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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】防災システム
(51)【国際特許分類】
   G08B 29/14 20060101AFI20240702BHJP
   G08B 17/00 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
G08B29/14
G08B17/00 D
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020063038
(22)【出願日】2020-03-31
(65)【公開番号】P2021163099
(43)【公開日】2021-10-11
【審査請求日】2023-02-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000233826
【氏名又は名称】能美防災株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大西 和之
(72)【発明者】
【氏名】狩山 則之
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 建弥
【審査官】吉村 伊佐雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-058990(JP,A)
【文献】特開2002-342853(JP,A)
【文献】特開平11-003483(JP,A)
【文献】特開平10-069587(JP,A)
【文献】特開2002-163735(JP,A)
【文献】特開2018-147373(JP,A)
【文献】特開2016-162042(JP,A)
【文献】特開2020-102181(JP,A)
【文献】特開平08-212472(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A62C2/00-99/00
G08B17/00-17/12
23/00-31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
火災検知器と、
着脱可能な通信線で前記火災検知器と接続され、当該通信線を介して前記火災検知器から火災検出信号を受信して警報を出力する防災受信盤と、
前記防災受信盤から取り外された前記通信線が着脱可能に接続され、前記通信線を介して前記火災検知器から、前記火災検知器において検出された情報を受信して出力する試験装置と
を備え、
前記火災検知器は、
光センサと、
前記光センサにより出力された値が第1条件を満たすか否かを判定し、当該第1条件を満たすことを検出した場合に、前記通信線を介して故障検出信号を出力する故障判定部と、
前記光センサにより出力された値が、前記第1条件よりも厳格な第2条件を満たすか否かを判定し、当該第2条件を満たすことを検出した場合に、第1カウンタに記憶されているカウント値を増加させる故障予兆判定部と
を備え、
前記試験装置は、前記通信線を介して前記火災検知器から、前記第1カウンタに記憶されているカウント値を示す情報を受信することを特徴とする防災システム。
【請求項2】
前記試験装置は、前記通信線を介して前記火災検知器から火災検出信号を受信して警報を出力することを特徴とする、請求項1に記載の防災システム。
【請求項3】
前記故障予兆判定部は、前記光センサにより出力された値が前記第2条件を満たすことを検出した場合に、前記第1カウンタに記憶されているカウント値に加えて、前記第1カウンタとは異なる第2カウンタに記憶されているカウント値を増加させ、
前記試験装置は、前記通信線を介して前記火災検知器から、前記第1カウンタに記憶されているカウント値を示す情報に加えて、前記第2カウンタに記憶されているカウント値を示す情報を受信して出力し、
前記火災検知器は、前記第1カウンタに記憶されているカウント値を、前記故障予兆判定部が前記光センサにより出力された前記値が前記第2条件を満たすことを検出しない状態が所定時間継続した場合にリセットし、前記第2カウンタに記憶されているカウント値を、前記試験装置に対する、前記第2カウンタに記憶されているカウント値を示す情報の送信を契機としてリセットするカウンタリセット部をさらに備える
