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特許7513544セメント含有粉状組成物、及び、水硬性組成物
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  • 特許-セメント含有粉状組成物、及び、水硬性組成物 図1
  • 特許-セメント含有粉状組成物、及び、水硬性組成物 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】セメント含有粉状組成物、及び、水硬性組成物
(51)【国際特許分類】
   C04B 28/02 20060101AFI20240702BHJP
   C04B 22/14 20060101ALI20240702BHJP
   C04B 24/14 20060101ALI20240702BHJP
   A01K 61/70 20170101ALI20240702BHJP
   A01G 33/02 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
C04B28/02
C04B22/14 D
C04B24/14
A01K61/70
A01G33/02
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021023577
(22)【出願日】2021-02-17
(65)【公開番号】P2022125789
(43)【公開日】2022-08-29
【審査請求日】2023-11-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000000240
【氏名又は名称】太平洋セメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103539
【弁理士】
【氏名又は名称】衡田 直行
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(74)【代理人】
【識別番号】100162145
【弁理士】
【氏名又は名称】村地 俊弥
(72)【発明者】
【氏名】黒澤 真一
(72)【発明者】
【氏名】前堀 伸平
(72)【発明者】
【氏名】小川 洋二
【審査官】安積 高靖
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-142877(JP,A)
【文献】特開2016-198017(JP,A)
【文献】特開2007-186409(JP,A)
【文献】実開昭53-065499(JP,U)
【文献】特開2011-126729(JP,A)
【文献】特開2015-202964(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B 28/02
C04B 22/14
C04B 24/14
A01K 61/70
A01G 33/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セメントと、アウインと、水生生物蝟集栄養成分を含むセメント含有粉状組成物であって、
上記セメントと上記アウインの合計量100質量%中の上記アウインの割合が3~18質量%であり、
上記セメントと上記アウインの合計量100質量部に対する、上記水生生物蝟集栄養成分の量が2~15質量部であることを特徴とするセメント含有粉状組成物。
【請求項2】
上記水生生物蝟集栄養成分が、アミノ酸及び核酸の中から選ばれる1種以上である請求項1に記載のセメント含有粉状組成物。
【請求項3】
上記水生生物蝟集栄養成分が、アルギニンである請求項2に記載のセメント含有粉状組成物。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載のセメント含有粉状組成物と、細骨材と、水を含む水硬性組成物。
【請求項5】
粗骨材を含む請求項4に記載の水硬性組成物。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の水硬性組成物を用いた、魚礁または藻礁の製造方法であって、
上記水硬性組成物を調製する調製工程と、
上記水硬性組成物に対して、付加製造技術を適用して、魚礁または藻礁を造形する造形工程、を含む魚礁または藻礁の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セメント含有粉状組成物、及び、水硬性組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、日本の漁業生産量は減少傾向にあり、その要因の一つとして藻場や干潟の減少が挙げられる。藻場や干潟は、生物の住処や、隠れ場や、産卵場所を提供する等の機能を有し、沿岸域の水産資源の増殖および水質の維持に大きな役割を果たしている。
藻場や干潟が消失する原因としては、沿岸域の開発等のほかに、最近、全国各地の海域で多く確認されている、「磯焼け」と呼ばれる現象が挙げられる。磯焼けは、藻食動物による食害が主な原因とされるが、そのほかにも海域の環境(海水温や海流等)の変化や、藻類の成長に必要な栄養成分の不足等、その発生要因は多岐にわたると考えられている。
