(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】電動車両の制御方法、及び、電動車両の制御装置
(51)【国際特許分類】
B60L 15/20 20060101AFI20240702BHJP
H02P 29/00 20160101ALI20240702BHJP
【FI】
B60L15/20 J
H02P29/00
(21)【出願番号】P 2018055660
(22)【出願日】2018-03-23
【審査請求日】2021-01-07
【審判番号】
【審判請求日】2022-07-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】菊地 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】藤原 健吾
【合議体】
【審判長】山本 信平
【審判官】青木 良憲
【審判官】河端 賢
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-158262(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 15/20
H02P 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両情報に応じたトルク指令値を算出し、該トルク指令値に応じてモータを制御する電動車両の制御方法であって、
前記車両情報に基づいて前記モータの出力トルクの目標値である第1トルク目標値を算出する第1トルク目標値算出ステップと、
前記第1トルク目標値と前記モータの回転数に基づいて前記トルク指令値を算出する制振制御ステップと、
前記トルク指令値に基づいて前記モータの出力するトルクを制御するモータトルク制御ステップと、を有し、
前記制振制御ステップは、
前記トルク指令値に基づいて推定される前記モータの回転数と測定により求められる前記モータの回転数との偏差に基づきフィードバック制御に用いる第2トルク目標値を算出する第2トルク目標値算出ステップと、
前記第2トルク目標値に対して所定の制限値を用いて制限した値を第3トルク目標値とする第3トルク目標値算出ステップと、
前記第1トルク目標値と前記第3トルク目標値とを加算することで前記トルク指令値を算出するトルク指令値算出ステップと、を有し、
前記制限値は、前記トルク指令値が前記第1トルク目標値と同じ符号となるような値であり、
前記第3トルク目標値算出ステップにおいて、前記第1トルク目標値の絶対値が、前記モータのトルクリプルの振幅と略等しい所定トルク値を下回る場合には、前記第2トルク目標値に対して前記制限値を用いた制限を中断し、絶対値がゼロよりも大きな所定値を用いて制限した値を前記第3トルク目標値とする、電動車両の制御方法。
【請求項2】
請求項1に記載の電動車両の制御方法であって、
前記第3トルク目標値算出ステップにおいて、前記第1トルク目標値の絶対値が前記所定トルク値を下回る場合には、前記制限値は、絶対値がゼロより大きな値が設定される、
電動車両の制御方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電動車両の制御方法であって、
前記所定トルク値は、前記モータの回転数が小さいほど、大きく設定される、電動車両の制御方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の電動車両の制御方法であって、
前記モータの回転数が所定回転数を上回る場合に、前記第3トルク目標値算出ステップにおいて、前記第2トルク目標値に対して前記制限値を用いて制限した値を第3トルク目標値とし、
前記モータの回転数が前記所定回転数を下回る場合に、前記第3トルク目標値算出ステップにおいて、前記第2トルク目標値に対して前記制限値を用いた制限を中断し、前記所定値を用いて制限した値を前記第3トルク目標値とする、電動車両の制御方法。
【請求項5】
請求項4に記載の電動車両の制御方法であって、
前記所定回転数は、前記モータのトルクがドライブシャフトに伝達されたときに生じる捻じれ振動周波数と、トルクリプル次数成分とが共振する回転数である、電動車両の制御方法。
【請求項6】
車両情報を取得するセンサと、駆動源であるモータと、前記モータを制御するコントローラと、を有する電動車両の制御装置であって、
前記コントローラは、
前記車両情報に基づいて前記モータの出力トルクの目標値である第1トルク目標値を算出し、
前記第1トルク目標値と前記モータの回転数に基づいてトルク指令値を算出する制振制御を行い、
前記トルク指令値に基づいて前記モータの出力するトルクを制御し、
前記制振制御において、
前記トルク指令値に基づいて推定される前記モータの回転数と測定により求められる前記モータの回転数との偏差に基づきフィードバック制御に用いる第2トルク目標値を算出し、
前記第2トルク目標値に対して所定の制限値を用いて制限した値を第3トルク目標値とし、
