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特許7513395向流巡回を伴う単相流体および扁平チューブ熱交換器を用いる冷却システムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】向流巡回を伴う単相流体および扁平チューブ熱交換器を用いる冷却システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/20 20060101AFI20240702BHJP
   F28D 1/053 20060101ALI20240702BHJP
   F28F 1/02 20060101ALI20240702BHJP
   F28F 1/30 20060101ALI20240702BHJP
   F28F 9/26 20060101ALI20240702BHJP
   F28F 21/08 20060101ALI20240702BHJP
   H05K 7/18 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
G06F1/20 D
F28D1/053 A
F28F1/02 B
F28F1/30 D
F28F9/26
F28F21/08 A
H05K7/18 K
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2019511570
(86)(22)【出願日】2017-08-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-10-10
(86)【国際出願番号】 US2017048969
(87)【国際公開番号】W WO2018039680
(87)【国際公開日】2018-03-01
【審査請求日】2020-08-26
【審判番号】
【審判請求日】2023-07-14
(31)【優先権主張番号】62/380,039
(32)【優先日】2016-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/383,878
(32)【優先日】2016-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512330547
【氏名又は名称】イナーテック アイピー エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ミン
(72)【発明者】
【氏名】グエン,ケン
(72)【発明者】
【氏名】シャピロ,ドロン
(72)【発明者】
【氏名】コスタキス,ジョン
【合議体】
【審判長】篠塚 隆
【審判官】山澤 宏
【審判官】富澤 哲生
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0307716(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0240186(US,A1)
【文献】特開平03-183156(JP,A)
【文献】特開2013-083316(JP,A)
【文献】特開2001-289465(JP,A)
【文献】特開2007-139278(JP,A)
【文献】特開2015-216295(JP,A)
【文献】特開2015-071795(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/20
H05K 7/18
F28F 1/00- 1/44
F28F 9/00- 9/26
F28F21/00-27/02
F28D 1/00-13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の情報技術(IT)ラックを冷却するためのシステムであって、
前記複数のITラックにより形成される高温通路にまたはその近くに配置された熱交換器であって、前記熱交換器は、
第1の複数の扁平チューブを含む第1の列と、
前記第1の列と流体連通する第2の複数の扁平チューブを含む第2の列と、
を含む、熱交換器と、
前記熱交換器と空気連通して配置され、かつ、前記高温通路から前記熱交換器を通じて前記第2の列から前記第1の列に空気を移動させるように構成された送風機と、
前記熱交換器に連結されかつそれと流体連通する単相流体回路であって、前記単相流体回路は、前記熱交換器を通じて第1のから第2のに、マイクロカプセル化された相変化物質を含む単相フルオロケトン(FK)流体を循環させる、単相流体回路と、
水回路と、
前記単相流体回路と前記水回路との間に連結された第2の熱交換器と、
を備える、システム。
【請求項2】
第1および第2の複数の扁平チューブの各扁平チューブは、1つ以上の流路を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1および第2の複数の扁平チューブの各扁平チューブは、2つの流路、3つの流路、または5つの流路を含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1および第2の複数の扁平チューブの各扁平チューブは、アルミニウムチューブである、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
