(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】レースウェイの切断用治具
(51)【国際特許分類】
B23D 23/00 20060101AFI20240702BHJP
B23D 33/02 20060101ALI20240702BHJP
B23D 33/10 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
B23D23/00 B
B23D33/02 Z
B23D33/10 A
(21)【出願番号】P 2019239691
(22)【出願日】2019-12-27
【審査請求日】2022-12-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000141060
【氏名又は名称】株式会社関電工
(74)【代理人】
【識別番号】100075410
【氏名又は名称】藤沢 則昭
(74)【代理人】
【識別番号】100135541
【氏名又は名称】藤沢 昭太郎
(72)【発明者】
【氏名】大山 賢
(72)【発明者】
【氏名】古田土 知之
(72)【発明者】
【氏名】栗原 弘樹
(72)【発明者】
【氏名】佐川 宏太
(72)【発明者】
【氏名】山中 嵩大
(72)【発明者】
【氏名】澤畑 寛光
【審査官】野口 絢子
(56)【参考文献】
【文献】実開昭59-191217(JP,U)
【文献】特開2002-113610(JP,A)
【文献】特開平06-155144(JP,A)
【文献】実開昭55-079289(JP,U)
【文献】特開平10-165292(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23D23/00-23/04
B23D33/00-35/00
B26F 1/00- 3/16
B25F 1/00- 5/02
A47H 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レースウェイを前後方向に貫通して固定する本体に、レースウェイの断面形状の貫通孔を水平方向に対して斜めに傾けて設け、カッター刃を本体の上から下ろし、前記レースウェイを切断するレースウェイカッターを用いる治具において、
一定の大きさを有する基板の
左右を区画するように中央突堤を設け、当該中央突堤と平行にレールを設け、前記レースウェイカッターを起立させて固定した固定枠体を前記レール上に載置し、当該固定枠体を当該レール上で摺動自在かつ固定自在に設け、
前記レースウェイカッターの前方の基板上に、前記レールと直角な方向であって前記レースウェイカッターの前記貫通孔の延長線方向に、上部がレースウェイ形状となっている細長い基台を設け、
当該基台の上に、基台上に載置したレースウェイの一端を係止する摺動自在かつ固定自在なストッパー体を設け、
また、前記レースウェイカッターの後方の基板上に前記レースウェイを支える受け具を設け、当該受け具は前記レースウェイをその断面を傾斜させて受ける構成とし、
前記基台及び受け具は前記レースウェイカッターに通した前後のレースウェイを同じ高さで支持する構成とし、
前記
基台に平行に第2基台を設け、当該第2基台は前記基台と異なる高さとし、
また、前記レールの後方の基板上で、前記第2基台の延長線上となる位置にレースウェイを支持する第2受け具を設け、当該第2受け具は前記受け具と異なる高さとしたことを特徴とする、レースウェイ切断用治具。
【請求項2】
レースウェイを前後方向に貫通して固定する本体に、レースウェイの断面形状の貫通孔を水平方向に対して斜めに傾けて設け、カッター刃を本体の上から下ろし、前記レースウェイを切断するレースウェイカッターを用いる治具において、
一定の大きさを有する基板の
左右を区画するように中央突堤を設け、当該中央突堤と平行にレールを設け、前記レースウェイカッターを、前記貫通孔が水平となるように傾けて固定した固定枠体を前記レール上に載置し、当該固定枠体を当該レール上で摺動自在かつ固定自在に設け、
前記レースウェイカッターの前方の基板上の、前記レールと直角方向であって前記レースウェイカッターの前記貫通孔の延長線方向に、上部がレースウェイ形状となっている細長い基台を設け、
当該基台の上に、基台上に載置したレースウェイの一端を係止する摺動自在かつ固定自在なストッパー体を設け、
また、前記レースウェイカッターの後方の基板上に前記レースウェイを支える受け具を設け、
前記基台及び受け具は前記レースウェイカッターに通した前後のレースウェイを同じ高さで支持する構成となっており、
前記
基台に平行に第2基台を設け、当該第2基台は前記基台と異なる高さとし、
