(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】机用の衝立装置
(51)【国際特許分類】
A47B 13/00 20060101AFI20240702BHJP
A47B 17/00 20060101ALI20240702BHJP
A47B 96/04 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
A47B13/00 Z
A47B17/00 Z
A47B96/04 Z
(21)【出願番号】P 2020172076
(22)【出願日】2020-10-12
【審査請求日】2023-08-29
(73)【特許権者】
【識別番号】307038540
【氏名又は名称】三和シヤッター工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085394
【氏名又は名称】廣瀬 哲夫
(74)【代理人】
【識別番号】100165456
【氏名又は名称】鈴木 佑子
(72)【発明者】
【氏名】細山 健二
【審査官】村川 雄一
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2007-0098095(KR,A)
【文献】特開2022-007890(JP,A)
【文献】登録実用新案第3228497(JP,U)
【文献】登録実用新案第3228226(JP,U)
【文献】実開昭63-033860(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 13/00
A47B 17/00
A47B 17/04
A47B 96/04
A47F 9/00
A47G 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正面板と、該正面板の左右少なくとも一側方に配される側面板と、前記正面板に対して側面板を角形状に展開される展開姿勢から積層状に折畳まれる折畳み姿勢に揺動変姿するよう正面板と側面板とを連結する第一の揺動手段と、正面板または側面板の何れか一方に設けられ、該設けられた側の面板を机板端縁部に着脱自在に固定するための固定具とを備えて構成される机用の衝立装置において、
前記固定具には、折畳み姿勢の両面板が机板に対して起立する起立姿勢と倒伏する倒伏姿勢とに変姿するよう前記固定具が設けられる側の面板を揺動自在に支持する第二の揺動手段が設けられ
、
該第二の揺動手段は、折畳み、倒伏姿勢の状態で下側となる面板を机板に対して上方に離間するよう揺動自在に支持するものであり、該下側となる面板には、机板に当接して折畳み、倒伏姿勢状態の支持をする支持部材が設けられていることを特徴とする机用の衝立装置。
【請求項2】
正面板と、該正面板の左右少なくとも一側方に配される側面板と、前記正面板に対して側面板を角形状に展開される展開姿勢から積層状に折畳まれる折畳み姿勢に揺動変姿するよう正面板と側面板とを連結する第一の揺動手段と、正面板または側面板の何れか一方に設けられ、該設けられた側の面板を机板端縁部に着脱自在に固定するための固定具とを備えて構成される机用の衝立装置において、
前記固定具には、折畳み姿勢の両面板が机板に対して起立する起立姿勢と倒伏する倒伏姿勢とに変姿するよう前記固定具が設けられる側の面板を揺動自在に支持する第二の揺動手段が設けられ、
正面板と側面板との少なくとも一方には、折畳み姿勢になったとき両者が当接しないよう介装材が設けられていることを特徴とするの机用の衝立装置。
【請求項3】
側面板は、正面板の左右にそれぞれ設けられ、折畳み姿勢の状態で側面板同士が重合しないよう左右側面板の長さの合計を、正面板の長さ以下となるよう設定されていることを特徴とする請求項1
または2記載の机用の衝立装置。
【請求項4】
固定具は正面板の下端縁部に設けられていることを特徴とする請求項1
乃至3の何れか1記載の机用の衝立装置。
【請求項5】
側面板には、展開、起立姿勢の状態で机板に当接して該展開、起立姿勢の側面板の保持をする保持部材が設けられていることを特徴とする請求項1乃至
4の何れか1記載の机用の衝立装置。
【請求項6】
保持部材は、机板に当接する保持姿勢から収納姿勢に変姿自在に設けられていることを特徴とする請求項
5記載の机用の衝立装置。
【請求項7】