第1および第2の複数の扁平チューブのうちの扁平チューブの対の間に配置された複数のフィンをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記複数のフィンのそれぞれは、空気流の方向に波模様を含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記複数のフィンはルーバー付きフィンである、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記熱交換器は、
前記第2の列と流体連通する第3の複数の扁平チューブを含む第3の列と、
前記第3の列と流体連通する第4の複数の扁平チューブを含む第4の列と、
をさらに含み、
前記送風機は、前記高温通路から前記熱交換器を通じて前記第4の列から前記第1の列に高温空気を移動させ、
前記単相流体回路は、前記熱交換器を通じて前記第1の列から前記第4の列に前記単相FK流体を循環させる、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1の列および前記第2の列は、Oリングおよび1つ以上のボルトを用いて接続される、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
屋外流体冷却器内に、かつ前記水回路と流体連通して配置された第3の熱交換器であって、前記第3の熱交換器は、複数の扁平チューブの1つ以上の列を含む、第3の熱交換器
をさらに備える、請求項に記載のシステム。
【請求項11】
前記熱交換器は、前記高温通路より上に配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記熱交換器と前記高温通路との間に連結された空気ダクトをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
複数の情報技術(IT)ラックを冷却するための方法であって、
熱交換器の第1の列の第1の複数の扁平なアルミニウム形成されたチューブの全域にわたり、その後、前記熱交換器の第2の列の第2の複数の扁平なアルミニウム形成されたチューブの全域にわたり、複数のITラックにより形成される高温通路から空気を移動させることと、
前記空気から、マイクロカプセル化された相変化物質を含む単相フルオロケトン(FK)流体に、かつ第2の熱交換器の第1の流路を通じて熱を伝達するべく、前記熱交換器を通じて前記第2の複数の扁平なアルミニウム形成されたチューブから前記第1の複数の扁平なアルミニウム形成されたチューブに前記単相FK流体をポンピングすることと、
前記第2の熱交換器の第2の流路を通じて冷却水溶液を循環させることと、
を備える、方法。
【請求項14】
熱交換器であって、
第1の一対のヘッダチューブ、および、第1の複数の扁平チューブが前記第1の一対のヘッダチューブと流体連通するように前記第1の一対のヘッダチューブの間に連結された前記第1の複数の扁平チューブを含む第1の列と、
第2の一対のヘッダチューブ、および、第2の複数の扁平チューブが前記第2の一対のヘッダチューブと流体連通するように前記第2の一対のヘッダチューブの間に連結された前記第2の複数の扁平チューブを含む第2の列であって、前記第1の一対のヘッダチューブのうちのヘッダチューブは、前記第1の列の第1の一対のヘッダチューブのうちのヘッダチューブと、前記第2の列の第2の一対のヘッダチューブのうちのヘッダチューブとの間の流体連通を可能にするように、前記第2の一対のヘッダチューブのうちのヘッダチューブに連結される、第2の列と、
第1および第2の複数の扁平チューブの各対の間に配置された複数のフィンと、
前記第1の列の第1の側面上で前記第1の一対のヘッダチューブのうちの第1のヘッダチューブ内の各々の開口部に一体的に連結された複数の第1のヘッダ接続具と、
前記第1の列の第2の側面上で前記第1の一対のヘッダチューブのうちの第2のヘッダチューブ内の各々の開口部に一体的に連結された複数の第2のヘッダ接続具であって、前記第1の列の第1の側面は、前記第1の列の第2の側面の反対側にある、第2のヘッダ接続具と、
前記第2の列の第1の側面上で前記第2の一対のヘッダチューブのうちの第1のヘッダチューブ内の各々の開口部に一体的に連結された複数の第3のヘッダ接続具であって、前記第1の列の第2の側面上で前記第1の一対のヘッダチューブのうちの第2のヘッダチューブ内の各々の開口部に一体的に連結された複数の第2のヘッダ接続具は、前記第2の列の第1の側面上で前記第2の一対のヘッダチューブのうちの第1のヘッダチューブ内の各々の開口部に一体的に連結された複数の第3のヘッダ接続具にそれぞれ連結される、第3のヘッダ接続具と、
前記第2の列の第2の側面上で前記第2の一対のヘッダチューブのうちの第2のヘッダチューブ内の各々の開口部に一体的に連結された複数の第4のヘッダ接続具であって、前記第2の列の第1の側面は、前記第2の列の第2の側面の反対側にある、第4のヘッダ接続具と、
を備え
前記第1の一対のヘッダチューブのうちのヘッダチューブは、Oリングまたはガスケットおよび1つ以上のボルトまたはネジを用いて、前記第1の一対のヘッダチューブのうちのヘッダチューブのヘッダ接続部を前記第2の一対のヘッダチューブのうちのヘッダチューブのヘッダ接続部に連結することにより、前記第2の一対のヘッダチューブのうちのヘッダチューブに連結される、熱交換器。
【請求項15】
前記第1の列および前記第2の列は、別個に構築される、請求項14に記載の熱交換器。
【請求項16】
前記第1および第2の複数の扁平チューブは、2つの流路、3つの流路、または5つの流路をそれぞれ含む、請求項14に記載の熱交換器。
【請求項17】
前記第1および第2の複数の扁平チューブは、アルミニウムチューブである、請求項14に記載の熱交換器。
【請求項18】
前記複数のフィンのそれぞれは、空気流の方向に波模様を含む、請求項14に記載の熱交換器。