水生生物が生息する魚礁や藻礁を形成することができる部材として、特許文献1には、水生生物に蝟集成分または栄養成分を供給するための水生生物用粒体を、通水性を有する収容手段の中に収容してなることを特徴とする魚礁または藻礁用の部材が記載されている。
【0003】
また、生体類の蝟集、付着、育成効果に優れた環境活性コンクリートおよび環境活性用ブロックとして、特許文献2には、生体類の蝟集、付着、育成効果、特に魚介類の蝟集、育成効果に優れる生体誘引物質を混練してなる環境活性・保全・修復用コンクリートにおいて、生体誘引物質を効果的に河川、海岸・海洋、および湖沼中に長期間に亘って徐々に流出させるために、当該組成物中に生体誘引物質を高濃度で配合し、かつ形成された組成物が高い空気含有量と流動性を有し、かつ環境活性・保全・修復用コンクリートを形成するために十分な強度を有し、流出した生体誘引物質の「臭気」により誘引効果を高めたことを特徴とする環境活性・保全・修復用コンクリート組成物および該環境活性・保全・修復用ブロックを用いた各種土木構築物が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-93425号公報
【文献】国際公開第2011/086744号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、水生生物(例えば、小型の魚介類)を蝟集することができる蝟集成分、又は、水生生物(例えば、小型の魚介類や藻類)を成育することができる栄養成分を、水中により多く供給することができ、水生生物を蝟集し、水生生物の成長を促進することで、水生生物が生息しやすい魚礁や藻礁を形成することができるセメント含有粉状組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、セメントと、アウインと、水生生物蝟集栄養成分を含み、セメントとアウインの合計量100質量%中のアウインの割合が3~18質量%であり、セメントとアウインの合計量100質量部に対する、水生生物蝟集栄養成分の量が2~15質量部であるセメント含有粉状組成物によれば、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]~[6]を提供するものである。
[1] セメントと、アウインと、水生生物蝟集栄養成分を含むセメント含有粉状組成物であって、上記セメントと上記アウインの合計量100質量%中の上記アウインの割合が3~18質量%であり、上記セメントと上記アウインの合計量100質量部に対する、上記水生生物蝟集栄養成分の量が2~15質量部であることを特徴とするセメント含有粉状組成物。
[2] 上記水生生物蝟集栄養成分が、アミノ酸及び核酸の中から選ばれる1種以上である前記[1]に記載のセメント含有粉状組成物。
[3] 上記水生生物蝟集栄養成分が、アルギニンである前記[2]に記載のセメント含有粉状組成物。
[4] 前記[1]~[3]のいずれかに記載のセメント含有粉状組成物と、細骨材と、水を含む水硬性組成物。
[5] 粗骨材を含む前記[4]に記載の水硬性組成物。
[6] 前記[4]又は[5]に記載の水硬性組成物を用いた、魚礁または藻礁の製造方法であって、上記水硬性組成物を調製する調製工程と、上記水硬性組成物に対して、付加製造技術を適用して、魚礁または藻礁を造形する造形工程、を含む魚礁または藻礁の製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明のセメント含有粉状組成物によれば、水生生物(例えば、小型の魚介類)を蝟集することができる蝟集成分、又は、水生生物(例えば、小型の魚介類や藻類)を成育することができる栄養成分を、水中により多く供給することができ、水生生物を蝟集し、水生生物の成長を促進することで、水生生物が生息しやすい魚礁や藻礁を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】モルタル硬化体の細孔径と、細孔量との関係を示す図である。
図2】モルタル硬化体の細孔径と、累積細孔量との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明のセメント含有粉状組成物は、セメントと、アウイン(3CaO・3Al・CaSO)と、水生生物蝟集栄養成分を含むセメント含有粉状組成物であって、セメントとアウインの合計量100質量%中のアウインの割合が3~18質量%であり、セメントとアウインの合計量100質量部に対する、水生生物蝟集栄養成分の量が2~15質量部であるものである。
セメントの例としては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメントや、高炉セメント、フライアッシュセメント等の混合セメントや、エコセメント等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0010】
セメントとアウインの合計量100質量%中のアウインの割合は、3~18質量%、好ましくは5~17質量%、より好ましくは7~16質量%、特に好ましくは8~15質量%である。上記割合が3質量%未満であると、水生生物蝟集栄養成分の水中への溶出量が小さくなる。また、セメント含有粉状組成物の強度発現性が低下する。上記割合が18質量%以上であると、水生生物蝟集栄養成分の水中への溶出量が小さくなる。