また、前記レールの後方の基板上で、前記第2基台の延長線上となる位置にレースウェイを支持する第2受け具を設け、当該第2受け具は前記受け具と異なる高さとしたことを特徴とする、レースウェイ切断用治具。
【請求項3】
前記ストッパー体は、前記基台の上部のレースウェイの上に載置する水平板とその一端の垂直板とから成り、前記水平板と対向した位置に、当該レースウェイの両側縁を下から係止する係止板を設け、前記水平板と係止板とを貫通するボルトの端部にナットを螺着し、当該ナットを締め付けることにより、水平板と係止板とにより前記レースウェイの両側縁を挟持し、ストッパー体をレースウェイ上で固定する構成となっていることを特徴とする、請求項1又は2のいずれかに記載のレースウェイ切断用治具。
【請求項4】
前記ストッパー体の水平板、垂直板又は水平板と垂直板の一側縁に設けた側板のいずれかから直角に水平突体を設けたことを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載のレースウェイ切断用治具。
【請求項5】
前記レースウェイカッターのカッター刃からの長さを表示する目盛を基台に沿って設けたことを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載のレースウェイ切断用治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、内線工事において電線管やケーブルラック等の支持部材として主に使用するレースウェイの切断用治具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
前記内線工事において、電線管やケーブルラック等の支持部材としてレースウェイが使用されている。このレースウェイは定尺ものが販売されており、使用時にこれを支持する部材に合わせて切断して使用されている。
【0003】
このレースウェイの切断には、レースウェイカッターを使用する場合が多い。当該レースウェイカッターBは、
図14に示すように、レースウェイCを本体1の、レースウェイの断面形状の貫通孔2に通して固定するが、前記レースウェイCを本体1の水平方向に対して斜めに傾けて固定し、電動でカッター刃を上から下ろし、前記レースウェイCを前記カッター刃により点接触で切断していくものである。その際には1名が当該カッターの操作、他の1名はレースウェイCの切断長さの調整とレースウェイCの端部の支持とで合計2名以上の作業員により行っている。
【0004】
このようなレースウェイ等の型材の切断工具としては特許文献1のものがある。この特許文献1のものは、上から下ろすカッター刃を、電動ではなく、ハンドルを回すことにより下ろしているが、他の構成は
図14とほぼ同じである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記特許文献1等の型材の切断工具では、上記のように、切断工具の操作をする作業員の他にレースウェイを傾かないように支える作業員が必要であり、また、使用する支持部材の長さに合わせて切断するため、メジャーなどで切断長さを測る必要があり、かなりの手間がかかる作業となっている。
【0007】
この発明は、上記の点に着目し、切断するレースウェイを支持する台を設け、また、必要とする長さに切断できるストッパー体を設けて1人の作業員でも切断可能なレースウェイ切断用治具を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、レースウェイを前後方向に貫通して固定する本体に、レースウェイの断面形状の貫通孔を水平方向に対して斜めに傾けて設け、カッター刃を本体の上から下ろし、前記レースウェイを切断するレースウェイカッターを用いる治具において、一定の大きさを有する基板の左右を区画するように中央突堤を設け、当該中央突堤と平行にレールを設け、前記レースウェイカッターを起立させて固定した固定枠体を前記レール上に載置し、当該固定枠体を当該レール上で摺動自在かつ固定自在に設け、前記レースウェイカッターの前方の基板上に、前記レールと直角な方向であって前記レースウェイカッターの前記貫通孔の延長線方向に、上部がレースウェイ形状となっている細長い基台を設け、当該基台の上に、基台上に載置したレースウェイの一端を係止する摺動自在かつ固定自在なストッパー体を設け、また、前記レースウェイカッターの後方の基板上に前記レースウェイを支える受け具を設け、当該受け具は前記レースウェイをその断面を傾斜させて受ける構成とし、前記基台及び受け具は前記レースウェイカッターに通した前後のレースウェイを同じ高さで支持する構成とし、前記基台に平行に第2基台を設け、当該第2基台は前記基台と異なる高さとし、また、前記レールの後方の基板上で、前記第2基台の延長線上となる位置にレースウェイを支持する第2受け具を設け、当該第2受け具は前記受け具と異なる高さとした、レースウェイ切断用治具とした。
