(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】基板処理装置、基板処理システム、及び基板処理方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/306 20060101AFI20240702BHJP
【FI】
H01L21/306 R
(21)【出願番号】P 2020129275
(22)【出願日】2020-07-30
【審査請求日】2023-06-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】弁理士法人あい特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】日野出 大輝
(72)【発明者】
【氏名】橋本 光治
(72)【発明者】
【氏名】太田 喬
(72)【発明者】
【氏名】澤崎 尚樹
【審査官】鈴木 智之
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-038888(JP,A)
【文献】国際公開第2020/145002(WO,A1)
【文献】特開2019-106476(JP,A)
【文献】特開2020-004817(JP,A)
【文献】国際公開第2020/059546(WO,A1)
【文献】特開2001-308063(JP,A)
【文献】特開2013-197360(JP,A)
【文献】特開2019-125660(JP,A)
【文献】特開2003-203897(JP,A)
【文献】特開2002-280347(JP,A)
【文献】特開2009-295649(JP,A)
【文献】国際公開第2018/163396(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/306
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を水平に保持する基板保持部と、
上下方向に延びる中心軸を中心として前記基板と前記基板保持部とを一体に回転させる基板回転部と、
前記基板保持部と一体に回転する前記基板に向けてエッチング液を供給する液供給部と、
前記液供給部に前記エッチング液を供給するエッチング液供給機構と、
前記基板に含まれる処理対象膜の膜厚を測定する膜厚測定部と、
前記膜厚測定部による測定の結果に基づいて、
前記エッチング液供給機構が前記液供給部に供給する前記エッチング液の
交換が必要か否かを判定する判定部と
を備える、基板処理装置。
【請求項2】
前記膜厚測定部は、前記エッチング液の供給前及び供給後に前記膜厚を測定し、
前記判定部は、前記膜厚測定部による測定の結果に基づいて、前記測定の結果の特性を示す特性値を取得し、
前記判定部は、前記特性値に基づいて、前記エッチング液の
交換が必要か否かを判定する、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記膜厚測定部は、前記基板の半径方向における複数個所の前記膜厚を測定し、
前記判定部は、前記複数個所の前記特性値の平均値に基づいて、前記エッチング液の
交換が必要か否かを判定する、請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記膜厚測定部は、前記基板の半径方向における複数個所の前記膜厚を測定し、
前記判定部は、前記複数個所の前記特性値に基づいて、前記特性値の分布を示すグラフを取得し、
前記判定部は、前記グラフの微分値に基づいて、前記エッチング液の
交換が必要か否かを判定する、請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記判定部は、前記グラフの微分値に基づいて、前記グラフの変曲点を取得し、
前記判定部は、前記変曲点の数に基づいて、前記エッチング液の
交換が必要か否かを判定する、請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記膜厚測定部は、前記基板の中心部分における前記膜厚を測定する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記基板の中心部分は、前記基板の半径の1/6以内の範囲を示す、請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記基板の中心部分は、前記基板の半径の1/12以内の範囲を示す、請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項9】
基板を処理する基板処理装置と、
前記基板に含まれる処理対象膜の膜厚を測定する膜厚測定装置と
を備える基板処理システムであって、
前記基板処理装置は、
前記基板を水平に保持する基板保持部と、
上下方向に延びる中心軸を中心として前記基板と前記基板保持部とを一体に回転させる基板回転部と、
前記基板保持部と一体に回転する前記基板に向けてエッチング液を供給する液供給部と
、
前記液供給部に前記エッチング液を供給するエッチング液供給機構と
を備え、
前記膜厚測定装置は、
前記膜厚を測定する測定部と、
前記測定部による測定の結果に基づいて、
前記エッチング液供給機構が前記液供給部に供給する前記エッチング液の
交換が必要か否かを判定する判定部と
を備える、基板処理システム。
【請求項10】
基板保持部により、基板を水平に保持するステップと、
膜厚測定部により、前記基板に含まれる処理対象膜の膜厚を測定するステップと、
基板回転部により、上下方向に延びる中心軸を中心として前記基板と前記基板保持部とを一体に回転させるステップと、
エッチング液供給機構から液供給部へエッチング液を供給するステップと、
前記液供給部により、前記基板保持部と一体に回転する前記基板に向けて
前記エッチング液を供給するステップと、
前記基板に対する前記エッチング液の供給後に、前記膜厚測定部により、前記膜厚を測定するステップと、
判定部により、前記膜厚測定部による測定の結果に基づいて、
前記エッチング液供給機構が前記液供給部に供給する前記エッチング液の
交換が必要か否かを判定するステップと
を包含する、基板処理方法。
【請求項11】
基板を水平に保持する基板保持部と、
上下方向に延びる中心軸を中心として前記基板と前記基板保持部とを一体に回転させる基板回転部と、
前記基板保持部と一体に回転する前記基板に向けてエッチング液を供給する液供給部と、
前記基板に含まれる処理対象膜の膜厚を測定する膜厚測定部と、
前記膜厚測定部による測定の結果に基づいて、前記エッチング液の使用の可否を判定する判定部と
を備え、
前記膜厚測定部は、前記エッチング液の供給前及び供給後に、前記基板の半径方向における複数個所の前記膜厚を測定し、
前記判定部は、前記膜厚測定部による測定の結果に基づいて、前記複数個所の特性値を取得し、前記特性値は、前記測定の結果の特性を示し、
前記判定部は、前記複数個所の前記特性値に基づいて、前記特性値の分布を示すグラフを取得し、
前記判定部は、前記グラフの微分値に基づいて、前記エッチング液の使用の可否を判定する、基板処理装置。
【請求項12】
基板を処理する基板処理装置と、
前記基板に含まれる処理対象膜の膜厚を測定する膜厚測定装置と
を備える基板処理システムであって、
前記基板処理装置は、
前記基板を水平に保持する基板保持部と、
上下方向に延びる中心軸を中心として前記基板と前記基板保持部とを一体に回転させる基板回転部と、
前記基板保持部と一体に回転する前記基板に向けてエッチング液を供給する液供給部と
を備え、
前記膜厚測定装置は、
前記膜厚を測定する測定部と、
前記測定部による測定の結果に基づいて、前記エッチング液の使用の可否を判定する判定部と
を備え、
前記測定部は、エッチング処理が行われる前の前記基板の半径方向における複数個所の前記膜厚と、前記エッチング処理が行われた後の前記基板の半径方向における前記複数個所の前記膜厚とを測定し、
前記判定部は、前記測定部による測定の結果に基づいて、前記複数個所の特性値を取得し、前記特性値は、前記測定の結果の特性を示し、
前記判定部は、前記複数個所の前記特性値に基づいて、前記特性値の分布を示すグラフを取得し、
前記判定部は、前記グラフの微分値に基づいて、前記エッチング液の使用の可否を判定する、基板処理システム。
【請求項13】
基板保持部により、基板を水平に保持するステップと、
膜厚測定部により、前記基板に含まれる処理対象膜の膜厚を測定する第1測定ステップと、
基板回転部により、上下方向に延びる中心軸を中心として前記基板と前記基板保持部とを一体に回転させるステップと、
液供給部により、前記基板保持部と一体に回転する前記基板に向けてエッチング液を供給するステップと、
前記エッチング液の供給後に、前記膜厚測定部により、前記膜厚を測定する第2測定ステップと、
判定部により、前記膜厚測定部による測定の結果に基づいて、前記エッチング液の使用の可否を判定する判定ステップと
を包含し、
前記第1測定ステップ及び前記第2測定ステップでは、前記基板の半径方向における複数個所の前記膜厚が測定され、
前記判定ステップでは、
前記膜厚測定部による測定の結果に基づいて、前記複数個所の特性値が取得され、前記特性値は、前記測定の結果の特性を示し、
前記複数個所の前記特性値に基づいて、前記特性値の分布を示すグラフが取得され、
前記グラフの微分値に基づいて、前記エッチング液の使用の可否が判定される、基板処理方法。
【請求項14】
基板を水平に保持する基板保持部と、
上下方向に延びる中心軸を中心として前記基板と前記基板保持部とを一体に回転させる基板回転部と、
前記基板保持部と一体に回転する前記基板に向けてエッチング液を供給する液供給部と、
前記基板に含まれる処理対象膜の膜厚を測定する膜厚測定部と、
前記膜厚測定部による測定の結果に基づいて、前記膜厚を測定した前記基板に対するエッチング処理の後にエッチング処理が行われる別の基板に対する前記エッチング液の使用の可否を判定する判定部と
