(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】偏光板
(51)【国際特許分類】
G02B 5/30 20060101AFI20240702BHJP
B32B 7/023 20190101ALI20240702BHJP
G02F 1/1335 20060101ALI20240702BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
G02B5/30
B32B7/023
G02F1/1335 510
G09F9/30 349E
(21)【出願番号】P 2021547025
(86)(22)【出願日】2020-01-10
(86)【国際出願番号】 KR2020000450
(87)【国際公開番号】W WO2020145712
(87)【国際公開日】2020-07-16
【審査請求日】2021-04-21
【審判番号】
【審判請求日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】10-2019-0003686
(32)【優先日】2019-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】523379845
【氏名又は名称】杉金光電(南京)有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【氏名又は名称】美恵 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100183955
【氏名又は名称】齋藤 悟郎
(74)【代理人】
【識別番号】100197701
【氏名又は名称】長野 正
(74)【代理人】
【識別番号】100180334
【氏名又は名称】山本 洋美
(74)【代理人】
【識別番号】100136342
【氏名又は名称】中村 成美
(74)【代理人】
【識別番号】100214813
【氏名又は名称】中嶋 幸江
(74)【代理人】
【識別番号】100177149
【氏名又は名称】佐藤 浩義
(74)【代理人】
【識別番号】100194179
【氏名又は名称】中澤 泰宏
(72)【発明者】
【氏名】テ・ウ・キム
(72)【発明者】
【氏名】ゲ・スン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ヒョン・ス・イ
(72)【発明者】
【氏名】キョン・シク・チョ
(72)【発明者】
【氏名】ジン・ヨン・パク
(72)【発明者】
【氏名】サン・ヒョン・ナ
【合議体】
【審判長】神谷 健一
【審判官】関根 洋之
【審判官】河原 正
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-194717(JP,A)
【文献】特開2003-207620(JP,A)
【文献】特開2017-156399(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 5/30
G02F 1/1335
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
面内一つの方向に光吸収軸が形成されている偏光フィルム;前記偏光フィルムの一面に形成された保護フィルム及び前記偏光フィルムの他の面に形成された粘着剤層を含み、
偏光板の光吸収軸と平行な方向の収縮力が、5.3mm幅当たり6.5N~9.4Nであり、
偏光板の光吸収軸と垂直な方向の収縮力が、5.3mm幅当たり6.0N~9.9Nであり、
偏光フィルムの光吸収軸と平行な方向の収縮力が、5.3mm幅当たり2N~15Nであり、
光吸収軸と垂直な方向での保護フィルムの収縮力が、5.3mm幅当たり
6.5N~
7.9Nの範囲内であり、
光吸収軸と平行な方向での保護フィルムの収縮力が、5.3mm幅当たり
0.20N~
0.35Nの範囲内であり、
光吸収軸と垂直な方向での保護フィルムの収縮力(S
1)と前記光吸収軸と平行な方向での保護フィルムの収縮力(S
2)の割合(S
1/S
2)が15~45の範囲内であり、
光吸収軸と平行な方向での偏光フィルムの収縮力(S
PVA)と前記光吸収軸と垂直な方向での保護フィルムの収縮力(S
Pro)の割合(S
Pro/S
PVA)が0.1~5の範囲内であり、
前記光吸収軸方向
での偏光板の収縮力(Sp)と前記光吸収軸方向と垂直な方向
での偏光板の収縮力(Sv)の割合(Sp/Sv)が0.9~1.5の範囲内にある、偏光板。
【請求項2】
四角形態であり、幅(W)と長さ(L)の割合(W/L)が1.6~2の範囲内である、請求項1に記載の偏光板。
【請求項3】
四角形態であり、幅(W)と長さ(L)の割合(W/L)が1~1.6の範囲内である、請求項1に記載の偏光板。
【請求項4】
偏光フィルムの一辺と前記偏光フィルムの光吸収軸が成す角度のうち小さい角度が0度~10度の範囲内又は80度~100度の範囲内にある、請求項1に記載の偏光板。
【請求項5】
偏光フィルムの一辺と前記偏光フィルムの光吸収軸が成す角度のうち小さい角度が35度~55度の範囲内又は125度~145度の範囲内にある、請求項1に記載の偏光板。
【請求項6】
全体厚さが200μm以下である、請求項1に記載の偏光板。
【請求項7】
偏光フィルムの厚さが5μm~25μmの範囲内である、請求項1に記載の偏光板。
【請求項8】
保護フィルムの厚さが20μm~250μmの範囲内である、請求項1に記載の偏光板。
【請求項9】
粘着剤層の厚さが5μm~100μmの範囲内である、請求項1に記載の偏光板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願との相互引用]
本出願は、2019年1月11日に提出された大韓民国特許出願第10-2019-0003686号に基づく優先権の利益を主張し、該当韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として組み込まれる。
【0002】
[技術分野]
本出願は、偏光板及びディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0003】
偏光板は、多様なディスプレイ装置で光の状態を制御するために適用される光学フィルムである。通常、偏光板は、偏光機能がある偏光フィルムの一面又は両面に保護フィルムを付着して製造される。
【0004】
偏光板は、ディスプレイ装置の使用環境によって多様な温度及び湿度条件に露出されるので、耐久性が要求される。例えば、偏光板は、温度及び湿度のような外部環境によっても設計された光学特性を安定的に維持する必要があり、クラック(crack)などのような機械的欠陷も発生してはいけない。
【0005】
最近には、一層薄いディスプレイ装置に対する要求も増加しながらバンディング(bending)及びツイスティング(Twisting)を誘発しない薄い偏光板に対する要求も存在する。偏光板に含まれる偏光フィルムやその他構成要素は、通常、延伸工程を経て製造されるので、外部の温度及び湿度によっては応力を発生させる傾向がある。このような応力は、薄いディスプレイ装置でバンディング及び/又はツイスティングを誘発することができ、このようなバンディング及び/又はツイスティングは、ディスプレイ装置の性能に悪影響を与えることができる。
【0006】
しかし、最近、偏光板の厚さも漸次薄いものが選好され、適用用途によって偏光板のサイズや光吸収軸の方向も相異なっているので、全ての偏光板に対して前記機械的及び光学的耐久性を付与しながらバンディング及びツイスティングも防止できるようにすることは難しい課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本出願は、偏光板及びディスプレイ装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書で角度を定義する用語のうち垂直、平行、直交又は水平などは、目的とする効果を損傷させない範囲での実質的な垂直、平行、直交又は水平を意味し、前記垂直、平行、直交又は水平の範囲は、製造誤差(error)又は偏差(variation)などの誤差を含むものである。例えば、上記それぞれの場合は、約±15度以内の誤差、約±10度以内の誤差又は約±5度以内の誤差を含むことができる。
【0009】
本明細書で言及する物性のうち測定温度が該当物性に影響を及ぼす場合に、特に異に規定しない限り、前記物性は、常温で測定した物性である。
【0010】
本明細書で用語「常温」は、特に加温したり減温しない状態での温度であって、約10℃~30℃の範囲内のいずれか一つの温度、例えば、約15℃以上、18℃以上、20℃以上又は約23℃以上であると共に、約27℃以下の温度を意味することができる。また、特に異に規定しない限り、本明細書で言及する温度の単位は、℃である。
【0011】
本明細書で言及する物性のうち測定圧力が該当物性に影響を及ぼす場合に、特に異に規定しない限り、前記物性は、常圧で測定した物性である。
【0012】
本明細書で用語「常圧」は、特に加圧したり減圧しない自然そのままの圧力であって、通常、大気圧のような1気圧程度の圧力を意味する。
【0013】
本明細書で言及する物性のうち測定湿度が該当物性に影響を及ぼす場合に、特に異に規定しない限り、前記物性は、約0RH%~100RH%の範囲内のいずれか一つの湿度、例えば、約90RH%以下、約80RH%以下、約70RH%以下、約60RH%以下、約50RH%以下、約40RH%以下、約30RH%以下、約20RH%以下、約18RH%以下、15RH%以下又は約10RH%以下であるか、約1RH%以上、約2RH%以上、約5RH%以上、約10RH%以上、約15RH%以上、約20RH%以上、約25RH%以上、約30RH%以上、約35RH%以上、約40RH%以上又は約45RH%以上の相対湿度で測定した物性である。上記で単位「RH%」は、該当湿度が相対湿度(単位:%)であることを意味する。
