(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】視認性の高い車両ライト通信システムの制御
(51)【国際特許分類】
B60Q 1/52 20060101AFI20240702BHJP
【FI】
B60Q1/52
(21)【出願番号】P 2021555608
(86)(22)【出願日】2020-03-16
(86)【国際出願番号】 US2020023014
(87)【国際公開番号】W WO2020190889
(87)【国際公開日】2020-09-24
【審査請求日】2023-01-05
(32)【優先日】2019-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519084250
【氏名又は名称】イーエスエス-ヘルプ,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100173565
【氏名又は名称】末松 亮太
(74)【代理人】
【識別番号】100195408
【氏名又は名称】武藤 陽子
(72)【発明者】
【氏名】コブ,ジョン・ザカリア
(72)【発明者】
【氏名】タッカー,ダニエル・アンソニー
(72)【発明者】
【氏名】タッカー,デヴィッド・エム
(72)【発明者】
【氏名】パワーズ,スティーヴン・ティー
(72)【発明者】
【氏名】タッカー,オースティン・リース
(72)【発明者】
【氏名】ワグナー,ケネス・イー
(72)【発明者】
【氏名】インコルバイア,マイク
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-536569(JP,A)
【文献】国際公開第2016/027312(WO,A1)
【文献】特開2016-222171(JP,A)
【文献】国際公開第2018/063253(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 1/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の左側および乗車側に対応する車両ライトのセットの動作を制御するマイクロコントローラと、
前記車両に付随し、前記車両が走行していた車道
の左側または右側のどちらに前記車両がより近いかを示すデータを、前記マイクロコントローラに供給するよう構成される、複数のセンサと
を備えるシステムであって、
前記マイクロコントローラが、前記車両に付随するライトをストロボ発光させることを求める要求を受信すると、前記車両が前記車道の右側の第1の所定の距離内にある場合、前記車両ライトのセットを右から左にストロボ発光させ、
前記マイクロコントローラが、前記車両に付随するライトをストロボ発光させることを求める要求を受信すると、前記車両が前記車道の左側の第2の所定の距離内にある場合、前記車両ライトのセットを左から右にストロボ発光させる、システム。
【請求項2】
前記マイクロコントローラが、前記車両に付随するライトをストロボ発光させることを求める要求を受信すると、前記車両が前記車道の前記右側または前記左側の第3の所定の距離の外側にある場合、前記車両ライトのセットを方向性のない態様でストロボ発光させる、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記複数のセンサがGPSセンサを含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記複数のセンサがカメラを含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記マイクロコントローラと通信し、前記車両が前記車道上で誤った方向を向いているかどうかを示すセンサをさらに備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
前記マイクロコントローラと通信し、前記車両が前記車道上で誤った方向を向いているかどうかを示す前記センサが、加速度計を含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記マイクロコントローラと通信し、前記車両が前記車道上で誤った方向を向いているかどうかを示す前記センサが、コンパスを含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記マイクロコントローラと通信し、前記車両が前記車道上で誤った方向を向いているかどうかを示す前記センサが、カメラを含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項9】
前記マイクロコントローラと通信し、前記車両が前記車道上で誤った方向を向いているかどうかを示す前記センサが、レーダを含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項10】
車両の左側および乗車側に対応する車両ライトのセットの動作を制御するマイクロコントローラと、
前記車両に付随し、前記車両の動作状態を示すデータを前記マイクロコントローラに供給するよう構成される、複数のセンサと
を備えるシステムであって、
前記マイクロコントローラが、前記車両に付随するライトをストロボ発光させることを求める要求を受信すると、前記要求がエラーまたはニューサンスに関連した要求であるか否かを判断し、
前記マイクロコントローラが、
前記エラーまたはニューサンスに関連した要求でないと判断し、前記複数のセンサからのデータに基づいて前記車両が遭難状態にあると判断したときに、前記ライトをストロボ発光させる、システム。
【請求項11】
前記マイクロコントローラが、前記車両に付随するライトをストロボ発光させることを求める要求を受信するが、前記車両が、前記複数のセンサからのデータに基づいて、非遭難状態であるときに、前記車両に付随する前記ライトを点滅させる、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記遭難状態が、エアバッグの展開によって示される、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記遭難状態が、ABSの展開によって示される、請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
前記遭難状態が、転倒事故によって示される、請求項10に記載のシステム。
【請求項15】
前記遭難状態が、駆動力制御システムの起動によって示される、請求項10に記載のシステム。
【請求項16】
前記マイクロコントローラが、前記複数のセンサからのデータに基づいて、前記車両が所定の時間枠内に前記遭難状態にあったと判断したときに、前記ライトをストロボ発光させる、請求項10に記載のシステム。
【請求項17】
クルーズ制御の起動が、前記非遭難状態であることを示す、請求項11に記載のシステム。
【請求項18】
所定の限度を超える車両速度が、前記非遭難状態であることを示す、請求項11に記載のシステム。
【請求項19】
非緊急番号への電話が、前記非遭難状態であることを示す、請求項11に記載のシステム。
【請求項20】
エンターテインメントシステム
の音量が
特定の音量を超えている場合、前記非遭難状態であることを示す、請求項11に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、2019年3月15日に出願された米国仮特許出願第62/819,272号、名称「CONTROL OF HIGH VISIBILITY VEHICLE LIGHT COMMUNICATION SYSTEMS(視認性の高い車両ライト通信システムの制御)」、および2019年3月28日に出願された米国仮特許出願第62/825,537号、名称「DIRECTIONAL CONTROL OF HIGH VISIBILITY VEHICLE LIGHT COMMUNICATION SYSTEMS(視認性の高い車両ライト通信システムの方向制御)」の利益を主張し、この時点で完全に記載されているかのように、かかる仮特許出願を参照によりこの開示に組み込んでいる。
【0002】
