(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】LED照明装置
(51)【国際特許分類】
F21K 9/272 20160101AFI20240702BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20240702BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20240702BHJP
F21V 23/04 20060101ALI20240702BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240702BHJP
【FI】
F21K9/272
F21V19/00 150
F21V19/00 170
F21V19/00 450
F21V23/00 115
F21V23/04 500
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2023053862
(22)【出願日】2023-03-29
(62)【分割の表示】P 2019039297の分割
【原出願日】2019-03-05
【審査請求日】2023-03-30
(73)【特許権者】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【氏名又は名称】臼井 尚
(72)【発明者】
【氏名】尾形 大輔
(72)【発明者】
【氏名】土居 敦
【審査官】當間 庸裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-142165(JP,A)
【文献】国際公開第2014/048677(WO,A1)
【文献】特開2019-009073(JP,A)
【文献】特開2013-143222(JP,A)
【文献】特開2015-133311(JP,A)
【文献】特開2014-110239(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21K 9/272
F21V 23/00
F21V 23/04
F21V 19/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に配列された複数のLEDと、
前記複数のLEDを覆う透光性を有するカバーと、を備えたLED照明装置であって、
それぞれの機能が異なる第1モジュールおよび第2モジュールを、前記カバーの長手方向端部に選択的に取付可能であり、
前記第1モジュールおよび前記第2モジュールは、円筒状をなし、且つ、前記カバーの前記長手方向端部が挿入される溝が、周方向における略半周の領域に設けられており、
前記第1モジュールおよび前記第2モジュールの各々は、第1部および第2部からなるケースを備え、
前記第1部は、凹部を有し、
前記第2部は、前記凹部に係合する端部を有し、
前記溝は、前記カバーの前記長手方向端部と対向する位置に傾斜部を有
し、
前記傾斜部は、前記長手方向において前記凹部と前記端部とが係合する箇所と対向する部分に設けられていることを特徴とする、LED照明装置。
【請求項2】
前記第1モジュールおよび前記第2モジュールの各々は、2つの前記溝が、前記周方向における略半周の領域に設けられている、請求項1に記載のLED照明装置。
【請求項3】
前記複数のLEDが搭載されたLED基板と、
前記LED基板を支持する支持部材と、を備え、
前記第1モジュールおよび前記第2モジュールは、前記支持部材に固定するための支持部材固定部材を有し、
前記支持部材は、前記支持部材固定部材が挿入される挿入部を有する、請求項1または2に記載のLED照明装置。
【請求項4】
前記第1モジュールおよび前記第2モジュールの各々は、2つの前記支持部材固定部材を備え、
前記支持部材は、2つの前記挿入部を有する、請求項3に記載のLED照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
LEDを光源として用いたLED照明装置が種々に提案されている。特許文献1には、従来のLED照明装置の一例が開示されている。同文献に開示されたLED照明装置は、複数のLEDが長手方向に配列された、直管形蛍光灯の代替製品として構成されている。当該LED照明装置には、人感センサが設けられている。人感センサは、人体の接近等を検出することにより、LED照明装置の点灯制御等に利用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したLED照明装置では、人感センサが、長さ方向端部に設けられた口金の内部に搭載されている。仮に、LED照明装置の高機能化や多様化を果たすために、人感センサ以外の構成要素を搭載する場合、口金あるいは口金に加えてLED照明装置の他の部位を新たに設計し、LED照明装置全体を別に製造する必要がある。
