(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240702BHJP
G07C 9/20 20200101ALI20240702BHJP
G07C 9/27 20200101ALI20240702BHJP
【FI】
G06Q50/10
G07C9/20
G07C9/27
(21)【出願番号】P 2020012834
(22)【出願日】2020-01-29
【審査請求日】2022-11-29
(73)【特許権者】
【識別番号】506026449
【氏名又は名称】株式会社シャノン
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100154748
【氏名又は名称】菅沼 和弘
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】中村 健一郎
(72)【発明者】
【氏名】堀 譲治
【審査官】毛利 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-073890(JP,A)
【文献】国際公開第2018/163822(WO,A1)
【文献】特開2010-152593(JP,A)
【文献】特開2001-273324(JP,A)
【文献】特開2006-099786(JP,A)
【文献】特開2012-054728(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G07C 9/00 - 9/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末と、イベントに来場する来場者に関する来場者情報を管理する管理装置とを有する情報処理システムであって、
前記携帯端末は、
前記来場者の識別子である来場者IDを、該来場者IDを記述したコードから読み取る読取部と、
前記管理装置と通信可能か否かを判定する判定部と、
通信可能であると判定した場合、読み取った前記来場者IDを前記管理装置に送信する送信部と、
通信不可能であると判定した場合、読み取った前記来場者IDを記憶する記憶部とを備え、
前記判定部は、所定の時間間隔ごとに前記管理装置と通信可能か否かを再判定し、
通信可能であると判定した場合、前記送信部は、前記記憶部に記憶した未同期の前記来場者IDを前記管理装置に送信し、
前記管理装置は、
前記来場者が前記イベントに来場する前に予め、前記来場者IDと対応付けて前記来場者情報を記憶する第2記憶部と、
前記来場者IDを前記携帯端末から受信した場合、受信した前記来場者IDに基づいて来場を許可するか否かを判定する第2判定部と、
来場を許可すると判定した場合に前記来場者情報を前記携帯端末に送信する第2送信部とを備え、
前記携帯端末は、
前記管理装置から前記来場者情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した
前記来場者情報を表示する表示部と
を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記記憶部は、前記来場者IDを読み取った読取時刻と対応付けて、読み取った前記来場者ID、及び前記管理装置との間の前記来場者IDの同期状態を記憶し、
前記表示部は、同期済みの前記来場者IDと、
前記未同期の前記来場者IDとを識別可能に示す読取履歴画面を表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記携帯端末は、前記記憶部を参照して、
前記未同期の前記来場者IDの件数を集計する集計部を備え、
前記表示部は、前記集計部が集計した前記未同期の
前記来場者IDの件数を表示する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記携帯端末は、
前記イベントが終了したか否かを判定する第3判定部と、
前記イベントが終了したと判定した場合、
前記未同期の前記来場者IDが前記記憶部に記憶されているか否かを判定する第4判定部とを備え、
前記送信部は、
前記未同期の前記来場者IDが記憶されていると判定した場合、
前記未同期の前記来場者IDを前記管理装置に送信する
ことを特徴とする請求項1から3までのいずれか一つに記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記読取部はさらに、前記来場者に応じた要望を表す要望コードを読み取り、
前記表示部は、前記要望コードを表示する
ことを特徴とする請求項1から4までのいずれか一つに記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記管理装置は、
複数の前記携帯端末夫々との間の通信状態を監視する監視部と、
前記携帯端末夫々との通信状態の一覧を出力する出力部と
を備える請求項1から5までのいずれかひとつに記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記第2判定部は、前記携帯端末から新たに受信した前記来場者IDが、既に来場を許可した受信済みの前記来場者の前記来場者IDと重複するか否かを判定する
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項8】
携帯端末と、イベントに来場する来場者に関する来場者情報を管理する管理装置とが処理を実行する情報処理方法であって、
前記携帯端末が、
前記来場者の識別子である来場者IDを、該来場者IDを記述したコードから読み取り、
前記管理装置と通信可能か否かを判定し、
通信可能であると判定した場合、読み取った前記来場者IDを前記管理装置に送信し、
通信不可能であると判定した場合、読み取った前記来場者IDを記憶部に記憶し、
所定の時間間隔ごとに前記管理装置と通信可能か否かを再判定し、
通信可能であると判定した場合、前記記憶部に記憶した前記来場者IDを前記管理装置に送信し、
前記管理装置が、
前記来場者が前記イベントに来場する前に予め、前記来場者IDと対応付けて前記来場者に関する来場者情報を記憶し
ている場合において、
前記来場者IDを前記携帯端末から受信した場合、受信した前記来場者IDに基づいて来場を許可するか否かを判定し、
来場を許可すると判定した場合に、前記来場者IDと対応付けて前記来場者情報を前記携帯端末に送信し、
前記携帯端末は、
前記管理装置から前記来場者情報を取得し、
取得した前記来場者情報を表示部に表示する
処理を実行させる情報処理方法。
【請求項9】
イベントに来場する来場者の識別子である来場者IDを、該来場者IDを記述した来場者用のコードから読み取り、
前記来場者が前記イベントに来場する前に予め、前記来場者IDと対応付けて前記来場者に関する来場者情報を記憶
している管理装置と、ネットワークを経由して通信可能か否かを判定し、
通信可能であると判定した場合、読み取った前記来場者IDを前記管理装置に送信して前記来場者情報を取得し、
通信不可能であると判定した場合、読み取った前記来場者IDを記憶部に記憶し、
所定の時間間隔ごとに前記管理装置と通信可能か否かを再判定し、
通信可能であると判定した場合、前記記憶部に記憶した未同期の前記来場者IDを前記管理装置に送信して前記来場者情報を取得する
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
施設やイベント会場に来場者が来場する際に、来場者識別用のコードを用いて受付を行う技術がある。例えば特許文献1には、来場者が持参した書状に印刷された来場者識別コードを読み込み、読込んだ来場者識別コードを来場者データベースに登録する来場管理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に係る発明は、ネットワークの接続トラブルまたは不安定な通信状態が発生した場合などに、受付を行うことができない恐れがある。
【0005】
一つの側面では、来場者の受付を好適に行うことが可能な情報処理システム等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの側面に係る情報処理システムは、携帯端末と、イベントに来場する来場者に関する来場者情報を管理する管理装置とを有する情報処理システムであって、前記携帯端末は、前記来場者の識別子である来場者IDを、該来場者IDを記述したコードから読み取る読取部と、前記管理装置と通信可能か否かを判定する判定部と、通信可能であると判定した場合、読み取った前記来場者IDを前記管理装置に送信する送信部と、通信不可能であると判定した場合、読み取った前記来場者IDを記憶する記憶部とを備え、前記判定部は、所定の時間間隔ごとに前記管理装置と通信可能か否かを再判定し、通信可能であると判定した場合、前記送信部は、前記記憶部に記憶した未同期の前記来場者IDを前記管理装置に送信し、前記管理装置は、前記来場者IDと対応付けて前記来場者情報を記憶する第2記憶部と、前記来場者IDを前記携帯端末から受信した場合、受信した前記来場者IDに基づいて来場を許可するか否かを判定する第2判定部と、来場を許可すると判定した場合に前記来場者情報を前記携帯端末に送信する第2送信部とを備え、前記携帯端末は、前記管理装置から前記来場者情報を取得する取得部と、前記取得部が取得した来場者情報を表示する表示部とを備える。
【発明の効果】
【0007】
一つの側面では、来場者の受付を好適に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】来場者受付システムの概要を示す説明図である。
【