この開示は、概ね、自動車、RV、トレーラ、オートバイ、および車両用の、緊急またはハザードライト、より詳細には、安全性および視認性を高めるために、ストロボ発光して視覚的な方向を示す緊急またはハザードライトに関する。さらにより詳細には、この開示は、改善された車両緊急およびハザード点灯システムを、便利かつ安全に展開するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
非緊急車両(たとえば、乗用車)では、標準の緊急またはハザード点滅器ライトは、非緊急照明(たとえば、前照灯、昼間走行灯、信号灯など)と比較して、あまり視覚的な区別がつかない。Tucker等の米国特許第9481331号明細書で説明されているものなど、視認性の高いストロボ発光システムを含む解決策が、本発明の属する技術分野で提供されている。
【0004】
場合によっては、かかる装備がなされた車両のユーザは、不注意に視認性の高い緊急ストロボを展開する可能性があるか、または条件が妥当でないときに視認性の高いストロボを展開する可能性がある。視認性の高いストロボを使いすぎることには、時間の経過と共に運転する人の感度を鈍くする作用があり得る。短期間では、真の緊急事態が存在しない場合、視認性の高いストロボの展開が、気が散っていることを示している場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
必要なものは、上記および関連する問題に対処するシステムおよび方法である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の発明は、本発明の一態様において、車両の左側および乗車側に対応する車両ライトのセットの動作を制御するマイクロコントローラと、車両に付随し、車両が走行していた車道の左側または右側のどちらに車両がより近いかを示すデータを、マイクロコントローラに供給するよう構成される、複数のセンサとを備える、システムを備える。マイクロコントローラが、車両に付随するライトをストロボ発光させることを求める要求を受信すると、車両が車道の右側の第1の所定の距離内にある場合、車両ライトのセットを右から左にストロボ発光させる。マイクロコントローラが、車両に付随するライトをストロボ発光させることを求める要求を受信すると、車両が車道の左側の第2の所定の距離内にある場合、車両ライトのセットを左から右にストロボ発光させる。
【0007】
いくつかの実施形態では、マイクロコントローラが、車両に付随するライトをストロボ発光させることを求める要求を受信すると、車両が車道の右側または左側の第3の所定の距離の外側にある場合、車両ライトのセットを方向性のないやり方でストロボ発光させる。複数のセンサは、GPSセンサおよび/またはカメラを含むことができる。システムは、マイクロコントローラと通信し、車両が車道上で誤った方向を向いているかどうかを示す、センサをさらに備えることができる。マイクロコントローラと通信し、車両が車道上で誤った方向を向いているかどうかを示すセンサは、加速度計、コンパス、カメラ、および/またはレーダを含むことができる。
【0008】
本開示の発明は、本発明の別の態様において、車両の左側および乗車側に対応する車両ライトのセットの動作を制御するマイクロコントローラと、車両に付随し、車両の動作状態を示すデータをマイクロコントローラに供給するよう構成される、複数のセンサとを備える、システムを備える。マイクロコントローラが、車両に付随するライトをストロボ発光させることを求める要求を受信すると、複数のセンサからのデータに基づいて車両が遭難状態(distressed state)にあると判断したときに、ライトをストロボ発光させる。
【0009】
遭難状態は、エアバッグの展開、ABSの展開、転倒事故、および/または駆動力制御システムの起動によって示され得る。いくつかの実施形態では、マイクロコントローラが、複数のセンサからのデータに基づいて、車両が所定の時間枠内に遭難状態にあったと判断したときに、ライトをストロボ発光させる。
【0010】
いくつかの実施形態では、マイクロコントローラが、車両に付随するライトをストロボ発光させることを求める要求を受信するが、車両が、複数のセンサからのデータに基づいて、遭難状態にないときに、車両に付随するライトを点滅させる。遭難状態でないことの指標は、クルーズ制御の起動、所定の限度を超える車両速度、非緊急番号への電話、および/またはエンターテインメントシステムの過度の音量を含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】典型的な車両における信号インジケータおよびハザード点滅器の例示的な配置を示す図である。
【
図2A】例示的な車両計器盤および特定の制御部の例示的な配置を示す図である。
【
図2B】例示的な車両の配線ハーネスおよび点滅リレーを置き換えるストロボモジュールの場所を示す図である。
【
図3】本開示の態様による、車両ハザードライト用ストロボモジュールの構成図である。
【
図4】本開示の態様による、ストロボモジュールの入力/出力図の概略図である。
【
図6A】
図5の一般的な2ピン点滅器システム内に導入されている、本開示の態様によるストロボモジュールの実施形態を示す配線図である。
【
図6B】
図5の一般的な2ピン点滅器システム内に、相異なるやり方で導入されている、本開示の態様によるストロボモジュールの実施形態を示す配線図である。
【
図8】
図7の3ピン点滅器システム内に導入されている、本開示の態様によるストロボモジュールの実施形態を示す配線図である。
【
図10】
図9の4ピン点滅器システム内に導入されている、本開示の態様によるストロボモジュールの実施形態を示す配線図である。
【
図12】
図11の5ピン点滅器システム内に導入されている、本開示の態様によるストロボモジュールの実施形態を示す配線図である。
【
図14】
図13の8ピン点滅器システム内に導入されている、本開示の態様によるストロボモジュールの実施形態を示す配線図である。
【
図15】ボディ制御モジュール(BCM:body control module)によって制御される点滅器システムの配線図である。
【
図16A】
図15のBCM制御点滅器システム内に導入されている、ストロボモジュールの実施形態を示す配線図である。
【
図16B】マイクロコントローラの変更によって、
図15のBCM制御点滅器システム内に導入されている、ストロボモジュールの実施形態を示す配線図である。
【
図17】左から右への信号パターンにおける、経時的な左および右信号灯のオンおよびオフ状態を示すタイミング図である。
【
図18】右から左への信号パターンにおける、経時的な左および右信号灯のオンおよびオフ状態を示すタイミング図である。
【
図19】本開示の態様による、ストロボモジュールを動作させる1つの方法に対応する状態図である。
【
図20】本開示の態様による、ストロボモジュールの構成図である。
【
図21】
図20のストロボモジュールの概略入力/出力図である。
【
図22】本開示のストロボモジュールによって実施されるOR機能の概略図である。
【
図23】5ピン点滅器システム内に導入され、さらにハイセンタマウント停車ランプを制御する、本開示のストロボモジュールの配線図である。
【
図24】5ピン点滅器システム内に導入され、さらにハイセンタマウント停車ランプを制御する、本開示のストロボモジュールのさらなる実施態様のオプションを示す、概略配線図である。
【
図25】5ピン点滅器システム内に導入され、さらにハイセンタマウント停車ランプを制御する、本開示のストロボモジュールのさらなる実施態様のオプションを示す、別の概略配線図である。
【
図26A】ハイセンタマウント停車ランプを制御し、BCM点滅器システムと共に導入されている、本開示のストロボモジュールを示す配線図である。
【
図26B】マイクロコントローラの変更によってBCM制御点滅器システム内に導入された、多機能ライト制御機能を有するストロボモジュールの実施形態を示す配線図である。
【
図27】本開示の態様による、ハザードライトのストロボ発光を可能にするための決定木の一実施形態を示すフローチャートである。
【
