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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】排気装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04 20160101AFI20240702BHJP
   B60K 13/06 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
H01M8/04 N
B60K13/06 Z
H01M8/04 J
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021014612
(22)【出願日】2021-02-01
(65)【公開番号】P2022117859
(43)【公開日】2022-08-12
【審査請求日】2023-09-05
(73)【特許権者】
【識別番号】391002498
【氏名又は名称】フタバ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】初鳥 貴広
【審査官】橋本 敏行
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-117518(JP,A)
【文献】特開2013-212770(JP,A)
【文献】特開2010-272288(JP,A)
【文献】特開2010-123370(JP,A)
【文献】特開2009-135006(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0197362(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 11/00-15/10
H01M 8/00-8/2495
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載して用いられる排気装置であって、
車両内で発生した水を貯留可能に構成された貯水タンクと、
前記貯水タンク内に貯留された前記水を霧化するように構成された霧化部と、を備え、
前記貯水タンクは、
気体を前記貯水タンクに導入する吸気管と、前記水を前記貯水タンクに導入する吸水管と、前記霧化部により霧化された前記水、及び、前記貯水タンク内の前記気体を排出する排気管と、を当該貯水タンクと接続する複数の開口を備え
前記吸気管と前記吸水管とは共通の開口により前記貯水タンクと接続されている、排気装置。
【請求項2】
請求項1に記載の排気装置であって、
前記貯水タンクにおいて、前記排気管と接続する排気口は、前記吸水管と接続する吸水口と比較して、鉛直方向に関して上方に設けられている、排気装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の排気装置であって、
前記吸気管は、前記貯水タンクにおける前記排気管が設けられる壁面と対面する壁面に接続されている、排気装置。
【請求項4】
請求項1から請求項のいずれか1項に記載の排気装置であって、
前記水は、前記車両に搭載された燃料電池にて発生した水である、排気装置。
【請求項5】
請求項1から請求項のいずれか1項に記載の排気装置であって、
前記霧化部は、前記貯水タンクに貯留された前記水を霧化する圧電振動子を備える、排気装置。
【請求項6】
請求項に記載の排気装置であって、
前記貯水タンクの底面には、該貯水タンク内に導入された前記水を所定の領域に集める貯留形状が設けられており、
前記圧電振動子は、前記所定の領域に配置されている、排気装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両に搭載して用いられる排気装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の内部において発生した水は、通常、車両の外部に排出される。走行中に水をそのまま排出すると、後続車の被水や、路面濡れの発生の原因となってしまう。下記特許文献1では、燃料電池から排出される多量の水が含まれる排気から気液分離器を用いて水を専用タンクに分離し、バルブによって流速が高められた排気ガスにタンクの水を導入して霧化し、霧化された水を排出する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-218803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1のシステムでは、燃料電池の排気から水を分離する装置が必要となり、構造が複雑化してしまう。そこで、車両で発生した水を霧化して排出するためのなるべく簡素な構成が求められる。