図3】イベントDBのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
【
図4】来場者管理DBのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
【
図5】来場者DBのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
【
図7】読取履歴DBのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
【
図8】来場者情報表示用DBのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
【
図9】来場者受付システムの処理動作を示す機能ブロック図である。
【
図10】イベントに来場する来場者を登録する際の処理手順を示すフローチャートである。
【
図11】イベントに来場した来場者を受け付ける際の処理手順を示すフローチャートである。
【
図12】イベントに来場した来場者を受け付ける際の処理手順を示すフローチャートである。
【
図13】サーバと通信可能か否かを判定するサブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
【
図14】来場者の受付画面の一例を示す説明図である。
【
図16】未同期の来場者IDのアラート表示に関する説明図である。
【
図17】イベントが終了した場合に未同期の来場者IDを一括送信する際の処理手順を示すフローチャートである。
【
図18】実施形態3の来場者DBのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
【
図19】要望コード及び来場者情報を表示する際の処理手順を示すフローチャートである。
【
図20】実施形態4のサーバの構成例を示すブロック図である。
【
図21】端末監視DBのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
【
図22】通信状態の一覧画面の一例を示す説明図である。
【
図23】端末との通信状態の一覧を出力する際の処理手順を示すフローチャートである。
【
図24】未同期の来場者IDを最終確認するアラート表示に関する説明図である。
【
図25】未同期の来場者IDを最終確認する際の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明をその実施形態を示す図面に基づいて詳述する。
【0010】
(実施形態1)
実施形態1は、来場者に事前に配布した識別用のコードを用いて、イベントに来場する来場者の受付を行う形態に関する。
図1は、来場者受付システムの概要を示す説明図である。本実施形態のシステムは、管理装置1及び携帯端末2を含み、各装置はインターネット等のネットワークNを介して情報の送受信を行う。
【0011】
管理装置1は、種々の情報に対する処理、記憶及び送受信を行う情報処理装置である。管理装置1は、例えばサーバ装置、パーソナルコンピュータ等である。本実施形態において、管理装置1はサーバ装置であるものとし、以下では簡潔のためサーバ1と読み替える。
【0012】
携帯端末2は、イベントに来場する来場者の識別子である来場者IDを記述した来場者用のコードの読取、及び当該コードから読み取った来場者IDのサーバ1への送信を行う端末装置である。携帯端末2は、例えばスマートフォン、タブレット等の情報処理機器である。または、携帯端末2は、コードを読み取り可能な専用の読取モジュールが設けされた端末装置であっても良い。以下では簡潔のため、携帯端末2を端末2と読み替える。
【0013】
例えば端末2は、複数の出展者がブースを出展する展示イベントのように、複数のサブイベント(ブース)が行われるイベントにおいて、来場者の来場をチェックすべく、コードの読取を行う。なお、イベントは展示イベントに限定されず、例えば講演会や音楽ライブなど、その他のイベントであってもよい。端末2は、例えばイベントの主催者、あるいはイベント会場内の個々のブースに出展する出展者が操作し、イベント会場に設置されている所定の受付窓口や、個々のブースにおいてコードの読取を行う。例えば端末2は、イベント開催時にイベント主催者の担当者や個々のサブイベントの開催者(出展者)に貸し出され、イベント終了後に返却される。
【0014】
サーバ1は、イベントに来場する来場者(申込者)に関する情報を来場者IDと対応付けて予め登録(記憶)してあり、来場者IDを記述した来場者用のコードを来場者に事前に発行する。端末2は、サーバ1が来場者に発行した来場者用のコードから来場者IDを読み取り、ネットワークNを経由してサーバ1に送信する。
【0015】
本実施の形態で端末2は、来場者IDを読み取った際に、例えばイベント会場内のアクセスポイントに不具合が生じている場合など、サーバ1に来場者IDを送信できない場合、来場者IDを一時的に記憶する。そして端末2は、通信が復旧し次第、来場者IDを送信してサーバ1と同期し、当該来場者IDに対応する来場者情報を取得する。
【0016】
なお、本実施形態で「同期」とは、端末2からサーバ1に来場者IDを送信するだけでなく、後述のように、当該来場者IDの送信に対してサーバ1から返信される筈のデータ(後述の判定結果及び来場者情報)を未取得の状態も含み得る。この点について、詳細は後述する。
【0017】
図2は、サーバ1の構成例を示すブロック図である。サーバ1は、制御部11、記憶部12、通信部13、入力部14、表示部15、読取部16及び大容量記憶部17を含む。各構成はバスBで接続されている。
【0018】
制御部11はCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等の演算処理装置を含み、記憶部12に記憶された制御プログラム1Pを読み出して実行することにより、サーバ1に係る種々の情報処理、制御処理等を行う。なお、
図2では制御部11を単一のプロセッサであるものとして説明するが、マルチプロセッサであっても良い。
【0019】
記憶部12はRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ素子を含み、制御部11が処理を実行するために必要な制御プログラム1P又はデータ等を記憶している。また、記憶部12は、制御部11が演算処理を実行するために必要なデータ等を一時的に記憶する。通信部13は通信に関する処理を行うための通信モジュールであり、ネットワークNを介して、端末2等との間で情報の送受信を行う。
【0020】
入力部14は、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン等の入力デバイスであり、受け付けた操作情報を制御部11へ出力する。表示部15は、液晶ディスプレイ又は有機EL(electroluminescence)ディスプレイ等であり、制御部11の指示に従い各種情報を表示する。
【0021】
読取部16は、CD(Compact Disc)-ROM又はDVD(Digital Versatile Disc)-ROMを含む可搬型記憶媒体1aを読み取る。制御部11が読取部16を介して、制御プログラム1Pを可搬型記憶媒体1aより読み取り、大容量記憶部17に記憶しても良い。また、ネットワークN等を介して他のコンピュータから制御部11が制御プログラム1Pをダウンロードし、大容量記憶部17に記憶しても良い。さらにまた、半導体メモリ1bから、制御部11が制御プログラム1Pを読み込んでも良い。
【0022】
大容量記憶部17は、例えばHDD(Hard disk drive:ハードディスク)、SSD(Solid State Drive:ソリッドステートドライブ)等の記録媒体を備える。大容量記憶部17は、イベントDB(データベース:database)171、来場者管理DB172及び来場者DB173を含む。イベントDB171は、イベントに関する情報を記憶している。来場者管理DB172は、イベントに来場する来場者を管理する管理情報を記憶している。来場者DB173は、来場者に関する情報を記憶している。
【0023】
なお、本実施形態において記憶部12及び大容量記憶部17は一体の記憶装置として構成されていても良い。また、大容量記憶部17は複数の記憶装置により構成されていても良い。更にまた、大容量記憶部17はサーバ1に接続された外部記憶装置であっても良い。
【0024】
なお、本実施形態では、サーバ1は一台の情報処理装置であるものとして説明するが、複数台により分散して処理させても良く、または仮想マシンにより構成されていても良い。
【0025】
図3は、イベントDB171のレコードレイアウトの一例を示す説明図である。イベントDB171は、イベントID列、イベント名列、プログラム列、開催場所列、開催日列、開催開始時間列、開催終了時間列、申込開始日時列、申込終了日時列、受付開始時間列、受付終了時間列、サブイベントID列、サブイベント名称列を含む。
【0026】
イベントID列は、各イベントを識別するために、一意に特定されるイベントのIDを記憶している。イベント名列は、イベントの名称を記憶している。プログラム列は、イベントのプログラム(内容)を記憶している。開催場所列は、イベントを開催する場所を記憶している。開催日列は、イベントを開催する日を記憶している。
【0027】
開催開始時間列は、イベントの開催の開始時間を記憶している。開催終了時間列は、イベントの開催の終了時間を記憶している。申込開始日時列は、イベントを申し込む開始日時を記憶している。申込終了日時列は、イベントを申し込む終了日時を記憶している。受付開始時間列は、イベントを受け付ける開始時間を記憶している。受付終了時間列は、イベントを受け付ける終了時間を記憶している。
