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特許7513270部品監視装置、部品監視方法及び部品監視プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】部品監視装置、部品監視方法及び部品監視プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 11/14 20060101AFI20240702BHJP
   G06Q 10/20 20230101ALI20240702BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240702BHJP
   G16Y 10/25 20200101ALI20240702BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20240702BHJP
   G16Y 40/20 20200101ALI20240702BHJP
   G16Y 40/30 20200101ALI20240702BHJP
【FI】
G06F11/14 658
G06Q10/20
G06Q50/10
G16Y10/25
G16Y20/20
G16Y40/20
G16Y40/30
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021035649
(22)【出願日】2021-03-05
(65)【公開番号】P2022135689
(43)【公開日】2022-09-15
【審査請求日】2022-07-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100181135
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 隆史
(72)【発明者】
【氏名】竹田 梢
【審査官】坂東 博司
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-036158(JP,A)
【文献】特開2018-190424(JP,A)
【文献】特開平04-287274(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 11/14
G06Q 10/20
G06Q 50/10
G16Y 10/25
G16Y 20/20
G16Y 40/20
G16Y 40/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ複数の物理ドライブを有する監視対象としての複数の装置とネットワークを介して接続される保守サーバには、
前記装置から該装置に実装されている部品に関する部品情報を定期的に取得し、複数の前記装置に実装されている部品に関する部品情報を取り出す装置情報収集部と、
該装置情報収集部で取り出された、前記装置内の部品の故障に関する、部品情報について、データベースに予め記憶された装置の部品の故障率から、故障した部品がロット不良であるかを判断する装置情報分析部と、
該装置情報分析部にてロット不良と判断した場合に、当該部品が実装された全ての装置に関して予防交換要求を出力して、部品毎に定義して予防処置リストに記憶されている、前記装置内のデータの当該装置内の物理ドライブへのまたは他の装置の物理ドライブへの退避の予防処置を実行するロット不良処理実行部と、を有する保守監視制御部が具備され、
前記装置情報分析部では、ロット不良と判断した場合に、該ロット不良と判断された部品を有する装置内の一の物理ドライブに格納されているデータのみに影響する部品のロット不良であるか、前記ロット不良と判断された部品を有する装置内のすべての物理ドライブに影響する部品のロット不良であるかを判断し、判断結果に応じて、前記データの退避の予防処置として異なる処置を前記ロット不良処理実行部に実行させ、
一の物理ドライブに格納されているデータのみに影響する場合は、当該部品が使用されている一の物理ドライブ以外の他の物理ドライブへデータを移行させ、
監視対象となる前記装置全体に影響する場合は、該装置上の全データを他の装置の物理ドライブへ移行させる、
ことを特徴とする部品監視装置。
【請求項2】
前記ロット不良処理実行部では、データ退避の予防処置として、ロット不良の部品が使用された装置内の物理ドライブに記憶されたデータを、ロット不良の対象となっていない部品が使用された装置内の物理ドライブの空き領域に移行させるデータ移行処理を実施することを特徴とする請求項1に記載の部品監視装置。
【請求項3】
前記ロット不良処理実行部では、ロット不良の部品が使用された装置内の物理ドライブのデータを移行させるデータ移行処理を、同一装置内の複数の物理ドライブの間にて実施することを特徴とする請求項2に記載の部品監視装置。
【請求項4】
前記ロット不良処理実行部では、ロット不良の部品が使用された装置内の物理ドライブのデータを移行させるデータ移行処理を、異なる装置内の物理ドライブの間で実施することを特徴とする請求項2に記載の部品監視装置。
【請求項5】
前記ロット不良処理実行部では、ロット不良部品が入出力プラグである場合に、データ退避の予防処置として、ロット不良の対象となっていないSFPである入出力プラグの経路を経由することで、データ移行処理を実施することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の部品監視装置。
【請求項6】