ことを特徴とする、請求項に記載の防災システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防災システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、火災検知器と検知器テスタからなる火災検知システムが記載されている。この火災検知システムでは、火災検知器は、故障に至るよりも前の状態(プレ故障状態)の指標となる故障予兆カウント値を蓄積しておき、検知器テスタからの要求に応じて故障予兆カウント値を表示することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-128720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の火災検知システムでは、故障予兆カウント値を確認するために、保守員が検知器テスタを持参して各火災検知器のもとに赴く必要がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、火災検知器に記憶されている情報の収集を容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明に係る防災システムは、火災検知器と、着脱可能な通信線で前記火災検知器と接続され、当該通信線を介して前記火災検知器から火災検出信号を受信して警報を出力する防災受信盤と、前記防災受信盤から取り外された前記通信線が着脱可能に接続され、前記通信線を介して前記火災検知器から、前記火災検知器において検出された情報を受信して出力する試験装置とを備える。
【0007】
好ましい態様において、前記火災検知器は、光センサと、前記光センサにより出力された値が第1条件を満たすか否かを判定し、当該第1条件を満たすことを検出した場合に、前記通信線を介して故障検出信号を出力する故障判定部と、前記光センサにより出力された値が、前記第1条件よりも厳格な第2条件を満たすか否かを判定し、当該第2条件を満たすことを検出した場合に、第1カウンタに記憶されているカウント値を増加させる故障予兆判定部とを備え、前記試験装置は、前記通信線を介して前記火災検知器から、前記第1カウンタに記憶されているカウント値を示す情報を受信する。
【0008】
さらに好ましい態様において、前記試験装置は、前記通信線を介して前記火災検知器から火災検出信号を受信して警報を出力する。
【0009】
別の好ましい態様において、前記故障予兆判定部は、前記光センサにより出力された値が前記第2条件を満たすことを検出した場合に、前記第1カウンタに記憶されているカウント値に加えて、前記第1カウンタとは異なる第2カウンタに記憶されているカウント値を増加させ、前記試験装置は、前記通信線を介して前記火災検知器から、前記第1カウンタに記憶されているカウント値を示す情報に加えて、前記第2カウンタに記憶されているカウント値を示す情報を受信して出力し、前記火災検知器は、前記第1カウンタに記憶されているカウント値を周期的にリセットし、前記第2カウンタに記憶されているカウント値を、前記試験装置に対する、前記第2カウンタに記憶されているカウント値を示す情報の送信を契機としてリセットするカウンタリセット部をさらに備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、火災検知器に記憶されている情報の収集が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】トンネル防災システムの構成を示す図
図2】火災検知器1のハードウェア構成を示すブロック図
図3】火災検知器1の機能を示すブロック図
図4】防災受信盤2のハードウェア構成を示すブロック図
図5】専用試験装置3のハードウェア構成を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0012】
1.実施形態
本発明の一実施形態に係るトンネル防災システムについて図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るトンネル防災システムの構成を示す図である。同図に示すシステムは、複数の火災検知器1と、防災受信盤2と、専用試験装置3を備える。以下、各構成要素について説明する。
【0013】
1-1.火災検知器1
火災検知器1は、2波長式の炎検知器である。この火災検知器1は、トンネルTの内壁に、長手方向に沿って所定の間隔で設置されている。また、この火災検知器1は、通信線Lを介して防災受信盤2に接続されている。
【0014】
図2は、この火災検知器1のハードウェア構成を示すブロック図である。同図に示す火災検知器1は、光センサ11、プロセッサ12、メモリ13及び通信モジュール14を備える。このうち、光センサ11は、炎を検出するためのセンサである。この光センサ11は、焦電素子111とフォトダイオード112の2つの受光素子からなる。プロセッサ12は、メモリ13に記憶されているプログラムを実行することで各種の機能を実現する。通信モジュール14は、通信線Lを介して、防災受信盤2又は専用試験装置3と通信を行う。