【請求項19】
前記複数のフィンはルーバー付きフィンである、請求項14に記載の熱交換器。
【請求項20】
前記第1の列に連結されかつそれと流体連通する流体入口と、
前記第2の列に連結されかつそれと流体連通する流体出口と、
前記熱交換器を通じて前記第2の列から前記第1の列に高温空気を移動させるように構成された1つ以上の送風機と、
をさらに備える、請求項14に記載の熱交換器。
【請求項21】
熱交換器を製造する方法であって、
第1の複数の扁平チューブが第1の一対のヘッダチューブと流体連通するように、前記第1の一対のヘッダチューブの間に第1の一対のヘッダチューブおよび前記第1の複数の扁平チューブを含む第1の列を連結することと、
第2の複数の扁平チューブが第2の一対のヘッダチューブと流体連通するように、前記第2の一対のヘッダチューブの間に第2の一対のヘッダチューブおよび前記第2の複数の扁平チューブを含む第2の列を連結することと、
前記第1の列の第1の一対のヘッダチューブのうちのヘッダチューブと、前記第2の列の第2の一対のヘッダチューブのうちのヘッダチューブとの間の流体連通を可能にするように、前記第1の一対のヘッダチューブのうちのヘッダチューブを前記第2の一対のヘッダチューブのうちのヘッダチューブに連結することと、
各対の第1および第2の複数の扁平チューブの間に複数のフィンを配置することと、
前記第1の列の第1の側面上で前記第1の一対のヘッダチューブのうちの第1のヘッダチューブ内の各々の開口部に複数の第1のヘッダ接続具を鑞接することと、
前記第1の列の第2の側面上で前記第1の一対のヘッダチューブのうちの第2のヘッダチューブ内の各々の開口部に複数の第2のヘッダ接続具を鑞接することであって、前記第1の列の第1の側面は、前記第1の列の第2の側面の反対側にあることと、
前記第2の列の第1の側面上で前記第2の一対のヘッダチューブのうちの第1のヘッダチューブ内の各々の開口部に複数の第3のヘッダ接続具を鑞接することと、
前記第2の列の第2の側面上で前記第2の一対のヘッダチューブのうちの第2のヘッダチューブ内の各々の開口部に複数の第4のヘッダ接続具を鑞接することであって、前記第2の列の第1の側面は、前記第2の列の第2の側面の反対側にあることと、
前記第1の列の第2の側面上で前記第1の一対のヘッダチューブのうちの第2のヘッダチューブ内の各々の開口部に鑞接された複数の第2のヘッダ接続具を、前記第2の列の第1の側面上で前記第2の一対のヘッダチューブのうちの第1のヘッダチューブ内の各々の開口部に鑞接された複数の第3のヘッダ接続具にそれぞれ連結することと、
Oリングまたはガスケットを通じて、前記第1の一対のヘッダチューブの第1のヘッダ接続部を前記第2の一対のヘッダチューブの第2のヘッダ接続部に連結することにより、前記第1の一対のヘッダチューブを前記第2の一対のヘッダチューブに連結することと、
を備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、冷却システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
過去数年にわたり、コンピュータ設備の製造業者は、彼らのサーバのデータ収集および記憶装置の性能を拡張してきた。サーバ性能の拡張は、データセンター内のサーバ毎およびサーバラック組立体毎の総電力消費および総出熱における増加に繋がった。それは、コンピュータのデータ収集および記憶装置のための電力および温度の制御要件における増加にも繋がった。結果として、データ収集および記憶装置の産業は、コンピュータのデータ収集および記憶装置の性能におけるとてつもなくかつ持続する成長に応対するべく、新しく、革新的な設備、システム、および設計戦略を求めてきておりかつ求めている。
【0003】
コンピュータ・サーバラックのための冷却システムは、データセンター内の常に増加しているコンピュータ・サーバ熱負荷を冷却する能力に遅れをとらないように奮闘してきている。(キロワット(kW)において測定される)コンピュータ・サーバ熱負荷の増加により、データ室内で冷却基盤のためにより多くの空間を割り当てること、または、冷却システムが熱源、すなわち、コンピュータ・サーバラックに集められることが要求されてきた。最近、冷却システムは、コンピュータ・サーバラックに冷却を集中するように設計されてきた。こうした冷却システムは、後扉熱交換器およびラックトップ冷却器を含む。
【発明の概要】
【0004】
1つの態様において、本開示は、複数の情報技術(IT)ラックを冷却するためのシステムを特徴とするものである。本システムは、複数のITラックにより形成される高温通路にまたはその近くに配置された熱交換器を含む。次に、熱交換器は、第1の複数の扁平チューブを含む第1の列、および第1の列と流体連通する第2の複数の扁平チューブを含む第2の列を含む。本システムは、熱交換器と空気連通して配置された送風機をさらに含む。送風機は、高温通路から熱交換器を通じて第2の列から第1の列に空気を移動させる。本システムは、熱交換器に連結されかつそれと流体連通する単相流体回路をさらに含む。単相流体回路は、熱交換器を通じて第1の扁平チューブから第2の扁平チューブに単相流体を循環させる。
【0005】
態様において、第1および第2の複数の扁平チューブの各扁平チューブは、1つ以上の流路を含む。第1および第2の複数の扁平チューブの各扁平チューブは、2つの流路、3つの流路、または5つの流路を含む。
【0006】
態様において、第1および第2の複数の扁平チューブの各扁平チューブは、押出成形または鑞接されたアルミニウムチューブである。
【0007】
