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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】積層面材の製造方法および装置
(51)【国際特許分類】
   B05D 1/26 20060101AFI20240702BHJP
   B05D 1/36 20060101ALI20240702BHJP
   B05D 3/12 20060101ALI20240702BHJP
   B05D 3/00 20060101ALI20240702BHJP
   B05D 7/24 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
B05D1/26 Z
B05D1/36 Z
B05D3/12 C
B05D3/00 D
B05D3/00 F
B05D7/24 301P
【請求項の数】 27
(21)【出願番号】P 2021517162
(86)(22)【出願日】2020-04-24
(86)【国際出願番号】 JP2020017748
(87)【国際公開番号】W WO2020222303
(87)【国際公開日】2020-11-05
【審査請求日】2023-04-19
(31)【優先権主張番号】P 2019086925
(32)【優先日】2019-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】390026387
【氏名又は名称】武蔵エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123984
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 晃伸
(74)【代理人】
【識別番号】100102314
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 阿佐子
(72)【発明者】
【氏名】生島 和正
【審査官】大塚 美咲
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-52312(JP,A)
【文献】特開2003-161925(JP,A)
【文献】特開2004-21260(JP,A)
【文献】特開2003-33708(JP,A)
【文献】特開2017-181932(JP,A)
【文献】特開2013-15760(JP,A)
【文献】特開2012-120985(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05D 1/26
B05D 1/36
B05D 3/12
B05D 3/00
B05D 7/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一のワークに第一のノズルから第一の液材を供給して枠状に土手部を形成する土手部形成工程、
第二のノズルから第二の液材を面塗布して充填部を形成する充填部形成工程、および、
土手部および土手部内に充填部が形成された第一のワークと第二のワークを貼り合わせる貼合工程、
を繰り返し実施することにより、積層面材を連続的に製造する積層面材の製造方法において、
形成した充填部または土手部の高さを高さ測定装置により測定する高さ測定工程、および、
前記高さ測定工程で測定した充填部または土手部の高さに基づき、次の前記土手部形成工程または前記充填部形成工程における充填部と土手部との相対的な高さを調整する高さ調整工程、
を備えることを特徴とする積層面材の製造方法。
【請求項2】
前記高さ測定工程において土手部の高さを測定した場合は、前記高さ調整工程で前記充填部の高さを少なくとも調整し、
前記高さ測定工程において充填部の高さを測定した場合は、前記高さ調整工程で前記土手部の高さを少なくとも調整することを特徴とする請求項1に記載の積層面材の製造方法。
【請求項4】
前記土手部形成工程において、線塗布をすること、
前記高さ調整工程において、前記土手部形成工程で形成する土手部の高さを調整することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の積層面材の製造方法。
【請求項25】
請求項1ないし24のいずれかに記載の積層面材の製造方法を実行するための装置であって、
前記土手部形成工程を実行するための第一の吐出装置を備える線塗布装置と、
前記充填部形成工程を実行するための第二の吐出装置を備える面塗布装置と、
前記貼合工程を実行するための貼合装置と、
前記高さ調整工程を実行するための高さ測定装置と、
を備えることを特徴とする積層面材の製造装置。
【請求項26】
前記高さ測定装置は、前記線塗布装置が備える第一の高さ測定装置と前記面塗布装置が備える第二の高さ測定装置とから構成され、
前記線塗布装置と前記面塗布装置とは、ネットワークを介して通信可能に構成されており、
前記線塗布装置が、前記面塗布装置から受信した前記第二の高さ測定装置による前記充填部の高さ情報に基づき前記土手部の高さを調整することを特徴とする請求項25に記載の積層面材の製造装置。
