(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】カラオケ装置
(51)【国際特許分類】
G10K 15/04 20060101AFI20240702BHJP
【FI】
G10K15/04 302D
(21)【出願番号】P 2020197547
(22)【出願日】2020-11-27
【審査請求日】2023-10-24
(73)【特許権者】
【識別番号】390004710
【氏名又は名称】株式会社第一興商
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】有馬 潤
【審査官】金子 秀彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-041071(JP,A)
【文献】特開2013-015553(JP,A)
【文献】特開2002-108374(JP,A)
【文献】特開平07-072885(JP,A)
【文献】特開2001-347066(JP,A)
【文献】特開2019-109649(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
音楽または映像作品のコンテンツを再生可能な携帯端末と通信可能なカラオケ装置であって、
イントロクイズを行うコンテンツの属性を指定する指定部と、
前記携帯端末において再生可能なコンテンツのリスト、及び指定した前記コンテンツの属性に基づいて、あるコンテンツの識別情報を含む出題情報を生成する生成部と、
前記携帯端末に対して、前記出題情報に基づいて前記あるコンテンツを再生するよう指示する指示部と、
利用者に対し、再生された前記あるコンテンツをイントロクイズとして提供する提供部と、
前記イントロクイズに対する前記利用者の解答の入力を受け付ける受付部と、
生成した前記出題情報、及び入力された前記解答に基づいて前記イントロクイズの結果を判定し、報知手段を介して判定結果を報知する判定部と、
を有するカラオケ装置。
【請求項2】
前記生成部は、前記あるコンテンツの再生速度を示す再生速度情報、前記あるコンテンツの再生開始位置を示す開始位置情報、及び前記あるコンテンツの再生終了位置を示す終了位置情報の少なくとも一つを含む前記出題情報を生成し、
前記指示部は、
前記出題情報に前記再生速度情報が含まれる場合、前記携帯端末に対して、前記再生速度情報が示す再生速度で前記あるコンテンツを再生するよう指示し、
前記出題情報に前記開始位置情報が含まれる場合、前記携帯端末に対して、前記開始位置情報が示す再生開始位置から前記あるコンテンツの再生を開始するよう指示し、
前記出題情報に前記終了位置情報が含まれる場合、前記携帯端末に対して、前記終了位置情報が示す再生終了位置で前記あるコンテンツの再生を終了するよう指示することを特徴とする請求項1記載のカラオケ装置。
【請求項3】
前記生成部は、予め設定された難易度に基づいて、前記再生速度情報、前記開始位置情報、及び前記終了位置情報の少なくとも一つを含む前記出題情報を生成することを特徴とする請求項2記載のカラオケ装置。
【請求項4】
前記受付部は、集音手段を介して入力された前記解答の音声に基づいて、当該解答を入力した解答者を特定し、
前記判定部は、特定した解答者毎に前記イントロクイズの結果を判定することを特徴とする請求項1から3のいずれか一つ記載のカラオケ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカラオケ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カラオケ装置が提供するゲームの一つとしてイントロクイズがある。イントロクイズは、音楽や映像作品(以下、「コンテンツ」という場合がある)の一部(冒頭部分や途中部分)を流し、その曲名や作品名を当てるクイズである。なお、映像作品には、映像のみから構成されるものや、映像と音楽から構成されるものがある。
【0003】
特許文献1には、出題曲を自動的に選出するイントロ当てクイズ出題機能を備えたカラオケ装置が開示されている。
【0004】
一方、スマートフォン等の個人が所有する携帯端末に対して、コンテンツを配信するサービスを提供する業者も増加している。その結果、膨大な数のコンテンツを携帯端末で再生することが可能となっている。特に定額制(サブスクリプション方式)の配信サービスを契約している利用者は、視聴できるコンテンツを最大限に活用したいと考える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、利用者が所有する携帯端末で再生するコンテンツを用いてイントロクイズを可能とするカラオケ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための一の発明は、音楽または映像作品のコンテンツを再生可能な携帯端末と通信可能なカラオケ装置であって、イントロクイズを行うコンテンツの属性を指定する指定部と、前記携帯端末において再生可能なコンテンツのリスト、及び指定した前記コンテンツの属性に基づいて、あるコンテンツの識別情報を含む出題情報を生成する生成部と、前記携帯端末に対して、前記出題情報に基づいて前記あるコンテンツを再生するよう指示する指示部と、利用者に対し、再生された前記あるコンテンツをイントロクイズとして提供する提供部と、前記イントロクイズに対する前記利用者の解答の入力を受け付ける受付部と、生成した前記出題情報、及び入力された前記解答に基づいて前記イントロクイズの結果を判定し、報知手段を介して判定結果を報知する判定部と、を有するカラオケ装置である。
