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特許7513444外科用アクセスアセンブリ用の封止アセンブリ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】外科用アクセスアセンブリ用の封止アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/34 20060101AFI20240702BHJP
【FI】
A61B17/34
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020117123
(22)【出願日】2020-07-07
(65)【公開番号】P2021023803
(43)【公開日】2021-02-22
【審査請求日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】16/529,886
(32)【優先日】2019-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】マシュー ディニーノ
(72)【発明者】
【氏名】ロイ ピレティア
(72)【発明者】
【氏名】ニコレット ラピエール
(72)【発明者】
【氏名】ギャレット エバーソール
(72)【発明者】
【氏名】ジェイコブ バリル
(72)【発明者】
【氏名】ジョージ マッタ
(72)【発明者】
【氏名】エリック ブラウン
(72)【発明者】
【氏名】ケビン デスジャルディン
【審査官】木村 立人
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-325662(JP,A)
【文献】特開2006-167473(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103505270(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクセスアセンブリであって、前記アクセスアセンブリは、
上部ハウジングセクションと下部ハウジングセクションと内部ハウジングセクションを含む器具バルブハウジングであって、空洞を画定する器具バルブハウジングと、
前記器具バルブハウジングの前記空洞内に配置されているバルブアセンブリ
を含み、
前記バルブアセンブリは、
ガードアセンブリと、
前記ガードアセンブリの遠位に配置されている封止アセンブリ
を含み、
前記封止アセンブリは、重なり合う構成の複数の封止セクションを含み、前記複数の封止セクションの各封止セクションは、滑らかな表面リブ付き表面を有す封止部分を含み、前記リブ付き表面は、半径方向に延在する中央スプラインと、前記中央スプラインから外側に延在する複数の同心リブを含むアクセスアセンブリ。
【請求項2】
前記封止アセンブリは、支持リングと、前記支持リングによって支持されている第1の封止セクションおよび第2の封止セクションおよび第3の封止セクションおよび第4の封止セクションを含む、請求項1に記載のアクセスアセンブリ。
【請求項3】
前記第1の封止セクションおよび前記第2の封止セクションおよび前記第3の封止セクションおよび前記第4の封止セクションのそれぞれは、コネクタ部分によって前記支持リングに固定されている、請求項2に記載のアクセスアセンブリ。
【請求項4】
前記コネクタ部分は、リビングヒンジである、請求項3に記載のアクセスアセンブリ。
【請求項5】
前記第1の封止セクションおよび前記第2の封止セクションおよび前記第3の封止セクションおよび前記第4の封止セクションの前記滑らかな表面は、前記封止アセンブリが折り畳まれた状態にあるときに、近位に面する、請求項1に記載のアクセスアセンブリ。
【請求項6】
前記第1の封止セクションおよび前記第2の封止セクションおよび前記第3の封止セクションおよび前記第4の封止セクションの前記リブ付き表面は、前記封止アセンブリが折り畳まれた状態にあるときに、遠位に面する、請求項1に記載のアクセスアセンブリ。
【請求項7】
前記滑らかな表面および前記リブ付き表面は、前記封止アセンブリが折り畳まれた状態にあるときに、交互になっている、請求項1に記載のアクセスアセンブリ。
【請求項8】
前記中央スプラインは、前記封止アセンブリを通した外科用器具の挿入中に、前記封止部分を線形形状に維持する、請求項1に記載のアクセスアセンブリ。
【請求項9】
前記中央スプラインおよび前記複数の同心リブは、外科用器具が前記封止アセンブリを通して引き抜かれるときに、前記封止部分の屈曲を可能にする、請求項1に記載のアクセスアセンブリ。
【請求項10】
前記複数の封止セクションは、不連続的な内側封止周囲を形成する、請求項1に記載のアクセスアセンブリ。
【請求項11】
バルブアセンブリであって、前記バルブアセンブリは、
ガードアセンブリと、
前記ガードアセンブリの遠位に配置されている封止アセンブリ
を含み、
前記封止アセンブリは、重なり合う構成の複数の封止セクションを含み、前記複数の封止セクションの各封止セクションは、滑らかな表面リブ付き表面を有す封止部分を含み、前記リブ付き表面は、半径方向に延在する中央スプラインと、前記中央スプラインから外側に延在する複数の同心リブを含むバルブアセンブリ。
【請求項12】
前記封止アセンブリは、支持リングと、第1の封止セクションおよび第2の封止セクションおよび第3の封止セクションおよび第4の封止セクションを含む、請求項11に記載のバルブアセンブリ。
【請求項13】
前記第1の封止セクションおよび前記第2の封止セクションおよび前記第3の封止セクションおよび前記第4の封止セクションは、それぞれのコネクタ部分によって前記支持リングに固定されている、請求項12に記載のバルブアセンブリ。
【請求項14】
前記コネクタ部分は、リビングヒンジである、請求項13に記載のバルブアセンブリ。
【請求項15】
前記第1の封止セクションおよび前記第2の封止セクションおよび前記第3の封止セクションおよび前記第4の封止セクションの前記滑らかな表面は、前記封止アセンブリが折り畳まれた状態にあるときに、近位方向に面する、請求項12に記載のバルブアセンブリ。
【請求項16】
前記第1の封止セクションおよび前記第2の封止セクションおよび前記第3の封止セクションおよび前記第4の封止セクションの前記リブ付き表面は、前記封止アセンブリが折り畳まれた構成にあるときに、遠位方向に面する、請求項12に記載のバルブアセンブリ。
【請求項17】
前記滑らかな表面および前記リブ付き表面は、交互になっている、請求項11に記載のバルブアセンブリ。
【請求項18】
前記中央スプラインは、前記封止アセンブリを通した外科用器具の挿入中に、前記封止部分を線形形状に維持し、前記中央スプラインおよび前記複数の同心リブは、前記外科用器具が前記封止アセンブリを通して引き抜かれるときに、前記封止部分の屈曲を可能にする、請求項11に記載のバルブアセンブリ。
【請求項19】
前記複数の封止セクションは、不連続的な内側封止周囲を形成する、請求項11に記載のバルブアセンブリ。
【請求項20】
封止アセンブリであって、前記封止アセンブリは、
支持リングと、
前記支持リングから延在する複数の封止セクション
を含み、