【請求項27】
前記線塗布装置が、前記充填部の高さ情報に基づき前記土手部の高さが高くなるように調整する土手上げ調整機能と、前記充填部の高さ情報に基づき前記土手部の高さが低くなるように調整する土手下げ調整機能とを備えることを特徴とする請求項25または26に記載の積層面材の製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土手部および充填部からなる接着層(または接合層)が形成された下ワークに上ワークを貼り合わせて製造する積層面材の製造方法および装置に関し、例えば、液晶ディスプレイ等の表示装置を製造するための積層面材の製造方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶ディスプレイは、液晶モジュール、操作用のタッチパネル、表面を保護する保護パネル(カバーパネル)等を積層し、筐体内に組み込むことにより構成されている。タッチパネルやカバーパネルと液晶モジュールを積層するに際しては、積層対象となる一対のワークの一方または双方に接着剤を供給して貼着することが行われている。典型的には、一方のワーク表面にダム材で方形状に枠(土手部)を作成し、土手部で囲繞された領域にフィル材を充填して充填部を形成し、その後にもう一方のワークを、土手部および充填部が形成された面に乗せることにより貼り合わせることが行われている。例えば特許文献1には、貼り合わせ対象となるワークに対して、その縁に沿って接着剤R1を供給することにより、土手部Bを形成する供給部と、接着剤R1の硬化を進行させる処理を行う硬化処理部を有し、ワークに形成された土手部B内に、供給部により接着剤R2を充填した後、貼合部において、ワークを貼り合わせる技術が開示されている。
【0003】
電気・電子製品製造におけるレジスト液などの塗布や、ディスプレイ装置製造における蛍光体ペーストなどの塗布など、被塗布物の表面に広範囲にわたって液体材料を膜状に均一な厚さで塗布する装置には、一つの細長い隙間が形成されたスリットノズルが使用されることが多い。このような膜状塗布を行うためのノズルとしては、例えば、出願人が提案した特許文献2に記載のものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-193004号公報
【文献】特許第5702223号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
異なる接着剤により土手部(ダム材)と充填部(フィル材)を形成して積層面材を製造する場合、時間経過による液体粘度の上昇度(硬化度)が異なるため、製造時間の経過と共に製造される積層面材の土手部と充填部の高さに差を生じてしまうという問題があった。すなわち、土手部よりも充填部が許容範囲を超えて高くなってしまったり、充填部よりも土手部が許容範囲を超えて高くなってしまったりするという問題があった。そして、土手部と充填部の高さの差(段差)が一定以上になると、上下のワークを貼り合わせて積層面材を製造する際に、段差部に気泡が形成されるという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、時間の経過と共に生じる土手部と充填部の高さの差を最小限とすることができる積層面材の製造方法および装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る積層面材の製造方法は、第一のワークに第一のノズルから第一の液材を供給して枠状に土手部を形成する土手部形成工程、形成した土手部内に第二のノズルから第二の液材を供給して充填部を形成する充填部形成工程、および、充填部が形成された第一のワークと第二のワークを貼り合わせる貼合工程、を繰り返し実施することにより、積層面材を連続的に製造する積層面材の製造方法において、前記第一のワークに形成した充填部または土手部の高さを高さ測定装置により測定する高さ測定工程、および、前記高さ測定工程で測定した充填部または土手部の高さに基づき充填部と土手部との相対的な高さを調整する高さ調整工程、を備えることを特徴とする。
【0008】
上記積層面材の製造方法において、前記高さ測定工程において土手部の高さを測定した場合は、前記高さ調整工程で前記充填部の高さを少なくとも調整し、前記高さ測定工程において充填部の高さを測定した場合は、前記高さ調整工程で前記土手部の高さを少なくとも調整することを特徴としてもよい。
上記積層面材の製造方法において、前記高さ調整工程において、充填部の高さと土手部の高さとの相対差が予め設定された範囲内に収まるように、前記高さ測定工程で測定した充填部または土手部の高さに基づき前記土手部形成工程で形成する土手部の高さまたは前記充填部形成工程で形成する充填部の高さを調整することを特徴としてもよい。
上記積層面材の製造方法において、前記土手部形成工程において、線塗布をすること、前記高さ調整工程において、前記第一のノズルと前記第一のワークとのクリアランスを調整することで前記土手部形成工程で形成する土手部の高さを調整することを特徴としてもよい。
