(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】抗CD37抗体および抗CD20抗体、組成物、ならびにそれらの使用方法
(51)【国際特許分類】
A61K 39/395 20060101AFI20240702BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240702BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20240702BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240702BHJP
A61K 31/704 20060101ALI20240702BHJP
A61K 33/24 20190101ALI20240702BHJP
A61K 38/02 20060101ALI20240702BHJP
A61K 31/17 20060101ALI20240702BHJP
A61K 31/675 20060101ALI20240702BHJP
A61K 31/196 20060101ALI20240702BHJP
A61K 31/4184 20060101ALI20240702BHJP
A61K 31/475 20060101ALI20240702BHJP
A61K 31/7076 20060101ALI20240702BHJP
A61K 31/519 20060101ALI20240702BHJP
A61K 31/496 20060101ALI20240702BHJP
C07K 16/28 20060101ALI20240702BHJP
C12P 21/08 20060101ALN20240702BHJP
C12N 15/13 20060101ALN20240702BHJP
C07H 15/252 20060101ALN20240702BHJP
C07D 235/16 20060101ALN20240702BHJP
C07D 519/04 20060101ALN20240702BHJP
C07D 487/04 20060101ALN20240702BHJP
C07D 471/04 20060101ALN20240702BHJP
【FI】
A61K39/395 D
A61K39/395 N
A61P35/00
A61P35/02
A61P43/00 121
A61P43/00 105
A61K31/704
A61K33/24
A61K38/02
A61K31/17
A61K31/675
A61K31/196
A61K31/4184
A61K31/475
A61K31/7076
A61K31/519
A61K31/496
C07K16/28 ZNA
C12P21/08
C12N15/13
C07H15/252
C07D235/16
C07D519/04
C07D487/04 143
C07D471/04 104Z
(21)【出願番号】P 2020571532
(86)(22)【出願日】2019-06-24
(86)【国際出願番号】 EP2019066700
(87)【国際公開番号】W WO2019243636
(87)【国際公開日】2019-12-26
【審査請求日】2022-06-23
(32)【優先日】2018-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519349403
【氏名又は名称】ジェンマブ ホールディング ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】オースティンディー シモーヌ
(72)【発明者】
【氏名】ビュールスケンズ フランク
(72)【発明者】
【氏名】テイラー ロナルド
(72)【発明者】
【氏名】リンドルファー マーガレット
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン デル ホースト ヒルマ
(72)【発明者】
【氏名】シャムロー マルティネ イー.ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ムティス トゥナ
(72)【発明者】
【氏名】パレン ポール
(72)【発明者】
【氏名】ブレイジ エスター
【審査官】辰己 雅夫
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/116729(WO,A2)
【文献】特表2014-520788(JP,A)
【文献】特表2016-509476(JP,A)
【文献】Neoplasia,2017年,Vol.19 No.9,p.661-671
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K39/00-39/44
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトCD20に結合することができる第2の抗原結合領域とヒトIgGの第2のFc領域とを含む第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域とヒトIgGの第1のFc領域とを含む第1の抗体を含む組成物であって、
該第1の抗原結合領域がVHおよびVLを含み、該VHがHCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含み、該VLがLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含み、これらのCDR配列が、それぞれ、SEQ ID No:8、9、10、12、VAT、およびSEQ ID No:13に示され、
該第2の抗原結合領域がVHおよびVLを含み、該VHがHCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含み、該VLがLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含み、これらのCDR配列が、それぞれ、SEQ ID No:60、61、62、64、DAS、およびSEQ ID No:65に示され、
該第1のFc領域および
該第2のFc領域が各々、EUナンバリングシステムを使用した場合のヒトIgG1のE43
0に相当する位置に
、E430G置換を含
む、組成物。
【請求項2】
第1のFc領域がK439E置換をさらに含み、第2のFc領域がS440K置換をさらに含
む、
請求項1記載の組成物。
【請求項3】
第1のFc領域がS440K置換をさらに含み、第2のFc領域がK439E置換をさらに含
む、請求項
1記載の組成物。
【請求項4】
第1および第2の抗体を含む組成物であって、第1の抗体が、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域とヒトIgGの第1のFc領域とを含み、第2の抗体が、ヒトCD20に結合することができる第2の抗原結合領域とヒトIgGの第2のFc領域とを含み、
該第1の抗原結合領域がVHおよびVLを含み、該VHがHCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含み、該VLがLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含み、これらのCDR配列が、それぞれ、SEQ ID No:8、9、10、12、VAT、およびSEQ ID No:13に示され、
該第2の抗原結合領域がVHおよびVLを含み、該VHがHCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含み、該VLがLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含み、これらのCDR配列が、それぞれ、SEQ ID No:60、61、62、64、DAS、およびSEQ ID No:65に示され、
該第1のFc領域および
該第2のFc領域が、EUナンバリングシステムを使用した場合のヒトIgG1のE43
0に相当する位置に
、E430G置換を含
む、組成物。
【請求項5】
第1のFc領域がK439E置換をさらに含み、第2のFc領域がS440K置換をさらに含
む、請求項
4記載の組成物。
【請求項6】
第1のFc領域がS440K置換をさらに含み、第2のFc領域がK439E置換をさらに含
む、請求項
4記載の組成物。
【請求項7】
第2の抗原結合領域が、それぞれSEQ ID No 5および6に示される配列を有するヒトCD20およびカニクイザルCD20に結合する、請求項1~
6のいずれか一項記載の組成物。
【請求項8】
ヒトCD37に結合する第1の抗原結合領域が
、それぞれ、VH SEQ ID No
: 7およびVL SEQ ID No
: 11[37.3]
のVHおよびVL配列を含み、
かつヒトCD20に結合する第2の抗原結合領域が
、VH SEQ ID No:59およびVL SEQ ID No:63[7D8]
のVHおよびVL配列を含む、請求項
1~
7のいずれか一項記載の組成物。
【請求項9】
第1および/または第2の抗体が、ヒト抗体、ヒト化抗体、またはキメラ抗体である、請求項1~
8のいずれか一項記載の組成物。
【請求項10】
第1の抗体がヒト化抗体であり、第2の抗体がヒト抗体である、請求項1~
9のいずれか一項記載の組成物。
【請求項11】
第1および/または第2の抗体がモノクローナル抗体である、請求項1~
10のいずれか一項記載の組成物。
【請求項12】
第1および/または第2の抗体が、ヒトIgG1アイソタイプ、ヒトIgG2アイソタイプ、ヒトIgG3アイソタイプ、またはヒトIgG4アイソタイプである、請求項1~
11のいずれか一項記載の組成物。
【請求項13】
第1および/または第2の抗体がIgG1アイソタイプである、請求項1~
12のいずれか一項記載の組成物。
【請求項14】
第1および/または第2の抗体が、IgG1m(f)アロタイプ、IgG1m(a)アロタイプ、IgG1m(z)アロタイプ、IgG1m(x)アロタイプ、または混合アロタイプである、請求項1~
13のいずれか一項記載の組成物。
【請求項15】
第1の抗体および第2の抗体が、組成物中、1:1のモル比で存在する、請求項
1~
14のいずれか一項記載の組成物。
【請求項16】
薬学的担体または賦形剤をさらに含む、請求項1~
15のいずれか一項記載の組成物。
【請求項17】
薬学的組成物である、請求項1~
16のいずれか一項記載の組成物。
【請求項18】
医薬として使用するための、請求項1~
17のいずれか一項記載の組成物。
【請求項19】
固形腫瘍および/または血液腫瘍の処置において使用するための、請求項1~
18のいずれか一項記載の組成物。
【請求項20】
血液腫瘍、例えば、慢性リンパ球性白血病ならびに急性骨髄性白血病および慢性骨髄性白血病を含む骨髄性白血病を含む白血病、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、または多発性骨髄腫、ホジキンリンパ腫、または骨髄異形成症候群の処置において使用するための、請求項1~
19のいずれか一項記載の組成物。
【請求項21】
医薬を製造するための、請求項1~
17のいずれか一項記載の組成物の使用。
【請求項22】
固形腫瘍および/または血液腫瘍を処置するための医薬を製造するための、請求項
21記載の使用。
【請求項23】
さらなる治療剤との組み合わせた、請求項
21~
22のいずれか一項記載の使用。
【請求項24】
さらなる治療剤が、ドキソルビシン、シスプラチン、ブレオマイシン、カルムスチン、シクロホスファミド、クロラムブシル、ベンダムスチン、ビンクリスチン、フルダラビン、およびイブルチニブ、およびベネトクラクスからなる群より選択される、請求項
23記載の使用。
【請求項25】
請求項1~
17のいずれか一項記載の組成物を含む、それを必要とする個体において、CD37およびCD20を発現している腫瘍細胞の細胞死を誘導するかまたはその成長および/もしくは増殖を阻害するための薬学的組成物。
【請求項26】
有効量の請求項1~
17のいずれか一項記載の組成物を含む、固形腫瘍および/または血液腫瘍を有する個体を処置するための薬学的組成物。
【請求項27】
さらなる治療剤を含む、請求項
25~
26のいずれか一項記載の薬学的組成物。
【請求項28】
さらなる治療剤が、ドキソルビシン、シスプラチン、ブレオマイシン、カルムスチン、シクロホスファミド、クロラムブシル、ベンダムスチン、ビンクリスチン、フルダラビン、イブルチニブ、およびベネトクラクスからなる群より選択される、請求項
27記載の薬学的組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、ヒトIgGのFc領域にFc-Fc相互作用増強置換を有する抗CD20抗体と組み合わせて医薬として使用するための、ヒトIgGのFc領域にFc-Fc相互作用増強置換を有する抗CD37抗体に関する。本発明は、Fc-Fc相互作用増強置換を有する抗CD37抗体およびFc-Fc相互作用増強置換を有する抗CD20抗体の新規組成物にも関する。具体的には、本発明は、抗CD37抗体がヒトCD37に結合し、抗CD20抗体がヒトCD20に結合する組成物に関する。本発明は、薬学的組成物である組成物、ならびにがんおよびその他の疾患の処置におけるそのような組成物の使用にも関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
GP52-40、テトラスパニン26、またはTSPAN26としても公知の白血球抗原CD37(「CD37」)は、テトラスパニンスーパーファミリーの膜貫通タンパク質である(Maecker et al., FASEB J. 1997;11:428-442(非特許文献1))。正常な生理学において、CD37は、プレB細胞期から末梢成熟B細胞期のB細胞上に発現されるが、形質細胞には存在しないと報告されている(Link et al., J Pathol. 1987;152:12-21(非特許文献2))。CD37抗原は、T細胞、ならびに単球、マクロファージ、樹状細胞、および顆粒球のような骨髄系細胞においては、弱くしか発現されない(Schwartz-Albiez et al., J.Immunol 1988;140(3):905-914(非特許文献3))。CD37は、非ホジキンリンパ腫(NHL)および慢性リンパ性白血病(CLL)を含む、多様なB細胞白血病およびリンパ腫において、悪性細胞上に広く発現される(Moore et al.J Immunol. 1986;137(9):3013(非特許文献4))。
【0003】
抗体に基づくCD37を標的とするいくつかの薬剤が、B細胞悪性疾患およびその他の悪性疾患のための可能性のある治療薬として評価されている。これらには、例えば、ルテチウム(177Lu)リロトマブのようなラジオイムノコンジュゲート、IMGN529およびAGS-67Eのような抗体薬物コンジュゲート、ならびにオトレルツズマブ(otlertuzumab)およびBI 836826のような再編成型抗体またはFc改変型抗体が含まれる(Robak and Robak, Expert Opin Biol Ther 2014;14(5):651-61(非特許文献5))。抗CD37抗体は、前記フォーマットおよびその他のフォーマットで、治療剤として使用するため、提唱されている(例えば、WO 2012/135740(特許文献1)、WO 2012/007576(特許文献2)、WO 2011/112978(特許文献3)、WO 2009/126944(特許文献4)、WO 2011/112978(特許文献5)、およびEP 2 241 577(特許文献6)を参照すること)。
【0004】
ベタルチン(Betalutin)は、177-ルテチウムにコンジュゲートされたマウス抗CD37抗体、リロトマブ(旧HH1/テツロマブ(tetulomab))である。ベタルチンは、迅速に内部移行し、インビトロでB細胞成長を阻害し、i.v.Daudi-SCIDモデルにおいて生存を延長する(Dahle et al 2013, Anticancer Res 33:85-96(非特許文献6))。
【0005】
IMGN529は、SMCCリンカーを介してマイタンシノイドDM1にコンジュゲートされたK7153A抗体からなるADCである。K7153抗体は、架橋の非存在下で、CD37発現Ramos細胞においてアポトーシスを誘導することが報告されている。バーキットリンパ腫細胞株において、CDCおよびADCCも誘導したが、CDCを誘導する能力は、リツキシマブと比較してはるかに低かった(Deckert et al, Blood 2013;122(20):3500-10(非特許文献7))。K7153AのこれらのFcによって媒介されるエフェクター機能は、DM-1にコンジュゲートされた抗体において保持される。
【0006】
Agensysは、モノメチルアウリスタチンEにコンジュゲートされたヒト抗CD37 IgG2 mAb、AGS-67Eを開発中である。AGS67Eは、強力な細胞傷害およびアポトーシスを誘導する(Pereira et al, Mol Cancer Ther 2015;14(7):1650-1660(非特許文献8))。
【0007】
(最初はTRU-016として公知であった)オトレルツズマブは、SMIP(小モジュール免疫医薬(small modular immunopharmaceutical))である;SMIPSとは、1個の抗原結合VH/VLと接続ヒンジ領域とFc(結晶化可能断片)領域(CH2-CH3)とから構成された単鎖タンパク質の、ジスルフィドによって連結された二量体である。その作用機序は、アポトーシスおよびADCCの誘導であって、CDCではない(Zhao et al 2007, Blood 110(7), 2569-2577(非特許文献9))。
【0008】
mAb37.1/BI 836826は、FcγRIIIa(CD16a)との高親和性結合のために改変されたキメラ抗体である(Heider et al 2011, Blood 118:4159-4168(非特許文献10))。IgG Fc架橋と無関係のアポトーシス促進活性を有するが、アポトーシス促進活性は架橋によって増加する。CD37+B細胞株および初代CLL細胞の強力なADCCを示す。
【0009】
(ヒトBリンパ球制限分化抗原(B-lymphocyte-restricted differentiation antigen)またはBp35とも呼ばれる)CD20分子は、プレBリンパ球および成熟Bリンパ球に位置する、およそ35kDの分子量を有する疎水性膜貫通タンパク質である(Valentine et al.(1989)J.Biol.Chem.264(19):11282-11287(非特許文献11);およびEinfield et al., (1988)EMBO J.7(3):711-717(非特許文献12))。CD20は、末梢血またはリンパ器官に由来するB細胞の90%超の表面上に見出され、初期プレB細胞発達中に発現され、形質細胞分化まで残存する。CD20は、正常B細胞および悪性B細胞の両方に存在する。具体的には、CD20は、B細胞非ホジキンリンパ腫(NHL)の90%超において発現されるが(Anderson et al.(1984)Blood 63(6):1424-1433(非特許文献13))、造血幹細胞、プロB細胞、正常形質細胞、またはその他の正常組織には見出されない(Tedder et al.(1985)J.Immunol.135(2):973-979(非特許文献14))。
【0010】
CD20を標的とすることによってがんならびに自己免疫疾患および免疫疾患を処置する方法は、当技術分野において公知である。例えば、キメラCD20抗体リツキシマブは、非ホジキンリンパ腫(NHL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、および小リンパ球性リンパ腫(SLL)のようながんの処置において使用されているかまたは使用が提案されている。ヒトモノクローナルCD20抗体オファツムマブは、様々なCLL適応症、とりわけ、濾胞性リンパ腫(FL)、視神経脊髄炎(NMO)、びまん性硬化症、および再発寛解型多発性硬化症(RRMS)の処置において使用されているかまたは使用が提案されている。ヒトモノクローナルCD20抗体オビヌツズマブは、CLLの処置において使用されているかまたは使用が提案されている。さらに、ヒト化CD20抗体オクレリズマブ(ocrelizumab)は、RRMSのために開発中である。
【0011】
現在の抗CD37-ADC+抗CD20処置の短所は、単一抗体と比較して、エフェクター機序としての補体依存性細胞傷害(CDC)に関する利益を提供しないということである。従って、CDCによって腫瘍細胞を排除する、本明細書中に記載される、Fc-Fc相互作用増強アミノ酸置換を有する抗CD37抗体と、Fc-Fc相互作用増強アミノ酸置換を有するかまたは有しない抗CD20抗体との組み合わせを提供することが、本発明の目的である。本明細書中に記載される、Fc-Fc相互作用増強アミノ酸置換を有する抗CD37抗体と、Fc-Fc相互作用増強アミノ酸置換を有するかまたは有しない抗CD20抗体との組み合わせは、高度に効率的なCDC媒介性腫瘍細胞死滅を誘導した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】WO 2012/135740
【文献】WO 2012/007576
【文献】WO 2011/112978
【文献】WO 2009/126944
【文献】WO 2011/112978
【文献】EP 2 241 577
【非特許文献】
【0013】
【文献】Maecker et al., FASEB J. 1997;11:428-442
【文献】Link et al., J Pathol. 1987;152:12-21
【文献】Schwartz-Albiez et al., J.Immunol 1988;140(3):905-914
【文献】Moore et al.J Immunol. 1986;137(9):3013
【文献】Robak and Robak, Expert Opin Biol Ther 2014;14(5):651-61
【文献】Dahle et al 2013, Anticancer Res 33:85-96
【文献】Deckert et al, Blood 2013;122(20):3500-10
【文献】Pereira et al, Mol Cancer Ther 2015;14(7):1650-1660
【文献】Zhao et al 2007, Blood 110(7), 2569-2577
【文献】Heider et al 2011, Blood 118:4159-4168
【文献】Valentine et al.(1989)J.Biol.Chem.264(19):11282-11287
【文献】Einfield et al., (1988)EMBO J.7(3):711-717
【文献】Anderson et al.(1984)Blood 63(6):1424-1433
【文献】Tedder et al.(1985)J.Immunol.135(2):973-979
【発明の概要】
【0014】
本発明者らは、驚くべきことに、ヒトIgGのFc領域にFc-Fc相互作用増強置換を有する抗CD20抗体と組み合わせて医薬として使用するための、ヒトIgGのFc領域にFc-Fc相互作用増強置換を有する抗CD37抗体が、単独のFc-Fc相互作用増強置換を有する抗CD37抗体または単独のFc-Fc相互作用増強置換を有する抗CD20抗体のいずれかより、腫瘍細胞のような標的細胞におけるCDCの誘導において強力であることを見出した。本発明者らは、Fc-Fc相互作用増強置換を有する抗CD37抗体とFc-Fc相互作用増強置換を有する抗CD20抗体とを含む組成物が、単独のFc-Fc相互作用増強置換を有する抗CD37抗体または単独のFc-Fc相互作用増強置換を有する抗CD20抗体のいずれかより、腫瘍細胞のような標的細胞におけるCDCの誘導において強力であることをさらに見出した。
【0015】
本発明の一つの目的は、Fc-Fc相互作用増強置換を有する抗CD20抗体と組み合わせて医薬として使用するための、Fc-Fc相互作用増強置換を有する抗CD37抗体を提供することである。本発明の別の目的は、Fc-Fc相互作用増強置換を有する抗CD37抗体とFc-Fc相互作用増強置換を有する抗CD20抗体とを含む改善された組成物を提供することである。本発明のさらなる目的は、がんおよびその他の疾患の処置のためのそのような改善された組成物を提供することである。
【0016】
従って、本発明は、本明細書中に記載される、CDCを誘導する能力、膜結合型標的に結合したときのFc-Fc相互作用、CD37および/またはCD20を発現する細胞に対する細胞障害効果、ならびにその他の特性に関して有利な特性を有する、ヒトCD37およびヒトCD20に結合する抗体ならびに抗体の組成物に関する。
【0017】
従って、一つの局面において、本発明は、ヒトCD20に結合することができる第2の抗原結合領域とヒトIgGの第2のFc領域とを含む第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域とヒトIgGの第1のFc領域とを含む第1の抗体であって、第1のFc領域および第2のFc領域が各々、EUナンバリングシステムによるヒトIgG1のE430、E345、またはS440に相当する位置におけるアミノ酸置換を含み、ただし、S440における置換はS440YまたはS440Wである、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体に関する。
【0018】
別の局面において、本発明は、第1および第2の抗体を含む組成物であって、第1の抗体が、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域とヒトIgGの第1のFc領域とを含み、第2の抗体が、ヒトCD20に結合することができる第2の抗原結合領域とヒトIgGの第2のFc領域とを含み、第1および第2のFc領域が各々、EUナンバリングシステムによるヒトIgG1のE430、E345、またはS440に相当する位置におけるアミノ酸置換を含み、ただし、S440における置換はS440YまたはS440Wである、組成物に関する。
【0019】
本発明の一つの態様において、第1および第2のFc領域は各々、E430GおよびE345Kからなる群より選択される置換、好ましくは、E430Gを含む。
【0020】
本発明の一つの態様において、組成物は、E430GおよびE345Kからなる群より選択される置換、好ましくは、E430Gを各々含む第1および第2のFc領域を含む。
【0021】
別の局面において、本発明は、医薬を製造するための、本発明の第1および第2の抗体または組成物の使用に関する。
【0022】
具体的な局面において、本発明は、がんまたは自己免疫疾患または炎症性障害の処置において使用するための、具体的には、B細胞悪性疾患の処置において使用するための、第1および第2の抗体または組成物の使用に関する。
【0023】
さらなる局面において、本発明は、固形腫瘍および/または血液腫瘍を処置するための医薬を製造するための、第1および第2の抗体または組成物の使用に関する。
【0024】
別の局面において、本発明は、本発明による第1および第2の抗体または組成物を、それを必要とする個体へ投与する工程を含む、CD37およびCD20を発現する腫瘍の細胞死を誘導しかつ/またはその成長および/もしくは増殖を阻害する方法に関する。
【0025】
さらに別の局面において、本発明は、本発明による第1および第2の抗体または組成物を、有効量、個体へ投与する工程を含む、固形腫瘍および/または血液腫瘍を有する個体を処置する方法に関する。
[本発明1001]
ヒトCD20に結合することができる第2の抗原結合領域とヒトIgGの第2のFc領域とを含む第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域とヒトIgGの第1のFc領域とを含む第1の抗体であって、第1のFc領域および第2のFc領域が各々、EUナンバリングシステムを使用した場合のヒトIgG1のE430、E345、またはS440に相当する位置におけるアミノ酸の置換を含み、ただし、S440における置換はS440YまたはS440Wである、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体。
[本発明1002]
第1および第2のFc領域が、E430G、E345K、E430S、E430F、E430T、E345Q、E345R、E345Y、S440Y、およびS440Wからなる群より選択される置換を含む、本発明1001の、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体。
[本発明1003]
第1および第2のFc領域が、E430GおよびE345Kからなる群より選択される置換、好ましくはE430Gを含む、本発明1001の、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体。
[本発明1004]
第1および第2のFc領域がE430G置換を含む、本発明1001の、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体。
[本発明1005]
第1のFc領域がK439E置換をさらに含み、第2のFc領域がS440K置換をさらに含み、ただし、第2のFc領域はS440Y置換もS440W置換も含まない、前記本発明のいずれかの、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体。
[本発明1006]
第1のFc領域がS440K置換をさらに含み、第2のFc領域がK439E置換をさらに含み、ただし、第1のFc領域はS440Y置換もS440W置換も含まない、本発明1001~1004のいずれかの、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体。
[本発明1007]
第1の抗原結合領域が、SEQ ID No 1に示される配列を有するヒトCD37に結合する、前記本発明のいずれかの、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体。
[本発明1008]
第1の抗原結合領域が、SEQ ID No 2に示される配列を有するカニクイザル(マカカ・ファシキュラリス(Macaca fascicularis))CD37に結合する、前記本発明のいずれかの第1の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体。
[本発明1009]
第1および第2の抗体を含む組成物であって、第1の抗体が、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域とヒトIgGの第1のFc領域とを含み、第2の抗体が、ヒトCD20に結合することができる第2の抗原結合領域とヒトIgGの第2のFc領域とを含み、第1のFc領域および第2のFc領域が、EUナンバリングシステムを使用した場合のヒトIgG1のE430、E345、またはS440に相当する位置におけるアミノ酸の置換を含み、ただし、S440における置換はS440YまたはS440Wである、組成物。
[本発明1010]
第1および第2のFc領域が、E430G、E345K、E430S、E430F、E430T、E345Q、E345R、E345Y、S440Y、およびS440Wからなる群より選択される置換を含む、本発明1009の組成物。
[本発明1011]
第1および第2のFc領域が、E430GおよびE345Kからなる群より選択される置換、好ましくはE430Gを含む、本発明1009および1010のいずれかの組成物。
[本発明1012]
第1および第2のFc領域がE430G置換を含む、本発明1010~1011のいずれかの組成物。
[本発明1013]
第1のFc領域がK439E置換をさらに含み、第2のFc領域がS440K置換をさらに含み、ただし、第2のFc領域はS440Y置換もS440W置換も含まない、本発明1009~1012のいずれかの組成物。
[本発明1014]
第1のFc領域がS440K置換をさらに含み、第2のFc領域がK439E置換をさらに含み、ただし、第1のFc領域はS440Y置換もS440W置換も含まない、本発明1009~1012のいずれかの組成物。
[本発明1015]
第1の抗原結合領域が、SEQ ID No 1に示される配列を有するヒトCD37に結合する、本発明1009~1014のいずれかの組成物。
[本発明1016]
第1の抗原結合領域が、SEQ ID No 2に示される配列を有するカニクイザル(マカカ・ファシキュラリス)CD37に結合する、本発明1009~1015のいずれかの組成物。
[本発明1017]
第1の抗原結合領域が、SEQ ID No 1のアミノ酸Y182、D189、T191、I192、D194、K195、V196、I197、およびP199を含む機能的エピトープに結合する、本発明1009~1016のいずれかの組成物。
[本発明1018]
第1の抗原結合領域が、SEQ ID No 1のアミノ酸E124、F162、Q163、V164、L165、およびH175を含む機能的エピトープに結合する、本発明1009~1016のいずれかの組成物。
[本発明1019]
ヒトCD37に結合する第1の抗原結合領域が可変重鎖(VH)を含み、該VHが
(a) それぞれ、SEQ ID No:22、23、24[004]、
(b) それぞれ、SEQ ID No:29、30、31[005]、
(c) それぞれ、SEQ ID No:36、37、38[010]、
(d) それぞれ、SEQ ID No:43、44、45[016]、
(e) それぞれ、SEQ ID No:8、9、10[37.3]、および
(f) それぞれ、SEQ ID No:15、16、17
からなる群より選択されるHCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含む、本発明1009~1018のいずれかの組成物。
[本発明1020]
ヒトCD37に結合する第1の抗原結合領域が可変軽鎖(VL)を含み、該VLが
(a) それぞれ、SEQ ID No:26、EAS、SEQ ID No:27[004]、
(b) それぞれ、SEQ ID No:33、AAS、SEQ ID No:34[005]、
(c) それぞれ、SEQ ID No:40、KAS、SEQ ID No:41[010]、
(d) それぞれ、SEQ ID No:47、YAS、SEQ ID No:48[016]、
(e) それぞれ、SEQ ID No:47、YAS、SEQ ID No:58[016-C90S]、
(f) それぞれ、SEQ ID No:12、VAT、SEQ ID No:13[37.3]、および
(g) それぞれ、SEQ ID No:19、FAK、SEQ ID No:20
からなる群より選択されるLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含む、本発明1009~1019のいずれかの組成物。
[本発明1021]
ヒトCD37に結合する第1の抗原結合領域が
(a) それぞれ、SEQ ID No:22、23、24、および26、EAS、SEQ ID No:27[004]、
(b) それぞれ、SEQ ID No:29、30、31、および33、AAS、SEQ ID No:34[005]、
(c) それぞれ、SEQ ID No:36、37、38、および40、KAS、SEQ ID No:41[010]、
(d) それぞれ、SEQ ID No:43、44、45、および47、YAS、SEQ ID No:48[016]、
(e) それぞれ、SEQ ID No:43、44、45、および47、YAS、SEQ ID No:58[016-C90S]、
(f) それぞれ、SEQ ID No:8、9、10、および12、VAT、SEQ ID No:13[37.3]、ならびに
(g) それぞれ、SEQ ID No:15、16、17、および19、FAK、SEQ ID No:20
からなる群より選択される、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含むVH、ならびにLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含むVLを含む、本発明1009~1020のいずれかの組成物。
[本発明1022]
ヒトCD37に結合する第1の抗原結合領域が
(a) それぞれ、VH SEQ ID No:49およびVL SEQ ID No 50[004]、
(b) それぞれ、VH SEQ ID No 51およびVL SEQ ID No 52[005]、
(c) それぞれ、VH SEQ ID No 53およびVL SEQ ID No 54[010]、
(d) それぞれ、VH SEQ ID No 55およびVL SEQ ID No 56[016]、
(e) それぞれ、VH SEQ ID No 55およびVL SEQ ID No 57[016-C90S]、
(f) それぞれ、VH SEQ ID No 7およびVL SEQ ID No 11[37.3]、
(g) それぞれ、VH SEQ ID No 14およびVL SEQ ID No 18、ならびに
(h) (a)~(g)に示される配列のうちのいずれか1つとの少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するVHおよびVLの配列
からなる群より選択される配列を有するVHおよびVLを含む、本発明1009~1021のいずれかの組成物。
[本発明1023]
第2の抗原結合領域が、それぞれSEQ ID No 5および6に示される配列を有するヒトCD20およびカニクイザルCD20に結合する、本発明1001~1022のいずれかの組成物。
[本発明1024]
ヒトCD20に結合する第2の抗原結合領域がVHを含み、該VHが
(a) それぞれ、SEQ ID No:60、61、62[7D8]、
(b) それぞれ、SEQ ID No:67、68、69[118B]、
(c) それぞれ、SEQ ID No:73、74、62[オファツムマブ]、
(d) それぞれ、SEQ ID No:76、77、78[リツキシマブ]、および
(e) それぞれ、SEQ ID No:83、84、85[オビヌツズマブ]
からなる群より選択されるHCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含む、本発明1009~1023のいずれかの組成物。
[本発明1025]
ヒトCD20に結合する第2の抗原結合領域がVLを含み、該VLが
(a) それぞれ、SEQ ID No:64、DAS、SEQ ID No:65[7D8]/[オファツムマブ]、
(b) それぞれ、SEQ ID No:64、DAS、SEQ ID No:71[11B8]、
(c) それぞれ、SEQ ID No:80、ATS、SEQ ID No:81[リツキシマブ]、
(d) それぞれ、SEQ ID No:87、QMS、SEQ ID No:88[オビヌツズマブ]
からなる群より選択されるLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含む、本発明1009~1024のいずれかの組成物。
[本発明1026]
ヒトCD20に結合する第2の抗原結合領域がVHおよびVLを含み、該VHがHCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含み、該VLがLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含み、これらのCDR配列が
(a) それぞれ、SEQ ID No:60、61、62、および64、DAS、SEQ ID No:65[7D8]、
(b) それぞれ、SEQ ID No:67、68、69、および64、DAS、SEQ ID No:71[11B8]、
(c) それぞれ、SEQ ID No:73、74、62、および64、DAS、SEQ ID No:65[オファツムマブ]、