前記複数の封止セクションの各封止セクションは、滑らかな表面リブ付き表面を有する封止部分を含み、前記リブ付き表面は、半径方向に延在する中央スプラインと、前記中央スプラインから外側に延在する複数の同心リブを含み、
前記複数の封止セクションは、前記支持リングによって支持されている第1の封止セクションおよび第2の封止セクションおよび第3の封止セクションおよび第4の封止セクションを含み、
前記第1の封止セクションおよび前記第2の封止セクションおよび前記第3の封止セクションおよび前記第4の封止セクションは、前記滑らかな表面と前記リブ付き表面とを有し、
前記第1の封止セクションおよび前記第2の封止セクションおよび前記第3の封止セクションおよび前記第4の封止セクションのそれぞれは、コネクタ部分によって前記支持リングに固定されており、
前記コネクタ部分は、前記第1の封止セクションおよび前記第2の封止セクションおよび前記第3の封止セクションおよび前記第4の封止セクションのそれぞれの折り畳みが、互いに対して、かつ、前記支持リングに対して可能であるように構成されており、
前記第1の封止セクションおよび前記第2の封止セクションおよび前記第3の封止セクションおよび前記第4の封止セクションの前記滑らかな表面は、前記封止アセンブリが折り畳まれた状態にあるときに、近位に面し、
前記第1の封止セクションおよび前記第2の封止セクションおよび前記第3の封止セクションおよび前記第4の封止セクションの前記リブ付き表面は、前記封止アセンブリが折り畳まれた状態にあるときに、遠位に面し、
前記滑らかな表面および前記リブ付き表面は、前記封止アセンブリが折り畳まれた状態にあるときに、交互になっており、
前記中央スプラインは、前記第1の封止セクションおよび前記第2の封止セクションおよび前記第3の封止セクションおよび前記第4の封止セクションのそれぞれの下側または遠位の表面上にのみに配置されており、このことが、前記封止アセンブリを通した外科用器具の挿入中に、前記第1の封止セクションおよび前記第2の封止セクションおよび前記第3の封止セクションおよび前記第4の封止セクションが線形形状に屈曲することを引き起こし、
前記中央スプラインおよび前記複数の同心リブは、前記外科用器具が前記封止アセンブリを通して引き抜かれるときに、前記封止部分の屈曲を可能にする、封止アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、低侵襲手術のための外科用アクセスアセンブリに関する。より具体的には、本開示は、外科用アクセスアセンブリ用のバルブアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
低侵襲手術を容易にするために、作業空間は、所望の外科部位に形成されなければならない。送気流体、典型的には、COが、気腹と呼ばれる膨張状態を形成するために、患者の腹部に導入される。外科用アクセスアセンブリは、外科用器具および内視鏡(または他の視覚化ツール)の導入を可能にするために利用される。これらの外科用アクセスアセンブリは、それらが外科用器具に適合する1つ以上の封止を有しているため、気腹の圧力を維持する。典型的には、外科用アクセスアセンブリにおける「ゼロ封止」は、外科用アクセスアセンブリ内に外科用器具がないときに外科用アクセスアセンブリを封止し、器具封止は、外科用アクセスアセンブリを通して挿入される外科用器具の周囲を封止する。
【0003】
今日、市場での外科用器具の幅は、複数のサイズに調整すること、かつ外科用器具の複数回の挿入および取り外しに耐えることが可能な堅牢な器具封止を必要とする。器具のいくつかは、器具封止を裂くかまたはさもなければ損傷を与える可能性がある鋭利な縁を含む場合がある。したがって、改善された器具封止耐久性を備える外科用アクセスアセンブリを有することが有益であろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
外科用アクセスアセンブリは、上部、下部、および内部ハウジングセクションを含み、かつ空洞を画定する、器具バルブハウジングと、器具バルブハウジングの空洞内に配設されたバルブアセンブリと、を含む。バルブアセンブリは、ガードアセンブリと、ガードアセンブリの遠位に配設された封止アセンブリと、を含む。封止アセンブリは、重なり合う構成の複数の封止セクションを含む。複数の封止セクションの各封止セクションは、滑らかな表面およびリブ付き表面を有する封止部分を含む。リブ付き表面は、半径方向に延在する中央スプラインと、中央スプラインから外側に延在する複数の同心リブと、を含む。
【0005】
実施形態では、封止アセンブリは、支持リングと、第1、第2、第3および第4の封止セクションと、を含む。第1、第2、第3、および第4の封止セクションの各々は、コネクタ部分によって支持リングに固定され得る。コネクタ部分は、リビングヒンジとすることができる。第1、第2、第3、および第4の封止セクションの滑らかな表面は、封止アセンブリが折り畳まれた状態にあるときに、近位に面することができる。第1、第2、第3、および第4の封止セクションのリブ付き表面は、封止アセンブリが折り畳まれた状態にあるときに、遠位に面することができる。滑らかな表面およびリブ付き表面は、交互になることができる。複数の封止セクションは、不連続的な内側封止周囲を形成することができる。
【0006】
バルブアセンブリは、ガードアセンブリと、ガードアセンブリの遠位に配設された封止アセンブリと、を含む。封止アセンブリは、重なり合う構成の複数の封止セクションを含む。複数の封止セクションの各封止セクションは、滑らかな表面およびリブ付き表面を有する封止部分を含み得る。リブ付き表面は、半径方向に延在する中央スプラインと、中央スプラインから外側に延在する複数の同心リブと、を含み得る。
【0007】
実施形態では、封止アセンブリは、支持リングと、第1、第2、第3、および第4の封止セクションと、を含む。第1、第2、第3、および第4の封止セクションの各々は、コネクタ部分によって支持リングに固定され得る。コネクタ部分は、リビングヒンジとすることができる。第1、第2、第3、および第4の封止セクションの滑らかな表面は、遠位方向に面することができる。第1、第2、第3、および第4の封止セクションの滑らかな表面は、遠位方向に面することができる。滑らかな表面およびリブ付き表面は、交互になることができる。複数の封止セクションは、不連続的な内側封止周囲を形成することができる。
【0008】
封止アセンブリは、支持リングと、重なり合う構成で支持リングから延在する複数の封止セクションと、を含む。複数の封止セクションの各封止セクションは、滑らかな表面およびリブ付き表面を有する封止部分を含む。リブ付き表面は、半径方向に延在する中央スプラインと、中央スプラインから外側に延在する複数の同心リブと、を含み得る。
例えば、本願は以下の項目を提供する。
(項目1)
アクセスアセンブリであって、
上部、下部、および内部ハウジングセクションを含み、空洞を画定する器具バルブハウジングと、
上記器具バルブハウジングの上記空洞内に配設されたバルブアセンブリであって、
ガードアセンブリと、
上記ガードアセンブリの遠位に配設された封止アセンブリであって、重なり合う構成の複数の封止セクションを含み、上記複数の封止セクションの各封止セクションが、滑らかな表面と、リブ付き表面と、を有する、封止部分を含み、上記リブ付き表面が、半径方向に延在する中央スプラインと、上記中央スプラインから外側に延在する複数の同心リブと、を含む、封止アセンブリと、を含む、バルブアセンブリと、を含む、アクセスアセンブリ。