を備える、基板処理装置。
【請求項15】
基板を処理する基板処理装置と、
前記基板に含まれる処理対象膜の膜厚を測定する膜厚測定装置と
を備える基板処理システムであって、
前記基板処理装置は、
前記基板を水平に保持する基板保持部と、
上下方向に延びる中心軸を中心として前記基板と前記基板保持部とを一体に回転させる基板回転部と、
前記基板保持部と一体に回転する前記基板に向けてエッチング液を供給する液供給部と
を備え、
前記膜厚測定装置は、
前記膜厚を測定する測定部と、
前記測定部による測定の結果に基づいて、前記膜厚を測定した前記基板に対するエッチング処理の後にエッチング処理が行われる別の基板に対する前記エッチング液の使用の可否を判定する判定部と
を備える、基板処理システム。
【請求項16】
基板保持部により、基板を水平に保持するステップと、
膜厚測定部により、前記基板に含まれる処理対象膜の膜厚を測定するステップと、
基板回転部により、上下方向に延びる中心軸を中心として前記基板と前記基板保持部とを一体に回転させるステップと、
液供給部により、前記基板保持部と一体に回転する前記基板に向けてエッチング液を供給するステップと、
前記エッチング液の供給後に、前記膜厚測定部により、前記膜厚を測定するステップと、
判定部により、前記膜厚測定部による測定の結果に基づいて、前記膜厚を測定した前記基板に対するエッチング処理の後にエッチング処理が行われる別の基板に対する前記エッチング液の使用の可否を判定するステップと
を包含する、基板処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置、基板処理システム、及び基板処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エッチング液を基板に供給して、基板を処理(エッチング)する基板処理装置が知られている。このような基板処理装置は、基板に供給したエッチング液を回収して、基板の処理(エッチング)に再利用することがある。
【0003】
しかしながら、エッチング液の再利用を続けると、エッチング量が低下する。そのため、適宜、エッチング液の使用の可否を判定して、エッチング液を交換する必要がある。特許文献1には、エッチング液中のSi溶解濃度に基づいて、エッチング液の交換が必要か否かを判定する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、エッチング液中のSi溶解濃度を分析するには、エッチング液のサンプルを採取する必要がある。そのため、エッチング液の交換が必要か否か(エッチング液の使用の可否)を判定する作業を効率よく行うことができない。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、エッチング液の使用の可否の判定を効率よく行うことができる基板処理装置、基板処理システム、及び基板処理方法提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一局面によれば、基板処理装置は、基板保持部と、基板回転部と、液供給部と、エッチング液供給機構と、膜厚測定部と、判定部とを備える。前記基板保持部は、基板を水平に保持する。前記基板回転部は、上下方向に延びる中心軸を中心として前記基板と前記基板保持部とを一体に回転させる。前記液供給部は、前記基板保持部と一体に回転する前記基板に向けてエッチング液を供給する。前記エッチング液供給機構は、前記液供給部に前記エッチング液を供給する。前記膜厚測定部は、前記基板に含まれる処理対象膜の膜厚を測定する。前記判定部は、前記膜厚測定部による測定の結果に基づいて、前記エッチング液供給機構が前記液供給部に供給する前記エッチング液の交換が必要か否かを判定する。
【0008】
ある実施形態において、前記膜厚測定部は、前記エッチング液の供給前及び供給後に前記膜厚を測定する。前記判定部は、前記膜厚測定部による測定の結果に基づいて、前記測定の結果の特性を示す特性値を取得する。前記判定部は、前記特性値に基づいて、前記エッチング液の交換が必要か否かを判定する。
【0009】
ある実施形態において、前記膜厚測定部は、前記基板の半径方向における複数個所の前記膜厚を測定する。前記判定部は、前記複数個所の前記特性値の平均値に基づいて、前記エッチング液の交換が必要か否かを判定する。
【0010】
ある実施形態において、前記膜厚測定部は、前記基板の半径方向における複数個所の前記膜厚を測定する。前記判定部は、前記複数個所の前記特性値に基づいて、前記特性値の分布を示すグラフを取得する。前記判定部は、前記グラフの微分値に基づいて、前記エッチング液の交換が必要か否かを判定する。
【0011】
ある実施形態において、前記判定部は、前記グラフの微分値に基づいて、前記グラフの変曲点を取得する。前記判定部は、前記変曲点の数に基づいて、前記エッチング液の交換が必要か否かを判定する。
【0012】
ある実施形態において、前記膜厚測定部は、前記基板の中心部分における前記膜厚を測定する。
【0013】
ある実施形態において、前記基板の中心部分は、前記基板の半径の1/6以内の範囲を示す。
【0014】
ある実施形態において、前記基板の中心部分は、前記基板の半径の1/12以内の範囲を示す。
【0015】
本発明の他の局面によれば、基板処理システムは、基板処理装置と、膜厚測定装置とを備える。前記基板処理装置は、基板を処理する。前記膜厚測定装置は、前記基板に含まれる処理対象膜の膜厚を測定する。前記基板処理装置は、基板保持部と、基板回転部と、液供給部と、エッチング液供給機構とを備える。前記基板保持部は、前記基板を水平に保持する。前記基板回転部は、上下方向に延びる中心軸を中心として前記基板と前記基板保持部とを一体に回転させる。前記液供給部は、前記基板保持部と一体に回転する前記基板に向けてエッチング液を供給する。前記エッチング液供給機構は、前記液供給部に前記エッチング液を供給する。前記膜厚測定装置は、測定部と、判定部とを備える。前記測定部は、前記膜厚を測定する。前記判定部は、前記測定部による測定の結果に基づいて、前記エッチング液供給機構が前記液供給部に供給する前記エッチング液の交換が必要か否かを判定する。
【0016】
本発明の他の局面によれば、基板処理方法は、基板保持部により、基板を水平に保持するステップと、膜厚測定部により、前記基板に含まれる処理対象膜の膜厚を測定するステップと、基板回転部により、上下方向に延びる中心軸を中心として前記基板と前記基板保持部とを一体に回転させるステップと、エッチング液供給機構から液供給部へエッチング液を供給するステップと、前記液供給部により、前記基板保持部と一体に回転する前記基板に向けて前記エッチング液を供給するステップと、前記基板に対する前記エッチング液の供給後に、前記膜厚測定部により、前記膜厚を測定するステップと、判定部により、前記膜厚測定部による測定の結果に基づいて、前記エッチング液供給機構が前記液供給部に供給する前記エッチング液の交換が必要か否かを判定するステップとを包含する。
本発明の他の局面によれば、基板処理装置は、基板保持部と、基板回転部と、液供給部と、膜厚測定部と、判定部とを備える。前記基板保持部は、基板を水平に保持する。前記基板回転部は、上下方向に延びる中心軸を中心として前記基板と前記基板保持部とを一体に回転させる。前記液供給部は、前記基板保持部と一体に回転する前記基板に向けてエッチング液を供給する。前記膜厚測定部は、前記基板に含まれる処理対象膜の膜厚を測定する。前記判定部は、前記膜厚測定部による測定の結果に基づいて、前記エッチング液の使用の可否を判定する。前記膜厚測定部は、前記エッチング液の供給前及び供給後に、前記基板の半径方向における複数個所の前記膜厚を測定する。前記判定部は、前記膜厚測定部による測定の結果に基づいて、前記複数個所の特性値を取得する。前記特性値は、前記測定の結果の特性を示す。前記判定部は、前記複数個所の前記特性値に基づいて、前記特性値の分布を示すグラフを取得する。前記判定部は、前記グラフの微分値に基づいて、前記エッチング液の使用の可否を判定する。
本発明の他の局面によれば、基板処理システムは、基板処理装置と、膜厚測定装置とを備える。前記基板処理装置は、基板を処理する。前記膜厚測定装置は、前記基板に含まれる処理対象膜の膜厚を測定する。前記基板処理装置は、基板保持部と、基板回転部と、液供給部とを備える。前記基板保持部は、前記基板を水平に保持する。前記基板回転部は、上下方向に延びる中心軸を中心として前記基板と前記基板保持部とを一体に回転させる。前記液供給部は、前記基板保持部と一体に回転する前記基板に向けてエッチング液を供給する。前記膜厚測定装置は、測定部と、判定部とを備える。前記測定部は、前記膜厚を測定する。前記判定部は、前記測定部による測定の結果に基づいて、前記エッチング液の使用の可否を判定する。前記測定部は、エッチング処理が行われる前の前記基板の半径方向における複数個所の前記膜厚と、前記エッチング処理が行われた後の前記基板の半径方向における前記複数個所の前記膜厚とを測定する。前記判定部は、前記測定部による測定の結果に基づいて、前記複数個所の特性値を取得する。前記特性値は、前記測定の結果の特性を示す。前記判定部は、前記複数個所の前記特性値に基づいて、前記特性値の分布を示すグラフを取得する。前記判定部は、前記グラフの微分値に基づいて、前記エッチング液の使用の可否を判定する。