前記ロット不良処理実行部では、ロット不良部品がバッテリである場合に、当該バッテリが使用されている装置における記憶データを、ロット不良の対象となっていない部品が使用された装置内の空き領域に移行させるデータ移行処理を実施することを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の部品監視装置。
【請求項7】
前記監視対象となる装置にてロット不良であるか否かを判定する部品として、HDD、SSDである記憶装置、SFPである入出力プラグ、リチウムイオンバッテリである電池の少なくともいずれかが使用されることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の部品監視装置。
【請求項8】
それぞれ複数の物理ドライブを有する監視対象としての複数の装置からネットワークを介して複数の前記装置に実装されている部品に関する部品情報を定期的に取得し、複数の前記装置に実装されている部品に関する部品情報を取り出す情報収集段階と、
該情報収集段階で取り出された、前記装置内の部品の故障に関する、部品情報について、データベースに予め記憶された装置の部品の故障率から、故障した部品がロット不良であるかを判断する分析段階と、
該分析段階にてロット不良と判断した場合に、当該部品が実装された全ての装置に関して予防交換要求を出力して、部品毎に定義して予防処置リストに記憶されている、前記装置内のデータの当該装置内の物理ドライブへのまたは他の装置の物理ドライブへの退避の予防処置を実行する予防処置実行段階と、を有し、
前記分析段階では、ロット不良と判断した場合に、該ロット不良と判断された部品を有する装置内の一の物理ドライブに格納されているデータのみに影響する部品のロット不良であるか前記ロット不良と判断された部品を有する装置内のすべての物理ドライブに影響する部品のロット不良であるかを判断し、判断結果に応じて、前記データの退避の予防処置として異なる処置を前記予防処置実行段階で実行させ、
一の物理ドライブに格納されているデータのみに影響する場合は、当該部品が使用されている物理ドライブ以外の他の物理ドライブへデータを移行させ、
監視対象となる前記装置全体に影響する場合は、該装置上の全データを他の装置の物理ドライブへ移行させる、
ことを特徴とする部品監視方法。
【請求項9】
それぞれ複数の物理ドライブを有する監視対象としての複数の装置からネットワークを介して複数の前記装置に実装されている部品に関する部品情報を定期的に取得し、複数の前記装置に実装されている部品に関する部品情報を取り出す情報収集段階と、
該情報収集段階で取り出された、前記装置内の部品の故障に関する、部品情報について、データベースに予め記憶された装置の部品の故障率から、故障した部品がロット不良であるかを判断する分析段階と、
該分析段階にてロット不良と判断した場合に、当該部品が実装された全ての装置に関して予防交換要求を出力して、部品毎に定義して予防処置リストに記憶されている、前記装置内のデータの当該装置内の物理ドライブへのまたは他の装置の物理ドライブへの退避の予防処置を実行する予防処置実行段階と,をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記分析段階では、ロット不良と判断した場合に、該ロット不良と判断された部品を有する装置内の一の物理ドライブに格納されているデータのみに影響する部品のロット不良であるか前記ロット不良と判断された部品を有する装置内のすべての物理ドライブに影響する部品のロット不良であるかを判断し、判断結果に応じて、前記データの退避の予防処置として異なる処置を前記予防処置実行段階で実行させ、
一の物理ドライブに格納されているデータのみに影響する場合は、当該部品が使用されている物理ドライブ以外の他の物理ドライブへデータを移行させ、
監視対象となる前記装置全体に影響する場合は、該装置上の全データを他の装置の物理ドライブへ移行させる、
ことを特徴とする部品監視プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視対象装置に実装されたHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、SFP(Small Form-factor Pluggable)等の入出力プラグ、リチウムイオンバッテリ等の電池など、様々な部品を監視する部品監視装置、部品監視方法及び部品監視プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
監視対象装置に実装された部品が故障した場合には、保守担当者が故障した部品情報を収集解析して当該部品がロット不良か否かを判断する。
その後、保守担当者は、部品がロット不良と判断した場合に、出荷済の部品一覧から当該部品を使用しているユーザを検索し、ユーザに通知した上で当該部品の交換を行っていた。これにより、部品交換に際しては、交換に至るまでに時間を要し、その間にさらに次の部品が故障する恐れもあった。
【0003】
そして、このような問題を解決するために特許文献1及び2が提供されている。
特許文献1に示される予防保守指示システムでは、修理結果累積処理部、所定量判定処理部、及び予防交換部品指示処理部からなる制御部を有する。
修理結果累積処理部では、保守対象装置の修理結果情報(修理したときの装置、部品、故障起因情報(障害種類、使用回数、部品/製造ロット、発生年月日など))に基づき、データベースに対して累積処理を行う。
また、所定量判定処理部では、データベースに記憶された部品の故障起因情報が所定量以上であるかを判定する。
さらに、予防交換部品指示処理部では、データベースに記憶された故障起因情報の情報量に基づき、当該故障起因情報に対応する装置の部品がある場合に、装置の予防交換部品を含む予防保守指示情報を生成して通知する。
【0004】
