(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】可変コンデンサバンク
(51)【国際特許分類】
H01G 5/38 20060101AFI20240702BHJP
H01G 4/40 20060101ALI20240702BHJP
H01G 5/40 20060101ALI20240702BHJP
H05H 1/46 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
H01G5/38
H01G4/40 A
H01G5/40
H05H1/46 M
(21)【出願番号】P 2021512925
(86)(22)【出願日】2019-09-04
(86)【国際出願番号】 US2019049554
(87)【国際公開番号】W WO2020101792
(87)【国際公開日】2020-05-22
【審査請求日】2022-08-15
(32)【優先日】2018-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519027693
【氏名又は名称】エーイーエス グローバル ホールディングス, プライベート リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】クランデル, コートニー エル.
【審査官】鈴木 駿平
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0223040(US,A1)
【文献】特開平09-308618(JP,A)
【文献】特開2002-329639(JP,A)
【文献】実開昭57-138323(JP,U)
【文献】特開2005-050962(JP,A)
【文献】特表2014-505983(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 2/00-17/00
H03H 1/00-21/00
H05H 1/46
H05K 1/18
H05K 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可変コンデンサバンクであって、前記可変コンデンサバンクは、
内容積を画定する導電性ハウジングと、
平面電気バスであって、前記
平面電気バスは、前記導電性ハウジング内に配置されている第1の部分と、前記導電性ハウジングを通って伸びている第2の部分とを備え、それによって、前記バスの前記第2の部分および前記ハウジングがポートを形成している、
平面電気バスと、
コンデンサモジュールに配列されているスイッチトコンデンサであって、前記コンデンサモジュールは、前記導電性ハウジング内に配置され、
前記スイッチトコンデンサは、前記電気バスの前記第1の部分
と前記導電性ハウジングの一部とに電気結合され
、前記導電性ハウジングの前記一部は、前記平面電気バスと並列であり、前記スイッチトコンデンサは、前記電気バスの前記第1の部分と前記導電性ハウジングの前記一部との間に配置され、前記コンデンサモジュールは、前記導電性ハウジング内に配置されかつ前記平面電気バスの前記第1の部分および前記導電性ハウジングに電気結合されている複数のコンデンサモジュールのうちの1つであり、前記コンデンサモジュールは、前記電気バスの前記第1の部分と前記導電性ハウジングの前記一部との間に配置されている、スイッチトコンデンサと
を備えている、可変コンデンサバンク。
【請求項2】
前記導電性ハウジングは、前記導電性ハウジングの前記内容積と前記導電性ハウジングの外部との間の電磁気バリアを提供する、請求項1に記載の可変コンデンサバンク。
【請求項3】
前記スイッチトコンデンサと並列なコンデンサをさらに備えている、請求項1に記載の可変コンデンサバンク。
【請求項4】
コンデンサ入力部をさらに備え、前記スイッチトコンデンサおよび前記スイッチトコンデンサと並列な前記コンデンサの各々は、前記コンデンサ入力部に結合されている、請求項
3に記載の可変コンデンサバンク。
【請求項5】
前記スイッチトコンデンサは、第1のスイッチトコンデンサであり、前記スイッチトコンデンサと並列な前記コンデンサは、第2のスイッチトコンデンサである、請求項
4に記載の可変コンデンサバンク。
【請求項6】
前記スイッチトコンデンサは、ドライバ回路に結合されたスイッチ素子を備え、前記ドライバ回路は、前記スイッチ素子に順バイアスおよび逆バイアスの各々を誘導するように適合されている、請求項1に記載の可変コンデンサバンク。
【請求項7】
前記スイッチ素子は、PINダイオードである、請求項
6に記載の可変コンデンサバンク。
【請求項8】
前記ドライバ回路は、前記導電性ハウジングの外側に配置され、前記導電性ハウジングを通って伸びている導体によって前記スイッチトコンデンサに結合されている、請求項
6に記載の可変コンデンサバンク。
【請求項9】
前記複数のコンデンサモジュールは、長方形アレイで配置されている、請求項
1に記載の可変コンデンサバンク。
【請求項10】
前記複数のコンデンサモジュールの各々は、それぞれの導電路によって前記電気バスに結合され、各導電路は、長さが実質的に等しく、それによって、各導電路は共通した量のインダクタンスを提供する、請求項
1に記載の可変コンデンサバンク。
【請求項11】
前記ポートは、前記バスと前記ハウジングとの共通の軸に沿って配置され、前記複数のコンデンサモジュールは、前記ポートの周りに円形アレイで配置されている、請求項
10に記載の可変コンデンサバンク。
【請求項12】
前記電気バスは、前記導電性ハウジングを通って伸びている第3の部分をさらに備え、それによって、前記バスおよび前記バスの第3の部分が、第2のポートを画定する、請求項1に記載の可変コンデンサバンク。
【請求項13】
可変コンデンサバンクであって、前記可変コンデンサバンクは、
導電性ハウジングと、
前記ハウジングを通って伸びているポート
を備える平面電気バスと、
前記ハウジング内に配置され
ている複数のスイッチトコンデンサであって、前記複数のスイッチトコンデンサは、前記平面電気バスおよび前記導電性ハウジングの一部に電気結合され、前記導電性ハウジングの前記一部は、前記平面電気バスと並列であり、前記複数のスイッチトコンデンサは、前記平面電気バスと前記導電性ハウジング
の一部との間に配置されている、複数のスイッチトコンデンサと
を備え、
各スイッチトコンデンサは、それぞれの導電路によって前記ポートに結合され、各導電路は、長さが実質的に等しく、それによって、各導電路が共通の量のインダクタンスを提供する、可変コンデンサバンク。
【請求項14】
前記複数のスイッチトコンデンサは、前記ポートの周りに円形アレイで配置されている、請求項
13に記載の可変コンデンサバンク。
【請求項15】
インピーダンス整合モジュールであって、前記インピーダンス整合モジュールは、可変コンデンサバンクを備え、
前記可変コンデンサバンクは、
導電性ハウジングと、
平面電気バスであって、前記
平面電気バスは、前記導電性ハウジング内に配置されている第1の部分と、前記導電性ハウジングを通って伸びている第2の部分とを備え、それによって、前記バスの第2の部分および前記ハウジングが、ポートを形成している、
平面電気バスと、
前記ハウジング内に配置され
ている複数のスイッチトコンデンサであって、前記複数のスイッチトコンデンサの各々は、前記
平面電気バスおよび前記導電性ハウジングの
一部に結合され
、前記導電性ハウジングの前記一部は、前記平面電気バスと並列であり、前記複数のスイッチトコンデンサは、前記平面電気バスと前記導電性ハウジングの一部との間に位置している、複数のスイッチトコンデンサと
を備えている、インピーダンス整合モジュール。
【請求項16】
前記スイッチトコンデンサの各々は、それぞれのコンデンサに並列であり、各々のそれぞれのコンデンサは、スイッチトコンデンサまたはアンスイッチトコンデンサのうちの1つである、請求項
15に記載のインピーダンス整合モジュール。
【請求項17】
入力部と出力部とをさらに備え、前記可変コンデンサバンクは、前記入力部と前記出力部との間の分岐器内に配置されている、請求項
15に記載のインピーダンス整合モジュール。
【請求項18】
入力部と出力部とをさらに備え、前記可変コンデンサバンクは、前記入力部および前記出力部と直列に配置されている、請求項
15に記載のインピーダンス整合モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
この特許協力条約(PCT)に基づく特許出願は、2018年9月10日に出願され「Variable Capacitor Bank」と題された米国非仮特許出願第16/126,955号への優先権を主張し、その内容全体が全ての目的のために参照によって本明細書中に援用される。