本発明の他の局面によれば、基板処理方法は、基板保持部により、基板を水平に保持するステップと、膜厚測定部により、前記基板に含まれる処理対象膜の膜厚を測定する第1測定ステップと、基板回転部により、上下方向に延びる中心軸を中心として前記基板と前記基板保持部とを一体に回転させるステップと、液供給部により、前記基板保持部と一体に回転する前記基板に向けてエッチング液を供給するステップと、前記エッチング液の供給後に、前記膜厚測定部により、前記膜厚を測定する第2測定ステップと、判定部により、前記膜厚測定部による測定の結果に基づいて、前記エッチング液の使用の可否を判定する判定ステップとを包含する。前記第1測定ステップ及び前記第2測定ステップでは、前記基板の半径方向における複数個所の前記膜厚が測定される。前記判定ステップでは、前記膜厚測定部による測定の結果に基づいて、前記複数個所の特性値が取得される。前記特性値は、前記測定の結果の特性を示す。また、前記判定ステップでは、前記複数個所の前記特性値に基づいて、前記特性値の分布を示すグラフが取得される。そして、前記判定ステップでは、前記グラフの微分値に基づいて、前記エッチング液の使用の可否が判定される。
本発明の他の局面によれば、基板処理装置は、基板保持部と、基板回転部と、液供給部と、膜厚測定部と、判定部とを備える。前記基板保持部は、基板を水平に保持する。前記基板回転部は、上下方向に延びる中心軸を中心として前記基板と前記基板保持部とを一体に回転させる。前記液供給部は、前記基板保持部と一体に回転する前記基板に向けてエッチング液を供給する。前記膜厚測定部は、前記基板に含まれる処理対象膜の膜厚を測定する。前記判定部は、前記膜厚測定部による測定の結果に基づいて、前記膜厚を測定した前記基板に対するエッチング処理の後にエッチング処理が行われる別の基板に対する前記エッチング液の使用の可否を判定する。
本発明の他の局面によれば、基板処理システムは、基板処理装置と、膜厚測定装置とを備える。前記基板処理装置は、基板を処理する。前記膜厚測定装置は、前記基板に含まれる処理対象膜の膜厚を測定する。前記基板処理装置は、基板保持部と、基板回転部と、液供給部とを備える。前記基板保持部は、前記基板を水平に保持する。前記基板回転部は、上下方向に延びる中心軸を中心として前記基板と前記基板保持部とを一体に回転させる。前記液供給部は、前記基板保持部と一体に回転する前記基板に向けてエッチング液を供給する。前記膜厚測定装置は、測定部と、判定部とを備える。前記測定部は、前記膜厚を測定する。前記判定部は、前記測定部による測定の結果に基づいて、前記膜厚を測定した前記基板に対するエッチング処理の後にエッチング処理が行われる別の基板に対する前記エッチング液の使用の可否を判定する。
本発明の他の局面によれば、基板処理方法は、基板保持部により、基板を水平に保持するステップと、膜厚測定部により、前記基板に含まれる処理対象膜の膜厚を測定するステップと、基板回転部により、上下方向に延びる中心軸を中心として前記基板と前記基板保持部とを一体に回転させるステップと、液供給部により、前記基板保持部と一体に回転する前記基板に向けてエッチング液を供給するステップと、前記エッチング液の供給後に、前記膜厚測定部により、前記膜厚を測定するステップと、判定部により、前記膜厚測定部による測定の結果に基づいて、前記膜厚を測定した前記基板に対するエッチング処理の後にエッチング処理が行われる別の基板に対する前記エッチング液の使用の可否を判定するステップとを包含する。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る基板処理装置、基板処理システム、及び基板処理方法によれば、エッチング液の使用の可否の判定を効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施形態1に係る基板処理装置の構成を示す模式図である。
【
図2】本発明の実施形態1に係る基板処理装置が備える処理ユニットの模式図である。
【
図3】本発明の実施形態1に係る基板処理装置の構成を示す別の模式図である。
【
図4】膜厚測定部による膜厚測定処理を示す平面図である。
【
図5】処理対象膜に対するエッチング液のエッチングレートを示す図である。
【
図7】本発明の実施形態1に係る基板処理方法を示すフロー図である。
【
図9】
図5のグラフG1、G2の一部を拡大して示す図である。
【
図10】本発明の実施形態2に係る基板処理装置において制御装置が実行する判定処理を示すフロー図である。
【
図11】処理対象膜に対するエッチング液のエッチングレートを示す別の図である。
【
図12】本発明の実施形態3に係る基板処理装置において制御装置が実行する判定処理を示すフロー図である。
【
図13】
図11のグラフG3、G4の一部を拡大して示す図である。
【
図14】本発明の実施形態4に係る基板処理装置において制御装置が実行する判定処理を示すフロー図である。
【
図15】(a)は、本発明の実施形態5に係る基板処理システムを示す図である。(b)は、膜厚測定装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面(
図1~
図15(b))を参照して本発明に係る基板処理装置、基板処理システム、及び基板処理方法の実施形態を説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されない。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合がある。また、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0020】
本発明に係る基板処理装置、基板処理システム、及び基板処理方法が処理の対象とする「基板」には、半導体ウエハ、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示用ガラス基板、プラズマ表示用ガラス基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、及び光磁気ディスク用基板などの各種基板を適用可能である。以下では主として、円盤状の半導体ウエハを処理の対象とする基板処理装置、基板処理システム、及び基板処理方法を例に本実施形態を説明するが、本発明に係る基板処理装置、基板処理システム、及び基板処理方法は、上記した半導体ウエハ以外の各種基板に対しても同様に適用可能である。また、基板の形状についても、円盤状に限定されず、本発明に係る基板処理装置、基板処理システム、及び基板処理方法は、各種形状の基板に対して適用可能である。
【0021】
[実施形態1]
以下、
図1~
図8を参照して本発明の実施形態1を説明する。まず、
図1を参照して本実施形態の基板処理装置100を説明する。
図1は、本実施形態の基板処理装置100の構成を示す模式図である。詳しくは、
図1は、基板処理装置100の模式的な平面図である。基板処理装置100は、基板Wを処理する。より具体的には、基板処理装置100は、基板Wを一枚ずつ処理する枚葉式の装置である。
【0022】
図1に示すように、基板処理装置100は、複数の処理ユニット1と、複数の流体キャビネット100Aと、複数のロードポートLPと、インデクサーロボットIRと、センターロボットCRと、制御装置101とを備える。
【0023】
ロードポートLPの各々は、複数枚の基板Wを積層して収容する。インデクサーロボットIRは、ロードポートLPとセンターロボットCRとの間で基板Wを搬送する。センターロボットCRは、インデクサーロボットIRと処理ユニット1との間で基板Wを搬送する。なお、インデクサーロボットIRとセンターロボットCRとの間に、基板Wを一時的に載置する載置台(パス)を設けて、インデクサーロボットIRとセンターロボットCRとの間で載置台を介して間接的に基板Wを受け渡しする装置構成としてもよい。
【0024】
複数の処理ユニット1は、平面視においてセンターロボットCRを取り囲むように配置される複数のタワーTW(本実施形態では4つのタワーTW)を形成している。各タワーTWは、上下に積層された複数の処理ユニット1(本実施形態では2つの処理ユニット1)を含む。処理ユニット1の各々は、処理液を基板Wに供給して、基板Wを処理する。
【0025】
流体キャビネット100Aは、処理液を収容する。流体キャビネット100Aはそれぞれ、複数のタワーTWのうちの1つに対応している。流体キャビネット100A内の処理液は、対応するタワーTWに含まれる全ての処理ユニット1に供給される。
【0026】
本実施形態において、処理液は、エッチング液と、リンス液とを含む。エッチング液は、基板Wをエッチングする。エッチング液は、例えば、フッ硝酸(フッ酸(HF)と硝酸(HNO3)との混合液)、フッ酸、硝酸、硫酸(H2SO4)及び燐酸(H3PO4)の混合液、フッ酸、バファードフッ酸(BHF)、フッ化アンモニウム、HFEG(フッ酸とエチレングリコールとの混合液)、又は、燐酸である。リンス液は、基板Wをリンスする。具体的には、リンス液は、基板W上に残存するエッチング液を洗い流すために使用される。リンス液は、例えば、脱イオン水、炭酸水、電解イオン水、水素水、オゾン水、又は、希釈濃度(例えば、10ppm~100ppm程度)の塩酸水である。
【0027】
続いて、制御装置101について説明する。制御装置101は、基板処理装置100の各部の動作を制御する。例えば、制御装置101は、ロードポートLP、インデクサーロボットIR、及びセンターロボットCRを制御する。制御装置101は、制御部102と、記憶部103とを含む。
【0028】
制御部102は、プロセッサーを有する。制御部102は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、又は、MPU(Micro Processing Unit)を有する。あるいは、制御部102は、汎用演算機を有してもよい。
【0029】
記憶部103は、データ及びコンピュータプログラムを記憶する。データは、レシピデータを含む。レシピデータは、複数のレシピを示す情報を含む。複数のレシピの各々は、基板Wの処理内容及び処理手順を規定する。
【0030】
記憶部103は、主記憶装置を有する。主記憶装置は、例えば、半導体メモリである。記憶部103は、補助記憶装置を更に有してもよい。補助記憶装置は、例えば、半導体メモリ及びハードディスクドライブの少なくも一方を含む。記憶部103はリムーバブルメディアを含んでいてもよい。制御部102は、記憶部103に記憶されているコンピュータプログラム及びデータに基づいて、基板処理装置100の各部の動作を制御する。