【0009】
また、請求項2の発明は、 レースウェイを前後方向に貫通して固定する本体に、レースウェイの断面形状の貫通孔を水平方向に対して斜めに傾けて設け、カッター刃を本体の上から下ろし、前記レースウェイを切断するレースウェイカッターを用いる治具において、一定の大きさを有する基板の左右を区画するように中央突堤を設け、当該中央突堤と平行にレールを設け、前記レースウェイカッターを、前記貫通孔が水平となるように傾けて固定した固定枠体を前記レール上に載置し、当該固定枠体を当該レール上で摺動自在かつ固定自在に設け、前記レースウェイカッターの前方の基板上の、前記レールと直角方向であって前記レースウェイカッターの前記貫通孔の延長線方向に、上部がレースウェイ形状となっている細長い基台を設け、当該基台の上に、基台上に載置したレースウェイの一端を係止する摺動自在かつ固定自在なストッパー体を設け、また、前記レースウェイカッターの後方の基板上に前記レースウェイを支える受け具を設け、前記基台及び受け具は前記レースウェイカッターに通した前後のレースウェイを同じ高さで支持する構成となっており、前記基台に平行に第2基台を設け、当該第2基台は前記基台と異なる高さとし、また、前記レールの後方の基板上で、前記第2基台の延長線上となる位置にレースウェイを支持する第2受け具を設け、当該第2受け具は前記受け具と異なる高さとした、レースウェイ切断用治具とした。
【0010】
また、請求項3の発明は、前記ストッパー体は、前記基台の上部のレースウェイの上に載置する水平板とその一端の垂直板とから成り、前記水平板と対向した位置に、当該レースウェイの両側縁を下から係止する係止板を設け、前記水平板と係止板とを貫通するボルトの端部にナットを螺着し、当該ナットを締め付けることにより、水平板と係止板とにより前記レースウェイの両側縁を挟持し、ストッパー体をレースウェイ上で固定する構成となっている、請求項1又は2のいずれかに記載のレースウェイ切断用治具とした。
【0011】
また、請求項4の発明は、前記ストッパー体の水平板、垂直板又は水平板と垂直板の一側縁に設けた側板のいずれかから直角に水平突体を設けた、請求項1~3のいずれかに記載のレースウェイ切断用治具とした。
【0012】
また、請求項5の発明は、前記レースウェイカッターのカッター刃からの長さを表示する目盛を基台に沿って設けた、請求項1~4のいずれかに記載のレースウェイ切断用治具とした。
【発明の効果】
【0015】
請求項1又は2の発明によれば、当該治具ではレースウェイカッターの本体を貫通し、前後に伸びたレースウェイの端部を基台又は受け具で同じ高さに支持するため、一人の作業員がレースウェイカッターを操作すれば、確実かつ正確にレースウェイを切断することができる。また、レースウェイが定尺ものの場合、カッター刃の位置から所望の長さにストッパー体を動かして固定すれば、切断しようとするレースウェイの一端を前記ストッパー体に当ててレースウェイカンターで切断することにより所望の長さの複数のレースウェイを容易かつ迅速に切断できる。また、切断しようとするレースウェイが定尺ものでない場合でも、レースウェイカッターのカッター刃とストッパー体との間を所定の長さに調整して切断すれば、一定長のレースウェイを複数容易に得ることができる。
【0016】
また、高さの異なる2種類のレースウェイを切断する場合、レースウェイカッターを固定している固定枠体をレール上で動かして、高さの異なる基台及び受け具の位置に固定すれば、高さの異なる複数種類のレースウェイを容易に切断することができる。
【0017】
また、請求項3の発明によれば、ストッパー体は、ボルト又はナットを緩めれば、基台上の位置を変えることができ、また、特定の基台から取り外し、他の基台の装着することができる。従って、レースウェイカッターのカッター刃の位置から一定の長さにストッパー体の位置を簡単かつ確実に調節できる。
【0018】
また、請求項4の発明によれば、ストッパー体は、ボルト又はナットを緩めれば、基台上の位置を変えることができ、また、特定の基台から取り外し、他の基台の装着することができる。従って、レースウェイカッターのカッター刃の位置から一定の長さにストッパー体の位置を簡単かつ確実に調節できる。
【0019】
また、請求項5の発明によれば、基台脇に目盛がついているため、レースウエイカッターのカッター刃からストッパー体までの長さが容易にわかり、所定の長さのレースウエイを容易に切断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】この発明の実施の形態例1のレースウェイ切断用治具の斜視図である。
【
図2】この発明の実施の形態例1のレースウェイ切断用治具の平面図である。
【
