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特許7513427分離器に対するコンダクタの摩擦の管理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】分離器に対するコンダクタの摩擦の管理装置
(51)【国際特許分類】
   H02G 11/00 20060101AFI20240702BHJP
   F16G 13/16 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
H02G11/00 060
F16G13/16
【請求項の数】 10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020091115
(22)【出願日】2020-05-26
(65)【公開番号】P2020195278
(43)【公開日】2020-12-03
【審査請求日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】1905664
(32)【優先日】2019-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】520181179
【氏名又は名称】ニューティーエル
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ミラー,ジェレミー
(72)【発明者】
【氏名】グゾーリン,アレクサンドル
【審査官】遠藤 尊志
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-247329(JP,A)
【文献】特開2010-058433(JP,A)
【文献】実開平05-012803(JP,U)
【文献】特開2003-278840(JP,A)
【文献】特開2013-024356(JP,A)
【文献】特開2004-332820(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 11/00
F16G 13/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動式ケーブル支持構造(2)の位置でコンダクタ分離器(1)に対する少なくとも1つのコンダクタの摩擦の管理装置(3)であって、前記可動式ケーブル支持構造(2)は、互いに連結された複数の連続環から形成される骨組を含み、前記コンダクタ分離器(1)は、前記可動式ケーブル支持構造(2)の連続環の内部に配置され、前記コンダクタ分離器(1)は、「H」字型の断面を有する平面構造を有し、前記コンダクタ分離器(1)は、各コンダクタが互いに接触するのを防ぐべく前記可動式ケーブル支持構造(2)内で各コンダクタを組織的に重ねるように構成され、前記管理装置(3)は、少なくとも3つの第1の並置部分(4e、4f、4g)を含み、前記管理装置(3)は、一方では、前記コンダクタ分離器(1)と少なくとも1つのコンダクタの表面との間に配置されるように構成された少なくとも1つの分離境界領域(4)を含み、前記分離境界領域(4)が、前記少なくとも1つのコンダクタのスライド面(4d)を形成するように構成された平面(4d)を含み、他方では、前記コンダクタ分離器(1)への前記管理装置(3)の固定境界領域(5)を含み、前記固定境界領域(5)は、前記少なくとも3つの第1の並置部分(4e、4f、4g)のうちの向かい合って構成される2つの第1の並置部分(4e、4g)によって形成され、前記2つの第1の並置部分(4e、4g)の対向縁の面の位置で前記コンダクタ分離器(1)を挟むことによって前記コンダクタ分離器(1)を締め付けることを特徴とする、管理装置(3)。
【請求項2】
前記管理装置(3)が、「U」字型の断面を有するように互いに配置された少なくとも3つの第2の並置部分(4a、4b、4c)からなる構造を含み、前記少なくとも3つの第2の並置部分(4a、4b、4c)のうちの少なくとも2つの第2の並置部分(4a、4c)が、前記コンダクタ分離器(1)の少なくとも2つの対向面の位置に配置されるように向かい合って構成されることを特徴とする、請求項1に記載の管理装置(3)。
【請求項3】
前記管理装置(3)が、スライド面を支持する部分を含み、前記部分が、前記少なくとも2つの第2の並置部分(4a、4c)で挟まれることを特徴とする、請求項2に記載の管理装置(3)。
【請求項4】
前記少なくとも2つの第2の並置部分(4a、4c)が、中間部分(4b)により分離された個々のスライド面(4d)を支持することを特徴とする、請求項2に記載の管理装置(3)。
【請求項5】