(項目2)
上記封止アセンブリが、支持リングと、上記支持リングによって支持される第1、第2、第3、および第4の封止セクションと、を含む、上記項目に記載のアクセスアセンブリ。
(項目3)
上記第1、第2、第3、および第4の封止セクションの各々が、コネクタ部分によって上記支持リングに固定される、上記項目のいずれか一項に記載のアクセスアセンブリ。
(項目4)
上記コネクタ部分が、リビングヒンジである、上記項目のいずれか一項に記載のアクセスアセンブリ。
(項目5)
上記第1、第2、第3、および第4の封止セクションの滑らかな表面は、上記封止アセンブリが折り畳まれた状態にあるときに、近位に面する、上記項目のいずれか一項に記載のアクセスアセンブリ。
(項目6)
上記第1、第2、第3、および第4の封止セクションの上記リブ付き表面は、上記封止アセンブリが折り畳まれた状態にあるときに、遠位に面する、上記項目のいずれか一項に記載のアクセスアセンブリ。
(項目7)
上記滑らかな表面および上記リブ付き表面は、上記封止アセンブリが折り畳まれた状態にあるときに、交互になっている、上記項目のいずれか一項に記載のアクセスアセンブリ。
(項目8)
上記中央スプラインは、上記封止アセンブリを通した外科用器具の挿入中に、上記封止部分を線形形状に維持する、上記項目のいずれか一項に記載のアクセスアセンブリ。
(項目9)
上記中央スプラインおよび上記複数の同心リブは、外科用器具が上記封止アセンブリを通して引き抜かれるときに、上記封止部分の屈曲を可能にする、上記項目のいずれか一項に記載のアクセスアセンブリ。
(項目10)
上記複数の封止セクションが、不連続的な内側封止周囲を形成する、上記項目のいずれか一項に記載のアクセスアセンブリ。
(項目11)
バルブアセンブリであって、
ガードアセンブリと、
上記ガードアセンブリの遠位に配設された封止アセンブリであって、重なり合う構成の複数の封止セクションを含み、上記複数の封止セクションの各封止セクションが、滑らかな表面と、リブ付き表面と、を有する、封止部分を含み、上記リブ付き表面が、半径方向に延在する中央スプラインと、上記中央スプラインから外側に延在する複数の同心リブと、を含む、封止アセンブリと、を含む、バルブアセンブリ。
(項目12)
上記封止アセンブリが、支持リングと、第1、第2、第3、および第4の封止セクションと、を含む、上記項目に記載のバルブアセンブリ。
(項目13)
上記第1、第2、第3、および第4の封止セクションが、それぞれのコネクタ部分によって上記支持リングに固定されている、上記項目のいずれか一項に記載のバルブアセンブリ。
(項目14)
上記コネクタ部分が、リビングヒンジである、上記項目のいずれか一項に記載のバルブアセンブリ。
(項目15)
上記第1、第2、第3、および第4の封止セクションの上記滑らかな表面は、上記封止アセンブリが折り畳まれた状態にあるときに、近位方向に面する、上記項目のいずれか一項に記載のバルブアセンブリ。
(項目16)
上記第1、第2、第3、および第4の封止セクションの上記リブ付き表面は、上記封止アセンブリが折り畳まれた構成にあるときに、遠位方向に面する、上記項目のいずれか一項に記載のバルブアセンブリ。
(項目17)
上記滑らかな表面および上記リブ付き表面が、交互になっている、上記項目のいずれか一項に記載のバルブアセンブリ。
(項目18)
上記中央スプラインは、上記封止アセンブリを通した外科用器具の挿入中に、上記封止部分を線形形状に維持し、上記中央スプラインおよび上記複数の同心リブは、上記外科用器具が上記封止アセンブリを通して引き抜かれるときに、上記封止部分の屈曲を可能にする、上記項目のいずれか一項に記載のバルブアセンブリ。
(項目19)
上記複数の封止セクションが、不連続的な内側封止周囲を形成する、上記項目のいずれか一項に記載のバルブアセンブリ。
(項目20)
封止アセンブリであって、
支持リングと、
上記支持リングから延在する複数の封止セクションであって、上記複数の封止セクションの各封止セクションが、滑らかな表面およびリブ付き表面を有する封止部分を含み、上記リブ付き表面が、半径方向に延在する中央スプラインと、上記中央スプラインから外側に延在する複数の同心リブと、を含む、複数の封止セクションと、を含む、封止アセンブリ。
(摘要)
アクセスアセンブリは、器具バルブハウジングと、器具バルブハウジングの空洞内に配設されたバルブアセンブリと、を含む。バルブアセンブリは、ガードアセンブリと、ガードアセンブリの遠位に配置された封止アセンブリと、を含む。実施形態では、封止アセンブリは、重なり合う構成の複数の封止セグメントを含む。複数の封止セグメントの各封止セグメントは、滑らかな表面およびリブ付き表面を有する封止部分を含む。リブ付き表面は、半径方向に延在する中央スプラインと、中央スプラインから外側に延在する複数の同心リブと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本開示の実施形態を例証し、上述した開示の一般的な説明、および下記の実施形態の詳細な説明と共に、本開示の原理を説明する役割を果たす。
【0010】
図1】本開示の実施形態による外科用アクセスアセンブリの側面斜視図である。
図2】断面線2-2に沿った、図1に示される外科用アクセスアセンブリの側断面図である。
図3】センタリング機構、ガードアセンブリ、封止アセンブリ、およびリテーナアセンブリを含む、部品が分離された、バルブアセンブリの分解斜視図である。
図4図3に示される封止アセンブリの上面斜視図である。
図5】初期または展開状態における、図4に示される封止アセンブリの斜視図である。
図6図9の断面線6-6に沿った、図4に示される封止アセンブリの側断面図である。
図7図6に示される詳細の示された領域の拡大図である。
図8図4の断面線8-8に沿った、図4に示される封止アセンブリの側断面図である。
図9】初期または展開状態における、図4に示される封止アセンブリの底面斜視図である。
図10】部分的に折り畳まれた状態における、図4に示される封止アセンブリの上面斜視図である。
図11】完全に折り畳まれた状態における、図4に示される封止アセンブリの上面斜視図である。
図12図3に示されるバルブアセンブリの底面斜視図である。
図13図12の断面線13-13に沿った、図3に示されるバルブアセンブリの側断面図である。
図14】本開示の別の実施形態による、バルブアセンブリを含むアクセスアセンブリの側断面図である。
図15】センタリング機構、ガードアセンブリ、封止アセンブリ、およびリテーナアセンブリを含む、部品が分離された、図14に示されるバルブアセンブリの分解斜視図である。
図16】初期または展開状態における、図15に示される封止アセンブリの上面斜視図である。
図17】初期または展開状態における、図16に示される封止アセンブリの平面図である。
図18】初期または展開状態における、図16および図17に示される封止アセンブリの底面図である。
図19図16に示される封止アセンブリの側断面図である。
図20図19に示される詳細の示された領域の拡大図である。
図21】第1の部分的に折り畳まれた状態における、図16~20に示される封止アセンブリの上面斜視図である。
図22】第2の部分的に折り畳まれた状態における、図16図21に示される封止アセンブリの上面斜視図である。
