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特許7513384固体酸化物燃料電池効率を向上させるシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】固体酸化物燃料電池効率を向上させるシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04 20160101AFI20240702BHJP
   H01M 8/04014 20160101ALI20240702BHJP
   H01M 8/04082 20160101ALI20240702BHJP
   H01M 8/04746 20160101ALI20240702BHJP
   H01M 8/0606 20160101ALI20240702BHJP
   H01M 8/12 20160101ALI20240702BHJP
【FI】
H01M8/04 J
H01M8/04014
H01M8/04082
H01M8/04746
H01M8/0606
H01M8/12 101
【請求項の数】 6
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019216762
(22)【出願日】2019-11-29
(65)【公開番号】P2020109746
(43)【公開日】2020-07-16
【審査請求日】2022-11-09
(31)【優先権主張番号】16/237,787
(32)【優先日】2019-01-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 晋平
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】マリアン・イー・マータ
(72)【発明者】
【氏名】チェラッパ・バラン
(72)【発明者】
【氏名】ティナ・ストイア
(72)【発明者】
【氏名】シャイレシュ・アトレヤ
【審査官】藤森 一真
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/026037(WO,A1)
【文献】特開2004-207241(JP,A)
【文献】国際公開第2014/115502(WO,A1)
【文献】特開2004-022230(JP,A)
【文献】特開2016-015318(JP,A)
【文献】特開2013-211107(JP,A)
【文献】特開2015-201266(JP,A)
【文献】特開2004-063341(JP,A)
【文献】特表2016-524303(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/04 - 8/0668
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体酸化物燃料電池(SOFC)効率を向上させるシステム(100)であって、前記システム(100)は、
一連のSOFCスタック(101)と、
前記一連のSOFCスタック(101)を通る燃料流路(102)と、
前記一連のSOFCスタック(101)を通る空気流路(104)と、を備え、
前記一連のSOFCスタック(101)の2つの連続するSOFCスタック(106)間では、
前記燃料流路(102)において、前記2つの連続するSOFCスタック(106)の第1SOFCスタック(110)から出力された排出燃料(108)が前記2つの連続するSOFCスタック(106)の第2SOFCスタック(112)内に入力され、
前記空気流路(104)において、前記第1SOFCスタック(110)から出力された排出空気(114)は前記第2SOFCスタック(112)に入力され、
前記燃料流路(102)は、前記2つの連続するSOFCスタック(106)間の前記燃料流路(102)内に燃料(118)を注入するために配置された燃料入口(116)を備え
前記2つの連続するSOFCスタック(106)間において、前記燃料流路(102)は、(i)前記燃料入口(116)によって注入された前記燃料(118)と、(ii)前記第1SOFCスタック(110)から出力された前記排出燃料(108)とを備える燃料混合物(122)を改質する燃料改質器(130)をさらに備え、
前記燃料流路(102)および前記空気流路(104)は、前記2つの連続するSOFCスタック(106)間で、前記燃料流路(102)からの燃料と前記空気流路(104)からの空気とが混合しないように別個の経路であり、
前記燃料流路(102)および前記空気流路(104)は、前記燃料改質器(130)によって実行される改質反応に熱(132)を供給するために前記空気流路(104)と前記燃料流路(102)との間で前記熱(132)が伝達されるように、共同設置および配置されており、
前記2つの連続するSOFCスタック(106)間で、前記燃料改質器(130)の下流において、前記空気流路(104)は、前記空気流路(104)に空気(126)を注入するための空気入口(124)を含む、システム(100)。
【請求項2】
前記燃料改質器(130)は水蒸気改質器を含む、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項3】
前記2つの連続するSOFCスタック(106)間で、前記燃料流路(102)は、前記燃料改質器(130)が改質する前記燃料混合物(122)を混合する燃料ミキサ(134)をさらに備える、請求項1または2に記載のシステム(100)。
【請求項4】
前記2つの連続するSOFCスタック(106)間で、前記空気流路(104)は、(i)前記空気入口(124)によって注入された前記空気(126)と、(ii)前記第1SOFCスタック(110)から出力された前記排出空気(114)とを含む空気混合物(128)を混合する空気ミキサ(136)をさらに備える、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム(100)。
【請求項5】
前記一連のSOFCスタック(101)は、前記一連のSOFCスタック(101)内で順次最初に配置された初期SOFCスタック(120)を備え、前記システム(100)は、前記燃料流路(102)の一部として、
初期燃料入力(140)を受け入れ、前記初期燃料入力(140)を改質し、次いで前記初期SOFCスタック(120)内に前記初期燃料入力(140)を供給する初期燃料改質器(138)をさらに備える、請求項1から4のいずれか一項に記載のシステム(100)。
【請求項6】
一連の固体酸化物燃料電池(SOFC)スタックを動作させる方法(200)であって、前記一連のSOFCスタック(101)は、前記一連のSOFCスタック(101)を通る燃料流路(102)と、前記一連のSOFCスタック(101)を通る空気流路(104)とを含み、前記方法は、
前記一連のSOFCスタック(101)内の2つの連続するSOFCスタック(106)の間で、
前記燃料流路(102)において、前記2つの連続するSOFCスタック(106)の第1SOFCスタック(110)から出力された排出燃料(108)を前記2つの連続するSOFCスタック(106)の第2SOFCスタック(112)内に送達するステップ(202)と、
前記空気流路(104)において、前記第1SOFCスタック(110)から出力された排出空気(114)を前記第2SOFCスタック(112)内に送達するステップ(204)と、
前記2つの連続するSOFCスタック(106)間の前記燃料流路(102)内に燃料(118)を注入するステップ(206)と
前記2つの連続するSOFCスタック(106)間で、燃料改質器(130)によって、(i)前記燃料(118)と、(ii)前記第1SOFCスタック(110)から出力された前記排出燃料(108)とを含む燃料混合物(122)を改質するステップ(208)と、
前記2つの連続するSOFCスタック(106)間で、前記改質するステップの後に、前記排出空気(114)に空気(126)を注入するステップと、
を備え
前記燃料流路(102)および前記空気流路(104)は、前記2つの連続するSOFCスタック(106)間で、前記燃料流路(102)からの燃料と前記空気流路(104)からの空気とが混合しないように別個の経路であり、