【0028】
サブイベントID列は、イベント内のサブイベント(例えば出展ブース)を一意に特定するサブイベントIDを記憶している。サブイベント名称列は、サブイベントの名称を記憶している。
【0029】
図4は、来場者管理DB172のレコードレイアウトの一例を示す説明図である。来場者管理DB172は、イベントID列、来場者ID列、申込状態列、受付状態列、サブイベントID列を含む。イベントID列は、イベントを特定するイベントIDを記憶している。来場者ID列は、来場者を特定する来場者IDを記憶している。申込状態列は、イベント来場の申し込み状態を記憶している。申込状態列には、例えば「申込済み」、「キャンセル」等が記憶される。受付状態列は、来場者の受付状態を記憶している。受付状態列には、例えば「来場済み」、「未受付」等が記憶される。サブイベントID列は、来場者が来場済みのサブイベントを特定するサブイベントIDを記憶している。
【0030】
図5は、来場者DB173のレコードレイアウトの一例を示す説明図である。来場者DB173は、来場者ID列、イベントID列、サブイベントID列、来場者名列、来場者人数列、会社列、属性列及びメールアドレス列を含む。来場者ID列は、各来場者を識別するために、一意に特定される来場者のIDを記憶している。イベントID列は、イベントを特定するイベントIDを記憶している。サブイベントID列は、来場者が来場するサブイベントを特定するサブイベントIDを記憶している。来場者名列は、来場者の名前を記憶している。また、一つの来場者IDを複数の来場者(複数人)が同時に利用することができる。
【0031】
来場者人数列は、一つの来場者IDに応じて、イベントに来場した人数を記憶している。会社列は、来場者が勤務している会社の名称を記憶している。属性列は、来場者の属性に応じた属性情報を記憶している。属性情報は、例えばイベントが製品の展示会である場合、「VIP(Very Important Person)会員」、「製品A購入顧客」等で表現され得る。メールアドレス列は、来場者と連絡用のメールアドレスを記憶している。
【0032】
なお、上述した各DBの記憶形態は一例であり、データ間の関係が維持されていれば、他の記憶形態であっても良い。
【0033】
図6は、端末2の構成例を示すブロック図である。端末2は、制御部21、記憶部22、通信部23、入力部24、表示部25、時計部26、補助記憶部27、撮影部28及びコード読取部29を含む。各構成はバスBで接続されている。
【0034】
制御部21はCPU、MPU等の演算処理装置を含み、記憶部22に記憶された制御プログラム2Pを読み出して実行することにより、端末2に係る種々の情報処理、制御処理等を行う。なお、
図6では制御部21を単一のプロセッサであるものとして説明するが、マルチプロセッサであっても良い。記憶部22はRAM、ROM等のメモリ素子を含み、制御部21が処理を実行するために必要な制御プログラム2P又はデータ等を記憶している。また、記憶部22は、制御部21が演算処理を実行するために必要なデータ等を一時的に記憶する。
【0035】
通信部23はワイヤレス無線WAN(Wide Area Network)を利用して通信に関する処理を行うための通信モジュールであり、ネットワークNを介して、サーバ1等と情報の送受信を行う。無線WANは、通信規格4G(Generation)若しくは5GであるLTE(Long Term Evolution)等の携帯電話回線を通じて事業者の通信網に接続するためのネットワークであり、契約者に提供される。入力部24は、キーボード、マウスまたは表示部25と一体化したタッチパネルでも良い。表示部25は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等であり、制御部21の指示に従い各種情報を表示する。
【0036】
時計部26は、時刻又は経過時間等を計時しており、制御部21からの求めに応じて、計時結果を制御部21に与える回路である。また、時計部26はタイマ機能を提供する。タイマ機能は開始を指示されてから、予め設定した時間が経過した場合、その旨を制御部21に通知する機能である。又は、タイマ機能は開始を指示されてから、予め設定した時間が経過したか否かを、制御部21からの問い合わせに対して回答する機能である。
【0037】
補助記憶部27は、例えばHDD、SSD等の記録媒体を備える。補助記憶部27は、読取履歴DB271及び来場者情報表示用DB272を含む。読取履歴DB271は、来場者IDを記述したコードから読み取った履歴情報を記憶している。来場者情報表示用DB272は、イベントに来場する来場者に関する来場者情報を記憶している。なお、本実施形態において記憶部22及び補助記憶部27は一体の記憶装置として構成されていても良い。また、補助記憶部27は複数の記憶装置により構成されていても良い。更にまた、補助記憶部27は端末2に接続された外部記憶装置であっても良い。
【0038】
撮影部28は、例えばCCD(Charge Coupled Device)カメラ、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラ等の撮影装置である。なお、撮影部28は、複数の撮影装置により構成されても良い。なお、撮影部28は端末2に内蔵せず、外部で直接に端末2と接続し、撮影可能な構成としても良い。コード読取部29は、2次元コード、1次元コード等を読み取るための読取専用モジュールである。なお、コードの読取については後述する。
【0039】
図7は、読取履歴DB271のレコードレイアウトの一例を示す説明図である。読取履歴DB271は、イベントID列、来場者ID列、来場日時列及び状態列を含む。イベントID列は、イベントを特定するイベントIDを記憶している。来場者ID列は、来場者を特定する来場者IDを記憶している。来場日時列は、来場者がイベントに来場した日時情報を記憶している。
【0040】
状態列は、コードから読み取った来場者IDの同期状態を記憶している。同期状態は、例えば「送信済み」、「未送信」、「送信エラー」及び「読取エラー」状態で表される。「送信済み」状態は、来場者IDをサーバ1に送信して来場者情報を取得した同期済みの状態である。「未送信」状態は、通信不可能と判定したことにより来場者IDを未送信の状態である。「送信エラー」状態は、送信時に回線不調等が発生し、送信に失敗した状態である。「読取エラー」状態は、不正な来場者コードであることを表す。
【0041】
図8は、来場者情報表示用DB272のレコードレイアウトの一例を示す説明図である。来場者情報表示用DB272は、来場者ID列、会社名称列、来場者名列、来場者人数列及び属性列を含む。来場者ID列は、来場者を特定する来場者IDを記憶している。会社名称列は、来場者が勤務している会社の名称を記憶している。来場者名列は、来場者の名前を記憶している。来場者人数列は、一つの来場者IDに応じて、イベントに来場した人数を記憶している。属性列は、来場者の属性に応じた属性情報を記憶している。
【0042】
なお、上述した各DBの記憶形態は一例であり、データ間の関係が維持されていれば、他の記憶形態であっても良い。
【0043】
図9は、来場者受付システムの処理動作を示す機能ブロック図である。先に、サーバ1が行う来場者(申込者)の登録及び来場者用のコードの発行処理を説明する。サーバ1は、イベントに来場する来場者に関する情報を来場者IDと対応付けて予め来場者DB173に登録してある。具体的には、サーバ1は、来場者IDを割り振って、イベントID、来場者の名前、来場者人数、会社、属性情報(例えば、VIP等)及びメールアドレスを一つのレコードとして来場者DB173に記憶している。
【0044】
サーバ1は、来場者IDを記述した来場者用のコードを来場者に発行する。コードは、例えば、2次元コード、1次元コード等である。2次元コードは、横方向にしか情報を持たない1次元コードに対し、水平方向と垂直方向に情報を持つ表示方式のコードである。代表的な2次元コードは、例えばQRコード(登録商標)、DataMatrix(登録商標)又はVeriCode(登録商標)である。1次元コードは、例えばバーコードである。本実施の形態では一例として、2次元コードを読み取るものとして説明する。
【0045】
具体的には、サーバ1は、イベントIDに基づき、二次元コードを発行する対象となる来場者の来場者IDを来場者DB173から取得する。サーバ1は、二次元コードの生成ライブラリを利用し、来場者IDを含む来場者用の二次元コードを生成する。なお、二次元コードの中に埋め込まれる項目は、上述した来場者IDに限らず、実際のニーズに応じて任意の項目が設定されても良い。
【0046】
サーバ1は、イベントIDに対応付けて、来場者ID、申込状態及び受付状態を一つのレコードとして来場者管理DB172に記憶する。なお、来場者の初期登録の場合、受付状態列に「未受付」が記憶される。
【0047】
サーバ1は、生成した来場者用の二次元コードを該当する来場者に送信する。なお、来場者用の二次元コードをメール、SNS(Social Networking Service)またはSMS(Short Message Service)等を利用して来場者に送信しても良い。または、来場者用の二次元コードを印刷して郵送等により来場者に送付しても良い。
【0048】
続いて、端末2においてイベントに来場した来場者を受け付ける処理を説明する。まず、端末2は、来場者用の二次元コードを読み取る。端末2は、二次元コードの解析ライブラリを利用し、読み取った二次元コードから来場者IDを取得する。