前記第1トルク目標値と前記第3トルク目標値とを加算することで前記トルク指令値を算出し、
前記トルク指令値に応じて前記モータを制御する制御装置であって、
前記制限値は、前記トルク指令値が前記第1トルク目標値と同じ符号となるような値であり、
前記第1トルク目標値の絶対値が、前記モータのトルクリプルの振幅と略等しい所定トルク値を下回る場合には、前記第2トルク目標値に
対して前記制限値を用いた制限を中断し、
絶対値がゼロよりも大きな所定値を用いて制限した値を前記第3トルク目標値とする、電動車両の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動車両の制御方法、及び、電動車両の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電動車両の制御方法の中には、アクセルペダルの操作量やモータの回転数などの車両情報に応じた第1トルク目標値を求めるとともに、モータ回転数の実値と推定値との差に応じてフィードバック成分である第2トルク目標値を求め、第1トルク目標値と第2トルク目標値との和をトルク指令値として用いてモータを制御するものが知られている。
【0003】
しかしながら、このような制御方法においては、第1トルク目標値が小さい場合において、車両が走行する路面の凹凸などの外乱によって第2トルク目標値が変動してしまい、トルク指令値の正負が反転して減速機において異音が発生するおそれがある。
【0004】
そこで、特許文献1に開示される技術によれば、第2トルク目標値を第1トルク目標値に応じた制限値(上限値及び下限値)により制限することにより、第1トルク目標値と第2トルク目標値との和が、第1トルク目標値と同じ符号になる。このようにすることで、トルク指令値の正負の反転が生じず、異音の発生の抑制が図られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、アクセルペダルが踏まれていない状態においてクリープ走行を行わずに停車するような車両においては、平坦路において第1トルク目標値がゼロになるので、第2トルク目標値もゼロになるように制限されてしまう。そのため、第1トルク目標値がゼロの場合には、フィードバック制御が行われないため、トルクリプルがモータ出力軸に発生してもそのリプルを抑制できない。トルクリプルに起因するトルクがドライブシャフトを介してタイヤに伝達されてしまい、モータ回転数の変動が生じてモータトルクが変動する。このモータトルク変動が電動車両に伝わると、乗員にとって不快な振動が発生してしまうという課題があった。
【0007】
本発明は、このような課題に着目してなされたものであり、モータトルクの変動の抑制を図る電動車両の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の電動車両の制御方法の一態様は、車両情報に応じたトルク指令値を算出し、該トルク指令値に応じてモータを制御する電動車両の制御方法である。電動車両の制御方法は、車両情報に基づいてモータの出力トルクの目標値である第1トルク目標値を算出する第1トルク目標値算出ステップと、モータの回転数に基づきフィードバック制御に用いる第2トルク目標値を算出する第2トルク目標値算出ステップと、制限値を第1トルク目標値に応じた値に設定し、第2トルク目標値とに基づいて第3トルク目標値を生成する第3トルク目標値算出ステップと、第1トルク目標値と第3トルク目標値とを加算することでトルク指令値を算出するトルク指令値算出ステップと、を有する。制限ステップにおいて、第1トルク目標値の絶対値が所定トルク値を下回る場合には、制限値の第1トルク目標値に応じた設定を中断する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、モータトルクの変動の抑制を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、第1実施形態の制御方法により制御される電動車両のブロック図である。
【
図2】
図2は、制振制御部とモータとを示すブロック図である。
【
図3】
図3は、駆動ねじり振動系の運動方程式を示す説明図である。
【
図4】
図4は、H(s)の特性を示すグラフである。
【
図5】
図5は、比較例の制振制御部とモータとを示すブロック図である。
【
図6】
図6は、トルク制限特性を示すグラフである。
【
図7】
図7は、比較例のトルク制限特性を示すグラフである。
【
図8A】
図8Aは、比較例におけるトルク指令値、回転数、及び、車両前後Gの関係を示すタイミングチャートである。
【
図8B】
図8Bは、本実施形態におけるトルク指令値、回転数、及び、車両前後Gの関係を示すタイミングチャートである。
【
図9】
図9は、第2実施形態の制振制御部とモータとを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0012】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態における電動車両100の概略構成図である。