前記燃料流路(102)および前記空気流路(104)は、前記燃料改質器(130)によって実行される改質反応に熱(132)を供給するために前記空気流路(104)と前記燃料流路(102)との間で前記熱(132)が伝達されるように、共同設置および配置されている、方法(200)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、燃料電池システムに関し、より具体的には、SOFCシステムの効率を向上するために固体酸化物燃料電池(SOFC)スタックを直列にステージングすることに関する。
【背景技術】
【0002】
固体酸化物燃料電池(SOFC)などの電気機械燃料電池は、電気を発生するために入ってくる燃料および酸化剤のストリーム間に電気化学反応を生じることによって、動作する。個別に、各電気機械燃料電池は、比較的少量の電気を発生する。したがって、所望の量の電気を発生するために、個々の電気機械燃料電池は通常、直列に配置されて燃料電池「スタック」を形成する。燃料電池スタックは、航空機またはその他のビークル上など、様々な状況で利用することができる。
【0003】
SOFC技術は、華氏1020度(°F)から1900°Fなどの高温で動作し、酸化剤および燃料のフローは、SOFCスタック内に導入される前に動作温度まで加熱される必要がある。従来、入ってくるストリームの中の使用可能な燃料および酸素/空気の全てがSOFCスタック内の1回の通過で電気化学的に反応できるわけではない。SOFCシステムが追加エネルギーを引き出すために、通常は未使用の燃料を酸素/空気と共に燃焼して有用な熱を発生するか、または各ストリームが別々に再循環してスタックに戻ることができる。未使用の燃料と未使用の酸素の燃焼は、燃料の電気化学的反応よりも効率が悪い。
【0004】
燃料および/または空気循環を有する既存のSOFCシステムは通常、大型のSOFCスタックと、1つ以上のリサイクルブロワまたは排出燃料をSOFCスタック内に再循環させるように動作する類似の装置とを含む。しかしながら、既存のSOFCシステム内の再循環およびリサイクルブロワは通常、中温または高温で動作し、望み通りには動作しない。したがって、既存のSOFCシステムは通常、入ってくるストリームをより低い温度に冷却し、その後入ってくるストリームがリサイクルブロワ内を通過し、次いでSOFC動作温度まで加熱される、熱交換器も含む。これは既存のSOFCシステムに複雑さと重量を追加し、航空機または重量が主要な考慮事項であるその他のシナリオにとってこれは望ましくない場合がある。
【0005】
必要なのは、より軽量かつ複雑さが少ない、効率的で信頼性の高いSOFCシステムである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
一例において、SOFC効率を向上させるシステムが記載される。システムは、一連のSOFCスタックと、一連のSOFCスタックを通る燃料流路と、一連のSOFCスタックを通る空気流路とを備える。一連のSOFCスタック内の2つの連続するSOFCスタックの間では、燃料流路において、2つの連続するSOFCスタックの第1SOFCスタックから出力された排出燃料が2つの連続するSOFCスタックの第2SOFCスタック内に入力され、空気流路において、第1SOFCスタックから出力された排出空気は第2SOFCスタックに入力され、燃料流路は、2つの連続するSOFCスタック間の燃料流路内に燃料を注入するために配置された燃料入口を備える。
【0007】
別の例では、SOFC効率を向上させるシステムが記載される。システムは、一連のSOFCスタックと、一連のSOFCスタックを通る燃料流路と、一連のSOFCスタックを通る空気流路とを備える。一連のSOFCスタック内の2つの連続するSOFCスタックの間では、燃料流路において、2つの連続するSOFCスタックの第1SOFCスタックから出力された排出燃料が2つの連続するSOFCスタックの第2SOFCスタック内に入力され、空気流路において、第1SOFCスタックから出力された排出空気は第2SOFCスタックに入力され、空気流路は、2つの連続するSOFCスタック間の空気流路内に空気を注入するために配置された空気入口を備える。
【0008】
別の例では、一連のSOFCスタックを動作させる方法が記載される。一連のSOFCスタックは、一連のSOFCスタックを通る燃料流路と、一連のSOFCスタックを通る空気流路とを含む。方法は、一連のSOFCスタック内の2つの連続するSOFCスタックの間で、燃料流路において、2つの連続するSOFCスタックの第1SOFCスタックから出力された排出燃料を2つの連続するSOFCスタックの第2SOFCスタック内に送達するステップと、空気流路において、第1SOFCスタックから出力された排出空気を第2SOFCスタック内に送達するステップと、2つの連続するSOFCスタック間の燃料流路内に燃料を注入するステップと、を備える。
【0009】
別の例では、一連のSOFCスタックを動作させる方法が記載される。一連のSOFCスタックは、一連のSOFCスタックを通る燃料流路と、一連のSOFCスタックを通る空気流路とを含む。方法は、一連のSOFCスタック内の2つの連続するSOFCスタックの間で、燃料流路において、2つの連続するSOFCスタックの第1SOFCスタックから出力された排出燃料を2つの連続するSOFCスタックの第2SOFCスタック内に送達するステップと、空気流路において、第1SOFCスタックから出力された排出空気を第2SOFCスタック内に送達するステップと、2つの連続するSOFCスタック間の空気流路内に空気を注入するステップと、を備える。
【0010】
説明された形状、機能、および利点は、様々な例において独立して達成されることが可能であり、さらに別の例と組み合わせられてもよい。例のさらなる詳細は、以下の説明および図面を参照するとわかる。
【0011】
説明的な例の特徴と考えられる新規な形態は、添付請求項に明記される。しかしながら、説明的な例は、好適な使用態様、さらなる目的、ならびにその説明と同様に、添付図面と併せて読まれたときに本開示の説明的な例の以下の詳細な説明を参照して、最もよく理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実装例による、一連のSOFCスタックと、一連のSOFCスタックの2つの連続するSOFCスタック間に配置された燃料入口とを含むシステムの例を示す図である。
図2】実装例による、図1の2つの連続するSOFCスタック間に配置された空気入口を示す図である。
図3】実装例による、図1の2つの連続するSOFCスタック間に配置された燃料入口および空気入口を示す図である。
図4】実装例による、図1の2つの連続するSOFCスタック間に配置された燃料入口、空気入口、および燃料改質器を示す図である。
図5】実装例による、2つの連続するSOFCスタック間に配置された燃料入口、空気入口、燃料改質器、燃料ミキサ、および空気ミキサを示す図である。
図6】実装例による、図1の一連のSOFCスタックの初期SOFCスタック、ならびに初期SOFCスタックの手前に配置された初期燃料改質器および熱交換器を示す図である。
図7】実装例による、図1の一連のSOFCスタックのSOFCスタック間に配置された様々なコンポーネントを示す図である。
図8】実装例による、一連のSOFCスタックを動作する例示的方法のフローチャートである。
図9】実装例による、図8の方法と共に使用する例示的方法のフローチャートである。
図10】実装例による、図8の方法と共に使用する別の例示的方法のフローチャートである。
図11】実装例による、図8の方法と共に使用する別の例示的方法のフローチャートである。
図12】実装例による、図11の方法と共に使用する別の例示的方法のフローチャートである。
図13】実装例による、図8の方法と共に使用する別の例示的方法のフローチャートである。
図14】実装例による、一連のSOFCスタックを動作する別の例示的方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、開示される例の全てではなく一部のみが示されている添付図面を参照して、開示される例がより完全に記載される。実際、いくつかの異なる例が記載されてもよいが、本明細書に明記される例に限定されると解釈されるべきではない。むしろこれらの例は、本開示が徹底的で完全となり、本開示の範囲を当業者に完全に伝えるように、記載されるものである。
【0014】
本明細書で使用される用語「実質的に」、「約」、および「およそ」とは、引用された特徴、パラメータ、または値は正確に実現される必要がなく、たとえば公差、測定誤差、測定精度の限界および当業者にとって周知のその他の要因を含む、偏差または変動が、この特徴が提供しようとする効果を不可能にしない量で生じる可能性があるということを、意味する。