【0005】
本開示の一局面は、簡素な構成で霧化した水を排出できる技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、車両に搭載して用いられる排気装置であって、貯水タンクと、霧化部と、を備える。貯水タンクは、車両内で発生した水を貯留可能に構成される。霧化部は、貯水タンク内に貯留された水を霧化するように構成される。貯水タンクは、吸気管と、吸水管と、排気管と、を当該貯水タンクと接続する複数の開口を備える。吸気管は、気体を貯水タンクに導入する。吸水管は、車両内で発生した水を貯水タンクに導入する。排気管は、霧化部により霧化された水、及び、貯水タンク内の気体を排出する。
【0007】
このような構成によれば、貯水タンクの内部において水が霧化され、霧化された水は貯水タンクを通過して排出される気体に伴って排出される。そのため、例えば排気流路とは別個の水専用のタンクやそれに接続するための配管が不要となり、簡素な構成で霧化した水を排出することができる。
【0008】
上述した排気装置の貯水タンクにおいて、排気管と接続する排気口は、吸水管と接続する吸水口と比較して、鉛直方向に関して上方に設けられていてもよい。このような構成であれば、吸水口から導入されて霧化されていない水が排気口に流れ込みにくくなる。そのため、霧化されていない水が外部に排出されてしまうことを抑制できる。
【0009】
上述した排気装置において、吸気管は、貯水タンクにおける排気管が設けられる壁面と対面する壁面に接続されていてもよい。このような構成であれば、吸気管から導入された気体は貯水タンク内部を横切って広い範囲を移動し、排気管から排出される。そのため、貯水タンク内の霧化された水は気体に伴って排気管に流れ込みやすくなり、貯水タンク内の水を効率よく排出することができる。
【0010】
上述した排気装置において、吸気管と吸水管とは共通の開口により貯水タンクと接続されていてもよい。このような構成であれば、貯水タンクの構成をより簡素化できる。
【0011】
上述した排気装置において、上記水は、車両に搭載された燃料電池にて発生した水であってもよい。このような構成であれば、燃料電池から排出された水を霧化して排出することができる。
【0012】
上述した排気装置において、霧化部は、貯水タンクに貯留された水を霧化する圧電振動子を備えてもよい。このような構成であれば、圧電振動子によって水を霧化できる。圧電振動子は比較的小型の装置であるため、貯水タンクの設計の自由度を高めることができ、また、貯水タンクが大型化してしまうことを抑制できる。
【0013】
上述した排気装置において、貯水タンクの底面には、貯水タンク内に導入された水を所定の領域に集める貯留形状が設けられていてもよい。圧電振動子は、所定の領域に配置されていてもよい。このような構成であれば、貯水タンク内の水が集まりやすい位置に圧電振動子が配置されるため、貯水タンクに貯留された水を効率的に霧化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1実施形態の燃料電池システムを示すブロック図である。
図2】第1実施形態の排気装置を示す模式的な側面断面図である。
図3】第1実施形態の変形例の排気装置を示す模式的な側面断面図である。
図4図4A、及び図4Bは、第1実施形態の変形例の排気装置を示す模式的な側面断面図である。
図5】第2実施形態の排気装置を示す模式的な側面断面図である。
図6】第2実施形態の変形例の排気装置を示す模式的な側面断面図である。
図7】第3実施形態の排気装置を示す模式的な側面断面図である。
図8】第3実施形態の変形例の排気装置を示す模式的な側面断面図である。
図9】第4実施形態の排気装置を示す模式的な側面断面図である。
図10】第4実施形態の変形例の排気装置を示す模式的な側面断面図である。
図11】第5実施形態の排気装置を示す模式的な側面断面図である。
図12】第5実施形態の変形例の排気装置を示す模式的な側面断面図である。
図13】貯水タンクにおける配管の配置を説明する図であって、図13A及び図13Bが平面図であり、図13Cが側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
[1.第1実施形態]
[1-1.燃料電池システムの概要]
図1に示される第1実施形態の燃料電池システム10は、車両に搭載されるシステムである。燃料電池システム10は、燃料電池11、貯水タンク12などを備える。
【0016】