【0002】
(技術分野)
本開示の側面は、可変コンデンサバンクに関しており、特に、インピーダンス整合システムにおける使用のための可変コンデンサバンクに関している。
【背景技術】
【0003】
(背景)
半導体製造の分野のみならず他の分野においても、プラズマチャンバは種々の可能な用途を有している。例えば、プラズマ促進化学気相蒸着法(CVD)は、プラズマチャンバを用いて基板上に薄膜を蒸着させるために用いられるプロセスである。概して、高周波数(RF)電源が、プラズマチャンバに結合され、電力を供給し、チャンバ内で反応気体からプラズマを点火し、プラズマを維持し、チャンバ内の基板上でプラズマから蒸着が発生する。RF電源とプラズマ負荷との間の効率的かつ正確な電力伝送を実現するために、インピーダンス整合ネットワークが、負荷インピーダンス(プラズマのインピーダンスを含む)を電源のインピーダンスに整合させるためにしばしば用いられる。
【0004】
RF電源の源インピーダンスは、用途によって変化し得る。しかしながら、業界基準は、ほとんどのRF発電機において50オームの源インピーダンスを有することである。一方、負荷インピーダンスは、変数の範囲に基づいて大きく変化し得、変数は、発電機の周波数、電力、チャンバ圧力、気体の組成、プラズマ点火、および処理中のプラズマ負荷における他の変化量を含むが、これらに限定されない。その結果、ほとんどの用途では、整合ネットワークは、負荷インピーダンスが可能な限り源インピーダンスに近い値(例えば、ほとんどの場合(しかし全ての場合ではない)、50オーム)に維持されるように負荷インピーダンスを調節するために用いられる。整合ネットワークは、変化する負荷インピーダンスを発電機の出力インピーダンスに整合させるように電気素子を変化させることによって、負荷インピーダンスにおけるこれらの変化を考慮する。
【0005】
整合ネットワークは、典型的にリアクタンス素子を含み、リアクタンス素子は、電力を放散する抵抗素子と対照的に、電磁界エネルギーを蓄える素子を意味する。最も一般的なリアクタンス素子は、コンデンサ、インダクタおよび結合インダクタであるが、分散回路等の他のものも用いられる。整合ネットワークは、伝送路および変圧器を含む無損失素子も含み得る。理想的でないリアクタンスコンポーネントおよび無損失コンポーネント、またはインピーダンス変換の役割を果たさないコンポーネント(電圧、電流、電力、または温度を感知するためのコンポーネント等)において、整合ネットワーク内のリアクタンス素子のみが、損失に典型的に関連している。
【0006】
整合ネットワークは、数多くの可変リアクタンス素子を含み得る。例えば、真空可変コンデンサが用いられ得る。しかしながら、これらは、嵩張り、かつ高価である。あるいは、異なる静電容量を有し、電気スイッチを介して並列回路に追加され、または並列回路から取り除かれる並列コンデンサのバンクも典型的である。しばしば、そのようなコンデンサバンクは、(トランジスタによって制御される)高電力PINダイオードを用いてコンデンサを並列系内および並列系外に切り替える。
【0007】
整合ネットワークを用いた正確なインピーダンス整合は、一般的に、整合ネットワーク内のリアクタンス素子の特性の徹底的な理解を必要とする。例えば、そのような特性は、異なるスイッチ状態のときの可変コンデンサのリアクタンスの変化を含み得る。しかしながら、動作中、所与の整合ネットワーク内の種々のリアクタンス素子の電磁界間の相互作用が、リアクタンス素子の特性の予測不能な大きく変動する変化につながり得る。
【0008】
とりわけ、これらの観測を念頭に置いて、本開示の側面が着想された。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
(概要)
本開示の一側面において、可変コンデンサバンクが提供される。可変コンデンサバンクは、導電性ハウジングと、ハウジングを通って伸びているポートとを含む。電気バスが、導電性ハウジング内に配置され、ポートに結合されている。可変コンデンサバンクは、導電性ハウジング内に配置されているコンデンサモジュールをさらに含む。各コンデンサモジュールは、電気バスに電気結合されているモジュール入力部と、モジュール入力部に電気結合されているスイッチトコンデンサ分岐部とを含み、スイッチトコンデンサ分岐部は、コンデンサと、コンデンサ直列なスイッチ素子とを含む。特定の実装では、コンデンサモジュールの1つ以上が、少なくとも1つの第2のスイッチトコンデンサ分岐部を含み得る。コンデンサモジュールは、アンスイッチトコンデンサまたは「フロア」コンデンサをさらに含み得、これは、コンデンサモジュールの最小静電容量、さもなければ既知の静電容量を提供する。各コンデンサモジュールは、導電性ハウジングに電気結合されることによってさらに接地され得る。
【0010】
そのような実装では、可変コンデンサバンクは、単一のポートを有し得、それによって、モジュール内の制御可能なリアクタンス素子が、整合ネットワークの回路素子等の外部の回路素子に結合されている。導電性ハウジングによって提供される遮蔽に加え、そのような単一ポート配列は、可変コンデンサバンクが配置されている回路の他の素子との相互作用から本発明の可変コンデンサバンクをさらに分離し、それによって、可変コンデンサバンクが特徴付けられ得る正確性を向上させる。それにもかかわらず、代替の実装では、可変コンデンサバンクは、導電性ハウジングから向上した特徴付けが生じる2ポート配列で構成され得る。
【0011】
本開示の別の側面では、可変コンデンサバンクが提供され、可変コンデンサバンクは、導電性ハウジングと、ハウジングを通って伸びているポートと、導電性ハウジング内に配置されポートに結合されている電気バスとを含む。可変コンデンサバンクは、複数のコンデンサモジュールをさらに含み、複数のコンデンサモジュールは、ハウジング内に配置され、電気バスおよび導電性ハウジングの各々に結合され、コンデンサモジュールの各々は、スイッチトコンデンサ分岐部を含む。それぞれの導電路は、ポートと、各コンデンサの各々を通る導電性ハウジングとの間に画定され、それによって、それぞれの導電路の各々は、実質的に同等の長さを有する。
【0012】
本開示のさらに別の側面において、可変コンデンサバンクを含むインピーダンス整合モジュールが提供される。可変コンデンサバンクは、導電性ハウジングと、ハウジングを通って伸びているポートと、導電性ハウジング内に配置されポートに結合されている電気バスとをさらに含む。コンデンサモジュールは、ハウジング内に配置され、電気バスおよび導電性ハウジングの各々に結合されている。各コンデンサモジュールは、モジュール入力部と、モジュール入力部および導電性ハウジングに結合されているスイッチトコンデンサ分岐部とを含み、スイッチトコンデンサ分岐部は、コンデンサと、コンデンサ直列なスイッチ素子とを含む。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
可変コンデンサバンクであって、前記可変コンデンサバンクは、
内容積を画定する導電性ハウジングと、
電気バスであって、前記電気バスは、前記導電性ハウジング内に配置されている第1の部分と、前記導電性ハウジングを通って伸びている第2の部分とを備え、それによって、前記バスの前記第2の部分および前記ハウジングがポートを形成している、電気バスと、
前記導電性ハウジング内に配置され、前記電気バスの前記第1の部分に電気結合されているスイッチトコンデンサと
を備えている、可変コンデンサバンク。
(項目2)
前記導電性ハウジングは、前記導電性ハウジングの前記内容積と前記導電性ハウジングの外部との間の電磁気バリアを提供する、項目1に記載の可変コンデンサバンク。
(項目3)
前記スイッチトコンデンサは、前記導電性ハウジングにさらに電気結合されている、項目1に記載の可変コンデンサバンク。
(項目4)
前記スイッチ素子は、PINダイオードである、項目1に記載の可変コンデンサバンク。
(項目5)
前記スイッチトコンデンサと並列なコンデンサをさらに備えている、項目1に記載の可変コンデンサバンク。
(項目6)
コンデンサ入力部をさらに備え、前記スイッチトコンデンサおよび前記スイッチトコンデンサと並列な前記コンデンサの各々は、前記コンデンサ入力部に結合されている、項目5に記載の可変コンデンサバンク。
(項目7)
前記スイッチトコンデンサは、第1のスイッチトコンデンサであり、前記スイッチトコンデンサと並列な前記コンデンサは、第2のスイッチトコンデンサである、項目6に記載の可変コンデンサバンク。
(項目8)
