
物品移載装置200では、少なくとも一時的に戴置部10の第1部材11の第1端12が容器Cの側壁W1~W4の上端Tより低くに位置する収容空間Sの内部に入り込む。そのため、物品移載装置200では、物品Gを比較的低い位置に配置されている第1部材11の第1端12側から容器Cの底面Bに移動させることができる。したがって、物品移載装置200では、物品Gの容器Cの底面への鉛直落下に伴う損傷が抑制されやすい。
【0133】
(3-4)
本実施形態の物品移載装置200では、制御部160が、容器Cと物品Gとの間から戴置部10が抜かれるように駆動部150の動作を制御する際、第1部材11の第1端12は、収容空間S内を第1方向D1に、第1方向D1の下流側に配置されている容器Cの側壁W1の近傍まで相対移動する。
【0134】
物品移載装置200では、第1部材11の第1端12が容器Cの側壁W1~W4の上端Tより低くに位置する収容空間Sの内部を移動するため、物品Gを、比較的低い位置に配置されている第1部材11の第1端12側から容器Cへと移動させることができる。したがって、物品移載装置200では、物品Gの容器Cの底面Bへの鉛直落下に伴う損傷が抑制されやすい。
【0135】
(3-5)
本実施形態の物品移載装置200では、制御部160が容器Cと物品Gとの間から戴置部10が抜かれるように駆動部150の動作を制御する際、第1部材11の第1端12は、第1方向D1の上流側に配置されている容器Cの側壁W2の近傍から、第1方向D1の下流側に配置されている容器Cの側壁W1の近傍まで相対移動する。
【0136】
物品移載装置200では、第1部材11の第1端12が、収容空間Sを、第1方向D1の上流側に配置される容器Cの側壁W1の近傍から、第1方向D1の下流側に配置される容器Cの側壁W2の近傍まで相対移動する。したがって、物品移載装置200では、容器Cに移載するほとんどの物品Gについて、容器Cの底面Bへの鉛直落下に伴う損傷を抑制することができる。
【0137】
(3-6)
本実施形態の物品移載装置200では、プッシャ20を備える。プッシャ20は、戴置部10の第1部材11の戴置面16に沿って、第1部材11の第2端14側から第1端12側へと移動する。具体的には、プッシャ20の押さえ板22は、戴置部10の第1部材11の戴置面16に沿って、第1部材11の第2端14側から第1端12側へと移動する。
【0138】
物品移載装置200では、第1部材11の戴置面16に沿って物品Gを容器Cへと下方にスムースに移動させることができる。
【0139】
(4)変形例
以下に、第2実施形態の変形例を示す。なお、各変形例の内容の一部又は全部は、互いに矛盾しない範囲で第2実施形態の内容や他の変形例の内容と組み合わされてもよい。また、各変形例の内容の一部又は全部は、互いに矛盾しない範囲で第1実施形態の内容や第1実施形態の変形例の内容と組み合わされてもよい。さらに、第1実施形態の内容及び第1実施形態の変形例の内容の一部又は全部は、互いに矛盾しない範囲で以下の変形例の内容と組み合わされてもよい。
【0140】
(4-1)変形例2A
上記実施形態では、姿勢変更機構18aは、第1部材11の第1端12を第2端14より下方に移動させるが、これに限定されるものではない。例えば、
図14に示す物品移載装置200Aのように、姿勢変更機構18aは、第1部材11の第2端14を第1端12より下方に移動させてもよい。この物品移載装置200Aでは、駆動部150の容器移動機構140は、容器Cを前方へと移動させればよい。
【0141】
なお、物品移載装置200Aでは、第1部材11は初めから(物品搬送装置X1が物品Gを供給する時点から)、
図14に示すように水平面に対して傾いていてもよい。第1部材11が初めから水平面に対して傾いている場合には、物品移載装置200Aは、姿勢変更機構18aを有していなくてもよい。
【0142】
(4-2)変形例2B
制御部160は、物品Gの移載のために容器移動機構140で容器Cを移動させる際に、第1部材11が容器Cの側壁W2に接触しないように第1部材の姿勢(傾き)を変更するよう姿勢変更機構18aの動作を更に制御してもよい。そして、制御部160は、第1部材11の第1端12が、容器Cの底面Bに沿って、収容空間S内を前方に、前方に配置されている容器Cの側壁W2の近傍まで相対移動するように、姿勢変更機構18a及び容器移動機構140の動作を制御してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0143】
本発明は、戴置部から容器へ複数の物品を移載する物品移載装置に広く適用でき有用である。
【符号の説明】
【0144】
10,10A,10B,10C 戴置部
11,11C1 第1部材
11C2 第2部材
12,12C1 第1端(第1部材の第1端)
14,14C1 第2端(第1部材の第2端)
12C2 第1端(第2部材の第3端)
14C2 第2端(第2部材の第4端)
16,16C1,16C2 戴置面
18 戴置部駆動部(駆動部)
20 プッシャ
60 制御部
100,100A,100B,100C 物品移載装置
150 駆動部
160 制御部
200,200A 物品移載装置
B 容器の底面
C 容器
D1 第1方向
D1’ 第1方向
D2’ 第2方向
G 物品
S 収容空間
T 容器の側壁の上端
W1 側壁(第1方向の下流側に配置される側壁)
W2 側壁(第1方向の上流側に配置される側壁)
W3 側壁(第1方向の下流側に配置される側壁)
W4 側壁(第2方向の下流側に配置される側壁)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0145】