特許文献2に示されるプラントの機器維持管理システムでは、ロット不良診断部にて、故障発生の機器の製造番号、故障の現象、原因データを受信し、その製造番号と製品データベースにある機器毎のロット番号採番ルールから製造期間や製造ライン等を判別して、不良ロットに関するデータをそのロット番号とともに分析用データベースへ蓄積する。
その後、機器維持管理システムでは、不良ロットと判定された場合に、製品データベースから不良ロットで製造された機器の製造番号を検索し、不良ロットで製造された機器を使用する機場に対して異常情報を通知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2019-36158号公報
【文献】特開2012-242982号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1及び2には、過去のデータ蓄積に基づき、故障部品の製造ロットを検索するとともに、その検索結果に基づき他の部品にも故障が生じる恐れがあるとの注意喚起を実施することができる。
しかしながら、多量のデータを取り扱う近年のデータ処理装置では、このような部品交換の報知だけでは対策が十分であるとは言えず、新たな技術の提供が期待されていた。
【0007】
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、部品が故障する前にデータを安全な空き領域に移すことができ、データの消失を未然に防ぐことが可能な部品監視装置、部品監視方法及び部品監視プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の第1態様に示す部品監視装置は、監視対象装置とネットワークを介して接続される保守サーバに、監視対象装置から定期的に装置情報を取得し、監視対象装置に実装されている部品に関する部品情報を取り出す装置情報収集部と、該装置情報収集部で取り出された部品情報について、データベースに記憶された監視対象装置の部品情報に基づく故障率を検出し、故障した部品がロット不良であるかを判断する装置情報分析部と、該装置情報分析部にてロット不良と判断した場合に、当該部品が実装された監視対象装置に関して予防交換要求を出力して、部品毎に定義しているデータ退避の予防処置を実行するロット不良処理実行部と、を有する保守監視制御部が具備されることを特徴とする。
【0009】
本発明の第2態様に示す部品監視方法では、監視対象装置からネットワークを介して定期的に装置情報を取得し、監視対象装置に実装されている部品に関する部品情報を取り出す情報収集段階と、該情報収集段階で取り出された部品情報について、データベースに記憶された監視対象装置の部品情報に基づく故障率を検出し、故障した部品がロット不良であるかを判断する分析段階と、該分析段階にてロット不良と判断した場合に、当該部品が実装された監視対象装置に関して予防交換要求を出力して、部品毎に定義しているデータ退避の予防処置を実行する予防処置実行段階と、を有することを特徴とする。
【0010】
本発明の第3態様に示す部品監視プログラムでは、監視対象装置からネットワークを介して定期的に装置情報を取得し、監視対象装置に実装されている部品に関する部品情報を取り出す情報収集段階と、該情報収集段階で取り出された部品情報について、データベースに記憶された監視対象装置の部品情報に基づく故障率を検出し、故障した部品がロット不良であるかを判断する分析段階と、該分析段階にてロット不良と判断した場合に、当該部品が実装された監視対象装置に関して予防交換要求を出力して、部品毎に定義しているデータ退避の予防処置を実行する予防処置実行段階と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、部品毎に定義しているデータ退避の予防処置を実行することで、部品が故障する前にデータを安全な空き領域に移すことができ、データの消失を未然に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係る部品監視装置の最小構成を示す概略図である。
図2】本発明の実施形態に係る部品監視装置を示す概略図である。
図3図2の部品監視装置を示す機能ブロック図である。
図4】(A)HDDのLOT#1にロット不良が生じた場合の説明図、(B)図(A)に予防処置を実行した後の説明図である。
図5】LOT#1のHDD♯A及びHDD♯Bにロット不良が生じた場合の説明図である。
図6図5に予防処置を実行した後の説明図である。
図7】LOT#1のSFPにロット不良が生じた場合の説明図である。
図8図7に予防処置を実行した後の説明図である。
図9】LOT#1のバッテリ♯Aにロット不良が生じた場合の説明図である。
図10図9に予防処置を実行した後の説明図である。
図11】予防処置リストである。
図12】データベースを示すリストである。
図13】装置情報収集部の動作内容を示すフローチャートである。
図14】装置情報分析部の動作内容を示すフローチャートである。
図15】予防交換通知部の動作内容を示すフローチャートである。
図16】予防処置部の動作内容を示すフローチャートである。
図17】ロット不良と判断した部品が物理ドライブである場合における予防処置部の動作内容を示すフローチャートである。
図18図17におけるステップS155のフローチャートである。
図19】ロット不良と判断した部品がバッテリである場合における予防処置部の動作内容を示すフローチャートである。
図20】ロット不良と判断した部品がSFPである場合における予防処置部の動作内容を示すフローチャートである。
図21】実施形態の第1変形例を示す概略構成図である。
