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  • 特許-空調装置及び室内熱交換器の洗浄方法 図1
  • 特許-空調装置及び室内熱交換器の洗浄方法 図2
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  • 特許-空調装置及び室内熱交換器の洗浄方法 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】空調装置及び室内熱交換器の洗浄方法
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/65 20180101AFI20240702BHJP
   F24F 13/22 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
F24F11/65
F24F1/0007 361C
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020172903
(22)【出願日】2020-10-14
(65)【公開番号】P2022064341
(43)【公開日】2022-04-26
【審査請求日】2023-06-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(74)【代理人】
【識別番号】100067356
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 容一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100160004
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 憲雅
(74)【代理人】
【識別番号】100120558
【弁理士】
【氏名又は名称】住吉 勝彦
(74)【代理人】
【識別番号】100148909
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧澤 匡則
(74)【代理人】
【識別番号】100192533
【弁理士】
【氏名又は名称】奈良 如紘
(72)【発明者】
【氏名】莅戸 智史
【審査官】西山 真二
(56)【参考文献】
【文献】特許第6314294(JP,B1)
【文献】特開2002-286300(JP,A)
【文献】国際公開第2020/202246(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第110822633(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/0007
F24F 11/00 - 11/89
F24F 13/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒を圧縮する圧縮機と、この圧縮機において圧縮された冷媒を冷却する凝縮器と、この凝縮器において冷却された冷媒を減圧する膨張弁と、この膨張弁において低温低圧とされた冷媒が内部に流れ熱交換によって室内の空気を冷却することが可能な室内熱交換器と、前記圧縮機及び前記膨張弁を制御可能な制御部と、を有し、
前記制御部が運転停止信号を受信した後に洗浄開始信号を受信することにより、前記室内熱交換器を洗浄することが可能な空調装置において、
前記制御部は、前記運転停止信号を受信した後に前記洗浄開始信号を受信した場合において、前記運転停止信号を受信してから前記洗浄開始信号を受信するまでの時間が所定の時間以下である場合には、前記膨張弁を全閉にし、前記運転停止信号を受信した後所定の時間が経過してから前記圧縮機を作動させると共に、全閉状態の前記膨張弁を開くことにより洗浄を開始するよう、前記圧縮機及び前記膨張弁を制御する空調装置。
【請求項2】
前記制御部は、洗浄開始信号を受信した場合において、前記圧縮機を作動させるのに先立って前記膨張弁を全開にし、前記圧縮機が作動したら前記膨張弁を所定の開度にするよう、前記圧縮機及び前記膨張弁を制御することが可能な、請求項1に記載の空調装置。
【請求項3】
冷媒を圧縮する圧縮機と、この圧縮機において圧縮された冷媒を冷却する凝縮器と、この凝縮器において冷却された冷媒を減圧する膨張弁と、この膨張弁において低温低圧とされた冷媒が内部に流れ熱交換によって室内の空気を冷却することが可能な室内熱交換器と、前記圧縮機及び前記膨張弁を制御可能な制御部と、を有し、
