(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】免震装置および免震台
(51)【国際特許分類】
F16F 15/02 20060101AFI20240702BHJP
E04H 9/02 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
F16F15/02 L
E04H9/02 331D
(21)【出願番号】P 2020188595
(22)【出願日】2020-11-12
【審査請求日】2023-09-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000206211
【氏名又は名称】大成建設株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】391039494
【氏名又は名称】株式会社エーエス
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】青野 翔
(72)【発明者】
【氏名】欄木 龍大
(72)【発明者】
【氏名】薦田 香織
(72)【発明者】
【氏名】山崎 喜郎
(72)【発明者】
【氏名】矢田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 与幸
【審査官】正木 裕也
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-048837(JP,A)
【文献】特開平02-054040(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16F 15/02
E04H 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地震被害低減のための免震装置であって、
下板と、
該下板上に配置された移動盤と、
該移動盤上に配置された上板と、を備え、
前記下板の上面には、一対のY方向に延びる下板レールが設けられ、
前記上板の下面には、前記下板レールに直交してX方向に延びる、一対の上板レールが設けられ、
前記移動盤には、前記移動盤上
に、前記Y方向に延びる対向する一対の第1の辺と、前記X方向に延びる対向する一対の第2の辺とからなる平面視略正方形な仮想四角形を設定したときに、該仮想四角形の一方の対向する隅に
前記X方向に延びる軸線を置く前記一対の下板レール上を転動する一対の下板ローラと、前記仮想四角形の他方の対向する隅に
前記Y方向に延びる軸線を置く前記一対の上板レール上を転動する一対の上板ローラと、が設けられている免震装置。
【請求項2】
前記一対の下板ローラと前記一対の上板ローラは、前記移動盤に開口を設けて軸支され、それぞれの前記開口の間隔は均等である、請求項1に記載の免震装置。
【請求項3】
前記一対の下板レールの外方に
、該下板レールと同一方向に延びる一対の第2の下板レールが設けられ、
前記一対の上板レールの外方に
、該上板レールと同一方向に延びる一対の第2の上板レールが設けられ、
前記一対の下板ローラのそれぞれと、前記一対の上板ローラのそれぞれを挟んで外方に、前記一対の第2の下板レール上を転動する一対の第2の下板ローラが設けられ、
前記一対の上板ローラのそれぞれと、前記一対の下板ローラのそれぞれを挟んで外方に、前記一対の第2の上板レール上を転動する一対の第2の上板ローラが設けられている請求項1または2に記載の免震装置。
【請求項4】
前記一対の下板ローラおよび前記一対の
上板ローラ
は、前記仮想四角形の中心に対して点対称に配置されており、
前記一対の
第2の下板ローラと前記一対の第2の上板ローラ
は、前記中心に対して点対称に配置されている請求項3に記載の免震装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の複数の前記免震装置と、
該免震装置上に配置されるH形鋼による構造体と、
該構造体上に配置される天板と、を備え、
少なくとも一つの免震装置は、前記一対の上板レールと前記H形鋼の延びる向きが同じであって、前記H形鋼のウェブの位置が前記一対の上板レール間の中央となるように配置される免震台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、免震装置および免震台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工場建屋内の既設の装置の地震発生時の被害を低減することを目的として、装置をジャッキアップし、その装置の下部に免震装置を含む免震台を配置し免震化させることが行われている。
【0003】