図22】実施形態の第2変形例を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係る部品監視装置50の最小構成について図1を参照して説明する。
この部品監視装置50は、監視対象装置MとネットワークNを介して接続される保守サーバ10に、装置情報収集部1、装置情報分析部2及びロット不良処理実行部3からなる保守監視制御部4を具備する構成である。
【0014】
装置情報収集部1では、監視対象装置Mから定期的に装置情報d1を取得し、監視対象装置Mに実装されている部品に関する部品情報d2を取り出す。
装置情報分析部2では、該装置情報収集部1で取り出された部品情報d2について、データベースに記憶された監視対象装置Mの部品情報d2に基づく故障率を検出し、故障した部品がロット不良であるかを判断する。
【0015】
ロット不良処理実行部3では、装置情報分析部2にてロット不良と判断した場合に、当該部品が実装された監視対象装置Mに関して予防交換要求d3を出力して、部品毎に定義しているデータ退避の予防処置d4を実行する。
【0016】
そして、以上のような部品監視装置50の保守監視制御部4では、装置情報収集部1にて、監視対象装置Mから定期的に装置情報d1を取得し、監視対象装置Mに実装されている部品に関する部品情報d2を取り出す。
その後、装置情報分析部2にて、装置情報収集部1で取り出された部品情報d2に基づき、データベースに記憶された故障率を検出し、故障した部品がロット不良であるかを判断する。
【0017】
その後、ロット不良処理実行部3にて、ロット不良と判断した部品が実装された監視対象装置Mに関して予防交換要求d3を出力して、部品毎に定義しているデータ退避の予防処置d4を実行する。
これにより本発明の保守監視制御部4では、部品毎に定義しているデータ退避の予防処置d4を実行することで、部品が故障する前にデータを安全な空き領域に移すことができ、データの消失を未然に防ぐことができる。
【0018】
(実施形態)
本発明の実施形態に係る部品監視装置Aについて図2図22を参照して説明する。
この部品監視装置Aは、図2及び図3に示すように、監視対象装置MとネットワークNを介して接続される保守サーバSE内に、装置情報収集部110、装置情報分析部120、予防交換通知部130及び予防処置部140からなる保守監視制御部100を具備する構成である。
なお、これら構成要素において、予防交換通知部130及び予防処置部140によりロット不良処理実行部150が構成される。
【0019】
また、保守監視制御部100には、データベース200及び予防処置リスト300がアクセス可能に設置されている。これらデータベース200及び予防処置リスト300は保守監視制御部100内に設置しても良いし、保守監視制御部100外に設置しても良い。
また、保守監視制御部100には、ネットワークNを介してHDD、SSD、SFP、バッテリなどの様々な部品からなる監視対象装置Mが接続される。
なお、本例では、監視対象装置Mとなる装置20(装置♯A,装置♯B,装置♯C・・)が設けられるとともに、各装置20(装置♯A,装置♯B,装置♯C・・)内にHDD、SSD、SFP、バッテリ等の部品21がそれぞれ設けられている。
【0020】
装置情報収集部110は、定期的に監視対象装置Mの装置情報D1を取得し、装置情報分析部120に渡す。
装置情報分析部120は、装置情報収集部110から受け取った装置情報D1から装置20(装置♯A,装置♯B,装置♯C・・)に実装されている部品21の部品情報D2を取り出し、データベース200内の情報を介して分析する。
さらに、装置情報分析部120は、予防交換が必要な不良な部品がある場合に、予防交換通知部130と予防処置部140へ通知する。
【0021】
予防交換通知部130は、予防交換が必要な部品を実装しかつ監視している装置20(装置♯A,装置♯B,装置♯C・・)・・に対して予防交換要求D3を出力する。
予防処置部140は、予防交換要求D3に基づき、予防処置D4として実施する内容を、予防処置リスト300に記載されている内容に基づき実行する。
【0022】
なお、予防処置リスト300には、図11に示すように、部品名(符号22で示す)、予防処置種別(符号23で示す)の予防処置D4を定義する。予防処置種別は、予防処置D4の内容を分類するための任意の値である。予防処置D4は、部品毎に影響を考慮して定義する。
また、装置情報分析部120では、HDDやSSDなど物理ドライブに格納されているデータにのみ影響する部品をロット不良と判断した場合は、物理ドライブ上のデータを別の物理ドライブへ移行する指示を出す。
また、装置情報分析部120では、バッテリなど装置20(装置♯A,装置♯B,装置♯C・・)・・全体に影響する部品をロット不良と判断した場合は、装置20上の全データを別の装置20へ移行して、アクセス経路を切り替える指示を出す。
また、装置情報分析部120では、SFPなど経路に影響を与える可能性がある部品をロット不良と判断した場合は、使用する経路を切り替える指示を出す。
【0023】
図4(A)では、装置♯A内にHDD#AとHDD#Bとが共に実装された例が示されている。
そして、装置情報分析部120にて、HDDのLOT#1をロット不良と判断した場合に、予防交換通知部130に対してHDD#Aの予防交換要求D3を出力して、HDD#Aに格納されていたデータ#Aを、HDD#Aとロット番号が異なる同じ装置♯A内のHDD#Bに移行する、という判断をする(図4(B)参照)。
その後、予防処置部140では、予防交換要求D3に基づき、予防処置リスト300に記載の予防処置D4(図11参照)を部品21毎に実行する。
【0024】
また、図5には、装置♯A内にLOT#1からなるHDD#A及びHDD#Bが実装され、装置♯B内にLOT#2からなるHDD#C及びHDD#Dが実装された例が示されている。