【0005】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、高機能化や多様化をより容易に実現することが可能なLED照明装置を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によって提供されるLED照明装置は、長手方向に配列された複数のLEDと、前記複数のLEDを覆う透光性を有するカバーと、を備えたLED照明装置であって、それぞれの機能が異なる第1モジュールおよび第2モジュールを、前記カバーの長手方向端部に選択的に取付可能であることを特徴としている。
【0007】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記カバーは、互いの長さが異なる複数の前記カバーから選択される。
【0008】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第1モジュールおよび第2モジュールのそれぞれは、外部の給電部に取り付けるための共通の口金を有する。
【0009】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第1モジュールおよび前記第2モジュールのそれぞれは、前記口金に係合することにより前記口金の位置決めに用いられるリブを有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、LED照明装置の高機能化や多様化をより容易に実現することができる。
【0011】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るLED照明装置を示す斜視図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係るLED照明装置を示す要部拡大斜視図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係るLED照明装置を示す要部分解斜視図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に係るLED照明装置を示す要部拡大斜視図である。
【
図7】本発明の第1実施形態に係るLED照明装置の人感センサモジュールを示す斜視図である。
【
図8】本発明の第1実施形態に係るLED照明装置の人感センサモジュールを示す分解斜視図である。
【
図9】本発明の第1実施形態に係るLED照明装置の人感センサモジュールを示す要部分解斜視図である。
【
図10】本発明の第1実施形態に係るLED照明装置の人感センサモジュールを示す要部断面斜視図である。
【
図11】本発明の第1実施形態に係るLED照明装置の人感センサモジュールを示す(a)は平面図であり、(b)は正面図であり、(c)は底面図であり、(d)は側面図である。
【
図12】
図11(a)のXII-XII線に沿う断面図である。
【
図13】
図11(a)のXIII-XIII線に沿う断面図である。
【
図14】本発明の第1実施形態に係るLED照明装置の電源基板固定部材を示す(a)は斜視図であり、(b)は平面図であり、(c)は(b)のC-C線に沿う断面図である。
【
図15】本発明の第1実施形態に係るLED照明装置の無線通信モジュールを示す斜視図である。
【
図16】本発明の第1実施形態に係るLED照明装置の無線通信モジュールを示す斜視図である。
【
図17】本発明の第1実施形態に係るLED照明装置を示す分解斜視図である。
【
図18】本発明の第1実施形態に係るLED照明装置を示す要部分解斜視図である。
【
図19】本発明の第1実施形態に係るLED照明装置の無線通信モジュールを示す(a)は平面図であり、(b)は正面図であり、(c)は底面図であり、(d)は側面図である。
【
図21】
図19(a)のXXI-XXI線に沿う断面図である。
【
図22】本発明の第1実施形態に係るLED照明装置の使用例を示す要部分解斜視図である。
【
図23】本発明の第2実施形態に係るLED照明装置の使用例を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0014】
本開示における「第1」、「第2」、「第3」等の用語は、単にラベルとして用いたものであり、それらの対象物に順列を付することを意図していない。
【0015】
<第1実施形態>
図1~
図22は、本発明の第1実施形態に係るLED照明装置を示している。本実施形態のLED照明装置A1は、支持部材1、複数のLED2、電源部3、カバー4、人感センサモジュール5、無線通信モジュール6および口金8を備えている。LED照明装置A1は、たとえば直管形蛍光灯の代替照明器具として構成されている。
【0016】
図1は、LED照明装置A1を示す斜視図である。
図2は、LED照明装置A1を示す要部拡大斜視図である。
図3は、LED照明装置A1を示す要部分解斜視図である。
図4は、LED照明装置A1を示す要部拡大斜視図である。
図5は、
図3のV-V線に沿う断面図である。
図6は、
図5のVI-VI線に沿う断面図である。