前記スイッチトコンデンサは、ドライバ回路に結合されたスイッチ素子を備え、前記ドライバ回路は、前記スイッチ素子に順バイアスおよび逆バイアスの各々を誘導するように適合されている、項目1に記載の可変コンデンサバンク。
(項目9)
前記ドライバ回路は、前記導電性ハウジングの外側に配置され、前記導電性ハウジングを通って伸びている導体によって前記スイッチトコンデンサに結合されている、項目8に記載の可変コンデンサバンク。
(項目10)
前記スイッチトコンデンサは、基板に結合されてコンデンサモジュールを形成し、前記コンデンサモジュールは、前記導電性ハウジング内に配置されている複数のコンデンサモジュールのうちの1つである、項目1に記載の可変コンデンサバンク。
(項目11)
前記複数のコンデンサモジュールは、長方形アレイで配置されている、項目10に記載の可変コンデンサバンク。
(項目12)
前記複数のコンデンサモジュールの各々は、それぞれの導電路によって前記電気バスに結合され、各導電路は、長さが実質的に等しく、それによって、各導電路は共通した量のインダクタンスを提供する、項目10に記載の可変コンデンサバンク。
(項目13)
前記ポートは、前記バスと前記ハウジングとの共通の軸に沿って配置され、前記複数のコンデンサモジュールは、前記ポートの周りに円形アレイで配置されている、項目12に記載の可変コンデンサバンク。
(項目14)
前記電気バスは、前記導電性ハウジングを通って伸びている第3の部分をさらに備え、それによって、前記バスおよび前記バスの第3の部分が、第2のポートを画定する、項目1に記載の可変コンデンサバンク。
(項目15)
可変コンデンサバンクであって、前記可変コンデンサバンクは、
導電性ハウジングと、
前記ハウジングを通って伸びているポートと、
前記ハウジング内に配置され、前記導電性ハウジングおよび前記ポートに電気結合されている複数のスイッチトコンデンサと
を備え、
各スイッチトコンデンサは、それぞれの導電路によって前記ポートに結合され、各導電路は、長さが実質的に等しく、それによって、各導電路が共通の量のインダクタンスを提供する、可変コンデンサバンク。
(項目16)
前記複数のスイッチトコンデンサは、前記ポートの周りに円形アレイで配置されている、項目12に記載の可変コンデンサバンク。
(項目17)
インピーダンス整合モジュールであって、前記インピーダンス整合モジュールは、可変コンデンサバンクを備え、
前記可変コンデンサバンクは、
導電性ハウジングと、
電気バスであって、前記電気バスは、前記導電性ハウジング内に配置されている第1の部分と、前記導電性ハウジングを通って伸びている第2の部分とを備え、それによって、前記バスの第2の部分および前記ハウジングが、ポートを形成している、電気バスと、
前記ハウジング内に配置され、前記電気バスおよび前記導電性ハウジングの各々に結合されている複数のスイッチトコンデンサと
を備えている、インピーダンス整合モジュール。
(項目18)
前記スイッチトコンデンサの各々は、それぞれのコンデンサに並列であり、各々のそれぞれのコンデンサは、スイッチトコンデンサまたはアンスイッチトコンデンサのうちの1つである、項目17に記載のインピーダンス整合モジュール。
(項目19)
入力部と出力部とをさらに備え、前記可変コンデンサバンクは、前記入力部と前記出力部との間の分岐器内に配置されている、項目17に記載のインピーダンス整合モジュール。
(項目20)
入力部と出力部とをさらに備え、前記可変コンデンサバンクは、前記入力部および前記出力部と直列に配置されている、項目17に記載のインピーダンス整合モジュール。
【図面の簡単な説明】
【0013】
(図面の簡単な説明)
本開示のテクノロジの種々の特徴および利点が、以下のそれらのテクノロジの特定の実施形態の説明から明らかとなり、特定の実施形態が添付の図面に例証されている。図面は、必ずしも縮尺通りではないが、しかしながら、代わりに技術的概念の原理を例証することに重点が置かれていることが留意されるべきである。また、図面において、同様の参照番号は、異なる図にわたって同一のコンポーネントを指し得る。図面は、本開示の典型的な実施形態のみを描写しており、したがって、範囲を限定ものと解釈されるべきではない。
【0014】
【
図1】
図1は、整合ネットワークを含むプラズマ処理システムのブロック図である。
【0015】
【0016】
【
図3】
図3は、
図2の整合ネットワークの可変コンデンサバンクの概略的例証であり、可変コンデンサバンクは、複数のコンデンサモジュールと、それぞれのドライバ回路とを含む。
【0017】
【
図4】
図4は、
図3の可変コンデンサバンクのコンデンサモジュールおよびドライバ回路の回路図である。
【0018】
【
図5】
図5は、複数のスイッチトコンデンサ分岐部とアンスイッチトコンデンサ分岐部とを含む代替のコンデンサモジュールの回路図である。
【0019】
【
図6】
図6は、
図4のコンデンサモジュールの概略的例証である。
【0020】
【
図7】
図7は、
図5のコンデンサモジュールの概略的例証である。
【0021】
【
図8A】
図8Aおよび
図8Bは、実質的に長方形のコンデンサモジュール配列を有する本開示による可変コンデンサバンクの断面図である。
【
図8B】
図8Aおよび
図8Bは、実質的に長方形のコンデンサモジュール配列を有する本開示による可変コンデンサバンクの断面図である。
【0022】
【0023】
【
図9】
図9は、コンデンサモジュールの1つの可能な取り付け構成を例証する
図8Aおよび
図8Bの可変コンデンサバンクのコンデンサモジュールの側方断面図である。
【0024】
【
図10】
図10は、非対称なコンデンサモジュール配列を有する本開示による代替の可変コンデンサバンクの断面図である。
【0025】
【
図11】
図11は、円形コンデンサモジュール配列を有する本開示による代替の可変コンデンサバンクの断面図である。
【0026】
【
図12】
図12は、本開示による2ポート可変コンデンサバンクの概略的例証である。
【0027】
【
図13】
図13は、とりわけ本開示の可変コンデンサバンクを選択的に制御するために用いられ得るコンピュータシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(詳細な説明)
本開示の実施形態は、例えばプラズマチャンバのためのインピーダンス整合システム内で用いられ得る可変コンデンサバンクを提供する。可変コンデンサバンクは、接地されたハウジングを含み、ハウジングの中に複数のコンデンサモジュールが配置されている。コンデンサモジュールは、バスを共有しており、各コンデンサモジュールは、1つ以上のスイッチトコンデンサを含み、それによって、コンデンサを選択的に切り替えることによって、可変コンデンサモジュールは様々な静電容量を提供し得る。可変コンデンサバンクのハウジングは、導電性材料で形成され、それによって、その中に含まれている種々のコンポーネントは、インダクタまたは他のコンデンサ等の隣接するリアクタンス素子によって引き起こされる潜在的相互作用から遮蔽される。特定の実装では、コンデンサモジュールの各々が、ハウジングに電気結合され、それによって、ハウジングは、コンデンサモジュールのための接地を提供する。
【0029】
種々の実装では、可変コンデンサバンクは、単一ポート構成を有し得、単一ポート構成は、ハウジングの遮蔽効果と共に可変コンデンサバンクを正確かつ確実に特徴付ける能力を有意に向上させる。つまり、可変コンデンサ素子は、共通のハウジング内に収容され得、それらの可変コンデンサ素子への接続部は、ハウジング内の単一のポートによって提供され得る。単一のポートは、単一の導電性素子または導電性特徴への接続部を少なくとも部分的に含み得、導電性素子または導電性特徴は、バスと称され得、可変コンデンサ素子は、各々、導電性特徴に結合され、ポートによって外部回路素子に動作可能に結合されている。概して、可変コンデンサバンクが含まれ得る回路内に含まれている他の素子からの向上した分離によって、本明細書中で開示される可変コンデンサバンクの特徴付けが高められている。例えば、導電性ハウジングは、そうでなければ隣接するリアクタンスコンポーネントによって生み出される電磁界によって誘導され得る寄生効果、およびそうでなければコンデンサバンクの性能に有意な変動性を誘導し得る寄生効果から、可変コンデンサバンクのコンデンサを遮蔽する。
【0030】