上記積層面材の製造方法において、前記高さ調整工程において、前記第一の液材の供給量は一定としたまま、前記土手部形成工程で形成する土手部の高さを調整することを特徴としてもよい。
上記積層面材の製造方法において、前記高さ調整工程において、前記第一の液材の供給量を調整することにより、前記土手部形成工程で形成する土手部の高さを調整することを特徴としてもよい。
上記積層面材の製造方法において、前記高さ調整工程において、前記第一のノズルと前記第一のワークとの相対移動速度を調整することにより、前記土手部形成工程で形成する土手部の高さを調整することを特徴としてもよい。
上記積層面材の製造方法において、前記高さ調整工程において、前記第一のノズルと前記第一のワークとの相対移動速度を一定としたまま、前記土手部の高さを調整することを特徴としてもよい。
上記積層面材の製造方法において、前記高さ調整工程において、前記高さ測定工程で計測した前記充填部の高さが許容範囲外である場合に、前記充填部形成工程で形成する充填部の高さも調整することを特徴としてもよい。
上記積層面材の製造方法において、前記充填部形成工程において、面塗布をすること、前記高さ調整工程において、前記第二のノズルと前記第一のワークとのクリアランスを調整することで前記充填部形成工程で形成する充填部の高さを調整することを特徴としてもよい。
上記積層面材の製造方法において、前記高さ調整工程において、前記第二の液材の供給量は一定としたまま、前記充填部形成工程で形成する充填部の高さを調整することを特徴としてもよい。
上記積層面材の製造方法において、前記高さ調整工程において、前記第二の液材の供給量を調整することにより、前記充填部形成工程で形成する充填部の高さを調整することを特徴としてもよい。
上記積層面材の製造方法において、前記高さ調整工程において、前記第二のノズルと前記第一のワークとの相対移動速度を調整することにより、前記充填部形成工程で形成する充填部の高さを調整することを特徴としてもよい。
上記積層面材の製造方法において、前記高さ調整工程において、前記第二のノズルと前記第一のワークとの相対移動速度を一定としたまま、前記充填部形成工程で形成する充填部の高さを調整することを特徴としてもよい。
上記積層面材の製造方法において、前記高さ測定工程において、前記充填部形成工程が実行された第一のワークに形成した充填部の高さを計測することを特徴としてもよい。
上記積層面材の製造方法において、前記高さ測定工程において、前記第一のワークに形成した充填部の辺の縁部の高さを高さ測定装置により複数箇所測定することを特徴としてもよい。
上記積層面材の製造方法において、前記高さ測定工程において、前記土手部形成工程が実行された第一のワークに形成した土手部の高さを計測することを特徴としてもよい。
上記積層面材の製造方法において、前記高さ測定工程において、前記第一のワークに形成した土手部の辺の中央部または角部の高さを高さ測定装置により複数箇所測定することを特徴としてもよい。
上記積層面材の製造方法において、前記高さ測定工程は、捨て打ち台に形成した充填部または土手部の高さを計測することを特徴してもよい。
上記積層面材の製造方法において、前記高さ調整工程を、予め定められた周期が到来するごとに実行することを特徴としてもよい。
上記積層面材の製造方法において、前記積層面材が、表示装置用積層面材であることを特徴としてもよい。
【0009】
本発明に係る積層面材の製造装置は、上記の積層面材の製造方法を実行するための装置であって、前記土手部形成工程を実行するための第一の吐出装置を備える線塗布装置と、前記充填部形成工程を実行するための第二の吐出装置を備える面塗布装置と、前記貼合工程を実行するための貼合装置と、前記高さ調整工程を実行するための高さ測定装置と、を備えることを特徴とする。
上記積層面材の製造装置において、前記高さ測定装置は、前記線塗布装置が備える第一の高さ測定装置と前記面塗布装置が備える第二の高さ測定装置とから構成され、前記線塗布装置と前記面塗布装置とは、ネットワークを介して通信可能に構成されており、前記線塗布装置が、前記面塗布装置から受信した前記第二の高さ測定装置による前記充填部の高さ情報に基づき前記土手部の高さを調整することを特徴としてもよい。
上記積層面材の製造装置において、前記線塗布装置が、前記充填部の高さ情報に基づき前記土手部の高さが高くなるように調整する土手上げ調整機能と、前記充填部の高さ情報に基づき前記土手部の高さが低くなるように調整する土手下げ調整機能とを備えることを特徴としてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、時間の経過と共に生じる土手部と充填部の高さの差を最小限とすることができる積層面材の製造方法および装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態に係る第一のワークの(a)側面図および(b)平面図である。
図2】実施形態に係る第一のワークおよび第二のワークを積層して構成した表示装置用積層面材の側面図である。