態様において、本システムは、第1および第2の複数の扁平チューブのうちの扁平チューブの対の間に配置された複数のフィンを含む。実施形態において、複数のフィンのそれぞれは、空気流の方向に波模様を含み得る。実施形態において、複数のフィンはルーバー付きフィンである。
【0008】
態様において、熱交換器は、第2の列と流体連通する第3の複数の扁平チューブを含む第3の列、および第3の列と流体連通する第4の複数の扁平チューブを含む第4の列をさらに含む。態様において、送風機は、高温通路から熱交換器を通じて第4の列から第1の列に高温空気を移動させ、単相流体回路は、熱交換器を通じて第1の列から第4の列に単相流体を循環させる。
【0009】
態様において、第1の列および第2の列は、Oリングおよび1つ以上のボルトまたはネジを用いて接続される。
【0010】
態様において、単相流体はフルオロケトン(FK)流体である。態様において、FK流体は、マイクロカプセル化された相変化物質を含む。
【0011】
態様において、本システムは、水回路、および単相流体回路と水回路との間に連結された第2の熱交換器をさらに含む。
【0012】
態様において、本システムは、屋外流体冷却器内に、かつ水回路と流体連通して配置された第3の熱交換器をさらに含む。第3の熱交換器は、複数の扁平チューブの1つ以上の列を含む。
【0013】
態様において、本システムは、屋外流体冷却器内に、かつ単相流体回路と流体連通して配置された第2の熱交換器をさらに含む。第2の熱交換器は、複数の扁平チューブの1つ以上の列を含む。
【0014】
態様において、熱交換器は、高温通路より上に配置される。
【0015】
態様において、本システムは、熱交換器と高温通路との間に連結された空気ダクトをさらに含む。
【0016】
別の態様において、本開示は、複数の情報技術(IT)ラックを冷却するための方法を特徴とするものである。本方法は、第1の熱交換器の第1の列の第1の複数の扁平なアルミニウム形成されたチューブの全域にわたり、その後、熱交換器の第2の列の第2の複数の扁平なアルミニウム形成されたチューブの全域にわたり、複数のITラックにより形成される高温通路から空気を移動させること、空気から単相流体に、かつ第2の熱交換器の第1の流路を通じて熱を伝達するべく、熱交換器を通じて第2の複数の扁平なアルミニウム形成されたチューブから第1の複数の扁平なアルミニウム形成されたチューブに単相流体をポンピングすること、および第2の熱交換器の第2の流路を通じて冷却水溶液を循環させることを含む。
【0017】
態様において、単相流体はフルオロケトン(FK)流体である。態様において、FK流体は、マイクロカプセル化された相変化物質を含む。
【0018】
なおも別の態様において、本開示は、熱交換器を特徴とするものである。本熱交換器は、第1の一対のヘッダチューブ、および、第1の複数の扁平チューブが第1の一対のヘッダチューブと流体連通するように第1の一対のヘッダチューブの間に連結された第1の複数の扁平チューブを含む第1の列を含む。本熱交換器は、第2の一対のヘッダチューブ、および、第2の複数の扁平チューブが第2の一対のヘッダチューブと流体連通するように第2の一対のヘッダチューブの間に連結された第2の複数の扁平チューブを含む第2の列も含む。第1の一対のヘッダチューブのうちのヘッダチューブは、鑞接工程を用いることなく第2の一対のヘッダチューブのうちのヘッダチューブに連結される。本熱交換器は、第1および第2の複数の扁平チューブの各対の間に配置された複数のフィンも含む。
【0019】
態様において、第1の列および第2の列は、鑞接工程を用いて別個に構築される。態様において、第1および第2の複数の扁平チューブは、2つの流路、3つの流路、または5つの流路をそれぞれ含む。態様において、第1および第2の複数の扁平チューブは、押出成形または鑞接されたアルミニウムチューブである。
【0020】
態様において、複数のフィンのそれぞれは、空気流の方向に波模様を含む。態様において、複数のフィンはルーバー付きフィンである。
【0021】
態様において、本熱交換器は、第1の列に連結されかつそれと流体連通する流体入口、第2の列に連結されかつそれと流体連通する流体出口、および本熱交換器を通じて第2の列から第1の列に高温空気を移動させるように構成された1つ以上の送風機を含む。
【0022】
態様において、第1の一対のヘッダチューブのうちのヘッダチューブは、Oリングまたはガスケットおよび1つ以上のボルトまたはネジを用いて、第1の一対のヘッダチューブのうちのヘッダチューブのヘッダ接続部を第2の一対のヘッダチューブのうちのヘッダチューブのヘッダ接続部に連結することにより、第2の一対のヘッダチューブのうちのヘッダチューブに連結される。
【0023】
なおも別の態様において、本開示は、熱交換器を製造する方法を特徴とするものである。本方法は、第1の複数の扁平チューブが第1の一対のヘッダチューブと流体連通するように、鑞接工程を通じて第1の一対のヘッダチューブの間に第1の複数の扁平チューブを連結すること、第2の複数の扁平チューブが第2の一対のヘッダチューブと流体連通するように、鑞接工程を通じて第2の一対のヘッダチューブの間に第2の複数の扁平チューブを連結すること、および鑞接工程を用いることなく、第1の一対のヘッダチューブのうちの第1のヘッダチューブを第2の一対のヘッダチューブのうちの第2のヘッダチューブに連結することを含む。
【0024】
態様において、製造する方法は、Oリングまたはガスケットを通じて、第1のヘッダチューブの第1のヘッダ接続部を第2のヘッダチューブの第2のヘッダ接続部に連結することにより、第1のヘッダチューブを第2のヘッダチューブに連結することをさらに含む。