【0049】
次に、端末2は、サーバ1と通信可能か否かを判定する。具体的には、端末2は、端末2の中の制御プログラム2Pの一つの機能である接続回線取得API(Application Programming Interface)を利用して、ネットワークNの通信状態に関する情報を取得する。接続回線は、通信規格4G若しくは5GであるLTE通信回線、または、Wi-Fi(登録商標)等の無線通信回線を含む。端末2は、ネットワークNの通信状態に応じて、サーバ1と通信可能であるか否かを判定する。
【0050】
例えば端末2は、通信状態に関する情報として、接続回線の種類、該接続回線の電波の受信レベルなどのデータを取得する。電波の受信レベルは、スマートフォン、携帯電話またはデータ通信端末等をネットワークNに接続し、端末の置かれた位置の電波の受信状態を確認するための情報である。電波の受信レベルは、例えば圏外、レベル0、レベル1、レベル2及びレベル3を含み、順次に電波の強度が強くなる。
【0051】
例えば、端末2は、取得した電波の受信レベルが圏外である場合、通信不可能であると判定する。端末2は、取得した電波の受信レベルがレベル0である場合、通信が不安定になっている可能性が高いため、通信不可能であると判定しても良い。端末2は、取得した電波の受信レベルがレベル1~3である場合、ネットワークNに通信可能であると判定する。
【0052】
端末2は、通信可能であると判定した場合、二次元コードから読み取った来場者IDをサーバ1に送信する。サーバ1は、端末2から送信された来場者IDを受信する。サーバ1は、受信した来場者IDに基づき、来場を許可するか否かを判定する。
【0053】
先ず、サーバ1は、来場者がイベントへの参加を申し込んだか否かを判定する。具体的には、サーバ1は、来場者ID及びイベントIDに基づき、来場者管理DB172から該来場者の申込状態を取得する。サーバ1は、取得した申込状態が「申込済み」であると判定した場合、来場者がイベントの参加に申し込んだと判定する。サーバ1は、取得した申込状態が「申込済み」以外であると判定した場合、来場者をイベントの参加に申し込んでいないと判定する。
【0054】
次に、サーバ1は、重複来場であるか否かを判定する。具体的には、来場者ID及びイベントIDに基づき、来場者管理DB172から該来場者の受付状態を取得する。サーバ1は、取得した受付状態が「来場済み」であると判定した場合、重複来場であると判定する。サーバ1は、取得した受付状態が「未申込」であると判定した場合、重複来場でないと判定する。
【0055】
サーバ1は、来場者がイベントへの参加を申込済みであり、かつ、重複来場でないと判定した場合、来場を許可すると判定する。この場合、サーバ1は、来場者IDに基づき、来場者DB173から来場者情報を取得する。来場者情報は、来場者が属する会社名称、来場者の名前、来場者人数及び来場者の属性(例えば、VIP会員、製品A購入顧客等)を含む。サーバ1は、イベントID及び来場者IDに基づき、来場者管理DB172の受付状態列を「来場済み」に更新する。サーバ1は、取得した来場者情報を端末2に送信する。
【0056】
なお、本実施の形態では来場者が事前に申込を行っているか否かをチェックするものとするが、一連の判定処理において、申込の有無は判定せずともよい。この場合、例えばサーバ1は、重複来場であるか否かのみを判定し、申込の有無については判定処理をスキップする。このように、申込の有無を判定する構成は必須ではない。
【0057】
端末2は、サーバ1から送信された来場者情報を受信して表示する。端末2は、二次元コードの読取履歴を読取履歴DB271に記憶する。具体的には、端末2は、来場日時(来場者IDを読み取った読取時刻)に対応付けて、イベントID、来場者ID及び「送信済み」状態を一つのレコードとして読取履歴DB271に記憶する。端末2は、来場者情報を来場者情報表示用DB272に記憶する。具体的には、端末2は、来場者ID、会社名称、来場者名、来場者人数及び属性を一つのレコードとして来場者情報表示用DB272に記憶する。
【0058】
サーバ1は、来場者がイベントへの参加を申込済みでない、または重複来場であると判定した場合、来場を許可しないと判定する。この場合、サーバ1は来場者情報を端末2に送信せず、来場を許可しない旨の読取エラーメッセージを端末2に送信する。端末2は、サーバ1から送信された読取エラーメッセージに応じて、来場者IDの送信状態を「読取エラー」として二次元コードの読取履歴を読取履歴DB271に記憶する。具体的には、端末2は、来場日時に対応付けて、イベントID、来場者ID及び「読取エラー」状態を一つのレコードとして読取履歴DB271に記憶する。上記の処理によって、サーバ1及び端末2は来場者IDに基づく同期を行い、来場を許可するか否かの判定結果と、来場を許可された来場者の来場者情報とを共有する。
【0059】
一方で、ネットワークNの通信状態に応じてサーバ1と通信不可能であると判定した場合、端末2は、二次元コードから読み取った来場者ID(未同期の来場者ID)を読取履歴DB271に記憶する。具体的には、端末2は、来場日時に対応付けて、イベントID、来場者ID及び「未送信」状態を一つのレコードとして読取履歴DB271に記憶する。
【0060】
未送信の来場者IDをサーバ1に再送信するため、端末2はタイマを起動して経過時間を計算する。端末2は、所定の時間間隔(例えば、10秒)を経過したと判断した場合、サーバ1と通信可能か否かを再判定する。端末2は、サーバ1と通信可能であると判定した場合、来場者IDをサーバ1に再送信する。なお、通信の再判定処理及び来場者IDの再送信処理に関しては、上述した処理と同様であるため、説明を省略する。
【0061】
このように、端末2は、通信状態の悪化などの理由でサーバ1に来場者IDを送信できない場合に、「未送信」として来場者IDを一時的に記憶し、通信が復旧し次第、送信を再開する。これにより、例えばイベント会場によっては通信状態が悪い場合などであっても、来場者の受付を滞りなく行うことができる。
【0062】
なお、上記ではネットワークNの通信状態に応じてサーバ1に来場者IDが送信できない場合を説明したが、例えばサーバ1自体がダウンするなど、通信状態以外の原因でサーバ1との通信を行うことができない場合もあり得る。そこで端末2は、上記の通信状態の判定以外に、サーバ1からの返信の有無(判定結果の受信の有無)に応じて来場者IDを一時記憶し、サーバ1に再送信する処理も並行して行う。
【0063】
例えば端末2はタイマを起動して、来場者IDを送信してから所定の時間間隔(例えば、5秒)が経過したか否かを判定する。端末2は、所定の時間間隔が経過し、かつ、サーバ1に送信した来場者IDに対応する判定結果及び来場者情報をサーバ1から受信していないと判定した場合、来場者IDの送信状態を「送信エラー」として二次元コードの読取履歴を読取履歴DB271に記憶する。具体的には、端末2は、来場日時に対応付けて、イベントID、来場者ID及び「送信エラー」状態を一つのレコードとして読取履歴DB271に記憶する。
【0064】
その後、端末2は、上記の送信間隔よりも長い所定の時間間隔(例えば1時間)が経過した場合、「エラー」とした来場者IDをサーバ1に再送信する。そして端末2は判定結果及び来場者情報をサーバ1から受信したか否かを再判定し、「エラー」の状態が継続する限り来場者IDを再送信する。このように、端末2は、ネットワークNの通信状態が原因で未同期となっている来場者IDだけでなく、サーバ1側の原因で未同期となっている来場者IDを特定し、当該来場者IDを送信して同期を行う。来場者IDの同期に成功した場合、端末2は、イベントID及び来場者IDに基づき、読取履歴DB271の状態列を「送信済み」に更新する。サーバ1は、イベントID及び来場者IDに基づき、来場者管理DB172の受付状態列を「来場済み」に更新する。これにより、通信状態以外の原因で未同期となっている来場者IDも好適に処理することができる。
【0065】
イベントに来場した来場者は、イベント会場に設置されている所定の受付窓口にて上記の二次元コードの読取を行い、来場の認証を受けてイベント会場に入場する。その後、来場者は個々のサブイベント(例えば出展ブース)に参加する。ここで、各サブイベントの開催者(出展者)もイベント主催者から端末2の貸し出しを受け、二次元コードの読取を行う。なお、各サブイベントにおいても来場者の認証を行っても良いが、上述の如く受付窓口において来場者の認証が完了しているため、各サブイベントでは来場者IDに基づく認証は行わない。二次元コードの読取を行った場合、来場者ID及びサブイベントIDと紐付けてサブイベントへの来場履歴が来場者管理DB172にレコードされる(
図4参照)。
【0066】
本実施の形態においてサーバ1は、来場者管理DB172で管理する各来場者の来場状況を所定のファイルにまとめて出力する機能を有する。具体的には、サーバ1は、各サブイベントの開催者(出展者)からの要求を受けて、サブイベントへの各来場者の来場の有無等を、CSV(comma-separated values)、Excel(登録商標)等の形式で一覧化したファイルを生成し、出力する。
【0067】