図3】実施形態に係る第一のワークの(a)土手部と充填部の高さが同一である状態の側面図、(b)土手部の方が充填部より高い状態の側面図、(c)充填部の方が土手部より高い状態の側面図である。
図4】実施形態に係る表示装置用積層面材の製造方法のフローチャートである。
図5】実施形態に係る高さ調整工程のフローチャートである。
図6】実施形態に係る線塗布装置の斜視図である。
図7】実施形態に係る面塗布装置の斜視図である。
図8】実施形態に係る線塗布工程を説明するための側面図である。
図9】実施形態に係る線塗布の検査工程を説明するための側面図である。
図10】実施形態に係る面塗布工程を説明するための側面図である。
図11】実施形態に係る面塗布の検査工程を説明するための側面図である。
図12】実施形態に係る表示装置用積層面材の製造ラインの平面図である。
図13】実施形態の変形例に係る表示装置用積層面材の製造ラインの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、実施形態に係る表示装置用積層面材の製造ライン1および製造方法を、図面を参酌しながら説明する。なお、本発明の製造方法および装置は、表示装置用積層面材に限らず、他の用途へも適用可能である。
実施形態に係る表示装置用積層面材の製造ライン1は、図12に示すように、線塗布装置10と、面塗布装置20と、貼合装置30とを備えて構成される。線塗布装置10、面塗布装置20および貼合装置30は、第一の搬送装置2により接続されており、第一の搬送装置2により第一のワーク71が各装置間を搬送される。貼合装置30には、第二のワーク81を搬送する第二の搬送装置3も接続されている。第二の搬送装置3の終端部には、第一の搬送装置2に第二のワーク81を移動するロボットハンド82が設けられている。第一の搬送装置(2)の始端部および終端部にワークを把持し、所定位置に移動するためのロボットハンドを設けてもよい。
【0013】
<線塗布装置10>
実施形態の線塗布装置10は、図6に示すように、第一の液材(第一の接着剤)を供給する第一の吐出装置11と、第一の高さ測定装置12と、第一の撮像装置13と、相対駆動装置14と、ワークテーブル15と、架台16と、捨て打ち台17とを備えている。
【0014】
第一の吐出装置11は、線塗布を行うためのディスペンサーであり、例えば、スクリュー方式のもの、ニードルバルブ方式のもの、プランジャー方式のもの、エア方式のもの、ジェット方式のものを用いることができる。ここで、スクリュー方式のディスペンサーは、ノズルと連通する液室内にスクリューが設けられており、スクリューが回転することで液体材料がノズルまで送られて吐出する方式である。ニードルバルブ式のディスペンサーは、吐出口と連通する開口を備える弁座に弁体(バルブロッド)を当接および離間して吐出口の開閉を行うことで吐出する方式である。プランジャー方式のディスペンサーは、液室内に液密に配設されたプランジャーの進出移動により、吐出口から液体材料を吐出する方式である。エア方式のディスペンサーは、ノズルと連通する液室内の液体材料に加圧エアを供給することで、液体材料を吐出口から吐出させる方式である。ジェット方式のディスペンサーは、ノズルと連通する液室内に位置する、液室より幅狭なプランジャロッド(弁体)の先端部を進出移動させ、次いで急激に停止して液体材料に慣性力を印加して吐出させる方式である。
【0015】
第一の吐出装置11の液室には、土手部72を形成するための第一の接着剤(ダム材)が第一の貯留容器から供給される。第一の貯留容器には、多数のワークに対する線塗布作業を行うことができる量の第一の接着剤が貯留されている。第一の液材(第一の接着剤)は、
例えば、流動性が低い高粘度の樹脂(レジン)や紫外線硬化型の接着剤を用いることができる。第一の液材(第一の接着剤)は、第一のワーク71と第二のワーク81を貼り合せた後に、その相対的位置がずれることがないよう機能するものであり、含有する成分の種類や量、硬化の有無や程度、その硬さなどは用途に応じて選択される。第一の吐出装置11は相対駆動装置14に搭載され、ワークと相対移動させながら第一の接着剤をシールとして機能するように枠状に塗布することで土手部72を形成する。ここで、線塗布とは、第一の吐出装置11の吐出口から吐出された液体材料でワーク上に細い描画線を形成する塗布のことをいう。土手部72の線幅は、例えば、0.05~1.5mm(好ましくは1mm以下)である。
【0016】
第一の高さ測定装置12は、土手部72の絶対高さまたは相対高さを測定する装置であって、レーザー式センサ、超音波式センサ、接触式センサなどを採用することができる。また、第一の高さ測定装置12よる測定は、点、線および面測定のいずれの測定法によってもよい。第一の高さ測定装置12により土手部72の高さを測定するにあたっては、土手部72の面全体を走査して測定してもよいが、少なくとも土手部72の辺の中央部または複数の角部を複数箇所測定することが好ましい。
第一の撮像装置13は、例えば、CCDカメラであり、後述する制御装置やネットワークを介して接続された図示しないコンピュータ(管理端末)に撮像したワークの表面画像を伝送する。