図23】第3の部分的に折り畳まれた状態における、図16図22に示される封止アセンブリの上面斜視図である。
図24】完全に折り畳まれた状態における、図16図23に示される封止アセンブリの上面斜視図である。
図25】完全に折り畳まれた構成における、図16図24に示される封止アセンブリの底面斜視図である。
図26図14および図15に示されるバルブアセンブリの底面斜視図である。
図27図16図22に示される封止アセンブリであって、それを通して外科用器具が受容されるときの側断面図である。
図28図27に示される封止アセンブリであって、外科用器具がそこから引き抜かれるときの側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の特定の実施形態が、添付の図面を参照して以下に記載される。しかしながら、開示される実施態様は、本開示の単なる例示に過ぎず、様々な態様で具現化され得ることを理解されたい。周知の機能または構造体は、不必要な詳細で本開示を曖昧にすることを避けるために、詳細には記載されない。それゆえに、本明細書で開示される特定の構造的および機能的な詳細は、限定として解釈されるべきではなく、単に特許請求の範囲の基礎として、かつ本開示を実質的に任意の適切で詳細な構造で様々に用いるために当業者に教示するための代表的な基礎として解釈されるべきである。同様の参照番号は、図面の記載を通して類似または同一の要素を指す。
【0012】
本明細書で使用される「遠位」という用語は、ユーザからより遠い、器具のその部分またはその構成要素を指し、一方、「近位」という用語は、ユーザにより近い、器具のその部分またはその構成要素を指す。本明細書で使用される「約」という用語は、数値が近似であり、小さな変形が開示された実施形態の実施に大幅に影響を及ぼさないであろうことを意味する。数値限定が使用される場合、文脈によって他に示されない限り、「約」は、数値が±10%だけ変動することができ、開示された実施形態の範囲内に留まることができることを意味する。
【0013】
栓塞子を有する外科用アクセスアセンブリが、腹腔鏡手術などの低侵襲手術中に用いられ、気体を吹き込まれた、腹腔などの体腔への外科用器具の封止されたアクセスを提供する。本開示の外科用アクセスアセンブリは、カニューレチューブに取り付けられた器具バルブハウジングを含み、バルブハウジングおよびカニューレを通して挿入された栓塞子(図示せず)を含む。栓塞子は、鈍い遠位端、またはブレード付きもしくはブレードのない穿孔遠位端を有することができ、外科用アクセスアセンブリを腹部に導入することができるように、腹壁を切開するために使用することができる。栓塞子のハンドルは、外科用アクセスアセンブリの器具バルブハウジングと係合するか、選択的に器具バルブハウジングに係止することができる。
【0014】
外科用アクセスアセンブリは、解剖学的構造を通る新しい通路を作ることによって、または解剖学的構造を通る既存の開口部を通過することによってのいずれかで、解剖学的構造、例えば、腹壁を通って掘進するために用いられる。栓塞子を有する外科用アクセスアセンブリが解剖学的構造を通って掘進すると、栓塞子は取り外され、外科用アクセスアセンブリを適所に残す。外科用アクセスアセンブリの器具バルブハウジングは、体腔からの送気流体の漏れを防止するバルブを含み、一方で、体腔に外科用器具を挿入することもまた可能にする。
【0015】
様々な実施形態では、外科手技における組織面の分離、および分離中の体組織繊維の視覚化を可能にし、それにより体壁にわたる制御された横断を可能にするブレードレス光学トロカール栓塞子が提供され得る。他の実施形態では、トロカール栓塞子は、光学的でない、例えば、栓塞子の遠位先端部を通して同時発生視覚化を提供しない、ブレードレスであってもよい。ブレードレス栓塞子は、外科手技中に腹部内層の鈍的切開のために提供されてもよい。
【0016】
本開示の外科用アクセスアセンブリと共に使用することに好適な様々なトロカール栓塞子が既知であり、例えば、ブレード付き、ブレードレス、鈍い、光学、および非光学を含む。例示的なトロカール栓塞子および例示的なカニューレを含む、例示的なトロカールアセンブリの構造ならびに機能の詳細な説明については、その内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第2016/186905号(「‘905公開」)を参照されたい。
【0017】
ここで先ず図1を参照すると、本開示の態様による外科用アクセスアセンブリは、概して、外科用アクセスアセンブリ100として示されている。外科用アクセスアセンブリ100は、カニューレ102と、カニューレ102に固定された器具バルブハウジング110と、を含む。例示的な外科用アクセスアセンブリの詳細な説明については、’905公開を参照されたい。
【0018】
図2を参照すると、外科用アクセスアセンブリ100の器具バルブハウジング110は、上部ハウジングセクション112、下部ハウジングセクション114、および内部ハウジングセクション116を含む。上部、下部、および内部ハウジングセクション112、114、116は、カニューレ102の近位端上のバルブアセンブリ120を支持するように構成される。より具体的には、内部ハウジングセクション116は、上部ハウジングセクション112と下部ハウジングセクション114との間に固定され、バルブアセンブリ120は、内部ハウジングセクション116と下部ハウジングセクション114との間に受容される。器具バルブハウジング110の上部ハウジングセクション112および下部ハウジングセクション114は、内部ハウジングセクション116に選択的に取り付け可能、およびそれから取り外し可能であってもよい。下部ハウジングセクション114は、カニューレ102のカニューレチューブ104(図1)に解放可能または永久的に取り付けられてもよい。実施形態では、器具バルブハウジング110の上部ハウジングセクション112および下部ハウジングセクション114のいずれかまたは両方は、節、刻み目、タブを含み得るか、または別様に臨床医による係合を容易にするように構成され得る。
【0019】
外科用アクセスアセンブリ100はまた、外科用アクセスアセンブリの安定化のための特徴を含むことができる。例えば、カニューレチューブ104の遠位端は、内部から腹部と係合するバルーンアンカーまたは別の拡張可能部材を担持してもよい。例えば、全開示が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7,300,448号を参照されたい。腹壁の反対側の機能は、接着タブまたは調整可能なフォームカラーなど、外科用アクセスアセンブリをさらに安定させるために使用されてもよい。
【0020】
器具バルブハウジング110の上部、下部、および内部ハウジングセクション112、114、116は、外科用器具(図示せず)を受容するための長手方向通路111を画定する。バルブアセンブリ120は、器具バルブハウジング110内に支持されて、外科用アクセスアセンブリ100を通る外科用器具(図示せず)の封止された通路を提供する。
【0021】