図3】この発明の実施の形態例1のレースウェイ切断用治具の基台及びストッパー体の拡大断面正面図である。
【
図4】この発明の実施の形態例1のレースウェイ切断用治具の基台及びストッパー体の拡大断面側面図である。
【
図5】この発明の実施の形態例1のレースウェイ切断用治具の使用状態を示す斜視面である。
【
図6】この発明の実施の形態例1のレースウェイ切断用治具の使用状態における基台箇所の当該基台に載ったレースウェイの拡大断面側面図である。
【
図7】この発明の実施の形態例1のレースウェイ切断用治具に他の構成を付加した状態を示す平面面である。
【
図8】この発明の実施の形態例2のレースウェイ切断用治具の平面図である。
【
図9】この発明の実施の形態例2のレースウェイ切断用治具のレースウェイカッター固定枠体箇所の拡大側面図である。
【
図10】この発明の実施の形態例2のレースウェイ切断用治具の受け具箇所の拡大側面図である。
【
図11】この発明の実施の形態例2のレースウェイ切断用治具の使用状態における基板中央箇所の断面正面図である。
【
図12】この発明の実施の形態例2のレースウェイ切断用治具の使用状態における基台及び第2基台箇所の断面側面図である。
【
図13】この発明の実施の形態例2のレースウェイ切断用治具に他の構成を付加した状態を示す平面図である。
【
図14】この発明の実施の形態例1及び2のレースウェイ切断用治具に使用するレースウェイカッターの背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(実施の形態例1)
この発明の実施の形態例1のレースウェイ切断用治具Aを
図1~
図7に基づいて説明する。
【0022】
まず、当該レースウェイ切断用治具A及びDに用いるレースウェイカッターBを
図14に基づいて説明する。
【0023】
このレースウェイカッターBは、
図14に示すように、本体1の前後面を貫通する、断面レースウェイ型の貫通孔2が設けられ、当該貫通孔2は本体1を起立させた状態で水平ではなく、斜めに傾斜して設けられている。当該本体1の背面の貫通孔2の上部に、固定板3が突設し、当該固定板3に設けた螺孔に螺着して固定板3の下方に突出したねじ棒4の下端に可動押さえ板5が回転自在に係止され、固定板3の上方に突出する前記ねじ棒4に蝶ナット6が螺着され、当該蝶ナット6を緩めて前記ねじ棒4を回すと、可動押さえ板5が下がり、前記貫通孔2を貫通したレースウェイCを押さえた状態となる。そして、蝶ナット6を締め付けると可動押さえ板5がレースウェイCを押さえた状態で固定される。
【0024】
また、図示は省略したが、レースウェイCを切断するカッター刃が本体1内を上下方向に移動することによって、レースウェイCを切断する。
図14のものは、前記カッター刃の駆動を電動式モータで行う駆動部7を装着したものであり、また、本体1の四隅の下端から脚8をそれぞれ突設している。
【0025】
次に、レースウェイ切断用治具Aは、
図1及び
図2に示すように、一定の大きさの平板から成る基板11上の略中央部に前記レースウェイカッターBを固定する固定枠体12を設けている。この固定枠体12は前記レースウェイカッターBを起立させた状態で四方を囲っている。そして当該固定枠体12の前面となる一側12aが両側に伸びて、基板11の両側縁まで達している。この延長された一側12aは基板11が反ったりしないために補強されたもので、必ずしも基板11の両端まで伸びている必要はない。
【0026】
また、前記レースウェイカッターBの固定枠体12の前方の基板11に基台13が設けられている。この基台13は前記レースウェイカッターBの前記貫通孔2の延長線上に位置し、上部断面がレースウェイ形状となったレースウェイ部13aで構成されている。
【0027】
また、この基台13の上部のレースウェイ部13aの上にストッパー体14が摺動自在かつ固定自在に載置され、当該ストパー体14により基台13に載せたレースウェイCの一端を係止するものである。
【0028】
このストッパー体14は水平板14aとその一端に垂直板14b及びこれらの一側縁に設けた側板14cとから構成されている。そして、水平板14aに対向する位置のレースウェイ部13aの両上端縁の下に係止板15を2個設けている。
【0029】
これらの水平板14aと各係止板15を貫通するボルト16を、間隔をあけて2個設け、こられの各ボルト16の下部にナット17を螺着し、ボルト16又はナット17を緩めることにより、前記ストッパー体14はレースウェイ部13aに沿って、基台13上を摺動自在となる。一方、前記ボルト16又はナット17を締め付けることによって、水平板14aと各係止板15がレースウェイ部13aの両上端縁を挟持し、当該ストッパー体14はレースウェイ部13aに固定される。なお、