【0031】
続いて
図1及び
図2を参照して、本実施形態の基板処理装置100について更に説明する。
図2は、本実施形態の基板処理装置100が備える処理ユニット1の模式図である。詳しくは、
図2は、処理ユニット1の模式的な断面図である。
【0032】
図2に示すように、処理ユニット1は、チャンバー2と、スピンチャック3と、第1ノズル4と、スピンモータ部5と、第2ノズル7と、膜厚測定部8と、プローブ移動機構9と、ガード部10とを備える。また、基板処理装置100は、エッチング液回収機構6と、エッチング液供給機構40と、リンス液供給機構70とを更に備える。エッチング液回収機構6は、回収配管61を有する。エッチング液供給機構40は、第1供給配管41を有する。リンス液供給機構70は、第2供給配管71を有する。制御装置101(制御部102)は、スピンチャック3、スピンモータ部5、膜厚測定部8、プローブ移動機構9、及びガード部10を制御する。
【0033】
チャンバー2は略箱形状を有する。チャンバー2は、基板Wと、スピンチャック3と、第1ノズル4と、スピンモータ部5と、第2ノズル7と、膜厚測定部8と、プローブ移動機構9と、ガード部10と、回収配管61の一部と、第1供給配管41の一部と、第2供給配管71の一部とを収容する。なお、回収配管61の他の一部、第1供給配管41の他の一部、及び第2供給配管71の他の一部は、
図1を参照して説明した流体キャビネット100Aのうちの対応する1つに収容される。
【0034】
スピンチャック3は、基板Wを水平に保持する。スピンチャック3は、基板保持部の一例である。具体的には、スピンチャック3は、複数のチャック部材32と、スピンベース33とを有する。複数のチャック部材32は、基板Wの周縁に沿ってスピンベース33に設けられる。複数のチャック部材32は基板Wを水平な姿勢で保持する。スピンベース33は、略円板状であり、水平な姿勢で複数のチャック部材32を支持する。
【0035】
スピンモータ部5は、第1回転軸線AX1を中心として基板Wとスピンチャック3とを一体に回転させる。第1回転軸線AX1は、上下方向に延びる。本実施形態では、第1回転軸線AX1は、略鉛直方向に延びる。第1回転軸線AX1は中心軸の一例であり、スピンモータ部5は基板回転部の一例である。詳しくは、スピンモータ部5は、第1回転軸線AX1を中心としてスピンベース33を回転させる。したがって、スピンベース33は、第1回転軸線AX1を中心として回転する。その結果、スピンチャック3に保持された基板Wが、第1回転軸線AX1を中心として回転する。
【0036】
スピンモータ部5は、モータ本体51と、シャフト53とを有する。シャフト53はスピンベース33に結合される。モータ本体51は、シャフト53を回転させる。その結果、スピンベース33が回転する。
【0037】
第1ノズル4は、スピンチャック3に保持されている基板Wの上方から、基板Wに向けてエッチング液L1を供給する。詳しくは、第1ノズル4は、スピンチャック3と一体に回転する基板Wの中心に向けてエッチング液L1を供給(吐出)する。第1ノズル4は、液供給部の一例である。第1ノズル4は、静止した状態でエッチング液L1を吐出する。第1ノズル4は、固定ノズルと称されることがある。なお、第1ノズル4はスキャンノズルであってもよい。
【0038】
エッチング液供給機構40は、第1ノズル4にエッチング液L1を供給する。詳しくは、第1供給配管41の一端が第1ノズル4に接続しており、エッチング液L1は、第1供給配管41を介して第1ノズル4に供給される。第1供給配管41は、エッチング液L1が流通する管状部材である。本実施形態において、エッチング液L1は、フッ酸と硝酸とを含有する。具体的には、エッチング液L1は、フッ硝酸、又は、フッ酸、硝酸、硫酸及び燐酸の混合液である。本実施形態では、エッチング液L1は、フッ硝酸である。
【0039】
フッ硝酸による化学エッチングの反応は、硝酸とシリコンとの酸化反応と、フッ酸と酸化シリコンの溶解物質との溶解反応とに大別される。酸化反応の反応式(1)、及び溶解反応の反応式(2)を以下に示す。
Si+HNO3+H2O → SiO2+HNO2+H2・・・(1)
SiO2+6HF → H2SiF6(SB)+2H2O・・・(2)
【0040】
反応式(1)及び反応式(2)に示すように、硝酸及びフッ酸は、化学エッチングによって消費される。特に、フッ酸の消費量が硝酸と比べて多くなる。また、反応式(2)に示すように、フッ硝酸による化学エッチングの反応は、水を発生させる。
【0041】
エッチング液供給機構40は、第1バルブ42を更に有する。第1バルブ42は、第1供給配管41に介装されて、第1供給配管41を流れるエッチング液L1の流通を制御する。第1バルブ42は、第1供給配管41の流路を開閉する開閉弁である。詳しくは、第1バルブ42が開くと、エッチング液L1が第1供給配管41を介して第1ノズル4まで流れる。この結果、第1ノズル4からエッチング液L1が吐出する。第1バルブ42が閉じると、エッチング液L1の流通が遮断されて、第1ノズル4からのエッチングの吐出が停止する。
【0042】
第1バルブ42は、第1供給配管41を流れるエッチング液L1の流量を調整する調整弁としても機能する。第1バルブ42は、例えば電磁弁である。第1バルブ42は、制御装置101(制御部102)によって制御される。なお、第1バルブ42は、
図1を参照して説明した流体キャビネット100Aのうちの対応する1つに収容される。
【0043】
第2ノズル7は、スピンチャック3に保持されている基板Wの上方から、基板Wに向けてリンス液を供給する。詳しくは、第2ノズル7は、スピンチャック3と一体に回転する基板Wの中心に向けてリンス液を吐出する。第2ノズル7は、静止した状態でリンス液を吐出する。換言すると、第2ノズル7は、固定ノズルである。なお、第2ノズル7はスキャンノズルであってもよい。
【0044】
リンス液供給機構70は、第2ノズル7にリンス液を供給する。詳しくは、第2供給配管71の一端が第2ノズル7に接続しており、リンス液は、第2供給配管71を介して第2ノズル7に供給される。第2供給配管71は、リンス液が流通する管状部材である。
【0045】
リンス液供給機構70は、第2バルブ72を更に有する。第2バルブ72は、第1バルブ42と同様に、第2供給配管71に介装されて、第2供給配管71を流れるリンス液の流通を制御する。第2バルブ72は、第2供給配管71の流路を開閉する開閉弁である。第2バルブ72は、第2供給配管71を流れるリンス液の流量を調整する調整弁としても機能する。第2バルブ72は、例えば電磁弁である。第2バルブ72は、制御装置101(制御部102)によって制御される。なお、第2バルブ72は、
図1を参照して説明した流体キャビネット100Aのうちの対応する1つに収容される。
【0046】
ガード部10は、スピンチャック3及びスピンモータ部5の外方に配置される。ガード部10は、略筒形状を有する。換言すると、ガード部10は、スピンチャック3及びスピンモータ部5を取り囲んでいる。ガード部10は、回転する基板Wから飛散する処理液(エッチング液L1及びリンス液)を受け止める。
【0047】
ガード部10は、カップ11を有する。カップ11は、ガード11aと、液受け部11bとを有する。ガード11aは、略筒形状を有し、回転する基板Wから飛散するエッチング液L1(フッ硝酸)を受け止める。液受け部11bは、ガード11aの下端に接続する。液受け部11bは、環状であり、環状の溝を形成する。ガード11aが受け止めたエッチング液L1は、自重によって液受け部11bまで流れ落ちる。この結果、液受け部11bにエッチング液L1が集められる。回収配管61の一端は、液受け部11bに接続する。液受け部11bに集められたエッチング液L1(フッ硝酸)は、自重によって回収配管61に流入する。
【0048】
なお、回収配管61に流入したエッチング液L1(フッ硝酸)は、
図3を参照して説明するように、エッチング液L1を貯留する容器(第1容器45)に戻されて、基板Wの処理(エッチング)に再利用される。
【0049】
膜厚測定部8は、基板Wに含まれる処理対象膜TGの膜厚を測定して、測定結果を示す測定信号を生成する。測定信号(測定結果)は、処理対象膜TGの膜厚値を示す。膜厚値は、膜の厚さを示す値である。膜厚測定部8は、処理対象膜TGの膜厚を非接触方式で測定する。測定信号は、制御装置101(制御部102)に入力される。
【0050】
処理対象膜TGは、例えば、基板本体(例えば、シリコンからなる基板本体)、又は、基板本体の表面に形成された膜である。基板本体の表面に形成された膜は、例えば、基板本体と同じ材料の膜(例えば、シリコンからなる層)、又は、基板本体と異なる材料からなる膜(例えば、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、又はレジスト)である。
【0051】
膜厚測定部8は、例えば、分光干渉法によって処理対象膜TGの膜厚を測定する。具体的には、膜厚測定部8は、光学プローブ81と、信号線83と、膜厚測定器85とを含む。
【0052】
光学プローブ81は、レンズを有する。信号線83は、光学プローブ81と膜厚測定器85とを光学的に接続する。信号線83は、例えば光ファイバーを含む。膜厚測定器85は、光源と受光素子とを有する。膜厚測定器85の光源が出射した光は、信号線83及び光学プローブ81を介して、基板Wに出射される。基板Wによって反射された光は、光学プローブ81及び信号線83を介して、膜厚測定器85の受光素子で受光される。
【0053】
膜厚測定器85は、受光素子が受光した光を解析して、処理対象膜TGの膜厚値を算出する。膜厚測定器85は、算出した膜厚値を示す測定信号を生成する。測定信号は、制御装置101(制御部102)に出力される。
【0054】