本発明の他の特徴については、後述する明細書及び図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、利用者が所有する携帯端末で再生するコンテンツを用いてイントロクイズを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1実施形態に係るカラオケ装置を示す図である。
【
図2】第1実施形態に係るカラオケ本体を示す図である。
【
図3】第1実施形態に係るカラオケ装置の処理を示すフローチャートである。
【
図4】変形例2に係る、難易度に応じた再生速度のテーブルを示す図である。
【
図5】変形例2に係る、難易度に応じた再生開始位置のテーブルを示す図である。
【
図6】変形例2に係る、難易度に応じた再生終了位置のテーブルを示す図である。
【
図7】変形例2に係る、難易度に応じた再生速度、再生開始位置、及び再生終了位置のテーブルを示す図である。
【
図8】第2実施形態に係る判定結果を示す図である。
【
図9】第2実施形態に係る判定結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1実施形態>
図1~
図3を参照して、第1実施形態に係るカラオケ装置について説明する。
【0011】
==カラオケ装置及び携帯端末==
カラオケ装置Kは、楽曲のカラオケ演奏、及び利用者がカラオケ歌唱を行うための装置である。携帯端末M1は、利用者U1が所有するスマートフォン等である。
【0012】
図1に示すように、カラオケ装置Kは、カラオケ本体10、スピーカ20、表示装置30、マイク40、及びリモコン装置50を備える。
【0013】
カラオケ本体10は、選曲された楽曲のカラオケ演奏制御、歌詞や背景映像等の表示制御、マイク40を通じて入力された音声信号の処理といった、カラオケ演奏やカラオケ歌唱に関する各種の制御を行う。スピーカ20はカラオケ本体10からの放音信号に基づいて放音するための構成である。スピーカ20は「報知手段」の一例である。表示装置30はカラオケ本体10からの信号に基づいて映像を画面に表示するための構成である。表示装置30は「報知手段」の一例である。マイク40は利用者の音声をアナログの音声信号に変換してカラオケ本体10に入力するための構成である。マイク40は「集音手段」の一例である。リモコン装置50は、カラオケ本体10に対する各種操作をおこなうための装置である。
【0014】
カラオケ装置Kは、携帯端末M1とペアリングすることにより通信可能となる。ペアリングは公知の手法を用いて行うことができる。通信は、公衆回線を用いて行われてもよいし、近距離無線通信を用いて行われてもよい。
【0015】
携帯端末M1は、所望の音楽や映像作品を再生するための専用のアプリケーションソフトウェア(以下、「コンテンツアプリ」という場合がある)がインストールされている。コンテンツアプリは、たとえば利用者U1が個人的に契約しているコンテンツ配信サービスを利用するためのものである。利用者U1は、携帯端末M1でコンテンツアプリを起動させ、好みの音楽や映像作品を選択する。コンテンツ配信サービスのサーバ装置(図示なし)は、選択された音楽や映像作品に対応する信号をストリーミング方式で携帯端末M1に送信する。利用者U1は、携帯端端末M1で音楽や映像作品を再生することができる。なお、コンテンツアプリは、携帯端末M1に予めダウンロードした音楽や映像作品を再生するためのものであってもよい。
【0016】
==カラオケ本体==
図2に示すように、本実施形態に係るカラオケ本体10は、記憶手段10a、通信手段10b、入力手段10c、演奏手段10d、及び制御手段10eを備える。各構成はインターフェース(図示なし)を介してバスBに接続されている。
【0017】
[記憶手段・通信手段・入力手段・演奏手段]
記憶手段10aは、各種のデータを記憶する大容量の記憶装置である。通信手段10bは、リモコン装置50及び携帯端末M1との通信を行うためのインターフェースを提供する。入力手段10cは、利用者U1が各種の指示入力を行うための構成である。入力手段10cは、カラオケ本体10に設けられたボタン等である。或いは、リモコン装置50が入力手段10cとして機能してもよい。演奏手段10dは、制御手段10eの制御に基づき、楽曲のカラオケ演奏、及びマイク40を通じて入力された歌唱音声信号の処理を行う。
【0018】
[制御手段]
制御手段10eは、カラオケ装置Kにおける各種の制御を行う。制御手段10eは、CPUおよびメモリ(いずれも図示無し)を備える。CPUは、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより各種の機能を実現する。
【0019】
本実施形態においてはCPUがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより、制御手段10eは、指定部100、生成部200、指示部300、提供部400、受付部500、及び判定部600として機能する。
【0020】
(指定部)
指定部100は、イントロクイズを行うコンテンツの属性を指定する。
【0021】
コンテンツの属性は、イントロクイズを行うコンテンツに共通する要素である。たとえば、音楽のコンテンツの属性は、曲名、歌手名、ジャンル、発表年代等である。映像作品のコンテンツの属性は、作品名、出演している俳優名、ジャンル、発表年代等である。
【0022】
