(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】高密度ロボットシステム
(51)【国際特許分類】
B23P 21/00 20060101AFI20240702BHJP
B25J 13/00 20060101ALI20240702BHJP
B64F 5/10 20170101ALI20240702BHJP
【FI】
B23P21/00 303Z
B25J13/00 Z
B64F5/10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019223389
(22)【出願日】2019-12-11
【審査請求日】2022-12-07
(32)【優先日】2018-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】オベロイ, ハリンダー エス.
(72)【発明者】
【氏名】バリック, ケヴィン マリオン
(72)【発明者】
【氏名】フゥ, チャールズ ユエンシン
【審査官】太田 義典
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-016455(JP,A)
【文献】特開2015-016553(JP,A)
【文献】特開2016-000452(JP,A)
【文献】特表2016-525947(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0243702(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23P 19/00-21/00
B25J 13/00
B21J 15/10
B64F 5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アセンブリ(304)に対して自動化されたタスクを実行するための方法であって、
前記アセンブリ(304)の第1の側面(2409)に対して第1の複数のロボットデバイス(2406)を位置付けすること(3002)と、
前記アセンブリ(304)の第2の側面(2411)に対して第2の複数のロボットデバイス(2408)を位置付けすること(3004)であって、当該第2の複数のロボットデバイス(2408)のそれぞれが、対応するタスクを実行するように使用される、第2の複数のロボットデバイス(2408)を位置付けすること(3004)と、
前記第1の複数のロボットデバイス(2406)及び前記第2の複数のロボットデバイス(2408)を使用して、前記アセンブリ(304)の複数の位置(2436)のそれぞれにおいて複数のタスク群を実行すること(3006)であって、前記第1の複数のロボットデバイス(2406)が、前記複数の位置(2436)のそれぞれにおいてクランプアップ(341)を独立して維持している間、前記第2の複数のロボットデバイス(2408)が、前記複数の位置(2436)においてタスク群を同時に実行する、複数のタスクを実行すること(3006)と
を含み、前記複数のタスクを実行すること(3006)が、
前記第2の複数のロボットデバイス(2408)が、前記アセンブリ(304)の前記第2の側面(2411)で交換されている間、前記第1の複数のロボットデバイス(2406)を使用して、前記アセンブリ(304)の第1のパネル(308、402)及び第2のパネル(310、404)の片面クランプアップ(341)を独立して設けることを含み、前記片面クランプアップ(341)を独立して設けることが、
前記第1の複数のロボットデバイス(2406)のうちの1つに連結されたエンドエフェクタ(414、2422、2424、2426)によって、前記アセンブリ(304)の前記第1の側面(2409)から前記第1のパネル(308、402)及び前記第2のパネル(310、404)を通って延在するファスナ孔(700)を通して空気を吸引して、前記第2のパネル(310、404)における前記ファスナ孔(700)の一部を画定する壁(900)を把持する把持力(802)をもたらし、それにより、前記第2のパネル(310、404)を前記第1のパネル(308、402)に向けて引っ張ることを含む、方法。
【請求項2】
前記第1の複数のロボットデバイス(2406)を位置付けすること(3002)が、
片面クランプアップ(341)を設けることが可能なエンドエフェクタ(2422、2424、2426)を有する前記アセンブリ(304)の前記第1の側面(2409)に対して3つのロボットデバイス(2410、2412、2414)を位置付けすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2の複数のロボットデバイス(2408)を位置付けすること(3004)が、
前記アセンブリ(304)の前記第2の側面(2411)に対して3つのロボットデバイス(2416、2418、2420)を位置付けすることを含み、前記3つのロボットデバイス(2416、2418、2420)のそれぞれが、他の2つのロボットデバイスに比べて異なる特殊なタスクを実行するための単機能エンドエフェクタ(2428、2430、2432)に連結されている、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記3つのロボットデバイスを位置付けすることが、
前記アセンブリ(304)の前記第2の側面(2411)に対して、穿孔エンドエフェクタ(2428、2802)を有する第1のロボットデバイス(2416)、検査エンドエフェクタ(2430、2804)を有する第2のロボットデバイス(2418)、及びファスナ挿入エンドエフェクタ(2432、2806)を有する第3のロボットデバイス(2420)を位置付けすることを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記複数のタスクを実行すること(3006)が、
第1のエンドエフェクタ及び穿孔エンドエフェクタ(2428、2802)を使用して、前記アセンブリ(304)の前記複数の位置(2436)のうちの第1の位置においてクランプアップ(341)シーケンスを実行すること(3206)を含み、前記第1のエンドエフェクタが、前記第1の複数のロボットデバイス(2406)のうちの対応するロボットデバイスに連結され、前記穿孔エンドエフェクタ(2428、2802)が、前記第2の複数のロボットデバイス(2408)のうちの対応するロボットデバイスに連結されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記クランプアップ(341)シーケンスを実行すること(3206)が、
前記穿孔エンドエフェクタ(2428、2802)を使用して、前記アセンブリ(304)の前記第1の位置において、前記アセンブリ(304)を通るように第1の孔を穿孔することと、
前記第1の位置において前記クランプアップ(341)を維持するため、前記第1の孔を通して空気を吸引することであって、前記吸引が、少なくとも、第1のファスナが前記第1の孔内に取り付けられるまで続く、空気を吸引することと
を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記複数のタスクを実行すること(3006)が、
前記アセンブリ(304)の前記複数の位置(2436)のうちの第2の位置に対して、前記穿孔エンドエフェクタ(2428、2802)を移動させ且つ位置付けすること(3208)と、
前記第1のエンドエフェクタが、前記第1の位置において前記クランプアップ(341)を独立して維持し続けている間、前記第1の位置において検査エンドエフェクタ(2430、2804)を移動させ且つ位置付けすることであって、前記検査エンドエフェクタ(2430、2804)が、前記第2の複数のロボットデバイス(2408)のうちの対応するロボットデバイスに連結されている、検査エンドエフェクタ(2430、2804)を移動させ且つ位置付けすること(3210)と
を含む、請求項
6に記載の方法。
【請求項8】
前記複数のタスクを実行すること(3006)が、
前記第1のエンドエフェクタが、前記第1の位置において前記クランプアップ(341)を独立して維持している間、前記検査エンドエフェクタ(2430、2804)を使用して、前記第1の位置における第1の孔を検査すること(3214)と、
前記穿孔エンドエフェクタ(2428、2802)、及び前記アセンブリ(304)の前記第1の側面(2409)における前記第2の位置に対して位置付けされた第2のエンドエフェクタを使用して、前記第2の位置において前記クランプアップ(341)シーケンスを実行すること(3212)と
をさらに含み、
前記クランプアップ(341)シーケンス、及び前記第1の孔の検査が、同時に行われ、
前記第2のエンドエフェクタが、前記第1の複数のロボットデバイス(2406)のうちの対応するロボットデバイスに連結されている、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記複数のタスクを実行すること(3006)が、
前記アセンブリ(304)の前記複数の位置(2436)のうちの第3の位置に対して、前記穿孔エンドエフェクタ(2428、2802)を移動させ且つ位置付けすること(3216)と、
前記第2のエンドエフェクタが、前記第1の位置において前記クランプアップ(341)を独立して維持し続けている間、前記第2の位置において前記検査エンドエフェクタ(2430、2804)を移動させ且つ位置付けすること(3218)であって、前記検査エンドエフェクタ(2430、2804)が、前記第2の複数のロボットデバイス(2408)のうちの対応するロボットデバイスに連結されている、前記検査エンドエフェクタ(2430、2804)を移動させ且つ位置付けすること(3218)と
前記第1のエンドエフェクタが、前記第1の位置において前記クランプアップ(341)を独立して維持し続けている間、前記第1の位置においてファスナ挿入エンドエフェクタ(2432、2806)を移動させ且つ位置付けすること(3220)であって、当該ファスナ挿入エンドエフェクタ(2432、2806)が、前記第2の複数のロボットデバイス(2408)のうちの対応するロボットデバイスに連結されている、ファスナ挿入エンドエフェクタ(2432、2806)を移動させ且つ位置付けすること(3220)と
をさらに含む、請求項
8に記載の方法。
【請求項10】
前記複数のタスクを実行すること(3006)が、
前記第1のエンドエフェクタが、前記第1の位置において前記クランプアップ(341)を独立して維持している間、前記ファスナ挿入エンドエフェクタ(2432、2806)を使用して、ファスナを前記第1の孔内に取り付けること(3226)と、
前記第2のエンドエフェクタが、前記第2の位置において前記クランプアップ(341)を独立して維持している間、前記検査エンドエフェクタ(2430、2804)を使用して、前記第2の位置において第2の孔を検査すること(3224)と、
前記穿孔エンドエフェクタ(2428、2802)、及び前記アセンブリ(304)の前記第1の側面(2409)における前記第3の位置に対して位置付けされた第3のエンドエフェクタを使用して、前記第3の位置において前記クランプアップ(341)シーケンスを実行すること(3222)と
をさらに含み、
前記第3のエンドエフェクタが、前記第1の複数のロボットデバイス(2406)のうちの対応するロボットデバイスに連結され、
前記第1の位置における前記ファスナの取り付け、前記第2の位置における前記第2の孔の検査、及び前記第3の位置における前記クランプアップ(341)シーケンスが、同時に実行される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
選択されたタクトタイム及び生産要件を満たすために、前記第2の複数のロボットデバイス(2408)の交換を調整することをさらに含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
プラットフォーム(2440)上で前記第1の複数のロボットデバイス(2406)を支持することであって、前記プラットフォーム(2440)は、前記第1の複数のロボットデバイス(2406)が、航空機(314)の胴体アセンブリ(313)の内側モールド線に面する側面でタスク群を実行することを可能にするように位置付けされている、前記第1の複数のロボットデバイス(2406)を支持することをさらに含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
プラットフォーム(2442)上で前記第2の複数のロボットデバイス(2408)を支持することであって、前記プラットフォーム(2442)は、前記第
2の複数のロボットデバイス(240
8)が、航空機(314)の胴体アセンブリ(313)の外側モールド線に面する側面でタスク群を実行することを可能にするように位置付けされている、前記第2の複数のロボットデバイス(2408)を支持することをさらに含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記複数のタスクを実行すること(3006)は、
前記プラットフォーム(2442)が静止状態を保っている間、前記プラットフォーム(2442)上の前記第2の複数のロボットデバイス(2408)のロボットデバイスを移動させることによって、前記第2の複数のロボットデバイス(2408)を交換することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
装置であって、
第1の複数のロボットデバイス(2406)、
第2の複数のロボットデバイス(2408)であって、当該第2の複数のロボットデバイス(2408)のそれぞれが、単機能エンドエフェクタに連結されている、第2の複数のロボットデバイス(2408)、及び
前記第1の複数のロボットデバイス(2406)が、複数の位置(2436)のそれぞれにおいてクランプアップ(341)を独立して維持している間、アセンブリ(304)の前記複数の位置(2436)においてタスク群を同時に実行するために、前記第2の複数のロボットデバイス(2408)を制御するための制御システム(315)
を備え、
前記制御システム(315)が、選択されたタクトタイム及び生産要件を満たすために、前記第2の複数のロボットデバイス(2408)の交換を制御し、且つ/又は
前記第1の複数のロボットデバイス(2406)のそれぞれが、
前記アセンブリ(304)の内部に穿孔される孔について選択された孔径に基づいて寸法形成されたノズル(332)、及び
片面クランプアップ(341)を設けるように使用するための吸引デバイス(330)
を備えている、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、部品の組み立てに関し、より具体的には、多数の単機能エンドエフェクタを含む高密度ロボットセルを使用して、複数の作業を実行するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
構造物を組み立てる間に特定の作業を自動化することにより、組み立ての正確さが向上し、組み立ての効率が改善し、全体的な組み立てが減少する。例えば、2つの部品の接合に関わるタスクを自動化することができる。こうしたタスクには、2つの部品を共にクランプすること、2つの部品を貫通するように穿孔すること、穿孔した孔を検査すること、及び穿孔した孔を通してファスナを挿入することが含まれ得る。
【0003】
現在、多機能エンドエフェクタを備えたロボットを使用して、一部のファスナ取り付け作業が自動化されている。多機能エンドエフェクタとは、クランプ、穿孔、検査、及びファスナ挿入を含む、ファスナの取り付けに関わる様々なタスクを実行するために協働する複数の可動部分を備えた機械であり得る。これらのタスクのうちの1つ以上には、部品を通してファスナを取り付けるため、部品群を所定位置に保持する(例えば、クランプアップ(clamp up)する)ことが必要な場合がある。部品のクランプアップを維持するために現在利用可能な一部のシステムは、特定の種類の組み立て作業を実行するためには、所望するよりも複雑であり、効率が悪い場合がある。
【0004】
さらに、現在利用可能な一部のロボットシステム及びエンドエフェクタは、サイズ、スケール、及び複雑さがより大きく、したがって、所望よりも多くの容量空間とメンテナンスを必要とする。したがって、狭い容量空間の中で所望するよりも低い密度で、ロボットデバイスが互いに近接するよう配置されることがあり、同時に行うことができる作業の数が限られてしまう場合がある。さらに、定期保守又は多機能エンドエフェクタの修理に必要とされるダウンタイムは、望んでいるよりも長い場合があり、これにより、望むよりも生産率が下がってしまう恐れがある。場合によっては、使用可能なロボットデバイスの密度の低さにより、所望するよりもタクトタイムが増大し、生産効率が低下する結果となり得る。
【発明の概要】
【0005】
1つの例示的な実施形態では、アセンブリに対して自動化されたタスクを実行するための方法が提供される。第1の複数のロボットデバイスは、アセンブリの第1の側面に対して位置付けされる。第2の複数のロボットデバイスは、アセンブリの第2の側面に対して位置付けされ、第2の複数のロボットデバイスのそれぞれは、対応するタスクを実行するために使用される。複数のタスクが、第1の複数のロボットデバイス及び第2の複数のロボットデバイスを使用して、アセンブリの複数の位置のそれぞれにおいて実行される。第1の複数のロボットデバイスが、複数の位置のそれぞれにおいてクランプアップを独立して維持している間、第2の複数のロボットデバイスは、複数の位置においてタスク群を同時に実行する。
【0006】
別の例示的な実施形態では、航空機の胴体アセンブリを構築するための方法が提供される。複数のセルが、胴体アセンブリの対応するセクションに対して位置付けされており、複数のセルのそれぞれが、胴体アセンブリの第1の側面に対して位置付けされた第1の複数のロボットデバイス、及び胴体アセンブリの第2の側面に対して位置付けされた第2の複数のロボットデバイスを備えている。自動化された作業は、複数のセルを使用して、胴体アセンブリの対応するセクションのそれぞれにおける複数の位置のそれぞれにおいて同時に実行される。各セルのロボットデバイスは、所定のタスクシーケンスに従って、自動化された作業の種々のタスク群を実行するように交換可能である。
【0007】
さらに別の例示的な実施形態では、装置は、第1の複数のロボットデバイス、第2の複数のロボットデバイス、及び制御システムを備えている。第2の複数のロボットデバイスのそれぞれは、単機能エンドエフェクタに連結されている。第1の複数のロボットデバイスが、複数の位置のそれぞれにおいてクランプアップを独立して維持している間、制御システムは、第2の複数のロボットデバイスを制御して、アセンブリの複数の位置においてタスク群を同時に実行する。
【0008】
これらの特徴及び機能は、本開示の様々な実施形態で単独で実現することが可能であり、又は、さらに別の実施形態において組み合わせてもよい。これらの実施形態のさらなる詳細は、以下の説明及び図面を参照して確認することができる。
【0009】
本開示は、さらに以下の段落を含む。
【0010】
段落1
アセンブリ(304)に対して自動化されたタスクを実行するための方法であって、
アセンブリ(304)の第1の側面(2409)に対して第1の複数のロボットデバイス(2406)を位置付けすること(3002)と、
アセンブリ(304)の第2の側面(2411)に対して第2の複数のロボットデバイス(2408)を位置付けすること(3004)であって、当該第2の複数のロボットデバイス(2408)のそれぞれが、対応するタスクを実行するように使用される、第2の複数のロボットデバイス(2408)を位置付けすること(3004)と、
第1の複数のロボットデバイス(2406)及び第2の複数のロボットデバイス(2408)を使用して、アセンブリ(304)の複数の位置(2436)のそれぞれにおいて複数のタスク群を実行すること(3006)と
を含み、第1の複数のロボットデバイス(2406)が、複数の位置(2436)のそれぞれにおいてクランプアップ(clamp-up、固定状態)(341)を独立して維持している間、第2の複数のロボットデバイス(2408)が、複数の位置(2436)においてタスク群を同時に実行する、方法。
【0011】
段落2
第1の複数のロボットデバイス(2406)を位置付けすること(3002)が、
片面クランプアップ(341)を設けることが可能なエンドエフェクタ(2422、2424、2426)を有するアセンブリ(304)の第1の側面(2409)に対して3つのロボットデバイス(2410、2412、2414)を位置付けすることを含む、段落1に記載の方法。
【0012】
段落3
第2の複数のロボットデバイス(2408)を位置付けすること(3004)が、
アセンブリ(304)の第2の側面(2411)に対して3つのロボットデバイス(2416、2418、2420)を位置付けすることを含み、3つのロボットデバイス(2416、2418、2420)のそれぞれが、他の2つのロボットデバイスに比べて異なる特殊なタスクを実行するための単機能エンドエフェクタ(2428、2430、2432)に連結されている、段落1に記載の方法。
【0013】
段落4
3つのロボットデバイスを位置付けすることが、
アセンブリ(304)の第2の側面(2411)に対して、穿孔エンドエフェクタ(2428、2802)を有する第1のロボットデバイス(2416)、検査エンドエフェクタ(2430、2804)を有する第2のロボットデバイス(2418)、及びファスナ挿入エンドエフェクタ(2432、2806)を有する第3のロボットデバイス(2420)を位置付けすることを含む、段落3に記載の方法。
【0014】
段落5
複数のタスクを実行すること(3006)が、
第2の複数のロボットデバイス(2408)が、アセンブリ(304)の第2の側面(2411)で交換されている間、第1の複数のロボットデバイス(2406)を使用して、アセンブリ(304)の第1のパネル(308、402)及び第2のパネル(310、404)の片面クランプアップ(341)を独立して設けることを含む、段落1に記載の方法。
【0015】
段落6
片面クランプアップ(341)を独立して設けることが、
第1の複数のロボットデバイス(2406)のうちの1つに連結されたエンドエフェクタ(414、2422、2424、2426)によって、アセンブリ(304)の第1の側面(2409)から第1のパネル(308、402)及び第2のパネル(310、404)を通って延在するファスナ孔(700)を通して空気を吸引して、第2のパネル(310、404)におけるファスナ孔(700)の一部を画定する壁(900)を把持する把持力(802)をもたらし、それにより、第2のパネル(310、404)を第1のパネル(308、402)に向けて引っ張ることを含む、段落5に記載の方法。
【0016】
段落7
複数のタスクを実行すること(3006)は、
第2の複数のロボットデバイス(2408)が、複数の位置(2436)のそれぞれにおいて所定のタスクシーケンス(2438)に従って複数のタスクを実行している間、第1の複数のロボットデバイス(2406)を使用して、アセンブリ(304)の第1のパネル(308、402)及び第2のパネル(310、404)の片面クランプアップ(341)を独立して設けることを含む、段落1に記載の方法。
【0017】
段落8
複数のタスクを実行すること(3006)が、
第1のエンドエフェクタ及び穿孔エンドエフェクタ(2428、2802)を使用して、アセンブリ(304)の複数の位置(2436)のうちの第1の位置においてクランプアップ(341)シーケンスを実行すること(3206)を含み、第1のエンドエフェクタが、第1の複数のロボットデバイス(2406)のうちの対応するロボットデバイスに連結され、穿孔エンドエフェクタ(2428、2802)が、第2の複数のロボットデバイス(2408)のうちの対応するロボットデバイスに連結されている、段落1に記載の方法。
【0018】
段落9
クランプアップ(341)シーケンスを実行すること(3206)が、
穿孔エンドエフェクタ(2428、2802)を使用して、アセンブリ(304)の第1の位置において、アセンブリ(304)を通るように第1の孔を穿孔することと、
第1の位置においてクランプアップ(341)を維持するため、第1の孔を通して空気を吸引することであって、吸引が、少なくとも、第1のファスナが第1の孔内に取り付けられるまで続く、空気を吸引することと
を含む、段落8に記載の方法。
【0019】
段落10
複数のタスクを実行すること(3006)が、
アセンブリ(304)の複数の位置(2436)のうちの第2の位置に対して、穿孔エンドエフェクタ(2428、2802)を移動させ且つ位置付けすること(3208)と、
第1のエンドエフェクタが、第1の位置においてクランプアップ(341)を独立して維持し続けている間、第1の位置において検査エンドエフェクタ(2430、2804)を移動させ且つ位置付けすることであって、検査エンドエフェクタ(2430、2804)が、第2の複数のロボットデバイス(2408)のうちの対応するロボットデバイスに連結されている、検査エンドエフェクタ(2430、2804)を移動させ且つ位置付けすること(3210)と
を含む、段落8に記載の方法。
【0020】
段落11
複数のタスクを実行すること(3006)が、
第1のエンドエフェクタが、第1の位置においてクランプアップ(341)を独立して維持している間、検査エンドエフェクタ(2430、2804)を使用して、第1の位置における第1の孔を検査すること(3214)と、
穿孔エンドエフェクタ(2428、2802)、及びアセンブリ(304)の第1の側面(2409)における第2の位置に対して位置付けされた第2のエンドエフェクタを使用して、第2の位置においてクランプアップ(341)シーケンスを実行すること(3212)と
をさらに含み、
クランプアップ(341)シーケンス、及び第1の孔の検査が、同時に行われ、
第2のエンドエフェクタが、第1の複数のロボットデバイス(2406)のうちの対応するロボットデバイスに連結されている、段落10に記載の方法。
【0021】
段落12
複数のタスクを実行すること(3006)が、
アセンブリ(304)の複数の位置(2436)のうちの第3の位置に対して、穿孔エンドエフェクタ(2428、2802)を移動させ且つ位置付けすること(3216)と、
第2のエンドエフェクタが、第1の位置においてクランプアップ(341)を独立して維持し続けている間、第2の位置において検査エンドエフェクタ(2430、2804)を移動させ且つ位置付けすること(3218)であって、検査エンドエフェクタ(2430、2804)が、第2の複数のロボットデバイス(2408)のうちの対応するロボットデバイスに連結されている、検査エンドエフェクタ(2430、2804)を移動させ且つ位置付けすること(3218)と
第1のエンドエフェクタが、第1の位置においてクランプアップ(341)を独立して維持し続けている間、第1の位置においてファスナ挿入エンドエフェクタ(2432、2806)を移動させ且つ位置付けすること(3220)であって、ファスナ挿入エンドエフェクタ(2432、2806)が、第2の複数のロボットデバイス(2408)のうちの対応するロボットデバイスに連結されている、ファスナ挿入エンドエフェクタ(2432、2806)を移動させ且つ位置付けすること(3220)と
をさらに含む、段落11に記載の方法。
【0022】
段落13
複数のタスクを実行すること(3006)が、
第1のエンドエフェクタが、第1の位置においてクランプアップ(341)を独立して維持している間、ファスナ挿入エンドエフェクタ(2432、2806)を使用して、ファスナを第1の孔内に取り付けること(3226)と、
第2のエンドエフェクタが、第2の位置においてクランプアップ(341)を独立して維持している間、検査エンドエフェクタ(2430、2804)を使用して、第2の位置において第2の孔を検査すること(3224)と、
穿孔エンドエフェクタ(2428、2802)、及びアセンブリ(304)の第1の側面(2409)における第3の位置に対して位置付けされた第3のエンドエフェクタを使用して、第3の位置においてクランプアップ(341)シーケンスを実行すること(3222)と