図7は、LED照明装置A1の人感センサモジュール5を示す斜視図である。
図8は、LED照明装置A1の人感センサモジュール5を示す分解斜視図である。
図9は、LED照明装置A1の人感センサモジュール5を示す要部分解斜視図である。
図10は、LED照明装置A1の人感センサモジュール5を示す要部断面斜視図である。
図11は、LED照明装置A1の人感センサモジュール5を示す(a)は平面図であり、(b)は正面図であり、(c)は底面図であり、(d)は側面図である。
図12は、
図11(a)のXII-XII線に沿う断面図である。
図13は、
図11(a)のXIII-XIII線に沿う断面図である。
図14は、LED照明装置A1の電源基板固定部材35を示す(a)は斜視図であり、(b)は平面図であり、(c)は(b)のC-C線に沿う断面図である。
図15は、LED照明装置A1の無線通信モジュール6を示す斜視図である。
図16は、LED照明装置A1の無線通信モジュール6を示す斜視図である。
図17は、LED照明装置A1の無線通信モジュール6を示す分解斜視図である。
図18は、LED照明装置A1を示す要部分解斜視図である。
図19は、LED照明装置A1の無線通信モジュール6を示す(a)は平面図であり、(b)は正面図であり、(c)は底面図であり、(d)は側面図である。
図20は、
図19(a)のXX-XX線に沿う断面図である。
図21は、
図19(a)のXXI-XXI線に沿う断面図である。
図22は、LED照明装置A1の使用例を示す要部分解斜視図である。なお、これらの図において、x方向は、本発明の長手方向に相当する。y方向およびz方向は、それぞれがx方向に対して直角であり且つ互いに直角である。なお、以降の説明においては、y方向を幅方向と称し、z方向を上下方向と称する場合があるが、これは説明のための便宜であり、本発明の構成が限定されるものではない。
【0017】
<支持部材1>
支持部材1は、
図3および
図5に示すように、後述のLED基板21を支持するものである。また、支持部材1の好ましい例としては、LED2の点灯時に発する熱が伝達される部材である。支持部材1の材質は特に限定されず、たとえばアルミ等の金属が好ましい。
図5に示すように、本実施形態の支持部材1は、主板部11、一対の側板部12、一対の保持部14および一対の筒状部15。このような支持部材1は、たとえばアルミの押出成形によって形成される。
【0018】
主板部11は、x方向を長手方向とし、y方向を幅方向とする帯板状の部位である。主板部11の片面には、後述のLED基板21が取り付けられている。一対の側板部12は、主板部11のy方向両側に位置しており、主板部11に対してz方向一方側に配置されている。側板部12は、x方向を長手方向とし、z方向を短手方向とする帯板状の部位である。
【0019】
一対の保持部14は、主板部11の片面からz方向において一対の側板部12とは反対側に突出している。一対の保持部14は、y方向に互いに離間している。一対の保持部14は、各々がx方向に長く延びており、互いに平行に配置されている。図示された例においては、保持部14は、x方向視において鉤状である。一対の保持部14は、LED基板21をy方向両側から保持するための部位である。
【0020】
一対の筒状部15は、主板部11と一対の側板部12との間に介在しており、これらを連結している。一対の筒状部15は、y方向に互いに離間しており、各々がx方向に長く延びている。筒状部15は、x方向視においてスリットが設けられた筒状である。一対の筒状部15は、たとえば人感センサモジュール5や口金8に支持部材1を係合させるために用いられる。
【0021】
<LED2>
LED2は、LEDチップ(図示略)を含む。LED2は、LEDチップ単体からなるものでも、LEDチップ以外の構成要素を含むものであってもよい。LED2の構成例としては、たとえばLEDチップが搭載されたモジュール基板またはリードと、LEDチップを覆う透光樹脂とを含む構成が挙げられる。LEDチップの発光色は特に限定されず、たとえば青色光を発する。また、透光樹脂は、たとえば透明な樹脂に蛍光材料が混入された材質によって形成される。この蛍光材料は、LEDチップからの青色光によって励起されることにより、黄色光を発する。このような構成により、LED2は、白色光を発する構成とすることができる。
【0022】
複数のLED2は、x方向に配置されており、図示された例においては、x方向に一列に配置されている。なお、複数のLED2の配列は特に限定されず、たとえば複数列であってもよいし、千鳥状の配列であってもよい。
【0023】
本実施形態においては、複数のLED2は、LED基板21に搭載されている。LED基板21は、
図3および
図5に示すように、x方向を長手方向とし、y方向を幅方向とし、z方向を厚さ方向とする、長矩形状である。LED基板21の片面には、複数のLED2が搭載されている。LED基板21は、たとえばガラスエポキシ樹脂やセラミックス等の絶縁性材料からなる基材と、この基材上に形成された配線パターン(図示略)とからなる。LED基板21は、支持部材1の主板部11に対してたとえば接着材や接着テープ等によって取り付けられる。