【0013】
電動車両100は、アクセル開度センサ1、モータトルク設定部2、制振制御部3、モータトルク制御部4、モータ5、モータ回転角センサ6、駆動軸7、及び、駆動輪8、9を有する。
【0014】
アクセル開度センサ1は、電動車両100のユーザのアクセルペダル操作に応じたアクセル開度Aを検出するセンサであり、検出したアクセル開度Aを、モータトルク設定部2へ伝達する。
【0015】
モータトルク設定部2は、アクセル開度センサ1により検出されたアクセル開度Aと、後述のモータ回転角センサ6により検出される回転数yに基づいて、モータトルクの目標値である第1トルク目標値T*を求める。そして、モータトルク設定部2は、求めた第1トルク目標値T*を制振制御部3へと出力する。
【0016】
具体的な一例としては、モータトルク設定部2は、車両情報であるアクセル開度A、及び、回転数yと、理想トルク目標値Td
*とを対応させたマップを予め記憶している。モータトルク設定部2は、そのマップを用いて、入力されるアクセル開度A、及び、回転数yに対応する理想トルク目標値Td
*を読み出す。さらに、モータトルク設定部2は、読みだした理想トルク目標値Td
*に対して、後述の車両モデルにより求められるGm(s)/Gp(s)である伝達特性を有するフィルタ処理を行うことにより、第1トルク目標値T*を求める。
【0017】
なお、後に説明する通り、Gm(s)は、電動車両100における理想モデルにおいてトルク指令値を入力値としてモータ回転数を出力値とした伝達特性である。Gp(s)は、実際の車両モデルにおいてトルク指令値を入力値としてモータ回転数を出力値とした伝達特性である。
【0018】
また、他の例として、電動車両100は上位コントローラを有し、モータトルク設定部2ではなく上位コントローラが第1トルク目標値T*を定めてもよい。このような場合には、上位コントローラから第1トルク目標値T*が制振制御部3へと入力される。
【0019】
制振制御部3は、後に
図2を用いて説明するように、第1トルク目標値T
*と、回転数yとの入力に応じてモータトルク指令値T
'*を算出し、モータトルク指令値T
'*をモータトルク制御部4へと出力する。
【0020】
モータトルク制御部4は、モータ5の出力トルクがモータトルク指令値T'*に一致もしくは追従させるよう印加電圧を求め、求めた印加電圧をモータ5へ出力する。
【0021】
モータ5は、モータトルク制御部4からの印加電圧に応じてトルクを生成し、生成したトルクを駆動軸7を介して駆動輪8、9へと伝達させる。
【0022】
なお、モータトルク設定部2、制振制御部3、及び、モータトルク制御部4は、例えば1つ又は複数のマイクロコンピュータによってそれらの機能が実現されてもよい。このような場合には、マイクロコンピュータに記憶されているプログラムが実行されることで、制御が行われる。また、モータ5はインバータを備えており、インバータがモータトルク制御部4においてモータトルク指令値T'*に応じて生成されるPWM信号によって駆動されてもよい。
【0023】
図2は、制振制御部3を含む構成のブロック図である。
【0024】
制振制御部3は、第1トルク目標値T*の入力に応じてモータトルク指令値T'*を、加算器110に出力する。加算器110においては、外乱トルクdが入力され、モータトルク指令値T' *と外乱トルクdとの和が求められ、その和が指令値として制御ブロック120に対して出力される。制御ブロック120は、入力される指令値に応じて、モータ5の回転数yを出力する。
【0025】
制振制御部3は、モータ回転数推定ブロック30と、減算器31と、第2トルク目標値設定ブロック32と、第3トルク目標値設定ブロック33と、モータトルク指令値演算ブロック34とを有する。
【0026】
モータ回転数推定ブロック30は、第1トルク目標値T*に対してフィードバック成分である第3トルク目標値T3
*が加算されたモータトルク指令値T'*に対して伝達特性Gp(s)の処理を行い、回転数指令値y^を算出する。モータ回転数推定ブロック30は、回転数指令値y^を減算器31に出力する。
【0027】
減算器31は、モータ回転数推定ブロック30から出力される回転数指令値y^から、制御ブロック120から出力されるモータ回転数yとの偏差eを演算する。
【0028】
第2トルク目標値設定ブロック32は、減算器31で求められる偏差eに対して、伝達特性Gp(s)と伝達特性H(s)からなるH(s)/Gp(s)の処理を行い、第2トルク目標値T2
*を算出する。
【0029】
なお、伝達特性H(s)は、分母次数と分子次数との差分が、伝達特性Gp(s)の分母次数と分子次数との差分以上となるように設定されている。そのため、制御系の安定化を図ることができる。
【0030】
第3トルク目標値設定ブロック33は、第1トルク目標値T*に応じて、第2トルク目標値T2