をさらに含み、
第3のエンドエフェクタが、第1の複数のロボットデバイス(2406)のうちの対応するロボットデバイスに連結され、
第1の位置におけるファスナの取り付け、第2の位置における第2の孔の検査、及び第3の位置におけるクランプアップ(341)シーケンスが、同時に実行される、段落12に記載の方法。
【0023】
段落14
選択されたタクトタイム及び生産要件を満たすために、第2の複数のロボットデバイス(2408)の交換を調整することをさらに含む、段落1に記載の方法。
【0024】
段落15
プラットフォーム(2440)上で第1の複数のロボットデバイス(2406)を支持することであって、プラットフォーム(2440)は、第1の複数のロボットデバイス(2406)が、航空機(314)の胴体アセンブリ(313)の内側モールド線に面する側面でタスク群を実行することを可能にするように位置付けされている、第1の複数のロボットデバイス(2406)を支持することをさらに含む、段落1に記載の方法。
【0025】
段落16
プラットフォーム(2442)上で第2の複数のロボットデバイス(2408)を支持することであって、プラットフォーム(2442)は、第1の複数のロボットデバイス(2406)が、航空機(314)の胴体アセンブリ(313)の外側モールド線に面する側面でタスク群を実行することを可能にするように位置付けされている、第2の複数のロボットデバイス(2408)を支持することをさらに含む、段落1に記載の方法。
【0026】
段落17
複数のタスクを実行すること(3006)は、
プラットフォーム(2442)が静止状態を保っている間、プラットフォーム(2442)上の第2の複数のロボットデバイス(2408)のロボットデバイスを移動させることによって、第2の複数のロボットデバイス(2408)を交換することを含む、段落16に記載の方法。
【0027】
段落18
航空機(314)の胴体アセンブリ(313)を構築するための方法であって、
胴体アセンブリ(313)の対応するセクションに対して複数のセル(2402)を位置付けすること(3102)であって、複数のセル(2402)のそれぞれが、
胴体アセンブリ(313)の第1の側面(2409)に対して位置付けされた第1の複数のロボットデバイス(2406)、及び
胴体アセンブリ(313)の第2の側面(2411)に対して位置付けされた第2の複数のロボットデバイス(2408)を備えている、複数のセル(2402)を位置付けすること(3102)と、
複数のセル(2402)を使用して、胴体アセンブリ(313)の対応するセクションのそれぞれにおける複数の位置(2436)のそれぞれにおいて自動化された作業(2434)を同時に実行すること(3104)と
を含み、各セルのロボットデバイス(2406、2408)は、所定のタスクシーケンス(2438)に従って、自動化された作業(2434)の種々のタスク群を実行するために交換可能である、方法。
【0028】
段落19
複数のセル(2402)を位置付けすること(3102)が、
胴体アセンブリ(313)の内側面内の胴体アセンブリ(313)の第1の側面(2409)においてプラットフォーム(2442)を位置付けすること(3304)と、
プラットフォーム(2442)上で第2の複数のロボットデバイス(2408)を支持すること(3304)と、
アセンブリ(304)の第1の側面(2409)に対して、プラットフォーム(2442)上で第2の複数のロボットデバイス(2408)を位置付けすること(3304)と
を含む、段落18に記載の方法。
【0029】
段落20
複数のセル(2402)を位置付けすること(3102)が、
胴体アセンブリ(313)の第2の側面(2411)に対して無人搬送車(2528)を位置付けすることと、
無人搬送車(2528)に連結されたプラットフォーム(2440)上で第1の複数のロボットデバイス(2406)を支持すること(3302)と、
胴体アセンブリ(313)の第2の側面(2411)に対して、プラットフォーム(2440)上で第1の複数のロボットデバイス(2406)を位置付けすること(3302)と
を含む、段落18に記載の方法。
【0030】
段落21
選択されたタクトタイム及び生産要件を満たすために、第2の複数のロボットデバイス(2408)の交換を調整することをさらに含む、段落18に記載の方法。
【0031】
段落22
装置であって、
第1の複数のロボットデバイス(2406)、
第2の複数のロボットデバイス(2408)であって、当該第2の複数のロボットデバイス(2408)のそれぞれが、単機能エンドエフェクタに連結されている、第2の複数のロボットデバイス(2408)、及び
第1の複数のロボットデバイス(2406)が、複数の位置(2436)のそれぞれにおいてクランプアップ(341)を独立して維持している間、アセンブリ(304)の複数の位置(2436)においてタスク群を同時に実行するために、第2の複数のロボットデバイス(2408)を制御するための制御システム(315)
を備えている装置。
【0032】
段落23
第2の複数のロボットデバイス(2408)が、
穿孔エンドエフェクタ(2428、2802)に連結された第1のロボットデバイス(2416)、
検査エンドエフェクタ(2430、2804)に連結された第2のロボットデバイス(2418)、及び
ファスナ挿入エンドエフェクタ(2432、2806)に連結された第3のロボットデバイス(2420)
を備えている、段落22に記載の装置。
【0033】
段落24
第1の複数のロボットデバイス(2406)を支持するためのプラットフォーム(2440)をさらに備えている、段落22に記載の装置。
【0034】
段落25
第2の複数のロボットデバイス(2408)のロボットデバイスの交換に十分な空間をなおも確保しながらも、第2の複数のロボットデバイス(2408)がプラットフォーム(2442)上に適合するように、第2の複数のロボットデバイス(2408)のそれぞれが寸法形成される、段落24に記載の装置。
【0035】
段落26
制御システム(315)が、選択されたタクトタイム及び生産要件を満たすために、第2の複数のロボットデバイス(2408)の交換を制御する、段落25に記載の装置。
【0036】
段落27
第1の複数のロボットデバイス(2406)のそれぞれが、
アセンブリ(304)の内部に穿孔される孔について選択された孔径に基づいて寸法形成されたノズル(332)、及び
片面クランプアップ(341)を設けるように使用するための吸引デバイス(330)
を備えている、段落22に記載の装置。
【0037】
段落28
第1の複数のロボットデバイス(2406)のそれぞれ及び第2の複数のロボットデバイス(2408)のそれぞれが、無人搬送車(2528)に連結されたプラットフォーム(2440、2442)上に適合するように寸法形成されている、段落22に記載の装置。
【0038】
段落29
アセンブリ(304)が、航空機(314)の胴体アセンブリ(313)である、段落22に記載の装置。
【0039】
段落30
段落22に記載の装置を使用して、航空機(314)のアセンブリ(304)を構築するための方法。
【0040】
段落31
高密度ロボットシステム(2400)であって、
第1の複数のロボットデバイス(2406)であって、第1の複数のロボットデバイス(2406)のそれぞれが、片面クランプアップ(341)を設けることが可能である、第1の複数のロボットデバイス(2406)、及び
第2の複数のロボットデバイス(2408)であって、
穿孔エンドエフェクタ(2428、2802)に連結された第1のロボットデバイス(2416)と、
検査エンドエフェクタ(2430、2804)に連結された第2のロボットデバイス(2418)と、
ファスナ挿入エンドエフェクタ(2432、2806)に連結された第3のロボットデバイス(2420)と、
第1の複数のロボットデバイス(2406)を支持する第1のプラットフォーム(2440)であって、胴体アセンブリ(102、313)の内側面(114)内で適合し且つ移動するように寸法形成されている、第1のプラットフォーム(2440)と、
第2の複数のロボットデバイス(2408)を支持する第2のプラットフォーム(2442)であって、胴体アセンブリ(102、313)の外側面(110)に沿った位置付け及び移動のために寸法形成されている、第2のプラットフォーム(2442)と
を含む第2の複数のロボットデバイス(2408)
を備えている高密度ロボットシステム(2400)。
【0041】
段落32
第2のプラットフォーム(2442)が、胴体アセンブリ(102、313)の外側面(110)に対して移動することを可能にするように、第2のプラットフォーム(2442)が、無人搬送車(2528)に連結されている、段落31に記載の高密度ロボットシステム(2400)。
【0042】
段落33
胴体アセンブリ(102、313)の複数の位置(2436)のそれぞれにおいて自動化された作業(2434)を同時に実行するように、第1の複数のロボットデバイス(2406)及び第2の複数のロボットデバイス(2408)を制御し、且つ所定のタスクシーケンス(2438)に従って、自動化された作業(2434)の種々のタスク群を実行するように、第2の複数のロボットデバイス(2408)の交換を制御するための制御システム(315)
をさらに備えている、段落31に記載の高密度ロボットシステム(2400)。
【0043】
段落34
段落31に記載のシステムを使用して、航空機(314)の胴体アセンブリ(102、313)を構築するための方法。
【0044】
段落35
航空機(314)用の胴体アセンブリ(102、313)に沿って、自動化されたファスナ取り付け作業を実行するための方法であって、
胴体アセンブリ(102、313)の選択されたセクションに対して、胴体アセンブリ(102、313)の内側面(114)内でロボットセル(2404)の第1の複数のロボットデバイス(2406)を支持する第1のプラットフォーム(2440)を位置付けすること(3302)と、
胴体アセンブリ(102、313)の選択されたセクションに対して、胴体アセンブリ(102、313)の外側面(110)に沿って、ロボットセル(2404)の第2の複数のロボットデバイス(2408)を支持する第2のプラットフォーム(2442)を位置付けすること(3304)と、
第1の複数のロボットデバイス(2406)に連結された第1の複数のエンドエフェクタ、及び第2の複数のロボットデバイス(2408)に連結された第2の複数のエンドエフェクタを使用して、胴体アセンブリ(102、313)の選択されたセクション上の選択されたファスナ取り付け点において自動化されたファスナ取り付け作業を実行すること(3306)であって、第1の複数のエンドエフェクタが、選択されたファスナ取り付け点において片面クランプアップ(341)を設けるために使用される、自動化されたファスナ取り付け作業を実行すること(3306)と
を含む方法。
【0045】
段落36
高密度ロボットセル(2404)を使用して、自動化された作業を実行するための方法であって、
複数のロボットデバイスを使用する所定のタスクシーケンス(2438)に従って、アセンブリ(304)に沿った複数の位置(2436)の各位置において複数の異なるタスク群を実行すること(3404)を含み、複数のロボットデバイスが、所定のタスクシーケンス(2438)のうちの少なくとも1つの段階の間、高密度ロボットゾーン内で、複数の位置(2436)のうちの少なくとも2つの異なる位置に対して、複数の異なるタスク群のうちの少なくとも2つを同時に実行するために使用される、方法。
【0046】
段落37
複数のタスクを実行すること(3404)が、
第1のロボットデバイス(2416)に連結された穿孔エンドエフェクタ(2428、2802)を使用して、第1の位置において穿孔タスクを実行し、それと同時に、第2のロボットデバイスに連結された検査エンドエフェクタ(2430、2804)を使用して、複数の位置(2436)のうちの第2の位置において検査タスクを実行することを含み、穿孔タスク及び検査タスクを実行している間、第1のロボットデバイス(2416)及び第2のロボットデバイスが、高密度設定で位置付けされる、段落36に記載の方法。
【0047】
段落38
複数のタスクを実行すること(3404)が、
第1のロボットデバイス(2416)に連結された穿孔エンドエフェクタ(2428、2802)を使用して、第1の位置において穿孔タスクを実行し、それと同時に、第2のロボットデバイスに連結されたファスナ挿入エンドエフェクタ(2432、2806)を使用して、複数の位置(2436)のうちの第2の位置においてファスナ挿入タスクを実行することを含み、穿孔タスク及びファスナ挿入タスクを実行している間、第1のロボットデバイス(2416)及び第2のロボットデバイスが、高密度設定で位置付けされる、段落36に記載の方法。
【0048】
段落39
複数のタスクを実行すること(3404)が、
アセンブリ(304)の第2の側面(2411)において複数のタスクが実行されている間、アセンブリ(304)の第1の側面(2409)から複数の片面クランプアップ(341)を同時に設けることを含む、段落36に記載の方法。
【0049】
段落40
複数のタスクを実行すること(3404)が、
複数のロボットデバイスを使用して、所定のタスクシーケンス(2438)に従って、アセンブリ(304)に沿った3つの異なる位置において3つの異なるタスクを実行することを含み、複数のロボットデバイスは、所定のタスクシーケンス(2438)のうちの少なくとも2つの段階の間、3つの異なる位置において3つの異なるタスクのうちの異なるタスクを同時に実行するように使用される、段落36に記載の方法。
【0050】
段落41
複数のタスクを実行すること(3404)が、
複数のロボットデバイスを使用して、所定のタスクシーケンス(2438)に従って、アセンブリ(304)に沿った2つの異なる位置のそれぞれにおいて2つの異なるタスクを実行することを含み、複数のロボットデバイスは、所定のタスクシーケンス(2438)のうちの少なくとも2つの段階の間、2つの異なる位置において2つの異なるタスクのうちの異なるタスクを同時に実行するように使用される、段落36に記載の方法。
【0051】
段落42
ジョイント(2901)に沿って複数の位置(2436)においてファスナを取り付ける方法であって、
高密度設定における選択された位置群に対して位置付けされた複数の単機能エンドエフェクタを使用して、複数の位置(2436)のうちの選択された位置群において、ファスナ取り付け作業のための複数の異なるタスクを同時に実行すること(3504)を含む、方法。
【0052】
段落43
前記選択された位置群が互いに隣接していない、段落42に記載の方法。
【0053】
段落44
複数の異なるタスクが、孔(700)を穿孔するための穿孔タスク、孔(700)を検査するための検査タスク、及び孔(700)内にファスナを取り付けるためのファスナ挿入タスクを含む、段落42に記載の方法。
【0054】
段落45
複数の異なるタスクを実行すること(3504)が、
複数の位置(2436)のうちのn番目の位置ごとにおいて複数の異なるタスクを実行することを含み、n番目の位置ごとは、3番目の位置ごと、4番目の位置ごと、及び5番目の位置ごとのうちの1つから選択される、段落42に記載の方法。
【0055】
段落46
選択された位置群が、複数の位置(2436)のうちの少なくとも2つの位置によって、水平に離間されている、段落42に記載の方法。
【0056】
段落47
前記選択された位置群が垂直に離間されている、段落42に記載の方法。
【0057】
段落48
複数の異なるタスクを実行すること(3504)が、
選択された位置群の第1の選択位置においてクランプアップシーケンスを実行することと、
ジョイント(2901)の第1の側面(2920)における選択された位置群の第2の選択位置において片面クランプアップ(341)を設けることと、
クランプアップシーケンスと同時に、ジョイント(2901)の第2の側面(2921)における第2の選択位置において検査タスクを実行することと
を含む、段落42に記載の方法。
【0058】
段落49
複数の異なるタスクを実行すること(3504)が、
選択された位置群の第1の選択位置において検査タスクを実行することと、
ジョイント(2901)の第2の側面(2921)における選択された位置群の第2の選択位置において片面クランプアップ(341)を維持することと、
検査シーケンスと同時に、ジョイント(2901)の第2の側面(2921)における第2の選択位置においてファスナ挿入タスクを実行することと
を含む、段落42に記載の方法。
【0059】
段落50
複数の片面クランプアップ(341)を設けるための方法であって、
ジョイント(2901)の第1の側面(2920)における第1のロボットデバイス(2914)、及びジョイント(2901)の第2の側面(2921)における第2のロボットデバイス(2922)を使用して、第1のファスナ取り付け点(2915)において両面クランプアップを確立すること(3602)と、
第1のロボットデバイス(2914)を使用して、第1のファスナ取り付け点(2915)における両面クランプアップを片面クランプアップ(341)に変換すること(3604)と、
第1のファスナ取り付け点(2915)において片面クランプアップ(341)を維持しながら、ジョイント(2901)の第2の側面(2921)に沿って第2のロボットデバイス(2922)を第2のファスナ取り付け点(2917)に移動させること(3606)と、
第1のファスナ取り付け点(2915)において片面クランプアップ(341)を維持しながら、ジョイント(2901)の第2の側面(2921)に沿って第3のロボットデバイス(2924)を第1のファスナ取り付け点(2915)に移動させること(3608)と
を含む方法。
【0060】
段落51
ジョイント(2901)の第1の側面(2920)における第4のロボットデバイス(2916)、及びジョイント(2901)の第2の側面(2921)における第2のロボットデバイス(2922)を使用して、第2のファスナ取り付け点(2917)において両面クランプアップを確立すること(3610)と、
第4のロボットデバイス(2916)を使用して、第2のファスナ取り付け点(2917)における両面クランプアップを片面クランプアップ(341)に変換すること(3612)と
をさらに含む、段落50に記載の方法。
【0061】
段落52
第2のファスナ取り付け点(2917)において片面クランプアップ(341)を維持しながら、第2のロボットデバイス(2916)を第2のファスナ取り付け点(2917)から離すように移動させることと、
第2のファスナ取り付け点(2917)において片面クランプアップ(341)を維持しながら、第3のロボットデバイス(2924)を、ジョイント(2901)の第2の側面(2921)に沿って、第2のファスナ取り付け点(2917)へと移動させることと
をさらに含む、段落51に記載の方法。
【0062】
段落53
スプライス(400、2901)上でファスナを取り付ける方法であって、
スプライス(400、2901)上で複数のセル(2402)によって実行されるべき作業のシーケンスを決定すること(3702)と、
複数のセル(2402)を使用して、スプライス(400、2901)上の作業のシーケンスを実行すること(3704)であって、複数のセル(2402)の各セルが、スプライス(400、2901)の第1の側面(406、2920)における第1の高密度ロボットゾーン内に配置された第1の複数のロボットデバイス(2406)、及びスプライス(400、2901)の第2の側面(408、2921)における第2の高密度ロボットゾーン内に配置された第2の複数のロボットデバイス(2408)を含む、作業のシーケンスを実行すること(3704)と
を含む方法。
【0063】
段落54
複数のセル(2402)のうちの第1のセルが、スプライス(400、2901)の長さに沿って、n番目の位置ごとにファスナ取り付け作業を実行し、複数のセル(2402)のうちの第2のセルが、スプライス(400、2901)の長さに沿って、m番目の位置ごとにファスナ取り付け作業を実行する、段落53に記載の方法。
【0064】
段落55
第1のセルが、スプライス(400、2901)に沿って、第1の位置においてファスナ取り付け作業の実行を開始し、第2のセルが、一定時間が経った後に、スプライスに沿って、第2の位置においてファスナ取り付け作業の実行を開始する、段落54に記載の方法。
【0065】
段落56
複数のセル(2402)における第1のセルの第1の複数のロボットデバイス(2406)及び第2の複数のロボットデバイス(2408)が、スプライス(400、2901)に沿って、あるセクションに対してすべてのファスナ取り付け作業を実行し、複数のセル(2402)における第2のセルの第1の複数のロボットデバイス(2406)及び第2の複数のロボットデバイス(2408)が、スプライス(400、2901)に沿って、異なるセクションに対してすべてのファスナ取り付け作業を実行する、段落53に記載の方法。
【0066】
本開示は、さらに以下の条項を含む。
【0067】
条項1
アセンブリ(304)に対して自動化されたタスクを実行するための方法であって、
アセンブリ(304)の第1の側面(2409)に対して第1の複数のロボットデバイス(2406)を位置付けすること(3002)と、
アセンブリ(304)の第2の側面(2411)に対して第2の複数のロボットデバイス(2408)を位置付けすること(3004)であって、当該第2の複数のロボットデバイス(2408)のそれぞれが、対応するタスクを実行するように使用される、第2の複数のロボットデバイス(2408)を位置付けすること(3004)と、
第1の複数のロボットデバイス(2406)及び第2の複数のロボットデバイス(2408)を使用して、アセンブリ(304)の複数の位置(2436)のそれぞれにおいて複数のタスク群を実行すること(3006)と
を含み、第1の複数のロボットデバイス(2406)が、複数の位置(2436)のそれぞれにおいてクランプアップ(341)を独立して維持している間、第2の複数のロボットデバイス(2408)は、複数の位置(2436)においてタスク群を同時に実行する、方法。
【0068】
条項2
第1の複数のロボットデバイス(2406)を位置付けすること(3002)が、
片面クランプアップ(341)を設けることが可能なエンドエフェクタ(2422、2424、2426)を有するアセンブリ(304)の第1の側面(2409)に対して3つのロボットデバイス(2410、2412、2414)を位置付けすることを含む、条項1に記載の方法。
【0069】
条項3
第2の複数のロボットデバイス(2408)を位置付けすること(3004)が、
アセンブリ(304)の第2の側面(2411)に対して3つのロボットデバイス(2416、2418、2420)を位置付けすることを含み、3つのロボットデバイス(2416、2418、2420)のそれぞれが、他の2つのロボットデバイスに比べて異なる特殊なタスクを実行するための単機能エンドエフェクタ(2428、2430、2432)に連結されている、条項1又は2に記載の方法。
【0070】
条項4
3つのロボットデバイスを位置付けすることが、
アセンブリ(304)の第2の側面(2411)に対して、穿孔エンドエフェクタ(2428、2802)を有する第1のロボットデバイス(2416)、検査エンドエフェクタ(2430、2804)を有する第2のロボットデバイス(2418)、及びファスナ挿入エンドエフェクタ(2432、2806)を有する第3のロボットデバイス(2420)を位置付けすることを含む、条項3に記載の方法。
【0071】
条項5
複数のタスクを実行すること(3006)が、
第2の複数のロボットデバイス(2408)が、アセンブリ(304)の第2の側面(2411)で交換されている間、第1の複数のロボットデバイス(2406)を使用して、アセンブリ(304)の第1のパネル(308、402)及び第2のパネル(310、404)の片面クランプアップ(341)を独立して設けることを含む、条項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【0072】
条項6
片面クランプアップ(341)を独立して設けることが、
第1の複数のロボットデバイス(2406)のうちの1つに連結されたエンドエフェクタ(414、2422、2424、2426)によって、アセンブリ(304)の第1の側面(2409)から第1のパネル(308、402)及び第2のパネル(310、404)を通って延在するファスナ孔(700)を通して空気を吸引して、第2のパネル(310、404)におけるファスナ孔(700)の一部を画定する壁(900)を把持する把持力(802)をもたらし、それにより、第2のパネル(310、404)を第1のパネル(308、402)に向けて引っ張ることを含む、条項5に記載の方法。
【0073】
条項7
複数のタスクを実行すること(3006)は、
第2の複数のロボットデバイス(2408)が、複数の位置(2436)のそれぞれにおいて所定のタスクシーケンス(2438)に従って複数のタスクを実行している間、第1の複数のロボットデバイス(2406)を使用して、アセンブリ(304)の第1のパネル(308、402)及び第2のパネル(310、404)の片面クランプアップ(341)を独立して設けることを含む、条項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【0074】
条項8
複数のタスクを実行すること(3006)が、
第1のエンドエフェクタ及び穿孔エンドエフェクタ(2428、2802)を使用して、アセンブリ(304)の複数の位置(2436)のうちの第1の位置においてクランプアップ(341)シーケンスを実行すること(3206)を含み、第1のエンドエフェクタが、第1の複数のロボットデバイス(2406)のうちの対応するロボットデバイスに連結され、穿孔エンドエフェクタ(2428、2802)が、第2の複数のロボットデバイス(2408)のうちの対応するロボットデバイスに連結されている、条項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【0075】
条項9
クランプアップ(341)シーケンスを実行すること(3206)が、
穿孔エンドエフェクタ(2428、2802)を使用して、アセンブリ(304)の第1の位置において、アセンブリ(304)を通るように第1の孔を穿孔することと、
第1の位置においてクランプアップ(341)を維持するため、第1の孔を通して空気を吸引することであって、吸引が、少なくとも、第1のファスナが第1の孔内に取り付けられるまで続く、空気を吸引することと
を含む、条項8に記載の方法。
【0076】
条項10
複数のタスクを実行すること(3006)が、
アセンブリ(304)の複数の位置(2436)のうちの第2の位置に対して、穿孔エンドエフェクタ(2428、2802)を移動させ且つ位置付けすること(3208)と、
第1のエンドエフェクタが、第1の位置においてクランプアップ(341)を独立して維持し続けている間、第1の位置において検査エンドエフェクタ(2430、2804)を移動させ且つ位置付けすることであって、検査エンドエフェクタ(2430、2804)が、第2の複数のロボットデバイス(2408)のうちの対応するロボットデバイスに連結されている、検査エンドエフェクタ(2430、2804)を移動させ且つ位置付けすること(3210)と
を含む、条項8又は9に記載の方法。
【0077】
条項11
複数のタスクを実行すること(3006)が、
第1のエンドエフェクタが、第1の位置においてクランプアップ(341)を独立して維持している間、検査エンドエフェクタ(2430、2804)を使用して、第1の位置における第1の孔を検査すること(3214)と、
穿孔エンドエフェクタ(2428、2802)、及びアセンブリ(304)の第1の側面(2409)における第2の位置に対して位置付けされた第2のエンドエフェクタを使用して、第2の位置においてクランプアップ(341)シーケンスを実行すること(3212)と
をさらに含み、
クランプアップ(341)シーケンス、及び第1の孔の検査が、同時に行われ、
第2のエンドエフェクタが、第1の複数のロボットデバイス(2406)のうちの対応するロボットデバイスに連結されている、条項10に記載の方法。
【0078】
条項12