高周波数(RF)用途において用いられる整合回路は、整合回路によって提供されるインピーダンスを動的に調節するために、少なくとも1つの可変コンデンサ素子を含み得る。しばしば、そのような素子は、他のリアクタンス素子と共に、モジュールまたは同様のハウジング内に配置され、その結果、動作中、整合回路の他のリアクタンス素子によって生み出される種々の電磁界によってしばしば影響を受ける。そのような相互作用は、複雑であり、大いに変動し、しばしば、整合回路、および整合回路内に含まれ得る任意の可変コンデンサ素子を含むそのコンポーネントの正確な特徴付けを妨げ、またはそれを大いに困難にする。そのうえ、従来の可変コンデンサの特徴付けが可能な程度まで、それは、典型的にそのような可変コンデンサが必要な分析を実施するために複数のポートを含むことを必要とされ、それは、非現実的である。
【0031】
整合ネットワーク全体が、2ポート構成を用いて測定され得るが、所望される範囲および効率性を有するように各素子を変更してチューニングを調節する効果を分離することは、典型的に、各コンポーネントが他から十分独立して反応することを必要とする。従来の整合ネットワーク設計は、一般的に、他の素子から可変コンデンサ等の個々のコンポーネントを分離することが不十分であり、その結果、整合ネットワーク内の特定のコンポーネントの独立した測定および特徴付けを可能にする明白な「ポート」は存在していない。例えば、周囲のリアクタンス素子に開かれた、または周囲のリアクタンス素子から遮蔽されていない従来の整合ネットワークの可変コンデンサの性能および特性は、整合ネットワークの異なるコンデンサが整合回路の内外に切り替えられる度に影響を受ける。よって、可変コンデンサの全体のインピーダンス等の特性は、他のコンデンサの状態に依存して有意な影響を受け得る。そのうえ、従来の整合ネットワークの可変コンデンサ内の各スイッチトコンデンサのための物理的ポートが画定され得る場合であっても、測定条件の数は、完全かつ正確に可変コンデンサを特徴づけるために2n(「n」は、切り替え可能なコンデンサの数である)に近づき得る。実用的な解決を実現するために、しばしば30より多くのスイッチトコンデンサが必要とされ、その結果、そのような特徴付け方法は、不可能なほどに複雑であり、費用が掛かる。究極的に、可変コンデンサの有効な特徴付けは、実現困難であり、整合回路の技術者および設計者は、しばしば、彼らの経験に頼らされ、特定の用途のために実効可能であるが、たいてい最適ではない解決策を識別する。
【0032】
前述の問題に対処するために、本開示による可変コンデンサバンクは、接地された筐体内に封入されたスイッチトコンデンサのアレイを含む。特定の実装では、可変コンデンサバンクは、可変コンデンサバンクを整合回路または他の回路の他の素子に結合するために筐体の外側に伸びている単一のポートを含むようにも構成されている。組み合わせにおいて、これらの特徴は、整合回路の他の素子が可変コンデンサに及ぼす影響を一緒になって有意に低減させ、その状態の各々における可変コンデンサの正確な特徴付けを可能にする。
【0033】
特定の実装では、可変コンデンサのスイッチトコンデンサは、共有電気バスおよび筐体の各々に結合されたコンデンサモジュールのアレイに配列され得る。各コンデンサモジュールは、並列における1つ以上のスイッチトコンデンサを含み得、スイッチトコンデンサは、他のスイッチトコンデンサとの並列接続の中または外に選択的に切り替えられ/提供され、コンデンサモジュールの静電容量、およびその結果、可変コンデンサの合計静電容量を変化させ得る。特定の実装では、各コンデンサモジュールは、コンデンサモジュールの最小静電容量または「フロア」静電容量を提供する1つ以上のアンスイッチトコンデンサ分岐部も含み得る。
【0034】
比較的低い周波数動作では、寄生損失が比較的低いので、筐体内のコンデンサモジュールの分散は、比較的重要ではない。よって、コンデンサモジュールは、ポートから異なる距離でハウジング内に分散され得る。しかしながら、周波数が増加すると、ポートとコンデンサモジュールとの間の距離の差は、遥かに大きいインピーダンスの変化をもたらす。そのような変化を低減させるために、本開示の特定の実装は、各コンデンサモジュールが可変コンデンサのポートから実質的に等距離にある円形またはそれに類似した配置を含む。等距離配置が実装されているか否かに関わらず、接地へのインダクタンスを制限するために、各コンデンサモジュールを通して接地するための距離も最小化させられ得る。
【0035】
本開示は、主に、プラズマシステム、特にプラズマシステムにおける使用のための整合ネットワークに焦点を当てるが、本開示の可変コンデンサバンクは、そのような用途に限定されない。例えば、限定することなく、本開示による可変コンデンサバンクは、インピーダンス整合用途に加えて調整回路またはそれに類似した回路でも実装され得る。
【0036】
図1は、本発明の一実施形態によるプラズマ処理システムのブロック
図100である。発電機102は、送信路108(例えば同軸ケーブル)を介してRF電力を整合ネットワーク104に送信し、そして、電気接続110を介してプラズマ負荷106に送信する。整合ネットワーク104は、入力インピーダンスをプラズマ負荷に整合させ、とりわけ負荷からの変化によってもたらされるその入力インピーダンスへの変化を考慮するために、その内部の電気素子を変化させる。概して、負荷は、そのような変化を識別するために監視され、整合ネットワークへの制御信号によって、素子(例えば、スイッチトコンデンサ)への変化が整合ネットワークからのインピーダンスを変更する。
【0037】
図2は、整合ネットワーク104のコンポーネントの1つの可能な代表的配列を例証する回路
図200である。整合ネットワーク104の他の構成が可能であるが、
図2の整合ネットワーク104は、並列に結合された2つの可変容量素子112、114と、固定容量素子116と、インダクタ118とを含む。整合ネットワーク104は、複数の直列インダクタ120-124と、直列コンデンサ126とをさらに含む。整合ネットワークのインピーダンスは、可変容量素子の静電容量の一方または両方を変更することによって制御される。
【0038】
図2の整合ネットワーク104は、本開示による整合ネットワークの一例を例証することを意図されている。概して、本開示による整合ネットワークは、少なくとも1つの可変容量素子を含む。概して、可変コンデンサは、電気的または機械的に可変であり得る。可変容量素子は、以下でより詳細に説明されるように、並列または直列に接続され得る。整合ネットワークの残りのコンポーネントのタイプおよび量は、特定の適用要件によって変化させられ得る。例えば、他のインダクタおよびコンデンサの量および値は、特定の用途によって異なり得る。整合ネットワークの他のインダクタおよびコンデンサの各々も、可変であるかまたは固定であり得る。
【0039】
既に留意されたように、整合ネットワーク104は、可変容量素子112、114等、1つ以上の可変容量素子を含み得る。以下の議論は可変容量素子112を詳細に説明しているが、しかしながら、可変容量素子112の種々の特徴が可変容量素子114または整合ネットワーク104内の任意の他の可変容量素子にも含まれ得ることが理解されるべきである。
【0040】
図3は、可変容量素子112の概略
図300であり、可変容量素子112は、可変コンデンサバンクの形態である。可変コンデンサバンク112は、複数のコンデンサモジュール302A-302Nを含み、複数のコンデンサモジュール302A-302Nは、並列に配置され、バス303を共有している。コンデンサモジュール302A-302Nの各々は、接地されたハウジング306内に配置されており、それによって、コンデンサモジュール302A-302Nの各々は、外部電磁放射から遮蔽されている。各コンデンサモジュール302A-302Nは、対応するドライバ回路304A-304Nに電気結合されている。
【0041】
図4は、コンデンサモジュール302Aおよび対応するドライバ回路304Aの回路図であり、
図3の他のコンデンサモジュールおよびそれぞれのドライバ回路を代表している。