折畳み、倒伏姿勢の正面板および側面板は、机板からはみ出ない大きさに設定されていることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1記載の机用の衝立装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、学習用や事務用等に使用される机に簡単に載置して周囲と仕切ることができる机用の衝立装置の技術分野に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近時、コロナウイルスのような病原体の感染予防等のため、隣人とのあいだを衝立装置を配して仕切ることが試みられている。このようなことが例えば学校のように大勢が机を前にして勉強をするような場合に、各机毎の机板上に衝立装置を載置して仕切ることがあり、この様な衝立装置として、机板に、正面(前面)板と左右側面板とを折畳み自在に連結したものを載置するようにしたものが提唱されている(例えば特許文献1、2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-301925号公報
【文献】特開2014-46193号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが前記従来のものは、衝立装置は、基板上に単に載置したり机板の端縁部に外嵌状に係止したりするだけのものであるから不安定であって、人が軽く触れるだけで倒れたり机板から落下したりしてしまうという問題がある。
そこで例えば、正面板を固定具を介して机板に固定することが提唱されるが、このようにした場合、不使用時であっても衝立装置は面板が起立したままの状態であるため、例えば部屋の掃除をするため机を移動する際に起立した面板が邪魔になって移動作業がしづらく、これを回避するためには、いちいち固定具の解除操作をして衝立装置を机板から取り外す作業が強いられることになって作業性に劣る等の問題があり、これらに本発明の解決すべき課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、正面板と、該正面板の左右少なくとも一側方に配される側面板と、前記正面板に対して側面板を角形状に展開される展開姿勢から積層状に折畳まれる折畳み姿勢に揺動変姿するよう正面板と側面板とを連結する第一の揺動手段と、正面板または側面板の何れか一方に設けられ、該設けられた側の面板を机板端縁部に着脱自在に固定するための固定具とを備えて構成される机用の衝立装置において、前記固定具には、折畳み姿勢の両面板が机板に対して起立する起立姿勢と倒伏する倒伏姿勢とに変姿するよう前記固定具が設けられる側の面板を揺動自在に支持する第二の揺動手段が設けられ、該第二の揺動手段は、折畳み、倒伏姿勢の状態で下側となる面板を机板に対して上方に離間するよう揺動自在に支持するものであり、該下側となる面板には、机板に当接して折畳み、倒伏姿勢状態の支持をする支持部材が設けられていることを特徴とする机用の衝立装置である。
請求項2の発明は、正面板と、該正面板の左右少なくとも一側方に配される側面板と、前記正面板に対して側面板を角形状に展開される展開姿勢から積層状に折畳まれる折畳み姿勢に揺動変姿するよう正面板と側面板とを連結する第一の揺動手段と、正面板または側面板の何れか一方に設けられ、該設けられた側の面板を机板端縁部に着脱自在に固定するための固定具とを備えて構成される机用の衝立装置において、前記固定具には、折畳み姿勢の両面板が机板に対して起立する起立姿勢と倒伏する倒伏姿勢とに変姿するよう前記固定具が設けられる側の面板を揺動自在に支持する第二の揺動手段が設けられ、正面板と側面板との少なくとも一方には、折畳み姿勢になったとき両者が当接しないよう介装材が設けられていることを特徴とするの机用の衝立装置である。
請求項3の発明は、側面板は、正面板の左右にそれぞれ設けられ、折畳み姿勢の状態で側面板同士が重合しないよう左右側面板の長さの合計を、正面板の長さ以下となるよう設定されていることを特徴とする請求項1または2記載の机用の衝立装置である。
請求項4の発明は、固定具は正面板の下端縁部に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1記載の机用の衝立装置である。
請求項5の発明は、側面板には、展開、起立姿勢の状態で机板に当接して該展開、起立姿勢の側面板の保持をする保持部材が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1記載の机用の衝立装置である。
請求項6の発明は、保持部材は、机板に当接する保持姿勢から収納姿勢に変姿自在に設けられていることを特徴とする請求項5記載の机用の衝立装置である。