特許文献1に示される免震装置は、上盤、移動盤、下盤と、それらの層間に配されたレールとローラから成る免震装置であり、1つの機器類に対して、複数個に分割した免震装置を連結して1体の免震装置とすることで、既設機器への適用が容易なこと、機器の形状に合わせて免震装置の形状を変更できる自由度の高さが利点として挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の免震装置では、機器の形状および配管スペース等の制約によっては、レールを配することのできる範囲が狭く、免震台の安定性および上盤上の歩行に対する鉛直剛性の確保がしづらい場合がある。免震台の安定性および鉛直剛性は、支点の位置(ローラの位置)と上盤および移動盤の剛性に依存する。免震台の安定性を確保するために支点の数を増やすことが考えられるが、製作誤差や機器設置時の上盤及び移動盤の変形によって、ローラとレールが通常時で接触しない箇所も多くなるため、地震時の冗長性は向上しても、上盤上歩行時の鉛直剛性は向上しにくい。歩行時の鉛直剛性を確保するには、上盤歩行時の鉛直力の伝達経路(上盤から下盤までの)が特定され、なおかつその経路上の部材剛性が担保される必要がある。単純に上盤と移動盤の厚みを増して剛性を高めることが考えられるが、コストおよび装置高さの増大を招くため合理性が求められる。
【0006】
本発明は、上述した実情に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、免震特性を担保し、鉛直剛性を確保できる免震装置および免震台を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明の地震被害低減のための免震装置は、下板と、該下板上に配置された移動盤と、該移動盤上に配置された上板と、を備え、前記下板の上面には、一対のY方向に延びる下板レールが設けられ、前記上板の下面には、前記下板レールに直交してX方向に延びる、一対の上板レールが設けられ、前記移動盤には、前記移動盤上平面視略正方形な仮想四角形を設定したときに、該仮想四角形の一方の対向する隅に軸線を置く前記一対の下板レール上を転動する一対の下板ローラと、前記仮想四角形の他方の対向する隅に軸線を置く前記一対の上板レール上を転動する一対の上板ローラと、が設けられていることを特徴とする。
このような発明によれば、仮想四角形の一方の対向する隅に軸線を置く一対の下板ローラと、他方の対向する隅に軸線を置く一対の上板ローラと、が設けられているので、免震特性を担保し、鉛直剛性を確保できる免震装置を実現することができる。
【0008】
本発明の一態様においては、前記一対の下板ローラと前記一対の上板ローラは、前記移動盤に開口を設けて軸支され、それぞれの前記開口の間隔は均等であることを特徴とする。
このような構成によれば、開口の間隔は均等に設けられるので、鉛直剛性を確実に確保できる。
【0009】
本発明の一態様においては、前記一対の下板レールの外方に一対の第2の下板レールが設けられ、前記一対の上板レールの外方に一対の第2の上板レールが設けられ、前記一対の下板ローラのそれぞれと、前記一対の上板ローラのそれぞれを挟んで外方に、前記一対の第2の下板レール上を転動する一対の第2の下板ローラが設けられ、前記一対の上板ローラのそれぞれと、前記一対の下板ローラのそれぞれを挟んで外方に、前記一対の第2の上板レール上を転動する一対の第2の上板ローラが設けられていることを特徴とする。
このような構成によれば、第2の下板ローラと第2の上板ローラが、下板ローラと上板ローラの外方に設けられるので、免震特性と鉛直剛性を向上することができる。
【0010】
本発明の一態様においては、前記一対の下板ローラと前記一対の第2の下板ローラの一個と、の軸線の中点で設定される三角形の内部に、少なくとも一個の前記一対の上板ローラを軸支する端点が含まれており、前記一対の上板ローラと前記一対の第2の上板ローラの一個と、の軸線の中点で設定される三角形の内部に、少なくとも一個の前記一対の下板ローラを軸支する端点が含まれていることを特徴とする。
このような構成によれば、下板ローラと第2の下板ローラの軸線の中点で設定される三角形の中に上板ローラを軸支する端点が含まれており、上板ローラと第2の上板ローラの軸線の中点で設定される三角形の中に下板ローラを軸支する端点が含まれているので、それぞれのローラを適切な位置に配置することができる。
【0011】
本発明の免震台は、上記に記載の複数の前記免震装置と、該免震装置上に配置されるH形鋼による構造体と、該構造体上に配置される天板と、を備え、少なくとも一つの免震装置は、前記一対の上板レールと前記H形鋼の延びる向きが同じであって、前記H形鋼のウェブの位置が前記一対の上板レール間の中央となるように配置されることを特徴とする。
このような発明によれば、免震装置は、H形鋼のウェブの位置が一対の上板レール間の中央となるように配置されるので、H形鋼からの鉛直荷重を効果的に下板まで伝達できるので、免震特性を担保し、鉛直剛性を確保した免震台を実現することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、免震特性を担保し、鉛直剛性を確保できる免震装置および免震台を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施形態に係る免震装置の側面図である。
【
図5】
図1のB-B矢視図であって本実施形態の構成を説明するための図である。
【
図6】
図1のB-B矢視図であって本実施形態の構成を説明するための図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る免震台の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、本発明による免震装置および免震台を実施するための形態について説明する。