例えばサーバ1は、サブイベントの開催者に貸し出した端末2、あるいは他の端末装置からサブイベントIDを指定したファイルの出力要求を受け付ける。出力要求を受け付けた場合、サーバ1は、サブイベントIDに対応する来場者の来場履歴を来場者管理DB172から参照して、サブイベントへの来場者の来場の有無、及び当該来場者に関する来場者情報を一覧化したファイルを生成し、要求元の端末装置に出力する。サブイベントの開催者は、当該ファイルをダウンロードすることで、サブイベントに来場した来場者に関するデータ納品を受けることができる。特に本実施の形態では、端末2をサブイベントの開催者に貸し出し、イベントの受付窓口での読取と並行してサブイベントでの読取も同時に記録しているため、サブイベントの開催者はイベント開催中に、リアルタイムで来場予定の来場者の状況を確認することができる。
【0068】
図10は、イベントに来場する来場者を登録する際の処理手順を示すフローチャートである。サーバ1の制御部11は、イベントに来場する来場者(申込者)に関する情報を取得する(ステップS101)。例えば、制御部11は、申込者による申込フォーム若しくはメール経由での申込を通信部13により受け付けても良く、または郵送での申込書に基づいて申込者の情報の入力を入力部14により受け付けても良い。来場者に関する情報は、イベントID、来場者の名前、来場者人数、会社、属性情報及びメールアドレスを含む。
【0069】
制御部11は、来場者に関する情報を来場者IDと対応付けて予め大容量記憶部17の来場者DB173に登録する(ステップS102)。制御部11は、イベントIDに基づき、二次元コードを発行する対象となる来場者の来場者IDを大容量記憶部17の来場者DB173から取得する(ステップS103)。制御部11は、二次元コードの生成ライブラリを利用し、来場者IDを記述した来場者用の二次元コードを生成する(ステップS104)。
【0070】
制御部11は、イベントIDに対応付けて、来場者ID、申込状態及び受付状態を一つのレコードとして来場者管理DB172に記憶する(ステップS105)。制御部11は、生成した来場者用の二次元コードを来場者に発行する(ステップS106)。例えば、制御部11は来場者IDに基づき、来場者DB173から来場者のメールアドレスを取得する。制御部11は、生成した来場者用の二次元コードを通信部13によりメールアドレス宛に送信する。または、例えば制御部11は、PDF(Portable Document Format)生成ライブラリを利用し、生成した来場者用の二次元コードをPDFに出力しても良い。
【0071】
図11及び
図12は、イベントに来場した来場者を受け付ける際の処理手順を示すフローチャートである。端末2の制御部21は、撮影部28またはコード読取部29を介して、来場者用の二次元コードを読み取る(ステップS211)。制御部21は、二次元コードの解析ライブラリを利用し、読み取った二次元コードから来場者IDを取得する(ステップS212)。
【0072】
制御部21は、ネットワークN経由でサーバ1と通信可能か否かの通信判定処理を行う(ステップS213)。なお、通信判定のサブルーチンについては後述する。制御部21は、通信判定処理の判定結果に基づき、サーバ1と通信可能か否かを判定する(ステップS214)。制御部21は、サーバ1と通信可能であると判定した場合(ステップS214でYES)、二次元コードから読み取った来場者IDを通信部23によりサーバ1に送信する(ステップS215)。
【0073】
サーバ1の制御部11は、通信部13を介して、端末2から送信された来場者IDを受信する(ステップS111)。制御部11は、来場者ID及びイベントIDに基づき、来場者管理DB172から該来場者の申込状態を取得し、取得した申込状態に基づいて来場者がイベントの参加に申し込んだか否かを判定する(ステップS112)。なお、ステップS112の判定処理ステップはスキップしてもよい。
【0074】
制御部11は、来場者がイベントの参加に申し込んでいないと判定した場合(ステップS112でNO)、制御部11は処理をステップS111に戻す。制御部11は、来場者がイベントの参加に申し込んだと判定した場合(ステップS112でYES)、来場者ID及びイベントIDに基づき、来場者管理DB172から該来場者の受付状態を取得し、取得した受付状態に基づいて来場者が重複来場であるか否かを判定する(ステップS113)。制御部11は、来場者が重複来場であると判定した場合(ステップS113でYES)、制御部11は処理をステップS111に戻す。
【0075】
なお、例えば来場を許可しない場合(ステップS112でNO、またはステップS113でYES)、制御部11は、読取エラーを通信部13により端末2に送信する。端末2は、サーバ1から送信された読取エラーに応じて、来場日時に対応付けて、イベントID、来場者ID及び「読取エラー」状態を一つのレコードとして読取履歴DB271に記憶する。
【0076】
制御部11は、来場者が重複来場でないと判定した場合(ステップS113でNO)、来場者IDに基づき、来場者DB173から来場者情報を取得する(ステップS114)。来場者情報は、来場者が属する会社名称、来場者の名前、来場者人数及び来場者の属性を含む。制御部11は、イベントID及び来場者IDに基づき、来場者管理DB172の受付状態列を「来場済み」に更新する(ステップS115)。制御部11は、通信部13を介して、取得した来場者情報を端末2に送信する(ステップS116)。
【0077】
制御部21は、時計部26によりタイマを起動して所定の時間間隔(例えば、5秒)を経過したか否かを判定する(ステップS216)。制御部21は、所定の時間間隔を経過していないと判定した場合(ステップS216でNO)、制御部21は処理を待機する。制御部21は、所定の時間間隔を経過したと判定した場合(ステップS216でYES)、通信部23を介して、サーバ1から送信された来場者情報を受信したか否かを判定する(ステップS217)。
【0078】
制御部21は、来場者情報を受信したと判定した場合(ステップS217でYES)、制御部21は、読取履歴及び来場者情報を補助記憶部27に記憶する(ステップS218)。具体的には、制御部21は、来場日時に対応付けて、イベントID、来場者ID及び「送信済み」状態を一つのレコードとして読取履歴DB271に記憶する。制御部21は、来場者ID、会社名称、来場者名、来場者人数及び属性を一つのレコードとして来場者情報表示用DB272に記憶する。
【0079】
制御部21は、来場者情報を表示部25により表示する(ステップS219)。制御部21は、来場者情報を受信していないと判定した場合(ステップS217でNO)、来場日時に対応付けて、イベントID、来場者ID及び「送信エラー」状態を一つのレコードとして読取履歴DB271に記憶する(ステップS222)。なお、この場合、制御部21は該来場者の受付に失敗した旨を含むメッセージを表示部25により表示しても良い。その後、制御部11は所定の時間間隔(例えば1時間)が経過したか否かを判定する(ステップS223)。所定の時間間隔が経過していないと判定した場合(ステップS223でNO)、制御部21は処理を待機する。所定の時間間隔が経過したと判定した場合(ステップS223でYES)、制御部21は処理をステップS213に戻す。
【0080】
制御部21は、サーバ1と通信不可能であると判定した場合(ステップS214でNO)、来場日時に対応付けて、イベントID、来場者ID及び「未送信」状態を一つのレコードとして読取履歴DB271に記憶する(ステップS220)。制御部21は、時計部26により所定の時間間隔(例えば、5秒)を経過したか否かを判定する(ステップS221)。制御部21は、所定の時間間隔を経過したと判断した場合(ステップS221でYES)、ステップS213に戻り、サーバ1と通信可能か否かを再判定する。制御部21は、所定の時間間隔を経過していないと判断した場合(ステップS221でNO)、制御部21は処理を待機する。
【0081】
図13は、サーバ1と通信可能か否かを判定するサブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。端末2の制御部21は、接続回線取得APIを利用して、通信状態に関する情報を取得する(ステップS231)。制御部21は、取得した通信状態に関する情報に基づき、ネットワークNに通信可能な回線があるか否かを判定する(ステップS232)。制御部21は、通信可能な回線がないと判定した場合(ステップS232でNO)、ネットワークNに通信不可能である判定結果をもどす(ステップS233)。
【0082】
制御部21は、通信可能な回線があると判定した場合(ステップS232でYES)、制御部21は、該当する通信回線の電波の受信レベルが閾値より大きいか否かを判定する(ステップS234)。通信可能な回線は、例えばLTE通信回線、または無線通信回線等である。電波の受信レベルは、例えば圏外、レベル0、レベル1、レベル2及びレベル3を含み、順次に電波の強度が強くなる。
【0083】
制御部21は、通信回線の電波の受信レベルが閾値(例えば、レベル0)より大きいと判定した場合(ステップS234でYES)、ネットワークNに通信可能である判定結果をもどす(ステップS235)。制御部21は、通信回線の電波の受信レベルが閾値以下であると判定した場合(ステップS234でNO)、制御部21は処理をステップS233に遷移する。
【0084】
なお、上述した処理は、通信判定処理の一例であり、実際の接続回線タイプまたは機種情報等に応じて、任意の通信判定用のアルゴリズムを採用しても良い。例えば端末2は、通信回線の電波の受信レベルを判定せず、通信可能な回線があるか否かのみを判定しても良い。または、端末2は、来場者受付アプリケーションとは別な並列処理(オペレーティングシステム内のスレッド)で常にネットワークが復帰したか否かを監視しておき、ネットワークが復帰した場合、来場者受付アプリケーションにネットワークが復帰した旨を通知して未同期の来場者IDをサーバ1に再送してもよい。