前記制御部が運転停止信号を受信した後に洗浄開始信号を受信することにより、前記室内熱交換器を洗浄することが可能な空調装置において、
前記制御部は、前記運転停止信号を受信することにより、前記膨張弁を全閉にし、前記運転停止信号を受信した後に前記洗浄開始信号を受信した場合において、前記運転停止信号を受信した後所定の時間が経過してから前記圧縮機を作動させると共に、全閉状態の前記膨張弁を開くことにより洗浄を開始するよう、前記圧縮機及び前記膨張弁を制御する空調装置。
【請求項4】
空調装置の室内熱交換器を洗浄する室内熱交換器の洗浄方法において、
冷房運転、又は、除湿運転の運転停止信号を検知するステップと、
前記運転停止信号を検知してから運転停止時間の計測を開始するステップと、
前記運転停止信号を検知した後に、前記室内熱交換器の洗浄開始信号を検知するステップと、
前記洗浄開始信号を検知した際に、運転停止時間が予め設定した所定時間以内であるか否かを判断するステップと、
前記所定時間以内であるか否かを判断した結果、運転停止時間が所定時間以下の場合には、膨張弁を閉じるステップと、
前記所定時間を超えたら全閉状態の前記膨張弁を所定の開度にし、前記室内熱交換器の洗浄を開始するステップと、を有する室内熱交換器の洗浄方法。
【請求項5】
前記室内熱交換器の洗浄を開始する際に、圧縮機の作動に先立って前記膨張弁を全開にし、前記圧縮機が作動したら前記膨張弁を所定の開度にする、請求項に記載の室内熱交換器の洗浄方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調装置の室内熱交換器を洗浄する洗浄技術に関する。
【背景技術】
【0002】
冷房や除湿の機能を有する空調装置において、室内熱交換器の洗浄機能を有するものが知られている。室内熱交換器の洗浄機能を有する空調装置に関する従来技術として特許文献1に開示される技術がある。
【0003】
特許文献1に示されるような、空調装置は、空調装置の運転停止信号を受信した後に洗浄の開始信号を受けた場合に、運転停止信号を受信してから所定時間経過後に洗浄を開始する制御部を有している。
【0004】
室内熱交換器の洗浄は、まず、室内熱交換器内を流れる冷媒の温度を低下させることにより、室内熱交換器を構成するフィン近傍の水分を氷結させる。次に、室内熱交換器内に温かい冷媒を流し、これに送風を行う。フィン近傍の水分を溶かすことにより水にし、この水によって室内熱交換器に溜まった埃等を洗い流す。
【0005】
運転停止信号を受信してから所定時間経過後に洗浄を開始することにより、これらの操作を行った操作者が室外に出る時間を確保することができる。上述のとおり、室内熱交換器の洗浄は、室内熱交換器を冷却したり温めたりするとともに、送風も行われる。操作者の意図しない温度の風が操作者に当たることをより確実に防ぐことができ、快適性を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第6314294号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、運転停止後から洗浄開始までの間にも、室内熱交換器内には、室外機側から対流などによって冷媒が流れこむ。冷房運転や除湿運転を行う際には、室外機側の冷媒温度が高いため、運転停止中に室内熱交換器内に流れる冷媒の温度は、高い。このため、室内熱交換器内を流れる冷媒の温度は、運転停止後から徐々に上昇する。このため、洗浄開始までの所定時間を長く設定すると再び室内熱交換器を冷却するのに長い時間が必要となる。一方、洗浄開始までの所定時間を短く設定すると、操作者が室外に出るまでの十分な時間を確保することができない。
【0008】
本発明は、洗浄開始時に短時間で室内熱交換器を再冷却することのできる技術の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一面によれば、冷媒を圧縮する圧縮機と、この圧縮機において圧縮された冷媒を冷却する凝縮器と、この凝縮器において冷却された冷媒を減圧する膨張弁と、この膨張弁において低温低圧とされた冷媒が内部に流れ熱交換によって室内の空気を冷却することが可能な室内熱交換器と、前記圧縮機及び前記膨張弁を制御可能な制御部と、を有し、
前記制御部が運転停止信号を受信した後に洗浄開始信号を受信することにより、前記室内熱交換器を洗浄することが可能な空調装置において、