【0015】
別途明記されない限り、図面に示される要素は必ずしも縮尺通りではない。
【0016】
例の中で、SOFCシステムに関する方法およびシステムが記載される。特に、開示されるSOFCシステムは、既存のSOFCシステムから重量および複雑さを低減しながら、信頼性および効率を向上させることができる。既存のSOFCシステムのようにリサイクルブロワを使用して単一のより大きいSOFCスタックから同じSOFCスタック内に戻すように排出燃料を再循環させるのではなく、開示されるSOFCシステムは、複数のより小さいSOFCスタックを直列に配列することを伴い、直列の初期SOFCスタックを例外として、各SOFCスタックは、前のSOFCスタックの出力を取り込むように構成されている。加えて、一連のものに沿った1つ以上の箇所で、後続のSOFCスタックを反応させるために所与のSOFCスタックからの排出燃料に燃料が追加され、および/または前のSOFCスタックから出力された前に反応した空気を冷却するために空気が追加される。そのため、開示されるSOFCシステムは、他の方法の場合と同様に、リサイクルブロワの必要性を排除することによって、重量および複雑さを低減することができる。
【0017】
本明細書では、主にSOFCスタックを参照して例示的なシステムが記載されるが、他の実施例では、他のタイプの燃料電池スタックがSOFCスタックの代わりに使用され得ることを、理解すべきである。このようなスタックの例は、他の可能性の中でも、リン酸燃料電池スタック、固体酸燃料電池スタック、または溶融炭酸塩燃料電池スタックを含む。
【0018】
ここで図を参照すると、図1は、SOFC効率を向上させるシステム100の例である。システム100は、一連のSOFCスタック101と、一連のSOFCスタック101を通る燃料流路102と、一連のSOFCスタック101を通る空気流路104とを含む。一連のSOFCスタック101内の2つの連続するSOFCスタック106間の燃料流路102では、2つの連続するSOFCスタック106の第1SOFCスタック110から出力された排出燃料108が、2つの連続するSOFCスタック106の第2SOFCスタック112内に入力される。2つの連続するSOFCスタック106間の空気流路104では、第1SOFCスタック110から出力された排出空気114が、第2SOFCスタック112内に入力される。さらに、2つの連続するSOFCスタック106間の燃料流路102はまた、2つの連続するSOFCスタック106間の燃料流路102内に燃料118を注入するために配置された燃料入口116も含む。
【0019】
図示されるように、一連のSOFCスタック101は3つのSOFCスタック、すなわち第1SOFCスタック110と、第2SOFCスタック112と、一連のSOFCスタック101内で順次最初に配置される初期SOFCスタック120とを含む。代替例では、一連のSOFCスタック101は、より多くのまたは少ないSOFCスタックを含むことができる。たとえば、場合により、6つ、7つ、または8つのSOFCスタックを含む一連のSOFCスタックは、6つ未満のSOFCスタックを有する一連のSOFCスタックよりもさらに高いSOFCシステム効率をもたらすことができる。SOFCスタックの最適な数は様々である。
【0020】
一連のSOFCスタック101の各SOFCスタック、すなわち第1SOFCスタック110、第2SOFCスタック112、および初期SOFCスタック120の各々は、直列または別の方法で組み立てられた複数の接続されたSOFCを含む。さらに、SOFCスタックの各SOFCは、アノード、カソード、および電解質を含み、各SOFCは、燃料が酸化される電気化学反応を通じて電気を発生するように構成されている。たとえば、水素を含む流入燃料はSOFCのアノード側に入力され、1つ以上の酸化剤(たとえば、酸素、または別の酸化剤)を含む流入空気はSOFCのカソード側に入力される。電解質(すなわち、固体酸化物電解質)は、負の酸素イオンをカソードからアノードに誘導する。アノード側では、酸素イオンはその後、流入燃料からの水素で電気化学的に酸化され、こうして電気、排熱、および蒸気を生成する。各SOFCは個別に比較的少量の電気を生成し得るので、SOFCは通常、スタックとして配置される。
【0021】
燃料流路102は、一連のSOFCスタック101の各SOFCスタック内、および一連のSOFCスタック101のSOFCスタック間の両方に、物理的経路(たとえば、管、入口、出口、および/またはその他の構造)を含み、これを通じて燃料、排出燃料、水、および/またはその他の要素が流れる。
【0022】
空気流路104は、一連のSOFCスタック101の各SOFCスタック内、および一連のSOFCスタック101のSOFCスタック間の両方に、物理的経路を含み、これを通じて空気、排出空気、水、および/またはその他の要素が流れる。実際には、燃料流路102および空気流路104は別個の経路であり、任意の2つの連続するSOFCスタック(たとえば、2つの連続するSOFCスタック106)の間で、燃料流路102からの燃料および空気流路104からの空気が混合しないように、設計および配置されている。
【0023】
2つの連続するSOFCスタック106は、一連のSOFCスタック101の2つの連続するSOFCスタックの代表例である。本明細書で使用される際に、用語「2つの連続するSOFCスタック」は、一連のSOFCスタック101内の所与の対の連続するSOFCスタックを指し、所与の対の連続するSOFCスタックの1つのSOFCスタックは、所与の対の連続するSOFCスタックの他方のSOFCスタックに順次先行する。したがって、初期SOFCスタック120および第1SOFCスタック110は、2つの連続するSOFCスタックの別の例である。さらに、2つの連続するSOFCスタック間で配置および発生するものとして本明細書に記載されるコンポーネントおよび関連する動作は、単一の対のSOFCスタックに限定されない。たとえば、第1SOFCスタック110と第2SOFCスタック112との間に配置された燃料入口116に加えて、またはその代わりに、別の燃料入口(図示せず)が初期SOFCスタック120と第1SOFCスタック110との間に配置され得る。
【0024】
排出燃料108は、蒸気、炭化水素、および水素を含む、液体および気体で構成されている。排出燃料108はまた、一酸化炭素、窒素、および/またはその他の元素または化合物を含むこともできる。
【0025】
排出空気114は、蒸気、酸素、窒素、一酸化炭素、および地球の大気中に自然発生するその他の元素を含む、液体および気体で構成されている。
【0026】
燃料入口116は、燃料118が燃料入口116を通じて燃料流路102内に注入され得るように構成された、パイプまたはその他の構造を含む。
【0027】
燃料118は、水素および少なくとも1つのタイプの炭化水素を含む、液体および/または気体状燃料である。燃料118は「新鮮な」燃料であり、すなわちこれはSOFCによって変更されていない、排出燃料108とは異なる供給源からの燃料であり、燃料流路102に追加の水素および炭化水素を供給する。さらに、燃料118は、(i)第2SOFCスタック112内の電気化学のために直接使用されるため(すなわち、燃料118を最初に改質することなく)、または(ii)燃料118を第2SOFCスタック112内で電気化学的に反応できる成分に分解するために改質されるために、システム100内に導入される。
【0028】
動作中、燃料入口116によって注入された燃料118はその後、燃料118および排出燃料108で構成された燃料混合物122を作成するために、第1SOFCスタック110から出力された排出燃料108と混合される。たとえば、排出燃料108は燃料流路102の管を通って移動することができ、燃料118は管の中に注入されることが可能であり、これによって排出燃料108の液体および気体を管内の燃料118の液体および気体と混合させる。次いで燃料混合物122は、第2SOFCスタック112に侵入し、そこで第2SOFCスタック112は電気化学反応を実行するために燃料混合物122を使用することができる。したがって、燃料混合物122は、第2SOFCスタック112用の流入燃料である。燃料混合物122は、排出燃料108と、燃料118からの追加の水素および炭化水素を含む。
【0029】