前記固定境界領域(5)が、前記管理装置(3)少なくとも3つの第2の並置部分(4a、4b、4c)の間に弾性接続部を含み、前記少なくとも2つの第2の並置部分(4a、4c)によって前記コンダクタ分離器(1)を挟むことを特徴とする、請求項2乃至4のいずれか一項に記載の管理装置(3)。
【請求項6】
前記固定境界領域(5)が、前記コンダクタ分離器(1)の断面で前記コンダクタ分離器(1)の一部を完全に囲む構造から構成されることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の管理装置(3)。
【請求項7】
前記管理装置(3)が、前記コンダクタ分離器(1)の対向面の位置に配置されるように構成された2つの分離境界領域()を含むことを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の管理装置(3)。
【請求項8】
前記管理装置(3)が閉鎖境界領域(6)を含み、前記閉鎖境界領域(6)が、前記管理装置(3)の第1の端部(4a1)が前管理装置(3)の第2の端部(4c1)と協働して互いに接続され、それによって前記第1の端部(4a1)および前記第2の端部(4c1)を保持するように構成されることを特徴とする、請求項4に記載の管理装置(3)。
【請求項9】
前記閉鎖境界領域(6)が、前記第1の端部(4a1)により支持される少なくとも1つのタブ(6a)からなり、前記タブ(6a)が、変形され前記第2の端部(4c1)を挟むように構成され、前記第2の端部(4c1)が前記タブ(6a)前記第1の端部(4a1)との間に配置されることを特徴とする、請求項8に記載の管理装置(3)。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の管理装置(3)を含むアセンブリであって、前記管理装置(3)は、前記コンダクタ分離器(1)に取り付けられることを特徴とする、アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長い編成の車両の2個のユニット間の可動接続部を通るコネクタの管理機構の分野に関し、特に、車両の2個のユニット間の連結動作時にコネクタの移動を管理する装置の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
連続してつながれた複数のユニットを含む列車または路面電車等の長い編成の車両では、車両の進路のカーブで車両を移動できるように、これらの各ユニットの間に連結部を配置している。連続する2つのユニット間では、様々な結合部が、特に電気または電子接続を実施し、その一方でまた空気圧接続さらには油圧接続を実施する。これらの電気フローおよび/または空気圧フローの伝導体(コンダクタ)により形成される結合部は、一般にケーブル配線として形成される。そのため、これらの結合部は、2個の連続ユニット間の連結接続位置で連結部により実施される動きによって生じる様々な移動に従う。結合部品群の移動を無秩序ではなく管理された仕方で確実に実施するために、一般には、それ自体が連結されたガイド機構が使用され、当該ガイド機構は、位置決定エリアまたはスペースを課すことによりコンダクタの動きを拘束し、これらのコンダクタが移動制御されるようにする。
【0003】
従来の構成によれば、このようなガイド連結機構は、互いに連結された複数の連続環から形成される骨組を含む可動式ケーブル支持構造を介在させ、各々の環の位置に水平分離器が配置される。ガイド機構の各環の位置では、複数の分離器が、この分離器の両側に配置された2個の垂直フレーム間で重ねられ、これらの分離器は、環の幅または、連結されたガイド機構の幅に配置される長さを有する。そのため、連続環は、それらの側面フレームによって、このケーブル支持ガイド構造に配置されたコンダクタの動きを水平面で拘束し、その一方で、分離器は、ガイド機構内で各コンダクタを組織的に重ねることができる。したがって、このように重ねられた分離器は、一方では、ガイド機構により課される動きの反復時にコンダクタが互いに混合しないようにし、他方では、上に配置されるコンダクタが下に配置されるコンダクタに及ぼす重量の応力を制限することができ、その結果、コンダクタの重量に関する応力がケーブル支持構造に伝達される。しかしながら、個々の分離器に当接して保持されるコンダクタの動きが繰り返されると、これらの分離器の表面に対してコンダクタが接して摩擦が生じる。その場合、分離器に対するこれらの摩擦箇所は時期尚早の摩耗の原因となり、コンダクタを劣化させ、これらの結合部の位置で実施される動力伝達を損なう可能性がある。
【0004】