【0014】
特に異に規定しない限り、本明細書で言及するある2個の方向が成す角度は、上記二つの方向が成す鋭角乃至鈍角のうち鋭角であるか、又は時計方向及び反時計方向に測定された角度のうち小さい角度であってもよい。したがって、特に異に規定しない限り、本明細書で言及する角度は、陽数である。ただし、場合によって、時計方向又は反時計方向に測定された角度間の測定方向を表示するために、前記時計方向に測定された角度及び反時計方向に測定された角度のうちいずれか一つの角度を陽数で表記し、他の一つの角度を負数で表記してもよい。
【0015】
本出願は、偏光板に関する。本明細書で用語「偏光フィルム」と「偏光板」は、異なる意味を有する。用語「偏光フィルム」は、例えば、ヨウ素のような異方性物質が吸着及び配向されているPVA(poly(vinyl alcohol))系フィルムのように偏光機能を示す機能性素子自体を意味し、「偏光板」は、前記偏光フィルムと共に他の要素を含む素子を意味する。上記で偏光フィルムとともに含まれる他の要素としては、偏光フィルムの保護フィルム、帯電防止層、視野角補償フィルム、ハードコーティング層、位相差フィルム、接着剤層、粘着剤層又は低反射(Low Reflection)層などが例示され得るが、これに制限されるものではない。
【0016】
本出願の偏光板は、多様な用途に適用されて優れた性能を示すことができる。
【0017】
一つの例示で、本出願の偏光板は、正四角形又は直四角形のような四角形態であると共に、その幅(W)と長さ(L)の割合(W/L)が1.6~2の範囲内であってもよい。このような場合に、前記割合(W/L)は、他の例示で、約1.65以上、約1.7以上又は約1.75以上であるか、約1.95以下、約1.9以下、約1.85以下又は約1.8以下であってもよい。
【0018】
他の例示で、本出願の偏光板は、正四角形または直四角形のような四角形態であると共に、その幅(W)と長さ(L)の割合(W/L)が1~1.6の範囲内であってもよい。このような場合に、前記割合(W/L)は、他の例示で、約1.05以上、約1.1以上、約1.15以上、約1.2以上、約1.25以上又は約1.3以上であるか、約1.55以下、約1.5以下、約1.45以下、約1.4以下又は約1.35以下であってもよい。
【0019】
前記偏光板のサイズは、偏光板が適用されるディスプレイ装置のスペック、例えば、画面割合によって決定される値である。本出願の偏光板は、偏光板の適用画面割合とは関係なく目的とする優れた性能を示すことができる。
【0020】
偏光板は、適用用途、例えば、ディスプレイパネルのモードなどによって光吸収軸も相異なっている方向に形成される。通常、偏光板内の偏光フィルムは、光吸収軸が形成された方向に沿って収縮などが起きるので、光吸収軸の形成方向も偏光板の光学的乃至機械的耐久性や、その偏光板が適用されたディスプレイ装置のバンディング乃至ツイスティングの抑制において考慮事項である。本出願の偏光板は、光吸収軸の形成方向とは関係なく優れた性能を示す。
【0021】
例えば、前記偏光板で前記偏光フィルム又は偏光板の一辺と前記偏光フィルムの光吸収軸が成す角度のうち小さい角度は、0度~10度の範囲内又は80度~100度の範囲内にあってもよい。前記角度は、他の例示で、9度以下、8度以下、7度以下、6度以下、5度以下、4度以下、3度以下、2度以下又は1度以下であってもよい。また、前記角度は、他の例示で、約81度以上、82度以上、83度以上、84度以上、85度以上、86度以上、87度以上、88度以上、89度以上又は90度以上であるか、99度以下、98度以下、97度以下、96度以下、95度以下、94度以下、93度以下、92度以下、91度以下又は90度以下程度であってもよい。
【0022】
他の例示で、前記偏光板で前記偏光フィルム又は偏光板の一辺と前記偏光フィルムの光吸収軸が成す角度のうち小さい角度が35度~55度の範囲内又は125度~145度の範囲内にあってもよい。
【0023】
前記角度は、他の例示で、約36度以上程度、37度以上程度、38度以上程度、39度以上程度、40度以上程度、41度以上程度、42度以上程度、43度以上程度、44度以上程度又は45度以上程度であるか、54度以下程度、53度以下程度、52度以下程度、51度以下程度、50度以下程度、49度以下程度、48度以下程度、47度以下程度、46度以下程度又は45度以下程度であってもよく、また、約126度以上程度、127度以上程度、128度以上程度、129度以上程度、130度以上程度、131度以上程度、132度以上程度、133度以上程度、134度以上程度又は135度以上程度であるか、144度以下程度、143度以下程度、142度以下程度、141度以下程度、140度以下程度、139度以下程度、138度以下程度、137度以下程度、136度以下程度又は135度以下程度であってもよい。
【0024】
通常、偏光フィルム及び偏光板は、正四角形又は直四角形のような四角形であり、前記光吸収軸と前記角度を成す偏光フィルム又は偏光板の一辺は、前記四角形の任意の一辺であってもよい。例えば、前記四角形が直四角形であれば、前記一辺は、前記直四角形の長辺又は短辺であってもよい。
【0025】
本出願の偏光板は、薄い厚さで形成される場合にも目的とする優れた効果を示すことができる。例えば、前記偏光板は、全体厚さが200μm以下であってもよい。前記偏光板は、上述した多様な要素を含むことができるが、最終厚さは、前記範囲内に制限され得る。偏光板の厚さを200μm以下に設計することで、薄い厚さが要求される多様な用途に効果的に対処することができる。通常、偏光板には、前記偏光板をディスプレイ装置に適用するための粘着剤層が形成されており、前記粘着剤層を保護するために離型フィルムを前記粘着剤層に付着しておくか、偏光板の最外側に一時的に離型性の表面保護シートを付着しておく場合がある。本出願で言及する前記200μm以下の厚さは、前記離型フィルムや表面保護シートのように最終的に偏光板をディスプレイに適用するときに除去される部位は除いた厚さである。前記厚さは、他の例示で、約195μm以下、約190μm以下、約185μm以下、約180μm以下、約175μm以下、約170μm以下、約165μm以下、約160μm以下、約155μm以下、約150μm以下、約145μm以下又は約140μm以下程度であってもよい。前記偏光板の厚さの下限は、特に制限されるものではないが、一般的に、約50μm以上、60μm以上、70μm以上、80μm以上、90μm以上、100μm以上、110μm以上又は120μm以上程度であってもよい。
【0026】
本明細書で言及する厚さは、対象物品の主な表面と主な裏面を連結する最短距離、最大距離又は平均距離を意味することができ、一定部分の製造誤差乃至偏差が存在してもよい。
【0027】
本出願の偏光板は、基本的に、偏光フィルム、保護フィルム及び粘着剤層を含むことができる。前記構成は、保護フィルム、偏光フィルム及び粘着剤層の順に配置され得る。
図1は、このような構造を模式的に示す。
図1のように、前記偏光板は、前記偏光フィルム12の一面に形成された保護フィルム11及び前記偏光フィルム12の他の面に形成された粘着剤層13を含むことができる。
【0028】
本出願の上記のような構造において、前記光吸収軸方向の全体偏光板の収縮力(SP)と前記光吸収軸方向と垂直な方向の全体偏光板の収縮力(SV)の割合(SP/SV)が0.9~1.5の範囲内にあってもよい。上記で収縮力は、本明細書の実施例で提示する方法で測定した数値である。前記割合(SP/SV)は、他の例示で、約0.91以上、約0.92以上、約0.93以上、約0.94以上、約0.95以上、約0.96以上又は約0.97以上であるか、約1.49以下、約1.48以下、約1.47以下、約1.46以下、約1.45以下、約1.44以下、約1.43以下、約1.42以下、約1.41以下、約1.4以下、約1.39以下、約1.38以下、約1.37以下、約1.36以下、約1.35以下、約1.34以下、約1.33以下、約1.32以下、約1.31以下、約1.30以下、約1.29以下、約1.28以下、約1.27以下、約1.26以下、約1.25以下、約1.24以下、約1.23以下、約1.22以下、約1.21以下、約1.2以下、約1.19以下、約1.18以下、約1.17以下、約1.16以下、約1.15以下、約1.14以下、約1.13以下、約1.12以下、約1.11以下、約1.1以下、約1.09以下、約1.08以下、約1.07以下又は約1.06以下であってもよい。前記割合を調節することで、目的とする偏光板の性能を確保することができる。
【0029】
本明細書で言及する用語「収縮力」は、本明細書の実施例に記載された方式で測定して得られた数値である。
【0030】
