(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】空気予熱を有するエアロゾル形成基体を加熱するための装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/46 20200101AFI20240702BHJP
A24F 1/30 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
A24F40/46
A24F1/30
(21)【出願番号】P 2020567604
(86)(22)【出願日】2019-06-03
(86)【国際出願番号】 IB2019054573
(87)【国際公開番号】W WO2019234582
(87)【国際公開日】2019-12-12
【審査請求日】2022-06-02
(32)【優先日】2018-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100158551
【氏名又は名称】山崎 貴明
(72)【発明者】
【氏名】フェルナンド フェリックス
(72)【発明者】
【氏名】ゴンザレス フローレス アナ イザベル
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-504667(JP,A)
【文献】特表2017-522873(JP,A)
【文献】特表2009-509523(JP,A)
【文献】国際公開第2017/178932(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0126516(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
A24F 1/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル形成基体を加熱するための装置であって、
発熱体、内部表面、および外部表面を備えるヒーターであって、前記内部表面が前記エアロゾル形成基体または前記エアロゾル形成基体を備えるカートリッジを受容するように構成された受容部の少なくとも一部分を画定する、ヒーターと、
前記受容部と連通していて、かつ前記受容部の上流にある受容部入口と、
前記受容部と連通していて、かつ前記受容部の下流にある受容部出口と、
周囲環境および前記受容部入口と連通する空気吸込み口チャネルであって、前記空気吸込み口チャネルが、前記周囲環境と前記受容部入口の間の曲がりくねった経路を画定し、かつ前記空気吸込み口チャネルの前記曲がりくねった経路が、前記ヒーターと前記空気吸込み口チャネル中の空気との間で熱を交換し、前記空気吸込み口チャネルの少なくとも一部分が、前記ヒーターの前記外部表面によって画定されている、空気吸込み口チャネルと、
前記ヒーターの周りに配置されたスリーブと、を備え
、
前記スリーブが、前記空気吸込み口チャネルの少なくとも一部分を画定する本体を備え、前記スリーブが熱伝導性材料を含む、装置。
【請求項2】
前記曲がりくねった経路が蛇行する経路を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記曲がりくねった経路がらせん状経路を備える、請求項1または請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記空気吸込み口チャネルが、前記チャネルの中で延びる突起部を備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記熱伝導性材料がアルミニウムまたはアルミナ含む、
請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記空気吸込み口チャネルと連通する貯蔵部をさらに備え、空気が前記貯蔵部の中に流れ、前記貯蔵部から前記空気吸込み口チャネルに流れ、そして前記空気吸込み口チャネルから前記受容部に流れてもよいように前記装置が構成されている、請求項1~
5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記装置がハウジングおよびハウジング入口を備え、前記ハウジング入口が前記空気吸込み口チャネルと連通し、前記ハウジングが前記発熱体の周りに配置されて前記ハウジングと前記発熱体の間に前記貯蔵部を形成し、空気が前記ハウジング入口を通って前記貯蔵部に流れ、前記貯蔵部から前記空気吸込み口に流れ、そして前記空気吸込み口チャネルから前記受容部に流れてもよいように前記装置が構成されている、請求項
6に記載の装置。
【請求項8】
前記貯蔵部の容積が、前記装置のユーザーの吸煙の予想される容積とほぼ同じである、請求項
6または請求項
7に記載の装置。
【請求項9】
前記装置がシーシャ装置であって、
液体を含有するように構成されたベッセルであって、液体充填レベルより上の上部空間を備え、かつ前記上部空間と連通するベッセル出口を備える、ベッセルと、
前記受容部出口から前記ベッセルの中に前記液体充填レベルより下に延びる導管と、をさらに備える、請求項1~
8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記発熱体に動作可能に連結された電源および制御電子機器をさらに備え、前記制御電子機器が前記発熱体の温度を制御するように構成されていて、これによって前記ヒーターが前記エアロゾル形成基体を加熱するが燃焼しない、請求項1~
9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
請求項1~
10のいずれか一項に記載の装置と、
エアロゾル形成基体を含むカートリッジであって、前記装置の前記ヒーターの前記受容部によって受容されるように構成されているカートリッジと、を備えるシステム。
【請求項12】
前記エアロゾル形成基体がたばこを含む、請求項
11に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生させるためのエアロゾル発生要素に関する。より具体的に、本開示は、エアロゾル形成基体を燃焼することなく、エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生させるためのエアロゾル発生要素と、こうしたヒーターを含むシーシャ装置などの装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のシーシャ装置は、たばこ基体を加熱または燃焼して、ユーザーによる吸入のためにエアロゾルを発生させるために木炭を用いる。従来のシーシャ装置の使用中に、高レベルの一酸化炭素および燃焼副産物が生成される。一酸化炭素は、木炭だけでなくたばこ基体の燃焼によって生成される場合がある。
【0003】
一酸化炭素および燃焼副産物の生成を減少させる一つのやり方は、基体を燃焼することなく基体からエアロゾルを生成するために十分な温度にたばこ基体を加熱する電気ヒーターを使用することである。
【0004】