【0024】
<電源部3>
電源部3は、複数のLED2を点灯させるための電力を供給するものである。たとえば、電源部3は、商用の交流電力を、LED2の点灯に適した直流電力に変換する。本実施形態においては、
図5に示すように、電源部3は、電源基板31、複数の電源部品32、絶縁ケース33および電源基板固定部材35を有する。図示された例においては、電源部3は、主板部11に対してLED基板21とは反対側の位置に設けられている。
【0025】
電源基板31は、たとえばガラスエポキシ樹脂からなる基材と、当該基材上に形成された配線パターン(図示略)とを有している。本実施形態においては、電源基板31は、x方向を長手方向とし、y方向を幅方向とし、z方向を厚さ方向とする、長矩形状である。
図6に示すように、本実施形態においては、電源基板31は、固定孔311を有する。固定孔311は、電源基板31のx方向端部寄りに位置しており、電源基板31を厚さ方向に貫通している。
【0026】
複数の電源部品32は、電源部3の電力変換機能を実現する電気回路を構築するためのものである。複数の電源部品32は、電源基板31に実装されており、その個数や種類は特に限定されない。複数の電源部品32を例示すると、たとえばトランス、コンデンサ、ダイオード、抵抗器等である。電源部3には、たとえば図示しないケーブルが接続される。また、電源部3からは図示しないケーブルに接続されている。
【0027】
絶縁ケース33は、電源基板31および複数の電源部品32を収容している。絶縁ケース33の材質は特に限定されず、樹脂等の絶縁性材料が適宜用いられる。図示された例においては、絶縁ケース33は、x方向に沿って長く延びる角筒状である。
【0028】
電源基板固定部材35は、
図3、
図4、
図6および
図18に示すように、電源基板31をカバー4内の支持部材1に固定するための部材である。
図14に示すように、本実施形態の電源基板固定部材35は、主板部351、係合部352および厚肉部353を有する。
【0029】
主板部351は、電源基板固定部材35の本体をなす部位であり、略平板状である。図示された例においては主板部351には、開口3511および凹部3512が設けられている。凹部3512は、後述の人感センサモジュール5のケース51に電源基板固定部材35を取り付けるための部位である。図示された例においては、y方向両側に2つの凹部3512が設けられている。
【0030】
係合部352は、主板部351に繋がっており、電源基板31に係合する部位である。具体的には、
図6に示すように、係合部352の凸部が電源基板31の固定孔311に係合する。図示された例においては、
図14(b)に示すように、平面視において、係合部352の凸部は、開口3511に内包されている。LED照明装置A1を組み立てる際には、電源基板固定部材35の係合部352を固定孔311に係合させた電源基板31を、支持部材1にスライドさせて固定する。
【0031】
厚肉部353は、
図14に示すように、主板部351のx方向一端に設けられており、主板部351よりもz方向の厚さが厚い部位である。厚肉部353は、挿通孔3531を有する。挿通孔3531は、厚肉部353をz方向に貫通しており、
図4および
図6に示すように、2本のケーブル36を挿通させるためのものである。ケーブル36は、たとえば、電源部3とLED基板21とに接続されている。
【0032】
<カバー4>
カバー4は、
図1~
図5に示すように、複数のLED2を覆っており、複数のLED2からの光を透過させる透光性を有する材質からなる。本実施形態においては、カバー4は、x方向を軸方向とする筒状であり、支持部材1、LED基板21、複数のLED2および電源部3を収容している。なお、本実施形態とは異なり、カバー4は、半筒状であってもよい。この場合、たとえばカバー4は、複数のLED2を覆いつつ、支持部材1を露出させてもよい。カバー4の材質は特に限定されず、LED2からの光を透過させる透明または半透明の樹脂等からなる。本実施形態においては、カバー4は、半透明の乳白色の樹脂からなる。
【0033】
<人感センサモジュール5>
人感センサモジュール5は、
図1~
図3に示すように、カバー4のx方向端部に取り付けられるものであり、本発明の第1モジュールに相当する。人感センサモジュール5は、LED照明装置A1の設置環境において人体を検出する機能を果たす。人感センサモジュール5からの検出信号は、たとえば電源部3に送られることにより、電源部3による複数のLED2の点灯制御に用いられる。LED2の点灯制御としては、ON/OFF制御、輝度制御、調光制御等が挙げられる。
【0034】
本実施形態の人感センサモジュール5は、
図7~
図13に示すように、ケース51、センサ基板52、センサ部53、レンズ部54、インジケータ55、コネクタ56、ねじ59および口金7を備える。
【0035】