請求項7の発明は、折畳み、倒伏姿勢の正面板および側面板は、机板からはみ出ない大きさに設定されていることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1記載の机用の衝立装置である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1または2の発明とすることにより、展開姿勢と折畳み姿勢とに変姿できるよう第一の揺動手段を介して連結した正面板と側面板とを備えて構成される衝立装置において、該衝立装置を机板に固定するための固定具に、両面板を起立姿勢と倒伏姿勢とに変姿する第二の揺動手段が設けられたものとなる結果、両面板を折畳み倒伏姿勢にすることで、机を移動するような際に衝立装置が邪魔になることを、衝立装置を机板に固定したままの状態で簡単に回避できることになって作業性が向上する。
しかも、請求項1の発明とすることにより、折畳み、倒伏姿勢となった状態で下側になる面材が、机板から間隙を存して離間することで該面材や机板が傷ついたりすることを回避できながら、下側になる面材に設けた支持部材により、離間状態の支持ができることになって、倒伏姿勢の安定化が図れることになる。
また、請求項2の発明とすることにより、折畳み姿勢としたときに正面板と側面板とのあいだに両者が当接しないよう介装材が設けられている結果、正面板と側面板とが当接して傷ついてしまうようなことを効果的に回避できることになる。
請求項3の発明とすることにより、側面板が正面板の左右両側に設けられながら、該左右の側面板が折畳み姿勢になったときに、側面板の先端縁部同士が重合することがない結果、左右側面板をフラット状に折畳むことができることになって無理なくコンパクトな倒伏姿勢にできることになる。
請求項4の発明とすることにより、固定具が正面板に設けられて机板の先端側縁部に固定されるものとなる結果、机使用時に固定具が邪魔になることを効果的に回避できることになる。
請求項5の発明とすることにより、展開、起立姿勢になった場合に、側面板は、該側面板に設けた保持部材が机板に当接して展開、起立姿勢の保持をすることになる結果、側面板の展開、起立姿勢の安定化が図れることになる。
請求項6の発明とすることにより、展開、起立姿勢の側面板の安定保持をするため設けた保持部材を収納姿勢にすることで、側面板の変姿作業をする際に保持部材が邪魔になることがなく、作業性が損なわれることを回避できることになる。
請求項7の発明とすることにより、正面板、側面板は、折畳み、倒伏姿勢としたときに机板からはみ出ない設定になっているため、該姿勢にして持ち運び移動するようなときに邪魔になることがない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】展開、起立姿勢の状態を示す衝立装置の正面図である。
【
図6】折畳み、起立姿勢の状態を示す衝立装置の平面図である。
【
図7】折畳み、倒伏姿勢の状態を示す衝立装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図面において、1は机D用の衝立装置であって、該衝立装置1は、正面板2と、該正面板2の左右に配される側面板3との三枚の面板2、3を用いて構成されるが、正面板2と側面板3とは、後述する起立姿勢で、上下一対の第一蝶番(本発明の「第一の揺動手段」に相当する。)4を介して直角形状(本発明は、必ずしも直角(90度)である必要はなく、例えば80度、100度等の角度を存した角形状であればよい。)に展開(拡開)される展開姿勢と、正面板2に対して側面板3が基端側(「基端側」の定義については後述する)に位置する積層(重合)状態で折畳まれる折畳み姿勢とに変姿できるよう揺動自在に連結されている。
【0009】
以降、本実施の形態を説明するにあたり、前後方向の方向性については机の机板5を基準とし、机板5の手前側(椅子が通常に配される側)を「基端側」、手先側(椅子が通常に配される側とは反対側)を「先端側」と定義して記載するものとする。
また正面板2については、後述するように机板5の先端側部位において起立姿勢にした状態で方向性の定義をし、側面板3については、同じく後述するように、机板5の左右両端側部位において展開、起立姿勢とした状態で方向性の定義をしたものとして記載するが、このような方向性の定義は便宜上のものであって、本発明はこの方向性の定義に限定されないものであることは言うまでもない。
【0010】
そしてこのように方向性を定義したときに、正面板2は、基端側面2aの左右方向両端縁部に第一蝶番4の一方の取り付け板4aが当接する状態で、基端側面2aから先端側面2bに向けて螺入したビス4bを介して一方の取り付け板4aが取り付けられることになり、側面板3は、左右方向内側面3aの先端側部に第一蝶番4の他方の取り付け板4aが当接する状態で、左右方向内側面3aから外側面3b側に向けて螺入したビス4bを介して他方の取り付け板4aが取り付けられたものとなっている。
