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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】スロットマシン
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20240702BHJP
【FI】
A63F5/04 620
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020063581
(22)【出願日】2020-03-31
(65)【公開番号】P2021159290
(43)【公開日】2021-10-11
【審査請求日】2022-12-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000144153
【氏名又は名称】株式会社三共
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小倉 敏男
(72)【発明者】
【氏名】平田 征也
【審査官】岡崎 彦哉
(56)【参考文献】
【文献】特許第6592764(JP,B1)
【文献】特開2018-094333(JP,A)
【文献】特開2017-136246(JP,A)
【文献】特開2017-221423(JP,A)
【文献】特開2019-162308(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、
遊技者にとっての有利度が異なる複数種類の設定値のうちからいずれかの設定値を設定する設定手段と、
導出を許容する表示結果を決定する事前決定手段と、
前記事前決定手段の決定結果が特別決定結果となったときに、遊技者にとって有利な有利決定を行うことが可能な有利決定手段と、
特別条件の成立に基づいて、前記事前決定手段の決定結果が前記特別決定結果となったときであっても前記有利決定が行われない特定状態に制御可能な特定状態制御手段と、
前記事前決定手段の決定結果が前記特別決定結果となった回数を更新可能な更新手段と、
前記特定状態において、前記事前決定手段の決定結果が前記特別決定結果となったときに当該特別決定結果に対応する特別表示結果の導出を回避する回避制御を実行可能な回避制御手段と、を備え、
前記事前決定手段の決定結果が前記特別決定結果となる割合は、前記複数種類の設定値のうちのいずれの設定値が設定されているかに応じて異なり、
前記更新手段は、前記事前決定手段の決定結果が前記特別決定結果となった特定ゲームにおいて前記回避制御が実行されたときは、当該特定ゲームおよび当該特定ゲームより後のゲームにおいて、当該特定ゲームにおける前記事前決定手段の決定結果に基づき、前記事前決定手段の決定結果が前記特別決定結果となった回数を更新しない、スロットマシン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、可変表示部を変動表示した後、可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンに関する。
【背景技術】
【0002】
スロットマシンは、一般に、外周部に識別情報としての複数種類の図柄が描かれたリールを有する可変表示部を備えており、規定の賭数が設定された状態でスタートスイッチが操作されることによりリールが回転開始し、ストップスイッチが操作されてリールの回転が停止したときに入賞ライン上に予め定められた図柄組合せ(たとえば、赤7-赤7-赤7、以下、図柄組合せを表示結果の組合せ、または役とも称する)が導出されることにより入賞が発生する。
【0003】
役の種類としては、小役、特別役、再遊技役といった種類がある。ここで、小役に対応する表示結果が入賞ライン上に導出された場合には、小役の種類ごとに定められた数のメダルが払い出される。特別役に対応する表示結果が入賞ライン上に導出された場合には、レギュラーボーナス(RB)やビッグボーナス(BB)といった遊技者にとって有利な特別状態に状態が移行可能となる。また、遊技者にとって有利な操作態様を報知してナビが行われるAT(Assist Time)といった状態にも制御可能である。再遊技役に対応する表示結果が入賞ライン上に導出された場合には、賭数の設定に新たなメダルを消費することなく次のゲームを行うことができる。
【0004】
このようなスロットマシンとして、ATに制御可能な有利区間において、リミッタに到達して有利区間が終了することが確定されていることを示すエンディング演出を実行可能なものであって、エンディング演出の実行中においてボーナスに入賞してもボーナス中であることを報知するボーナス中演出を実行しないものがあった(たとえば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2019-024574号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したスロットマシンにおいては、エンディング演出を実行する特定状態に制御されている場合において、ボーナス当選のような特別決定結果となったとしても、リミッタの到達により規定量以上のメダルの払出が望めないため、特定決定結果となったことに対して遊技者は損をしたような気分になることが多い。このため、特定状態においては特別決定結果となったことを隠すことも考えられる。しかしながら、特別決定結果となる割合によって有利度の示唆がされるような場合は、特別決定結果となったことを隠すことで有利度の示唆が不正確になるなど、特別決定結果の取り扱いについては課題があった。
【0007】
この発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、特定状態への制御中において特別決定結果になったことに関する取り扱いを好適に行うことができるスロットマシンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ロットマシンは、以下のように構成されてもよい。
(1) 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシン(たとえば、スロットマシン1)において、
遊技者にとっての有利度が異なる複数種類の設定値のうちからいずれかの設定値を設定する設定手段(たとえば、メイン制御部41による設定値を設定する処理)と、
導出を許容する表示結果を決定する事前決定手段(たとえば、メイン制御部41による内部抽選を行う処理)と、
前記事前決定手段の決定結果が特別決定結果(たとえば、強チェリーリプ当選)となったときに、遊技者にとって有利な有利決定(たとえば、ATを付与する決定、上乗せ決定)を行うことが可能な有利決定手段(たとえば、メイン制御部41によるATを付与する決定、上乗せ決定を行う処理)と、
特別条件(たとえば、エンディング状態への移行が決定する条件)の成立に基づいて、前記事前決定手段の決定結果が前記特別決定結果となったときであっても前記有利決定が行われない特定状態(たとえば、エンディング状態)に制御可能な特定状態制御手段(たとえば、メイン制御部41によるエンディング状態に制御する処理)と、
前記事前決定手段の決定結果が前記特別決定結果となった回数を更新可能な更新手段(たとえば、メイン制御部41による履歴情報を更新する処理)と、
前記特定状態において、前記事前決定手段の決定結果が前記特別決定結果となったときに当該特別決定結果に対応する表示結果の導出を回避する回避制御を実行可能な回避制御手段(たとえば、メイン制御部41による回避制御を実行する処理)と、を備え、
前記事前決定手段の決定結果が前記特別決定結果となる割合は、前記複数種類の設定値のうちのいずれの設定値が設定されているかに応じて異なり(たとえば、図9)、
前記更新手段は、前記回避制御が行われるときであっても、前記事前決定手段の決定結果が前記特別決定結果となった回数を更新する(たとえば、図12)。
【0009】
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、
遊技者にとっての有利度が異なる複数種類の設定値のうちからいずれかの設定値を設定する設定手段と、
導出を許容する表示結果を決定する事前決定手段と、
前記事前決定手段の決定結果が特別決定結果となったときに、遊技者にとって有利な有利決定を行うことが可能な有利決定手段と、
特別条件の成立に基づいて、前記事前決定手段の決定結果が前記特別決定結果となったときであっても前記有利決定が行われない特定状態に制御可能な特定状態制御手段と、
前記事前決定手段の決定結果が前記特別決定結果となった回数を更新可能な更新手段と、
前記特定状態において、前記事前決定手段の決定結果が前記特別決定結果となったときに当該特別決定結果に対応する特別表示結果の導出を回避する回避制御を実行可能な回避制御手段と、を備え、
前記事前決定手段の決定結果が前記特別決定結果となる割合は、前記複数種類の設定値のうちのいずれの設定値が設定されているかに応じて異なり、
前記更新手段は、前記事前決定手段の決定結果が前記特別決定結果となった特定ゲームにおいて前記回避制御が実行されたときは、当該特定ゲームおよび当該特定ゲームより後のゲームにおいて、当該特定ゲームにおける前記事前決定手段の決定結果に基づき、前記事前決定手段の決定結果が前記特別決定結果となった回数を更新しない、スロットマシン。
なお、スロットマシンは、以下のように構成されてもよい。
(2) 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシン(たとえば、スロットマシン1)において、
遊技者にとっての有利度が異なる複数種類の設定値のうちからいずれかの設定値を設定する設定手段(たとえば、メイン制御部41による設定値を設定する処理)と、
導出を許容する表示結果を決定する事前決定手段(たとえば、メイン制御部41による内部抽選を行う処理)と、
前記事前決定手段の決定結果が特別決定結果(たとえば、強チェリーリプ当選)となったときに、遊技者にとって有利な有利決定(たとえば、ATを付与する決定、上乗せ決定)を行うことが可能な有利決定手段(たとえば、メイン制御部41によるATを付与する決定、上乗せ決定を行う処理)と、
特別条件(たとえば、エンディング状態への移行が決定する条件)の成立に基づいて、前記事前決定手段の決定結果が前記特別決定結果となったときであっても前記有利決定が行われない特定状態(たとえば、エンディング状態)に制御可能な特定状態制御手段(たとえば、メイン制御部41によるエンディング状態に制御する処理)と、
前記事前決定手段の決定結果が前記特別決定結果となった回数を更新可能な更新手段(たとえば、メイン制御部41による履歴情報を更新する処理)と、
前記特定状態において、前記事前決定手段の決定結果が前記特別決定結果となったときに当該特別決定結果に対応する表示結果の導出を回避する回避制御を実行可能な回避制御手段(たとえば、メイン制御部41による回避制御を実行する処理)と、を備え、
前記事前決定手段の決定結果が前記特別決定結果となる割合は、前記複数種類の設定値のうちのいずれの設定値が設定されているかに応じて異なり(たとえば、図9)、
前記更新手段は、前記回避制御が行われるときは、前記事前決定手段の決定結果が前記
特別決定結果となった回数を更新しない(たとえば、図12)。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明が適用された遊技システムの一例を示す図である。
図2】本実施形態に係るスロットマシンの正面図である。
図3】各リールの図柄配列を示す図である。
図4】遊技状態の遷移を説明するための図である。
図5】スロットマシンの構成を示すブロック図である。
図6】入賞役の種類、入賞役の図柄組合せ、および入賞時の付与について説明するための図である。
図7】遊技状態ごとに抽選対象役として読み出される入賞役の組合せについて説明するための図である。
図8】押し順役当選時のリール制御を説明するための図である。
図9】チェリーの当選確率を説明するための図である。
図10】ATおよびエンディング状態を説明するための図である。
図11】回避制御有無による違いを説明するための図である。
図12】履歴情報の蓄積について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本実施の形態に係る遊技機として、スロットマシンを以下に示す実施例に基づいて説明する。
【0012】
図1は、本実施形態に係る遊技システム1001の一例を示す図である。図1に示すように、遊技システム1001は、遊技場に設置された本実施形態に係るスロットマシン1と、インターネット網900に接続された管理装置の一例である管理サーバ1200とから構成される。スロットマシン1と管理サーバ1200とは2次元コード読み取り機能およびインターネット網900への接続機能を備える携帯端末1100を介してデータのやり取りを行うことが可能である。管理サーバ1200は、たとえば、遊技機メーカ側に設置されたものである。
【0013】
本実施の形態では、遊技者は、後述するようにユーザモードでの遊技が可能であり、携帯端末1100を用いて、ユーザモードでログインしたときの履歴情報や、その日1日の履歴情報を確認することができる。
【0014】
[スロットマシンの構成]