複数のタスクを実行すること(3006)が、
アセンブリ(304)の複数の位置(2436)のうちの第3の位置に対して、穿孔エンドエフェクタ(2428、2802)を移動させ且つ位置付けすること(3216)と、
第2のエンドエフェクタが、第1の位置においてクランプアップ(341)を独立して維持し続けている間、第2の位置において検査エンドエフェクタ(2430、2804)を移動させ且つ位置付けすること(3218)であって、検査エンドエフェクタ(2430、2804)が、第2の複数のロボットデバイス(2408)のうちの対応するロボットデバイスに連結されている、検査エンドエフェクタ(2430、2804)を移動させ且つ位置付けすること(3218)と
第1のエンドエフェクタが、第1の位置においてクランプアップ(341)を独立して維持し続けている間、第1の位置においてファスナ挿入エンドエフェクタ(2432、2806)を移動させ且つ位置付けすること(3220)であって、ファスナ挿入エンドエフェクタ(2432、2806)が、第2の複数のロボットデバイス(2408)のうちの対応するロボットデバイスに連結されている、ファスナ挿入エンドエフェクタ(2432、2806)を移動させ且つ位置付けすること(3220)と
をさらに含む、条項10又は11に記載の方法。
【0079】
条項13
複数のタスクを実行すること(3006)が、
第1のエンドエフェクタが、第1の位置においてクランプアップ(341)を独立して維持している間、ファスナ挿入エンドエフェクタ(2432、2806)を使用して、ファスナを第1の孔内に取り付けること(3226)と、
第2のエンドエフェクタが、第2の位置においてクランプアップ(341)を独立して維持している間、検査エンドエフェクタ(2430、2804)を使用して、第2の位置において第2の孔を検査すること(3224)と、
穿孔エンドエフェクタ(2428、2802)、及びアセンブリ(304)の第1の側面(2409)における第3の位置に対して位置付けされた第3のエンドエフェクタを使用して、第3の位置においてクランプアップ(341)シーケンスを実行すること(3222)と
をさらに含み、
第3のエンドエフェクタが、第1の複数のロボットデバイス(2406)のうちの対応するロボットデバイスに連結され、
第1の位置におけるファスナの取り付け、第2の位置における第2の孔の検査、及び第3の位置におけるクランプアップ(341)シーケンスが、同時に実行される、条項12に記載の方法。
【0080】
条項14
選択されたタクトタイム及び生産要件を満たすために、第2の複数のロボットデバイス(2408)の交換を調整することをさらに含む、条項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【0081】
条項15
プラットフォーム(2440)上で第1の複数のロボットデバイス(2406)を支持することであって、プラットフォーム(2440)は、第1の複数のロボットデバイス(2406)が、航空機(314)の胴体アセンブリ(313)の内側モールド線に面する側面でタスク群を実行することを可能にするように位置付けされている、第1の複数のロボットデバイス(2406)を支持することをさらに含む、条項1から14のいずれか一項に記載の方法。
【0082】
条項16
プラットフォーム(2442)上で第2の複数のロボットデバイス(2408)を支持することであって、プラットフォーム(2442)は、第1の複数のロボットデバイス(2406)が、航空機(314)の胴体アセンブリ(313)の外側モールド線に面する側面でタスク群を実行することを可能にするように位置付けされている、第2の複数のロボットデバイス(2408)を支持することをさらに含む、条項1から15のいずれか一項に記載の方法。
【0083】
条項17
複数のタスクを実行すること(3006)は、
プラットフォーム(2442)が静止状態を保っている間、プラットフォーム(2442)上の第2の複数のロボットデバイス(2408)のロボットデバイスを移動させることによって、第2の複数のロボットデバイス(2408)を交換することを含む、条項16に記載の方法。
【0084】
条項18
航空機(314)の胴体アセンブリ(313)の構築における、条項1から17のいずれか一項に記載の方法の使用。
【0085】
条項19
条項18に記載の方法の使用であって、前記方法が、
胴体アセンブリ(313)の対応するセクションに対して、複数のセル(2402)を位置付けすること(3102)を含み、
複数のセル(2402)のそれぞれが、
胴体アセンブリ(313)の第1の側面(2409)に対して位置付けされた第1の複数のロボットデバイス(2406)を備えている、使用。
【0086】
条項20
装置であって、
第1の複数のロボットデバイス(2406)、
第2の複数のロボットデバイス(2408)であって、当該第2の複数のロボットデバイス(2408)のそれぞれが、単機能エンドエフェクタに連結されている、第2の複数のロボットデバイス(2408)、及び
第1の複数のロボットデバイス(2406)が、複数の位置(2436)のそれぞれにおいてクランプアップ(341)を独立して維持している間、アセンブリ(304)の複数の位置(2436)においてタスク群を同時に実行するために、第2の複数のロボットデバイス(2408)を制御するための制御システム(315)
を備えている装置。
【0087】
条項21
第2の複数のロボットデバイス(2408)が、
穿孔エンドエフェクタ(2428、2802)に連結された第1のロボットデバイス(2416)、
検査エンドエフェクタ(2430、2804)に連結された第2のロボットデバイス(2418)、及び
ファスナ挿入エンドエフェクタ(2432、2806)に連結された第3のロボットデバイス(2420)
を備えている、条項20に記載の装置。
【0088】
条項22
第1の複数のロボットデバイス(2406)を支持するためのプラットフォーム(2440)をさらに備えている、条項20又は21に記載の装置。
【0089】
条項23
第2の複数のロボットデバイス(2408)のロボットデバイスの交換に十分な空間をなおも確保しながらも、第2の複数のロボットデバイス(2408)がプラットフォーム(2442)上に適合するように、第2の複数のロボットデバイス(2408)のそれぞれが寸法形成される、条項22に記載の装置。
【0090】
条項24
制御システム(315)が、選択されたタクトタイム及び生産要件を満たすために、第2の複数のロボットデバイス(2408)の交換を制御する、条項20から23のいずれか一項に記載の装置。
【0091】
条項25
第1の複数のロボットデバイス(2406)のそれぞれが、
アセンブリ(304)の内部に穿孔される孔について選択された孔径に基づいて寸法形成されたノズル(332)、及び
片面クランプアップ(341)を設けるように使用するための吸引デバイス(330)
を備えている、条項20から24のいずれか一項に記載の装置。
【0092】
条項26
第1の複数のロボットデバイス(2406)のそれぞれ及び第2の複数のロボットデバイス(2408)のそれぞれが、無人搬送車(2528)に連結されたプラットフォーム(2440、2442)上に適合するように寸法形成されている、条項20から25のいずれか一項に記載の装置。
【0093】
条項27
アセンブリ(304)が、航空機(314)の胴体アセンブリ(313)である、条項20から26のいずれか一項に記載の装置。
【0094】
条項28
航空機(314)の胴体アセンブリ(304)を構築するための、条項20から27のいずれか一項に記載の装置の使用。
【図面の簡単な説明】
【0095】
例示的な実施形態の特性と考えられる新規な特徴は、添付の特許請求の範囲に明記される。しかしながら、例示的な実施形態と、好ましい使用モードと、そのさらなる目的と特徴とは、添付図面を共に、本開示の例示的な実施形態の以下の詳細な説明を参照することにより、最もよく理解されるであろう。
【0096】
【
図1】例示的な実施形態に係る、製造環境100の斜視図である。
【
図2】例示的な実施形態に従って構築されている、
図1の胴体アセンブリの端部図である。
【
図3】例示的な実施形態に係る、製造環境のブロック図である。
【
図4】例示的な実施形態に係る、アセンブリに対して位置付けされた単機能エンドエフェクタを有するロボットデバイスの側面図である。
【
図5】例示的な実施形態に係る、
図4のラップスプライスに対して位置付けされた、
図4のエンドエフェクタの拡大側面図である。
【
図6】例示的な実施形態に係る、
図4のラップスプライスに対して力を加える、
図4のエンドエフェクタの側面図である。
【
図7】例示的な実施形態に係る、穿孔作業の側面図である。
【
図8】例示的な実施形態に係る、吸引作業の側面図である。
【
図9】例示的な実施形態に係る、
図8の一部の拡大側断面図である。
【
図10】例示的な実施形態に係る、片面クランプアップの拡大側面図である。
【
図11】例示的な実施形態に係る、
図10の片面クランプアップの別の側面図である。
【
図12】例示的な実施形態に係る、
図11のラップスプライスの第2の側面に対して位置付けされたエンドエフェクタの斜視図である。
【
図13】例示的な実施形態に係る、ファスナ(
図11及び
図12に示す)をファスナ孔(
図11に示す)内に挿入するのに使用されるファスナ挿入ツールの側面図である。
【
図14】例示的な実施形態に係る、ラップスライス内の取り付けられたファスナの断面図である。
【
図15】例示的な実施形態に係る、ファスナ取り付け作業の完了を示す。
【
図16】例示的な実施形態に係る、ファスナの取り付けを実行するための方法のフロー図である。
【
図17】例示的な実施形態に係る、クランプアップを維持するためのプロセスのフロー図である。
【
図18】例示的な実施形態に係る、クランプアップを維持するためのプロセスのフロー図である。
【
図19】例示的な実施形態に係る、片面クランプアップを維持するためのプロセスのフロー図である。
【
図20】例示的な実施形態に係る、片面クランプアップを維持するためのプロセスのフロー図である。
【
図21】例示的な実施形態に係る、片面クランプアップを維持するためのプロセスのフロー図である。
【
図22】例示的な実施形態に係る、片面クランプアップを維持するためのプロセスのフロー図である。
【
図23】例示的な実施形態に係る、クランプアップを設けるためのプロセスのフロー図である。
【
図24】例示的な実施形態に係る、製造環境のブロック図である。
【
図25】例示的な実施形態に係る、
図1の製造環境の別の斜視図である。
【
図26】例示的な実施形態に従って構築されている胴体アセンブリの拡大端部図である。
【
図27】例示的な実施形態に係る、
図25及び
図26のロボットデバイスに連結されたエンドエフェクタの拡大斜視図である。
【
図28】例示的な実施形態に係る、
図25及び
図26のロボットデバイスに連結されたエンドエフェクタの拡大斜視図である。
【
図29】例示的な実施形態に係る、アセンブリに沿った複数のファスナ取り付け点において自動化されたファスナ取り付け作業を実行するセルに関する様々な段階の代表的なシーケンス図である。
【
図30】例示的な実施形態に係る、アセンブリのための自動化された作業を実行するためのプロセスのフロー図である。
【
図31】例示的な実施形態に係る、航空機用の胴体アセンブリを構築する自動化された作業を実行するためのプロセスのフロー図である。
【
図32】例示的な実施形態に係る、ジョイントに沿って自動化されたファスナ取り付け作業を実行するためのプロセスのフロー図である。
【
図33】例示的な実施形態に係る、航空機用の胴体アセンブリに沿った、自動化されたファスナ取り付け作業を実行するためのプロセスのフロー図である。
【
図34】例示的な実施形態に係る、高密度ロボットセルを使用して、自動化された作業を実行するためのプロセスのフロー図である。
【
図35】例示的な実施形態に係る、ジョイントに沿って複数の位置においてファスナを取り付けるためのプロセスのフロー図である。
【
図36】例示的な実施形態に係る、複数の片面クランプアップを設けるためのプロセスのフロー図である。
【
図37】例示的な実施形態に係る、スプライス上にファスナを取り付けるためのプロセスのフロー図である。
【
図38】例示的な実施形態に係る、データ処理システムのブロック図である。
【
図39】例示的な実施形態に係る、航空機の製造及び保守の方法を示す。
【
図40】例示的な実施形態に係る、航空機のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0097】
以下に説明される例示的な実施形態は、部品を共に接合する効率及び簡便性を改善するための方法及び装置を提供する。例えば、以下に記載される方法及び装置は、効率及び簡便性を改善し、部品を共に接合するためにファスナを取り付ける煩雑さを軽減し得る。例示的な実施形態では、単機能エンドエフェクタにより、ファスナ取り付け作業の様々なタスク(例えば、穿孔、検査、ファスナ挿入)の分離が可能になることが認識され、考慮される。異なるタスクに異なる単機能エンドエフェクタを使用することで、エンドエフェクタは、多機能エンドエフェクタより小型、軽量、及び簡素になり得る。
【0098】
単機能エンドエフェクタの単純さにより、ファスナ取り付け作業を自動化するためにエンドエフェクタを使用する全体的な効率性及び信頼性を改善するのに役立ち得る。さらに、単機能エンドエフェクタの単純さにより、必要なメンテナンスの量、支持ロボット及び関連する構造体の全体的なサイズ、又はその両方が軽くなり得る。
【0099】
具体的には、例示的な実施形態では、様々なタスクを実行するために単機能エンドエフェクタを切り替えているとき、ファスナが取り付けられたアセンブリの部品を共に保持(例えば、共に固定)することが必要であることが認識され、考慮されている。例示的な実施形態は、アセンブリの片側からこれらの部品を共に保持し、アセンブリの他方の側で単機能エンドエフェクタの切り替えを可能にする方法及び装置を提供する。
【0100】
1つの例示的な実施形態では、ファスナの取り付けを自動化するための方法が提供される。第1の機械力が第1の部品に加えられ、第2の機械力が第2の部品に加えられ、第1の部品及び第2の部品のクランプアップが形成される。第2の部品における第2の孔と整列する第1の部品における第1の孔によって形成されたファスナ孔を通して、空気が吸引され、第2の部品は、第1の部品に向けて引っ張られ、それにより、第2の機械力が取り除かれた後でも、第1の部品と第2の部品とのクランプアップが維持される。
【0101】
別の例示的な実施形態では、第1のパネル内の第1の孔を第2のパネル内の第2の孔と整列させて、貫通孔を画定する方法が提供される。第2の孔を画定する壁が貫通孔内から把持されて、第2のパネルが第1のパネルに向けて引っ張られ、それにより、第1のパネル及び第2のパネルのクランプアップが確立される。
【0102】
さらに別の例示的な実施形態では、単機能エンドエフェクタを使用して、クランプアップを維持する方法が提供される。単機能エンドエフェクタは、パネルジョイントの片側に位置付けされ、パネルジョイントの第1のパネルに第1の力を加え、且つパネルジョイントの第2のパネルに第2の力を加え、クランプアップを維持する。第1の力は、例えば、吸引力であり得るが、第2の力は、例えば、吸引力に反応して加えられた反力であり得る。このようにして、片面クランプアップが達成される。
【0103】
したがって、例示的な実施形態は、第1のパネルと第2のパネルの両方のクランプアップを確立し、クランプアップを維持する方法を提供する。これらの方法及びシステムには、第2のパネルを第1のパネルに向けて引っ張るために、第1のパネル内の孔から第2のパネル内の孔を画定する壁を把持することが関わる。第1の孔及び第2の孔は、第1のパネルと第2のパネルを通って延在する貫通孔を形成する。
【0104】
この把持は、例えば、ファスナ孔(例えば、貫通孔)を通して、部分真空を引くことによって、第2のパネルから第1のパネルに向かう方向に実行することができる。この把持力は、第1のパネルと接続するように位置付けされた単機能エンドエフェクタによって生成された対抗力(例えば、反力)と組み合わされる。このようにして、片面クランプアップが達成される。第1のパネルの側面からクランプアップが形成され、ツール及び装置の運動が可能となり、第2のパネルの側面で任意の数の作業を行う空間が設けられる。
【0105】
場合によっては、1つ以上のパネルが、第1のパネルと第2のパネルとの間に存在し得る。ファスナ孔は、第1のパネル、第2のパネル、及び第1のパネルと第2のパネルとの間の任意の数のパネルを通って延在する。他の場合では、シーラントが、第1のパネル及び第2のパネルの一方又は両方の接合面に施される。
【0106】
これより図面を参照する。
図1は、例示的な実施形態に係る、製造環境100の斜視図である。製造環境100の中では、胴体アセンブリ102が構築されている。この例示的な実施例では、複数のアセンブリシステム104が、胴体アセンブリ102に対して位置付けされている。
【0107】
アセンブリシステム106は、複数のアセンブリシステム104のうちの一例である。アセンブリシステム106は、胴体アセンブリ102の外側面110に対して位置付けされたロボットデバイス108、及び胴体アセンブリ102の内側面114に対して位置付けされたロボットデバイス112を含む。ロボットデバイス108及びロボットデバイス112は、協働して、胴体アセンブリ102を構築するためにファスナ取り付け作業を実行する。
【0108】
図2は、例示的な実施形態に従って構築されている胴体アセンブリ102の端部図である。図示されているように、ロボットデバイス108は、プラットフォーム200によって支持され、ロボットデバイス112は、プラットフォーム202によって支持されている。ロボットデバイス108及びロボットデバイス112は、協働して、胴体アセンブリ102を構築するために胴体パネルを共に接合するファスナを取り付ける。
【0109】
この例示的な実施例では、ロボットデバイス108は、穿孔、検査、及びファスナ挿入タスクを実行するためのエンドエフェクタに連結されている。これらのエンドエフェクタは、単機能エンドエフェクタであり、個々のタスクを実行するために、例えば、ファスナ取り付け点113の周りで動き回ることにより、切り替わり得る。単機能エンドエフェクタは、1つのファスナ取り付け点につき、且つ、1つのロボットデバイスにつき、単一の機能を実行するために使用されるエンドエフェクタである。場合によっては、ロボットデバイス108は、エンドエフェクタを特定のタスクのためにファスナ取り付け点113に対して位置付けするため、プラットフォーム200上で動き回る。他の場合では、ロボットデバイス108は、適切なエンドエフェクタを所与のタスクのためにファスナ取り付け点113に対して位置付けするため、プラットフォーム200上で静止状態を保ちながらも、エンドエフェクタを動き回すために使用することができる。
【0110】
ロボットデバイス108に連結された単機能エンドエフェクタの切り替えの間、各ロボットデバイス112は、胴体アセンブリ102の内側面側から胴体パネルを共に保持するために使用されるエンドエフェクタに連結されている。例えば、ロボットデバイス108のうちの1つにあるエンドエフェクタが、その指定タスクを実行するために使用された後、そのエンドエフェクタは、異なるエンドエフェクタのために空間を設けるため、ファスナ取り付け点113から引き離され得る。胴体アセンブリ102の外側面側でエンドエフェクタが切り替えられている間、ロボットデバイス112のうちの1つに連結されたエンドエフェクタは、胴体アセンブリ102の内側面側のみから胴体パネルのクランプアップを維持するために使用される。
【0111】
図3は、例示的な実施形態に係る、製造環境300のブロック図である。
図1の製造環境100は、製造環境300の一実装形態の一例である。製造環境300の中で、アセンブリシステム302は、アセンブリ304を構築するために使用される。
【0112】
アセンブリ304は、部品308及び部品310を含む。部品308及び部品310は、アセンブリ304内でジョイント(図示せず)を形成するために接合される。ジョイントの第1の側面を形成する、部品308の側面311は、部品310の反対側を向く。ジョイントの第2の側面を形成する、部品310の側面312は、反対側の部品308に面する。
【0113】
これらの例示的な実施形態では、アセンブリ304は、2つの部品のみを有するように記載されているが、他の場合では、アセンブリ304は、2つより多くの部品を含んでもよい。1つの例示的な実施例では、アセンブリ304は、航空機314の胴体アセンブリ313の形態をとる。一実施例では、部品308及び部品310は、胴体パネルの形態をとる。他の実施例では、部品308及び部品310は、翼パネルなどの他の種類の航空機部品の形態をとる。部品308及び部品310がパネルの形態をとるとき、共にパネルジョイントを形成する。
【0114】
図1のアセンブリシステム106は、アセンブリシステム302の一実装形態の例である。アセンブリシステム302は、制御システム315、及び複数のロボットデバイス316を含む。制御システム315は、ロボットデバイス316の作業を制御する。制御システム315は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせを使用して実装される。
【0115】
ソフトウェアを使用する場合、制御システム315によって実行される作業は、例えば、処理ユニットで実行されるように構成されたプログラムコードを使用して実施することができるが、これに限定されない。ファームウェアを使用する場合、制御システム315によって実行される作業は、処理ユニットで実行されるように永続メモリに保存されたプログラムコード及びデータを使用して実施することができるが、これに限定されない。
【0116】
ハードウェアを採用する場合、ハードウェアは、制御システム315によって実施される作業を実行するように動作する1つ以上の回路を含み得る。実装形態に応じて、ハードウェアは、回路システム、集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理デバイス、又は、任意の数の作業を実行するよう構成された、他の何らかの適切な種類のハードウェアデバイスの形態をとり得る。プログラマブル論理デバイスは、特定の作業を実行するように構成され得る。このデバイスは、これらの作業を実行するよう恒久的に構成されるか、又は、再構成可能であってよい。プログラマブル論理デバイスは、例えば、プログラマブル論理アレイ、プログラマブルアレイ論理装置、フィールドプログラマブル論理アレイ、フィールドプログラマブルゲートアレイ、又は、他の何らかの種類のプログラマブルハードウェアデバイスの形態をとり得るが、これらに限定されない。
【0117】
これらの例示的な実施例では、制御システム315は、コンピュータシステムを使用して実装され得る。コンピュータシステムは、互いに通信する単一のコンピュータ又は複数のコンピュータを含み得る。
【0118】
複数のロボットデバイス316は、ロボットデバイス318、ロボットデバイス320、及びロボットデバイス322を含むが、これらに限定されない。ロボットデバイス318、ロボットデバイス320、及びロボットデバイス322は、それぞれ、エンドエフェクタ324、エンドエフェクタ326、及びエンドエフェクタ328に連結される。これらのエンドエフェクタは、それぞれ、単機能エンドエフェクタと見なされ得る。幾つかの例示的な実施例では、エンドエフェクタ324、エンドエフェクタ326、及びエンドエフェクタ328は、それぞれ、ロボットデバイス318、ロボットデバイス320、及びロボットデバイス322の一部であると見なされる。他の例示的な実施例では、エンドエフェクタ324、エンドエフェクタ326、及びエンドエフェクタ328は、ロボットデバイス318、ロボットデバイス320、及びロボットデバイス322から分離されていると見なされるが、これらに取り付け可能であり、これらから取り外し可能である。
【0119】
1つの例示的な実施形態では、エンドエフェクタ324は、吸引デバイス330及びツールを含む。ツールは、吸引デバイス330に連結されたノズル332であり得る。ノズル332は、吸引デバイス330に直接的又は間接的に連結される。これらの例示的な実施例では、ノズル332は、ノズル332を通って延在するチャネル334を有する細長い部材であり得る。吸引デバイス330は、十分な出力でノズル332内のチャネル334に空気を吸い込んで通すような吸引を発生させる。
【0120】
エンドエフェクタ326は、ツール336及び穿孔ツール338を含む。幾つかの例示的な実施例では、ツール336は、穿孔ツール338を囲む円筒部材である。エンドエフェクタ328は、ファスナ挿入ツール340を含む。
【0121】
ファスナの取り付けを実行するために、エンドエフェクタ324とエンドエフェクタ326は、アセンブリ304の両側に位置付けされる。これらのエンドエフェクタは、均等且つ互いに対抗する力を(例えば、第1の力342及び第2の力344をそれぞれ部品308及び部品310に)加えるために使用され、クランプアップ341を形成する。具体的には、エンドエフェクタ324及びエンドエフェクタ326は、均等且つ互いに対抗する力を部品308の側面311及び部品310の側面312のそれぞれに加えるように作動し、クランプアップ341を形成する。
【0122】
例えば、ロボットデバイス318又はエンドエフェクタ324のうちの少なくとも1つは、ノズル332を使用して、第1の力342を部品308の側面311に加えるように動作する。第1の力342は、第1の機械力である。第1の機械力は、場合よっては、固定力(clamping force)とも呼ばれる。場合によっては、エンドエフェクタ324は、ノズル332を側面311に向けて移動させて、第1の力342を部品308に加えるための延長システムを含む。さらに、ロボットデバイス320又はエンドエフェクタ326のうちの少なくとも1つは、ツール336を使用して、第2の力344をアセンブリ304の他の側に加えるように動作し得る。第2の力344は、第2の機械力である。第2の機械力は、場合よっては、固定力(clamping force)とも呼ばれる。場合によっては、エンドエフェクタ326は、ツール336を側面312に向けて移動させて、第2の力344を部品310に加えるための延長システムを含む。
【0123】
一実施例では、ノズル332及びツール336は、それぞれ同時に、部品308及び部品310へと延びて、部品308及び部品310に対して押圧され、それにより、第1の力342が部品308に加えられ、第2の力344が部品310に加えられる。第1の力342と第2の力344との間で所望の力の静的平衡が達成されるまで、ノズル332及びツール336は、それぞれ、部品308及び部品310に対して押圧される。言い換えると、均等且つ互いに対抗する力である第1の力342及び第2の力344が、部品308及び部品310のクランプアップ341を確立するのに十分な量に達するまで、ノズル332及びツール336は、それぞれ、部品308及び部品310に対して押圧されるか、又は押し出される。
【0124】
一旦クランプアップ341が達成されると、ノズル332及びツール336は、基準座標系に対する固定位置に保持される。したがって、ノズル332及びツール336を基準座標系に対して位置付けすることで生成された力の静的平衡によって、クランプアップ341は、基準座標系に対する固定位置で維持される。
【0125】
幾つかの例示的な実施例では、クランプアップ341は、部品308及び部品310を含み、両方とも、その接合面にシーラントが施される。言い換えると、クランプアップは、これらの部品を共に密封するシーラントを含み得る。部品308及び部品310のこの種のクランプアップ341は、「ワンアップ(one-up)アセンブリ」に対して使用され得る。
【0126】
幾つかの例示的な実施例では、吸引349を用いて、これらの部品のクランプアップ341が維持されている間、穿孔ツール338は、部品308を通して孔343を穿孔し、部品310を通して孔345を穿孔する。孔343及び孔345の両方の穿孔が、側面312から行われるように、穿孔ツール338は、側面312に位置付けされる。この態様では、孔343の前に孔345が形成される。1つ以上の実施例では、穿孔ツール338は、穿孔中に発生する部品の削りくずや不要部分(castoff)の除去を助けるよう使用される吸引デバイス又は他の何らかの種類の洗浄デバイスを含む。