燃料電池11には、エアコンプレッサ41により酸素を含む外気が給気され、また、水素タンク42から水素が供給される。燃料電池11は、発電に伴って水が発生する。燃料電池11の具体的な構成は特に限定されない。燃料電池11により発生した水と、給気された外気とは、いずれも燃料電池システム10の外部に排出される。以下の説明においては、排出される気体を排気と記載する。また以下の説明において、水とは、燃料電池11により発生した水を意味する。水及び排気は、貯水タンク12を含む排気装置1を介して排出される。貯水タンク12の内部には圧電振動子16が備えられている。この圧電振動子16は、制御部17に制御されて駆動する。
【0017】
[1-2.排気装置の構成]
図2に示される排気装置1は、車両に搭載して用いられる装置であり、排気を燃料電池システム10の外部に排出する。排気装置1は、貯水タンク12、吸気管13、排気管14、及び圧電振動子16を備える。以下の図において、制御部17の図示は省略する。
【0018】
貯水タンク12は燃料電池11から排出された水を貯留可能に構成されている。吸気管13は、燃料電池11から送られる排気を貯水タンク12に導入するための配管であり、貯水タンク12に設けられた吸気口21に接続されている。また、この吸気管13は、発生した水を貯水タンク12に導入するための配管でもある。つまり、吸気管13は、吸水管としても機能する。排気管14は、貯水タンク12内の排気を排出するための配管であり、貯水タンク12に設けられた排気口22に接続されている。排気口22は、吸気口21と比較して、鉛直方向に関して上方に設けられている。ここでいう上下とは、車両に搭載された状態での上下である。つまり、貯水タンク12に導入された水33は貯水タンク12の下方に溜まる。また、吸気管13は、貯水タンク12における排気管14が設けられる壁面12bと対面する壁面12aに接続されている。なお、吸気口21及び排気口22が、貯水タンク12の備える複数の開口に相当する。
【0019】
圧電振動子16は、電圧を加えられたときに振動する装置であって、貯水タンク12内に貯留された水33を霧化するように構成されている。圧電振動子16は、貯水タンク12の底面12dに配置されている。圧電振動子16及び制御部17は、霧化部の一例である。
【0020】
[1-3.排気装置の動作]
上述したように、吸気管13は吸水管としても機能する。そのため、燃料電池11から吸気管13を介して排気及び水の混合物31が貯水タンク12に送り込まれる。上述した吸気口21は、水を貯水タンク12に導入する吸水口にも相当する。貯水タンク12の内部では、排気32は排気口22に向かって流れ、水33は貯水タンク12の底に溜まる。
【0021】
圧電振動子16は、制御部17の出力する制御信号に従って駆動し、貯水タンク12の底に溜まった水33を霧化して、霧化した水(以下、霧化水34と記載する)を貯水タンク12の内部に放出する。制御部17による圧電振動子16の制御方法は特に限定されない。例えば図示しないセンサによって水33の存在を検出したときに圧電振動子16を駆動してもよい。また例えば、燃料電池11の作動を検出したときに圧電振動子16を駆動してもよい。また例えば、水33の量などに応じて振動数を制御してもよい。制御部17は、例えば、マイクロコンピュータを有しており、CPUがプログラムを実行することにより上述した制御を実行する構成であってもよい。
【0022】
霧化水34は、排気32に伴って移動する。排気口22は、貯水タンク12内の排気32、及び、圧電振動子16により霧化された霧化水34を排出する。霧化水34を含む排出物35は、排気管14を通過して外部に排出される。
【0023】
[1-4.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1a)排気装置1では、貯水タンク12の内部において霧化水34が生成され、貯水タンク12を通過する排気32に伴って排出される。そのため、車両に搭載された燃料電池11で発生した水を霧化した状態で排出できるので、水をそのまま排出することによる、被水や路面濡れ、さらに路面濡れに起因する路面凍結などの問題を抑制できる。また、霧化を実現するために、例えば、排気流路とは別個の水用のタンクや配管などの装置が不要となる。よって、簡素な構成で霧化された水を排出することができる。
【0024】
(1b)排気口22は、吸水口として機能する吸気口21と比較して、鉛直方向に関して上方に設けられている。そのため、吸気口21から導入された霧化されていない水は、排気口22に流れ込みにくい。したがって、霧化されていない水が排気口22を通過して排出されてしまうことを抑制できる。
【0025】
(1c)吸気管13は、排気管14が設けられる壁面12bと対面する壁面12aに接続されている。そのため、吸気口21から導入された気体は貯水タンク12内部を横切るように広い範囲を移動し、排気口22から排出される。そのため、貯水タンク12内の霧化水34は排気32に伴って排気口22に流れ込みやすくなり、貯水タンク12内の霧化水34を効率よく排出することができる。また、上述した配管の配置であれば、貯水タンク12の内部に気流のよどみが発生しにくくなり、排気圧損の増加を抑制できる。