上記の課題を解決するために、一般には、連続する2個のユニット間で結合を実施するコンダクタを外装で包み、もはやコンダクタの構造ではなく外装自体によって摩擦を引き受けるようにする。しかし、このような解決方法が、外装に摩擦を及ぼすことによってコンダクタの構造への摩擦の衝撃を遅らせるとしても、分離器表面でのコンダクタの移動に関連する材料摩耗を制限することはできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、ケーブル支持構造により移動が制約されるこれらの部品のこのような摩耗を制限し、さらにはなくすことが可能であり、かつ、既存のケーブル支持構造に組み込むことが可能な装置を提案することによって、これらの不都合を解消することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのため、本発明は、可動式ケーブル支持構造の位置でコンダクタ分離器に対する少なくとも1つのコンダクタの摩擦の管理装置であって、当該管理装置は、一方では、分離器と少なくとも1つのコンダクタの表面との間に配置されるように構成された少なくとも1つの分離境界領域を含み、当該分離境界領域が、少なくとも1つのコンダクタのスライド面を形成するように構成された平面を含み、他方では、分離器への装置の固定境界領域を含むことを特徴とする管理装置を目的とする。
【0007】
本発明は、また、少なくとも1つのコンダクタ分離器に取り付けられた本発明による少なくとも1つのコンダクタの、少なくとも1つの摩擦管理装置を含むことを特徴とするアセンブリに関する。
【0008】
本発明は、限定的ではない例として挙げられ、添付図面に関して記載された好ましい実施形態に関する以下の説明を読めば、いっそう理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明による管理装置を受容するためのコンダクタ分離器を組み込んだ、連結ガイド機構の一例を示す概略図である。
図2】上図に示した連結ガイド機構内の複数の分離器を示す細部の概略図である。
図3】本発明による管理装置を受容するコンダクタ分離器の表面におけるコンダクタの移動例を示す概略的な上面図である。
図4】本発明による管理装置を受容するコンダクタ分離器の表面におけるコンダクタの移動例を示す概略的な断面図である。
図5】本発明による管理装置の第1の実施例を示す概略図である。
図6】本発明による第1の実施例の管理装置をコンダクタ分離器に配置する第1ステップの一例を示す概略図である。
図7】本発明による第1の実施例の管理装置を、図6に示したようなコンダクタ分離器に配置する第1ステップの一例を示す概略的な断面図である。
図8】本発明による第1の実施例の管理装置をコンダクタ分離器に配置する第2ステップの一例を示す概略図である。
図9】本発明による第1の実施例の管理装置を、図8に示したようなコンダクタ分離器に配置する第2ステップの一例を示す概略的な断面図である。
図10】本発明による第1の実施例の管理装置をコンダクタ分離器に配置する第3ステップの一例を示す概略図である。
図11】本発明による第1の実施例の管理装置を、図10に示したようなコンダクタ分離器に配置する第3ステップの一例を示す概略的な断面図である。
図12】本発明による第2の実施例の管理装置をコンダクタ分離器において示す概略図である。
図13】本発明による第2の実施例の管理装置を図12に示したようなコンダクタ分離器において示す概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書において、「コンダクタ」という用語は、電気、電子、油圧、空気圧等のフローの伝導に寄与する部品に関する。そのため、「コンダクタ」という用語は、また、電気もしくは電子配線にも、空気圧ダクトもしくは油圧パイプにも関与する。本発明の範囲に入る様々な解釈のバリエーションによれば、「コンダクタ」という用語は、場合によっては存在する外装またはカバー等の周辺に配置された保護部品に組み合わされた、1つまたは複数の伝導部品を同様に意味する。
【0011】
本発明は、可動式ケーブル支持構造2の位置でコンダクタ分離器1に対する少なくとも1つのコンダクタの摩擦の管理装置3に関し、管理装置3は、一方では、分離器1と少なくとも1つのコンダクタの表面との間に配置されるように構成された少なくとも1つの分離境界領域4を含み、当該分離境界領域が、少なくとも1つのコンダクタのスライド面4dを形成するように配置された平面4dを含み、他方では、分離器1への装置3の固定境界領域5を含むことを特徴とする。
【0012】
本発明による摩擦管理装置3は、コンダクタの表面または当該コンダクタの外装の表面と、コンダクタ分離器1の表面に存在してコンダクタの表面またはこの外装の表面の摩耗の原因となりうる凹凸との間に分離境界領域4を配置することができる。コンダクタのスライド専用の中間面4dを配置すれば、コンダクタに対する個々の凹凸の摩擦リスクをなくすことができ、その結果、コンダクタまたはその外装の周囲は、本発明の管理装置3の分離境界領域4の専用面4dで均質にスライドする。このようにして、本発明の装置3は、コンダクタに対し、その時期尚早の摩耗の原因となりうる局部的、一時的なあらゆる摩擦を除去する。