【0127】
穿孔中にこれらの部品のクランプアップ341を維持することにより、穿孔中と穿孔後に孔343と孔345が確実に整列して、ファスナ孔346が形成される。さらに、穿孔中にこれらの部品のクランプアップ341を維持することにより、部品308と部品310との間でシーラント(図示せず)のクランプアップを維持すること、部品308と部品310との間の間隙を防止すること、穿孔のヤスリくず、削りくず、又は不要部分が部品308と部品310との間の1つ以上の間隙から落ちたり、間隙に入ることを防止すること、穿孔の後に孔343及び孔345の端部のバリを除去する必要性を減少させるか若しくはなくすこと、又はこれらの組み合わせが促進され得る。
【0128】
部品308の孔343及び部品310の孔345は、同心円状に且つ同軸上に形成される。ファスナ孔346は、はチャネル又は貫通孔とも呼ばれてよい。ここで使用されているように、貫通孔は、2つ以上の部品を貫通する孔であり、これらの2つ以上の部品を通る同軸上の孔群によって形成される。
【0129】
ファスナ孔346内にファスナ348を取り付ける前、ファスナ挿入ツール340を有するエンドエフェクタ328のために、エンドエフェクタ326を切り替える必要がある。クランプアップ341を維持するためにエンドエフェクタ326のツール336を使用するので、エンドエフェクタ328を切り替える前に、クランプアップ341を維持するために異なる機構が必要とされる。例えば、クランプアップ341を維持する何らかの追加の機構がない状態で、部品310から離れるツール336の運動と、部品308から離れるノズル332の運動とが、クランプアップ341を解消し得る。したがって、エンドエフェクタ326をエンドエフェクタ328と切り替えることをなおも可能にしながらもクランプアップ341を維持する機構が必要である。
【0130】
エンドエフェクタ324の吸引デバイス330は、側面311からのみクランプアップ341を維持するのに使用され、それにより、側面312におけるエンドエフェクタ326をエンドエフェクタ328と切り替えることが可能になる。具体的には、吸引デバイス330は、吸引349を発生させ、側面311からファスナ孔346通して空気を吸引する。第1の力342と第2の力344との間の力の静的平衡が維持されている間、吸引が実行される。
【0131】
部品310を部品308に向けて引っ張り、クランプアップ341を維持するために、吸引の体積流量は十分である。具体的には、部品310を部品308に向けて引っ張るように孔345を画定する壁347を把持する把持力をもたらすための体積流量は十分である。他の例示的な実施例では、壁347も孔壁と呼ばれ得る。この吸引は、部品308及び部品310の互いに対するクランプアップ341を独立して維持するのに十分である。
【0132】
部品310の孔345を画定する壁347を把持するために吸引を使用することにより、吸引デバイス330は、吸引力を部品310に加える。この吸引力により、部品310が、部品308に向けて引っ張られ、究極的には、エンドエフェクタ324に向けて引っ張られる。エンドエフェクタ324のノズル332を部品308に対して、且つ基準座標系に対して位置付けすることにより、吸引力に反応する反力が発生する。この反力は、吸引力と均等であり、吸引力に対抗する。
【0133】
吸引力と反力との間で所望の力の静的平衡が達成されるまで、吸引が実行される。一旦所望の力の静的平衡が達成されると、ツール336がクランプアップ341から離れるように移動するときでも、クランプアップ341を独立して維持するために吸引を用いることができる。
【0134】
このようにして、第2の力344が取り除かれた後(例えば、ツール336が離なれるように移動して、エンドエフェクタ326が、別のエンドエフェクタのために切り替わるとき)でも、吸引デバイス330は、部品308と部品310とを互いに対して所定位置に維持するために十分な吸引349を発生させる。言い換えると、第2の力344を取り除くように、ツール336が離れて部品310と接触しなくなると、ファスナ孔346を通ってノズル332のチャネル334内に入る空気の吸引は、部品308と部品310とのクランプアップ341を維持する。
【0135】
1つ以上の例示的な実施例では、制御システム315は、エンドエフェクタ324、エンドエフェクタ326、及びエンドエフェクタ328の作業を制御するように使用される。制御システム315は、上述の所望の力の静的平衡が確立され、それにより、穿孔用のエンドエフェクタ326がファスナ取り付け用のエンドエフェクタ328と切り替わっているときに、クランプアップ341を維持し、部品310に対する部品308の任意の望ましくない移動を防止することを確実なものとする。
【0136】
特に、穿孔ツール338を有するエンドエフェクタ326は、ファスナ挿入ツール340を有するエンドエフェクタ328と切り替わり得る。吸引デバイス330が、アセンブリ304の反対側の側面311からファスナ孔346を通して空気を吸引し続ける間、ファスナ348をファスナ孔346内に挿入するために、ファスナ挿入ツール340が使用される。この態様で、アセンブリシステム302は、単純で簡単な、且つ効率良い態様で、ファスナ348の取り付けを可能にし得る。
【0137】
吸引デバイス330は、クランプアップ341を維持するノズル332によって与えられる反力との組み合わせにより、クランプアップ341の側面312で追加の力を必要とせずに、十分な吸引力をもたらす。言い換えると、吸引デバイス330及びノズル332は、共に、クランプアップ341が、クランプアップ341の片面から独立して確実に維持されるようにする。
【0138】
吸引349によりクランプアップ341が維持されている間、ファスナ348が取り付けられる。これらの例示的な実施例では、ファスナ348が完全にファスナ孔346内に取り付けられるまで、吸引が継続する。場合によっては、ファスナ348とファスナ孔346との間に望ましい締り嵌め(interference fit)が形成されたときに、ファスナ348は完全に取り付けられたとみなされる。他の実施例では、ファスナ348がファスナ孔346内に挿入され、ファスナ保持ハードウェアがファスナ348の上に取り付けられた後にのみ、ファスナ348は、完全に取り付けられたと見なされる。ファスナ保持ハードウェアは、例えば、カラー、ナット、何らか他の種類のハードウェア、又はこれらの組み合わせを含み得る。他の実施例では、ファスナ348は、1つ以上の他の作業が実行された後、完全に取り付けられたと見なされ得る。
【0139】
一旦ファスナ348が完全に取り付けられると、クランプアップを維持するために、吸引349はもはや必要とされない。言い換えると、吸引が停止した後、ファスナ348は、クランプアップ341を維持するために使用される。
【0140】
図1の製造環境100の図は、例示的な実施形態が実装され得る態様に対して、物理的又は構造的な制限を課すことを意図するものではない。図示した構成要素に加えて又は代えて、他の構成要素を使用してもよい。幾つかの構成要素は、任意選択であり得る。さらに、ブロックは、機能的な構成要素を示すために提示される。例示的な実施形態を実装する場合、1つ以上のこれらのブロックを組み合わせたり、分割したり、又は1つ以上のこれらのブロックを別のブロックに組み合わせ且つ分割することができる。
【0141】
例えば、場合によっては、ファスナ孔346の穿孔は、部品308と部品310が共に合わせて、クランプアップ341を形成する前の、異なるプロセスの一部であり得る。例えば、これらの部品が固定される前に、第1の孔343は、部品308内に穿孔され、孔345は、部品310内に穿孔され得る。
【0142】
部品308及び部品310は、次いで、互いに対して位置付けされ得る。これらの実施例では、孔343と孔345とを同心円状又は同軸上の少なくとも1つに整列するように、部品308及び部品310は位置付けされる。孔343及び孔345が共に整列するとき、ファスナ孔346を形成するように、孔343及び孔345は寸法形成され得る。他の実施例では、孔343及び孔345は、確定的なアセンブリ孔(determinate assembly (DA) holes)であってもよい。孔343及び孔345が、確定的なアセンブリ孔であり、同軸上に整列するとき、インデックス孔(図示せず)を形成する。部品308及び部品310は、例えば、インデックス孔を通るように取り付けられる一時ファスナを使用して、一時的に接合され得る。さらに、インデックス孔は、基準孔、誘導孔、ツーリング孔(tooling hole)、又は貫通孔と呼ばれてもよい。
【0143】
1つ以上の実施例では、孔343と孔345が同軸上で整列した後、部品308と部品310のクランプアップ341を確立且つ維持するために、吸引349が用いられる。クランプアップ341が片面クランプアップであるように、この吸引は側面311で形成される。場合によっては、部品308と部品310を接合するために一時ファスナが使用される場合、一時ファスナの取り外しと同時に吸引349が行われることにより、クランプアップ341が確立且つ維持される。
【0144】
図4から
図15を参照すると、例示的な実施形態に従って、ファスナ取り付け作業を実行するためのアセンブリシステムが示されている。幾つかの例示的な実施例では、アセンブリシステムは、ファスナ取り付けシステムと呼ばれてもよい。
【0145】
図4は、例示的な実施形態に係る、ラップスプライスに対して位置付けされた単機能エンドエフェクタの側面図を示している。ラップスプライス400は、
図3のアセンブリ304又はアセンブリ304内のパネルジョイントの一実装例である。ラップスプライス400に加えて、例示的な実施形態は、図示していない他の種類のスプライスにも適用可能であり得る。
【0146】
ラップスプライス400は、第1の部品402及び第2の部品404を含む。第1の部品402及び第2の部品404は、それぞれ、
図3の部品308及び部品310の実装例であり得る。他の実施例では、ラップスプライス400は、第3の部品(図示せず)、又は何らか他の数の部品を含み得る。一実施例では、第1の部品402及び第2の部品404は、胴体パネルの形態をとる。
図4から
図15の第1の部品402及び第2の部品404のサイズ及びスケールは、例示のみを目的として示されている。他の例示的な実施例では、第1の部品402及び第2の部品404のサイズは、
図4から
図15に示されているものより小さいか、又は遙かに大きい場合がある。
【0147】
ラップスプライス400は、第1の側面406及び第2の側面408を有する。この例示的な実施例では、第1の側面406は、第1の部品402の表面410によって形成され、第2の側面408は、第2の部品404の表面412によって形成される。第1の部品402及び第2の部品404が胴体アセンブリの胴体パネルの形態をとる場合、第1の部品402の表面410は、胴体アセンブリの内側面に面し、第2の部品404の表面412は、胴体アセンブリの外側面に面し得る(プロセスが完了すると、ファスナのヘッドは、外側表面412に取り付けられる)。
【0148】
この例示的な実施例では、アセンブリシステム413は、アセンブリ409に対して位置付けされる。アセンブリシステム413は、エンドエフェクタ414、エンドエフェクタ416、ロボットデバイス418、及びロボットデバイス419を含む。
【0149】
エンドエフェクタ414及びエンドエフェクタ416は、それぞれ、ロボットデバイス418及びロボットデバイス419に連結されている。エンドエフェクタ414及びエンドエフェクタ416は、それぞれ、
図3のエンドエフェクタ324及びエンドエフェクタ326の実装例である。エンドエフェクタ414は、ラップスプライス400第1の側面406に対して位置付けされ、エンドエフェクタ416は、ラップスプライス400の第2の側面408に対して位置付けされる。
【0150】
エンドエフェクタ414及びエンドエフェクタ416は、単機能エンドエフェクタであり得る。エンドエフェクタ414は、少なくともノズル420及び吸引デバイス422を含み、これらは、それぞれ、
図3のノズル332及び吸引デバイス330の実装例である。エンドエフェクタ416は、ツール424及び穿孔ツール426を含む。例示のみを目的として、ツール424は、
図4では透明として示される。ツール424及び穿孔ツール426は、それぞれ、
図3のツール336及び穿孔ツール338の実装例である。
【0151】
この例示的な実施例では、ツール424は、素子428及び素子430を含む。素子428は、例えば、穿孔ツール426を囲む第1の円筒部材の形態をとるが、これに限定されない。素子430は、例えば、第2の円筒部材の形態をとり得るが、これに限定されない。第2の円筒部材は、第1の円筒部材より直径が小さいが、穿孔ツール426のドリルビット432が第2の円筒部材を通過することを可能にするほど十分に大きい。幾つかの例示的な実施例では、素子430は、穿孔中に穿孔の削りくずやチップの収集を可能にするほど十分に大きい。
【0152】
図5は、例示的な実施形態に係る、ラップスプライス400に対して位置付けされたエンドエフェクタ414及びエンドエフェクタ416の拡大側面図を示している。この例示的な実施例では、エンドエフェクタ414及びエンドエフェクタ416は、ラップスプライス400を貫通する基準軸500と整列するように位置付けされている。基準軸500は、孔が穿孔され且つファスナが取り付けられる位置でラップスプライス400を通過する、ラップスプライス400に対して実質的に直角な軸であり得る。
【0153】
図6は、例示的な実施形態に係る、ラップスプライス400に対して力を加えるエンドエフェクタ414及びエンドエフェクタ416の側面図を示している。図示されているように、エンドエフェクタ414又はロボットデバイス418のうちの少なくとも1つが、ノズル420を動かして、ラップスプライス400の第1の側面406と接触させるように使用された。ノズル420は、第1の側面406に対して押圧され、第1の力600を第1の側面406に加える。第1の力600は、
図3の第1の力342の一実施例である。第1の力600は、機械力である。
【0154】
同様に、エンドエフェクタ416又はロボットデバイス419のうちの少なくとも1つが、素子430を動かして、ラップスプライス400の第2の側面408と接触させるように使用された。具体的には、素子430は、第2の側面408に対して押圧され、第2の力602を第2の側面408に加える。
【0155】
ラップスプライス400に加えられた第1の力600と第2の力602との間で所望の力の静的平衡が達成されるまで、ノズル420及び素子430は、それぞれ、第1の部品402及び第2の部品404に対して押圧される。一旦所望の力の静的平衡に達すると、第1の部品402及び第2の部品404のクランプアップ604が達成される。言い換えると、第1の部品402及び第2の部品404は、所定位置に保持され、それにより、これらの部品は、それぞれ互いに対して特定の位置に保持され得る。
【0156】
ノズル420及び素子430が、それぞれ、第1の部品402及び第2の部品404に対してもはや押圧されなくなると、ノズル420及び素子430は、所望の力の静的平衡が達成される位置で固定を保ち、クランプアップ604を維持する。場合によっては、第1の部品402と第2の部品404との間にシーラントが存在し得る。
【0157】
図7は、例示的な実施形態に係る、穿孔作業の側面図である。一旦、第1の部品402及び第2の部品404のクランプアップ604が確立されると、エンドエフェクタ416の穿孔ツール426は、ラップスプライス400を通って延在するファスナ孔700を穿孔するように作動する。ファスナ孔700は、第2の部品404の第2の側面408から、第1の部品402の第1の側面406まで最後まで貫くように延在し得る。場合によっては、ファスナ孔700は、さら穴(countersunk)であってもよい。ファスナ700は、
図3のファスナ孔346の一実装例である。
【0158】
図8は、例示的な実施形態に係る、吸引作業の側面図である。ファスナ孔700を穿孔した後、ドリルビット432は、第2の部品404から離される。例えば、ドリルビット432は、素子428内に格納され得る。
【0159】
エンドエフェクタ414の吸引デバイス422は、ラップスプライス400の第1の側面406から、ファスナ孔700を通して空気を吸引するように作動する。空気は、ファスナ孔700を通して、ラップスプライス400の第2の側面408から、ラップスプライス400の第1の側面406に向けて、矢印800の方向に吸引される。空気は、ファスナ孔700を通して吸引され、ノズル420内に入る。
【0160】
この吸引により、力が発生する。この力は、第2の部品404に加えられる吸引力802であり得る。吸引力802は、第2の部品404を第1の部品402に向けて引っ張る。ノズル420を第1の部品402と接触するように位置付けすることにより、吸引力802に反応して反力804が発生する。吸引力802と反力804との間に所望の力の静的平衡が達成されるまで吸引が実行される。例えば、所望の力の静的平衡が達成され、十分な吸引出力が発生するまで吸引出力を増加することができ、それにより、第1の力600第2の力602とは別に、吸引を介してクランプアップ604を維持することが可能になる。
【0161】
これらの例示的な実施例では、吸引デバイス422は、ファスナ取り付け作業が完了するまで、ファスナ孔700を通して継続的に空気を吸引するよう作動することができる。幾つかの実施例では、素子430及びノズル420のそれぞれ、又はその両方が、ノッチ、溝、ポート、開口、又は空気の出入りを可能にする他の何らかの種類の通気穴のうちの少なくとも1つを有し得る。この通気は、吸引出力が望むより確実に大きくならないことを助ける。例えば、素子430は、その端部に沿って1つ以上のノッチを有し得る。このノッチは、第2の部品404と接触し、吸引が行われている間、素子430を第2の部品404から引き離なすことを簡単にする。
【0162】
図9は、例示的な実施形態に係る、第1の部品402及び第2の部品404の拡大側断面図である。この図面により、ファスナ孔700、及び第2の部品404内に形成されたファスナ孔700の一部を画定する壁900をより明瞭に確認することが可能になる。壁900は、孔壁とも呼ばれてよい。
【0163】
図示されているように、吸引力802は、第2の部品404内に形成されたファスナ孔700の一部を画定する壁900を把持する把持力であり、第2の部品404を、第1の部品402に向けて、最終的には、ノズル420に向けて引っ張る。ノズル420は、反力804を第1の部品402に加える。
【0164】
素子430が、引き離され、第2の部品404との接触を失った後でも、吸引力802と反力804は、共に、クランプアップ604を独立して維持するのに使用され得る。クランプアップ604を第1の力600及び第2の力602から独立して維持することを可能にすることにより、エンドエフェクタ416を異なるエンドエフェクタと切り替えることができる。例えば、エンドエフェクタ416又はロボットデバイス419のうちの少なくとも1つは、ツール424の素子430を動かして、ラップスプライス400から離すように作動し得る。次いで、ロボットデバイス419は、異なるロボットデバイスと切り替わり、異なるエンドエフェクタがラップスプライス400に対して位置付けされ得る。
【0165】
図10は、例示的な実施形態に係る、片面クランプアップの拡大側面図である。図示されているように、先の図面で示された素子430は、第1の部品402との接触から外された。しかし、第1の力600及び第2の力602がなくても、吸引力802と反力804が独立してクランプアップを維持することが可能である。
【0166】
このようにして、片面クランプアップが達成される。ラップスプライス400の第1の側面406におけるこの種の片面クランプアップにより、ラップスプライス400の第2の側面408におけるファスナ孔700の周りの空間が開放され、エンドエフェクタをより単純且つ簡単に切り替えることが可能になる。クランプアップ604を維持するために、ラップスプライス400の第2の側面408において特殊なツールは必要とされない。
【0167】
図11は、例示的な実施形態に係る、
図10の片面クランプアップの別の側面図である。図示されているように、
図4から
図9のエンドエフェクタ416は、エンドエフェクタ1100と切り替えられている。エンドエフェクタ1100は、ロボットデバイス1102に連結されている。エンドエフェクタ1100及びロボットデバイス1102は、アセンブリシステム413の一部である。
【0168】
この例示的な実施例では、エンドエフェクタ1100を有する
ロボットデバイス1102を、ラップスプライス400の第2の側面408に対して位置付けすることを可能にするために、エンドエフェクタ416を有するロボットデバイス419が移動させられる。他の例示的な実施例では、エンドエフェクタ416がエンドエフェクタ1100と交換されて、エンドエフェクタ1100がロボットデバイス419に連結される。図示されているように、ラップスプライス400を通してファスナ孔700を穿孔して、片面クランプアップが達成された後に、エンドエフェクタの切り替えが起きる。
【0169】
この例示的な実施例では、エンドエフェクタ1100は、ファスナ挿入ツール1104を含む。エンドエフェクタ1100又はロボットデバイス1102のうちの少なくとも1つが、ラップスプライス400を通して穿孔されたファスナ孔700に対してファスナ挿入ツール1104を移動させ且つ位置付けするのに使用され得る。ファスナ挿入ツール1104は、ファスナ1106をファスナ孔700内に挿入するのに使用される。1つ以上の実施例では、ファスナ挿入ツール1104は、ファスナ1106とファスナ孔700との間に所望の締り嵌めを形成することにより、ファスナ1106を取り付ける。
【0170】
図12は、例示的な実施形態に係る、ラップスプライス400の第2の側面408に対して位置付けされたエンドエフェクタ1100の斜視図である。図示されているように、ファスナ孔700は、ファスナ1200が取り付けられた、ラップスプライス400を貫通する複数のファスナ孔のうちの1つである。
【0171】
図13は、例示的な実施形態に係る、ファスナ1106(
図11及び
図12に示す)をファスナ孔700(
図11に示す)内に挿入するのに使用されるファスナ挿入ツール1104の側面図である。吸引デバイス422が、ファスナ孔700を通して空気を吸引し続ける間、ファスナ挿入ツール1104は、ファスナ1106をファスナ孔700内に挿入する。
【0172】
図14は、例示的な実施形態に係る、ラップスライス400内の取り付けられたファスナ1106の断面図である。この特定の例示的な実施例では、ファスナ1106は、さら穴ファスナ(countersunk fastener)であり、ファスナ孔700は、さら穴である。
【0173】
図15は、例示的な実施形態に係る、ファスナ取り付け作業の完了を示す。図示されているように、ファスナ1106は、ラップスプライス400内に取り付けられている。一旦ファスナ1106が取り付けられると、以前の図面にあるクランプアップ504を維持するのに、吸引はもはや必要とされない。ファスナ1106は、ファスナ1106が取り付けられているラップスプライス400の一部に対して、クランプアップ604を独立して維持することが可能である。
【0174】
1つ以上の例示的な実施例では、ファスナ1106とファスナ孔700との間で一旦所望の締り嵌めが形成されると、ファスナ1106の取り付けが完了する。一旦この締り嵌めが形成されると、吸引は中断する。他の例示的な実施例では、ファスナ保持ハードウェアがファスナ1106の上に取り付けられたときに、ファスナ1106は完全に取り付けられたと見なされる。ファスナの取り付けが要件を確実に満たすように、吸引は、ファスナ1106の取り付け完了に必要なすべての作業が完了するまで継続する。
【0175】
ファスナ1106が完全に取り付けられた後、エンドエフェクタ414は、ラップスプライス400から引き離され、ファスナが取り付けられるラップスプライス400上の次の位置に対して再度位置付けされ得る。さらに、
図11から
図13のエンドエフェクタ1100は、エンドエフェクタ416と切り替えられてもよく、エンドエフェクタ416は、新しいファスナが取り付けられるラップスプライス400上の次の位置に対して再度位置付けされ得る。
【0176】
図4から
図15のエンドエフェクタ、ツール、デバイス、及び他の構成要素の図解は、例示的な実施例が実装され得る態様に対して、物理的又は構造的制限を示唆することを意図していない。図示した構成要素に加えて又は代えて、他の構成要素を使用してもよい。幾つかの構成要素は、任意選択であり得る。
図4から
図15に示す種々の構成要素は、
図3のブロック形態で示す構成要素をどのように物理的構造物として実装し得るかを示す例示的な実施例であり得る。さらに、
図4から
図15の構成要素の一部は、
図3の構成要素と組み合わせたり、
図3の構成要素と共に使用したりすることができ、又は、これら2つの場合を組み合わせることが可能である。
【0177】
図16は、例示的な実施形態に係る、ファスナの取り付けを実行するための方法のフロー図である。
図16に示すプロセス1600は、
図3のアセンブリシステム302、又は
図4から
図15のアセンブリシステム413を使用して実装され得る。
【0178】
当該プロセスは、第1の機械力を第1の部品に加え、第2の機械力を第2の部品に加え、第1の部品及び第2の部品のクランプアップを形成すること(作業1602)により、開始し得る。アセンブリは、互いに接触するように位置付けされた第1の部品及び第2の部品を含む。第1の部品は、クランプアップの第1の側面を形成し、第2の部品は、クランプアップの第2の側面を形成する。
【0179】
任意選択的に、ファスナ孔は、クランプアップの第2の側面から、第1の部品及び第2の側面のクランプアップを通して穿孔される(作業1604)。ファスナ孔は、アセンブリの第2の側面から第1の側面へと延在する。ファスナ孔は、第1の部品を通して穿孔された第1の孔、及び第2の部品を通して穿孔された第2の孔によって形成され得る。これらの例示的な実施例では、第1の孔及び第2の孔は、同軸上にある。
【0180】
空気は、クランプアップの第1の側面から、第1の部品及び第2の部品を通過するファスナ孔を通して吸引され、第2の部品を第1の部品に向けて引っ張り、それにより、第2の機械力が取り除かれた後でも、第1の部品と第2の部品とのクランプアップを維持する(作業1606)。言い換えると、ファスナ孔を通して空気を吸引することにより、クランプアップの第2の側面において第2の機械力を使用する必要がない状態で、第1の部品と第2の部品との「クランプアップ」が維持される。
【0181】
具体的には、作業1606では、クランプアップの第2の側面において追加の力を使用することを必要とせずに、クランプアップの第1の側面のみからクランプアップを維持するのに十分な体積流量で吸引が実行される。ファスナ孔を通して空気が吸引され、第2の部品における第2の孔の壁が把持されることにより、第2の部品が第1の部品に向けて引っ張られる。
【0182】
これらの実施例では、空気は、第1の部品に向かう方向で、且つ、クランプアップの第2の側面で失われた吸引の体積を克服しながらも、第2の孔の壁の把持を維持するのに十分な体積流量で、クランプアップの第1の側面から、ファスナ孔を通して吸引される。例えば、第2の側面におけるファスナ孔の開放端により、吸引又は吸引力の幾らかの体積が失われる場合がある。
【0183】
幾つかの実施例では、実装形態に応じて、作業1604が完了した後、又は、作業1604の間、作業1606が開始し得る。言い換えると、吸引は、ファスナ孔が穿孔された後、又はファスナ孔が穿孔されている間にのみ実行され得る。
【0184】
第1の機械力及び第2の機械力が取り除かれる(作業1608)。作業1608は、例えば、作業1604の穿孔を実行したエンドエフェクタを新しいエンドエフェクタと切り替えることを含む。エンドエフェクタの切り替えの間、作業1606で実行された吸引は、第1の部品と第2の部品のクランプアップを維持するために継続される。