図28】本開示の態様による、方向ストロボ発光の展開方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【
図29】本開示の態様による、ストロボ方向を判断するためのデータ入力を示す関係図である。
【
図30】本開示の態様による、BCM、ハザードランプ、およびセンサアレイの関係を示す、簡略化された概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の様々な実施形態では、自動車の既存のまたは置換え用の信号灯および/またはハザードライトによって、改善された視覚的通知の役割を実現するデバイスおよびシステムが実装される。ほとんどの車の信号灯およびハザードライトは、1秒に1回から2回、すなわち1~2Hzの速度で明暗を繰り返す。かかる速度は、車線変更および他の緊急でない状況を信号で知らせるのに十分であると考えられている。しかし、既存の車およびハザードライト点滅器システムは、改善された点滅速度を利用して緊急事態を通知するニーズおよび利点を考慮していない。時速113キロメートル(70マイル)で走行する車両は、2Hzの周期が1回完了する前に、15メートル(50フィート)超を走行するであろう。この距離は、事故と危機一髪との間の差を意味し得る。さらに、操作または停車するための反応時間および能力が考慮される必要がある。ドライバが問題に気づくのがより早いほど、さらに重大な事故を回避する時間を有する可能性が、一層高くなる。
【0013】
本開示において、改善された点滅速度は、知覚可能に変更されるか、または約2Hzの通常の点滅速度の上限から、点滅速度が上昇する点滅サイクルの、少なくとも構成要素を有するものである。かかる点滅速度は、本開示において、点滅または信号の代わりに「ストロボ」と呼ばれ得る。いくつかの実施形態では、ストロボは、3Hz以上のサイクル速度を有する(ただし、典型的な信号灯の速度よりも、速度が知覚できるほど上昇している限り、より遅い速度でも依然として「改善された」または「ストロボ発光する」と見なされ得る)。他の実施形態では、ストロボ速度は4Hz以上であり、最も速い典型的な車両信号灯またはハザードライトの点滅速度の2倍を示す。明るい期間と暗い期間との間の適切な表示およびコントラストを有するライトのストロボがより速いほど、一層注意を引くライトであることが知覚されると考えられている。したがって、別の実施形態では、ストロボ速度は、6Hzであるか、あるいは標準信号灯またはハザードライトから目にすると予想される最速の点滅速度より3倍速い。さらなる実施形態では、ストロボ速度は8Hz以上である。
【0014】
より長い暗期間または非照明期間が間に挟まれるストロボ照明(たとえば、2Hz以上で繰り返される明暗サイクル)を含む、点灯パターンが生成され得ることを理解されたい。本開示において、ストロボという用語は、点滅する光のパターンを包含し、パターンの一部は、上記の定義にしたがってストロボ発光し、またパターンの一部は、暗もしくは非照明、定常状態照明(フル出力または部分的最大出力で)、またはストロボよりも遅い速度で点滅され得る。ストロボという用語が、様々な周波数のストロボ発光する部分を有するパターンを包含することも理解されたい。かかるパターンの非限定的な例では、2Hzで点滅を開始し、時間の経過と共に、繰り返すかまたは別のパターンに移る前に、8Hz以上に上昇する。本開示の様々な実施形態において、信号灯(たとえば、左右の信号)は、通常の1~2Hzに維持され、一方、緊急またはハザード点滅器は、ストロボ発光速度またはストロボ発光パターンで展開されることも理解されたい。さらに、以下で詳細に説明されるように、ハザード点滅器が展開される場合、オプションで、通常のより遅い点滅速度が利用可能であり得る。
【0015】
緊急車両には、長年にわたって、明るく高速周期の点灯システムが装備されてきた。この点灯システムは、従来の白熱光ベースの回路で通常実現可能なものを超える見かけ上の点滅速度を速める、回転反射板などを備える複雑な機構系に基づいている。残念ながら、かかるシステムは、基本的な土台となる車両に特化されたアドオン機器であり、合法的な目的であっても、一般人の利用は通常できないか、または費用対効果が低い。発光ダイオード(LED)に基づくより新しいシステムが利用可能であるが、やはりこれも特化された機器であり、通常は車両がメーカから離れた後に追加され、工場出荷時の車両で利用可能なものとは別個の制御部、回路、および場合によっては電源が必要である。
【0016】
民生用自動車向けの従来の信号灯システム、および従来の信号灯システムに関連するハザード点滅システムは、1~2Hz程度の点滅速度を有する。これは元々、動作するために熱くなり白熱光を発する内部フィラメントに依存する、より古いシステム(通常は6Vまたは12V電球)での白熱電球の使用に、部分的に基づいていた。フィラメントは、電力が十分な時間印加されるまでは、適切な視覚的役割を実現できるほど十分には白熱光を発しない。さらにフィラメントは、電源を切っても、瞬時には白熱光が止まらない。したがって、信号灯またはハザード点滅器が周期をなし得る速度は制限されていた。他の制限は、点滅動作を駆動する元の回路が、約2Hzをはるかに超えて白熱電球を駆動することはできない、アナログ熱スイッチまたは他の電気機械構成要素をベースにしていたという事実に基づいて存在していた。本開示において、信号またはハザードでの指示(熱スイッチをベースにしているかどうかにかかわらず)のための、ライトの周期的な起動を実施する既存の車両回路は、点滅器モジュールもしくはリレー、信号モジュールもしくはリレー、またはウィンカモジュールもしくはリレーと称する。
【0017】
専らアナログ回路をベースとするストロボライトは、以前から利用可能であったが、動作させるためには、数百ボルト程度の電圧を生成する変圧器、コンデンサ、および繊細なガス放電管の配置構成を必要とする。やはり、消費者が、通常の自動車で使用するのに好適なものではない。
【0018】
LED点灯システムは現在、標準機器として多くの車両モデルに広まっている。LEDアップグレードキットは、新旧のモデル車に、同様に使用可能である。しかし、LED点灯システムの動作は、白熱光点灯システムで利用可能であったものと同じように動作し、同じ機能を可能にする(効率および/または強度はより優れているものの)。
【0019】
様々な実施形態において、本開示は、工場標準の自動車用の既存の点灯システムにおいて、ストロボ発光効果を実現することができるシステムおよび方法を提供する。かかるシステムおよび方法は、既存の配線、LEDライト、および制御部(スイッチなど)に依存している。他の実施形態では、本開示のシステムおよび方法は、LEDライトなしで製造されたが、基本的な白熱電球からアップグレードされている車両の、少なくともこれまでストロボ発光効果が求められているライトに適用可能である。かかる実施形態では、既存の配線が使用され得、既存の制御部が利用される。言い換えれば、本開示の実施形態は、車両の信号灯、ブレーキ灯、あるいはドライバまたは車両乗員が利用可能であり、既存のよく知られたハザードライトスイッチまたは他の起動手段を使って操作可能である他の既存のライトのストロボ発光効果を実現する。ストロボ発光効果の自動での展開は、たとえば、エアバッグの展開、ABSの起動、急ブレーキ、横転などに対応する、既存の車両制御部または安全システムから受信される信号に結び付けられ得る。既存の車両システムには存在しない別個の加速度計の使用に基づいて、より古い車両に少なくともいくつかの自動で展開する機能を追加することも可能である。本開示の様々な実施形態は、製造時に工場標準機器として、または専ら工場で導入される制御部、配線、および可能な範囲で既存の電球に依存するアフタマーケット向けシステムとして、導入または実装され得る。
【0020】
ここで
図1を参照すると、様々な信号灯および/またはハザードライトの例示的な配置が、典型的な自動車100上に示されている。自動車、車、および車両という用語は、本明細書では交換可能に使用され、本開示のシステムおよび方法は、これらすべてに等しく適用可能であることを理解されたい。本明細書に提示されるストロボ発光システムに関連して本開示で使用されるランプ、ライト、インジケータ、点滅器、信号、およびウィンカという用語は、車両外部の他のドライバまたは観察者に見えるように、車両または自動車100に適切に配置されたLEDライトを意味すると理解されたい。