【0013】
本発明の管理装置3の構成の1つの変形実施形態によれば、スライド面4dは、金属またはステンレスシートから形成された、凹凸のない滑らかな表面を有する。このような表面は、経時的に十分に滑らかな表面を供給かつ保持可能にすることによって摩耗に強い反復摩擦を可能にし、移動中のコンダクタの表面に見られる摩擦箇所の発生、したがってコンダクタの摩耗を制限し、さらには防ぐ。この構成の変形実施形態の限定的ではない補完的な特徴によれば、スライド面4dは、テフロン(登録商標)タイプのコーティングによって完全なものにされ、これによって、スライドを最適化しながらこの表面でのダクトのがたつきリスクを減らすことができる。
【0014】
本発明の管理装置3の構成の特定の変形実施形態によれば、装置3は、図5から図11に部分4a、4b、4cにより示された、あるいは図12図13に部分4e、4f、4gに示された、少なくとも3つの並置部分からなる構造を含み、これらの部分が、「U」字型の断面を有するように互いに配置され、その結果、少なくとも2つの部分4a、4cは、分離器1の少なくとも2つの対向面の位置に配置される。
【0015】
この構成の特定の変形実施形態の第1の構成の特別な変形実施形態によれば、本装置は、スライド面4dを支持する部分4fを含み、当該スライド面は、分離器1の少なくとも2つの対向面の位置に配置されるように向かい合って構成される2個の部分4e、4gにより挟まれる。この変形実施形態によれば、本発明の装置は、コンダクタ分離器1の支持面に配置されるので、向かい合って構成される部分4e、4gは固定境界領域を形成するように構成され、当該領域は協働して、たとえば可動式ケーブル支持構造2の2つのフレーム間に取り付けられた分離器1の前縁と後縁のように、2個の対向縁の面の位置で分離器を挟んで分離器1を締め付ける。このようにして、スライド面4dを支持する装置の部分4fは、向かい合って構成される2個の部分4e、4gの間で接続部を形成し、装置のスライド面4dは、コンダクタ分離器1と向かい合わせになる面の対向面に配置される。したがって、スライド面4dは上向きに構成される。
【0016】
この構成の特定の変形実施形態の第2の構成の特別な変形実施形態によれば、装置3は、分離器1の対向面の位置に配置されるように構成された2個の分離境界領域4a、4cを含む。そのため、装置3は、中間部分4bにより分離された個々のスライド面4dの2つの支持部分4a、4cを含むので、支持部分4a、4cは、コンダクタ分離器1の少なくとも2つの対向面の位置に配置されるように向かい合って構成される。このようにして、分離境界領域4a、4cは、コンダクタ分離器1の両側に配置されるスライド面4dを形成し、これによって、コンダクタは、同一分離器1の各面の位置でスライドすることができ、摩擦の結果として生じる摩耗を制限し、さらにはなくす。
【0017】
そのため、向かい合って配置される2個の支持部分4a、4cは、コンダクタ分離器1を締め付けるように構成される。実施される1つの特性によれば、コンダクタ分離器1は、ほぼ平面構造を有し、本発明の装置は、第1の支持部分4aを分離器1の第1の表面の位置に配置して第3の支持部分4cを分離器1の対向面に配置するように、分離器1の平面に挿入され、装置の第2の部分4bは、第1の支持部分4aと第3の支持部分4cとの間を接続する。特に図5図6図7に示された構成例では、第3の支持部分4cが最初に分離器1の下面に接して配置され、次いで、第1の支持部分4aが分離器1の上面に接して配置される。
【0018】
上記の構成の他の特性を補う特別な構成の変形実施形態によれば、固定境界領域5は、互いに向かい合って配置される2個の部分により分離器を挟むために、装置の並置された部分の間に弾性の接続部を含む。これらの弾性接続部は、一方では、分離器1を配置可能にするために向かい合って配置される装置の部分を離隔できるように十分に変形可能であり、他方では、分離器1を挟んで締め付けるために装置の部分を接近させて所定の位置に戻すことができる。この構成の1つの変形実施形態によれば、これらの弾性接続部は、脆弱性のない弾性変形を可能にする材料から形成される。このような変形実施形態の一例として、折り曲げた金属またはステンレスシートから接続部を構成すれば、本発明の弾性特性を備えた接続部が得られる。この構成の変形実施形態の1つの特徴によれば、弾性接続部は、本発明の装置3の2つの並置部分の間の各接続部の位置に配置される。当該構成の特別な変形実施形態によれば、スライド面4dは、装置の互いに向かい合って配置される部分とは異なる位置にあってもよい。ただし、向かい合って配置される部分を結合する装置の部分から形成される弾性接続部は、これらの様々な構造変形において同様のものである。