(d) それぞれ、SEQ ID No:76、77、78、および80、ATS、SEQ ID No:81[リツキシマブ]、ならびに
(e) それぞれ、SEQ ID No:83、84、85、および87、QMS、SEQ ID No:88
からなる群より選択される、本発明1009~1025のいずれかの組成物。
[本発明1027]
ヒトCD20に結合する第2の抗原結合領域が
(a) VH SEQ ID No:59およびVL SEQ ID No:63[7D8]、
(b) VH SEQ ID No:66およびVL SEQ ID No:70[11B8]、
(c) VH SEQ ID No:72およびVL SEQ ID No:63[オファツムマブ]、
(d) VH SEQ ID No:75およびVL SEQ ID No:79[リツキシマブ]、
(e) VH SEQ ID No:82およびVL SEQ ID No:86[オビヌツズマブ]、および
(f) (a)~(e)に示される配列のうちのいずれか1つとの少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するVHおよびVLの配列
からなる群より選択されるVHおよびVLを含む、本発明1009~1026のいずれかの組成物。
[本発明1028]
ヒトCD37に結合する第1の抗原結合領域がVHおよびVLを含み、該VHがHCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含み、該VLがLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含み、これらのCDR配列が
(a) それぞれ、SEQ ID No:22、23、24、および26、EAS、SEQ ID No:27[004]、
(b) それぞれ、SEQ ID No:29、30、31、および33、AAS、SEQ ID No:34[005]、
(c) それぞれ、SEQ ID No:36、37、38、および40、KAS、SEQ ID No:41[010]、
(d) それぞれ、SEQ ID No:43、44、45、および47、YAS、SEQ ID No:48[016]、
(e) それぞれ、SEQ ID No:43、44、45、および47、YAS、SEQ ID No:58[016-C90S]、
(f) それぞれ、SEQ ID No:8、9、10、および12、VAT、SEQ ID No:13[37.3]、ならびに
(g) それぞれ、SEQ ID No:15、16、17、および19、FAK、SEQ ID No:20[他の先行技術]
からなる群より選択され、
ヒトCD20に結合する第2の抗原結合領域がVHおよびVLを含み、該VHがHCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含み、該VLがLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含み、これらのCDR配列が
(h) それぞれ、SEQ ID No:60、61、62、および64、DAS、SEQ ID No:65[7D8]、
(i) それぞれ、SEQ ID No:67、68、69、および64、DAS、SEQ ID No:71[11B8]、
(j) それぞれ、SEQ ID No:73、74、62、および64、DAS、SEQ ID No:65[オファツムマブ]、
(k) それぞれ、SEQ ID No:76、77、78、および80、ATS、SEQ ID No:81[リツキシマブ]、ならびに
それぞれ、SEQ ID No:83、84、85、および87、QMS、SEQ ID No:88
からなる群より選択される、本発明1009~1027のいずれかの組成物。
[本発明1029]
ヒトCD37に結合する第1の抗原結合領域が
(a) それぞれ、VH SEQ ID No:49およびVL SEQ ID No 50[004]、
(b) それぞれ、VH SEQ ID No 51およびVL SEQ ID No 52[005]、
(c) それぞれ、VH SEQ ID No 53およびVL SEQ ID No 54[010]、
(d) それぞれ、VH SEQ ID No 55およびVL SEQ ID No 56[016]、
(e) それぞれ、VH SEQ ID No 55およびVL SEQ ID No 57[016-C90S]、
(f) それぞれ、VH SEQ ID No 7およびVL SEQ ID No 11[37.3]、
(g) それぞれ、VH SEQ ID No 14およびVL SEQ ID No 18
からなる群より選択されるVHおよびVLの配列を含み、
ヒトCD20に結合する第2の抗原結合領域が
(h) VH SEQ ID No:59およびVL SEQ ID No:63[7D8]、
(i) VH SEQ ID No:66およびVL SEQ ID No:70[11B8]、
(j) VH SEQ ID No:72およびVL SEQ ID No:63[オファツムマブ]
(k) VH SEQ ID No:75およびVL SEQ ID No:79[リツキシマブ]、および
(l) VH SEQ ID No:82およびVL SEQ ID No:86[オビヌツズマブ]
からなる群より選択されるVHおよびVLの配列を含む、本発明1009~1028のいずれかの組成物。
[本発明1030]
第1および/または第2の抗体が、ヒト抗体、ヒト化抗体、またはキメラ抗体である、本発明1009~1029のいずれかの組成物。
[本発明1031]
第1の抗体がヒト化抗体であり、第2の抗体がヒト抗体である、本発明1009~1030のいずれかの組成物。
[本発明1032]
第1および/または第2の抗体がモノクローナル抗体である、本発明1009~1031のいずれかの組成物。
[本発明1033]
第1および/または第2の抗体が、ヒトIgG1アイソタイプ、ヒトIgG2アイソタイプ、ヒトIgG3アイソタイプ、またはヒトIgG4アイソタイプである、本発明1009~1032のいずれかの組成物。
[本発明1034]
第1および/または第2の抗体がIgG1アイソタイプである、本発明1009~1033のいずれかの組成物。
[本発明1035]
第1および/または第2の抗体が、IgG1m(f)アロタイプ、IgG1m(a)アロタイプ、IgG1m(z)アロタイプ、IgG1m(x)アロタイプ、または混合アロタイプである、本発明1009~1034のいずれかの組成物。
[本発明1036]
第1の抗体および第2の抗体が、組成物中、1:50~50:1のモル比、例えば、約1:1のモル比、約1:2のモル比、約1:3のモル比、約1:4のモル比、約1:5のモル比、約1:6のモル比、約1:7のモル比、約1:8のモル比、約1:9のモル比、約1:10のモル比、約1:15のモル比、約1:20のモル比、約1:25のモル比、約1:30のモル比、約1:35のモル比、約1:40のモル比、約1:45のモル比、約1:50のモル比、約50:1のモル比、約45:1のモル比、約40:1のモル比、約35:1のモル比、約30:1のモル比、約25:1のモル比、約20:1のモル比、約15:1のモル比、約10:1のモル比、約9:1のモル比、約8:1のモル比、約7:1のモル比、約6:1のモル比、約5:1のモル比、約4:1のモル比、約3:1のモル比、約2:1のモル比で存在する、本発明1009~1035のいずれかの組成物。
[本発明1037]
第1の抗体および第2の抗体が、組成物中、1:1のモル比で存在する、本発明1009~1036のいずれかの組成物。
[本発明1038]
薬学的担体または賦形剤をさらに含む、本発明1009~1037のいずれかの組成物。
[本発明1039]
薬学的組成物である、本発明1009~1038のいずれかの組成物。
[本発明1040]
医薬として使用するための、本発明1001~1008のいずれかの抗体または本発明1009~1039のいずれかの組成物。
[本発明1041]
固形腫瘍および/または血液腫瘍の処置において使用するための、本発明1001~1008のいずれかの抗体または本発明1009~1040のいずれかの組成物。
[本発明1042]
血液腫瘍、例えば、慢性リンパ球性白血病ならびに急性骨髄性白血病および慢性骨髄性白血病を含む骨髄性白血病を含む白血病、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、または多発性骨髄腫、ホジキンリンパ腫、または骨髄異形成症候群の処置において使用するための、本発明1001~1008のいずれかの抗体または本発明1009~1041のいずれかの組成物。
[本発明1043]
医薬を製造するための、本発明1001~1008のいずれかの抗体または本発明1009~1039のいずれかの組成物の使用。
[本発明1044]
固形腫瘍および/または血液腫瘍を処置するための医薬を製造するための、本発明1043の使用。
[本発明1045]
さらなる治療剤との組み合わせた、本発明1043~1044のいずれかの使用。
[本発明1046]
さらなる治療剤が、ドキソルビシン、シスプラチン、ブレオマイシン、カルムスチン、シクロホスファミド、クロラムブシル、ベンダムスチン、ビンクリスチン、フルダラビン、およびイブルチニブ、およびベネトクラクスからなる群より選択される、本発明1045の使用。
[本発明1047]
CD37およびCD20を発現している腫瘍細胞の細胞死を誘導するかまたはその成長および/もしくは増殖を阻害する方法であって、それを必要とする個体に、本発明1001~1008のいずれかの第1および第2の抗体または本発明1009~1039のいずれかの組成物を投与する工程を含む、方法。
[本発明1048]
固形腫瘍および/または血液腫瘍を有する個体を処置する方法であって、有効量の本発明1001~1008のいずれかの第1および第2の抗体または本発明1009~1039のいずれかの組成物を該個体に投与する工程を含む、方法。
[本発明1049]
本発明1001~1008のいずれかの第1および第2の抗体または本発明1009~1039のいずれかの組成物と組み合わせて、さらなる治療剤を投与する工程を含む、本発明1047~1048のいずれかの方法。
[本発明1050]
さらなる治療剤が、ドキソルビシン、シスプラチン、ブレオマイシン、カルムスチン、シクロホスファミド、クロラムブシル、ベンダムスチン、ビンクリスチン、フルダラビン、イブルチニブ、およびベネトクラクスからなる群より選択される、本発明1049の方法。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】
図1は、Daudi細胞における野生型(WT)のCD20抗体およびCD37抗体の混合物のCDC活性を示す。(A) WT I型CD20抗体IgG1-CD20-7D8または(B) WT II型CD20抗体IgG1-CD20-11B8と混合された一連の濃度のWT CD37抗体IgG1-CD37-37.3によってオプソニン化されたDaudi細胞におけるCDC。溶解率は、フローサイトメトリーによって決定されたPI陽性細胞の割合として表されている。
【
図2-1】
図2は、六量体化増強型CD37抗体IgG1-CD37-37.3-E430G(Hx-CD37-37.3)と(A) 六量体化増強型CD20抗体IgG1-CD20-7D8-E430G(Hx-CD20-7D8)または(B) 六量体化増強型CD20抗体IgG1-CD20-11B8-E430G(Hx-CD20-11B8)との混合物の8×8濃度希釈系列マトリックスプロットについてのDaudi細胞のCDC媒介性死滅(フローサイトメトリーによって決定されたPI陽性細胞の割合として表された%溶解)を示す。Hx-CD37-37.3と(C) Hx-CD20-7D8または(D) Hx-CD20-11B8との抗体混合物についてのCDCコンビネーションインデックス(combination index)(CI)値から、抗体混合物試料を、相加性(CI=1)、相乗性(CI<1)、または拮抗性(CI>1)として分類した。
【
図3-1】
図3は、Daudi細胞における、六量体化増強型のCD37抗体およびCD20抗体の混合物の、補体に結合して補体を活性化する能力を示す。(A~B)(A) 10μg/mL IgG1-CD37-37.3-E430G(Hx-CD37-37.3)、10μg/mL IgG1-CD20-7D8-E430G(Hx-CD20-7D8)、およびそれらの混合物(5+5μg/mL)、ならびに(B) 10μg/mL Hx-CD37-37.3、10μg/mL IgG1-CD20-11B8-E430G(Hx-CD20-11B8)、およびそれらの混合物(5+5μg/mL)によってオプソニン化されたDaudi細胞との、精製されたC1qの結合の用量応答曲線。C1q希釈系列についての平均蛍光強度(MFI)が示されている。(C~D)C1q枯渇培地に補足された精製されたC1qの段階希釈系列に対する応答における(C) 10μg/mL Hx-CD37-37.3、10μg/mL Hx-CD20-7D8、およびそれらの混合物(5+5μg/mL)、ならびに(D) 10μg/mL Hx-CD37-37.3、10μg/mL Hx-CD20-11B8、およびそれらの混合物(5+5μg/mL)のCDC用量応答曲線。溶解率は、フローサイトメトリーによって決定されたPI陽性細胞の割合として表されている。
【
図4A】
図4は、Daudi細胞の細胞膜におけるIgG1-CD20-11B8抗体バリアントとIgG1-CD37-37.3抗体バリアントとの間の分子近接の蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)分析を示す。(A) FRET検出のダイナミックレンジは、A555またはA647にコンジュゲートされた抗CD20抗体IgG1-CD20-7D8と、A555またはA647にコンジュゲートされたマウス抗ヒトIgG1抗体IgG1mm-HB43(陽性対照)またはマウス抗ヒトIgM抗体IgG1mm-HB57(陰性対照)との混合物を使用して決定された。(B~C)A555またはA647にコンジュゲートされたIgG1-CD37-37.3と、A555またはA647にコンジュゲートされたII型CD20抗体IgG1-CD20-11B8(B) またはI型CD20抗体IgG1-CD20-7D8(C) との混合物についてのFRET検出。(D~E)A555またはA647にコンジュゲートされた六量体化増強型IgG1-CD37-37.3-E430G(Hx-CD37-37.3)と、A555またはA647にコンジュゲートされた六量体化増強型IgG1-CD20-11B8-E430G(Hx-CD20-11B8)(D) または六量体化増強型IgG1-CD20-7D8-E430G(Hx-CD20-7D8)(E) との混合物についてのFRET検出。FRETは、フローサイトメトリーによって決定された平均蛍光強度(MFI)から計算された。示されたデータは、3回の実験から収集された6回反復の平均値および標準偏差(SD)である。
【
図5-1】
図5は、Daudi細胞(A) およびWIL2-S細胞(B) におけるIgG1-CD20-11B8-E430G(Hx-CD20-11B8)、Daudi細胞(C) およびWIL2-S細胞(D) におけるIgG1-CD37-37.3-E430G(Hx-CD37-37.3)、ならびにDaudi細胞(E) およびWIL2-S細胞(F) における抗体の組み合わせのCDC活性に対する、K439E変異およびS440K変異の導入の効果を示す。Daudi細胞およびWIL2-S細胞を、20%NHSの存在下で、一連の濃度のCD20抗体バリアントおよび/またはCD37抗体バリアントと共にインキュベートした。CDC活性は、ヨウ化プロピジウム(PI)陽性細胞率によって決定された溶解率として提示されている。抗体を含まない試料を、CDC活性についての陰性対照として使用した。
【
図6】
図6は、Daudi細胞の細胞膜におけるA555またはA647にコンジュゲートされた六量体化増強型のIgG1-CD20-11B8-E430G(Hx-CD20-11B8)およびIgG1-CD37-37.3-E430G(Hx-CD37-37.3)によって形成されたヘテロ六量体抗体複合体についてのFRET分析を示す。ヘテロ六量体形成は、相補的な変異K439EおよびS440Kの導入によって調節された。FRETは、フローサイトメトリーによって決定された平均蛍光強度(MFI)から計算された。示されたデータは、3回の実験から収集された6回反復の平均値および標準偏差(SD)である。
【
図7-1】
図7は、非ホジキンリンパ腫(NHL)適応症:(A) B細胞NHL(B-NHL)、(B) 濾胞性リンパ腫(FL)、(C) マントル細胞リンパ腫(MCL)、および(D) 辺縁帯リンパ腫(MZL)を有する患者に由来する初代腫瘍B細胞における六量体化増強型IgG1-CD37-37.3(Hx-CD37-37.3)と六量体化増強型IgG1-CD20-11B8-E430G(Hx-CD20-11B8)との混合物のCDC活性を示す。CDC誘導は、フローサイトメトリーによって決定された7-AAD陽性Bリンパ腫細胞の割合によって決定された溶解率として提示されている。示されたデータは、1回の代表的な実験からの2回反復の平均値および標準偏差(SD)である。
【
図8-1】
図8は、六量体化増強型CD37抗体と標準治療(SOC)CD20抗体生成物MabThera(リツキシマブ)、Arzerra(オファツムマブ)、およびGazyva(オビヌツズマブ、GA101)との1:0、3:1、1:1、3:1、および0:1の抗体混合物(10μg/mLの最終濃度)の抗体濃度希釈系列についてのRaji細胞のインビトロCDC媒介性死滅(フローサイトメトリーによって決定されたPI陽性細胞の割合として表された%溶解)を示す:(A) IgG1-CD37-37.3-E430G(Hx-CD37-37.3)との混合物、(B) IgG1-CD37-G28.1-E430G(Hx-CD37-G28.1)との混合物、(C) IgG1-CD37-004-E430G(Hx-CD37-004)との混合物、(D) IgG1-CD37-005-E430G(Hx-CD37-005)との混合物、(E) IgG1-CD37-010-E430G(Hx-CD37-010)との混合物、および(F) IgG1-CD37-016-E430G(Hx-CD37-016)との混合物。
【発明を実施するための形態】
【0027】
発明の詳細な説明
定義
「CD37」という用語は、本明細書中で使用されるように、4個の膜貫通ドメイン(TM)および1個の小さい細胞外ドメインおよび1個の大きい細胞外ドメインを有する高度にグリコシル化された膜貫通タンパク質である、GP52-40、テトラスパニン26、およびTSPAN26としても公知の白血球抗原CD37をさす。ホモ・サピエンス(Homo sapiens)、即ち、ヒトのCD37タンパク質は、SEQ ID NO:1(ヒトCD37タンパク質:UniprotKB/Swissprot P11049)に示されるアミノ酸配列をコードする核酸配列によってコードされる。このアミノ酸配列において、残基112~241が大きい細胞外ドメインに相当し、残基39~59が小さい細胞外ドメインに相当し、残りの残基が膜貫通ドメインおよび細胞質ドメインに相当する。マカカ・ファシキュラリス(Macaca fascicularis)、即ち、カニクイザルのCD37タンパク質は、SEQ ID NO:2(カニクイザルCD37タンパク質:Genbankアクセッション番号XP_005589942)に示されるアミノ酸配列をコードする核酸配列によってコードされる。前後関係と矛盾しない限り、「CD37」という用語は「ヒトCD37」を意味する。「CD37」という用語には、腫瘍細胞を含む細胞によって天然に発現されるか、またはCD37遺伝子もしくはcDNAによってトランスフェクトされた細胞において発現される、CD37の任意のバリアント、アイソフォーム、および種相同体(species homologs)が含まれる。
【0028】
本明細書中で交換可能に使用され得る「CD37に結合する抗体」、「抗CD37抗体」、「CD37結合抗体」、「CD37特異的抗体」、「CD37抗体」という用語は、CD37の細胞外部分のエピトープに結合する任意の抗体をさす。
【0029】
「ヒトCD20」または「CD20」という用語は、ヒトCD20(UniProtKB/Swiss-Prot番号P11836)をさし、腫瘍細胞を含む細胞によって天然に発現されるか、またはCD20遺伝子もしくはcDNAによってトランスフェクトされた細胞において発現される、CD20の任意のバリアント、アイソフォーム、および種相同体を含む。種相同体には、アカゲザルCD20(マカカ・ムラッタ(mulatta);UniProtKB/Swiss-Prot番号H9YXP1)が含まれる。
【0030】
本明細書中で交換可能に使用され得る「CD20に結合する抗体」、「抗CD20抗体」、「CD20結合抗体」、「CD20特異的抗体」、「CD20抗体」という用語は、CD20の細胞外部分のエピトープに結合する任意の抗体をさす。
【0031】
「抗体」(Ab)という用語は、本発明に関して、抗原に特異的に結合する能力を有する、免疫グロブリン分子、免疫グロブリン分子の断片、またはそれらのいずれかの誘導体をさす。本発明において使用される抗体は、免疫グロブリンのFcドメインと抗原結合領域とを含む。抗体は、一般に、CH2-CH3領域および接続領域、例えば、ヒンジ領域を含有し、例えば、Fcドメインを少なくとも含有する。免疫グロブリン分子の重鎖および軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合ドメインを含有する。抗体は、単一特異性抗体であってもよいし、または二重特異性抗体のような多重特異性抗体であってもよいし、または類似した分子であってもよい。「二重特異性抗体」という用語は、少なくとも2個の典型的にはオーバーラップしない異なるエピトープに対する特異性を有する抗体をさす。そのようなエピトープは、同一の標的に存在してもよいし、または異なる標的に存在してもよい。エピトープが異なる標的に存在する場合、そのような標的は、同一の細胞に存在してもよいし、または異なる細胞もしくは細胞型に存在してもよい。既に示されたように、他に明記されるかまたは前後関係と明白に矛盾しない限り、本明細書中の抗体という用語には、Fc領域の少なくとも一部分を含み、抗原に特異的に結合する能力を保持する抗体の断片が含まれる。そのような断片は、酵素的切断、ペプチド合成、および組換え発現技術のような任意の公知の技術によって提供され得る。抗体の抗原結合機能は、全長抗体の断片によって達成され得ることが示されている。「Ab」または「抗体」という用語に包含される結合断片の例には、非限定的に、(GenmabによってWO2007059782に記載された)1価抗体;2本の重鎖のみからなり、例えば、ラクダ科動物に天然に存在する重鎖抗体(例えば、Hamers-Casterman(1993)Nature 363:446);ThioMab(Roche、WO2011069104);非対称の二重特異性抗体様分子である鎖交換改変型ドメイン(SEEDまたはシードボディ(Seed-body))(Merck、WO2007110205);Triomab(Pharma/Fresenius Biotech、Lindhofer et al., 1995 J Immunol 155:219;WO2002020039);FcΔAdp(Regeneron、WO2010151792)、Azymetric足場(Zymeworks/Merck、WO2012/058768);mAb-Fv(Xencor、WO2011/028952)、Xmab(Xencor);二重可変ドメイン免疫グロブリン(Abbott、DVD-Ig、米国特許第7,612,181号);二重ドメインダブルヘッド抗体(Unilever;Sanofi Aventis、WO20100226923);ジダイアボディ(Di-diabody)(ImClone/Eli Lilly);ノブイントゥホール(Knobs-into-holes)抗体フォーマット(Genentech、WO9850431);DuoBody(Genmab、WO 2011/131746);二重特異性IgG1およびIgG2(Pfizer/Rinat、WO11143545);DuetMab(MedImmune、US2014/0348839);静電ステアリング抗体フォーマット(Amgen、EP1870459およびWO 2009089004;Chugai、US201000155133;Oncomed、WO2010129304A2);CrossMAb(Roche、WO2011117329);LUZ-Y(Genentech)、Biclonic(Merus、WO2013157953);二重ターゲティングドメイン抗体(GSK/Domantis);2種の標的を認識するツーインワン(Two-in-one)抗体または二重作用Fab(Genentech、NovImmune、Adimab);架橋型Mab(Karmanos Cancer Center);共有結合によって融合したmAb(AIMM)、CovXボディ(CovX/Pfizer);FynomAb(Covagen/Janssen cilag);DutaMab(Dutalys/Roche);iMab(MedImmune);IgG様二重特異性(ImClone/Eli Lilly、Shen, J., et al., J Immunol Methods, 2007.318(1-2):p.65-74);TIGボディ、DIGボディ、およびPIGボディ(Pharmabcine);二重親和性リターゲティング(Dual-affinity retargeting)分子(MacrogenicsによるFc-DARTまたはIg-DART、WO/2008/157379、WO/2010/080538);BEAT(Glenmark);Zybodies(Zyngenia);共通軽鎖(Crucell/Merus、US7262028)または共通重鎖(NovImmuneによるκλボディ、WO2012023053)によるアプローチが含まれ、ZymoGenetics/BMSによるBsAb、Biogen IdecによるHERCULES(US007951918)、Emergent BioSolutions/TrubionおよびZymogenetics/BMSによるSCORPIONS、Ts2Ab(MedImmune/AZ、Dimasi, N. et al., J Mol Biol, 2009.393(3):p.672-92)、Genentech/RochesによるscFv融合、NovartisによるscFv融合、ImmunomedicsによるscFv融合、Changzhou Adam Biotech IncによるscFv融合(CN 102250246)、RochesによるTvAb(WO 2012025525、WO 2012025530)、f-StarによるmAb2(WO2008/003116)、ならびに二重scFv融合のような、scFv融合のような、Fcドメインを含有する抗体断片に融合したポリペプチド配列を含む融合タンパク質が含まれる。他に指定されない限り、抗体という用語には、ポリクローナル抗体、(ヒトモノクローナル抗体のような)モノクローナル抗体、例えば、SymphogenおよびMerusによって開発されたテクノロジー(Oligoclonics)によって生成された抗体混合物(組換えポリクローナル)、WO2015/158867に記載される多量体Fcタンパク質、WO2014/031646に記載される融合タンパク質、ならびにキメラ抗体およびヒト化抗体のような抗体様ポリペプチドも含まれることも理解されるべきである。生成される抗体は、潜在的に、任意のアイソタイプであり得る。
【0032】
「抗原結合(antigen-binding)領域」、「抗原結合(antigen binding)領域」、「結合領域」、または抗原結合ドメインという用語は、本明細書中で使用されるように、抗原に結合することができる抗体の領域をさす。この結合領域は、典型的には、抗体のVHドメインおよびVLドメインによって定義され、それらは、フレームワーク領域(FR)と名付けられているより保存された領域が点在する、相補性決定領域(CDR)とも名付けられている超可変性の領域(または構造的に定義されたループの配列および/または形態が超可変性であり得る超可変領域)にさらに細分される。抗原は、例えば、細胞、細菌、もしくはビリオン、または溶液中に存在するポリペプチドのような任意の分子であり得る。「抗原」および「標的」という用語は、前後関係と矛盾しない限り、本発明に関して交換可能に使用される。
【0033】
「標的」という用語は、本明細書中で使用されるように、抗体の抗原結合領域が結合する分子をさす。標的には、産生された抗体に対応する任意の抗原が含まれる。「抗原」および「標的」という用語は、抗体に関して、交換可能に使用され、本発明の任意の局面または態様に関して同一の意味および目的を構成し得る。
【0034】
「全長抗体」という用語は、本明細書中で使用されるように、そのクラスまたはアイソタイプの野生型抗体に通常見出されるものに相当する重鎖および軽鎖の定常ドメインおよび可変ドメインの全てを含有する抗体(例えば、親抗体またはバリアント抗体)をさす。
【0035】
「キメラ抗体」という用語は、本明細書中で使用されるように、可変領域が非ヒト種に由来し(例えば、齧歯類に由来し)、定常領域がヒトのような異なる種に由来する抗体をさす。キメラ抗体は、抗体工学によって生成され得る。「抗体工学」とは、抗体の種々の修飾について一般的に使用される用語であり、当業者に周知の過程である。具体的には、キメラ抗体は、Sambrook et al., 1989, Molecular Cloning:A laboratory Manual, New York:Cold Spring Harbor Laboratory Press, Ch.15に記載されるような標準的なDNA技術を使用することによって生成され得る。従って、キメラ抗体は、遺伝学的にまたは酵素的に改変された組換え抗体であり得る。キメラ抗体の生成は、当業者の知識の範囲内であり、従って、本発明によるキメラ抗体の生成は、本明細書中に記載されたもの以外の方法によって実施されてもよい。治療用途のためのキメラモノクローナル抗体は、抗体の免疫原性を低下させるために開発される。それらは、典型的には、関心対象の抗原に特異的な非ヒト(例えば、マウス、ウサギ)可変領域と、ヒト抗体の重鎖および軽鎖の定常ドメインとを含有し得る。「可変領域」または「可変ドメイン」という用語は、キメラ抗体に関して使用されるように、免疫グロブリンの重鎖および軽鎖の両方のCDRおよびフレームワーク領域を含む領域をさす。
【0036】
「オリゴマー」という用語は、本明細書中で使用されるように、少なくとも原則として、限定されない数のモノマーからなるポリマーとは対照的に、複数ではあるが限定された数のモノマー単位(例えば、抗体)からなる分子をさす。例示的なオリゴマーは、二量体、三量体、四量体、五量体、および六量体である。同様に、例えば、「六量体化」のような「オリゴマー化」とは、本明細書中で使用されるように、本発明による標的結合領域を含む抗体および/またはその他の二量体タンパク質の、六量体のようなオリゴマーへの分布の増加が存在することを意味する。六量体のようなオリゴマーの形成の増加は、膜結合型標的に結合した後のFc-Fc相互作用の増加により、従って、オリゴマーの形成の増加は、Fc-Fc相互作用増強置換を含む抗体がFc-Fc相互作用増強置換を含まない同一の抗体と比較されたときである。
【0037】
「ヒト化抗体」という用語は、本明細書中で使用されるように、ヒト抗体定常ドメインと、ヒト可変ドメインとの高レベルの配列相同性を含有するよう修飾された非ヒト可変ドメインとを含有する、遺伝子改変された非ヒト抗体をさす。これは、抗原結合部位を共に形成する6個の非ヒト抗体相補性決定領域(CDR)を、相同ヒトアクセプターフレームワーク領域(FR)へ移植することによって達成され得る(WO92/22653およびEP0629240を参照すること)。親抗体(即ち、6個のCDRが得られた非ヒト抗体)の結合親和性および特異性を完全に再構成するため、親抗体に由来するフレームワーク残基のヒトフレームワーク領域への置換(復帰変異)が必要とされ得る。構造ホモロジーモデリングは、抗体の結合特性のために重要な、フレームワーク領域内のアミノ酸残基の同定を支援し得る。従って、ヒト化抗体は、非ヒトCDR配列と、1個または複数個のアミノ酸の非ヒトアミノ酸配列への復帰変異を任意で含む、主としてヒトのフレームワーク領域と、完全にヒトの定常領域とを含み得る。任意で、親和性および生化学的特性のような好ましい特徴を有するヒト化抗体を得るため、必ずしも復帰変異ではない付加的なアミノ酸修飾が適用されてもよい。
【0038】
ヒト化抗体は、免疫されたウサギ、生殖系列ヒト化(CDR移植)テクノロジーを使用したウサギ抗体のヒト化を使用して、必要であれば、構造モデリングにおいて同定された、抗体結合特性のために重要であり得る残基を、ウサギ残基に復帰変異させることによって、生成され得る。可能性のあるT細胞エピトープについてのスクリーニングが適用され得る。
【0039】
「ヒト抗体」という用語は、本明細書中で使用されるように、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列に由来する可変領域および定常領域を有する抗体をさす。ヒト抗体は、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列によってコードされないアミノ酸残基(例えば、インビトロのランダム変異誘発もしくは部位特異的変異誘発またはインビボの体細胞変異によって導入された変異)を含んでいてもよい。そのようなアミノ酸残基は、例えば、抗体がヒト生殖系列免疫グロブリン配列を含むトランスジェニック動物において生成される場合、非ヒト酵素によって付加されるかまたは欠失させられる場合がある。しかしながら、「ヒト抗体」という用語は、本明細書中で使用されるように、マウスのような別の哺乳動物種の生殖系列に由来するCDR配列がヒトフレームワーク配列へ移植された抗体を含まないものとする。本発明のヒトモノクローナル抗体は、従来のモノクローナル抗体方法論、例えば、Kohler and Milstein, Nature 256:495(1975)の標準的な体細胞ハイブリダイゼーション技術を含む多様な技術によって作製され得る。体細胞ハイブリダイゼーション手法は好ましいが、原則として、モノクローナル抗体を作製するための他の技術、例えば、Bリンパ球のウイルスによる形質転換もしくはがん化、またはヒト抗体遺伝子のライブラリーを使用したファージディスプレイ技術が利用されてもよい。
【0040】
ヒトモノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマを調製するために適当な動物系は、マウス系である。マウスにおけるハイブリドーマ作製は、極めてよく確立されている手法である。免疫プロトコルおよび融合のための免疫された脾細胞を単離するための技術は、当技術分野において公知である。融合パートナー(例えば、マウス骨髄腫細胞)および融合手法も公知である。
【0041】
ヒトモノクローナル抗体は、例えば、マウスまたはウサギの系ではなくヒト免疫系の一部を保持するトランスジェニックまたはトランスクロモソーマル(transchromosomal)のマウスまたはウサギを使用して生成され得る。
【0042】
「免疫グロブリン」という用語は、4本全てがジスルフィド結合によって相互接続されている2対のポリペプチド鎖、1対の低分子量の軽(L) 鎖および1対の重(H) 鎖からなる、構造的に関連した糖タンパク質のクラスをさす。免疫グロブリンの構造は、十分に特徴決定されている。例えば、Fundamental Immunology Ch.7(Paul W. ed., 2nd ed. Raven Press, N.Y.(1989))を参照すること。簡単に説明すると、各重鎖は、典型的には、(本明細書中でVHまたはVHと略記される)重鎖可変領域および(本明細書中でCHまたはCHと略記される)重鎖定常領域から構成される。重鎖定常領域は、典型的には、3個のドメイン、CH1、CH2、およびCH3から構成される。各軽鎖は、典型的には、(本明細書中でVLまたはVLと略記される)軽鎖可変領域および(本明細書中でCLまたはCLと略記される)軽鎖定常領域から構成される。軽鎖定常領域は、典型的には、1個のドメイン、CLから構成される。VH領域およびVL領域は、フレームワーク領域(FR)と名付けられているより保存された領域が点在する、相補性決定領域(CDR)とも名付けられている超可変性の領域(または構造的に定義されたループの配列および/または形態に関して超可変性であり得る超可変領域)にさらに細分化され得る。VHおよびVLは、各々、典型的には、以下の順にアミノ末端からカルボキシ末端へ配置された3個のCDRおよび4個のFRから構成される:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4(Chothia and Lesk J.Mol.Biol. 196, 901-917(1987)も参照すること)。他に明記されるかまたは前後関係と矛盾しない限り、本明細書中のCDR配列は、IMGTルール(Brochet X., Nucl Acids Res. 2008;36:W503-508およびLefranc MP., Nucleic Acids Research 1999;27:209-212;インターネットhttpアドレスhttp://www.imgt.org/も参照すること)に従って同定される。他に明記されるかまたは前後関係と矛盾しない限り、本発明における定常領域のアミノ酸位置についての言及は、EUナンバリング(Edelman et al., Proc Natl Acad Sci U S A. 1969 May;63(1):78-85;Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, Fifth Edition. 1991 NIH Publication No.91-3242)による。
【0043】
本明細書中で使用される場合、前後関係と矛盾しない限り、「Fabアーム」または「アーム」という用語は、1対の重鎖-軽鎖をさし、本明細書中で「半分子」と交換可能に使用される。従って、「Fabアーム」は、重鎖および軽鎖の可変領域を含み、免疫グロブリンの軽鎖の定常領域、ならびにCH1領域、ヒンジ、CH2領域、およびCH3領域を含む重鎖の定常領域も含む。「CH1領域」とは、例えば、EUナンバリングによるアミノ酸118~215に相当するヒトIgG1抗体の領域をさす。従って、Fab断片は、免疫グロブリンの結合領域を含む。
【0044】
本明細書中で交換可能に使用され得る「結晶化可能断片領域」、「Fc領域(Fc region)」、「Fc領域(Fc-region)」、「Fc断片」、または「Fcドメイン」という用語は、アミノ末端からカルボキシ末端へ配置されたヒンジ領域、CH2ドメイン、およびCH3ドメインを少なくともを含む抗体領域をさす。IgG1抗体のFc領域は、例えば、パパインによるIgG1抗体の消化によって生成され得る。抗体のFc領域は、(エフェクター細胞のような)免疫系の様々な細胞および補体活性化の古典経路の最初の成分C1qのような補体系の成分を含む、宿主の組織または因子との免疫グロブリンの結合を媒介することができる。「ヒンジ領域」という用語は、本明細書中で使用されるように、免疫グロブリン重鎖のヒンジ領域をさすものとする。従って、例えば、ヒトIgG1抗体のヒンジ領域は、EUナンバリングによるアミノ酸216~230に相当する。
【0045】
「コアヒンジ」または「コアヒンジ領域」という用語は、本明細書中で使用されるように、ヒトIgG1抗体の226~229位に相当する4アミノ酸をさす。
【0046】
「CH2領域」または「CH2ドメイン」という用語は、本明細書中で使用されるように、免疫グロブリン重鎖のCH2領域をさすものとする。従って、例えば、ヒトIgG1抗体のCH2領域は、EUナンバリングによるアミノ酸231~340に相当する。しかしながら、CH2領域は、本明細書中に記載される他のアイソタイプまたはアロタイプのうちの任意のものであってもよい。
【0047】