図2は、本実施形態に係るスロットマシン1の正面図である。図2に示すように、スロットマシン1は、前面が開口する筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bを備える。スロットマシン1の内部には、互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ同数ずつ配列されたリール2L,2C,2R(以下、左リール,中リール,右リール)が水平方向に並設されており、これらリール2L,2C,2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が、スロットマシン1の正面の略中央に設けられた透視窓3において各々上中下三段に表示されて遊技者側から見えるように配置されている。
【0015】
なお、本実施の形態では、3つのリールを用いた構成を例示しているが、リールを1つのみ用いた構成、2つのリールを用いた構成、4つ以上のリールを用いた構成としてもよい。また、本実施の形態では、リール2L,2C,2Rの回転によって透視窓3に表示された図柄を可変表示させる構成を可変表示部としているが、リールに限らず、たとえば、外周面に複数の図柄が配置されたベルトを移動させることで図柄を変動表示させることが可能な構成でもよい。また、本実施の形態では、物理的なリールにて可変表示部を構成しているが、液晶表示器などの画像表示装置にて可変表示部を構成してもよい。
【0016】
スロットマシン1の正面には、図2に示すように、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数(本実施の形態では、3)の賭数のうち最大の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L,2C,2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L,8C,8R(以下、左ストップスイッチ,中ストップスイッチ,右ストップスイッチ)、および演出時に遊技者によって操作される演出用スイッチ56が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
【0017】
なお、以下では、スタートスイッチ7に対する操作(たとえば、スタートスイッチ7を手で押下する操作)を「スタート操作」または「開始操作」、1番目のリールの回転を停止するためのストップスイッチに対する操作(たとえば、ストップスイッチを手で押下する操作)を「第1停止操作」、2番目のリールの回転を停止するためのストップスイッチに対する操作(たとえば、ストップスイッチを手で押下する操作)を「第2停止操作」、および3番目のリールの回転を停止するためのストップスイッチに対する操作(たとえば、ストップスイッチを手で押下する操作)を「第3停止操作」とも称する。
【0018】
また、第1停止操作、第2停止操作、および第3停止操作を総称して「停止操作」とも称する。さらに、1番目のストップスイッチに対する押下(第1停止操作)が解除されること(たとえば、ストップスイッチから手を離すこと)を「第1停止離し」、2番目のストップスイッチに対する押下(第2停止操作)が解除されること(すなわち、ストップスイッチから手を離すこと)を「第2停止離し」、および3番目のストップスイッチに対する押下(第3停止操作)が解除されること(すなわち、ストップスイッチから手を離すこと)を「第3停止離し」とも称する。また、第1停止操作によりリールが停止することを「第1停止」、第2停止操作によりリールが停止することを「第2停止」、第3停止操作によりリールが停止することを第3停止とも称する。
【0019】
スロットマシン1の正面において、リール2L,2C,2Rの横には、複数のLEDで構成されるサイドランプ27が設けられている。また、リール2L,2C,2Rの近傍には、リール2L,2C,2Rのそれぞれに対応して設けられるとともにリール2L,2C,2Rのそれぞれに対してリールの裏側または横から光を照射するリールバックライト28L,28C,28C(以下、単に「リールバックライト28」とも称す)が設けられている。さらに、液晶表示器51の上方には、音を出力するスピーカ53,54が設けられている。
【0020】
スロットマシン1の正面には、図2に示すように、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコードなどが表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、後述する有利区間に制御されている旨を点灯により報知する有利区間LED19、リプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられた遊技用表示部13が設けられている。
【0021】
スロットマシン1の内部には、遊技の進行を制御するとともに遊技の進行に応じて各種コマンドを出力するメイン制御部41が設けられている。メイン制御部41は、遊技の進行に係る各種制御を行うメインCPU41aと、遊技の進行に係る各種データを記憶するRAM41cとを備える。メイン制御部41は、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、およびストップスイッチ8L,8C,8Rなどに対する操作、およびメダル投入部4に対するメダルの投入を検出し、検出した操作に応じて、リール2L,2C,2Rの回転/停止や遊技用表示部13における各LEDの点灯/消灯など、遊技の進行に係る制御を行う。
【0022】
スロットマシン1の内部には、メイン制御部41からのコマンドに応じて演出を制御するサブ制御部91が設けられている。サブ制御部91は、演出に係る各種制御を行うサブCPU91aと、演出に係る各種データを記憶するRAM91cとを備える。サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドに基づいて、液晶表示器51における画像の表示、スピーカ53,54からの音出力、およびサイドランプ27やリールバックライト28の点灯/消灯などを制御する。液晶表示器51の画像表示やスピーカ53,54の音出力に用いられる演出データは、RAM91cに記憶されている。さらに、サブ制御部91は、演出用スイッチ56に対する操作を検出し、検出した操作に応じて液晶表示器51における画像の表示やスピーカ53,54からの音出力を制御する。
【0023】
スロットマシン1においてゲームを行う場合、遊技者は、メダル投入部4にメダルを投入するか、MAXBETスイッチ6を操作するなどして規定数の賭数を設定する。これにより、入賞ラインLNが有効となり、かつスタートスイッチ7への操作が有効となってゲームが開始可能な状態となる。入賞ラインLNとは、透視窓3に表示されたリール2L,2C,2Rにおける図柄の組合せが入賞図柄の組合せと一致するか否かを判定するためのラインである。本実施形態では、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨がって設定された入賞ラインLNのみが入賞ラインとして定められているが、複数の入賞ラインが設けられているものであってもよい。また、入賞を構成する図柄の組合せが入賞ラインLNに揃ったことを認識しやすくする無効ラインが設けられていてもよい。
【0024】
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7が操作されると、リール2L,2C,2Rが回転する。このとき、メイン制御部41によって内部抽選が行われる。内部抽選は、導出を許容する図柄組合せ(表示結果組合せ)を決定する処理である。内部抽選によって図柄組合せの導出が許容されることを、当該図柄組合せに対応する役に当選したともいう。
【0025】
ストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されると、操作されたストップスイッチに対応するリールの回転が停止する。これにより、透視窓3に図柄組合せが導出表示される。入賞ラインLN上において、当選役の図柄組合せと一致する図柄組合せが停止した場合、当該当選役に対応する入賞が発生する。
【0026】
リールの停止制御では、各ストップスイッチについて操作が行われたときから最大停止遅延時間(本実施の形態では、190ms(ミリ秒))以内に、操作に対応するリール2L,2C,2Rの回転を停止させる制御が行われる。リール2L,2C,2Rを1分間に80回転させ、80(回転)×20(1リール当たりの図柄コマ数、たとえば、20コマ)=1600コマ分の図柄を変動させるので、予め定められた最大停止遅延時間(190ms)が経過するまでの間では、最大で4コマ分の図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止制御では、ストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分(引込範囲)の図柄から一の図柄を選択して、リール2L、2R、2Rに導出させることが可能である。
【0027】
入賞が発生可能な役としては、特別役(ボーナス)、小役、および再遊技役がある。特別役(ボーナス)は、入賞することによって、小役に当選する確率が非ボーナス状態よりも高まるボーナス状態に遊技状態が制御される役である。特別役(ボーナス)には、RB(レギュラーボーナス)やBB(ビッグボーナス)のような第一種特別役物、およびCB(チャレンジボーナス)のような第二種特別役物が含まれる。本実施の形態においては、特別役として、CBが設けられている。小役は、入賞することによって、メダルが付与される役である。再遊技役(リプレイ)は、入賞することによって、遊技者所有のメダルを消費することなく次の遊技が開始可能となる役である。
【0028】
遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の当選フラグが設定されている必要がある。内部抽選は、メイン制御部41が、上述の各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L,2C,2Rの表示結果が導出される以前(具体的には、スタートスイッチ7の検出時)に乱数を用いて決定するものである。
【0029】
なお、各役の当選フラグのうち、小役および再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組合せが揃うまで有効とされ、許容された役の組合せが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、当該フラグにより許容された役の組合せを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されるようになっている。
【0030】
また、内部抽選において、予め定められた所定の操作態様(たとえば、操作順序、操作タイミング)で停止操作が行われる場合に他の操作態様で停止操作が行われた場合よりも有利となる小役や再遊技役(以下、「押し順役」とも称する)が当選し得るようになっている。押し順役には、たとえば、予め定められた所定の操作態様で停止操作が行われる場合に他の操作態様で停止操作が行われる場合に停止する停止態様よりも有利な停止態様となる役や、予め定められた所定の操作態様で停止操作が行われる場合に他の操作態様で停止操作が行われる場合よりも有利な停止態様が停止する割合が高い役などを含む。また、有利な停止態様とは、メダルの付与を伴う停止態様だけでなく、有利な遊技状態への移行を伴う停止態様、不利な遊技状態への移行が回避される停止態様なども含む。
【0031】
メイン制御部41は、通常区間(以下、「通常区間通常」とも称する)において予め定められた所定の抽選条件が成立したときに、有利区間に制御するか否かを決定する有利区間移行抽選を行い、当該有利区間移行抽選に当選(以下、「有利区間当選」とも称する)することで、有利区間の制御を開始する。有利区間は、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様に対応するナビ情報を報知可能な区間である。これに対して、通常区間は、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様に対応するナビ情報を報知不可能な区間である。
【0032】
メイン制御部41は、内部抽選によって押し順役に当選したときに、遊技者にとって有利となるストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様を報知するナビを実行可能である。具体的には、メイン制御部41は、ナビ情報として、内部抽選結果に応じて遊技者にとって有利となるストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様を遊技補助表示器12の点灯態様により報知するナビ報知を実行可能な報知期間となるアシストタイム(AT)に制御可能である。
【0033】
有利区間中において、メイン制御部41は、押し順役に当選したときに、ATの制御を行うことでナビ報知を実行し、遊技者にとって有利となるストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様(たとえば、操作順序、操作タイミングなど)を遊技補助表示器12を用いて報知するとともに、遊技者にとって有利となる操作態様を特定可能なコマンドをサブ制御部91に対して送信することで、ナビ情報として、当該操作態様を液晶表示器51などを用いて報知するナビ演出を実行させる。
【0034】