相対駆動装置14は、X軸駆動装置、Y軸駆動装置およびZ軸駆動装置(図示せず)から構成される。第一の吐出装置11は、Z軸駆動装置(図示せず)を介してX軸駆動装置に搭載されている。X軸駆動装置は、Z軸駆動装置および第一の吐出装置11をX方向に移動させることができる。X軸駆動装置は、Y軸駆動装置に搭載されており、Y軸駆動装置によりY方向に移動される。XYZ軸駆動装置としては、ボールネジとモータとの組み合わせ機構、リニアモータを用いた機構、ベルトやチェーンなどで動力を伝える機構などを用いることができる。なお、相対駆動装置14は、吐出装置とワークとを相対移動させることができればよく、例示の構造に限られず、例えば、門型(ガントリー型)の構造の装置であってもよい。
【0017】
ワークテーブル15は、第一のワーク71が載置される平板状の部材である。ワークテーブル15は、第一のワーク71を固定するための図示しない固定機構(例えば、吸引機構や挟み込み機構)を備えている。
架台16の内部には、図示しない制御装置が配置されている。この制御装置は、CPUと記憶装置を備えるコンピュータであり、各装置の動作を制御すると共に、後述の土手部高さ調整工程(STEP509~STEP512)を自動で実行するためのプログラムを備えている。面塗布装置20の制御装置と線塗布装置10の制御装置とは、ネットワークを介して通信可能となっており、第二の高さ測定装置22による充填部73の高さ情報を受信し、充填部73の高さ情報に基づき土手部72の高さを調整するための制御を実行することができる。
捨て打ち台17は、土手部高さ調整工程を実行する際に、高さ調整のための土手部を形成する場所である。捨て打ち台17を設けず、ワークテーブル15上にダミー基板を載置して捨て打ちをしてもよい。なお、台17の上に、交換可能な捨て打ち用ワークを載置するようにしてもよい。
【0018】
<面塗布装置20>
実施形態の面塗布装置20は、図7に示すように、第二の液材(第二の接着剤)を供給する第二の吐出装置21と、第二の高さ測定装置22と、第二の撮像装置23と、相対駆動装置24と、ワークテーブル25と、架台26と、捨て打ち台27とを備えている。
第二の吐出装置21は、膜状または面状塗布を行うためのディスペンサーであり、例えば特許文献2に記載されたスリットノズルを備えたエア方式のディスペンサーにより構成することができる。このエア方式のディスペンサーは、スリットノズルに連通する液室内の液材に加圧エアを供給することで、液体材料を細長い吐出口から吐出させることができる。なお、第二の吐出装置21は、エア方式のディスペンサーに限定されず、例えば、ポンプ駆動方式のディスペンサーにより構成してもよい。
第二の吐出装置21の液室には、充填部73を形成するための第二の接着剤(フィル材)が第二の貯留容器から供給される。第二の貯留容器には、多数のワークに対する面塗布作業を行うことができる量の第二の接着剤が貯留されている。第二の液材(第二の接着剤)は第一の接着剤とは異なる接着剤であり、例えば、流動性が低い高粘度の樹脂(レジン)や紫外線硬化型の接着剤を用いることができる。第二の液材(第二の接着剤)も、第一の液材(第一の接着剤)と同様、含有する成分の種類や量、硬化の有無や程度、その硬さなどは用途に応じて選択される。第二の吐出装置21は相対駆動装置に搭載され、ワークと相対移動させながら第二の接着剤を土手部72内に充填することで充填部73を形成する。
【0019】
第二の高さ測定装置22は、充填部73の絶対高さまたは相対高さを測定する装置であって、レーザー式センサ、超音波式センサ、接触式センサなどを採用することができる。また、第一の高さ測定装置12よる測定は、点、線および面測定のいずれの測定法によってもよい。
第二の高さ測定装置22により充填部73の高さを測定するにあたっては、充填部73の面全体を走査して測定してもよいが、少なくとも充填部73の縁部(すなわち、充填部73の土手部72の近傍に位置する部分。例えば、符号73a,73bの部分)を複数箇所測定することが好ましい。充填部73が矩形である場合は、充填部73の各辺のそれぞれについての縁部を1箇所以上(計4箇所以上)測定することが好ましく、充填部73の各辺のそれぞれについての縁部を複数箇所(計8箇所以上)測定することが好ましい。充填部の縁部の実際の高さと充填部の高さの規定値との差が許容範囲内(例えば規定値±5%)にないと歩留まりが悪くなるからである。充填部73の縁部から内側に入った部分の高さを計測し、取得した複数箇所の高さに統計処理を行って、充填部73の高さを算出してもよい。充填部73の相対高さは、第一のワーク71の上面と第二の吐出装置21による塗布が行われた後の充填部73の上面の高さを測定することにより求めてもよい。
【0020】
第二の撮像装置23は、例えば、CCDカメラであり、後述する制御装置やネットワークを介して接続された図示しないコンピュータ(管理端末)に撮像したワークの表面画像を伝送する。