「CH3領域」または「CH3ドメイン」という用語は、本明細書中で使用されるように、免疫グロブリン重鎖のCH3領域をさすものとする。従って、例えば、ヒトIgG1抗体のCH3領域は、EUナンバリングによるアミノ酸341~447に相当する。しかしながら、CH3領域は、本明細書中に記載される他のアイソタイプまたはアロタイプのうちの任意のものであってもよい。
【0048】
本明細書中で使用されるように、「アイソタイプ」という用語は、重鎖定常領域遺伝子によってコードされる免疫グロブリンクラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgD、IgA、IgE、またはIgM)をさす。
【0049】
「1価抗体」という用語は、本発明に関して、抗体分子が、単一の抗原分子に結合することができ、従って、抗原架橋ができないことを意味する。
【0050】
「エピトープ」という用語は、抗体の抗原結合領域(「パラトープ」)に結合することができるタンパク質決定基を意味する。エピトープは、一般的に、アミノ酸または糖側鎖のような分子の表面基からなり、一般的に、特異的な三次元構造的特徴を有し、特異的な電荷特徴も有する。コンフォメーショナルエピトープおよび非コンフォメーショナルエピトープは、前者の結合が変性溶媒の存在下で失われ、後者の結合は失われない点で区別される。エピトープマッピング技術は、「構造的エピトープ」または「機能的エピトープ」を決定することができる。構造的エピトープは、抗体と直接接触している構造内の残基として定義され、例えば、X線結晶学のような構造に基づく方法によって査定され得る。構造的エピトープは、抗体の結合に直接関与するアミノ酸残基のみならず、抗体によって効果的に阻止されるかまたはカバーされるアミノ酸残基(換言すると、抗体のフットプリント内にあるアミノ酸残基)のような、結合に直接関与しない他のアミノ酸残基も含み得る。機能的エピトープとは、抗原-抗体結合相互作用にエネルギー的に寄与する残基として定義され、例えば、アラニンスキャニングのような部位特異的変異誘発によって査定され得る(Cunningham B.C. & Wells, J.A. (1993) Journal of Molecular Biology;Clackson T. & Wells J. (1995) Science, 267(5196), 383-386)。機能的エピトープは、抗体の結合に直接関与するアミノ酸残基のみならず、直接相互作用に関与する残基の位置にコンフォメーション変化を引き起こすアミノ酸残基のような、結合に直接関与しない他のアミノ酸残基も含み得る(Greenspan N.S. & Di Cera E. (1999) Nature Biotechnology, 17(10), 936-937)。抗体-抗原相互作用のケースにおいて、機能的エピトープは、相互に抗体分子を区別するために使用され得る。機能的エピトープは、アラニンスキャニングの方法の使用によって決定され得る。従って、タンパク質内のアミノ酸をアラニンに置換し、それによって、一連の変異体タンパク質を生成し、抗体の抗原結合領域の変異体タンパク質との結合を野生型タンパク質と比較して低下させる;結合の低下は、-1.5未満である該抗体の結合における(zスコアとして表された)標準化されたlog(fold change)として決定される。
【0051】
「モノクローナル抗体」という用語は、本明細書中で使用されるように、単一の分子組成から本質的になる抗体分子の調製物をさす。モノクローナル抗体組成物は、特定のエピトープに対する単一の結合特異性および親和性を示す。従って、「ヒトモノクローナル抗体」という用語は、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列に由来する可変領域および定常領域を有する単一結合特異性を示す抗体をさす。ヒトモノクローナル抗体は、ヒトの重鎖トランスジーンおよび軽鎖トランスジーンを含むゲノムを有するトランスジェニックマウスのようなトランスジェニックまたはトランスクロモソーマルの非ヒト動物から入手されたB細胞が、不死化された細胞と融合したものを含むハイブリドーマによって生成され得る。
【0052】
本明細書中で使用されるように、予め決定された抗原との抗体の結合に関して、「結合」という用語は、典型的には、例えば、抗体をリガンドとして、抗原を分析物として使用して、Octet HTX機において、BioLayer Interferometry(BLI)テクノロジーによって決定された場合、約10-6M以下、例えば10-7M以下、例えば約10-8M以下、例えば約10-9M以下、例えば約10-10M以下、または例えば約10-11Mもしくはさらにそれ以下のKDに相当する親和性による結合であり、ここで、抗体は、予め決定された抗原または密接に関連する抗原以外の非特異的な抗原(例えば、BSA、カゼイン)との結合のKDより少なくとも10倍低い、例えば、少なくとも100倍低い、例えば、少なくとも1,000倍低い、例えば、少なくとも10,000倍低い、例えば、少なくとも100,000倍低いKDに相当する親和性で、予め決定された抗原に結合する。結合のKDがより低い量は、抗体のKDに依存するため、抗体のKDが極めて低い場合、抗原との結合のKDが、非特異的抗原との結合のKDより低い量は、少なくとも10,000倍であり得る(即ち、抗体は高度に特異的である)。
【0053】
「KD」(M) という用語は、本明細書中で使用されるように、特定の抗体-抗原相互作用の解離平衡定数をさす。
【0054】
本明細書中で使用される「親和性」および「KD」は、逆に関連しており、即ち、より高い親和性は、より低いKDをさすものとし、より低い親和性は、より高いKDをさすものとする。
【0055】
本明細書中で使用されるように、別の抗体、即ち、参照抗体と「競合する」または「交差競合する」抗体は、「阻止する」または「交差阻止する」抗体と交換可能に使用され、抗体および参照抗体が、ヒトCD37またはヒトCD20との結合について競合することを意味する。一つの態様において、抗体は、競合する参照抗体の存在下で、その最大結合の50%未満、例えば、20%未満、例えば、15%未満で結合する。
【0056】
本明細書中で使用されるように、別の抗体、即ち、参照抗体と「競合しない」または「交差競合しない」または「阻止しない」抗体とは、抗体および参照抗体が、ヒトCD37またはヒトCD20との結合について競合しないことを意味する。いくつかの抗体と参照抗体との対については、一方の抗体が細胞上の抗原に結合しており、他方が競合するために使用される場合にのみ、非競合が観察され、その逆の場合には観察されない。「競合しない」または「非競合」または「非阻止」という用語は、本明細書中で使用される場合、抗体のそのような組み合わせもカバーするものとする。一つの態様において、抗体は、参照抗体の存在下で、その最大結合の少なくとも75%、例えば、少なくとも80%、例えば、少なくとも85%で結合する。
【0057】
「Fc-Fc相互作用増強置換」という用語は、本明細書中で使用されるように、細胞表面標的に結合した隣接しているIgG抗体の間のFc-Fc相互作用を強化するIgG抗体置換をさす。両方とも参照によって本明細書に組み入れられるWO 2013/004842およびWO 2014/108198に記載されるように、これは、標的に結合した抗体の、例えば、六量体化のようなオリゴマー形成の増強をもたらし得るが、抗体分子は溶液中では単量体のままである。本発明によるFc-Fc相互作用増強置換は、EUナンバリングシステムを使用した場合のヒトIgG1のE430、E345、またはS440に相当する位置におけるアミノ酸のFc領域における置換であり、ただし、S440における置換はS440YまたはS440Wである。従って、Fc-Fc相互作用増強置換は、E430G、E345K、E430S、E430F、E430T、E345Q、E345R、E345Y、S440Y、およびS440Wからなる群より選択され得る。
【0058】
「Fcエフェクター機能」または「Fc媒介性エフェクター機能」という用語は、本明細書中で使用されるように、細胞膜上の抗原のような標的との抗体の結合およびその後の自然免疫系の分子(例えば、可溶型分子または膜結合型分子)とのIgG Fcドメインの相互作用の結果である機能をさすものとする。Fcエフェクター機能の例には、(i) C1q結合、(ii)補体活性化、(iii)補体依存性細胞傷害(CDC)、(iv)抗体依存性細胞障害(ADCC)、(v) Fcγ受容体結合、(vi)抗体依存性細胞貪食(ADCP)、(vii)補体依存性細胞傷害(CDCC)、(viii)補体によって増強される細胞傷害、(ix)抗体によって媒介されるオプソニン化抗体の補体受容体との結合、(x) オプソニン化、および(xi)(i)~(x) のうちの任意のものの組み合わせが含まれる。
【0059】
本発明は、実施例の抗体のVL領域、VH領域、または1個もしくは複数個のCDRの機能的バリアントを含む抗体も提供する。抗体に関して使用されるVL、VH、またはCDRの機能的バリアントは、抗体の各アームが親抗体の親和性および/または特異性/選択性の少なくとも実質的な割合(少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、またはそれ以上)を保持することをまだ可能にし、いくつかのケースにおいて、そのような抗体は、親抗体より大きい親和性、選択性、および/または特異性に関連していてよい。そのような機能的バリアントは、典型的には、親抗体との有意な配列同一性を保持する。2つの配列の間の同一性%は、2つの配列の最適アライメントのために導入される必要があるギャップの数および各ギャップの長さを考慮に入れた、配列によって共有される同一の位置の数の関数(即ち、%相同性=同一の位置の数/全ての位置の数×100)である。2つのヌクレオチド配列またはアミノ酸配列の間の同一性%は、例えば、PAM120重み残基表(weight residue table)、12のギャップ長ペナルティ、および4のギャップペナルティを使用して、ALIGNプログラム(バージョン2.0)に組み入れられた、E.Meyers and W.Miller, Comput.Appl.Biosci 4, 11-17(1988)のアルゴリズムを使用して決定され得る。さらに、2つのアミノ酸配列の間の同一性%は、Needleman and Wunsch, J.Mol.Biol.48, 444-453(1970)のアルゴリズムを使用して決定され得る。
【0060】
例示的なバリアントには、主に、保存的置換によって、親二重特異性抗体配列のVH領域および/またはVL領域および/またはCDR領域と異なっているものが含まれる;例えば、バリアントにおける置換のうちの10個、例えば、9個、8個、7個、6個、5個、4個、3個、2個、または1個が、保存的なアミノ酸残基交換である。好ましくは、バリアントは、親抗体のVH領域および/またはVL領域に、多くても10個のアミノ酸置換、例えば、多くても9個、8個、7個、6個、5個、4個、3個、2個、または多くても1個のアミノ酸置換を含有する。好ましくは、そのような置換は、保存的置換であり、置換がCDR配列にある場合、特にそうである。
【0061】
本発明に関して、保存的置換は、以下の表に反映されるアミノ酸クラス内置換によって定義され得る:
保存的置換のためのアミノ酸残基クラス
【0062】
本発明に関して、他に示されない限り、以下の表記法が変異を記載するために使用される;(i) 所定の位置におけるアミノ酸置換は、例えば、430位のグルタミンのグリシンへ置換を意味するE430Gと書かれ;(ii)具体的なバリアントについて、具体的な3文字コードまたは1文字コード、例えば、任意のアミノ酸残基を示すコードXaaおよびXが、使用される。従って、409位におけるグルタミンのグリシンへ置換は、E430Gと表示され、430位におけるグルタミンの任意のアミノ酸残基へ置換は、E430Xと表示される。
【0063】
「組換え宿主細胞」(または単に「宿主細胞」)という用語は、本明細書中で使用されるように、発現ベクター、例えば、本発明の抗体をコードする発現ベクターが導入された細胞をさすものとする。組換え宿主細胞には、例えば、CHO細胞、CHO-S細胞、HEK細胞、HEK293細胞、HEK-293F細胞、Expi293F細胞、PER.C6細胞、またはNS0細胞、およびリンパ球細胞のようなトランスフェクトーマが含まれる。
【0064】
「処置」という用語は、症状または疾患状態の緩和、寛解、抑止、または根治(治癒)を目的した、有効量の本発明の治療的活性組成物の投与をさす。
【0065】
「有効量」または「治療的に有効な量」という用語は、所望の治療結果を達成するために、必要な投薬量および期間で、有効な量をさす。二重特異性抗体の治療的に有効な量は、個体の疾患状態、年齢、性別、および体重、ならびに個体における所望の応答を誘発する二重特異性抗体の能力のような因子によって変動し得る。治療的に有効な量は、抗体または抗体部分の毒性または有害効果より、治療的に有益な効果がまさるものでもある。
【0066】
発明の態様
第1の主要な局面において、本発明は、ヒトCD20に結合することができる第2の抗原結合領域とヒトIgGの第2のFc領域とを含む第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域とヒトIgGの第1のFc領域とを含む第1の抗体であって、第1のFc領域および第2のFc領域が各々、EUナンバリングシステムによってヒトIgGのE430、E345、またはS440に相当する位置におけるアミノ酸置換を含み、ただし、S440における置換はS440YまたはS440Wである、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体に関する。これによって、Fc領域がFc-Fc相互作用増強置換を含む抗体が提供される。従って、抗体分子は、標的結合時にオリゴマーを形成することができ;そのようなオリゴマーは、単独の抗CD37抗体分子の間で、単独の抗CD20抗体分子の間で、または抗CD37抗体分子と抗CD20抗体分子との混合物の間で形成され得る。一つの態様において、第1の抗体は、抗CD37抗体であり、第2の抗体は、抗CD20抗体である。
【0067】
本発明による第1の抗体は、第1および第2の重鎖を含むFc領域を有する抗CD37抗体であって、EUナンバリングを使用したとき、ヒトIgG1のE430、E345、またはS440に相当する位置における置換が、第1または第2の重鎖に存在し、好ましくは、第1および第2の重鎖の両方に存在し、ただし、S440における置換はS440YまたはS440Wである、抗CD37抗体であり得る。
【0068】
本発明による第2の抗体は、第1および第2の重鎖を含むFc領域を有する抗CD20抗体であって、EUナンバリングを使用したとき、ヒトIgG1のE430、E345、またはS440に相当する位置における置換が、第1または第2の重鎖に存在し、好ましくは、第1および第2の重鎖の両方に存在し、ただし、S440における置換はS440YまたはS440Wである、抗CD20抗体であり得る。
【0069】
本発明の一つの態様において、第1のFc領域は、E430G、E345K、E430S、E430F、E430T、E345Q、E345R、E345Y、S440Y、およびS440Wからなる群より選択される置換を含む。
【0070】
本発明の一つの態様において、第2のFc領域は、E430G、E345K、E430S、E430F、E430T、E345Q、E345R、E345Y、S440Y、およびS440Wからなる群より選択される置換を含む。
【0071】
本発明の一つの態様において、第1のFc領域および第2のFc領域は、E430G、E345K、E430S、E430F、E430T、E345Q、E345R、E345Y、S440Y、およびS440Wからなる群より選択される置換を含む。
【0072】
本発明の一つの態様において、第1のFc領域は、E430G、E345R、およびE345Kからなる群より選択される置換を含む。
【0073】
本発明の一つの態様において、第2のFc領域は、E430G、E345R、およびE345Kからなる群より選択される置換を含む。
【0074】
本発明の一つの態様において、第1のFc領域は、E430GおよびE345Kからなる群より選択される置換、好ましくは、E430Gを含む。
【0075】
本発明の一つの態様において、第2のFc領域は、E430GおよびE345Kからなる群より選択される置換、好ましくは、E430Gを含む。
【0076】
本発明の一つの態様において、第1のFc領域は、E430G置換を含む。
【0077】
本発明の一つの態様において、第2のFc領域は、E430G置換を含む。
【0078】
本発明の一つの態様において、第1のFc領域および第2のFc領域は、E430GおよびE345Kからなる群より選択される置換、好ましくは、E430Gを含む。
【0079】
本発明の一つの態様において、第1のFc領域および第2のFc領域は、E430G置換を含む。本発明の一つの態様において、第1のFc領域および第2のFc領域は、E430S置換を含む。本発明の一つの態様において、第1のFc領域および第2のFc領域は、E430F置換を含む。本発明の一つの態様において、第1のFc領域および第2のFc領域は、E430T置換を含む。本発明の一つの態様において、第1のFc領域および第2のFc領域は、E345K置換を含む。本発明の一つの態様において、第1のFc領域および第2のFc領域は、E345R置換を含む。本発明の一つの態様において、第1のFc領域および第2のFc領域は、E345Q置換を含む。本発明の一つの態様において、第1のFc領域および第2のFc領域は、E345Y置換を含む。本発明の一つの態様において、第1のFc領域および第2のFc領域は、S440Y置換を含む。本発明の一つの態様において、第1のFc領域および第2のFc領域は、S440W置換を含む。
【0080】
本発明の一つの態様において、第1の抗体は、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域とヒトIgGの第1のFc領域とを含み、第2の抗体は、ヒトCD20に結合することができる第2の抗原結合領域とヒトIgGの第2のFc領域とを含み、ここで、第1のFc領域は、E430G置換を含む。従って、一つの態様において、第1の抗体は、Fc-Fc相互作用増強置換を有するFc領域を有していてよく、第2の抗体は、本発明によるFc-Fc相互作用増強置換を有していない。
【0081】
本発明の一つの態様において、第1のFc領域および第2のFc領域は、E430G置換を含む。本発明の一つの態様において、第1のFc領域および第2のFc領域は、E430S置換を含む。本発明の一つの態様において、第1のFc領域および第2のFc領域は、E430F置換を含む。本発明の一つの態様において、第1のFc領域および第2のFc領域は、E430T置換を含む。本発明の一つの態様において、第1のFc領域および第2のFc領域は、E345K置換を含む。本発明の一つの態様において、第1のFc領域および第2のFc領域は、E345R置換を含む。本発明の一つの態様において、第1のFc領域および第2のFc領域は、E345Q置換を含む。本発明の一つの態様において、第1のFc領域および第2のFc領域は、E345Y置換を含む。本発明の一つの態様において、第1のFc領域および第2のFc領域は、S440Y置換を含む。本発明の一つの態様において、第1のFc領域および第2のFc領域は、S440W置換を含む。
【0082】
本発明の一つの態様において、組成物は、第1および第2のFc領域がFc-Fc相互作用増強置換に加えてさらなる置換を含む、第1および第2の抗体を含む。そのようなさらなる置換の例は、S440Kおよび/またはK439Eであり得る。Fc-Fc相互作用増強置換およびさらなるS440K置換を含む抗体は、S440K置換を含む抗体とオリゴマーを形成しない。Fc-Fc相互作用増強置換およびさらなるK439E置換を含む抗体は、K439E置換を含む抗体とオリゴマーを形成しない。しかしながら、Fc-Fc相互作用増強置換およびさらなるK439E置換を含む抗体は、Fc-Fc相互作用増強置換およびさらなるS440K置換を含む抗体とオリゴマーを形成する。従って、Fc-Fc相互作用増強置換およびさらなるK439E置換を含む第1の抗体、ならびにFc-Fc相互作用増強置換およびS440K置換を含む第2の抗体は、第1および第2の抗体の両方の対応する抗原を発現している細胞の細胞表面上で、ヘテロ六量体のようなヘテロオリゴマーを形成することができる。
【0083】
本発明の一つの態様において、第1のFc領域はK439E置換をさらに含み、第2のFc領域はS440K置換をさらに含み、ただし、第2のFc領域はS440Y置換もS440W置換も含まない。あるいは、一つの態様において、第1のFc領域はS440K置換をさらに含み、第2のFc領域はK439E置換をさらに含み、、ただし、第1のFc領域はS440Y置換もS440W置換も含まない。
【0084】
本発明の一つの態様において、第1のFc領域は、E430に相当する位置におけるアミノ酸置換およびさらなるK439E置換を含み、第2のFc領域は、E430に相当する位置におけるアミノ酸置換およびさらなるS440K置換を含む。
【0085】
本発明の一つの態様において、第1のFc領域は、E430に相当する位置におけるアミノ酸置換およびさらなるS440K置換を含み、第2のFc領域は、E430に相当する位置におけるアミノ酸置換およびさらなるK439E置換を含む。
【0086】
本発明の一つの態様において、第1のFc領域は、E430G置換およびさらなるK439E置換を含み、第2のFc領域は、E430G置換およびさらなるS440K置換を含む。
【0087】
本発明の一つの態様において、第1のFc領域は、E430G置換およびさらなるS440K置換を含み、第2のFc領域は、E430G置換およびさらなるK439E置換を含む。
【0088】
本発明の一つの態様において、第1のFc領域は、E345に相当する位置におけるアミノ酸置換およびさらなるK439E置換を含み、第2のFc領域は、E345に相当する位置におけるアミノ酸置換およびさらなるS440K置換を含む。
【0089】
本発明の一つの態様において、第1のFc領域は、E345に相当する位置におけるアミノ酸置換およびさらなるS440K置換を含み、第2のFc領域は、E345に相当する位置におけるアミノ酸置換およびさらなるK439E置換を含む。
【0090】
本発明の一つの態様において、第1のFc領域は、E345K置換およびさらなるK439E置換を含み、第2のFc領域は、E345K置換およびさらなるS440K置換を含む。
【0091】
本発明の一つの態様において、第1のFc領域は、E345K置換およびさらなるS440K置換を含み、第2のFc領域は、E345K置換およびさらなるK439E置換を含む。
【0092】
本発明の一つの態様において、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体は、SEQ ID No 1に示される配列を有するヒトCD37に結合する第1の抗原結合領域を有する。
【0093】
本発明の一つの態様において、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体は、SEQ ID No 2に示される配列を有するカニクイザルサル(マカカ・ファシキュラリス)CD37に結合する第1の抗原結合領域を有する。
【0094】
本発明の一つの態様において、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体は、SEQ ID No 1に示される配列を有するヒトCD37およびSEQ ID No 2に示される配列を有するカニクイザルサル(マカカ・ファシキュラリス)CD37に結合する第1の抗原結合領域を有し、第2の抗体は、ヒトCD20に結合する第2の抗原結合領域を有する。
【0095】
本発明の一つの態様において、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体は、SEQ ID No 1のアミノ酸Y182、D189、T191、I192、D194、K195、V196、I197、およびP199を含む機能的エピトープに結合する第1の抗原結合領域を有する。
【0096】
本発明の一つの態様において、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体は、SEQ ID No 1のアミノ酸E124、F162、Q163、V164、L165、およびH175を含む機能的エピトープに結合する第1の抗原結合領域を有する。
【0097】
本発明の一つの態様において、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体は、可変重鎖(VH)を含む、ヒトCD37に結合する第1の抗原結合領域を有し、ここで、VHは、
(a) それぞれ、SEQ ID No:22、23、24[004]、
(b) それぞれ、SEQ ID No:29、30、31[005]、
(c) それぞれ、SEQ ID No:36、37、38[010]、
(d) それぞれ、SEQ ID No:43、44、45[016]、
(e) それぞれ、SEQ ID No:8、9、10、および
(f) それぞれ、SEQ ID No:15、16、17
からなる群より選択されるHCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含む。
【0098】
本発明の一つの態様において、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体は、可変重鎖(VH)を含む、ヒトCD37に結合する第1の抗原結合領域を有し、ここで、VHは、それぞれ、SEQ ID No:22、23、24に示されるHCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含む[004]。
【0099】
本発明の一つの態様において、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体は、可変重鎖(VH)を含む、ヒトCD37に結合する第1の抗原結合領域を有し、ここで、VHは、それぞれ、SEQ ID No:29、30、31に示されるHCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含む[005]。
【0100】
本発明の一つの態様において、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体は、可変重鎖(VH)を含む、ヒトCD37に結合する第1の抗原結合領域を有し、ここで、VHは、それぞれ、SEQ ID No:36、37、38に示されるHCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含む[010]。
【0101】
本発明の一つの態様において、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体は、可変重鎖(VH)を含む、ヒトCD37に結合する第1の抗原結合領域を有し、ここで、VHは、それぞれ、SEQ ID No:43、44、45に示されるHCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含む[016]。
【0102】
本発明の一つの態様において、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体は、可変重鎖(VH)を含む、ヒトCD37に結合する第1の抗原結合領域を有し、ここで、VHは、それぞれ、SEQ ID No:8、9、10に示されるHCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含む。
【0103】
本発明の一つの態様において、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体は、可変重鎖(VH)を含む、ヒトCD37に結合する第1の抗原結合領域を有し、ここで、VHは、それぞれ、SEQ ID No:15、16、17に示されるHCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含む。
【0104】
本発明の一つの態様において、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体は、可変軽鎖(VL)を含む、ヒトCD37に結合する第1の抗原結合領域を有し、ここで、VLは、
(a) それぞれ、SEQ ID No:26、EAS、SEQ ID No:27[004]、
(b) それぞれ、SEQ ID No:33、AAS、SEQ ID No:34[005]、
(c) それぞれ、SEQ ID No:40、KAS、SEQ ID No:41[010]、
(d) それぞれ、SEQ ID No:47、YAS、SEQ ID No:48[016]、
(e) それぞれ、SEQ ID No:47、YAS、SEQ ID No:58[016-C90S]、
(f) それぞれ、SEQ ID No:12、VAT、SEQ ID No:13、および
(g) それぞれ、SEQ ID No:19、FAK、SEQ ID No:20
からなる群より選択されるLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含む。
【0105】
本発明の一つの態様において、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体は、
(a) それぞれ、SEQ ID No:22、23、24、および26、EAS、SEQ ID No:27[004]、
(b) それぞれ、SEQ ID No:29、30、31、および33、AAS、SEQ ID No:34[005]、
(c) それぞれ、SEQ ID No:36、37、38、および40、KAS、SEQ ID No:41[010]、
(d) それぞれ、SEQ ID No:43、44、45、および47、YAS、SEQ ID No:48[016]、
(e) それぞれ、SEQ ID No:43、44、45、および47、YAS、SEQ ID No:58[016-C90S]、
(f) それぞれ、SEQ ID No:8、9、10、および12、VAT、SEQ ID No:13、ならびに
(g) それぞれ、SEQ ID No:15、16、17、および19、FAK、SEQ ID No:20
からなる群より選択される、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含むVH、ならびにLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含むVLを含む、ヒトCD37に結合する第1の抗原結合領域を有する。
【0106】
本発明の一つの態様において、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体は、それぞれ、SEQ ID No:22、23、24、および26、EAS、SEQ ID No:27に示される、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含むVH、ならびにLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含むVLを含む、ヒトCD37に結合する第1の抗原結合領域を有する[004]。
【0107】
本発明の一つの態様において、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体は、それぞれ、SEQ ID No:29、30、31、および33、AAS、SEQ ID No:34に示される、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含むVH、ならびにLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含むVLを含む、ヒトCD37に結合する第1の抗原結合領域を有する[005]。
【0108】
本発明の一つの態様において、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体は、それぞれ、SEQ ID No:36、37、38、および40、KAS、SEQ ID No:41に示される、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含むVH、ならびにLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含むVLを含む、ヒトCD37に結合する第1の抗原結合領域を有する[010]。
【0109】
本発明の一つの態様において、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体は、それぞれ、SEQ ID No:43、44、45、および47、YAS、SEQ ID No:48に示される、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含むVH、ならびにLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含むVLを含む、ヒトCD37に結合する第1の抗原結合領域を有する[016]。
【0110】
本発明の一つの態様において、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体は、それぞれ、SEQ ID No:43、44、45、および47、YAS、SEQ ID No:58に示される、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含むVH、ならびにLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含むVLを含む、ヒトCD37に結合する第1の抗原結合領域を有する[016-C90S]。
【0111】
本発明の一つの態様において、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体は、それぞれ、SEQ ID No:8、9、10、および12、VAT、SEQ ID No:13に示される、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含むVH、ならびにLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含むVLを含む、ヒトCD37に結合する第1の抗原結合領域を有する。
【0112】
本発明の一つの態様において、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体は、それぞれ、SEQ ID No:15、16、17、および19、FAK、SEQ ID No:20に示される、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含むVH、ならびにLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含むVLを含む、ヒトCD37に結合する第1の抗原結合領域を有する。
【0113】
本発明の一つの態様において、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体は、
(a) それぞれ、VH SEQ ID No:49およびVL SEQ ID No 50[004]、
(b) それぞれ、VH SEQ ID No:51およびVL SEQ ID No 52[005]、
(c) それぞれ、VH SEQ ID No:53およびVL SEQ ID No 54[010]、
(d) それぞれ、VH SEQ ID No:55およびVL SEQ ID No 56[016]、
(e) それぞれ、VH SEQ ID No:55およびVL SEQ ID No 57[016-C90S]、
(f) それぞれ、VH SEQ ID No:7およびVL SEQ ID No 11、
(g) それぞれ、VH SEQ ID No:14およびVL SEQ ID No 18、ならびに
(h) (a)~(f)に示される配列のうちのいずれか1つとの少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するVHおよびVLの配列
からなる群より選択される配列を有するVHおよびVLを含む、ヒトCD37に結合する第1の抗原結合領域を有する。
【0114】
本発明の一つの態様において、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体は、
(a) それぞれ、VH SEQ ID No:49およびVL SEQ ID No 50[004]、
(b) それぞれ、VH SEQ ID No:51およびVL SEQ ID No 52[005]、
(c) それぞれ、VH SEQ ID No:53およびVL SEQ ID No 54[010]、
(d) それぞれ、VH SEQ ID No:55およびVL SEQ ID No 56[016]、
(e) それぞれ、VH SEQ ID No 55およびVL SEQ ID No 57[016-C90S]、
(f) それぞれ、VH SEQ ID No:7およびVL SEQ ID No 11、ならびに
(g) それぞれ、VH SEQ ID No:14およびVL SEQ ID No 18
からなる群より選択される配列を有するVHおよびVLを含む、ヒトCD37に結合する第1の抗原結合領域を有する。
【0115】
本発明の一つの態様において、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体、ここで、第2の抗体は、それぞれ、SEQ ID No 5および6に示される配列を有する、ヒトCD20およびカニクイザルCD20に結合する第2の抗原結合領域を有する。
【0116】
本発明の一つの態様において、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体、ここで、第2の抗体は、VHを含む、ヒトCD20に結合する第2の抗原結合領域を有し、VHは、
(a) それぞれ、SEQ ID No:60、61、62[7D8]、
(b) それぞれ、SEQ ID No:67、68、69[118B]、
(c) それぞれ、SEQ ID No:73、74、62[オファツムマブ]、
(d) それぞれ、SEQ ID No:76、77、78[リツキシマブ]、および
(e) それぞれ、SEQ ID No:83、84、85[オビヌツズマブ]
からなる群より選択されるHCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含む。
【0117】
本発明の一つの態様において、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体、ここで、第2の抗体は、VHを含む、ヒトCD20に結合する第2の抗原結合領域を有し、VHは、それぞれ、SEQ ID No:60、61、62に示されるHCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含む[7D8]。
【0118】
本発明の一つの態様において、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体、ここで、第2の抗体は、VHを含む、ヒトCD20に結合する第2の抗原結合領域を有し、VHは、それぞれ、SEQ ID No:67、68、69に示されるHCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含む[118B]。
【0119】
本発明の一つの態様において、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体、ここで、第2の抗体は、VHを含む、ヒトCD20に結合する第2の抗原結合領域を有し、VHは、それぞれ、SEQ ID No:73、74、62に示されるHCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含む[オファツムマブ]。