図1は、自動車100を側部、前部、および後部の視点から示している。左前部表示灯102、左側部表示灯104、および左後部表示灯106は、自動車100の典型的な場所に見られ得る。同様に、自動車100の右側部に沿って、右前部表示灯108、右側部表示灯110、および右後部表示灯112がある。表示灯の配置は例示するためだけにあり、本開示は、図示されている配置に限定されるものではないことを理解されたい。すべてではないにしても、ほとんどの利用可能な車両では、左前部表示灯102および右前部表示灯108は、概して、自動車100の前部の方にあり、対面車または対向車から見えるであろう。前部表示灯は、概して、自動車100の側部から見える左側部表示灯104および右側部表示灯110の前方にある(車両がそのように装備されている場合)。左側部表示灯104および/または右側部表示灯110は、ミラー上ではなく、自動車100の本体、または別の場所にも取り付けられてもよい。最後に、左後部表示灯106および右後部表示灯112は、概して、自動車100の後ろの車から見えるように、自動車100の後方に取り付けられている。
【0021】
通常は信号灯またはハザード点滅器システムの一部として展開される車両ライトに加えて、車両は、典型的には、他の目的専用のさらなるライトを備えている。たとえば、前照灯113が、標準機器として備えられている。フォグライト114は、標準、オプション、またはアフタマーケット向けであり得る。ブレーキ灯も同様に、標準機器である。一部の車両の後部ブレーキ灯は、既存の信号またはハザード点滅器システムの一部として、2つの目的および機能を果たす。近年の車両は、他のブレーキ灯と共に機能するハイセンタマウント停車ランプ(HCMSL:high center mounted stop lamp)120を備えている。HCMSL120は通常、他のどの車両機能とも共有されない(本明細書で実現されるものを除く)。アフタマーケット向けライトバーまたはライトストリップ122は、ほとんどすべての車両に追加され得る。以下に説明されるように、本開示の特定の実施形態は、標準のまたは工場で導入された車両ライトだけによって動作することが意図されているが、アフタマーケット向けライトまたはアドオンライトも同様に制御され得ることを理解されたい。本開示の中で、アフタマーケット向けライトまたはアドオンライトを、後で補助ライトまたは多目的ライトと呼ばれるものと混同してはいけない。本開示の中の補助および/または多目的ライトは、具体的には、用途が車両によって既に指定されている(たとえば、HCMSL)が、本開示のシステムによって追加的または補足的に、展開または起動され得るライトを示す。
【0022】
上記のように、様々な表示灯、マーカライト、または他の車両ライトは、本開示の様々な実施形態で提示されているように、LEDライトであってもよく、または元々白熱電球であって、効果的なストロボ発光を可能にするためにLEDライトに変更されても(または2種類の混在でも)よい。本開示の様々な実施形態において、ライトの既存の場所、配置、および色は、本開示のシステムのいずれもない、車両が製造されたままの状態に、または製造されたはずであるままの状態に保持される。
【0023】
ここで
図2Aを参照すると、車両計器盤202が示されている。計器盤202は、一般に広く知られている任意の車両計器盤を表すことが意図されている。方向指示器の柄204は、概して、ハンドルの左側に設けられ、信号灯を起動するよう操作される。通常、方向指示器の柄204の下方への移動は左側の信号を示し、方向指示器の柄204の上方への移動は右側の信号を示す。そして、起動すると、適切な信号灯が、ゆっくりと周期的に点滅して照らされる。
【0024】
ハザード点滅器釦206は、車両内部の様々な場所に配置され得る。ここで、ハザード点滅器釦206は、車両計器盤202の中央に図示されているが、ステアリングコラム、車両計器盤202の下、または他の場所に配置されてもよい。
【0025】
本開示の実施形態は、ドライバまたはユーザが、どんな別個の制御も学習または記憶する必要がないように、既存信号灯およびハザードライト制御部(たとえば、方向指示器の柄204およびハザード点滅器釦206)と連動するよう設計されている。以下に説明されるように、本開示のいくつかの実施形態は、様々なストロボまたは点滅ライトの選択が行われることを可能にする。これは、ハザード点滅器釦206を連続して押すことによって行われ得る。別個の手動制御部は不要であるか、または設けられていない。したがって、ユーザは、緊急時に混乱を招く、多様なオプションまたは制御を提示されることはなく、車両の室内で見えるどんな好ましからざる変更も経験する必要がない。
【0026】
ここで
図2Bを参照すると、例示的な車両の配線ハーネス208および点滅リレーを置き換えるストロボモジュールの場所が示されている。配線ハーネス208は、本開示の態様による、ハーネスの、ストロボモジュール300と相互接続する部分だけが示されている。配線ハーネスは、車両全体に広がることができ、複数の別個の部品で構成され得ることを理解されたい。本開示の実施形態によれば、ストロボモジュール300は、既存の点滅器リレーデバイスを置き換え、既存の車両のハザードライト用のストロボ発光回路を実現する。ストロボモジュール300は、元のリレーと同じ場所にさえも取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、ストロボモジュール300は、配線ハーネス208の既存のコネクタ214とピン互換性があり、配線ハーネス208を介して供給される電力、信号、および他の接続に依存して、以下で説明されるすべての機能を実行する。他の実施形態では、アダプタ(図示せず)は、ストロボモジュール300の単一の実施形態が、多種多様な車両および配線ハーネスに接続され得るように、ストロボモジュール300および配線ハーネスのコネクタ214を介在させることができる。
【0027】
いくつかの実施形態では、以下で説明されるように、ストロボモジュール300は、完全に企図された機能を、専ら配線ハーネス208を介して車両とインタフェースをとって実現することが不可能な場合がある。かかる場合には、追加のリード線が、電源、接地、または必要とされるどこにでも通され得る。ボディ制御モジュール(BCM)が存在する実施形態では、ストロボモジュール300は、コネクタ214を介して車両とほとんどまたはまったく相互作用しない場合があるが、BCMからの出力を受信して関連する車両ライトを駆動するのに好都合な場所で、車両につなぎ合わされ配線され得る(以下でさらに説明される)。
【0028】
本開示において、車の信号灯またはハザードライトに対する、制御部またはプログラム可能な制御部(再プログラム可能であるか否かにかかわらず)を有するどんな電子または電気機械デバイスも、BCMと見なされる。BCMは、1つまたは複数のシリコンベースのプロセッサ、マイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、チップ、ゲートアレイ、または他のロジックデバイスを組み込むことができる。場合によっては、BCMは、システムオンチップデバイスなどの比較的複雑な多機能構成要素を内蔵する場合がある。BCMのさらなる名前または表記は、コンピュータ、制御ユニット、電子制御ユニット(ECU:electronic control unit)、本体コンピュータ、本体コンピュータモジュール、本体コントローラ、本体制御モジュール、およびオンボードコントローラを含み得るが、これらに限定されるものではない。BCMは、ハザードライトまたは信号灯に加えて、車両のさらなる態様を制御する場合としない場合とがある。
【0029】
元の点滅器リレーを物理的に配置して固定させるために、既存の取付け箇所210が、車両に設けられていることがある。同じ場所210が、ストロボモジュール300を格納および固着するために使用され得る。ストロボモジュール300が、配線ハーネス208を介して車両と少なくとも部分的にインタフェースをとる実施形態では、取付け箇所は、コネクタ214の近くであり得る。