制御装置101(制御部102)は、膜厚測定部8による測定の結果(測定信号)に基づいて、エッチング液L1の使用の可否を判定する。具体的には、既に説明したように、フッ硝酸による化学エッチングの反応は水を発生させる。その結果、回収配管61を介して第1容器45(
図3)にエッチング液L1が戻されることにより、基板Wの処理に用いられるエッチング液L1における水分の量が増加する。エッチング液L1における水分の量が増加すると、エッチング量の維持が困難になる。したがって、膜厚測定部8による測定の結果(測定信号)に基づいて、エッチング液L1の使用の可否を判定することができる。本実施形態において、制御装置101は、判定部の一例である。
【0055】
プローブ移動機構9は、略水平方向に光学プローブ81を移動させる。詳しくは、プローブ移動機構9は、略鉛直方向に沿った第2回転軸線AX2を中心とする周方向に沿って光学プローブ81を移動させる。
【0056】
プローブ移動機構9は、プローブアーム91と、回転軸93と、駆動部95とを有する。プローブアーム91は略水平方向に沿って延びる。プローブアーム91の先端部に光学プローブ81が配置される。プローブアーム91は回転軸93に結合される。回転軸93は、略鉛直方向に沿って延びる。
【0057】
駆動部95は、第2回転軸線AX2を中心として回転軸93を回転させて、回転軸93を中心にプローブアーム91を略水平面に沿って旋回させる。その結果、光学プローブ81が略水平面に沿って移動する。詳しくは、光学プローブ81は、第2回転軸線AX2を中心とする周方向に沿って、回転軸93の周りを移動する。駆動部95は、例えば、ステッピングモータを含む。あるいは、駆動部95は、モータと、減速機とを含んでもよい。
【0058】
続いて
図1~
図3を参照して基板処理装置100を更に説明する。
図3は、本実施形態の基板処理装置100の構成を示す別の模式図である。詳しくは、
図3は、
図1を参照して説明した流体キャビネット100Aの内部の構成を示す。
【0059】
まず、
図3を参照してエッチング液供給機構40を更に説明する。
図3に示すように、エッチング液供給機構40は、循環配管43と、循環ポンプ44と、第1容器45とを更に有する。第1容器45は、エッチング液L1(フッ硝酸)を貯留する。第1容器45は、流体キャビネット100A(
図1)に交換可能に配置される。第1容器45は、例えば、タンクである。流体キャビネット100A(
図1)内の第1容器45は、例えば、制御装置101(制御部102)がエッチング液L1の使用の不可を判定した場合に、エッチング液L1を貯留している新しい第1容器45に交換される。
【0060】
循環配管43及び循環ポンプ44は、流体キャビネット100A(
図1)に収容される。循環配管43の両端は、第1容器45に接続する。循環ポンプ44は、循環配管43に取り付けられる。循環ポンプ44は、制御装置101(制御部102)によって制御される。
【0061】
循環ポンプ44が駆動すると、第1容器45に貯留されているエッチング液L1が、循環配管43の一端から循環配管43に流入して、循環配管43を流通する。循環配管43の他端まで導かれたエッチング液L1は、循環配管43の他端から第1容器45に戻る。
【0062】
循環配管43には、第1供給配管41の他端が接続している。第1供給配管41には、循環配管43を流通するエッチング液L1が流入する。第1バルブ42が開状態である場合、循環配管43から第1供給配管41へ流入したエッチング液L1が第1ノズル4(
図2)まで導かれる。第1バルブ42が閉状態である場合、循環配管43から第1供給配管41へ流入したエッチング液L1の流れが第1バルブ42によって止められる。
【0063】
続いて
図3を参照してエッチング液回収機構6を更に説明する。
図3に示すように、エッチング液回収機構6は、回収ポンプ62を更に有する。回収ポンプ62は、流体キャビネット100A(
図1)に収容される。
【0064】
回収ポンプ62は、回収配管61に取り付けられている。回収ポンプ62は、制御装置101(制御部102)によって制御される。回収ポンプ62は、処理ユニット1(液受け部11b)から回収配管61に流入したエッチング液L1が回収配管61を流通するようにエッチング液L1を駆動する。回収配管61の他端は第1容器45に接続しており、回収ポンプ62が駆動することにより、エッチング液L1は回収配管61の他端まで導かれて、回収配管61の他端から第1容器45に回収される。したがって、基板Wの処理(エッチング)に使用された後のエッチング液L1を再利用することができる。
【0065】
続いて
図3を参照して基板処理装置100を更に説明する。
図3に示すように、基板処理装置100は、補給機構20を更に備える。補給機構20は、エッチング液L1(フッ硝酸)の一成分L2を第1容器45に補給する。補給機構20は、流体キャビネット100A(
図1)に収容される。
【0066】
具体的には、補給機構20は、補給配管21と、補給ポンプ22と、第2容器23とを有する。第2容器23は、エッチング液L1(フッ硝酸)の一成分L2を貯留する。本実施形態において、第2容器23は、フッ酸を貯留する。第2容器23は、例えば、タンクである。
【0067】
補給配管21の一端は第2容器23に接続しており、補給配管21の他端は第1容器45に接続している。補給ポンプ22は、補給配管21に取り付けられている。補給ポンプ22は、制御装置101(制御部102)によって制御される。補給ポンプ22が駆動することにより、エッチング液L1(フッ硝酸)の一成分L2(フッ酸)が補給配管21を流通して、補給配管21の他端から第1容器45へ補給される。
【0068】
詳しくは、補給ポンプ22は、ショットポンプである。制御装置101(制御部102)は、エッチング液L1(フッ硝酸)による基板Wの処理に要した時間の累積値を計測しており、累積値が所定値に達すると、補給ポンプ22を駆動して、第1容器45に所定量のフッ酸(エッチング液L1の一成分L2)を補給させる。制御装置101(制御部102)は、累積値が所定値に達する度に、累積値を初期化する。エッチング液L1(フッ硝酸)による基板Wの処理に要した時間は、例えば、第1ノズル4からエッチング液L1を吐出した時間の長さを示す。
【0069】
図2を参照して説明したように、回収配管61を介して第1容器45に戻されるエッチング液L1は、第1容器45に貯留されているエッチング液L1と比べて、特にフッ酸の量が減少している。したがって、エッチング液L1の再利用を繰り返すと、エッチング量が低下する。これに対し、本実施形態の基板処理装置100によれば、エッチング液L1にフッ酸を補給することにより、エッチング量の低下を抑制して、エッチング液L1の利用期間を延ばすことができる。但し、フッ酸の量を増やすと、
図2を参照して説明した反応式(2)から明らかなように、水分の増加が増加する。その結果、エッチング液L1の再利用を繰り返すことにより、エッチング量の維持が困難になる。
【0070】
なお、エッチング液L1として、フッ酸、硝酸、硫酸及び燐酸の混合液を使用する場合も、エッチング液L1にフッ酸を補給することにより、エッチング量の低下を抑制して、エッチング液L1の利用期間を延ばすことができる。
【0071】
続いて
図4を参照して、膜厚測定部8による膜厚測定処理を説明する。
図4は、膜厚測定部8による膜厚測定処理を示す平面図である。膜厚測定処理は、処理対象膜TGの膜厚を測定する処理である。膜厚測定処理は、基板Wに対してエッチング処理が実行される前に行われる。また、膜厚測定処理は、基板Wに対してエッチング処理が実行された後に行われる。より詳しくは、膜厚測定処理は、基板Wの回転開始前に行われる。また、膜厚測定処理は、基板Wの回転停止後に行われる。
【0072】
図4に示すように、処理対象膜TGの膜厚測定時に、プローブ移動機構9は、光学プローブ81を、平面視において円弧状の軌跡TJ1に沿って移動させる。軌跡TJ1は、基板WのエッジEG(2か所)と基板Wの中心CTとを通る。エッジEGは、基板Wの周縁部を示す。詳しくは、プローブ移動機構9は、光学プローブ81を、軌跡TJ1に含まれる少なくとも1つの測定位置へ移動させる。
【0073】
本実施形態において、プローブ移動機構9は、光学プローブ81を、軌跡TJ1に含まれる複数の測定位置へ移動させる。膜厚測定部8は、複数の測定位置において、処理対象膜TGの膜厚を測定する。例えば、膜厚測定部8は、基板Wの半径方向RD(径方向)において20mm間隔で処理対象膜TGの膜厚を測定してもよいし、1mm間隔で処理対象膜TGの膜厚を測定してもよい。複数の測定位置の膜厚を測定することにより、基板Wの半径方向RDにおける膜厚の分布を取得することができる。以下、基板Wの半径方向RDを、「半径方向RD」と記載する場合がある。
【0074】
続いて
図5を参照して、処理対象膜TGに対するエッチング液L1のエッチングレートの変化を説明する。
図5は、処理対象膜TGに対するエッチング液L1のエッチングレートを示す図である。エッチングレートは、エッチング処理前における処理対象膜TGの膜厚の測定値と、エッチング処理後における処理対象膜TGの膜厚の測定値とに基づいて取得される。以下、処理対象膜TGに対するエッチング液L1のエッチングレートを、「エッチングレート」と記載する場合がある。
【0075】
図5において、横軸は基板Wの半径を示し、縦軸はエッチングレートを示す。グラフG1、G2は、半径方向RDにおけるエッチングレートの分布を示す。以下、半径方向RDにおけるエッチングレートの分布を、「エッチングレートの分布」と記載する場合がある。
【0076】
具体的には、グラフG1(実線のグラフ)は、エッチング液L1の再利用開始前のエッチングレートを示す。例えば、グラフG1は、エッチング液L1を用いて1枚の基板W(最初の基板W)をエッチングすることにより取得されるエッチングレートを示す。グラフG2(破線のグラフ)は、エッチング液L1の再利用を繰り返した後のエッチングレートを示す。例えば、グラフG2は、エッチング液L1の再利用を繰り返して300枚の基板Wをエッチングすることにより取得されるエッチングレートを示す。
