特許 7513377 運転支援システム

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2024-07-01

(45)【発行日】2024-07-09

(54)【発明の名称】運転支援システム

(51)【国際特許分類】

   G08G 1/16 20060101AFI20240702BHJP

   G01C 23/00 20060101ALI20240702BHJP

【ＦＩ】

G08G1/16 D

G01C23/00 R

G08G1/16 C

【請求項の数】 3

(21)【出願番号】P 2019094361

(22)【出願日】2019-05-20

(65)【公開番号】P2020190799

(43)【公開日】2020-11-26

【審査請求日】2022-04-15

(73)【特許権者】

【識別番号】501418498

【氏名又は名称】矢崎エナジーシステム株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100083806

【弁理士】

【氏名又は名称】三好 秀和

(74)【代理人】

【識別番号】100101247

【弁理士】

【氏名又は名称】高橋 俊一

(74)【代理人】

【識別番号】100095500

【弁理士】

【氏名又は名称】伊藤 正和

(74)【代理人】

【識別番号】100098327

【弁理士】

【氏名又は名称】高松 俊雄

(72)【発明者】

【氏名】山本 理恵

【審査官】白石 剛史

(56)【参考文献】

【文献】特開２００６－２５２１４８（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開平０６－０５８７９６（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２００２－１６３７５０（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２００８－０３３６１７（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２００５－３０８５３６（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０１１－１０８１７５（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０１９－００８７７７（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開平１１－０９１４６９（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０１５－１９４９３８（ＪＰ，Ａ）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ｇ０８Ｇ １／１６

Ｇ０１Ｃ ２３／００

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

車両の前方を撮影する撮影手段と、
前記車両全体の車両重量、車外の降雨状況、及び前記車外の気温を取得する走行環境情報取得手段と、
前記撮影手段により撮影した画像に基づいて、前記車両前方の道路上または道路近傍に配された路面標示または法定外表示を識別する路面標示等識別手段と、
前記路面標示等識別手段による識別結果と、前記走行環境情報取得手段によって取得された前記車両重量、前記車外の降雨状況、及び前記車外の気温とに基づいて、報知するタイミングを設定する報知タイミング設定手段と、
該報知タイミング設定手段によって設定されたタイミングで、前記車両の運転者に前記路面標示または前記法定外表示の内容に対応した報知を行う報知手段と
を備え、
前記報知タイミング設定手段は、前記車両重量、前記車外の降雨状況、及び前記車外の気温に基づいて前記車両の制動距離を算出すると共に、該制動距離に基づいて前記報知タイミングを設定することを特徴とする運転支援システム。

【請求項2】

前記法定外表示は、道路上に記された「止まれ」または「とまれ」の文字であり、
前記法定外表示の内容に対応した報知は、前記車両の運転者に停車を促す報知であることを特徴とする請求項１に記載の運転支援システム。

【請求項3】

前記走行環境情報取得手段、前記路面標示等識別手段、前記報知タイミング設定手段および前記報知手段は、前記車両に搭載されて、該車両の走行状態に関する情報として、時刻と、各時刻の車速および走行距離を含む運行データを記録可能なデジタルタコグラフで構成されることを特徴とする請求項１又は２に記載の運転支援システム。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、運転支援システムに関する。

【背景技術】

【0002】

従来から、道路上にペイントされた「止まれ」等の路面標示や法定外表示を認識して、周辺視認装置の作動切替などを行う運転支援装置に関する技術が提案されている（例えば、特許文献１参照）。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【文献】特開２００２－２１９９９８号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

ところが、従来の運転支援装置では、車両の先頭部に設けたラインセンサ等で路面標示等を検出しているので、部品点数が増えてコストが嵩むという不都合があった。

【0005】

さらに、車両のラジエータ等の前端部に周辺視認装置を設ける必要があり、構造が複雑となり、また部品点数も増えるため、よりコストアップとなるという問題があった。

【0006】

また、車両重量や雨天等の車両の走行環境によって、車両の制動距離は変化するが、従来の運転支援装置では、このような走行環境を勘案した報知等を行うことはできなかった。

【0007】

本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、より簡易な構成で路面標示等を識別できると共に、走行環境を勘案した報知を行うことができる運転支援システムを提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0008】