*に対してトルク制限を行う。具体的には、第3トルク目標値設定ブロック33は、第2トルク目標値設定ブロック32から入力される第2トルク目標値T2
*に対して、制限値に基づく制限処理を行い、制限した目標値を第3トルク目標値T3
*としてモータトルク指令値演算ブロック34へと出力する。なお、制限値は、後述のように、第1トルク目標値T*に応じた値に設定されるとともに、一定の条件においては、第1トルク目標値T*に応じた値への設定が中断される。
【0031】
モータトルク指令値演算ブロック34は、加算器であって、第3トルク目標値設定ブロック33から出力される第3トルク目標値T3
*と、モータトルク設定部2により算出される第1トルク目標値T*とを加算して、モータトルク指令値T'*を算出する。モータトルク指令値演算ブロック34は、算出したモータトルク指令値T'*を、モータ回転数推定ブロック30、及び、加算器110に出力する。
【0032】
加算器110は、モータトルク指令値演算ブロック34にて算出されるモータトルク指令値T'*に対して、車両に生じる外乱トルクdを加算し、その加算値を制御ブロック120に出力する。
【0033】
制御ブロック120は、制振制御部3とモータ5とを制御しており、伝達関数(伝達特性)Gp(s)の特性を備えている。制御ブロック120は、加算器110において加算により求められた指令値の入力に対して、モータ5の回転数yを出力する。回転数yは、モータ回転角センサ6によって測定されて制振制御部3の減算器31へとフィードバック出力される。
【0034】
次に、電動車両100における、トルク指令値の入力に対する回転数yの出力の伝達特性を備えるモデルにより定められる伝達特性Gp(s)について説明する。
【0035】
図3は、電動車両100の駆動力伝達系をモデル化した図である。なお、これらの図面には以下のパラメータが示されている。
J
m:電動モータのイナーシャ
J
w:駆動輪のイナーシャ
M:車両の質量
K
D:駆動系の捻り剛性
K
T:タイヤと路面の摩擦に関する係数
N:オーバーオールギヤ比
r:タイヤの過重半径
ω
m:電動モータの角速度
T
m:モータのトルク
T
D:駆動輪のトルク
ω
w:駆動輪の角速度
F:車両に加えられる力
V:車両の速度
【0036】
これらのパラメータを用いれば、
図3の構成より以下の運動方程式が導かれる。
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
(1)~(5)式により、モータトルクTmから駆動軸ねじり角θまでの伝達特性は次式のように求められる。
【0043】
【0044】
ただし、(6)式における各パラメータは下記の通りである。
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
(6)式に示す伝達特性の極と零点を調べると、次の式の伝達特性に近似でき、その1つの極と1つの零点は極めて近い値を示す。これは、この式のαとβが極めて近い値を示すことに相当する。そのため、(6)式は、次の式のように示すことができる。
【0054】
【0055】
したがって、(15)式において極零相殺(α=βと近似する)を行うことにより、次の式に示すような、(2次)/(3次)の伝達特性Gp(s)を構成できる。
【0056】
【0057】
この(16)式で示される伝達特性Gp(s)をマイコン処理により実現するため、例えば(17)式を用いてz変換して離散化すると次の式が求められる。
【0058】
【0059】
ただし、Tは、サンプリング時間を示す。
【0060】
次に、バンドパスフィルタであるH(s)について
図4を用いて説明する。
【0061】
H(s)はバンドパスフィルタであるため、振動のみを低減するフィードバック要素となる。H(s)が
図4に示す特性を有することにより、振動低減の効果を高めることができる。すなわち、バンドパスフィルタH(s)は、ローパス側とハイパス側との減衰特性が一致し、且つ、駆動系のねじり共振周波数が、対数軸(logスケール)上で、通過帯域の中央部となるように設定されるのが好ましい。
【0062】
例えば、H(s)が一次のローパスフィルタとハイパスフィルタとで構成されると、H(s)は、Gp(s)のねじり共振角周波数をωpとすると、次の式のように示すことができる。
【0063】
【0064】
ここで、式(18)において、制振効果が最も高くなるkを求めるために、
図5に示すような制振制御部3’を含む構成について検討する。
【0065】
図5は、
図2に示した制振制御部3のブロック図と比較すると、第3トルク目標値設定ブロック33が削除されている。そのため、第2トルク目標値設定ブロック32から出力される第2トルク目標値T
2
*がそのままモータトルク指令値演算ブロック34へと出力される。このブロック図において、フィードバックトルクに起因する振動が発生しやすくなる状態として、第1トルク目標値T
*をゼロであると仮定して検討すると、次式(19)~(22)が導かれる。
【0066】
なお、以下では、ラプラス演算子は省略して記載する。