【0030】
ここで
図3を参照すると、本開示の態様による、車両ハザードライト用ストロボモジュールの構成図が開示されている。
図3の矢印は、信号、情報、または電力の流れる方向を示している。
図3の実施形態では、ストロボモジュール300の主要な機能は、マイクロコントローラ302によって実現される。マイクロコントローラ302は、マイクロコントローラ302が使用される環境(たとえば、車両の室内またはエンジンルーム)に好適な、汎用マイクロコントローラであり得る。マイクロコントローラ302は、たとえば、好適である場合、アセンブリ言語またはより高級な言語を使用してプログラムされ得る。いくつかの実施形態では、マイクロコントローラ302は、汎用マイクロコントローラよりも高性能ではなく、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:field programmable gate array)などを備え得る。特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)も使用され得る。
【0031】
システムオンチップデバイスは、マイクロコントローラ302の機能を実行するばかりでなく、統合されたメモリおよび記憶部、I/Oポート、D/A、A/D、タイミング機能などを実現するために使用され得ることも理解されよう。場合によっては、無線通信機能さえ、シングルチップ上で実現され得る。かかる実施形態は、本開示の範囲内にあり、本明細書に記載されている様々な個々の構成要素から、ストロボモジュール300の特定の態様または機能を単に移動して、個々の構成要素を単一のシリコンデバイスに統合する。
【0032】
図3に示されている実施形態では、マイクロコントローラ302は、アナログ入力ブロック304から入力を受信する。アナログ入力ブロック304は、より古いまたは従来のアナログウィンカまたはハザード点滅器モジュールに依存する、そうした自動車への信号接続を提供する。アナログ入力ブロック304は、様々な従来の点滅器システムの自動車へのインタフェースを模倣する、適切なリード線および接続部を提供する(たとえば、コネクタ214を介して)。従来の点滅器システムは、たとえば、既存の2、3、4、5、または8ピン点滅器方式を含む。従来の点滅器システムの例示的な詳細配線図が、以下に説明される。ただし、いずれの場合も、機能は同様である。ストロボモジュール300は、マイクロコントローラ302が、既存の点滅器モジュールまたはリレーに通常提供される信号または電圧を読み取るかまたは受容し、関連する信号灯の照明を担当する、後段の電気構成要素(多くの場合、既存の後段の構成要素は、他のドライバから見える電球またはLEDだけであろう)に接続する出力信号ブロック308で、適切な出力信号または電圧を再現することに基づいて動作する。たとえば、ドライバは、信号灯の柄を上方へ動かして、右折を信号で知らせることができる。右折を信号で知らせるには、通常、電圧の形で点滅器リレーに信号を送ることになる。それに応答して、既存の信号またはハザードモジュールは、関連する信号灯の従来の周期的な照明を実現することになる。ドライバは、ハザードライトスイッチを展開することもでき、それに応答して、既存のハザードモジュールが、すべての信号灯を周期的に照らすことになる。ストロボモジュール300は、既存のハザードまたは信号モジュールの置換えとして、この機能を再現する。しかし、ハザードライトが起動された場合(アナログ入力ブロック304に示されるように)、マイクロコントローラ302が、信号灯またはハザードライトをストロボ発光するやり方で展開するようプログラムされている。
【0033】
説明されたように、ストロボライトは、これまで自動車で見られた通常の点滅ライトとは実質的に相異なるように見える。しかし、ストロボライトは、危険な状態に関連する、注意を引くデバイスであるので、アナログ入力ブロック304に単に信号灯が指示される場合、関連するライトをストロボ発光しない方が、より適切な選択である可能性がある。したがって、マイクロコントローラ302は、方向転換信号が指示され、かかる区別が既存の車両配線で対応されている場合に、ストロボではなく、関連するライトまたはLEDを点滅させるようプログラムされ得る。
【0034】
いくつかの実施形態では、ストロボモジュール300は、ボディ制御モジュール(BCM)と呼ばれる、エンジンに関連しない機能を制御するコンピュータまたはコンピュータのセットを利用できる、より新しい自動車に展開または実装されている。かかる場合に、指示器の柄およびハザード点滅器釦は、BCMに直接接続され得、BCMは次いで、信号灯を、信号灯(片側のみ)またはハザードライト(両側で同時に)として展開する。BCMの初期プログラミング(または可能な場合は再プログラミング)によって、本開示のシステムを実装することが可能である。しかし、既に製造されて道路上にある車両に関して、BCMへのアクセスおよびBCMの再プログラミングは、概して、ある程度時間がかかり、かつコストがひどく高く、広く受け入れられる可能性は低いかもしれない。これ以上のBCMの回路図およびプログラミングルーチンが公開されることは滅多にない。したがって、ストロボモジュール300は、アナログ入力ブロック304の代わりに(またはアナログ入力ブロック304に加えて)、BCM入力ブロック306を備え得る。
【0035】
BCM入力ブロック306は、車両信号灯およびハザードライトを駆動する既存のBCMからの出力を遮断するよう配線されている、一連のリード線を備え得る。マイクロコントローラ302は、BCMが信号灯を指示していることを検出すると、出力信号ブロック308を利用して、従来の信号で知らせるやり方で関連するライトを起動できる。一方で、マイクロコントローラ302が、BCM入力ブロック306で、BCMがハザードの点滅を指示していることを検出した場合、出力信号ブロック308は、説明されている外部灯でストロボ発光効果を駆動するために使用されることになる。
【0036】
出力信号ブロック308は、出力信号ブロック308が導入されている自動車の、既存の信号またはハザード点滅器システムの一部を形成する、各電球またはLEDへの電気接続部を備えている。かかる接続部は、車の外側で見えるライトばかりでなく、ドライバから見える表示灯への接続部を含み得る。マイクロコントローラ302は、車の点滅器または信号システムを構成するLEDを直接駆動する能力を有している場合もあれば、有していない場合もある。したがって、当技術分野で知られているように、必要なやり方でLEDを駆動できる増幅器、リレー、または他の回路が、さらに、LEDを駆動する出力信号ブロック308を構成し得る。
【0037】
電源モジュール310は、マイクロコントローラ302、出力信号ブロック308、および/または他の構成要素に給電するために、ストロボモジュール300と統合され得る。電源モジュールは、車両の既存の12ボルトシステムから電力を得るよう構成され得る。別の実施形態では、電源モジュール310は、調整された補助バス(たとえば、5V、12V、またはその他)から電力を得ることができる。
【0038】
電力管理回路312は、電源モジュール310によって受け取られた電圧から、ストロボモジュール300の他の構成要素によって利用される電圧に変換するために設けられ得る。電力管理回路312は、電力サージまたはスパイクがマイクロコントローラ302および他の影響を受けやすい構成要素に到達するのを防ぐこともできる。いくつかの実施形態では、予備蓄電池がマイクロコントローラ302に設けられ得る。予備蓄電池は、スペースおよび/または蓄電池容量が許す場合、車両の電気システムが、使い果たされたとき、またはたとえば衝突事故で受けた損傷に起因して故障したときに、出力信号ブロック308を介してLEDを駆動することさえできる。
【0039】
マイクロコントローラ302は、ストロボライトの自動での展開のために、様々な既存の車両サブシステムと通信するよう構成され得る。たとえば、エアバッグが展開した場合、緊急ライトがストロボ発光するように設定され得る。同様に、アンチロックブレーキシステムまたは安定化システムの展開が検出された場合、マイクロコントローラ302は、ストロボライトを起動できる。いくつかの実施形態では、ストロボライトを停止状態にすることは、他の車両サブシステムから受信された情報に基づいて、同様に自動的であり得る。