属性の指定は、様々な方法で行うことができる。たとえば、利用者は、マイク40を介して任意の属性(たとえば、歌手名)を音声として入力する。或いは、利用者は、リモコン装置50に表示された複数の属性のアイコンの中から任意の属性を選択する。指定部100は、属性の入力または選択に基づいて、イントロクイズを行うコンテンツの属性を指定する。指定部100は、指定したコンテンツの属性を生成部200に出力する。また、指定部100は、利用者の入力や選択によらず、予め設定されている複数の属性の中から一の属性を自動で選択してもよい。
【0023】
なお、カラオケ装置Kは、リモコン装置50等を介してイントロクイズ(携帯端末において再生可能なコンテンツを用いたイントロクイズ)のモードが選択された後、コンテンツの属性を指定可能とする。
【0024】
また、複数の属性を指定することも可能である。たとえば、利用者は、リモコン装置50に表示された複数の属性のアイコンの中から「歌手名」及び「発表年代」の2つの属性を選択する。この場合、指定部100は、イントロクイズを行うコンテンツの属性として、「歌手名」及び「発表年代」を指定する。
【0025】
(生成部)
生成部200は、携帯端末において再生可能なコンテンツのリスト、及び指定したコンテンツの属性に基づいて、あるコンテンツの識別情報を含む出題情報を生成する。
【0026】
コンテンツリストは、コンテンツ配信サービスが配信する音楽や映像作品、すなわち、当該コンテンツ配信サービスを契約した利用者の携帯端末で再生可能な音楽や映像作品の一覧である。コンテンツリストは、携帯端末に記憶されている。コンテンツリストは、コンテンツ毎に識別情報(後述)や属性を含んでいる。コンテンツリストは、たとえば、携帯端末M1とカラオケ装置Kがペアリングされた後、携帯端末M1においてコンテンツアプリが実行された場合に、携帯端末M1からカラオケ装置Kに自動で送信される。或いは、カラオケ装置Kは、イントロクイズのモードが選択された場合、ペアリングされた携帯端末M1に対してコンテンツリストの送信を要求してもよい。この場合、携帯端末M1は、当該要求に伴いコンテンツアプリを実行し、カラオケ装置Kにコンテンツリストを送信する。
【0027】
コンテンツの識別情報は、たとえばコンテンツIDのような、各コンテンツを識別するための固有の情報である。コンテンツの識別情報は、コンテンツ毎に予め付与されている。
【0028】
生成部200は、コンテンツリストの中から、指定部100から出力された属性を有するコンテンツを抽出し、抽出したコンテンツ(すなわち「あるコンテンツ」)の識別情報を含む出題情報を生成する。生成部200は、生成した出題情報を指示部300に出力する。
【0029】
また、上述のように複数の属性が指定された場合、生成部200は、コンテンツリストの中から、指定された複数の属性全てを有するコンテンツを抽出する。
【0030】
なお、指定部100から出力された属性を有するコンテンツが複数抽出される場合もありうる。この場合、生成部200は、抽出された複数のコンテンツから一のコンテンツを選択し、当該一のコンテンツの識別情報を含む出題情報を生成する。
【0031】
抽出された複数のコンテンツから一のコンテンツを選択する際は、様々な方法を用いることができる。たとえば、生成部200は、抽出された複数のコンテンツからランダムに一のコンテンツを選択することができる。また、生成部200は、外部のサーバ装置(図示なし)から、コンテンツの属性に関連する関連情報を取得し、当該関連情報に基づいて、一のコンテンツを選択してもよい。関連情報は、音楽であれば、たとえば知名度や全国のカラオケ装置における歌唱度数ランキングに関する情報であり、映像作品であれば、たとえば興行収入や放映期間等である。知名度が高い音楽や、興行収入が多い映像作品の場合、利用者は当該音楽や映像作品をよく知っている可能性が高い。よって、このようなコンテンツに基づくイントロクイズの難易度は低くなる。逆に、歌唱度数ランキングが低い音楽や、放映期間が短い映像作品の場合、利用者は当該音楽や映像作品をよく知らない可能性が高い。よって、このようなコンテンツに基づくイントロクイズの難易度は高くなる。
【0032】
或いは、生成部200は、属性の入力または選択を行った一の利用者の歌唱履歴に基づいて、一のコンテンツを選択することができる。歌唱履歴は、通信カラオケシステムのサーバ装置(図示なし)から取得することができる。歌唱履歴は、利用者がカラオケ歌唱を行った楽曲の情報が含まれている。たとえば、歌唱回数が多い楽曲は、利用者がよく知っている可能性が高い。よって、この楽曲に対応するコンテンツに基づくイントロクイズの難易度は低くなる。逆に、歌唱回数が少ない楽曲は、利用者がよく知らない可能性が高い。よって、この楽曲に対応するコンテンツに基づくイントロクイズの難易度は高くなる。
【0033】
なお、指定部100から出力された属性を有するコンテンツが複数抽出された場合、生成部200は、複数のコンテンツそれぞれに対応する複数の出題情報を生成してもよい。
【0034】
(指示部)
指示部300は、携帯端末に対して、出題情報に基づいてあるコンテンツを再生するよう指示する。
【0035】
指示部300は、ペアリングされている携帯端末に対して出題情報を送信し、出題情報に含まれるコンテンツの識別情報に対応するコンテンツを再生するよう指示する。この場合、携帯端末は、コンテンツアプリを実行中である。また、指示部300は、カラオケ装置Kが備える計時手段(図示なし)に計時を開始させる。
【0036】