まず、装置情報分析部120にて、HDDのLOT#1をロット不良と判断した場合、予防交換通知部130に対して、装置♯A内のHDD#A及びHDD#Bの予防交換要求D3を出力する。
ここで、HDD#AとHDD#Bが実装されている装置#Aには、ロット番号が異なる物理ドライブが実装されておらず、装置#Bには実装されている。
【0025】
これにより、予防処置部140では、予防交換要求D3に基づき、予防処置D4として実施する内容を、予防処置リスト300に記載されている内容に基づき実行する。
例えば、予防処置部140にて、装置#Bに実装されているLOT#2のHDD#C及びHDD#Dに、装置♯A内のHDD#A及びHDD#Bに記憶されているデータ#A及びデータ#Bを移行させる。
データ移行完了後、予防処置部140では、データ#A及びデータ#Bに対する保守サーバSEからのアクセス経路#Aを、装置#Bに通じるアクセス経路#Bに切り替えて予防措置を終了する(図6参照)。
【0026】
図7では、装置♯Aの記憶領域にデータ#Aとデータ#Bとが保持され、かつLOT#1のSFP#A及びLOT#2のSFP#Bをそれぞれ介して、当該装置♯Aが保守サーバSEに接続された例が示されている。
そして、装置情報分析部120にて、LOT#1のSFP#Aをロット不良と判断した場合は、予防交換通知部130に対して当該SFP#Aの予防交換要求D3を出力する。
その後、予防処置部140では、予防交換要求D3に基づき、SFP#Aの使用を中止して、データ#Aに対する保守サーバSEからのアクセス経路を、SFP#Bを使用した経路に切り替える(図8参照)。
【0027】
図9では、装置♯Aの記憶領域にデータ#Aとデータ#Bとが保持され、かつ装置♯AにLOT#1のバッテリ♯Aが使用され、装置♯BにLOT#2のバッテリ♯Bが使用された例が示されている。
そして、装置情報分析部120にて、LOT#1のバッテリ#Aをロット不良と判断した場合は、予防交換通知部130に対してSFP#Aの予防交換要求D3を出力する。
その後、予防処置部140では、予防交換要求D3に基づき、バッテリ#Aが実装されている装置#Aに格納されているデータ#Aとデータ#Bとを、LOT#2のバッテリが実装されている装置#Bへ移行する。
これと同時に予防処置部140では、移行完了後、データ#Aとデータ#Bに対する保守サーバSEからのアクセス経路#Aを経路#Bに切り替える(図10参照)。
【0028】
次に、装置情報分析部120にデータを供給するデータベース200について、図12を参照して説明する。
図12(A)に示すデータベース200には、部品名30毎に、メーカー31、ロット番号32、シリアル番号33、使用数34(出荷した部品数)、故障部品数35及び故障率36がそれぞれ格納されている。
また、図12(B)に示すデータベース200には、ロット不良と判断するための閾値37も格納されている。
この閾値37は、HDD、SSD、SFP、バッテリなどの部品21が故障したとき、同じ時期に製造された部品21が同じく故障する可能性があることで、規定される設定値である。
また、図12(C)に示すデータベース200には、同じ部品を重複してカウントしないように、装置を判別できる情報38(シリアル番号、メーカーなど)と、部品を判別できる情報39(シリアル番号、メーカーなど)を紐づけた部品一覧も格納されている。
【0029】
次に、図13のフローチャートを参照して、保守監視制御部100内の装置情報収集部110の動作についてステップS毎に説明する。
〔ステップS111〕
装置情報収集部110は、定期的に接続されている装置にアクセスして、監視対象装置Mの装置情報D1を収集する。
【0030】
〔ステップS112〕
その後、装置情報収集部110では、ステップS111で収集した装置情報D1のログを装置情報分析部120へ引き渡した後、本フローチャートを終了する。
【0031】
次に、図14を参照して、保守監視制御部100内の装置情報分析部120の動作内容を示すフローチャートについてステップS毎に説明する。
〔ステップS121〕
装置情報収集部110から受け取った監視対象装置Mの装置情報D1に基づき、データベース200から部品21の部品情報D2を取り出す。
【0032】
〔ステップS122〕~〔ステップS123〕
ステップS121で得た部品情報D2を分析して(ステップS122)、データベース200を更新する(ステップS123)。
【0033】
〔ステップS124〕
装置にロット不良の部品が実装されているか否かを判断し、YESの場合にステップS125,126に進み、NOの場合に本フローチャートを終了する。
【0034】
〔ステップS125〕~〔ステップS126〕
装置にロット不良の部品が実装されている旨を予防交換通知部130へ通知するとともに(ステップS125)、予防処置部140へも通知した後(ステップS126)、本フローチャートを終了する。
【0035】
次に、図15を参照して、保守監視制御部100内の予防交換通知部130の動作内容を示すフローチャートについて説明する。
〔ステップS131〕
予防交換通知部130は、保守監視制御部100が組み込まれ、かつ予防交換が必要な装置又は予防交換が必要な装置を監視している保守サーバSEへ、装置の予防交換が必要である旨の予防交換要求D3を通知した後、本フローチャートを終了する。
【0036】
次に、図16のフローチャートを参照して、保守監視制御部100内の予防処置部140の動作についてステップS毎に説明する。なお、この予防処置部140の動作は予防処置D4に基づき実行される。
〔ステップS141〕
ロット不良と判断した部品が、装置内で代用可能な部品かを判断し、YESの場合にステップS143に進み、NOの場合にステップS142に進む。