【0026】
(1d)吸気管13は吸水管と共通であるから、吸気管と吸水管とは共通の開口により貯水タンク12と接続されていることとなる。そのため、貯水タンク12及びその周囲の配管をより簡素化できる。なお吸気管と吸水管とを共通化することは、燃料電池11のように、水と排気とが同時に排出される装置の排気を行う際に特に都合がよい。
【0027】
(1e)排気装置1では、霧化部として圧電振動子16を備える。圧電振動子16は比較的小型の装置であるため、貯水タンク12の設計の自由度を高めることができ、また、貯水タンク12が大型化してしまうことを抑制できる。
【0028】
[1-5.第1実施形態の変形例]
(i)上記第1実施形態の排気装置1では、吸気口21が吸水口としても機能する構成を例示した。言い換えると、吸気管13により排気と水とが貯水タンク12に導入される構成を例示した。しかしながら、図3に示される排気装置1aのように、吸気管13aと吸水管15とが別個に設けられる構成であってもよい。
【0029】
上記排気装置1aにおいて、吸気管13aと接続する吸気口21aは壁面12aに設けられ、排気管14と接続する排気口22は壁面12bに設けられていてもよい。また排気口22は、吸水管15と接続する吸水口23と比較して、鉛直方向に関して上方に配置されていてもよい。この構成では、吸気口21a、吸水口23、及び排気口22が、貯水タンク12の備える複数の開口に相当する。
【0030】
このような排気装置1aによれば、前述した第1実施形態の効果(1a)~(1c)、(1e)の効果が得られる。さらに、吸気口21aと吸水口23が別個に設けられているため、吸水口23から導入された水33が排気32と共に移動してしまい、霧化されずに排気口22に流れ込んでしまうことを良好に抑制できる。
【0031】
(ii)貯水タンク12の底面12dには、貯水タンク12内に導入された水33を所定の領域に集める貯留形状が設けられており、圧電振動子16は、所定の領域に配置されていてもよい。例えば、図4Aに示されるように、貯水タンク12の底面12dには貯留形状の一例として窪み61が形成されており、その61の中に圧電振動子16を配置してもよい。また、図4Bに示されるように、貯水タンク12の底面12dに、一部(例えば中央)が最も低くなる傾斜面62を設け、その最も低い位置に圧電振動子16を配置してもよい。この場合、傾斜面62が貯留形状に相当する。上述した各構成であれば、貯水タンク12内における水33が集まりやすい位置に圧電振動子16が配置される。そのため、貯留された水33が少ない場合でも霧化することが可能となるので、貯水タンク12に貯留された水33を効率的に霧化して排出することができる。
【0032】
[2.第2実施形態]
[2-1.第1実施形態との相違点]
第2実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、共通する構成については説明を省略し、相違点を中心に説明する。なお、第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
【0033】
図5に示される排気装置101は、図2に示される排気装置1と比較して貯水タンクに接続される配管の位置が異なる。
吸気管113は、燃料電池11と貯水タンク112とを接続する配管である。吸気管113は、貯水タンク112に設けられた吸気口121に接続されている。排気管114は、貯水タンク112に設けられた排気口122に接続されている。また、吸気管113と排気管114は、いずれも、貯水タンク112における上側の壁面112cに接続されている。なお、吸気口121及び排気口122が、貯水タンク112の備える複数の開口に相当する。
【0034】
燃料電池11にて生成された排気及び水の混合物31は、吸気管113を介して貯水タンク112に送り込まれる。吸気口121は、排気32を貯水タンク112に導入すると共に、水33を貯水タンク112に導入する。上述した吸気口121は、水33を貯水タンク112に導入する吸水口にも相当する。
【0035】
貯水タンク112の内部では、排気32は排気口122に向かって流れ、水33は貯水タンク112の底に溜まる。霧化水34は、排気32に伴って移動する。排気口122は、霧化水34、及び、貯水タンク112内の排気32を排出する。霧化水34を含む排出物35は、排気管114を通過して外部に排出される。
以上詳述した第2実施形態によれば、前述した第1実施形態の効果(1a)、(1d)、(1e)と同様の効果が得られる。
【0036】
[2-2.第2実施形態の変形例]