【0011】
水生生物蝟集栄養成分とは、水生生物(例えば、小型の魚介類)を蝟集することができる蝟集成分、又は、水生生物(例えば、小型の魚介類や藻類)を成育することができる成分をいう。
蝟集成分としては、水生生物を蝟集することができる成分であれば特に限定されないが、例えば、シスチン、イソロイシン、アラニン、アルギニン、グリシン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジン、ロイシン、メチオニン、リシン、フェニルアラニン、セリン、プロリン、チロシン、スレオニン、システイン、トリプトファン、バリン、トレオニン、及びオルニチン等のアミノ酸;上述したアミノ酸を構成単位として含む、ペプチド又はタンパク質;チミジン、アデノシン、グアニン、イノシン、及びウリジン等の核酸等が挙げられる。
蝟集成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0012】
栄養成分としては、水生生物を成育することができる成分であれば特に限定されないが、例えば、上述したアミノ酸、該アミノ酸を構成単位として含むペプチド又はタンパク質、上述した核酸等の有機肥料成分;窒素、リン、カリウム、マグネシウム、ケイ素、硫黄等の、無機肥料における主要成分;鉄、銅、亜鉛、ニッケル、マンガン、コバルト、モリブデン等の無機肥料における微量成分等が挙げられる。
栄養成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
水生生物蝟集栄養成分は、水生生物を蝟集し、かつ、成育することができる観点から、好ましくはアミノ酸及び核酸の中から選ばれる1種以上であり、より好ましくはアルギニンである。
【0013】
セメントとアウインの合計量100質量部に対する、水生生物蝟集栄養成分の量は、2~15質量部、好ましくは2.5~13質量部、より好ましくは3~12質量部である。上記量が2質量部未満であると、水生生物蝟集栄養成分の水中への溶出量が小さくなる。上記量が15質量部を超えると、セメント含有粉状組成物の強度発現性が低下する。
【0014】
本発明の水硬性組成物は、上述したセメント含有粉状組成物と、細骨材と、水を含むものである。
ここで、水硬性組成物とは、上述したセメント含有粉状組成物と、細骨材と、水を含む硬化性組成物であって、水硬性組成物の硬化前の形態および硬化後の形態を包含するものである。水硬性組成物の例としては、モルタル、及びコンクリートが挙げられる。
細骨材としては、特に限定されず、例えば、川砂、山砂、陸砂、海砂、砕砂、珪砂、クリンカを砕いたもの(クリンカ破砕物であって、細骨材として用いるもの)、スラグ細骨材、及び軽量細骨材等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
細骨材の配合量は特に限定されず、モルタル等における一般的な配合量であればよい。例えば、細骨材の配合量は、セメントとアウインの合計量100質量部に対して、好ましくは100~700質量部、より好ましくは120~400質量部である。
【0015】
水硬性組成物は、粗骨材を含んでいてもよい。
粗骨材としては、特に限定されず、例えば、川砂利、山砂利、陸砂利、海砂利、砕石、クリンカを砕いたもの(クリンカ破砕物であって、粗骨材として用いるもの)、スラグ粗骨材、及び軽量粗骨材等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
粗骨材の配合量は特に限定されず、コンクリートにおける一般的な配合量であればよい。
また、細骨材率は、好ましくは5~60%、より好ましくは30~50%である。細骨材率が前記範囲内であれば、水硬性組成物のワーカビリティや成形のし易さが向上する。
【0016】
水としては、特に限定されず、水道水、スラッジ水等を使用することができる。
水と、アウインとセメントの合計との質量比(水/アウインとセメントの合計)は、好ましくは0.10~0.80、より好ましくは0.20~0.70、さらに好ましくは0.25~0.60、特に好ましくは0.30~0.50である。該比が0.10以上であれば、付加製造技術(後述)によって造形物(魚礁または藻礁)を作製するのに必要な流動性を確保することができる。該比が0.80以下であれば、造形物の強度をより向上することができる。
【0017】
水硬性組成物は、必要に応じて他の材料を含んでもよい。必要に応じて含まれる他の材料としては、AE剤、減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、及び高性能AE減水剤等の各種混和剤や、フライアッシュ、シリカフューム、高炉スラグ微粉末等の各種混和材等が挙げられる。
本発明の水硬性組成物の硬化体は、微細な空隙を多量に有しており、水中で、水生生物蝟集栄養成分を、短い時間でより多く溶出させることができる。
【0018】
上述した水硬性組成物を用いた、魚礁または藻礁の製造方法の一例としては、付加製造技術を利用した製造方法が挙げられる。