例えば、ステップS141では、ロット不良と判断した部品がバッテリなどの装置全体に影響を与える部品であれば、連携している他の装置を使用する必要があるためNOになり、ステップS142へ進む。それ以外はYESになりステップS143へ進む。
【0037】
〔ステップS142〕
連携している他の装置があるか否かを判断し、YESの場合にステップS143に進み、NOの場合にステップS148に進む。
【0038】
〔ステップS143〕
他に代用可能な装置を検索した後、次のステップS144に進む。
【0039】
〔ステップS144〕
ロット不良と判断した部品とロット番号が異なる部品があるか否かを判断し、YESの場合にステップS145に進み、NOの場合にステップS142に進む。
【0040】
〔ステップS145〕
ステップS144で選択した部品が使用可能かを判断し、YESの場合にステップS146に進み、NOの場合にステップS144に戻る。
例えば、このステップS145では、物理ドライブであれば空き領域があるかを確認し、使用可能であればステップS146に進み、使用不可能であればステップS144へ戻り、次の部品を検索する。
【0041】
〔ステップS146〕
ステップS145で選択した部品が使用可能である場合に、本ステップS146で、移行が必要なものについて、全ての移行先が決定したか否か確認し、YESの場合にステップS147に進み、NOの場合にステップS144に戻る。
例えばロット不良と判断した部品がバッテリの場合には、装置上の全てのデータの移行先を決定する必要があり、全てのデータの移行先を決定した後、次のステップS147に進み、また、移行が必要なものについて、全ての移行先が決定していなければ、ステップS144へ戻る。
【0042】
〔ステップS147〕
ロット不良となっている部品を使用している記憶データについて、ロット不良のない他の部品を使用している装置の空き領域へデータ移行させた後、本フローチャートを終了する。
【0043】
〔ステップS148〕
ステップS142にて連携している他の装置があると判断した場合(NOの場合)には、さらに本ステップS148にて、移行先が決定しているものがあるか否かを判断し、YESの場合にステップS147に進み、NOの場合に本フローチャートを終了する。
【0044】
次に、図17のフローチャートを参照して、ロット不良と判断した部品が物理ドライブである場合に、保守監視制御部100内の予防処置部140で実行する動作についてステップS毎に説明する。なお、物理ドライブとしては、HDD、SDDなどの記憶装置が上げられる。また、この予防処置部140の動作は予防処置D4に基づき実行される。
〔ステップS148〕
はじめにステップS151で、ロット不良と判断した物理ドライブが実装されている装置内に、ロット番号が異なる物理ドライブが実装されているか否かを確認し、YESの場合にステップS152に進み、NOの場合にステップS155に進む。
【0045】
〔ステップS152〕
ステップS152でロット番号が異なる物理ドライブが実装されていると判断した場合に、さらに本ステップS152にてその物理ドライブに空き領域があるか否かを確認し、YESの場合にステップS153に進み、NOの場合にステップS151に戻る。
【0046】
〔ステップS153〕
ステップS152にて空き領域が存在すると判断した場合は、この領域を移行先として、本ステップS153にて、ロット不良と判断した物理ドライブ上の全てのデータの移行先が決定したかを確認する。そして、本ステップS153にてYESの場合にステップS154に進み、NOの場合にステップS151に戻る。
すなわち、ステップS152で選択した物理ドライブに空き領域がない場合、及びステップS153でロット不良と判断した物理ドライブ上の全てのデータの移行先が決定していない場合には、ステップS151に戻り、他にロット番号が異なる物理ドライブがあるかを確認する。
【0047】
〔ステップS154〕
確保した空き容量にデータを移行する。
【0048】
〔ステップS155〕
ステップS151でロットが異なる物理ドライブが実装されていないと判断したNOの場合は、本ステップS155で連携している他の装置へデータを移行できるか確認した後、本フローチャートを終了する。
なお、ステップS155の詳細は図18のフローチャートに示す。
【0049】
次に、図18のフローチャートを参照して、図17におけるステップS155のフローチャートについて説明する。
〔ステップS161〕
連携している他の装置を検索し、他の装置が見つかったYESの場合にステップS162に進み、見つからなかったNOの場合にステップS167に進む。
【0050】
〔ステップS162〕
ロット不良と判断した物理ドライブとロット番号が異なる物理ドライブを検索し、ロット番号が異なる物理ドライブがあるYESの場合にステップS163に進み、ロット番号が異なる物理ドライブがないNOの場合にステップS161に戻る。
すなわち、ステップS162にて、ロット不良と判断した物理ドライブとロット番号が異なる物理ドライブが見つからなかった場合は、ステップS161へ戻り、再度、連携している他の装置を検索する。
【0051】
〔ステップS163〕
ロット不良と判断した物理ドライブとロット番号が異なる物理ドライブが見つかった場合(ステップS162でYESの場合)は、その物理ドライブに、ロット不良と判断した物理ドライブ上のデータを移行可能な空き領域があるかを確認する。
そして、本ステップS163にてYESの場合にステップS164に進み、NOの場合にステップS162に戻る。