【0067】
【0068】
【0069】
【0070】
【0071】
式(22)を式(19)に代入すると、外乱トルクdに対するモータ回転数の応答は、次式により表される。
【0072】
【0073】
式(23)において、dからyへの伝達特性Gp(1-H(s))に、式(17)、(18)を代入すると、次式となる。
【0074】
【0075】
制振効果が高いことは、外乱トルクdにより振動を起こさないということを意味するので、2-k=2ξpとすれば、式(24)中の分母と分子が極零相殺されて、次式となり、振動を起こさない伝達特性となる。
【0076】
【0077】
以上より、制振効果が最も高くなるkは、次式により表される。
【0078】
【0079】
式(26)を式(18)に代入すると、H(s)は、次式により表される。
【0080】
【0081】
このようにして求められるG(s)、H(s)が、モータ回転数推定ブロック30、第2トルク目標値設定ブロック32、及び、制御ブロック120において用いられる。
【0082】
図6は、トルク制限特性を示す図である。このトルク制限特性は、
図2に示した第3トルク目標値設定ブロック33における処理に用いられる。
【0083】
所定トルクをTxとすると、第1トルク目標値T*が所定の-Txより小さい、または、+Txよりも大きい場合(T*<-Tx、+Tx<T*)には、上限値Thは第1トルク目標値T*の絶対値に設定され、下限値Tlは第1トルク目標値T*の絶対値を符号反転した負の値に設定される。すなわち、この領域においてはトルク制限に用いられる制限値は第1トルク目標値T*に応じた値に設定される。
【0084】
一方、第1トルク目標値T*が-Txより大きくかつ+Txよりも小さい場合(-Tx<T*<+Tx)には、上限値ThはTxに設定され、下限値Tlは-Txに設定される。すなわち、この領域においては制限値の第1トルク目標値T*に応じた値の設定が中断される。なお、本実施形態においては、制限値の第1トルク目標値T*に応じた値の設定が中断される場合には、制限値は絶対値が所定のTxに設定される例について説明したが、これに限らない。制限値は、絶対値がゼロよりも大きな値に設定されればよい。
【0085】
なお、Txは、モータ5のトルクリプル振幅と同等とすることが好ましい。このようなTxとすることにより、後述のように第1トルク目標値T*に応じた値の設定の中断を限定的にすることができる。なお、トルクリプルとは、例えば、モータ5において、磁石磁束と電流による磁束の相互作用により発生するトルク脈動であり、各機械角次数成分(24次、48次、96次)を含む周期外乱である。
【0086】
図2に示される第3トルク目標値設定ブロック33は、第2トルク目標値T
2
*が上限値T
h及び下限値T
lとの間の範囲にあるか否かを判定する。
【0087】
第2トルク目標値T2
*がトルク制限値の上限値Thと下限値Tlとの間の範囲にある場合には、第3トルク目標値設定ブロック33は、第2トルク目標値T2
*と同じ値を第3トルク目標値T3
*として出力する。
【0088】
第2トルク目標値T2
*がトルク制限値の上限値Thと下限値Tlとの間の範囲にない場合(T2
*<-Tl、+Th<T2
*)には、第2トルク目標値T2
*に対して上限値Thまたは下限値Tlにより制限する。具体的には、第2トルク目標値T2
*が上限値Thよりも大きい場合(+Th<T2
*)には、第3トルク目標値設定ブロック33は、上限値Thを第3トルク目標値T3
*として出力する。第2トルク目標値T2
*が下限値Tlよりも小さい場合(T2
*<-Tl)には、第3トルク目標値設定ブロック33は、下限値Tlを第3トルク目標値T3
*として出力する。
【0089】
以下では、本実施形態のように
図6に示されるトルク制限が行われることによる効果を説明する。
【0090】
図7は、比較例としてのトルク制限特性を示す図である。
【0091】
図7に示す比較例においては、第3トルク目標値設定ブロック33は、第1トルク目標値T
*によらず、第1トルク目標値T
*に応じた上限値T
h及び下限値T
lを設定し、第2トルク目標値T
2
*に対して上限値T
h及び下限値T
lにより制限する。上限値T
hは第1トルク目標値T
*の絶対値に設定され、下限値T
lは第1トルク目標値T
*の絶対値を符号反転した負の値に設定される。例えば、第1トルク目標値T
*がT
1a
*である場合には、トルク制限値の上限値はT
1aの絶対値の正の値(+|T
1a|)となり、トルク制限値の下限値はT
1aの絶対値の負の値(-|T
1a|)となる。
【0092】
この図に示される比較例は、
図6に示される本実施形態のトルク制限特性と比較すると、図中においてハッチングが付された領域である、第1トルク目標値T
*が-T
xより大きくかつ+T
xよりも小さい領域(-T
x<T
*<+T
x)において差異がある。この領域において、比較例では上限値T
hはT
xに設定され下限値T
lは-T
xに設定される、すなわち、制限値は第1トルク目標値T