このように正面板2に対して側面板3が第一蝶番4を介して折畳み揺動自在に連結されることにより、折畳み姿勢としたときに、正面板2と側面板3とは、軸部4cに相当する分、互いに対向する基端側面2aと左右方向内側面3aとが間隙(隙間)を存して離間するように設定されている。
尚、面板2、3は、本実施の形態のものは何れも無色の透明板で形成されているが、これに限定されるものではなく、必要において不透明、半透明とすることができ、さらには有色(無彩色を含む。)とすることもできる。
そして本実施の形態において、面板2、3が透明板で構成されるため、各面板2、3の向こう側にある物体が透けて見えることになって手前側にある物体と同じように視認され、これを図面において視認される状態のまま描いた場合に、該描かれた物体が面板2、3に対してどちら側にあるかの判断が曖昧なものになって誤解釈される惧れがあり、そこで図面では、面板2、3を不透明板であるものと仮定し、面板2、3の向こう側にある物体については見えないものとし、必要において破線(仮想線)で描くものとした。
【0011】
さらに本実施の形態においては、左右側面板3は、何れも同じ大きさ(形状)のものであり、折畳み姿勢にしたときには、左右側面板3の先端縁部(第一蝶番4が取り付けられる側の端縁部とは反対側の端縁部)同士が互いに積層(重合)することなく左右方向に僅かに間隙を存して対向する設定となっているが、このように折畳んだ状態で左右側面板3の先端縁部同士が互いに積層(重合)しないものに構成されるには、左右側面板3が同じ大きさである場合、左右側面板3の左右長さは、理論上、正面板2の左右長さの1/2以下の長さ(横方向の長さ)に設定すればよいことになる。
これに対して左右側面板3の左右長さが異なる場合には、左右側面板3の左右長さの和が正面板2の長さ以下になるよう設定されることで、左右側面板3の先端縁部同士が互いに積層することがないものになり、このようにしても本発明を実施できるものである。
【0012】
前記正面板2の下端縁部2cには、該正面板2を机板5の先端縁部に着脱自在に取り付け固定するための固定具6が設けられるが、該固定具6は、左右方向に長い肉厚板状になっていて机板5の先端縁部側上面に載置される基板部6aを備え、該基板部6aにクランプ部7と第二蝶番(本発明の「第二の揺動手段」に相当する。)8とが設けられたものとして構成されている。
因みに正面板2、側面板3の下端縁部2c、3cは、起立姿勢の状態で基板部6aの上面に対して第二蝶番8の一方の取り付け板8aの板厚分、高位置になるよう設定されており、これによって折畳み、倒伏姿勢となってときには両下端縁部2c、3cは、基板部6aの基端側面に対して基端側に間隙を存して対向するよう構成されている。
【0013】
前記クランプ部7は、逆L字形をした上側半部7a、L字形をした下側半部7b、そして該下側半部7bに設けられる押圧部7cとを備えて構成されている。
前記上側半部7aの上片7dが、基板部6aの下面が開口するよう形成した凹溝部6bに内嵌した状態(本実施の形態では、上片7dは、基板部6aの下面と面一状になる状態で内嵌している。)でビス7eを介して基板部6aに固定される一方、上側半部7aの縦片7fは、下側半部7bの縦片7gに対して先端側で当接(重合)する状態でビス7eを介して固定されており、このように構成されることで、クランプ部7は、上側半部7aの上片7d、先基方向に当接する縦片7f、7g、そして下側半部7bの下片7hにより基端側が開口したコ字形をした構成となっている。尚、上側半部7aと下側半部7bとの縦片7f、7g同士の固定を、上下調整自在なものにする(例えば下側半部縦片7gに設けられるビス7e用のビス孔を長孔にする。)ことで上片7d、下片7h間の間隙を調整できるようにすることができる。
そして該コ字形をしたものの下片7hに、押圧部7cを構成する螺軸7iが上下方向貫通状に螺入しているが、該螺軸7iの下端部には操作具7jが設けられ、上端部には押圧体7kが設けられている。
そして机板5の先端側端縁部に、下側の押圧体7kと上側の上片7d(基板部6a)とを外嵌組み込みした状態で、操作具7jを回し操作して押圧体7kを上動せしめて、押圧体7kと上片7d(基板部6a)とのあいだに机板5を押圧状に挟持することで、衝立装置1の固定具6を介しての机板5への着脱自在な取り付け固定ができるようになっている。
【0014】