すなわち、ステップS163で空き領域が存在しない場合、及びステップS164で移行が必要な全てのデータの移行先が決定していない場合は、ステップS162へ戻り、ロット不良と判断した物理ドライブとロット番号が異なる物理ドライブを再検索する。
【0052】
〔ステップS164〕
ステップS163で空き領域が存在すると判断したYESの場合には、この領域を移行先とした上で、本ステップS164にて、移行が必要な全てのデータの移行先が決定したかを確認する。そして、本ステップS164にてYESの場合にステップS165に進み、NOの場合にステップS162に戻る。
【0053】
〔ステップS165〕
確保した空き容量にデータを移行する。
〔ステップS166〕
今後のデータ記憶領域を切り替えるためにデータへのアクセス経路を切り替えた後、本フローチャートを終了する。
【0054】
〔ステップS167〕
ステップS161で連携している他の装置が見つからない場合(ステップS161でNOの場合)は、本ステップS167で移行先が決定しているデータがあるか否かを確認し、YESの場合はステップS165にてデータを移行した後、ステップS166にてアクセス経路の切り替えが必要なデータについて、経路を切り替える。
また、本ステップS167で移行先が決定しているデータがないNOの場合は、本フローチャートによる処理を終了する。
【0055】
次に、図19のフローチャートを参照して、ロット不良と判断した部品がバッテリである場合について、保守監視制御部100内の予防処置部140の動作についてステップS毎に説明する。
なお、バッテリは装置全体に影響する部品のため、装置上の全てのデータを連携している他の装置へ移行する処理を行う。また、この予防処置部140の動作は予防処置D4に基づき実行される。
【0056】
〔ステップS171〕
まず、ロット不良と判断した部品がバッテリである場合には、本ステップS171にて、連携している他の装置があるか否かを検索し、YESの場合にステップS172に進み、NOの場合にステップS177に進む。
すなわち、ステップS171にて、連携している他の装置が見つからないNOの場合に、ステップS177で移行先が決定しているデータがあるかを確認する。
【0057】
〔ステップS172〕
ステップS171にて装置が見つかったYESの場合には、本ステップS172にて、選択した装置に実装されているバッテリのロット番号が、ロット不良と判断したバッテリのロット番号と異なるか否かを確認する。そして、本ステップS172にてYESの場合にステップS173に進み、NOの場合にステップS171に戻る。
【0058】
〔ステップS173〕
ステップS172で選択した装置に、空き領域があるか否かを確認し、YESの場合にステップS174に進み、NOの場合にステップS171に戻る。
【0059】
〔ステップS174〕
ステップS173にて空き領域が存在すると判断したYESの場合には、この領域を移行先として、本ステップS174にて、移行が必要な全てのデータの移行先が決定したか否かを確認する。
すなわち、ステップS172で、選択した装置に実装されているバッテリのロット番号が、ロット不良と判断したバッテリのロット番号と同一の場合(ステップS172でNOの場合)、ステップS173で装置に空き領域が存在しない場合(ステップS173でNOの場合)、及びステップS174で移行が必要な全てのデータの移行先が決定していない場合(ステップS174でNOの場合)には、ステップS171へ戻り、連携している他の装置を検索する。
そして、本ステップS174にて移行先が決定したYESの場合にはステップS175に進み、NOの場合にステップS171に戻る。
【0060】
〔ステップS175〕
確保した空き容量にデータを移行する。
〔ステップS176〕
今後のデータ記憶領域を切り替えるためにデータへのアクセス経路を切り替えた後、本フローチャートを終了する。
【0061】
〔ステップS177〕
ステップS177にて、移行先が決定しているデータがあるか否かを判断し、YESの場合にステップS175でデータを移行し、また、移行先が決定しているデータがないNOの場合に本フローチャートによる処理を終了する。
【0062】
次に、図20のフローチャートを参照して、ロット不良と判断した部品がSFPである場合における、保守監視制御部100内の予防処置部140の動作についてステップS毎に説明する。なお、この予防処置部140の動作は予防処置D4に基づき実行される。
〔ステップS181〕
ロット不良と判断したSFPが実装されている装置内に、ロット番号が異なるSFPが実装されているか否かを確認し、YESの場合にステップS182に進み、NOの場合に本フローチャートによる処理を終了する。
【0063】
〔ステップS182〕
ロット不良と判断したSFPが実装されている装置内に、ロット番号が異なるSFPが実装されている場合(ステップS181でYESの場合)に、アクセス経路を切り替えた後、本フローチャートによる処理を終了する。
【0064】
そして、以上説明した本実施形態に示す部品監視装置Aの保守監視制御部100では、装置情報収集部110にて、監視対象装置Mから定期的に監視対象装置Mの装置情報D1を取得し、監視対象装置Mに実装されている部品21に関する部品情報D2を取り出す。
その後、装置情報分析部120にて、装置情報収集部110で取り出された部品情報D2について、データベース200に記憶された故障率を検出し、故障した部品がロット不良であるかを判断する。
【0065】
その後、予防処置部140にて、ロット不良と判断した部品が実装された監視対象装置Mに関して予防交換要求D3を出力して、部品毎に定義しているデータ退避の予防処置D4(図11参照)を実行する。
これにより本実施形態の保守監視制御部100では、部品毎に定義しているデータ退避の予防処置D4を実行することで、部品が故障する前にデータを安全な空き領域に移すことができ、データの消失を未然に防ぐことができる。