出題情報を受信した携帯端末は、コンテンツの識別情報に基づいてコンテンツ配信サービスのサーバ装置にコンテンツの配信を要求する。携帯端末は、当該サーバ装置からストリーミング形式で配信されるコンテンツの音声信号及び/または映像信号をカラオケ装置Kに送信する。
【0037】
本実施形態において、利用者は、カラオケ装置Kを利用してイントロクイズを行う。よって、指示部300は、計時手段による計時開始後、所定の期間が経過した場合、ペアリングされている携帯端末に対してコンテンツの再生を中止するよう指示する。携帯端末は、当該中止の指示に基づいて、コンテンツの音声信号及び/または映像信号のカラオケ装置Kへの送信を中止する。所定の期間は、たとえば計時開始後3秒間、5秒間等、イントロクイズに適した期間が予め設定されている。
【0038】
(提供部)
提供部400は、利用者に対し、再生されたあるコンテンツをイントロクイズとして提供する。
【0039】
提供部400は、ペアリングされている携帯端末から送信された音声信号及び/または映像信号を取得する。音声信号及び/または映像信号の取得は、公知の手法(たとえば、Miracast(登録商標))により行うことができる。
【0040】
音声信号を取得した場合、提供部400は、取得した音声信号に基づく音声をイントロクイズとしてスピーカ20から放音させる。映像信号を取得した場合、提供部400は、当該映像信号に基づく映像をイントロクイズとして表示装置30の表示画面に表示させる。なお、提供部400は、有線(たとえばHDMI(登録商標)ケーブル等を利用したミラーリング)により、音声信号及び/または映像信号を取得してもよい。
【0041】
(受付部)
受付部500は、イントロクイズに対する利用者の解答の入力を受け付ける。
【0042】
解答の入力は様々な方法で行うことができる。たとえば、利用者は、マイク40を介してイントロクイズに対する解答(たとえば、音楽の曲名)を音声として入力する。或いは、利用者は、リモコン装置50に表示された複数の解答アイコンの中から任意の解答を選択する。受付部500は、解答の入力または選択に基づいて、イントロクイズに対する解答を受け付ける。受付部500は、受け付けた解答を判定部600に出力する。解答は、たとえばテキスト形式で出力することができる。
【0043】
なお、イントロクイズの解答がわからない場合、利用者は制限時間内に解答の入力または選択ができない。この場合、受付部500は、解答の代わりに、入力または選択がなされなかった旨の信号を判定部600に出力する。制限時間は、たとえば、提供部400によりイントロクイズが提供されている間(すなわち、コンテンツの再生中)であったり、コンテンツの再生終了後、所定時間(たとえば10秒)が経過するまで等、予め設定された時間である。
【0044】
また、受付部500は、解答の入力があった時点で、指示部300に対してイントロクイズを終了させる旨の信号を出力することも可能である。この場合、指示部300は、携帯端末に対して、当該信号を送信し、コンテンツの再生を終了するよう指示する。
【0045】
(判定部)
判定部600は、生成した出題情報、及び入力された解答に基づいてイントロクイズの結果を判定し、報知手段を介して判定結果を報知する。
【0046】
イントロクイズの結果の判定は、生成した出題情報と入力された解答とを対比することにより行う。判定結果は、出題と解答が一致する場合(正解)、出題と解答が一致しない場合(不正解)、制限時間内に解答がされなかった場合(タイムアップ)のいずれかとなる。判定結果の報知は、たとえば、判定結果をスピーカ20から放音させることや、表示装置30の表示画面に表示させることにより行うことができる。
【0047】
具体的に、利用者が、マイク40を介して音楽のイントロクイズに対する解答として、音楽の曲名を音声として入力したとする。この場合、受付部500は、受け付けた曲名をテキスト形式で判定部600に出力する。
【0048】
判定部600は、コンテンツのリストを参照し、出題情報に含まれるコンテンツの識別情報に基づいて、イントロクイズとして提供された音楽の曲名を特定する。判定部600は、受付部500から出力された曲名のテキストと特定したコンテンツの曲名とを対比する。
【0049】
曲名のテキストとコンテンツの曲名とが完全に一致する場合、判定部600は、イントロクイズの結果が「正解」であると判定する。判定部600は、「おめでとうございます。正解です。」といった音声をスピーカ20から放音させたり、「今のイントロクイズの曲名は●●です。あなたの解答は●●で正解でした。」といったテキストを表示装置30の表示画面に表示させる。
【0050】
一方、曲名のテキストとコンテンツの曲名とが一致しない場合、判定部600は、イントロクイズの結果が「不正解」であると判定する。判定部600は、「残念ながら不正解です。」といった音声をスピーカ20から放音させたり、「今のイントロクイズの曲名は●●です。あなたの解答は××で不正解でした。」といったテキストを表示装置30の表示画面に表示させる。
【0051】
また、制限時間内に解答がされなかった場合、判定部600は、イントロクイズの結果が「タイムアップ」であると判定する。判定部600は、「解答がありませんでした」といった音声をスピーカ20から放音させたり、「今のイントロクイズの曲名は●●です。あなたからは解答がありませんでした。」といったテキストを表示装置30の表示画面に表示させる。
【0052】
上記判定結果の音声やテキストに対応するデータは、予め記憶手段10aに記憶させておくことができる。また、判定部600は、判定結果の報知を、スピーカ20及び表示装置30の双方から行わせてもよい。