【0120】
本発明の一つの態様において、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体、ここで、第2の抗体は、VHを含む、ヒトCD20に結合する第2の抗原結合領域を有し、VHは、それぞれ、SEQ ID No:76、77、78に示されるHCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含む[リツキシマブ]。
【0121】
本発明の一つの態様において、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体、ここで、第2の抗体は、VHを含む、ヒトCD20に結合する第2の抗原結合領域を有し、VHは、それぞれ、SEQ ID No:83、84、85に示されるHCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含む[オビヌツズマブ]。
【0122】
本発明の一つの態様において、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体、ここで、第2の抗体は、VLを含む、ヒトCD20に結合する第2の抗原結合領域を有し、VLは、
(a) それぞれ、SEQ ID No:64、DAS、SEQ ID No:65[7D8]/[オファツムマブ]、
(b) それぞれ、SEQ ID No:64、DAS、SEQ ID No:71[11B8]、
(c) それぞれ、SEQ ID No:80、ATS、SEQ ID No:81[リツキシマブ]、
(d) それぞれ、SEQ ID No:87、QMS、SEQ ID No:88[オビヌツズマブ]
からなる群より選択されるLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含む。
【0123】
本発明の一つの態様において、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体、ここで、第2の抗体は、
(a) それぞれ、SEQ ID No:60、61、62、および64、DAS、SEQ ID No:65[7D8]、
(b) それぞれ、SEQ ID No:67、68、69、および64、DAS、SEQ ID No:71[11B8]、
(c) それぞれ、SEQ ID No:73、74、62、および64、DAS、SEQ ID No:65[オファツムマブ]、
(d) それぞれ、SEQ ID No:76、77、78、および80、ATS、SEQ ID No:81[リツキシマブ]、ならびに
(e) それぞれ、SEQ ID No:83、84、85、および87、QMS、SEQ ID No:88
からなる群より選択される、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含むVH、ならびにLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含むVLを含む、ヒトCD20に結合する第2の抗原結合領域を有する。
【0124】
本発明の一つの態様において、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体、ここで、第2の抗体は、それぞれ、SEQ ID No:60、61、62、および64、DAS、SEQ ID No:65に示される、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含むVH、ならびにLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含むVLを含む、ヒトCD20に結合する第2の抗原結合領域を有する[7D8]。
【0125】
本発明の一つの態様において、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体、ここで、第2の抗体は、それぞれ、SEQ ID No:67、68、69、および64、DAS、SEQ ID No:71に示される、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含むVH、ならびにLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含むVLを含む、ヒトCD20に結合する第2の抗原結合領域を有する[11B8]。
【0126】
本発明の一つの態様において、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体、ここで、第2の抗体は、それぞれ、SEQ ID No:73、74、62、および64、DAS、SEQ ID No:65に示される、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含むVH、ならびにLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含むVLを含む、ヒトCD20に結合する第2の抗原結合領域を有する[オファツムマブ]。
【0127】
本発明の一つの態様において、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体、ここで、第2の抗体は、それぞれ、SEQ ID No:76、77、78、および80、ATS、SEQ ID No:81に示される、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含むVH、ならびにLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含むVLを含む、ヒトCD20に結合する第2の抗原結合領域を有する[リツキシマブ]。
【0128】
本発明の一つの態様において、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体、ここで、第2の抗体は、それぞれ、SEQ ID No:83、84、85、および87、QMS、SEQ ID No:88に示される、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含むVH、ならびにLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含むVLを含む、ヒトCD20に結合する第2の抗原結合領域を有する。
【0129】
本発明の一つの態様において、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体、ここで、第2の抗体は、
(a) VH SEQ ID No:59およびVL SEQ ID No:63[7D8]、
(b) VH SEQ ID No:66およびVL SEQ ID No:70[11B8]、
(c) VH SEQ ID No:72およびVL SEQ ID No:63[オファツムマブ]、
(d) VH SEQ ID No:75およびVL SEQ ID No:79[リツキシマブ]、
(e) VH SEQ ID No:82およびVL SEQ ID No:86[オビヌツズマブ]、ならびに
(f) (a)~(e)に示される配列のうちのいずれか1つとの少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するVHおよびVLの配列
からなる群より選択される配列を有するVHおよびVLを含む、ヒトCD20に結合する第2の抗原結合領域を有する。
【0130】
本発明の一つの態様において、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体、ここで、第2の抗体は、
(a) VH SEQ ID No:59およびVL SEQ ID No:63[7D8]、
(b) VH SEQ ID No:66およびVL SEQ ID No:70[11B8]、
(c) VH SEQ ID No:72およびVL SEQ ID No:63[オファツムマブ]、
(d) VH SEQ ID No:75およびVL SEQ ID No:79[リツキシマブ]、ならびに
(e) VH SEQ ID No:82およびVL SEQ ID No:86[オビヌツズマブ]
からなる群より選択される配列を有するVHおよびVLを含む、ヒトCD20に結合する第2の抗原結合領域を有する。
【0131】
本発明の一つの態様において、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体、ここで、ヒトCD37に結合する第1の抗原結合領域は、
(a) それぞれ、SEQ ID No:22、23、24、および26、EAS、SEQ ID No:27[004]、
(b) それぞれ、SEQ ID No:29、30、31、および33、AAS、SEQ ID No:34[005]、
(c) それぞれ、SEQ ID No:36、37、38、および40、KAS、SEQ ID No:41[010]、
(d) それぞれ、SEQ ID No:43、44、45、および47、YAS、SEQ ID No:48[016]、
(e) それぞれ、SEQ ID No:43、44、45、および47、YAS、SEQ ID No:58[016-C90S]、
(f) それぞれ、SEQ ID No:8、9、10、および12、VAT、SEQ ID No:13、ならびに
(g) それぞれ、SEQ ID No:15、16、17、および19、FAK、SEQ ID No:20
からなる群より選択される、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含むVH、ならびにLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含むVLを含み、
ヒトCD20に結合する第2の抗原結合領域は、
(h) それぞれ、SEQ ID No:60、61、62、および64、DAS、SEQ ID No:65[7D8]、
(i) それぞれ、SEQ ID No:67、68、69、および64、DAS、SEQ ID No:71[11B8]、
(j) それぞれ、SEQ ID No:73、74、62、および64、DAS、SEQ ID No:65[オファツムマブ]、
(k) それぞれ、SEQ ID No:76、77、78、および80、ATS、SEQ ID No:81[リツキシマブ]、ならびに
(l) それぞれ、SEQ ID No:83、84、85、および87、QMS、SEQ ID No:88
からなる群より選択される、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含むVH、ならびにLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含むVLを含む。
【0132】
本発明の一つの態様において、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体、ここで、ヒトCD37に結合する第1の抗原結合領域は、
(a) それぞれ、VH SEQ ID No:49およびVL SEQ ID No 50[004]、
(b) それぞれ、VH SEQ ID No 51およびVL SEQ ID No 52[005]、
(c) それぞれ、VH SEQ ID No 53およびVL SEQ ID No 54[010]、
(d) それぞれ、VH SEQ ID No 55およびVL SEQ ID No 56[016]、
(e) それぞれ、VH SEQ ID No 55およびVL SEQ ID No 57[016-C90S]、
(f) それぞれ、VH SEQ ID No 7およびVL SEQ ID No 11、ならびに
(g) それぞれ、VH SEQ ID No 14およびVL SEQ ID No 18、
からなる群より選択されるVHおよびVLの配列を含み、
ヒトCD20に結合する第2の抗原結合領域は、
(h) それぞれ、VH SEQ ID No:59およびVL SEQ ID No:63[7D8]、
(i) それぞれ、VH SEQ ID No:66およびVL SEQ ID No:70[11B8]、
(j) それぞれ、VH SEQ ID No:72およびVL SEQ ID No:63[オファツムマブ]、
(k) それぞれ、VH SEQ ID No:75およびVL SEQ ID No:79[リツキシマブ]、ならびに
(l) それぞれ、VH SEQ ID No:82およびVL SEQ ID No:86[オビヌツズマブ]
からなる群より選択されるVHおよびVLの配列を含む。
【0133】
本発明の一つの態様において、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体、ここで、ヒトCD37に結合する第1の抗原結合領域は、それぞれ、VH SEQ ID No:49およびVL SEQ ID No:50に示されるVHおよびVLの配列を含み[004]、ヒトCD20に結合する第2の抗原結合領域は、それぞれ、VH SEQ ID No:59およびVL SEQ ID No:63に示されるVHおよびVLの配列を含む[7D8]。
【0134】
本発明の一つの態様において、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体、ここで、ヒトCD37に結合する第1の抗原結合領域は、それぞれ、VH SEQ ID No:49およびVL SEQ ID No:50に示されるVHおよびVLの配列を含み[004]、ヒトCD20に結合する第2の抗原結合領域は、それぞれ、VH SEQ ID No:66およびVL SEQ ID No:70に示されるVHおよびVLの配列を含む[11B8]。
【0135】
本発明の一つの態様において、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体、ここで、ヒトCD37に結合する第1の抗原結合領域は、それぞれ、VH SEQ ID No:51およびVL SEQ ID No:52に示されるVHおよびVLの配列を含み[005]、ヒトCD20に結合する第2の抗原結合領域は、それぞれ、VH SEQ ID No:59およびVL SEQ ID No:63に示されるVHおよびVLの配列を含む[7D8]。
【0136】
本発明の一つの態様において、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体、ここで、ヒトCD37に結合する第1の抗原結合領域は、それぞれ、VH SEQ ID No:51およびVL SEQ ID No:52に示されるVHおよびVLの配列を含み[005]、ヒトCD20に結合する第2の抗原結合領域は、それぞれ、VH SEQ ID No:66およびVL SEQ ID No:70に示されるVHおよびVLの配列を含む[11B8]。
【0137】
本発明の一つの態様において、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体、ここで、ヒトCD37に結合する第1の抗原結合領域は、それぞれ、VH SEQ ID No:53およびVL SEQ ID No:54に示されるVHおよびVLの配列を含み[010]、ヒトCD20に結合する第2の抗原結合領域は、それぞれ、VH SEQ ID No:59およびVL SEQ ID No:63に示されるVHおよびVLの配列を含む[7D8]。
【0138】
本発明の一つの態様において、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体、ここで、ヒトCD37に結合する第1の抗原結合領域は、それぞれ、VH SEQ ID No:53およびVL SEQ ID No:54に示されるVHおよびVLの配列を含み[010]、ヒトCD20に結合する第2の抗原結合領域は、それぞれ、VH SEQ ID No:66およびVL SEQ ID No:70に示されるVHおよびVLの配列を含む[11B8]。
【0139】
本発明の一つの態様において、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体、ここで、ヒトCD37に結合する第1の抗原結合領域は、それぞれ、VH SEQ ID No:55およびVL SEQ ID No:56に示されるVHおよびVLの配列を含み[016]、ヒトCD20に結合する第2の抗原結合領域は、それぞれ、VH SEQ ID No:59およびVL SEQ ID No:63に示されるVHおよびVLの配列を含む[7D8]。
【0140】
本発明の一つの態様において、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体、ここで、ヒトCD37に結合する第1の抗原結合領域は、それぞれ、VH SEQ ID No:55およびVL SEQ ID No:56に示されるVHおよびVLの配列を含み[016]、ヒトCD20に結合する第2の抗原結合領域は、それぞれ、VH SEQ ID No:66およびVL SEQ ID No:70に示されるVHおよびVLの配列を含む[11B8]。
【0141】
本発明の一つの態様において、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体、ここで、ヒトCD37に結合する第1の抗原結合領域は、それぞれ、VH SEQ ID No 55およびVL SEQ ID No 57に示されるVHおよびVLの配列を含み[016-C90S]、ヒトCD20に結合する第2の抗原結合領域は、それぞれ、VH SEQ ID No:59およびVL SEQ ID No:63に示されるVHおよびVLの配列を含む[7D8]。
【0142】
本発明の一つの態様において、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体、ここで、ヒトCD37に結合する第1の抗原結合領域は、それぞれ、VH SEQ ID No:55およびVL SEQ ID No:57に示されるVHおよびVLの配列を含み[016-C90S]、ヒトCD20に結合する第2の抗原結合領域は、それぞれ、VH SEQ ID No:66およびVL SEQ ID No:70に示されるVHおよびVLの配列を含む[11B8]。
【0143】
本発明の一つの態様において、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体、ここで、ヒトCD37に結合する第1の抗原結合領域は、それぞれ、VH SEQ ID No:7およびVL SEQ ID No:11に示されるVHおよびVLの配列を含み、ヒトCD20に結合する第2の抗原結合領域は、それぞれ、VH SEQ ID No:59およびVL SEQ ID No:63に示されるVHおよびVLの配列を含む[7D8]。
【0144】
本発明の一つの態様において、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体、ここで、ヒトCD37に結合する第1の抗原結合領域は、それぞれ、VH SEQ ID No:7およびVL SEQ ID No:11に示されるVHおよびVLの配列を含み、ヒトCD20に結合する第2の抗原結合領域は、それぞれ、VH SEQ ID No:66およびVL SEQ ID No:70に示されるVHおよびVLの配列を含む[11B8]。
【0145】
本発明の一つの態様において、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体、ここで、ヒトCD37に結合する第1の抗原結合領域は、それぞれ、VH SEQ ID No:14およびVL SEQ ID No:18に示されるVHおよびVLの配列を含み、ヒトCD20に結合する第2の抗原結合領域は、それぞれ、VH SEQ ID No:59およびVL SEQ ID No:63に示されるVHおよびVLの配列を含む[7D8]。
【0146】
本発明の一つの態様において、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体、ここで、ヒトCD37に結合する第1の抗原結合領域は、それぞれ、VH SEQ ID No:14およびVL SEQ ID No:18に示されるVHおよびVLの配列を含み、ヒトCD20に結合する第2の抗原結合領域は、それぞれ、VH SEQ ID No:66およびVL SEQ ID No:70に示されるVHおよびVLの配列を含む[11B8]。
【0147】
本発明の一つの態様において、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体、ここで、第1および/または第2の抗体は、ヒト抗体、ヒト化抗体、またはキメラ抗体である。
【0148】
本発明の一つの態様において、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体、ここで、第1の抗体は、ヒト化であり、第2の抗体は、ヒトである。
【0149】
本発明の一つの態様において、第2と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体、ここで、第1および/または第2の抗体は、モノクローナル抗体である。
【0150】
本発明の一つの態様において、第2と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体、ここで、第1および第2の抗体は、モノクローナル抗体である。
【0151】
本発明の一つの態様において、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体、ここで、第1および/または第2の抗体は、ヒトIgG1アイソタイプ、ヒトIgG2アイソタイプ、ヒトIgG3アイソタイプ、またはヒトIgG4アイソタイプである。
【0152】
本発明の一つの態様において、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体、ここで、第1および第2の抗体は、ヒトIgG1アイソタイプ、ヒトIgG2アイソタイプ、ヒトIgG3アイソタイプ、またはヒトIgG4アイソタイプである。
【0153】
本発明の一つの態様において、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体、ここで、第1および/または第2の抗体は、IgG1アイソタイプである。
【0154】
本発明の一つの態様において、第2の抗体と組み合わせて医薬として使用するための第1の抗体、ここで、第1および第2の抗体は、ヒトIgG1アイソタイプである。
【0155】
別の局面において、本発明は、第1および第2の抗体を含む組成物であって、第1の抗体が、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域とヒトIgGの第1のFc領域とを含み、第2の抗体が、ヒトCD20に結合することができる第2の抗原結合領域とヒトIgGの第2のFc領域とを含み、第1および第2のFc領域が各々、EUナンバリングシステムを使用した場合のヒトIgGのE430、E345、またはS440に相当する位置におけるアミノ酸置換を含み、ただし、S440における置換はS440YまたはS440Wである、、組成物に関する。これによって、Fc領域にFc-Fc相互作用増強置換を含む抗CD37抗体およびFc領域にFc-Fc相互作用増強置換を含む抗CD20抗体を有する組成物が提供される。従って、そのような組成物中の抗体分子は、標的結合時にオリゴマーを形成することができ;そのようなオリゴマーは、単独の抗CD37抗体分子の間で、単独の抗CD20抗体分子の間で、または抗CD37抗体分子と抗CD20抗体分子との混合物の間で形成され得る。
【0156】
本発明による組成物は、第1および第2の重鎖を含むFc領域を有する抗CD37抗体であって、EUナンバリングを使用したとき、ヒトIgG1のE430、E345、またはS440に相当する位置における置換が、第1または第2の重鎖に存在し、好ましくは、第1および第2の重鎖の両方に存在し、ただし、S440における置換はS440YまたはS440Wである、抗CD37抗体を含む。
【0157】
EUナンバリングによるヒトIgG1のE430、E345、またはS440に相当するアミノ酸位置における置換(ただし、S440における置換はS440YまたはS440Wである)は、本発明に関して、Fc-Fc相互作用増強置換とも呼ばれる。
【0158】
Fc-Fc相互作用増強置換は、細胞表面上の対応する抗原に結合したとき、置換を含む抗体の間のFc-Fc相互作用を強化する。
【0159】
本発明による組成物は、第1および第2の重鎖を含むFc領域を有する抗CD20抗体であって、EUナンバリングを使用したとき、ヒトIgG1のE430、E345、またはS440に相当する位置における置換が、第1または第2の重鎖の両方に存在するか、または比較的好ましくないが重鎖の一方にのみ存在し、ただし、S440における置換はS440YまたはS440Wである、抗CD20抗体も含む。
【0160】
抗CD37抗体がFc-Fc相互作用増強置換を有し、抗CD20抗体がFc-Fc相互作用増強置換を有する、本発明による組成物は、実施例3、4、および8において例証されるように、単独のFc-Fc相互作用増強置換を有する同一の抗CD37抗体、または単独のFc-Fc相互作用増強置換を有する同一の抗CD20抗体と比較して、CDCの誘導においてより強力であり得る。本発明の一つの態様において、第1のFc領域は、E430G、E345K、E430S、E430F、E430T、E345Q、E345R、E345Y、S440Y、およびS440Wからなる群より選択される置換を含む。
【0161】
本発明の一つの態様において、第2のFc領域は、E430G、E345K、E430S、E430F、E430T、E345Q、E345R、E345Y、S440Y、およびS440Wからなる群より選択される置換を含む。
【0162】
本発明の一つの態様において、第1のFc領域および第2のFc領域は、E430G、E345K、E430S、E430F、E430T、E345Q、E345R、E345Y、S440Y、およびS440Wからなる群より選択される置換を含む。
【0163】
本発明の一つの態様において、第1のFc領域は、E430GおよびE345Kからなる群より選択される置換、好ましくは、E430Gを含む。
【0164】
本発明の一つの態様において、第2のFc領域は、E430GおよびE345Kからなる群より選択される置換、好ましくは、E430Gを含む。
【0165】
本発明の一つの態様において、第1のFc領域は、E430G置換を含む。
【0166】
本発明の一つの態様において、第2のFc領域は、E430G置換を含む。
【0167】
本発明の一つの態様において、第1のFc領域および第2のFc領域は、E430GおよびE345Kからなる群より選択される置換、好ましくは、E430Gを含む。
【0168】
本発明の一つの態様において、第1のFc領域および第2のFc領域は、E430G置換を含む。本発明の一つの態様において、第1のFc領域および第2のFc領域は、E430S置換を含む。本発明の一つの態様において、第1のFc領域および第2のFc領域は、E430F置換を含む。本発明の一つの態様において、第1のFc領域および第2のFc領域は、E430T置換を含む。本発明の一つの態様において、第1のFc領域および第2のFc領域は、E345K置換を含む。本発明の一つの態様において、第1のFc領域および第2のFc領域は、E345R置換を含む。本発明の一つの態様において、第1のFc領域および第2のFc領域は、E345Q置換を含む。本発明の一つの態様において、第1のFc領域および第2のFc領域は、E345Y置換を含む。本発明の一つの態様において、第1のFc領域および第2のFc領域は、S440Y置換を含む。本発明の一つの態様において、第1のFc領域および第2のFc領域は、S440W置換を含む。
【0169】
本発明の一つの態様において、第1の抗体は、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域とヒトIgGの第1のFc領域とを含み、第2の抗体は、ヒトCD20に結合することができる第2の抗原結合領域とヒトIgGの第2のFc領域とを含み、ここで、第1のFc領域は、E430G置換を含む。従って、一つの態様において、第1の抗体は、Fc-Fc相互作用増強置換を有するFc領域を有していてよく、第2の抗体は、本発明によるFc-Fc相互作用増強置換を有していない。
【0170】
本発明の好ましい態様において、第1の抗体は、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域とヒトIgGの第1のFc領域とを含み、第2の抗体は、ヒトCD20に結合することができる第2の抗原結合領域とヒトIgGの第2のFc領域とを含み、ここで、第1および第2のFc領域は、E430G置換を含む。
【0171】
本発明の一つの態様において、組成物は、第1および第2の抗体を含み、ここで、第1および第2のFc領域は、さらなる置換を含む。そのようなさらなる置換の例は、S440Kおよび/またはK439Eであり得る。Fc-Fc相互作用増強置換およびさらなるS440K置換を含む抗体は、S440K置換を含む抗体とオリゴマーを形成しない。Fc-Fc相互作用増強置換およびさらなるK439E置換を含む抗体は、K439E置換を含む抗体とオリゴマーを形成しない。しかしながら、Fc-Fc相互作用増強置換およびさらなるK439E置換を含む抗体は、さらなるS440K置換を含む抗体とオリゴマーを形成する。従って、Fc-Fc相互作用増強置換およびさらなるK439E置換を含む第1の抗体、ならびにS440K置換を含む第2の抗体は、第1および第2の抗体の両方の対応する抗原を発現している細胞の細胞表面上で、ヘテロ六量体のようなヘテロオリゴマーを形成し得る。
【0172】
本発明の一つの態様において、第1のFc領域はK439E置換をさらに含み、第2のFc領域はS440K置換をさらに含み、ただし、第2のFc領域はS440Y置換もS440W置換も含まない。あるいは、一つの態様において、第1のFc領域はS440K置換をさらに含み、第2のFc領域はK439E置換をさらに含み、ただし、第1のFc領域はS440Y置換もS440W置換も含まない。
【0173】
本発明の一つの態様において、第1のFc領域は、E430に相当する位置におけるアミノ酸置換およびさらなるK439E置換を含み、第2のFc領域は、E430に相当する位置におけるアミノ酸置換およびさらなるS440K置換を含む。
【0174】
本発明の一つの態様において、第1のFc領域は、E430に相当する位置におけるアミノ酸置換およびさらなるS440K置換を含み、第2のFc領域は、E430に相当する位置におけるアミノ酸置換およびさらなるK439E置換を含む。
【0175】
本発明の一つの態様において、第1のFc領域は、E430G置換およびさらなるK439E置換を含み、第2のFc領域は、E430G置換およびさらなるS440K置換を含む。
【0176】
本発明の一つの態様において、第1のFc領域は、E430G置換およびさらなるS440K置換を含み、第2のFc領域は、E430G置換およびさらなるK439E置換を含む。
【0177】
本発明の一つの態様において、第1のFc領域は、E345に相当する位置におけるアミノ酸置換およびさらなるK439E置換を含み、第2のFc領域は、E345に相当する位置におけるアミノ酸置換およびさらなるS440K置換を含む。
【0178】
本発明の一つの態様において、第1のFc領域は、E345に相当する位置におけるアミノ酸置換およびさらなるS440K置換を含み、第2のFc領域は、E345に相当する位置におけるアミノ酸置換およびさらなるK439E置換を含む。
【0179】
本発明の一つの態様において、第1のFc領域は、E345K置換およびさらなるK439E置換を含み、第2のFc領域は、E345K置換およびさらなるS440K置換を含む。
【0180】
本発明の一つの態様において、第1のFc領域は、E345K置換およびさらなるS440K置換を含み、第2のFc領域は、E345K置換およびさらなるK439E置換を含む。
【0181】
本発明の一つの態様において、第1の抗原結合領域は、SEQ ID No:1に示される配列を有するヒトCD37に結合することができる。
【0182】
本発明の一つの態様において、第1の抗原結合領域は、SEQ ID No:1に示される配列を有するカニクイザル(マカカ・ファシキュラリス)CD37に結合することができる。
【0183】
本発明の一つの態様において、第1の抗原結合領域は、SEQ ID No 1に示される配列を有するヒトCD37およびSEQ ID No 2に示される配列を有するカニクイザル(マカカ・ファシキュラリス)CD37に結合することができる。従って、本発明の一つの態様において、組成物は、ヒトCD37およびカニクイザルCD37に対して交差特異性のある第1の抗原結合領域を含む第1の抗体を含む。ヒトCD37およびカニクイザルCD37に対して交差特異性のある抗体は、カニクイザルにおける前臨床毒性試験に適切であるため、そのような抗体は医薬開発のために好ましいものであり得る。
【0184】
本発明の一つの態様において、第1の抗体は、SEQ ID No:1のアミノ酸Y182、D189、T191、I192、D194、K195、V196、I197、およびP199を含む機能的エピトープを有する第1の抗原結合領域を含む。
【0185】
本発明の一つの態様において、第1の抗体は、SEQ ID No:1のアミノ酸E124、F162、Q163、V164、L165、およびH175を含む機能的エピトープを有する第1の抗原結合領域を含む。
【0186】
本発明の一つの態様において、組成物は、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域を含む第1の抗体であって、それぞれ、SEQ ID No:49およびSEQ ID No:50に示される可変重鎖(VH)配列および可変軽鎖(VL)を含む抗CD37抗体と、ヒトCD37との結合について競合する第1の抗体を含む。
【0187】
本発明の一つの態様において、組成物は、ヒトCD37に結合する第1の抗原結合領域を含む第1の抗体であって、それぞれ、SEQ ID No:51およびSEQ ID No:52に示される可変重鎖(VH)配列および可変軽鎖(VL)配列を含む抗CD37抗体と、ヒトCD37との結合について競合する第1の抗体を含む。
【0188】
本発明の一つの態様において、組成物は、ヒトCD37に結合する第1の抗原結合領域を含む第1の抗体であって、それぞれ、SEQ ID No:53およびSEQ ID No:54に示される可変重鎖(VH)配列および可変軽鎖(VL)配列を含む抗CD37抗体と、ヒトCD37との結合について競合する第1の抗体を含む。
【0189】
本発明の一つの態様において、組成物は、ヒトCD37に結合する第1の抗原結合領域を含む第1の抗体であって、それぞれ、SEQ ID No:55およびSEQ ID No:56に示される可変重鎖(VH)配列および可変軽鎖(VL)を含む抗CD37抗体と、ヒトCD37との結合について競合する第1の抗体を含む。
【0190】
本発明の一つの態様において、組成物は、ヒトCD37に結合する第1の抗原結合領域を含む第1の抗体であって、それぞれ、SEQ ID No:55およびSEQ ID No:57に示される可変重鎖(VH)配列および可変軽鎖(VL)を含む抗CD37抗体と、ヒトCD37との結合について競合する第1の抗体を含む。
【0191】
本発明の一つの態様において、組成物は、ヒトCD37に結合する第1の抗原結合領域を含む第1の抗体であって、それぞれ、SEQ ID No:7およびSEQ ID No:11に示される可変重鎖(VH)配列および可変軽鎖(VL)を含む抗CD37抗体と、ヒトCD37との結合について競合する第1の抗体を含む。
【0192】
本発明の一つの態様において、組成物は、ヒトCD37に結合する第1の抗原結合領域を含む第1の抗体であって、それぞれ、SEQ ID No 14およびSEQ ID No 18に示される可変重鎖(VH)配列および可変軽鎖(VL)を含む抗CD37抗体と、ヒトCD37との結合について競合する第1の抗体を含む。
【0193】
本発明の一つの態様において、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域は、(a) それぞれ、SEQ ID No:22、23、24[004]、
(b) それぞれ、SEQ ID No:29、30、31[005]、
(c) それぞれ、SEQ ID No:36、37、38[010]、
(d) それぞれ、SEQ ID No:43、44、45[016]、
(e) それぞれ、SEQ ID No:8、9、10、および
(f) それぞれ、SEQ ID No:15、16、17
からなる群より選択されるHCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含む可変重鎖(VH)を含む。
【0194】
本発明の一つの態様において、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域は、それぞれ、SEQ ID No:22、23、24に示されるHCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含む可変重鎖(VH)を含む。
【0195】
本発明の一つの態様において、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域は、それぞれ、SEQ ID No:29、30、31に示されるHCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含む可変重鎖(VH)を含む。
【0196】
本発明の一つの態様において、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域は、それぞれ、SEQ ID No:36、37、38に示されるHCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含む可変重鎖(VH)を含む。
【0197】
本発明の一つの態様において、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域は、それぞれ、SEQ ID No:43、44、45に示されるHCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含む可変重鎖(VH)を含む。
【0198】
本発明の一つの態様において、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域は、それぞれ、SEQ ID No:8、9、10に示されるHCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含む可変重鎖(VH)を含む。
【0199】
本発明の一つの態様において、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域は、それぞれ、SEQ ID No:15、16、17に示されるHCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含む可変重鎖(VH)を含む。本発明の一つの態様において、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域は、
(a) それぞれ、SEQ ID No:26、EAS、SEQ ID No:27[004]、
(b) それぞれ、SEQ ID No:33、AAS、SEQ ID No:34[005]、
(c) それぞれ、SEQ ID No:40、KAS、SEQ ID No:41[010]、
(d) それぞれ、SEQ ID No:47、YAS、SEQ ID No:48[016]、
(e) それぞれ、SEQ ID No:47、YAS、SEQ ID No:58[016-C90S]、
(f) それぞれ、SEQ ID No:12、VAT、SEQ ID No:13[37.3]、および