特に図2および図3を参照すると、器具バルブハウジング110(図2)内に支持されたバルブアセンブリ120は、センタリング機構130と、ガードアセンブリ140と、封止アセンブリ160と、リテーナアセンブリ190と、を含む。バルブアセンブリ120のセンタリング機構130は、外科用器具がバルブアセンブリ120を通して受容されるとき、器具バルブハウジング110に対するバルブアセンブリ120の半径方向移動を可能にし、外科用器具が器具バルブハウジング110内から引き出されると、バルブアセンブリ120をほぼ中心位置に戻す。ガードアセンブリ140は、封止アセンブリ160を通す外科用器具の挿入および引き抜き中に、封止アセンブリ160を保護する。封止アセンブリ160は、器具バルブハウジング110を通る外科用器具の封止された通路を提供する。リテーナアセンブリ190は、センタリング機構130と、ガードアセンブリ140と、封止アセンブリ160とを互いに整列した関係に維持する。
【0022】
引き続き図2および図3を参照すると、上述したように、バルブアセンブリ120のセンタリング機構130は、バルブアセンブリ120を通過する外科用器具がない場合、バルブアセンブリ120を器具バルブハウジング110(図2)内の中心に維持するように構成されている。実施形態では、示されるように、センタリング機構130は、外部環状リング132、内部環状リング134、および外部環状リング132と内部環状リング134との間に配設されたベローズ136を含む。図2に示されるように、外部環状リング132は、内部ハウジングセクション116と下部ハウジングセクション114との間に受容されて、センタリング機構130を器具バルブハウジング110内に保持する。内部環状リング134は、ガードアセンブリ140を支持する。例示的なセンタリング機構の構造体および機能の詳細な説明については、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第6,702,787号を参照されたい。
【0023】
ベローズ136を有するセンタリング機構130を含んで示されるが、バルブアセンブリ120は、代替的なセンタリング機構を含むことができる。例えば、センタリング機構は、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2015/0025477号(「’477公開」)に記載されるように、環状ベースおよびベースから延在する複数のスポークを含んでもよい。‘477公開文献に開示されるように、センタリング機構は、複数の組のスポークを含んでもよいことが想定される。
【0024】
引き続き図2および図3を参照すると、バルブアセンブリ120のガードアセンブリ140は、外科用器具(図示せず)が器具バルブハウジング110(図2)を通過するときに封止アセンブリ160を保護するように構成されている。
【0025】
ガードアセンブリ140は、リング部分142と、第1、第2、第3、および第4のペタル144、146、148、150と、を含む。第1、第2、第3、および第4のペタル144、146、148、150は、それらの間に開口部141を画定し、ガードアセンブリ140を通る外科用器具(図示せず)の封止された通過を容易にする。6つ(4)のペタルを含むように示されているが、ガードアセンブリは、任意の好適な数のペタルを含むことができ、ペタルは、任意のサイズまたは構成のフラップ部分を含むことができることが想定される。例示的なガードアセンブリならびに外科用アクセスアセンブリの他の態様については、その全開示が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,895,377号および第6,569,120号(「’377特許および’120特許」)を参照されたい。他の例示的なガードアセンブリの構造および機能の詳細な説明については、それらの開示全体は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、共同所有されている米国特許出願第16/394,043号および同第16/238,823号を参照されたい。
【0026】
図4図6を参照すると、バルブアセンブリ120の封止アセンブリ160は、器具バルブハウジング110(図1)を通過する外科用器具の外側表面の周りに封止を提供するように構成されている。実施形態では、示されるように、封止アセンブリ160は、円錐形の封止体を形成する。しかしながら、本開示の態様は、平坦な封止体と共に使用するために変更されてもよいことが想定される。
【0027】
封止アセンブリ160は、第1、第2、第3、および第4の封止セグメント162、164、166、168を含み、各封止セグメントは、それぞれ、ベースまたはリング部分172、174、176、178、およびそれぞれのリング部分172、174、176、178によって支持されたそれぞれの封止部分182、184、186、188を有する。第1および第2の封止セグメント162、164、第2および第3の封止セグメント164、166、ならびに第3および第4の封止セグメント166、168は、それぞれ、コネクタ部分162a、164a、166aによって互いに接続される。コネクタ部分162a、164a、166aは、リビングヒンジを含むことができるか、またはそうでなければ、それぞれの第1、第2、第3、および第4の封止セグメント162、164、166、168の互いに対する折り畳みを可能にするように構成されることができる。
【0028】
封止アセンブリ160のそれぞれの第1、第2、第3、および第4の封止セグメント162、164、166、168の封止部分182、184、186、188は、弾性材料、例えば、ゴムから形成され、封止アセンブリ160が折り畳まれた状態であるときに半円錐構成を画定する。上述したように、封止部分182、184、186、188は、代替的に、平坦な封止を画定してもよい。実施形態では、封止部分182、184、186、188は、ポリウレタン、ポリイソプレン、またはシリコーンエラストマから形成される。封止アセンブリ160の第1、第2、第3、および第4の封止セグメント162、164、166、168のリング部分172、174、176、178は、それぞれの封止部分182、184、186、188と同じまたは異なる材料から形成されることができる。実施形態では、封止部分182、184、186、188は、1つ以上の布層を含むことができる。
【0029】
封止アセンブリ160のそれぞれの第1、第2、第3、および第4の封止セグメント162、164、166、168のリング部分172、174、176、178は、それぞれ、開口部173、175、177、179を画定し、複数の開口部173a、175a、177a、179aは、リテーナアセンブリ190の上部リテーナ部材192から延在する複数のピン196(図13)に対応する。実施形態では、示されるように、第1の封止セクション162のリング部分172は、封止アセンブリ160の組み立ておよび/または位置決めを容易にするためにタブ172aを含むことができる。
【0030】
封止アセンブリ160の第1、第2、第3、および第4の封止セグメント162、164、166、168の封止部分182、184、186、188は、中央開口部161を画定し、封止された方法でバルブアセンブリ120を通る外科用器具(図示せず)を受容するように構成されている。封止部分182、184、186、188は、不連続的または仮想封止円周を形成して、バルブアセンブリ120を介した外科用器具(図示せず)の挿入、操作、および/または引き抜き中の引き裂きを低減する。