相対駆動装置24は、X軸駆動装置、Y軸駆動装置およびZ軸駆動装置(図示せず)から構成される。第二の吐出装置21は、Z軸駆動装置(図示せず)を介してX軸駆動装置に搭載されている。X軸駆動装置は、Z軸駆動装置および第二の吐出装置21をX方向に移動させることができる。X軸駆動装置は、Y軸駆動装置に搭載されており、Y軸駆動装置によりY方向に移動される。XYZ軸駆動装置としては、ボールネジとモータとの組み合わせ機構、リニアモータを用いた機構、ベルトやチェーンなどで動力を伝える機構などを用いることができる。
【0021】
ワークテーブル25は、第一のワーク71が載置される平板状の部材である。ワークテーブル25は、第一のワーク71を固定するための図示しない固定機構(例えば、吸引機構や挟み込み機構)を備えている。
架台26の内部には、図示しない制御装置が配置されている。この制御装置は、CPUと記憶装置を備えるコンピュータであり、各装置の動作を制御すると共に、後述の充填部高さ調整工程(STEP505~STEP508)を自動で実行するためのプログラムを備えている。面塗布装置20の制御装置と線塗布装置10の制御装置とは、ネットワークを介して通信可能となっており、例えば第二の高さ測定装置22による測定結果を線塗布装置10の制御装置に送信することができる。
捨て打ち台27は、充填部高さ調整工程を実行する際に、高さ調整のための充填部を形成する場所である。捨て打ち台27を設けず、ワークテーブル25上にダミー基板を載置して捨て打ちをしてもよい。
【0022】
<貼合装置30>
貼合装置30は、特許文献1の図2に記載されるような公知の装置である。貼合装置30は、減圧室と減圧ポンプを備えており、減圧室内に搬入された土手部72および充填部73が形成された第一のワーク71と、第一のワーク71の上方に保持した第二のワーク81とを減圧室内で貼り合わせて表示装置用積層面材91を製造する。表示装置用積層面材91は、減圧室から取り出され、第一の搬送装置2により次工程に搬送される。
【0023】
<土手部と充填部の段差>
図3(a)は第一のワーク71の(a)土手部72と充填部73の高さが同一である状態の側面図、(b)は土手部72の方が充填部73より高い状態の側面図、(c)は充填部73の方が土手部72より高い状態の側面図である。
実施形態においては、図3(a)に示すように、第一のワーク71の土手部72と充填部73の高さが同一とする設定が、線塗布装置10および面塗布装置20の各制御装置にはされている(なお、土手部72と充填部73に僅かな段差ができるような設定を意図的にする場合もある。)。
土手部72を形成する第一の接着剤の経時硬化に比べ、充填部73を形成する第二の接着剤の経時硬化が早い場合、経時硬化に伴う接着剤の粘度上昇により第二の接着剤の吐出量が減少するため、製造時間の経過と共に、製造される積層面材は図3(b)に示すように土手部72の方が充填部73より高い状態となる。土手部72の高さと充填部73の相対的な高さの差が許容範囲を超えた場合には、第一の接着剤および第二の接着剤の吐出量を増やす補正をし(または第一の接着剤の吐出量を減らす補正をし)、土手部72の高さと充填部73の相対的な高さの差が許容範囲内に収まるようにする。土手部72の高さと充填部73の相対的な高さの差が許容範囲を超えない場合でも、充填部73の第一のワーク71の表面からの実際の高さ(絶対的な高さ)が規定値と比べ許容範囲を超えて低くなった場合には、第二の接着剤の吐出量を増やす補正をし、充填部73の実際の高さと規定値との差が許容範囲内に収まるようにする。
【0024】
土手部72を形成する第一の接着剤の経時硬化に比べ、充填部73を形成する第二の接着剤の経時硬化が遅い場合、時間の経過と共に、図3(c)に示すように土手部72の方が充填部73より低い状態となる。第一の接着剤と第二の接着剤とがこのような関係にある場合、第一の吐出装置11の吐出量の補正量は、図3(b)の場合と比べ大きく設定される。そのため、補正後の土手部72の高さが充填部73の高さと比べ、許容範囲を超えない範囲で高くなる場合もある。
【0025】
<製造方法>
図4を参照しながら、実施形態に係る表示装置用積層面材の製造方法を説明する。
STEP401:第一のワーク71を第一の搬送装置2により搬送し、線塗布装置10のワークテーブル15上に載置する。
STEP402:第一の吐出装置11とワークテーブル15とを相対駆動装置14により相対移動させながら、第一の接着剤を吐出して土手部72を形成する(図8参照)。
STEP403:土手部72が形成された第一のワーク71を第一の搬送装置2により搬送し、面塗布装置20のワークテーブル25上に載置する。
STEP404:第二の吐出装置21とワークテーブル25とを相対駆動装置24により相対移動させながら、第二の接着剤を吐出して充填部73を形成する(図10参照)。
【0026】
STEP405:土手部72および充填部73が形成された第一のワーク71を第一の搬送装置2により貼合装置30に搬送する。また、第二のワーク81を第二の搬送装置3により貼合装置30に搬送する。ここで、第二の搬送装置3による第二のワーク81の搬送は、第一の搬送装置2による第一のワーク71の搬送よりも先に行うようにしてもよい。
STEP406:貼合装置30は、減圧室内で第一のワーク71に第二のワーク81を貼り合わせて表示装置用積層面材91を製造する。