図3のストッパー体14は水平板14aに前記ボルト16を通す孔を設けているが、この孔が一つの長孔となっている。
【0030】
また、前記ストッパー体14の側板14cから略水平に突板18を突出させている。また、前記レースウェイカッターBの後方の基板11上に突堤19を設けている。そして当該突堤19の中央部に、略台形状の台座20を設け、当該台座20の一側の傾斜縁に前記レースウェイCを支える受け具21を設けている。当該受け具21は前記レースウェイCをその断面を傾斜させて受けるフック型のものである。当該受け具21は台座20の傾斜縁に、受け具21に設けた長孔にボルトを通して固定されているが、ボルトを緩めて長孔により受け具21を当該傾斜縁に沿って動かし、その位置をずらすことができる。
【0031】
そして、前記基台13及び受け具21は前記レースウェイカッターBに通した前後のレースウェイCを同じ高さで支持する構成となっている。
【0032】
この実施の形態例1のレースウェイ切断用治具Aは以上の構造であり、これを用いてレースウェイCを切断するには、まず前記ストッパー体14の位置を決める。それには、
図5に示すように、レースウェイカッターBのカッター刃からストッパー体14の垂直板14bまでの長さをメジャー22で測り、予め定めた定尺のレースウェイCからの切断長に合わせた位置にストッパー体14を固定する。その際、メジャー22の端部を前記突板18に載せて測ると前記切断長を正確にかつ容易に測ることができる。
【0033】
そして、
図5に示すように、レースウェイCをレースウェイカッターBの貫通孔2に通し、その先端を前記ストッパー体14の垂直板14bに当て、レースウェイCの前部を基台13のレースウェイ部13aに嵌める。
【0034】
これは、
図6に示すように、レースウェイCの一側の下角部をレースウェイ部13aの開口部から内部に入れ、他側の上角部をレースウェイ部13aの上方外側に突出させる。また、レースウェイCの後部は前記受け具21に嵌める。これによりレースウェイカッターBの貫通孔2に中央部を通したレースウェイCの前後は基台13及び受け具21に支持され、作業員が支持する必要はない。
【0035】
そして、作業員は前記レースウェイカッターBを操作して、レースウェイCを切断する。そして、ストッパー体14の位置を固定したまま、複数回レースウェイCを切断することにより、所定の長さのレースウェイCを複数本得ることができる。
【0036】
なお、
図7に示すように、予め基台13に、又は基台13の脇の基板11に、前記レースウェイカッターBのカッター刃からの長さの目盛23を設けておけば、メジャー22で測る必要がなく、所望の切断長にストッパー体14の垂直板14bの位置を目盛23に従って合わせて固定すればよい。
【0037】
(実施の形態例2)
この発明の実施の形態例2のレースウェイ切断用治具Dを
図8~
図13に基づいて説明する。
【0038】
この実施の形態例2のレースウェイ切断用治具Dに使用するレースウェイカッターBも
図14に示すものを使用する。
【0039】
前記レースウェイ切断用治具Dは、
図8に示すように、一定の大きさの平板から成る基板25上に左右を区画するように中央突堤26を設け、当該中央突堤26と平行に、レースウェイから成るレール27を設け、当該レール27に、前記レースウェイカッターBを固定する固定枠体28を載置している。この固定枠体28はレール27上を摺動自在かつ固定自在になっており、前記実施の形態例1のストッパー体14の摺動自在かつ固定自在な構造と同じである。
【0040】
この固定枠体28は、
図9に示すように、中央に略M字型に形成され、中央の直角凹部に前記レースウェイカッターBを斜めに傾斜して載置、固定している。これによりレースウェイカッターBの貫通孔2は水平位置に配置されている。また、前記レースウェイカッターBは前記脚8をすべて取り外している。
【0041】
また、このレースウェイカッターBの貫通孔2の延長線上で、前記中央突堤26の前方の基板25上に基台29が設けられている。この基台29の上部はレースウェイ部29aとなっている。そして、実施の形態例1のストッパー体14と同構造のストッパー体30が基台29に載置され、当該ストッパー体30も摺動自在かつ固定自在となっている。また、ストッパー体30の側面から水平な突板31が直角に突出している。
【0042】
また、前記基台29と平行して、基板25上に第2基台32が設けられている。この第2基台32は、前記基台29と高さが異なっている。すなわち、前記基台29を使用するレースウェイCの高さと異なる高さのレースウェイCに用いるものである。そして、この第2基台32の上にもストッパー体30が、摺動自在且つ固定自在に載置されている。
【0043】