また、本出願の偏光板は、前記構造で前記光吸収軸と平行な方向での全体偏光板の収縮力が6.5N~15Nの範囲内であってもよい。前記収縮力は、他の例示で、約6.6N以上、6.7N以上、6.8N以上、6.9N以上、7N以上、7.1N以上、7.2N以上、7.3N以上、7.4N以上、7.5N以上、7.6N以上又は7.7N以上であるか、14.9N以下、14.8N以下、14.7N以下、14.6N以下、14.5N以下、14.4N以下、14.3N以下、14.2N以下、14.1N以下、14N以下、13.9N以下、13.8N以下、13.7N以下、13.6N以下、13.5N以下、13.4N以下、13.3N以下、13.2N以下、13.1N以下、13N以下、12.9N以下、12.8N以下、12.7N以下、12.6N以下、12.5N以下、12.4N以下、12.3N以下、12.2N以下、12.1N以下、12N以下、11.9N以下、11.8N以下、11.7N以下、11.6N以下、11.5N以下、11.4N以下、11.3N以下、11.2N以下、11.1N以下、11N以下、10.9N以下、10.8N以下、10.7N以下、10.6N以下、10.5N以下、10.4N以下、10.3N以下、10.2N以下、10.1N以下、10N以下、9.9N以下、9.8N以下、9.7N以下、9.6N以下、9.5N以下、9.4N以下、9.3N以下、9.2N以下、9.1N以下、9N以下、8.9N以下、8.8N以下、8.7N以下、8.6N以下、8.5N以下、8.4N以下、8.3N以下、8.2N以下又は8.1N以下であってもよい。上記のように光吸収軸方向の収縮力を調節することで、目的とする偏光板の性能を確保することができる。
【0031】
また、本出願の偏光板は、前記構造で前記光吸収軸と垂直な方向での全体偏光板の収縮力が6N~15Nの範囲内であってもよい。前記収縮力は、他の例示で、約6.1N以上、約6.2N以上、約6.3N以上、約6.4N以上、約6.5N以上、6.6N以上、6.7N以上、6.8N以上、6.9N以上、7N以上、7.1N以上又は7.2N以上であるか、14.9N以下、14.8N以下、14.7N以下、14.6N以下、14.5N以下、14.4N以下、14.3N以下、14.2N以下、14.1N以下、14N以下、13.9N以下、13.8N以下、13.7N以下、13.6N以下、13.5N以下、13.4N以下、13.3N以下、13.2N以下、13.1N以下、13N以下、12.9N以下、12.8N以下、12.7N以下、12.6N以下、12.5N以下、12.4N以下、12.3N以下、12.2N以下、12.1N以下、12N以下、11.9N以下、11.8N以下、11.7N以下、11.6N以下、11.5N以下、11.4N以下、11.3N以下、11.2N以下、11.1N以下、11N以下、10.9N以下、10.8N以下、10.7N以下、10.6N以下、10.5N以下、10.4N以下、10.3N以下、10.2N以下、10.1N以下、10N以下、9.9N以下、9.8N以下、9.7N以下、9.6N以下、9.5N以下、9.4N以下、9.3N以下、9.2N以下、9.1N以下、9N以下、8.9N以下、8.8N以下、8.7N以下、8.6N以下、8.5N以下、8.4N以下、8.3N以下、8.2N以下又は8.1N以下であってもよい。上記のように光吸収軸方向と垂直な方向の収縮力を調節することで、目的とする偏光板の性能を確保することができる。
【0032】
しかし、偏光板は、上述した保護フィルム、偏光フィルム及び粘着剤層を少なくとも含む多層構造であり、そのうち少なくとも保護フィルム及び偏光フィルムは、互いに異なる材料からなる延伸フィルムである場合が多いので、全体偏光板に対して上記のような特性を確保することは容易ではない課題である。
【0033】
本出願では、偏光板に含まれる偏光フィルムの収縮力、特に、光吸収軸方向の収縮力を考慮して、保護フィルムの収縮力を制御することで全体偏光板の特性を上記言及されたように維持することができるということを確認した。
【0034】
例えば、前記特性の達成のために、前記保護フィルムとしては、任意の面内第1方向での収縮力が5N~10Nの範囲内にあるフィルムを適用し、前記第1方向を前記偏光フィルムの光吸収軸方向とおおよそ垂直になるように偏光板に含ませることができる。
【0035】
本明細書で言及する保護フィルムの面内第1方向は、保護フィルムが延伸高分子フィルムである場合に、MD(Machine Direction)及びTD(transverse direction)方向のうちいずれか一つの方向であり、第2方向は、MD(Machine Direction)及びTD(transverse direction)方向のうち他の一つの方向であってもよい。
【0036】
したがって、前記第1及び第2方向は、互いにおおよそ垂直であってもよい。本明細書で言及する垂直は、該当角度が約80度~100度の範囲内にある場合を意味することができる。前記垂直を意味する角度は、他の例示で、約82度以上程度、84度以上程度、86度以上程度、88度以上程度又は90度以上程度であるか、98度以下程度、96度以下程度、94度以下程度、92度以下程度又は90度以下程度であってもよい。
【0037】
前記保護フィルムの第1方向での収縮力は、他の例示で、約5.5N以上、約6N以上又は約6.5N以上であるか、又は約9.5N以下、約9N以下、約8.5N以下又は約8N以下程度であってもよい。
【0038】
一つの例示で、本明細書で言及する保護フィルムの第1方向は、前記TD方向でありつつ、偏光板内で偏光フィルムの光吸収軸とおおよそ垂直に配置される保護フィルムの面内方向であってもよい。
【0039】
また、前記保護フィルムとしては、前記第1方向とおおよそ垂直な第2方向での面内収縮力が約0.05N~4Nの範囲内である保護フィルムを適用することができる。このような第2方向は、上述したように、偏光フィルムの光吸収軸とおおよそ平行に偏光板に配置される保護フィルムの面内方向であり、また、MD(Machine Direction)方向であってもよい。
【0040】
前記保護フィルムの第2方向での収縮力は、他の例示で、約0.1N以上、約0.15N以上又は約0.2N以上であるか、又は約3.5N以下、約3N以下、約2.5N以下、約2N以下、約1.5N以下、約1N以下又は約0.5N以下程度であってもよい。
【0041】
前記偏光板で前記保護フィルムの前記第1方向での収縮力(S1)と前記第2方向での収縮力(S2)の割合(S1/S2)は、15~45の範囲内であってもよい。前記割合(S1/S2)は、他の例示で、約16以上、約17以上、約18以上、約19以上、約20以上、約21以上又は約22以上であるか、約44以下、約43以下、約42以下、約41以下、約40以下、約39以下、約38以下、約37以下、約36以下、約35以下、約34以下又は約33以下程度であってもよい。
【0042】
偏光板で前記光吸収軸方向での前記偏光フィルムの収縮力(SPVA)と前記保護フィルムの収縮力(SPro)の割合(SPro/SPVA)が0.1~5の範囲内であってもよい。前記割合は、他の例示で、約0.2以上、0.3以上、0.4以上、0.45以上、0.5以上、約0.55以上、約0.6以上、約0.65以上又は約0.7以上であるか、約4.5以下、4以下、3.5以下、3以下、2.5以下、2以下又は1.5以下程度であってもよい。前記で保護フィルムの収縮力(SPro)は、前記第1方向での収縮力(S1)であるか、前記第2方向での収縮力(S2)であってもよい。一つの例示で、前記保護フィルムの収縮力(SPro)は、前記第1方向での収縮力であってもよい。
【0043】
本出願では、上記のような収縮力を有する保護フィルムを偏光板の特定位置に適用して目的とする全体偏光板の収縮力特性を達成することができる。しかし、上のような特性の保護フィルムを選択することは容易ではない課題である。本出願では、通常的な場合に比べて大きい機械的非対称性を有する高分子フィルムとして、いわゆる、高延伸ポリエステルフィルムなどと知られた延伸PET(polyethyleneterephtalate)フィルムが上述した特性に非常に近接した特性を有することを確認した。
【0044】
このような高延伸PET(poly(ethylene terephthalate))フィルムとしては、Toyobo社のSRF(Super Retardation Film)フィルムなどが知られている。
【0045】
したがって、前記保護フィルムは、延伸ポリエステルフィルムであってもよい。
【0046】
通常、延伸PETフィルムは、PET系樹脂を溶融/圧出で製膜し、延伸して製造した1層以上の一軸延伸フィルム又は製膜後に縦及び横延伸して製造した1層以上の二軸延伸フィルムである。
【0047】
PET系樹脂は、通常、繰り返し単位の80モル%以上がエチレンテレフタレートになる樹脂を意味し、他のジカルボン酸成分とジオール成分を含んでもよい。他のジカルボン酸成分としては、特に限定されるものではないが、例えば、イソフタル酸、p-ベータ-オキシエトキシ安息香酸、4,4’-ジカルボキシジフェニル、4,4’-ジカルボキシベンゾフェノン、ビス(4-カルボキシフェニル)エタン、アジピン酸、セバシン酸及び/又は1,4-ジカルボキシシクロヘキサンなどが挙げられる。
【0048】
他のジオール成分としては、特に限定されるものではないが、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジオール、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及び/又はポリテトラメチレングリコールなどが挙げられる。
【0049】
前記ジカルボン酸成分やジオール成分は、必要に応じて、2種以上を組み合わせて用いることができる。また、p-オキシ安息香酸などのオキシカルボン酸を併用してもよい。また、他の共重合成分として、少量のアミド結合、ウレタン結合、エーテル結合及びカーボネート結合などを含有するジカルボン酸成分又はジオール成分が用いられてもよい。
【0050】