第1SOFCスタック110、第2SOFCスタック112、および初期SOFCスタック120などのSOFCスタックは、SOFCスタックに入力される十分な反応物水素またはその他の反応物燃料(すなわち、メタン、一酸化炭素など)、SOFCスタックに入力される十分な反応物酸素、および電流が移動する負荷経路がある限り、ならびにSOFCスタック内への流入燃料および流入空気が各々適切な温度である限り、電気を発生することができる。本明細書で使用される際に、用語「適切な温度」は、SOFCスタックが電気化学反応を最適に実行するように構成された動作温度範囲内、またはその境界に実質的に近い温度を指す。動作温度範囲の例は、摂氏650から1000度(℃)の範囲であり得る。適切な温度は、個々のSOFCスタック設計に依存し得る。
【0030】
SOFCの効率、ひいてはSOFCスタックの効率は、一般に、反応物濃度の上昇と共に向上する。したがって、2つの連続するSOFCスタック106間に燃料118を追加することで、第2SOFCスタック112内で引き続き発生する電気化学反応により多くの反応物(この場合、より多くの燃料)を供給するのに役立ち、これによって第2SOFCスタック112の、ひいてはシステム100の効率を向上させる。加えて、燃料118は排出燃料108よりも低温であり得るので、燃料118を追加することで、燃料流路102内の温度を、第2SOFCスタック112が電気化学反応を実行するのに適切な温度まで低下させるのに役立つ可能性がある。
【0031】
ここで図2を参照すると、燃料入口116を含む2つの連続するSOFCスタック106間の燃料流路102の代わりに、2つの連続するSOFCスタック106間の空気流路104が、空気流路104内に空気126を注入するために配置された空気入口124を含むシステム100の例が示されている。
【0032】
空気入口124は、空気126が空気入口124を通じて空気流路104内に注入され得るように構成された、パイプまたはその他の構造を含む。
【0033】
空気126は、窒素、一酸化炭素、および地球の大気中に自然発生するその他の元素を含む。空気126は「新鮮な」空気であり、すなわちこれは、所望の温度(たとえば、排出空気114よりも低い温度)に、および/またはシステム100内への導入のためのその他の所望の条件になるように処理される、排出空気114とは異なる供給源からの、周囲空気である。
【0034】
動作中、空気入口124によって注入された空気126はその後、空気126および排出空気114から構成された空気混合物128を作成するために、2つの連続するSOFCスタック106の第1SOFCスタック110から出力された排出空気114と混合される。次いで、空気混合物128は第2SOFCスタック112に侵入し、そこで第2SOFCスタック112は電気化学反応を実行するために空気混合物128を使用することができる。したがって、空気混合物128は、第2SOFCスタック112用の流入空気である。空気混合物128は、排出空気114、ならびに空気126からの追加の酸素およびその他の元素を含む。
【0035】
SOFCスタック内の電気化学反応に空気が使用されるとき、使用可能な酸素の一部が消費され、追加の排熱が追加される。このため、第1SOFCスタック110を離れる排出空気114は通常、所望されるよりも高い温度および低い酸素パーセンテージを有することになる。さらに、SOFCスタックの効率は、一般に、反応物濃度の上昇と共に向上する。したがって、2つの連続するSOFCスタック106間に空気126を追加することで、第2SOFCスタック112内で引き続き発生する電気化学反応により多くの反応物(この場合、より多くの酸素)を供給するのに役立ち、これによって第2SOFCスタック112の、ひいてはシステム100の効率を向上させる。加えて、空気126は排出空気114よりも低温であり得るので、空気126を追加することで、空気流路104内の温度を適切な温度まで低下させるのに役立つ可能性がある。
【0036】
図1に示されるような燃料入口116または図2に示されるような空気入口124のどちらを使用してシステム100を実現するかは、どちらもシステム100の動作における効率を提供し得るので、用途依存であり得る。たとえば、いくつかの状況では、システム100に対して体積制限が課される可能性がある。体積制限は、用途依存、ビークル依存、またはその他何らかの条件に基づく可能性がある。いくつかの実施形態では、システム100は、2つの連続するSOFCスタック106間に図1の燃料入口116または図2の空気入口124のいずれかを含むことによって、体積制限を満たすことができる。しかしながら、次に図3に示される実施形態などの別の実施形態では、システム100は、2つの連続するSOFCスタック106間に燃料入口116および空気入口124の両方を含み、依然として体積制限を満たすことができる。
【0037】
ここで図3を参照すると、2つの連続するSOFCスタック106間で、燃料流路102が燃料入口116を含み、空気流路104が空気入口124を含むシステム100の例が示されている。
【0038】
燃料流路102に燃料118を追加して空気流路104に空気126を追加することで、第2SOFCスタック112内で発生する電気化学反応により多くの反応物、この場合はより多くの燃料およびより多くの酸素の両方を供給するのに役立ち、これによってシステム100の効率を向上させる。加えて、燃料118は排出燃料108よりも低温であり得、空気126は排出空気114よりも低温であり得るので、燃料118および空気126を追加することで、燃料流路102および空気流路104内のそれぞれの温度を適切な温度まで低下させるのにも役立つ可能性がある。
【0039】
ここで図4を参照すると、2つの連続するSOFCスタック106間の燃料入口116および空気入口124に加えて、2つの連続するSOFCスタック106間の燃料流路102が、燃料混合物122を改質するように構成された燃料改質器130も含むシステム100の例が示されている。
【0040】
本明細書で使用される際に、用語「改質」またはその変形は、燃料を取り込み、その燃料の炭化水素鎖をSOFCスタック内で電気化学的に反応できる成分に分解することを意味する。したがって、燃料改質器130は、燃料混合物122を取り込み、燃料混合物122の炭化水素鎖を第2SOFCスタック112内で電気化学的に反応できる成分(たとえば、水素)に分解するように動作可能な物理的装置である。燃料改質器130、または本明細書に記載されるその他の燃料改質器は、様々な形態を取ることができる。たとえば、燃料改質器130は、燃料混合物122を改質するために吸熱改質反応を使用する水蒸気改質器などの吸熱改質器であり得る。燃料改質器130は、燃料混合物122を受け入れるための入口と、改質反応が生じるチャンバと、改質された後に燃料混合物122が出て行く出口と、(たとえば、入口内への燃料混合物122取り込みを制御し、および/または出口からの燃料混合物122出力を制御するための)1つ以上の弁とを含む。燃料改質器130はまた、改質器のタイプに応じて、熱供給源(たとえば、バーナ)、ニッケル触媒(またはその他の金属触媒)、他の入口、他の出口なあどのような、他のコンポーネントも含むことができる。
【0041】
燃料改質器130は、別個のコンポーネントとして、第1SOFCスタック110および第2SOFCスタック112とは別に、示されている。しかしながら、代替実施形態では、燃料改質器130は、第1SOFCスタック110または第2SOFCスタック112のうちの1つに組み込まれることが可能である。たとえば、燃料改質器130は、第1SOFCスタック110の出口と一体化されるか、または第2SOFCスタック112の入口と一体化され得る。これにより、重量、体積、および複雑さをさらに低減できる。燃料改質器130が第1SOFCスタック110または第2SOFCスタック112のどちらに組み込まれるかは、システム100で使用される燃料のタイプに依存し得る。たとえば、メタンは他の燃料よりも容易に改質できるので、第1SOFCスタック110の内部で改質を行うことができ、このため燃料改質器130は第1SOFCスタック110と一体化され得る。
【0042】