【0085】
図14は、来場者の受付画面の一例を示す説明図である。受付画面は、イベント名20a、件数表示欄20b、来場者表示欄20c、ボタン20d、オブジェクト20eを含む。イベント名20aは、イベントの名称を表示する表示欄である。件数表示欄20bは、来場者用の二次元コードの読取総件数(「総読取」)、来場した人数(「来場」)及び未同期の来場者IDの件数(「未同期」)を表示する表示欄である。来場者表示欄20cは、来場者情報を表示する表示欄である。
【0086】
ボタン20dは、読取モードを切り替えるためのボタンである。読取モードは、来場者用の二次元コードを読み取るコード読取モード、及び来場者ID(受講票ID)を直接入力する直接入力モードを含む。オブジェクト20eは、来場者IDを受け付けるためのボタンまたはテキストフィールドである。直接入力モードの場合、オブジェクト20eは来場者IDを入力するためのテキストフィールドである。コード読取モードの場合、オブジェクト20eは二次元コードを読み取るためのボタンに変わる。
【0087】
端末2は、イベントIDに基づき、読取履歴DB271から読取総件数(同期済みの件数、及び未同期の件数)を集計する。端末2は、来場者情報表示用DB272から来場者人数を集計する。端末2は、イベントIDに基づき、「未送信」又は「エラー」状態である未同期の件数を読取履歴DB271から集計する。端末2は、集計した読取総件数、来場者人数及び未同期の件数を件数表示欄20bに表示する。なお、本実施形態では、「未送信」状態の件数と「エラー」状態の件数との集計件数を未同期の件数として表示する例を説明したが、これに限るものではない。例えば、「未送信」状態の件数及び「エラー」状態の件数それぞれを表示しても良い。
【0088】
端末2は、20dボタンのタッチ操作を受け付けた場合、来場者用の二次元コードを読み取る。端末2は、読み取った二次元コードから来場者IDを取得する。また、端末2は、入力された来場者IDを20eテキストフィールドから直接に受け付けても良い。
【0089】
端末2は、サーバ1との通信判定処理を行う。端末2は、サーバ1と通信可能であると判定した場合、受け付けた来場者IDをサーバ1に送信する。サーバ1は、端末2から送信された来場者IDを受信し、受信した来場者IDに基づいて来場を許可するか否かを判定する。サーバ1は、来場を許可したと判定した場合、来場者IDに基づき、来場者名、来場者人数、会社及び属性等を含む来場者情報を来場者DB173から取得する。
【0090】
サーバ1は、取得した来場者情報を端末2に送信する。端末2は、サーバ1から送信された来場者情報を受信する。端末2は、イベントID及び来場者IDに基づき、来場者日時及び「送信済み」状態を一つのレコードとして読取履歴DB271に記憶する。端末2は、受信した来場者情報を20cに表示する。
【0091】
図15は、読取履歴画面の一例を示す説明図である。件数表示欄20bは、
図14での件数表示欄20bと同様であるため、説明を省略する。読取履歴画面は、読取履歴表示欄21a、送信アイコン21b、未送信アイコン21c、送信エラーアイコン21d、読取エラーアイコン21e、キャンセルアイコン21f、送信抽出ボタン21g、未送信抽出ボタン21h、送信エラー抽出ボタン21i及び読取エラー抽出ボタン21jを含む。
【0092】
読取履歴表示欄21aは、二次元コードの読取履歴を表示する表示欄である。読取履歴表示欄21aに表示される読取履歴は、来場者ID及び二次元コードの読取時刻を含む。送信アイコン21bは、「送信」状態を示すアイコンである。「送信」は、来場者IDの送信に成功した読取履歴である。未送信アイコン21cは、「未送信」状態を示すアイコンである。「未送信」は、回線不調時に来場者IDが読み取られたが、サーバ1に送信されていない状態を表す。
【0093】
送信エラーアイコン21dは、「送信エラー」状態を示すアイコンである。「送信エラー」は、送信時に回線不調等が発生し、送信に失敗した状態を表す。読取エラーアイコン21eは、「読取エラー」状態を示すアイコンである。「読取エラー」は、不正な来場者コードであることを表す。キャンセルアイコン21fは、「キャンセル」状態を示すアイコンである。「キャンセル」は、読み取った来場者IDがキャンセルされたことを表す。なお、上述した各種のアイコンに限らず、実際のニーズに応じて任意のアイコンを設けても良い。
【0094】
送信抽出ボタン21gは、「送信」状態の読取履歴のみを表示するためのボタンである。未送信抽出ボタン21hは、「未送信」状態の読取履歴のみを表示するためのボタンである。送信エラー抽出ボタン21iは、「送信エラー」状態の読取履歴のみを表示するためのボタンである。読取エラー抽出ボタン21jは、「読取エラー」状態の読取履歴のみを表示するためのボタンである。端末2は、イベントIDに基づき、来場者ID、来場日時情報及び同期状態を読取履歴DB271から取得する。端末2は、取得した来場者ID及び来場日時情報を、読取履歴表示欄21aに表示する。端末2は、取得した来場者IDに対応する同期状態に基づき、該当するアイコンを表示する。
【0095】
端末2は、送信抽出ボタン21gのタッチ操作を受け付けた場合、読取履歴DB271から取得した読取履歴から「送信」状態に対応する読取履歴を抽出する。端末2は、未送信抽出ボタン21hのタッチ操作を受け付けた場合、読取履歴DB271から取得した読取履歴から「未送信」状態に対応する読取履歴を抽出する。端末2は、送信エラー抽出ボタン21iのタッチ操作を受け付けた場合、読取履歴DB271から取得した読取履歴から「送信エラー」状態に対応する読取履歴を抽出する。端末2は、読取エラー抽出ボタン21jのタッチ操作を受け付けた場合、読取履歴DB271から取得した読取履歴から「読取エラー」状態に対応する読取履歴を抽出する。端末2は、抽出した読取履歴を読取履歴表示欄21aに表示する。
【0096】
本実施形態によると、来場者IDを記述したコードを読み取ることにより、イベントに来場する来場者を受け付けることが可能となる。
【0097】
本実施形態によると、来場者を受け付ける端末2はサーバ1と接続できない場合、来場者IDを記憶し、通信状況を回復する後に再送信することが可能となる。
【0098】
本実施形態によると、ネットワークNの通信状態不調時、またはサーバ1上のシステムダウン時に来場者の受付を継続させることが可能となる。
【0099】
本実施形態によると、現地の環境に依存せず、端末2上で来場者の受付を行うことが可能となる。
【0100】
本実施形態によると、来場者IDを送信済みの状態、来場者IDを未送信の状態、または来場者情報を未取得の状態を識別可能に読取履歴画面に表示することにより、来場者の受付状況を分かり易く把握することが可能となる。
【0101】
(実施形態2)
実施形態2は、イベントが終了した場合、未同期の来場者IDをサーバ1に一括送信する形態に関する。なお、実施形態1と重複する内容については説明を省略する。
【0102】
実施形態1では、「未送信」又は「エラー」の状態になっている来場者IDをサーバ1に随時送信する旨を説明した。一方で、ネットワークNの通信やサーバ1が復旧せずに、来場者IDが未同期となったままとなる場合があり得る。そこで本実施形態では、イベント終了時に未同期の来場者IDの一括送信を行う。
【0103】
例えば端末2は、現在時刻とイベントの終了時刻とを比較して、イベントが終了したか否かを判定する。端末2は、イベントが終了したと判定した場合、未同期の来場者IDが読取履歴DB271に記憶されているか否かを判定する。端末2は、未同期の来場者IDが記憶されていると判定した場合、未同期の来場者IDが存在する旨のアラートを表示する。
【0104】
なお、本実施の形態ではイベントの終了時刻を保持し、現在時刻に応じてイベントが終了したか否かを判定するものとするが、本実施の形態はこれに限定されるものではない。例えばイベントが終了した際に読み取るイベント終了処理用コードを予め用意しておき、端末2が当該コードを読み取った場合に、イベントが終了したものと判定してもよい。イベント終了処理用コードは、例えばイベント主催者の担当者や各サブイベントの開催者(ブース出展者)が端末2を返却する返却窓口に用意され、当該窓口においてイベント終了処理用コードを読み取ることで、イベントが終了したと判定する。このように、端末2はイベントが終了したか否かを判定可能であればよく、時刻に基づく判定は必須ではない。
【0105】
図16は、未同期の来場者IDのアラート表示に関する説明図である。例えば端末2は、イベントが終了し、かつ、未同期の来場者IDが記憶されている場合、
図16に示すポップアップ画面を表示し、未同期の来場者IDが存在する旨をアラートする。ポップアップ画面は、未同期の来場者IDが存在する旨のメッセージのほか、送信ボタン22aを含む。送信ボタン22aは、未同期の来場者ID(受講票ID)を一括送信するためのボタンである。端末2は、送信ボタン22aへのタッチ操作を受け付けた場合、端末2はすべての未同期の来場者IDを読取履歴DB271から取得する。端末2は、取得したすべての未同期の来場者IDをサーバ1に送信する。
【0106】
図17は、イベントが終了した場合に未同期の来場者IDを一括送信する際の処理手順を示すフローチャートである。端末2の制御部21は、イベントの開始を入力部24により受け付ける(ステップS251)。制御部21は、該イベントのイベントIDを通信部23によりサーバ1に送信する(ステップS252)。サーバ1の制御部11は、端末2から送信されたイベントIDを通信部13により受信する(ステップS151)。
【0107】