【0077】
図5に示すように、エッチング液L1の再利用を繰り返すことにより、基板Wの中心部分においてエッチングレートが低下する。つまり、基板Wの中心部分のエッチング量が低下する。基板Wの中心部分におけるエッチングレート(エッチング量)の低下は、エッチング液L1における水分の量が増加したことに起因する。ここで、基板Wの中心部分は、基板Wの半径の1/6以内の範囲を示す。あるいは、基板Wの中心部分は、基板Wの半径の1/12以内の範囲を示す。基板Wの半径の1/6以内の範囲は、基板Wの直径が300mmの場合、半径方向RDにおいて-25mm以上25mm以下の範囲を示す。また、基板Wの半径の1/12以内の範囲は、基板Wの直径が300mmの場合、半径方向RDにおいて-12.5mm以上12.5mm以下の範囲を示す。
【0078】
なお、本実施形態では、エッチング液L1にフッ酸を補給するため、基板Wの中心部分よりも外側の範囲においてエッチングレート(エッチング量)が増加する。
【0079】
続いて
図6を参照して制御装置101を更に説明する。
図6は、制御装置101の構成を示すブロック図である。
図6に示すように、制御装置101は、表示部104を更に含む。
【0080】
表示部104は各種情報を表示する。表示部104は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機EL(electroluminescence)ディスプレイを有する。本実施形態において、表示部104は、エッチング液L1の使用の可否の判定結果を通知する画像を表示する。具体的には、制御部102は、エッチング液L1の使用の不可を判定した場合に、表示部104に、第1容器45の交換を促すメッセージを表示させる。
【0081】
続いて、
図1~
図8を参照して本実施形態の基板処理方法を説明する。本実施形態の基板処理方法は、
図1~
図6を参照して説明した基板処理装置100によって実行される。
図7は、本実施形態の基板処理方法を示すフロー図である。詳しくは、
図7は、基板処理装置100が実行する処理シーケンスを示す。
【0082】
図7に示す処理は、ステップS1~ステップS11を包含する。
図7に示すように、基板処理装置100によって基板Wを処理する際には、まず、センターロボットCRが処理ユニット1のチャンバー2内に基板Wを搬入する(ステップS1)。チャンバー2内に搬入された基板Wは、スピンチャック3によって水平に保持される(ステップS2)。
【0083】
スピンチャック3が基板Wを保持すると、制御部102は、膜厚測定部8に、基板Wに含まれる処理対象膜TGの膜厚を測定させる(ステップS3)。詳しくは、
図4を参照して説明したように、制御部102は、プローブ移動機構9を制御して、軌跡TJ1に含まれる複数の測定位置に光学プローブ81を移動させつつ、膜厚測定部8に、各測定位置において膜厚を測定させる。ここで測定される膜厚は、エッチング処理前の処理対象膜TGの膜厚を示す。以下、エッチング処理前の処理対象膜TGの膜厚を、「処理前の膜厚」と記載する場合がある。本実施形態において、制御部102は、膜厚測定部8に、
図5を参照して説明した基板Wの中心部分における処理対象膜TGの膜厚を測定させる。
【0084】
処理前の膜厚の測定が終了すると、制御部102は、スピンモータ部5を駆動させて、第1回転軸線AX1を中心として基板Wとスピンチャック3とを一体に回転させる(ステップS4)。
【0085】
スピンモータ部5の回転速度(基板Wの回転速度)が所定速度に達すると、制御部102は、第1バルブ42を開いて、スピンチャック3と一体に回転する基板Wに向けて第1ノズル4からエッチング液L1を吐出させる。この結果、エッチング液L1によって処理対象膜TGがエッチングされる(ステップS5)。
【0086】
制御部102は、第1ノズル4からエッチング液L1を所定時間吐出させると、第1バルブ42を閉じて、エッチング処理を終了させる。制御部102は、エッチング処理が終了すると、第2バルブ72を開いて、スピンチャック3と一体に回転する基板Wに向けて第2ノズル7からリンス液を吐出させる(ステップS6)。基板Wにリンス液が供給されることにより、基板Wからエッチング液L1が除去される。具体的には、エッチング液L1はリンス液によって基板Wの外方に押し流され、基板Wの周囲に排出される。この結果、基板W上のエッチング液の液膜が、基板Wの上面全域を覆うリンス液の液膜に置換される。
【0087】
制御部102は、第2ノズル7からリンス液を所定時間吐出させると、第2バルブ72を閉じて、リンス処理を終了させる。制御部102は、リンス処理の終了後、スピンモータ部5の回転速度を増加させて、基板Wを乾燥させる(ステップS7)。具体的には、基板Wの回転速度を、エッチング処理時及びリンス処理時の回転速度よりも増大させる。この結果、基板W上のリンス液に大きな遠心力が付与され、基板Wに付着しているリンス液が基板Wの周囲に振り切られる。このようにして、基板Wからリンス液を除去し、基板Wを乾燥させる。
【0088】
制御部102は、基板Wの高速回転を開始してから所定時間が経過した後、スピンモータ部5の動作を停止させることにより、基板Wの回転を停止させる(ステップS8)。この結果、乾燥処理が終了する。乾燥処理が終了すると、制御部102は、ステップS3と同様に、膜厚測定部8に、基板Wに含まれる処理対象膜TGの膜厚を測定させる(ステップS9)。ここで測定される膜厚は、エッチング処理後の処理対象膜TGの膜厚を示す。以下、エッチング処理後の処理対象膜TGの膜厚を、「処理後の膜厚」と記載する場合がある。
【0089】
処理後の膜厚の測定が終了すると、制御部102は、膜厚測定部8による測定の結果に基づいて、判定処理を実行する(ステップS10)。判定処理は、エッチング液L1の使用の可否を判定する処理である。本実施形態において、制御部102は、処理前の膜厚の測定結果(測定値)と、処理後の膜厚の測定結果(測定値)とに基づいて、判定処理を実行する。
【0090】
判定処理の後、スピンチャック3による基板Wの保持が解除され、センターロボットCRがチャンバー2の外へ基板Wを搬出して(ステップS11)、
図7に示す処理が終了する。
【0091】
続いて
図8を参照して判定処理(ステップS10)を説明する。
図8は、判定処理(ステップS10)を示すフロー図である。
図8に示すように、判定処理(ステップS10)は、ステップS21~ステップS24を包含する。
【0092】
制御部102は、判定処理(ステップS10)を開始すると、処理前の膜厚の測定値と、処理後の膜厚の測定値とに基づいて、各測定位置におけるエッチングレートを取得する(ステップS21)。エッチングレートは、膜厚測定部8による測定結果の特性を示す特性値の一例である。
【0093】
制御部102は、各測定位置におけるエッチングレートを取得すると、エッチングレートの平均値を取得する(ステップS22)。そして、制御部102は、エッチングレートの平均値に基づいて、エッチング液L1の使用の可否を判定する(ステップS23)。具体的には、制御部102は、エッチングレートの平均値が所定の範囲内の値を示すか否かを判定する。ここで、所定の範囲は、エッチングレートの平均値に対する許容範囲を示し、記憶部103に予め記憶されている。許容範囲は、例えば、エッチングレートの目標値に対して3%以内の範囲を示す。
【0094】
制御部102は、エッチングレートの平均値が所定の範囲内の値を示す場合、エッチング液L1の使用(再利用)は可能であると判定し(ステップS23のYes)、判定処理(ステップS10)を終了する。
【0095】
一方、エッチングレートの平均値が所定の範囲から外れた値を示す場合、制御部102は、エッチング液L1の使用(再利用)は不可であると判定し(ステップS23のNo)、通知処理を実行する(ステップS24)。通知処理は、エッチング液L1の使用(再利用)が不可である旨を通知する処理を示す。具体的には、
図6を参照して説明したように、制御部102は、表示部104に、第1容器45の交換を促すメッセージを表示させる。制御部102は、通知処理を実行した後、判定処理(ステップS10)を終了する。
【0096】
以上、
図1~
図8を参照して本発明の実施形態1を説明した。本実施形態によれば、膜厚測定部8による測定結果を用いてエッチング液L1の使用の可否を判定することができる。したがって、エッチング液L1の使用の可否の判定を効率よく行うことができる。
【0097】
また、本実施形態によれば、膜厚測定部8は基板Wの中心部分における膜厚を測定すればよいため、エッチング液L1の使用の可否の判定に要する時間を短縮することができる。
【0098】
なお、本実施形態では、膜厚測定部8は基板Wの中心部分における膜厚を測定したが、膜厚測定部8は、基板Wの中心部分以外の範囲における膜厚を測定してもよい。
【0099】
また、本実施形態では、膜厚測定部8が複数の測定位置において膜厚を測定したが、測定位置は1か所であってもよい。この場合、制御部102は、特定の1か所におけるエッチングレートが所定の範囲内の値を示すか否かを判定する。ここで、所定の範囲は、特定の1か所のエッチングレートに対する許容範囲を示す。許容範囲は、例えば、エッチングレートの目標値に対して3%以内の範囲を示す。
【0100】
[実施形態2]
続いて
図1~
図7、
図9、及び
図10を参照して本発明の実施形態2について説明する。但し、実施形態1と異なる事項を説明し、実施形態1と同じ事項についての説明は割愛する。実施形態2は、判定処理(ステップS10)が実施形態1と異なる。
【0101】
図9は、
図5を参照して説明したグラフG1、G2の一部を拡大して示す図である。具体的には、
図9は、基板Wの中心部分におけるエッチングレートを示す。
【0102】