図4に例証されるように、コンデンサモジュール302Aは、少なくとも1つのスイッチトコンデンサ分岐部307を含み、スイッチトコンデンサ分岐部307は、固体コンデンサであり得るコンデンサ308と、スイッチ素子310とを含む。例証される実装では、スイッチ素子310は、ドライバ回路304Aによって制御されるPINダイオード312を含む。他の実装では、PINダイオード312の代わりに代替のタイプのスイッチが用いられ得る。例えば、限定することなく、PINダイオードの代わりに電界効果トランジスタ(FET)および電気機械的スイッチが用いられ得る。ドライバ回路304Aは、概して、対のトランジスタ314、316を含み、トランジスタ314、316は、それぞれ、順バイアスおよび逆バイアスをPINダイオード312に印加するように選択的に作動させられ得る。1つの実装では、トランジスタ314は、PINダイオード312に順バイアスをかけるように電流源に電気結合され得、トランジスタ316は、PINダイオード312に逆バイアスをかけるように電圧源に電気結合され得る。PINダイオード312が順バイアスであるとき、電流は、分岐部307を通って流れることを可能にされ、それによって、コンデンサ308の静電容量が、可変コンデンサバンク112の全体の静電容量に追加される。つまり、PINダイオードがオンであるとき、コンデンサ308は、バンク内に切り替えられ、それによって、同様にバンク内に切り替えられているバンクの他のコンデンサのどれにでも並列に接続されることによって、全体の静電容量をもたらす。逆に、PINダイオード312が逆バイアスであるとき、スイッチ素子310の「オフ状態」によって提供される高いインピーダンスに起因して電流が十分に制限され、それによって、コンデンサ308の静電容量は、可変コンデンサバンク112の全体の静電容量から効果的に/十分に除外される。PINダイオード312に順バイアスおよび逆バイアスを与えるために他の源が用いられ得るが、1つの特定の実装では、トランジスタ314が電流源に電気結合され得、トランジスタ316が十分に負の電圧源に電気結合され得る。別の実装では、PINダイオード312に順バイアスを設定して、回路のDC抵抗が首尾一貫した動作を確実にするために十分な電流を提供することを確実にするために、電圧源が用いられ得る。特に、PINダイオード312の機能は、しばしば特定の電流レベルを超えると漸近的になり、その結果、エラー許容性の尺度を提供する。
【0042】
図3に例証されるように、ドライバ回路304A-304Nの各々は、ハウジング306の外側に配置され得、ハウジング306を通って伸びているワイヤまたはケーブルによってコンデンサモジュール302A-302Nのうちの1つに電気結合され得る。例えば、1つの実装では、ハウジング206は、小さい開口部を含み得、ドライバ回路304A-304Nとそれらそれぞれのスイッチとの間の接続を可能にするように、開口部を通って駆動回路304A-304Nの端子が送り込まれ得る。そのような開口部は、好ましくは、ドライバ回路304A-304Nのうちの1つ以上を含むコンパートメント内へのRF信号の放射(それによって、放射は、駆動信号を劣化させ、さもなければ駆動信号に干渉し得る)を低減させるように最小化される。例えば、特定の実装では、ドライバ回路304A-304Nは、DC回路であり得、その結果、それぞれのコンデンサモジュール302A-302Nを通過したRF電流からもたらされるノイズの影響を受け得る。そのようなノイズは、ハウジング306の外側に(および可能ならば、別個の電気的に接地されたハウジング内に)ドライバ回路304A-304Nを配置することと、RF電流がドライバ回路304A-304NのDC素子に移動することを効果的に防ぎ、さもなければこれを有意に低減させるためのフィルタ回路を含むこととを含む種々の方法で弱められ得る。例えば、
図4に例証されるように、ドライバ回路302Aは、インダクタ326と大容量分岐コンデンサ328とを含み、それらは一緒に、RF電流がトランジスタ314、316に到達することを実質的に防ぐ。
【0043】
図3の可変コンデンサバンク112に戻って参照すると、コンデンサモジュール302A-302Nの各々の中のコンデンサは、それぞれのドライバ回路304A-304Nによって選択的に切り替えられ、可変コンデンサバンク112の合計静電容量を変化させ得る。例えば、ドライバ回路304A-304Nの各々は、制御モジュール350または類似の演算デバイスに通信可能に結合され得、制御モジュール350または類似の演算デバイスは、ドライバ回路304A-304Nを選択的に作動させおよび停止させて、可変コンデンサバンク112の合計容量を変化させる。1つの実装では、制御モジュール350は、1つ以上のセンサまたは演算デバイスに通信可能に結合され得、センサまたは演算デバイスは、反射電力を測定し、それによって、制御モジュール350は、応答としてドライバ回路304A-304Nを選択的に制御し得る。他の実装では、入力インピーダンスの大きさ、入力インピーダンスの位相のずれ、および放射電力のうちの1つ以上を含む(しかしこれらに限定されない)他の動作パラメータが、ドライバ回路304A-304Nを選択的に制御するために用いられ得る。他の実装では、制御モジュール350は、より大きいシステムの動作のモードにおける変化に応答して、ドライバ回路304A-304Nの状態を変更するように構成され得る。例えば、制御モジュール350は、2つ以上のプロセス(各々が異なる負荷インピーダンスをもたらす)間のオペレータ変更に応答して、ドライバ回路304A-304Nのうちの1つ以上の状態を変更し得る。
【0044】
以前に留意されたように、コンデンサモジュール302A-302Nの各々が、ハウジング306内に配置されている。ハウジング306は、コンデンサモジュール302A-302Nを実質的に包み込んでおり、コンデンサモジュール302A-302Nの電磁的遮蔽を提供する。そのような遮蔽の結果、コンデンサモジュール302A-302Nと整合ネットワーク104の他のコンポーネントとの間の潜在的な電磁的相互作用が最小化される。
【0045】
特定の実装では、ハウジング306は、アルミニウムまたは銅等(しかしこれらに限定されない)の導電材料から形成されている。ハウジング306は、例えばシャーシ接地318に結合されることによって接地されている。
図3に例証される実装では、ハウジング306は、可変コンデンサバンク112をより大きい整合ネットワーク回路に電気結合するように適合された単一のポート320を画定する。単一ポート構成では、コンデンサモジュール302A-302Nの各々は、ハウジング306に電気結合され、それによって、コンデンサモジュール302A-302Nの各々は、ハウジング306を通じて接地されている。
【0046】
本開示の可変コンデンサのコンデンサモジュール内で用いられるコンデンサの比容量は、変化し得る。例えば、
図3に例証される実装では、コンデンサモジュール302A-302Nのいくつかまたは全てが、異なる値のコンデンサを含み得る。同様に、コンデンサモジュールが複数のコンデンサ(以下で議論される
図5のコンデンサモジュール500等)を含む実装では、所与のコンデンサモジュール内の各コンデンサは、同一または異なる値を有し得る。そのうえ、各コンデンサモジュールは、全体として、所与の可変コンデンサバンク内の他のコンデンサモジュールと同一または異なる静電容量を有し得る。つまり、本開示の実装は、所与のコンデンサモジュール内で用いられる個々のコンデンサのいずれかについての任意の特定の静電容量値、可変コンデンサバンクの任意のコンデンサモジュールによって提供される総静電容量、または可変コンデンサバンクによって提供され得る総静電容量に限定されない。
【0047】
特定の実装では、可変コンデンサバンクによって提供される静電容量の増加した分解能または制御を提供するために、変化する静電容量のレベルを提供する複数のコンデンサまたはコンデンサモジュールが、可変コンデンサバンク内に含まれ得る。例えば、可変コンデンサバンクは、比較的高い静電容量を有するコンデンサを含み、可変コンデンサバンクによって提供される静電容量の大きな段階的増加を促進し得るが、内部または外部に切り替えられ得るより低い静電容量を有するコンデンサも含み、可変コンデンサバンクの全体の静電容量のより小さい増加的変更も提供し得る。その結果、大容量素子および小容量素子は、連続する静電容量値の間の比較的小さい段階を依然として可能にしながら広範囲の静電容量値を提供するように選択的に切り替えられ得る。
【0048】
可変コンデンサバンクによって提供される静電容量におけるより良い制御を提供することに加え、可変コンデンサモジュールのハウジング内に非対称に分配されているコンデンサおよび/またはコンデンサモジュールを考慮するために、個々のコンデンサまたはコンデンサモジュールの値を変化させることが用いられ得る。例えば、特に、高周波数用途では、他の点では同一のスイッチトコンデンサの対によって提供されるインピーダンスは、各スイッチトコンデンサを通る導電路の長さの差に起因して変化し得る。そのような変化は、スイッチトコンデンサの静電容量を変化させることによって適応させられ得る。同様に、各スイッチトコンデンサは、変化する浮遊インダクタンスのレベルの影響を受け得、変化する浮遊インダクタンスのレベルも、各コンデンサの静電容量を調整することによって適応させられ得る。
【0049】
図6は、