ケース51は、センサ基板52、センサ部53、レンズ部54、インジケータ55およびコネクタ56を収容している。ケース51の材質は特に限定されず、たとえば金型成形に適した樹脂からなる。本実施形態においては、ケース51は、第1部511および第2部512からなる。
【0036】
第1部511は、ケース51のz方向における概ね半分を占める部位である。図示された例の第1部511は、円筒部5110、開口5111、開口5112、ねじ用円柱部5113、リブ5114、係合部5115、平坦部5116、凸部5117および傾斜部5118を有する。
【0037】
円筒部5110は、第1部511のx方向一方側に設けられており、x方向視において円環状の部位である。円筒部5110は、カバー4のx方向における端部に取り付けられる。
【0038】
開口5111は、第1部511をz方向に貫通しており、レンズ部54を外部に露出させるためのものである。開口5112は、第1部511をz方向に貫通しており、開口5111とx方向に並んで配置されている。開口5112は、インジケータ55を露出させるためのものである。
【0039】
ねじ用円柱部5113は、z方向内方に向けて突出している。ねじ用円柱部5113は、雌ねじが形成された円筒状の部位である。ねじ用円柱部5113は、ねじ59と螺合する。
【0040】
リブ5114は、
図9に示すように、第1部511のx方向の端部からねじ用円柱部5113に向けて延びるように形成されており、z方向に突出している。係合部5115は、第1部511のx方向の端部に沿って形成されており、x方向視において半円環状である。係合部5115は、x方向を軸方向とした場合の径方向内方に突出している。
【0041】
平坦部5116は、円筒部5110の内側に位置するリブの一部である。平坦部5116は、y方向に沿った平坦な部位であり、z方向に対して直角である。
図10に示すように、平坦部5116には、後述の第2部512の爪部5121が係合する。
【0042】
凸部5117は、電源基板固定部材35の凹部3512が係合するための部位であり、円筒部5110の内側に位置するリブの一部である。図示された例においては、
図9および
図10に示すように、y方向に離間した2つの凹部3512が設けられている。
【0043】
傾斜部5118は、
図6に示すように、カバー4の端部が対向する位置に設けられており、yz平面に対して傾斜した部位である。
図10に示すように、図示された例においては、傾斜部5118は、円筒部5110の周方向における略半周の領域に設けられている。後述の第2部512のうち爪部5121の根本に位置する端部5125が、円筒部5110の
図6における図中左端の凹部5119に係合する。この部位において、傾斜部5118が設けられていることにより、凹部5119の存在によって円筒部5110が部分的に肉厚が薄くなることを抑制することができる。また、
図6において、カバー4がたとえば熱膨張によってx方向に伸長した場合、カバー4の端部が、傾斜部5118に点接触する。このため、カバー4の端部と円筒部5110の図中上方の部分との間には、隙間を維持することが可能である。
【0044】
第2部512は、第1部511とともにケース51をなす部位であり、ケース51のz方向における概ね半分を占める。図示された例の第2部512は、爪部5121、ねじ用円柱部5122および係合部5123を有する。
【0045】
爪部5121は、第2部512のx方向の端部に設けられており、z方向に突出した鉤状の部位である。
図13に示すように、爪部5121は、第1部511と第2部512とを組み合わせる際に、第1部511の円筒部5110の平坦部5116に係合する。
【0046】
ねじ用円柱部5122は、z方向内方に向けて突出している。ねじ用円柱部5122は、z方向視において、第1部511のねじ用円柱部5113と一致する位置に設けられており、円筒形状の部位である。ねじ用円柱部5122は、ねじ59を挿通させる。
【0047】
係合部5123は、第2部512のx方向の端部に沿って形成されており、x方向視において半円環状である。係合部5123は、x方向を軸方向とした場合の径方向内方に突出している。係合部5123は、第1部511の係合部5115とともに、円環形状をなす部位である。
【0048】
また、本実施形態においては、
図4に示すように、2つの支持部材固定部材519が設けられている。
図13に示すように、支持部材固定部材519は、ケース51の円筒部5110に取り付けられるものであり、
図4に示すように、先端が支持部材1の筒状部15に挿入される。これにより、支持部材1は、人感センサモジュール5のケース51に固定される。
【0049】
センサ基板52は、ケース51に収容されており、図示された例においては、第1部511に固定されている。センサ基板52は、センサ部53、レンズ部54、インジケータ55およびコネクタ56が搭載される。
【0050】
センサ部53は、LED照明装置A1の設置環境において人体を検出する機能を果たす素子を含むものである。センサ部53の種類や動作原理は特に限定されず、たとえば人体から発せられる赤外線を検出対象とした焦電センサがその一例として挙げられる。