【0185】
その後、ファスナ孔を通して空気を吸引し続け、第1の部品と第2の部品のクランプアップを維持しながら、ファスナがファスナ孔内に取り付けられる(作業1610)。1つ以上の例示的な実施例では、作業1610は、ファスナをファスナ孔内に挿入し、所望の締り嵌めを形成することを含む。他の例示的な実施例では、作業1610は、ファスナをファスナ孔内に挿入し、ファスナ保持ハードウェアを、ファスナ孔を通って延在するファスナの細長い部分の周りに取り付けることを含む。
【0186】
作業1610が実行されている間に、作業1606の空気の吸入を実行し続けることにより、ファスナの挿入工程全体にわたって、第1の部品と第2の部品のクランプアップの維持が確実に行われる。孔を通して空気を吸入することは、ファスナ取り付け作業全体が完了するまで継続し得る。例えば、ファスナとファスナ孔との間で所望の締り嵌めが形成されるまで、クランプアップを維持するために吸引が継続し得る。
【0187】
図17は、例示的な実施形態に係る、クランプアップを維持するためのプロセスのフロー図である。
図17に示すプロセス1700は、
図3のアセンブリシステム302、又は
図4から
図15のアセンブリシステム413を使用して実装され得る。
【0188】
プロセス1700は、第1の機械力を第1のパネルに加え、第2の機械力を第2のパネルに加え、第1のパネル及び第2のパネルのクランプアップを形成すること(作業1702)により、開始し得る。第1のパネル及び第2のパネルは、胴体パネルである。
【0189】
作業1702は、
図4のエンドエフェクタ414などの第1のエンドエフェクタに連結されたツールを使用して、第1の力を加えることにより実行される。ツールは、例えば、
図4のノズル420などのノズルであり得る。しかしながら、他の例示的な実施例では、ツールは、何らか他の種類の部材、素子、又は構造的構成要素であってもよい。
図4のエンドエフェクタ416などの第2のエンドエフェクタに連結されたツールを使用して、第2の力が加えられる。
【0190】
空気が、クランプアップの第1の側面から、第1のパネル及び第2のパネルを通過するファスナ孔を通して吸引され、第2の部品におけるファスナ孔の一部を画定する壁を把持する把持力がもたらされることより、第2の部品が第1の部品に向けて引っ張られる(作業1704)。作業1704では、クランプアップを維持するために、ファスナ孔を通して、且つクランプアップの第1の側面における第1のパネルに対して位置付けされたノズルを通して、部分真空が引かれる。
【0191】
幾つかの例示的な実施例では、プロセス1700の一部として、ファスナ孔が穿孔され得る。例えば、作業1702と作業1704との間に孔が穿孔され得る。他の例示的な実施例では、ファスナ孔の穿孔は、異なるプロセスの一部であるか、又はプロセス1700の前に実行される。例えば、これらのパネルが「クランプアップ」になる前に、第1の孔は、第1のパネル内に穿孔され、第2の孔は、第2のパネル内に穿孔され得る。次いで、作業1702の前に、第1のパネルと第2のパネルを互いに対して位置付けし、孔を整列させて、単一の同軸ファスナ孔を形成することができる。その後、プロセス1700を開始するために作業1702が実行され得る。
【0192】
再び作業1704を参照すると、第2の機械力を必要とせずに、第1のパネル及び第2のパネルのクランプアップを維持するために、空気の吸引は、十分な吸引出力(例えば、十分な体積流量)を用いて実行される。吸引によってもたらされる把持力が、印加されている第1の機械力に対抗し、且つ第1の機械力と等しいとき、吸引はクランプアップを維持する。第2のパネルが第1のパネルに向けて引っ張られるにつれて、第1の機械力は、第1のパネルに、第2のパネルに対する等しい反力を生じさせ、それにより、クランプアップが維持される。
【0193】
その後、ファスナを通して空気を吸引して、クランプアップを維持し続ける間、第2の機械力が取り除かれる(作業1706)。幾つかの例示的な実施例では、プロセス1700が終了する。他の例示的な実施例では、プロセス1700は、ファスナ取り付けの間、クランプアップを維持するために、第1の側面から、ファスナ孔を通して空気を吸引し続ける間、クランプアップの第2の側面からファスナをファスナ孔を通して取り付けることを含む。
【0194】
図18は、例示的な実施形態に係る、クランプアップを維持するためのプロセスのフロー図である。
図18に示すプロセス1800は、例えば、
図3のアセンブリシステム302、又は
図4から
図15のアセンブリシステム413を使用して実行され得る。
【0195】
プロセス1800は、第1のパネル内の第1の孔を第2のパネル内の第2の孔と整列させて、貫通孔を画定することにより、開始する(作業1802)。これらの例示的な実施例では、作業1802は、第1の孔と第2の孔とを同心円状又は同軸上の少なくとも1つに整列させて、貫通孔を画定するために実行される。一実施例として、第1のパネル及び第2のパネルは、互いに対して位置付けされ、第1の孔と第2の孔とを同軸上に整列させる。
【0196】
幾つかの実施例では、貫通孔は、
図3のファスナ孔346などのファスナ孔の形態をとる。他の実施例では、貫通孔は、インデックス孔の形態をとる。例えば、作業1802で整列した第1の孔及び第2の孔は、アセンブリ孔を決定し得る。第1及び第2の孔は、作業1802で同軸上に整列させられ、インデックス孔を形成し得る。1つ以上の例示的な実施例では、作業1802における第1のパネル及び第2のパネルは、胴体パネル、翼パネル、又は何らか他の種類のパネルであり得る。
【0197】
さらに他の例示的な実施例では、作業1802において、第1のパネル内の第1の孔を第2のパネル内の第2の孔と整列させることは、これらの2つの孔を同軸上に整列し、第1のパネル及び第2のパネルを通して貫通孔を形成するように、第1の孔を第1のパネル内に穿孔し、第2の孔を第2のパネル内に穿孔することを含む。
【0198】
その後、第2の孔を画定する孔壁が貫通孔内から把持されて、第2のパネルが第1のパネルに向けて引っ張られ、それにより、第1のパネル及び第2のパネルのクランプアップが確立される(作業1804)。作業1804で確立されたクランプアップは、片面クランプアップである。作業1804は、例えば、吸引を使用して実行され、第2の孔の壁が把持され得る。空気は、貫通孔を通して吸引され、それにより、吸引力が第2の孔の壁を把持する把持力をもたらす。具体的には、貫通孔を通して部分真空が引かれ、それにより、第2の孔の壁を把持する把持力がもたらされる。第2の孔の外向きの端部が開放端であるにも関わらず、部分真空は発生する。
【0199】
貫通孔に対して1つ以上の作業が実行されるまで、作業1804で形成されたクランプアップが維持され得る。例えば、クランプアップを維持するために一時ファスナが取り付けられるまで、又は貫通孔を拡大してファスナ孔を形成するために穿孔作業が行われるまで、クランプアップは維持され得る。場合によっては、クランプアップは、ファスナを貫通孔内に取り付けるためにファスナ取り付け作業を実行するまで維持される。この場合、孔直径は、ファスナ取り付けの許容誤差内にある。場合によっては、クランプアップは、穿孔作業及びファスナ取り付け作業が実行されるまで維持され得る。さらの他の実施例では、クランプアップは、ファスナ取り付け作業を実行し終わるまで維持される。ファスナ取り付け作業には、ファスナを貫通孔を通して挿入することや、ファスナにナット又はカラーを固定することが含まれる。
【0200】
片面クランプアップにより、様々なツール及び装置を、反対側から、貫通孔の位置に対して動き回すことが可能になる。この反対側から、部分真空が引かれる。片面クランプアップは、アセンブリ工程の効率を改善する。
【0201】
図19は、例示的な実施形態に係る、片面クランプアップを維持するためのプロセスのフロー図である。
図19に示すプロセス1900は、例えば、
図3のアセンブリシステム302、又は
図4から
図15のアセンブリシステム413を使用して実行され得る。具体的には、プロセス1900は、
図3のエンドエフェクタ324又は
図4から
図15のエンドエフェクタ414を使用して実行され得る。
【0202】
プロセス1900は、第1の部品及び第2の部品のクランプアップの第1の側面から、第1の部品における第1の孔及び第2の部品における第2の孔によって形成されたファスナ孔を通して、空気を吸引し、第2の部品を第1の部品に向けて引っ張り、それにより、第1の部品及び第2の部品のクランプアップを維持することを含む(作業1902)。1つ以上の例示的な実施例では、作業1902は、クランプアップの第1の側面から、ファスナ孔を通して空気を吸引し、第2の部品における第2の孔を画定する壁を把持し、それにより、第2の部品を第1の部品に向けて引っ張ることを含む。
【0203】
任意選択的に、プロセス1900は、吸引によって生成された吸引力、及びクランプアップの第1の側面における第1のツールの接触面によって生成された反力により、力の静的平衡が確立された後、第1の機械力及び第2の機械力を取り除くこと(作業1904)をさらに含む。その後、プロセスが終了する。第1の機械力は、クランプアップの第1の側面において第1のツールによって加えられ得る。第2の機械力は、吸引の間、クランプアップの第2の側面において第2のツールによって加えられ得る。
【0204】
吸引力及び反力は、第1の機械力及び第2の機械力がない状態で、第1の部品及び第2の部品のクランプアップを維持する。これらの例示的な実施例では、少なくとも、吸引によって生成された吸引力、及びクランプアップの第1の側面における第1のツールの接触面によって生成された反力によって、力の静的平衡が確立されるまで、第1の機械力及び第2の機械力が加えられる。
【0205】
任意選択的に、プロセス1900は、ファスナ孔を通して空気を吸引し続ける間、ファスナ孔を通してファスナを取り付けることをさらに含む(作業1906)。作業1906では、少なくともファスナが完全に取り付けられまで、吸引が実行され得る。
【0206】
図20は、例示的な実施形態に係る、片面クランプアップを維持するためのプロセスのフロー図である。
図20に示すプロセス2000は、例えば、
図3のアセンブリシステム302、又は
図4から
図15のアセンブリシステム413を使用して実行され得る。
【0207】
プロセス2000は、第1の機械力及び第2の機械力をそれぞれ第1の部品及び第2の部品に加え、クランプアップを形成すること(作業2002)により開始する。第1の部品は、クランプアップの第1の側面を形成し、第2の部品は、クランプアップの第2の側面を形成する。次に、クランプアップの第1の側面から、第1の部品と第2の部品を通って延在するファスナ孔を通して空気が吸引され、第2の部品が第1の部品に向けて引っ張られる(作業2004)。第1の機械力及び第2の機械力が取り除かれた後、吸引でクランプアップを独立して維持するように、吸引を続けている間、第1の機械力及び第2の機械力が同時に取り除かれる(作業2006)。その後、プロセスは終了する。
【0208】
図21は、例示的な実施形態に係る、片面クランプアップを維持するためのプロセスのフロー図である。
図21に示すプロセス2100は、例えば、
図3のアセンブリシステム302、又は
図4から
図15のアセンブリシステム413を使用して実行され得る。
【0209】
プロセス2100は、パネルジョイントの第1の側面における第1のエンドエフェクタによって、パネルジョイントの第1の側面との接触を介して、第1の力を加えることを含む(作業2102)。プロセス2100は、パネルジョイントの第2の側面における第2のエンドエフェクタによって、パネルジョイントの第2の側面との接触を介して、第1の力と等しく且つ第1の力に対抗する第2の力を加え、クランプアップを確立することを含む(作業2104)。さらに、プロセス2100は、第2のエンドエフェクタが第2の側面との接触から外された後、パネルジョイントの第1の側面における第1のエンドエフェクタによってクランプアップを維持すること(作業2106)をさらに含む。その後、プロセスは終了する。
【0210】
図22は、例示的な実施形態に係る、片面クランプアップを維持するためのプロセスのフロー図である。
図22に示すプロセス2200は、例えば、
図3のアセンブリシステム302、又は
図4から
図15のアセンブリシステム413を使用して実行され得る。
【0211】
プロセス2200は、パネルジョイントの第1の側面に位置付けされた単機能エンドエフェクタによって、パネルジョイントの第1のパネルに第1の力を加えることを含む(作業2202)。プロセス2200は、単機能エンドエフェクタによって、第1の力と等しく且つ第1の力に対抗する第2の力をパネルジョイントの第2のパネルに加えて、それにより、第1のパネル及び第2のパネルの片面クランプアップを設けることを含む(作業2204)。その後、プロセスが終了する。
【0212】
幾つかの例示的な実施例では、作業2202に先立って、1つ以上の作業が実行され得る。例えば、場合によっては、作業2202の前に、第1のパネル及び第2のパネルにおいて孔が生成される。これらの孔は、穿孔、パネルを貫通するパンチング、又は他の何らかの孔作成工程によって形成され得る。2つの孔が同心円状又は同軸上の少なくとも1つに整列し、貫通孔(ファスナ孔)が形成されるように、パネルの初期クランプアップが確立されている間、これらの孔が穿孔され得る。他の例示的な実施例では、確定的なアセンブリ孔が、パネル内に個別に形成され、次いで、2つのパネルが共に合わされて、孔が整列し得る。
【0213】
図23は、例示的な実施形態に係る、片面クランプアップを設けるためのプロセスのフロー図である。
図23に示すプロセス2300は、
図3のエンドエフェクタ324又は
図4から
図15に記載されたエンドエフェクタ414などの単機能エンドエフェクタを使用して、実行され得る。
【0214】
プロセス2300は、任意選択的に、同心円状又は同軸上の少なくとも1つに第1の部品における第1の孔を第2の部品における第2の孔と整列させることを含む(作業2302)。幾つかの実施例では、作業2302は、第1の部品及び第2の部品によって形成されたクランプアップを通して穿孔し、同心円状又は同軸上の少なくとも1つに整列した第1の孔及び第2の孔を形成することを含む。1つ以上の例示的な実施例では、作業2302は、第1の孔を既に有する第1の部品を第2の孔(例えば、確定的なアセンブリ孔)を既に有する第2の部品と単純に整列させ、それにより、第1の孔と第2の孔とを整列させることを含む。
【0215】
次に、プロセス2300は、第1の部品における第1の孔を通って、第2の部品における第2の孔を画定する壁を把持し、それにより、第2の部品を第1の部品に対して引っ張ることを含む(作業2304)。その後、プロセスが終了する。幾つかの実施例では、作業2304は、第2の部品における第2の孔の壁に作用する圧力差を発生させて、第2の部品を第1の部品に対して引っ張ることを含む。1つ以上の実施例では、作業2304は、第1の部品に対して位置付けされた吸引デバイスによって、第1の孔及び第2の孔を通して、空気を吸引し、第2の部品を第1の部品に向けて引っ張ることを含む。
【0216】
この態様では、プロセス2300は、クランプアップを確立且つ維持するための方法を提供する。具体的には、片面クランプアップが設けられる。
【0217】
種々の例示的な実施形態では、アセンブリを構築するために、効率及び製造時間を改善する方法及びシステムを有することが望ましいと認識され、考えられている。例えば、例示的な実施形態では、胴体アセンブリなどのアセンブリに沿って、複数のファスナ取り付け作業を同時に行うために、完全に自動化された方法及びシステムを有することが望ましいと認識されている。さらに、例示的な実施形態では、複数のエンドエフェクタを使用して、アセンブリの第1の側面の複数の位置において片面クランプアップを設けることにより、単機能エンドエフェクタがアセンブリの反対側で動き回ることが可能になると認識されている。アセンブリの反対側におけるこの運動、及び単機能エンドエフェクタの交換可能性により、所望のタクトタイム及び生産時間を満たすように、複数のタスクを同時に行うことが可能になる。
【0218】
さらに、エンドエフェクタが複雑であると、望んでいるよりもメンテナンスが増え、生産速度が遅くなり得るので、その複雑さを低減させることが望ましい。例えば、通常、重量が重く、非常に複雑な多機能エンドエフェクタは、さほど複雑ではない単機能エンドエフェクタに比べて、より多くのメンテナンスを必要とし、修理及び/又は交換がより困難であり得る。さらに、多機能エンドエフェクタは、典型的に、非常に大きく、重量が重いので、これらの種類のエンドエフェクタを動かすためには、大きなロボットが必要である。これにより、多機能エンドエフェクタは、望んでいるほど敏捷さが伴わない(すなわち、望むよりも操作性の簡便性が低い)。したがって、単機能エンドエフェクタは、必要とされるダウンタイムがより短い場合があり、これにより、生産速度が改善され得る。
【0219】
特定の事象では、多機能エンドエフェクタの種々の機能間の切り替えは、望んでいるより複雑になったり、又は望んでいるより時間がかかる場合があり、生産速度が遅くなる恐れがある。しかしながら、例示的な実施形態では、より軽量な単機能エンドエフェクタが連結されたロボットデバイスは、このロボットデバイスが必要なサイズ及びスケールがより小さいために、単機能エンドエフェクタを有する他のロボットデバイスと簡単且つ迅速に交換することができることが認識され、考慮されている。このようにして、生産速度を改善することができる。単機能エンドエフェクタは、多機能エンドエフェクタより遙かに軽量であり、さほど重くないので、単機能エンドエフェクタは、多機能エンドエフェクタに必要とされるより大きなロボットデバイスより敏捷な、より小さなロボットデバイスを使用して動かすことができる。
【0220】
ここで
図24を参照すると、製造環境のブロック図が例示的な実施形態に従って示されている。
図24の製造環境300は、
図3の製造環境300に類似する。高密度ロボットシステム2400は、複数のセル2402を含む。各セル2402は、
図3のアセンブリシステム302の一実装例である。
【0221】
ロボットセル又は高密度ロボットセルとも呼ばれ得るセル2402は、アセンブリ304を構築するために使用される。上述のように、幾つかの実施例では、アセンブリ304は、胴体アセンブリ313の形態をとる。他の実施例では、アセンブリ304は、翼アセンブリ又は何らか他の航空機314用のアセンブリの形態をとり得る。各セル2402は、アセンブリ304に沿った位置群で様々な作業を実行するためのロボットデバイスを含む。
【0222】
セル2404は、複数のセル2402のうちの1つの実施例である。セル2404は、ロボットデバイス2406及びロボットデバイス2408を含む。これらは、それぞれ、第1の複数のロボットデバイス及び第2の複数のロボットデバイスと呼ばれてもよい。各ロボットデバイス2406は、
図3に記載されたロボットデバイス318と似たような態様で実装され得る。さらに、各ロボットデバイス2408は、
図3のロボットデバイス320、
図3のロボットデバイス322、又は異なる種類のロボットデバイスと似たような態様で実装され得る。
【0223】
これらの例示的な実施例では、ロボットデバイス2408が、アセンブリ304の第2の側面2411に位置付けされ、そこで使用される間、ロボットデバイス2406は、アセンブリ304の第1の側面2409に位置付けされ、そこで使用される。アセンブリ304が胴体アセンブリ313の形態をとるとき、第1の側面2409は、胴体アセンブリ313の内側面からアクセス可能であり、第2の側面2411は、胴体アセンブリ313の外側面からアクセス可能である。例えば、第1の側面2409は、(例えば、胴体アセンブリ313の内側モールド線(IML)に面する側面で)内側モールド線にあるか、又はその近傍にあってもよく、第2の側面2411は、(例えば、胴体アセンブリ313の外側モールド線(OML)に面する側面で)外側モールド線にあるか、又はその近傍にあってもよい。したがって、幾つかの実施例では、ロボットデバイス2406は、IMLロボットデバイスと呼ばれてもよく、ロボットデバイス2408は、OMLロボットデバイスと呼ばれてもよい。
【0224】
これらの例示的な実施例では、ロボットデバイス2406は、ロボットデバイス2410、第2のロボットデバイス2412、及び第3のロボットデバイス2414を含む。これらは、それぞれ、第1のロボットデバイス、第2のロボットデバイス、及び第3のロボットデバイスと呼ばれ得る。同様に、ロボットデバイス2408は、ロボットデバイス2416、ロボットデバイス2418、及びロボットデバイス2420を含む。これらは、それぞれ、第1のロボットデバイス、第2のロボットデバイス、及び第3のロボットデバイスと呼ばれ得る。
【0225】
エンドエフェクタ2422、エンドエフェクタ2424、及びエンドエフェクタ2426は、それぞれ、ロボットデバイス2410、ロボットデバイス2412、及びロボットデバイス2414に連結される。エンドエフェクタ2422、エンドエフェクタ2424、及びエンドエフェクタ2426は、それぞれ、第1のエンドエフェクタ、第2のエンドエフェクタ、及び第3のエンドエフェクタとも呼ばれ得る。これらのエンドエフェクタは、単機能エンドエフェクタである。1つ以上の例示的な実施例では、エンドエフェクタ2422、2424、及び2426は、
図3に記載されたエンドエフェクタ324と似たような態様で実装される。例えば、エンドエフェクタ2422、2424、及び2426は、それぞれ、
図3のノズル332及び吸引デバイス330と類似するノズル及び吸引デバイスを含み得る。
【0226】
エンドエフェクタ2428、エンドエフェクタ2430、及びエンドエフェクタ2432は、それぞれ、ロボットデバイス2416、ロボットデバイス2418、及びロボットデバイス2420に連結される。エンドエフェクタ2428、エンドエフェクタ2430、及びエンドエフェクタ2432は、それぞれ、第1のエンドエフェクタ、第2のエンドエフェクタ、及び第3のエンドエフェクタとも呼ばれ得る。これらのエンドエフェクタは、単機能エンドエフェクタである。
【0227】
1つ以上の例示的な実施例では、エンドエフェクタ2428は、エンドエフェクタ326と似たような態様で実装される。例えば、エンドエフェクタ2428は、
図3のツール336及び穿孔ツール338のそれぞれに類似するツール及び穿孔ツール(図示せず)を含み得る。エンドエフェクタ2430は、孔を検査するための検査装置(図示せず)を含み得る。これらの実施例では、エンドエフェクタ2432は、
図3のエンドエフェクタ328と似たような態様で実装される。例えば、エンドエフェクタ2432は、
図3のファスナ挿入ツール340に類似するファスナ挿入ツール(図示せず)を含み得る。
【0228】
セル2404は、アセンブリ304に沿って、複数の位置群2436のそれぞれにおいて自動化された作業2434を実行するように使用される。例示的な実施例では、自動化された作業2434は、ファスナ取り付けの形態をとる。したがって、各位置2436は、ファスナ取り付け点とも呼ばれ得る。1つの例示的な実施例では、ファスナ取り付けは、例えば、限定しないが、固定タスク、穿孔タスク、ファスナ挿入タスク、及び検査タスクなどの複数のタスク(作業又は二次作業)を含む。セル2404は、所定のタスクシーケンス2438に従ってこれらの様々なタスクを実行するように使用される。
【0229】
これらの例示的な実施例では、所定のタスクシーケンス2438では、位置群2436のうちの任意の所与の位置で、穿孔タスクが、検査タスクの前に実行され、且つ検査試験が、ファスナ挿入タスクの前に実行されることを必要とする。実装形態に応じて、所定のタスクシーケンス2438は、穿孔タスクの前に、穿孔タスクと検査タスクとの間に、検査タスクとファスナ挿入タスクとの間に、ファスナ挿入タスクの後に、又はこれらを組み合わせた時に実行され得る、0個、1個、2個、又は他の何らかの数のタスクを含み得る。
【0230】
制御システム315は、セル2404を制御して、所定のタスクシーケンス2438に従って、アセンブリ304の選択された部分に沿って各位置2436において、迅速に、正確に、且つ効率良く自動化された作業2434を実行する。所定のタスクシーケンス2438は、上述のタスク群が、位置群2436の様々な位置で同時に実行されることを必要とする。本明細書で使用されている「同時に(concurrently))は、一斉に(simultaneously)、又は概して同じ時に(at the same time)を意味する。例えば、同じ時に開始する2つのタスク、同じ時に終了する2つのタスク、又はその両方が該当する2つのタスクは、同時に行われていると見なされ得る。さらに、あるタスクが、別のタスクの実行と重複する期間にわたって行われるとき、これらの2つのタスクは、同時に行われていると見なされ得る。さらに他の実施例では、実際のタスク群の期間が重複するかどうかに関わらす、所与の時間間隔内で行われる2つのタスクは、同時に行われると見なされ得る。
【0231】
例えば、制御システム315は、セル2404を制御して、位置群2436のうちのある位置で検査タスクを実行するのと同時に(又は同じ時間間隔内で)位置群2436のうちの別の位置で穿孔タスクを実行し得る。さらに、制御システム315は、セル2404を制御して、位置群2436のうちのある位置で検査タスクを実行し、位置群2436のうちの別の位置でファスナ挿入タスクを実行するのと同時に(又は同じ時間間隔内で)位置群2436のうちのさらに別の位置で穿孔タスクを実行し得る。検査タスクは、孔検査タスクであってもよい。
【0232】
したがって、制御システム315は、セル2404を制御して、ファスナ取り付け作業群を構成する特殊なタスク群を、順次に、しかし、同時に複数の位置で実行することにより、これらの複数のファスナ取り付け作業群を同時に実行する。さらに、制御システム315は、すべてのセル2402を制御して、アセンブリ304の種々の部分に沿って、複数の各位置において、迅速に、正確に、且つ効率良く自動化された作業2434を同時に実行する。
【0233】
幾つかの例示的な実施例では、セル2404のロボットデバイス2406は、プラットフォーム2440によって支持されているが、セル2404のロボットデバイス2408は、プラットフォーム2442によって支持されている。これらの実施例では、ロボットデバイス2406と、その対応するエンドエフェクタとは、ロボットデバイス2406の交換可能性を可能にするように寸法形成される。言い換えると、ロボットデバイス2406が、プラットフォーム2440からいかなる支援もない状態で、プラットフォーム2440上で位置を切り替えることができるように、ロボットデバイス2406は、プラットフォーム2440が静止している間、プラットフォーム2440上で移動可能であり得る。この交換可能性により、所定のタスクシーケンス2438を迅速に、正確に、且つ効率良く実行することが可能になる。
【0234】
本明細書に登場するロボットデバイスは、あるロボットデバイスが別のロボットデバイスとスワップアウトされる場合、交換可能であるとみなされる。例えば、ロボットデバイス2416が、アセンブリ304の位置Aで固有の特殊なタスクを実行し、位置Bに移動したとき、ロボットデバイス2418が、位置Aに移動して固有の特殊なタスクを実行するように、制御システム315は、ロボットデバイス2408を制御し得る。同様に、ロボットデバイス2416が、位置Bで固有の特殊なタスクを実行して、位置Cに移動し、且つ、ロボットデバイス2418が、位置Aで固有の特殊なタスクを実行して、位置Bに移動したとき、ロボットデバイス2420は、位置Aに移動して、固有の特殊なタスクを実行する。この態様では、所定のタスクシーケンス2438に従って自動化された作業2434を実行することができるように、ロボットデバイス2408は、位置群2436において交換可能である。
【0235】