従来のシーシャ装置の決まったやり方、風味、および芳香を可能な限り保つために、電子シーシャ装置は、従来のシーシャ装置における基体の熱プロファイルを可能な限り忠実に模倣するべきである。しかしながら、電気ヒーターが、木炭動作シーシャ装置において達成される温度に空気を加熱することは困難である場合がある。木炭動作シーシャ装置における空気の実際の温度は、熾火の状態の木炭の温度とおよそ均等であり、最高約700℃である場合がある。こうした高温の空気に対応することは、大半の電気加熱シーシャ装置、特に電池式シーシャ装置にとって現実的ではない。空気温度をヒーター温度により近づけることは、基体中のより均一な熱勾配を確保するのに役立つ場合があり、また電気加熱式シーシャ装置で体験される、より従来的な風味および芳香を提供する場合がある。
【0005】
予熱された空気を用いる電気加熱式シーシャ装置は、吸煙に伴い空気が熱源の近くを移動するように、気流経路を用いてもよい。しかしながら、こうした装置は空気を十分に予熱しない場合がある。例えば、空気は、層流の状態でヒーターを通過して流れる場合がある。層流において、高温表面に接触する空気分子の数は、流れの縁部でのそれらの空気分子に限定される場合があり、流れの中心に向かってそれらの空気分子の非効果的な加熱をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のシーシャ装置中の基体の熱プロファイルをより忠実に模倣するシーシャ装置用の電気ヒーターを提供することが望ましい。
【0007】
エアロゾル形成基体を効率的に加熱するシーシャ装置用の電気ヒーターを提供することも望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の様々な態様において、エアロゾル形成基体を加熱するための装置が提供されている。装置は、発熱体、内部表面、および外部表面を備えるヒーターを備える。内部表面は、エアロゾル形成基体、またはエアロゾル形成基体を含むカートリッジを受容するように構成された受容部の少なくとも一部分を画定する。装置は、受容部入口および受容部出口をさらに備える。受容部入口は受容部と連通していて、かつ受容部の上流にある。受容部出口は受容部と連通していて、かつ受容部の下流にある。装置はまた、周囲環境および受容部入口と連通する空気吸込み口チャネルを含む。空気吸込み口チャネルは、周囲環境と受容部入口の間の曲がりくねった経路を画定する。空気吸込み口チャネルは、曲がりくねった経路中の空気がヒーターによって加熱されるように、ヒーターに対して位置付けられている。例えば、空気吸込み口チャネルの少なくとも一部分は、ヒーターの外部表面によって画定されてもよい。空気吸込み口チャネルの曲がりくねった経路は、ヒーターと空気吸込み口チャネル中の空気との間で熱を交換する。
【0009】
本明細書に記載の電気ヒーターを含むシーシャ装置などの装置の様々な態様または実施形態は、既存の装置に対する一つ以上の利点を提供する場合がある。例えば、本明細書に記載のシーシャ装置は、従来のシーシャ装置におけるエアロゾル形成基体の熱プロファイルをより忠実に模倣する場合があり、これは電気加熱式シーシャ装置のユーザーがより従来的なシーシャ体験を得ることを可能にするはずである。空気吸込み口チャネルの壁はヒーターから空気に熱を交換して、ヒーターの外部表面から熱を奪う。予熱された空気は、加熱されるエアロゾル形成基体のエアロゾル化を容易にするだけでなく、ヒーターの起動後に最初の吸煙までの時間を短縮するのにも役立つ。空気吸込み口チャネルの曲がりくねった経路は、装置が本明細書に記載のエアロゾル発生要素を用いて従来のシーシャ装置中の基体の熱プロファイルをより忠実に模倣することを可能にする熱交換表面として機能する。
【0010】
空気吸込み口チャネルの曲がりくねった経路は、乱流を増大させ、それ故にチャネルの高温表面との空気分子の衝突をより多く引き起こし、真っ直ぐなチャネルを通る層流の場合よりも大きい表面加熱をもたらす。加えて、ヒーターに対して位置付けられている空気吸込み口チャネルの表面積は、真っ直ぐなチャネルに対して増大される場合があり、また曲がりくねった経路を通る空気の加熱を強化する役目も果たす場合がある。このように、空気は、ヒーターの近くの真っ直ぐな経路をたどる空気よりも大きい程度まで加熱されうる。曲がりくねった経路は、蛇行する経路およびらせん状経路のうちの一方または両方を備えてもよい。
【0011】
空気吸込み口チャネルは、チャネルの中に延びて、チャネルを通って流れる空気の混合を生じさせる突起部を備えてもよい。突起部は、粗面もしくは不均質な表面、突出部、フィン、またはこれに類するものの形態であってもよい。空気の混合は乱流を生じさせる場合があり、またより多くの空気の分子がチャネルの高温表面に接触することを可能にし、それ故に直接的な加熱を生じさせうる。
【0012】
装置は、ヒーターの周りに配置されたスリーブをさらに備えてもよい。スリーブは、空気吸込み口チャネルの少なくとも一部分を画定する本体を有する。スリーブは、スリーブから、空気吸込み口チャネルを通って流れる空気への熱の伝達を容易にする熱伝導性材料を備えてもよい。例えば、スリーブはアルミニウムまたはアルミナを含んでもよい。一部の実施形態において、スリーブはアルミナセラミック材料を含む。
【0013】
装置は、空気が空気吸込み口チャネルまたは空気吸込み口チャネルの曲がりくねった経路を通って移動する前に、吸煙と吸煙の間で空気を加熱するための貯蔵部を含んでもよく、予熱された空気がエアロゾル形成基体と相互作用する前に空気温度をさらに上昇させ、また装置の加熱効率をさらに上昇させる。一部の実施形態において、貯蔵部の外部壁と貯蔵部入口とは、ハウジングによって形成されている。ハウジングは、発熱体の周りに配置されて、ハウジングと発熱体の間に貯蔵部を形成してもよい。装置がスリーブを備える場合、ハウジングはスリーブの周りに配置されてもよい。提示のスリーブは熱伝導性であることが好ましい。貯蔵部中の空気は、ヒーターまたは熱伝導性スリーブによって加熱されてもよい。貯蔵部中の空気は、吸煙と吸煙の間に加熱されてもよい。貯蔵部の容積はおよそ、装置の吸煙の予想される容積であることが好ましい。シーシャ装置の場合、吸煙の容積は約400ml~約650mlの範囲であってもよい。装置は、空気がハウジング入口を通って貯蔵部に流れ、貯蔵部から空気吸込み口チャネルに流れ、そして空気吸込み口チャネルから受容部に流れうるように構成されてもよい。一部の実施形態において、貯蔵部および貯蔵部入口の外部壁は、ヒーターの周りに配置された貯蔵部スリーブと、空気吸込み口チャネルの曲がりくねった経路、または空気吸込み口チャネルの曲がりくねった経路を形成するスリーブとによって形成されている。
【0014】
本明細書に記載のエアロゾル形成基体を加熱するための装置は、シーシャ装置などの任意の適切な装置であってもよい。装置は、エアロゾル形成基体が十分に加熱されて基体を燃焼することなくエアロゾルを生成する、加熱非燃焼式装置であることが好ましい。装置は電気ヒーターを備える。ヒーターは発熱体および加熱ブロックを備えてもよい。ヒーターは、エアロゾル形成基体またはエアロゾル形成基体を含有するカートリッジを受容するよう構成された受容部を画定する外部表面および内部表面を備える。受容部は、エアロゾル形成基体またはエアロゾル形成基体を含有するカートリッジを受容するように構成されている。受容部は、空気が入口から受容部を通って、受容部中のエアロゾル形成基体を通してまたは横切って、出口に流れることを可能にする入口および出口を有する。ヒーターはエアロゾル形成基体を加熱して、基体にエアロゾルを形成させ、このエアロゾルは、入口から出口に流れる空気中に同伴されてもよい。
【0015】