制御部11は、受信したイベントIDに基づき、大容量記憶部17のイベントDB171から該イベントの終了時間を取得する(ステップS152)。制御部11は、取得したイベントの終了時間を通信部13により端末2に送信する(ステップS153)。端末2の制御部21は、サーバ1から送信されたイベントの終了時間を通信部23により受信する(ステップS253)。
【0108】
制御部21は、現時点がイベントの終了時間であるか否かを時計部26により判定する(ステップS254)。制御部21は、現時点がイベントの終了時間でないと判定した場合(ステップS254でNO)、制御部21は処理をステップS254に戻す。制御部21は、現時点がイベントの終了時間であると判定した場合(ステップS254でYES)、未同期の来場者IDが補助記憶部27の読取履歴DB271に記憶されているか否かを判定する(ステップS255)。
【0109】
制御部21は、未同期の来場者IDが記憶されていないと判定した場合(ステップS255でNO)、処理を終了する。制御部21は、未同期の来場者IDが記憶されていると判定した場合(ステップS255でYES)、すべての未同期の来場者IDを読取履歴DB271から取得する(ステップS256)。制御部21は、取得したすべての未同期の来場者IDを通信部23によりサーバ1に送信する(ステップS257)。
【0110】
サーバ1の制御部11は、通信部13を介して、端末2から送信されたすべての未同期の来場者IDを受信する(ステップS154)。制御部11は、受信したそれぞれの未同期の来場者IDに基づき、例えば該当する大容量記憶部17の来場者管理DB172の受付状態列を「イベント終了後の同期済み」に更新する(ステップS155)。
【0111】
本実施形態によると、イベントが終了した場合、未同期の来場者IDをサーバ1に送信することにより、未同期の来場者IDを一括同期することが可能となる。
【0112】
(実施形態3)
実施形態3は、サブイベント(出展ブース)において二次元コードを読み取った場合に、来場者に応じた要望を表す要望コードを表示する形態に関する。なお、実施形態1~2と重複する内容については説明を省略する。要望コードは、イベントに来場する来場者の要望(例えば、当日の説明担当者、興味度合い、配布のカタログ等)を特定するための識別子であり、サブイベントの開催者(出展者)が任意に定義する。サブイベントの開催者は要望コードを確認することで、来場者の要望を迅速に把握することができる。
【0113】
図18は、実施形態3の来場者DB173のレコードレイアウトの一例を示す説明図である。なお、
図5と重複する内容については同一の符号を付して説明を省略する。来場者DB173は、要望コード列を含む。要望コード列は、要望を特定する要望コードを記憶している。
【0114】
上記の様に、サーバ1は、イベントに来場する来場者(申込者)に関する情報として、来場者の要望を来場者IDと対応付けて予め来場者DB173に登録してある。具体的には、サーバ1は、サブイベントの開催者から事前に要望コードの通知を受け、来場者DB173に記憶してある。サーバ1は、来場者IDを割り振って、イベントID、サブイベントID、来場者の名前、会社、属性情報(例えば、VIP等)、メールアドレスと共に、要望コードを一つのレコードとして来場者DB173に記憶する。
【0115】
サーバ1は、来場者用の二次元コードを発行する場合に、来場者IDに加えて、要望コードを記述した来場者用の二次元コードを来場者に発行する。具体的には、サーバ1は、イベントIDに基づき、二次元コードを発行する対象となる来場者の来場者ID及び該来場者IDに対応する要望コードを来場者DB173から取得する。サーバ1は、二次元コードの生成ライブラリを利用し、来場者ID及び要望コードを含む来場者用の二次元コードを生成する。
【0116】
サーバ1は、イベントID及びサブイベントIDに対応付けて、来場者ID、申込状態及び受付状態を一つのレコードとして来場者管理DB172に記憶する。サーバ1は、生成した来場者用の二次元コードを、メールまたはSNS等を利用して該当する来場者に送信する。
【0117】
端末2は、来場者用の二次元コードを読み取る。この場合に端末2は、来場者ID以外に、要望コードを二次元コードから取得する。なお、要望コードを上述した来場者用の二次元コードと別の二次元コードから取得しても良い。端末2は、二次元コードから読み取った来場者IDをサーバ1に送信する。サーバ1は、端末2から送信された来場者IDを受信し、来場者情報を返信する。
【0118】
端末2は、サーバ1から送信された来場者情報を受信して表示すると共に、二次元コードから読み取った要望コードを併せて表示する。サブイベントの開催者は、自らが管理する要望コード及び要望内容のテーブル(対応表)を確認して、来場者の要望内容を把握する。
【0119】
なお、要望コードに対応する要望内容をサーバ1または端末2が保持しておき、端末2が要望内容を表示可能としても良い。
【0120】
図19は、要望コード及び来場者情報を表示する際の処理手順を示すフローチャートである。なお、端末2がサーバ1と通信可能か否かを判定する処理を省略し、サーバ1と通信可能である前提条件として説明する。
【0121】
端末2の制御部21は、撮影部28またはコード読取部29を介して、来場者用の二次元コードを読み取る(ステップS271)。制御部21は、二次元コードの解析ライブラリを利用し、読み取った二次元コードから来場者ID及び要望コードを取得する(ステップS272)。制御部21は、二次元コードから読み取った来場者IDを通信部23によりサーバ1に送信する(ステップS273)。
【0122】
サーバ1の制御部11は、通信部13を介して、端末2から送信された来場者IDを受信する(ステップS171)。制御部11は、来場者IDに基づいて来場者DB173から来場者情報を取得する(ステップS172)。制御部11は、通信部13を介して、取得した来場者情報を端末2に送信する(ステップS173)。
【0123】
端末2の制御部21は、サーバ1から送信された来場者情報を通信部23により受信し(ステップS274)、要望コードと受信した来場者情報とを表示部25により表示する(ステップS275)。制御部21は、二次元コードの読取履歴を読取履歴DB271に記憶し、来場者情報を来場者情報表示用DB272に記憶する(ステップS276)。
【0124】
本実施形態によると、イベントに来場する来場者の要望コードを表示することにより、来場者の要望を迅速に把握することが可能となる。
【0125】
(実施形態4)
実施形態4は、サーバ1は、複数の端末2それぞれとの間の通信状態を監視し、端末2それぞれとの通信状態の一覧を出力する形態に関する。なお、実施形態1~3と重複する内容については説明を省略する。
【0126】
図20は、実施形態4のサーバ1の構成例を示すブロック図である。なお、
図2と重複する内容については同一の符号を付して説明を省略する。サーバ1は、時計部18を含む。時計部18は、時刻又は経過時間等を計時しており、制御部11からの求めに応じて、計時結果を制御部11に与える回路である。また、時計部18はタイマ機能を提供する。タイマ機能は開始を指示されてから、予め設定した時間が経過した場合、その旨を制御部11に通知する機能である。又は、タイマ機能は開始を指示されてから、予め設定した時間が経過したか否かを、制御部11からの問い合わせに対して回答する機能である。大容量記憶部17には、端末監視DB174が記憶されている。端末監視DB174は、監視対象となる複数の端末に関する情報を記憶している。
【0127】
図21は、端末監視DB174のレコードレイアウトの一例を示す説明図である。端末監視DB174は、端末ID列、端末名列、最終アプリログイン日時列、最終読取日時列及び状態列を含む。端末ID列は、各監視対象となる端末を識別するために、一意に特定される端末のIDを記憶している。端末名列は、監視対象となる端末の名称を記憶している。最終アプリログイン日時列は、監視対象となる端末が最後にサーバにログイン(接続)した日時情報を記憶している。最終読取日時列は、最後に端末の通信状態を読み取った日時情報を記憶している。状態列は、監視対象となる端末との通信状態を記憶している。本実施の形態では、通信状態として「online」、「offline」又は「停止」のステータスが格納される。「online」は、サーバ1が端末2と通信可能状態である。「offline」は、サーバ1が端末2と通信不可能状態である。「停止」は、端末2の通信機能がサーバ1から停止されている状態である。
【0128】
図22は、通信状態の一覧画面の一例を示す説明図である。一覧画面は、端末ID表示欄10a、端末名表示欄10b、最終アプリログイン日時表示欄10c、最終読取日時表示欄10d、通信状態欄10e、停止ボタン10fを含む。端末ID表示欄10aは、端末IDを表示する領域である。端末名表示欄10bは、端末名を表示する領域である。最終アプリログイン日時表示欄10cは、最終アプリログインの日時情報を表示する領域である。最終読取日時表示欄10dは、最終読取の日時情報を表示する領域である。通信状態欄10eは、端末との通信状態を表示する領域である。停止ボタン10fは、端末2の動作をサーバ1側から停止するための操作ボタンである。停止ボタン10fによる端末2の停止機能は、端末2の紛失時などに利用される。
【0129】