PET系樹脂の製造方法としては、テレフタル酸、エチレングリコール及び/又は、必要に応じて、他のジカルボン酸又は他のジオールを直接重縮合させる方法、テレフタル酸のジアルキルエステル及びエチレングリコール及び/又は、必要に応じて、他のジカルボン酸のジアルキルエステル又は他のジオールをエステル交換反応させた後に重縮合させる方法、及びテレフタル酸及び/又は、必要に応じて、他のジカルボン酸のエチレングリコールエステル及び/又は、必要に応じて、他のジオールエステルを重縮合させる方法などが採用される。
【0051】
それぞれの重合反応には、アンチモン系、チタン系、ゲルマニウム系又はアルミニウム系化合物を含む重合触媒、又は前記複合化合物を含む重合触媒を用いることができる。
【0052】
重合反応条件は、用いられる単量体、触媒、反応装置及び目的とする樹脂物性によって適切に選択することができ、特に制限されるものではないが、例えば、反応温度は、通常、約150℃~約300℃、約200℃~約300℃又は約260℃~約300℃である。また、反応圧力は、通常、大気圧乃至約2.7Paであり、反応後半には減圧側であってもよい。
【0053】
重合反応は、ジオール、アルキル化合物又は水などの離脱反応物を揮発させることで進行される。
【0054】
重合装置は、反応槽が一つに完結されるものであってもよく、又は複数の反応槽を連結したものであってもよい。この場合、通常、重合度によって、反応物は、反応槽の間を移送されながら重合される。また、重合後半に横型反応装置を具備し、加熱/混練しながら揮発させる方法も採用できる。
【0055】
重合終了後の樹脂は、溶融状態で反応槽や横型反応装置から放出された後、冷却ドラムや冷却ベルトなどで冷却/粉砕されたフレーク状で、又は圧出器に導入されて紐形状に圧出された後に裁断されたペレット状で得られる。また、必要に応じて、固相重合を行って分子量を向上させるか低分子量成分を減少させることもできる。PET系樹脂に含まれ得る低分子量成分としては、環状3量体成分が挙げられるが、このような環状3量体成分の樹脂中での含有量は、通常、5000ppm以下又は3000ppm以下に調節される。
【0056】
PET系樹脂の分子量は、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒に樹脂を溶解させ、30℃で測定した極限粘度で示したとき、通常、0.45~1.0dL/g、0.50~10dL/g又は0.52~0.80dL/gの範囲である。
【0057】
PET系樹脂は、必要に応じて、添加剤を含有することができる。添加剤としては、例えば、滑剤、ブロッキング防止剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、耐光剤及び耐衝撃性改良剤などが挙げられる。その添加量は、光学物性に悪影響を及ぼさない範囲にすることが好ましい。
【0058】
PET系樹脂は、このような添加剤の配合のために、及び後述するフィルム成形のために、通常、圧出器により組み立てられたペレット形状に用いられる。ペレットのサイズや形状は、特に制限されるものではないが、通常、高さ、直径が全て5mm以下である円周状、球状又は扁平球状である。このようにして得られるPET系樹脂は、フィルム状で成形して延伸処理することで、透明で且つ均質の機械的強度が高いPETフィルムに製造できる。その製造方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、次に記載する方法が採用される。
【0059】
乾燥させたPET樹脂からなるペレットを溶融圧出装置に供給し、融点以上に加熱して溶融させる。次に、溶融された樹脂を台から圧出、回転冷却ドラム上でガラス転移温度以下の温度になるように急冷固化させ、実質的に非結晶状態の未延伸フィルムを得る。この溶融温度は、用いられるPET系樹脂の融点や圧出器によって決まるものであり、特に制限されるものではないが、通常、250℃~350℃である。また、フィルムの平面性を向上させるためには、フィルムと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、静電印加密着法又は液体塗布密着法が好ましく採用される。静電印加密着法とは、通常、フィルムの上面側にフィルムの流れと直交する方向に線状電極を設置し、その電極に約5~10kVの直流電圧を印加することでフィルムに静電荷を提供して回転冷却ドラムとフィルムとの密着性を向上させる方法である。また、液体塗布密着法とは、回転冷却ドラム表面の全体又は一部(例えば、フィルムの両端部と接触する部分のみ)に液体を均一に塗布することで回転冷却ドラムとフィルムとの密着性を向上させる方法である。必要に応じて、両方を併用してもよい。用いられるPET系樹脂は、必要に応じて、2種以上の樹脂、構造や組成が異なる樹脂を混合してもよい。例えば、ブロッキング防止剤としての粒状充填材、紫外線吸収剤又は帯電防止剤などが配合されたペレットと無配合のペレットを混合して用いるものなどが挙げられる。
【0060】
圧出させるフィルムの積層数は、必要に応じて、2層以上にしてもよい。例えば、ブロッキング防止剤への粒状充填材を配合したペレットと無配合のペレットを準備し、他の圧出器から同一な台に供給して「充填材配合/無配合/充填材配合」の2種3層からなるフィルムを圧出させるものなどが挙げられる。
【0061】
前記未延伸フィルムは、ガラス転移温度以上の温度で、通常、優先圧出方向に縦延伸される。延伸温度は、通常、70℃~150℃、80~130℃又は90~120℃である。また、延伸倍率は、通常、1.1~6倍又は2~5.5倍である。延伸は、1回でおわってもよく、必要に応じて、複数回に分けて行ってもよい。
【0062】
このようにして得られる縦延伸フィルムは、その後に熱処理を行うことができる。その後、必要に応じて、弛緩処理を行ってもよい。この熱処理温度は、通常、150℃~250℃、180~245℃又は200~230℃である。また、熱処理時間は、通常、1~600秒間又は1~300秒間又は1~60秒間である。
【0063】
弛緩処理の温度は、通常、90~200℃又は120~180℃である。また、弛緩量は、通常、0.1~20%又は2~5%である。この弛緩処理の温度及び弛緩量は、弛緩処理後のPETフィルムの150℃での熱収縮率が2%以下になるように、弛緩量及び弛緩処理時の温度を設定することができる。
【0064】
一軸延伸及び二軸延伸フィルムを得る場合、通常、縦延伸処理後に、または必要に応じて、熱処理又は弛緩処理を経た後に、テンターにより横延伸が行われる。この延伸温度は、通常、70℃~150℃、80℃~130℃又は90℃~120℃である。また、延伸倍率は、通常、1.1~6倍又は2~5.5倍である。その後、熱処理及び必要に応じて、弛緩処理を行うことができる。熱処理温度は、通常、150℃~250℃又は180℃~245℃又は200~230℃である。熱処理時間は、通常、1~600秒間、1~300秒間又は1~60秒間である。
【0065】
弛緩処理の温度は、通常、100~230℃、110~210℃又は120~180℃である。また、弛緩量は、通常、0.1~20%、1~10%又は2~5%である。この弛緩処理の温度及び弛緩量は、弛緩処理後のPETフィルムの150℃での熱収縮率が2%以下になるように、その弛緩量及び弛緩処理時の温度を設定することができる。
【0066】
一軸延伸及び二軸延伸処理においては、横延伸後、ボーイングで代表されるような配向主軸の変形を緩和させるために、再び熱処理を行うか延伸処理を行うことかできる。ボーイングによる配向主軸の延長方向に対する変形の最大値は、通常、45度以内、30度以内又は15度以内である。また、ここで、延伸方向とは、縦延伸又は横延伸における延伸が大きい方向を言う。
【0067】
PETフィルムの二軸延伸では、通常、横延伸倍率の場合が縦延伸倍率より多少大きく行われ、この場合、延伸方向とは、前記フィルムの長い方向に対して垂直方向を言う。また、一軸延伸では、通常、上述したように横方向に延伸され、この場合、延伸方向とは、同一に長い方向に対して垂直方向を言う。
【0068】
配向主軸とは、延伸PETフィルム上の任意の点での分子配向方向を言う。また、配向主軸の延伸方向に対する変形とは、配向主軸と延伸方向との角度差を言う。また、その最大値とは、長い方向に対して垂直方向上での値の最大値を言う。配向主軸の確認方法は、公知にされており、例えば、位相差フィルム、光学材料検査装置RETS(大塚電子株式会社製造)又は分子配向計MOA(王子計測機器株式会社製造)を用いて測定することができる。
【0069】
上記のような高延伸ポリエステルフィルムは、本出願で目的とする収縮力特性を達成することができる保護フィルムに近接した特性を示すが、その自体では本出願で目的とする収縮力特性を達成することができない。本出願では、前記高延伸ポリエステルフィルムに対して所定の熱処理を行ってその特性を調節すると、上述した目的特性が確保されることを確認した。すなわち、上記言及した保護フィルムの収縮力特性、引張特性などは、前記高延伸ポリエステルフィルムに対して熱処理を行って確保することができる。例えば、高分子フィルムは、該当フィルムのガラス転移温度(Tg)を基準で所定範囲の温度での熱処理を通じて収縮力を減少させることができる。例えば、該当保護フィルムのガラス転移温度をTgとするとき(単位:℃)、Tg-60(℃)~Tg+50(℃)の範囲内の温度で熱処理することで収縮力などを目的とする範囲に調節することができる。このような場合に、一般的に、いわゆるMD(Machine Direction)方向よりはTD(transverse direction)方向での収縮力が制御される。
【0070】