【0053】
==カラオケ装置Kの動作について==
次に、
図3を参照して本実施形態におけるカラオケ装置Kの動作の具体例について述べる。
図3は、カラオケ装置Kの動作例を示すフローチャートである。この例において、携帯端末M1を所有する利用者U1がカラオケ装置Kを利用するとする。また、携帯端末M1は、コンテンツアプリを実行中であるとする。更に、カラオケ装置Kと携帯端末M1は通信可能となっており、カラオケ装置Kは、携帯端末M1からコンテンツのリストを受信しているとする。
【0054】
利用者U1は、リモコン装置50を介して、携帯端末M1において再生可能なコンテンツを用いたイントロクイズのモードを選択する。そして、利用者U1は、マイク40を介して歌手名Xを音声入力する。歌手名Xは、「コンテンツの属性」の一例である。
【0055】
指定部100は、イントロクイズを行うコンテンツの属性として「歌手名X」を指定する(コンテンツの属性を指定。ステップ10)。
【0056】
生成部200は、携帯端末M1において再生可能なコンテンツのリストの中から、ステップ10で指定された歌手名Xが歌唱する楽曲X01~X10を抽出する。生成部200は、抽出した複数の楽曲から楽曲X08を選択し、楽曲X08の識別情報ID***X08を含む出題情報Q1を生成する(出題情報を生成。ステップ11)。
【0057】
指示部300は、携帯端末M1に対して出題情報Q1を送信し、楽曲X08を再生するよう指示する(携帯端末に対して楽曲の再生を指示。ステップ12)。携帯端末M1は、出題情報Q1に含まれる楽曲X08の識別情報ID***X08に基づいてコンテンツ配信サービスのサーバ装置に楽曲X08の配信を要求する。携帯端末M1は、当該サーバ装置からストリーミング形式で配信される楽曲X08の音声信号をカラオケ装置Kに送信する。
【0058】
提供部400は、利用者U1に対し、携帯端末M1で再生された楽曲X08をイントロクイズとして提供する(イントロクイズを提供。ステップ13)。
【0059】
利用者U1は、マイク40を介し、イントロクイズに対する解答A1を音声として入力する。受付部500は、イントロクイズに対する利用者U1の解答A1の入力を受け付ける(解答の入力を受付。ステップ14)。
【0060】
判定部600は、ステップ11で生成した出題情報Q1、及びステップ14で入力された解答A1に基づいてイントロクイズの結果を判定し、報知手段を介して判定結果を報知する(イントロクイズの判定結果を報知。ステップ15)。
【0061】
たとえば、生成した出題情報に含まれる識別情報I***X08に基づく楽曲X08の曲名のテキストと、入力された解答A1のテキストとが完全に一致する場合(入力された解答A1が楽曲X08の曲名だった場合)、判定部600は、イントロクイズの結果が「正解」であると判定する。一方、生成した出題情報に含まれる識別情報I***X08に基づく楽曲X08の曲名のテキストと、入力された解答A1のテキストとが一致しない場合(入力された解答A1が楽曲X08以外の楽曲の曲名だった場合)、判定部600は、イントロクイズの結果が「不正解」であると判定する。
【0062】
以上から明らかなように、本実施形態に係るカラオケ装置Kは、音楽または映像作品のコンテンツを再生可能な携帯端末M1と通信可能である。カラオケ装置Kは、イントロクイズを行うコンテンツの属性を指定する指定部100と、携帯端末M1において再生可能なコンテンツのリスト、及び指定したコンテンツの属性に基づいて、あるコンテンツの識別情報を含む出題情報を生成する生成部200と、携帯端末M1に対して、出題情報に基づいてあるコンテンツを再生するよう指示する指示部300と、利用者U1に対し、再生されたあるコンテンツをイントロクイズとして提供する提供部400と、イントロクイズに対する利用者の解答の入力を受け付ける受付部500と、生成した出題情報、及び入力された解答に基づいてイントロクイズの結果を判定し、スピーカ20及び/または表示装置30を介して判定結果を報知する判定部600と、を有する。
【0063】
本実施形態に係るカラオケ装置Kによれば、たとえば、利用者が契約しているコンテンツ配信サービスを介して配信される膨大な数のコンテンツを用いて、様々なイントロクイズを提供することができる。すなわち、本実施形態に係るカラオケ装置Kによれば、利用者が所有する携帯端末で再生するコンテンツを用いてイントロクイズを行うことができる。
【0064】
<変形例1>
出題情報は、コンテンツの識別情報以外の情報を含んでいてもよい。具体的に、生成部200は、コンテンツの識別情報の他に、再生速度情報、開始位置情報、終了位置情報の少なくとも一つを含む出題情報を生成することができる。
【0065】
再生速度情報は、あるコンテンツの再生速度を示す。再生速度は、予め設定されている速度(標準速度)、標準速度の1.5倍の速度、倍速等である。
【0066】
開始位置情報は、あるコンテンツの再生開始位置を示す。再生開始位置は、音楽であれば、前奏、Aメロ、サビ等であり、映像作品であれば、映像の冒頭、クライマックス、エンディング、或いは予め設定されたチャプタの位置等である。なお、映像作品の場合、冒頭やエンディングに作品名が含まれることがありうる。よって、映像作品の場合、開始位置情報は、作品名を含まない位置(たとえば、映像の冒頭から10分経過後)とすることが好ましい。
【0067】
終了位置情報は、あるコンテンツの再生終了位置を示す。再生終了位置は、再生開始から1.5秒、3.0秒、6.0秒等である。
【0068】