押し順役には、遊技者の操作態様が当選した押し順役に対応する操作態様(以下、「正解手順」とも称する)と一致したときにベルが入賞する押し順ベル(6択ベル)と、遊技者の操作態様が当選した押し順役に対応する操作態様と一致したときにリプレイが入賞する押し順リプとが含まれる。以下では、押し順ベルが当選したゲームで行われ得るナビを、ベルナビとも称する。
【0035】
遊技者は、ベルナビに従って正解手順でストップスイッチ8L,8C,8Rを操作することで、押し順ベルに含まれる役のうち、メダルの払い出しが多い方の役を入賞させることができる。あるいは、遊技者は、ベルナビに従って正解手順でストップスイッチ8L,8C,8Rを操作することで、押し順ベルに含まれる役のうち、入賞を取りこぼす可能性のない役を入賞させることができる。なお、押し順ベルに含まれる役のうち、正解手順でストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されたときに入賞可能な役を「主役」、正解手順とは異なる不正解手順でストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されたときに入賞可能な役を「副役」とも称する。
【0036】
ナビ報知およびナビ演出により報知される操作態様にて、ストップスイッチ8L,8C,8Rを操作することで、内部抽選にて当選した押し順役に含まれる主役を確実に入賞させることができるようになっている。また、有利区間の制御では、有利区間LED19を点灯可能にして、有利区間の制御を行っている旨を報知する。
【0037】
[遊技状態の遷移]
図4は、遊技状態の遷移を説明するための図である。図4に示すように、液晶表示器51によって制御される遊技状態には、非内部中および内部中が含まれる。
【0038】
内部中は、遊技が進行可能な状態であってかつ予め定められた設計値に基づくメダルの払出率が担保されている状態である。なお、本実施形態のスロットマシン1では、殆どのゲームを内部中で遊技者に遊技させることになっている。
【0039】
一方、非内部中は、遊技者によって遊技することがない、あるいは遊技することがあってもその時間が極端に短い状態である。非内部中においては、CBに当選し、かつ当該CBの入賞を取りこぼしたときに、次のゲームから遊技状態が内部中に移行する。すなわち、内部中は、CBの当選を持ち越した状態である。一旦、遊技状態が内部中に制御されると、持ち越されているCBに入賞することはほとんどなく、あったとしても、極端に低い確率となっている。
【0040】
なお、図4に示す例では、遊技状態としてCBの図示を省略しているが、非内部中や内部中においてCBに入賞することが仮にあれば、非内部中または内部中からCBへと遊技状態が移行する。この場合、CBは概ね1ゲームで終了し、再び非内部中へと遊技状態が移行する。
【0041】
内部中における状態には、通常区間および有利区間が含まれる。前述のように、有利区間は、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様に対応するナビ情報を報知可能な区間である。これに対して、通常区間は、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様に対応するナビ情報を報知不可能な区間である。通常区間においては、有利区間移行抽選で当選(有利区間当選)したときに、有利区間に状態が制御される。
【0042】
有利区間における状態には、通常時(以下、「有利区間通常」とも称する)、CZ(以下、「有利区間CZ」とも称する)およびAT(以下、「有利区間AT」とも称する)が含まれる。有利区間通常は、ナビが実行され得る状態である。有利区間CZは、有利区間通常よりもナビの実行確率が高い状態である。有利区間ATは、有利区間CZよりもナビの実行確率が高い状態である。本実施の形態においては、有利区間通常におけるナビの実行確率は0%であるが、所定確率でナビを実行するようにしてもよい。
【0043】
また、有利区間ATにおいて遊技者が獲得可能な1ゲーム当たりの純増数は、有利区間CZにおいて遊技者が獲得可能な1ゲーム当たりの純増数よりも大きい。また、有利区間CZにおいて遊技者が獲得可能な1ゲーム当たりの純増数は、有利区間通常中や通常区間通常中において遊技者が獲得可能な1ゲーム当たりの純増数よりも大きい。1ゲーム当たりの純増数(以下、「1G純増数」とも称する)とは、1ゲーム当たりで払い出されるメダルの枚数から1ゲーム当たりで賭数の設定に用いられるメダルの枚数を差し引いた数である。
【0044】
所定の状態(通常区間通常や有利区間通常や有利区間CZや有利区間AT)における純増数とは、所定の状態(通常区間通常や有利区間通常や有利区間CZや有利区間AT)において払い出されるメダルの総数から当該所定の状態(通常区間通常や有利区間通常や有利区間CZや有利区間AT)において賭数の設定に用いられるメダルの総数を差し引いた数である。
【0045】
通常区間通常および有利区間通常はいずれも、メダルが減少する状態である。有利区間ATや有利区間CZは、メダルが増加する状態である。有利区間ATや有利区間CZは、通常区間通常や有利区間通常よりも遊技者にとって有利な状態である。具体的には、本実施の形態においては、通常区間通常および有利区間通常において、1G純増数が-1枚に設計されており、有利区間CZにおいて、1G純増数が1枚に設計されており、有利区間ATにおいて、1G純増数が8枚に設計されている。
【0046】
つまり、通常区間通常や有利区間通常における出玉率は1より小さく、有利区間CZや有利区間ATにおける出玉率は1より大きい。また、通常区間通常と有利区間通常とでは、出玉率が等しい。ここで、出玉率とは、ある状態に制御されている期間において、賭数の設定に用いられるメダルの総数に対する払い出されるメダルの総数の比率である。
【0047】
有利区間CZは、有利区間通常よりも有利区間ATに制御する確率が高く、有利区間通常から有利区間ATに制御されるまでの途中経路に位置する状態である。すなわち、有利区間CZは、有利区間通常よりも有利な出玉状態である。有利区間通常から有利区間CZに状態が制御されるような当選を「CZ当選」とも称する。
【0048】
有利区間CZへの制御は、たとえば、ゲーム数で管理されており、有利区間CZ中に消化したゲーム数が予め設けられた上限ゲーム数に達したことを条件に、当該有利区間CZが終了する。
【0049】
有利区間ATは、有利区間通常および有利区間CZのいずれからも制御可能な状態である。有利区間通常または有利区間CZから有利区間ATに状態が制御されるような当選を「AT当選」とも称する。
【0050】
有利区間ATへの制御は、たとえば、ゲーム数で管理されており、有利区間AT中に消化したゲーム数が予め設けられた上限ゲーム数に達したことを条件に、当該有利区間ATが終了する。なお、有利区間ATは、ゲーム数で管理されるものに限らず、ナビの実行回数が予め設けられた上限回数に達すること、押し順役当選時における主役の入賞回数が予め設けられた上限回数に達すること、および払出枚数や純増枚数が予め設けられた上限枚数に達することなど、その他の条件に基づき管理されるものであってもよい。
【0051】
通常区間において、有利区間移行抽選で当選(有利区間当選)したときに、有利区間通常に制御される。本実施の形態においては、通常区間に滞在するゲーム数は約1ゲームになるように設計されている(たとえば、有利区間移行抽選における当選確率を90%以上に設計する)。このようにすることで、大半の場合は、通常区間への制御が開始された1ゲーム目で有利区間当選し、次のゲームから有利区間(有利区間通常)に再度制御されることになる。
【0052】
有利区間通常において、AT当選した場合は有利区間AT(AT)に制御される。有利区間通常において、CZ当選した場合は有利区間CZ(CZ)に制御される。有利区間CZにおいて、AT当選した場合は有利区間ATに制御される。有利区間ATが終了した場合、有利区間CZに制御される。AT当選することなく有利区間CZが終了した場合、有利区間通常に制御される。
【0053】
ここで、メイン制御部41は、特典の付与に関する特典抽選を行う。たとえば、特典は、ATやCZや上乗せゲーム数(ATゲーム数)である。本実施の形態においては、有利区間通常またはCZにおいて特典抽選としてAT抽選を行う。AT抽選においてATが付与されることが決定された場合は、さらに、ATに制御されるゲーム数(ATゲーム数)が決定される。そして、AT当選すると、次のゲームからATに制御される。
【0054】
本実施の形態においては、有利区間通常において250ゲームが経過したときにCZ当選し、次のゲームからCZに制御される。CZにおいては最大3回のバトル演出が実行され、CZに制御されるゲーム数(CZゲーム数)は、実行されるバトル演出のゲーム数に等しい。なお、有利区間通常において特典抽選としてCZ抽選を行うようにしてもよい。
【0055】
本実施の形態においては、CZ中において、CZの各ゲームにおいてAT抽選を行うとともに、CZに制御されたゲームにおいて、ATを付与するか否かの決定を行う。CZに制御されたゲームにおいて、ATを付与することが決定された場合、CZ中に実行される3回目のバトル演出の最後のゲームにおいてAT当選し、次のゲームからATに制御される。
【0056】
また、ATにおいて特典抽選として上乗せ抽選を行い、上乗せ抽選に当選(上乗せ当選)した場合は、ATゲーム数に上乗せして上乗せゲーム数(ATゲーム数)が付与される。
【0057】
有利区間中の出玉状態においてリミッタ条件が成立するか、あるいは任意の終了条件が成立すると、当該有利区間中の出玉状態から通常に状態が制御される。具体的には、有利区間中の出玉状態においては、遊技の進行に基づき更新される消化ゲーム数(有利区間G数)の合計が所定の上限G数(たとえば、1500G)に達したときに、有利区間が終了し、通常に出玉状態が制御される。
【0058】
なお、有利区間G数は、RAM41cに格納された有利区間G数カウンタによってカウントされる。あるいは、有利区間中の出玉状態においては、遊技の進行に基づき更新される有利区間中の純増枚数の合計が所定の上限枚数(たとえば、2400枚)に達したときに、有利区間が終了し、通常に出玉状態が制御される。なお、有利区間中の純増枚数は、RAM41cに格納された純増枚数カウンタによってカウントされる。
【0059】
有利区間中の出玉状態から通常に状態が制御されると、有利区間中の出玉状態において計数されていた消化ゲーム数および純増枚数の合計値、さらに遊技中に獲得可能なポイントも初期化される。
【0060】
また、たとえば、任意の終了条件には、CZ当選することなく予め定められた終了条件が成立したこと、有利区間CZにおいてAT当選することなく予め定められた終了条件が成立したことなどが含まれる。また、有利区間ATにおいてATの終了条件が成立したことあってもよい。
【0061】
なお、有利区間ATにおいて、特化ゾーン当選したときに、ATゲーム数が付与される割合が高くなる有利区間特化ゾーン(「上乗せ特化ゾーン」とも称する)に制御されるようにしてもよい。有利区間特化ゾーンは、有利区間通常、有利区間CZ、および有利区間ATのいずれよりも有利な状態である。
【0062】
図5は、スロットマシンの構成を示すブロック図である。図5に示されるように、スロットマシン1は、遊技の進行を制御するとともに遊技の進行に応じて各種コマンドを出力する遊技制御基板40と、コマンドに応じて所定の演出を制御する演出制御基板90と、電気部品の駆動電源を生成する電源基板101と、遊技の進行に応じた信号を外部に出力する外部出力基板1000となどを備える。
【0063】
遊技制御基板40は、各種の操作手段や検出手段(図5の遊技制御基板40の左側に例示)などのスイッチ類からの検出信号に基づいて遊技を進行させ、報知手段(図5の遊技制御基板40の左側に例示)などの表示機器類を駆動制御する。また、遊技制御基板40は、リールセンサ33L,33C,33Rからの信号に基づき、リールモータ32L,32C,32Rを駆動制御する。
【0064】
遊技制御基板40には、メイン制御部41などの回路構成(図5の遊技制御基板40内に例示)が搭載されている。メイン制御部41は、遊技の進行に関する処理を行うとともに、遊技制御基板40に搭載あるいは接続された構成を直接的または間接的に制御する。メイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータであり、図示されないCPU、ROM、RAM、I/Oポートなどを備えている。
【0065】
演出制御基板90は、演出用スイッチ56が接続される。また、演出制御基板90は、液晶表示器51などの演出装置(図5の演出制御基板90の左側に例示)を駆動制御する。演出制御基板90には、サブ制御部91などの回路構成(図5の演出制御基板90内に例示)が搭載されている。サブ制御部91は、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行う処理を行うとともに、演出制御基板90に搭載あるいは接続された構成を直接的または間接的に制御する。サブ制御部91は、1チップマイクロコンピュータであり、図示されないCPU、ROM、RAM、I/Oポートなどを備えている。
【0066】
サブ制御部91の回路構成には、たとえば、日および時刻のうちの少なくともいずれか一方を計時するための時計装置97(以下では、RTCともいう)を含む。サブ制御部91は、たとえば、RTC97により計時された日および時刻のうちの少なくともいずれか一方の値や、演出用スイッチ56からの検出信号などに応じて演出制御を実行可能である。電源基板101には、ホッパーモータ34b、各種の操作手段や検出手段(図5の電源基板101の右側に例示)などが接続されている。