前記制御部は、前記運転停止信号を受信した後に前記洗浄開始信号を受信した場合において、前記運転停止信号を受信した後所定の時間が経過してから前記圧縮機を作動させると共に、全閉状態の前記膨張弁を開くことにより洗浄を開始するよう、前記圧縮機及び前記膨張弁を制御する空調装置が提供される。
【0010】
本発明の別の面によれば、空調装置の室内熱交換器を洗浄する室内熱交換器の洗浄方法において、
冷房運転、又は、除湿運転の運転停止信号を検知するステップと、
前記運転停止信号を検知してから運転停止時間の計測を開始するステップと、
前記運転停止信号を検知した後に、前記室内熱交換器の洗浄開始信号を検知するステップと、
前記洗浄開始信号を検知した際に、運転停止時間が予め設定した所定時間以内であるか否かを判断するステップと、
前記所定時間を超えたら全閉状態の膨張弁を所定の開度にし、前記室内熱交換器の洗浄を開始するステップと、を有する室内熱交換器の洗浄方法が提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、洗浄開始時に短時間で室内熱交換器を再冷却することのできる技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施例による空調装置の模式図である。
図2図1に示された空調装置のブロック図である。
図3図1に示された室内熱交換器の洗浄方法について説明するフロー図である。
図4図3に示した室内熱交換器の洗浄方法の変更例について説明するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
<実施例>
【0014】
図1を参照する。図1には、本発明による空調装置10が示されている。空調装置10は、屋内Inを冷却する冷房機能と、暖房する暖房機能と、除湿する除湿機能と、を備えている。なお、空調装置10は、冷房機能又は除湿機能のいずれかを少なくとも備えている。
【0015】
空調装置10は、屋外Ouに設けられた室外機20及び屋内Inに設けられた室内機30を備えてなる。室外機20と、室内機30とは、冷媒を循環させることができるよう互いに接続されている。以下、特に説明のない限り、冷媒の循環する方向は、冷房運転時を基準とする。
【0016】
室外機20は、冷房運転時、暖房運転時、除湿運転時における冷媒の循環する方向を切り替える四路切替弁21と、この四路切替弁21を通過した冷媒が流され冷媒を圧縮する圧縮機22と、この圧縮機22において圧縮され高温高圧となった冷媒が流れる凝縮器23と、この凝縮器23に向かって送風を行う室外ファン24と、凝縮器23を通過した冷媒を減圧する膨張弁25と、を有する。
【0017】
室内機30は、屋内Inにおいて壁Waに掛けて用いられる。室内機30は、壁Waに固定されているケース31に、膨張弁25を通過した低温低圧の冷媒が流れる室内熱交換器32と、この室内熱交換器32に送風を行う室内ファン33と、が収納されている。
【0018】
ケース31の上部には、空気を取り入れるための空気取入口31aが開けられている。また、ケース31の前下部には、屋内Inに空気を吹き出す空気吹出口31bが開けられている。空気吹出口31bは、ケース31にスイング可能に支持されたルーバー35によって、開閉可能とされている。
【0019】
空調装置10は、運転のオン・オフの切り替え操作や、室内熱交換器32の洗浄開始、洗浄停止を操作するためのリモコン13をさらに有している。リモコン13は、運転のオン・オフを切り替えるための電源スイッチ13aと、洗浄開始及び停止を指示するための洗浄スイッチ13bと、を有している。リモコン13は、操作者によって操作される。
【0020】
図2を参照する。空調装置10は、電源スイッチ13aや洗浄スイッチ13bが操作された際の電気信号を受信し、圧縮機22、室内ファン33、ルーバー35、膨張弁25を制御する制御部15を有する。制御部15は、CPU、ROM、RAM等を有する算術論理演算回路である。
【0021】
また、空調装置10は、運転停止の電気信号を受信してから運転停止時間を計測するタイマー16を有している。タイマー16は、制御部15からの電気信号を受信することにより時間の計測を開始する。また、制御部15は、タイマー16からの電気信号に基づいて膨張弁25の開閉操作を行うことがある。詳細は後述する。
【0022】
図1を参照する。冷房運転時において、圧縮機22で高温高圧とされた冷媒は、凝縮器23において外気と熱交換を行い、熱を放出する。このとき、室外ファン24が作動することによって、外気を強制的に凝縮器23の外周に流し、熱交換を促す。凝縮器23を通過し熱を放出した冷媒は、膨張弁25において減圧され、温度が低下する。温度が低下した冷媒は、室内熱交換器32へと送られる。