また、前記中央突堤26をはさんで基台29及び第2基台32と反対側の基板25の一端には、中央突堤26及びレール27と平行な端部突堤33が設けられている。この端部突堤33の上には略U字型の受け具34及び第2受け具35が相互に間隔をあけて設けられている。受け具34と第2受け具35はそれぞれ前記基台29及び第2基台32の延長線上に位置している。
【0044】
このレースウェイ切断用治具DによりレースウェイCを切断する場合、まず、定尺のレースウェイCの切断長を決め、当該切断長に合わせて、ストッパー体30の位置を決めて固定する。これは前記実施の形態例1と同様に、レースウェイカッターBのカッター刃からストッパー体30の垂直板までの距離をメジャーで測り、前記切断長に合わせてストパー体30の位置を決めて固定する。
【0045】
その後、
図11に示すように、レースウェイカッターBの貫通孔2にレースウェイCを通し、レースウェイCの先端を基台29のストッパー体30の垂直板に当てて、
図12に示すように、レースウェイCの前部を基台29に載せ、レースウェイCの後部を受け具34に嵌め入れ、レースウェイCを固定する。そして、レースウェイカッターBを操作して、レースウェイCを切断する。
【0046】
この様に、ストッパー体30を固定しておけば、容易に多数のレースウェイCを所定の同じ長さに切断できる。
【0047】
また、切断しようとするレースウェイCの高さが異なるタイプの場合、まず、レースウェイカッターBの、貫通孔2を有する部材をレースウェイカッターBから取り外し、大きさの異なる貫通孔2の部材に取り換える。そして、前記レースウェイカッターBの固定枠体28のボルト又はナットを緩めてレール27上を移動し、第2基台32の延長線上にレースウェイカッターBの貫通孔2が位置する箇所で前記固定枠体28のボルト又はナットを締めてレール27に固定する。
【0048】
そして、レースウェイCをレースウェイカッターBの貫通孔2に通し、レースウェイCの前部を第2基台32に載せ、先端をストッパー体30の垂直板に当てる。また、レースウェイCの後部は受け具35に嵌め入れ、レースウェイCを固定する。そして、レースウェイカッターBを操作して、レースウェイCを切断する。
【0049】
この様にこのレースウェイ切断用治具Dは切断するレースウェイCの高さの異なるものにも容易に適用できるようになっている。
【0050】
なお、
図13に示すように、予め基台29及び第2基台32に、又は基台29及び第2基台32の脇の基板25に、前記レースウェイカッターBのカッター刃からの長さの目盛36を設けておけば、メジャー22で測る必要がなく、所望の切断長にストッパー体30の垂直板の位置を目盛36に従って合わせて固定すればよい。
【0051】
なお、前記実施の形態例1では、レースウェイカッターBを固定枠体2に固定する構成としたが、当該固定枠体2の中に一定の厚さの板を嵌め入れることによりレースウェイカッターBの高さを調整することができる。また、上述のように、受け具21の位置を台座20の傾斜面に沿って動かしてずらすことができる。これにより高さの異なるレースウェイCの切断に対応できる。
【0052】
また、実施の形態例2と同様に、基台13に対して直角方向にレールを設け、当該レールに前記固定枠体28と同様な摺動自在且つ固定自在な固定枠体を設け、当該固定枠体にレースウェイカッターBを起立させて固定してもよい。その場合、基台13と高さの異なる第2基台を平行に設け、また、受け具21と高さの異なる第2受け具を設けてもよい。これにより高さの異なるレースウェイCの切断に対応できる。
【0053】
また、前記実施の形態例2では、レースウェイカッターBを固定枠体28に載せて移動、固定自在とし、かつ基台29の他に第2基台32及び第2受け具35を設け、径の異なるレースウェイCの切断に対応できる形としているが、一種類のレースウェイCに対応するものでもよい。その場合、前記固定枠体28を基板25に直に固定し、第2基台32及び第2受け具35がないものにすることができる。
【符号の説明】
【0054】
A レースウェイ切断用治具
B レースウェイカッター
C レースウェイ
D レースウェイ切断用治具
1 本体 2 貫通孔
3 固定板 4 ねじ棒
5 可動押さえ板 6 蝶ナット
7 駆動部 8 脚
11 基板 12 固定枠体
12a 延長部 13 基台
13a レースウェイ部 14 ストッパー体
14a 水平板 14b 垂直板
14c 側板 15 係止板
16 ボルト 17 ナット
18 突板 19 突提
20 台座 21 受け具
22 メジャー 23 目盛
25 基板 26 中央突堤
27 レール 28 固定枠体
29 基台 29a レースウェイ部
30 ストッパー体 31 突板
32 第2基台 32a レースウェイ部
33 端部突堤 34 受け具
35 第2受け具 36 目盛