【0067】
[入賞役]
図6は、入賞役の種類、入賞役の図柄組合せ、および入賞時の付与について説明するための図である。図6の名称欄には、入賞役の名称が示され、図柄の組合せ欄には、その入賞役が入賞となる図柄の組合せが示されている。また、無効ラインに停止し得る図柄の組合せ欄には、入賞となる図柄の組合せが入賞ラインに停止したときに無効ラインに停止し得る図柄の組合せであって遊技者が認識しやすい図柄の組合せが示されている。付与欄には、入賞時に付与される価値(メダル払出枚数、再遊技付与など)が示されている。
【0068】
図6に示すように、特別役としては、CBが設けられている。小役としては、中段ベル、上段ベル1~8、スイカ、および下段チェリーが設けられている。再遊技役としては、チェリーリプ、通常リプ、特定リプが設けられている。
【0069】
中段ベルは、上述した主役に対応する役である。上段ベル1~8は、上述した副役に対応する役であり、中段ベルよりも払い出し枚数が少ない。具体的には、中段ベルに入賞すると11枚の払い出しが行われ、上段ベル1~8に入賞すると2枚の払い出しが行われる。スイカが入賞した場合、リール2L,2C,2Rにおいてスイカ図柄が揃うことがある。下段チェリーに入賞した場合、リール2Lの下段にチェリー図柄が導出されることがある。チェリーリプに入賞した場合、リール2L,2C,2Rにおいてチェリー図柄が揃うことがある。
【0070】
[抽選対象役]
図7は、遊技状態ごとに抽選対象役として読み出される入賞役の組合せについて説明するための図である。図7の役番号欄には、抽選対象役ごとに定められた役番号が示され、抽選対象役欄には、その名称が示され、入賞役の組合せ欄には、各抽選対象役に含まれる入賞役の組合せが示され、遊技状態欄には、遊技状態ごとに丸印でその抽選対象役が抽選対象であることが示されている。
【0071】
図7に示すように、特別役の抽選対象役としては、CBが設けられている。小役の抽選対象役としては、6択ベル1~6、スイカ、および弱チェリーが設けられている。再遊技役の抽選対象役としては、強チェリーリプ、通常リプ、および特定リプが設けられている。なお、スイカ、チェリー(弱チェリー、強チェリーリプ)は、内部抽選における当選確率が6択ベルよりも低いため、「レア役」とも称する。強チェリーリプが当選したときは、チェリーリプと特定リプとが同時当選し、特定リプが当選したときは、特定リプと通常リプとが同時当選する。
【0072】
非内部中においては、全ての役が当選可能であるが、内部中においては、既にCBの当選が持ち越されているため、CBのみが当選不可能になっている。
【0073】
[押し順役のリール制御]
図8は、押し順役当選時のリール制御を説明するための図である。図8に示すように、押し順役には、6択ベル1~6、強チェリーリプ、特定リプが設けられている。AT中(有利区間AT中)において6択ベルが当選したゲームでは、ベルナビが実行され、正解手順が遊技者に報知される。遊技者は、ベルナビに従って正解手順でストップスイッチ8L,8C,8Rを操作することで、遊技者にとって有利な入賞役を入賞させることができる。
【0074】
たとえば、6択ベル1~6のいずれかに当選したゲームでは、正解手順でストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されたときに主役である中段ベルが入賞して11枚の払い出しが行われる一方、不正解手順でストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されたときに副役である上段ベルが入賞して2枚の払い出しが行われるか、あるいは入賞を取りこぼす。
【0075】
強チェリーリプが当選したゲームでは、押し順「左中右」でストップスイッチが操作された場合はチェリーリプが入賞する一方、押し順「左中右」以外でストップスイッチが操作された場合は特定リプが入賞する。
【0076】
特定リプが当選したゲームでは、押し順「右中左」でストップスイッチが操作された場合はチェリーリプが入賞する一方、押し順「右中左」以外でストップスイッチが操作された場合は特定リプが入賞する。
【0077】
つまり、強チェリーリプが当選した場合であっても、特定リプが当選した場合であっても、押し順「右中左」でストップスイッチが操作された場合は、特定リプが入賞することになる。強チェリーリプが当選した場合において、後述する回避制御が行われない場合は、チェリーリプを入賞させるナビ演出が実行され、回避制御が行われる場合は、特定リプを入賞させるナビ演出が実行される。
【0078】
[設定値]
本実施の形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、設定値に応じて、内部抽選で用いる当選確率を決定することにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1~6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
【0079】
設定値を変更するためには、スロットマシン1の内部に設けられている電源ボックスの電源スイッチを操作して、スロットマシン1の電源がON状態である場合には一旦OFF状態にし、さらに、設定キースイッチを操作して、設定キースイッチをON状態にしてから、スロットマシン1の電源をONする必要がある。設定キースイッチをON状態にしてスロットマシン1の電源をON状態にすると、ドアが開放していることを条件に、遊技の進行が不可能な状態である設定変更状態に移行する。設定変更状態に移行すると、設定値表示器にRAM41cから読み出された現在の設定値が表示値として表示される。
【0080】
設定変更状態においては、リセット/設定スイッチが操作されると、設定値表示器に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。その後、スタートスイッチ7が操作されると、表示値を設定値として確定する。設定キースイッチがOFF状態にされると、確定した表示値(設定値)がRAM41cに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。なお、電源スイッチを一旦OFF状態にし、設定キースイッチをON状態として電源スイッチをONさせる操作を行うことにより、設定変更状態に移行されるため、該操作をまとめて設定変更操作ともいう。
【0081】
設定変更された場合、RAM41cに格納された遊技に関する情報は初期化される。このため、たとえば、有利区間中に設定変更されると、有利区間に関する情報が初期化されるとともに、通常区間に制御される。この場合、前述のように、メイン制御部41は、前回有利区間ATに制御されていたときの純増数を把握することができなくなる。
【0082】
図9は、チェリーの当選確率を説明するための図である。上述のように、メイン制御部41は、遊技者にとっての有利度が異なる複数種類の設定値(1~6)のうちからいずれかの設定値を設定可能である。
【0083】
本実施の形態においては、チェリー(強チェリーリプ、弱チェリー)が当選する割合は、複数種類の設定値のうちのいずれの設定値が設定されているかに応じて異なる。具体的には、図9に示すように、弱チェリーが当選する確率は、設定値として1が設定されているときは1/75であり、設定値として2が設定されているときは1/70であり、設定値として3が設定されているときは1/65であり、設定値として4が設定されているときは1/60であり、設定値として5が設定されているときは1/55であり、設定値として6が設定されているときは1/50である。
【0084】
強チェリーリプが当選する確率は、設定値として1が設定されているときは1/280であり、設定値として2が設定されているときは1/290であり、設定値として3が設定されているときは1/300であり、設定値として4が設定されているときは1/310であり、設定値として5が設定されているときは1/320であり、設定値として6が設定されているときは1/330である。
【0085】
また、強チェリーリプに当選したときは、弱チェリーに当選したときよりも後述する有利決定が行われる割合が高い。具体的には、非AT中においては、強チェリーリプに当選したときは、弱チェリーに当選したときよりも、AT抽選においてATを付与する決定が行われる割合が高い(AT当選確率が高い)。また、AT中においては、強チェリーリプに当選したときは、弱チェリーに当選したときよりも、上乗せ抽選においてATゲーム数の上乗せ決定が行われる割合が高い(上乗せ当選確率が高い)。
【0086】
しかし、チェリー(強チェリーリプ、弱チェリー)が当選する割合は、複数種類の設定値のうちのいずれの設定値が設定されているかに応じて異なるものに限らず、弱チェリーが当選する割合は、複数種類の設定値のうちのいずれの設定値が設定されているかに応じて異なる一方で、強チェリーリプが当選する割合は、複数種類の設定値のうちのいずれの設定値が設定されているかに関わらず同じであるか、弱チェリーが当選したときよりも設定値間の差が小さいようにしてもよい。
【0087】
たとえば、図9の変形例に示すように、弱チェリーが当選する確率は、図9と同じであり、強チェリーリプが当選する確率は、設定値として1~6のうちいずれが設定されている場合であっても、1/300であるようにしてもよい。あるいは、設定値として1が設定されているときは1/300であり、設定値として2が設定されているときは1/299であり、設定値として3が設定されているときは1/298であり、設定値として4が設定されているときは1/297であり、設定値として5が設定されているときは1/296であり、設定値として6が設定されているときは1/295のように、設定値間の差が小さいものであってもよい。
【0088】
[ATおよびエンディング状態]
図10は、ATおよびエンディング状態を説明するための図である。図10においては、AT中に純増数が2400枚に達する状況について説明する。
【0089】
本実施の形態では、リミッタ到達したとき、ATへの制御が終了するとともに有利区間への制御が終了する。また、リミッタ到達が確定したことに基づき、エンディング状態に制御可能となる。たとえば、有利区間における純増数が2400枚に到達(リミッタ到達)することが確定しており、有利区間における純増数が所定枚数(たとえば、2300枚)に到達したときにエンディング状態に制御するようにしてもよい。
【0090】
図10(a)において、横軸はゲーム数(G数)、縦軸は純増数を示している。0Gは、ATへの制御が開始するゲームの1ゲーム前のゲーム(AT当選したゲーム)を指している。なお、図示しないが、ATに制御される前には有利区間通常に制御されているものとする。
【0091】
有利区間通常においてAT当選したゲームが終了し、次のゲームを開始するための開始操作を行うと、ATに制御される(ATの1ゲーム目が開始する)。AT中においては、AT中であることを特定可能な背景表示が行われるAT中演出が実行可能である。たとえば、図10(b1)に示すように、液晶表示器51には、土星および流れ星の背景画像が表示される。
【0092】
AT中(エンディング状態中含む)においては、ストップスイッチの操作態様に対応するナビ情報を報知可能(ナビ演出が実行可能)である。ナビ演出においては、ストップスイッチ8L,8C,8Rの押し順に対応するナビ情報(正解手順)が報知される。図10(b1)の例では、6択ベル1が当選したことにより、左第1停止、中第2停止、右第3停止の押し順「左中右」を示唆するナビ画像「123」が表示されている。
【0093】
サブ制御部91は、AT中において、獲得枚数表示を行う。獲得枚数表示は、遊技者が獲得したメダルの合計量(純増数)を特定可能に表示するものである。図10(b1)において、現在制御されているATにおける純増数が345枚になったとする。このとき、液晶表示器51には、獲得枚数表示として、純増数が345枚であることを特定可能な文字画像「GET 345枚」が表示される。
【0094】
さらに、AT中におけるゲームが進行し、純増数が1320枚になったとする。このとき、図10(b2)に示すように、液晶表示器51には、獲得枚数表示として、純増数が1320枚であることを特定可能な文字画像「GET 1320枚」が表示される。
【0095】
本実施の形態においては、AT中においてエンディング演出やリザルト演出を実行可能である。エンディング演出は、エンディング状態に制御されたときに実行可能である。リザルト演出はATへの制御が終了するゲームで実行可能である。
【0096】
エンディング演出やリザルト演出は、AT中演出に替えて実行される。具体的には、AT中演出として表示されている土星および流れ星の背景画像の表示が消去されて、エンディング演出画像やリザルト演出画像が表示されることになる。
【0097】
本例においては、有利区間における純増数が2400枚に到達(リミッタ到達)することが確定しているとする。この場合、純増数が2300枚に達したゲームにおいて、エンディング状態に制御される。エンディング状態への制御により、AT中演出が終了してエンディング演出が開始する。たとえば、ベル入賞が発生して純増数が2300枚に達すると、獲得枚数表示として、純増数が2300枚であることを特定可能な文字画像「GET 2300枚」が表示される。
【0098】