本変形例に係る指示部300は、出題情報に再生速度情報が含まれる場合、携帯端末に対して、再生速度情報が示す再生速度であるコンテンツを再生するよう指示する。
【0069】
たとえば、生成部200が、楽曲X02の識別情報ID***X02、及び再生速度情報Pb01を含む出題情報Q2を生成したとする。指示部300は、携帯端末M1に対して出題情報Q2を送信し、楽曲X02を再生速度情報Pb01が示す再生速度で再生するよう指示する。携帯端末M1は、出題情報Q2に含まれる楽曲X02の識別情報ID***X02に基づいてコンテンツ配信サービスのサーバ装置に楽曲X02の配信を要求する。携帯端末M1は、当該サーバ装置からストリーミング形式で配信される楽曲X02の再生速度を再生速度情報Pb01に応じて変化させ、その音声信号をカラオケ装置Kに送信する。
【0070】
また、本変形例に係る指示部300は、出題情報に開始位置情報が含まれる場合、携帯端末に対して、開始位置情報が示す再生開始位置からあるコンテンツの再生を開始するよう指示する。
【0071】
たとえば、生成部200が、楽曲X03の識別情報ID***X03、及び開始位置情報Sp01を含む出題情報Q3を生成したとする。指示部300は、携帯端末M1に対して出題情報Q3を送信し、楽曲X03を開始位置情報Sp01が示す再生開始位置から再生するよう指示する。携帯端末M1は、出題情報Q3に含まれる楽曲X03の識別情報ID***X03に基づいてコンテンツ配信サービスのサーバ装置に楽曲X03の配信を要求する。携帯端末M1は、当該サーバ装置からストリーミング形式で配信される楽曲X03の再生を、開始位置情報Sp01が示す再生開始位置から開始させ、その音声信号をカラオケ装置Kに送信する。
【0072】
また、本変形例に係る指示部300は、出題情報に終了位置情報が含まれる場合、携帯端末に対して、終了位置情報が示す再生終了位置であるコンテンツの再生を終了するよう指示する。
【0073】
たとえば、生成部200が、楽曲X04の識別情報ID***X04、及び終了位置情報Ep01を含む出題情報Q4を生成したとする。指示部300は、携帯端末M1に対して出題情報Q4を送信し、楽曲X04を再生するよう指示する。携帯端末M1は、出題情報Q4に含まれる楽曲X04の識別情報ID***X04に基づいてコンテンツ配信サービスのサーバ装置に楽曲X04の配信を要求する。携帯端末M1は、当該サーバ装置からストリーミング形式で配信される楽曲X04の再生を開始し、その音声信号をカラオケ装置Kに送信する。その後、携帯端末M1は、終了位置情報Ep01に基づいて、楽曲X04の再生を終了する。
【0074】
なお、出題情報は、コンテンツの識別情報の他に、再生速度情報、開始位置情報、終了位置情報のうち2つ以上を含んでいてもよい。
【0075】
たとえば、本変形例に係る指示部300は、出題情報に再生速度情報、開始位置情報、及び終了位置情報が含まれる場合、あるコンテンツを、開始位置情報が示す再生開始位置から終了位置情報が示す再生終了位置までの間、再生速度情報が示す再生速度で再生するよう携帯端末に対して指示する。
【0076】
たとえば、生成部200が、楽曲X05の識別情報ID***X05、再生速度情報Pb02、開始位置情報Sp02、及び終了位置情報Ep02を含む出題情報Q5を生成したとする。指示部300は、携帯端末M1に対して出題情報Q5を送信し、楽曲X05を、開始位置情報Sp02が示す再生開始位置から終了位置情報Ep02が示す再生終了位置まで、再生速度情報Pb02が示す再生速度で再生するよう指示する。携帯端末M1は、出題情報Q5に含まれる楽曲X05の識別情報ID***X05に基づいてコンテンツ配信サービスのサーバ装置に楽曲X05の配信を要求する。携帯端末M1は、当該サーバ装置からストリーミング形式で配信される楽曲X05の再生を、開始位置情報Sp02が示す再生開始位置から再生速度情報Pb02が示す再生速度で開始し、その音声信号をカラオケ装置Kに送信する。その後、携帯端末M1は、終了位置情報Ep02に基づいて、楽曲X05の再生を終了する。
【0077】
以上から明らかなように、本変形例に係るカラオケ装置Kにおいて、生成部200は、あるコンテンツの再生速度を示す再生速度情報、あるコンテンツの再生開始位置を示す開始位置情報、及びあるコンテンツの再生終了位置を示す終了位置情報の少なくとも一つを含む出題情報を生成する。指示部300は、出題情報に再生速度情報が含まれる場合、携帯端末に対して、再生速度情報が示す再生速度であるコンテンツを再生するよう指示し、出題情報に開始位置情報が含まれる場合、携帯端末に対して、開始位置情報が示す再生開始位置からあるコンテンツの再生を開始するよう指示し、出題情報に終了位置情報が含まれる場合、携帯端末に対して、終了位置情報が示す再生終了位置であるコンテンツの再生を終了するよう指示する。このようなカラオケ装置Kによれば、様々なパターンのイントロクイズを提供することができる。
【0078】
<変形例2>
コンテンツの再生速度が標準速度より速いほど、イントロクイズの難易度は高くなり、再生速度が標準速度に近いほど、イントロクイズの難易度は低くなる。また、再生開始位置が音楽のサビや、映像作品のクライマックスの場合、イントロクイズの難易度は低くなり、再生開始位置が音楽のAメロや映像作品の冒頭の場合、イントロクイズの難易度は高くなる。また、再生開始位置から再生終了位置までの間隔が短い場合、イントロクイズの難易度は高くなり、再生開始位置から再生終了位置までの間隔が長い場合、イントロクイズの難易度は低くなる。
【0079】