【0015】
図3は、プロセッサ12により実現される各種の機能を示すブロック図である。同図に示す機能には、火災判定部121、故障判定部122、故障予兆判定部123、送信部124及びカウンタリセット部125が含まれる。以下、各機能について説明する。
【0016】
火災判定部121は、火災の発生を検出するための機能である。この火災判定部121は、光センサ11により出力された値が所定の火災判定条件を満たすか否かを判定し、当該条件を満たすことを検出した場合には、通信線Lを介して火災検出信号を出力する。
【0017】
この火災判定部121は、センサ値条件判定部1211と頻度条件判定部1212を備える。このうち、センサ値条件判定部1211は、焦電素子111とフォトダイオード112の出力値が、以下の条件1-1乃至1-3のすべてを満たすか否かを周期的に(例えば、毎秒)判定する。
【0018】
(条件1-1)PE>Th1
(条件1-2)PD>Th2
(条件1-3)Th3≦PE/PD≦Th4
ここで、PEは焦電素子111の出力値を示し、PDはフォトダイオード112の出力値を示し、Th1~Th4はそれぞれ閾値を示す。
【0019】
センサ値条件判定部1211は、判定結果(「充足」又は「非充足」)を、メモリ13に確保された判定ログ記憶部126に格納する。その際、判定日時と対応付けて判定結果を格納する。
【0020】
頻度条件判定部1212は、判定ログ記憶部126を参照して、直近の所定の期間内(例えば、3分間)に上記の条件1-1乃至1-3が満たされた回数が、所定の回数N1以上であるか否かを周期的に判定する。この判定結果が肯定的であった場合には、通信線Lを介して火災検出信号を出力する。一方、この判定結果が否定的であった場合には、火災検出信号を出力しない。
【0021】
次に、故障判定部122は、光センサ11の異常を検出するための機能である。この故障判定部122は、光センサ11により出力された値が所定の故障判定条件を満たすか否かを判定し、当該条件を満たすことを検出した場合には、通信線Lを介して故障検出信号を出力する。
【0022】
この故障判定部122は、センサ値条件判定部1221と頻度条件判定部1222を備える。このうち、センサ値条件判定部1221は、焦電素子111とフォトダイオード112の出力値が、以下の条件2-1及び2-2を両方満たすか否かを周期的に(例えば、毎秒)判定する。
【0023】
(条件2-1)PE>Th5
(条件2-2)PE/PD>Th6
ここで、Th5及びTh6はそれぞれ閾値を示す。
【0024】
センサ値条件判定部1221は、判定結果(「充足」又は「非充足」)を、メモリ13に確保された判定ログ記憶部127に格納する。その際、判定日時と対応付けて判定結果を格納する。
【0025】
頻度条件判定部1222は、判定ログ記憶部127を参照して、直近の所定の期間内(例えば、3分間)に上記の条件2-1及び2-2が満たされた回数が、所定の回数N2以上であるか否かを周期的に判定する。この判定結果が肯定的であった場合には、通信線Lを介して故障検出信号を出力する。一方、この判定結果が否定的であった場合には、故障検出信号を出力しない。
【0026】
次に、故障予兆判定部123は、光センサ11の異常の予兆を検出するための機能である。この故障予兆判定部123は、光センサ11により出力された値が所定の故障予兆判定条件を満たすか否かを判定し、当該条件を満たすことを検出した場合には、後述する第1カウンタ129及び第2カウンタ130に記憶されているカウント値を増加させる。
【0027】
この故障予兆判定部123は、センサ値条件判定部1231と頻度条件判定部1232を備える。このうち、センサ値条件判定部1231は、焦電素子111とフォトダイオード112の出力値が、以下の条件3-1及び3-2を両方満たすか否かを周期的に(例えば、毎秒)判定する。
【0028】
(条件3-1)PE>Th7
(条件3-2)PE/PD>Th6
ここで、Th7は閾値を示す。この閾値Th7は、上記の閾値Th5よりも小さい値に設定される。そのため、条件3-1は、上記の条件2-1よりも満たされ易くなっている。そして、条件3-2は、上記の条件2-2と同じ条件である。そのため、故障予兆判定条件は、故障判定条件よりも満たされ易くなっている。言い換えると、前者の条件は後者の条件よりも厳格になっている。
【0029】
センサ値条件判定部1231は、判定結果(「充足」又は「非充足」)を、メモリ13に確保された判定ログ記憶部128に格納する。その際、判定日時と対応付けて判定結果を格納する。