【0031】
封止アセンブリ160のそれぞれの第1、第2、第3、および第4の封止セグメント162、164、166、168の封止部分182、184、186、188の内縁は、約180度(180°)~約220度(220°)の角度αを形成する(図9)。このようにして、各封止部分182、184、186、188は、それぞれ、リング部分172、174、176、178の各開口部173、175、177、179の少なくとも50パーセント(50%)を占める。
【0032】
特に図5および図9を参照すると、封止アセンブリ160のそれぞれの第1、第2、第3、および第4のセクション162、164、166、168の封止部分182、184、186、188は、第1のまたはリブ付き表面182a、184a、186a、188aと、第2のまたは滑らかな表面182b、184b、186b、188bと、を含む。封止アセンブリ160が折り畳まれた状態(図4)にあるとき、リブ付き表面182a、184a、186a、188aは近位に面し、滑らかな表面182b、184b、186b、188bは遠位に面する。このようにして、第1、第2、および第3の封止セグメント162、164、166のそれぞれの封止部分182、184、186の滑らかな表面182b、184b、186bは、それぞれ、第2、第3、および第4の封止セグメント164、166、168のそれぞれの封止部分184、186、188のリブ付き表面184a、186a、188aと係合する。
【0033】
第1、第2、第3、および第4の封止セグメント162、164、166、168のそれぞれの封止部分182、184、186、188のリブ付き表面182a、184a、186a、188aは、それぞれ、複数の隆起部分またはリブ183、185、187、189を含む。複数のリブ183、185、187、189の各リブ183a、185a、187a、189aは、半径方向に延在する。実施形態では、図7に示されるように、各リブ183a、185a、187a、189aは、前部および後部において先細になっている。代替的に、各リブ183a、185a、187a、189aは、前または後のテーパ部分のみを有してもよく、または代わりに、一貫した厚さを含んでもよい。
【0034】
第1、第2、第3、および第4の封止セグメント162、164、166、168のそれぞれの封止部分182、184、186、188のリブ付き表面182a、184a、186a、188aの複数のリブ183、185、187、189は、それぞれ、リブ付き表面182a、184a、186a、188aに沿って追加のパディングを形成し、封止アセンブリ160を介した外科用器具(図示せず)の挿入、操作、および/または引き抜き中に封止アセンブリを引き裂く可能性を低減する。複数のリブ183、185、187、189は、封止アセンブリ160が折り畳まれた状態(図4)にあるときに、封止部分182、184、186、188が均一な厚さを増大させた封止を形成するように配置される。複数のリブ183、185、187、189によってそれぞれの封止部分182、184、186、188に提供される封止および/または補強の均一な厚さが増加すると、外科用器具(図示せず)が封止部分182、184、186、188を穿刺する可能性を低減し、それにより、引き裂きの可能性を低減する。この設計はまた、追加の潜在的な漏れ経路も制限する。
【0035】
ここで封止アセンブリ160を折り畳む方法が、図9図11を参照して説明される。最初に図9を参照すると、封止アセンブリ160の第1の封止セクション162は、矢印Aによって示されるように、封止アセンブリ160の第2の封止セクション164に対して折り畳まれ、第1の封止セクション162の滑らかな表面182b(図5)が、第2の封止セクション164のリブ付き表面184a(図5)と重なるようにする。同様に、封止アセンブリ160の第4の封止セクション168は、矢印Bによって示されるように、封止アセンブリ160の第3の封止セクション166に対して折り畳まれ、第4のセクション168のリブ付き表面188a(図5)が、第3の封止セクション166の滑らかな表面186b(図5)と重なるようにする。
【0036】
図10を参照すると、次いで、封止アセンブリ160の第1および第2の封止セグメント162、164は、矢印Cによって示されるように、封止アセンブリ160の第3および第4の封止セグメント166、168に対して折り畳まれ、第2の封止セクション164のリブ付き表面184a(図5)が、第3のセクション166の滑らかな表面186b(図5)と重なるようにする。
【0037】
図12および図13を参照すると、(バルブアセンブリ120の)リテーナアセンブリ190は、封止アセンブリ160に対してガードアセンブリ140を固定し、ガードおよび封止アセンブリ140、160をセンタリング機構130に固定するように構成されている。リテーナアセンブリ190は、上部リテーナ部材192と、下部リテーナ部材194と、を含む。
【0038】
上述したように、リテーナアセンブリ190の上部リテーナ部材192は、複数のピン196を含む。複数のピン196は、上部リテーナ部材192の底面から延在する(図13)。複数のピン196の各ピン196は、下部リテーナ部材194の複数の開口部195の開口部195内に係止可能に受容されるように構成されている。実施形態では、複数のピン196は、下部リテーナ部材194内の複数の開口部195内に溶接、糊付け、接着、接合、または固定されて、上部リテーナ部材192と下部リテーナ部材194とを一体に固定する。代替的に、下部リテーナ部材194は、代わりに、または追加的に、上部リテーナ部材192が複数の対応する開口部(図示せず)を画定する状態で、複数のピン(図示せず)を含んでもよい。上部および下部リテーナ部材192、194のいずれかまたは双方は、複数のピンと係合し、上部リテーナ部材192を下部リテーナ部材194に固定するための係止特徴(図示せず)を含んでもよい。
【0039】
引き続き図12および図13を参照すると、上部リテーナ部材192の複数のピン196は、ガードアセンブリ140のリング部分142を通り、センタリング機構130の内部環状リング134を通り、封止アセンブリ160を通り、下部リテーナ部材194の開口部195に延在する。上述したように、ガードアセンブリ140を封止アセンブリ160の近位に配置することにより、封止アセンブリ160を介した外科用器具の挿入および後退中の封止アセンブリ160への潜在的な損傷を低減または排除する。ガードアセンブリ140の配置はまた、最小侵襲性処置中に体腔内に崩壊する封止アセンブリ160の可能性を低減する。
【0040】
外科用アクセスアセンブリ100(図1)を利用する外科処置中に、外科用器具(図示せず)は、上部、下部、および内部ハウジングセクション112、114、116内の長手方向通路111を通って器具バルブハウジング110に導入される(図2)。’377および’120特許内に記載されるように、外科用器具の遠位端は、ガードアセンブリ140の第1、第2、第3、および第4のペタル144、146、148、150(図3)と係合し、それぞれの第1、第2、第3、および第4のペタル144、146、148、150のフラップを封止アセンブリ160と接触するように下方に屈曲させて、封止アセンブリ160の中央開口部161を開かせ、封止アセンブリ160を通る外科用器具の通過に対応する。ガードアセンブリ140は、バルブアセンブリ120を通る器具の挿入中の封止アセンブリ160への損傷を最小限に抑える。