前記熱処理温度は、他の例示で、Tg+45℃以下、Tg+40℃以下、Tg+35℃以下、Tg+30℃以下、Tg+25℃以下、Tg+20℃以下、Tg+15℃以下、Tg+10℃以下、Tg+5℃以下、Tg0℃以下、Tg-5℃以下、Tg-10℃以下、Tg-15℃以下、Tg-20℃以下、Tg-25℃以下、Tg-30℃以下又はTg-35℃以下程度であるか、Tg-55℃以上、Tg-50℃以上、Tg-45℃以上又はTg-40℃以上であてもよく、上記でTgは、ガラス転移温度である。
【0071】
本出願では、高延伸ポリエステルフィルムに対して上記のような温度で熱処理を行うことで上記目的とする特性の確保が可能である点を確認した。熱処理が行われる時間は、特な制限なしに目的特性を考慮して調節することができ、通常、約10秒~1,000秒の範囲内で行われ得る。前記熱処理時間は、他の例示で、約15秒以上、約20秒以上、約25秒以上又は約30秒以上であるか、約900秒以下、約850秒以下、約800秒以下、約750秒以下、約700秒以下、約650秒以下、約600秒以下、約550秒以下、約500秒以下、約450秒以下、約400秒以下、約350秒以下、約300秒以下、約250秒以下、約200秒以下、約150秒以下、約100秒以下又は約90秒以下程度であってもよい。
【0072】
本出願で適用する前記保護フィルムの厚さは、通常、約20μm~250μmの範囲内であってもよい。前記厚さは、他の例示で、約200μm以下、150μm以下又は100μm以下であってもよく、約30μm以上、40μm以上、50μm以上、60μm以上又は70μm以上程度であってもよい。
【0073】
本出願で適用される前記保護フィルムには、防眩層、導電層、ハードコーティング層、平滑化層、ブロッキング防止層、プライマー層及び/又は反射防止層などの公知の機能層が存在してもよい。
【0074】
本出願で前記偏光フィルムとしては、面内の一つの方向に沿って光吸収軸が形成されている偏光フィルムを用いることができる。このような偏光フィルムは、多様に公知されている。一つの例示で、前記偏光フィルムとしては、代表的な線形吸収型偏光フィルムであるポリビニルアルコール(poly(vinyl alcohol)、以下、PVA)系偏光フィルムを用いることができる。このような偏光フィルムは、通常、PVAフィルム及び前記PVAフィルムに吸着配向された異方吸収性物質を含む。前記異方吸収性物質 としては、多様な二色性色素が用いられ得、代表的には、ヨウ素系列の物質が用いられ得る。このような偏光フィルムは、一般的に、ヨウ素系吸水性線形PVA偏光フィルムと呼ばれる。
【0075】
例えば、前記PVA系偏光フィルムは、PVA系フィルムに、膨潤、染色、架橋及び延伸などの各処理を行い、洗浄及び乾燥工程を通して製造することができる。後述するように、前記偏光フィルムは、収縮力が所定範囲に調節され得るが、前記工程のうちいずれか一つの工程で工程条件を調節して前記収縮力を調節することができる。一般的に、収縮力は、前記工程のうち延伸工程時に延伸倍率などに影響を受けることができる。すなわち、延伸倍率が高いと、収縮力が高くなり、低いと、低くなる。しかし、このような方式は、収縮力を調節することができる一つの方向に該当し、偏光フィルムの製造分野において当業者は、目的によって所望する収縮力を有する偏光フィルムを容易に製造することができる。
【0076】
本出願の偏光フィルムは、前記ヨウ素系吸収型線形PVA偏光フィルムであって、PVA系フィルム及び前記PVA系フィルム上に吸着配向されている異方吸収性物質を含むことができる。
【0077】
上記でPVA系フィルムとしては、例えば、従来偏光フィルムに用いられている一般的なPVA系フィルムが用いられ得る。このようなPVA系フィルムの材料としては、PVA又はその誘導体が挙げられる。PVAの誘導体としては、ポリビニルホルマール又はポリビニルアセタールなどが挙げられ、その外にもエチレン又はプロピレンなどのオレフィン、アクリル酸、メタクリル酸又はクロトン酸などの不飽和カルボン酸及びそのアルキルエステル又はアクリルアミドなどにより変性されたものが挙げられる。PVAの重合度は、通常的に、100~10000程度、1000~10000程度であり、石鹸化度は、80モル%~100モル%程度であるが、これに制限されるものではない。
【0078】
PVA系フィルムとしては、エチレン酢酸ビニル共重合体系列の部分石鹸化フィルムなどの親水性高分子フィルム、PVAの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物などポリエン系配向フィルムなども例示され得る。
【0079】
PVA系フィルム中には、可塑剤又は界面活性剤などの添加剤が含まれていてもよい。上記で可塑剤としては、ポリオールやその縮合物などが例示され得、例えば、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール又はポリエチレングリコールなどが例示され得る。このような可塑剤が用いられる場合に、その割合は、特に制限されず、通常的にPVA系フィルム中約20重量%以下であってもよい。
【0080】
偏光フィルムに含まれ得る異方吸収性物質の種類も特に制限されない。本出願では、公知の異方吸収性物質のうち上述した光学的特性を満足させることができるものが適切に選択され得る。異方吸収性物質の例としては、ヨウ素が例示され得る。偏光フィルム内の異方吸収性物質の割合も所望する物性を満足させることができる範囲であれば、特に制限されない。
【0081】
偏光フィルムは、例えば、PVA系フィルムに染色、架橋及び延伸工程を少なくとも行って製造することができる。
【0082】
染色工程では、前記PVA系フィルムにヨウ素のような異方吸収性物質を吸着及び/又は配向させることができる。このような染色工程は、延伸工程とともに行われ得る。染色は、前記フィルムを異方吸収性物質を含む溶液、例えば、ヨウ素溶液に浸漬させて一般的に行われ得る。ヨウ素溶液としては、例えば、ヨウ素及び溶解補助剤であるヨウ化物によりヨードイオンを含有させた水溶液などが用いられ得る。上記でヨウ化物としては、例えば、ヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化亜鉛、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化鉛、ヨウ化銅、ヨウ化バリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化スズ又はヨウ化チタンなどが用いられ得る。前記ヨウ素溶液中でヨウ素及び/又はヨウ化イオンの濃度は、目的によって通常的な範囲内で制御され得る。染色工程でヨウ素溶液の温度は、通常的に、20℃~50℃、25℃~40℃程度であり、浸漬時間は、通常的に、10秒~300秒又は20秒~240秒程度であるが、これに制限されるものではない。
【0083】
偏光フィルムの製造過程で行われる架橋工程は、例えば、ホウ素化合物のような架橋剤を用いて行うことができる。架橋工程の順序では特に制限されず、例えば、染色及び/又は延伸工程とともに行うか、別に進行することができる。架橋工程は、複数回実施してもよい。前記ホウ素化合物としては、ホウ酸又はホウ砂などが用いられ得る。ホウ素化合物は、水溶液又は水と有機溶媒の混合溶液の形態で一般的に用いられ得、通常的には、ホウ酸水溶液が用いられる。ホウ酸水溶液でのホウ酸濃度は、架橋度とそれによる耐熱性などを考慮して適正範囲に選択され得る。ホウ酸水溶液などにもヨウ化カリウムなどのヨウ化物を含有させることができる。
【0084】
架橋工程の処理温度は、通常的に、25℃以上、30℃~85℃又は30℃~60℃程度の範囲であり、処理時間は、通常的に、5秒~800秒間又は8秒~500秒間程度であるが、これに制限されるものではない。
【0085】
延伸工程は、一般的に一軸延伸で行う。このような延伸は、前記染色及び/又は架橋工程とともに行ってもよい。延伸方法は特に制限されず、例えば、湿潤式延伸方式が適用され得る。このような湿潤式延伸方法では、例えば、染色後に延伸を行うことが一般的であるが、延伸は架橋とともに行われ得、複数回又は多段で行ってもよい。
【0086】
湿潤式延伸方法に適用される処理液にヨウ化カリウムなどのヨウ化物を含有させることができる。延伸で処理温度は、通常的に、25℃以上、30℃~85℃又は50℃~70℃の範囲内程度であり、処理時間は、通常、10秒~800秒又は30秒~500秒間であるが、これに制限されるものではない。
【0087】
延伸過程で総延伸倍率は、配向特性などを考慮して調節することができ、PVA系フィルムの本来の長さを基準で総延伸倍率が3倍~10倍、4倍~8倍又は5倍~7倍程度であってもよいが、これに制限されるものではない。上記で総延伸倍率は、延伸工程以外の膨潤工程などにおいても延伸を伴う場合には、各工程における延伸を含んだ累積延伸倍率を意味することができる。このような総延伸倍率は、配向性、偏光フィルムの加工性あるいは延伸切断可能性などを考慮して適正範囲に調節され得る。上述したように、前記延伸倍率の制御を通じて収縮力の制御が可能である。
【0088】
偏光フィルムの製造工程では、前記染色、架橋及び延伸に追加で前記工程を行う前に膨潤工程を行ってもよい。膨潤によりPVA系フィルム表面の汚染やブロッキング防止剤を洗浄することができ、また、それによって染色偏差などの不均一を減らすことができる効果もある。
【0089】
膨潤工程では、通常的に、水、蒸溜水又は純水などが用いられ得る。当該処理液の主成分は、水であり、必要に応じて、ヨウ化カリウムなどのヨウ化物又は界面活性剤などのような添加物や、アルコールなどが少量含まれていてもよい。