燃料改質器130は、燃料混合物122の炭化水素鎖を分解するために燃料改質器130内で発生する改質反応を持続させるための熱を必要とする可能性がある。しかしながら、いくつかの状況では、燃料混合物122が、改質反応を持続させるほど十分に高温ではない場合がある。したがって、燃料改質器130に改質反応用の熱を供給するために、燃料流路102および空気流路104は、別個の経路ではあるが、熱、すなわち、図4の矢印で示される、熱132が、排出空気114から抽出されて、空気流路104内に(通常は排出空気114よりも低温の)空気126が注入される前に空気流路104と燃料流路102との間に伝達されるように、共同設置および配置されることが可能である。たとえば、空気流路104は、空気流路104および燃料改質器130が、熱132が伝達する固体壁によって分離されるがこれを共有するように、燃料改質器130に隣接することができる。熱132を表す矢印は、図4に示されている。
【0043】
動作中、燃料入口116によって注入された燃料118はその後、燃料混合物122を作成するために、第1SOFCスタック110から出力された排出燃料108と混合される。燃料混合物122はその後燃料改質器130に侵入し、燃料改質器130は燃料混合物122を改質する。実質的に同時に、または燃料改質器130が燃料混合物122を改質する前に、熱132は改質反応のために燃料改質器130に供給される。一旦改質されると、燃料混合物122は第2SOFCスタック112内に入力される。
【0044】
排出燃料108および燃料118の両方から燃料流路102内の下流に燃料改質器130を配置することによって、改質反応のために燃料改質器130が必要とする反応物の全てが供給される。さらに、燃料混合物122を改質することによって、燃料改質器130は、第2SOFCスタック112内で生じる電気化学反応のための反応物の量をさらに増加させるのに役立つことができ、これにより、第2SOFCスタック112、ひいてはシステム100の効率を向上させる。
【0045】
燃料改質器130が水蒸気改質器である例では、燃料改質器130は、吸熱改質反応を持続させるための熱および入力蒸気を必要とする。熱132は、燃料改質器130の熱要件を満たすために上記で説明されたように供給されることが可能であり、上述のように、第1SOFCスタック110内の電気化学反応の副産物としての蒸気を含む、排出燃料108は、入力蒸気の要件を満たすために有利に使用されることが可能である。したがって、水蒸気改質器の使用によってシステム100の効率を向上させることができ、これにより、第1SOFCスタック110の排出燃料108からの蒸気を第2SOFCスタック112の前に水蒸気改質器内で使用できるようにする。代替例では、他のタイプの燃料改質器が使用され得る。
【0046】
ここで図5を参照すると、2つの連続するSOFCスタック106間にある燃料入口116、空気入口124、および燃料改質器130に加えて、2つの連続するSOFCスタック106間の燃料流路102が、燃料改質器130が改質するための燃料混合物122を混合するように構成された燃料ミキサ134も含むシステム100の例が示されている。加えて、2つの連続するSOFCスタック106間の空気流路104は、第2SOFCスタック112内に入力するための空気混合物128を混合するように構成された空気ミキサ136も含む。
【0047】
燃料ミキサ134は、1つ以上の入口と、1つ以上の出口と、燃料混合物122が混合されるチャンバ(たとえば、燃料流路102の他の部分よりも大きい直径を有する領域)とを有する、管または複数の相互接続管などの構造である。燃料混合物122の混合を容易にするために、燃料ミキサ134は、燃料混合物122を混合する別個の装置(たとえば、回転する付属物)を動かす(たとえば、回転させる)ことができるか、またはこれを含むことができる。加えて、または代わりに、燃料混合物122の混合は、それ自体または別の装置の燃料ミキサ134を動かすことなく、燃料混合物122が燃料ミキサ134を流れる際に自然に起こり得る。燃料ミキサ134は、(たとえば、図5に示されるように)燃料入口116から分離したコンポーネントであってもよく、または燃料入口116を含むことができる。
【0048】
空気ミキサ136は、1つ以上の入口と、1つ以上の出口と、空気混合物128が混合されるチャンバ(たとえば、空気流路104の他の部分よりも大きい直径を有する領域)とを有する、管または複数の相互接続管などの構造である。空気混合物128の混合を容易にするために、空気ミキサ136は、空気混合物128を混合する別個の装置(たとえば、ファン)を動かす(たとえば、回転させる)ことができるか、またはこれを含むことができる。加えて、または代わりに、空気混合物128の混合は、それ自体または別の装置の空気ミキサ136を動かすことなく、空気混合物128が空気ミキサ136を流れる際に自然に起こり得る。空気ミキサ136は、(たとえば、図5に示されるように)空気入口124から分離したコンポーネントであってもよく、または空気入口124を含むことができる。
【0049】
動作中、燃料ミキサ134は、上述のように燃料混合物122を混合し、燃料混合物122はその後、改質されるために燃料改質器130に侵入する。本明細書で使用される際に、フレーズ「燃料混合物を混合する」またはその変形は、燃料ミキサ134が燃料入口116から分離したコンポーネントであるか否かに応じて、異なる行為を指すことができる。たとえば、図5に示される実施形態など、燃料ミキサ134が燃料入口116から分離したコンポーネントである実施形態では、燃料118および排出燃料108は、燃料入口116と燃料ミキサ134との間の燃料流路102に沿って燃料118および排出燃料108が移動した距離のため、燃料118および排出燃料108が燃料ミキサ134に侵入するまでに、既にある程度混合され得る。この場合、燃料混合物122を混合する行為は、燃料ミキサ134に侵入する燃料混合物122をさらに混合するのを助けることを伴う。あるいは、燃料ミキサ134が燃料入口116を含む実施形態では、燃料混合物122を混合する行為は、燃料118および排出燃料108を別々に取り込んで燃料混合物122を作成することを伴う。
【0050】
いずれの場合も、燃料ミキサ134は、燃料118および排出燃料108を均一に混合するのに役立ち得る。本明細書で使用される際に、フレーズ「均一に混合する」およびその変形は、物質が個々の化学的組成を維持し、結果的な混合物の全ての部分が同じ特性(たとえば、結果的な混合物が均一な温度および均一な組成を有する)または実質的に同じ特性を有する、複数の物質の混合のタイプを指す。したがって、燃料ミキサ134は、システム100の効率を向上させるのに役立つ燃料118からの反応物の増加量を維持しながら、燃料118および排出燃料108を許容できるほど均一な温度、すなわち適切な温度に均一に混合するのに役立ち得る。
【0051】
加えて、燃料ミキサ134は、燃料混合物122が第2SOFCスタック112に入力される前に燃料混合物122の適切な温度および所望の反応物濃度を達成するのに必要な燃料流路102に沿った距離を短縮するのに役立つこともでき、これにより、燃料流路102内の温度および反応物濃度を上昇させながら、重量および体積を最小化させるのに役立つ。燃料ミキサ134が燃料入口116を含む代替実施形態は、燃料混合物122の適切な温度および所望の反応物濃度を達成するのに必要な燃料流路102に沿った距離をさらに短縮することができる。さらに、別の代替実施形態では、燃料ミキサ134は、体積制限を満たしながら燃料混合物122の均一な混合を達成するように、燃料改質器130がなかったとしても、2つの連続するSOFCスタック106間に含まれ得る。
【0052】
加えて、動作中、空気ミキサ136は、上述のように空気混合物128を混合し、空気混合物128はその後、第2SOFCスタック112に侵入する。本明細書で使用される際に、フレーズ「空気混合物を混合する」またはその変形は、空気ミキサ136が空気入口124から分離したコンポーネントであるか否かに応じて、異なる行為を指すことができる。たとえば、図5に示される実施形態など、空気ミキサ136が空気入口124から分離したコンポーネントである実施形態では、空気126および排出空気114は、空気入口124と空気ミキサ136との間の空気流路104に沿って空気126および排出空気114が移動した距離のため、空気126および排出空気114が空気ミキサ136に侵入するまでに、既にある程度混合され得る。この場合、空気混合物128を混合する行為は、空気ミキサ136に侵入する空気混合物128をさらに混合するのを助けることを伴う。あるいは、空気ミキサ136が空気入口124を含む実施形態では、空気混合物128を混合する行為は、空気126および排出空気114を別々に取り込んで空気混合物128を作成することを伴う。
【0053】