(g) それぞれ、SEQ ID No:19、FAK、SEQ ID No:20
からなる群より選択されるLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含む可変軽鎖(VL)を含む。
【0200】
本発明の一つの態様において、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域は、それぞれ、SEQ ID No:26、EAS、SEQ ID No:27に示されるLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含む可変軽鎖(VL)を含む[004]。
【0201】
本発明の一つの態様において、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域は、それぞれ、SEQ ID No:33、AAS、SEQ ID No:34に示されるLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含む可変軽鎖(VL)を含む[005]。
【0202】
本発明の一つの態様において、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域は、それぞれ、SEQ ID No:40、KAS、SEQ ID No:41に示されるLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含む可変軽鎖(VL)を含む[010]。
【0203】
本発明の一つの態様において、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域は、それぞれ、SEQ ID No:47、YAS、SEQ ID No:48に示されるLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含む可変軽鎖(VL)を含む[016]。
【0204】
本発明の一つの態様において、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域は、それぞれ、SEQ ID No:47、YAS、SEQ ID No:58に示されるLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含む可変軽鎖(VL)を含む[016-C90S]。
【0205】
本発明の一つの態様において、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域は、それぞれ、SEQ ID No:12、VAT、SEQ ID No:13に示されるLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含む可変軽鎖(VL)を含む。
【0206】
本発明の一つの態様において、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域は、それぞれ、SEQ ID No:19、FAK、SEQ ID No:20に示されるLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含む可変軽鎖(VL)を含む。
【0207】
本発明の一つの態様において、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域は、
(a) それぞれ、SEQ ID No:22、23、24、および26、EAS、SEQ ID No:27[004]、
(b) それぞれ、SEQ ID No:29、30、31、および33、AAS、SEQ ID No:34[005]、
(c) それぞれ、SEQ ID No:36、37、38、および40、KAS、SEQ ID No:41[010]、
(d) それぞれ、SEQ ID No:43、44、45、および47、YAS、SEQ ID No:48[016]、
(e) それぞれ、SEQ ID No:43、44、45、および47、YAS、SEQ ID No:58[016-C90S]、
(f) それぞれ、SEQ ID No:8、9、10、および12、VAT、SEQ ID No:13、ならびに
(g) それぞれ、SEQ ID No:15、16、17、および19、FAK、SEQ ID No:20
からなる群より選択される、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含むVH、ならびにLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含むVLを含む。
【0208】
本発明の一つの態様において、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域は、それぞれ、SEQ ID No:22、23、24、および26、EAS、SEQ ID No:27に示される、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含むVH、ならびにLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含むVLを含む[004]。
【0209】
本発明の一つの態様において、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域は、それぞれ、SEQ ID No:29、30、31、および33、AAS、SEQ ID No:34に示される、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含むVH、ならびにLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含むVLを含む[005]。
【0210】
本発明の一つの態様において、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域は、それぞれ、SEQ ID No:36、37、38、および40、KAS、SEQ ID No:41に示される、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含むVH、ならびにLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含むVLを含む[010]。
【0211】
本発明の一つの態様において、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域は、それぞれ、SEQ ID No:43、44、45、および47、YAS、SEQ ID No:48に示される、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含むVH、ならびにLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含むVLを含む[016]。
【0212】
本発明の一つの態様において、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域は、それぞれ、SEQ ID No:43、44、45、および47、YAS、SEQ ID No:58に示される、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含むVH、ならびにLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含むVLを含む[016-C90S]。
【0213】
本発明の一つの態様において、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域は、それぞれ、SEQ ID No:8、9、10、および12、VAT、SEQ ID No:13に示される、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含むVH、ならびにLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含むVLを含む。
【0214】
本発明の一つの態様において、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域は、それぞれ、SEQ ID No:15、16、17、および19、FAK、SEQ ID No:20に示される、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含むVH、ならびにLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含むVLを含む。
【0215】
本発明の一つの態様において、第1の抗体は、第1のFc領域と、
(a) それぞれ、SEQ ID No:22、23、24、および26、EAS、SEQ ID No:27[004]、
(b) それぞれ、SEQ ID No:29、30、31、および33、AAS、SEQ ID No:34[005]、
(c) それぞれ、SEQ ID No:36、37、38、および40、KAS、SEQ ID No:41[010]、
(d) それぞれ、SEQ ID No:43、44、45、および47、YAS、SEQ ID No:48[016]、
(e) それぞれ、SEQ ID No:43、44、45、および47、YAS、SEQ ID No:58[016-C90S]、
(f) それぞれ、SEQ ID No:8、9、10、および12、VAT、SEQ ID No:13、ならびに
(g) それぞれ、SEQ ID No:15、16、17、および19、FAK、SEQ ID No:20
からなる群より選択される、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含むVH、ならびにLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含むVLを含む、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域とを含み、ここで、第1のFc領域は、E430に相当する位置におけるアミノ酸置換を含む。
【0216】
本発明の一つの態様において、第1の抗体は、第1のFc領域と、
(a) それぞれ、SEQ ID No:22、23、24、および26、EAS、SEQ ID No:27[004]、
(b) それぞれ、SEQ ID No:29、30、31、および33、AAS、SEQ ID No:34[005]、
(c) それぞれ、SEQ ID No:36、37、38、および40、KAS、SEQ ID No:41[010]、
(d) それぞれ、SEQ ID No:43、44、45、および47、YAS、SEQ ID No:48[016]、
(e) それぞれ、SEQ ID No:43、44、45、および47、YAS、SEQ ID No:58[016-C90S]、
(f) それぞれ、SEQ ID No:8、9、10、および12、VAT、SEQ ID No:13、ならびに
(g) それぞれ、SEQ ID No:15、16、17、および19、FAK、SEQ ID No:20
からなる群より選択される、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含むVH、ならびにLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含むVLを含む、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域とを含み、ここで、第1のFc領域は、E430G置換を含む。
【0217】
本発明の一つの態様において、第1の抗体は、第1のFc領域と、
(a) それぞれ、SEQ ID No:22、23、24、および26、EAS、SEQ ID No:27[004]、
(b) それぞれ、SEQ ID No:29、30、31、および33、AAS、SEQ ID No:34[005]、
(c) それぞれ、SEQ ID No:36、37、38、および40、KAS、SEQ ID No:41[010]、
(d) それぞれ、SEQ ID No:43、44、45、および47、YAS、SEQ ID No:48[016]、
(e) それぞれ、SEQ ID No:43、44、45、および47、YAS、SEQ ID No:58[016-C90S]、
(f) それぞれ、SEQ ID No:8、9、10、および12、VAT、SEQ ID No:13、ならびに
(g) それぞれ、SEQ ID No:15、16、17、および19、FAK、SEQ ID No:20
からなる群より選択される、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含むVH、ならびにLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含むVLを含む、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域とを含み、ここで、第1のFc領域は、E345に相当する位置におけるアミノ酸置換を含む。
【0218】
本発明の一つの態様において、第1の抗体は、第1のFc領域と、
(a) それぞれ、SEQ ID No:22、23、24、および26、EAS、SEQ ID No:27[004]、
(b) それぞれ、SEQ ID No:29、30、31、および33、AAS、SEQ ID No:34[005]、
(c) それぞれ、SEQ ID No:36、37、38、および40、KAS、SEQ ID No:41[010]、
(d) それぞれ、SEQ ID No:43、44、45、および47、YAS、SEQ ID No:48[016]、
(e) それぞれ、SEQ ID No:43、44、45、および47、YAS、SEQ ID No:58[016-C90S]、
(f) それぞれ、SEQ ID No:8、9、10、および12、VAT、SEQ ID No:13、ならびに
(g) それぞれ、SEQ ID No:15、16、17、および19、FAK、SEQ ID No:20
からなる群より選択される、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含むVH、ならびにLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含むVLを含む、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域とを含み、ここで、第1のFc領域は、E345K置換を含む。
【0219】
本発明の一つの態様において、第1の抗体は、第1のFc領域と、
(a) それぞれ、SEQ ID No:22、23、24、および26、EAS、SEQ ID No:27[004]、
(b) それぞれ、SEQ ID No:29、30、31、および33、AAS、SEQ ID No:34[005]、
(c) それぞれ、SEQ ID No:36、37、38、および40、KAS、SEQ ID No:41[010]、
(d) それぞれ、SEQ ID No:43、44、45、および47、YAS、SEQ ID No:48[016]、
(e) それぞれ、SEQ ID No:43、44、45、および47、YAS、SEQ ID No:58[016-C90S]、
(f) それぞれ、SEQ ID No:8、9、10、および12、VAT、SEQ ID No:13、ならびに
(g) それぞれ、SEQ ID No:15、16、17、および19、FAK、SEQ ID No:20
からなる群より選択される、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含むVH、ならびにLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含むVLを含む、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域とを含み、ここで、第1のFc領域は、E345R置換を含む。
【0220】
本発明の一つの態様において、第1の抗体は、第1のFc領域と、
(a) それぞれ、SEQ ID No:22、23、24、および26、EAS、SEQ ID No:27[004]、
(b) それぞれ、SEQ ID No:29、30、31、および33、AAS、SEQ ID No:34[005]、
(c) それぞれ、SEQ ID No:36、37、38、および40、KAS、SEQ ID No:41[010]、
(d) それぞれ、SEQ ID No:43、44、45、および47、YAS、SEQ ID No:48[016]、
(e) それぞれ、SEQ ID No:43、44、45、および47、YAS、SEQ ID No:58[016-C90S]、
(f) それぞれ、SEQ ID No:8、9、10、および12、VAT、SEQ ID No:13、ならびに
(g) それぞれ、SEQ ID No:15、16、17、および19、FAK、SEQ ID No:20
からなる群より選択される、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含むVH、ならびにLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含むVLを含む、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域とを含み、ここで、第1のFc領域は、S440Y置換またはS440W置換を含む。
【0221】
本発明の一つの態様において、第1の抗体は、
(a) それぞれ、VH SEQ ID No:49およびVL SEQ ID No:50[004]、
(b) それぞれ、VH SEQ ID No:51およびVL SEQ ID No:52[005]、
(c) それぞれ、VH SEQ ID No:53およびVL SEQ ID No:54[010]、
(d) それぞれ、VH SEQ ID No:55およびVL SEQ ID No:56[016]、
(e) それぞれ、VH SEQ ID No:55およびVL SEQ ID No:57[016-C90S]、
(f) それぞれ、VH SEQ ID No:7およびVL SEQ ID No:11、
(g) それぞれ、VH SEQ ID No:14およびVL SEQ ID No:18、ならびに
(h) (a)~(g)に示される配列のうちのいずれか1つとの少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するVHおよびVLの配列
からなる群より選択される配列を有するVHおよびVLを含む、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域を含む。
【0222】
本発明の一つの態様において、第1の抗体は、
(a) それぞれ、VH SEQ ID No:49およびVL SEQ ID No:50[004]、
(b) それぞれ、VH SEQ ID No:51およびVL SEQ ID No:52[005]、
(c) それぞれ、VH SEQ ID No:53およびVL SEQ ID No:54[010]、
(d) それぞれ、VH SEQ ID No:55およびVL SEQ ID No:56[016]、
(e) それぞれ、VH SEQ ID No:55およびVL SEQ ID No:57[016-C90S]、
(f) それぞれ、VH SEQ ID No:7およびVL SEQ ID No:11、
(g) それぞれ、VH SEQ ID No:14およびVL SEQ ID No:18、ならびに
(h) (a)~(g)に示される配列のうちのいずれか1つにおいて、フレームワーク配列における多くても10個のアミノ酸置換、例えば、9個のアミノ酸置換、例えば、8個のアミノ酸置換、例えば、7個のアミノ酸置換、例えば、6個のアミノ酸置換、例えば、5個のアミノ酸置換、例えば、4個のアミノ酸置換、例えば、3個のアミノ酸置換、例えば、2個のアミノ酸置換、例えば、1個のアミノ酸置換を有するVHおよびVLの配列
からなる群より選択される配列を有するVHおよびVLを含む、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域を含む。
【0223】
本発明の一つの態様において、組成物は、それぞれ、SEQ ID No:51およびSEQ ID No:52に示される配列を有するVHおよびVLを含む、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域を含む第1の抗体を含む。
【0224】
本発明の一つの態様において、組成物は、それぞれ、SEQ ID No:53およびSEQ ID No:54に示される配列を有するVHおよびVLを含む、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域を含む第1の抗体を含む。
【0225】
本発明の一つの態様において、組成物は、それぞれ、SEQ ID No:55およびSEQ ID No:56に示される配列を有するVHおよびVLを含む、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域を含む第1の抗体を含む。
【0226】
本発明の一つの態様において、組成物は、それぞれ、SEQ ID No:55およびSEQ ID No:57に示される配列を有するVHおよびVLを含む、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域を含む第1の抗体を含む。
【0227】
本発明の一つの態様において、組成物は、それぞれ、SEQ ID No:7およびSEQ ID No:11に示される配列を有するVHおよびVLを含む、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域を含む第1の抗体を含む。
【0228】
本発明の一つの態様において、組成物は、それぞれ、SEQ ID No:14およびSEQ ID No:18に示される配列を有するVHおよびVLを含む、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域を含む第1の抗体を含む。
【0229】
本発明の一つの態様において、組成物は、それぞれ、SEQ ID No:49およびSEQ ID No:50に示される配列を有するVHおよびVLを含む、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域を含む第1の抗体を含む。
【0230】
本発明の一つの態様において、第1の抗体は、第1のFc領域と、
(a) それぞれ、VH SEQ ID No:49およびVL SEQ ID No:50[004]、
(b) それぞれ、VH SEQ ID No:51およびVL SEQ ID No:52[005]、
(c) それぞれ、VH SEQ ID No:53およびVL SEQ ID No:54[010]、
(d) それぞれ、VH SEQ ID No:55およびVL SEQ ID No:56[016]、
(e) それぞれ、VH SEQ ID No:55およびVL SEQ ID No:57[016-C90S]、
(f) それぞれ、VH SEQ ID No:7およびVL SEQ ID No:11、ならびに
(g) それぞれ、VH SEQ ID No:14およびVL SEQ ID No:18
からなる群より選択される配列を有するVHおよびVLを含む、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域とを含み、ここで、第1のFc領域は、E430に相当する位置におけるアミノ酸置換を含む。
【0231】
本発明の一つの態様において、第1の抗体は、第1のFc領域と、
(a) それぞれ、VH SEQ ID No:49およびVL SEQ ID No:50[004]、
(b) それぞれ、VH SEQ ID No:51およびVL SEQ ID No:52[005]、
(c) それぞれ、VH SEQ ID No:53およびVL SEQ ID No:54[010]、
(d) それぞれ、VH SEQ ID No:55およびVL SEQ ID No:56[016]、
(e) それぞれ、VH SEQ ID No:55およびVL SEQ ID No:57[016-C90S]、
(f) それぞれ、VH SEQ ID No:7およびVL SEQ ID No:11、ならびに
(g) それぞれ、VH SEQ ID No:14およびVL SEQ ID No:18
からなる群より選択される配列を有するVHおよびVLを含む、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域とを含み、ここで、第1のFc領域は、E430G置換を含む。
【0232】
本発明の一つの態様において、第1の抗体は、第1のFc領域と、
(a) それぞれ、VH SEQ ID No:49およびVL SEQ ID No:50[004]、
(b) それぞれ、VH SEQ ID No:51およびVL SEQ ID No:52[005]、
(c) それぞれ、VH SEQ ID No:53およびVL SEQ ID No:54[010]、
(d) それぞれ、VH SEQ ID No:55およびVL SEQ ID No:56[016]、
(e) それぞれ、VH SEQ ID No:55およびVL SEQ ID No:57[016-C90S]、
(f) それぞれ、VH SEQ ID No:7およびVL SEQ ID No:11、ならびに
(g) それぞれ、VH SEQ ID No:14およびVL SEQ ID No:18
からなる群より選択される配列を有するVHおよびVLを含む、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域とを含み、ここで、第1のFc領域は、E345に相当する位置におけるアミノ酸置換を含む。
【0233】
本発明の一つの態様において、第1の抗体は、第1のFc領域と、
(a) それぞれ、VH SEQ ID No:49およびVL SEQ ID No:50[004]、
(b) それぞれ、VH SEQ ID No:51およびVL SEQ ID No:52[005]、
(c) それぞれ、VH SEQ ID No:53およびVL SEQ ID No:54[010]、
(d) それぞれ、VH SEQ ID No:55およびVL SEQ ID No:56[016]、
(e) それぞれ、VH SEQ ID No:55およびVL SEQ ID No:57[016-C90S]、
(f) それぞれ、VH SEQ ID No:7およびVL SEQ ID No:11、ならびに
(g) それぞれ、VH SEQ ID No:14およびVL SEQ ID No:18
からなる群より選択される配列を有するVHおよびVLを含む、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域とを含み、ここで、第1のFc領域は、E345KまたはE345R置換を含む。
【0234】
本発明の一つの態様において、第1の抗体は、第1のFc領域と、
(a) それぞれ、VH SEQ ID No:49およびVL SEQ ID No:50[004]、
(b) それぞれ、VH SEQ ID No:51およびVL SEQ ID No:52[005]、
(c) それぞれ、VH SEQ ID No:53およびVL SEQ ID No:54[010]、
(d) それぞれ、VH SEQ ID No:55およびVL SEQ ID No:56[016]、
(e) それぞれ、VH SEQ ID No:55およびVL SEQ ID No:57[016-C90S]、
(f) それぞれ、VH SEQ ID No:7およびVL SEQ ID No:11、ならびに
(g) それぞれ、VH SEQ ID No:14およびVL SEQ ID No:18
からなる群より選択される配列を有するVHおよびVLを含む、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域とを含み、ここで、第1のFc領域は、S440Y置換またはS440W置換を含む。
【0235】
CD20の態様
本発明の一つの態様において、第2の抗原結合領域は、SEQ ID No:5に示される配列を有するヒトCD20に結合することができる。
【0236】
本発明の一つの態様において、第2の抗原結合領域は、SEQ ID No:6に示される配列を有するカニクイザルCD20に結合することができる。
【0237】
本発明の一つの態様において、第2の抗原結合領域は、それぞれ、SEQ ID No:5および6に示される配列を有するヒトCD20およびカニクイザルCD20に結合することができる。
【0238】
本発明の一つの態様において、ヒトCD20に結合することができる第2の抗原結合領域は、SEQ ID No.5のアミノ酸残基、170位のアラニンも172位のプロリンも含まず、必要としないが、アミノ酸残基、163位のアスパラギンおよび166位のアスパラギンを含むかまたは必要とする、ヒトCD20のエピトープに結合する。そのような抗体の例は、WO2004035607(Genmab)に開示されている2F2および7D8と表記される抗体、ならびにWO2005103081(Genmab)に開示されている2C6と表記される抗体である。7D8のCDR配列は、表1に開示される。
【0239】
本発明の一つの態様において、ヒトCD20に結合することができる第2の抗原結合領域は、SEQ ID No:5のアミノ酸残基、170位のアラニンも172位のプロリンも含まず、必要としない、ヒトCD20のエピトープに結合する。そのような抗体の例は、WO2004035607(Genmab)に開示されている11B8である。11B8のCDR配列は、表1に開示される。
【0240】
本発明の一つの態様において、ヒトCD20に結合することができる第2の抗原結合領域は、第1の小さい細胞外ループの一部および第2の細胞外ループの一部を含むCD20の不連続エピトープに結合する。
【0241】
本発明の一つの態様において、ヒトCD20に結合することができる第2の抗原結合領域は、小さい第1の細胞外ループの残基AGIYAPおよび第2の細胞外ループの残基MESLNFIRAHTPYIを有するCD20の不連続エピトープに結合する。
【0242】
抗CD20抗体は、I型およびII型の抗CD20抗体であることを特徴とし得る。オファツムマブ、7D8、およびリツキシマブのようなI型抗CD20抗体は、高いCDC活性およびADCC活性を有するが、低いアポトーシス活性を有し、オビヌツズマブおよび11B8のようなII型抗CD20抗体は、低いCDC活性を有するかまたはCDC活性を有していないが、高いADCC活性およびアポトーシス活性を有する。
【0243】
本発明の一つの態様において、組成物は、ヒトCD20に結合することができる第2の抗原結合領域を含む第2の抗体であって、それぞれ、SEQ ID No 59およびSEQ ID No 63に示される可変重鎖(VH)配列および可変軽鎖(VL)を含む抗CD20抗体と、ヒトCD20との結合について競合する第2の抗体を含む。
【0244】
本発明の一つの態様において、組成物は、ヒトCD20に結合することができる第2の抗原結合領域を含む第2の抗体であって、それぞれ、SEQ ID No 66およびSEQ ID No 70に示される可変重鎖(VH)配列および可変軽鎖(VL)を含む抗CD20抗体と、ヒトCD20との結合について競合する第2の抗体を含む。
【0245】
本発明の一つの態様において、組成物は、ヒトCD20に結合することができる第2の抗原結合領域を含む第2の抗体であって、それぞれ、SEQ ID No 72およびSEQ ID No 63に示される可変重鎖(VH)配列および可変軽鎖(VL)を含む抗CD20抗体と、ヒトCD20との結合について競合する第2の抗体を含む。
【0246】
本発明の一つの態様において、組成物は、ヒトCD20に結合することができる第2の抗原結合領域を含む第2の抗体であって、それぞれ、SEQ ID No 75およびSEQ ID No 79に示される可変重鎖(VH)配列および可変軽鎖(VL)を含む抗CD20抗体と、ヒトCD20との結合について競合する第2の抗体を含む。
【0247】
本発明の一つの態様において、ヒトCD20に結合することができる第2の抗原結合領域は、
(a) それぞれ、SEQ ID No:60、61、62[7D8]、
(b) それぞれ、SEQ ID No:67、68、69[118B]、
(c) それぞれ、SEQ ID No:73、74、62[オファツムマブ]、
(d) それぞれ、SEQ ID No:76、77、78[リツキシマブ]、および
(e) それぞれ、SEQ ID No:83、84、85[オビヌツズマブ]
からなる群より選択されるHCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含むVHを含む。
【0248】
本発明の一つの態様において、ヒトCD20に結合することができる第2の抗原結合領域は、(f) それぞれ、SEQ ID No:64、DAS、SEQ ID No:65[7D8]/[オファツムマブ]、
(g) それぞれ、SEQ ID No:64、DAS、SEQ ID No:71[11B8]、
(h) それぞれ、SEQ ID No:80、ATS、SEQ ID No:81[リツキシマブ]、
(i) それぞれ、SEQ ID No:87、QMS、SEQ ID No:88[オビヌツズマブ]
からなる群より選択されるLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含むVLを含む。
【0249】
本発明の一つの態様において、ヒトCD20に結合することができる第2の抗原結合領域は、(a) それぞれ、SEQ ID No:60、61、62、および64、DAS、SEQ ID No:65[7D8]、
(b) それぞれ、SEQ ID No:67、68、69、および64、DAS、SEQ ID No:71[11B8]、
(c) それぞれ、SEQ ID No:73、74、62、および64、DAS、SEQ ID No:65[オファツムマブ]、
(d) それぞれ、SEQ ID No:76、77、78、および80、ATS、SEQ ID No:81[リツキシマブ]、ならびに
(e) それぞれ、SEQ ID No:83、84、85、および87、QMS、SEQ ID No:88
からなる群より選択される、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含むVH、ならびにLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含むVLを含む。
【0250】
本発明の一つの態様において、ヒトCD20に結合することができる第2の抗原結合領域は、それぞれ、SEQ ID No:60、61、62、および64、DAS、SEQ ID No:65に示される、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含むVH、ならびにLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含むVLを含む[7D8]。
【0251】
本発明の一つの態様において、ヒトCD20に結合することができる第2の抗原結合領域は、それぞれ、SEQ ID No:67、68、69、および64、DAS、SEQ ID No:71に示される、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含むVH、ならびにLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含むVLを含む[11B8]。
【0252】
本発明の一つの態様において、ヒトCD20に結合することができる第2の抗原結合領域は、それぞれ、73、74、62、64、DAS、65に示される、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含むVH、ならびにLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含むVLを含む。
【0253】
本発明の一つの態様において、ヒトCD20に結合することができる第2の抗原結合領域は、それぞれ、76、77、78、80、ATS、81に示される、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含むVH、ならびにLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含むVLを含む。
【0254】
本発明の一つの態様において、ヒトCD20に結合することができる第2の抗原結合領域は、それぞれ、SEQ ID No:83、84、85、および87、QMS、SEQ ID No:88に示される、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含むVH、ならびにLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含むVLを含む。
【0255】
本発明の一つの態様において、第2の抗体は、第2のFc領域と、
(a) それぞれ、SEQ ID No:60、61、62、および64、DAS、SEQ ID No:65[7D8]、
(b) それぞれ、SEQ ID No:67、68、69、および64、DAS、SEQ ID No:71[11B8]、
(c) それぞれ、SEQ ID No:73、74、62、および64、DAS、SEQ ID No:65[オファツムマブ]、
(d) それぞれ、SEQ ID No:76、77、78、および80、ATS、SEQ ID No:81[リツキシマブ]、ならびに
(e) それぞれ、SEQ ID No:83、84、85、および87、QMS、SEQ ID No:88
からなる群より選択される、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含むVH、ならびにLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含むVLを含む、ヒトCD20に結合することができる第2の抗原結合領域とを含み、ここで、第2のFc領域は、E430に相当する位置におけるアミノ酸置換を含む。
【0256】
本発明の一つの態様において、第2の抗体は、第2のFc領域と、
(a) それぞれ、SEQ ID No:60、61、62、および64、DAS、SEQ ID No:65[7D8]、
(b) それぞれ、SEQ ID No:67、68、69、および64、DAS、SEQ ID No:71[11B8]、
(c) それぞれ、SEQ ID No:73、74、62、および64、DAS、SEQ ID No:65[オファツムマブ]、
(d) それぞれ、SEQ ID No:76、77、78、および80、ATS、SEQ ID No:81[リツキシマブ]、ならびに
(e) それぞれ、SEQ ID No:83、84、85、および87、QMS、SEQ ID No:88
からなる群より選択される、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含むVH、ならびにLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含むVLを含む、ヒトCD20に結合することができる第2の抗原結合領域とを含み、ここで、第2のFc領域は、E430G置換を含む。
【0257】
本発明の一つの態様において、第2の抗体は、第2のFc領域と、
(a) それぞれ、SEQ ID No:60、61、62、および64、DAS、SEQ ID No:65[7D8]、
(b) それぞれ、SEQ ID No:67、68、69、および64、DAS、SEQ ID No:71[11B8]、