具体的には、水硬性組成物を調製する調製工程と、水硬性組成物に対して、付加製造技術を適用して、魚礁または藻礁を造形する造形工程、を含む魚礁または藻礁の製造方法が挙げられる。
調製工程において、水硬性組成物を調製する方法としては、該水硬性組成物を構成する各材料を混合する方法が挙げられる。各材料を混合する手段としては、特に限定されるものではなく、モルタルやコンクリートの練り混ぜにおいて一般的に使用されるミキサを使用することができる。具体的には、縦型ミキサ、横型ミキサ、ナウターミキサ、傾胴ミキサ、強制ミキサ、二軸ミキサ等が挙げられる。
造形工程において、付加製造技術を適用して、魚礁または藻礁を造形する方法の例としては、調製後の、水硬性組成物を、ノズル等から押し出して堆積させる方法等が挙げられる。造形物の作製手段としては、市販されている付加製造装置(3Dプリンタ)を用いることができる。
【実施例
【0019】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
表1に示す配合割合の普通ポルトランドセメントとアウインの混合物と、細骨材(石灰石砂)と、表1に示す量のアルギニンと、水を、容量5リットルのミキサ(ホバート社製)を用いて4分間混練してモルタルを作製した。
細骨材の配合量は、普通ポルトランドセメントとアウインの混合物100質量部に対して160質量部に定めた。
また、水の配合量は、水と上記混合物の質量比(水/混合物)が0.37となる量に定めた。
[窒素溶出試験]
上記モルタルを、φ50×100mmの鋼製軽量型枠に打設し、1日経過後に脱型し、次いで、7日間、常温で気中養生した。
その後、2.5リットルの人工海水に、気中養生後のモルタルを浸漬し、1週間経過ごとの人工海水中の窒素量(表1中、「窒素溶出量」と示す。また、ppmは質量基準である。)を測定した。また、人工海水は、測定毎に全て新しいものに交換した。
なお、普通ポルトランドセメント、アウイン及び細骨材には有機質成分が含まれていないことから、人工海水中の窒素の量は、アルギニン由来の窒素であると判断することができる。
【0020】
[圧縮強度試験]
上記モルタルを、φ50×100mmの鋼製軽量型枠に打設し、1日経過後に脱型した。次いで、材齢28日間となるまで水中養生した。その後、モルタルの圧縮強度を、「土木学会基準 JSCE-G 505-1999(円柱供試体を用いたモルタルまたはセメントペーストの圧縮強度試験方法)」に準拠して測定した。
[細孔量及び累積細孔量の測定]
上記モルタルを、φ50×100mmの鋼製軽量型枠に打設し、1日経過後に脱型した。次いで、7日間、常温で気中養生した。その後、モルタルの硬化体から、ダイヤモンドカッターを用いて、一辺が5mm程度の正立方体を切り出して、アセトンに浸漬し、モルタルの水和反応を停止した後、1週間程度、真空乾燥を行った。
真空乾燥後の上記正立方体中に存在する、各細孔の細孔径とその体積を、水銀圧入式ポロシメータ(島津製作所社製)を用いて測定し、細孔径と、細孔量(特定の細孔径を有する細孔の体積の合計量(体積合計量)と供試体(上記正立方体)の体積(供試体体積)の比(体積合計量/供試体体積))との関係を図1に、細孔径と、累積細孔量(各細孔の体積を細孔径の大きい方から累積した数値(累積値)と、供試体(上記正立方体)の体積(供試体体積)の比(累積値/供試体体積))との関係を図2に示す。
【0021】
[実施例2~6、比較例1~4]
普通ポルトランドセメント及びアウインの配合割合、並びに、アルギニンの配合量を表1に示す数値に定めた以外は実施例1と同様にしてモルタルを作製した。なお、実施例6における水の配合量は、水と上記混合物の質量比(水/混合物)が0.50となる量に定めた。
得られたモルタルを用いて、実施例1と同様にして窒素溶出試験及び圧縮強度試験を行った。結果を表1に示す。
また、実施例3、実施例6及び比較例3で得られたモルタルを用いて、実施例1と同様にして細孔径分布および累積細孔量を測定した。結果を図1~2に示す。
【0022】
【表1】
【0023】
表1から、実施例1~6の窒素溶出量(1週目:151~641ppm、2週目:64~190ppm、3週目:12~42ppm、4週目:3~25ppm、合計量:230~898ppm)は、比較例1~4の窒素溶出量(1週目:56~76ppm、2週目:11~21ppm、3週目:1~6ppm、4週目:0ppm、合計量:74~98ppm)よりも大きいことがわかる。
また、実施例1~6の圧縮強度(52.8~64.1MPa)は、比較例3(アウインを用いていないもの)の圧縮強度(45.2MPa)よりも大きく、比較例1~2、4の圧縮強度(54.2~62.1MPa)と同等であることがわかる。
さらに、図1から、実施例1、3及び6の細孔量は、比較例3と比較して、500~900nm付近の細孔径において減少し、約80nm以下の細孔径になると増えていることがわかる。また、図2から、実施例1、3及び6の累積細孔量は、細孔径の大きさが約80nm以下になると、比較例3の累積細孔量よりも大きくなっていることがわかる。これらのことから、実施例1、3及び6のモルタルは、比較例3のモルタルと比較して、小さい細孔径を有する細孔が、より多く存在することがわかる。
図1
図2