【0023】
室内機30は、室内ファン33が作動することにより、ケース40内に空気取入口31aから空気が導入される。導入された空気は、室内熱交換器34の外周を通過し、空気吹出口31bから屋内Inに送風される。室内熱交換器34には、室外機20において冷却された冷媒が供給されている。室内熱交換器34の外周を通過する空気は、冷媒と熱交換を行い、冷却される。このため、屋内Inには、冷却された空気が送風される。
【0024】
暖房運転時には、四路切替弁21が冷媒の流路を切り替え、冷房運転時とは逆方向に冷媒を循環させる。次に、室内熱交換器32の洗浄方法の一例について説明する。
【0025】
図2及び図3を参照する。冷房又は除湿(以下、「冷房等」という。)の運転時に操作者が電源スイッチ13aを操作することにより、空調装置10は、運転を終了する。電源スイッチ13aを操作した際の操作信号は、制御部15に送信される。制御部15は、冷房等の運転終了の信号(運転停止信号)を検知したら(ST01)、圧縮機22及び室内ファン33を停止し、ルーバー35を閉じ、タイマー16を作動させ運転停止時間のカウントを開始する(ST02)。
【0026】
次に、操作者が洗浄スイッチ13bを操作することにより、制御部15は、洗浄開始の電気信号(洗浄開始信号)を検知する。制御部15が洗浄開始の指示を受けたら(ST03)、制御部15は、タイマーから運転停止時間の情報を受信し、運転停止時間があらかじめ設定されている所定時間以内であるか否かを判断する(ST04)。所定時間は、操作者が屋内In(図1参照)から退出するのに十分であると想定される時間であり、例えば、3分に設定される。
【0027】
運転停止時間が所定の時間以内である場合には、制御部15は、膨張弁25を閉じる(ST05)。膨張弁25を閉じることにより、室外機20(図1参照)から室内熱交換器32(図1参照)への冷媒の流入を遮断する。
【0028】
膨張弁25を閉じた後、所定の時間が経過したら(ST06)、制御部15は、圧縮機22及び室内ファン33を所定の回転数で作動させ、ルーバー35及び膨張弁25を所定の開度に開き(ST07)、室内熱交換器32の洗浄を行う。
【0029】
ST07における圧縮機22及び室内ファン33の所定の回転数、並びに、ルーバー35及び膨張弁25の所定の開度は、室内熱交換器32(図1参照)を洗浄するために予め設定された数値である。これらの数値は、時間の経過と共に適宜変化するものとしても良い。
【0030】
ST07において、制御部15は、圧縮機22を作動させるのに先立って膨張弁25を全開にし、圧縮機22の作動後に膨張弁25を所定の開度にしても良い。
【0031】
ST04において、運転停止時間が所定の時間を超えていることがある。この場合には、制御部15は、膨張弁25を閉じることなく、圧縮機22及び室内ファン33を所定の回転数で作動させ、ルーバー35及び膨張弁25を所定の開度に開く(ST07)。
【0032】
室内熱交換器32の洗浄は、まず、室内熱交換器32の内部に低温の冷媒を流すことにより、室内熱交換器32周辺の水分を室内熱交換器32のフィン等に結露させ、室内熱交換器32に送風を行うことで、結露した水と共に付着した埃等を洗い流す。これにより、室内熱交換器32は、洗浄される。
【0033】
次に、変更例について説明する。変更例では、図3に説明した例とは、膨張弁を全閉にするタイミングが異なる。変更例においても、空調装置10の構造は、基本的に同じである。変更例における室内熱交換器の洗浄方法を説明する。
【0034】
図2及び図3を参照する。冷房等の運転時に操作者が電源スイッチ13aを操作することにより、空調装置10は、運転を終了する。電源スイッチ13aを操作した際の操作信号は、制御部15に送信される。制御部15は、冷房等の運転終了の信号(運転停止信号)を検知したら(ST11)、圧縮機22及び室内ファン33を停止し、ルーバー35及び膨張弁25を閉じ、タイマー16を作動させ運転停止時間のカウントを開始する(ST12)。
【0035】
次に、操作者が洗浄スイッチ13bを操作することにより、制御部15は、洗浄開始の電気信号(洗浄開始信号)を検知する。制御部15が洗浄開始の指示を受けたら(ST13)、制御部15は、タイマーから運転停止時間の情報を受信し、運転停止時間があらかじめ設定されている所定時間以内であるか否かを判断する(ST14)。所定時間は、操作者が屋内In(図1参照)から退出するのに十分であると想定される時間であり、例えば、3分に設定される。