いずれの場合も、空気ミキサ136は、システム100の効率を向上させるのに役立つ空気126からの反応物の増加量を維持しながら、空気126および排出空気114を均一に混合するのに役立つことができ、これにより、排出空気114の温度を許容できるほど均一な温度、すなわち適切な温度まで低下させる。
【0054】
加えて、空気ミキサ136は、空気混合物128が第2SOFCスタック112に入力される前に空気混合物128の適切な温度および所望の反応物濃度を達成するのに必要な空気流路104に沿った距離を短縮するのに役立つこともでき、これにより、空気流路104内の温度および反応物濃度を増加させながら、重量および体積を最小化させるのに役立つ。空気ミキサ136が空気入口124を含む代替実施形態は、空気混合物128の適切な温度および所望の反応物濃度を達成するのに必要な空気流路104に沿った距離をさらに短縮することができる。
【0055】
ここで図6を参照すると、燃料流路102が、初期燃料入力140を受け入れ、初期燃料入力140を改質し、初期SOFCスタック120内に初期燃料入力140を供給するように構成された初期燃料改質器138を含むシステム100の例が示されている。加えて、燃料流路102は、初期燃料改質器138と初期SOFCスタック120との間に配置された熱交換器142を含み、空気流路104は、初期SOFCスタック120に侵入する初期空気入力144を含む。
【0056】
初期燃料改質器138は、初期燃料入力140を取り込み、初期燃料入力140の炭化水素鎖を初期SOFCスタック120内で電気化学的に反応できる成分(たとえば、水素)に分解するように動作可能な物理的装置である。初期燃料改質器138は、初期燃料入力140を改質するために発熱反応を使用するCPOX改質器など、様々な形態を取ることができる。あるいは、初期燃料改質器138は、水蒸気改質器、または別のタイプの燃料改質器であり得る。
【0057】
初期燃料入力140は、水素および少なくとも1つのタイプの炭化水素を含む、液体および/または気体状燃料である。上記の燃料118と同様に、初期燃料入力140は、SOFCによって変更されておらず、(i)初期SOFCスタック120内の電気化学反応のために直接使用されるため(すなわち、初期燃料入力140を最初に改質することなく)、または、図6に示される例のように、(ii)初期燃料入力140を初期SOFCスタック120内で電気化学的に反応できる成分に分解するために初期燃料改質器138によって改質されるために、システム100内に導入される、新鮮な燃料であり得る。いずれの場合も、初期SOFCスタック120内で起こる電気化学反応は、システム100の動作を効率的に開始する。
【0058】
熱交換器142は、初期燃料入力140が初期燃料改質器138によって改質された後に初期燃料入力140の温度を低下させ、燃料流路102から空気流路104に熱146を伝達するように構成された装置である。熱交換器142は、初期燃料入力140が移動する管または一連の管を含むことができ、管は、熱146がそれを通じて初期燃料入力140から空気流路104に伝達され得る固体壁によって空気流路104から分離されている。
【0059】
初期空気入力144は、電気化学反応が起こるときに初期SOFCスタック120内で起こる電気化学反応の間に初期燃料入力140を酸化させるのに最終的に役立つ酸化剤(たとえば、酸素、またはその他の酸化剤)を含む空気である。
【0060】
動作中、初期燃料改質器138は、初期燃料入力140を受け入れ、初期燃料入力140を改質する。改質された初期燃料入力140はその後、初期SOFCスタック120に侵入する前に、熱交換器142に侵入してこれを通過する。
【0061】
いくつかの状況では、初期燃料改質器138を出る初期燃料入力140は、初期SOFCスタック120が電気化学反応を実行するための適切な温度より高く、初期空気入力144は適切な温度より低くなり得る。熱交換器142は燃料流路102から空気流路104に熱146を伝達できるので、熱交換器142はこれらの状況において有用であり、これにより、初期燃料入力140が初期SOFCスタック120に侵入する前に初期燃料入力140の温度を低下させ、初期空気入力144が初期SOFCスタック120に侵入する前に初期空気入力144の温度を上昇させることによって、燃料流路102および空気流路104の温度を調整するのに役立つ。さらに、重量および体積を最小化するために、熱交換器142は、代替タイプの熱交換器よりも小さく保たれることが可能である。
【0062】
しかしながら、別の状況では、初期燃料改質器138を出る初期燃料入力140は適切な温度に十分近づくことができ(たとえば、10から50℃以内)、その場合、システム100の重量および体積を低減するために、熱交換器142は取り外されてもよい。たとえば、初期燃料改質器138がCPOX改質器である例では、初期燃料改質器138は、初期燃料入力140を改質するために発熱反応を使用し、したがって、初期燃料改質器138を出る初期燃料入力140は、適切な温度に十分近づくことができる。
【0063】
ここで図7を参照すると、各対の連続するSOFCスタックの2つの連続するSOFCスタック間で、燃料流路102が燃料入口、空気入口、および燃料改質器を含み、空気流路104が空気入口を含むシステム100の例が示されている。たとえば、燃料入口116、空気入口124、および燃料改質器130は、やはり第1SOFCスタック110と第2SOFCスタック112との間に位置するように示され、初期燃料改質器138はやはり初期SOFCスタック120の前に位置するように示されている。
【0064】
加えて、初期SOFCスタック120と第1SOFCスタック110との間の燃料流路102は、(i)燃料流路102内に燃料150を注入するように配置された燃料入口148と、(ii)燃料改質器152とを含む。さらに、初期SOFCスタック120と第1SOFCスタック110との間の空気流路104は、空気流路104内に空気156を注入するように配置された空気入口154を含む。
【0065】
燃料入口148、燃料改質器152、および空気入口154は、それぞれ上記の燃料入口116、燃料改質器130、および空気入口124と類似の形態を取り、同様に機能することができる。さらに、燃料150および空気156は、それぞれ上記の燃料118および空気126と同じ形態を取ることができる。
【0066】
動作中、燃料入口148によって注入された燃料150はその後、燃料150および排出燃料158で構成された燃料混合物160を作成するために、初期SOFCスタック120を離れる排出燃料158と混合される。次いで燃料改質器152は燃料混合物160を改質し、今や改質された燃料混合物160は、第1SOFCスタック110内で起こる電気化学反応で使用されるために第1SOFCスタック110に侵入する。燃料改質器152にその改質反応に必要な熱を供給するために、熱162は、初期SOFCスタック120を離れる排出空気164から抽出され、空気流路104と燃料流路102との間に伝達される。さらに、空気入口154によって注入された空気156はその後、空気156および排出空気164で構成された空気混合物166を作成するために、排出空気164と混合する。次いで空気混合物166は、第1SOFCスタック110内で起こる電気化学反応で使用されるために第1SOFCスタック110に侵入する。燃料混合物160よび空気混合物166は、それぞれ上記の燃料混合物122および空気混合物128と類似であり得る。
【0067】
各対のSOFCスタックのSOFCスタック間に燃料および空気を追加することで、より多くの反応物を提供するのに役立つだけでなく、発生する電気化学反応のために温度を調整するのにも役立つことができ、これにより、システム100の全体的な効率を向上できる。さらに、システム100の重量および体積は、上記で説明されたのと同じ方法で低減および最小化され得る。
【0068】
図7には燃料ミキサも空気ミキサも示されていないが、燃料ミキサおよび/または空気ミキサは、一連のSOFCスタック101のいずれか2つの連続するSOFCスタック間に配置でき、上記の燃料ミキサ134および空気ミキサ136と同じまたは類似の利点を提供することができる。
【0069】
図8は、実装例による、一連のSOFCスタックが一連のSOFCスタックを通る燃料流路および一連のSOFCスタックを通る空気流路を含む、一連のSOFCスタックを動作する方法200の例のフローチャートを示す。図8に示される方法200は、本明細書に記載されるシステム100と共に使用され得る方法の例を提示する。方法200は、ブロック202~206のうちの1つ以上によって示される1つ以上の動作、機能、またはアクションを含み得る。