【0040】
他の実施形態では、ストロボモジュール300は、急な加速(または減速)、横滑り、転倒、および他の一般的でない運転操作を検出し、ドライバからの入力なしでストロボライトを展開できる、1つまたは複数の車載式の(現在は図示されていない)加速度計を備える。マイクロコントローラ302は、車両が通常の速度または向きを取り戻したときに、ストロボ発光が自動的に停止するようプログラムされ得るか、またはマイクロコントローラ302がリセットされるまで(たとえば、ドライバまたは乗員によるハザードライトスイッチの押下によって)、ストロボライトは起動された状態で保持され得る。
場合によっては、導入後にマイクロコントローラ302の再プログラミングを可能にすることが望ましいことがある。したがって、ストロボモジュール300は、無線モジュール316を装備され得る。無線モジュール316は、様々なデバイスとアドホック手法で通信することができる、ブルートゥース(登録商標)モジュールであり得る。無線モジュール316は、一部のより新しい車またはモバイルホットスポットによって形成されるWiFiネットワークを利用するための、IEEE802.11または「WiFi」対応チップでもあり得る。無線モジュール316は、ストロボモジュール300が車両内のアクセスが困難な場所に導入されている場合でも、マイクロコントローラ302の再プログラミングを可能にし得る。
【0041】
無線モジュール316は、元の白熱LED信号灯または点滅器ライトの代わりに導入された、ブルートゥース(登録商標)が装備されたLEDモジュールと、インタフェースをとるためにも使用され得る。かかる実施形態では、LEDライトは、無線モジュール316を介してストロボ発光するよう命令されない限り、通常の点滅信号またはハザードライトとして動くことができる。当然のことながら、かかる解決策は、各LEDまたは電球の場所に追加の回路を必要とし、導入および保守がより面倒になり得る。ただし、かかる構成は、既存の信号灯およびハザードライトの開閉器が、所定の場所に残されることを可能にするという利点を有するであろう。かかる実施形態では、ストロボモジュール300の出力信号ブロック308の一部またはすべてが取り除かれ得、信号灯またはハザードライトまで通る配線は、単に通り抜ける配置構成であり得る。次いで、マイクロコントローラ302の入力は、アナログ入力ブロック304および/またはBCM入力ブロック306から収集され得る。信号は「後段」のライトまで渡されるので、どのラインまたは信号が有効であるかの簡単な判断が、かかる実施形態で必要となるすべてとなる。マイクロコントローラ302は、信号灯またはハザードライトのどちらが指示されたかの検出に基づいて、ストロボまたは従来の点滅のどちらを展開するかをやはり判断する。さらに、この実施形態および他の実施形態では、ストロボモジュール300の様々な能力は、ユーザによって、無線モジュール316を介してオンまたはオフされ得る。
【0042】
ここで
図4を参照すると、本開示の態様によるストロボモジュール300の、概略の入力/出力図が示されている。
図4において、ストロボモジュール300の周辺部の周囲の矢印は、関連する接続部が入力であるかまたは出力であるかを示している。たとえば、既存の車両制御部から受信される入力(たとえば、ハザードスイッチ入力ハイ408)は、内向きの矢印で示されている。
【0043】
アナログベースであるか、それともより新しいBCMの利用に基づいているかにかかわらず、多くの既存の車両信号灯およびハザードライトの配線方式が存在することが理解されよう。したがって、多種多様な車両を扱うために、本開示の様々な実施形態は、様々なピン配置および配線互換性を有し得る。いくつかの実施形態では、使用されないリード線は単に無視される。しかし、本開示の様々な実施形態は、そうすることがより経済的である場合に、目的とされる直接の用途に必要なポート、ピン、および配線のみで構築され得る。かかる場合に、特定の実施形態のために、互換性がある車両の製造元および車両のモデルを指定する、適合リストが一緒に開発され得る。利用可能な入力および出力を説明した後、本開示の様々な実施形態が、現在存在する様々な広範囲の配線方式で動作するために、どのように適合されるかに関して、いくつかの例が以下に示される。
【0044】
点火装置接続部402は、電源モジュール310の一部として設けられ得る。車両計器盤202は、車両がオンに切り替えられていることをマイクロコントローラ302に示す(通常、車両の点火装置がオフのとき、信号灯は展開しないが、ハザードライトは展開する)。電力への別個の接続部である、蓄電池接続部404も設けられ、点火装置がオフのときに、特定の機能(たとえば、ストロボ発光するハザードライト)の展開を可能にする。点火装置接続部402は、電源モジュール310の一部でもあり得る。接地用リード線406も設けられる。いくつかの実施形態では、接地は、コネクタ214を介して設けられるが、他の実施形態では、接地用リード線は、ストロボモジュール300に別個に取り付けられたリード線である。
【0045】
アナログ入力ブロック304の一部を形成するものは、ハザードスイッチ入力ハイ408、ハザードスイッチ入力ロー410、左方向転換信号スイッチ412、および右方向転換信号スイッチ414用のリード線または接続部であり得る。一部の既存のシステムでは、リレーにハイ電圧を供給することによって既存のリレーが起動されるという事実を考慮して、2つのハザードスイッチ入力オプションが設けられている。他では、リレーが、ハザードライトを点滅させるために展開されるべきでない限り、起動リード線はハイのままである。かかる場合に、接地信号またはロー電圧信号は、ハザードの展開を示す。ハザードスイッチ入力ハイ408およびハザードスイッチ入力ロー410の両方のリード線を設けることにより、ストロボモジュール300は、両方の種類のシステムと互換性がある。
【0046】
ストロボモジュール300は、複数の点滅パターンおよびストロボ発光パターンが可能であるようにプログラムされ得る。たとえば、既存のハザードスイッチのただ1回の押下が、従来の低速周期の点滅を信号で知らせることを意図されている場合がある。2回目の押下は、高速ストロボを選択することを意図されていることになる。したがって、ストロボモジュール300の様々な実施形態が導入されるとき、ドライバまたは同乗者は、ドライバまたは同乗者が慣れているやり方でハザードライトを展開できる。これはまた、車両の安全システムと見なされるものを完全に機能させるための、別個のスイッチまたは制御部の必要性をなくする。
【0047】
特定の車両のハザードスイッチは、2つの個別の位置(ハイおよびロー)を備えている。通常、かかるシステムのハザード点滅器は、釦が押下され、次いで押下された状態で保持されるときに展開される。かかるスイッチは、実際には、電源スイッチとして動作することにより、既存の点滅器リレーを起動する。2回目の押下は、スイッチをハイの位置に解放し、ハザードライトの電源が切れる。ストロボモジュール300は、点滅とストロボ発光との両方、または複数のストロボ発光パターンを実現する場合でさえも、やはりかかるシステムで動作するよう構成され得る。かかる場合におけるストロボモジュール300は、押下された回数、または従来の2位置スイッチによってもたらされる、オンからオフへおよびその逆への遷移した回数を、「数える」ようプログラムされ得る。マイクロコントローラ302および他の構成要素が給電され続けるための、蓄電池接続部404および/または車載式蓄電池に依存して、ストロボモジュール300は、既存のリレーが、既存のスイッチを通って流れる電力だけによって給電されている場合があるにもかかわらず、プログラムされた動作または所望の動作を実現する。
【0048】
左方向転換信号スイッチ412および右方向転換信号スイッチ414のリード線は、左方向転換信号または右方向転換信号が起動されたときに、ストロボモジュール300に通知するよう作用する。上記のように、ストロボモジュール300は、既存の方向指示器の柄の動きに応答して、方向転換信号の既存のより遅い点滅またはストロボ発光の点滅を再現するやり方で、左方向転換信号または右方向転換信号を起動することができる。