上記第2実施形態の排気装置101では、吸気口121が吸水口としても機能する構成を例示した。しかしながら、図6に示される排気装置101aのように、吸気管113aと吸水管115とが別個に設けられる構成であってもよい。
【0037】
上記排気装置101aにおいて、吸気管113aと接続する吸気口121aは壁面112cに設けられてもよい。また、吸水管115と接続する吸水口123は壁面112aに設けられてもよい。また排気口122は、吸水口123と比較して、鉛直方向に関して上方に配置されていてもよい。この構成では、吸気口121a、吸水口123、及び排気口122が、貯水タンク112の備える複数の開口に相当する。
【0038】
このような排気装置101aによれば、前述した第2実施形態の効果に加え、吸水口123が排気口122よりも下方に位置することから、第1実施形態の(1b)と同様の効果も得ることができる。
【0039】
[3.第3実施形態]
[3-1.第1実施形態との相違点]
第3実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、共通する構成については説明を省略し、相違点を中心に説明する。なお、第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
【0040】
図7に示される排気装置201は、図2に示される排気装置1と比較して貯水タンクに接続される配管の位置が異なる。
吸気管213は、燃料電池11と貯水タンク212とを接続する配管である。吸気管213は、貯水タンク212に設けられた吸気口221に接続されている。排気管214は、貯水タンク212に設けられた排気口222に接続されている。また、吸気管213と排気管214は、いずれも、貯水タンク112における上下に広がる同一の壁面212aに接続されている。排気口222は、吸気口221と比較して、鉛直方向に関して上方に配置されている。なお、吸気口221及び排気口222が、貯水タンク212の備える複数の開口に相当する。
【0041】
燃料電池11にて生成された排気及び水の混合物31は、吸気管213を介して貯水タンク212に送り込まれる。吸気口221は、排気32を貯水タンク212に導入すると共に、水33を貯水タンク212に導入する。上述した吸気口221は、水を貯水タンク212に導入する吸水口にも相当する。
【0042】
貯水タンク212の内部では、排気32は排気口222に向かって流れ、水33は貯水タンク212の底に溜まる。霧化水34は、排気32に伴って移動する。排気口222は、霧化水34、及び、貯水タンク212内の排気32を排出する。霧化水34を含む排出物35は、排気管214を通過して外部に排出される。
以上詳述した第3実施形態によれば、前述した第1実施形態の効果(1a)、(1b)、(1d)、(1e)と同様の効果が得られる。
【0043】
[3-2.第3実施形態の変形例]
上記第3実施形態の排気装置201では、吸気口221が吸水口としても機能する構成を例示した。しかしながら、図8に示される排気装置201aのように、吸気管213aと吸水管215とが別個に設けられる構成であってもよい。
【0044】
上記排気装置201aにおいて、吸気管213aと接続する吸気口221a及び吸水管215と接続する吸水口223は壁面212aに設けられてもよい。また排気口222は、吸水口223と比較して、鉛直方向に関して上方に配置されていてもよい。また、吸水口223は、吸気口221aよりも下方に配置されていてもよい。この構成では、吸気口221a、吸水口223、及び排気口222が、貯水タンク212の備える複数の開口に相当する。このような構成であれば、吸水口223から導入された水33が霧化されずに排気口222に流れ込んでしまうことを良好に抑制できる。
【0045】
[4.第4実施形態]
[4-1.第1実施形態との相違点]
第4実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、共通する構成については説明を省略し、相違点を中心に説明する。なお、第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
【0046】
図9に示される排気装置301は、図2に示される排気装置1と比較して貯水タンクに接続される配管の位置が異なる。
吸気管313は、燃料電池11と貯水タンク312とを接続する配管である。吸気管313は、貯水タンク312に設けられた吸気口321に接続されている。排気管314は、貯水タンク312に設けられた排気口322に接続されている。また、吸気管313は、貯水タンク312における上側の壁面312cに接続されている。排気管314は、貯水タンク312における上下に広がる壁面312bに接続されている。なお、吸気口321及び排気口322が、貯水タンク312の備える複数の開口に相当する。