【0070】
図8の各ブロック、ならびに図9図10図11、および図12の各ブロックは、一連のSOFCスタック内の2つの連続するSOFCスタック間で発生する動作、機能、またはアクションを表す。
【0071】
ブロック202において、方法200は、燃料流路内で、2つの連続するSOFCスタックの第1SOFCスタックから出力される排出燃料を2つの連続するSOFCスタックの第2SOFCスタック内に送達するステップを含む。
【0072】
ブロック204において、方法200は、空気流路内で、第1SOFCスタックから出力される排出空気を第2SOFCスタック内に送達するステップを含む。
【0073】
ブロック206において、方法200は、2つの連続するSOFCスタック間の燃料流路内に燃料を注入するステップを含む。
【0074】
図9は、方法200と共に使用する別の例示的方法のフローチャートを示す。図9のブロック208において、機能は、燃料改質器によって、(i)燃料と、(ii)第1SOFCスタックから出力された排出燃料とを含む燃料混合物を改質するステップを含む。
【0075】
図10は、方法200と共に使用する別の例示的方法のフローチャートを示す。図10のブロック210において、機能は、燃料ミキサによって、燃料改質器が改質するための燃料混合物を作成するステップを含む。
【0076】
図11は、方法200と共に使用する別の例示的方法のフローチャートを示す。図11のブロック212において、機能は、2つの連続するSOFCスタック間の空気流路内に空気を注入するステップを含む。
【0077】
図12は、方法200と共に、特に2つの連続するSOFCスタック間の空気流路内に空気が注入される図11の方法と共に使用する例示的方法のフローチャートを示す。ブロック214において、機能は、空気ミキサによって、(i)空気と、(ii)第1SOFCスタックから出力された排出空気とを含む空気混合物を作成するステップを含み、これにより、排出空気が第2SOFCスタック内に入力される前に、排出空気の温度が低下し、排出空気の酸素含有量が増加する。
【0078】
図13は、方法200と共に使用する別の例示的方法のフローチャートを示す。上述のように、一連のSOFCスタックは、一連のSOFCスタック内で順次最初に配置された初期SOFCスタックを含み、ブロック216~220の機能は初期SOFCスタックに関する。特に、ブロック216において、機能は、初期燃料改質器によって、初期燃料入力を受け入れるステップを含む。ブロック218において、機能は、初期燃料改質器によって、所定の温度を有する改質燃料ストリームを生成するために初期燃料入力を改質するステップを含む。そしてブロック220において、機能は、初期燃料改質器によって、初期SOFCスタック内に、所定の温度を有する改質燃料ストリームを供給するステップを含む。上述のように、初期燃料改質器は、CPOX改質器または水蒸気改質器のいずれかであり得る。
【0079】
図14は、実装例による、一連のSOFCスタックが一連のSOFCスタックを通る燃料流路および一連のSOFCスタックを通る空気流路を含む、一連のSOFCスタックを動作する方法300の別の例のフローチャートを示す。図14に示される方法300は、本明細書に記載されるシステム100と共に使用され得る方法の例を提示する。方法300は、ブロック302~306のうちの1つ以上によって示される1つ以上の動作、機能、またはアクションを含み得る。
【0080】
図14の各ブロックは、一連のSOFCスタック内の2つの連続するSOFCスタック間で発生する動作、機能、またはアクションを表す。
【0081】
ブロック302において、方法300は、燃料流路内で、2つの連続するSOFCスタックの第1SOFCスタックから出力される排出燃料を2つの連続するSOFCスタックの第2SOFCスタック内に送達するステップを含む。
【0082】
ブロック304において、方法300は、空気流路内で、第1SOFCスタックから出力される排出空気を第2SOFCスタック内に送達するステップを含む。
【0083】
ブロック306において、方法300は、2つの連続するSOFCスタック間の空気流路内に空気を注入するステップを含む。
【0084】
装置またはシステムは、図8図9図10図11図12図13、および図14に示される論理機能を実行するために使用または構成され得る。いくつかの事例では、装置および/またはシステムのコンポーネントは、コンポーネントが実際にそのような性能を可能にするように(ハードウェアおよび/またはソフトウェアを用いて)構成および構造化されるように、機能を実行するように構成され得る。別の例では、装置および/またはシステムのコンポーネントは、特定の方法で動作したときなどに、機能を実行するように適合され、実行でき、または実行に適するように、配置され得る。図8図9図10図11図12図13、および図14のブロックは連続的な順序で示されているが、これらのブロックは平行して、および/または本明細書に記載されるのとは異なる順序で、実行されてもよい。また、様々なブロックは、所望の実装に基づいて、より少ないブロックに組み合わせられ、追加ブロックに分割され、および/または削除されてもよい。
【0085】
なお、本明細書に開示されるこれらのプロセスおよび方法ならびにおよびその他のプロセスおよび方法について、フローチャートは本例の1つの可能な実践の機能性および動作を示すことは、理解されるべきである。これに関して、各ブロックまたは各ブロックの部分は、モジュール、セグメント、またはプログラムコードの一部を表すことができ、これはプロセス内の特定の論理機能またはステップを実施するためにプロセッサによって実行可能な1つ以上の命令を含む。プログラムコードは、たとえばディスクまたはハードドライブを含む記憶装置など、任意のタイプのコンピューター読み取り可能な媒体またはデータストレージに記憶されてもよい。さらに、プログラムコードは、機械可読形式のコンピューター読み取り可能な記憶媒体上で、またはその他の非一時的媒体または製造品上で、符号化され得る。コンピューター読み取り可能な媒体は、たとえばレジスタメモリ、プロセッサキャッシュ、およびランダムアクセスメモリ(RAM)のように短期間データを記憶するコンピューター読み取り可能な媒体など、非一時的コンピューター読み取り可能な媒体またはメモリを含み得る。コンピューター読み取り可能な媒体はまた、たとえば読み取り専用メモリ(ROM)、光または磁気ディスク、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)のような二次または永続的長期ストレージなど、非一時的媒体も含み得る。コンピューター読み取り可能な媒体はまた、その他いずれの揮発性または不揮発性記憶システムであってもよい。コンピューター読み取り可能な媒体は、たとえば有形のコンピューター読み取り可能な記憶媒体と見なされてもよい。
【0086】
加えて、図8図9図10図11図12図13、および図14の各ブロックおよび各ブロックの部分は、プロセス内の特定の論理機能を実行するために配線された回路を表してもよい。代替実践は本開示の例の範囲に含まれるものであり、この中で機能は、当業者によって理解されるように、包含される機能性に応じて、実質的に共起的または逆の順序を含む、図示または議論されるのとは異なる順序で実行されてもよい。
【0087】
本明細書に開示されるシステム、装置、および方法の異なる例は、様々な構成要素、形態、および機能性を含む。本明細書に開示されるシステム、装置、および方法の様々な実施形態は、本明細書に開示されるシステム、装置、および方法のその他の実施形態のいずれかの構成要素、形態、および機能性のうちのいずれも、いずれの組合せまたはいずれのサブコンビネーションでも含んでよく、このような可能性の全ては本開示の範囲に含まれるよう意図されることは、理解すべきである。
【0088】
さらに、本開示は、以下の条項による実施形態を備える。
【0089】
条項1.固体酸化物燃料電池(SOFC)効率を向上させるシステムであって、システムは、
一連のSOFCスタックと、
一連のSOFCスタックを通る燃料流路と、
一連のSOFCスタックを通る空気流路と、を備え、
一連のSOFCスタックの2つの連続するSOFCスタック間では、