【0090】
膨潤過程での処理温度は、通常的に、20℃~45℃又は20℃~40℃程度であるが、これに制限されない。膨潤偏差は、染色偏差を誘発することができるので、このような膨潤偏差の発生ができるだけ抑制されるように工程変数が調節され得る。必要に応じて、膨潤工程でも適切な延伸が行われ得る。延伸倍率は、PVA系フィルムの本来の長さを基準で6.5倍以下、1.2~6.5倍、2倍~4倍又は2倍~3倍程度であってもよい。膨潤過程での延伸は、膨潤工程後に行われる延伸工程での延伸を小さく制御することができ、フィルムの延伸破断が発生しないように制御することができる。
【0091】
偏光フィルムの製造過程では、金属イオン処理が行われ得る。このような処理は、例えば、金属塩を含有する水溶液にPVA系フィルムを浸漬することで行う。これを通じて、偏光子内に金属イオンを含有させることができるが、この過程で金属イオンの種類あるいは割合を調節してもPVA系偏光フィルムの色調の調節が可能である。適用できる金属イオンとしては、コバルト、ニッケル、亜鉛、クロム、アルミニウム、銅、マンガン又は鉄などの転移金属の金属イオンが例示され得、このうち適切な種類の選択により色調の調節が可能である。
【0092】
偏光フィルムの製造過程では、染色、架橋及び延伸後に洗浄工程が進行され得る。このような洗浄工程は、ヨウ化カリウムなどのヨウ化物溶液により行われ得、水を用いて行ってもよい。
【0093】
このような水による洗浄とヨウ化物溶液による洗浄は、組み合わされてもよく、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール又はプロパノールなどの液体アルコールを配合した溶液が用いられてもよい。
【0094】
このような工程を経た後に乾燥工程を行って偏光フィルムを製造することができる。乾燥工程では、例えば、偏光フィルムに要求される水分率などを考慮して適切な温度で適切な時間の間行われ得、このような条件は特に制限されない。
【0095】
本出願で適用する偏光フィルムの厚さは、通常、約5μm~25μmの範囲内であってもよい。前記厚さは、他の例示で、約24μm以下、23μm以下、22μm以下、21μm以下、20μm以下、19μm以下、18μm以下又は17μm以下であってもよく、約6μm以上、7μm以上、8μm以上、9μm以上、10μm以上、11μm以上、12μm以上、13μm以上、14μm以上、15μm以上又は16μm以上程度であってもよい。
【0096】
前記偏光フィルムは、面内の一つの方向での収縮力が約0.1N~15Nの範囲内であってもよい。前記面内の一つの方向は、例えば、上述した光吸収軸が形成された方向であってもよい。前記収縮力は、14.5N以下、14N以下、13.5N以下、13N以下、12.5N以下、12N以下、11.5N以下、11N以下、10.5N以下、10N以下、10N以下、9.5N以下又は9N以下であってもよく、又は0.5N以上、1N以上、2N以上、3N以上、4N以上、5N以上、6N以上又は7N以上であってもよい。
【0097】
上記のような収縮力の偏光フィルムは、入手可能な偏光フィルムのうち前記収縮力を有する偏光フィルムを選択するか、あるいは上述したように製造過程で延伸条件などの工程条件を制御して適用することができる。通常的に、PVA偏光フィルムは、光吸収軸方向に上記言及した範囲の収縮力を示すことができる。
【0098】
本出願の偏光板は、粘着剤層を含むことができ、このような粘着剤層は、LCDやOLED などのディスプレイ装置に前記偏光板を付着するために存在することができる。前記粘着剤層を形成する粘着剤は、特に制限されず、例えば、アクリル系重合体、シリコン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテル又はフッ素系やゴム系などのポリマーをベースポリマーにするものを適切に選択して用いることができる。上述したように前記粘着剤層の露出面に対しては、実用に提供する時までの間にその汚染防止などを目的で離型フィルムが臨時付着されてカバーされ得る。
【0099】
粘着剤層の厚さは、通常、5μm~100μmの範囲内であってもよい。前記厚さは、他の例示で、約10μm以上、15μm以上又は20μm以上であるか、約90μm以下、80μm以下、70μm以下、60μm以下、50μm以下、40μm以下又は30μm以下であってもよい。
【0100】
本出願の偏光板は、上述した要素外にも全体厚さが目的範囲内である限り、必要な他の構成を含むことができる。
【0101】
例えば、前記偏光板は、前記保護フィルムと偏光フィルムの間に接着剤層をさらに含むことができる。このような接着剤層は、前記偏光フィルムに前記保護フィルムを付着させる用途で用いられ得る。
【0102】
接着剤としては、例えば、従来の偏光板で偏光フィルムと保護フィルムを付着することに用いた接着剤層を用いることができる。
【0103】
接着剤層は、例えば、ポリビニルアルコール系接着剤;アクリル系接着剤;酢酸ビニル系接着剤;ウレタン系接着剤;ポリエステル系接着剤;ポリオレフィン系接着剤;ポリビニルアルキルエーテル系接着剤;ゴム系接着剤;塩化ビニル-酢酸ビニル系接着剤;スチレン-ブタジエン-スチレン(SBS)接着剤;スチレン-ブタジエン-スチレンの水素添加物(SEBS)系接着剤;エチレン系接着剤;及びアクリル酸エステル系接着剤などの1種又は2種以上を含むことができる。上記のような接着剤は、例えば、水系、溶剤系又は無溶剤系接着剤組成物を用いて形成することができる。また、前記接着剤組成物は、熱硬化型、常温硬化型、湿気硬化型、活性エネルギー線硬化型又は混成硬化型接着剤組成物であってもよい。
【0104】
偏光フィルムに接着剤層を形成する方法は、特に制限されず、例えば、接着剤組成物を偏光フィルムに塗布して硬化させる方式又は液滴方式などを用いることができる。
【0105】
このような接着剤層の厚さは、例えば、約1μm~5μm又は約2μm~4μmの範囲内であってもよい。
【0106】
追加構成として偏光板は、前記偏光フィルムと粘着剤層の間に硬化樹脂層又は保護フィルムをさらに含むことができる。上記で硬化樹脂層は、通常、ハードコーティング層とも呼ばれ、一般的に、偏光板でいずれか一つの保護フィルムを省略する代りに適用されている。本出願で適用され得る前記硬化樹脂層の種類は、特に制限されず、前記薄い偏光板を提供するために用いられている多様な種類の硬化樹脂層が全て適用され得る。通常、このような硬化樹脂層は、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、ウレタン樹脂及び/又はアクリル樹脂などを含むことができ、このような樹脂層は、多様に公知されている。このような硬化樹脂層の厚さは、例えば、約4μm~10μm又は約4.5μm~10μmの範囲内であってもよい。
【0107】
偏光フィルムと粘着剤層の間に保護フィルムが存在する場合に、該当保護フィルムとしては、公知の保護フィルムが用いられ得る。通常、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性又は等方性などに優れた熱可塑性樹脂フィルムが用いられる。このような樹脂の例としては、TAC(triacetyl cellulose)などのセルロース樹脂、PET(poly(ethylene terephthalate))などのポリエステル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、(メト)アクリル系樹脂、ノルボルネン樹脂などの環型ポリオレフィン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂又は上記の混合物などが例示され得る。保護フィルムの厚さは、上述した保護フィルムの厚さ範囲内であってもよい。
【0108】
前記偏光フィルムと粘着剤層の間には、前記硬化樹脂層や保護フィルムのうち適切な構成が存在することができるが、目的とする収縮力特性などの確保側面では、前記硬化樹脂層が存在することが有利である。すなわち、硬化樹脂層は、通常、樹脂を硬化させて形成された薄い厚さの層であるので、収縮力や引張特性などの物性が保護フィルムに比べて微々として全体的な偏光板の特性に影響を及ぼす程度が小さいため、上記言及した保護フィルムと偏光フィルムの関係により形成された収縮力特性に大きい影響を与えない。
【0109】
また、本出願の偏光板は、公知の他の構成、例えば、反射防止層、防眩層、位相差板、光視野角補償フィルム及び/又は輝度向上フィルムからなる群より選択された一つ以上の機能性層をさらに含んでいてもよい。
【0110】
また、本出願は、ディスプレイ装置に関するもので、例えば、LCDやOLEDに関する。前記LCDやOLEDなどのディスプレイ装置は、本出願の前記偏光板を含むことができる。前記ディスプレイ装置は、例えば、LCDパネルやOLEDパネルなどのディスプレイパネルと前記ディスプレイパネルに付着された本出願の前記偏光板を含むことができる。
【0111】
本出願のディスプレイ装置に適用され得る前記ディスプレイパネルの種類やそのパネルに付着される偏光板の位置などは特に制限されない。すなわち、前記本出願の偏光板が適用される限り多様な公知の方式で前記ディスプレイパネルは具現され得る。
【0112】
通常、OLEDなどのディスプレイ装置は、反射防止などのために1枚の偏光板を含み、LCDなどのディスプレイ装置は、ディスプレイパネル(液晶パネル)の両面に2枚の偏光板を含む。このように2枚の偏光板が含まれる場合には、上記言及したバンディング及びツイスティングの防止のために前記2枚の偏光板の関係が調節され得る。