その直後に、図10(b3)に示すように、エンディング演出として、液晶表示器51には、紙吹雪が舞い散るような画像が表示される演出が実行される。これにより、純増数がもうすぐ2400枚に達することが示唆される。
【0099】
さらに、AT中におけるゲームが進行して、AT中の消化ゲーム数が480Gになったとする。当該ゲームにおいて、ベル入賞が発生し、純増数が2402枚になったとする。これにより、リミッタ条件が成立する。
【0100】
リミッタ条件の成立により、ATが終了するとともに有利区間が終了する。入賞が発生して純増数が2402枚になると、獲得枚数表示として、純増数が2402枚であることを特定可能な文字画像「GET 2402枚」が表示される。
【0101】
エンディング演出が終了した場合、リザルト演出が実行される。図10(b4)に示すように、液晶表示器51には、女の子の画像と文字画像「おめでとう」が表示されるとともに、純増数が2402であることを特定可能な表示が行われる。次のゲームを開始するための開始操作が行われると、リザルト演出が終了するとともに有利区間への制御が終了し、通常区間に制御される。
【0102】
[回避制御有無による違い]
メイン制御部41は、所定役の当選に基づき、遊技者にとって有利な有利決定を行うことが可能である。有利決定は、たとえば、ATを付与する決定や上乗せ決定である。メイン制御部41は、有利決定に基づき有利制御を行うことが可能である。有利制御は、たとえば、ATへの制御やATゲーム数の上乗せである。
【0103】
本実施の形態では、所定役は、複数種類のチェリーである。複数種類のチェリーは、弱チェリーと強チェリーリプとを含む。つまり、メイン制御部41は、弱チェリーが当選したときに有利決定を行う。また、メイン制御部41は、強チェリーリプが当選したときにも有利決定を行う。
【0104】
非AT中においては、弱チェリーまたは強チェリーリプが当選したときには、ATを付与するか否かの決定を行うAT抽選を行う。AT抽選においてATを付与する決定が行われた場合は、有利制御が行われて、ATに制御される。ATに制御されるゲーム数(ATゲーム数)は、抽選により決定するようにしてもよい。
【0105】
AT中においては、弱チェリーまたは強チェリーリプが当選したときには、上乗せゲーム数(ATゲーム数)を付与するか否かの決定を行う上乗せ抽選を行う。上乗せ抽選において上乗せ決定が行われた場合は、有利制御が行われて、ATゲーム数の上乗せが行われる。上乗せされるATゲーム数は、抽選により決定するようにしてもよい。
【0106】
メイン制御部41は、特別条件の成立に基づいて、エンディング状態に制御可能である。特別条件は、エンディング状態への移行が決定する条件であって、リミッタ到達することが確定したことに基づき成立する。
【0107】
本実施の形態においては、AT中において、有利区間における純増数が2400枚に到達することが確定している場合に、純増数が2300枚に達したゲームにおいて、エンディング状態に制御される。メイン制御部41は、リミッタ到達したときに有利制御(ATへの制御)を終了する。
【0108】
エンディング状態においては、複数種類のチェリー当選のうちのいずれかが当選したときであっても有利決定が行われない。具体的には、AT中のエンディング状態においては、弱チェリーが当選したときであっても有利決定が行われず、強チェリーリプが当選したときであっても有利決定が行われない。有利決定が行われないとは、たとえば、チェリー当選しても上乗せ抽選が行われないようにしてもよく、上乗せ抽選において上乗せを行う決定をしないようにしてもよい。
【0109】
本実施の形態においては、メイン制御部41は、エンディング状態において、回避制御を実行可能である。回避制御は、複数種類のチェリー当選のうちのいずれかが当選したときに当該チェリー当選に対応する表示結果の導出を回避する制御である。
【0110】
具体的には、メイン制御部41は、エンディング状態において、強チェリーリプが当選したときに強チェリーリプ当選に対応する表示結果(チェリーリプ入賞図柄組合せ)の導出を回避する回避制御を実行可能である。この場合、エンディング状態において、弱チェリーが当選したときに弱チェリー当選に対応する表示結果(下段チェリー入賞図柄組合せ)の導出を回避する回避制御は実行しないようにする。
【0111】
また、メイン制御部41は、履歴情報を更新する処理を行う。メイン制御部41は、履歴情報を更新する処理において、複数種類のチェリー当選のうちのいずれかが当選した回数を更新可能である。具体的には、メイン制御部41は、弱チェリーが当選した回数や強チェリーリプが当選した回数を更新可能である。履歴情報の更新については、図12を用いて詳細に説明する。
【0112】
本実施の形態においては、エンディング状態において、強チェリーリプ当選したときは当該強チェリーリプ当選に対応する表示結果(チェリーリプ入賞図柄組合せ)の導出を回避する回避制御を実行可能である。一方で、弱チェリーが当選したときは回避制御を実行しない。
【0113】
以上説明したように、エンディング状態では強チェリーリプが当選したときであっても有利決定が行われない。遊技者は、有利決定が行われる状態で強チェリーリプに当選した方がよかったと感じるため、エンディング状態において強チェリーリプに当選しても損をしたような気分になる(引き損感がある)ことが多い。このため、エンディング状態において、強チェリーリプが当選したときに強チェリーリプ当選に対応するチェリーリプ入賞図柄組合せの導出を回避する回避制御を実行することで、強チェリーリプ当選による引き損感を低減させることができる。このように、エンディング状態への制御中において強チェリーリプが当選したことに関する取り扱いを好適に行うことができる。
【0114】
以下、図11図12を用いて具体例について説明する。図11は、回避制御有無による違いを説明するための図である。
【0115】
次に、AT中であってエンディング状態に制御されていない場合(非エンディング状態)について説明する。図11(a1)に示すように、AT中(非エンディング状態)に6択ベル6が当選したときは、右第1停止、中第2停止、左第3停止の押し順「右中左」を示唆するナビ画像「321」が黄色で表示される。このような押し順「右中左」でストップスイッチを操作することを「逆押し」とも称する。つまり、この場合、逆押しを示唆するナビ画像が表示されている。
【0116】
この場合において、正解手順である押し順「右中左」(逆押し)でストップスイッチが操作されると、図11(a2)に示すように、中段ベル入賞図柄組合せ「ベル-ベル-ベル」が導出されて、中段ベルが入賞する。
【0117】
図11(b1)に示すように、AT中(非エンディング状態)に特定リプが当選したときは、右第1停止、中第2停止、左第3停止の押し順「右中左」(逆押し)を示唆するナビ画像「321」が青色で表示される。
【0118】
また、サブ制御部91は、当選示唆演出を実行可能である。当選示唆演出は、当選した役を示唆する演出である。特定リプが当選したときは、特定リプが当選したことを示唆する画像が表示される。具体的には、画面中央にリプレイ図柄を示すリプレイ画像が表示される。なお、単に青い画像を表示するようなものであってもよい。
【0119】
この場合において、正解手順である押し順「右中左」(逆押し)でストップスイッチが操作されると、図11(b2)に示すように、特定リプ入賞図柄組合せ「ベル-リプレイ-リプレイ」が導出されて、特定リプが入賞する。
【0120】
図11(c1)に示すように、AT中の非エンディング状態において、強チェリーリプが当選したときは、回避制御が行われず、ナビ画像「!!!」が表示される。ナビ画像「!!!」が表示された場合、有利決定が行われた可能性が示唆される。具体的には、上乗せ抽選の抽選契機となるチェリーに当選した可能性が示唆される。
【0121】
また、強チェリーリプが当選したときも当選示唆演出が実行される。強チェリーリプが当選したときは、特定リプとチェリーリプに同時当選するため、特定リプレイが当選したことを示唆するリプレイ画像またはチェリー(チェリーリプまたは下段チェリー)が当選したことを示唆するチェリー画像が表示可能である。チェリー画像として、チェリー図柄を示す画像を画面中央に表示させるようにしてもよいが、単に赤い画像を表示させるようにしてもよい。
【0122】
本実施の形態においては、回避制御が行われない場合は、チェリー画像が表示され、回避制御が行われる場合は、リプレイ画像が表示される。AT中の非エンディング状態においては、回避制御が行われていないので、チェリーが当選したことを示唆するチェリー画像が表示されている。
【0123】
この場合、遊技者は、チェリーを入賞させるために、チェリー図柄を引き込み可能なタイミングでストップスイッチを操作しようとする。本実施の形態においては、左第1停止、中第2停止、右第3停止の押し順「左中右」(「順押し」とも称する)でストップスイッチの操作を行ったときに、チェリー図柄を導出可能なチェリーリプ入賞が発生する。
【0124】
遊技者が、順押し、かつ、チェリー図柄を引き込み可能なタイミングで各ストップスイッチを操作した場合、図11(c2)に示すように、チェリーリプ入賞図柄組合せ「チェリー-チェリー-チェリー」が導出されて、チェリーリプが入賞する。
【0125】
また、サブ制御部91は、強チェリー入賞演出を実行可能である。強チェリー入賞演出は、強チェリーリプが当選した場合にチェリーリプ入賞図柄組合せが導出されたときに実行可能となる演出である。強チェリー入賞演出が実行されると、リールバックライトが点滅する。
【0126】
一方で、サブ制御部91は、強チェリーリプが当選して回避制御が行われる場合、チェリーリプ入賞図柄組合せが導出されたときは、強チェリー入賞演出を実行しない(後述の図11(c4)のケース)。
【0127】
図11(d1)に示すように、AT中(非エンディング状態)に弱チェリーが当選したときは、ナビ画像「!!!」が表示される。このように、強チェリーリプおよび弱チェリーのいずれが当選した場合であっても、ナビ画像「!!!」が表示される。
【0128】
また、弱チェリーが当選したときも当選示唆演出が実行される。強チェリーが当選したときは、チェリーが当選したことを示唆するチェリー画像が表示される。
【0129】
遊技者が、順押し、かつ、チェリー図柄を引き込み可能なタイミングで各ストップスイッチを操作した場合、図11(d2)に示すように、左リールの下段にチェリー図柄が停止し、下段チェリー入賞図柄組合せ「BAR-ベル-ベル」が導出されて、下段チェリーが入賞する。
【0130】
次に、AT中にエンディング状態に制御された場合について説明する。図11(a3)に示すように、エンディング状態中に6択ベル6が当選したときは、押し順「右中左」(逆押し)を示唆するナビ画像「321」が黄色で表示される。正解手順である押し順「右中左」(逆押し)でストップスイッチが操作されると、図11(a4)に示すように、中段ベル入賞図柄組合せ「ベル-ベル-ベル」が導出されて、中段ベルが入賞する。
【0131】
図11(b3)に示すように、エンディング状態中に特定リプが当選したときは、押し順「右中左」(逆押し)を示唆するナビ画像「321」が青色で表示される。また、特定リプが当選したことを示唆するリプレイ画像が表示されている。
【0132】
正解手順である押し順「右中左」(逆押し)でストップスイッチが操作されると、図11(b4)に示すように、特定リプ入賞図柄組合せ「ベル-リプレイ-リプレイ」が導出されて、特定リプが入賞する。
【0133】
図11(c3)に示すように、エンディング状態中に強チェリーリプが当選したときは、回避制御が行われて、押し順「右中左」(逆押し)を示唆するナビ画像「321」が青色で表示される。また、回避制御が行われる場合は、特定リプ当選を示唆する当選示唆演出が実行される。画面上には、特定リプが当選したことを示唆するリプレイ画像が表示されている。
【0134】
押し順「右中左」(逆押し)でストップスイッチが操作されると、図11(c4)に示すように、特定リプ入賞図柄組合せ「ベル-リプレイ-リプレイ」が導出されて、特定リプが入賞する。
【0135】
本実施の形態においては、強チェリーリプが当選した場合は、ストップスイッチが順押しで操作されたときに強チェリーリプ当選に対応するチェリーリプ入賞図柄組合せを導出する。一方で、ストップスイッチが逆押しで操作されたときはチェリーリプ入賞図柄組合せとは異なる特定リプ入賞図柄組合せを導出する。
【0136】
図11(c1)に示したように、AT中の非エンディング状態において、ナビ画像「!!!」が報知されて遊技者は順押しをする一方で、図11(c3)に示したように、エンディング状態においては、回避制御として、逆押しに対応する操作情報(逆押しを示唆するナビ情報)が報知されるようになっている。
【0137】
図11(d3)に示すように、エンディング状態中に弱チェリーが当選したときは、ナビ画像「!!!」が表示される。また、チェリーが当選したことを示唆するチェリー画像が表示されている。
【0138】
遊技者が、順押し、かつ、チェリー図柄を引き込み可能なタイミングで各ストップスイッチを操作した場合、図11(d4)に示すように、左リールの下段にチェリー図柄が停止し、下段チェリー入賞図柄組合せ「BAR-ベル-ベル」が導出されて、下段チェリーが入賞する。
【0139】
このように、図11(c3)に示したように、エンディング状態において、強チェリーリプ当選したときは当該強チェリーリプ当選に対応する表示結果(チェリーリプ入賞図柄組合せ)の導出を回避する回避制御を実行可能である。その一方で、図11(d3)に示したように、弱チェリーが当選したときは回避制御を実行しない。