そこで、生成部200は、予め設定された難易度に基づいて、再生速度情報、開始位置情報、及び終了位置情報の少なくとも一つを含む出題情報を生成してもよい。
【0080】
難易度は、様々な方法で設定可能である。カラオケ装置Kの記憶手段10aは、たとえば、難易度に応じた、再生速度のテーブル(
図4参照)、再生開始位置のテーブル(
図5参照)、再生終了位置のテーブル(
図6参照)、または難易度に応じた、再生速度、再生開始位置、及び再生終了位置のテーブル(
図7参照)を記憶しておくことができる。なお、
図4~
図6のテーブルでは、三段階の難易度に分類されているが、少なくとも二段階に分類されていればよい。
【0081】
イントロクイズのモードを選択した利用者は、コンテンツの属性の入力に併せて、たとえば、再生速度の難易度として「普通」を入力する。この場合、生成部200は、入力された再生速度の難易度「普通」に基づいて決定された再生速度(標準速度の1.5倍の速度)を示す再生速度情報を含む出題情報を生成する。
【0082】
或いは、再生速度、再生開始位置、再生終了位置の難易度を一括で入力することも可能である。たとえば、イントロクイズのモードを選択した利用者は、コンテンツの属性の入力に併せて、難易度として「普通」を入力する。この場合、生成部200は、入力された難易度「普通」に基づいて、
図7に示すテーブルを参照し、標準速度の1.5倍の速度を示す再生速度情報、前奏を示す開始位置情報、及び前奏から2.0秒後を示す終了位置情報を含む出題情報を生成する。
【0083】
以上から明らかなように、本変形例に係るカラオケ装置Kにおいて、生成部200は、予め設定された難易度に基づいて、再生速度情報、開始位置情報、及び終了位置情報の少なくとも一つを含む出題情報を生成することができる。このようなカラオケ装置Kによれば、様々な難易度のイントロクイズを提供することができる。
【0084】
なお、現在の音声信号処理技術においては、音声信号のテンポ、ピッチ、フォルマントを独立して変化させることが可能であり、テンポや音質を維持したピッチ変更や、聴き取り易い早送り機能などが実現されている。一方、イントロクイズが考案された当時は、テープレコーダを用いてイントロクイズが行われていた。テープレコーダを用いたイントロクイズは、再生速度を変化させると出力される音声信号のピッチやフォルマントも変化するため結果的に難易度がより高くなる。そこで、本変形例に係るカラオケ装置Kにおいて再生速度を変化させた場合に、併せてピッチやフォルマントを変化させることにより、テープレコーダを用いたイントロクイズを模擬することが可能となる。
【0085】
<第2実施形態>
次に、
図8及び
図9を参照して、第2実施形態に係るカラオケ装置について説明する。本実施形態では、複数人でイントロクイズを行う例について説明する。第1実施形態と同様の部分については詳細な説明を省略する。
【0086】
(受付部)
本実施形態に係る受付部500は、集音手段を介して入力された解答の音声に基づいて、当該解答を入力した解答者を特定する。
【0087】
受付部500は、入力された音声を、公知の音声認識処理により解析し、解答者(いずれかの利用者に相当する)を特定する。受付部500は、解答と解答者とを紐付ける。
【0088】
たとえば、携帯端末M1を所有する利用者U1、及びその他2名の利用者(利用者U2、利用者U3)がカラオケ装置Kを利用して、イントロクイズを行うとする。また、携帯端末M1は、コンテンツアプリを実行中であるとする。更に、カラオケ装置Kと携帯端末M1は通信可能となっており、カラオケ装置Kは、携帯端末M1からコンテンツのリストを受信しているとする。
【0089】
利用者U1は、リモコン装置50を介して、携帯端末M1において再生可能なコンテンツを用いたイントロクイズのモードを選択する。そして、利用者U1は、マイク40を介して歌手名Yを音声入力する。歌手名Yは、「コンテンツの属性」の一例である。
【0090】
指定部100は、イントロクイズを行うコンテンツの属性として「歌手名Y」を指定する。生成部200は、携帯端末M1において再生可能なコンテンツのリストの中から、歌手名Yが歌唱する楽曲Y01~Y10を抽出する。生成部200は、抽出した複数の楽曲から楽曲Y01を選択し、楽曲Y01の識別情報ID***Y01を含む出題情報Q10を生成する。指示部300は、携帯端末M1に対して出題情報Q10を送信し、楽曲Y01を再生するよう指示する。携帯端末M1は、出題情報Q10に含まれる楽曲Y01の識別情報ID***Y01に基づいてコンテンツ配信サービスのサーバ装置に楽曲Y01の配信を要求する。携帯端末M1は、当該サーバ装置からストリーミング形式で配信される楽曲Y01の音声信号をカラオケ装置Kに送信する。
【0091】
提供部400は、利用者U1~利用者U3に対し、携帯端末M1で再生された楽曲Y01をイントロクイズとして提供する。
【0092】
ここで、利用者U1が、マイク40を介し、イントロクイズに対する解答A10を音声として入力したとする。この場合、受付部500は、イントロクイズに対する解答A10の入力を受け付ける。また、受付部500は、解答A10の音声を解析し、解答者Ar1を特定する。受付部500は、解答A10及び解答者Ar1を紐付け、判定部600に出力する。
【0093】
(判定部)
本実施形態に係る判定部600は、特定した解答者毎にイントロクイズの結果を判定する。
【0094】
上記例において、判定部600は、生成した出題情報Q10、及び入力された解答A10に基づいてイントロクイズの結果を判定したとする。解答A10には解答者Ar1が紐付けられている。よって、この場合の判定結果は、解答者Ar1のものとなる。