これらの実施例では、ロボットデバイス2408と、その対応するエンドエフェクタとは、ロボットデバイス2408の交換可能性を可能にするように寸法形成される。言い換えると、ロボットデバイス2408が、プラットフォーム2442からいかなる支援もない状態で、プラットフォーム2442上で位置を切り替えることができるように、ロボットデバイス2408は、プラットフォーム2442が静止している間、プラットフォーム2442上で移動可能であり得る。この交換可能性により、所定のタスクシーケンス2438を迅速に、正確に、且つ効率良く実行することが可能になる。
【0236】
図25は、例示的な実施形態に係る、
図1の製造環境100の別の斜視図である。複数のアセンブリシステム104は、複数のセル2500と呼ばれてもよい。言い換えると、複数のアセンブリシステム104のそれぞれは、
図24のセル2404の一実装例であり得る。
【0237】
上述のように、複数のアセンブリシステム104は、胴体アセンブリ102に対して位置付けされている。複数のアセンブリシステム104は、アセンブリシステム106、アセンブリシステム2502、及びアセンブリシステム2504を含み、それぞれセルと呼ばれ得る。
【0238】
上述のように、アセンブリシステム106は、(例えば、胴体アセンブリ102の外側モールド線側に沿ってタスク群を実行するための)胴体アセンブリ102の外側面110に対して位置付けされたロボットデバイス108、及び(胴体アセンブリ102の内側モールド線側に沿ってタスク群を実行するための)胴体アセンブリ102の内側面114に対して位置付けされたロボットデバイス112を含む。ロボットデバイス108及びロボットデバイス112は、協働して、胴体アセンブリ102を構築するために、自動化されたファスナ取り付け作業を実行する。ロボットデバイス108は、
図24のロボットデバイス2408の一実装例であり、ロボットデバイス112は、
図24のロボットデバイス2406の一実装例である。
【0239】
さらに、ロボットデバイス2502は、胴体アセンブリ102の内側面114に対して位置付けされたロボットデバイス2506、及び胴体アセンブリ102の外側面110に対して位置付けされたロボットデバイス2508を含む。ロボットデバイス2506及びロボットデバイス2508は、協働して、自動化されたファスナ取り付け作業を実行する。ロボットデバイス2506及びロボットデバイス2508は、それぞれ、
図24のロボットデバイス2406及びロボットデバイス2408の実装例である。
【0240】
アセンブリシステム2504は、胴体アセンブリ102の内側面114に対して位置付けされたロボットデバイス2510、及び胴体アセンブリ102の外側面110に対して位置付けされたロボットデバイス2512を含む。ロボットデバイス2510及びロボットデバイス2512は、協働して、自動化されたファスナ取り付け作業を実行する。これらのロボットデバイスは、それぞれ、胴体アセンブリ102の内側面114又は外側面110に固有である、異なる特殊なタスクを実行する。ロボットデバイス2510及びロボットデバイス2512は、それぞれ、
図24のロボットデバイス2406及びロボットデバイス2408の実装例である。ロボットデバイス2510及びロボットデバイス2512は、それぞれ、単機能エンドエフェクタに連結されている。
【0241】
ロボットデバイス112、ロボットデバイス2506、及びロボットデバイス2510は、それぞれ、プラットフォーム202、プラットフォーム2516、及びプラットフォーム2518によって支持されている。幾つかの例示的な実施例では、これらのプラットフォームは、移動可能なプラットフォームである。一実施例として、プラットフォーム202、プラットフォーム2516、及びプラットフォーム2518は、それぞれ、無人搬送車(AGV)などの対応する移動可能装置に一体化されるか、又はさもなければそれに(直接的又は間接的に)連結され得る。
【0242】
1つの例示的な実施例では、プラットフォーム202は、プラットフォーム202を胴体アセンブリ102の内側面に沿って動かすことを可能にする移動システム(この図面では示さない)を含むか、その一部であるか、又はそれに連結されている。例えば、プラットフォーム202を胴体アセンブリ102の内部の床に沿って移動させ、それにより、ロボットデバイス112を胴体アセンブリ102に対して移動させることができる。
【0243】
さらに、ロボットデバイス108、ロボットデバイス2508、及びロボットデバイス2512は、それぞれ、プラットフォーム200、プラットフォーム2522、及びプラットフォーム2524によって支持されている。幾つかの例示的な実施例では、これらのプラットフォームは、移動可能なプラットフォームである。一実施例として、プラットフォーム200、プラットフォーム2522、及びプラットフォーム2524は、それぞれ、無人搬送車(AGV)などの対応する移動可能装置と一体化されるか、又はさもなければそれに連結され得る。
【0244】
幾つかの実施例では、プラットフォーム200、プラットフォーム2522、及びプラットフォーム2524は、タワーと一体化されるか、又はタワーに連結される。このタワーは、移動式タワーであってもよい。一実施例として、ロボットデバイス108は、タワー2526に連結されたプラットフォーム200によって支持されている。プラットフォーム200は、タワー2526に沿って垂直方向に(例えば、タワー2526を上り下りするように)移動可能である。さらに、タワー2526は、無人搬送車2528を含むか、その一部であるか、又はそれに連結され、これにより、プラットフォーム200、ひいてはロボットデバイス108を胴体アセンブリ102の長さに沿って位置付けすることが可能になる。
【0245】
複数のアセンブリシステム104における各ロボットデバイスは、単機能エンドエフェクタに連結されているので、複数のロボットデバイスは、胴体アセンブリ102に対して作業を実行するために、プラットフォーム上で支持されて、正確に且つ効率良くプラットフォームで動き回ることができる。具体的には、複数のアセンブリシステム104における各ロボットデバイスは、所定のタスクシーケンスに従って、固有のタスクを実行する。
【0246】
図26は、例示的な実施形態に従って構築されている胴体アセンブリ102の拡大端部図である。この拡大端部図は、
図25の線26-26から見た図である。ロボットデバイス108及びロボットデバイス112は、協働して、胴体アセンブリ102を構築するために胴体パネルを共に接合するファスナを取り付ける。
【0247】
この例示的な実施例では、ロボットデバイス108は、穿孔、検査、及びファスナ挿入タスクを実行するための単機能エンドエフェクタに連結されている。これらの単機能エンドエフェクタは、個々のタスクを実行するために、例えば、ファスナ取り付け点113の周りで動き回ることにより、切り替わり得る。上述のように、単機能エンドエフェクタは、1つのファスナ取り付け点につき、且つ、1つのロボットデバイスにつき、単一の機能を実行するために使用されるエンドエフェクタである。この態様では、複数の単機能エンドエフェクタは、所定のシーケンスで、固有の特殊なタスク群を実行するように制御且つ調整され得る。したがって、このような複数の特殊なタスク群から構成された自動化された作業は、協働しつつ連続的に作動するこれらの単機能エンドエフェクタによって実行され得る。
【0248】
場合によっては、各ロボットデバイス108は、対応するエンドエフェクタを特定のタスクのためにファスナ取り付け点113に対して位置付けするため、プラットフォーム200上で動き回る。他の場合では、ロボットデバイス108は、プラットフォーム200上で静止状態に留まることができるが、ロボットデバイス108は、適切なエンドエフェクタを所与のタスクのためにファスナ取り付け点113に対して位置付けするために、そのエンドエフェクタを次の位置に移動させて位置付けするように使用され得る。
【0249】
図27は、例示的な実施形態に係る、
図25及び
図26のロボットデバイス112に連結されたエンドエフェクタ2700の拡大斜視図である。このエンドエフェクタ2700の図は、
図26の線27-27に沿って示される。エンドエフェクタ2700は、エンドエフェクタ2702、エンドエフェクタ2704、及びエンドエフェクタ2706を含む。エンドエフェクタ2702、エンドエフェクタ2704、及びエンドエフェクタ2706は、それぞれ、エンドエフェクタ2422、エンドエフェクタ2424、及びエンドエフェクタ2426の一実装例である。
【0250】
さらに、エンドエフェクタ2702、エンドエフェクタ2704、及びエンドエフェクタ2706は、それぞれ、
図3に記載されたエンドエフェクタ324、及び
図4から
図15に記載されたエンドエフェクタ414と似たような態様で実装され得る。この例示的な実施例では、エンドエフェクタ2702は、ノズル2708及び吸引デバイス2710を含む。エンドエフェクタ2704は、ノズル2712及び吸引デバイス2714を含む。エンドエフェクタ2706は、ノズル2716及び吸引デバイス2718を含む。
【0251】
エンドエフェクタ2702、エンドエフェクタ2704、及びエンドエフェクタ2706は、胴体アセンブリ102の内側面114から片面クランプアップをもたらすように使用される。これにより、
図25及び
図26のロボットデバイス108は、複数の位置で同時に複数のタスク群の実行を促進することが可能になり、ファスナ取り付け作業は、連続的にこれらの複数の位置群で実行される。具体的には、ロボットデバイス2408は、
図25及び
図26のプラットフォーム200の周りで動かされ、複数のファスナ取り付け点において、しかし、所定のタスクシーケンスに従って、様々なタスクを実行するように交換され得る。
【0252】
エンドエフェクタ2700は、それぞれ、各エンドエフェクタを特定のファスナ取り付け点に誘導するように使用されるセンサシステムを含み得る。センサシステムは、例えば、レーザー距離センサ、イメージング装置、又は何らか他の種類のセンサのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0253】
図示されているように、エンドエフェクタ2702、2704、及び2706は、それぞれ、ファスナ取り付け点2720、2722、及び2724に対して位置付けされる。この例示的な実施例では、これらのファスナ取り付け点は、互いに近接している。エンドエフェクタ2702、2704、及び2706をファスナ取り付け点2720、2722、及び2724に対して位置付けすることを可能にする、このように近接したエンドエフェクタ2702、2704、及び2706の位置付けは、高密度設定と呼ばれ得る。
【0254】
幾つかの例示的な実施例では、種々のタスク群が同時に行われるこれらのファスナ取り付け点は、互いに隣接し得る。他の実施例では、種々のタスク群が同時に行われるファスナ取り付け点間には、1つ以上の位置が存在し得る。
【0255】
これらのエンドエフェクタのサイズ及び形状によって、高密度設定でエンドエフェクタを位置付けすることが可能になり、プラットフォーム200上でのロボットデバイス108の簡単且つ効率良い交換が可能になる。言い換えると、ファスナ取り付け点2720、2722、及び2724に対して、エンドエフェクタ2702、2704、及び2706の位置付けをそれぞれ切り替えるために、ロボットデバイス108は、プラットフォーム200上で簡単且つ迅速に動き回ることが可能である。
【0256】
図28は、例示的な実施形態に係る、
図25及び
図26のロボットデバイス108に連結されたエンドエフェクタ2800の拡大斜視図である。このエンドエフェクタ2800の図は、
図26の線28-28に沿って示される。エンドエフェクタ2800は、エンドエフェクタ2802、エンドエフェクタ2804、及びエンドエフェクタ2806を含む。エンドエフェクタ2802、2804、及び2806は、エンドエフェクタ2702、2704、及び2706のそれぞれの反対側で、胴体アセンブリ102の外側面110に沿って位置付けされる。エンドエフェクタ2802、エンドエフェクタ2804、及びエンドエフェクタ2806は、それぞれ、エンドエフェクタ2428、エンドエフェクタ2430、及びエンドエフェクタ2432の一実装例である。
【0257】
エンドエフェクタ2802は、
図3のエンドエフェクタ326、及び
図4から
図9のエンドエフェクタ416と似たような態様で実装され得る。例えば、エンドエフェクタ2802は、
図4から
図9のエンドエフェクタ416のツール424及び穿孔ツール426とそれぞれ似たように実装され得るツール2808及び穿孔ツール2810を含む。
【0258】
エンドエフェクタ2804は、検査装置2812を含む。検査装置2812は、例えば、エンドエフェクタ2802の穿孔ツール426を使用して穿孔された孔を検査するように使用され得る。検査装置2812は、穿孔された孔が、ファスナ取り付けのための孔の許容誤差や要件を満たすことを確実なものとする。孔の許容誤差や要件は、孔の品質を規定し得る。例えば、検査装置2812は、孔直径、孔の真円度、表面に対する孔の角度、カウンターシンク深さ(countersink depth)、カウンターシンクサイズ(countersink size)、カウンターシンク角度(countersink angle)、又は何らか他の種類の孔特徴のうちの少なくとも1つを検査するように使用されてもよい。
【0259】
検査装置2812は、数々の異なる形態をとってもよい。例えば、検査装置2812は、レ-ザーセンサ、イメージング装置、又は他の何らかの種類のセンサのうちの少なくとも1つを含み得るが、これらに限定されない。
【0260】
エンドエフェクタ2806は、
図3に記載されたエンドエフェクタ328、及び
図11から
図13に記載されたエンドエフェクタ1100と似たような態様で実装され得る。例えば、エンドエフェクタ2806は、
図11から
図13のファスナ挿入ツール1104と似たような態様で実装され得るファスナ挿入ツール2814を含み得る。
【0261】
エンドエフェクタ2800は、それぞれ、各エンドエフェクタを特定のファスナ取り付け点に誘導するように使用されるセンサシステムを含み得る。センサシステムは、例えば、レーザー距離センサ、イメージング装置、又は何らか他の種類のセンサのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0262】
図示されているように、エンドエフェクタ2802、2804、及び2806は、それぞれ、ファスナ取り付け点2720、2722、及び2724に対して位置付けされる。この例示的な実施例では、これらのファスナ取り付け点は、互いに近接しているが、離間されている(例えば、非隣接である)。例えば、ファスナ取り付け点2720、2722、及び2724は、3つのファスナ取り付け点によって離間されている。エンドエフェクタ2802、2804、及び2806が確実に衝突しないように、この種の離間が用いられる。エンドエフェクタ2802、2804、及び2806をファスナ取り付け点2816、2818、及び2820に対して位置付けすることを可能にする、このように近接したエンドエフェクタ2802、2804、及び2806の位置付けは、高密度設定と呼ばれ得る。この種の設定により、複数の異なる特殊なタスク群を同時に実行することが可能になる。これらのエンドエフェクタのサイズ及び形状によって、高密度設定でエンドエフェクタを位置付けすることが可能になり、プラットフォーム200上でのロボットデバイス108の簡単且つ効率良い交換が可能になる。言い換えると、複数のファスナ取り付け点に対して、エンドエフェクタ2802、2804、及び2806の位置付けをそれぞれ切り替えることにより、ファスナ取り付け点で行われている機能を切り替えるために、ロボットデバイス108は、プラットフォーム200上で簡単且つ迅速に動き回ることが可能である。
【0263】
ロボットデバイス108に連結された単機能エンドエフェクタの切り替えの間、各ロボットデバイス112は、胴体アセンブリ102の内側面側から胴体パネルを共に保持するために使用されるエンドエフェクタに連結されている。言い換えると、各ロボットデバイス112は、片面クランプアップをもたらす単機能エンドエフェクタを含む。例えば、ロボットデバイス108のうちの1つにあるエンドエフェクタが、その指定タスクを実行するために使用された後、そのエンドエフェクタは、異なるエンドエフェクタのために空間を設けるため、ファスナ取り付け点113から(例えば、別の取り付け点へと)引き離され得る。ロボットデバイス108のエンドエフェクタが、胴体アセンブリ102の外側面側110の高密度ロボット区域内で切り替えられ、効率良く使用されている間、ロボットデバイス112のうちの1つに連結されたエンドエフェクタは、胴体アセンブリ102の内側面側のみから胴体パネルのクランプアップを維持するために使用される。
【0264】
図29は、例示的な実施形態に係る、アセンブリに沿った複数のファスナ取り付け点において自動化されたファスナ取り付け作業を実行するセルに関する様々な段階の代表的なシーケンス図である。セル2900は、
図24のセル2404の一実装例である。セル2900は、ジョイント2901に対して自動化されたファスナ取り付け作業を実行するように使用される。具体的には、セル2900は、
図24の所定のタスクシーケンス2438などの所定のタスクシーケンスに従って、これらの自動化されたファスナ取り付け作業を実行するように使用される。
【0265】
ジョイント2901は、その実装形態に応じて、アセンブリ、ラップスプライス、胴体スプライス、又は何らか他の種類の外板スプライスと呼ばれてもよい。1つの例示的な実施例では、ジョイント2901は、共に接合された2つの部品を含む。幾つかの実施例では、これらの部品は、胴体パネル又は翼パネルなどのパネルであってもよい。
【0266】
セル2900は、所定のタスクシーケンスに従って、ジョイント2901に沿ってファスナを取り付けるように使用される。所定のタスクシーケンスには、第1の段階2902、第2の段階2904、第3の段階2906、第4の段階2908、第5の段階2910、及び第6の段階2912が含まれる。これらの段階の数及び順序は、セル2900を使用して実行され得る所定のタスクシーケンスの一実装形態のみの例である。
【0267】
セル2900は、エンドエフェクタ2914、エンドエフェクタ2916、及びエンドエフェクタ2918を含み、これらは、ジョイント2901の第1の側面2920においてロボットデバイス(図示せず)に連結される。エンドエフェクタ2914、2916、及び2918は、それぞれ、
図24のエンドエフェクタ2422、2424、及び2426と似たような態様で実装され得る。さらに、セル2900は、ジョイント2901の第2の側面2921におけるロボットデバイス(図示せず)に連結された穿孔エンドエフェクタ2922を含む。穿孔エンドエフェクタ2922は、
図24のエンドエフェクタ2428と似たような態様で実装され得る。
【0268】
セル2900は、ファスナ取り付け点2915、2917、及び2919において自動化されたファスナ取り付け作業を実行するように使用される。これらのファスナ取り付け点は、図示されているように、それらの間に任意の他のファスナ取り付け点がない状態で互いに隣接するファスナ取り付け点であり得る。代替的に、1つ以上の他のファスナ取り付け点が、ファスナ取り付け点2915とファスナ取り付け点2917との間、ファスナ取り付け点2917とファスナ取り付け点2919との間、又はその両方に存在し得る。この種のファスナ取り付け点の離間は、
図28に示されているものと類似する。
【0269】
以下でさらに説明されているように、セル2900の様々なエンドエフェクタは、これらのエンドエフェクタが連結されたロボットデバイスを移動させることによって、種々のファスナ取り付け点に対して移動させられ、位置付けされる。さらに、幾つかの例示的な実施例では、以下で説明されるエンドエフェクタ及びロボットデバイスの作業及び動きは、
図3及び
図24の制御システム315などの制御システムによって制御される。
【0270】
第1の段階2902では、エンドエフェクタ2914、エンドエフェクタ2916、及びエンドエフェクタ2918は、それぞれ、ファスナ取り付け点2915、ファスナ取り付け点2917、及びファスナ取り付け点2919に対して位置付けされる。さらに、穿孔エンドエフェクタ2922が、ファスナ取り付け点2915において特殊タスクの実行に使用するために、ファスナ取り付け点2915に対して移動させられ、位置付けされる。
【0271】
この例示的な実施例では、第1の段階2902では、エンドエフェクタ2914は、穿孔エンドエフェクタ2922と整列させられる。さらに、第1の段階2902では、エンドエフェクタ2914及び穿孔エンドエフェクタ2922は、ファスナ取り付け点2915でジョイント2901のクランプアップを確立して、ファスナ取り付け点2915に孔を穿孔するように使用される。これらのタスクは、上述の数々の方法のいずれかで実行され得る。
【0272】
1つの例示的な実施例では、エンドエフェクタ2914及び穿孔エンドエフェクタ2922は、まずジョイント2901のクランプアップを確立する。次いで、穿孔エンドエフェクタ2922は、ファスナ取り付け点2915において孔を穿孔する。一旦孔が穿孔されると、エンドエフェクタ2914は、次に、上述の数々の方法のいずれかを使用して、片面クランプアップを確立する。例えば、エンドエフェクタ2914は、片面クランプアップを確立且つ維持するために、吸引を使用し得る。言い換えると、一旦片面クランプアップが確立されると、エンドエフェクタ2914は、穿孔エンドエフェクタ2922からさらなる支援を得ることなく、ファスナ取り付け点2915においてジョイント2901のクランプアップを維持することが可能になる。
【0273】
第2の段階2904では、穿孔エンドエフェクタ2922は、検査エンドエフェクタ2924と切り替えられるが、エンドエフェクタ2914は、ファスナ取り付け点2915においてクランプアップを維持する。一実施例として、第2の段階2904では、穿孔エンドエフェクタ2922は、ファスナ取り付け点2915から引き離され、ファスナ取り付け点2917に対して位置付けされる。
【0274】
上述のように、ファスナ取り付け点2917は、ファスナ取り付け点2915との間に任意の他のファスナ取り付け点がない状態で、ファスナ取り付け点2915に隣接し得る。代替的に、ファスナ取り付け点2917とファスナ取り付け点2915は、非隣接(すなわち、それらの間に1つ以上の他のファスナ取り付け点を有する)であってもよい。この態様では、穿孔エンドエフェクタ2922は、ファスナ取り付け点2917に達するために、1つ以上のファスナ取り付け点を飛ばすように構成され得る。例えば、穿孔エンドエフェクタ2922は、2番目ごとの、3番目ごとの、4番目ごとの、又はn番目ごとのファスナ取り付け点でのみ孔を穿孔するように制御され得る。場合によっては、ファスナ取り付け点は、ジョイント2901に沿って、異なる横の列にあってもよい。
【0275】
さらに、第2の段階2904では、検査エンドエフェクタ2924が、ファスナ取り付け点2915において次の特殊タスクを実行するために、ファスナ取り付け点2915に対して移動させられ、位置付けされる。エンドエフェクタ2914がファスナ取り付け点2915でクランプアップを維持している間、検査エンドエフェクタ2924は、ファスナ取り付け点2915において穿孔された孔を検査するために使用される。エンドエフェクタ2916と穿孔エンドエフェクタ2922は、ファスナ取り付け点2917でクランプアップを同時に確立する。さらに、穿孔エンドエフェクタ2922は、ファスナ取り付け点2917において孔を穿孔する。一旦孔が穿孔されると、エンドエフェクタ2916は、ファスナ取り付け点2917でジョイント2901の片面クランプアップを確立し、独立して維持するように使用される。この片面クランプアップにより、次の段階で、穿孔エンドエフェクタ2922をファスナ取り付け点2917において検査エンドエフェクタ2924と切り替えることが可能になる。
【0276】
第3の段階2906では、穿孔エンドエフェクタ2922は、ファスナ取り付け点2917から引き離され、ファスナ取り付け点2919に対して位置付けされる。検査エンドエフェクタ2924は、ファスナ取り付け点2917で次の特殊タスクを実行するために、移動させられ、ファスナ取り付け点2917に対して位置付けされる。そして、ファスナ挿入エンドエフェクタ2926は、ファスナ取り付け点2915で次の特殊タスクを実行するために、移動させられ、ファスナ取り付け点2915に対して位置付けされる。
【0277】
ファスナ挿入エンドエフェクタ2926は、ファスナ取り付け点2915でファスナを取り付けるように使用される。幾つかの例示的な実施例では、ファスナ挿入エンドエフェクタ2926は、それ自体に対してファスナを取り付けることが可能である。例えば、ファスナを取り付けることは、所望の締り嵌めが形成されるまで、ファスナ取り付け点2915において穿孔された孔の中にファスナを挿入することを含み得る。他の実施例では、エンドエフェクタ2914が、ファスナの取り付けを完了するように使用されている間、ファスナ挿入エンドエフェクタ2926は、ファスナ取り付け点2915において穿孔された孔の中にファスナを挿入するように使用される。ファスナがファスナ取り付け点2915において完全に取り付けられるまで、エンドエフェクタ2914は、ファスナ取り付け点2915でクランプアップを維持する。その後、ファスナ取り付け点2915でクランプアップを維持するためにエンドエフェクタ2914はもはや必要とされない。
【0278】
ファスナ取り付け点2915においてファスナを取り付けるのと同時に、検査エンドエフェクタ2924は、ファスナ取り付け点2917において穿孔された孔を検査する。さらに、ファスナ取り付け点2915においてファスナを取り付け、ファスナ取り付け点2917において孔を検査するのと同時に、エンドエフェクタ2918及び穿孔エンドエフェクタ2922は、ファスナ取り付け点2919でクランプアップを確立するように使用される。さらに、穿孔エンドエフェクタ2922は、ファスナ取り付け点2919において孔を穿孔する。一旦孔が穿孔されると、エンドエフェクタ2918は、ファスナ取り付け点2919でジョイント2901の片面クランプアップを確立し、維持するように使用される。この片面クランプアップにより、次の段階で、穿孔エンドエフェクタ2922をファスナ取り付け点2919において検査エンドエフェクタ2924と切り替えることが可能になる。
【0279】
第4の段階2908では、穿孔エンドエフェクタ2922は、移動させられ、新しいファスナ取り付け点2928に対して位置付けされる。検査エンドエフェクタ2924は、移動させられ、ファスナ取り付け点2919に対して位置付けされる。ファスナ挿入エンドエフェクタ2926は、移動させられ、ファスナ取り付け点2917に対して位置付けされる。さらに、エンドエフェクタ2914は、移動させられ、ファスナ取り付け点2928に対して位置付けされる。
【0280】
第4の段階2908では、エンドエフェクタ2914と穿孔エンドエフェクタ2922は、ファスナ取り付け点2928でクランプアップを確立する。穿孔エンドエフェクタ2922は、ファスナ取り付け点2928において孔を穿孔する。次いで、エンドエフェクタ2914は、ファスナ取り付け点2928で片面クランプアップを確立し、維持する。エンドエフェクタ2914及び穿孔エンドエフェクタ2922によってタスク群が実行されているのと同時に、ファスナ挿入エンドエフェクタ2926が、ファスナ取り付け点2917において穿孔された孔の中にファスナを取り付けている間、検査エンドエフェクタ2924は、ファスナ取り付け点2919において穿孔された孔を検査する。一旦、ファスナがファスナ取り付け点2917において取り付けられると、ファスナ取り付け点2917でクランプアップを維持するためにエンドエフェクタ2918はもはや必要とされない。
【0281】
この例示的な実施例では、ファスナ取り付け点2928は、ジョイント2901に沿って、ファスナを取り付けるべき最後の位置であり得る。しかしながら、他の例示的な実施例では、ファスナ取り付け点2917とファスナ取り付け点2928との間に、又はファスナ取り付け点2928の後に、任意の他の数のファスナ取り付け点が存在してもよい。
【0282】