【0047】
燃料電池11にて生成された排気及び水の混合物31は、吸気管313を介して貯水タンク312に送り込まれる。吸気口321は、排気32を貯水タンク312に導入すると共に、水33を貯水タンク312に導入する。上述した吸気口321は、水を貯水タンク312に導入する吸水口にも相当する。
【0048】
貯水タンク312の内部では、排気32は排気口322に向かって流れ、水33は貯水タンク312の底に溜まる。霧化水34は、排気32に伴って移動する。排気口322は、霧化水34、及び、貯水タンク312内の排気32を排出する。霧化水34を含む排出物35は、排気管314を通過して外部に排出される。
以上詳述した第4実施形態によれば、前述した第1実施形態の効果(1a)、(1d)、(1e)と同様の効果が得られる。
【0049】
[4-2.第4実施形態の変形例]
上記第4実施形態の排気装置301では、吸気口321が吸水口としても機能する構成を例示した。しかしながら、図10に示される排気装置301aのように、吸気管313aと吸水管315とが別個に設けられる構成であってもよい。
【0050】
上記排気装置301aにおいて、吸気管313aと接続する吸気口321aは壁面312cに設けられていてもよい。また、吸水管315と接続する吸水口323は壁面312aに設けられてもよい。また排気口322は、吸水口323と比較して、鉛直方向に関して上方に配置されていてもよい。この構成では、吸気口321a、吸水口323、及び排気口322が、貯水タンク312の備える複数の開口に相当する。
【0051】
このような排気装置301aによれば、前述した第4実施形態の効果に加え、吸水口323が排気口322よりも下方に位置することから、第1実施形態の(1b)と同様の効果も得ることができる。
【0052】
[5.第5実施形態]
[5-1.第1実施形態との相違点]
第5実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、共通する構成については説明を省略し、相違点を中心に説明する。なお、第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
【0053】
図11に示される排気装置401は、図2に示される排気装置1と比較して貯水タンクに接続される配管の位置が異なる。
吸気管413は、燃料電池11と貯水タンク412とを接続する配管である。吸気管413は、貯水タンク412に設けられた吸気口421に接続されている。排気管414は、貯水タンク412に設けられた排気口422に接続されている。また、吸気管413は、貯水タンク412における上下に広がる壁面412aに接続されている。排気管414は、貯水タンク412における上側の壁面412cに接続されている。なお、吸気口421及び排気口422が、貯水タンク412の備える複数の開口に相当する。
【0054】
燃料電池11にて生成された排気及び水の混合物31は、吸気管413を介して貯水タンク412に送り込まれる。吸気口421は、排気32を貯水タンク412に導入すると共に、水33を貯水タンク412に導入する。上述した吸気口421は、水を貯水タンク412に導入する吸水口にも相当する。
【0055】
貯水タンク412の内部では、排気32は排気口422に向かって流れ、水33は貯水タンク412の底に溜まる。霧化水34は、排気32に伴って移動する。排気口422は、霧化水34、及び、貯水タンク412内の排気32を排出する。霧化水34を含む排出物35は、排気管414を通過して外部に排出される。
以上詳述した第5実施形態によれば、前述した第1実施形態の効果(1a)、(1b)、(1d)、(1e)と同様の効果が得られる。
【0056】
[5-2.第5実施形態の変形例]
上記第5実施形態の排気装置401では、吸気口421が吸水口としても機能する構成を例示した。しかしながら、図12に示される排気装置401aのように、吸気管413aと吸水管415とが別個に設けられる構成であってもよい。
【0057】
上記排気装置401aにおいて、吸気管413aと接続する吸気口421a及び吸水管415と接続する吸水口423は壁面412aに設けられてもよい。また排気口422は、吸水口423と比較して、鉛直方向に関して上方に配置されていてもよい。また、吸水口423は、吸気口421aよりも下方に配置されていてもよい。この構成では、吸気口421a、吸水口423、及び排気口422が、貯水タンク412の備える複数の開口に相当する。このような構成であれば、吸水口423から導入された水33が霧化されずに排気口422に流れ込んでしまうことを良好に抑制できる。
【0058】