*に応じた値に設定される。これに対して、本実施形態では、上限値T
h及び下限値T
lはそれぞれT
x、-T
xであり、第1トルク目標値T
*に応じた値の設定が中断される。
【0093】
比較例のトルク制限特性により、トルク目標値は以下のような値となる。例えば、第1トルク目標値T*が負の値であり、第2トルク目標値T2
*が第1トルク目標値T*の絶対値より大きい正の場合について検討する。このような場合には、第3トルク目標値T3
*は第1トルク目標値T*の絶対値に制限されるため、第1トルク目標値T*と第3トルク目標値T3
*との和は正とならず、その和が第1トルク目標値T*と符号が異なることはない。
【0094】
すなわち、このような比較例の制限により、第3トルク目標値T
3
*の絶対値は、第1トルク目標値T
*の絶対値よりも小さい。これにより、
図2に示すモータトルク指令値演算ブロック34の前後において、第1トルク目標値T
*とモータトルク指令値T
'*との符号が同じになる。したがって、モータ5にて発生するトルクの向きは、モータトルク指令値T
'*と第1トルク目標値T
*とで同一方向となる。そのため、回転方向とは逆方向の回転トルクの発生が抑制されるので、ギアの歯あわせに起因する騒音を低減することができる。
【0095】
しかしながら比較例においては、電動車両100が平坦路においてクリープ走行せずに停車する場合などにおいては、第1トルク目標値T
*がゼロであるため振動を抑制する第2トルク目標値T
2
*も小さいため、
図7に示すトルク制限が行われてしまうと、第3トルク目標値設定ブロック33から出力される第3トルク目標値T
3
*はゼロに制限されてしまう。そのため、フィードバック制御が有効に機能せず、仮に電動車両100においてトルクリプルが発生してしまうと、リプルを抑制できない。
【0096】
これに対して本実施形態においては、
図6に示すトルク制限が行われるので、第1トルク目標値T
*がゼロであり第2トルク目標値T
2
*が比較的小さい値である場合には、第1トルク目標値T
*に応じた制限値の設定が中断され、制限値は、絶対値がゼロよりも大きな所定のT
xに設定される。そのため、第2トルク目標値T
2
*が制限値による制限がされた値である第3トルク目標値T
3
*はゼロとならないので、フィードバック制御が機能し、トルクリプルを抑制することができる。
【0097】
以下では、本実施形態により導出される効果について、シミュレーション結果を用いて説明する。
【0098】
図8Aは、比較例における場合を示し、
図8Bは、本実施形態における場合を示している。
【0099】
図8A、
図8Bのそれぞれにおいては、上からトルク指令値、モータ5の回転数、及び、電動車両100における前後Gが経時的に示されている。
図1に示されるような電動車両100の場合は、トルクリプルは回転数依存性があり、ドライブシャフトの捻じれ共振と同期する。
【0100】
図8Aに示されるように、比較例においては、フィードバック制御が抑制されるのでモータトルク指令値が脈動しながら変化して、回転数や前後Gに示す通り脈動幅の大きな振動が発生される。これに対して、
図8Bに示される本実施形態においては、フィードバック制御が機能してモータトルク指令値の脈動幅が小さくなるため、振動の発生を抑制できる。さらに、
図6における所定トルクT
xは、モータ5のトルクリプル振幅と同等とされているので、トルクリプルが発生する場合には、フィードバック制御に必要な範囲において、第1トルク目標値T
*に応じた制限値の設定が中断される。したがって、必要なフィードバック制御が行われるので、トルクリプルの振動抑制効果を向上させることができる。
【0101】
第1実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
【0102】
第1実施形態の車両の制御方法によれば、第3トルク目標値設定ブロック33は、フィードバック制御に用いる第2トルク目標値T
2
*に対してトルク制限を行う。そして、モータトルク指令値演算ブロック34において、第1トルク目標値T
*と、トルク制限がされた第2トルク目標値T
2
*である第3トルク目標値T
3
*とが加算されて、その加算値がモータ5の制御に用いられる。第3トルク目標値設定ブロック33においては、
図6に示されるように、第1トルク目標値T
*の絶対値が所定トルクT
xを上回る場合には、上限値T
h及び下限値T
lは第1トルク目標値T
*に応じた値に設定されるが、第1トルク目標値T
*の絶対値が所定トルクT
xを下回る場合には、上限値T
h及び下限値T
lの第1トルク目標値T
*に応じた値の設定を中断する。
【0103】
このようにすることで、停車中などに第1トルク目標値T*がゼロとなる場合には、制限値(上限値Th及び下限値Tl)の第1トルク目標値T*に応じた値の設定が中断される。そのため、第2トルク目標値T2
*が第1トルク目標値T*に応じてゼロにまで制限されることはない。これにより、第1トルク目標値T*がゼロの場合であってもフィードバック制御が行われるので、トルクリプルを抑制することができる。