一方、前記基板部6aの上面に、第二蝶番8の一方の取り付け板8aがビス8bを介して取り付けられているが、該第二蝶番8の他方の取り付け板8aは、正面板2の先端側面2bに当接する状態で、先端側から基端側に向けて螺入したビス8bを介して正面板2に取り付けられたものとなっている。尚、本実施の形態では、第二蝶番8は、基板部6aの左右両端縁部の二か所と、左右方向中央部位の一か所の都合三個が取り付けられたものとなっている。
そして第二蝶番8は、正面板2を机板5に対して鉛直(垂直)状に起立する起立姿勢と、水平状に倒伏する倒伏姿勢とに揺動変姿できるよう揺動自在に軸支するものであり、正面板2を、前述したように側面板3が正面板2に対して折畳み姿勢となった状態で、倒伏姿勢(折畳み、倒伏姿勢)にした場合に、正面板2は机板5の上面に対して平行な水平状態となり、正面板2と机板5とのあいだに配される側面板3は、上側の正面板2、および下側の机板5に対してそれぞれ間隙を存して離間する状態で配されたものとなっている。
しかもこのように正面板2、側面板3が折畳み、倒伏姿勢となったときに、該正面板2、側面板3は机板5からはみ出ない大きさ、つまり机板5内に収まる大きさになるよう寸法設定されている。
因みに第一蝶番4、第二蝶番8の個数については本実施の形態のものに限定されず、必要において適宜の数に設定できることは言うまでもない。
【0015】
ところで側面板3は、展開、起立姿勢としたときに、先端側端縁部が第一蝶番4を介して正面板2側に支持されるだけで、下端縁部3cが机板5の上面から離間した片持ち状になっている。そこで、側面板下端縁部3cの基端側コーナー部に、該展開、起立姿勢となった状態で机板5に当接して側面板3の保持をする保持部材9が設けられているが、該保持部材9は、本実施の形態では、側面板3の左右方向内側面3a側に配され、机板5に当接する保持姿勢と、側面板3の下端縁部3cに面一状になるよう収納される収納姿勢とに変姿自在になるよう支軸9aを介して揺動自在に軸支されている。
【0016】
さらにこのものでは、側面板3の左右方向外側面3bが、折畳み、倒伏姿勢となった状態では、机板5に対して間隙を存して離間する状態になっており、そこで本実施の形態では、この間隙を埋める配慮がなされている。
つまり側面板3の左右方向外側面3bには、第一蝶番4の取り付け板4aが取り付けられる先端側の部位、および基端側の上下コーナー部位に、折畳み、倒伏姿勢となった状態で机板5の上面に当接する支持部材10が設けられており、これら支持部材10により、側面板3の机板5に対する離間状態を埋めた支持がなされるように構成されている。
因みに、第一蝶番4の取り付け板4aが取り付けられる部位に設けられた支持部材10は、取り付け板4aを固定するためのビス4bのビス孔を左右方向外側面3b側において覆蓋する(目隠しする)ため設けられる覆蓋部材12に兼用されたものになっている。
【0017】
さらに側面板3を折畳み姿勢にした場合に、該側面板3と正面板2とは、前述したように間隙を存して離間していて、側面板3の先端側と正面板2の左右方向端縁部側とが第一蝶番4を介して連結された片持ち状態になっており、そこで本実施の形態では、この間隙を埋める配慮がなされている。
まず前記保持部材9は、側面板3が折畳み姿勢の状態では、正面板基端側面2aの左右方向中央部の下端縁部2c部位に対向しており、そこでこの保持部材9を、収納姿勢とした状態で正面板2と側面板3とのあいだの間隙に介装される介装材11として兼用している。
そして本実施の形態においては、該介装材11(保持部材9)と対向する部位の正面板基端側面2aには、折畳み姿勢となったときに前記介装材11に当接する相手側の介装材11aを設けている。この場合に、正面板2の基端側面2aには、第二蝶番8の他方の取り付け板8aを固定するためのビス8bのビス孔を基端側面2a側において覆蓋するため覆蓋部材13が設けられているが、前記相手側の介装材11aは、左右方向中央部位の第二蝶番8を取り付けるためのビス孔を覆蓋する覆蓋部材13を兼用したものになっている。
【0018】
さらに正面板基端側面2aにおける左右方向中央部の上端側部位には、保持部材9と同肉厚の介装材11bが設けられる一方、側面板左右方向内側面2aの上端側コーナー部には、折畳み姿勢としたときに前記介装材11bに当接する介装材11cが設けられたものとなっており、このようにすることにより、折畳み姿勢となった状態の側面板3は、遊端縁となる基端側部位の上下において正面板2とのあいだに互いに当接する介装材11(9)と11a、11bと11cが介装されたものとなって折畳み姿勢の側面板3の正面板2に対する支持ができるようになっている。尚、本実施の形態の介装材は、互いに対向する正面板2、側面板3の両者に設けられていて互いに当接するものとなっているが、何れか一方の面板2または3に設けられ、他方の面板3または2に当接する構成のものであってもよい。