【0036】
運転停止時間が所定の時間以内である場合には、所定の時間が経過するのを待つ(ST16)。ST12において膨張弁25が閉じられているため、室外機20(図1参照)から室内熱交換器32(図1参照)への冷媒の流入は、遮断される。
【0037】
所定の時間が経過したら(ST16)、制御部15は、圧縮機22及び室内ファン33を所定の回転数で作動させ、ルーバー35及び膨張弁25を所定の開度に開き(ST17)、室内熱交換器32の洗浄を行う。
【0038】
ST17において、制御部15は、圧縮機22を作動させるのに先立って膨張弁25を全開にし、圧縮機22の作動後に膨張弁25を所定の開度にしても良い。
【0039】
ST14において、運転停止時間が所定の時間を超えていることがある。この場合には、制御部15は、圧縮機22及び室内ファン33を所定の回転数で作動させ、ルーバー35及び膨張弁25を所定の開度に開く(ST17)。
【0040】
室内熱交換器32の洗浄は、まず、室内熱交換器32の内部に低温の冷媒を流すことにより、室内熱交換器32周辺の水分を室内熱交換器32のフィン等に結露させ、室内熱交換器32に送風を行うことで、結露した水と共に付着した埃等を洗い流す。これにより、室内熱交換器32は、洗浄される。
【0041】
ST13で洗浄開始の指示がない場合にも、制御部15は、タイマーから運転停止時間の情報を受信し、運転停止時間があらかじめ設定されている所定時間以内であるか否かを判断する(ST18)。所定時間以内である場合には、ST13に戻る。
【0042】
ST18において、運転停止時間が所定時間を超えている場合には、膨張弁25を所定の開度に開いて、運転停止作業を終える。
【0043】
本発明について、以下纏める。
【0044】
図1乃至図3を参照する。制御部15は、運転停止信号を受信してから洗浄開始信号を受信するまでの時間が所定の時間以下である場合には、所定の時間になるまで膨張弁25を全閉にする。一方、所定の時間を超えた場合には、膨張弁25を開くと共に圧縮機22を作動させ、洗浄を開始する。洗浄は、まず、室内熱交換器32を冷却し、フィン等に付着している水分を結露させることから行う。このとき、洗浄の直前まで膨張弁25を全閉にしておくことにより、外部から温かい冷媒が室内熱交換器32に流入して室内熱交換器32の温度が上昇することを、抑制することができる。このため、洗浄開始時に短時間で室内熱交換器32を再冷却することができる。
【0045】
また、制御部15は、洗浄開始信号を受信した場合において、圧縮機22を作動させるのに先立って膨張弁25を全開にし、圧縮機22が作動したら膨張弁25を所定の開度にするよう、圧縮機22及び膨張弁25を制御することができる。膨張弁25が全開であると、一定程度閉まっている場合に比べて冷媒を容易に流すことができる。圧縮機22の作動時には、圧縮機22に大きな負荷が加わるため、膨張弁25を全開とすることにより、圧縮機22にかかる負荷を軽減することができる。圧縮機22の長寿命化に資する。
【0046】
また、制御部15は、洗浄開始信号を受信した際に、運転停止信号を受信してから洗浄開始信号を受信するまでの時間が所定の時間以下である場合に、膨張弁25を全閉にすることができる。所定の時間以下である場合に膨張弁25を全閉することで、運転停止直後、凝縮器23内にある高温高圧の冷媒が室内熱交換器32内に流れ込むことで洗浄運転の効率が低下することが抑制でき、所定の時間を超える場合は、凝縮器23内の冷媒温度がある程度低下していることから膨張弁を開放し、冷凍サイクル(圧縮機→四方弁→凝縮器→膨張弁→室内熱交換器→圧縮機・・・で形成される冷媒回路)内の圧力を平均化する均圧を優先させることにより、冷凍サイクル内にある圧縮機等の部材に係る負荷を低減させる。
【0047】
一方、制御部15は、運転停止信号を受信することにより、膨張弁25を全閉にすることもできる。運転停止後に膨張弁25を直ちに閉じるため、より冷媒温度が上がることを抑制することができ、洗浄開始時に特に短時間で室内熱交換器32を再冷却することができる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明の空調装置は、家庭用エアコン装置に好適である。
【符号の説明】
【0049】
10…空調装置
15…制御部
22…圧縮機
23…凝縮器
32…室内熱交換器
図1
図2
図3
図4