【0019】
上記の構成の他の特性を補う構成の別の特定の変形実施形態によれば、固定境界領域5は、分離器1の断面で分離器1の一部を完全に囲む構造から構成される。この特定の変形実施形態の第1の実施例によれば、分離器1の対向面を被覆する部分4a、4cは、分離器1を超えて延長され、再び結合される。この特定の変形実施形態の第2の実施例によれば、分離器1の対向面のうちの第1の対向面を被覆する少なくとも1つの部分4a、4cは、分離器1の縁を超えた延長部を含む。その場合、装置の部分4a、4cの上記延長部は、分離器1の縁を迂回して、分離器1の対向面のうちの第2の対向面の少なくとも一部を被覆するように構成される。この延長部が、分離器1の対向面を被覆する装置の2つの部分を結合するので、分離器1の片側位置において2つの部分4a、4cの間で材料接続を実施することができる。分離器1を完全に囲むことが可能な構造を含む装置3のこの実施形態によって、装置のスライド面4dでコンダクタの動きや摩擦が繰り返されても装置3を分離器1に最適保持することができる。したがって、本発明の管理装置にとっては、コンダクタ分離器1が切り離されたり外れたりするリスクが減る。
【0020】
上記の構成の特徴を補う特定の1つの変形実施形態によれば、本装置は閉鎖境界領域6を含み、この領域は、装置の第1の端部4a1が装置の第2の端部4c1と協働して2個の端部4a1、4c1を互いに接続保持するように構成されることからなる。この閉鎖境界領域6は、本装置の部分4bに結合されない分離器1の対向面を被覆する部分4a、4cの縁4a1、4c1を互いに結合するように構成され、それによって、第1の支持部分4aと第3の支持部分4cとを接続する。この閉鎖境界領域6は、コンダクタ分離器1への装置の取り付け時にスライド面を支持する装置の部分4a、4cの端部4a1、4c1を可逆的または不可逆的に結合することができる。したがって、様々な実施形態に応じて、縁4a1、4c1の閉鎖境界領域6に溶接またはクリップ係止機構を介在させることができる。
【0021】
この閉鎖境界領域6の好ましい構成の1つの変形実施形態によれば、当該閉鎖境界領域は、装置の第1の端部4a1により支持される少なくとも1つのタブ6aから形成され、このタブは変形されて、タブ6と第1の端部4a1との間に配置される装置の第2の端部4c1を挟むように構成される。そのため、この構成の変形実施形態によれば、閉鎖境界領域6は、場合によっては予め決められた折れ線6bに沿って折り曲げられるように構成されたタブ6aを含んで、折れ線6bにより結合される2個の部分からなる構造を形成するようになっている。このように折れ線6bにより結合される2個の部分からなるタブ6は、一方では、スライド面4dを支持する装置の第1の部分4a、4cの一端に結合される第1の部分を含み、他方では、自由縁を有する第2の部分を含み、第2の部分を第1の部分の上に折り曲げることができる。その場合、この構成によって、第1の部分と、閉鎖境界領域6のタブ6aの第1の部分の上に折り曲げられる第2の部分との間で、装置の第2の部分4a、4cの一端4c1を挟んで締め付けることができる。
【0022】
本発明は、また、少なくとも1つのコンダクタ分離器1に取り付けられる、本発明による少なくとも1つのコンダクタの、少なくとも1つの摩擦管理装置3を含むことを特徴とするアセンブリに関する。本発明の管理装置3は、その特定の構成によって、連結ガイド機構にすでに設置されたコンダクタ分離器1に容易にはめ込み可能である。なぜなら、本発明の管理装置3は、平坦な構成によって、分離器1の表面と、この表面に当接するコンダクタとの間で、スライド面4dを支持する少なくとも1つの部分4aをすべらせるように構成されるからである。この設備の1つの変形実施形態によれば、本発明の管理装置3は、装置の2個の支持部分4a、4cの間に分離器1をはめ込むことができるように構成され、2個の支持部分のうちの少なくとも一方は、分離器1と少なくとも1つのコンダクタとの間でコンダクタに向かい合うような配置となるように配向されるスライド面4dを含む。このような平面構成によって、可動式ケーブル支持構造2に設置されたコンタクタ分離器1に管理装置3を容易に配備可能であり、コンダクタの移動管理に貢献する。
【0023】
当然のことながら、本発明は、記載および図示された実施形態に制限されるものではない。特に各種部品の構成の観点から、あるいは同等技術の代替によって、本発明の保護範囲を逸脱することなく依然として様々な修正が可能である。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13