ヒーターは任意の適切な発熱体を含んでもよい。例えば、発熱体は、抵抗加熱構成要素および誘導加熱構成要素のうちの一方または両方を備えてもよい。発熱体は抵抗加熱構成要素を備えることが好ましい。例えば、発熱体は、一つ以上の抵抗性ワイヤーまたは他の抵抗性要素を備えてもよい。抵抗性ワイヤーは、熱伝導性材料と接触して、生成された熱をより広い区域にわたって分配してもよい。適切な導電性材料の例としては、アルミニウム、銅、亜鉛、ニッケル、銀、およびこれらの組み合わせが挙げられる。本開示の目的のために、抵抗性ワイヤーが熱伝導性材料と接触する場合、抵抗性ワイヤーと熱伝導性材料の両方は、カートリッジ受容部の表面の少なくとも一部分を形成する発熱体の一部である。
【0016】
一部の実施例において、発熱体は誘導発熱体を備える。例えば、発熱体は、カートリッジ受容部の表面を形成するサセプタ材料を備えてもよい。本明細書で使用される「サセプタ」という用語は、電磁エネルギーを熱に変換する能力を有する材料を指す。交流電磁場中に位置する時、典型的にサセプタの中で渦電流が誘導され、かつヒステリシス損失が生じる場合があり、サセプタの加熱を生じさせる。サセプタがエアロゾル形成基体と熱的に接触して位置している、またはエアロゾル形成基体に熱的に近接近して位置していると、基体はサセプタによって加熱され、これによってエアロゾルが形成される。サセプタはエアロゾル形成基体またはエアロゾル形成基体を含有するカートリッジと少なくとも部分的に直接、物理的に接触して配設されていることが好ましい。
【0017】
サセプタは、エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生させるのに十分な温度に誘導加熱されることができる任意の材料から形成されてもよい。好ましいサセプタは金属または炭素を含む。好ましいサセプタは、強磁性材料(例えばフェライト鉄)、強磁性合金(強磁性鋼またはステンレス鋼など)、およびフェライトを含んでもよく、またはそれらから成ってもよい。適切なサセプタはアルミニウムであってもよく、またはアルミニウムを含んでもよい。
【0018】
好ましいサセプタは金属サセプタ(例えばステンレス鋼)である。しかしながら、サセプタ材料はまた、黒鉛、モリブデン、炭化ケイ素、アルミニウム、ニオブ、インコネル合金(オーステナイトニッケルクロム系超合金)、金属化フィルム、セラミック(例えば、ジルコニウムなど)、遷移金属(例えば、Fe、Co、Niなど)、または半金属構成要素(例えば、B、C、Si、P、Alなど)を含んでもよく、またはそれらで作製されてもよい。
【0019】
サセプタは、5%超の、好ましくは20%超の、好ましくは50%または90%超の強磁性材料もしくは常磁性材料を含むことが好ましい。好ましいサセプタは摂氏250度を超える温度に加熱されてもよい。適切なサセプタは、非金属コアの上に配置された金属層を有する非金属コア(例えば、セラミックコアの表面上に形成された金属のトラック)を備えてもよい。
【0020】
シーシャ装置はまた、サセプタ材料中に渦電流および/またはヒステリシス損失を誘発するように構成された一つ以上の誘導コイルも備えてもよく、これは結果としてサセプタ材料の加熱をもたらす。サセプタ材料はまた、エアロゾル発生基体を含有するカートリッジの中に位置付けられてもよい。サセプタ材料を含むサセプタ素子は、例えばPCT特許出願公開(国際特許公開公報)第2014/102092号および同第2015/177255号に記載のものなどの、任意の適切な材料を備えてもよい。
【0021】
発熱体は、誘導発熱体であろうとまたはサセプタであろうと、加熱ブロックと熱的に連結されてもよい。発熱体は加熱ブロックと直接接触してもよい。加熱ブロックは任意の適切な熱伝導性材料を含んでもよい。一部の実施形態において、加熱ブロックはアルミニウム、アルミナ、またはアルミナセラミックを含む。加熱ブロックはヒーターの外部表面を形成してもよい。
【0022】
シーシャ装置は、抵抗発熱体または誘導コイルに動作可能に連結された制御電子機器を備えてもよい。制御電子機器は発熱体の加熱を制御するように構成されている。
【0023】
制御電子機器は任意の適切な形態で提供されてもよく、また例えばコントローラまたはメモリおよびコントローラを含んでもよい。コントローラは、「特定用途向け集積回路(ASIC)」状態マシン、デジタル信号プロセッサ、ゲートアレイ、マイクロプロセッサ、または等価のディスクリート論理回路もしくは集積論理回路のうちの一つ以上を含んでもよい。制御電子機器は、回路の一つ以上の構成要素に制御電子機器の機能または態様を実行させる命令を包含するメモリを含んでもよい。本開示における制御電子機器に帰属する機能は、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェアのうちの一つ以上として具現化されてもよい。
【0024】
電子回路はマイクロプロセッサを備えてもよく、これはプログラム可能なマイクロプロセッサであってもよい。電子回路は電力の供給を調節するように構成されてもよい。電力は、電流パルスの形態でヒーター要素または誘導コイルに供給されてもよい。
【0025】
発熱体が抵抗発熱体である場合、制御電子機器は発熱体の電気抵抗をモニターするように、かつ発熱体の電気抵抗に応じて発熱体への電力の供給を制御するように構成されてもよい。このようにして、制御電子機器は抵抗要素の温度を調節してもよい。
【0026】
加熱構成要素が誘導コイルを含み、かつ発熱体がサセプタ材料を含む場合、制御電子機器は誘導コイルの態様をモニターするように、かつコイル(例えば、国際特許公開公報第2015/177255号に記載の通りのものなど)の態様に応じて誘導コイルへの電力の供給を制御するように構成されてもよい。このようにして、制御電子機器はサセプタ材料の温度を調節してもよい。
【0027】
シーシャ装置は、発熱体の温度を制御するために制御電子機器に動作可能に連結された温度センサー(熱電対など)を備えてもよい。温度センサーは、任意の適切な場所に位置付けられてもよい。例えば、温度センサーは、加熱されるエアロゾル形成基体の温度をモニターするために、受容部内に受容されたカートリッジの中に挿入されるように構成されてもよい。加えて、または別の方法として、温度センサーは発熱体と接触してもよい。加えて、または別の方法として、温度センサーは、ヒーター受容部の出口にて温度を検出するように位置付けられてもよい。センサーは、感知された温度に関連する信号を制御電子機器に送信してもよく、この制御電子機器はセンサーにて適切な温度を達成するために発熱体の加熱を調整しうる。
【0028】
シーシャ装置が温度センサーを含むかどうかにかかわらず、装置は、受容部の中に受容されたカートリッジ中のエアロゾル発生基体を燃焼することなくエアロゾルを発生するのに十分な程度まで加熱するように構成されていることが好ましい。
【0029】
制御電子機器は電源に動作可能に連結されてもよい。シーシャ装置は任意の適切な電源を備えてもよい。例えば、シーシャ装置の電源は、電池または一組の電池であってもよい。電源ユニットの電池は再充電可能とすることができ、また取り外し可能かつ交換可能であってもよい。任意の適切な電池が使用されてもよい。例えば、市販のヘビーデューティータイプの電池または標準的な電池(産業用のヘビーデューティー電動工具のために使用される電池など)である。代替的に、電源ユニットは、スーパーコンデンサーまたはハイパーコンデンサーを含む任意のタイプの電源であってもよい。別の方法として、装置は、外部電力供給源に接続して電力供給されることができ、またこうした目的のために電気的および電子的に設計されることができる。用いられる電源のタイプにかかわらず、電源は、再充電または外部電力供給源への接続を必要とする前に、およそ70分の装置の連続的な動作の間の装置の正常な機能のために十分なエネルギーを提供することが好ましい。