燃料流路において、2つの連続するSOFCスタックの第1SOFCスタックから出力された排出燃料が2つの連続するSOFCスタックの第2SOFCスタック内に入力され、
空気流路において、第1SOFCスタックから出力された排出空気は第2SOFCスタックに入力され、
燃料流路は、2つの連続するSOFCスタック間の燃料流路内に燃料を注入するために配置された燃料入口を備える、システム。
【0090】
条項2.2つの連続するSOFCスタック間で、燃料流路は、(i)燃料入口によって注入された燃料と、(ii)第1SOFCスタックから出力された排出燃料とを備える燃料混合物を改質する燃料改質器をさらに備える、条項1に記載のシステム。
【0091】
条項3.燃料改質器は水蒸気改質器を含む、条項2に記載のシステム。
【0092】
条項4.燃料流路および空気流路は、2つの連続するSOFCスタック間で、燃料流路からの燃料と空気流路からの空気とが混合しないように別個の経路であり、
燃料流路および空気流路は、燃料改質器によって実行される改質反応に熱を供給するために空気流路と燃料流路との間で熱が伝達されるように、共同設置および配置されている、条項2に記載のシステム。
【0093】
条項5.2つの連続するSOFCスタック間で、燃料流路は、燃料改質器が改質する燃料混合物を混合する燃料ミキサをさらに備える、条項2に記載のシステム。
【0094】
条項6.2つの連続するSOFCスタック間で、空気流路は、2つの連続するSOFCスタック間の空気流路内に空気を注入するために配置された空気入口を備える、条項1に記載のシステム。
【0095】
条項7.2つの連続するSOFCスタック間で、空気流路は、(i)空気入口によって注入された空気と、(ii)第1SOFCスタックから出力された排出空気とを含む空気混合物を混合する空気ミキサをさらに備える、条項6に記載のシステム。
【0096】
条項8.2つの連続するSOFCスタック間で、燃料流路は、(i)燃料入口によって注入された燃料と、(ii)第1SOFCスタックから出力された排出燃料とを備える燃料混合物を改質する燃料改質器をさらに備える、条項6に記載のシステム。
【0097】
条項9.一連のSOFCスタックは、一連のSOFCスタック内で順次最初に配置された初期SOFCスタックを備え、システムは、燃料流路の一部として、
初期燃料入力を受け入れ、初期燃料入力を改質し、次いで初期SOFCスタック内に初期燃料入力を供給する初期燃料改質器をさらに備える、条項1に記載のシステム。
【0098】
条項10.初期燃料改質器は、触媒部分酸化(CPOX)改質器または水蒸気改質器を含む、条項9に記載のシステム。
【0099】
条項11.固体酸化物燃料電池(SOFC)効率を向上させるシステムであって、システムは、
一連のSOFCスタックと、
一連のSOFCスタックを通る燃料流路と、
一連のSOFCスタックを通る空気流路と、を備え、
一連のSOFCスタックの2つの連続するSOFCスタック間では、
燃料流路において、2つの連続するSOFCスタックの第1SOFCスタックから出力された排出燃料が2つの連続するSOFCスタックの第2SOFCスタック内に入力され、
空気流路において、第1SOFCスタックから出力された排出空気は第2SOFCスタックに入力され、
空気流路は、2つの連続するSOFCスタック間の空気流路内に空気を注入するために配置された空気入口を備える、システム。
【0100】
条項12.2つの連続するSOFCスタック間で、空気流路は、(i)空気入口から注入された空気と、(ii)第1SOFCスタックから出力された排出空気とを含む空気混合物を混合する空気ミキサをさらに備える、条項11に記載のシステム。
【0101】
条項13.一連のSOFCスタックは、一連のSOFCスタック内で順次最初に配置された初期SOFCスタックを備え、システムは、燃料流路の一部として、
初期燃料入力を受け入れ、初期燃料入力を改質し、次いで初期SOFCスタック内に初期燃料入力を供給する初期燃料改質器をさらに備える、条項11に記載のシステム。
【0102】
条項14.一連の固体酸化物燃料電池(SOFC)スタックを動作させる方法であって、一連のSOFCスタックは、一連のSOFCスタックを通る燃料流路と、一連のSOFCスタックを通る空気流路とを含み、方法は、
一連のSOFCスタック内の2つの連続するSOFCスタックの間で、
燃料流路において、2つの連続するSOFCスタックの第1SOFCスタックから出力された排出燃料を2つの連続するSOFCスタックの第2SOFCスタック内に送達するステップと、
空気流路において、第1SOFCスタックから出力された排出空気を第2SOFCスタック内に送達するステップと、
2つの連続するSOFCスタック間の燃料流路内に燃料を注入するステップと、を備える、方法。
【0103】
条項15.2つの連続するSOFCスタック間で、燃料改質器によって、(i)燃料と、(ii)第1SOFCスタックから出力された排出燃料とを含む燃料混合物を改質するステップ
をさらに備える、条項14に記載の方法。
【0104】
条項16.2つの連続するSOFCスタック間で、燃料ミキサによって、燃料改質器が改質する燃料混合物を作成するステップ
をさらに備える、条項15に記載の方法。
【0105】
条項17.2つの連続するSOFCスタック間の空気流路内に空気を注入するステップ
をさらに備える、条項14に記載の方法。
【0106】
条項18.2つの連続するSOFCスタック間で、空気ミキサによって、(i)空気と、(ii)第1SOFCスタックから出力された排出空気とを含む空気混合物を作成するステップであって、これにより、排出空気が第2SOFCスタック内に入力される前に、排出空気の温度が低下し、排出空気の酸素含有量が増加する、ステップ
をさらに備える、条項17に記載の方法。
【0107】
条項19.一連のSOFCスタックは、一連のSOFCスタック内で順次最初に配置された初期SOFCスタックを備え、方法は、
初期燃料改質器によって、初期燃料入力を受け入れるステップと、
初期燃料改質器によって、初期燃料入力を改質するステップと、
初期燃料改質器によって、初期SOFCスタック内に、初期燃料入力を供給するステップと、をさらに備え、
初期燃料改質器は、触媒部分酸化(CPOX)改質器または水蒸気改質器を含む、条項14に記載の方法。
【0108】
条項20.一連の固体酸化物燃料電池(SOFC)スタックを動作させる方法であって、一連のSOFCスタックは、一連のSOFCスタックを通る燃料流路と、一連のSOFCスタックを通る空気流路とを含み、方法は、
一連のSOFCスタック内の2つの連続するSOFCスタックの間で、
燃料流路において、2つの連続するSOFCスタックの第1SOFCスタックから出力された排出燃料を2つの連続するSOFCスタックの第2SOFCスタック内に送達するステップと、
空気流路において、第1SOFCスタックから出力された排出空気を第2SOFCスタック内に送達するステップと、
2つの連続するSOFCスタック間の空気流路内に空気を注入するステップと、を備える、方法。
【0109】
異なる有利な配置の説明は、例示および説明を目的として提示されてきたが、包括的であるように、または開示された形態の例に限定されるように意図されるものではない。当業者にとって多くの修正例および変形例が明らかになるだろう。さらに、異なる有利な例は、他の有利な例と比較して異なる利点を記載するかも知れない。選択された1つまたは複数の例は、例の原理、実際の用途を説明するため、およびその他の当業者が考えられる特定用途に適するような様々な修正を伴う様々な例のための開示を理解できるようにするために、選択および記載されている。
【符号の説明】
【0110】
100 システム
101 一連のSOFCスタック
102 燃料流路
104 空気流路
106 2つの連続するSOFCスタック
108 排出燃料
110 第1SOFCスタック
112 第2SOFCスタック
114 排出空気
116 燃料入口
118 燃料
120 初期SOFCスタック
122 燃料混合物
124 空気入口
126 空気
128 空気混合物
130 燃料改質器
132 熱
134 燃料ミキサ
136 空気ミキサ
138 初期燃料改質器
140 初期燃料入力
142 熱交換器
144 初期空気入力
146 熱
148 燃料入口
150 燃料
152 燃料改質器
154 空気入口
156 空気
158 排出燃料
160 燃料混合物
162 熱
164 排出空気
166 空気混合物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14