【0051】
レンズ部54は、センサ部53のz方向正面に設けられており、ケース51の第1部511の開口5111から外部に露出している。レンズ部54は、センサ部53が赤外線を検出対象とした焦電センサである場合、周辺環境から進行してきた赤外線をセンサ部53により多く向かわせるための光学部品である。
【0052】
インジケータ55は、人感センサモジュール5の動作状態を外部に報知するためのものである。インジケータ55の具体的構成は特に限定されず、たとえば砲弾型のLEDモジュールが用いられる。
【0053】
コネクタ56は、たとえば人感センサモジュール5と電源部3とを電気的に接続するために用いられる。コネクタ56は、センサ基板52に搭載されており、図示しないケーブルが接続される。このケーブルは、たとえば電源部3に接続される。
【0054】
ねじ59は、第1部511と第2部512とを固定するためのものである。図示された例においては、ねじ59は、第2部512のねじ用円柱部5122に挿通されて、第1部511のねじ用円柱部5113に螺合される。
【0055】
口金7は、照明器具のソケット等の給電部に差し込まれることにより、LED照明装置A1を取り付けるためのものである。本実施形態の口金7は、口金本体71および一対の端子72を有する。
【0056】
口金本体71は、たとえば樹脂からなり、有底の短筒形状である。図示された例においては、口金本体71は、係合部711および凹部712を有する。
【0057】
係合部711は、たとえば、口金本体71のx方向の端部に設けられた溝部であり、口金本体71の略全周に設けられている。
図13に示すように、ケース51に口金7を取り付ける際には、第1部511の係合部5115および第2部512の係合部5123が、係合部711に係合する。
【0058】
凹部712は、
図8に示すように、口金本体71のx方向の端部に設けられた凹みであり、図示された例においては、係合部711の一部が途切れることによって形成されている。凹部712は、口金7がケース51に取り付けられた際に、
図9に示すリブ5114と係合する。
【0059】
<無線通信モジュール6>
無線通信モジュール6は、
図1~
図3に示す人感センサモジュール5と同様に、カバー4のx方向端部に取り付けられるものであり、本発明の第2モジュールに相当する。無線通信モジュール6は、リモコン等を用いた使用者の操作指令を無線通信によって受信したり、LED照明装置A1の動作状態を送信したりするためのものである。無線通信モジュール6からの信号は、たとえば電源部3に送られることにより、電源部3による複数のLED2の点灯制御に用いられる。LED2の点灯制御としては、ON/OFF制御、輝度制御、調光制御等が挙げられる。
【0060】
本実施形態の無線通信モジュール6は、
図16~
図21に示すように、ケース61、通信基板62、無線通信部63、コネクタ66、ねじ69および口金7を備える。なお、口金7は、上述した人感センサモジュール5の口金7と共通の仕様であり、互いに同様の構成である。
【0061】
ケース61は、通信基板62、無線通信部63およびコネクタ66を収容している。ケース61の材質は特に限定されず、たとえば金型成形に適した樹脂からなる。本実施形態においては、ケース61は、第1部611および第2部612からなる。
【0062】
第1部611は、ケース61のz方向における概ね半分を占める部位である。図示された例の第1部611は、
図18に示すように、円筒部5110、ねじ用円柱部6113、リブ6114および係合部6115を有する。
【0063】
円筒部6110は、第1部611のx方向一方側に設けられており、x方向視において円環状の部位である。円筒部6110は、カバー4のx方向における端部に取り付けられる。
【0064】
ねじ用円柱部6113は、z方向内方に向けて突出している。ねじ用円柱部6113は、雌ねじが形成された円筒状の部位である。ねじ用円柱部6113は、ねじ69と螺合する。
【0065】
リブ6114は、
図18に示すように、第1部611のx方向の端部からねじ用円柱部6113に向けて延びるように形成されており、z方向に突出している。係合部6115は、第1部611のx方向の端部に沿って形成されており、x方向視において半円環状である。係合部6115は、x方向を軸方向とした場合の径方向内方に突出している。
図18および
図20に示すように、円筒部6110の平坦部6116、凸部6117および傾斜部6118は、たとえば上述の平坦部5116、凸部5117および傾斜部5118と同様の構成である。
【0066】
第2部612は、第1部611とともにケース61をなす部位であり、ケース61のz方向における概ね半分を占める。図示された例の第2部612は、開口6121、壁部6122、係合部6124、爪部6125およびねじ用円柱部6126を有する。
【0067】
開口6121は、
図16、
図19および