【0140】
また、図11(c1)~(c4)に示したように、強チェリーリプが当選した場合、ストップスイッチが順押しで操作されたときにチェリーリプ入賞図柄組合せが導出されたときと、ストップスイッチが逆押しで操作されたときに特定リプ入賞図柄組合せが導出されたときとで、いずれも再遊技が付与され、付与される価値は同じである。また、「付与される価値」とは、「再遊技の付与」を指すものであり、有利決定に基づく「ATへの制御」や「ATゲーム数の上乗せ」を指すものではない。
【0141】
また、上述のように、抽選対象役には、弱チェリーおよび強チェリーリプとは異なる特定リプが含まれる。特定リプが当選したときに、逆押しに対応する操作情報(逆押しを示唆するナビ情報)が報知されることがある。
【0142】
図11(b4),(c4)に示したように、強チェリーリプが当選したときにストップスイッチが逆押しで操作されたときに導出される表示結果(特定リプ入賞図柄組合せ)は、特定リプが当選したときにストップスイッチが逆押しで操作されたときに導出される表示結果(特定リプ入賞図柄組合せ)と同じである。
【0143】
[履歴情報の蓄積]
スロットマシン1は、RAM91cに遊技の履歴として履歴情報を保存する。履歴情報としては、強チェリー(強チェリーリプ)の当選回数と弱チェリーの当選回数とを含む情報が保存される。その他の履歴情報としては、履歴情報の更新を開始してからの消化ゲーム数、AT当選回数、CZ当選回数などがある。
【0144】
履歴情報には、履歴情報1と履歴情報2とが含まれる。履歴情報1は、スロットマシン1の電源が投入されてからスロットマシン1の電源が遮断されるまでの間に保存される履歴情報である。履歴情報2は、遊技者の開始操作に基づく開始条件が成立してから遊技者の終了操作に基づく終了条件が成立するまでの間に保存される履歴情報である。
【0145】
遊技者の開始操作に基づく開始条件は、ユーザモードの開始条件であり、ユーザモードが開始すると、履歴情報の更新を開始する。遊技者の終了操作に基づく終了条件は、ユーザモードの終了条件であり、ユーザモードが終了すると、履歴情報の更新が終了する。
【0146】
つまり、メイン制御部41は、履歴情報1として、スロットマシン1の電源が投入されてからスロットマシン1の電源が遮断されるまで、強チェリーリプや弱チェリーが当選した回数を更新する。メイン制御部41は、履歴情報2として、ユーザモードが開始してからユーザモードが終了するまで、強チェリーリプや弱チェリーが当選した回数を更新する。
【0147】
ユーザモードとは、予め管理サーバ1200にて発行されたパスワードが遊技者により入力されることにより制御されるモードである。管理サーバ1200にパスワードを発行させるためには、会員登録しておく必要がある。ユーザモードは、以前の履歴情報を引き継いで遊技を行うことを可能とするモードである。
【0148】
ユーザモードは、メニュー画面でパスワードの項目を決定した後に、発行されたパスワードを入力することにより開始される。メニュー画面は、所定の操作を行ったときに液晶表示器51に表示させるようにしてもよい。ユーザモードは、メニュー画面においてユーザモード終了が決定されると終了する。ユーザモードを終了させたときには、2次元コードが表示される。遊技者は携帯端末を用いて2次元コードを撮影し、管理サーバ1200にアクセスすることで、履歴情報(履歴情報2)を蓄積することができる。
【0149】
図12は、履歴情報の蓄積について説明するための図である。図12に示すように、スロットマシン1の電源が投入された時点では、履歴情報1において、強チェリー当選回数は0回であり、弱チェリー当選回数は0回である。また、履歴情報2においても、強チェリー当選回数は0回であり、弱チェリー当選回数は0回である。
【0150】
その後、ユーザモードが開始する前に、チェリーリプ当選が2回発生し、弱チェリー当選が6回発生し、いずれも入賞したとする。これにより、履歴情報1において、強チェリー当選回数は2回となり、弱チェリー当選回数は6回となる。しかし、ユーザモードが開始されていないため、履歴情報2においては、強チェリー当選回数は0回であり、弱チェリー当選回数は0回のままである。
【0151】
その後、ユーザモードが開始したとする。そして、有利区間通常において、弱チェリー当選し、入賞が発生したとする。これにより、履歴情報1において、弱チェリー当選回数は6回から7回に更新される。また、履歴情報2においても、弱チェリー当選回数が0回から1回に更新される。
【0152】
なお、本例においては、以前の遊技履歴が存在しないため、ユーザモードの開始時において履歴情報2の強チェリー当選回数は0回であり、弱チェリー当選回数は0回となっている。以前の遊技履歴が存在する場合は、それを引き継いで更新することができる。
【0153】
その後、ATに制御されたとする。図12(a1)に示すように、AT中に強チェリーリプが当選すると、ナビ画像「!!!」が表示される。遊技者が、順押し、かつ、チェリー図柄を引き込み可能なタイミングで各ストップスイッチを操作した場合、図12(a1)に示すように、チェリーリプが入賞する。
【0154】
これにより、履歴情報1において、強チェリー当選回数は2回から3回に更新される。また、履歴情報2においても、強チェリー当選回数が0回から1回に更新される。
【0155】
図12(b1)に示すように、AT中に弱チェリーが当選すると、ナビ画像「!!!」が表示される。遊技者が、順押し、かつ、チェリー図柄を引き込み可能なタイミングで各ストップスイッチを操作した場合、図12(b2)に示すように、下段チェリーが入賞する。
【0156】
これにより、履歴情報1において、弱チェリー当選回数は7回から8回に更新される。また、履歴情報2においても、弱チェリー当選回数が1回から2回に更新される。
【0157】
その後、エンディング状態に制御されたとする。図12(c1)に示すように、エンディング状態中に強チェリーリプに当選すると、押し順「右中左」(逆押し)を示唆するナビ画像「321」が青色で表示される。押し順「右中左」(逆押し)でストップスイッチが操作されると、図12(c2)に示すように、特定リプが入賞する。
【0158】
この場合、履歴情報1において、強チェリー当選回数は更新されず3回のままである。また、履歴情報2においても、強チェリー当選回数は更新されず1回のままである。
【0159】
このように、回避制御が行われるときは、強チェリーリプが当選した回数を更新しない。この場合、回避制御が行われた場合に、チェリーリプに入賞したか否かに関わらず、強チェリーリプが当選した回数を更新しないようにしてもよいし、回避制御が行われてチェリーリプに入賞しなかったときに強チェリーリプが当選した回数を更新しないようにしてもよい。
【0160】
遊技者は、強チェリーリプが当選した回数を更新可能な履歴情報を確認することで、強チェリーリプ当選回数/実行ゲーム数を算出することで強チェリーリプに当選した割合を算出することができる。そして、強チェリーリプが当選する割合は複数種類の設定値のうちのいずれの設定値が設定されているかに応じて異なるため、強チェリーリプに当選した割合から設定された設定値がいずれであるのかを推測すること(設定値推測)が可能となる。
【0161】
強チェリーリプ当選時に回避制御が行われた場合に当該強チェリーリプ当選を履歴情報として更新した場合、履歴情報として表示される強チェリーリプ当選回数と、遊技者が実際に確認した強チェリーリプの当選回数とが乖離してしまうことになる。回避制御によりチェリー入賞しなくなるので、遊技者は実際の強チェリーリプ当選回数よりも少ない当選回数であるような印象を持つ。このため、回避制御が行われるときは、強チェリーリプが当選した回数を更新しないようにすることで、履歴情報の表示と実際に遊技者が確認したものとの差がなくなるため、遊技者に不信感を与えることがない。このように、エンディング状態への制御中において強チェリーリプが当選したことに関する取り扱いを好適に行うことができる。
【0162】
なお、回避制御が行われるときは、強チェリーリプが当選した回数を更新しないものに限らず、回避制御が行われるときであっても、強チェリーリプが当選した回数を更新するものであってもよい。この場合、回避制御が行われた場合に、チェリーリプに入賞したか否かに関わらず、強チェリーリプが当選した回数を更新するようにしてもよいし、回避制御が行われてチェリーリプに入賞したときに強チェリーリプが当選した回数を更新するようにしてもよい。
【0163】
強チェリーリプ当選時に回避制御が行われた場合に当該強チェリーリプ当選を履歴情報として更新しなかった場合、設定推測の精度が低下してしまう。このため、回避制御が行われるときであっても、強チェリーリプが当選した回数を更新することで、設定推測の精度の低下を防止することができる。このように、エンディング状態への制御中において強チェリーリプが当選したことに関する取り扱いを好適に行うことができる。
【0164】
本実施の形態においては、強チェリーリプが当選したときにチェリーリプ入賞図柄組合せが導出されなかったときは、強チェリーリプが当選した回数を更新しないようにする。このため、通常、回避制御が行われていない場合においては、ナビ演出に従えばチェリーリプ入賞が発生するため、強チェリーリプが当選した回数が更新されることになる。一方で、回避制御が行われる場合においては、ナビ演出に従えば特定リプ入賞が発生するため、強チェリーリプが当選した回数が更新されないことになる。
【0165】
ここで、回避制御が行われていない場合において、ナビ演出に従わず特定リプ入賞を発生させたような場合には、強チェリーリプが当選した回数が更新されない。一方で、回避制御が行われる場合において、ナビ演出に従わずチェリーリプ入賞を発生させたような場合には、強チェリーリプが当選した回数が更新される。
【0166】
図12(d1)に示すように、エンディング状態中に弱チェリーがすると、ナビ画像「!!!」が表示される。遊技者が、順押し、かつ、チェリー図柄を引き込み可能なタイミングで各ストップスイッチを操作した場合、図12(d2)に示すように、下段チェリーが入賞する。
【0167】
これにより、履歴情報1において、弱チェリー当選回数は8回から9回に更新される。また、履歴情報2においても、弱チェリー当選回数が2回から3回に更新される。
【0168】
その後、ユーザモードが終了する前に、チェリーリプ当選が1回発生し、弱チェリー当選が3回発生し、いずれも入賞したとする。これにより、履歴情報1において、強チェリー当選回数は3回から4回に更新され、弱チェリー当選回数は9回から12回に更新される。また、履歴情報2においては、強チェリー当選回数は1回から2回に更新され、弱チェリー当選回数は3回から6回に更新される。
【0169】
その後、ユーザモードが終了したとする。この場合、履歴情報1において、強チェリー当選回数は4回であり、弱チェリー当選回数は12回のまま維持される。一方で、ユーザモードが終了したため、履歴情報2においては、強チェリー当選回数は0回に初期化、弱チェリー当選回数は0回に初期化される。
【0170】
さらに、スロットマシン1の電源が遮断されるまでに、チェリーリプ当選が4回発生し、弱チェリー当選が12回発生し、いずれも入賞したとする。これにより、履歴情報1において、強チェリー当選回数は4回から8回に更新され、弱チェリー当選回数は12回から24回に更新される。一方で、履歴情報2においては、強チェリー当選回数は更新されず0回のままであり、弱チェリー当選回数は更新されず0回のままである。
【0171】
本例においては、ユーザモードを終了させたときに表示される2次元コードを携帯端末で撮影し、管理サーバ1200にアクセスすることで、履歴情報2を管理サーバ1200に蓄積することができる。また、携帯端末上にて履歴情報2を確認することができる。
【0172】
また、たとえば、18時や19時になると、メニュー画面から特別2次元コードを表示させることができる。特別2次元コードを携帯端末で撮影し、管理サーバ1200にアクセスすることで、履歴情報1を管理サーバ1200も蓄積することができる。また、携帯端末上にて履歴情報1を確認することができる。
【0173】
このようにすることで、遊技者は、ユーザモードでログインしたときの履歴情報(履歴情報2)を確認できるのみならず、その日1日の履歴情報(履歴情報1)を確認することができる。また、遊技機メーカが管理する管理サーバ1200に履歴情報1が蓄積されることで、遊技機メーカは各遊技店での稼働状況や遊技履歴を入手することができ、今後のマーケティングなどに活用することができる。
【0174】
なお、本実施の形態においては、図9で説明した確率で弱チェリーや強チェリーリプが当選する(弱チェリーも強チェリーリプも設定値に応じて当選確率が異なる)ものとして説明したが、図9の変形例で説明した確率で弱チェリーや強チェリーリプが当選する(弱チェリーは設定値に応じて当選確率が異なるが、強チェリーリプはいずれの設定値であっても確率が同じである)ようにしてもよい。
【0175】
このようにした場合、エンディング状態ではチェリー(強チェリーリプ、弱チェリー)が当選したときであっても有利決定が行われないため、遊技者は、有利決定が行われる状態でチェリーに当選した方がよかったと感じ、エンディング状態においてチェリーに当選しても損をしたような気分になる(引き損感がある)ことが多い。このため、エンディング状態において、期待度が高い強チェリーリプが当選したときにチェリーリプ入賞図柄組合せの導出を回避する回避制御を実行することで、引き損感を低減させることができる。