【0025】
本開示の様々な態様および特徴が、以下の図面を参照して下文に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本開示の一実施形態に従う、単相流体冷却システムを例解している概略線図である。
図2】本開示の別の実施形態に従う、中間熱交換器を有する単相流体冷却システムを例解している概略線図である。
図3】本開示のなお別の実施形態に従う、中間熱交換器および個々のポンプ/パイプループを有する単相流体冷却システムを例解している概略線図である。
図4A】本開示のなおも別の実施形態に従う、屋上空気取扱部への高温空気の戻りを伴う冷却システムを例解している概略線図である。
図4B】本開示のなおも別の実施形態に従う、屋上空気取扱部への高温空気の戻りを伴う冷却システムを例解している概略線図である。
図5A】本開示に従って設けられた熱交換器の正面図である。
図5B図5Aの区切り線5A-5Aに沿って取られた、図5Aの熱交換器の横断面図である。
図5C図5Aの熱交換器の上面図である。
図5D図5Cの区切り線5D-5Dに沿って取られた、図5Aの熱交換器の横断面図である。
図6】本開示に従って設けられた別の熱交換器の上面図である。
図7A】本開示に従って設けられたなお別の熱交換器の正面図である。
図7B図7Aの区切り線7A-7Aに沿って取られた、図7Aの熱交換器の横断面図である。
図7C図7Aの熱交換器の側面図である。
図8A】本開示に従って設けられたなお別の熱交換器の正面図である。
図8B図8Aの熱交換器の上面図である。
図8C図8Bの区切り線8C-8Cに沿って取られた、図8Aおよび8Bの熱交換器の扁平チューブの横断面図である。
図9A】この開示のいくつかの実施形態に従って設けられた熱交換器フィンの上面図である。
図9B図9の熱交換器フィンの正面図である。
図10A】この開示のいくつかの実施形態に従う、図9Aおよび9Bの熱交換器フィンの詳細正面図である。
図10B図10Aの区切り線10B-10Bに沿って取られた、図10Aの熱交換器フィンの横断面図である。
図11A】この開示のいくつかの実施形態に従って設けられたなお別の熱交換器の上面図である。
図11B図11Aの熱交換器の正面図である。
図11C図11Aおよび11Bの熱交換器の左側面図である。
図11D図11Aおよび11Bの熱交換器の右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本開示は、向流を維持し、列と入口/出口との間の容易な接続を促進する、多数のチューブ列および特別なヘッダチューブを有する熱交換器を対象としている。
【0028】
本開示の実施形態は、類似の参照番号がいくつかの図のそれぞれにおいて同一のまたは対応する要素を指定している図面を参照してここで詳細に記載されている。図面において、かつ続く記載において、正面、背面、上部、下部、頂部、底部等の用語、および同様の方向の用語は、単に記載の便宜のために用いられており、本開示を限定することは意図されていない。加えて、以下の記載において、周知の機能および構造は、本開示を不要な詳細で分かりにくくすることを回避するために詳細に記載されていない。
【0029】
現在、コンピュータ・サーバは高熱を生み出し、後扉熱交換器および市場にある他の同様の冷却製品は、こうした高密度のコンピュータ・サーバの冷却要件を取り扱うのが困難である。また、伝統的なフィン銅チューブコイルが著しい空気側および流体側の圧力降下を生み出す一方で、単列扁平チューブまたは微小流路熱交換器は単相流体のための高温接近を生み出し、性能の低下を結果的にもたらす。
【0030】
本開示は、データセンターまたは高温度差を有する他の熱負荷を冷却するためのシステムおよび方法に関係している。既存のポンプ付きR134a液体冷媒システムと比較すると、本開示の実施形態に係るシステムは、より高いエネルギー効率を実現するべく、フルオロケトン(FK)流体および向流熱交換器の低比熱および高温度差を利用する。冷却システムの熱交換器および他の部分は、FK流体の低作業圧力および単相性質に起因してより漏出しにくい。また、FK流体がたった1の地球温暖化係数(GWP)を有するのに対し、R134aはおおよそ1400のGWPを有する。水系液体冷却システムと比較すると、FK流体はもし漏出が起こってもサーバの電子装置を害さず、低温の屋外周囲条件において凍結する可能性は全くなく、水系システムと比較して腐食についての懸念は全くないために、本開示に係るシステムはより安全である。
【0031】
本開示の実施形態に係る冷却システムは、単相流体を用いる。例えば、冷却システムは、FK流体(例えば、3M(商標)により作られるNovec(商標)649)、または同様の特性を有する熱伝達流体を用いることができる。別の例として、冷却システムは、非オゾン枯渇性流体である、ハイドロフルオロエーテル(FIFE)流体を用いることができる。単相流体は、冷却を提供するべく、コンピュータ・サーバラックまたは別の熱負荷に近接して連結された熱交換器にポンピングされる。その後、コンピュータ・サーバラックまたは別の熱負荷により温められた単相流体は、「自由冷却」のために直接周囲への熱を排除するべく屋外流体冷却器にポンピングされ、さらに、(必要ならば)深冷器の蒸発器を通じて必要とされるかまたは望まれる供給温度(例えば、16.7℃)に冷却される。冷却された単相流体は、サイクルを完成させるべく、サーバラックの近くにある熱交換器に戻るようにポンピングされる。単相流体は、非伝導性かつ不活性である任意の他の液体流体でもあり得る。
【0032】