【0104】
第1実施形態の車両の制御方法によれば、第1トルク目標値T*の絶対値が所定トルクTxを下回る場合には、絶対値がゼロより大きな制限値(上限値Th及び下限値Tl)を設定する。
【0105】
このようにすることで、第1トルク目標値T*がゼロとなる場合であっても、制限値(上限値Th及び下限値Tl)がゼロとならず、第3トルク目標値T3
*がゼロにならない。これにより、第1トルク目標値T*がゼロの場合であってもフィードバック制御が機能するので、トルクリプルを抑制することができる。
【0106】
第1実施形態の車両の制御方法によれば、所定トルクTxは、電動車両100において発生するトルクリプルの振幅と略等しい。ここで、第1トルク目標値T*がある領域(-Tx<T*<Tx)にある場合には、上限値Th及び下限値Tlの第1トルク目標値T*に応じた値の設定が中断されるため、この領域においてはフィードバック制御が機能する。そこで、所定トルクTxをトルクリプルの振幅と略等しくすることにより、トルクリプルが発生する領域(-Tx<T*<Tx)において、上限値Th及び下限値Tlの第1トルク目標値T*に応じた値の設定が中断されるので、フィードバック制御が行われる。このようにすることで、トルクリプルを抑制することができる。
【0107】
また、トルクリプル以上の振動が発生する場合には、制限値は第1トルク目標値T*に応じた値となるので、比較例と同様に、モータトルク指令値T'*と第1トルク目標値T*との符号が同じとなり同一回転方向となる。そのため、逆回転方向のトルクの発生が抑制されるので、ギアの歯あわせに起因する騒音を低減することができる。
【0108】
(第2実施形態)
第1実施形態においては、
図6に示されるように制限値の第1トルク目標値T
*に応じた値の設定が中断される閾値である所定トルクT
xが固定されている例について説明した。本実施形態においては、所定トルクT
xが可変である例について説明する。
【0109】
図9は、第2実施形態の制振制御部3を含む構成のブロック図である。
【0110】
本実施形態においては、
図2に示される第1実施形態の構成と比較すると、制御ブロック120から出力される回転数yが第3トルク目標値設定ブロック33に入力される点が異なる。
【0111】
第3トルク目標値設定ブロック33は、回転数yの大きさに応じて、
図6に示されるようなトルク制限特性を用いる場合と、
図7に示されるような制限値の設定が行われる場合とを切り替える。
【0112】
ここで、モータ5の低回転領域においては、ドライブシャフトとトルクリプル次数成分の共振によりトルクリプルの振動が発生しやすい。また、回転数変動が小さいことから回転数検出手段であるモータ回転角センサ6において検出誤差があった場合の振動的なトルク脈動は小さくなる。なお、モータ回転角センサ6における誤差としては、例えば、比較的安価であり一般的にモータの角度検出手段に用いられるレゾルバにおいては角度検出誤差が生じてしまうので、このレゾルバにて検出されたた角度を変換して回転数を検出する場合に発生してしまう誤差が考えられる。
【0113】
回転数yが所定回転数よりも小さい場合には、低回転領域であると判断できる。そこで、第3トルク目標値設定ブロック33が、
図6に示されたトルク制限特性を用いてトルク制限を行うことで、制限値の第1トルク目標値T
*に応じた値の設定が中断されるので、フィードバック制御によってトルクリプルを抑制できる。
【0114】
回転数yが所定回転数よりも大きい場合には、高回転領域であると判断できる。高回転領域においては、トルクリプルの共振の発生頻度は極めて低いが、回転数変動が大きいことからモータ回転角センサ6の検出誤差に起因する振動的なトルク脈動が発生しやすい。そこで、第3トルク目標値設定ブロック33が
図7に示されたトルク制限を行うことで、制限値が第1トルク目標値T
*に応じた値に設定され、振動的なトルク脈動を抑制できる。
【0115】
なお、所定回転数は、モータトルクがドライブシャフトに伝達される時に生じる捻じれ周波数とトルクリプル次数成分が共振する回転数に設定される。このように設定することで、回転数yが所定回転数よりも低く、共振に起因するトルクリプルの発生するおそれが高い場合にだけ、
図6に示されるような第1トルク目標値T
*に応じた制限値の設定が中断されるので、フィードバック制御が行われて、トルクリプルの振動を抑制することができる。一方、回転数yが所定回転数よりも高く、振動的なトルク脈動が大きい場合には、
図7に示されたトルク制限特性のように制限値が第1トルク目標値T
*に応じた値に設定され、振動的なトルク脈動が抑制される。
【0116】
また、所定の値は、可変における状態遷移はヒステリシスや傾きを持たせても良い。
【0117】
第2実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
【0118】