【0113】
例えば、本出願の一つの例示で、前記ディスプレイ装置は、前記ディスプレイパネル(例えば、液晶パネル)及び前記ディスプレイパネルの両面に付着されている第1及び第2偏光板を含み、前記第1及び第2偏光板は、それぞれ上述した面内一つの方向に光吸収軸が形成されている偏光フィルム;前記偏光フィルムの一面に形成された保護フィルム及び前記偏光フィルムの他の面に形成されて前記偏光板を前記ディスプレイパネルに付着させている粘着剤層を含む偏光板でありつつ、下記数式1及び2を満足することができる。
【0114】
[数式1]
-20<16×(CM-TT)<+30
【0115】
[数式2]
-10<9×(TM-CT)<+30
【0116】
数式1及び2で、CMは、第1偏光板の前記偏光板の光吸収軸方向と平行な方向の収縮力であり、CTは、第1偏光板の前記偏光板の光吸収軸方向と垂直な方向の収縮力であり、TMは、第2偏光板の前記偏光板の光吸収軸方向と平行な方向の収縮力であり、TTは、第2偏光板の前記偏光板の光吸収軸方向と垂直な方向の収縮力である。
【0117】
前記数式1で、16×(CM-TT)は、他の例示で、-19以上、-18以上、-17以上、-16以上、-15以上、-14以上、-13以上、-12以上、-11以上、-10以上、-9以上、-8以上、-7以上、-6以上又は-5.5以上であるか、29以下、28以下、27以下、26以下、25以下、24以下、23以下、22以下、21以下、20以下、19以下、18以下、17以下、16以下、15以下、14以下、13以下、12以下、11以下、10以下、9以下又は8.5以下程度であってもよい。
【0118】
前記数式2で、9×(TM-CT)は、他の例示で、-9以上、-8以上、-7以上、-6以上、-5以上、-4以上又は-3以上であるか、29以下、28以下、27以下、26以下、25以下、24以下、23以下、22以下、21以下、20以下、19以下、18以下、17以下、16以下、15以下、14以下、13以下、12以下、11以下、10以下、9以下、8以下、7以下、6以下又は5以下程度であってもよい。
【0119】
他の例示で、前記ディスプレイ装置は、前記ディスプレイパネル(例えば、液晶パネル)及び前記ディスプレイパネルの両面に付着されている第1及び第2偏光板を含み、前記第1及び第2偏光板は、それぞれ上述した面内一つの方向に光吸収軸が形成されている偏光フィルム;前記偏光フィルムの一面に形成された保護フィルム及び前記偏光フィルムの他の面に形成されて前記偏光板を前記ディスプレイパネルに付着させている粘着剤層を含む偏光板でありつつ、下記数式3及び4を満足することができる。
【0120】
[数式3]
-10<4×(CM-TT)<+10
【0121】
[数式4]
-5<3×(TM-CT)<+8
【0122】
数式3及び4で、CMは、第1偏光板の前記偏光板の光吸収軸方向と平行な方向の収縮力であり、CTは、第1偏光板の前記偏光板の光吸収軸方向と垂直な方向の収縮力であり、TMは、第2偏光板の前記偏光板の光吸収軸方向と平行な方向の収縮力であり、TTは、第2偏光板の前記偏光板の光吸収軸方向と垂直な方向の収縮力である。
【0123】
前記数式3で、4×(CM-TT)は、他の例示で、約-9以上、-8以上、-7以上、-6以上、-5以上、-4以上、-3以上、-2以上又は-1.5以上であるか、9以下、8以下、7以下、6以下、5以下、4以下、3以下又は2.5以下程度であってもよい。
【0124】
前記数式4で、3×(TM-CT)は、他の例示で、約-4以上、-3以上、-2以上、-1.5以上又は-1以上であるか、7以下、6以下、5以下、4以下、3以下又は2.5以下又は2以下程度であってもよい。
【0125】
ディスプレイパネルの両側に形成される第1及び第2偏光板が前記数式1~4のうち2個以上を満足させることで、バンディング及びツイスティングなどの問題をより効果的に防止することができる。
【0126】
一つの例示で、前記第1偏光板は、視認側偏光板であって、第1及び第2偏光板のうちディスプレイ画面を観察する観察者に一層近い偏光板であってもよい。例えば、前記ディスプレイ装置がLCD装置である場合に、前記第1及び第2偏光板のうち第1偏光板は、バックライトに第2偏光板に比べて一層遠く配置された偏光板であり、第2偏光板は、バックライトにより近く配置された偏光板であってもよい。
【0127】
前記ディスプレイ装置は、LCD装置であってもよく、このような場合に、前記ディスプレイパネルは、液晶パネルであってもよい。
【0128】
また、上記で数式1及び2を満足する場合は、上述した内容のうち偏光フィルム、偏光板又は前記ディスプレイパネルの幅(W)と長さ(L)の割合(W/L)が1.6~2の範囲内である場合に一層効果的である。したがって、前記偏光フィルム、偏光板又は前記ディスプレイパネルは、正四角形又は直四角形のような四角形であり、前記割合(W/L)は、他の例示で、約1.65以上、約1.7以上又は約1.75以上であるか、約1.95以下、約1.9以下、約1.85以下又は約1.8以下であってもよい。
【0129】
また、前記数式3及び4を満足する場合は、上述した内容のうち偏光フィルム、偏光板又は前記ディスプレイパネルの幅(W)と長さ(L)の割合(W/L)が1~1.6の範囲内である場合に一層効果的である。したがって、前記偏光フィルム、偏光板又は前記ディスプレイパネルは、正四角形又は直四角形のような四角形であり、前記割合(W/L)は、他の例示で、約1.05以上、約1.1以上、約1.15以上、約1.2以上、約1.25以上又は約1.3以上であるか、約1.55以下、約1.5以下、約1.45以下、約1.4以下又は約1.35以下であってもよい。
【0130】
前記ディスプレイ装置の構成は、本出願の偏光板を前記数式1及び2又は数式3及び4を満足するように導入すること以外は、公知の構成及び方式で行うことができる。
【0131】
一方、上記言及された第1及び第2偏光板は、ディスプレイパネルの両側で互いの光吸収軸が互いに垂直するように配置され得る。
【0132】
このような場合に、前記第1及び2偏光板は、それぞれ上述した偏光フィルム又は偏光板の一辺と前記偏光フィルムの光吸収軸が成す角度のうち小さい角度が0度~10度の範囲内又は80度~100度の範囲内にあるものであるか、あるいは前記偏光フィルム又は偏光板の一辺と前記偏光フィルムの光吸収軸が成す角度のうち小さい角度が35度~55度の範囲内又は125度~145度の範囲内にある偏光板であってもよい。
【発明の効果】
【0133】
本出願は、光学的及び機械的耐久性に優れ、ディスプレイ装置に適用されたときにバンディング(bending)やツイスティング(twisting)を誘発しない偏光板を提供することができる。本出願では、薄い厚さで形成されるか、厚さが薄いディスプレイ装置に適用される場合にも前記効果を示す偏光板の提供が可能である。本出願では、偏光板のサイズや光吸収軸の形成方向とは関係なく前記効果を示す偏光板の提供が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0134】
【発明を実施するための形態】
【0135】
以下、実施例及び比較例を通じて本出願を具体的に説明するが、本出願の範囲が下記実施例によって制限されるものではない。
【0136】
本明細書で言及する用語「MD」は、特に異に規定しない限り、延伸フィルムのMachine Directionを意味し、「TD」は、特に異に規定しない限り、延伸フィルムのTransverse directionを意味する。
【0137】
[1.収縮力の測定]
本明細書で言及する偏光フィルム、保護フィルム、光学フィルム又は偏光板の収縮力は、TA社のDMA装備を用いて下記方式で測定した。試片は、幅が約5.3mmであり、長さが約15mmになるように製作し、前記試片の長手方向の両末端を測定装備のクランプに固定した後に収縮力を測定した。上記で試片の長さ15mmは、クランプに固定される部位を除いた長さである。上記のように試片をクランプに固定した後、preload 0Nの状態でstrain 0.1%が維持されるように試料を引いて固定した後、下記温度条件の高温でstrain 0.1%が維持されるときにかかる収縮力を測定した。収縮力の結果は、下記温度条件の80℃安定化後に120分が経た後の値を測定した。前記収縮力は、約48%程度に維持された相対湿度で測定した。
【0138】
<測定温度条件及び時間>
温度:25℃ start→3分後75℃→7分後80℃安定化(Acceleration条件はなし)
測定時間:120分
【0139】
<製造例1.PVA系偏光フィルム(A)の製作>
厚さが約45μm程度であるPVA(poly(vinyl alcohol))フィルム(日本合成社、重合度約3,000内外)を約20℃~30℃の範囲の温度の純水溶液で膨潤(swelling)させた後、30℃~40℃程度の温度のヨウ素溶液で約10秒~30秒程度染色工程を進行した。その後、約40℃程度の温度のホウ酸溶液(濃度:約2重量%)で約20秒間洗浄工程を行った後、50℃~60℃及び約4.0重量%濃度のホウ酸溶液内で約6倍延伸し、延伸後に約2~4重量%の濃度のKI溶液で補色工程を行い、乾燥させて厚さが約17μm程度である偏光フィルムを製作した。上記製作されたPVA系偏光フィルムの光吸収軸方向の収縮力(以下、MD収縮力)を測定した結果、約7~9N程度であった。
【0140】
<製造例2>
[保護フィルムの熱処理]
保護フィルムとしては、Toyobo社のPET(Polyethylene terephthalate)フィルム(製品名:SRF、厚さ:80μm、ガラス転移温度:81℃)を用いた。