さらに、ポンプ付き液体冷媒システムと比較すると、本開示の実施形態に係る流体システムは、液相から蒸気相に変化し、比較的低い圧力下で作業し、そのため動作するのに遥かにより堅牢である流体を用いない。また、本開示の実施形態に係る流体サイクルは、(例えば、サーバ負荷にある熱交換器を出る流体の温度と、深冷器および/または屋外流体冷却器により供給されている流体の温度との間の)高温変化、および、他の冷却ループシステムよりも、低い流体流速、高いエネルギー効率、および多くの「自由冷却」または部分的な「自由冷却」時間を結果的にもたらす低温接近を維持する。
【0033】
図1は、冷却システム100の概略線図を示している。ITラック112からの高温空気は、高温通路114に排出され、その後、送風機118により高温通路の頂部にあるFK流体熱交換器116に引き込まれる。以下でより詳細に記載されている熱交換器116は、多数の扁平チューブの多数の列を含む。例えば、熱交換器116は、多数の扁平チューブの2つまたは4つの列を含み得る。高温空気は、熱交換器116のチューブ側において、熱交換器116を通じて流れるFK流体、または別の適切な単相流体により冷却され、室つまり低温通路に戻るように排出される。熱交換器116からの温められたFK流体は、FK流体が周囲空気により冷却される屋外流体冷却器140の、流体対空気の自由冷却式熱交換器142にポンプ120によりポンピングされる。熱交換器142は、扁平チューブの1つ以上の列を含む。例えば、熱交換器142は、多数の扁平チューブの1つまたは2つの列を含み得る。もし、例えば、周囲空気の高温のためにFK流体のさらなる冷却が必要とされるならば、モジュール式深冷器130を動作させることができる。
【0034】
1つの例の方法では、もし流体冷却器140から出るFK流体、または別の適切な単相流体の温度が、周囲空気が十分に冷涼である(例えば、13.3℃)ときに必要とされる供給温度(例えば、16.7℃)に達すれば、FK流体は、完全な「自由冷却」(圧縮器または深冷器の動作が全く必要とされない、例えば、モジュール式深冷器130を動作させる必要はない)のためのサイクルを完成させるべく、屋内高温通路熱交換器116に戻るようにポンピングされる。もし流体冷却器140から出るFK流体が、必要とされる供給温度(例えば、16.7℃)よりも大きければ、深冷器130は、深冷器130を通じて流れる(例えば、深冷器130の蒸発器を通じて流れる)FK流体を設定点にさらに冷却するように動作される。その後、さらに冷却されたFK流体は、「部分的な自由冷却」としてサイクルを完成させるべく、屋内高温通路熱交換器116に戻るようにポンピングされる。その全体に水が媒質水分配システム146、つまり水噴霧器により分配される断熱性の湿潤媒質144は、進入する空気の温度を湿球温度に近いように冷却するために流体冷却器140の空気入口に設置され、それにより、エネルギーを節約するべく、完全な自由冷却または部分的な自由冷却を増加させることができる。
【0035】
図2は、本開示の別の実施形態に係る冷却システム200を例解している。中間板熱交換器210は、FK流体を冷却し、屋外流体冷却器140および/または(必要とされるときに)深冷器130への熱を排除するべく、サーバラックの近くにあるFK流体ループつまり回路205を、冷却水(またはグリコール/水の混合物)を用いる水ループつまり回路215に熱的に連結するために用いられる。この構成の利点は、FK流体の投入量を著しく低減することができることである。
【0036】
図3は、本開示のなお別の実施形態に係る冷却システム300を例解している。中間板熱交換器310は、FK流体を冷却し、屋外流体冷却器140および(必要とされるときに)深冷器130への熱を排除するべく、ITラックの近くにあるFK流体ループ305を、冷却水(またはグリコール/水の混合物)を用いる水ループ315に熱的に連結するために用いられる。冷却システム300は、FK流体を高温通路にある各個々の熱交換器116に別個にポンピングするために小さい二次ポンプ308を用い、そのため、大きい液体供給および戻りパイプを回避し、もし1つの熱交換器が故障しても他のものに影響することを回避する。
【0037】
図4Aおよび4Bは、本開示のなおも別の実施形態に係る冷却システム400を例解している。高温通路からの高温空気は、屋上空気取扱部ユニット410に引き寄せられ、そこで、冷却されて室つまり低温通路に送り返される。深冷された液体(例えば、FK流体または他の同様の流体)は、空気取扱部410に冷却を提供し、流体冷却器440および深冷器430への熱を排除するべく、空気取扱部410の熱交換器415、および(水回路425を介して)屋外流体冷却器440および深冷器430と流体連通する熱交換器420を含む、単相流体回路405を通じてポンピングされる。熱交換器415は、本明細書、例えば、図5A~11Dに開示されている実施形態に係る多数の扁平チューブの多数の列を含む扁平チューブ熱交換器であり得る。
【0038】
冷却システムの実施形態によれば、熱容量を増加させ(すなわち、熱質量/熱伝達を増加させ)、図1~4Bにおける全ての冷却システムのための流速/ポンピング力を下げるべく、マイクロカプセル化された相変化物質(MEPCM)を液体FK流体に添加することができる。MEPCMは、データセンターの冷却または任意の他の用途のための作業温度範囲に適合する多数の異なる化学組成物を含む。
【0039】