図4の回路図に表されているコンデンサモジュール302Aの例示的実装の例証である。コンデンサモジュール302Aは、例証されるように、プリント回路基板(PCB)上で実装され得る。他の実装では、各コンデンサモジュール302Aは、代わりに代替の基板に結合され得る。コンデンサモジュール302Aは、可変コンデンサバンク112のバス303に結合されるように適合された入力部322を含む。コンデンサモジュール302Aは、コンデンサ308が結合されているパッド324(または同様の接触体)をさらに含む。さらに、コンデンサ308は、PINダイオード312に結合されている。
図8A、
図8Bおよび
図9の文脈においてさらに例証され、議論されるように、コンデンサモジュール302Aは、導電性ブラケットまたは同様の支持体を用いて可変コンデンサバンクのハウジング306にコンデンサモジュール302Aを結合することによって接地されている。
【0050】
図4に例証されるコンデンサモジュール302Aは、一つのスイッチトコンデンサ分岐部307を含んでいたが、しかしながら、本開示によるコンデンサモジュールは、複数のコンデンサ分岐部を含み得、それらの各々が切り替えられることも、切り替えられないこともある。例えば、
図5は、複数のコンデンサ分岐部を含む代替のコンデンサモジュール500の概略的例証である。特に、コンデンサモジュール500は、第1のスイッチトコンデンサ分岐部502と、第1のスイッチトコンデンサ分岐部502に並列に接続されている第2のスイッチトコンデンサ分岐部552とを含む。図示されるように、第1のスイッチトコンデンサ分岐部502は、第1のPINダイオード506(または同様のスイッチ素子)に直列な第1のコンデンサ504を含む。同様に、第2のスイッチトコンデンサ分岐部552は、第2のPINダイオード556に直列な第2のコンデンサ554を含む。PINダイオード506、556のバイアス、およびその結果、コンデンサモジュール500を通る電流の流れを選択的に制御するために、第1のスイッチトコンデンサ分岐部502および第2のスイッチトコンデンサ分岐部552の各々は、
図4に例証されるドライバ回路304A等のそれぞれのドライバ回路にも電気結合され得る。
【0051】
コンデンサモジュール500は、第3のコンデンサ522を含む第3のコンデンサ分岐部520も含む。特に、第3のコンデンサ分岐部520は、非切り替え型であり、その結果、コンデンサモジュール500に電流が供給されているとき、電流は、常に第3のコンデンサ分岐部520を通って流れている。その結果、第3のコンデンサ522は、コンデンサモジュール500の「ベース」または「フロア」コンデンサとして機能し、PINダイオードの「オフ状態」の静電容量と任意の他の「浮遊」静電容量とを組み合わせたコンデンサモジュール500の最小静電容量と、回路内の意図されたインダクタンスまたは意図されていないインダクタンスとを提供する。
【0052】
コンデンサモジュール500は、複数のコンデンサ分岐部を含む本開示によるコンデンサモジュールの別の例を例証することを意図されている。本開示による他のコンデンサモジュールは、1つ以上のスイッチトコンデンサ分岐部と任意の適切な数のアンスイッチトコンデンサ分岐部(アンスイッチトコンデンサ分岐部がない場合を含む)とを含み得る。
【0053】
図7は、
図5の回路図に表されたコンデンサモジュール500の例示的実装の例証である。コンデンサモジュール500は、例証されるように、PCB上で実装され得る。コンデンサモジュール500は、可変コンデンサバンク112のバス303等の可変コンデンサバンクのバスに結合されるように適合された入力部580を含む。コンデンサモジュール500は、コンデンサ504、522および554が電気結合されている複数のパッド582-588(または同様の接触体)をさらに含む。例証されるように、パッド584は、PINダイオード506にさらに結合し、それによって、第1のスイッチトコンデンサ分岐部502を形成しており、パッド586は、PINダイオード526にさらに結合し、それによって、第2のスイッチトコンデンサ分岐部552を形成している。同様に、第3のコンデンサ522は、パッド582とパッド588との間に伸びており、それによって、第3のアンスイッチトコンデンサ分岐部520を形成している。
【0054】
図8Aおよび
図8Bは、本開示による可変コンデンサバンク112の1つの実装を描写している。特に、
図8Aおよび
図8Bの各々は、コンデンサバンク800の断面図であり、可変コンデンサバンク800の内部コンポーネントの配列を図示している。示されるように、可変コンデンサバンク800は、ハウジング802を含み、複数のコンデンサモジュール804A-804Fがその中に配置されている。ハウジング802は、バス806をさらに含む。
図8Aに例証されるように、バス806は、ハウジング802全体にわたって伸びているプレートの形態であり得る。例えば、バス806は、バス806がコンデンサモジュール804A-804Fの各々の上に広がるようにハウジング802内で伸び得る。バス806は、実質的に長方形の平面導電構造体として例証されているが、コンデンサモジュール804A-804Fの代替的配列に適応するような他の形状をとり得る。
図8Bは、下にあるコンデンサモジュール804A-804Fのさらなる詳細を提供するためにバス806を破線で例証している。
【0055】
まず
図8Aを参照すると、バス806は、ハウジング802の内部全体にわたって伸びているプレート806として例証されている。示されるように、バス806は、少なくとも部分的にハウジング802にまたはその外側に伸び得る。よって、ハウジング802から伸びているバス806の部分およびハウジング802自体が、一緒になって、
図1および
図2の整合回路104等の整合回路の他の素子とのバス806の電気結合を促進するための単一のポート850を画定し得る。例えば、
図8Cは、ポート850を例証している可変コンデンサバンク800の側面図である。示されるように、ポート850は、バス806によって形成され、バス806は、ハウジング802を通って伸び、コネクタ、ケーブルまたは他の電気結合が取り付けられ得る導電性インタフェースを画定する。そのような実装では、電気結合は、RF信号を運ぶ第1の導体をバス806に接続するための第1の接触部と、第2の導体をハウジング802(接地)に接続するための第2の接触部とを含み得る。
【0056】
ここで
図8Bを参照すると、コンデンサモジュール804A-804Fの各々が、
図5のコンデンサモジュール500と実質的に同様であり、対のスイッチトコンデンサ分岐部と、アンスイッチト「フロア」コンデンサ分岐部とを並列に含むように例証されている。コンデンサモジュール804A-804Fの各々は、バス806およびハウジング802の各々に電気結合され、それによって、電流は、バス806からハウジング802を介して接地に流れる。
【0057】
コンデンサモジュールをバス806およびハウジング802に結合する1つの方法が、
図9に例証されており、
図9は、可変コンデンサバンク800の断面図、特に、コンデンサモジュール804Aの結合を例証する断面図である。示されるように、コンデンサモジュール804Aは、種々の導電構造要素によってバス806とハウジング802との間に吊るされている。特に、導電性ポスト808または固定具が、バス806からコンデンサモジュール804Aの入力部810に伸びており、それによって、コンデンサモジュール804Aをバス806に物理的および電気的に結合し得る。
【0058】
コンデンサモジュール804Aを接地するために、1つ以上の導電性ブラケットまたは支持体が、コンデンサモジュール804Aをハウジング802に結合するために用いられ得る。例えば、
図8Bおよび
図9の両方に例証されるように、コンデンサモジュール804Aの各分岐部は、それぞれの導電性ブラケット820A-820Cおよび/または固定具によってハウジング802に結合され得る。ポスト808と同様に、ブラケット820A-820Cは、コンデンサモジュール804Aとハウジング802との間の電気的結合および物理的結合の両方を提供する。特に、本開示によるコンデンサモジュールの任意の2つ以上の分岐部は、分岐部をハウジング802に結合するために、所与の導電性ブラケットまたは固定具を共有していることもある。
【0059】
接地素子は、インダクタンスを追加し得、そのようなインダクタンスは、接地からオフセットされた電圧を作り出し得、そのような電圧は、コンデンサモジュール804A-804Fを正確に特徴付けるための能力に影響を及ぼし得る。よって、本開示の実装では、導電性ブラケット820A-820C、およびより概略的に、コンデンサモジュール804A-804Fを通って接地への可変コンデンサバンク800の接地への経路は、最小化され得る。各コンデンサモジュール804A-804Fの接地への距離を最小化することによって、接地への経路のインダクタンスから生じる任意の電圧オフセットの効果は、低減させられ、および/または無視できるようになり得る。