(c) それぞれ、SEQ ID No:73、74、62、および64、DAS、SEQ ID No:65[オファツムマブ]、
(d) それぞれ、SEQ ID No:76、77、78、および80、ATS、SEQ ID No:81[リツキシマブ]、ならびに
(e) それぞれ、SEQ ID No:83、84、85、および87、QMS、SEQ ID No:88
(f)
からなる群より選択される、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含むVH、ならびにLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含むVLを含む、ヒトCD20に結合することができる第2の抗原結合領域とを含み、ここで、第2のFc領域は、E345に相当する位置におけるアミノ酸置換を含む。
【0258】
本発明の一つの態様において、第2の抗体は、第2のFc領域と、
(a) それぞれ、SEQ ID No:60、61、62、および64、DAS、SEQ ID No:65[7D8]、
(b) それぞれ、SEQ ID No:67、68、69、および64、DAS、SEQ ID No:71[11B8]、
(c) それぞれ、SEQ ID No:73、74、62、および64、DAS、SEQ ID No:65[オファツムマブ]、
(d) それぞれ、SEQ ID No:76、77、78、および80、ATS、SEQ ID No:81[リツキシマブ]、ならびに
(e) それぞれ、SEQ ID No:83、84、85、および87、QMS、SEQ ID No:88
からなる群より選択される、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含むVH、ならびにLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含むVLを含む、ヒトCD20に結合することができる第2の抗原結合領域とを含み、ここで、第2のFc領域は、E345K置換を含む。
【0259】
本発明の一つの態様において、第2の抗体は、第2のFc領域と、
(a) それぞれ、SEQ ID No:60、61、62、および64、DAS、SEQ ID No:65[7D8]、
(b) それぞれ、SEQ ID No:67、68、69、および64、DAS、SEQ ID No:71[11B8]、
(c) それぞれ、SEQ ID No:73、74、62、および64、DAS、SEQ ID No:65[オファツムマブ]、
(d) それぞれ、SEQ ID No:76、77、78、および80、ATS、SEQ ID No:81[リツキシマブ]、ならびに
(e) それぞれ、SEQ ID No:83、84、85、および87、QMS、SEQ ID No:88
からなる群より選択される、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含むVH、ならびにLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含むVLを含む、ヒトCD20に結合することができる第2の抗原結合領域とを含み、ここで、第2のFc領域は、E345R置換を含む。
【0260】
本発明の一つの態様において、第2の抗体は、第2のFc領域と、
(a) それぞれ、SEQ ID No:60、61、62、および64、DAS、SEQ ID No:65[7D8]、
(b) それぞれ、SEQ ID No:67、68、69、および64、DAS、SEQ ID No:71[11B8]、
(c) それぞれ、SEQ ID No:73、74、62、および64、DAS、SEQ ID No:65[オファツムマブ]、
(d) それぞれ、SEQ ID No:76、77、78、および80、ATS、SEQ ID No:81[リツキシマブ]、ならびに
(e) それぞれ、SEQ ID No:83、84、85、および87、QMS、SEQ ID No:88
からなる群より選択される、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含むVH、ならびにLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含むVLを含む、ヒトCD20に結合することができる第2の抗原結合領域とを含み、ここで、第2のFc領域は、S440Y置換またはS440W置換を含む。
【0261】
本発明の一つの態様において、組成物は、
(a) VH SEQ ID No:59およびVL SEQ ID No:63[7D8]、
(b) VH SEQ ID No:66およびVL SEQ ID No:70[11B8]、
(c) VH SEQ ID No:72およびVL SEQ ID No:63[オファツムマブ]、
(d) VH SEQ ID No:75およびVL SEQ ID No:79[リツキシマブ]、
(e) VH SEQ ID No:83およびVL SEQ ID No:87、ならびに
(f) (a)~(e)に示される配列のうちのいずれか1つとの少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するVHおよびVLの配列
からなる群より選択される配列を有するVHおよびVLを含む、ヒトCD20に結合することができる第2の抗原結合領域を含む第2の抗体を含む。
【0262】
本発明の一つの態様において、組成物は、
(a) VH SEQ ID No:59およびVL SEQ ID No:63[7D8]、
(b) VH SEQ ID No:66およびVL SEQ ID No:70[11B8]、
(c) VH SEQ ID No:72およびVL SEQ ID No:63[オファツムマブ]、
(d) VH SEQ ID No:7およびVL SEQ ID No:79[リツキシマブ]、
(e) VH SEQ ID No:82およびVL SEQ ID No:86、ならびに
(f) (a)~(e)に示される配列のうちのいずれか1つにおいて、フレームワーク配列における多くても10個のアミノ酸置換、例えば、9個のアミノ酸置換、例えば、8個のアミノ酸置換、例えば、7個のアミノ酸置換、例えば、6個のアミノ酸置換、例えば、5個のアミノ酸置換、例えば、4個のアミノ酸置換、例えば、3個のアミノ酸置換、例えば、2個のアミノ酸置換、例えば、1個のアミノ酸置換を有するVHおよびVLの配列
からなる群より選択される配列を有するVHおよびVLを含む、ヒトCD20に結合することができる第2の抗原結合領域を含む第2の抗体を含む。
【0263】
本発明の一つの態様において、組成物は、それぞれ、SEQ ID No 59およびSEQ ID No 63に示される配列を有するVHおよびVLを含む、ヒトCD20に結合することができる第2の抗原結合領域を含む第2の抗体を含む。
【0264】
本発明の一つの態様において、組成物は、それぞれ、SEQ ID No 66およびSEQ ID No 70に示される配列を有するVHおよびVLを含む、ヒトCD20に結合することができる第2の抗原結合領域を含む第2の抗体を含む。
【0265】
本発明の一つの態様において、組成物は、それぞれ、SEQ ID No 72およびSEQ ID No 63に示される配列を有するVHおよびVLを含む、ヒトCD20に結合することができる第2の抗原結合領域を含む第2の抗体を含む。
【0266】
本発明の一つの態様において、組成物は、それぞれ、SEQ ID No 75およびSEQ ID No 79に示される配列を有するVHおよびVLを含む、ヒトCD20に結合することができる第2の抗原結合領域を含む第2の抗体を含む。
【0267】
本発明の一つの態様において、組成物は、それぞれ、SEQ ID No 82およびSEQ ID No 86に示される配列を有するVHおよびVLを含む、ヒトCD20に結合することができる第2の抗原結合領域を含む第2の抗体を含む。
【0268】
本発明の一つの態様において、組成物は、
(a) それぞれ、SEQ ID No:22、23、24、および26、EAS、SEQ ID No:27[004]、
(b) それぞれ、SEQ ID No:29、30、31、および33、AAS、SEQ ID No:34[005]、
(c) それぞれ、SEQ ID No:36、37、38、および40、KAS、SEQ ID No:41[010]、
(d) それぞれ、SEQ ID No:43、44、45、および47、YAS、SEQ ID No:48[016]、
(e) それぞれ、SEQ ID No:43、44、45、および47、YAS、SEQ ID No:58[016-C90S]、
(f) それぞれ、SEQ ID No:8、9、10、および12、VAT、SEQ ID No:13、ならびに
それぞれ、SEQ ID No:15、16、17、および19、FAK、SEQ ID No:20
からなる群より選択される、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含むVH、ならびにLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含むVLを含む、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域を含む第1の抗体、ならびに
(g) それぞれ、SEQ ID No:60、61、62、および64、DAS、SEQ ID No:65[7D8]、
(h) それぞれ、SEQ ID No:67、68、69、および64、DAS、SEQ ID No:71[11B8]、
(i) それぞれ、SEQ ID No:73、74、62、および64、DAS、SEQ ID No:65[オファツムマブ]、
(j) それぞれ、SEQ ID No:76、77、78、および80、ATS、SEQ ID No:81[リツキシマブ]、ならびに
(k) それぞれ、SEQ ID No:83、84、85、および87、QMS、SEQ ID No:88
からなる群より選択される、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含むVH、ならびにLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含むVLを含む、ヒトCD20に結合することができる第2の抗原結合領域を含む第2の抗体を含む。
【0269】
本発明の一つの態様において、組成物は、第1のFc領域と、
(a) それぞれ、SEQ ID No:22、23、24、および26、EAS、SEQ ID No:27[004]、
(b) それぞれ、SEQ ID No:29、30、31、および33、AAS、SEQ ID No:34[005]、
(c) それぞれ、SEQ ID No:36、37、38、および40、KAS、SEQ ID No:41[010]、
(d) それぞれ、SEQ ID No:43、44、45、および47、YAS、SEQ ID No:48[016]、
(e) それぞれ、SEQ ID No:43、44、45、および47、YAS、SEQ ID No:58[016-C90S]、
(f) それぞれ、SEQ ID No:8、9、10、および12、VAT、SEQ ID No:13、ならびに
それぞれ、SEQ ID No:15、16、17、および19、FAK、SEQ ID No:20
からなる群より選択される、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含むVH、ならびにLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含むVLを含む、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域とを含む第1の抗体、ならびに
(g) それぞれ、SEQ ID No:60、61、62、および64、DAS、SEQ ID No:65[7D8]、
(h) それぞれ、SEQ ID No:67、68、69、および64、DAS、SEQ ID No:71[11B8]、
(i) それぞれ、SEQ ID No:73、74、62、および64、DAS、SEQ ID No:65[オファツムマブ]、
(j) それぞれ、SEQ ID No:76、77、78、および80、ATS、SEQ ID No:81[リツキシマブ]、ならびに
(k) それぞれ、SEQ ID No:83、84、85、および87、QMS、SEQ ID No:88
からなる群より選択される、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含むVH、ならびにLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含むVLを含む、ヒトCD20に結合することができる第2の抗原結合領域を含む第2の抗体を含み、ここで、第1および第2のFc領域は、E430に相当する位置におけるアミノ酸置換を含む。
【0270】
本発明の一つの態様において、組成物は、第1のFc領域と、
(a) それぞれ、SEQ ID No:22、23、24、および26、EAS、SEQ ID No:27[004]、
(b) それぞれ、SEQ ID No:29、30、31、および33、AAS、SEQ ID No:34[005]、
(c) それぞれ、SEQ ID No:36、37、38、および40、KAS、SEQ ID No:41[010]、
(d) それぞれ、SEQ ID No:43、44、45、および47、YAS、SEQ ID No:48[016]、
(e) それぞれ、SEQ ID No:43、44、45、および47、YAS、SEQ ID No:58[016-C90S]、
(f) それぞれ、SEQ ID No:8、9、10、および12、VAT、SEQ ID No:13、ならびに
それぞれ、SEQ ID No:15、16、17、および19、FAK、SEQ ID No:20
からなる群より選択される、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含むVH、ならびにLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含むVLを含む、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域とを含む第1の抗体、ならびに
(g) それぞれ、SEQ ID No:60、61、62、および64、DAS、SEQ ID No:65[7D8]、
(h) それぞれ、SEQ ID No:67、68、69、および64、DAS、SEQ ID No:71[11B8]、
(i) それぞれ、SEQ ID No:73、74、62、および64、DAS、SEQ ID No:65[オファツムマブ]、
(j) それぞれ、SEQ ID No:76、77、78、および80、ATS、SEQ ID No:81[リツキシマブ]、ならびに
(k) それぞれ、SEQ ID No:83、84、85、および87、QMS、SEQ ID No:88
からなる群より選択される、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含むVH、ならびにLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含むVLを含む、ヒトCD20に結合することができる第2の抗原結合領域を含む第2の抗体を含み、ここで、第1および第2のFc領域は、E430G置換を含む。
【0271】
本発明の一つの態様において、組成物は、第1のFc領域と、
(a) それぞれ、SEQ ID No:22、23、24、および26、EAS、SEQ ID No:27[004]、
(b) それぞれ、SEQ ID No:29、30、31、および33、AAS、SEQ ID No:34[005]、
(c) それぞれ、SEQ ID No:36、37、38、および40、KAS、SEQ ID No:41[010]、
(d) それぞれ、SEQ ID No:43、44、45、および47、YAS、SEQ ID No:48[016]、
(e) それぞれ、SEQ ID No:43、44、45、および47、YAS、SEQ ID No:58[016-C90S]、
(f) それぞれ、SEQ ID No:8、9、10、および12、VAT、SEQ ID No:13、ならびに
それぞれ、SEQ ID No:15、16、17、および19、FAK、SEQ ID No:20
からなる群より選択される、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含むVH、ならびにLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含むVLを含む、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域とを含む第1の抗体、ならびに
(g) それぞれ、SEQ ID No:60、61、62、および64、DAS、SEQ ID No:65[7D8]、
(h) それぞれ、SEQ ID No:67、68、69、および64、DAS、SEQ ID No:71[11B8]、
(i) それぞれ、SEQ ID No:73、74、62、および64、DAS、SEQ ID No:65[オファツムマブ]、
(j) それぞれ、SEQ ID No:76、77、78、および80、ATS、SEQ ID No:81[リツキシマブ]、ならびに
(k) それぞれ、SEQ ID No:83、84、85、および87、QMS、SEQ ID No:88
からなる群より選択される、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含むVH、ならびにLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含むVLを含む、ヒトCD20に結合することができる第2の抗原結合領域を含む第2の抗体を含み、ここで、第1および第2のFc領域は、E345に相当する位置におけるアミノ酸置換を含む。
【0272】
本発明の一つの態様において、組成物は、第1のFc領域と、
(a) それぞれ、SEQ ID No:22、23、24、および26、EAS、SEQ ID No:27[004]、
(b) それぞれ、SEQ ID No:29、30、31、および33、AAS、SEQ ID No:34[005]、
(c) それぞれ、SEQ ID No:36、37、38、および40、KAS、SEQ ID No:41[010]、
(d) それぞれ、SEQ ID No:43、44、45、および47、YAS、SEQ ID No:48[016]、
(e) それぞれ、SEQ ID No:43、44、45、および47、YAS、SEQ ID No:58[016-C90S]、
(f) それぞれ、SEQ ID No:8、9、10、および12、VAT、SEQ ID No:13、ならびに
それぞれ、SEQ ID No:15、16、17、および19、FAK、SEQ ID No:20
からなる群より選択される、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含むVH、ならびにLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含むVLを含む、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域とを含む第1の抗体、ならびに
(g) それぞれ、SEQ ID No:60、61、62、および64、DAS、SEQ ID No:65[7D8]、
(h) それぞれ、SEQ ID No:67、68、69、および64、DAS、SEQ ID No:71[11B8]、
(i) それぞれ、SEQ ID No:73、74、62、および64、DAS、SEQ ID No:65[オファツムマブ]、
(j) それぞれ、SEQ ID No:76、77、78、および80、ATS、SEQ ID No:81[リツキシマブ]、ならびに
(k) それぞれ、SEQ ID No:83、84、85、および87、QMS、SEQ ID No:88
からなる群より選択される、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含むVH、ならびにLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含むVLを含む、ヒトCD20に結合することができる第2の抗原結合領域を含む第2の抗体を含み、ここで、第1および第2のFc領域は、E345K置換を含む。
【0273】
本発明の一つの態様において、組成物は、第1のFc領域と、
(a) それぞれ、SEQ ID No:22、23、24、および26、EAS、SEQ ID No:27[004]、
(b) それぞれ、SEQ ID No:29、30、31、および33、AAS、SEQ ID No:34[005]、
(c) それぞれ、SEQ ID No:36、37、38、および40、KAS、SEQ ID No:41[010]、
(d) それぞれ、SEQ ID No:43、44、45、および47、YAS、SEQ ID No:48[016]、
(e) それぞれ、SEQ ID No:43、44、45、および47、YAS、SEQ ID No:58[016-C90S]、
(f) それぞれ、SEQ ID No:8、9、10、および12、VAT、SEQ ID No:13、ならびに
それぞれ、SEQ ID No:15、16、17、および19、FAK、SEQ ID No:20
からなる群より選択される、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含むVH、ならびにLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含むVLを含む、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域とを含む第1の抗体、ならびに
(g) それぞれ、SEQ ID No:60、61、62、および64、DAS、SEQ ID No:65[7D8]、
(h) それぞれ、SEQ ID No:67、68、69、および64、DAS、SEQ ID No:71[11B8]、
(i) それぞれ、SEQ ID No:73、74、62、および64、DAS、SEQ ID No:65[オファツムマブ]、
(j) それぞれ、SEQ ID No:76、77、78、および80、ATS、SEQ ID No:81[リツキシマブ]、ならびに
(k) それぞれ、SEQ ID No:83、84、85、および87、QMS、SEQ ID No:88
からなる群より選択される、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含むVH、ならびにLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含むVLを含む、ヒトCD20に結合することができる第2の抗原結合領域を含む第2の抗体を含み、ここで、第1および第2のFc領域は、E345R置換を含む。
【0274】
本発明の一つの態様において、組成物は、第1のFc領域と、
(a) それぞれ、SEQ ID No:22、23、24、および26、EAS、SEQ ID No:27[004]、
(b) それぞれ、SEQ ID No:29、30、31、および33、AAS、SEQ ID No:34[005]、
(c) それぞれ、SEQ ID No:36、37、38、および40、KAS、SEQ ID No:41[010]、
(d) それぞれ、SEQ ID No:43、44、45、および47、YAS、SEQ ID No:48[016]、
(e) それぞれ、SEQ ID No:43、44、45、および47、YAS、SEQ ID No:58[016-C90S]、
(f) それぞれ、SEQ ID No:8、9、10、および12、VAT、SEQ ID No:13、ならびに
(g) それぞれ、SEQ ID No:15、16、17、および19、FAK、SEQ ID No:20
からなる群より選択される、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含むVH、ならびにLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含むVLを含む、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域とを含む第1の抗体、ならびに
(h) それぞれ、SEQ ID No:60、61、62、および64、DAS、SEQ ID No:65[7D8]、
(i) それぞれ、SEQ ID No:67、68、69、および64、DAS、SEQ ID No:71[11B8]、
(j) それぞれ、SEQ ID No:73、74、62、および64、DAS、SEQ ID No:65[オファツムマブ]、
(k) それぞれ、SEQ ID No:76、77、78、および80、ATS、SEQ ID No:81[リツキシマブ]、ならびに
(l) それぞれ、SEQ ID No:83、84、85、および87、QMS、SEQ ID No:88
からなる群より選択される、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含むVH、ならびにLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含むVLを含む、ヒトCD20に結合することができる第2の抗原結合領域を含む第2の抗体を含み、ここで、第1および第2のFc領域は、S440Y置換またはS440W置換を含む。
【0275】
本発明の一つの態様において、組成物は、第1のFc領域と、
(a) それぞれ、VH SEQ ID No:49およびVL SEQ ID No 50[004]、
(b) それぞれ、VH SEQ ID No 51およびVL SEQ ID No 52[005]、
(c) それぞれ、VH SEQ ID No 53およびVL SEQ ID No 54[010]、
(d) それぞれ、VH SEQ ID No 55およびVL SEQ ID No 56[016]、
(e) それぞれ、VH SEQ ID No 55およびVL SEQ ID No 57[016-C90S]、
(f) それぞれ、VH SEQ ID No 7およびVL SEQ ID No 11、ならびに
(g) それぞれ、VH SEQ ID No 14およびVL SEQ ID No 18
からなる群より選択される、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3の3つのCDR配列を含むVH、ならびにLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の3つのCDR配列を含むVLを含む、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域とを含む第1の抗体を含む。
【0276】
本発明の一つの態様において、組成物は、
(a) それぞれ、VH SEQ ID No:49およびVL SEQ ID No 50[004]、
(b) それぞれ、VH SEQ ID No 51およびVL SEQ ID No 52[005]、
(c) それぞれ、VH SEQ ID No 53およびVL SEQ ID No 54[010]、
(d) それぞれ、VH SEQ ID No 55およびVL SEQ ID No 56[016]、
(e) それぞれ、VH SEQ ID No 55およびVL SEQ ID No 57[016-C90S]、
(f) それぞれ、VH SEQ ID No 7およびVL SEQ ID No 11、ならびに
(g) それぞれ、VH SEQ ID No 14およびVL SEQ ID No 18
からなる群より選択されるVHおよびVLの配列を含む、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域を含む第1の抗体、ならびに
(h) VH SEQ ID No:59およびVL SEQ ID No:63[7D8]、
(i) VH SEQ ID No:66およびVL SEQ ID No:70[11B8]、
(j) VH SEQ ID No:72およびVL SEQ ID No:63[オファツムマブ]、
(k) VH SEQ ID No:75およびVL SEQ ID No:79[リツキシマブ]、
(l) VH SEQ ID No:82およびVL SEQ ID No:86[オビヌツズマブ]
からなる群より選択されるVHおよびVLの配列を含む、ヒトCD20に結合することができる第2の抗原結合領域を含む第2の抗体を含む。
【0277】
本発明の一つの態様において、組成物は、第1のFc領域と、
(a) それぞれ、VH SEQ ID No:49およびVL SEQ ID No 50[004]、
(b) それぞれ、VH SEQ ID No 51およびVL SEQ ID No 52[005]、
(c) それぞれ、VH SEQ ID No 53およびVL SEQ ID No 54[010]、
(d) それぞれ、VH SEQ ID No 55およびVL SEQ ID No 56[016]、
(e) それぞれ、VH SEQ ID No 55およびVL SEQ ID No 57[016-C90S]、
(f) それぞれ、VH SEQ ID No 7およびVL SEQ ID No 11、ならびに
(g) それぞれ、VH SEQ ID No 14およびVL SEQ ID No 18
からなる群より選択されるVHおよびVLの配列を含む、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域とを含む第1の抗体、ならびに
(h) VH SEQ ID No:59およびVL SEQ ID No:63[7D8]、
(i) VH SEQ ID No:66およびVL SEQ ID No:70[11B8]、
(j) VH SEQ ID No:72およびVL SEQ ID No:63[オファツムマブ]、
(k) VH SEQ ID No:75およびVL SEQ ID No:79[リツキシマブ]、
(l) VH SEQ ID No:82およびVL SEQ ID No:86[オビヌツズマブ]
からなる群より選択されるVHおよびVLの配列を含む、ヒトCD20に結合することができる第2の抗原結合領域を含む第2の抗体を含み、ここで、第1および第2のFc領域は、E430に相当する位置におけるアミノ酸置換を含む。
【0278】
本発明の一つの態様において、組成物は、第1のFc領域と、
(a) それぞれ、VH SEQ ID No:49およびVL SEQ ID No 50[004]、
(b) それぞれ、VH SEQ ID No 51およびVL SEQ ID No 52[005]、
(c) それぞれ、VH SEQ ID No 53およびVL SEQ ID No 54[010]、
(d) それぞれ、VH SEQ ID No 55およびVL SEQ ID No 56[016]、
(e) それぞれ、VH SEQ ID No 55およびVL SEQ ID No 57[016-C90S]、
(f) それぞれ、VH SEQ ID No 7およびVL SEQ ID No 11、ならびに
(g) それぞれ、VH SEQ ID No 14およびVL SEQ ID No 18
からなる群より選択されるVHおよびVLの配列を含む、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域とを含む第1の抗体、ならびに
(h) VH SEQ ID No:59およびVL SEQ ID No:63[7D8]、
(i) VH SEQ ID No:66およびVL SEQ ID No:70[11B8]、
(j) VH SEQ ID No:72およびVL SEQ ID No:63[オファツムマブ]、
(k) VH SEQ ID No:75およびVL SEQ ID No:79[リツキシマブ]、
(l) VH SEQ ID No:82およびVL SEQ ID No:86[オビヌツズマブ]
からなる群より選択されるVHおよびVLの配列を含む、ヒトCD20に結合することができる第2の抗原結合領域を含む第2の抗体を含み、ここで、第1および第2のFc領域は、E430G置換を含む。
【0279】
本発明の一つの態様において、組成物は、第1のFc領域と、
(a) それぞれ、VH SEQ ID No:49およびVL SEQ ID No 50[004]、
(b) それぞれ、VH SEQ ID No 51およびVL SEQ ID No 52[005]、
(c) それぞれ、VH SEQ ID No 53およびVL SEQ ID No 54[010]、
(d) それぞれ、VH SEQ ID No 55およびVL SEQ ID No 56[016]、
(e) それぞれ、VH SEQ ID No 55およびVL SEQ ID No 57[016-C90S]、
(f) それぞれ、VH SEQ ID No 7およびVL SEQ ID No 11、ならびに
(g) それぞれ、VH SEQ ID No 14およびVL SEQ ID No 18
からなる群より選択されるVHおよびVLの配列を含む、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域とを含む第1の抗体、ならびに
(h) VH SEQ ID No:59およびVL SEQ ID No:63[7D8]、
(i) VH SEQ ID No:66およびVL SEQ ID No:70[11B8]、
(j) VH SEQ ID No:72およびVL SEQ ID No:63[オファツムマブ]、
(k) VH SEQ ID No:75およびVL SEQ ID No:79[リツキシマブ]、
(l) VH SEQ ID No:82およびVL SEQ ID No:86[オビヌツズマブ]
からなる群より選択されるVHおよびVLの配列を含む、ヒトCD20に結合することができる第2の抗原結合領域とを含む第2の抗体を含み、ここで、第1および第2のFc領域は、E345に相当する位置におけるアミノ酸置換を含む。
【0280】
本発明の一つの態様において、組成物は、第1のFc領域と、
(a) それぞれ、VH SEQ ID No:49およびVL SEQ ID No 50[004]、
(b) それぞれ、VH SEQ ID No 51およびVL SEQ ID No 52[005]、
(c) それぞれ、VH SEQ ID No 53およびVL SEQ ID No 54[010]、
(d) それぞれ、VH SEQ ID No 55およびVL SEQ ID No 56[016]、
(e) それぞれ、VH SEQ ID No 55およびVL SEQ ID No 57[016-C90S]、
(f) それぞれ、VH SEQ ID No 7およびVL SEQ ID No 11、ならびに
(g) それぞれ、VH SEQ ID No 14およびVL SEQ ID No 18
からなる群より選択されるVHおよびVLの配列を含む、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域とを含む第1の抗体、ならびに
(h) VH SEQ ID No:59およびVL SEQ ID No:63[7D8]、
(i) VH SEQ ID No:66およびVL SEQ ID No:70[11B8]、
(j) VH SEQ ID No:72およびVL SEQ ID No:63[オファツムマブ]、
(k) VH SEQ ID No:75およびVL SEQ ID No:79[リツキシマブ]、
(l) VH SEQ ID No:82およびVL SEQ ID No:86[オビヌツズマブ]
からなる群より選択されるVHおよびVLの配列を含む、ヒトCD20に結合することができる第2の抗原結合領域を含む第2の抗体を含み、ここで、第1および第2のFc領域は、E345K置換を含む。
【0281】
本発明の一つの態様において、組成物は、第1のFc領域と、
(a) それぞれ、VH SEQ ID No:49およびVL SEQ ID No 50[004]、
(b) それぞれ、VH SEQ ID No 51およびVL SEQ ID No 52[005]、
(c) それぞれ、VH SEQ ID No 53およびVL SEQ ID No 54[010]、
(d) それぞれ、VH SEQ ID No 55およびVL SEQ ID No 56[016]、
(e) それぞれ、VH SEQ ID No 55およびVL SEQ ID No 57[016-C90S]、
(f) それぞれ、VH SEQ ID No 7およびVL SEQ ID No 11、ならびに
(g) それぞれ、VH SEQ ID No 14およびVL SEQ ID No 18
からなる群より選択されるVHおよびVLの配列を含む、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域とを含む第1の抗体、ならびに
(h) VH SEQ ID No:59およびVL SEQ ID No:63[7D8]、
(i) VH SEQ ID No:66およびVL SEQ ID No:70[11B8]、
(j) VH SEQ ID No:72およびVL SEQ ID No:63[オファツムマブ]、
(k) VH SEQ ID No:75およびVL SEQ ID No:79[リツキシマブ]、
(l) VH SEQ ID No:82およびVL SEQ ID No:86[オビヌツズマブ]
からなる群より選択されるVHおよびVLの配列を含む、ヒトCD20に結合することができる第2の抗原結合領域とを含む第2の抗体を含み、ここで、第1および第2のFc領域は、E345R置換を含む。
【0282】
本発明の一つの態様において、組成物は、第1のFc領域と、
(a) それぞれ、VH SEQ ID No:49およびVL SEQ ID No 50[004]、
(b) それぞれ、VH SEQ ID No 51およびVL SEQ ID No 52[005]、
(c) それぞれ、VH SEQ ID No 53およびVL SEQ ID No 54[010]、
(d) それぞれ、VH SEQ ID No 55およびVL SEQ ID No 56[016]、
(e) それぞれ、VH SEQ ID No 55およびVL SEQ ID No 57[016-C90S]、
(f) それぞれ、VH SEQ ID No 7およびVL SEQ ID No 11、ならびに
(g) それぞれ、VH SEQ ID No 14およびVL SEQ ID No 18、
からなる群より選択されるVHおよびVLの配列を含む、ヒトCD37に結合することができる第1の抗原結合領域とを含む第1の抗体、ならびに
(h) それぞれ、VH SEQ ID No:59およびVL SEQ ID No:63[7D8]、
(i) それぞれ、VH SEQ ID No:66およびVL SEQ ID No:70[11B8]、
(j) それぞれ、VH SEQ ID No:72およびVL SEQ ID No:63[オファツムマブ]、
(k) それぞれ、VH SEQ ID No:75およびVL SEQ ID No:79[リツキシマブ]、
(l) それぞれ、VH SEQ ID No:82およびVL SEQ ID No:86[オビヌツズマブ]
からなる群より選択されるVHおよびVLの配列を含む、ヒトCD20に結合することができる第2の抗原結合領域を含む第2の抗体を含み、ここで、第1および第2のFc領域は、S440Y置換またはS440W置換を含む。
【0283】
本発明の一つの態様において、組成物は、ヒト抗体、ヒト化抗体、またはキメラ抗体である第1および/または第2の抗体を含む。
【0284】
本発明の一つの態様において、組成物は、ヒト化である第1の抗体およびヒトである第2の抗体を含む。
【0285】
本発明の一つの態様において、組成物は、モノクローナル抗体である第1および/または第2の抗体を含む。
【0286】
本発明の一つの態様において、組成物は、モノクローナル抗体である第1の抗体を含む。本発明の一つの態様において、組成物は、モノクローナル抗体である第2の抗体を含む。
【0287】