【0041】
上述したように、第1、第2、第3、および第4の封止セグメント162、164、166、168のそれぞれの封止部分182、184、186、188のリブ付き表面182a、184a、186a、188aの複数のリブ183、185、187、189は、それぞれ、リブ付き表面182a、184a、186a、188aに沿って追加のパッドを形成し、封止アセンブリ160を介した外科用器具(図示せず)の挿入、操作、および/または引き抜き中に封止アセンブリを引き裂く可能性を低減する。
【0042】
ここで図14~28を参照すると、本開示の別の実施形態による封止アセンブリは、概してバルブアセンブリ220として示される。バルブアセンブリ220は、上述のバルブアセンブリ120と実質的に同様であり、それらの間の違いに関してのみ詳細に説明する。
【0043】
図14および図15を最初に参照すると、バルブアセンブリ220は、外科用アクセスアセンブリ200の器具バルブハウジング210(図14)内に支持され、センタリング機構230、ガードアセンブリ240、封止アセンブリ260、およびリテーナアセンブリ290を含む。センタリング機構230、ガードアセンブリ240、およびリテーナアセンブリ290は、上述のバルブアセンブリ120のセンタリング機構130、ガードアセンブリ140、およびリテーナアセンブリ190と同様である。
【0044】
図16~20を参照すると、バルブアセンブリ220(図14)の封止アセンブリ260は、器具バルブハウジング210(図14)を通過する外科用器具「I」(図26)の外側表面の周りに封止を提供するように構成されている。以下でさらに詳細に説明するように、封止アセンブリ260は、器具挿入中(図27)の線形ペタル保護、および器具後退中(図28)の曲線動的ペタルゆがみを提供するように構成されている。実施形態では、示されるように、封止アセンブリ260は、円錐形の封止体を形成する。しかしながら、本開示の態様は、平坦な封止体で使用するために変更されてもよいことが想定される。
【0045】
封止アセンブリ260は、支持リング270上に支持された第1、第2、第3、および第4の封止セクション262、264、266、268を含む。第1、第2、第3、および第4の封止セクション262、264、266、268の各々は、それぞれベース部分272、274、276、278、およびそれぞれのベース部分272、274、276、278から延在する封止部分282、284、286、288を含む。ベース部分272、274、276、278の各々は、コネクタ部分272a、274a、276a、278aによって支持リング270に固定される。コネクタ部分272a、274a、276a、278aは、リビングヒンジを含むことができるか、またはそうでなければ、それぞれの第1、第2、第3、および第4の封止セクション262、264、266、268の互い、および支持リング270に対する折り畳みを可能にするように構成され得る。
【0046】
封止アセンブリ260のそれぞれの第1、第2、第3、および第4の封止セクション262、264、266、268の封止部分282、284、286、288は、弾性材料、例えば、ゴムから形成され、封止アセンブリ260が折り畳まれた状態(図25)であるときに半円錐構成を画定する。代替的に、封止部分282、284、286、288は、平坦な封止を画定してもよい。実施形態では、封止部分282、284、286、288は、ポリウレタン、ポリイソプレン、またはシリコーンエラストマから形成される。それぞれの第1、第2、第3、および第4の封止セクション262、264、266、268のベース部分272、274、276、278は、それぞれの封止部分282、284、286、288と同じまたは異なる材料から形成され得る。実施形態では、封止部分282、284、286、288は、1つ以上の布層を含むことができる。
【0047】
封止アセンブリ260の支持リング270は、複数の開口部271を画定し、それぞれの第1、第2、第3、および第4の封止セクション262、264、266、268のベース部分272、274、276、278の各々は、それぞれ複数の開口部273、275、277、279を画定する。リテーナアセンブリ290の上部リテーナ部材292から延在する複数のピン296(図15)に、複数の開口部271、273、275、277、279が対応する。
【0048】
封止アセンブリ260のそれぞれの第1、第2、第3、および第4の封止セクション262、264、266、268の封止部分282、284、286、288は、中央開口部261(図25)を画定し、封止された方法でバルブアセンブリ220(図14)を通る外科用器具I(図27)を受容するように構成されている。封止部分282、284、286、288は、不連続的または仮想封止円周を形成して、バルブアセンブリ220を通じた外科用器具Iの挿入、操作、および/または引き抜き中の引き裂きを低減する。
【0049】
特に図17および図18を参照すると、封止アセンブリ260のそれぞれの第1、第2、第3、および第4の封止セクション262、264、266、268の封止部分282、284、286、288は、第1のまたはリブ付き表面282a、284a、286a、288aと、第2のまたは滑らかな表面282b、284b、286b、288bと、を含む。封止アセンブリ260が折り畳まれた状態(図22)にあるとき、リブ付き表面282a、284a、286a、288aは遠位に面し、滑らかな表面282b、284b、286b、288bは遠位に面する。このようにして、第1、第2、および第3の封止セクション262、264、266のそれぞれの封止部分282、284、286のリブ付き表面282a、284a、286aは、それぞれ、第2、第3、および第4の封止セクション264、266、268のそれぞれの封止部分284、286、288の滑らかな表面282b、284b、286bと係合する。
【0050】
図17を引き続き参照し、図19および図20をさらに参照すると、第1、第2、第3、および第4の封止セクション262、264、266、268のそれぞれの封止部分282、284、286、288のリブ付き表面282a、284a、286a、288aはそれぞれ、それぞれのベース部分272、274、276、278から離れる方向に延在する中央スプライン283、285、287、289と、それぞれの中央スプライン283、285、287、289に沿って間隔をあけた複数の同心の隆起部分またはリブ283a、285a、287a、289aと、を各々含む。それぞれの封止部分282、284、286、288の中央スプライン283、285、287、289はそれぞれ、封止セクション262、264、266、268の長さに沿って支持を提供する。それぞれの封止部分282、284、286、288の複数の同心リブ283a、285a、287a、289aはそれぞれ、第1、第2、第3、および第4の封止セクション262、264、266、268に半径方向の支持を提供する。実施形態では、中央スプライン283、285、287、289およびそれぞれの複数の同心リブ283a、285a、287a、289aは、リーフのものと同様の有機支持構造を提供する。この配置は、封止部分262、264、266、268にわたって一方向に強度を提供する。