上記目的を達成するため、本発明に係る運転支援システムは、車両の前方を撮影する撮影手段と、前記車両の走行環境に関する情報を取得する走行環境情報取得手段と、前記撮影手段により撮影した画像に基づいて、前記車両前方の道路上または道路近傍に配された路面標示または法定外表示を識別する路面標示等識別手段と、前記路面標示等識別手段による識別結果と、前記走行環境情報取得手段によって取得された前記車両の走行環境に関する情報とに基づいて、報知するタイミングを設定する報知タイミング設定手段と、該報知タイミング設定手段によって設定されたタイミングで、前記車両の運転者に前記路面標示または前記法定外表示の内容に対応した報知を行う報知手段とを備えることを要旨とする。

【発明の効果】

【0009】

本発明によれば、より簡易な構成で路面標示等を識別できると共に、走行環境を勘案した報知を行うことができる運転支援システムを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【0010】

【図1】実施の形態に係る運転支援システムの機能構成を示す機能ブロック図である。

【図2】実施の形態に係る運転支援システムに適用されるデジタルタコグラフの構成例を示すブロック図である。

【図3】実施の形態に係る運転支援システムの使用例を示す説明図である。

【図4】実施の形態に係る運転支援システムで実行される報知処理の理手順を示すフローチャートである。

【図5】実施の形態に係る運転支援システムによる報知例を示す説明図である。

【発明を実施するための形態】

【0011】

図１～図５を参照して、本発明の実施の形態に係る運転支援システムＳ１について説明する。

【0012】

（運転支援システムの機能構成等）
図１および図２を参照して、本実施の形態に係る運転支援システムＳ１の機能構成について説明する。
ここで、図１は、実施の形態に係る運転支援システムＳ１の機能構成を示す機能ブロック図、図２は、運転支援システムＳ１に適用されるデジタルタコグラフＤＴ１の構成例を示すブロック図である。

【0013】

図１に示すように、本実施の形態に係る運転支援システムＳ１は、車両Ｖの前方を撮影する車載カメラで構成される撮影手段５０と、車両Ｖの走行環境に関する情報を取得する走行環境情報取得手段１０１と、車載カメラ５０により撮影した画像に基づいて、車両前方の道路上または道路近傍に配された路面標示または法定外表示（例えば、「止まれ」や「とまれ」等の法定外表示など）２００（図３参照））を識別する路面標示等識別手段１０２と、路面標示等識別手段１０２による識別結果と、走行環境情報取得手段１０１によって取得された車両Ｖの走行環境に関する情報とに基づいて、報知するタイミングを設定する報知タイミング設定手段１０３と、報知タイミング設定手段１０３によって設定されたタイミングで、車両Ｖの運転者に路面標示等２００の内容に対応した報知（例えば、車両Ｖの運転者に停車を促す報知等）を音声または表示により行う報知手段（スピーカ２０４，表示器２０５）とから構成されている。

【0014】

なお、路面標示等識別手段１０２は、例えば、車載カメラ５０で撮影した画像と、予め格納した路面標示等のパターンデータとの照合によって、「止まれ」や「とまれ」等の路面標示等を識別することができる。

【0015】

また、走行環境情報取得手段１０１は、例えば、図３に示すように道路Ｒに設置（例えば、埋設）されて車両重量を測定する車両重量測定手段（ＬＩ機器：Ｌｏａｄ Ｉｎｄｉｃａｔｏｒ、積載重量計）５００と、車両Ｖに搭載されて、車両重量測定手段５００から出力される測定結果を受信するワイヤレス方式または有線方式の受信手段２４とから構成することができる。この場合には、報知タイミング設定手段１０３は、測定された車両重量に基づいて車両の制動距離を算出すると共に、この制動距離に基づいて報知タイミングを設定するようにできる。