本発明の一つの態様において、組成物は、2価抗体である第1の抗体および/または第2の抗体を含む。
【0288】
本発明の一つの態様において、組成物は、ヒトIgGアイソタイプである第1および/または第2の抗体を含む。
【0289】
本発明の一つの態様において、組成物は、ヒトIgG1アイソタイプ、ヒトIgG2アイソタイプ、ヒトIgG3アイソタイプ、またはヒトIgG4アイソタイプである第1および/または第2の抗体を含む。
【0290】
本発明の一つの態様において、組成物は、IgG1アイソタイプである第1および/または第2の抗体を含む。
【0291】
本発明の一つの態様において、組成物は、全長抗体である第1および/または第2の抗体を含む。
【0292】
本発明の一つの態様において、組成物は、IgG1m(f)アロタイプ、IgG1m(a)アロタイプ、IgG1m(z)アロタイプ、IgG1m(x)アロタイプ、または混合アロタイプである第1および/または第2の抗体を含む。
【0293】
本発明の一つの態様において、第1の抗体および第2の抗体は、組成物中に1:50~50:1のモル比、例えば、約1:1のモル比、約1:2のモル比、約1:3のモル比、約1:4のモル比、約1:5のモル比、約1:6のモル比、約1:7のモル比、約1:8のモル比、約1:9のモル比、約1:10のモル比、約1:15のモル比、約1:20のモル比、約1:25のモル比、約1:30のモル比、約1:35のモル比、約1:40のモル比、約1:45のモル比、約1:50のモル比、約50:1のモル比、約45:1のモル比、約40:1のモル比、約35:1のモル比、約30:1のモル比、約25:1のモル比、約20:1のモル比、約15:1のモル比、約10:1のモル比、約9:1のモル比、約8:1のモル比、約7:1のモル比、約6:1のモル比、約5:1のモル比、約4:1のモル比、約3:1のモル比、約2:1のモル比で存在する。
【0294】
本発明の一つの態様において、薬学的組成物は、第1の抗体および第2の抗体を含み、ここで、第1の抗体および第2の抗体は、組成物中に約1:50~50:1のモル比、約1:45~45:1のモル比、約1:40~40:1のモル比、約1:35~35:1のモル比、約1:30~30:1のモル比、約1:25~25:1のモル比、約1:20~20:1のモル比、約1:15~15:1のモル比、約1:10~10:1のモル比、または約1:5~5:1のモル比で存在する。
【0295】
本発明の一つの態様において、薬学的組成物は、第1および第2の抗体を含み、ここで、第1の抗体および第2の抗体は、組成物中に1:9~9:1のモル比で存在する。
【0296】
本発明の一つの態様において、薬学的組成物は、第1および第2の抗体を含み、ここで、第1の抗体および第2の抗体は、組成物中に約1:9~9:1のモル比で存在する。
【0297】
本発明の一つの態様において、薬学的組成物は、第1および第2の抗体を含み、ここで、第1の抗体および第2の抗体は、組成物中に約1:4~4:1のモル比、例えば、約1:3~3:1のモル比、例えば、約1:2~2:1のモル比で存在する。
【0298】
本発明の一つの態様において、薬学的組成物は、第1および第2の抗体を含み、ここで、第1の抗体および第2の抗体は、組成物中におよそ1:1のモル比で存在する。
【0299】
本発明の一つの態様において、第1の抗体および第2の抗体は、組成物中に1:1のモル比で存在する。
【0300】
本発明の一つの態様において、第1の抗体および第2の抗体は、組成物中に等モル比で存在する。
【0301】
本発明の一つの態様において、第1の抗体および第2の抗体および付加的な抗体/またはポリペプチドは、組成物中に等モル比で存在する。
【0302】
本発明の一つの態様において、組成物は、薬学的担体または賦形剤をさらに含む。
【0303】
本発明の一つの態様において、任意の局面または態様による組成物は、薬学的組成物である。
【0304】
本発明の薬学的組成物は、本発明の任意の局面または態様によるモノクローナル抗体のような抗体を含み得る。薬学的組成物は、(Rowe et al., Handbook of Pharmaceutical Excipients, 2012 June, ISBN 9780857110275)に開示されたもののような従来の技術によって、薬学的に許容される担体または希釈剤ならびにその他の公知の佐剤および賦形剤によって製剤化され得る。
【0305】
薬学的に許容される担体または希釈剤ならびにその他の公知の佐剤および賦形剤は、本発明の抗体および選ばれた投与モードに適切であるべきである。薬学的組成物の担体およびその他の成分の適合性は、選ばれた本発明の化合物または薬学的組成物の、所望の生物学的特性に対する有意な負の影響の欠如(例えば、抗原結合に対する実質的な影響がないこと(10%以下の相対的阻害、5%以下の相対的阻害等))に基づき決定される。
【0306】
本発明の薬学的組成物は、希釈剤、増量剤、塩、緩衝剤、界面活性剤(例えば、Tween-20もしくはTween-80等の非イオン性界面活性剤)、安定剤(例えば、糖もしくはタンパク質不含アミノ酸)、保存剤、組織固定剤、可溶化剤、および/または薬学的組成物に含めるために適当なその他の材料も含んでいてよい。
【0307】
本発明の薬学的組成物における活性成分の実際の投薬量レベルは、患者に対して毒性であることなく、特定の患者、組成物、および投与モードについて、所望の治療的応答を達成するために有効な活性成分の量を得るため、変動し得る。選択される投薬量レベルは、多様な薬物動態学的因子、例えば、利用される具体的な本発明の組成物、またはそれらのアミドの活性、投与ルート、投与の回数、利用される具体的な化合物の排出の速度、処置の期間、利用される具体的な組成物と組み合わせて使用される他の薬物、化合物、および/または材料、処置される患者の年齢、性別、体重、状態、全身健康状態、ならびに過去の病歴等の医学分野において周知の因子に依るであろう。
【0308】
薬学的組成物は、任意の適当なルートおよびモードによって投与され得る。インビボおよびインビトロで本発明の化合物を投与する適当なルートは、当技術分野において周知であり、当業者によって選択され得る。
【0309】
一つの態様において、本発明の薬学的組成物は、非経口投与される。
【0310】
「非経口投与」および「非経口投与される」という用語は、本明細書中で使用されるように、一般的には、注射による、経腸投与および局所投与以外の投与モードをさし、表皮、静脈内、筋肉内、動脈内、くも膜下腔内、関節内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、腱内、経気管、皮下、表皮下、関節腔内、嚢下、くも膜下、脊髄内、頭蓋内、胸郭内、硬膜外、および胸骨内への注射および注入を含む。
【0311】
一つの態様において、本発明の薬学的組成物は、静脈内または皮下への注射または注入によって投与される。
【0312】
本発明の一つの態様において、薬学的組成物は、薬学的担体と共に、モノクローナル抗体のような本発明による第1および第2の抗体を含む。
【0313】
薬学的に許容される担体には、本発明の化合物と生理学的に適合性である全ての任意の適当な溶媒、分散媒、コーティング、抗菌剤、抗真菌剤、等張剤、抗酸化剤、および吸収遅延剤等が含まれる。
【0314】
本発明の薬学的組成物において利用され得る適当な水性および非水性の担体の例には、水、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水、エタノール、デキストロース、(グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等の)ポリオール、およびそれらの適当な混合物、オリーブ油、トウモロコシ油、ピーナッツ油、綿実油、およびゴマ油のような植物油、カルボキシメチルセルロースコロイド溶液、トラガカントゴム、およびオレイン酸エチルのような注射可能な有機エステル、ならびに/または様々な緩衝液が含まれる。その他の担体は、薬学分野において周知である。
【0315】
薬学的に許容される担体には、無菌の水性の溶液または分散系、および無菌の注射可能な溶液または分散系の即時調製のための無菌の粉末が含まれる。薬学的活性物質のためのそのような媒体および薬剤の使用は、当技術分野において公知である。任意の従来の媒体または薬剤が、活性化合物と非適合性でない限り、本発明の薬学的組成物において使用されることが企図される。適切な流動性は、例えば、レシチンのようなコーティング材料の使用、分散系のケースにおいて必要とされる粒子サイズの維持、および界面活性剤の使用によって維持され得る。
【0316】
本発明の薬学的組成物は、薬学的に許容される抗酸化剤、例えば、(1)アスコルビン酸、システイン塩酸塩、重硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム等の水溶性抗酸化剤;(2)パルミチン酸アスコルビル、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、αトコフェロール等の油溶性抗酸化剤;および(3)クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸等の金属キレート剤も含み得る。
【0317】
本発明の薬学的組成物は、糖、マンニトール、ソルビトール、グリセロールのような多価アルコール、または塩化ナトリウムのような等張剤も組成物中に含み得る。
【0318】
本発明の薬学的組成物は、薬学的組成物の貯蔵寿命または有効性を増強することができる、保存剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、保存剤、または緩衝剤のような、選ばれた投与ルートのために適切な1つまたは複数の佐剤も含有し得る。本発明の化合物は、インプラント、経皮パッチ、およびマイクロカプセル送達系を含む徐放性製剤のような、急速な放出から化合物を保護する担体によって調製されてもよい。そのような担体は、ゼラチン、グリセリルモノステアレート、グリセリルジステアレート、エチレン酢酸ビニル、ポリ酸無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、およびポリ乳酸のような生分解性の生体適合性のポリマーを、単独で、またはロウもしくは当技術分野において周知のその他の材料と共に含み得る。そのような製剤の調製の方法は、当業者に一般に公知である。
【0319】
一つの態様において、本発明の化合物は、インビボでの適切な分布を確実にするために製剤化され得る。非経口投与のための薬学的に許容される担体には、無菌の水性の溶液または分散系、および無菌の注射可能な溶液または分散系の即時調製のための無菌の粉末が含まれる。薬学的活性物質のためのそのような媒体および薬剤の使用は、当技術分野において公知である。任意の従来の媒体または薬剤が、活性化合物と非適合性でない限り、本発明の薬学的組成物において使用されることが企図される。その他の活性化合物または治療用化合物も、組成物へ組み入れられ得る。
【0320】
注射または注入のための薬学的組成物は、典型的には、製造および保管の条件下で無菌で安定していなければならない。組成物は、溶液、マイクロエマルション、リポソーム、または高い薬物濃度に適したその他の秩序構造として製剤化され得る。担体は、例えば、水、エタノール、(グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等の)ポリオール、およびそれらの適当な混合物、オリーブ油のような植物油、ならびにオレイン酸エチルのような注射可能な有機エステルを含有する水性または非水性の溶媒または分散媒であり得る。適切な流動性は、例えば、レシチンのようなコーティングの使用、分散系のケースにおいて必要とされる粒子サイズの維持、および界面活性剤の使用によって維持され得る。多くのケースにおいて、等張剤、例えば、糖、グリセロール、マンニトール、ソルビトールのような多価アルコール、または塩化ナトリウムを組成物に含めることが好ましいであろう。注射可能組成物の吸収の長期化は、吸収を遅延させる薬剤、例えば、モノステアリン酸塩およびゼラチンを組成物に含めることによって、もたらされ得る。無菌の注射可能溶液は、必要とされる量の活性化合物を、必要に応じて、例えば、前記のような成分のうちの1つまたは組み合わせと共に、適切な溶媒に組み入れることによって調製され得る。一般に、分散系は、基本の分散媒、および、例えば、前記のものからの必要とされるその他の成分を含有する無菌媒体に、活性化合物を組み入れることによって調製される。無菌の注射可能溶液の調製のための無菌の粉末のケースにおいて、調製方法の例は、活性成分+付加的な所望の成分の粉末を、事前に滅菌ろ過されたその溶液から与える、真空乾燥およびフリーズドライ(凍結乾燥)である。
【0321】
無菌の注射可能溶液は、必要とされる量の活性化合物を、必要に応じて、前記の成分のうちの1つまたは組み合わせと共に、適切な溶媒に組み入れ、その後、滅菌精密濾過することによって調製され得る。一般に、分散系は、基本の分散媒および前記のものからの必要とされるその他の成分を含有する無菌の媒体に、活性化合物を組み入れることによって調製される。無菌の注射可能溶液の調製のための無菌の粉末のケースにおいて、調製方法の例は、活性成分+付加的な所望の成分の粉末を、事前に滅菌ろ過されたその溶液から与える、真空乾燥およびフリーズドライ(凍結乾燥)である。
【0322】
本発明の薬学的組成物は、本発明の1つもしくは複数のモノクローナル抗体もしくは1つもしくは複数の二重特異性抗体、本発明による抗体もしくは二重特異性抗体と別の治療用化合物との組み合わせ、または本発明の化合物の組み合わせを含有し得る。
【0323】
治療用途
本発明の任意の局面または態様による組成物は、医薬として、即ち、治療用途に使用され得る。
【0324】
一つの態様において、本発明は、医薬として使用するための組成物に関する。
【0325】
一つの態様において、本発明は、がん、自己免疫疾患、または炎症性障害の処置において使用するための組成物に関する。
【0326】
一つの態様において、本発明は、アレルギーの処置において使用するための組成物に関する。
【0327】
一つの態様において、本発明は、移植片拒絶の処置において使用するための組成物に関する。
【0328】
一つの態様において、本発明は、B細胞悪性疾患の処置において使用するための組成物に関する。
【0329】
一つの態様において、本発明は、固形腫瘍および/または血液腫瘍の処置において使用するための組成物に関する。
【0330】
好ましい態様において、本発明は、血液腫瘍の処置において使用するための組成物に関する。
【0331】
一つの態様において、本発明は、白血病、慢性リンパ球性白血病、骨髄性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、または多発性骨髄腫、ホジキンリンパ腫、または骨髄異形成症候群などの血液腫瘍の処置において使用するための組成物に関する。
【0332】
一つの態様において、本発明は、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、形質細胞性白血病、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、または急性リンパ芽球性白血病の処置において使用するための組成物に関する。
【0333】
一つの態様において、本発明は、急性関節炎、慢性関節リウマチ、痛風または痛風関節炎、急性痛風関節炎、急性免疫性(immunological)関節炎、慢性炎症性関節炎、変形性関節症(degenerative arthritis)、II型コラーゲン誘発関節炎、感染性関節炎、ライム関節炎、増殖性関節炎、乾癬性関節炎、スチル病、脊椎関節炎、および若年性関節リウマチ、骨関節炎、慢性進行性関節炎、変形性関節症(arthritis deformans)、慢性原発性多発性関節炎(polyarthritis chronica primaria)、反応性関節炎、および強直性脊椎炎のような関節リウマチ、皮膚SLEまたは亜急性皮膚SLE、新生児エリテマトーデス(NLE)、および播種性エリテマトーデスのような全身性エリテマトーデス(SLE)、多発性硬化症、潰瘍性大腸炎およびクローン病を含む炎症性腸疾患(IBD)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、乾癬、IgAネフロパシー、IgM多発ニューロパチー、重症筋無力症、糖尿病、レイノー症候群、および糸球体腎炎、掌蹠膿疱症(PPP)、びらん性扁平苔癬、水疱性天疱瘡(pemphigus bullosa)、表皮水疱症、接触皮膚炎およびアトピー性皮膚炎、ギラン・バレー症候群を含む多発神経根炎の処置において使用するための組成物に関する。
【0334】
別の局面において、本発明は、医薬を製造するための、組成物の使用に関する。
【0335】
一つの態様において、本発明は、固形腫瘍および/または血液腫瘍を処置するための医薬を製造するための、組成物の使用に関する。
【0336】
一つの態様において、本発明は、化学療法、放射線、免疫治療、標的治療、幹細胞移植、または手術を含むが、これらに限定されるわけではない、さらなる治療的処置と組み合わせられた、組成物の使用に関する。
【0337】
一つの態様において、本発明は、(シクロホスファミド、クロラムブシル、ベンダムスチン、イホスファミド、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、カルムスチンを含むが、これらに限定されるわけではない)アルキル化剤、(プレドニゾン、デキサメタゾンを含むが、これらに限定されるわけではない)副腎皮質ステロイド、(フルダラビン、ペントスタチン、クラドリビンを含むが、これらに限定されるわけではない)プリン類似体、(フルオロウラシル、ゲムシタビンを含むが、これらに限定されるわけではない)ピリミジン類似体、(シタラビン、メトトレキサート、プララトレキサート、フルダラビン、ゲムシタビンを含むが、これらに限定されるわけではない)その他の代謝拮抗薬、(ビンクリスチン、パクリタクセル、ドセタキセルを含むが、これらに限定されるわけではない)微小管阻害剤、(ドキソルビシン、ミトキサントロン、エトポシド、トポテカン、イリノテカンを含むが、これらに限定されるわけではない)トポイソメラーゼ阻害剤、(ブレオマイシンを含むが、これに限定されるわけではない)その他の抗腫瘍抗生物質を含むが、これらに限定されるわけではない化学療法剤と組み合わせられた、組成物の使用に関する。
【0338】
一つの態様において、本発明は、(CD52に特異的なアレムツズマブ、CD30に特異的なブレンツキシマブ、JNJ-63709178、JNJ-64007957、HuMax-IL8、抗DR5、抗VEGF、抗CD38、抗PD-1、抗PD-L1、抗CTLA4、抗CD40、抗CD137、抗GITR、抗VISTA、またはその他の免疫調節性標的に特異的な抗体を含むが、これらに限定されるわけではない)モノクローナル抗体、(ブレンツキシマブベドチン、HuMax-TAC-ADCを含むが、これらに限定されるわけではない)抗体薬物コンジュゲート、インターフェロン、(サリドマイド、レナリドミドを含むが、これらに限定されるわけではない)免疫調節薬、(アキシカブタゲンシロロイセルを含むが、これに限定されるわけではない)キメラ抗原受容体(CAR)T細胞治療を含むが、これらに限定されるわけではない免疫治療剤と組み合わせられた、組成物の使用に関する。
【0339】
一つの態様において、本発明は、(ボルテゾミブを含むが、これに限定されるわけではない)プロテアソーム阻害剤、(ロミデプシン、ベリノスタット、ボリノスタットを含むが、これらに限定されるわけではない)ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤、(イブルチニブまたはアカラブルチニブのようなブルトンチロシンキナーゼ(BTK)阻害剤を含むが、これに限定されるわけではない)キナーゼ阻害剤;イデラリシブまたはコパンリシブのようなPI3K阻害剤;ソラフェニブ、スニチニブ、エベロリムスのようなチロシンキナーゼ阻害剤、(組換えヒトTRAILまたはSMAC模倣物ビリナパント(birinapant)またはベネトクラクスを含むが、これらに限定されるわけではない)アポトーシス調節剤を含むが、これらに限定されるわけではない標的治療と組み合わせられた、組成物の使用に関する。
【0340】
一つの態様において、本発明は、さらなる治療剤と組み合わせられた、組成物の使用に関する。
【0341】
本発明の一つの態様において、さらなる治療剤は、化学療法剤である。
【0342】
一つの態様において、本発明は、アントラサイクリン、アルキル化剤、副腎皮質ステロイド、代謝拮抗薬、微小管阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤、抗腫瘍抗生物質、モノクローナル抗体、抗体模倣物、抗体薬物コンジュゲート(ADC)、インターフェロン、免疫調節薬、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞治療剤、キナーゼ阻害剤、プロテアソーム阻害剤、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤、アポトーシス調節剤を含む群より選択されるさらなる治療剤と組み合わせられた、組成物の使用に関する。
【0343】
本発明の一つの態様において、さらなる治療剤は、シクロホスファミド、クロラムブシル、ベンダムスチン、イホスファミド、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、カルムスチン、プレドニゾン、デキサメタゾン、フルダラビン、ペントスタチン、クラドリビン、フルオロウラシル、ゲムシタビン、シタラビン、メトトレキサート、プララトレキサート、ゲムシタビン、ビンクリスチン、パクリタクセル、ドセタキセル、ドキソルビシン、ミトキサントロン、エトポシド、トポテカン、イリノテカン、ブレオマイシン、CD52に特異的なアレムツズマブ、CD30に特異的なブレンツキシマブ、JNJ-63709178、JNJ-64007957、HuMax-IL8、抗DR5、抗VEGF、抗CD38、抗PD-1、抗PD-L1、抗CTLA4、抗CD40、抗CD137、抗GITR、抗VISTA、その他の免疫調節性標的に特異的な抗体、ブレンツキシマブベドチン、HuMax-TAC-ADC、インターフェロン、サリドマイド、レナリドミド、アキシカブタゲンシロロイセル、ボルテゾミブ、ロミデプシン、ベリノスタット、ボリノスタット、イブルチニブ、アカラブルチニブ、イデラリシブ、コパンリシブ、ソラフェニブ、スニチニブ、エベロリムス、組換えヒトTRAIL、ビリナパント、およびベネトクラクスを含む群より選択される。
【0344】
本発明の一つの態様において、さらなる治療剤は、ドキソルビシン、シスプラチン、ブレオマイシン、カルムスチン、シクロホスファミド、クロラムブシル、ベンダムスチン、ビンクリスチン、フルダラビン、イブルチニブ、およびベネトクラクスを含む群より選択される。
【0345】
別の局面において、本発明は、本明細書中に開示された任意の局面または態様による組成物を、それを必要とする個体へ投与する工程を含む、CD37およびCD20を発現する腫瘍の細胞死を誘導するかまたはその成長および/もしくは増殖を阻害する方法に関する。
【0346】
一つの態様において、本発明は、本明細書中に開示された任意の局面または態様による組成物を、有効量、個体へ投与する工程を含む、固形腫瘍および/または血液腫瘍を有する個体を処置する方法に関する。
【0347】
本発明の一つの態様において、方法は、本明細書中に開示された任意の局面または態様による組成物と組み合わせられた、さらなる治療剤の投与に関する。
【0348】
本発明の一つの態様において、方法は、ドキソルビシン、シスプラチン、ブレオマイシン、カルムスチン、シクロホスファミド、クロラムブシル、ベンダムスチン、ビンクリスチン、フルダラビン、イブルチニブ、およびベネトクラクスからなる群より選択されるさらなる治療剤の投与に関する。
【0349】
発明のさらなる態様
さらなる局面において、本発明は、1個または複数個のバイアルなどの1個または複数個の別々の容器に存在する第1の抗体および第2の抗体を含むキットオブパーツ(kit of parts)を含む。
【0350】
本発明の一つの局面において、キットオブパーツは、治療において同時に、別々に、または連続的に使用するための、本発明による第1の抗CD37抗体および第2の抗CD20抗体を含む。
【0351】
本発明の態様を記載する場合、全ての可能な態様の組み合わせおよび順列が明示的に記載されているわけではない。にも関わらず、ある種の基準(measures)が、相互に異なる従属クレームにおいて記載されるか、または異なる態様において記載されるという単なる事実は、これらの基準の組み合わせが有利に使用され得ないことを示すものではない。本発明は、記載された態様の全ての可能な組み合わせおよび順列を構想する。
【0352】
本発明の別の局面において、本発明は、表1に示されるアミノ酸配列による抗体をコードする核酸構築物を含む。即ち、一つの態様において、本発明は、SEQ ID No:7~58または59~89に示されるアミノ酸配列に相当する抗体をコードする核酸構築物を含む。本発明の一つの態様において、核酸構築物は、本明細書中に開示された任意の態様による抗体をコードする。
【0353】
さらなる局面において、本発明は、Fc領域がヒトIgG1のE430、E345、またはS440(EUナンバリング)に相当するアミノ酸位置の変異を含む、本発明による抗体をコードする核酸に関する。本発明による抗体をコードする核酸は、本明細書中に記載された特異的なアミノ酸位置におけるアミノ酸置換を含むことが、さらに企図される。従って、一つの態様において、核酸は、SEQ ID NO:101、102、103、104、または105による配列を有する抗体をコードする。
【0354】
別の局面において、本発明は、本発明において使用するためのヒト抗CD37抗体、ヒト化抗CD37抗体、またはキメラ抗CD37抗体の配列をコードする核酸、そのような抗体の配列をコードする発現ベクター、そのような発現ベクターを含む宿主細胞、そのような抗体を産生するハイブリドーマ、および抗体が産生され、任意で、回収される、適切な条件の下で、そのような宿主細胞またはハイブリドーマを培養することによって、そのような抗体を作製する方法に関する。ヒト化抗CD37抗体は、「huCD37」とも表記され得る。
【0355】
一つの態様において、本発明は、SEQ ID NO:7~108によるアミノ酸配列のうちの1つまたは複数をコードするヌクレオチド配列を含む発現ベクターを提供する。別の態様において、発現ベクターは、SEQ ID NO:7、14、21、28、35、42、49、51、53、および55より選択されるVHアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む。別の態様において、発現ベクターは、SEQ ID NO:11、18、25、32、39、46、50、52、54、56、および57より選択されるVLアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む。別の態様において、発現ベクターは、ヒト抗体軽鎖、ヒト抗体重鎖、または両方の定常領域をコードするヌクレオチド配列を含む。別の態様において、発現ベクターは、SEQ ID NO:96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、および107からなる群より選択されるヒト抗体重鎖の定常領域をコードするヌクレオチド配列を含む。
【0356】
本発明の一つの態様において、発現ベクターは、SEQ ID NO:100、101、102、103、および104からなる群より選択されるヒト抗体重鎖の定常領域をコードするヌクレオチド配列を含む。本発明の好ましい態様において、発現ベクターは、SEQ ID NO:100、101、および102からなる群より選択されるヒト抗体重鎖の定常領域をコードするヌクレオチド配列を含む。具体的な態様において、発現ベクターは、前記アミノ酸配列のうちの1つまたは複数のバリアントをコードするヌクレオチド配列を含み、該バリアントは、多くても25個のアミノ酸修飾、例えば、多くても20個、例えば、多くても15個、14個、13個、12個、もしくは11個のアミノ酸修飾、例えば、10個、9個、8個、7個、6個、5個、4個、3個、2個、もしくは1個のアミノ酸修飾、例えば、欠失もしくは挿入、好ましくは置換、例えば、保存的置換、または該配列のうちのいずれかとの少なくとも80%の同一性、例えば、前記アミノ酸配列のうちのいずれかとの少なくとも85%の同一性もしくは90%の同一性もしくは95%の同一性、例えば、96%の同一性もしくは97%の同一性もしくは98%の同一性もしくは99%の同一性を有する。
【0357】
本発明に関して、発現ベクターは、染色体、非染色体、および合成の核酸ベクター(発現調節要素の適当なセットを含む核酸配列)を含む、任意の適当なベクターであり得る。そのようなベクターの例には、SV40の誘導体、細菌プラスミド、ファージDNA、バキュロウイルス、酵母プラスミド、プラスミドとファージDNAとの組み合わせに由来するベクター、およびウイルス核酸(RNAまたはDNA)ベクターが含まれる。一つの態様において、ヒト化CD37抗体をコードする核酸は、裸のDNAベクターもしくはRNAベクター、例えば、(例えば、Sykes and Johnston, Nat Biotech 17, 355-59(1997)に記載されたような)直鎖型発現要素、(例えば、US 6,077,835および/もしくはWO 00/70087に記載されたような)小型(compacted)核酸ベクター、pBR322、pUC 19/18、もしくはpUC 118/119のようなプラスミドベクター、(例えば、Schakowski et al., Mol Ther 3, 793-800(2001)に記載されたような)「midge」最小サイズ核酸ベクター、または(例えば、WO 00/46147、Benvenisty and Reshef, PNAS USA 83, 9551-55(1986)、Wigler et al., Cell 14, 725(1978)、およびCoraro and Pearson, Somatic Cell Genetics 7,603(1981)に記載されたような)CaPO4
-沈殿構築物のような沈殿核酸ベクター構築物に含まれる。そのような核酸ベクターおよびそれらの使用は、当技術分野において周知である(例えば、US 5,589,466およびUS 5,973,972を参照すること)。
【0358】
一つの態様において、ベクターは、細菌細胞におけるヒト化抗CD37抗体またはヒト化抗CD20抗体の発現に適切なものである。そのようなベクターの例には、BlueScript(Stratagene)、pINベクター(Van Heeke & Schuster, J Biol Chem 264, 5503-5509(1989))、およびpETベクター(Novagen、Madison WI)等の発現ベクターが含まれる。
【0359】
また、またはあるいは、発現ベクターは、酵母系における発現に適切なベクターであり得る。酵母系における発現に適切な任意のベクターが利用され得る。適当なベクターには、例えば、(F.Ausubel et al., ed.Current Protocols in Molecular Biology, Greene Publishing and Wiley InterScience New York(1987)およびGrant et al., Methods in Enzymol 153, 516-544(1987)に概説された)α因子、アルコールオキシダーゼ、およびPGHのような構成性または誘導性のプロモーターを含むベクターが含まれる。
【0360】
核酸および/またはベクターは、新生ポリペプチド鎖のようなポリペプチドを細胞膜周辺腔または細胞培養培地中に指向化することができる分泌/移行配列をコードする核酸配列も含んでいてよい。そのような配列は、当技術分野において公知であり、分泌リーダーまたはシグナルペプチド、細胞内小器官指向化配列(例えば、核移行配列、ER保留シグナル、ミトコンドリア輸送配列、葉緑体輸送配列)、膜移行/アンカー配列(例えば、ストップトランスファー配列、GPIアンカー配列)等を含む。
【0361】
本発明の発現ベクターにおいて、抗CD37抗体または抗CD20抗体をコードする核酸ならびに第1および第2のポリペプチド核酸は、任意の適当なプロモーター、エンハンサー、および発現を容易にするその他の要素を含むかまたはそれらと会合している。そのような要素の例には、強力な発現プロモーター(例えば、ヒトCMV IEプロモーター/エンハンサー、ならびにRSV、SV40、SL3-3、MMTV、およびHIV LTRプロモーター)、有効なポリ(A)終結配列、大腸菌(E.coli)におけるプラスミド産物のための複製開始点、選択可能マーカーとしての抗生物質耐性遺伝子、ならびに/または便利なクローニング部位(例えば、ポリリンカー)が含まれる。核酸は、CMV IEのような構成性プロモーターとは対照的に誘導性プロモーターを含んでいてもよい(そのような用語は、実際、ある種の条件の下での遺伝子発現の程度の記述語であることを、当業者は認識するであろう)。
【0362】
一つの態様において、抗CD37抗体をコードする発現は、ウイルスベクターを介して、宿主細胞または宿主動物に位置付けられ、かつ/または送達される。一つの態様において、抗CD20抗体をコードする発現は、ウイルスベクターを介して、宿主細胞または宿主動物に位置付けられ、かつ/または送達される。
【0363】
そのような発現ベクターは、抗CD37抗体または抗CD20抗体の組換え作製のために使用され得る。
【0364】
一つの局面において、本明細書中に記載された任意の局面または態様の抗CD37抗体または抗CD20抗体は、抗体を産生する組換えの真核宿主細胞または原核宿主細胞の使用によって提供される。従って、本発明は、本明細書中で定義される抗CD37抗体または抗CD20抗体を産生するトランスフェクトーマのような組換えの真核宿主細胞または原核宿主細胞を提供する。宿主細胞の例には、酵母細胞、細菌細胞、およびCHO細胞またはHEK-293細胞のような哺乳動物細胞が含まれる。例えば、一つの態様において、宿主細胞は、本明細書中に記載された抗CD37抗体または抗CD20抗体の発現をコードする配列を含む、細胞ゲノムに安定的に組み込まれた核酸を含む。一つの態様において、宿主細胞は、本明細書中に記載された第1または第2のポリペプチドの発現をコードする配列を含む、細胞ゲノムに安定的に組み込まれた核酸を含む。別の態様において、宿主細胞は、本明細書中に記載された抗DR5抗体、第1または第2のポリペプチドの発現をコードする配列を含む、プラスミド、コスミド、ファージミド、または直鎖型発現要素のような非組み込み核酸を含む。
【0365】
「組換え宿主細胞」(または単に「宿主細胞」)という用語は、本明細書中で使用されるように、発現ベクターが導入された細胞をさすものである。そのような用語は、特定の主細胞のみならず、そのような細胞の子孫もさすものであることが理解されるべきである。変異または環境的影響のいずれかによるある種の修飾が後続世代において起こり得るため、そのような子孫は、実際、親細胞と同一でない場合があるが、それでも本明細書中で使用される「宿主細胞」という用語の範囲内に含まれる。組換え宿主細胞には、例えば、CHO細胞、HEK-293細胞、PER.C6、NS0細胞、およびリンパ球細胞のようなトランスフェクトーマ、ならびに大腸菌のような原核細胞、ならびに植物細胞および真菌のようなその他の真核宿主が含まれる。
【0366】
「トランスフェクトーマ」という用語には、本明細書中で使用されるように、CHO細胞、PER.C6、NS0細胞、HEK-293細胞、植物細胞、または酵母細胞を含む真菌のような、抗体または標的抗原を発現する組換え真核宿主細胞が含まれる。
【0367】
さらなる局面において、本発明は、
(a) 本明細書中に既に記載された本発明のハイブリドーマまたは宿主細胞を培養する工程、および
(b) 培養培地から本発明の抗体を回収しかつ/または精製する工程
を含む、本発明の抗体を作製する方法に関する。
【0368】
さらなる局面において、抗体の配列をコードするヌクレオチド配列は、治療用ポリペプチドのような第2の部分をさらにコードする。例示的な治療用抗体は、本明細書中の他の箇所に記載される。一つの態様において、本発明は、抗体融合タンパク質を作製する方法であって、
(a) そのようなヌクレオチド配列を含む発現ベクターを含む宿主細胞を培養する工程、および
(b) 抗体融合タンパク質を培養培地から回収しかつ/または精製する工程
を含む方法に関する。
【0369】
本発明の一つの局面において、本発明は、本明細書中に開示された任意の態様による抗体をコードする1つまたは複数の核酸構築物を含む発現ベクターを含む。
【0370】
本発明のさらなる局面において、本発明は、発現ベクターを含む宿主細胞を含む。
【0371】
本発明の一つの態様において、宿主細胞は、組換え原核細胞、組換え真核細胞、または組換え微生物宿主細胞のような組換え宿主細胞である。
【0372】
【実施例】
【0373】
実施例1:
抗体の作製および精製
抗体発現構築物
本明細書中で使用されるヒト抗体およびヒト化抗体の発現のため、可変重(VH)鎖および可変軽(VL)鎖の配列を、遺伝子合成(GeneArt Gene Synthesis;ThermoFisher Scientific)によって調製し、IgG1の重鎖(HC)および軽鎖(LC)の定常領域を含有するpcDNA3.3発現ベクター(ThermoFisher Scientific)にクローニングした。所望の変異を、遺伝子合成によって導入した。本願におけるCD20抗体は、以前に記載されたCD20抗体IgG1-CD20-7D8(WO2004/035607;VH:SEQ ID NO 59;VL:SEQ ID NO 63)、IgG1-CD20-11B8(WO2004/035607;VH:SEQ ID NO 66;VL:SEQ ID NO 70)、オファツムマブ(WO2004/035607;VH:SEQ ID NO 72;VL:SEQ ID NO 63)、リツキシマブ(WO2005/103081;VH:SEQ ID NO 75;VL:SEQ ID NO 79)、およびオビヌツズマブ(GA101;US8883980;VH:SEQ ID NO 82;VL:SEQ ID NO 86)に由来するVHおよびVLの配列を有する。本願におけるCD37抗体は、以前に記載されたCD37抗体IgG1-CD37-37.3(WO2011/112978;VH:SEQ ID NO 7;VL:SEQ ID NO 11)およびIgG1-CD37-G28.1(EP2241577;VH:SEQ ID NO 14;VL:SEQ ID NO 18)に由来するVHおよびVLの配列を有する。キメラCD37抗体IgG1-CD37-004、IgG1-CD37-005、IgG1-CD37-010、およびIgG1-CD37-016、ならびに対応するヒト化バリアントIgG1-CD37-004-H5L2、IgG1-CD37-005-H1L2、IgG1-CD37-010-H5L2、IgG1-CD37-016-H5L2、およびIgG1-CD37-016-H5L2-C90Sのパネルの生成ならびにVHおよびVLの配列は、この実施例において、以下にさらに記載される。HIV gp120特異的抗体であるヒトIgG1抗体b12が、いくつかの実験において陰性対照として使用された(Barbas et al., J Mol Biol. 1993 Apr 5;230(3):812-23;VH:SEQ ID NO 89;VL:SEQ ID NO 93)。
【0374】
一過性発現抗体構築物
抗体はIgG1κとして発現された。抗体の重鎖および軽鎖の両方をコードするプラスミドDNA混合物を、本質的にVinkら(Vink et al., 2014 Methods, 65(1):5-10)によって記載されたように、293fectin(Life Technologies)を使用して、Expi293F細胞(Gibco、カタログ番号A14635)に一過性トランスフェクトした。上清中の抗体濃度を、280nmにおける吸光度によって測定した。抗体を含有する上清を、インビトロアッセイにおいて直接使用するか、または以下に記載されるように、抗体を精製した。