STEP407:貼合装置30から取り出された表示装置用積層面材91は、第一の搬送装置2により次工程に搬送される。
STEP408:予め定められた周期(例えば、製造枚数または時間)が到来していない場合は、STEP401に移動する。予め定められた周期が到来した場合は、図5に記載の高さ調整工程を実施する。
【0027】
図5を参照しながら、実施形態に係る高さ調整工程を説明する。
STEP501:線塗布装置10の制御装置は、第一の吐出装置11から第一の接着剤を吐出して捨て打ち台17へ土手部を形成する。このとき、捨て打ち台17へ形成する土手部は、第一のワーク71に描画する土手部の形状の一部分を形成させるのでもよい。
STEP502:線塗布装置10は、第一の高さ測定装置12により、捨て打ち台17へ形成した土手部の高さを測定し、制御装置の記憶装置に記憶する。この際、第一の撮像装置13により土手部の画像を撮像し、制御装置の記憶装置に記憶してもよい。なお、STEP501を実施せず、直前にSTEP402が実行されたワークの土手部72の高さを第一の高さ測定装置12により測定し、制御装置の記憶装置に記憶してもよい(図9参照)。
【0028】
STEP503:面塗布装置20の制御装置は、第二の吐出装置21から第二の接着剤を吐出して捨て打ち台27へ充填部を形成する。
STEP504:面塗布装置20は、第二の高さ測定装置22により、捨て打ち台27へ形成した充填部の高さを測定し、制御装置の記憶装置に記憶する。この際、第二の撮像装置23により充填部の画像を撮像し、制御装置の記憶装置に記憶してもよい。なお、STEP503を実施せず、直前にSTEP404が実行されたワークの充填部73の高さを第二の高さ測定装置22により測定し、制御装置の記憶装置に記憶してもよい(図11参照)。
STEP505:STEP504の充填部の高さ測定結果より、充填部の高さが許容範囲であるかどうかを判定する。測定した充填部の高さ(絶対的高さ)と充填部の高さの規定値との差が許容範囲内である場合は、STEP509へ移動する。測定した充填部の高さが許容範囲外である場合は、STEP506へ移動する。ここで許容範囲は、充填部の高さが、例えば規定値の±5%の範囲に収まるかにより判定される。
【0029】
STEP506:STEP504の充填部の高さ測定結果に基づき、面塗布装置20の制御装置は、充填部73の高さを調整するための設定情報を変更する。充填部73の高さの調整は、例えば、次の1つまたは複数の調整を実施するためのパラメータを変更することにより行われる。
(1)第二の吐出装置12のノズルと第一のワーク71とのクリアランスを調整すること
(2)第二の吐出装置12における単位時間あたりの吐出量を調整すること
(3)第二の吐出装置12とワークテーブル25との相対移動速度を調整すること
【0030】
STEP507:面塗布装置20の制御装置は、第二の吐出装置21から第二の接着剤を吐出して捨て打ち台27へ高さ調整後の充填部を形成する。
STEP508:面塗布装置20は、第二の高さ測定装置22により、捨て打ち台27へ形成した充填部の高さを測定し、制御装置の記憶装置に記憶する。STEP505へ移動する。
STEP509:線塗布装置10の制御装置は、測定した充填部の高さと測定した土手部の高さとの相対的な高さの差(段差)が許容範囲内であるかを判定する。充填部73と土手部72との境界部分の段差が許容範囲内にないと、第一のワーク71および第二のワーク72の貼り合わせ時に気泡が形成されやすくなるからである。算出した段差が許容範囲内である場合は、高さ調整工程を終了する。算出した段差が許容範囲外である場合は、STEP510へ移動する。
【0031】
STEP510:STEP504の充填部73の高さ測定結果に基づき、線塗布装置10の制御装置は、土手部72の高さを調整するための設定情報を変更する。土手部72の高さ調整は、土手部72の高さが低くなるようにする調整(土手下げ調整)または土手部72の高さを高くなるようにする調整(土手上げ調整)のいずれかを、制御装置への予めの設定に基づき実行する。実際に使用する第一の接着剤および第二の接着剤の経時的変化の違いを事前に調べておき、土手上げ調整または土手下げ調整のいずれかを線塗布装置10の制御装置に設定しておく。土手部72の高さの調整は、例えば、次の1つまたは複数の調整を実施するためのパラメータを変更することにより行われる。
(1)第一の吐出装置11のノズルと第一のワーク71とのクリアランスを調整すること
(2)第一の吐出装置11における単位時間あたりの吐出量を調整すること
(3)第一の吐出装置11とワークテーブル15との相対移動速度を調整すること
【0032】
STEP511:線塗布装置10の制御装置は、第一の吐出装置11から第一の接着剤を吐出して捨て打ち台17へ高さ調整後の土手部を形成する。
STEP512:線塗布装置10は、第一の高さ測定装置12により、捨て打ち台17へ形成した土手部の高さを測定し、制御装置の記憶装置に記憶する。STEP509へ移動する。
【0033】