本発明の実施形態に係る免震装置の側面図を
図1に示す。
図2は、
図1のA-A矢視図である。
図3は、
図1のB-B矢視図である。
図4は、
図1のC-C矢視図である。
【0015】
図1~
図4に示す免震装置1は、下板3と、この下板3上に配置された移動盤5と、この移動盤5上に配置された上板7と、を備えている。
図4に示すように、下板3の上面には、一対のY方向に延びる下板レール9、9が設けられている。
図2に示すように、上板7の下面には、下板レール9、9に直交してX方向に延びる、一対の上板レール11、11が設けられている。
【0016】
図3に示すように、移動盤5には、移動盤5上平面視略正方形な仮想四角形Sを設定したときに、この仮想四角形Sの一方の対向する隅に軸線g
1を置く一対の下板レール9、9上を転動する一対の下板ローラ13、13が設けられている。また、仮想四角形Sの他方の対向する隅には、この仮想四角形Sの他方の対向する隅に軸線g
2を置く、一対の上板レール11、11上を転動する一対の上板ローラ15、15が設けられている。
【0017】
図5に示すように、一対の下板ローラ13、13と一対の上板ローラ15、15は、移動盤5に開口Kを設けて軸支され、それぞれの開口Kの間隔は幅hをもって均等に設けられている。
【0018】
図4に示すように、一対の下板レール13、13の外方に一対の第2の下板レール17、17が設けられている。
図2に示すように、一対の上板レール11、11の外方に一対の第2の上板レール19、19が設けられている。
図3に示すように、一対の下板ローラ13、13のそれぞれと、一対の上板ローラ15、15のそれぞれを挟んで外方に、一対の第2の下板レール17、17上を転動する一対の第2の下板ローラ21、21が設けられている。また、一対の上板ローラ15、15のそれぞれと、一対の下板ローラ13、13のそれぞれを挟んで外方に、一対の第2の上板レール19、19上を転動する一対の第2の上板ローラ23、23が設けられている。
【0019】
図6に示すように、一対の下板ローラ13、13と一対の第2の下板ローラ21、21の一個との軸線g
1の中点で設定される三角形T1の内部に、少なくとも一個の一対の上板ローラ15、15を軸支する端点j1が含まれている。また、一対の上板ローラ15、15と一対の第2の上板ローラ23、23の一個との軸線g
2の中点で設定される三角形T2の内部に、少なくとも一個の一対の下板ローラ13、13を軸支する端点j2が含まれている。
【0020】
上記のように、下板3に設けられたレール9、17、移動盤5に設けられた複数のローラ13、15、21、23、上板5に設けられたレール11、19の構成の元で、まず下板3の上に、下板3のレール9、13に対して移動盤5のローラ13、21が転動可能なように、すなわち
図4においてY方向に揺動可能なように移動盤5が配置されている。移動盤5の上には、移動盤5のローラ15、23が、上板7のレール11、19上を転動可能なように、すなわち
図2においてX方向に揺動可能なように上板7が配置されている。
【0021】
上述のように構成された免震装置1は、後述するが、複数の免震装置1を配置し、上に天板が設けられ、免震台を構成する。天板上には、免震が必要とされる機器が配置される。地震が発生した場合、下板からのY方向成分の揺動は、下板レール9、9と、第2の下板レール17、17との上を、下板ローラ13、13と第2の下板ローラ21、21が転動することによって吸収される。X方向成分の揺動は、上板レール11、11と第2の上板レール19、19とに沿って、上板ローラ15、15と第2の上板ローラ23、23が転動することによって吸収される。
【0022】
以上述べたように、本実施形態では、仮想四角形Sの一方の対向する隅に軸線g1を置く下板ローラ13、13が設けられ、他方の対向する隅に軸線g2を置く上板ローラ15、15が設けられているので、鉛直方向の加重を均等に伝達することができる。下板ローラ13、13と上板ローラ15、15は、移動盤5に開口Kを開けて軸支され、それぞれの開口Kの間隔は均等に設けられるので、鉛直剛性を損ねることなくローラを設けることができる。
【0023】
下板ローラ13、13の外方に同方向に転動可能な第2の下板ローラ21、21が、上板ローラ15、15を挟んで設けられ、上板ローラ15、15の外方に同方向に転動可能な第2の上板ローラ23、23が、下板ローラ13、13を挟んで設けられるので、さらに鉛直剛性を確実なものとすることができる。
【0024】
下板ローラ13、13と第2の下板ローラ21、21の一つとの軸線g1の中点で設定される3角形の内部には、少なくとも一つの上板ローラ15を軸支する端点が含まれ、上板ローラ15、15と第2の上板ローラ23、23の一つとの軸線g2の中点で設定される3角形の内部には、少なくとも一つの下板ローラ13を軸支する端点が含まれているので、少なくとも一個の下板ローラ13の加重は、上板ローラ15、15と第2の上板ローラ23の3つのローラに伝達され、少なくとも一個の上板ローラ15の加重は、下板ローラ13、13と第2の下板ローラ21の3つのローラに伝達される。これによって内側の下板ローラ13、上板ローラ15から伝達される鉛直力が、移動盤5を介して確実に上下に伝達され、免震装置単体としての鉛直剛性を確保することができる。