【0051】
以下でさらに詳細に説明するように、第1、第2、第3、および第4の封止セクション262、264、266、268のそれぞれの封止部分282、284、286、288の中央スプライン283、285、287、289は、それぞれ、外科用器具I(図27)が封止アセンブリ260を介して受容されるときに第1の方向に屈曲し、バルブアセンブリ220(図14)を介した外科用器具Iの挿入に対応し、外科用器具Iが封止アセンブリ260(図28)から後退するときに第2の方向に屈曲し、バルブアセンブリ220からの外科用器具Iの引き抜きに対応する。
【0052】
ここで封止アセンブリ260を折り畳む方法が、図21~24を参照して説明される。最初に図21を参照すると、封止アセンブリ260の第4の封止セクション268は、矢印Dによって示されるように、封止アセンブリ260の支持リング270に対して折り畳まれ、第4の封止セクション268のベース部分278および支持リング270が重なり合い、第4の封止セクション268の封止部分288が支持リング270内に配設されるようにする。
【0053】
図22を参照すると、次に、封止アセンブリ260の第1の封止セクション262が、矢印Eによって示されるように、封止アセンブリ260の支持リング270に対して折り畳まれ、第1の封止セクション262のベース部分272および支持リング270が重なり合い、第1の封止セクション262の封止部分282が、第4の封止セクション268の封止部分288と重なり合う関係で支持リング270内に配設される。このようにして、第1の封止セクション262の封止部分282の滑らかな表面282bは、第4の封止セクション268の封止部分288のリブ付き表面288a(図17)に当接する。
【0054】
図23を特に参照すると、次いで、封止アセンブリ260の第3の封止セクション266が、矢印Fによって示されるように、封止アセンブリ260の支持リング270に対して折り畳まれ、第3の封止セクション266のベース部分272および支持リング270が重なり合い、第3の封止セクション266の封止部分286が、第4の封止セクション268の封止部分288と重なり合う関係で支持リング270内に配設される。このようにして、第3の封止セクション266の封止部分286の滑らかな表面286bは、第4の封止セクション268の封止部分288のリブ付き表面288a(図17)に当接する。
【0055】
次に図24を参照すると、封止アセンブリ260の第2の封止セクション264が、矢印Gによって示されるように、封止アセンブリ260の支持リング270に対して折り畳まれ、第2の封止セクション262のベース部分274および支持リング270が重なり合い、第2の封止セクション264の封止部分284が、第1および第3の封止セクション262、266の封止部分282、286とそれぞれ重なり合う関係で支持リング270内に配設される。このようにして、第2の封止セクション264の封止部分284の滑らかな表面284bは、第1および第3の封止セクション262、266のそれぞれの封止部分282、286のリブ付き表面282a、286a(図17)に当接する。
【0056】
封止アセンブリ260の第1、第2、第3、および第4の封止セクション262、264、266、268が非順次パターンで折り畳まれていることが示されているが、封止アセンブリ260を折り畳む方法は、第1、第2、第3、および第4の封止セクション262、264、266、268の順に折り畳むことを含み得る。
【0057】
図26を参照すると、封止アセンブリ260は、リテーナアセンブリ290によって、センタリング機構230に、およびガードアセンブリ240(図15)に対して固定されている。より具体的には、上部リテーナ部材292の複数のピン296(図15)は、ガードアセンブリ240のリング部分242(図15)を通って、センタリング機構230の内側環状リング234(図15)を通って、および封止アセンブリ260の支持リング270を通って、リテーナアセンブリ290の下部リテーナ部材294の複数の開口部295に入る。ガードアセンブリ140に関して上述したように、ガードアセンブリ240を封止アセンブリ260の近位に配置することにより、封止アセンブリ260を介した外科用器具の挿入および後退中の封止アセンブリ260への潜在的な損傷を低減または排除する。ガードアセンブリ240の配置はまた、最小侵襲性処置中に体腔内で崩壊する封止アセンブリ260の可能性を低減する。
【0058】
図27を参照すると、外科用アクセスアセンブリ200(図14)を利用する外科処置中に、外科用器具Iは、長手方向の通路211を通って器具バルブハウジング210内に導入される。ガードアセンブリ240(図14)と係合して通過した後、外科用器具Iは、矢印Hで示されるように、封止アセンブリ260と係合して通過する。上記のように、外科用器具が、封止アセンブリ260のそれぞれの第1、第2、第3、および第4の封止セクション262、264、266、268の封止部分282、284、286、288と係合すると、封止部分282、284、286、288の各々でのそれぞれの中央スプライン283、285、287、289は、それぞれの封止部分282、284、286、288の下側または遠位表面上にのみ配設されており、封止部分282、284、286、288が、図27の中央スプライン283によって示されるように、線形形状で屈曲するようにする。線形形状で屈曲することにより、それぞれの中央スプライン283、285、287、289は、封止セクション262、264、266、268が広がることを可能にし、封止アセンブリ260を通じた外科用器具Iを容易かつ安全に挿入する。
【0059】
図28を参照すると、矢印Jで示されるように、外科用器具Iが外科用アクセスアセンブリ200(図14)内から、より詳細には、封止アセンブリ260を通って、後退するときの封止アセンブリ260が示されている。封止アセンブリ260を通した外科用器具Iの後退中に、中央スプライン283、285、287、289、および封止セクション262、264、266、268のそれぞれの封止部分282、284、286、288の複数の同心リブ283a、285a、287a、289aが、それぞれの封止部分282、284、286、288の下側または遠位表面上にのみ形成されており、封止部分282、284、286、288が、外科用器具Iが封止アセンブリ260を通して引き抜かれるときに容易かつ自由に屈曲するようにする。それぞれの封止部分282、284、286、288の中央スプライン283、285、287、289および複数の同心リブ283a、285a、287a、289aの構成により、外科用器具Iの容易かつ一貫した除去を可能にする。
【0060】
本開示の様々な実施形態が本明細書に示され、かつ説明されたが、これらの実施形態が、例としてのみ提供されることは当業者にとって明らかであろう。多数の変形、変更、および置換が、ここで本開示から逸脱することなく、当業者に思い浮かぶであろう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲の趣旨および範囲によってのみ限定されることが意図される。
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