因みに本実施の形態においては、正面板基端側面2aの左右方向中央部位上端縁部に設けられる介装材11bに対応する先端側面2b側の部位には対向板14が設けられたものになっている。
【0019】
叙述の如く構成された本実施の形態において、机板5上に載置される衝立装置1は、正面板2と、該正面板2の左右に配される一対の側面板3とを備え、正面板2に対して側面板3が直角形状に展開される展開姿勢と積層状に折畳まれる折畳み姿勢とに揺動変姿するよう正面板2と側面板3とを第一蝶番4を介して連結すると共に、正面板2を机板5の先端側縁部に着脱自在に固定するための固定具6を備えて構成されたものであって、このようにすることで衝立装置1は、人が触れたとしても机板5から不用意に脱落したりすることを回避できるものでありながら、前記固定具6には、側面板3が正面板2に対して積層する折畳み姿勢の状態で、机板に対して起立する起立姿勢から倒伏する倒伏姿勢に変姿する第二蝶番8が設けられている結果、両面板2、3を、机板5に固定したままの状態で折畳み、倒伏姿勢にすることで、机板5上にコンパクトに収納できることになって、机Dを移動するような際に衝立装置1が邪魔になることを、衝立装置を机に固定したままの状態で簡単に回避できることになって作業性が向上する。
【0020】
しかもこの場合に、左右一対の側面板2は、折畳み姿勢の状態で側面板3同士が重合しないよう左右側面板3の長さの合計が、正面板2の長さ以下となるよう設定されており、この結果、左右側面板3を正面板2に対してフラットな状態で折畳むことができることになって無理なくコンパクトな倒伏姿勢にできることになる。そしてこの場合に、固定具6は正面板2の下端縁部2cに設けられているため、固定具6は、机板5の先端側端縁部に固定されたものとなって、固定具6を机Dの左右方向側端縁部に固定した場合のように邪魔になってしまうことを効果的に回避できることになる。
【0021】
また第一蝶番4によって揺動自在に支持される側面板3は、展開、起立姿勢の状態では、下端縁部3cが机板5の上面に対して上方に離間する片持ち状態で支持されるものであり、このため側面板3の基端側下端縁部3cに、机板5の上面に当接する保持部材9を設けたものとなっており、この結果、展開、起立姿勢になったとき片持ち状になる側面板3の保持ができることになって側面板3の安定化が図れることになる。
しかも保持部材9は、側面板3の下端縁部3cから突出する保持姿勢から収納姿勢に揺動変姿するものであるから、該収納姿勢にすることで、折畳み、倒伏姿勢の作業をする際に保持部材9が邪魔になってしまうことがなく、操作性が損なわれることを回避できる。
【0022】
またこのものにおいては、折畳み、倒伏姿勢としたときに、下側となる側面板3と机板5とが間隙を存した離間状態になっていて、これらが当接した場合のように不用意に傷が付いたりすることを回避できるように配慮しているが、この場合に、側面板3の左右方向外側面3bには、折畳み、倒伏姿勢となったときに机板5に当接する支持部材10が設けられているため、側面板3の机板5から離間した状態の支持が安定的にできることになって、折畳み、倒伏姿勢の安定化が図れることになる。
【0023】
さらにこのものにおいては、前記折畳み、倒伏姿勢としたときに、正面板2と側面板3とのあいだも間隙を存して離間するように設定していて、当接した場合のように傷ついてしまうことを回避しているが、間隙についても、折畳み姿勢になったとき正面板2と側面板3とが直接当接することを避けるため、該正面板2と側面板3とに、互いに当接する介装材11(9)と11a、11bと11cが設けられており、この結果、前記正面板2と側面板3との離間状態を安定的に維持した状態にできることになる。
【0024】
尚、本発明は前記実施の形態のものに限定されないことは勿論であって、側面板3は、左右両側に設ける必要はなく、何れか一方に設けたものであってもよく、また固定具6は、正面板2ではなく側面板3に設けたものであっても本発明を実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明は、学習用や事務用等に使用される机に簡単に載置して周囲と仕切ることができる机用の衝立装置として利用することができる。
【符号の説明】
【0026】
1 衝立装置
2 正面板
2a 基端側面
2b 先端側面
2c 下端縁部
3 側面板
3a 左右方向内側面
3b 左右方向外側面
3c 下端縁部
4 第一蝶番
5 机板
6 固定具
6a 基板部
7 クランプ部
8 第二蝶番
9 保持部材
9a 支軸
10 支持部材
11、11a、11b、11c 介装材