【0016】

より具体的には、一般的に車両Ｖの重量が重い程、制動距離が延びる関係にあることから、例えば、車両重量と制動距離との関係を予めテーブルデータ化して格納し、測定した車両重量に対応する制動距離をテーブルデータから読み出すことにより、求めるべき制動距離を導き出すことができる。

【0017】

そして、制動距離を車速で割ることにより停止するまでの時間が算出されるので、この時間により報知タイミングを設定することができる。即ち、車両重量が比較的重い場合には、例えば「停止標示があります。減速して停止してください。」等のメッセージを早目に表示したり、音声報知するようにできる。

【0018】

また、逆に車両重量が比較的軽い場合には、例えば「停止標示があります。減速して停止してください。」等のメッセージを若干遅目に表示したり、音声報知するようにできる。

【0019】

また、走行環境情報取得手段１０１は、車外の降雨を検知する降雨検知手段ＳＮ１で構成するようにしてもよい。より具体的には、降雨検知手段ＳＮ１は、ワイパー信号の検知器や雨滴センサ等で構成することができる。例えば、ワイパー信号の検知器で構成する場合には、ワイパー信号がオンの場合に、雨が降っていると判定することができる。

【0020】

そして、一般的に、道路Ｒの表面が降雨で濡れると車両Ｖの制動距離が延びる関係にあることから、例えば、降雨量と制動距離との関係を予めテーブルデータ化して格納し、測定した降雨状況に対応する制動距離をテーブルデータから読み出すことにより、求めるべき制動距離を導き出すことができる。

【0021】

これにより、制動距離を車速で割ることにより停止するまでの時間が算出されるので、この時間により報知タイミングを設定することができる。即ち、降雨量が比較的多い場合には、例えば「停止標示があります。雨量が多いのでスリップに気を付けて減速し、停止してください。」等のメッセージを早目に表示したり、音声報知するようにできる。

【0022】

また、逆に降雨量が比較的少ない場合には、例えば「停止標示があります。少し雨が降っていますので気を付けて減速し、停止してください。」等のメッセージを若干遅目に表示したり、音声報知するようにできる。
また、走行環境情報取得手段１０１は、車外の気温を検知する気温検知手段（温度センサ）ＳＮ２で構成するようにしてもよい。

【0023】

そして、報知タイミング設定手段１０３は、気温検知手段ＳＮ２の検知結果に基づいて車両Ｖの制動距離を算出すると共に、この制動距離に基づいて報知タイミングを設定するようにできる。

【0024】

より具体的には、外気温が氷点下の場合には、道路Ｒの表面が凍結したり、雪が積もる場合が想定され、このような道路状況では制動距離が延びる関係にあることから、例えば、道路凍結状態と制動距離との関係を予めテーブルデータ化して格納し、測定した外気温に対応する制動距離をテーブルデータから読み出すことにより、求めるべき制動距離を導き出すことができる。

【0025】

そして、制動距離を車速で割ることにより停止するまでの時間が算出されるので、この時間により報知タイミングを設定することができる。即ち、外気温が氷点下の場合には、例えば「停止標示があります。道路が凍結している恐れがありますので、スリップに気を付けて減速し、停止してください。」等のメッセージを早目に表示したり、音声報知するようにできる。

【0026】

また、逆に外気温が比較的高い場合には、例えば「停止標示があります。減速して停止してください。」等のメッセージを若干遅目に表示したり、音声報知するようにできる。

【0027】

ここで、走行環境情報取得手段１０１、路面標示等識別手段１０２、報知タイミング設定手段１０３および報知手段（スピーカ２０４，表示器２０５）は、車両Ｖに搭載されて、車両Ｖの走行状態に関する情報として、時刻と、各時刻の車速および走行距離を含む運行データを記録可能な車載器としてのデジタルタコグラフＤＴ１で構成することができる。