【0176】
また、遊技者は、チェリーが当選した回数を更新可能な履歴情報を確認することで、チェリー当選回数/実行ゲーム数を算出することでチェリーに当選した割合を算出することができる。そして、チェリーが当選する割合は複数種類の設定値のうちのいずれの設定値が設定されているかに応じて異なるため、チェリーに当選した割合から設定された設定値がいずれであるのかを推測すること(設定値推測)が可能となる。しかしながら、チェリー当選時に回避制御が行われた場合に当該チェリー当選を履歴情報として更新しなかった場合、設定推測の精度が低下してしまう。
【0177】
このため、設定値間で当選割合の差が大きい弱チェリーに関しては回避制御を行わず、設定値間で当選割合の差がない(あるいは差が小さい)強チェリーリプに関しては回避制御を行うことで、設定推測の精度の低下を防止することができる。このように、エンディング状態への制御中において強チェリーリプが当選したことに関する取り扱いを好適に行うことができる。
【0178】
[主な効果]
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
【0179】
(1) 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシン(たとえば、スロットマシン1)において、
遊技者にとっての有利度が異なる複数種類の設定値のうちからいずれかの設定値を設定する設定手段(たとえば、メイン制御部41による設定値を設定する処理)と、
導出を許容する表示結果を決定する事前決定手段(たとえば、メイン制御部41による内部抽選を行う処理)と、
前記事前決定手段の決定結果が複数種類の特別決定結果(たとえば、弱チェリー当選、強チェリーリプ当選)のうちのいずれかの特別決定結果となったときに、遊技者にとって有利な有利決定(たとえば、ATを付与する決定、上乗せ決定)を行うことが可能な有利決定手段(たとえば、メイン制御部41によるATを付与する決定、上乗せ決定を行う処理)と、
特別条件(たとえば、エンディング状態への移行が決定する条件)の成立に基づいて、前記事前決定手段の決定結果が前記複数種類の特別決定結果のうちのいずれかの特別決定結果となったときであっても前記有利決定が行われない特定状態(たとえば、エンディング状態)に制御可能な特定状態制御手段(たとえば、メイン制御部41によるエンディング状態に制御する処理)と、
前記事前決定手段の決定結果が前記複数種類の特別決定結果のうちのいずれかの特別決定結果となった回数を更新可能な更新手段(たとえば、メイン制御部41による履歴情報を更新する処理)と、
前記特定状態において、前記事前決定手段の決定結果が前記複数種類の特別決定結果のうちのいずれかの特別決定結果となったときに当該特別決定結果に対応する表示結果の導出を回避する回避制御を実行可能な回避制御手段(たとえば、メイン制御部41による回避制御を実行する処理)と、を備え、
前記複数種類の特別決定結果は、第1特別決定結果(たとえば、弱チェリー当選)と、当該第1特別決定結果よりも前記有利決定が行われる割合が高い第2特別決定結果(たとえば、強チェリーリプ当選)とを含み、
前記事前決定手段の決定結果が前記第1特別決定結果となる割合は、前記複数種類の設定値のうちのいずれの設定値が設定されているかに応じて異なり(たとえば、図9の変形例)、
前記事前決定手段の決定結果が前記第2特別決定結果となる割合は、前記複数種類の設定値のうちのいずれの設定値が設定されているかに関わらず同じであるか、前記事前決定手段の決定結果が前記第1特別決定結果であるときよりも設定値間の差が小さく(たとえば、図9の変形例)、
前記回避制御手段は、前記特定状態において、前記事前決定手段の決定結果が前記第2特別決定結果となったときは当該第2特別決定結果に対応する表示結果の導出を回避する前記回避制御を実行可能な一方で(たとえば、図11(c3))、前記事前決定手段の決定結果が前記第1特別決定結果となったときは前記回避制御を実行しない(たとえば、図11(d3))。
【0180】
具体的には、メイン制御部41は、遊技者にとっての有利度が異なる複数種類の設定値のうちからいずれかの設定値を設定する処理を行う。メイン制御部41は、複数種類のチェリー当選(弱チェリー当選、強チェリーリプ当選)のうちのいずれかが当選したときに、遊技者にとって有利な有利決定(ATを付与する決定、ATゲーム数の上乗せ決定)を行うことが可能である。メイン制御部41は、特別条件(エンディング状態への移行が決定する条件)の成立に基づいて、複数種類のチェリー当選のうちのいずれかが当選したときであっても有利決定が行われないエンディング状態に制御可能である。メイン制御部41は、複数種類のチェリー当選のうちのいずれかが当選した回数を更新可能な履歴情報を更新する処理を行う。エンディング状態において、複数種類のチェリー当選のうちのいずれかが当選したときに当該チェリー当選に対応する表示結果の導出を回避する回避制御を実行可能である。複数種類のチェリー当選は、弱チェリー当選と、当該弱チェリー当選よりも有利決定が行われる割合が強チェリーリプ当選とを含む。図9の変形例に示すように、弱チェリーが当選する割合は、複数種類の設定値のうちのいずれの設定値が設定されているかに応じて異なる。図9の変形例に示すように、強チェリーリプが当選する割合は、複数種類の設定値のうちのいずれの設定値が設定されているかに関わらず同じであるか、弱チェリーが当選したときよりも設定値間の差が小さい。図11(c3)に示すように、エンディング状態において、強チェリーリプ当選したときは当該強チェリーリプ当選に対応する表示結果(チェリーリプ入賞図柄組合せ)の導出を回避する回避制御を実行可能な一方で、図11(d3)に示すように、弱チェリーが当選したときは回避制御を実行しない。
【0181】
エンディング状態ではチェリー(強チェリーリプ、弱チェリー)が当選したときであっても有利決定が行われないため、遊技者は、有利決定が行われる状態でチェリーに当選した方がよかったと感じ、エンディング状態においてチェリーに当選しても損をしたような気分になる(引き損感がある)ことが多い。このため、エンディング状態において、期待度が高い強チェリーリプが当選したときにチェリーリプ入賞図柄組合せの導出を回避する回避制御を実行することで、引き損感を低減させることができる。
【0182】
また、遊技者は、チェリーが当選した回数を更新可能な履歴情報を確認することで、チェリー当選回数/実行ゲーム数を算出することでチェリーに当選した割合を算出することができる。そして、チェリーが当選する割合は複数種類の設定値のうちのいずれの設定値が設定されているかに応じて異なるため、チェリーに当選した割合から設定された設定値がいずれであるのかを推測すること(設定値推測)が可能となる。しかしながら、チェリー当選時に回避制御が行われた場合に当該チェリー当選を履歴情報として更新しなかった場合、設定推測の精度が低下してしまう。このため、設定値間で当選割合の差が大きい弱チェリーに関しては回避制御を行わず、設定値間で当選割合の差がない(あるいは差が小さい)強チェリーリプに関しては回避制御を行うことで、設定推測の精度の低下を防止することができる。このように、エンディング状態への制御中において強チェリーリプが当選したことに関する取り扱いを好適に行うことができる。
【0183】
(2) 前記有利決定に基づき有利制御(たとえば、ATへの制御、ATゲーム数の上乗せ)を行う有利制御手段(たとえば、メイン制御部41によるATに制御する処理)をさらに備え、
前記有利制御手段は、所定の終了条件が成立(たとえば、リミッタ到達)したときに前記有利制御を終了し(たとえば、図10)、
前記特別条件は、前記所定の終了条件が成立することが確定したことに基づき成立する(たとえば、図10)。
【0184】
具体的には、メイン制御部41は、有利決定(ATを付与する決定、ATゲーム数の上乗せ決定)に基づき有利制御(ATへの制御、ATゲーム数の上乗せ)を行うことが可能である。図10に示すように、メイン制御部41は、所定の終了条件が成立(リミッタ到達)したときに有利制御を終了する。図10に示すように、特別条件は、所定の終了条件が成立することが確定したことに基づき成立する。このようにすることで、リミッタ到達することに遊技者を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0185】
(3) 表示結果を導出させるために操作される導出操作手段(たとえば、ストップスイッチ8L,8C,8R)と、
表示結果を導出させる制御を行う導出制御手段(たとえば、メイン制御部41によるリール制御処理)と、をさらに備え、
前記導出制御手段は、前記事前決定手段の決定結果が前記第2特別決定結果となった場合、前記導出操作手段が第1操作態様(たとえば、順押し)で操作されたときに前記第2特別決定結果に対応する第2特別表示結果(たとえば、チェリーリプ入賞図柄組合せ)を導出する一方、前記導出操作手段が前記第1操作態様とは異なる第2操作態様(たとえば、逆押し)で操作されたときは前記第2特別表示結果とは異なる所定表示結果(たとえば、特定リプ入賞図柄組合せ)を導出し、
前記特定状態においては、前記導出操作手段の操作態様に対応する操作情報(たとえば、ナビ情報)を報知可能であり、
前記特定状態において、前記回避制御として、前記第2操作態様に対応する操作情報(たとえば、逆押しを示唆するナビ情報)が報知される(たとえば、図11(c3))。
【0186】
具体的には、メイン制御部41は、強チェリーリプが当選した場合、ストップスイッチが第1操作態様(順押し)で操作されたときに強チェリーリプ当選に対応するチェリーリプ入賞図柄組合せを導出する一方、ストップスイッチが第2操作態様(逆押し)で操作されたときはチェリーリプ入賞図柄組合せとは異なる特定リプ入賞図柄組合せを導出する。エンディング状態においては、ストップスイッチの操作態様に対応する操作情報(ナビ情報)を報知可能である。図11(c3)に示すように、エンディング状態において、回避制御として、第2操作態様(逆押し)に対応する操作情報(逆押しを示唆するナビ情報)が報知される。このように、強チェリーリプ当選に対応するチェリーリプ入賞図柄組合せを導出しない逆押しを示唆するナビ情報を報知することで、ナビ情報を報知可能な状態において、自然な形で回避制御を行うことができる。
【0187】
(4) 前記事前決定手段の決定結果が前記第2特別決定結果となった場合、前記導出操作手段が前記第1操作態様で操作されたときに前記第2特別表示結果が導出されたときと、前記導出操作手段が前記第2操作態様で操作されたときに前記所定表示結果が導出されたときとで、付与される価値は同じ(たとえば、いずれも再遊技の付与)であり、当該付与される価値は前記有利決定に基づく価値と異なる(たとえば、図11(c1)~(c4))。
【0188】
具体的には、図11(c1)~(c4)に示すように、強チェリーリプが当選した場合、ストップスイッチが第1操作態様(順押し)で操作されたときにチェリーリプ入賞図柄組合せが導出されたときと、ストップスイッチが第2操作態様(逆押し)で操作されたときに特定リプ入賞図柄組合せが導出されたときとで、いずれも再遊技が付与され、付与される価値は同じである。また、「付与される価値」は、「再遊技の付与」を指し、有利決定に基づく「ATへの制御」や「ATゲーム数の上乗せ」を指すものではない。このようすることで、回避制御が行われたとしても付与される価値に差が発生しない。
【0189】
(5) 前記事前決定手段の決定結果には、前記第1特別決定結果および前記第2特別決定結果とは異なる所定決定結果(たとえば、特定リプ当選)が含まれ、
前記事前決定手段の決定結果が前記所定決定結果となったときに、前記第2操作態様に対応する操作情報(たとえば、逆押しを示唆するナビ情報)が報知されることがあり、
前記事前決定手段の決定結果が前記第2特別決定結果となったときに前記導出操作手段が前記第2操作態様で操作されたときに導出される表示結果(たとえば、特定リプ入賞図柄組合せ)は、前記事前決定手段の決定結果が前記所定決定結果となったときに前記導出操作手段が前記第2操作態様で操作されたときに導出される表示結果(たとえば、特定リプ入賞図柄組合せ)と同じである(たとえば、図11(b4),(c4))。
【0190】
具体的には、抽選対象役には、弱チェリーおよび強チェリーリプとは異なる特定リプが含まれる。特定リプが当選したときに、第2操作態様(逆押し)に対応する操作情報(逆押しを示唆するナビ情報)が報知されることがある。図11(b4),(c4)に示すように、強チェリーリプが当選したときにストップスイッチが第2操作態様(逆押し)で操作されたときに導出される表示結果(特定リプ入賞図柄組合せ)は、特定リプが当選したときにストップスイッチが第2操作態様(逆押し)で操作されたときに導出される表示結果(特定リプ入賞図柄組合せ)と同じである。このようにすることで、回避制御が行われたときに、特定リプが当選したと思わせることができる。
【0191】
(6) 前記事前決定手段の決定結果に基づき、当該決定結果を示唆する示唆演出(たとえば、当選示唆演出)を実行する示唆演出実行手段(たとえば、サブ制御部91による当選示唆演出を実行する処理)をさらに備え、
前記示唆演出実行手段は、前記回避制御が行われる場合は、前記所定決定結果を示唆する前記示唆演出を実行する(図11(c3))。
【0192】