以上、本発明の好ましい実施形態例について説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態の記載に限定されるものではない。上記実施形態例には様々な変更・改良を加えることが可能であり、そのような変更または改良を加えた形態のものも本発明の技術的範囲に含まれる。
【0034】
例えば上述の第一の吐出装置11および/または第二の吐出装置21を、ジェット式のディスペンサーにより構成してもよい。ジェット式のディスペンサーは、ノズルの吐出口に連通する液室内に、液室の側壁と非接触または一部接触するが液材の流動を妨げないプランジャーが設けられており、プランジャーを進出移動させることで、液材に慣性力を与え、吐出口から液滴の状態で液体材料を飛滴吐出させることができる。
【0035】
また、線塗布装置10および/または面塗布装置20が、UV照射装置を搭載するように構成してもよい。塗布してから短時間で形状が変わるようなUV硬化型接着剤を用いる場合には、UV照射装置により硬化させてから第一の高さ測定装置12および/または第二の高さ測定装置22で高さを測定してもよい。
また、線塗布装置10および/または面塗布装置20が、加熱装置を有するワークテーブルを備えるように構成してもよい。温度により流動性が変化する接着剤を用いる場合には、加熱装置により接着剤の流動性をコントロールすることが可能となる。
また、図13に示すように、線塗布部110、面塗布部120および貼合部130を備える一台の積層面材製造装置100により、土手部形成工程、充填部形成工程および貼合工程を実行するようにしてもよい。
さらには、実施形態では、充填部73の高さの測定結果に基づき充填部73および土手部72の高さを調整したが、土手部72の高さの測定結果に基づき充填部73および土手部72の高さを調整するように構成してもよい。ただし、充填部73の高さは規定された範囲内に収まる必要があるところ、土手部72の高さを基準として充填部73の高さを調整すると、充填部73の高さが規定の範囲外となるおそれがあること、充填部73の高さ調整のために繰り返し捨て打ちをすると無駄になる接着剤の量が土手部72の高さ調整をした場合と比べ多くなることから、実施形態のように充填部73の高さを基準とする方が好ましい。
【0036】
図5に例示される実施形態の高さ調整工程は、土手部を形成した後に充填部を形成してから充填部および土手部の高さ調整を実施しているが、これとは異なり、充填部を形成した後に土手部を形成してから充填部および土手部の高さ調整を実施してもよい。また、図5に例示される実施形態の高さ調整工程では、充填部と土手部との相対的な高さに加え、充填部の絶対的高さも調整しているが、いずれかの高さのみを調整するのでもよい。
また、上記実施形態では、捨て打ち台に充填部または土手部を形成し、これを測定して相対的な高さの差(上述の段差)を調整しているが、捨て打ち台を使用せずに上述の段差を調整することも本発明の範疇に含まれる。すなわち、ワークテーブル15上にダミーワーク(不図示)を載置し、このダミーワーク上に実ワークに描画形成する土手部または充填部を形成し、これらの高さを測定することによって上述の段差を調整してもよい(捨て打ち台を設けることは必須ではない)。
【0037】
さらに、本発明は、実製品の製造工程に組み入れることもできる。例えば、実製品に係るワーク上に形成した土手部の高さを測定し、その測定結果に基づき、次の充填部形成工程で形成する充填部の高さを調整することもできる。すなわち、実ワーク上に形成した土手部の高さに基づき(1)第二の吐出装置のノズルとワークとのクリアランスを調整する、(2)第二の吐出装置における単位時間あたりの吐出量を調整する、または(3)第二の吐出装置とワークテーブルとの相対移動速度を調整する、ことにより製造工程をとめることなく実製品の充填部と土手部の相対的な高さを調整することもできる。もちろん、実ワーク上に形成した充填部の高さを測定し、その測定結果に基づき、次の土手部形成工程で形成する土手部の高さを調整することもできる。すなわち、実ワーク上に形成した充填部の高さに基づき(1)第一の吐出装置のノズルとワークとのクリアランスを調整する、(2)第一の吐出装置における単位時間あたりの吐出量を調整する、または(3)第一の吐出装置とワークテーブルとの相対移動速度を調整する、ことにより製造工程をとめることなく実製品の充填部と土手部の相対的な高さを調整することもできる。
【符号の説明】
【0038】
1 表示装置用積層面材の製造ライン
2 第一の搬送装置
3 第二の搬送装置
10 線塗布装置
11 第一の吐出装置
12 第一の高さ測定装置
13 第一の撮像装置
14 相対駆動装置
15 ワークテーブル
16 架台
17 捨て打ち台
20 面塗布装置
21 第二の吐出装置
22 第二の高さ測定装置
23 第二の撮像装置
24 相対駆動装置
25 ワークテーブル
26 架台
27 捨て打ち台
30 貼合装置
71 第一のワーク(下ワーク)
72 土手部
73 充填部
81 第二のワーク(上ワーク)
82 ロボットハンド
91 表示装置用積層面材
100 積層面材製造装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13