【0030】
頻度条件判定部1232は、判定ログ記憶部128を参照して、直近の所定の期間内(例えば、3分間)に上記の条件3-1及び3-2が満たされた回数が、所定の回数N2以上であるか否かを周期的に判定する。この判定結果が肯定的であった場合には、メモリ13に確保された第1カウンタ129に記憶されているカウント値と、同じくメモリ13に確保された第2カウンタ130に記憶されているカウント値をインクリメントする。
【0031】
次に、送信部124は、専用試験装置3からの要求を受けて、第1カウンタ129のカウント値を示す情報と、第2カウンタ130のカウント値を示す情報を含むカウント値情報を、通信線Lを介して出力するための機能である。
【0032】
カウンタリセット部125は、第1カウンタ129又は第2カウンタ130のカウント値をリセットするための機能である。このカウンタリセット部15は、第1カウンタ129のカウント値については、正常状態が所定時間(例えば、24時間)継続した場合にリセットする。言い換えると、故障予兆判定部123により異常の予兆が検出されない状態が所定時間継続した場合にリセットする。これに対して、第2カウンタ130のカウント値については、専用試験装置3に対するカウント値情報の送信を契機としてリセットする。
以上が火災検知器1についての説明である。
【0033】
1-2.防災受信盤2
防災受信盤2は、火災検知器1から異常検出信号を受信して警報を出力する装置である。この防災受信盤2は、図1に示すように、トンネルTの電気室Rに設置されている。また、この防災受信盤2は、通信線Lを介して各火災検知器1と接続されている。この通信線Lは、防災受信盤2の図示せぬ端子から着脱可能となっている。
【0034】
図4は、この防災受信盤2のハードウェア構成を示すブロック図である。同図に示す防災受信盤2は、プロセッサ21、メモリ22、通信モジュール23、複数の表示灯24、ディスプレイ25、スピーカ26及び操作部27を備える。このうち、プロセッサ21は、メモリ22に記憶されているプログラムを実行することで、警報部211という機能を実現する。通信モジュール23は、通信線Lを介して火災検知器1と通信を行う。
【0035】
プロセッサ21により実現される警報部211は、火災検知器1から異常検出信号を受信して警報を出力するための機能である。この警報部211は、火災検知器1から火災検出信号を受信すると、赤色表示灯241を点灯させ、ディスプレイ25に火災発生を通知するメッセージを表示させ、スピーカ26から警報音を出力させる。一方、火災検知器1から故障検出信号を受信すると、緑色表示灯242を点滅させ、ディスプレイ25に故障発生を通知するメッセージを表示させ、スピーカ26から警報音を出力させる。
以上が防災受信盤2についての説明である。
【0036】
1-3.専用試験装置3
専用試験装置3は、火災検知器1の試験を行うための装置である。この専用試験装置3は、図1に示すように、トンネルTの電気室Rに設置されている。この専用試験装置3は、図示せぬ端子を備え、試験時には、この端子に、防災受信盤2から取り外された通信線Lが着脱可能に接続される。専用試験装置3は、この通信線Lを介して火災検知器1と通信を行う。そして、試験が終了すると、当該端子から通信線Lが取り外されて、また防災受信盤2の端子に接続される。
【0037】
図5は、この専用試験装置3のハードウェア構成を示すブロック図である。同図に示す専用試験装置3は、プロセッサ31、メモリ32、通信モジュール33、ディスプレイ34、スピーカ35及び操作部36を備える。このうち、プロセッサ31は、メモリ32に記憶されているプログラムを実行することで警報部311と故障予兆データ表示部312という機能を実現する。通信モジュール33は、通信線Lを介して火災検知器1と通信を行う。
【0038】
プロセッサ31により実現される機能のうち、警報部311は、火災検知器1から異常検出信号を受信して警報を出力するための機能である。この警報部311は、火災検知器1から火災検出信号を受信すると、ディスプレイ34に火災発生を通知するメッセージを表示させ、スピーカ35から警報音を出力させる。そのため、保守員は、火災検知器1が防災受信盤2と接続されていない試験中であっても、火災の発生を知ることができる。一方、火災検知器1から故障検出信号を受信すると、ディスプレイ34に故障発生を通知するメッセージを表示させ、スピーカ35から警報音を出力させる。そのため、保守員は、火災検知器1が防災受信盤2と接続されていない試験中であっても、故障の発生を知ることができる。
【0039】