【0095】
出題情報Q10によるイントロクイズが終了した後、生成部200は、抽出した楽曲Y01~Y10の中から、楽曲Y01以外の楽曲Y03を選択し、楽曲Y03の識別情報ID***Y03を含む出題情報Q11を生成する。指示部300は、携帯端末M1に対して出題情報Q11を送信し、楽曲Y03を再生するよう指示する。携帯端末M1は、出題情報Q11に含まれる楽曲Y03の識別情報ID***Y03に基づいてコンテンツ配信サービスのサーバ装置に楽曲Y03の配信を要求する。携帯端末M1は、当該サーバ装置からストリーミング形式で配信される楽曲Y03の音声信号をカラオケ装置Kに送信する。
【0096】
提供部400は、利用者U1~利用者U3に対し、携帯端末M1で再生された楽曲Y03をイントロクイズとして提供する。
【0097】
ここで、利用者U2が、マイク40を介し、イントロクイズに対する解答A11を音声として入力したとする。この場合、受付部500は、イントロクイズに対する解答A11の入力を受け付ける。また、受付部500は、解答A11の音声を解析する。この際、受付部500は、既に解答者として特定されている解答者Ar1の解析結果と、解答A11の音声の解析結果を比較する。この例において、解答者Ar1は利用者U1であり、解答A11の音声入力を行った解答者は利用者U2である。すなわち、解答者Ar1と解答A11を行った解答者は異なるため、解析結果は一致しない。よって、受付部500は、解答A11に対して新たな解答者Ar2を紐付け、判定部600に出力する。
【0098】
判定部600は、生成した出題情報Q11、及び入力された解答A11に基づいてイントロクイズの結果を判定する。解答A11には解答者Ar2が紐付けられている。よって、この場合の判定結果は、解答者Ar2のものとなる。
【0099】
このように、カラオケ装置Kは、予め設定された問題数に応じて、イントロクイズを繰り返し行い、解答者毎の判定結果を報知する。なお、複数の解答者から同時に解答の音声が入力された場合、受付部500は、公知の音源分離技術を用いて当該複数の解答者の声紋を判別し、音声の入力が一番早かった解答者を特定する。この場合、判定部600は、音声の入力が一番早かった解答者についてイントロクイズの結果の判定を行うことが好ましい。
【0100】
図8は、抽出した楽曲Y01~Y10の中から選択された5曲のイントロクイズの判定結果を示す。この判定結果は、たとえば、第1問は、楽曲Y01がイントロクイズとして出題され、解答者Ar1が正解し、第3問は、楽曲Y06がイントロクイズとして出題され、解答者Ar1及び解答者Ar2のいずれとも異なる解答者Ar3(すなわち利用者U3)が解答したが不正解となり、第4問は、楽曲Y09がイントロクイズとして出題されたが、いずれの利用者も解答できなかったことを示している。また、第5問は、楽曲Y04がイントロクイズとして出題され、解答A14の音声の解析結果と一致した解答者Ar2が正解したことを示している。各利用者は、各問題を誰が解答したかを記憶しておくことにより、利用者毎の正解数や誤答数を把握することができる。
【0101】
判定結果は、
図8の例に限られない。たとえば、正解(+1点)、不正解(-1点)、タイプアップ(0点)のように解答に対して予め得点を付与しておく。判定部600は、判定結果に応じて解答者毎の得点を集計し、その結果を判定結果として報知してもよい(
図9参照)。
【0102】
また、各利用者の利用者識別情報と、各利用者の音声を解析して得られた声紋情報とを予め紐付けて記憶手段10aに記憶させておくことも可能である。利用者識別情報は、たとえば利用者IDのような、各利用者を識別するための固有の情報である。声紋情報は、公知の手法により求めることができる。
【0103】
この場合、受付部500は、集音手段を介して入力された解答の音声の解析結果と、記憶手段10aに記憶された声紋情報とを対比することにより、解答を行った利用者を特定することができる。すなわち、受付部500は、解答者として、イントロクイズを行っている利用者を特定できる。
【0104】
たとえば、上述の通り、利用者U1が、マイク40を介し、イントロクイズに対する解答A10を音声として入力したとする。この場合、受付部500は、イントロクイズに対する解答A10の入力を受け付ける。また、受付部500は、解答A10の音声を解析し、解答者Ar1を特定する。受付部500は、解答者Ar1の音声と記憶手段10aに記憶されている複数の声紋情報とを比較し、一致する声紋情報に紐付けられている利用者識別情報から、利用者U1を特定する。受付部500は、解答A10、及び解答者Ar1として利用者U1を紐付け、判定部600に出力する。
【0105】
以上から明らかなように、本実施形態に係るカラオケ装置Kにおいて、受付部500は、集音手段を介して入力された解答の音声に基づいて、当該解答を入力した解答者を特定し、判定部600は、特定した解答者毎にイントロクイズの結果を判定することができる。このようなカラオケ装置Kによれば、複数の利用者でイントロクイズを楽しむことができる。
【0106】
<その他>
上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。上記の構成は、適宜組み合わせて実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0107】
100 指定部
200 生成部
300 指示部
400 提供部
500 受付部
600 判定部
K カラオケ装置
M1 携帯端末