【0049】
ストロボモジュール300がBCMとインタフェースをとる実施形態では、BCM入力ブロック306は、左前部ランプ入力418および右前部ランプ入力420を設けている。左後部ランプ入力422および右後部ランプ入力424も設けられている。車両がそのように装備されている場合、左ミラーランプ入力426および右ミラーランプ入力428も同様に設けられ得る。BCMは、入力またはドライバとのインタフェース(たとえば、方向指示器の柄を介して)を制御するので、ストロボモジュール300は、柄の位置のどんな直接の指示も、ハザードライトスイッチの位置のどんな直接の指示も受信し得ない。その代わりに、ストロボモジュール300は、BCMからのこうした入力に基づいて、ドライバが何をしているかを推測できる。たとえば、車両のいずれか一方の側部のライトがBCM入力に基づいて起動されている場合、ストロボモジュール300は、出力信号ブロック308を介して側部ライトの出力を単に再現する。一方、車両の両側部のライトが同時に起動されている場合は、ハザードライトが展開されている。次いで、ストロボモジュール300は、出力信号ブロック308を使用して、車両の信号灯のストロボ発光を行う。
【0050】
理解を容易にするために、
図4では、出力信号ブロック308が、左右の構成要素または左右のLED群に分割されて示されている。車両の左側部に関連するライトは、左ミラーランプ出力416、左前部ランプ出力430、左後部ランプ出力432、および/または組合せメータ左出力434によって制御され得る。出力信号ブロック308は、右ミラーランプ出力436、右前部ランプ出力438、右後部ランプ出力440、および/または組合せメータ右出力442を含む、車両の右側部用の同様の出力のセットを備える。これらの出力のすべてが、ストロボモジュール300のあらゆる導入例またはあらゆる実施形態で使用されるわけではないことが理解されよう。たとえば、車両が左ミラーに付随するランプを備えていない場合、左ミラーランプ出力416は存在しないか、または単に接続されないままにされるであろう。これらの出力のそれぞれが、起動されている関連するLEDを適切に駆動するために必要などんな追加の回路も、装備されていることも理解されたい。
【0051】
ストロボモジュール300は、以下で説明されるように、特定の既存の車両配線システムで利用される、2つの追加の信号出力も備えている。追加の信号出力は、方向転換信号発出インジケータ444およびハザード信号発出インジケータ446を含む。方向転換信号発出インジケータ444およびハザード信号発出インジケータ446に出力される信号は、他の出力と同様に、マイクロコントローラ302によって制御される。
【0052】
ここで
図5を参照すると、2ピン点滅器システムの配線図が示されている。
図5に示されるシステムは、既存の2ピン点滅器システムであり、本明細書で説明されているように、既存のハザード点滅器506が2ピンだけを介してシステムの残りの部分と相互作用するという事実により、本開示ではそのように示されている。この場合、2本のピンは、電力からの入力、および点滅されるべき1つまたは複数のライトへの出力を表している。2ピン点滅器システムの他の構成も、存在する可能性があることも理解されたい。
図5のシステムは、方向転換信号およびハザード点滅器をそれぞれ制御する、1対の同様の熱サイクルスイッチ504、506を利用している。方向転換信号点滅器504は、ヒューズ盤502を介して電力に接続し、関連する車両点火スイッチがオンにされたときにだけ、電力が利用可能であるように配線され得る。ハザード点滅器506は、電力がハザード点滅器506に継続的に利用可能であるように、ヒューズ盤502に接続され得る。ハザード点滅器の起動は、ハザード点滅器506の熱サイクルを開始し、左後部ランプ106、左前部表示灯102、右前部表示灯108、および右後部表示灯112に電力および照明をもたらす、スイッチ501によって制御され得る。運転席計器群(instrument cluster)510には、左折インジケータ512および右折インジケータ514が設けられ得る。回路がスイッチ501によってハザード点滅器506の制御下に置かれると、方向転換インジケータ512、514の両方が、同時に周期的に点滅できる。方向転換信号がハザード点滅器としても利用される場合、多機能スイッチ500は、方向転換信号点滅器504をオンおよびオフするため、ならびに車両の右側部または左側部の適切なランプに電流を送るために設けられ得る。
【0053】
ここで
図6Aを参照すると、
図5の2ピン点滅器システム内に導入されている、本開示の態様によるストロボモジュール300の実施形態を示す配線図が示されている。ここで、既存の熱ハザード点滅器506は、本開示のストロボモジュール300に置き換えられている。上記のように、本実施形態のストロボモジュール300は、2本のピンだけを介して既存のシステムと相互作用する。本実施形態では、追加の接地リード線406が利用される。ストロボモジュール300(たとえば、
図4に関して説明されている)の残りの入力および出力は、未使用のままであり得るか、またはストロボモジュール300は、必要な入力および出力だけを有するように製造され得る。
図6Aの構成では、ハザードスイッチ501が起動されると、ストロボモジュール300は、前述のストロボ発光速度で信号灯を駆動することになる。したがって、現在の構成では、ストロボモジュール300は、置き換えられたハザード点滅器506の代役を務める。
【0054】
ここで
図6Bを参照すると、2ピン点滅器システム内に別の形で導入されている、ストロボモジュール300の実施形態を示す配線図が示されている。
図6Bに示されるやり方でストロボモジュール300を導入することの1つの利点は、ストロボモジュール300が、ハザードスイッチ501によって起動されたときにだけ、蓄電池の電力に接続されることである。これは、ストロボモジュール300の内部のマイクロコントローラおよび他の構成要素の連続動作に起因し得る、車両蓄電池の起こり得る消耗を防ぐことができる。ここで、スイッチ501からの出力は、ストロボモジュール300の蓄電池接続404を選択的に、電力に接続する。本構成のストロボモジュール300が電力を供給されると、左前部ランプ出力430、左後部ランプ出力432、右前部ランプ出力438、および右後部ランプ出力440が利用され、ハザード信号発出インジケータ446(
図6Bの構成では使用されていない)を介してすべての方向転換信号を同時に駆動するのではなく、前部および後部の方向転換信号をそれぞれ個々に駆動する。左メータ出力434は、左方向転換インジケータ512を駆動するために利用され得、右メータ出力442は、右方向転換インジケータ540を駆動するために使用され得る。
【0055】
ここで
図7を参照すると、3ピン点滅器システムの配線図が示されている。
図7の3ピン点滅器システムは単なる例であり、他の3ピン点滅器システムが存在する可能性があることを理解されたい。3ピン点滅器システムでは、既存の点滅リレー706は、点火スイッチ702およびハザードスイッチ701の設定に基づいて、出力に周期的な電力を供給する。3ピン点滅器システムは、概して、少なくとも左前部方向転換信号102、左後部信号106、右前部信号108、および右後部信号112を供給する。方向転換信号インジケータ710も設けられ得る。通常の動作下では、方向転換信号は、ハンドルの隣に方向指示器の柄を備え得る、方向転換信号スイッチ705によって制御される。点火スイッチ702で電力がオンになっているとき、左側部または右側部の信号灯は、点滅リレー706を介して周期的に起動され得る。点滅リレー706を介してすべての信号灯に周期的な点滅をもたらすために、ハザードスイッチ701が利用され得る。
【0056】
ここで
図8を参照すると、