【0030】
装置は、装置の外部の周囲環境および受容部入口と連通する空気吸込み口チャネルを備える。空気吸込み口チャネルは、曲がりくねった経路を画定する。空気吸込み口チャネルは、曲がりくねった経路中の空気がヒーターによって加熱されるように、ヒーターに対して位置付けられている。一部の実施形態において、ヒーターの外部表面は、空気吸込み口チャネルの曲がりくねった経路の少なくとも一部分を画定する。加熱ブロックの外部表面は、曲がりくねった経路の少なくとも一部分を画定するヒーターの外部表面であってもよい。ヒーターの外部表面は、受容部を形成する表面と反対側のヒーターの表面である。空気がチャネルの曲がりくねった経路を通って流れると、空気は受容部入口に入る前に予熱される。
【0031】
空気吸込み口チャネルは、チャネルの壁に接触する空気が効率的に加熱されうるように、熱伝導性材料から形成されていることが好ましい。空気吸込み口チャネルは、任意の適切な熱伝導性材料から形成されてもよい。空気吸込み口チャネルの壁はアルミニウム、アルミナ、またはアルミナセラミックを含むことが好ましい。
【0032】
空気吸込み口チャネルの曲がりくねった経路は、任意の適切な形状を有してもよい。一部の実施形態において、曲がりくねった経路は蛇行する形状を有する。一部の実施形態において、曲がりくねった経路はらせん形状を有する。一部の実施形態において、曲がりくねった経路は、らせん形状を有する部分と、蛇行する形状を有する部分とを備える。曲がりくねった経路は、真っ直ぐな経路に対して任意の適切な程度だけ、入口チャネルの長さを延ばしてもよい。例えば、曲がりくねった経路の長さは、真っ直ぐな経路の5倍以上の長さ(真っ直ぐな経路の10倍以上の長さ、または真っ直ぐな経路の20倍以上の長さなど)であってもよい。曲がりくねった経路は、真っ直ぐな経路の100倍未満の長さであってもよい。真っ直ぐな経路に対して長さを延ばすことによって、曲がりくねった経路は、経路の中でチャネルを通して移動する空気が上で加熱されうる表面積を増大させる。
【0033】
曲がりくねった経路は、空気が経路を通って流れる際に乱流を導入するように構成されてもよい。例えば、経路の湾曲、曲がり、または他の幾何学的形状は、乱流をもたらす場合がある。層流と比較して乱流ではチャネルの壁に接触する空気分子の数が増加するので、乱流は層流と比較して、チャネルの中の空気とチャネルの壁との間の熱交換を強化する。
【0034】
空気吸込み口チャネルは、空気がチャネルを通って流れる際に乱流を増大させるための一つ以上の突起部を備えてもよい。例えば、空気吸込み口チャネルは、乱流を誘発するように構成されたバッフル、プレート、フィン、出っ張り、粗面、もしくは不均質な表面、または他の特徴のうちの一つ以上、またはこれらの任意の組み合わせを(これらが存在する場合に)含んでもよい。空気吸込み口チャネルの曲がりくねった経路を通る気流は、乱流であることが好ましい。
【0035】
空気吸込み口チャネルは任意の適切な断面寸法を有してもよい。チャネルの幅または直径は、装置を通して適切な引き出し抵抗(RTD)を達成するように構成されていることが好ましい。試料のRTDは、体積流量が出力端で17.5ミリリットル/秒である安定した条件下で気流が横断した時の、試料の二つの端の間の静的圧力差を指す。試料のRTDは、ISO規格6565:2002に規定の方法を使用して、すべての通気を遮断した状態で測定することができる。例えば、空気吸込み口チャネルは、約3mm~約10mmの範囲の直径または幅を有してもよい。空気吸込み口チャネルは、約4mm~約8mmの範囲の直径または幅を有することが好ましい。空気吸込み口チャネルは、約5mmの直径または幅を有することがより好ましい。装置を通したRTDは、受容可能部の中にカプセルまたはエアロゾル形成基体が存在しない時、約60mmH2O未満の範囲(約10mmH2O~約50mmH2O、または約20mmH2O~約40mmH2Oなど)であることが好ましい。
【0036】
一部の実施形態において、空気吸込み口チャネルは、ヒーターの外部表面とヒーターの周りに配置されたスリーブの表面との間に形成されている。スリーブは、スリーブとヒーターの間に曲がりくねった経路を画定する本体を有する。スリーブはヒーターと近接近していてもよく、または接触していてもよい。例えば、スリーブは加熱ブロックと近接近していてもよく、または接触していてもよい。スリーブは熱伝導性材料から形成されていることが好ましい。一部の実施形態において、スリーブはアルミニウム、アルミナ、またはアルミナセラミックを含む。スリーブは、吸煙と吸煙の間にヒーターと熱平衡を達成することが好ましい。例えば、スリーブは、吸煙と吸煙の間に加熱ブロックとの熱平衡を達成することが好ましい。一部の実施形態において、スリーブおよび加熱ブロックは、同一の材料(複数可)から形成されている。
【0037】
外気吸込み口チャネルを通って流れる空気は、任意の適切な量だけ加熱されてもよい。一部の実施例において、加熱された空気が受容部を通して流れ、かつ受容部の中のエアロゾル形成基体、または受容部の中のカートリッジ中のエアロゾル形成基体と接触する時に、エアロゾルが形成されるように、空気は十分に加熱される。一部の実施例において、空気は、それ自体がエアロゾル形成を生じさせるように十分に加熱されないが、発熱体によるエアロゾル形成基体の加熱を容易にする。基体を加熱してエアロゾル形成を生じさせるために発熱体に供給されるエネルギーの量は、本発明によって空気が予熱される時、空気が予熱されない設計と比較して、5%以上(10%以上、または15%以上など)低減さることが好ましい。典型的に、エネルギー節約は75%未満であろう。
【0038】
基体は、例えば予熱された空気と発熱体からの加熱との組み合わせによって、約150℃~約300℃の範囲の温度に加熱されることが好ましく、約180℃~約250℃または約200℃~約230℃の範囲の温度に加熱されることがより好ましい。
【0039】
こうした基体温度を達成するために、発熱体は約150℃~約250℃の動作温度に加熱されてもよく、約180℃~約230℃または約200℃~約230℃の動作温度に加熱されることが好ましい。
【0040】
装置は、ハウジングまたは貯蔵部スリーブとヒーターの間に形成された貯蔵部を備えてもよい。装置が空気吸込み口チャネルの少なくとも曲がりくねった経路を形成するスリーブを含む場合、貯蔵部は、ハウジングと貯蔵部スリーブとの間に形成されてもよく、またスリーブは空気吸込み口チャネルの曲がりくねった経路を形成する。貯蔵部は、空気吸込み口チャネルと連通している貯蔵部入口を含む。貯蔵部中の空気は、吸煙と吸煙の間にヒーターによってまたは熱伝導性スリーブを介して加熱されることが好ましい。貯蔵部の容積はおよそ、装置の吸煙の予想される容積であることが好ましい。その結果、吸煙における空気の容積の全体または大部分は、吸煙と吸煙の間に貯蔵部の中で予熱されうる。吸煙中に、貯蔵部からの空気は、貯蔵部入口を通って流れる前にさらに加熱されるように、空気吸込み口チャネルの曲がりくねった経路を通って移動してもよい。
【0041】