図9に示すように、エッチング液L1の再利用を繰り返すことにより、エッチングレートの分布を示すグラフの接線の傾きが変化する。具体的には、半径方向RDの複数の位置において、グラフG1の接線TL1の傾きとグラフG2の接線TL2の傾きとが異なる。換言すると、半径方向RDの複数の位置において、グラフG1の微分値とグラフG2の微分値とが異なる。本実施形態において、制御部102は、エッチングレートの分布を示すグラフの微分値に基づいて、エッチング液L1の使用の可否を判定する。
【0103】
図10は、本実施形態の基板処理装置100において制御装置101(制御部102)が実行する判定処理(ステップS10)を示すフロー図である。
図10に示すように、判定処理(ステップS10)は、ステップS31~ステップS35を包含する。
【0104】
制御部102は、判定処理(ステップS10)を開始すると、処理前の膜厚の測定値と、処理後の膜厚の測定値とに基づいて、各測定位置におけるエッチングレートを取得する(ステップS31)。
【0105】
制御部102は、各測定位置におけるエッチングレートを取得すると、エッチングレートの分布を示すグラフを取得する(ステップS32)。エッチングレートの分布を示すグラフは、特性値の分布を示すグラフの一例である。ここで、特性値は、膜厚測定部8による測定結果の特性を示す。
【0106】
制御部102は、グラフを取得すると、半径方向RDの特定の1か所におけるグラフの微分値を取得する(ステップS33)。そして、制御部102は、グラフの微分値に基づいて、エッチング液L1の使用の可否を判定する(ステップS34)。具体的には、制御部102は、微分値が所定の範囲内の値を示すか否かを判定する。ここで、所定の範囲は、半径方向RDにおける特定の1か所の微分値に対する許容範囲を示し、記憶部103に予め記憶されている。
【0107】
制御部102は、微分値が所定の範囲内の値を示す場合、エッチング液L1の使用(再利用)は可能であると判定し(ステップS34のYes)、判定処理(ステップS10)を終了する。
【0108】
一方、微分値が所定の範囲から外れた値を示す場合、制御部102は、エッチング液L1の使用(再利用)は不可であると判定し(ステップS34のNo)、通知処理を実行して(ステップS35)、判定処理(ステップS10)を終了する。なお、通知処理は、実施形態1で説明した通知処理(ステップS24)と同様であるため、その説明は割愛する。
【0109】
以上、
図1~
図7、
図9、及び
図10を参照して本発明の実施形態2を説明した。本実施形態によれば、実施形態1と同様に、膜厚測定部8による測定結果を用いてエッチング液L1の使用の可否を判定することができる。したがって、エッチング液L1の使用の可否の判定を効率よく行うことができる。
【0110】
なお、本実施形態では、制御部102が、半径方向RDにおける特定の1か所の微分値を取得したが、制御部102は、半径方向RDにおける複数の個所の微分値を取得してもよい。この場合、制御部102は、複数個所の微分値の平均値に基づいてエッチング液L1の使用の可否を判定してもよいし、複数個所の微分値のそれぞれに基づいてエッチング液L1の使用の可否を判定してもよい。
【0111】
具体的には、微分値の平均値に基づいてエッチング液L1の使用の可否を判定する場合、制御部102は、微分値の平均値が所定の範囲内の値を示すか否かを判定する。ここで、所定の範囲は、微分値の平均値に対する許容範囲を示し、記憶部103に予め記憶される。
【0112】
また、複数個所の微分値のそれぞれに基づいてエッチング液L1の使用の可否を判定する場合、制御部102は、複数個所の微分値のそれぞれに対し、所定の範囲内の値を示すか否かを判定する。所定の範囲は、複数個所の微分値に対して、それぞれ設定される。許容範囲は、複数個所の微分値のそれぞれに対して異なる範囲を示してもよいし、一定の範囲を示してもよい。許容範囲は、記憶部103に予め記憶される。
【0113】
制御部102は、複数個所の微分値のうちの1つが許容範囲から外れた値を示す場合に、エッチング液L1の使用は不可であると判定してもよいし、複数個所の微分値のうちの全てが許容範囲から外れた値を示す場合に、エッチング液L1の使用は不可であると判定してもよい。あるいは、制御部102は、複数個所の微分値のうちの所定数以上の微分値が許容範囲から外れた値を示す場合に、エッチング液L1の使用は不可であると判定してもよい。
【0114】
[実施形態3]
続いて
図1~
図7、
図11、及び
図12を参照して本発明の実施形態3について説明する。但し、実施形態1、2と異なる事項を説明し、実施形態1、2と同じ事項についての説明は割愛する。実施形態3は、判定処理(ステップS10)が実施形態1、2と異なる。
【0115】
図11は、処理対象膜TGに対するエッチング液L1のエッチングレートを示す別の図である。
図11において、横軸は基板Wの半径を示し、縦軸はエッチングレートを示す。グラフG3、G4は、半径方向RDにおけるエッチングレートの分布を示す。
【0116】
具体的には、グラフG3(実線のグラフ)は、エッチング液L1の再利用開始前のエッチングレートの分布を示す。例えば、グラフG3は、エッチング液L1を用いて1枚の基板W(最初の基板W)をエッチングすることにより取得されるエッチングレートを示す。グラフG4(破線のグラフ)は、エッチング液L1の再利用を繰り返した後のエッチングレートの分布を示す。例えば、グラフG4は、エッチング液L1の再利用を繰り返して275枚の基板Wをエッチングすることにより取得されるエッチングレートを示す。以下、エッチング液L1の再利用開始前のエッチングレートの分布を示すグラフを、「再利用開始前のグラフ」と記載する場合がある。
【0117】
図11に示すように、エッチング液L1の再利用を繰り返すことにより、基板Wの中心部分においてエッチングレートが低下する。つまり、基板Wの中心部分のエッチング量が低下する。その結果、エッチング液L1の再利用を繰り返すことにより、エッチングレートの分布を示すグラフの変曲点の数が変化する。具体的には、グラフG3に含まれる変曲点P1の数と、グラフG4に含まれる変曲点P2の数とは異なる。本実施形態において、制御部102は、エッチングレートの分布を示すグラフの変曲点の数に基づいて、エッチング液L1の使用の可否を判定する。
【0118】
図12は、本実施形態の基板処理装置100において制御装置101(制御部102)が実行する判定処理(ステップS10)を示すフロー図である。
図12に示すように、判定処理(ステップS10)は、ステップS41~ステップS46を包含する。
【0119】
制御部102は、判定処理(ステップS10)を開始すると、処理前の膜厚の測定値と、処理後の膜厚の測定値とに基づいて、各測定位置におけるエッチングレートを取得する(ステップS41)。
【0120】
制御部102は、各測定位置におけるエッチングレートを取得すると、エッチングレートの分布を示すグラフを取得する(ステップS42)。制御部102は、グラフを取得すると、グラフの微分値を取得する(ステップS43)。そして、制御部102は、グラフの微分値から、グラフの変曲点の数を取得し(ステップS44)、グラフの変曲点の数に基づいて、エッチング液L1の使用の可否を判定する(ステップS45)。
【0121】
具体的には、制御部102は、変曲点の数が、所定の数に対して2つ以上増えたか否かを判定する。ここで、所定の数は、再利用開始前のグラフ(グラフG3)に含まれる変曲点の数を示す。
【0122】
制御部102は、変曲点の数が所定の数に対して2つ以上増えていない場合、エッチング液L1の使用(再利用)は可能であると判定し(ステップS45のYes)、判定処理(ステップS10)を終了する。
【0123】
一方、変曲点の数が所定の数に対して2つ以上増えた場合、制御部102は、エッチング液L1の使用(再利用)は不可であると判定し(ステップS45のNo)、通知処理を実行して(ステップS46)、判定処理(ステップS10)を終了する。なお、通知処理は、実施形態1で説明した通知処理(ステップS24)と同様であるため、その説明は割愛する。
【0124】
以上、
図1~
図7、
図11、及び
図12を参照して本発明の実施形態3について説明した。本実施形態によれば、実施形態1と同様に、膜厚測定部8による測定結果を用いてエッチング液L1の使用の可否を判定することができる。したがって、エッチング液L1の使用の可否の判定を効率よく行うことができる。
【0125】
[実施形態4]
続いて
図1~
図7、
図13、及び
図14を参照して本発明の実施形態4について説明する。但し、実施形態1~3と異なる事項を説明し、実施形態1~3と同じ事項についての説明は割愛する。実施形態4は、判定処理(ステップS10)が実施形態1~3と異なる。
【0126】
図13は、
図11を参照して説明したグラフG3、G4の一部を拡大して示す図である。具体的には、
図13は、基板Wの中心部分におけるエッチングレートを示す。
【0127】
図13に示すように、エッチング液L1の再利用を繰り返すことにより、エッチングレートの分布を示すグラフの接線が傾く向きが変化する。具体的には、半径方向RDの複数の位置において、グラフG3の接線TL3が傾く向きとグラフG4の接線TL4が傾く向きとが異なる。換言すると、半径方向RDの複数の位置において、グラフG1の微分値の正負の符号とグラフG2の微分値の正負の符号とが異なる。本実施形態において、制御部102は、エッチングレートの分布を示すグラフの微分値の正負の符号に基づいて、エッチング液L1の使用の可否を判定する。
【0128】
図14は、本実施形態の基板処理装置100において制御装置101(制御部102)が実行する判定処理(ステップS10)を示すフロー図である。
図14に示すように、判定処理(ステップS10)は、ステップS51~ステップS56を包含する。
【0129】