具体的には、サブ制御部91は、当選に基づき、当該当選を示唆する当選示唆演出を実行可能である。図11(c3)に示すように、サブ制御部91は、回避制御が行われる場合は、特定リプ当選を示唆する当選示唆演出を実行する。このようにすることで、回避制御が行われたときに、特定リプが当選したと思わせることができる。
【0193】
(7) 前記事前決定手段の決定結果が前記第2特別決定結果となった場合に前記第2特別表示結果(たとえば、チェリーリプ入賞図柄組合せ)が導出されたときに、特別入賞演出(たとえば、図11(c2)、強チェリー入賞演出)を実行可能な特別入賞演出実行手段(たとえば、サブ制御部91による強チェリー入賞演出を実行する処理)をさらに備え、
前記特別入賞演出実行手段は、前記回避制御が行われる場合、前記事前決定手段の決定結果が前記第2特別決定結果となった場合に前記第2特別表示結果が導出されたときに、前記特別入賞演出を実行しない(たとえば、図11(c4))。
【0194】
具体的には、図11(c2)に示すように、サブ制御部91は、強チェリーリプが当選した場合にチェリーリプ入賞図柄組合せが導出されたときに、強チェリー入賞演出を実行可能である。図11(c4)に示すように、サブ制御部91は、回避制御が行われる場合、強チェリーリプが当選した場合にチェリーリプ入賞図柄組合せが導出されたときに、強チェリー入賞演出を実行しない。このようにすることで、回避制御が行われたときのチェリーリプ入賞を目立たせない。
【0195】
(8) 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシン(たとえば、スロットマシン1)において、
導出を許容する表示結果を決定する事前決定手段(たとえば、メイン制御部41による内部抽選を行う処理)と、
前記事前決定手段の決定結果が特別決定結果(たとえば、強チェリーリプ当選)となったときに、遊技者にとって有利な有利決定(たとえば、ATを付与する決定、上乗せ決定)を行うことが可能な有利決定手段(たとえば、メイン制御部41によるATを付与する決定、上乗せ決定を行う処理)と、
特別条件(たとえば、エンディング状態への移行が決定する条件)の成立に基づいて、前記事前決定手段の決定結果が前記特別決定結果となったときであっても前記有利決定が行われない特定状態(たとえば、エンディング状態)に制御可能な特定状態制御手段(たとえば、メイン制御部41によるエンディング状態に制御する処理)と、
前記特定状態において、前記事前決定手段の決定結果が前記特別決定結果となったときに当該特別決定結果に対応する表示結果の導出を回避する回避制御を実行可能な回避制御手段(たとえば、メイン制御部41による回避制御を実行する処理)と、を備える。
【0196】
具体的には、メイン制御部41は、強チェリーリプが当選したときに、遊技者にとって有利な有利決定(ATを付与する決定、上乗せ決定)を行うことが可能である。メイン制御部41は、特別条件(エンディング状態への移行が決定する条件)の成立に基づいて、強チェリーリプが当選したときであっても有利決定が行われないエンディング状態に制御可能である。メイン制御部41は、エンディング状態において、強チェリーリプが当選したときに強チェリーリプ当選に対応する表示結果(チェリーリプ入賞図柄組合せ)の導出を回避する回避制御を実行可能である。
【0197】
エンディング状態では強チェリーリプが当選したときであっても有利決定が行われないため、遊技者は、有利決定が行われる状態で強チェリーリプに当選した方がよかったと感じ、エンディング状態において強チェリーリプに当選しても損をしたような気分になる(引き損感がある)ことが多い。このため、エンディング状態において、強チェリーリプが当選したときに強チェリーリプ当選に対応するチェリーリプ入賞図柄組合せの導出を回避する回避制御を実行することで、強チェリーリプ当選による引き損感を低減させることができる。このように、エンディング状態への制御中において強チェリーリプが当選したことに関する取り扱いを好適に行うことができる。
【0198】
(9) 遊技者にとっての有利度が異なる複数種類の設定値のうちからいずれかの設定値を設定する設定手段(たとえば、メイン制御部41による設定値を設定する処理)と、
前記事前決定手段の決定結果が前記特別決定結果となった回数を更新可能な更新手段(たとえば、メイン制御部41による履歴情報を更新する処理)と、をさらに備え、
前記事前決定手段の決定結果が前記特別決定結果となる割合は、前記複数種類の設定値のうちのいずれの設定値が設定されているかに応じて異なり(たとえば、図9)、
前記更新手段は、前記回避制御が行われるときであっても、前記事前決定手段の決定結果が前記特別決定結果となった回数を更新する(たとえば、図12)。
【0199】
具体的には、メイン制御部41は、遊技者にとっての有利度が異なる複数種類の設定値のうちからいずれかの設定値を設定する処理を実行可能である。メイン制御部41は、強チェリーリプが当選した回数を更新可能な履歴情報を更新する処理を行う。図9に示すように、強チェリーリプが当選する割合は、複数種類の設定値のうちのいずれの設定値が設定されているかに応じて異なる。図12に示すように、メイン制御部41は、回避制御が行われるときであっても、強チェリーリプが当選した回数を更新する。
【0200】
遊技者は、強チェリーリプが当選した回数を更新可能な履歴情報を確認することで、強チェリーリプ当選回数/実行ゲーム数を算出することで強チェリーリプに当選した割合を算出することができる。そして、強チェリーリプが当選する割合は複数種類の設定値のうちのいずれの設定値が設定されているかに応じて異なるため、強チェリーリプに当選した割合から設定された設定値がいずれであるのかを推測すること(設定値推測)が可能となる。しかしながら、強チェリーリプ当選時に回避制御が行われた場合に当該強チェリーリプ当選を履歴情報として更新しなかった場合、設定推測の精度が低下してしまう。このため、回避制御が行われるときであっても、強チェリーリプが当選した回数を更新することで、設定推測の精度の低下を防止することができる。このように、エンディング状態への制御中において強チェリーリプが当選したことに関する取り扱いを好適に行うことができる。
【0201】
(10) 遊技者にとっての有利度が異なる複数種類の設定値のうちからいずれかの設定値を設定する設定手段(たとえば、メイン制御部41による設定値を設定する処理)と、
前記事前決定手段の決定結果が前記特別決定結果となった回数を更新可能な更新手段(たとえば、メイン制御部41による履歴情報を更新する処理)と、をさらに備え、
前記事前決定手段の決定結果が前記特別決定結果となる割合は、前記複数種類の設定値のうちのいずれの設定値が設定されているかに応じて異なり(たとえば、図9)、
前記更新手段は、前記回避制御が行われるときは、前記事前決定手段の決定結果が前記特別決定結果となった回数を更新しない(たとえば、図12の変形例)。
【0202】
具体的には、メイン制御部41は、遊技者にとっての有利度が異なる複数種類の設定値のうちからいずれかの設定値を設定する処理を実行可能である。メイン制御部41は、強チェリーリプが当選した回数を更新可能な履歴情報を更新する処理を行う。図9に示すように、強チェリーリプが当選する割合は、複数種類の設定値のうちのいずれの設定値が設定されているかに応じて異なる。図12の変形例に示すように、回避制御が行われるときは、強チェリーリプが当選した回数を更新しない。
【0203】
強チェリーリプ当選時に回避制御が行われた場合に当該強チェリーリプ当選を履歴情報として更新した場合、履歴情報として表示される強チェリーリプ当選回数と、遊技者が実際に確認した強チェリーリプの当選回数とが乖離してしまうことになる。回避制御によりチェリー入賞しなくなるので、実際の強チェリーリプ当選回数よりも少ない当選回数であるような印象を持つ。このため、回避制御が行われるときは、強チェリーリプが当選した回数を更新しないようにすることで、履歴情報の表示と実際に遊技者が確認したものとの差がなくなるため、遊技者に不信感を与えることがない。このように、エンディング状態への制御中において強チェリーリプが当選したことに関する取り扱いを好適に行うことができる。
【0204】
(11) 前記事前決定手段の決定結果が前記特別決定結果となったときに特別表示結果(たとえば、チェリーリプ入賞図柄組合せ)を導出可能であり、
前記更新手段は、前記事前決定手段の決定結果が前記特別決定結果となったときに前記特別表示結果が導出されなかったときは、前記事前決定手段の決定結果が前記特別決定結果となった回数を更新しない(たとえば、図12)。
【0205】
具体的には、強チェリーリプが当選したときにチェリーリプ入賞図柄組合せを導出可能である。図12に示すように、メイン制御部41は、強チェリーリプが当選したときにチェリーリプ入賞図柄組合せが導出されなかったときは、強チェリーリプが当選した回数を更新しない。このようすることで、履歴情報の表示と実際に遊技者が確認したものとの差がなくなるため、遊技者に不信感を与えることがない。
【0206】
(12) 前記更新手段は、遊技者の開始操作に基づく開始条件(たとえば、ユーザモードの開始条件)が成立してから遊技者の終了操作に基づく終了条件(たとえば、ユーザモードの終了条件)が成立するまで、前記事前決定手段の決定結果が前記特別決定結果となった回数を更新する(たとえば、図12)。
【0207】
具体的には、図12に示すように、メイン制御部41は、遊技者の開始操作に基づく開始条件(ユーザモードの開始条件)が成立してから遊技者の終了操作に基づく終了条件(ユーザモードの終了条件)が成立するまで、強チェリーリプが当選した回数を更新する。このようにすることで、遊技者ごとの状況を確認できる。
【0208】
(13) 前記更新手段は、前記スロットマシンの電源が投入されてから当該スロットマシンの電源が遮断されるまで、前記事前決定手段の決定結果が前記特別決定結果となった回数を更新する(たとえば、図12)。
【0209】
具体的には、図12に示すように、メイン制御部41は、スロットマシン1の電源が投入されてからスロットマシン1の電源が遮断されるまで、強チェリーリプが当選した回数を更新する。このようにすることで、1日の状況を確認できる。
【0210】
[変形例]
以上、本発明における主な実施の形態を説明してきたが、本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形例について説明する。
【0211】
[チェリー当選について]
本実施の形態においては、小役として弱チェリー、再遊技役として強チェリーリプを設けるようにした。しかし、これに限らず、いずれも、小役であってもよいし、再遊技役であってもよい。たとえば、小役の弱チェリーの代わりに、再遊技役である弱チェリーリプを設け、順押しでの操作により左リールにチェリー図柄を導出させるリプレイ入賞を発生させ、逆押しでの操作により特定リプを入賞させるようにしてもよい。また、再遊技役の強チェリーリプの代わりに、各リールにチェリー図柄を導出可能な小役の強チェリーを設けるようにしてもよい。
【0212】
[当選回数を更新について]
本実施の形態においては、強チェリーリプが当選したときにチェリーリプ入賞が発生したときに、履歴情報における強チェリーの当選回数を更新するようにした。しかし、これに限らず、強チェリーリプが当選したときに、導出される図柄組合せにかかわらず、履歴情報における強チェリーの当選回数を更新するようにしてもよい。また、弱チェリーが当選したときは、チェリー入賞が発生したか否かに関わらず弱チェリーの当選回数を更新するようにしてもよいし、チェリー入賞が発生した場合にのみ弱チェリーの当選回数を更新するようにしてもよい。
【0213】
[回避制御について]
本実施の形態においては、エンディング状態において、弱チェリーが当選したときに弱チェリー当選に対応する表示結果(下段チェリー入賞図柄組合せ)の導出を回避する回避制御は実行しないようにしたが、これに限らず、エンディング状態において、弱チェリーが当選したときに回避制御を実行するようにしてもよい。
【0214】
なお、上述した本実施の形態および変形例における各種構成、各種処理、各種処理のタイミングなどは、適宜組合せることができる。
【0215】
また、上述した実施例および変形例では、本発明を遊技機の一例であるスロットマシン1に適用する例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技領域に遊技球を発射することにより遊技を行うパチンコ遊技機、さらには、スロットマシンやパチンコ遊技機以外の一般ゲーム機等、所定の遊技を行う遊技機であれば適用可能である。
【0216】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0217】
1 スロットマシン、1a 筐体、1b 前面扉、2L,2C,2R リール、3 透視窓、4 メダル投入部、6 MAXBETスイッチ、7 スタートスイッチ、8L,8C,8R ストップスイッチ、9 メダル払出口、11 クレジット表示器、12 遊技補助表示器、13 遊技用表示部、27 サイドランプ、28L,28C,28R リールバックライト、41 メイン制御部、41a メインCPU、41c RAM、51 液晶表示器、53,54 スピーカ、56 演出用スイッチ、91 サブ制御部、91a サブCPU、91c RAM、900 インターネット網、1001 遊技システム、1100 携帯端末、1200 管理サーバ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12