第5の段階2910では、穿孔エンドエフェクタ2922は、ジョイント2901から引き離される。検査エンドエフェクタ2924は、移動させられ、ファスナ取り付け点2928に対して位置付けされる。ファスナ挿入エンドエフェクタ2926は、移動させられ、ファスナ取り付け点2919に対して位置付けされる。
【0283】
ファスナ挿入エンドエフェクタ2926がファスナ取り付け点2919においてファスナを取り付けている間、検査エンドエフェクタ2924は、ファスナ取り付け点2928において穿孔された孔を同時に検査する。一旦、ファスナがファスナ取り付け点2919において取り付けられると、ファスナ取り付け点2919でクランプアップを維持するためにエンドエフェクタ2918はもはや必要とされない。
【0284】
他の例示的な実施例では、ジョイント2901は、ファスナが取り付けられるべきファスナ取り付け点2928の後ろに多くの他の位置群を含んでもよい。これらの実施例では、穿孔エンドエフェクタ2922は、これらの各位置において孔を穿孔するように使用された後になってようやくジョイント2901から引き離される。
【0285】
例えば、任意の数の他の段階が、第4の段階2908と第5の段階2910との間にあってもよい。穿孔エンドエフェクタ2922、検査エンドエフェクタ2924、及びファスナ挿入エンドエフェクタ2426は、継続的に、示された連続的な態様で移動し、他のファスナ取り付け点群で同時発生的タスク群を実行することができる。
【0286】
第6の段階2912では、検査エンドエフェクタ2924は、ジョイント2901から引き離され、ファスナ挿入エンドエフェクタ2926は、移動させられ、ファスナ取り付け点2928に対して位置付けされる。ファスナ挿入エンドエフェクタ2926は、ファスナ取り付け点2928でファスナを取り付ける。一旦、ファスナがファスナ取り付け点2928において取り付けられると、ファスナ取り付け点2928でクランプアップを維持するためにエンドエフェクタ2914はもはや必要とされない。
【0287】
この態様では、ファスナ取り付け点2915、2916、2918、及び2928におけるファスナの取り付けは、セル2900によって自動化され得る。セル2900のエンドエフェクタの交換可能性の故に、セル2900は、これらの自動化されたファスナ取り付け作業を、迅速に、正確に、且つ効率良く実行する。
【0288】
上述のように、
図29に示す様々な段階を通して、セル2900は、ファスナ取り付け作業の適切なシーケンスで任意の所与のファスナ取り付け点でタスク群を確実に行なうようにしながら、複数の位置においてファスナ取り付け作業の種々のタスク群(例えば、穿孔、検査、ファスナの挿入及び取り付け)を同時行うように使用される。セル2900は、ファスナ取り付け作業の種々のタスク群を狭い容量空間で実行することを可能にする高密度ロボットセルである。
【0289】
これらの例示的な実施例では、様々なエンドエフェクタの交換は、選択されたタクトタイム及び生産要件を満たすように調整される。言い換えると、エンドエフェクタの移動及び最位置付けは、制御されて、選択されたタクトタイム及び生産要件に基づいて時間設定され得る。さらに、エンドエフェクタが連結されたロボットデバイスを介したエンドエフェクタの運動は、制御システム(例えば、
図3及び
図24の制御システム315)によって制御且つ調整することができ、それにより、運動中にエンドエフェクタ又はロボットデバイスの衝突を防止する。
【0290】
図30は、例示的な実施形態に係る、アセンブリのための自動化された作業を実行するためのプロセスのフロー図である。
図30に示されたプロセス3000は、例えば、
図24に記載されたセル2404などのセルを使用して実行され得る。プロセス3000は、完全に自動化されたプロセスである。
【0291】
プロセス3000は、航空機用のアセンブリの第1の側面に対して第1の複数のロボットデバイスを位置付けすることにより開始し得る(作業3002)。作業3002では、第1の複数のロボットデバイスは、例えば、
図24のロボットデバイス2406であり得る。1つの例示的な実施例では、アセンブリは、胴体アセンブリであり、第1の領域は、胴体アセンブリの内側面内に位置する第1の容量領域である。
【0292】
次に、第2の複数のロボットデバイスが、アセンブリの第2の側面に対して位置付けされる(作業3004)。作業3004では、第2の複数のロボットデバイスは、例えば、
図24のロボットデバイス2408であり得る。1つの例示的な実施例では、第2の領域は、胴体アセンブリの外側面に位置する第2の容量領域である。さらに、第2の複数のロボットデバイスは、それぞれ、対応するタスクを実行するように使用される。
【0293】
第1の複数のロボットデバイス及び第2の複数のロボットデバイスを使用して、複数のタスクが、アセンブリの複数の各位置において行われ、第1の複数のロボットデバイスが、複数の各位置でクランプアップを独立して維持している間、第2の複数のロボットデバイスは、同時に、複数の位置でタスク群を実行する(作業3006)。その後、プロセスは終了する。作業3006では、複数のタスクは、自動化されたタスクである。これらの例示的な実施例では、複数のタスクは、穿孔タスク、検査タスク(例えば、孔検査タスク)、及びファスナ取り付けタスクを含む。
【0294】
図31は、例示的な実施形態に係る、航空機用の胴体アセンブリを構築する自動化された作業を実行するためのプロセスのフロー図である。
図31に示されたプロセス3100は、例えば、
図24に記載された高密度ロボットシステム2400を使用して実行され得る。具体的には、プロセス3100は、
図24の高密度ロボットシステム2400の複数のセル2402を使用して実行される。プロセス3100は、完全に自動化されたプロセスである。
プロセス3100は、航空機用の胴体アセンブリの対応セクションに対して複数のセルを位置付けすることにより開始する(作業3102)。作業3102では、複数のセルは、複数のロボットセルである。複数のセルのそれぞれは、胴体アセンブリの内側面に対して位置付けされた第1の複数のロボットデバイス、及び胴体アセンブリの外側面に対して位置付けされた第2の複数のロボットデバイスを含む。
【0295】
その後、自動化された作業は、複数のセルを使用して、胴体アセンブリの対応するセクションのそれぞれにおける複数の位置のそれぞれにおいて同時に実行される。各セルのロボットデバイスは、所定のタスクシーケンスに従って、自動化された作業の種々のタスク群を実行するように交換可能である(作業3104)。その後、プロセスは終了する。複数のセルと、複数のセルの各セルの中のロボットデバイスとのこのような協調的な作業は、確実に効率と、全体的な生産時間の改善をもたらす。
【0296】
図32は、例示的な実施形態に係る、ジョイントに沿って自動化されたファスナ取り付け作業を実行するためのプロセスのフロー図である。
図32に示されたプロセス3200は、例えば、
図24に記載されたセル2404などのセルを使用して実行され得る。プロセス3200は、完全に自動化されたプロセスである。さらに、プロセス3200は、
図24に記載された所定のタスクシーケンス2438に従って、自動化された作業2434などの複数の自動化された作業が実行され得る一方法の例である。
【0297】
プロセス3200は、ジョイントの第1の側面において、ジョイントに沿った第1の位置に第1のエンドエフェクタを位置付け、ジョイントに沿った第2の位置に第2のエンドエフェクタを位置付け、ジョイントに沿った第3の位置に第3のエンドエフェクタを位置付けることによって、開始する(作業3202)。ジョイントは、第1の部品及び第2の部品を含む。これらは、例えば、外板パネルであり得る。例えば、ジョイントは、胴体外板パネル又は翼外板パネルから構成されたラップスプライスであってもよい。一実施例では、ジョイントは、ジョイントの第1の側面を形成する第1のパネル、及びジョイントの第2の側面を形成する第2のパネルを含む。第1の位置は、第1のファスナ取り付け点である。
【0298】
これらの例示的な実施例では、作業3202は、第1のエンドエフェクタのノズルを第1の位置と概して整列させることを含む。例えば、ノズルは、第1の位置でジョイントを通って延在する軸に対して整列し得る。
【0299】
1つの例示的な実施例では、第1のエンドエフェクタ、第2のエンドエフェクタ、及び第3のエンドエフェクタは、それぞれ、第1の位置、第2の位置、及び第3の位置において同時に位置付けされる。他の例示的な実施例では、作業3202は、プロセス3200の間の諸段階で実行され得る。例えば、第1のエンドエフェクタは、作業3204の前に第1の位置に位置付けされ得るが、第2のエンドエフェクタは、後述の作業3208の間若しくは作業3210の間、又はこれらの2つの作業の間に、第2の位置に位置付けされ得る。同様に、場合によっては、第3のエンドエフェクタは、後述の作業3218の間若しくは作業3220の間、又はこれらの2つの作業の間に、第3の位置に位置付けされ得る。
【0300】
その後、穿孔エンドエフェクタが、ジョイントの第2の側面における第1の位置に対して位置付けされる(作業3204)。これらの例示的な実施例では、作業3204は、穿孔エンドエフェクタのツールを第1の位置と概して整列させることを含む。例えば、ツールは、第1の位置でジョイントを通って延在する軸に対して整列し得る。
【0301】
次に、少なくとも第1のエンドエフェクタが第1の位置でクランプアップを独立して維持するまで、第1のエンドエフェクタ及び穿孔エンドエフェクタを使用して、クランプアップシーケンスが第1の位置で実行される(作業3206)。
図16の作業1602から1608は、作業3206のクランプアップシーケンスなどのクランプアップシーケンスが実行され得る一態様例である。ファスナを第1の位置において取り付けるために、孔(例えば、ファスナ孔又は貫通孔)を第1の位置で穿孔する必要がある場合、作業1602から1608を作業3206の実施に使用することができる。
【0302】
例えば、第1のエンドエフェクタは、作業1602で第1の機械力を加え、作業1606で吸引を実行するために使用され得る。さらに、穿孔エンドエフェクタは、作業1602で第2の機械力を加え、作業1604で穿孔タスクを実行するために使用され得る。作業1602に関しては、第1の機械力と第2の機械力とは、等しく且つ互いに対抗する機械力である。
【0303】
作業1702から1704は、クランプアップシーケンスが実行され得る別の方法の例である。例えば、第1のエンドエフェクタは、作業1702で第1の機械力を加え、作業1704で吸引を実行するために使用され得る。穿孔エンドエフェクタは、作業1702で第2の機械力を加えるために使用され得る。
【0304】
確定的なアセンブリ孔が、ジョイントの第1のパネル及び第2のパネルにおいて既に存在する場合、作業1702から1704は、作業3206の実施に使用され得る。孔をこれらの2つのパネルと整列することにより、ジョイントを通って延在し、ファスナを取り付けることができる貫通孔が形成される。
【0305】
これらの例示的な実施例では、作業3206のクランプアップシーケンスの終了時には、第1の位置に片面クランプアップが設けられる。この片面クランプアップは、第1のエンドエフェクタによって独立して維持される。片面クランプアップの設置は、様々な方法で行うことができる。例えば、片面クランプアップを設けることは、
図16の1606及び1608、
図17の1704及び1706、
図18の作業1804、
図19の作業1902及び1904、
図20の作業2004及び2006、
図21の作業2102、2104、及び2106、
図22の作業2202及び2204、又は
図23の作業2304に類似する作業を実行することを含み得る。
【0306】
その後、第1のエンドエフェクタが、第1の位置においてクランプアップを独立して維持し続けている状態で、穿孔エンドエフェクタは、移動させられて、ジョイントに沿った第2の位置に対して位置付けされる(作業3208)。次いで、検査エンドエフェクタは、移動させられて、第1の位置に対して位置付けされる(作業3210)。
【0307】
第2のエンドエフェクタ及び穿孔エンドエフェクタを使用して、クランプアップシーケンスが第2の位置で実行される(作業3212)。
図16の作業1602から1608は、作業3212のクランプアップシーケンスなどのクランプアップシーケンスが実行され得る一態様例である。例えば、第2のエンドエフェクタは、作業1602で第1の機械力を加え、作業1606で吸引を実行するために使用され得る。さらに、穿孔エンドエフェクタは、作業1602で第2の機械力を加え、作業1604で穿孔タスクを実行するために使用され得る。
【0308】
作業1702から1704は、クランプアップシーケンスが実行され得る別の方法の例である。例えば、第2のエンドエフェクタは、作業1702で第1の機械力を加え、作業1704で吸引を実行するために使用され得る。穿孔エンドエフェクタは、作業1702で第2の機械力を加えるために使用され得る。
【0309】
これらの例示的な実施例では、作業3212のクランプアップシーケンスの終了時には、第1の位置に片面クランプアップが設けられる。この片面クランプアップは、第1のエンドエフェクタによって独立して維持される。上述のように、片面クランプアップは、様々な方法で設けることができる。
【0310】
第1の位置における孔は、検査エンドエフェクタを使用して検査されるが、第1のエンドエフェクタは、第1の位置でクランプアップを独立して維持し続ける(作業3214)。これらの例示的な実施例では、作業3212と作業3214は同時に実行される。
【0311】
第2のエンドエフェクタが、第2の位置においてクランプアップを独立して維持し続けている状態で、穿孔エンドエフェクタは、移動させられて、ジョイントに沿った第3の位置に対して位置付けされる(作業3216)。次いで、検査エンドエフェクタは、移動させられて、第2の位置に対して位置付けされる(作業3218)。さらに、ファスナ挿入エンドエフェクタは、移動させられて、第1の位置に対して位置付けされる(作業3220)。
【0312】
第3のエンドエフェクタ及び穿孔エンドエフェクタを使用して、クランプアップシーケンスが第3の位置で実行される(作業3222)。
図16の作業1602から1608は、作業3222のクランプアップシーケンスなどのクランプアップシーケンスが実行され得る一態様例である。例えば、第3のエンドエフェクタは、作業1602で第1の機械力を加え、作業1606で吸引を実行するために使用され得る。さらに、穿孔エンドエフェクタは、作業1602で第2の機械力を加え、作業1604で穿孔タスクを実行するために使用され得る。
【0313】
作業1702から1704は、クランプアップシーケンスが実行され得る別の方法の例である。例えば、第3のエンドエフェクタは、作業1702で第1の機械力を加え、作業1704で吸引を実行するために使用され得る。穿孔エンドエフェクタは、作業1702で第2の機械力を加えるために使用され得る。
【0314】
これらの例示的な実施例では、作業3222のクランプアップシーケンスの終了時には、第1の位置に片面クランプアップが設けられる。この片面クランプアップは、第1のエンドエフェクタによって独立して維持される。上述のように、片面クランプアップは、様々な方法で設けることができる。
【0315】
第2のエンドエフェクタが、第2の位置でクランプアップを独立して維持し続けている間、第2の位置における孔は、検査エンドエフェクタを使用して検査される(作業3224)。第1のエンドエフェクタが、第1の位置でクランプアップを独立して維持し続けている間、ファスナ挿入エンドエフェクタを使用して、ファスナが第1の位置において取り付けられる(作業3226)。これらの例示的な実施例では、作業3222、3224、及び3226は、同時に実行される。
【0316】
その後、第3のエンドエフェクタが、第3の位置においてクランプアップを独立して維持し続けている状態で、穿孔エンドエフェクタは、第3の位置から離すように移動させられる(作業3228)。検査エンドエフェクタは、移動させられて、第3の位置に対して位置付けされる(作業3230)。ファスナ挿入エンドエフェクタは、移動させられて、第2の位置に対して位置付けされる(作業3232)。
【0317】
第3のエンドエフェクタが、第3の位置でクランプアップを独立して維持し続けている間、第3の位置における孔は、検査エンドエフェクタを使用して検査される(作業3234)。第1のエンドエフェクタが、第1の位置でクランプアップを独立して維持し続けている間、ファスナ挿入エンドエフェクタを使用して、ファスナが第2の位置において取り付けられる(作業3236)。これらの例示的な実施例では、作業3234及び3236は、同時に実行される。
【0318】
その後、第3のエンドエフェクタが、第3の位置においてクランプアップを独立して維持し続けている状態で、検査エンドエフェクタは、第3の位置から離すように移動させられる(作業3238)。ファスナ挿入エンドエフェクタは、移動させられて、第3の位置に対して位置付けされる(作業3240)。第3のエンドエフェクタが、第3の位置でクランプアップを独立して維持し続けている間、ファスナ挿入エンドエフェクタを使用して、ファスナが第3の位置において取り付けられる(作業3242)。
【0319】
ファスナ挿入エンドエフェクタ、第1のエンドエフェクタ、第2のエンドエフェクタ、及び第3のエンドエフェクタが、ジョイントから引き離される(作業3244)。その後、プロセスは終了する。これらのエンドエフェクタは、作業3244で引き離されると説明されているが、これらのエンドエフェクタの1つ以上は、プロセス3200全体の間、様々な時点で移動させられる場合がある。
【0320】
例えば、ファスナが第1の位置において取り付けられた後、第1のエンドエフェクタは、第1の位置から引き離され得る。ファスナが第2の位置において取り付けられた後、第2のエンドエフェクタは、第2の位置から引き離され得る。さらに、第3のファスナが第3の位置において取り付けられた後、第3のエンドエフェクタ及びファスナ挿入エンドエフェクタは、両方とも、第3の位置から引き離され得る。
【0321】
図33は、例示的な実施形態に係る、航空機用の胴体アセンブリに沿った、自動化されたファスナ取り付け作業を実行するためのプロセスのフロー図である。
図33に示されたプロセス3300は、例えば、
図24に記載されたセル2404などのセルを使用して実行され得る。プロセス3300は、完全に自動化されたプロセスである。
【0322】
プロセス3300は、胴体アセンブリの内側面でロボットセルの第1の複数のロボットデバイスを支持する第1のプラットフォームを胴体アセンブリの選択されたセクションに対して位置付けすることによって開始する(作業3302)。次に、ロボットセルの第2の複数のロボットデバイスを支持する第2のプラットフォームが、胴体アセンブリの外側面に沿って、胴体アセンブリの選択されたセクションに対して位置付けされる(作業3304)。作業3302及び3304では、第1の複数のロボットデバイス及び第2の複数のロボットデバイスの協調的な作業をもたらすように、第1及び第2のプラットフォームは位置付けされる。
【0323】
作業3302及び3304は、様々な方法で実施され得る。1つの例示的な実施例では、第1のプラットフォーム及び第2のプラットフォームは、それぞれ、無人搬送車などの移動式装置に直接的に又は間接的に連結されている。移動式装置は、第1のプラットフォーム及び第2のプラットフォームを胴体アセンブリに対して移動させることが可能である。
【0324】
別の例示的な実施例では、第1のプラットフォーム及び第2のプラットフォームは、静止している。本実施例では、胴体アセンブリは、移動式支持システムによって支持され得る。移動式支持システムは、胴体アセンブリを第1及び第2のプラットフォームに対して移動させるように使用される1つ以上の無人搬送車を含み得る。
【0325】
その後、第1の複数のエンドエフェクタが、選択されたファスナ取り付け点で片面クランプアップを設けるように使用されている状態で、第1の複数のロボットデバイスに連結された第1の複数のエンドエフェクタ、及び第2の複数のロボットデバイスに連結された第2の複数のエンドエフェクタを使用して、自動化されたファスナ取り付け作業は、胴体アセンブリの選択されたセクション上の選択されたファスナ取り付け点で実行される(作業3306)。その後、プロセスは終了する。作業3308は、選択されたタクトタイム及び生産要件を満たすために、第2の複数のロボットデバイス、ひいては第2の複数のエンドエフェクタの交換を調整することを含む。
【0326】
第1の複数のエンドエフェクタによって設けられた片面クランプアップにより、第2の複数のロボットデバイス、ひいては第2の複数のエンドエフェクタを第2のプラットフォームの周りで動かし、様々なファスナ取り付け点で切り替えることが可能になる。第2の複数のロボットデバイスの動きは、同時に実行されているタスク群に必要とされる時間に基づいて、調整され得る。
【0327】
段階又はフェーズの「タクト」タイムとは、タスク群のうちの任意の1つ以上が単独で又は同時に実行される時間間隔である。「タクト」タイムは、例えば、最も長い期間を有するタスクに基づいて選択され得る。1つの例示的な実施例では、孔の穿孔は、約4秒かかり、孔の検査は、約15秒かかり、孔内へのファスナの取り付けは、約5秒かかる場合がある。したがって、この段階又はフェーズの「タクトタイム」は、20秒として選択されてもよい。言い換えると、第2の複数のロボットデバイスの協調的運動及び交換は、20秒ごとに起きるように設定される。
【0328】
プロセス3300は、単一のロボットセルについて説明されているが、プロセス3300は、胴体アセンブリの種々のセクションに対して位置付けされた種々のロボットセルを使用して、任意の数の追加の回数にわたって反復されてもよい。一実施例として、プロセス3300の3つの異なる事象が、3つの異なるロボットセルによって同時に行われ得る。この態様により、胴体アセンブリに沿った所望のファスナ取り付け点においてファスナ取り付け作業を実行するのに必要な時間及びリソース全体を大幅に減らすことができる。
【0329】
ロボットセル(すなわち、高密度ロボットセル)は、全体的な効率を改善し、ファスナ取り付け処理を簡略化し、且つ胴体アセンブリの構築のための全体的な生産時間を低減する高密度ロボットシステムを形成する。高密度ロボットシステムは、ファスナ取り付けに関わる様々なタスク群を能率化し、高効率な連続流動生産システムを実現する。この連続的な流れは、胴体アセンブリに対する第1のプラットフォーム、胴体アセンブリに対する第2のプラットフォーム、又は第1のプラットフォーム若しくは第2のプラットフォームのうちの少なくとも一つに対する胴体アセンブリのうちの少なくとも一つの運動によって維持される。
【0330】
図34は、例示的な実施形態に係る、高密度ロボットセルを使用して、自動化された作業を実行するためのプロセスのフロー図である。
図34に示されたプロセス3400は、例えば、
図24に記載されたセル2404などのセルを使用して実行され得る。プロセス3400は、完全に自動化されたプロセスである。
【0331】
プロセス3400は、複数の装置を支持するプラットフォームをアセンブリに対して位置付けすることを含む(作業3402)。プロセス3402では、アセンブリは、
図3の胴体アセンブリ313などの胴体アセンブリであり得る。プロセス3400は、複数のロボットデバイスを使用する所定のタスクシーケンスに従って、アセンブリに沿った複数の位置の各位置において複数の異なるタスク群を実行することをさらに含み、複数のロボットデバイスは、所定のタスクシーケンスのうちの少なくとも1つの段階の間、高密度ロボットゾーン内で、複数の位置のうちの少なくとも2つの異なる位置に対して、複数の異なるタスク群のうちの少なくとも2つを同時に実行するために使用される(作業3404)。
【0332】
図35は、例示的な実施形態に係る、ジョイントに沿って複数の位置においてファスナを取り付けるためのプロセスのフロー図である。
図35に示されたプロセス3500は、例えば、
図24に記載されたセル2404などのセルを使用して実行され得る。プロセス3500は、完全に自動化されたプロセスである。
【0333】
プロセス3500は、複数の単機能エンドエフェクタを、ジョイントに沿って、複数の位置のうちの選択された位置群に対して位置付けし、高密度設定を形成することを含む。選択された位置群は、非隣接状態である(作業3502)。複数の位置とは、ファスナが取り付けられるべき位置群であり得る。このような位置は、ファスナ取り付け点と呼ばれ得る。非隣接状態の2つの位置とは、これらの2つの位置の間に1つ以上の他の位置が存在し得ることを意味する。他の例示的な実施例では、2つの非隣接状態の位置は、水平方向で隣接しない位置群である。例えば、2つの非隣接状態の位置群は、それぞれ異なる列にあり得る。場合によっては、2つの非隣接状態の位置群は、垂直に整列しているが、それぞれ異なる列にあってもよい。
【0334】
プロセス3500は、高密度設定における選択された位置群に対して位置付けされた複数の単機能エンドエフェクタを使用して、複数の位置のうちの選択された位置群において、ファスナ取り付け作業のための複数の異なるタスクを同時に実行することをさらに含む(作業3504)。複数の異なるタスクには、例えば、穿孔タスクと検査タスク、検査タスクとファスナ挿入タスク、又は穿孔タスク、検査タスク、及びファスナ挿入タスクが含まれ得るが、これらに限定されない。幾つかの例示的な実施例では、タスクは、2つの単機能エンドエフェクタ(例えば、穿孔エンドエフェクタ、及びノズルと吸引デバイスを備えたエンドエフェクタ)を使用して、クランプアップシーケンスを実行することであり得る。
【0335】
図36は、例示的な実施形態に係る、複数の片面クランプアップを設けるためのプロセスのフロー図である。
図36に示されたプロセス3600は、例えば、
図24に記載されたセル2404などのセルを使用して実行され得る。プロセス3600は、完全に自動化されたプロセスである。
【0336】
プロセス3600は、ジョイントの第1の側面における第1のロボットデバイス、及びジョイントの第2の側面における第2のロボットデバイスを使用して、第1のファスナ取り付け点で両面クランプアップを確立することを含む(作業3602)。次に、第1のファスナ取り付け点における両面クランプアップは、第1のロボットデバイスを使用して、片面クランプアップに変換される(作業3604)。第1のロボットデバイスのみを使用して、第1のファスナ取り付け点で片面クランプアップを維持しながら、第2のロボットデバイスは、次いで、ジョイントの第2の側面に沿って、第2のファスナ取り付け点へと移動させられる(作業3606)。その後、第1のロボットデバイスのみを使用して、第1のファスナ取り付け点で片面クランプアップを維持しながら、第3のロボットデバイスは、ジョイントの第2の側面に沿って、第1のファスナ取り付け点へと移動させられる(作業3608)。
【0337】
ジョイントの第1の側面における第4のロボットデバイス、及びジョイントの第2の側面における第2のロボットデバイスを使用して、第2のファスナ取り付け点で別の両面クランプアップが次いで確立される(作業3610)。第2のファスナ取り付け点における両面クランプアップは、第4のロボットデバイスを使用して、片面クランプアップに変換される(作業3612)。
【0338】
したがって、このようにして、プロセス3600は、どのようにして複数の片面クランプアップを連続的に確立し得るかを示す。このように片面クランプアップを設けることにより、ファスナ取り付けに関わる様々なタスクも連続的に自動化することができる。
【0339】
図37は、例示的な実施形態に係る、複数の片面クランプアップを設けるためのプロセスのフロー図である。
図36に示されたプロセス3700は、例えば、セル2402を備えた、
図24の高密度ロボットシステム2400などの高密度ロボットシステムを使用して実行され得る。プロセス3700は、完全に自動化されたプロセスである。
【0340】
プロセス3700は、スプライス上の複数のセルによって実行されるべき作業のシーケンスを決定することを含む(作業3702)。作業のシーケンスは、複数のセルを使用して、スプライス上で実行される。複数のセルのうちの各セルは、スプライスの第1の側面における第1の高密度ロボットゾーン内に位置する第1の複数のロボットデバイス、及びスプライスの第2の側面における第2の高密度ロボットゾーン内に位置する第2の複数のロボットデバイスを含む(作業3704)。その後、プロセスは終了する。