【0141】
前記フィルムのTD方向の収縮力は、6~8N程度であり、MD方向の収縮力は、0.1~0.5N程度であった。前記PETフィルムを下記表1に示した条件で熱処理して保護フィルムで適用した。熱処理後の収縮率と引張特性は、下記表1及び2に整理されている。下記表1及び2で、MD及びTDは、それぞれ延伸フィルムである前記PETフィルムのMD(Machine Direction)及びTD(Transverse direction)方向であり、45は、前記MD及びTD方向の両方と45度を成す方向である。
【0142】
[偏光板(A)の製作]
偏光板を次の方式で製作した。まず、製造例1で製造されたPVA偏光フィルムの一面にエポキシ系紫外線硬化型接着剤(厚さ:2μm~3μm)を用いて前記PETフィルムを付着した。前記付着時には、PETフィルムのTD方向とPVA偏光フィルムのMD方向(光吸収軸方向)がおおよそ垂直になるように付着した。その後、前記PVA偏光フィルムのPETフィルムが付着されない面にエポキシ系ハードコーティング層を約5~7μm程度の厚さで形成した。その後、ハードコーティング層の下部に約25μm程度の厚さのアクリル系粘着剤層を形成して偏光板を製作した。前記偏光板のMD及びTD方向の収縮力は、下記表3に整理して記載した。上記でMD方向は、光吸収軸方向である。偏光板は、四角形態であり、前記四角形態の偏光板の長辺と前記偏光フィルムの光吸収軸が成す角度を約0度又は90度になるように裁断して後述するディスプレイ装置の構成時に用いた。
【0143】
<製造例3~7>
保護フィルムの熱処理条件を下記表1のように変更して、下記表1に示した物性で保護フィルムを適用したこと以外は、製造例2と同一に製造例3~7の偏光板を製作した。前記製造例の偏光板の物性は、下記表2に整理して記載した。
【0144】
【0145】
【0146】
<実施例1>
LCD(Liquid Crystal Display)パネル(幅(W):1219mm、長さ(L):690mm)に製造例で適用された偏光板を上部偏光板(視認側偏光板)及び下部偏光板(バックライト側偏光板)で適用してディスプレイ装置を製造した。上記で偏光板は、前記パネルのサイズと同一なサイズで裁断して用い、付着は、偏光板に形成された粘着剤層で行った。上部及び下部偏光板としては、全て製造例3の偏光板(B)を適用し、両偏光板の光吸収軸が互いに垂直になるように付着してディスプレイ装置を製造した。
【0147】
<実施例2~6及び比較例1~9>
上部及び下部偏光板で下記表3に示したものを適用したこと以外は、実施例1と同一にディスプレイ装置を製作した。
【0148】
【0149】
<試験例1>
実施例又は比較例で製作されたディスプレイ装置の平面図(初期平面図)を測定した。その後、前記ディスプレイ装置を60℃の温度のチャンバ内に72時間の間投入した後に取り出して2時間経過時点と24時間経過時点における平面図を測定して、下記表4に整理した。上記で用語「平面図」は、ディスプレイパネルで上部偏光板側に最も多く曲げた部分と下部偏光板側に最も多く曲げた部分の差であり、このような平面図は、公知の3次元測定機((株)徳仁)を用いて確認することができる。
【0150】
【0151】
<実施例7>
LCD(Liquid Crystal Display)パネル(幅(W):813mm、長さ(L):610mm)に製造例で適用された偏光板を上部偏光板(視認側偏光板)及び下部偏光板(バックライト側偏光板)で適用してディスプレイ装置を製造した。上記で偏光板は、前記パネルのサイズと同一なサイズで裁断して用い、付着は、偏光板に形成された粘着剤層で行った。上部及び下部偏光板としては、全て製造例3の偏光板(B)を適用し、両偏光板の光吸収軸が互いに垂直になるように付着してディスプレイ装置を製造した。
【0152】
<実施例8~12及び比較例10~18>
上部及び下部偏光板で下記表5に示したものを適用したこと以外は、実施例7と同一にディスプレイ装置を製作した。
【0153】
【0154】
<試験例2>
実施例又は比較例で製作されたディスプレイ装置の平面図(初期平面図)を測定した。その後、前記ディスプレイ装置を60℃の温度のチャンバ内に72時間の間投入した後に取り出して2時間経過時点と24時間経過時点における平面図を測定して、下記表6に整理した。上記で平面図の測定方法は、試験例1の場合と同一である。
【0155】
【表6】
(付記)
(付記1)
面内一つの方向に光吸収軸が形成されている偏光フィルム;前記偏光フィルムの一面に形成された保護フィルム及び前記偏光フィルムの他の面に形成された粘着剤層を含み、
前記光吸収軸方向の収縮力(S
P
)と前記光吸収軸方向と垂直な方向の収縮力(S
V
)の割合(S
P
/S
V
)が0.9~1.5の範囲内にある、偏光板。
(付記2)
四角形態であり、幅(W)と長さ(L)の割合(W/L)が1.6~2の範囲内である、付記1に記載の偏光板。
(付記3)
四角形態であり、幅(W)と長さ(L)の割合(W/L)が1~1.6の範囲内である、付記1に記載の偏光板。
(付記4)
偏光フィルムの一辺と前記偏光フィルムの光吸収軸が成す角度のうち小さい角度が0度~10度の範囲内又は80度~100度の範囲内にある、付記1に記載の偏光板。
(付記5)
偏光フィルムの一辺と前記偏光フィルムの光吸収軸が成す角度のうち小さい角度が35度~55度の範囲内又は125度~145度の範囲内にある、付記1に記載の偏光板。
(付記6)
光吸収軸と平行な方向での収縮力が6.5N~15Nの範囲内である、付記1に記載の偏光板。
(付記7)
光吸収軸と垂直な方向での収縮力が6.0N~15Nの範囲内である、付記1に記載の偏光板。
(付記8)
光吸収軸と平行な方向での偏光フィルムの収縮力が0.1~15Nの範囲内である、付記1に記載の偏光板。
(付記9)
光吸収軸と垂直な方向での保護フィルムの収縮力が5N~10Nの範囲内である、付記1に記載の偏光板。
(付記10)
光吸収軸と平行な方向での保護フィルムの収縮力が0.05N~4Nの範囲内である、付記1に記載の偏光板。
(付記11)
光吸収軸と垂直な方向での保護フィルムの収縮力(Sv)と前記光吸収軸と平行な方向での保護フィルムの収縮力(Sp)の割合(Sv/Sp)が15~45の範囲内である、付記1に記載の偏光板。
(付記12)
光吸収軸と平行な方向での偏光フィルムの収縮力(S
PVA
)と前記光吸収軸と垂直な方向での保護フィルムの収縮力(S
Pro
)の割合(S
Pro
/S
PVA
)が0.1~5の範囲内である、付記1に記載の偏光板。
(付記13)
全体厚さが200μm以下である、付記1に記載の偏光板。
(付記14)
偏光フィルムの厚さが5μm~25μmの範囲内である、付記1に記載の偏光板。
(付記15)
保護フィルムの厚さが20μm~250μmの範囲内である、付記1に記載の偏光板。
(付記16)
粘着剤層の厚さが5μm~100μmの範囲内である、付記1に記載の偏光板。
(付記17)
ディスプレイパネル;及び前記ディスプレイパネルの両面に付着されている第1及び第2偏光板を含み、
前記第1及び第2偏光板は、それぞれ面内一つの方向に光吸収軸が形成されている偏光フィルム;前記偏光フィルムの一面に形成された保護フィルム及び前記偏光フィルムの他の面に形成されて前記偏光板を前記ディスプレイパネルに付着させている粘着剤層を含み、
前記第1及び第2偏光板は、それぞれ四角形態であり、幅(W)と長さ(L)の割合(W/L)が1.6~2の範囲内であり、
下記数式1及び2を満足する、ディスプレイ装置。
[数式1]
-20<16×(CM-TT)<+30
[数式2]
-10<9×(TM-CT)<+30
数式1及び2で、CMは、第1偏光板の前記偏光板の光吸収軸方向と平行な方向の収縮力であり、CTは、第1偏光板の前記偏光板の光吸収軸方向と垂直な方向の収縮力であり、TMは、第2偏光板の前記偏光板の光吸収軸方向と平行な方向の収縮力であり、TTは、第2偏光板の前記偏光板の光吸収軸方向と垂直な方向の収縮力である。
(付記18)
ディスプレイパネル;及び前記ディスプレイパネルの両面に付着されている第1及び第2偏光板を含み、
前記第1及び第2偏光板は、それぞれ面内一つの方向に光吸収軸が形成されている偏光フィルム;前記偏光フィルムの一面に形成された保護フィルム及び前記偏光フィルムの他の面に形成されて前記偏光板を前記ディスプレイパネルに付着させている粘着剤層を含み、
前記第1及び第2偏光板は、それぞれ四角形態であり、幅(W)と長さ(L)の割合(W/L)が1~1.6の範囲内であり、
下記数式3及び4を満足する、ディスプレイ装置。
[数式3]
-10<4×(CM-TT)<+10
[数式4]
-5<3×(TM-CT)<+8
数式3及び4で、CMは、第1偏光板の前記偏光板の光吸収軸方向と平行な方向の収縮
力であり、CTは、第1偏光板の前記偏光板の光吸収軸方向と垂直な方向の収縮力であり、TMは、第2偏光板の前記偏光板の光吸収軸方向と平行な方向の収縮力であり、TTは、第2偏光板の前記偏光板の光吸収軸方向と垂直な方向の収縮力である。
(付記19)
第1及び第2偏光板の偏光フィルムの一辺と前記偏光フィルムの光吸収軸が成す角度のうち小さい角度が0度~10度の範囲内又は80度~100度の範囲内にある、付記17又は付記18に記載のディスプレイ装置。
(付記20)
第1及び第2偏光板の偏光フィルムの一辺と前記偏光フィルムの光吸収軸が成す角度のうち小さい角度が35度~55度の範囲内又は125度~145度の範囲内にある、付記17又は付記18に記載のディスプレイ装置。
【符号の説明】
【0156】
11 保護フィルム
12 偏光フィルム
13 粘着剤層