第2実施形態の電動車両の制御方法によれば、第3トルク目標値設定ブロック33は、回転数yが所定回転数よりも小さい場合には、低回転領域であり共振に起因するトルクリプルが発生しやすいので、
図6に示されるように第2トルク目標値T
2
*がゼロに近い場合には制限値の第1トルク目標値T
*に応じた値の設定が中断されので、フィードバック制御によってトルクリプルを抑制することができる。
【0119】
これに対して、回転数yが所定回転数よりも大きい場合には、モータ回転角センサ6の検出誤差に起因して比較的大きな振動的なトルク脈動が発生する。そのため、
図7のトルク制限特性によるトルク制限を行いフィードバック制御が制限されても、モータ回転角センサ6における検出誤差に起因する振動的なトルク脈動を抑制できる。
【0120】
このように、低回転領域では、制限値の第1トルク目標値T*に応じた値の設定を中断することでフィードバック制御を実行することができるので、トルクリプルを抑制できる。これに対して、高回転領域では、第1トルク目標値T*に応じた制限値を用いたトルク制限を行っても、モータ回転角センサ6の検出誤差に起因する比較的大きな振動的なトルク脈動の発生を抑制することができる。このように、選択的に制御を切り替えることで電動車両100に発生する前後Gを効率よく抑制することができる。
【0121】
第2実施形態の電動車両の制御方法によれば、第3トルク目標値設定ブロック33は、
図6と
図7のトルク制限の切り替えに用いる閾値である所定回転数として、モータ5のトルクがドライブシャフトに伝達されたときに生じる捻じれ振動周波数と、トルクリプル次数成分とが共振する回転数を設定する。
【0122】
このように設定することにより、共振するおそれが高い場合には、
図7に示されたトルク制限を行うことでトルクリプルの振動を抑制することができる。一方、共振するおそれが低い場合には、
図6に示されたトルク制限を行うことで、モータ回転角センサ6の検出誤差に起因する振動的なトルク脈動の発生を抑制することができる。
【0123】
(変形例)
第2実施形態においては、
図6と
図7とに示されるトルク制限特性が切り替えられる例について説明した。本変形例においては、さらに、所定トルクT
xが可変に構成される例について説明する。
【0124】
本変形例においては、第3トルク目標値設定ブロック33は、回転数yが大きくなるほど所定トルクTxを小さくし、回転数yが小さくなるほど所定トルクTxを大きくする。
【0125】
回転数yが小さい場合には、低回転領域でありトルクリプルが発生しやすいので、トルクリプルがフィードバック制御により抑制されやすくなるように、所定トルクTxを大きくすることで、第1トルク目標値T*に応じた制限値の設定が中断される領域を広くする。これに対して、回転数yが大きい場合には、高回転領域でありトルクリプルが発生しにくいので、所定トルクTxを小さくして、第1トルク目標値T*に応じた制限値の設定が中断される領域を狭くすることで、振動的なトルク脈動の発生を抑制する。
【0126】
本変形例によれば、以下の効果を得ることができる。
【0127】
本変形例によれば、第3トルク目標値設定ブロック33は、回転数yが大きくなるほど所定トルクTxを小さくし、回転数yが小さくなるほど所定トルクTxを大きくする。
【0128】
このように設定されることにより、回転数yが小さく、低回転領域でありトルクリプルが発生しやすい場合には、所定トルクTxを大きくして制限値の第1トルク目標値T*に応じた値の設定の中断をされやすくする。これにより、トルクリプルがフィードバック制御により抑制されやすくなる。これに対して、高回転領域でありトルクリプルが発生しにくい回転数yが大きい場合には、所定トルクTxを小さくして制限値の第1トルク目標値T*に応じた値の設定の中断がされにくくすることで、トルク制限が行われて、第1トルク目標値と第2トルク目標値との和が、第1トルク目標値と同じ符号になるため、異音の発生を抑制することができる。
【0129】
回転数yに応じて、トルクリプルの発生頻度を考慮して、トルクリプルを抑制するフィードバック制御が行われる領域を変更するように、所定トルクTxを変化させる。このようにして、第1トルク目標値T*に応じた値の制限値の設定が中断される領域を変更することにより、トルクリプルの発生頻度が比較的高い場合にトルクリプルを抑制しやすくなる。
【0130】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。また、上記実施形態は、適宜組み合わせ可能である。
【符号の説明】
【0131】
1 アクセル開度センサ
2 モータトルク設定部
3、3' 制振制御部
4 モータトルク制御部
5 モータ
6 モータ回転角センサ
7 駆動軸
8、9 駆動輪
30 モータ回転数推定ブロック
31 減算器
32 第2トルク目標値設定ブロック
33 第3トルク目標値設定ブロック
34 モータトルク指令値演算ブロック
36 ブロック
100 電動車両
110 加算器
120 制御ブロック