【0341】
作業3702は、種々の方法で実行され得る。1つの例示的な実施例では、構造物の長さに沿って(例えば、複数の高密度ロボットゾーン又は領域の全面にわたって)、n番目ごとの位置でファスナ取り付け作業が実行されるために1つのセルが使用されるように、複数のセルのうちの各セルのシーケンスが決定される。構造物の長さに沿って、m番目の位置ごとにファスナ取り付け作業を実行して、第1のセルで作業されなかった位置を「埋める」ために、別のセルが次いで決定され得る。実装形態によると、「m」及び「n」は、同じであってもよく、又は異なっていてもよい。
【0342】
例えば、作業3707は、シーケンスの一段階で、スプライスに沿って第1の位置でファスナ取り付け作業を開始する第1のセル、及びシーケンスの別の段階で一定期間が過ぎた後、スプライスに沿って第2の位置でファスナ取り付け作業を開始する第2のセルを含む。第1のセルが作業のシーケンスの別の段階に移動した後、第1のセルが飛ばした位置を第2のセルが埋め始めように、第1の位置及び第2の位置は異なり得る。
【0343】
他の例示的な実施例では、各セルは、対応する高密度ロボットゾーン又は領域に必要とされるすべてのファスナ取り付け作業を実行するために選択される。このようにして、各セルは、スプライス周辺の特定の対応する高密度ロボットゾーンに対して指定される。1つの例示的な実施例では、複数のセルにおける第1のセルの第1の複数のロボットデバイス及び第2の複数のロボットデバイスは、スプライスに沿って、あるセクションに対してすべてのファスナ取り付け作業を実行し、複数のセルにおける第2のセルの第1の複数のロボットデバイス及び第2の複数のロボットデバイスは、スプライスに沿って、異なるセクションに対してすべてのファスナ取り付け作業を実行する。スプライスに沿った各セクションは、2つの対応する高密度ロボットゾーン、セクションの両側のうちの1つに関連付けられ得る。
【0344】
プロセス3700を使用して、効率に基づく任意の数の異なる種類のシーケンスに従って、複数のセルを使用して、ファスナが取り付けられ得る。例えば、作業3702の決定により、複数のセルが、結果的に、スプライス周辺の単一の高密度ロボット領域内で同時に動作し得る。他の場合では、スプライス周辺の所与の高密度ロボット領域で必要とされるすべての作業を実行するように、各セルを指定することができる。さらに他の場合では、複数のセルは、協調的な態様で共に使用され、スプライスの長さ全体に沿って必要とされる種々の作業を実行する。
【0345】
ここで
図38を参照すると、例示的な一実施形態に従って、ブロック図の形態のデータ処理システムが示されている。データ処理システム3800は、
図3のコンピュータシステム315を実施するように使用され得る。図示されるように、データ処理システム3800は、通信フレームワーク3802を含む。通信フレームワーク3802は、プロセッサユニット3804と、記憶デバイス3806と、通信ユニット3808と、入出力ユニット3810と、ディスプレイ3812との間の通信を実現する。場合によっては、通信フレームワーク3802は、バスシステムとして実装されてもよい。
【0346】
プロセッサユニット3804は、数々の動作を行うために、ソフトウェアのための指令を実行するよう構成されている。プロセッサユニット3804は、実装形態に応じて、数々のプロセッサ、マルチプロセッサコア、及び/又は何らかの他の種類のプロセッサを含み得る。場合によっては、プロセッサユニット3804は、回路システム、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理デバイスといったハードウェアユニット、又は他の適切な種類のハードウェアユニットの形態をとり得る。
【0347】
プロセッサユニット3804によって実行されるオペレーティングシステム、アプリケーション、及び/又はプログラムに関する指令は、記憶デバイス3806内に位置し得る。記憶デバイス3806は、通信フレームワーク3802を通して、プロセッサユニット3804と通信し得る。本明細書では、コンピュータ可読記憶デバイスとも呼ばれる記憶デバイスは、一時的及び/又は恒久的に情報を記憶可能な任意のハードウェアである。この情報には、データ、プログラムコード、及び/又はその他の情報が含まれ得るが、これらに限定されない。
【0348】
メモリ3814及び固定記憶装置3816は、記憶デバイス3806の例である。メモリ3814は、例えば、ランダムアクセスメモリ、又は何らかの種類の揮発性若しくは不揮発性の記憶デバイスの形態をとり得る。固定記憶装置3816は、任意の数の構成要素又は装置を含み得る。例えば、固定記憶装置3816は、ハードドライブ、フラッシュメモリ、書き換え可能な光ディスク、書き換え可能な磁気テープ、又はこれらの何らかの組み合わせを含み得る。固定記憶装置3816によって使用される媒体は、取り外し可能である場合があり、又はそうではない場合がある。
【0349】
通信ユニット3808は、データ処理システム3800が、他のデータ処理システム及び/又は装置と通信することを可能にする。通信ユニット3808は、物理的な及び/又は無線の通信リンクを使用して、通信を実現することができる。
【0350】
入出力ユニット3810は、データ処理システム3800に接続された他の装置から入力を受信し、当該装置に出力を送信することを可能にする。例えば、入出力ユニット3810は、キーボード、マウス、及び/又は他の何らかの種類の入力デバイスを通して、ユーザ入力を受信することを可能にし得る。別の例としては、入出力ユニット3810は、データ処理システム3800に接続されたプリンタに出力を送信することを可能にし得る。
【0351】
ディスプレイ3812は、ユーザに対して情報を表示するよう構成される。ディスプレイ3812は、例えば、モニタ、タッチスクリーン、レーザディスプレイ、ホログラフィックディスプレイ、仮想表示デバイス、及び/又は他の何らかの種類のディスプレイデバイスを含み得るが、これらに限定されない。
【0352】
この例示的な実施例では、種々の例示的な実施形態のプロセスは、コンピュータに実装された指令を使用して、プロセッサユニット3804によって実行され得る。これらの指令は、プログラムコード、コンピュータ使用可能プログラムコード、又はコンピュータ可読プログラムコードと呼ばれてもよく、プロセッサユニット3804内の1つ以上のプロセッサによって読み取られ、実行され得る。
【0353】
これらの実施例では、プログラムコード3824は、選択的に取り外し可能なコンピュータ可読媒体3820上に機能的形態で配置されており、プロセッサユニット3804によって実行するために、データ処理システム3800にローディングされるか、又は伝送され得る。プログラムコード3824とコンピュータ可読媒体3820は、共に、コンピュータプログラム製品3822を形成する。この実施例では、コンピュータ可読媒体3820は、コンピュータ可読記憶媒体3826又はコンピュータ可読信号媒体3828であってもよい。
【0354】
コンピュータ可読記憶媒体3826は、プログラムコード3824を伝播又は伝送する媒体というよりはむしろ、プログラムコード3824を記憶するために使用される、物理的な又は有形の記憶デバイスである。コンピュータ可読記憶媒体3826は、例えば、データ処理システム3800に接続される光ディスク若しくは磁気ディスク、又は固定記憶デバイスであり得るが、これに限定されない。
【0355】
代替的に、プログラムコード3824は、コンピュータ可読信号媒体3828を用いて、データ処理システム3800に転送され得る。コンピュータ可読信号媒体3828は、例えば、プログラムコード3824を含む伝播データ信号であってもよい。このデータ信号は、電磁信号、光信号、及び/又は他の何らかの種類の信号であり得る。これらの信号は、物理的な及び/又は無線の通信リンクを介して伝送可能である。
【0356】
図38のデータ処理システム3800の図は、例示的な実施形態が実装され得る態様に対して構造的な限定することを意図していない。種々の例示的な実施形態は、データ処理システム3800に関連して示されている構成要素の追加的な又は代替的な構成要素を含むデータ処理システムに実装され得る。さらに、
図38に示す構成要素は、示されている実施例とは異なることがある。
【0357】
本開示の例示的な実施形態は、
図39に示される航空機の製造及び保守方法3900、及び
図40に示される航空機4000に関連して説明され得る。まず
図39を参照すると、航空機の製造及び保守の方法が、例示的な実施形態に従って示されている。製造前の段階では、航空機の製造及び保守方法3900は、
図40の航空機4000の仕様及び設計3902、並びに材料調達3904を含み得る。
【0358】
製造段階では、
図40の航空機4000の構成要素及びサブアセンブリの製造3906、並びにシステムインテグレーション3908が行われる。その後、
図40の航空機4000は、認可及び納品3910を経て運航3912に供される。顧客による運航3912の間、
図40の航空機4000は、定期的な整備及び保守3914(改造、再構成、改修、及びその他の整備又は保守を含み得る)が予定される。
【0359】
航空機の製造及び保守方法3900の各プロセスは、システムインテグレータ、第三者、及び/又はオペレータによって実行又は実施され得る。これらの例では、オペレータは、顧客であってもよい。本明細書の目的のために、システムインテグレータは、限定しないが、任意の数の航空機製造者及び主要システムの下請業者を含んでもよく、第三者は、限定しないが、任意の数のベンダー、下請業者、及び供給業者を含んでもよく、オペレータは、航空会社、リース会社、軍事団体、サービス機関などであってもよい。
【0360】
これより
図40を参照すると、例示的な実施形態が実装され得る航空機の図が示されている。この実施例では、航空機4000は、
図39の航空機の製造及び保守方法3900によって製造され、複数のシステム4004及び内装4006を有する機体4002を含み得る。システム4004の例には、推進システム4008、電気システム4010、油圧システム4012、及び環境システム4014のうちの1つ以上が含まれる。任意の数の他のシステムが含まれてもよい。ここでは航空宇宙産業の例が示されたが、様々な例示的な実施形態を自動車産業などの他の産業にも当てはめてもよい。
【0361】
本明細書で具現化される装置及び方法は、
図39の航空機の製造及び保守方法3900の諸段階のうちの少なくとも1つの段階で利用され得る。具体的には、
図3のアセンブリ304又は
図1の胴体アセンブリ102は、航空機の製造及び保守方法3900の諸段階のうちの任意の1つの段階で製造され得る。例えば、
図3のアセンブリシステム302及び
図4のアセンブリシステム413は、それぞれ、構成要素及びサブアセンブリの製造3906、システムインテグレーション3908、定期的な整備及び保守3914、又は航空機の製造及び保守方法3900の何らか他の段階のうちの少なくとも1つの段階で、
図3のアセンブリ304又は
図4のラップスプライス400の部品を接合するように使用され得るが、これに限定されない。さらに、アセンブリ304又はラップスプライス400は、航空機 4000の機体4002又は内装4006のうちの少なくとも1つを形成するように使用され得る。
【0362】
またさらに、
図24の高密度ロボットシステム2400、又は
図24に記載された複数のセル2402のうちの任意の1つは、航空機の製造及び保守方法3900の諸段階のうちの任意の1つの段階で、自動化されたファスナ取り付け作業を行うように使用され得る。例えば、
図24の高密度ロボットシステム2400、又は
図24に記載された複数のセル2402のうちの任意の1つは、構成要素及びサブアセンブリの製造3906、システムインテグレーション3908、定期的な整備及び保守3914、又は航空機の製造及び保守方法3900の何らか他の段階のうちの少なくとも1つの段階で使用され得る。さらに、これらの自動化されたファスナ取り付け作業は、航空機4000の機体4002又は内装4006のうちの少なくとも1つを構築するように実行され得る。
【0363】
1つの例示的な実施例では、
図39の構成要素及びサブアセンブリの製造3906で製造される構成要素又はサブアセンブリは、
図39の航空機4000の運航3912中に製造される構成要素又はサブアセンブリと類似の態様で製作又は製造され得る。さらに別の実施例では、1つ以上の装置の実施形態、方法の実施形態、又はこれらの組み合わせは、
図39の構成要素及びサブアセンブリの製造3906、並びにシステムインテグレーション3908などの製造段階で利用することができる。1つ以上の装置の実施形態、方法の実施形態、又はこれらの組み合わせは、
図39の航空機4000の運航3912の間、並びに/又は保守及び整備3914の間に利用されてもよい。数々の異なる例示的な実施形態を利用することにより、航空機4000の組み立てを実施的に効率化し、且つ/又は航空機4000のコストを削減し得る。
【0364】
したがって、例示的な実施形態は、自動化されたファスナ取り付け作業を簡単に且つ効率良く実行するための方法及び装置を提供する。例示的な実施形態は、部品の固定を維持しながら、反対側で他の単機能エンドエフェクタの切り替えを行う片面(一面)クランプアップソリューションを提供する単機能エンドエフェクタを説明している。
【0365】
特徴的で特殊なタスクを実行する単機能エンドエフェクタを使用することにより、より小型で軽量な、さほど複雑ではないエンドエフェクタが実現し得る。これらの単機能エンドエフェクタの単純さにより、これらのエンドエフェクタの効率性、信頼性、及びメンテナンス要求を改善することができ、これらのエンドエフェクタが連結された補助的ロボットデバイスの全体的なサイズを縮小することができる。
【0366】
様々な例示的な実施形態に記載されたこれらの種類の単機能エンドエフェクタ、並びに方法及び装置を用いて、自動化されたファスナ取り付け作業などの複数の自動化された作業が、迅速且つ効率良く実行され得る。具体的には、全体的な生産時間が減少し得る。記載された例示的な実施形態は、時間とコストの節約をもたらすが、さらに数百から数千のファスナ取り付け作業を正確に実行するために必要とされる全体的なプロセスの複雑性を大幅に低減する。
【0367】
1つの例示的な実施形態では、ファスナ取り付けを実行するための方法が提供される。第1の機械力が第1の部品に加えられ、第2の機械力が第2の部品に加えられ、第1の部品及び第2の部品のクランプアップが形成される。第2の部品における第2の孔と整列する第1の部品における第1の孔によって形成されたファスナ孔を通して、空気が吸引され、第2の部品は、第1の部品に向けて引っ張られ、それにより、第1の部品と第2の部品とのクランプアップが維持される。
【0368】
さらに別の例示的な実施形態では、第1のパネル内の第1の孔を第2のパネル内の第2の孔と整列させて、貫通孔を画定する方法が提供される。第2の孔を画定する壁が貫通孔内から把持されて、第2のパネルが第1のパネルに向けて引っ張られ、それにより、第1のパネル及び第2のパネルのクランプアップが確立される。
【0369】
別の例示的な実施形態では、クランプアップを維持するための方法が提供される。第1の機械力及び第2の機械力は、それぞれ、第1の部品及び第2の部品に加えられ、クランプアップが形成される。第1の部品は、クランプアップの第1の側面を形成し、第2の部品は、クランプアップの第2の側面を形成する。クランプアップの第1の側面から、第1の部品と第2の部品を通って延在するファスナ孔を通して空気が吸引され、第2の部品が第1の部品に向けて引っ張られる。第1の機械力及び第2の機械力が取り除かれた後、吸引でクランプアップを独立して維持するように、吸引を続けている間、第1の機械力及び第2の機械力が同時に取り除かれる。
【0370】
別の例示的な実施形態では、クランプアップを維持するための方法が提供される。第1の部品及び第2の部品のクランプアップの第1の側面から、第1の部品における第1の孔及び第2の部品における第2の孔によって形成されたファスナ孔を通して、空気を吸引し、第2の部品を第1の部品に向けて引っ張り、それにより、第1の部品及び第2の部品のクランプアップを設ける。
【0371】
さらに別の例示的な実施形態では、クランプアップを維持するための方法が提供される。パネルジョイントの第1の側面における第1のエンドエフェクタは、パネルジョイントの第1の側面との接触を介して、第1の力を加える。パネルジョイントの第2の側面における第2のエンドエフェクタは、パネルジョイントの第2の側面との接触を介して、第1の力と等しく且つ第1の力に対抗する第2の力を加え、クランプアップを確立する。第2のエンドエフェクタが第2の側面との接触から外された後、パネルジョイントの第1の側面における第1のエンドエフェクタによってクランプアップを維持する。
【0372】
さらに別の例示的な実施形態では、片面クランプアップのための方法が提供される。パネルジョイントの第1の側面に位置付けされた単機能エンドエフェクタは、パネルジョイントの第1のパネルに第1の力を加える。単機能エンドエフェクタは、第1の力と等しく且つ第1の力に対抗する第2の力をパネルジョイントの第2のパネルに加えて、それにより、第1のパネル及び第2のパネルの片面クランプアップを設ける。
【0373】
別の例示的な実施形態では、クランプアップを設けるための方法が提供される。当該方法は、第1の部品における第1の孔を通って、第2の部品における第2の孔を画定する壁を把持し、それにより、第2の部品を第1の部品に対して引っ張ることを含む。
【0374】
例示的な実施形態では、クランプアップを維持するための装置は、ノズル及び吸引デバイスを備えている。ノズルは、第1の部品における第1の孔の孔直径より大きいノズル直径を有する。ノズルは、第1の部品と触れたときに、第1の機械力をクランプアップの第1の側面に加えるように使用される。吸引デバイスは、クランプアップの第1の側面から、第1の部品における第1の孔及び第2の部品における第2の孔によって形成されたファスナ孔を通して、及びノズルを通して、空気を吸引するためのものである。空気は、クランプアップの第2の側面において追加の力を必要とせずに、第1の側面から第1の部品及び第2の部品のクランプアップを維持するのに十分な体積流量で吸引される。
【0375】
別の例示的な実施形態では、クランプアップを形成するための装置は、エンドエフェクタを備えている。エンドエフェクタは、パネルジョイントの第1の側面に位置付けされ、パネルジョイントの第1のパネルに第1の固定力を加え、且つパネルジョイントの第2のパネルに対抗する第2の固定力を加え、クランプアップを設ける。
【0376】
別の例示的な実施形態では、クランプアップを形成するための装置は、パネルジョイントの第1の側面にある第1のクランプアップエンドエフェクタ、パネルジョイント第2の側面にある第2のクランプアップエンドエフェクタ、及び第1のクランプアップエンドエフェクタに組み込まれた貫通孔固定装置を備えている。第1のクランプアップエンドエフェクタは、第2のクランプアップエンドエフェクタと通信している。
【0377】
1つの例示的な実施形態では、アセンブリに対して自動化されたタスクを実行するための方法が提供される。第1の複数のロボットデバイスは、アセンブリの第1の側面に対して位置付けされる。第2の複数のロボットデバイスは、アセンブリの第2の側面に対して位置付けされ、第2の複数のロボットデバイスのそれぞれは、対応するタスクを実行するために使用される。複数のタスクが、第1の複数のロボットデバイス及び第2の複数のロボットデバイスを使用して、アセンブリの複数の位置のそれぞれにおいて実行される。第1の複数のロボットデバイスが、複数の位置のそれぞれにおいてクランプアップを独立して維持している間、第2の複数のロボットデバイスは、複数の位置においてタスク群を同時に実行する。
【0378】
別の例示的な実施形態では、航空機の胴体アセンブリを構築するための方法が提供される。複数のセルが、胴体アセンブリの対応するセクションに対して位置付けされており、複数のセルのそれぞれが、胴体アセンブリの第1の側面に対して位置付けされた第1の複数のロボットデバイス、及び胴体アセンブリの第2の側面に対して位置付けされた第2の複数のロボットデバイスを備えている。自動化された作業は、複数のセルを使用して、胴体アセンブリの対応するセクションのそれぞれにおける複数の位置のそれぞれにおいて同時に実行される。各セルのロボットデバイスは、所定のタスクシーケンスに従って、自動化された作業の種々のタスク群を実行するように交換可能である。
【0379】
さらに別の例示的な実施形態では、装置は、第1の複数のロボットデバイス、第2の複数のロボットデバイス、及び制御システムを備えている。第2の複数のロボットデバイスのそれぞれは、単機能エンドエフェクタに連結されている。第1の複数のロボットデバイスが、複数の位置のそれぞれにおいてクランプアップを独立して維持している間、制御システムは、第2の複数のロボットデバイスを制御して、アセンブリの複数の位置においてタスク群を同時に実行する。
【0380】
さらに別の例示的な実施形態では、高密度ロボットシステムは、第1の複数のロボットデバイス、第2の複数のロボットデバイス、第1のプラットフォーム、及び第2のプラットフォームを備えている。第1の複数のロボットデバイスは、それぞれ、片面クランプアップを設けることが可能である。第2の複数のロボットデバイスは、穿孔エンドエフェクタに連結された第1のロボットデバイス、検査エンドエフェクタに連結された第2のロボットデバイス、及びファスナ挿入エンドエフェクタに連結された第3のロボットデバイスを備えている。第1のプラットフォームは、第1の複数のロボットデバイスを支持しており、第1のプラットフォームは、胴体アセンブリの内側面内に適合し、その中で移動するように寸法形成されている。第2のプラットフォームは、第2の複数のロボットデバイスを支持しており、第2のプラットフォームは、胴体アセンブリの外側面に沿って位置付けされ、移動するように寸法形成されている。
【0381】
別の例示的な実施形態では、航空機の胴体アセンブリに沿って、自動化されたファスナ取り付け作業を実行するための方法が提供される。ロボットセルの第1の複数のロボットデバイスを支持する第1のプラットフォームが、胴体アセンブリの内側面内で、胴体アセンブリの選択されたセクションに対して位置付けされる。ロボットセルの第2の複数のロボットデバイスを支持する第2のプラットフォームが、胴体アセンブリの外側面に沿って、胴体アセンブリの選択されたセクションに対して位置付けされる。第1の複数のエンドエフェクタが、選択されたファスナ取り付け点で片面クランプアップを設けるように使用されている状態で、第1の複数のロボットデバイスに連結された第1の複数のエンドエフェクタ、及び第2の複数のロボットデバイスに連結された第2の複数のエンドエフェクタを使用して、自動化されたファスナ取り付け作業が、胴体アセンブリの選択されたセクション上の選択されたファスナ取り付け点で実行される。
【0382】
別の例示的な実施形態では、高密度ロボットセルを使用して、自動化された作業を実行するための方法が提供される。複数のロボットデバイスを使用する所定のタスクシーケンスに従って、アセンブリに沿った複数の位置の各位置において複数の異なるタスク群が実行される。複数のロボットデバイスは、所定のタスクシーケンスのうちの少なくとも1つの段階の間、高密度ロボットゾーン内で、複数の位置のうちの少なくとも2つの異なる位置に対して、複数の異なるタスク群のうちの少なくとも2つを同時に実行するために使用される。
【0383】
別の例示的な実施形態では、ジョイントに沿って複数の位置においてファスナを取り付けるための方法が提供される。ファスナ取り付け作業のための複数の異なるタスクが、高密度設定における選択された位置群に対して位置付けされた複数の単機能エンドエフェクタを使用して、複数の位置のうちの選択された位置群において同時に実行される。
【0384】
別の例示的な実施形態では、複数の片面クランプアップを設けるための方法が提供される。ジョイントの第1の側面における第1のロボットデバイス、及びジョイントの第2の側面における第2のロボットデバイスを使用して、第1のファスナ取り付け点で両面クランプアップが確立される。第1のファスナ取り付け点における両面クランプアップは、第1のロボットデバイスを使用して、片面クランプアップに変換される。第1のファスナ取り付け点で片面クランプアップを維持しながら、第2のロボットデバイスは、ジョイントの第2の側面に沿って、第2のファスナ取り付け点へと移動させられる。第1のファスナ取り付け点で片面クランプアップを維持しながら、第3のロボットデバイスは、ジョイントの第2の側面に沿って、第1のファスナ取り付け点へと移動させられる。
【0385】
別の例示的な実施形態では、スプライスにファスナを取り付けるための方法が提供される。スプライス上の複数のセルによって実行されるべき作業のシーケンスが決定される。作業のシーケンスは、複数のセルを使用して、スプライス上で実行される。複数のセルのうちの各セルは、スプライスの第1の側面における第1の高密度ロボットゾーン内に位置する第1の複数のロボットデバイス、及びスプライスの第2の側面における第2の高密度ロボットゾーン内に位置する第2の複数のロボットデバイスを含む。
【0386】
図示した種々の実施形態におけるフロー図及びブロック図は、例示的な実施形態の装置及び方法の幾つか可能な実装形態の構造、機能、及び作業を示す。これを踏まえて、フロー図又はブロック図の各ブロックは、作業又はステップのモジュール、セグメント、機能、及び/又は部分を表し得る。
【0387】
例示的な実施形態の幾つかの代替的な実装形態では、ブロックに記載された機能又は機能群は、図面に記載の順序から外れて生じることがある。例えば、場合によっては、連続して示される2つのブロックは、実質的に同時に実行されてもよく、又は時として、ブロック群は、関連する機能性に応じて、逆順に実行されてもよい。さらに、フロー図又はブロック図に示すブロックに加えて、他のブロックを追加してもよい。
【0388】
本明細書では、「~のうちの少なくとも1つ(at least one of)」という表現は、列挙されたアイテムに対して使用された場合、列挙されたアイテムのうちの1つ以上の種々の組み合わせを使用することができ、列挙されたアイテムのうち1つだけが必要とされ得ることを意味している。アイテムとは、特定の対象物、物品、ステップ、作業、プロセス、又はカテゴリであり得る。言い換えると、「~のうちの少なくとも1つ」とは、任意の組み合わせのアイテム又は幾つかのアイテムを列挙された中から使用し得ることを意味するが、列挙されたアイテムの全てが必要とされない場合がある。例えば、「アイテムA、アイテムB、又はアイテムCのうちの少なくとも1つ」又は「アイテムA、アイテムB、及びアイテムCのうちの少なくとも1つ」は、「アイテムA」、「アイテムAとアイテムB」、「アイテムB」、「アイテムAとアイテムBとアイテムC」、「アイテムBとアイテムC」、又は「アイテムAとアイテムC]を意味し得るが、これに限定されない。場合によっては、「アイテムA、アイテムB、又はアイテムCのうちの少なくとも1つ」又は「アイテムA、アイテムB、及びアイテムCのうちの少なくとも1つ」は、「2個のアイテムAと1個のアイテムBと10個のアイテムC」、「4個のアイテムBと7個のアイテムC」、又はその他の何らかな適切な組み合わせを意味し得るが、これに限定されない。
【0389】
種々の例示的な実施形態についての説明は、例示及び説明を目的として提示されており、網羅的であることも、実施形態を開示されている形態に限定することも、意図するものではない。当業者には、多くの修正例及び変形例が明らかであろう。さらに、異なる例示的な実施形態は、他の望ましい実施形態に比べて、異なる特徴を提供し得る。選択された1つ以上の実施形態は、実施形態の原理や実際の用途の最善な説明を提供するために、且つ、他の当業者が、想定される特定の用途に適する様々な修正例を伴う様々な実施形態の開示内容を理解することを可能にするために、選択且つ説明されている。