シーシャ装置の場合、貯蔵部は、シーシャ装置での吸煙の予想される容積である、約400ml~約650ml(約450ml~約600ml、または約500ml~約550ml、または約530mlなど)の容積を有してもよい。
【0042】
貯蔵部の少なくとも一部分は熱遮蔽を備えることが好ましい。熱遮蔽およびスリーブまたはヒーターの外部表面は、貯蔵部の対向する表面を形成してもよい。任意の適切な熱遮蔽材料が用いられてもよい。熱遮蔽材料は、熱反射性である表面を備えることが好ましい。熱反射性表面は、断熱材料で裏当てされてもよい。一部の実施例において、熱反射性材料は、アルミニウム金属化フィルムまたは他の適切な熱反射性材料を含む。一部の実施例において、断熱材料はセラミック材料を含む。一部の実施例において、熱遮蔽はアルミニウム金属化フィルムおよびセラミック材料の裏当てを含む。
【0043】
受容部入口は、一つ以上の空気吸込み口チャネルと連通する任意の適切な数の開口部を備えてもよい。例えば、受容部は1~1000個の開口部(10~500個の開口部など)を備えてもよい。開口部は均一なサイズであってもよく、または不均一なサイズであってもよい。開口部は均一に分布されてもよく、または不均一に分布されてもよい。開口部は、受容部の任意の適切な場所に形成されてもよい。例えば、開口部は、受容部の上部または側壁のうちの一方または両方に形成されてもよい。開口部は受容部の上部に形成されていることが好ましい。開口部はマニホールドによって形成されてもよい。
【0044】
受容部の表面を形成するヒーターによるカートリッジおよびエアロゾル発生基体の伝導加熱を容易にするためにカートリッジが受容部によって受容されている時、受容部は、受容部の一つ以上の壁または天井とカートリッジの間で接触を可能にする形状およびサイズにされていることが好ましい。一部の実施例において、カートリッジの少なくとも一部分と受容部の表面との間に空隙が形成されてもよく、ここで空隙は外気吸込み口チャネルの一部分として機能する。
【0045】
受容部の内部およびカートリッジの外部は、類似のサイズおよび寸法であることが好ましい。受容部の内部およびカートリッジの外部は、約1.5対1より大きい、高さ:基部幅(または直径)の比、または約1.5対1より大きい、高さ:基部幅(または直径)の比を有することが好ましい。こうした比は、ヒーターからの熱がカートリッジの中間部に貫通するのを可能にすることによって、使用中にカートリッジ内のエアロゾル発生基体のより効率的な枯渇を可能にする場合がある。例えば、受容部およびカートリッジは、高さの約1.5~約5倍、または高さの約1.5~約4倍、または高さの約1.5~約3倍の基部直径(または幅)を有してもよい。同様に、受容部およびカートリッジは、基部直径(または幅)の約1.5~約5倍、または基部直径(または幅)の約1.5~約4倍、または基部直径(または幅)の約1.5~約3倍の高さを有してもよい。受容部およびカートリッジは、約1.5対1~約2.5対1の高さ:基部直径の比または基部直径:高さの比を有することが好ましい。
【0046】
一部の実施例において、エアロゾル形成基体を含有するカートリッジは、約1cm-1~約4cm-1の範囲の、加熱可能な表面積:容積の比を有する。
【0047】
一部の実施例において、受容部の内部およびカートリッジの外部は、約20mm~約60mmの範囲(約30mm~約50mm、または約40mmなど)の高さ、および約10mm~約50mmの範囲(約20mm~約30mm、または約25mmなど)の基部直径を有する。
【0048】
受容部は、一つ以上の部品から形成されてもよく、そのうちの少なくとも一つはヒーターである。受容部は二つ以上の部品によって形成されていることが好ましい。受容部の少なくとも一つの部品は、カートリッジを受容部の中に挿入するために受容部の内部にアクセスすることを可能にするために、別の部品に対して移動可能であることが好ましい。例えば、一つの部品は、部品が分離された時にカートリッジの挿入を可能にするために、別の部品に取り外し可能に取り付け可能であってもよい。部品は、ねじ係合、締まり嵌め、スナップ嵌め、またはこれに類するものによってなど、任意の適切な方法で取り付け可能であってもよい。一部の実施例において、部品はヒンジを介して互いに取り付けられている。部品がヒンジを介して取り付けられている時、部品はまた、受容部が閉位置にある時に部品を互いに対して固定するための係止機構を含んでもよい。一部の実施例において、受容部は、カートリッジが引き出しの中に定置されることを可能にするように摺動して開放されうる、またシーシャ装置を使用することを可能にするように摺動して閉鎖されうる引き出しを備える。
【0049】
任意の適切なカートリッジは、本明細書に記載の通りのシーシャ装置とともに使用されてもよい。カートリッジは、熱伝導性ハウジングを備えることが好ましい。例えば、ハウジングはアルミニウム、銅、亜鉛、ニッケル、銀、およびこれらの組み合わせから形成されてもよい。ハウジングはアルミニウムから形成されていることが好ましい。一部の実施例において、カートリッジは、アルミニウムよりも熱伝導性の低い一つ以上の材料から形成されている。例えば、ハウジングは、任意の適切な熱的に安定な高分子材料から形成されてもよい。材料が十分に薄い場合、特に熱伝導性が高くはない材料からハウジングが形成されていても、ハウジングを通して十分な熱が伝達される場合がある。
【0050】
カートリッジは、使用時にカートリッジを通る気流を可能にするために、ハウジングの上部および底部に形成された一つ以上の開口部を備える。受容部の上部が一つ以上の開口部を備える場合、カートリッジの上部にある少なくとも一部の開口部は、受容部の上部にある開口部と整列してもよい。カートリッジは、カートリッジが受容部の中に挿入されている時に、受容部の相補的な整列特徴部と嵌合してカートリッジの開口部を受容部の開口部と整列させるように構成された整列特徴部を備えてもよい。カートリッジのハウジングの開口部は、カートリッジ中に貯蔵されたエアロゾル発生基体がカートリッジから漏れ出るのを防止するために、貯蔵中に覆われてもよい。加えて、または別の方法として、ハウジングの開口部は、エアロゾル発生基体がカートリッジから出るのを防止または抑止するのに十分に小さい寸法を有してもよい。開口部が覆われている場合、消費者はカートリッジを受容部の中に挿入する前にカバーを取り外してもよい。一部の実施例において、受容部はカートリッジを穿孔してカートリッジに開口部を形成するように構成されている。受容部は、カートリッジの上部を穿孔するように構成されていることが好ましい。
【0051】
カートリッジは、任意の適切な形状であってもよい。カートリッジは、円錐台形状を有することが好ましい。
【0052】
任意の適切なエアロゾル形成基体は、本発明のシーシャ装置で使用するカートリッジの中に定置されてもよい。エアロゾル形成基体は、エアロゾルを形成しうる揮発性化合物を放出する能力を有する基体であることが好ましい。揮発性化合物はエアロゾル形成基体を加熱することによって放出されてもよい。エアロゾル形成基体は固体もしくは液体であってもよく、または固体構成要素と液体構成要素の両方を含んでもよい。エアロゾル形成基体は固体であることが好ましい。
【0053】
エアロゾル形成基体はニコチンを含んでもよい。ニコチン含有エアロゾル形成基体はニコチン塩マトリクスを含んでもよい。エアロゾル形成基体は植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体はたばこを含んでもよく、またたばこ含有材料は、加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有することが好ましい。