【0028】

（デジタルタコグラフの構成例）
図２を参照して、デジタルタコグラフＤＴ１の構成例について説明する。
図２は、デジタルタコグラフＤＴ１の概略構成を示す正面図である。
図２に示す車載器としてのデジタルタコグラフＤＴ１は、例えば業務用車両等に搭載され、エンジン回転数オーバ、急発進、急加速、急減速等の運転状態を表す運転データを含む運行データを時刻毎に記録するものである。

【0029】

図２に示すデジタルタコグラフＤＴ１は、ＣＰＵ１１、速度／エンジン回転数Ｉ／Ｆ１２、外部入力Ｉ／Ｆ１３、センサ入力Ｉ／Ｆ１４、ＧＰＳ受信部１５、ＣＡＮ＿Ｉ／Ｆ１６、記録部１７、カードＩ／Ｆ１８、音声Ｉ／Ｆ１９、スピーカ２０４、ＲＴＣ（時計ＩＣ）２１、出庫／入庫ボタンＳＷ入力部２２、表示コントローラ２３、通信部２４、電源部２５、メモリ２６、ＬＥＤ表示部２７及び陸送ＯＮ／ＯＦＦボタンＳＷ入力部３１を有している。

【0030】

ＣＰＵ１１は、マイクロコンピュータ等により構成される制御部であり、プログラムに従ってデジタルタコグラフＤＴ１の全体を制御する。ＣＰＵ１１が実行するプログラムや制御に必要な定数等のデータはメモリ２６上に保持されている。メモリ２６は不揮発性であり、データの読み出しおよび書き込みが可能である。

【0031】

記録部１７は、データの読み出しおよび書き込みが可能な不揮発性のメモリであり、外部入力Ｉ／Ｆ１３に接続される撮影手段としての車載カメラ５０から入力される映像データの記録、運行データの記録および保持のために利用される。

【0032】

また、記録部１７には、過去に走行した運転履歴のデータも履歴テーブル１７ａとして保持されている。この履歴テーブル１７ａには、場所、速度、エンジン回転数、及び燃費が登録されている。

【0033】

カードＩ／Ｆ（インタフェース）１８は、所定の規格に適合するメモリカードをＣＰＵ１１に接続するためのインタフェースであり、メモリカードを着脱自在に保持するカードスロットを備えている。このカードＩ／Ｆ１８には、業務用車両を運転する各乗務員が所持している所定のメモリカード５５が装着される。このメモリカード５５は、不揮発性のメモリを内蔵しており、各乗務員を特定するための番号などが登録された状態で使用される。

【0034】

音声Ｉ／Ｆ１９は、疑似音声信号を合成して出力するためのインタフェースであり、ＣＰＵ１１の制御により様々なメッセージに対応する音声信号を出力することができる。音声Ｉ／Ｆ１９の出力には報知手段としてのスピーカ２０４が接続されている。

【0035】

ＲＴＣ（リアルタイムクロック）２１は、所定のクロックパルスを常時計数することにより、現在時刻の情報を把握している。また、ＲＴＣ２１はタイマ機能も有している。ＣＰＵ１１は、ＲＴＣ２１を制御することにより、現在時刻の情報を取得したり、タイマを利用することができる。

【0036】

出庫／入庫ボタンＳＷ入力部２２には、出庫／入庫ボタンのＯＮ／ＯＦＦ信号が入力される。したがって、ＣＰＵ１１は、出庫／入庫ボタンＳＷ入力部２２を介して出庫／入庫ボタンのＯＮ／ＯＦＦ状態を監視し、自車両が出庫／入庫のいずれの状態であるかを把握できる。
表示コントローラ２３は、報知手段としての表示器２０５の表示内容を制御する。表示器２０５は、例えば、液晶表示装置や有機ＥＬ表示装置等で構成される。

【0037】

ＬＥＤ表示部２０３は、複数のＬＥＤ（発光ダイオード）を内蔵し、ＣＰＵ１１の制御により各ＬＥＤを点灯、消灯、または点滅し、通信や動作の状態を表示することができる。
陸送ＯＮ／ＯＦＦボタンＳＷ入力部３１は、乗務員または作業者等により操作され、手動操作による陸送モードのオンオフ切り替えに使用される。