【0060】
図10は、本開示による代替の可変コンデンサバンク1000の断面図である。
図8Aおよび
図8Bの可変コンデンサバンク800と同様に、可変コンデンサバンク1000は、ハウジング1002を含み、その中に、複数のコンデンサモジュール1004A-1004Fが配置されている。ハウジング1002は、バス1006(明確性のために破線で示されている)をさらに含む。
図10に例証されるように、コンデンサモジュール1004A-1004Fは、ハウジング1002内に非対称的に分配されている。特に、コンデンサモジュール1004Aおよび1004Bは、第1のカラムに配列され、コンデンサモジュール1004C-1004Fは、第2のカラムに配列されている。
【0061】
図10のコンデンサモジュールの2カラム非対称配列、および
図8Aおよび
図8Bのコンデンサモジュールの長方形配列は、単に、本開示による可変コンデンサバンク内のあり得るコンデンサモジュール分配の例として意図されている。他の実装では、コンデンサモジュールの量および場所は変化し得る。例えば、より個別的なインピーダンス制御が必要とされる用途では、可変コンデンサバンクは、より大量のコンデンサモジュールを含み得、および/または各コンデンサモジュールは、より大量のスイッチトコンデンサ分岐部を含み得る。逆に、静電容量の範囲が比較的限定的であり得る用途では、可変コンデンサバンクは、より少ないコンデンサモジュールを含み得、それらの各々は、一つのスイッチトコンデンサのみを含み得る。
【0062】
留意されるように、可変コンデンサバンクのハウジング内のコンデンサモジュールの特定の配列も変化し得る。特定の場合、ハウジングの全体形状、およびその結果ハウジング内のコンデンサモジュールの分配は、シャーシ、モジュールまたは同様の筐体内の利用可能な空間によって規定され得る。そのような場合、ハウジングは、種々の切り抜きを含み得、さもなければ、筐体内に収まり、任意の隣接する装備のまわりに適合するような形状であり得る。
【0063】
ハウジング内のコンデンサモジュールの分配は、可変コンデンサバンクに提供されるべきRF信号の周波数によっても規定され得る。例えば、比較的高い周波数では、可変コンデンサバンクのポートとコンデンサモジュールの各々との間の距離の差は、コンデンサモジュール自体が実質的に同一である(すなわち、それらが実質的に同一の静電容量を有するコンデンサを含む)ときであっても、コンデンサモジュールを切り替えることによって提供されるインピーダンスの無視できない変動を引き起こし得る。そのような変動の結果、各コンデンサモジュールはその状態が変更されるときに静電容量のわずかに異なる変更を提供し得るので、可変コンデンサバンクの分解能は、その全範囲にわたって一貫していないこともある。この効果は、主に可変コンデンサバンクのポートとスイッチトコンデンサ/コンデンサモジュールの各々との間に画定された導電路によって提供されるインダクタンスに起因する。そのようなインダクタンスは、スイッチトコンデンサ/コンデンサモジュールの見かけの静電容量にその実際の定格静電容量から変化させる。高周波数信号が用いられる場合、またはスイッチトコンデンサの静電容量値が特に大きい場合、この変化は特に著しい。
【0064】
前述の問題を解決するための手法は、任意のそのような変動を考慮するためにコンデンサモジュールのコンデンサを選択することである。しかしながら、そのような手法は、複雑であり得、カスタムコンデンサさもなければ標準的でないコンデンサの使用を必要とし得る。代替的な手法は、コンデンサモジュールの各々がコンデンサバンクのポートから実質的に等距離であるように可変コンデンサバンクを設計することである。この開示の目的において、実質的に等距離とは、製造公差、構造的限定(例えば、コンデンサモジュールの物理的構造体のまわりにルートを定められる必要があるトレース)、および他の同様の要因から生じ得る所与の相違性が可能な限り等しいことを意味するように意図されている。モジュールを実質的に等距離に配列することによって、可変コンデンサバンクのポートから各それぞれのコンデンサモジュールを通って伸びている導電路は、実質的に同一であり、その結果、実質的に同一のインダクタンスを提供する。その結果、可変コンデンサバンクを動作させるとき、各コンデンサモジュールをバスに結合する導体に関連するインダクタンスが、既知であり、均一であり、容易に考慮され得る。
【0065】
1つのそのような実装が
図11に例証され、
図11は、本開示による別の可変コンデンサバンク1100の断面図である。可変コンデンサバンク1100は、ハウジング1102を含み、その中にコンデンサモジュール1104A-1104Lおよびバス1106が配置されている。コンデンサモジュール1104A-1104Lの各々は、バス1106およびハウジング1102の各々に電気結合されている。コンデンサバンク1100は、ポート1108をさらに含み、ポート1108は、バス1106に電気結合され、可変コンデンサバンク1100を整合回路または他の回路の他の要素に結合するように適合されている。
【0066】
図11に例証されるように、ハウジング1102およびバス1106の各々は、それらが共有する軸1111に沿って配置されるように、円形の形状であり、互いに対して同心円をなす。ポート1108は、同様に、共有軸1111に沿って配置されている。コンデンサモジュール1104A-1104Lは、コンデンサモジュール1104A-1104Lの各々がポート1108から実質的に等距離に配置されるように、ポート1108のまわりに円形アレイで配列されている。そうすることで、ポート1108とそれぞれのコンデンサモジュール1104A-1104Lの各々との間の導電路から生じるインダクタンスは、各コンデンサモジュール1104A-1104Lに関して実質的に等しく、可変コンデンサバンク1100を特徴付けるときに容易に考慮され得る。それにもかかわらず、インダクタンスおよびその結果として生じる各コンデンサモジュール1104A-1104Lの見かけの静電容量への影響は、可変コンデンサバンク1100の全動作範囲にわたって最小化されることが好ましい。例えば、特定の実装では、コンデンサモジュール1104A-1104Lの各々は、結果として生じるインダクタンスが動作中個々のコンデンサモジュール1104A-1104Lの実際の静電容量と見かけの静電容量との間に5%より大きい変動をもたらさないように、ポート1108に対して配置される。
【0067】
本開示は主に単一ポート構成に焦点を当ててきたが、本開示の可変コンデンサバンクは、複数ポート構成でも構成され得る。一般的に並列分岐器として実装される単一ポート構成とは対照的に、複数ポート構成は、とりわけ、可変コンデンサバンクが1つ以上の他の電気コンポーネントに直列に接続されることを可能にし得る。
【0068】
図12は、本開示による2ポート可変コンデンサバンク1200の概略的例証1200である。可変コンデンサバンク1200は、複数のコンデンサモジュール1202A-1202Nを含み、複数のコンデンサモジュール1202A-1202Nは、並列に配列され、第1のバス1203および第2のバス1205の各々を共有している。コンデンサモジュール1202A-1202Nの各々は、接地されたハウジング1206内に配置されており、それによって、コンデンサモジュール1202A-1202Nの各々が外部電磁放射から遮蔽されている。第1のバス1203は、入力ポート1207に結合され、第2のバス1205は、出力ポート1209に接続され、入力ポートおよび出力ポートの各々は、
図8Cに例証されるポート850と同様であり得る。
【0069】
各コンデンサモジュール1202A-1202Nは、コンデンサモジュール1202A-1202Nの動作を制御するために、対応するドライバ回路に電気結合されている。例えば、各コンデンサモジュール1202A-1202Nは、ドライバ回路に結合するための接続部1204A-1204Nを含み得る。
図3および
図4の文脈において議論されるように、各ドライバ回路は、ハウジング1206の外側に配置され得、可変コンデンサバンク1200の他のコンポーネントによってドライバ回路における干渉を最小化するためのフィルタ回路と共に、コンデンサモジュール1202A-1202Nのうちのそれぞれの1つに結合され得る。ドライバ回路の各々は、コンデンサモジュール1202A-1202Nの各々を選択的に制御するために、
図3の制御モジュール350等の制御モジュールまたは同様の演算デバイスに通信可能に結合され得る。
【0070】
例えば