[6.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記各実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
【0059】
(6a)貯水タンクの形態は、車両内で発生した水を貯留可能な範囲で様々に変更することができる。例えば、矩形、円筒形、扁平形状などが例示されるが、これらに限定されない。また吸気口、吸水口、及び排気口は、霧化水34を排気32に伴って排出させることができる範囲で、様々な配置及び形態とすることができる。例えば、排気口が吸水口よりも低い位置に設けられていてもよい。
【0060】
(6b)いくつかの実施形態において、吸気管と吸水管とが共通である構成を例示した。これらの配管は、全体として共通でなくともよい。例えば、貯水タンクに対して共通の開口により接続されているものの、配管自体は別々に設けられる構成であってもよい。
【0061】
(6c)上記各実施形態では、燃料電池にて発生する水を霧化する構成を例示した。しかしながら水の発生源は燃料電池に限定されない。例えば、内燃機関により燃料を燃焼させた排気から生じた凝縮水を霧化する構成であってもよい。
【0062】
(6d)上記各実施形態では、圧電振動子により霧化水を生成する構成を例示したが、貯水タンク内に貯留された水を霧化するように構成された霧化部は、圧電振動子を備えていなくてもよい。例えば、圧電振動子以外の構成により振動を生成する装置や、霧化水を生成するフィルタ、など、様々な装置を採用しうる。
【0063】
(6e)貯水タンクの吸気と排気を行うための駆動力は特に限定されない。例えば、エアコンプレッサ41による吸気を駆動源として吸気と排気を行ってもよいし、他の駆動源を用いてもよい。
【0064】
(6f)貯水タンクを上方から見たときの吸気管、給水管、及び排気管の貯水タンクにおける位置は特に限定されない。例えば、図2に示す上述した第1実施形態では、吸気管13と排気管14が貯水タンク12を中心として向かい合うように配置される構成を例示した。しかし、図13Aに示されるように、上面視で吸気管13と排気管14が角度θを為すように配置されていてもよい。このときの角度θは特に限定されず、0°~180°の範囲において様々な値とすることができる。また、図3に示される第1実施形態の変形例のように吸気管13a、吸水管15、及び排気管14の3つの配管を備える場合にも、図13Bに示されるように、それらの配置は特に限定されない。つまり、吸気管13aを基準としたとき、吸気管13aと吸水管15との間の角度θ1、及び、吸気管13aと排気管14の間の角度θ2は、様々な値をとり得る。なお図13A,13Bでは、上面視で丸い(すなわち、円筒状の)貯水タンク12を例示しているが、貯水タンク12の形態が円筒状以外の形状であっても、配管の角度は特に限定されない。
【0065】
また、貯水タンクを水平方向から見た場合の配管の接続される角度も特に限定されない。例えば、図13Cに示されるように、吸気管13aは貯水タンク12に対して水平に接続され、排気管14及び吸水管15は貯水タンク12と接続する側の端部が低くなるように傾斜して接続されてもよい。傾斜角度は図13Cの例に限られず、吸気管13aが傾斜していてもよいし、排気管14及び吸水管15のいずれかが水平でもよい。また、いずれか1つ以上の配管は、貯水タンク12と接続する側の端部が高くなるように傾斜していてもよい。吸気管と給水管が共通の1つの配管である場合も同様に、その配管は様々な角度で貯水タンクに接続し得る。
【0066】
(6g)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。
【符号の説明】
【0067】
1,1a,101,101a,201,201a,301,301a,401,401a…排気装置、10…燃料電池システム、11…燃料電池、12,112,212,312,412…貯水タンク、12a,12b,112a,112c,212a,312a,312b,312c,412a,412c…壁面、12d…底面、13,13a,113,113a,213,213a,313,313a,413,413a…吸気管、14,114,214,314,414…排気管、15,115,215,315,415…吸水管、16…圧電振動子、17…制御部、21,21a,121,121a,221,221a,321,321a,421,421a…吸気口、22,122,222,322,422…排気口、23,123,223,323,423…吸水口、31…混合物、32…排気、33…水、34…霧化水、35…排出物、41…エアコンプレッサ、42…水素タンク、61…窪み、62…傾斜面
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