【0038】

速度／エンジン回転Ｉ／Ｆ１２には、車速センサやエンジン回転数センサからそれぞれ速度パルスや回転パルスが入力される。速度／エンジン回転数Ｉ／Ｆ１２は、入力された信号をＣＰＵ１１の処理に適した信号に変換する。

【0039】

センサ入力Ｉ／Ｆ１４は、様々なセンサをＣＰＵ１１に接続するためのインタフェースである。センサ入力Ｉ／Ｆ１４の入力には、エンジン温度を検知する温度センサ、燃料量を検知する燃料センサ、車両に加わる衝撃（Ｇ値）を感知するＧセンサ、ウインカＳＷ等の信号が入力される。

【0040】

ＧＰＳ受信部１５は、複数のＧＰＳ（Global Positioning System）衛星からの電波をＧＰＳアンテナ１５ａで受信し、所定の計算処理を行って受信信号から車両の現在位置を表す緯度、経度の情報を取得する。

【0041】

ＣＡＮ＿Ｉ／Ｆ１６は、ＣＡＮ（Controller Area Network）規格の通信ネットワークと接続するためのインタフェースである。ＣＰＵ１１は、車両上の通信ネットワークに接続されている様々な機器との間でＣＡＮ＿Ｉ／Ｆ１６を介して通信できる。実際には、速度、エンジン回転数、燃料量等の各種データの通信が行われる。

【0042】

受信手段としての通信部２４は、所定の無線通信インタフェースを内蔵しており、車両Ｖの外部との間で無線通信回線を利用してデータ通信を行うことができる。

【0043】

電源部２５は、車両のバッテリーなどから供給される電力に基づき、ＣＰＵ１１等が動作するために必要な安定した電圧（例えば＋５［Ｖ］）を生成し、イグニッションスイッチがオンの時にデジタルタコグラフＤＴ１の各回路に電力を供給するようになっている。

【0044】

（運転支援システムの使用例）
図３を参照して、本実施の形態に係る運転支援システムＳ１の使用例について説明する。
図３は、実施の形態に係る運転支援システムＳ１の使用例を示す説明図である。
図３に示すように、道路Ｒの交差点Ｃ付近には、横断歩道２０２、停止線２０１および「止まれ」の路面標示等２００が白色の塗料等によって記されている。

【0045】

ここで、「止まれ」等の法定外表示は、法律（道交法等）で定められていない表示を意味しており、一時停止の交通標識等の実効性を高めるための表示とされている。

【0046】

したがって、「止まれ」等の法定外表示自体には、車両を停車させる法的効力は無いが、交通事故防止のために、運転者等は、このような「止まれ」等の法定外表示を視認した際には注意を払って、停車させることが望ましい。

【0047】

本実施の形態に係る運転支援システムＳ１によれば、自動的に「止まれ」等の法定外表示を識別すると共に、車両重量や降雨状況等の走行環境を勘案した報知を行って、運転者の安全運転を支援することができる。
図３において、符号１５０は、撮影手段としての車載カメラ５０の撮影範囲を示している。

【0048】

また、道路Ｒの「止まれ」の路面標示等２００の手前には、車両重量測定手段として、ＬＩ機器（Ｌｏａｄ Ｉｎｄｉｃａｔｏｒ、積載重量計）５００が埋設等により設置されている。
これにより、「止まれ」の路面標示等２００に到達する前に、車両Ｖの車重を測定することができ、上述のように車重を勘案した報知を行うことができる。

【0049】

（報知処理）
図４および図５を参照して、本実施の形態に係る運転支援システムＳ１で実行される報知処理の処理手順について説明する。
ここで、図４は、運転支援システムＳ１で実行される報知処理の理手順を示すフローチャート、図５は、運転支援システムＳ１による報知例を示す説明図である。

【0050】

まず、ステップＳ１０１では、車載カメラ５０で撮影した画像に基づいて「止まれ」の路面標示等２００が有るか否かが判定される。そして、「Ｎｏ」の場合には待機し、「Ｙｅｓ」の場合にはステップＳ１０２に移行する。