【0066】
さらに、本実施形態の保守監視制御部100では、同一装置で予防処置D4ができない場合に、予防処置D4で使用する装置の範囲を連携している他装置まで広げて自動的に予防処置D4をすることにより、未然に障害を防ぎかつシステムの稼働率向上を図ることができる。
【0067】
(他の実施形態)
なお、上記実施形態では、保守サーバSE内に、装置情報収集部110、装置情報分析部120、予防交換通知部130及び予防処置部140からなる保守監視制御部100を実装する例を示した。
しかし、この保守サーバSEは、図21に示すようにネットワークNを介して遠隔地に設け、監視対象装置Mとなる装置20(装置♯A,装置♯B,装置♯C・・)を制御する管理サーバ160を経由して監視するようにしても良い。
また、図22に示す保守サーバSEには、別途、監視対象装置Mとなる装置20(装置♯C,装置♯D・・)を設置しても良い。
【0068】
また、図12に示すデータベース200では、ロット番号が存在しない部品について、シリアル番号を一定量単位で区切り、一定量毎に同一ロットと判断できるようにしても良い。
また、保守サーバSE内の保守監視制御部100では、装置情報収集、装置情報分析、予防交換通知、予防処置をそれぞれ多重で実行可能であり、処理を多重で実行するに際しては、必要に応じて排他処理を行う。
【0069】
図18のフローチャートで示した物理ドライブでは、1台で使用されているものもあるし、RAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks)を構成して使用されているものある。
RAIDを構成している場合には、構成している物理ドライブのうち1台でもロット不良に該当すれば、RAID上の全てのデータを移行する。
このときの移行先は、移行元と最も近い構成のRAIDを選択するが、RAID構成と1台の物理ドライブで構成されている環境で互いに移行可能である。
また、移行先にRAID構成を選択する場合には、ロット不良の物理ドライブが1台も含まれていないRAID構成を選択する。
また、物理ドライブ又はRAID上のデータの移行先は、物理ドライブ単位又はRAID単位で同一である必要はなく、例えば論理ディスク単位で移行することができる。
【0070】
移行先は、予防処置D4としてデータを移行する場合に、ロット番号だけでなく、ロット不良と判断した部品が物理ドライブであれば物理ドライブの種別、RAID構成、容量を考慮し、移行元とできるだけ近い環境を検索する。また、移行先は、性能影響を考慮し、複数の移行元が同一移行先を選択しないようにする。
【0071】
また、予防処置D4として経路の切り替えを行う場合には、ロット番号だけでなく、転送レートを考慮する。この場合には、移行元と同一又は高速な転送レートの経路を検索し、見つからなければ低速の経路を選択するか、又は性能影響を考慮し、複数の移行元が同一移行先を選択しないようにする。
【0072】
また、図16図19のフローチャートでは、全ての移行先を決定した後にデータの移行処理をしているが、1つの決定先を決定する毎に移行しても良い。例えば、データ#A、データ#B,データ#Cの3つを移行する場合には、3つ全ての移行先を決定した後、3つのデータを移行しても良いし、データ#Aの移行先を決定してデータ#Aを移行した後、データ#Bの移行先を決定してデータ#Bを移行し、その後、データ#Cの移行先を決定してデータ#Cを移行しても良い。
【0073】
ロット不良を判断する際に用いる閾値(図12(B)参照)は、保守員や技術者が手動で設定しても良いし、過去に発生した故障情報や今後発生する故障情報を使って学習させても良い。
また、保守監視制御部100とネットワークNを介してアクセスできない装置については、人手により監視対象装置Mの装置情報D1を採取して投入することで、監視対象装置Mの装置情報D1の分析や予防交換の要否判断を自動で実施することができる。
すなわち、本実施形態のフローチャートでは、全てのステップを自動で実施する必要はなく、一部のステップを人手により実施することも可能である。
【0074】
また、上記実施形態では、ロット不良と判断した部品を予防交換した後、移行したデータや経路を元に戻すか戻さないかは、装置毎に設定を保持していて、自動で実施できる。また、データを移行中に予防交換が完了した場合は、データ移行を中断する。
予防交換完了後、移行したデータを元に戻す設定の場合は、移行完了してから部品交換までに更新されたデータをビットマップなどで記録しておくことで、元に戻す際の時間を短縮することができる。
【0075】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明は、監視対象装置に実装されたHDDやSSD、SFP、バッテリなどの様々な部品を監視する部品監視装置、部品監視方法及び部品監視プログラムに関する。
【符号の説明】
【0077】
1 装置情報収集部
2 装置情報分析部
3 ロット不良処理実行部
4 保守監視制御部
10 保守サーバ
20 装置
21 部品
50 部品監視装置
100 保守監視制御部
110 装置情報収集部
120 装置情報分析部
130 予防交換通知部
140 予防処置部
150 ロット不良処理実行部
160 管理サーバ
200 データベース
300 予防処置リスト
A 部品監視装置
d1 装置情報
d2 部品情報
d3 予防交換要求
d4 予防処置
D1 装置情報
D2 部品情報
D3 予防交換要求
D4 予防処置
SE 保守サーバ
M 監視対象装置
N ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22