【0054】
エアロゾル形成基体は均質化したたばこ材料を含んでもよい。均質化したたばこ材料は、粒子状たばこを凝集することによって形成されてもよい。存在する場合、均質化したたばこ材料は、乾燥重量基準で5%以上のエアロゾル形成体含有量を有してもよく、また乾燥重量基準で30重量%超との間であることが好ましい。エアロゾル形成体の含有量は、乾燥重量基準で約95%未満であってもよい。
【0055】
エアロゾル形成基体は別の方法として、または追加的に、非たばこ含有材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は均質化した植物系材料を含んでもよい。
【0056】
エアロゾル形成基体は、例えば薬草の葉、たばこ葉、たばこの茎の破片、再構成たばこ、均質化したたばこ、押出成形たばこ、膨化たばこのうちの一つ以上を含有する、粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片、またはシートのうち一つ以上を含んでもよい。
【0057】
エアロゾル形成基体は少なくとも一つのエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成体は、使用時に高密度でかつ安定したエアロゾルの形成を容易にする、またエアロゾル発生装置の動作温度にて熱分解に対して実質的に耐性のある任意の適切な周知の化合物または化合物の混合物であってもよい。適切なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、これには多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。特に好ましいエアロゾル形成体は、多価アルコールまたはその混合物(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、最も好ましくはグリセリンなど)である。エアロゾル形成基体は、他の添加物および成分(風味剤など)を含んでもよい。エアロゾル形成基体はニコチンおよび少なくとも一つのエアロゾル形成体を含むことが好ましい。特に好ましい実施形態において、エアロゾル形成体はグリセリンである。
【0058】
固体エアロゾル形成基体は、熱的に安定な担体上に提供されてもよく、またはその中に包埋されてもよい。担体は、第一の主表面、第二の主外表面、または第一の主表面と第二の主表面の両方の上に固体基体が堆積された薄層を備えてもよい。担体は、例えば紙、または紙様の材料、不織布炭素繊維マット、低質量の目の粗いメッシュ金属スクリーン、または穿孔された金属箔または任意の他の熱的に安定した高分子マトリクスで形成されてもよい。別の方法として、担体は粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片またはシートなどの形態を取ってもよい。担体は、たばこ構成成分が中に組み込まれた不織布または繊維束であってもよい。不織布または繊維束は、例えば炭素繊維、天然セルロース繊維、またはセルロース派生繊維を含んでもよい。
【0059】
一部の実施例において、エアロゾル形成基体は懸濁液の形態である。例えば、エアロゾル発生基体は糖蜜を含んでもよい。本明細書で使用される「糖蜜」とは、約20%以上の糖を含むエアロゾル形成基体組成物を意味する。例えば、糖蜜は、少なくとも約35重量%の糖など、少なくとも約25重量%の糖を含んでもよい。典型的に、糖蜜は、約50重量%未満の糖など、約60重量%未満の糖を含有する。
【0060】
従来のシーシャ装置で使用するエアロゾル形成基体は糖蜜の形態であり、これは不均質であり、かつ塊および空洞を含みうる。こうした空洞は、基体と加熱された表面の間の直接的な熱的接触を防止して、熱伝導を特に非効率的にする。結果として、電子加熱式シーシャ装置は、例えばeリキッドまたは乾燥石を使用することによって、従来の糖蜜から逸脱する傾向がある。加熱された表面積と、本出願で説明されたカートリッジの空洞の容積との比に起因して、電気加熱を使用する一方で典型的な決まったやり方およびシーシャ体験を維持するために、より従来的なエアロゾル形成基体糖蜜を使用してもよい。
【0061】
任意の適切な量の糖蜜が空洞の中に配置されてもよい。一部の好ましい実施形態において、約3g~約25gの糖蜜が空洞の中に配置されている。約7g~約13gの糖蜜が空洞の中に配置されていることが好ましい。約10gの糖蜜が空洞の中に配置されていることがより好ましい。
【0062】
カートリッジに入る空気は、エアロゾル形成基体を横切って流れ、エアロゾルを同伴し、かつ受容部出口を経由してカートリッジおよび受容部を出る。シーシャ装置において、受容部出口からの空気およびエアロゾルは、ベッセルに入ってもよい。
【0063】
シーシャ装置は、液体を含有するように構成された内部容積を画定する、かつ液体充填レベルより上の上部空間に出口を画定する任意の適切なベッセルを備えてもよい。ベッセルは、ベッセルの中に包含された内容物を消費者が観察することを可能にするために、光学的に透明または不透明なハウジングを備えてもよい。ベッセルは、液体充填ラインなどの液体充填境界を備えてもよい。ベッセルハウジングは任意の適切な材料で形成されてもよい。例えば、ベッセルハウジングは、ガラスまたは適切な剛直なプラスチック材料を含んでもよい。ベッセルは、消費者がベッセルを充填または清掃することを可能にするために、エアロゾル発生要素を備えるシーシャ装置の一部分から取り外し可能であることが好ましい。
【0064】
ベッセルは、消費者によって液体充填レベルまで充填されてもよい。液体は水を含むことが好ましく、これには一つ以上の着色剤、または風味剤、または着色剤と風味剤が随意に注入されてもよい。例えば、水には、植物または薬草の浸出液のうちの一方または両方が注入されてもよい。
【0065】
受容部の出口を出る空気中に同伴されたエアロゾルは、ベッセルの中に位置付けられた導管を通って移動してもよい。導管は受容部出口に連結されてもよく、またベッセルの液体充填レベルより下に開口部を有してもよく、これによってベッセルを通って流れるエアロゾルは、導管の開口部を通り、その後液体を通り、ベッセルの上部空間の中に流れ、そして消費者への送達のために上部空間出口を出る。
【0066】
上部空間出口は、エアロゾルを消費者に送達するためのマウスピースを備えるホースに連結されていてもよい。マウスピースは、ユーザーによって、またはシーシャ装置の制御電子機器に動作可能に連結された吸煙センサーによって起動可能なスイッチを備えてもよい。スイッチまたは吸煙センサーは、制御電子機器に無線で連結されていることが好ましい。エネルギーを発熱体に絶えず供給するのではなく、スイッチまたは吸煙センサーの起動は、制御電子機器に発熱体を起動させてもよい。その結果、スイッチまたは吸煙センサーの使用は、こうした要素を用いていない装置と比較してエネルギーを節約する役目を果たし、絶え間ない加熱ではなく要求に応じた加熱を提供する場合がある。
【0067】