図21に示すように、第1部611をz方向に貫通しており、無線通信部63を外部に露出させるためのものである。壁部6122は、開口6121からz方向内方に延びており、無線通信部63に沿うように起立した部位である。
【0068】
爪部6125は、第2部612のx方向の端部に設けられており、z方向に突出した鉤状の部位である。
図20に示すように、爪部6125は、第1部611と第2部612とを組み合わせる際に、第1部611の円筒部6110に係合する。
【0069】
ねじ用円柱部6126は、z方向内方に向けて突出している。ねじ用円柱部6126は、z方向視において、第1部611のねじ用円柱部6113と一致する位置に設けられており、円筒形状の部位である。ねじ用円柱部6126は、ねじ69を挿通させる。
【0070】
係合部6124は、第2部612のx方向の端部に沿って形成されており、x方向視において半円環状である。係合部6124は、x方向を軸方向とした場合の径方向内方に突出している。係合部6124は、第1部611の係合部6115とともに、円環形状をなす部位である。
【0071】
また、
図20に示す支持部材固定部材619は、たとえば上述の支持部材固定部材519と同様の構成であり、支持部材1を無線通信モジュール6のケース61に固定するためのものである。
【0072】
通信基板62は、ケース61に収容されており、図示された例においては、第1部611に固定されている。通信基板62は、無線通信部63およびコネクタ66が搭載される。
【0073】
無線通信部63は、リモコン等を用いた使用者の操作指令を無線通信によって受信したり、LED照明装置A1の動作状態を送信したりするといった、無線通信を行うためのものである。無線通信部63の種類や動作原理は特に限定されず、たとえばBluetooth(登
録商標)を用いた近距離無線通信規格がその一例として挙げられる。
【0074】
図21に示すように、図示された無線通信部63は、内部基板631、複数の通信部品632およびカバー633を有する。内部基板631は、複数の通信部品632が搭載された配線基板である。また、内部基板631は、無線通信を行うためのアンテナをその一部に含んでいてもよい。複数の通信部品632は、無線通信を行うための無線通信回路を構成する部品である。カバー633は、内部基板631および複数の通信部品632を収容しており、これらを保護するためのものである。カバー633は、たとえば樹脂からなる。
【0075】
また、カバー633のz方向の高さは、開口6121のz方向の高さよりも若干低く又は略同一に設定されている。これにより、カバー633の表面が開口6121から突出することを回避し、カバー633が開口6121外の障害物等に干渉することを抑制することができる。
【0076】
コネクタ66は、たとえば無線通信モジュール6と電源部3とを電気的に接続するために用いられる。コネクタ66は、通信基板62に搭載されており、図示しないケーブルが接続される。このケーブルは、たとえば電源部3に接続される。
【0077】
ねじ69は、第1部611と第2部612とを固定するためのものである。図示された例においては、ねじ69は、第2部612のねじ用円柱部6126に挿通されて、第1部611のねじ用円柱部6113に螺合される。
【0078】
図20に示すように、ケース61に口金7を取り付ける際には、第1部611の係合部6115および第2部612の係合部6124が、係合部711に係合する。また、凹部712は、口金7がケース61に取り付けられた際に、
図18に示すリブ6114と係合する。
【0079】
<口金8>
口金8は、
図1および
図2に示すように、カバー4のx方向における人感センサモジュール5または無線通信モジュール6とは反対側の端部に取り付けられている。口金8は、口金7と対をなしており、LED照明装置A1をソケット等の給電部に取り付けるために用いられる。なお、LED照明装置A1が取り付けられる照明器具の仕様や、口金7および電源部3の仕様によっては、口金8は、ソケットへの機械的な取り付け機能のみを果たし、電気的な接続には寄与しない構成であってもよい。
【0080】
次に、LED照明装置A1の作用について説明する。
【0081】
本実施形態によれば、
図22に示すように、人感センサモジュール5および無線通信モジュール6のいずれかを、カバー4のx方向の端部に選択的に取り付けることができる。このため、支持部材1、LED2、電源部3、カバー4および口金8等の、人感センサモジュール5および無線通信モジュール6以外の構成要素を共通化し、第1モジュールおよび第2モジュールに相当する人感センサモジュール5および無線通信モジュール6のいずれかを取り付けることによって、機能が異なるLED照明装置A1をそれぞれに実現することが可能である。このため、共通化された支持部材1、LED2、電源部3、カバー4および口金8等と、人感センサモジュール5および無線通信モジュール6とを予め用意しておけば、それ以降は任意の組合せの組み立てを行うことにより、LED照明装置A1を製造することができる。したがって、LED照明装置A1の高機能化および多様化をより容易に実現することができる。なお、人感センサモジュール5および無線通信モジュール6のいずれかとカバー4とは、接着剤等を用いた固定であってもよいし、係合やねじ等を用いた脱着可能な構造であってもよい。