【0375】
抗体の精製および品質査定
抗体をプロテインAアフィニティクロマトグラフィによって精製した。培養上清を0.20μMデッドエンドフィルタでろ過し、5mL MabSelect SuReカラム(GE Healthcare)に負荷し、洗浄し、0.02Mクエン酸ナトリウム-NaOH、pH 3によって溶出させた。溶出液を、精製直後にHiPrep脱塩カラム(GE Healthcare)に負荷し、抗体を12.6mM NaH2PO4、140mM NaCl、pH 7.4緩衝液(B.BraunまたはThermo Fisher)に緩衝液交換した。緩衝液交換の後、試料を0.2μmデッドエンドフィルタで滅菌ろ過した。精製されたタンパク質を、ドデシル硫酸ナトリウム-ポリアクリルアミドゲルでのキャピラリー電気泳動(CE-SDS)および高速サイズ排除クロマトグラフィ(HP-SEC)を含む、多数の生化学アッセイによって分析した。濃度を280nmにおける吸光度によって測定した。精製された抗体を、2~8℃で保管した。
【0376】
CD37特異的抗体の生成
CD37抗原の発現および精製
全長ヒト(ホモ・サピエンス)CD37(Genbankアクセッション番号NP_001765)(SEQ ID NO 1)およびカニクイザル(マカカ・ファシキュラリス)CD37(mfCD37)(Genbankアクセッション番号XP_005589942)(SEQ ID NO 2)の発現のためのコドン最適化構築物を生成した。さらに、CD37の細胞外ドメイン(ECD)の様々なバリアントの発現のための以下のコドン最適化構築物を生成した:シグナルペプチドをコードする配列に、ヒトCD37の第2の細胞外ドメイン(EC2)(aa 112~241)が続き、それが、C末端Hisタグを含むヒトIgGのFc(CH2-CH3)ドメインに融合したもの(CD37EC2-FcHis、SEQ ID NO 3)、およびmfCD37についての類似の構築物(CD37mfEC2-FcHis、SEQ ID NO 4)。構築物は、クローニングのための適当な制限部位および最適コザック(GCCGCCACC)配列(Kozak et al., 1999 Gene 234:187-208)を含有していた。構築物を、哺乳動物発現ベクターpcDNA3.3(Invitrogen)または等価なベクターにクローニングした。
【0377】
CD37構築物を、本質的に製造業者によって記載されるように、293fectin(Life Technologies)を使用して、Freestyle 293-F(HEK293F)細胞(Life Technologies)に一過性トランスフェクトするか、または本質的に製造業者によって記載されるように、Freestyle Max試薬(Life Technologies)を使用することによって、Freesyle CHO-S細胞(CHO)(Life Technologies)に一過性トランスフェクトした。可溶性タンパク質を、本質的に製造業者によって記載されるように、ExpiFectamine 293試薬(Life Technologies)を使用することによって、Expi293細胞(Life technologies)において一過性発現させた。
【0378】
Fc融合タンパク質(CD37EC2-FcHisおよびCD37mfEC2-FcHis)を、プロテインAアフィニティクロマトグラフィを使用して、細胞培養上清から精製した。
【0379】
ウサギにおけるCD37特異的抗体の生成
ウサギの免疫を、MAB Discovery GMBH(Neuried, Germany)において実施した。ウサギを、CD37EC2-FcHisおよびCD37mfEC2-FcHis、またはヒトCD37もしくはmfCD37を一過性発現しているHEK293F細胞の混合物によって繰り返し免疫した。これらの動物の血液を収集し、Bリンパ球を単離した。MAB Discovery専用過程を使用して、単一B細胞をマイクロタイタープレートのウェルに選別し、さらに増大させた。上清を、CHO-S細胞上に一過性発現されたヒトCD37およびmfCD37(CHO-CD37およびCHO-mfCD37)との特異的結合について分析した。一次スクリーニング結果を分析することによって、一次ヒットを配列決定のために選択した。
【0380】
独特の可変重鎖(VH)および可変軽鎖(VL)をコードする領域を遺伝子合成し、E430G(EUナンバリング)六量体化増強変異を含有するヒトIgG1m(f)定常重鎖領域(SEQ ID NO 100)およびヒトカッパ軽鎖定常領域(SEQ ID NO 108)をコードする哺乳動物発現ベクターにクローニングした。いくつかの抗体軽鎖にある不都合な不対システインを、この過程においてセリンに交換した。得られた組換えウサギ/ヒトキメラ抗体を、重鎖(HC)および軽鎖(LC)をコードする発現ベクターを一過性コトランスフェクトすることによって、Expi293細胞において産生させた。免疫グロブリンを含有する上清を、インビトロアッセイにおいて直接使用するか、またはDionex Ultimate 3000 HPLC系におけるプロテインAアフィニティ精製を使用して、免疫グロブリンを細胞上清から精製した。産生されたキメラ(可変ドメインウサギ、定常ドメインヒト、変異E430G含有)モノクローナル抗体の反応性を、CHO-CD37細胞およびCHO-mfCD37細胞との結合について再分析した。さらに、ヒトリンパ腫細胞株Daudiとの結合を分析し、Daudi細胞を使用したインビトロCDC機能性アッセイを実施した。
【0381】
本明細書中で使用される4つのキメラCD37抗体の可変領域のアミノ酸配列は、表1に列挙されており、以下のCDRを含む:
【0382】
CD37特異的ウサギ抗体のVHおよびVLの配列のヒト化
ウサギ抗体クローンCD37-004、CD37-005、CD37-010、およびCD37-016に由来する抗体のVHおよびVLの配列のヒト化を、生殖系列ヒト化(CDR移植)テクノロジーを使用して、Antitope(Cambridge, UK)において実施した。ヒト化されたV領域遺伝子は、ウサギ抗体配列のVHおよびVκのアミノ酸配列との最も近い相同性を示すヒト生殖系列配列に基づき設計された。
【0383】
ヒト可変ドメインフレームワークとして使用するための最も大きい相同度を有する重鎖および軽鎖のヒト配列を同定するため、重鎖および軽鎖のV領域アミノ酸配列を、ヒト生殖系列のVセグメントおよびJセグメントの配列のデータベースに対して比較した。ヒト化設計のための基礎として使用された生殖系列フレームワーク配列は、表2に示される。
【0384】
(表2)最もよく一致するヒト生殖系列のVセグメントおよびJセグメントの配列
【0385】
ウサギ抗体V領域の構造モデルを、Swiss PDBを使用して生成し、抗体の結合特性のために重要であり得るV領域フレームワークのアミノ酸を同定するため、分析した。
【0386】
次いで、CDRをフレームワークに移植し、必要であれば、構造モデリングにおいて同定された抗体結合特性のために重要であり得る残基をウサギ残基に復帰変異させることによって、ウサギクローンの各々について、一連の4~6つのヒト化VHおよび4つまたは5つのヒト化Vκ(VL)配列を設計した。次いで、可能性のあるT細胞エピトープの最低の発生率を有するバリアント配列を、Antitope専用インシリコテクノロジーiTopeおよびTCED(T細胞エピトープデータベース)を使用して選択した(Perry et al., New approaches to prediction of immune responses to therapeutic proteins during preclinical development(2008)Drugs in R&D, 9(6):385-96;Bryson et al., Prediction of immunogenicity of therapeutic proteins(2010)Biodrugs 24(1):1-8)。抗体IgG1-016-H5L2については、可変ドメインに点変異を有するバリアントを、フリーのシステインを交換するために生成した:IgG1-016-H5L2-LC90S。最後に、設計されたバリアントをコードするヌクレオチド配列をコドン最適化した。
【0387】
選択されたヒト化CD37抗体の可変領域のアミノ酸配列は、表1に列挙されており、以下のCDRを含む:
【0388】
実施例2:野生型のCD37抗体およびCD20抗体の混合物による補体媒介性細胞傷害
補体リクルートメントは、細胞アッセイにおいて強力な補体依存性細胞傷害(CDC)を媒介するI型CD20抗体と、弱いCDC活性のみを媒介するII型CD20抗体との間の主な特徴的差異である(Cragg and Glennie 2004 Blood 103:2738-43)。ここでは、野生型(WT)I型CD20抗体またはWT II型CD20抗体をWT CD37抗体と組み合わせる効果を、Daudi細胞を使用したCDCアッセイにおいて試験した。Daudi細胞を、10%熱不活化ウシ胎仔血清(FBS)、1U/mLペニシリン、1μg/mLストレプトマイシン、および4mM L-グルタミンが補足されたRPMI 1640において培養した。インビトロCDCアッセイのため、0.1×106個のDaudi細胞(ATCC、カタログ番号CCL-213)を、室温(RT)でシェーカー上で15分間、0.2%ウシ血清アルブミン(BSA)が補足された全体積80μLのRPMI培養培地において、精製された抗体の濃度希釈系列を含むポリスチレン丸底96穴プレート(Greiner bio-one、カタログ番号650101)においてプレインキュベートした。次に、20μLの正常ヒト血清(NHS;Sanquin、Ref No M0008)を補体の起源として添加し、45分間、37℃のインキュベータにおいてインキュベートした(20%最終NHS濃度;0.06~8.0μg/mLの最終全濃度、2倍希釈の1:1抗体混合物)。次に、20μLの2μg/mLヨウ化プロピジウム溶液(PI;Sigma Aldrich)を添加し、RTでシェーカー上で5分間インキュベートした。細胞を1,200rpmでの3分間の遠心分離によってペレット化し、FACS緩衝液に再懸濁させた(PBS/0.1%BSA/0.01%アジ化Na)。PI陽性細胞の数をiQueスクリーナー(Intellicyt)でのフローサイトメトリーによって決定した。GraphPad PRISMソフトウェアを使用して、対数変換された濃度を使用して、非線形用量応答適合のベストフィット値を使用して、データを分析した。溶解率は、(PI陽性細胞の数/全細胞数)×100%として計算された。
【0389】
I型CD20抗体について予想される通り、IgG1-CD20-7D8は、単一薬剤として既に強力なCDC活性を示したが、CD37抗体IgG1-CD37-37.3はそうでなかった(
図1A)。混合物中のCD20抗体の全濃度は、IgG1-CD20-7D8単一薬剤試料の半分であったにも関わらず、両方の抗体の混合物は、単一IgG1-CD20-7D8抗体試料と比較可能な用量依存性の死滅を誘導した。
【0390】
WT II型CD20抗体IgG1-CD20-11B8も、CD37抗体IgG1-CD37-37.3も、単一薬剤として単独ではCDCを誘導しなかったが、両方の抗体の混合物は、Daudi細胞においてCDCを誘導した(
図1B)。
【0391】
実施例3:六量体化増強変異を含むCD37抗体およびCD20抗体の混合物についてのCDC相乗性分析
六量体化増強変異(E430G;WO2013/004842)を含むCD37抗体およびCD20抗体の間の可能性のある相乗性を、Daudi細胞を使用したCDCアッセイにおいて分析した。六量体化増強型CD37抗体IgG1-CD37-37.3-E430G(Hx-CD37-37.3)(0.0125~0.8μg/mL、2倍希釈)と、六量体化増強型CD20抗体IgG1-CD20-11B8-E430G(Hx-CD20-11B8)(0.125~8μg/mL、2倍希釈)または六量体化増強型CD20抗体IgG1-CD20-7D8-E430G(Hx-CD20-7D8)(0.0125~0.8μg/mL、2倍希釈)との混合物の完全濃度希釈系列マトリックス(8×8グリッド)を使用して、本質的に実施例2に記載されたように、インビトロCDCアッセイを実施した。Hx-CD20-11B8は、II型CD20抗体に由来し、Hx-CD20-7D8は、I型CD20抗体に由来する。CDCアッセイにおける六量体化増強型のCD20抗体およびCD37抗体の間の相乗性の程度を、相加性(CI=1)、相乗性(CI<1)、または拮抗性(CI>1)として効果が分類される、CompuSynによって計算されたLoeweの相加性に基づくコンビネーションインデックス(CI)スコアを使用して決定した(Chou et al., 2006 Pharmacological Reviews 58(3):621)。
【0392】
六量体化増強型CD37抗体Hx-CD37-37.3は、六量体化増強型CD20抗体Hx-CD20-7D8(
図2A)およびHx-CD20-11B8(
図2B)の各々と相乗的な活性を示し、平均CI値は、それぞれ、0.37および0.31(有効用量-ED95)であった。試験された抗体濃度のより低い範囲で、Hx-CD37-37.3とHx-CD20-11B8との混合物(
図2D)は、Hx-CD37-37.3とHx-CD20-7D8との混合物より高いCI値を示し、このことから、Hx-CD37-37.3とII型CD20抗体由来Hx-CD20-11B8との混合物の相乗活性が、I型CD20抗体由来Hx-CD20-7D8との混合物より高いことが示された(
図2C)。
【0393】
実施例4:六量体化増強型のCD37抗体およびCD20抗体の混合物による、補体を活性化し、CDCを誘導するための、C1qとの結合および結合したC1qの使用の効率
六量体化増強型CD37抗体(Hx-CD37-37.3)と六量体化増強型CD20抗体(Hx-CD20-7D8またはHx-CD20-11B8)との混合物の、標的細胞において補体を活性化し、CDCを誘導するため、C1qに結合し、C1qを使用する能力を、インビトロで測定した。膜に結合した抗体によるC1q結合の効率を査定するため、Daudi細胞を、固定された抗体濃度および精製されたC1qの段階希釈物と共にインキュベートした。0.1×106個の細胞を、RTでシェーカー上で15分間、その後、37℃で45分間、1ウェル当たりの全体積100μLのRPMI/0.2%BSAにおいて、精製されたC1q(0.001~10μL/mL最終濃度、3倍希釈;Quidel、カタログ番号A400)および10μg/mL抗体と共に、ポリスチレン丸底96穴プレートにおいてインキュベートした。プレートを氷上に置き、細胞をFACS緩衝液で1回洗浄し、次いで、4℃で30分間、全体積50μLのRPMI/0.2%BSAにおいて、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)標識ウサギ抗ヒトC1q二次抗体(1:80;DAKO、カタログ番号0254)と共にインキュベートした。細胞をペレット化し、2回洗浄し、120μLのFACS緩衝液に再懸濁させ、FACS Canto IIフローサイトメーター(BD Biosciences)におけるフローサイトメトリーによって分析した。六量体化増強型抗体(混合物)の、本明細書中でCDC効力とも呼ばれる、補体を活性化し、CDCを誘導するため、結合したC1qを使用する効率を、C1q枯渇血清において、固定された抗体濃度および精製されたC1qの段階希釈物と共にDaudi細胞を使用してインビトロで査定した。0.1×106個のDaudi細胞を、RTでシェーカー上で15分間、1ウェル当たりの全体積100μLのRPMI/0.2%BSAにおいて、抗体と共にプレインキュベートした。次に、C1q枯渇血清(Quidel、カタログ番号A509)および精製されたC1qの濃度希釈系列を、100μLの最終体積でプレインキュベートされた細胞に添加し(10μg/mL抗体;20%C1q枯渇血清;0.001~10μg/mL C1q、3倍希釈)、37℃で45分間インキュベートした。プレートを氷上に置くことによって、反応を中止した後、遠心分離し、20μL PI(2μg/mL)に細胞を再懸濁させた。CDCを、FACS Canto IIフローサイトメーターを使用したフローサイトメトリーによって決定されたPI陽性細胞の割合(%)として計算した。対数変換されたデータを、GraphPad PRISMソフトウェアを使用して、非線形用量応答適合のベストフィット値を使用して分析した。
【0394】
単一薬剤として既に効率的な用量依存性のC1q結合を示した六量体化増強型I型CD20抗体由来IgG1-CD20-7D8-E430G(Hx-CD20-7D8)との混合物において、六量体化増強型CD37抗体IgG1-CD37-37.3-E430G(Hx-CD37-37.3)は、Daudi細胞に結合したとき、限定されたC1q結合を示し、C1q結合に有意に寄与しなかった(
図3A)。しかしながら、混合物Hx-CD37-37.3+Hx-CD20-7D8は、より低いC1q濃度(より低いEC50)において増強されたCDCによって示されるように、全抗体濃度は同一であったが、単一抗体と比較してより効率的に、補体を活性化し、CDCを誘導するため、C1qを使用した(
図3C)。Hx-CD37-37.3とII型CD20抗体由来Hx-CD20-11B8との混合物は、単一抗体と比較して、実質的に増加した用量依存的なC1q結合をもたらした(
図3B)。さらに、単一抗体と比較して増加したCDC効力によって示されるように、Hx-CD37-CD37.3およびHx-CD20-11B8の混合物によって、C1qが効率的に使用された(
図3D)。総合すると、これらのデータは、細胞表面上の抗原に結合したとき、六量体化増強型のCD37抗体およびCD20抗体の混合物が、I型およびII型のCD20抗体由来六量体化増強型分子の両方について、細胞表面における実質的なC1qリクルートメントおよび補体活性化を示し、単一抗体と比較してより高いCDC媒介性の標的細胞死滅をもたらすことを例証している。
【0395】
実施例5:Daudi細胞の細胞膜におけるIgG1-CD20-11B8抗体バリアントおよびIgG1-CD37-37.3抗体バリアントの共局在を査定するためのFRET分析
Daudi細胞の細胞膜に結合したIgG1-CD20-11B8のCD20抗体バリアントおよびIgG1-CD37-37.3のCD37抗体バリアントの分子近接を、蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)分析によって分析した。FRETの原理は、ドナー分子(D) 由来の励起された分子フルオロフォアから、アクセプター分子(A) 上の別のフルオロフォアへの、距離依存的なエネルギー転移を含み(Forster 1965 Modern Quantum Chemistry Vol.3:93-137)、それらは、例えば、ドナーフルオロフォアおよびアクセプターフルオロフォアにコンジュゲートされた抗体であり得る。
【0396】
本質的に製造業者によって記載されるように、抗体を、ドナーAlexa Fluor 555(A555、Life Technologies、カタログ番号A37571)またはアクセプターAlexa Fluor 647(A647、Life Technologies、カタログ番号A20186)に直接コンジュゲートした。標識された抗体を、1×トリス緩衝液+アジ化物(50mMトリス、100mM NaCl、0.01%アジ化物、pH 8.0)を移動相として含むPD10-セファデックスG25カラム(GE Healthcare、カタログ番号GE17-0853-01)を使用して精製した。標識度(DOL)は、標識された抗体の吸収スペクトル(Nanodrop photospectrometer、Thermo Fisher Scientific)から、平均して1抗体分子当たり3色素分子であると決定された。
【0397】
0.5×106個のDaudi細胞/ウェルを、水浴中で、37℃で15分間、96穴丸底プレート(Greiner Bio-One、カタログ番号650101)において、全体積100μLのRPMI/0.2%BSAにおいて、10μg/mLのA555にコンジュゲートされたドナー抗体および/または10μg/mLのA647にコンジュゲートされたアクセプター抗体と共にインキュベートした。細胞を、FACS緩衝液で2回洗浄し、遠心分離(300×gで3分)によってペレット化し、200μL PBSTに再懸濁させた。平均蛍光強度(MFI)を、585/42nm(FL2、ドナーA555)および≧670nm(FL3)(両方とも488nmで励起)および660/20nm(FL4、アクセプターA647)(635nmで励起)において10,000イベントを記録することによって、FACS Canto II(BD Biosciences)におけるフローサイトメトリーによって決定した。消光されていないドナー蛍光強度を、A555にコンジュゲートされたドナー抗体のみとインキュベートされた細胞から決定し、増強されていないアクセプター強度を、A647にコンジュゲートされたアクセプター抗体のみとインキュベートされた細胞から決定した。近接によって誘導されたFRETを、A555にコンジュゲートされたドナー抗体およびA647にコンジュゲートされたアクセプター抗体の両方と共にインキュベートされた細胞の間のエネルギー転移を測定することによって決定した。以下の方程式に従って、FRETを計算するため、MFI値を使用した:エネルギー転移(ET)=FL3(D、A) - FL2(D、A)/a - FL4(D、A)/b[式中、a=FL2(D)/FL3(D)、b=FL4(A)/FL3(A)、Dはドナーであり、Aはアクセプターであり、FLn(D、A)=ドナー+アクセプターである]。得られたET値を、以下の方程式に従って規準化した:規準化されたエネルギー転移(%)=100*ET/FL3(D、A)。
【0398】
最初に、この実施例におけるフローサイトメトリーによるFRET分析のダイナミックレンジを、対照抗体を使用して決定した。マウス抗ヒトIgG1抗体HB43(IgG1mm-HB43;Ron Taylor, University of Virginia, Charlottesville, VAからの寄贈)を、細胞表面におけるWT CD20抗体IgG1-CD20-7D8のようなヒトIgG1抗体と直接結合し、従って、共局在する能力による、近接によって誘導されるFRETについての陽性対照として使用した。A555またはA647にコンジュゲートされたHB43の結合は、細胞表面に結合したIgG1抗体を必要とするため、単一染色(消光されていないドナーおよび増強されていないアクセプターの蛍光強度の計算)においては、コンジュゲートされていないIgG1-CD20-7D8を一次結合のために使用し、組み合わせ染色(エネルギー転移効率の計算)においては、A555またはA647にコンジュゲートされたIgG1-CD20-7D8抗体を一次結合のために使用した。同一のセットアップを使用して、マウス抗ヒトIgM抗体HB57(IgG1mm-HB57;Ron Taylor, University of Virginia, Charlottesville, VAからの寄贈)を、近接によって誘導されるFRETについての陰性対照として使用した。HB57は、Daudi細胞上の膜結合型ヒトIgM(B細胞受容体)に結合するマウス抗体であり、ヒト抗体IgG1-CD20-7D8と不十分に共局在することが予想された。
図4Aは、コンジュゲートされたIgG1-CD20-7D8およびIgG1-HB43が、90%のエネルギー転移効率で、効率的に共局在し、IgG1-CD20-7D8およびIgG1-HB57が、およそ10%のエネルギー転移効率で、不十分に共局在したことを示している。これらのデータは、A555およびA647にコンジュゲートされた抗体を使用して抗体共局在を査定するためのフローサイトメトリーFRET分析をバリデートした。
【0399】
Daudi細胞におけるWT CD37抗体IgG1-CD37-37.3ならびにWT CD20抗体IgG1-CD20-7D8およびIgG1-CD20-11B8の近接を、単一抗体、およびCD37抗体とCD20抗体のうちの一方との混合物について査定した。II型CD20抗体IgG1-CD20-11B8について、ドナー分子およびアクセプター分子の混合は、近接によって誘導されるFRETをもたらさなかったが、CD37抗体IgG1-CD37-37.3については、中程度のFRETが観察された(
図4B)。対照的に、ドナーによって標識されたIgG1-CD20-11B8およびアクセプターによって標識されたIgG1-CD37-37.3抗体(およびその逆)の混合物は、単独の各単一抗体と比較して増加したFRETを示し、このことから、細胞表面における2つの抗体の近接が示された。
図4Cは、I型CD20抗体IgG1-CD20-7D8について、高いFRETレベルがCD20抗体自体について観察されたことを示す。IgG1-CD37-37.3についてのFRETレベルは低かったが、ドナーによって標識されたIgG1-CD20-7D8抗体およびアクセプターによって標識されたIgG1-CD37-37.3抗体(およびその逆)の混合物も、増強されたFRETレベルを示した。
【0400】
次に、Daudi細胞における六量体化増強型CD37抗体IgG1-CD37-37.3-E430G(Hx-CD37-37.3)と六量体化増強型CD20抗体IgG1-CD20-7D8-E430G(Hx-CD20-7D8)およびIgG1-CD20-11B8-E430G(Hx-CD20-11B8)との近接を分析するため、同一のアプローチを実施した。Hx-CD37-37.3のドナー分子とアクセプター分子との混合およびHx-CD20-11B8のドナー分子とアクセプター分子との混合は、低いFRETレベルを示した(
図4D)。ドナーによって標識されたHx-CD20-11B8およびアクセプターによって標識されたHx-CD37-37.3分子(およびその逆)の混合物について、増加したFRETが観察された。これは、Daudi細胞において共に結合したときの六量体化増強型のCD20抗体およびCD37抗体の密接な分子隣接を示す。
図4Eは、高いFRETレベルが、単独のCD20を標的とする分子Hx-CD20-7D8について観察され、低いFRETレベルが、単独のCD37を標的とする分子Hx-CD37-37.3について観察されたことを示す。単独のCD37を標的とする分子Hx-CD37-37.3と比較して、ドナーによって標識されたHx-CD20-7D8抗体およびアクセプターによって標識されたHx-CD37-37.3抗体(およびその逆)の混合物は、増強されたFRETレベルを示した。
【0401】
総合すると、これらのデータは、CD37抗体とI型またはII型のCD20抗体との混合物において、WT抗体および六量体化増強型抗体の両方が、Daudi細胞において相互に密接に近接した結合を示すことを例証している。
【0402】
実施例6:悪性B細胞の細胞表面における六量体化増強型のCD37抗体およびCD20抗体の間のヘテロ六量体形成のCDC分析を使用した評価
K439EおよびS440Kは、表面標的結合型抗体の間の分子間Fc-Fc相互作用を修飾するために適用され得る相補的な変異である。K439EまたはS440Kの変異を保持する抗体は、Fc-Fc相互作用および六量体形成にエンゲージする限定された能力を示すが、K439E変異を保持する抗体とS440K変異を保持する抗体との組み合わせは、Fc-Fc相互作用にエンゲージする能力を救済する(WO2013/004842)。K439EおよびS440Kの変異を、Hx-CD20-11B8およびHx-CD37-37.3に導入し、これらのバリアントの混合物のCDCを誘導する能力を、Daudi細胞およびWIL2-S細胞(ATCC、カタログ番号CRL-8885)を使用してインビトロで試験した。0.1×106個の細胞を、RTでシェーカー上で15分間、80μLの培養培地[鉄を含む10%ドナーウシ血清(DBSI;Life Technologies、カタログ番号10371-029)および50単位ペニシリン/50単位ストレプトマイシン(Pen/Strep;Lonza、カタログ番号DE17-603E)が補足されたHepesおよびL-グルタミンを含むRPMI 1640(Lonza、カタログ番号BE12-115F)]において、精製された抗体試料の濃度希釈系列(最終濃度範囲0.03~10μg/mL、3倍希釈)と共にポリスチレン丸底96穴プレートにおいてプレインキュベートした。次に、20μLの正常ヒト血清(NHS、Sanquin、Ref No M0008)を、補体の起源として添加し(20%最終NHS濃度)、37℃で45分間インキュベートした。プレートを氷上に置くことによって、反応を中止した後、遠心分離によって細胞をペレット化し、上清を30μL PI(2μg/mL)に交換した。Intellicyt iQueスクリーナーを使用したフローサイトメトリーによって測定されたPI陽性細胞の割合によって、CDC活性を決定した。対数変換されたデータを、GraphPad PRISMにおいて非線形用量応答適合のベストフィット値を使用して分析した。
【0403】
六量体化増強型CD20抗体IgG1-CD20-11B8-E430G(Hx-CD20-11B8)のCDC活性は、Daudi細胞(
図5A)およびWIL2-S細胞(
図5B)の両方において、Fc-Fc阻害変異であるK439EまたはS440Kのいずれかの導入によって完全に阻害された。予想通り、相補的な変異K439EまたはS440Kのうちの1つを各々有する2つの抗CD20抗体を組み合わせることによって、Fc-Fc阻害が中和されたとき、CDC活性は回復した。類似の結果が、Daudi細胞において、六量体化増強型CD37抗体IgG1-CD37-37.3-E430G(Hx-CD37-37.3)について見出された(
図5C)。低いCD37発現を有する(示されないデータ)WIL2-S細胞(
図5D)においては、試験されたHx-CD37-37.3バリアントのいずれもCDCを誘導しなかった。両方とも同一のFc-Fc相互作用阻害変異(K439EまたはS440K)を保有するHx-CD20-11B8およびHx-CD37-37.3の組み合わせは、K439E変異もS440K変異も含まないHx-CD20-11B8およびHx-CD37-37.2の組み合わせと比較して、Daudi細胞において強く低下したCDC活性を示した(
図5E)。WIL2-S細胞において、六量体化増強型のCD20抗体およびCD37抗体の両方へのK439EまたはS440Kの変異のいずれかの導入は、CDC活性を完全に消失させた(
図5F)。相補的な変異K439EまたはS440Kのうちの1つを各々保持するHx-CD20-11B8バリアントおよびHx-CD37-37.3バリアントの組み合わせは、Daudi(
図5E)において、そしてWIL2-S細胞(
図5F)においても、CDC活性の回復をもたらした。
【0404】
これらのデータは、六量体化増強型CD20抗体IgG1-CD20-11B8-E430G(Hx-CD20-11B)および六量体化増強型CD37抗体IgG1-CD37-37.3-E430G(Hx-CD37-37.3)が、同族抗原CD20およびCD37に結合したときに分子間Fc-Fc相互作用にエンゲージし、細胞表面においてヘテロ六量体抗体複合体を形成し得ることを例証している。
【0405】
実施例7:細胞表面における六量体化増強型のCD37抗体およびCD20抗体の間の抗体ヘテロ六量体形成のFRET分析を使用した評価
実施例6は、変異K439EまたはS440Kのいずれかを各々含有している六量体化増強型CD20抗体IgG1-CD20-11B8-E430G(Hx-CD20-11B8)および六量体化増強型CD37抗体IgG1-CD37-37.3-E430G(Hx-CD37-37.3)において、Fc-Fc相互作用阻害変異K439EおよびS440Kを組み合わせ、中和することによって、単一抗体バリアントによるCDCは阻害されるが、2つの抗体の混合物はCDCを誘導し得ることを記載した。これらのデータは、抗体混合物中の抗体が、分子間Fc-Fc相互作用を確立し、ヘテロ六量体へ共に組み立てられ得ることを示した。これをさらに調査するため、K439EおよびS440Kの変異を含む場合および含まない場合の膜に結合した六量体化増強型のCD20抗体およびCD37抗体の間の分子近接を、FRET分析によって分析した。FRET分析は、実施例5に記載されるように、A555(ドナー)およびA647(アクセプター)にコンジュゲートされた抗体と共に、Daudi細胞を使用して実施された。
【0406】
Daudi細胞に結合した抗体混合物Hx-CD20-11B8およびHx-CD37-37.3によるFRET効率は、Fc-Fc相互作用阻害変異(K439EまたはS440K)の両抗体への導入によって減少した(
図6)。相補的な変異K439EまたはS440Kのうちの1つを各々有するHx-CD20-11B8バリアントおよびHx-CD37-37.3バリアントを混合することによって、Fc-Fc阻害が中和されたとき、FRETレベルは、Fc-Fc阻害変異を含まない六量体化増強型抗体の混合物について観察されたレベルにまで回復した。これらのデータは、Daudi細胞の細胞膜上のヘテロ六量体抗体複合体において、六量体化増強型抗体Hx-CD20-11B8およびHx-CD37-37.3が相互に密接に近接(<10nm)していることを示した。密接な近接は、Fc-Fc相互作用を阻害する変異を導入することによって低下し、このことは、Hx-CD20-11B8とHx-CD37-37.3との間の密接な近接が分子間Fc-Fc相互作用によって容易にされたことを示している。
【0407】
実施例8:様々な非ホジキンリンパ腫患者由来初代腫瘍細胞における六量体化増強型のCD37抗体およびCD20抗体の混合物のCDC活性のエクスビボ評価
4つの異なる非ホジキンリンパ腫(NHL)適応症:B細胞NHL(B-NHL)、濾胞性リンパ腫(FL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、および辺縁帯リンパ腫(MZL)からの初代患者由来腫瘍細胞において、六量体化増強型CD37抗体IgG1-CD37-37.3-E430G(Hx-CD37-37.3)と六量体化増強型CD20抗体IgG1-CD20-11B8-E430G(Hx-CD20-11B8)との混合物のCDC活性を分析した。全ての患者試料が、書面によるインフォームドコンセントの後に得られ、ヘルシンキ宣言に従ってVUmc Medical Ethical Committeeによって承認されたプロトコルを使用して保管された。患者の骨髄単核細胞(BMNC)または末梢血単核細胞(PBMC)を、リンパ腫患者の骨髄吸引物または末梢血試料から、密度勾配遠心分離(Ficoll-Paque PLUS、GE Healthcare)によって単離した。細胞を直接使用するか、またはさらなる使用まで液体窒素中に保管した。
【0408】
患者リンパ節を小片に切開し、1%ペニシリン-ストレプトマイシン、0.2%ヘパリン、および5%血小板溶解物を含有しているαMEM培地(ThermoFischer Scientific)に収集し、37℃で一晩放置した。インキュベーションの後、上清(非間質細胞コンパートメント)を除去し、細胞を70μM Easy Strainer(Greiner Bio-one)を使用してろ過した。細胞を計数し、25%熱不活化FBSおよび10%DMSOを含有するRPMI 1640培地に再懸濁させ、さらなる使用まで液体窒素中で凍結させた。
【0409】
患者由来腫瘍細胞を10μg/mL Hx-CD20-11B8、Hx-CD37-37.3、またはそれらの混合物(5+5μg/mL)によってオプソニン化し、20%のプールされたNHSの存在下でCDC活性を査定した。異なる細胞集団を定義するため、以下の細胞マーカーを使用した:CD45-KO(Beckman Coulter)、CD19-PC7(Beckman Coulter)、CD3-V450(BD)、CD5-APC(BD)、CD5-PE(DAKO)、CD10-APC-H7(BD)、CD10-PE(DAKO)、およびCD23-FITC(Biolegend)。CD45+細胞集団の中で、リンパ腫適応症に依って異なるマーカーによってBリンパ腫細胞を定義した:CD3-/CD19+/CD5+(CLL)、CD3-/CD19+/CD10+(FL、DLBCL)、CD3-/CD19+/CD5+/CD23+(MCL)。悪性細胞のクローン性を、κ/λ染色を使用して検出した。膜不透過性二本鎖DNA挿入蛍光色素である7-アミノアクチノマイシンD(7-AAD)の組み入れの後、フローサイトメトリーによって死細胞を可視化した。4つの試験された試料の全てにおいて、抗体のうちの1つが単独ではCDCを誘導しなかった場合ですら(
図7C)、Hx-CD20-11B8およびHx-CD37-37.3の混合物によって、単一抗体と比較して増強されたCDC活性が観察され(
図7)、六量体化増強型のCD20抗体およびCD37抗体の間の相乗性が一貫して示された。
【0410】
実施例9:Raji細胞における新規六量体化増強型CD37抗体と臨床的に確立されているCD20抗体生成物との混合物のCDC活性のインビトロ評価
六量体化増強型CD37抗体、IgG1-CD37-37.3-E430G(Hx-CD37-37.3)、IgG1-CD37-G28.1-E430G(Hx-CD37-G28.1)、または新規キメラウサギ/ヒトIgG1-CD37抗体、IgG1-CD37-004-E430G(Hx-CD37-004)、IgG1-CD37-005-E430G(Hx-CD37-005)、IgG1-CD37-010-E430G(Hx-CD37-010)、およびIgG1-CD37-016-E430G(Hx-CD37-016)と、臨床的に確立されているCD20を標的とするモノクローナル抗体生成物、MabThera(リツキシマブ;Roche、H0124B08)、Arzerra(オファツムマブ;Novartis;C656294)、およびGazyva(オビヌツズマブ、GA101;Roche、D287-41A GACD20)との混合物のCDC活性を、バーキットリンパ腫Raji細胞を使用してインビトロで試験した。Raji細胞(ATCC、カタログ番号CCL-86)を、10%熱不活化FBS、1U/mLペニシリン、1μg/mLストレプトマイシン、および4mM L-グルタミンが補足されたRPMI 1640において培養した。0.1×106個のRaji細胞を、RTでシェーカー上で15分間、1ウェル当たりの全体積80μLのRPMI/0.2%BSAにおいて、抗体と共にプレインキュベートした。次に、NHSを、100μLの最終体積(最終抗体濃度10μg/mL;20%NHS)で、プレインキュベートされた細胞に添加し、37℃で45分間インキュベートした。全ての試験された全抗体濃度について、混合物中の2つの抗体の異なる比を試験した(1:0、3:1、1:1、1:3、0:1)。プレートを遠心分離し、細胞を30μL PI(2μg/mL)に再懸濁させた。iQueスクリーナー(Intellicyt)でのフローサイトメトリーによって決定されたPI陽性細胞の割合(%)として、死滅を計算した。GraphPad Prismソフトウェアを使用して、データを分析し、プロットした。
【0411】
試験された六量体化増強型CD37抗体と臨床的に確立されているCD20抗体生成物との混合物は、Raji細胞において、同一濃度の単一抗体と比較して増強された用量依存性のCDC活性を示した(
図8)。混合物中の2つの抗体の試験された異なる比(1:3、1:1、または3:1)において、CDC活性の差はほとんどなかった。これらのデータは、六量体化増強型CD37抗体と、MabThera、Arzerra(I型CD20抗体)、またはGazyva(II型CD20抗体)のような臨床的に確立されているCD20抗体生成物との混合物が、単独の標準CD20標的治療に対して高頻度に不応性になるB細胞悪性疾患を有する患者のための治療可能性を改善し得ることを例証している。
【配列表】