例示の目的のために、本明細書に記載の通りのシーシャ装置を使用する一つの方法が下記に、時系列で提供されている。ベッセルは、シーシャ装置の他の構成要素から取り外されて、水で充填されてもよい。天然果汁、植物浸出液、および薬草浸出液のうちの一つ以上が、風味付けのために水に添加されてもよい。添加される液体の量は、導管の一部分を覆うべきであるが、ベッセル上に随意に存在する場合がある充填レベルのマークを越えてはならない。次いで、ベッセルは、シーシャ装置に再び組み付けられる。受容部の一部分は、カートリッジが受容部の中に挿入されることを可能にするように取り外されてもよく、または開放されてもよい。次に、受容部は再組み立てされる、または閉じられる。その後、装置はオンにされてもよい。所望の量のエアロゾルが生成されて、エアロゾルチャンバー(カバーの内部容積によって画定されたチャンバー)を充填するまで、ユーザーはマウスピースから吸煙してもよい。ユーザーは望む通りにマウスピースを吸煙してもよい。ユーザーは、エアロゾルチャンバーの中のエアロゾルが見えなくなるまで、装置を使い続けてもよい。カートリッジの使用可能なエアロゾル発生基体が枯渇した時に、装置は自動的に停止することが好ましい。別の方法として、または追加的に、消費者は、例えば消耗品が枯渇した、またはほとんど枯渇したという合図を装置から受けた後、装置を未使用のカートリッジで再充填してもよい。未使用のカートリッジで再充填された場合、装置を引き続き使用してもよい。シーシャ装置は、例えば装置のスイッチをオフにすることによって、消費者によっていつでもオフにしうることが好ましい。
【0068】
一部の実施例において、ユーザーは、例えばマウスピース上の起動要素を使用することによって一つ以上の発熱体を起動してもよい。起動要素は、例えば制御電子機器と無線通信してもよく、また制御電子機器に信号を送って、発熱体をスタンバイモードから最大加熱に起動してもよい。こうした手動起動は、カートリッジ中のエアロゾル発生基体の過熱または不要な加熱を防止するために、ユーザーがマウスピースを吸煙する間のみ有効であることが好ましい。
【0069】
一部の実施例において、マウスピースは、制御電子機器と無線通信する吸煙センサーを含み、また消費者によるマウスピースの吸煙は、スタンバイモードから最大加熱への発熱体の起動を生じさせる。
【0070】
本明細書に記載のシーシャ装置は、任意の適切な空気管理を有してもよい。一実施例において、ユーザーからの吸煙動作は、吸込み効果を作り出して装置の内側に低圧を生じさせ、これが外部の空気を装置の空気吸込み口(貯蔵部入口、または空気吸込み口チャネルの入口など)を通って流れさせることになる。次に、空気は貯蔵部の中に、または外気吸込み口チャネルの中に流れ、そして受容部の中に流れてもよい。次に、空気は受容部の中のカートリッジに流れ通って、カートリッジ中のエアロゾル形成基体から生成されたエアロゾルを搬送してもよい。次に、同伴されたエアロゾルを含む空気は、受容部の出口を出て、導管を通ってベッセルの内側の液体に流れる。次に、エアロゾルは、泡になって液体から出て、ベッセルの中の液体のレベルより上の上部空間の中に入り、上部空間出口を出て、そして消費者への送達のためにホースおよびマウスピースを通る。外部の空気の流れ、およびシーシャ装置の内側のエアロゾルの流れは、ユーザーからの吸煙動作によって駆動される場合がある。
【0071】
シーシャ装置のすべての主要部品の組立品は、装置の密封機能を確実にすることが好ましい。密封機能は、適正な気流の管理が行われることを確実にするべきである。密封機能は、任意の適切な方法で達成されてもよい。例えば、シールリングおよびシールワッシャーなどのシールが、密封シールを確保するため使用されてもよい。
【0072】
シールリングおよびシールワッシャーまたは他のシール要素は、任意の適切な材料(複数可)で作製されてもよい。例えば、シールは、グラフェン化合物およびシリコン化合物のうちの一つ以上を含んでもよい。材料は、米国食品医薬品局によって、ヒトにおける使用が認可されていることが好ましい。
【0073】
受容部からの導管などの主要部品、受容部のカバーハウジング、およびベッセルは、任意の適切な材料(複数可)から作製されてもよい。例えば、これらの部品は別々に、ガラス、ガラス系化合物、ポリスルホン(PSU)、ポリエーテルスルホン(PES)、またはポリフェニルスルホン(PPSU)から作製されてもよい。部品は、標準的な食器洗い機での使用に適切な材料で形成されていることが好ましい。
【0074】
一部の実施例において、本発明のマウスピースは、ホースユニットに接続するためのクイックカップリングのオス/メスの特徴を組み込む。
【0075】
ここで本開示に記載の一つ以上の態様を描写する図面を参照する。しかしながら、当然のことながら図面に描写されていない他の態様も、本開示の範囲および趣旨に収まる。図中で使用されている類似の番号は、類似の構成要素、工程、およびこれに類するものを指す。しかしながら、当然のことながら、所与の図において一つの構成要素を指すために一つの番号を使用することは、別の図において同一の番号が付けられた構成要素を制限することを意図しない。加えて、異なる図において構成要素を指すための異なる番号の使用は、異なる番号付きの構成要素が他の番号付きの構成要素と同一または同様であることはできないと示すことを意図しない。図は例示の目的で提示されていて、制限の目的で提示されていない。図中に提示された概略図は、必ずしも実寸に比例していない。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【
図1】
図1は、シーシャ装置の一実施形態の概略断面図である。
【
図2A】
図2Aは、加熱組立品の部分およびエアロゾル形成基体を含有する関連するカートリッジの一実施形態の概略断面図である。
【
図2C】
図2Cは、組立品および関連するカートリッジを通る気流を示す、
図2Aに描写された加熱組立品の部分の実施形態の概略断面図である。
【
図3A】
図3Aは、加熱組立品の部分およびエアロゾル形成基体を含有する関連するカートリッジの一実施形態の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0077】
ここで
図1を参照すると、シーシャ装置100の実施例の概略断面図が示されている。装置100は、液体19を収容するように構成された内部容積を画定する、および液体19のための充填レベルより上の上部空間出口15を画定するベッセル17を含む。液体19は水を含むことが好ましく、これには一つ以上の着色剤、または一つ以上の風味剤、または一つ以上の着色剤と一つ以上の風味剤が随意に注入されていてもよい。例えば、水には、植物の浸出液または薬草の浸出液のうちの一方または両方が注入されていてもよい。
【0078】
装置100はまた、ヒーター組立品130も含む。ヒーター組立品130は、エアロゾル形成基体を含有するカートリッジ150を受容するように構成された受容部140を画定するヒーター160を含む。ヒーター組立品130は、ハウジング135の入口137を通して外気を装置100の中に引き出す空気吸込み口チャネル170を含む。空気吸込み口チャネル170の少なくとも一部分は、ヒーター160によって、またはヒーター160に近接して形成されていて、これによってチャネル170中の空気は受容部入口143を通して受容部140に入る前に加熱される。次に、予熱された空気はカートリッジ150に入り、これはまたヒーター160によって加熱され、容器150中のエアロゾル形成基体によって発生したエアロゾルを搬送する。空気は受容部出口147を出る。
【0079】