端末2は、サーバ1にログインのリクエストを送信する。リクエストは、ログインID、パスワード、端末ID及び端末名等を含む。サーバ1は、端末2から送信されたリクエストを受信する。サーバ1は、受信したログインID及びパスワードに基づき、ログインの認証処理を行う。サーバ1は、ログインに成功したと判定した場合、端末ID、端末名、ログイン日時、読取日時及び通信状態を一つのレコードとして端末監視DB174に記憶する。サーバ1は、端末ID、端末名、ログイン日時、読取日時及び通信状態それぞれを10a、10b、10c、10d及び10eに表示する。
【0130】
サーバ1は、所定間隔でそれぞれの監視対象となる端末との通信状態を読み取り、読み取った日時情報及び通信状態を端末監視DB174に更新する。具体的には、サーバ1は、読み取った日時情報及び通信状態を端末監視DB174の最終読取日時列及び状態列に更新する。サーバ1は、読み取った日時情報を10dに再表示し、通信状態を10eに再表示する。
【0131】
図23は、端末2との通信状態の一覧を出力する際の処理手順を示すフローチャートである。端末2の制御部21は、通信部23を介して、ログインID、パスワード、端末ID及び端末名等を含むログインのリクエストを送信する(ステップS281)。サーバ1の制御部11は、通信部13を介して、端末2から送信されたリクエストを受信する(ステップS181)。制御部11は、受信したログインID及びパスワードに基づき、ログインに成功するか否かを判定する(ステップS182)。制御部11は、ログインに成功したと判定した場合(ステップS182でYES)、端末ID、端末名、ログイン日時、読取日時及び通信状態を含む端末に関する情報を大容量記憶部17の端末監視DB174に記憶する(ステップS183)。
【0132】
制御部11は、表示部15を介して、端末ID、端末名、ログイン日時、読取日時及び通信状態を含む通信状態一覧を表示(出力)する(ステップS184)。制御部11は、時計部18により所定の時間間隔(例えば、5秒)を経過したか否かを判定する(ステップS185)。制御部11は、所定の時間間隔を経過していないと判定した場合(ステップS185でNO)、制御部11は処理を待機する。制御部11は、所定の時間間隔を経過したと判定した場合(ステップS185でYES)、端末2と通信可能か否かを判定する(ステップS186)。なお、通信判定処理に関しては、実施形態1での通信判定処理と同様であるため、説明を省略する。
【0133】
制御部11は、端末2と通信可能と判定した場合(ステップS186でYES)、読み取った日時情報及び「online」通信状態を端末監視DB174の最終読取日時列及び状態列に更新する(ステップS187)。制御部11は、表示部15を介して、読み取った日時情報及び「online」通信状態を再表示する(ステップS188)。
【0134】
制御部11は、端末2と通信不可能と判定した場合(ステップS186でNO)、読み取った日時情報及び「offline」通信状態を端末監視DB174の最終読取日時列及び状態列に更新する(ステップS189)。制御部11は、表示部15を介して、読み取った日時情報及び「offline」通信状態を再表示する(ステップS190)。
【0135】
制御部11は、ログインに失敗したと判定した場合(ステップS182でNO)、ログインに失敗した旨を含むメッセージを通信部13により端末2に送信する(ステップS191)。端末2の制御部21は、サーバ1から送信されたメッセージを通信部23により受信し(ステップS282)、受信したメッセージを表示部25により表示する(ステップS283)。
【0136】
本実施形態によると、複数の端末2それぞれとの間の通信状態を監視することにより、各端末2の通信状況を把握することが可能となる。
【0137】
(実施形態5)
実施形態5は、イベントの終了時間経過または端末2の電源OFF操作により未同期の来場者IDを最終確認する形態に関する。なお、実施形態1~4と重複する内容については説明を省略する。実施の形態1で説明したように、本システムではイベント主催者の担当者やサブイベントの開催者(出展者)に専用の端末2を貸し出し、各端末2において二次元コードの読取を行う。本実施形態では、各端末2での読取状況について、未同期の来場者IDに対して同期漏れ等のミスを生じないように最終確認を行う。
【0138】
具体的には、端末2は、イベントの終了時間を経過し、イベントの終了時間から所定の時間間隔(例えば、30分)を経過し、または電源OFF操作を検出した場合、端末2は未同期の来場者IDが読取履歴DB271に記憶されているか否かを判定する。端末2は、未同期の来場者IDが記憶されていると判定した場合、未同期の来場者IDが存在する旨のアラートを表示する。
【0139】
図24は、未同期の来場者IDを最終確認するアラート表示に関する説明図である。例えば端末2は、イベントの終了時間から所定の時間間隔を経過し、かつ、未同期の来場者IDが記憶されている場合、
図24に示すポップアップ画面を表示し、未同期の来場者IDが存在する旨をアラートする。ポップアップ画面は、未同期の来場者IDが存在する旨のメッセージのほか、送信ボタン22a及び保存ボタン23aを含む。
【0140】
送信ボタン22aは、
図16での送信ボタン22aと同様であるため、説明を省略する。保存ボタン23aは、未同期の来場者ID(受講票ID)をメモリーカードに一括保存するためのボタンである。端末2は、保存ボタン23aのタッチ操作を受け付けた場合、端末2に取り付けられたメモリーカードを認識する。端末2は、認識したメモリーカードに未同期の来場者IDを一括記憶する。なお、本実施形態では、来場者IDをメモリーカードに保存した例を説明したが、これに限るものではない。例えば、端末2が外部のPC(personal computer)に接続し、接続した該外部のPCに来場者IDを転送しても良い。
【0141】
図25は、未同期の来場者IDを最終確認する際の処理手順を示すフローチャートである。端末2の制御部21は、電源OFF操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS291)。制御部21は、電源OFF操作を受け付けたと判定した場合(ステップS291でYES)、制御部21は後述する処理をステップS293に遷移する。制御部21は、電源OFF操作を受け付けていないと判定した場合(ステップS291でNO)、制御部21は、イベントの終了時間から所定の時間間隔(例えば、30分)を経過したか否かを判定する(ステップS292)。
【0142】
制御部21は、イベントの終了時間から所定の時間間隔を経過していないと判定した場合(ステップS292でNO)、制御部21は処理をステップS291に戻す。制御部21は、イベントの終了時間から所定の時間間隔を経過したと判定した場合(ステップS291でYES)、制御部21は、「未送信」状態及び「エラー」状態に対応する未同期の来場者IDが補助記憶部27の読取履歴DB271に記憶されているか否かを判定する(ステップS293)。
【0143】
制御部21は、未同期の来場者IDが記憶されていないと判定した場合(ステップS293でNO)、制御部21は処理を終了する。制御部21は、未同期の来場者IDが記憶されていると判定した場合(ステップS293でYES)、すべての未同期の来場者IDを読取履歴DB271から取得する(ステップS294)。
【0144】
制御部21は、受け付けたタッチ操作が送信ボタンのタッチ操作であるか否かを判定する(ステップS295)。制御部21は、受け付けたタッチ操作が送信ボタンのタッチ操作であると判定した場合(ステップS295でYES)、制御部21は、取得したすべての未同期の来場者IDを通信部23によりサーバ1に送信する(ステップS296)。なお、制御部21は、通信不可能であると判定した場合、
図24の送信ボタン22aを表示しなくても良く、または送信ボタン22aを操作できないよう半透明の状態で表示しても良い。
【0145】
制御部21は、受け付けたタッチ操作が送信ボタンのタッチ操作でないと判定した場合(ステップS295でNO)、制御部21は、受け付けたタッチ操作が保存ボタンのタッチ操作であるか否かを判定する(ステップS297)。制御部21は、受け付けたタッチ操作が保存ボタンのタッチ操作でないと判定した場合(ステップS297でNO)、制御部21は処理を終了する。制御部21は、受け付けたタッチ操作が保存ボタンのタッチ操作であると判定した場合(ステップS297でYES)、制御部21は、未同期の来場者IDをメモリーカードに記憶し(ステップS298)、処理を終了する。
【0146】
なお、
図25では、電源OFF操作の例を説明したが、これに限るものではない。例えば、制御部21は、メモリデータの初期化または消去操作を受け付けた場合、上述した未同期の来場者IDの最終確認処理を実行しても良い。または、イベント終了処理用コードを端末返却窓口で読み取ることにより、上述した未同期の来場者IDの最終確認処理を実行しても良い。
【0147】
本実施形態によると、未同期の来場者IDを最終確認することにより、来場者IDの同期ミスを防止することが可能となる。
【0148】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0149】
1 管理装置(サーバ)
11 制御部
12 記憶部
13 通信部
14 入力部
15 表示部
16 読取部
17 大容量記憶部
171 イベントDB
172 来場者管理DB
173 来場者DB
174 端末監視DB
18 時計部
1a 可搬型記憶媒体
1b 半導体メモリ
1P 制御プログラム
2 携帯端末(端末)
21 制御部
22 記憶部
23 通信部
24 入力部
25 表示部
26 時計部
27 補助記憶部
271 読取履歴DB
272 来場者情報表示用DB
28 撮影部
29 コード読取部
2P 制御プログラム