図12に例証されるように2ポート構成で実装されるとき、可変コンデンサバンク1200は、整合ネットワークの他のコンポーネントに直列に結合され得る。例えば、可変コンデンサ1200の入力ポート1207は、整合ネットワークのバスまたは第1のコンポーネントに結合され得、出力ポート1209は、整合ネットワーク内の第2の素子(例えば、隣接するコンデンサまたはインダクタ)に電気結合され得る。そのような配列では、可変コンデンサ1200は、本開示において既に議論された実装において例証された分岐器配列と比較して、隣接するコンポーネントに直列に接続され得る。
【0071】
上の説明は、本開示の技術を具現化する例示的システム、方法、技術、命令シーケンス、および/またはコンピュータプログラム製品を含む。しかしながら、説明される開示がこれらの特定の詳細を伴わず実施され得ることが理解される。
【0072】
本開示では、開示される方法は、デバイスによって読み取り可能な命令のセットまたはソフトウェアとして実装され得る。さらに、開示される方法におけるステップの特定の順序またはヒエラルキーは、例示的手法の例である。設計の好みに基づいて、方法におけるステップの特定の順序またはヒエラルキーが開示される主題の中にとどまりながら並び替えられ得ることが理解される。添付の方法クレームは、例示的順序で種々のステップの要素を提示しており、提示される特定の順序またはヒエラルキーに限定されることを必ずしも意味していない。
【0073】
説明される開示は、コンピュータプログラム製品またはソフトウェアとして提供され得、コンピュータプログラム製品またはソフトウェアは、そこに命令を記憶した機械読み取り可能媒体を含み得、コンピュータシステム(または電子デバイス)を本開示によるプロセスを実施するようにプログラムするために用いられ得る。機械読み取り可能な媒体は、機械(例えば、コンピュータ)によって読み取り可能な形式(例えば、ソフトウェア、処理アプリケーション)に情報を記憶するための任意の機構を含む。機械読み取り可能媒体は、磁気ストレージ媒体(例えば、ハードディスクドライブ)、光学ストレージ媒体(例えば、CD-ROM)、磁気光学ストレージ媒体、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、イレーザブルプログラマブルメモリ(例えば、EPROMおよびEEPROM)、フラッシュメモリ、または電子的命令を記憶するために適した他のタイプの媒体を含み得るが、これらに限定されない。
【0074】
例えば、
図13は、ホストまたはコンピュータシステム1300の例を例証するブロック図であり、ホストまたはコンピュータシステム1300は、
図3に示される制御モジュール350等、本開示の実施形態を実装することにおいて用いられ得る。コンピュータシステム(システム)は、1つ以上のプロセッサ1302-1306を含む。プロセッサ1302-1306は、1つ以上の内部レベルのキャッシュ(示されず)と、プロセッサバス1312との相互作用を指示するためのバスコントローラまたはバスインタフェースユニットとを含み得る。プロセッサバス1312(ホストバスまたはフロントサイドバスとしても知られている)は、プロセッサ1302-1306をシステムインタフェース1314に結合するために用いられ得る。システムインタフェース1314は、プロセッサバス1312に接続され、システム1300の他のコンポーネントをプロセッサバス1312とインタフェースで接続し得る。例えば、システムインタフェース1314は、メインメモリ1316をプロセッサバス1312とインタフェースで接続するためにメモリコントローラ1313を含み得る。メインメモリ1316は、典型的に、1つ以上のメモリカードと制御回路(示されず)とを含む。システムインタフェース1314は、入力/出力(I/O)インタフェース1320も含み、1つ以上のI/OブリッジまたはI/Oデバイスをプロセッサバス1312とインタフェースで接続し得る。1つ以上のI/Oコントローラおよび/またはI/Oデバイスは、例証されるように、I/Oコントローラ1328およびI/Oデバイス1330等のI/Oバス1326に接続され得る。
【0075】
I/Oデバイス1330は、情報および/またはコマンド選択をプロセッサ1302-1306に通信するために、英数字キーおよび他のキーを含む英数字入力デバイス等の入力デバイス(示されず)も含み得る。別のタイプのユーザ入力デバイスは、方向情報およびコマンド選択をプロセッサ1302-1306に通信するため、およびディスプレイデバイス上のカーソル移動を制御するために、カーソル制御装置(マウス、トラックボール、またはカーソル方向キー等)を含む。
【0076】
システム1300は、情報、およびプロセッサ1302-1306によって実行される命令を記憶するために、プロセッサバス1312に結合されたダイナミックストレージデバイス(メインメモリ1316と称される)もしくはランダムアクセスメモリ(RAM)または他のコンピュータ読み取り可能デバイスを含み得る。メインメモリ1316は、プロセッサ1302-1306による命令の実行中、一時的な変数または他の中間情報を記憶するためにも用いられ得る。システム1300は、プロセッサ1302-1306のための静的情報および命令を記憶するために、プロセッサバス1312に結合された読み取り専用メモリ(ROM)および/または他の静的ストレージデバイスを含み得る。しかし、
図13で示されるシステムは、本開示の側面に従って採用しまたは構成され得るコンピュータシステムの1つの可能な例である。
【0077】
1つの実施形態によると、上の技術は、プロセッサ1304がメインメモリ1316に含まれる1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを実行することに応答して、コンピュータシステム1300によって実施され得る。これらの命令は、ストレージデバイス等の別の機械読み取り可能媒体からメインメモリ1316内に読み込まれ得る。メインメモリ1316内に含まれる命令のシーケンスの実行は、プロセッサ1302-1306に、本明細書中で説明されるプロセスステップを実施させ得る。代替の実施形態では、回路は、ソフトウェア命令の代わりに、またはそれらと組み合わせて用いられ得る。したがって、本開示の実施形態は、ハードウェアコンポーネントおよびソフトウェアコンポーネントの両方を含み得る。
【0078】
コンピュータ読み取り可能媒体は、機械(例えば、コンピュータ)によって読み取り可能な形式(例えば、ソフトウェア、処理アプリケーション)で情報を記憶または送信するための任意の機構を含む。そのような媒体は、不揮発性媒体および揮発性媒体の形式をとり得るが、これらに限定されない。不揮発性媒体は、光学ディスクまたは磁気ディスクを含む。揮発性媒体は、メインメモリ1316等のダイナミックメモリを含む。機械読み取り可能媒体の一般的な形態は、磁気ストレージ媒体(例えば、ハードディスクトライブ)、光学ストレージ媒体(例えば、CD-ROM)、磁気光学ストレージ媒体、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、イレーザブルプログラマブルメモリ(EPROMおよびEEPROM)、フラッシュメモリ、または電子的命令を記憶するために適した他のタイプの媒体を含み得るが、これらに限定されない。
【0079】
本開示の実施形態は、種々の動作またはステップを含み、それらが本明細書中で説明される。ステップは、ハードウェアコンポーネントによって実施され得るか、または、命令をプログラムされた汎用プロセッサまたは専用プロセッサにステップを実施させるために用いられ得る機械実行可能命令で具現化され得る。あるいは、ステップは、ハードウェア、ソフトウェアおよび/またはファームウェアの組み合わせによって実施され得る。
【0080】
本開示およびこれに付随する利点の多くが、前述の説明によって理解され、開示される主題から逸脱することなく、またはその本質的利点の全てを犠牲にすることなく、コンポーネントの形態、構築および配列において種々の変更がなされ得ることが、明らかであろう。説明される形態は、単に例示的であり、そのような変更を内包し、および含むことが、以下のクレームの意図である。
【0081】
本開示が種々の実施形態を参照して説明されたが、これらの実施形態は例示的であり本開示の範囲はそれらに限定されないことが理解されるであろう。多くの変化、変形、追加、および改良が可能である。概して、本開示による実施形態が、特定の実装の文脈において説明された。機能は、本開示の種々の実施形態において、ブロックで別々に分離され、もしくは組み合わされ、または、異なる用語で説明され得る。これらおよび他の変化、変形、追加および改良が、後に続くクレームにおいて定義されるものとして本開示の範囲内に属し得る。