制御部102は、判定処理(ステップS10)を開始すると、処理前の膜厚の測定値と、処理後の膜厚の測定値とに基づいて、各測定位置におけるエッチングレートを取得する(ステップS51)。
【0130】
制御部102は、各測定位置におけるエッチングレートを取得すると、エッチングレートの分布を示すグラフを取得する(ステップS52)。制御部102は、グラフを取得すると、半径方向RDの特定の1か所におけるグラフの微分値を取得する(ステップS53)。そして、制御部102は、微分値の正負の符号を取得し(ステップS54)、グラフの微分値の正負の符号に基づいて、エッチング液L1の使用の可否を判定する(ステップS55)。
【0131】
具体的には、制御部102は、微分値の正負の符号が規定の符号を示すか否かを判定する。ここで、規定の符号は、再利用開始前のグラフ(グラフG3)の特定の1か所における微分値の正負の符号を示し、記憶部103に予め記憶されている。
【0132】
制御部102は、微分値の正負の符号が規定の符号を示す場合、エッチング液L1の使用(再利用)は可能であると判定し(ステップS55のYes)、判定処理(ステップS10)を終了する。
【0133】
一方、微分値の正負の符号が規定の符号を示さない場合、制御部102は、エッチング液L1の使用(再利用)は不可であると判定し(ステップS55のNo)、通知処理を実行して(ステップS56)、判定処理(ステップS10)を終了する。なお、通知処理は、実施形態1で説明した通知処理(ステップS24)と同様であるため、その説明は割愛する。
【0134】
以上、
図1~
図7、
図13、及び
図14を参照して本発明の実施形態4について説明した。本実施形態によれば、実施形態1と同様に、膜厚測定部8による測定結果を用いてエッチング液L1の使用の可否を判定することができる。したがって、エッチング液L1の使用の可否の判定を効率よく行うことができる。
【0135】
なお、本実施形態では、制御部102が、半径方向RDにおける特定の1か所の微分値を取得したが、制御部102は、半径方向RDにおける複数個所の微分値を取得してもよい。この場合、制御部102は、複数個所の微分値のそれぞれの正負の符号に基づいてエッチング液L1の使用の可否を判定する。
【0136】
具体的には、制御部102は、複数個所の微分値の正負の符号それぞれに対し、規定の符号を示すか否かを判定する。規定の符号は、複数個所の微分値に対して、それぞれ設定される。制御部102は、複数個所の微分値のうちの1つの正負の符号が規定の符号と異なる場合に、エッチング液L1の使用は不可であると判定してもよいし、複数個所の微分値のうちの全ての正負の符号が規定の符号と異なる場合に、エッチング液L1の使用は不可であると判定してもよい。あるいは、制御部102は、複数個所の微分値のうちの所定数以上の微分値の正負の符号が規定の符号と異なる場合に、エッチング液L1の使用は不可であると判定してもよい。
【0137】
[実施形態5]
続いて
図1~
図7、
図15(a)、及び
図15(b)を参照して本実施形態の基板処理システム1000を説明する。但し、実施形態1~4と異なる事項を説明し、実施形態1~4と同じ事項についての説明は割愛する。実施形態5は、実施形態1~4と異なり、膜厚測定装置200が処理対象膜TGの膜厚を測定する。
【0138】
図15(a)は、本実施形態の基板処理システム1000を示す図である。
図15(a)に示すように、基板処理システム1000は、膜厚測定装置200と、基板処理装置300とを備える。
【0139】
膜厚測定装置200は、エッチング処理が行われる前の基板Wに含まれる処理対象膜TGの膜厚と、エッチング処理が行われた後の基板Wに含まれる処理対象膜TGの膜厚とを測定する。以下、エッチング処理が行われる前の基板Wを、「処理前基板Wb」と記載する場合がある。また、エッチング処理が行われた後の基板Wを、「処理後基板Wa」と記載する場合がある。処理前基板Wbは、基板処理装置300の処理対象の基板Wである。
【0140】
基板処理装置300は、処理前基板Wbを処理する。具体的には、基板処理装置300は、処理前基板Wbに対してエッチング処理を実行する。基板処理装置300は、
図1~
図6を参照して説明した基板処理装置100と異なり、膜厚測定部8を備えていない。また、基板処理装置300は、
図1~
図6を参照して説明した基板処理装置100と異なり、制御部102が判定処理を実行しない。これらの点を除いて、基板処理装置300は、基板処理装置100と同様の構成を有するため、その説明は割愛する。
【0141】
続いて
図15(b)を参照して膜厚測定装置200の構成を説明する。
図15(b)は、膜厚測定装置200の構成を示すブロック図である。
図15(b)に示すように、膜厚測定装置200は、測定部201と、制御部202と、記憶部203と、表示部204とを備える。
【0142】
測定部201は、処理前基板Wbに含まれる処理対象膜TGの膜厚を測定する。また、測定部201は、基板処理装置300によって処理された後の基板W(処理後基板Wa)に含まれる処理対象膜TGの膜厚を測定する。
【0143】
制御部202は、プロセッサーを有する。制御部202は、例えば、CPU又はMPUを有する。あるいは、制御部202は、汎用演算機を有してもよい。記憶部203は、主記憶装置を有する。主記憶装置は、例えば、半導体メモリである。記憶部203は、補助記憶装置を更に有してもよい。補助記憶装置は、例えば、半導体メモリ及びハードディスクドライブの少なくも一方を含む。記憶部203はリムーバブルメディアを含んでいてもよい。記憶部203は、データ及びコンピュータプログラムを記憶する。
【0144】
制御部202は、記憶部203に記憶されているコンピュータプログラム及びデータに基づいて、膜厚測定装置200の各部の動作を制御する。また、制御部202は、測定部201による測定の結果に基づいて、実施形態1~4で説明した制御部102と同様に、エッチング液L1の使用の可否を判定する。すなわち、制御部202は、実施形態1~4で説明した判定処理(ステップS10)のいずれかを実行する。本実施形態において、制御部202は、判定部の一例である。
【0145】
表示部204は各種情報を表示する。表示部204は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイを有する。表示部204は、エッチング液L1の使用の可否の判定結果を通知する画像を表示する。具体的には、制御部202は、エッチング液L1の使用の不可を判定した場合に、表示部204に、第1容器45の交換を促すメッセージを表示させる。
【0146】
以上、
図1~
図7、
図15(a)、及び
図15(b)を参照して本発明の実施形態5について説明した。本実施形態によれば、測定部201による測定結果を用いてエッチング液L1の使用の可否を判定することができる。したがって、エッチング液L1の使用の可否の判定を効率よく行うことができる。
【0147】
以上、図面(
図1~
図15(b))を参照して本発明の実施形態について説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施できる。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素は適宜改変可能である。例えば、ある実施形態に示される全構成要素のうちのある構成要素を別の実施形態の構成要素に追加してもよく、又は、ある実施形態に示される全構成要素のうちのいくつかの構成要素を実施形態から削除してもよい。
【0148】
図面は、発明の理解を容易にするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚さ、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の構成は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【0149】
例えば、
図2を参照して説明したスピンチャック3は、複数のチャック部材32を基板Wの周端面に接触させる挟持式のチャックであったが、基板Wを保持する方式は、基板Wを水平に保持できる限り、特に限定されない。例えば、スピンチャック3は、バキューム式のチャックであってもよいし、ベルヌーイ式のチャックであってもよい。
【0150】
また、
図1~
図15(b)を参照して説明した実施形態において、基板処理装置100、300は、補給機構20を備えたが、補給機構20は、省略されてもよい。
【0151】
また、
図1~
図15(b)を参照して説明した実施形態において、膜厚測定処理は、回転していない基板Wに対して実行されたが、膜厚測定処理は、回転中の基板Wに対して実行されてもよい。
【0152】
また、
図1~
図14を参照して説明した実施形態において、制御部102は、膜厚測定部8による測定結果の特性値としてエッチングレートを取得したが、制御部102は、膜厚測定部8による測定結果の特性値としてエッチング量を取得してもよい。同様に、
図1~
図7、
図15(a)、及び
図15(b)を参照して説明した実施形態(実施形態5)において、制御部202は、測定部201による測定結果の特性値としてエッチングレートを取得したが、制御部202は、測定部201による測定結果の特性値としてエッチング量を取得してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0153】
本発明は、エッチング液を用いて基板を処理する分野に有用である。
【符号の説明】
【0154】
3 :スピンチャック
4 :第1ノズル
5 :スピンモータ部
8 :膜厚測定部
9 :プローブ移動機構
45 :第1容器
100 :基板処理装置
100A :流体キャビネット
101 :制御装置
102 :制御部
200 :膜厚測定装置
201 :測定部
202 :制御部
300 :基板処理装置
1000 :基板処理システム
TG :処理対象膜
W :基板