【0051】

ステップＳ１０２では、車両重量測定手段（ＬＩ機器）５００によって測定された車重の測定値が設定重量以上であるか否かが判定され、「Ｎｏ」の場合にはステップＳ１０５に移行する。

【0052】

ステップＳ１０５では、ワイパー信号に基づいて、降雨が有るか否かが判定（例えば、ワイパー信号がオンの場合は降雨有り、オフの場合には降雨無し、と判定）され、「Ｎｏ」の場合には、初期値の警報（例えば、図５に示すような『「止まれ」標示を検知しました。減速して停車して下さい。』等のメッセージの表示および音声による報知）を行って処理を終了する。
また、ステップＳ１０５で「Ｙｅｓ」と判定された場合には、ステップＳ１０６に移行する。
ステップＳ１０６では、温度センサＳＮ２の検出結果が「０℃」以下であるか否かが判定され、「Ｎｏ」の場合にはステップＳ１０８に移行する。

【0053】

ステップＳ１０８では、降雨有りに該当する警報（例えば、「停止標示があります。雨が降っていますので気を付けて減速し、停止してください。」等のメッセージの表示および音声による報知）を行って処理を終了する。

【0054】

また、ステップＳ１０６で、「Ｙｅｓ」と判定された場合にはステップＳ１０９に移行して、降雪有りに該当する警報（例えば、「停止標示があります。雪が降っていますのでスリップに気を付けて減速し、停止してください。」等のメッセージの表示および音声による報知）を行って処理を終了する。
一方、ステップＳ１０２で「Ｙｅｓ」と判定された場合には、ステップＳ１０３に移行する。

【0055】

ステップＳ１０３では、ワイパー信号に基づいて、降雨が有るか否かが判定され、「Ｎｏ」の場合には、ステップＳ１１０に移行して、重量設定値以上に該当する警報（例えば、『「止まれ」標示を検知しました。車重が大きいので注意して減速し、停車して下さい。』等のメッセージの表示および音声による報知）を行って処理を終了する。

【0056】

また、ステップＳ１０３で「Ｙｅｓ」の場合には、ステップＳ１０４に移行して、温度センサＳＮ２の検出結果が「０℃」以下であるか否かが判定され、「Ｎｏ」の場合にはステップＳ１１１に移行する。

【0057】

ステップＳ１１１では、重量設定値以上で降雨有りに該当する警報（例えば、「停止標示があります。雨が降っています。車重も大きいのでスリップ等に気を付けて減速し、停止してください。」等のメッセージの表示および音声による報知）を行って処理を終了する。
また、ステップＳ１０４で、「Ｙｅｓ」と判定された場合には、ステップＳ１１２に移行する。

【0058】

ステップＳ１１２では、重量設定値以上で降雪有りに該当する警報（例えば、『「止まれ」標示を検知しました。雪が降っています。車重も大きいのでスリップ等に注意して減速し、停車して下さい。』等のメッセージの表示および音声による報知）を行って処理を終了する。

【0059】

以上述べたように、本実施の形態に係る運転支援システムＳ１によれば、より簡易な構成で路面標示等を識別できると共に、走行環境を勘案した報知を行うことができ、安全運転の向上に寄与することができる。

【0060】

以上、本発明の運転支援システムを図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置き換えることができる。

【符号の説明】

【0061】

Ｓ１…運転支援システム
ＤＴ１…デジタルタコグラフ（車載器）
Ｖ…車両
ＳＮ１…降雨検知手段
ＳＮ２…気温検知手段（温度センサ）
２４…受信手段（通信部）
５０…撮影手段（車載カメラ）
１０１…走行環境情報取得手段
１０２…路面標示等識別手段
１０３…報知タイミング設定手段
２００…路面表示等
２０４…スピーカ（報知手段）
２０５…表示器（報知手段）
５００…車両重量測定手段（積載重量計）

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】