実施形態において、冷却システムは、屋内高温通路熱交換器(つまり空気取扱部熱交換器)および屋外流体冷却器のための多列扁平アルミニウムチューブ向流熱交換器を利用する。高効率の向流熱交換器は、屋内熱交換器からの出ていく流体の温度を高温空気の進入温度に近く、かつ、屋外流体冷却器からの空気の退出温度を進入するFK流体の温度に近くすることができる。言い換えれば、こうした熱交換器は、非常に多数の伝達ユニット(NTU)または高い有効性(例えば、95%またはより高い)を有する。これは、R134aポンプ付き液体システムまたは他の競合技術を超えてシステムエネルギー効率を改善する。
【0040】
図5Aは、熱交換器500の正面図を示しており、図5Bは、図5Aの区切り線5A-5Aに沿って取られた熱交換器500の横断面図を示している。熱交換器500は、4つの列501:第1の列501a、第2の列501b、第3の列501c、および第4の列501dを有する。代替的には、熱交換器500は、特定の用途に応じて2つの列または任意の数の列を有し得る。列501のそれぞれは、多数のチューブ502を含み:第1の列501aは、チューブ502aを含む多数のチューブを含み、第2の列501bは、チューブ502bを含む多数のチューブを含み、第3の列501cは、チューブ502cを含む多数のチューブを含み、第4の列501dは、チューブ502dを含む多数のチューブを含む。
【0041】
チューブ502は扁平チューブであり得る。扁平チューブは、扁平なアルミニウム形成されたチューブであり得る。各チューブ502は、単一の流路、2つの流路、または多数の流路(図示せず)を有し得る。チューブ502は、マルチポートの押出成形されたアルミニウムチューブでもあり得る。ルーバーフィン(図示せず)は、空気側504上で用いられる(全ての4つの列502a、502b、502c、502dを覆うべく、フィンを各部品と積み重ねることができ、各列502a、502b、502c、502dは、フィンが各列502a、502b、502c、502dについて分離されるようにそれ自身のフィンを有する)。4つの列501a、501b、501c、501dは、向流回路を形成する―液体流体は第4の列501dに進入し、その後第3の列501cを通過し、その後第2の列501bを通過し、その後第1の列501aから退出する一方で、空気流は第1の列501aに進入し、第4の列501dから出る。
【0042】
伝統的なフィン銅チューブコイルと比較すると、扁平チューブ熱交換器500は、より良好な熱伝達性能を有するが、より低い空気流圧力降下およびより低い流体側圧力降下を有する。ありふれた扁平チューブの交差流熱交換器と比較すると、熱交換器500の多列および向流巡回は、液体と空気との間のより低温の接近を伴う高熱伝達効率を結果的にもたらす。これは、熱交換器500の進入ヘッダチューブ506a、中間ヘッダチューブ506b、および退出ヘッダチューブ506cにより実現される。
【0043】
図5Bは、内部区画と向流巡回を形成するべく、扁平チューブ502a、502b、502c、502dの全ての4つの列501a、501b、501c、501dを覆う、熱交換器500の各端にあるヘッダチューブ506を示している。
【0044】
図5Cは、図5Aの熱交換器の上面図であり、図5Dは、図5Cの区切り線5D-5Dに沿って取られた、図5Aの熱交換器の横断面図である。図5Cに示されているように、流体入口チューブ508aは第4の列501dに接続され、それにより、流体入口チューブ508aは、第4の列501dの扁平チューブ502dと流体連通し、流体出口チューブ508bは第1の列501aに接続され、それにより、流体出口チューブ508bは、第1の列501aの扁平チューブ502aと流体連通する。本開示の実施形態において、流体入口チューブ508aおよび流体出口チューブ508bは、単相流体回路に接続され得る。
【0045】
図5Dは、それぞれ、列501a~501dのそれぞれにおける多数の扁平チューブ502a~502dを例解している。フィン503a~503dは、扁平チューブ502a~502dの対の間に配置される。いくつかの実施形態において、フィン503a~503dはルーバー付きフィンである。
【0046】
図6~7Cは、列501およびヘッダチューブ506の異なる実施形態を示している。図6は、4列熱交換器610を形成するべく共に積み重ねられた2つの2列熱交換器600を示している。第2の列602bと第3の列602cとの間の接続部は、2つの短い接続チューブ612を通じるものであり、1つの接続部612はヘッダチューブ(図示せず)の各端にあるか、または1つの短い接続部612はヘッダチューブの両端にある。液体流体は、各々の列602のヘッダチューブ606の一端から、第4の列602dに進入して、第1の列602aから退出する。
【0047】
図7A~7Cは、単一熱交換器610を形成するべく共に積み重ねられた4つの別個の列602を示しており、あらゆる2つの列602と入口614aと出口614bとの間の液体接続部614は、反対側からの一組の追加の接続チューブ616を通じるものである。図7Cは、第2の列602bから第3の列602cまでの、液体進入口614a、退出口614b、および移行部616を示している左側面図である。第1の列602aと第2の列602bとの間、および第3の列602cと第4の列602dとの間の接続部614は同様である。
【0048】
概して、本開示の熱交換器500、610の実施形態は、任意の液体対気体の熱交換器において用いられ得る。例えば、本開示の熱交換器500、610の実施形態は、データセンターの冷却中にサーバラックの近くにある熱交換器を密連結するために、およびデータセンターのための屋外流体冷却器のためにも用いられ得る。
【0049】