【0082】
人感センサモジュール5および無線通信モジュール6は、共通の仕様の口金7をそれぞれ有する。これにより、人体検出機能を果たす人感センサモジュール5と無線通信機能を果たす無線通信モジュール6といった、互いに異なる機能を果たすモジュールを、より効率よく構成することが可能である。これは、LED照明装置A1の製造効率の向上やコスト低減に好ましい。
【0083】
図9に示すように、人感センサモジュール5においては、ケース51にリブ5114が設けられており、
図8に示す口金7の口金本体71の凹部712がリブ5114と係合する。また、
図18に示すように、無線通信モジュール6においては、ケース61にリブ6114が設けられており、
図8に示す口金7の口金本体71の凹部712がリブ6114と係合する。これにより、口金7をケース51およびケース61のいずれに取り付けた場合であっても、口金7が人感センサモジュール5および無線通信モジュール6のいずれかに対して、不当に位置ずれすること(z方向周りに回転して取り付けてしまうこと)を回避することができる。
【0084】
図23は、本発明の他の実施形態を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
【0085】
<第2実施形態>
図23は、本発明の第2実施形態に係るLED照明装置A2を示す分解斜視図である。本実施形態のLED照明装置A2においては、互いに長さが異なるカバー4Aおよびカバー4Bが用意されており、いずれかが選択されて人感センサモジュール5に取り付けられる。なお、カバー4Aおよびカバー4Bは、人感センサモジュール5に限定されず、無線通信モジュール6等に取り付けられる構成であってもよい。
【0086】
カバー4Aとカバー4Bとは、互いの長さが異なっている。カバー4Aは、たとえば直管形蛍光灯の管長を示す型式である40形に相当し、カバー4Bは20形に相当する。また、本実施形態においては、カバー4Aおよびカバー4Bの長さに対応して、上述した支持部材1、LED基板21、複数の22および電源部3等が適宜構成されている。
【0087】
本実施形態によれば、人感センサモジュール5に取り付ける対象をカバー4Aおよびカバー4Bから選択することにより、同じ機能を有するLED照明装置A2であって、互いの長さが異なるLED照明装置A2をより容易に実現することができる。
【0088】
本発明に係るLED照明装置は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係るLED照明装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0089】
人感センサモジュール5および無線通信モジュール6は、本発明の第1モジュールおよび第2モジュールの一例である。本発明の第1モジュールおよび第2モジュールに機能や形状等は何ら限定されない。また、第1モジュールおよび第2モジュール以外の異なる機能を果たすモジュールがさらに選択可能である構成であってもよい。
【符号の説明】
【0090】
A1,A2:LED照明装置
1 :支持部材
2 :LED
3 :電源部
4,4A,4B:カバー
5 :人感センサモジュール(第1モジュール)
6 :無線通信モジュール(第2モジュール)
7,8 :口金
11 :主板部
12 :側板部
14 :保持部
15 :筒状部
21 :LED基板
31 :電源基板
32 :電源部品
33 :絶縁ケース
35 :電源基板固定部材
36 :ケーブル
51 :ケース
52 :センサ基板
53 :センサ部
54 :レンズ部
55 :インジケータ
56 :コネクタ
59 :ねじ
61 :ケース
62 :通信基板
63 :無線通信部
66 :コネクタ
69 :ねじ
71 :口金本体
72 :端子
351 :主板部
3511 :開口
3512 :凹部
352 :係合部
353 :厚肉部
3531 :挿通孔
511 :第1部
512 :第2部
519 :支持部材固定部材
611 :第1部
612 :第2部
619 :支持部材固定部材
631 :内部基板
632 :通信部品
633 :カバー
711 :係合部
712 :凹部
5110 :円筒部
5111,5112:開口
5113 :ねじ用円柱部
5114 :リブ
5115 :係合部
5116 :平坦部
5117 :凸部
5118 :傾斜部
5121 :爪部
5122 :ねじ用円柱部
5123 :係合部
6110 :円筒部
6113 :ねじ用円柱部
6114 :リブ
6115 :係合部
6116 :平坦部
6117 :凸部
6118 :傾斜部
6121 :開口
6122 :壁部
6124 :係合部
6125 :爪部
6126 :ねじ用円柱部