故障予兆データ表示部312は、操作部36を用いて保守員により任意の火災検知器1が選択されると、その選択された火災検知器1からカウント値情報を取得して、ディスプレイ34に表示させる。このディスプレイ34に表示されるカウント値情報のうち、第1カウンタ129のカウント値は、正常状態が所定時間(例えば、24時間)継続した場合にリセットされるカウント値である。したがって、このカウント値を参照することで、保守員は、ノイズ的な故障予兆は無視し、直近に故障する可能性の高い故障予兆のみを確認することができる。一方、第2カウンタ130のカウント値は、専用試験装置3に対するカウント値情報の送信を契機としてリセットされるカウント値である。言い換えると、前回カウント値情報を取得した時点を起点としてカウントが開始されたカウント値である。したがって、このカウント値を参照することで、保守員は、前回の試験後に検出された故障予兆の回数を知ることができる。
以上が専用試験装置3についての説明である。
【0040】
以上説明したトンネル防災システムによれば、防災受信盤2に接続されている通信線Lを専用試験装置3につなぎ替えることで、この専用試験装置3にカウント値情報を受信させ表示させることができる。そのため、保守員は、カウント値情報を取得するために、わざわざ各火災検知器1のもとに赴く必要がない。すなわち、このシステムによれば、火災検知器1に記憶されている情報の収集が容易になる。
【0041】
2.変形例
上記の実施形態は以下のように変形してもよい。以下に記載する変形例は互いに組み合わせてもよい。
【0042】
2-1.変形例1
上記の実施形態では、故障予兆判定条件を故障判定条件よりも厳しい条件にするために、閾値Th7を閾値Th5よりも小さい値に設定している。これに代えて、閾値Th7と閾値Th5を同じ値にし、故障予兆判定で参照される回数N2の値を故障判定で参照される回数N2の値よりも小さい値に設定することで、故障予兆判定条件を故障判定条件よりも厳しい条件にしてもよい。
【0043】
2-2.変形例2
上記の火災判定条件、故障判定条件及び故障予兆判定条件は、あくまで一例である。これらの条件は、トンネルTの管理者のニーズに応じて適宜変更されてよい。例えば、故障判定条件及び故障予兆判定条件を、焦電素子111に代えてフォトダイオード112の異常又は異常の予兆を判定するための条件としてもよい。
【0044】
2-3.変形例3
故障予兆データ表示部312は、第1カウンタ129と第2カウンタ130の両方のカウント値を示す情報を取得しているが、一方のカウント値のみを示す情報を選択的に取得してもよい。
【0045】
2-4.変形例4
専用試験装置3は、火災検知器1の判定ログ記憶部126、127及び128の一部又はすべてに記憶されているログ情報を取得してディスプレイ34に表示させるログ情報表示部という機能をさらに備えてもよい。
【0046】
2-5.変形例5
上記のトンネル防災システムは、本発明の適用対象の一例である。本発明は、トンネル以外の建物に設置される防災システムに適用されてもよい。
【0047】
2-6.変形例6
専用試験装置3が備える故障予兆データ表示部312を防災受信盤2に備えさせてもよい。すなわち、防災受信盤2にカウント値情報を受信させ、ディスプレイ25に表示させるようにしてもよい。その場合、専用試験装置3を有線又は無線で防災受信盤2に接続させ、防災受信盤2に記憶されるカウント値情報を読み取らせて、ディスプレイ34に表示させるようにしてもよい。
【0048】
2-7.変形例7
火災検知器1が備える火災判定部121、故障判定部122及び故障予兆判定部123のうち、全部又は一部を防災受信盤2に備えさせてもよい。その場合、火災検知器1は、防災受信盤2における判定処理を可能にするために、光センサ11の出力値を示す情報を周期的に防災受信盤2に送信する。また、故障予兆判定部123を防災受信盤2に備えさせる場合には、カウンタリセット部125も防災受信盤2に備えさせる。
【符号の説明】
【0049】
1…火災検知器、2…防災受信盤、3…専用試験装置、11…光センサ、12、21、31…プロセッサ、13、22、32…メモリ、14、23、33…通信モジュール、24…表示灯、25、34…ディスプレイ、26、35…スピーカ、27、36…操作部、111…焦電素子、112…フォトダイオード、121…火災判定部、122…故障判定部、123…故障予兆判定部、124…送信部、125…カウンタリセット部、126、127、128…判定ログ記憶部、129…第1カウンタ、130…第2カウンタ、211、311…警報部、241…赤色表示灯、242…緑色表示灯、312…故障予兆データ表示部、1211、1221、1231…センサ値条件判定部、1212、1222、1232…頻度条件判定部、L…通信線、R…電気室、T…トンネル
図1
図2
図3
図4
図5