【0025】
したがって、上記構成のもと、本実施形態の免震装置1は、分割した免震装置1中のレールとローラの配置位置を、免震装置1の中央に集中配置し、移動盤5から下板3に伝わる鉛直力の伝達経路を最小化することで、移動盤5の高さを増大させることなく、免震装置1の鉛直剛性を最大まで高めることができる。かくして、本実施形態により、免震特性を担保し、鉛直剛性を確保できる免震装置1を実現することができる。
【0026】
次に、複数の免震装置1を含む免震台について説明する。
図7は、本発明の実施形態に係る免震台の平面図である。
図8は、
図7のD-D断面矢視図である。
図7、
図8に示す本実施形態に係る免震台10は、複数の免震装置1と、複数の免震装置1上に配置されるH形鋼25による構造体27と、この構造体27上に配置される天板29と、を備え、少なくとも一つの免震装置1bは、前記一対の上板レール11、11と前記H形鋼25の延びる向きが同じであって、前記H形鋼25のウェブ25bの位置が前記一対の上板レール11、11間の中央となるように配置される。
図8において、H形鋼25と上板レール11、11は、ともに紙面にたいして垂直な方向に延びている。また、各々の免震装置1は、
図8に示すように台座31上に配置されている。
【0027】
図9は、従来例における免震台100を示す平面図である。
図10は、従来例における免震台100の側面図である。
図11は、
図9のD-D断面矢視図である。従来例においては、
図7、
図8に示すH形鋼25による構造体27を介さずに、天板29aの下部に直接複数の免震装置1が配置されている。
【0028】
免震装置1は、特に制約がなければ、天板29aの下部に均等な間隔をもって、
図9の免震装置1aのように紙面上下方向の対として天板の端部を支持するように配置される。しかし、免震台100を設置する工場建屋内の位置によっては、機器類の設備用開口Hが設けられている場合がある。この開口Hは、機器に電源や気体や液体などの化学物質等、機器の動作に必要なものを供給するために設けられるものである。この場合は、免震装置1aのように対に配置することができず、免震装置1の揺動に係るクリアランスRを考慮して、免震装置1bのように配置しなければならない場合がある。
【0029】
上記の従来例のような場合、
図11に示すように免震装置1bを支点とした両側に重量物M1、M2を積載し、なおかつ重量物M1、M2の重さが左右で均等でない場合、これらの鉛直力を単純に免震装置1bに伝えてしまうと、上板7および移動盤5に浮上りが発生し、支持状態が不安定になり、歩行時の振動性状にも悪影響を与えてしまう。
【0030】
本実施形態に係る免震台10は、従来例では不安定となる免震装置1bのような配置とした場合も、
図7、
図8に示すように、ここで免震装置1bと天板29が当接するのは、
図8の左右方向に延びる、免震装置1bの中央に配されたH形鋼25の下フランジ部25aのみであり、この時に免震装置1bに伝わる鉛直力は、H形鋼25のフレームを介してH形鋼ウェブ25bより伝わるため、免震装置1bの中央付近に集中的に伝わり、移動盤5、上板7に浮上りが生じることなく安定性を確保することができる。またこのとき、H形鋼軸方向(H形鋼の延びる方向)と、免震装置1bの上板7に配置される上板レール11、11の方向を平行にすることで、免震装置1bが地震によって変位した際も常に荷重点Fが上板ローラ15、15の内側に位置することになるので、地震時の安定性を確保することができる。
【0031】
以上述べたように、本実施形態においては、免震装置1を複数配置し、歩行時の鉛直剛性が十分に確保できる高剛性の天板29をH形鋼25による構造体27を介して免震装置1上に設置することで、免震装置1の安定性と鉛直剛性を合理的に確保するものである。かくして、免震特性を担保し、鉛直剛性を確保できる免震台10を実現することができる。
【0032】
本発明の免震装置1は、単体としての鉛直剛性が十分に確保でき、設置床の設計によって任意に免震台10の鉛直剛性を設定できる。これによって、機器類の操作などで人が免震台10に立ち入る場合に発生する有害な歩行振動などを抑制することが可能となる。また、ローラを使用した免震装置1単体の構成として最も外形寸法を小さくできる構成であり、配置上の自由度が高くなるため、設置される機器の種類および構成によって設備用開口H等の条件が異なる場合でも、容易に免震台10を構成することができる。尚、本実施形態において、特許文献1と同様の方法でオイルダンパーを取り付けてもよい。また、移動盤5のねじれ変形を抑制するための移動盤5同士の連結機構を設けてもよい。
【符号の説明】
【0033】
1、1a、1b 免震装置
10、100 免震台
3 下板
5 移動盤
7 上板
9 下板レール
11 上板レール
13 下板ローラ
15 上板ローラ
17 第2の下板レール
19 第2の上板レール
21 第2の下板ローラ
23 第2の上板ローラ
25 H形鋼
27 H形鋼による構造体
25b H形鋼のウェブ
29、29a 天板
g1、g2 軸線
j1、j2 軸支する端点
K 開口
S 仮想四角形
T1、T2 三角形