導管190は、空気およびエアロゾルを受容部出口147からベッセル17の中に液体19のレベルより下に搬送する。空気およびエアロゾルは液体19を通して泡になり、ベッセル17の上部空間の出口15を出てもよい。エアロゾルをユーザーの口に搬送するために、ホース20を上部空間出口15に取り付けてもよい。マウスピース25はホース20に取り付けられてもよく、またはホース20の一部を形成してもよい。
【0080】
使用時における装置の気流経路は、
図1に太い矢印で描写されている。
【0081】
マウスピース25は起動要素27を含んでもよい。起動要素27は、スイッチ、ボタン、もしくはこれに類するものであってもよく、または吸煙センサー、もしくはこれに類するものであってもよい。起動要素27は、装置100の任意の他の適切な場所に定置されてもよい。起動要素27は、制御電子機器30と無線通信して、例えば電源35に発熱体140を給電させることによって、装置100を使用状態にするか、または制御電子機器にヒーター160を起動させてもよい。
【0082】
制御電子機器30および電源35は、
図1に描写されている通りのヒーター組立品130の底部分以外の装置100の任意の適切な位置に位置してもよい。
【0083】
図2A~
図2Cは、加熱組立品と、少なくとも部分的にヒーター160によって画定された受容部140の中に配置された関連するカートリッジ150との一部分の概略図を示す。スリーブ270はヒーター160の周りに配置されている。スリーブ270は、空気吸込み口チャネル170の曲がりくねった経路を画定する本体を有する。描写された実施形態において、空気吸込み口チャネル170の曲がりくねった経路は、らせん状である(気流を示す
図2Cを参照のこと)。チャネル170中の空気は、受容部入口177として機能しうるチャネル出口を出る前に、ヒーター160によって加熱されてもよく、このチャネル出口から、予熱された空気が受容部入口(図示せず)に入り、エアロゾル形成基体を含有するカートリッジ150に入ってもよい。
【0084】
スリーブ270は、空隙171を形成するようにヒーター160の外部表面から約1mm~2mm離れて位置付けられているが、ヒーター160と接触してもよい。スリーブによって画定された気流チャネル170の直径または幅は、約5mmである。スリーブ270によって画定された曲がりくねった経路の長さは、回転の数に応じて約50cm~約60cmである。スリーブ270の内径は約35mmである。スリーブ270の幅は約10mmである。ヒーター160の長さは約40mmである。
【0085】
加熱組立品は、貯蔵部200を介して空気吸込み口チャネル170と連通している入口137を有するハウジング135を有する。貯蔵部200は、ハウジング135とスリーブ270の間に形成されている。スリーブ270は熱伝導性である。スリーブ270が熱伝導性であるので、貯蔵部200中の空気は加熱される場合がある。貯蔵部200の容積は、シーシャ装置の予想される吸煙の容積である。描写された実施形態において、貯蔵部200の容積は530mlである。
【0086】
図3A~
図3Bは、加熱組立品と、少なくとも部分的にヒーター160によって画定された受容部140の中に配置された関連するカートリッジ150との一部分の概略図を示す。スリーブ270はヒーター160の周りに配置されている。スリーブ270は、空気吸込み口チャネル170の曲がりくねった経路を画定する本体を有する。描写された実施形態において、空気吸込み口チャネル170の曲がりくねった経路は蛇行している。チャネル170中の空気は、チャネル出口177を出る前に、ヒーター160によって加熱されてもよく、このチャネル出口から、予熱された空気が受容部入口(図示せず)に入り、エアロゾル形成基体を含有するカートリッジ150に入ってもよい。
【0087】
スリーブ270は、空隙171を形成するようにヒーター160の外部表面から約1mm~2mm離れて位置付けられているが、ヒーター160と接触してもよい。スリーブによって画定された気流チャネル170の直径または幅は、約5mmである。スリーブ270によって画定された曲がりくねった経路の長さは、巻数に応じて約10cm~約40cmである。スリーブ270の内径は約35mmである。スリーブ270の幅は約10mmである。ヒーター160の長さは約40mmである。
【0088】
加熱組立品は、貯蔵部200を介して空気吸込み口チャネル170と連通する入口を有するハウジング135を有する。貯蔵部200は、ハウジング135とスリーブ270の間に形成されている。スリーブ270は熱伝導性である。スリーブ270が熱伝導性であるので、貯蔵部200中の空気は加熱される場合がある。貯蔵部200の容積は、シーシャ装置の予想される吸煙の容積である。描写された実施形態において、貯蔵部200の容積は530mlである。
【0089】
本発明の一態様に関する上述の特徴は、本発明の別の態様にも適用されてもよい。
【0090】
本明細書で使用されるすべての科学用語および工業技術用語は、別途指定のない限り、当該技術分野で一般的に使用されている意味を有する。本明細書で提供されている定義は、本明細書で頻繁に使用される特定の用語の理解を容易にするためのものである。
【0091】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される単数形「一つの(a)」、「一つの(an)」、および「その(the)」は、複数形の対象を有する実施形態を包含するが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。
【0092】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される「または」という用語は概して、「および/または」を含む意味で用いられるが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。
【0093】
本明細書で使用される「有する(have)」、「有している(having)」、「含む(include)」、「含む(including)」、「備える(comprise)」、「備える(comprising)」、またはこれに類するものは、その制約のない意味で使用され、概して「含むが、これに限定されない」を意味する。当然のことながら、「から本質的に成る(consisting essentially of)」、「から成る(consisting of)」、およびこれに類するものは、「備える(comprising)」およびこれに類するものに包摂される。
【0094】
「好ましい」および「好ましくは」という語は特定の状況下で、特定の利点をもたらす場合がある本発明の実施形態を指す。しかしながら、同一の状況下または他の状況下で、他の実施形態もまた好ましいものである場合がある。その上、一つ以上の好ましい実施形態の列挙は、他の実施形態が有用ではないことを暗示するものではなく、また特許請求の範囲を含む本開示の範囲から他の実施形態を除外することを意図しない。
【0095】
「上」、「下」、「左」、「右」、「上方」、「下方」および他の方向または向きなど、本明細書で言及される任意の方向は、明瞭化および簡潔性のために本明細書に記載され、実際の装置またはシステムを限定する意図はない。本明細書に記載の装置およびシステムは、数多くの方向および向きで使用されてもよい。
【0096】
上記に例示された実施形態は限定するものではない。上述の実施形態と一貫性のある他の実施形態が、当業者に明らかであろう。