図8Aおよび8Bは、別の実施形態に係る熱交換器の列を例解している。その列は、ヘッダチューブ805a、805bの間に連結された多数の扁平チューブ801を含む。扁平チューブ801は、アルミニウムチューブ、例えば、押出成形されたアルミニウムチューブであり得る。その列は、1つ以上の他の列に接続するためのヘッダ接続具810a、810bも含む。例えば、ヘッダ接続具810aは、第1の他の列上にあるヘッダ接続具に接続することができ、ヘッダ接続具810bは、第2の他の列上にあるヘッダ接続具に接続することができる。ヘッダ接続具810a、810bは、Oリングまたはガスケットおよび1つ以上のボルトまたはネジを介して、他の列上にあるヘッダ接続具に取り付くかまたは接続することができる。図8Aは、それぞれ、各ヘッダチューブ805a、805b上にある3つのヘッダ接続具810a、810bを有する列を例解している。他の実施形態は、より少ないかまたはより多いヘッダ接続具を含み得る。例えば、圧力差を低減するべくより多くのヘッダ接続具を用いることができる。
【0050】
図8Cは、図8Bの区切り線8C-8Cに沿って取られた、図8Aおよび8Bの熱交換器の列の扁平チューブ801の横断面図である。扁平チューブ801は、5つの流路820を含む。扁平チューブ801の他の実施形態は、より少ないかまたはより多い流路820を含み得る。例えば、扁平チューブ801は、1つの流路、2つの流路、3つの流路、または6つの流路を含み得る。
【0051】
図9Aおよび9Bは、この開示のいくつかの実施形態に従って設けられた熱交換器フィン905を例解している。フィン905は、熱交換器の列を通じて流れる空気と、熱交換器を通じて流れる流体、例えば、単相流体との間の熱伝達を増加させるべく、図8A~8Cに例解されている扁平チューブ801の間に配置される。
【0052】
図10Aは、この開示のいくつかの実施形態に従う、図9Aおよび9Bの熱交換器フィンの詳細正面図である。図10Bは、図10Aの区切り線10B-10Bに沿って取られた、図10Aの熱交換器フィンの横断面図である。そのフィンは、直線部分1005、および、例解されている実施形態において、鋸歯模様または形状を有する波部分1010を含む。他の実施形態において、波部分1010は、正弦模様または三角模様を有し得る。
【0053】
図11A~11Dは、本開示の他の実施形態に従って設けられたなお別の熱交換器を例解している。図11Aに示されているように、熱交換器1100は4つの列1101~1104を含む。列1101は、例えば、鑞接工程により共に取り付けられたかまたは接続されたヘッダチューブ1111およびヘッダ接続具1121を含む。列1102は、共に接続された第1のヘッダチューブ1112aおよび第1のヘッダ接続具1122a、および共に接続された第2のヘッダチューブ1112bおよび第2のヘッダ接続具1122bを含む。列1103は、共に接続された第1のヘッダチューブ1113aおよび第1のヘッダ接続具1123a、および共に接続された第2のヘッダチューブ1113bおよび第2のヘッダ接続具1123bを含む。列1104は、共に接続されたヘッダチューブ1114bおよびヘッダ接続具1124を含む。列1102および列1103は、ヘッダ接続具1122aおよび1123aを接続することにより共に接続される。例えば、図11Bに例解されているように、ヘッダ接続具1123aは、穴つまり開口1143a、1144aを含み、ヘッダ接続具1122aは、それを通じて、ヘッダ接続具1122a、1123aを共に接続するべくボルトまたは他の同様の締結具を設置することができる対応する穴を含む。Oリングまたはガスケット1105は、列1101~1104の内側から空気側への漏出に対する封止を提供するべく、ヘッダ接続具1122a、1123aの間に設置され得る。同様に、ヘッダ接続具1121および1122bは共に接続され、ヘッダ接続具1123bおよび1124は共に接続される。
【0054】
共に接続されないそうしたヘッダ接続具が、対応する列、例えば、ヘッダ接続具1111a、1121aの間の流体連通を可能にするために、スペーサ1131がヘッダ接続具1111a、1121aの間に設置される。スペーサ1131は、ヘッダ接続具1111a、1121aをスペーサ1131に取り付けるための締結具を含み得る。
【0055】
図11Cに示されているように、第1の列1101の第1のヘッダチューブ1111aは、流体供給線に接続するための入口接続具つまりチューブスタブ1141を含み、第4の列1104の第4のヘッダチューブ1114aは、流体戻り線に接続するための出口接続具つまりチューブスタブ1142を含む。
【0056】
通常のフィン銅チューブコイルと比較すると、図8A~11Dの熱交換器の実施形態は、空気側および液体側の両方に対してより低い圧力降下を示す。そして、その高い有効性は、空気側と液体側との間に小温度接近を結果的にもたらす。
【0057】
本開示のいくつかの実施形態が図面において示されてきたものの、本開示は専門技術が許すことになるほど範囲において広範であること、および明細書等が同じように読み取られることが意図されているため、本開示がそれらに限定されることは意図されていない。従って、上の記載は、限定するものとしてではなく、単に特定の実施形態の例証として解釈されるべきである。図8C、9、および10の実施形態は、図8または11に示されている熱交換器だけに適用可能なものではなく、図5、6、および7に示されている実施形態にも適用可能であることが熟慮されている。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図6
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図11C
図11D