図7の3ピン点滅器システム内に導入されている、本開示の態様によるストロボモジュール300の実施形態を示す配線図が示されている。ここで、点滅器リレー706は、本開示のストロボモジュール300と置き換えられている。蓄電池リード線404はハザードスイッチ701に接続され、信号発出インジケータ444およびハザード信号発出インジケータ446は、ハザードスイッチ701のリレーシステムおよび方向転換信号スイッチ705の両方に接続されている。これは、ストロボモジュール300が、ハザードスイッチ701が起動されたときには、両方のストロボ発光効果を提供するものとして、かつ方向転換信号スイッチ705が起動されたときには、信号灯を提供するものとして機能することを可能にする。
【0057】
ここで
図9を参照すると、4ピン点滅器システムの配線図が示されている。4ピン点滅器システムでは、既存の点滅器デバイス906は、4本の別個のピンを介して、システムの残りの部分と相互作用する。
図9のシステムは、以前に論じられたシステムよりも複雑であり、信号灯とハザードライトとの両方を起動するために、単一のスイッチ901が利用され得る。これは、点火スイッチの位置に基づいて、常時電力と断続電力との両方を供給するヒューズブロック902を介して給電され得る。いくつかの4ピン点滅器システムは、2つの左前部方向転換信号灯または表示灯102および2つの右前部方向転換信号灯または表示灯108を利用する。単一の右後部方向転換信号112および左後部方向転換信号106が利用される。後部方向転換信号のそれぞれが、組合せスイッチ901に配線され得る。しかし、信号灯の点滅は、既存の点滅器906によって制御される。
【0058】
ここで
図10を参照すると、
図9の4ピン点滅器システム内への、本開示のストロボモジュール300の配置を示す配線図が示されている。ここで、ストロボモジュール300は、点火装置接続部402および蓄電池接続部404の両方が、組合せスイッチ901を介して接続されている。組合せスイッチ901によるハザードライトを起動するための指示が、ストロボモジュール300の蓄電池接続部404および点火装置接続部402の両方を起動する。次に、ストロボモジュール300は、ハザード信号発出インジケータ446にストロボ発光信号を供給する。以前の点滅出力の代わりに接続されているハザード信号発出インジケータ446は、前述のストロボ発光のやり方で、関連する信号灯を駆動させることになる。
【0059】
ここで
図11を参照すると、5ピン点滅器システムの配線図が示されている。5ピン点滅器システムは、既存の点滅器モジュール1106への5ピン接続を設けている。以前の実施形態のように、ヒューズボックス1102は、既存の点滅器モジュール1106に接続されており、点火装置がオンのときならびに常時接続の両方で、電力を供給できる。既存の点滅器モジュール1106は、多機能スイッチ1105から受信される位置情報に基づいて、方向転換信号およびハザード点滅器の両方の点滅を制御する。多機能スイッチ1105は、左前部信号灯102、右前部信号灯108、左後部信号灯106、および右後部信号灯112の一部または全部に、選択的に電力を供給する。
【0060】
ここで
図12を参照すると、本開示のストロボモジュール300が、5ピン点滅器システム内に挿入されている状態の、
図11の5ピン点滅器システムが示されている。ストロボモジュール300が、既存のシステムの点滅器モジュール1106に代わっている。点火装置接続部402および蓄電池接続部404の両方に給電されると、ストロボモジュール300は、ハザード信号出力446にストロボ発光出力を供給し、方向転換信号出力444に信号出力を供給できる。前の場合と同様に、多機能スイッチ1105は、信号灯のうちのいずれが、ストロボモジュール300から、それぞれの信号を受信するかを決定するよう配線されている。
【0061】
ここで
図13を参照すると、8ピン点滅器システムの配線図が示されている。
図13の8ピン点滅器システムは、8本の別個のピンを介して、既存の点滅器リレー1306と相互作用する。ステアリングコラムに取り付けられた柄に関連し得る方向転換スイッチ1305は、左方向転換信号または右方向転換信号が起動されているかどうかを、既存の点滅器リレー1306に信号で知らせる。次いで、既存のリレーは、左側部の信号灯または右側部の信号灯のいずれかに、適切な点滅出力を供給する。別個のハザード点滅器スイッチ1301は、ハザード状態が信号で知らされると、既存の点滅器リレー1306に、点滅器リレー1306が、従来の点滅のやり方ですべての信号灯を照らすよう指示する。
【0062】
ここで
図14を参照すると、本開示の態様によるストロボモジュール300が装備された、
図13の8ピン点滅器システムを示す配線図が示されている。ここで、ストロボモジュール300は、点火装置接続部402を介して点火装置電力スイッチに接続され、蓄電池接続部404を介して蓄電池に接続されている。接地接続部406も利用されている。既存の方向転換信号スイッチ1305からの出力は、左方向転換信号の場合は左方向転換信号スイッチ入力412に、右方向転換信号の場合は右方向転換信号入力414に供給される。図示されている8ピン点滅器システムは、ピンを接地することによってハザード点滅器を起動するので、別個のハザードスイッチ入力ロー410が設けられている。入力412、414、410で受信された信号に基づいて、ストロボモジュール300は、左側部のライトもしくは右側部のライトだけを起動する方向転換信号として作用するか、または点滅モジュールとして作用し、すべての信号灯にストロボ発光出力を供給する。信号灯は、左側部ランプ102、104、106および右側部ランプ108、110、112を含み得る。ストロボモジュール300は、前述のように、個々のランプ位置のそれぞれに専用の出力を有し得ることが理解されよう。該出力は、それぞれ使用されてもよく、または車両の側部ごとに1つだけが使用されてもよい。
【0063】
ここで
図15を参照すると、BCMによって制御される点滅器システムの配線図が示されている。前述のように、BCMシステムは必ずしも十分に文書化されているわけではない。しかし、様々なBCMによって提供される機能に基づいて、特定の内部構成要素が知られている(たとえば、図示されているように、BCM1510の内部の)。通常、BCMは、ハザードスイッチ1506ならびに方向転換信号インジケータの両方から入力を受信することになる。左側部の出力1512は、左側部のランプ102、104、106を制御し、右側部の出力1514は、右側部のランプ108、110、112を制御できる。
【0064】
ここで
図16Aを参照すると、BCMシステム内に導入された、本開示のストロボモジュール300を示す配線図が示されている。
図16Aの導入例では、ストロボモジュール300は、点火装置接続部402によって点火装置に、かつ蓄電池接続部404によって蓄電池に、別々に接続される必要があり得る。次いで、ストロボモジュール300は、BCM1510からの出力を傍受して、信号灯またはハザードライトがいつ起動されたかを判断する。BCM入力ブロック306で利用可能な接続部のすべてまたは一部だけが利用され得る。該接続部は、左前部ランプ入力418、左後部ランプ入力422、左ミラーランプ入力426、ならびに右前部ランプ入力420、右後部ランプ入力424、および右ミラーランプ入力428などの、車両の右側部の対応する入力を含み得る。同様に、特定の構成に応じて、ストロボモジュール300のランプ駆動出力のすべてまたはおそらく一部だけが利用され得る。たとえば、車両の左側部に関しては、左ミラーランプ出力416、左前部ランプ出力430、左後部ランプ出力432、および/またはメータ出力434が利用され得る。車両の右側部に関しては、右ミラーランプ出力436、右前部ランプ出力438、右後部ランプ出力440、および/またはメータ出力442が利用され得る。ランプは、左前部ランプ102、左ミラーランプ104、および左後部ランプ106を含み得るが、これらに限定されるものではない。右側部に関して、ランプは、右前部ランプ108、前部ミラーランプ110、および右後部ランプ112を含み得るが、これらに限定されるものではない。
【0065】
ここで
図16Bを参照することは、マイクロコントローラの変更によって、
図15のBCM制御点滅器システム内に導入されているストロボモジュールの実施形態を示す配線図である。前述のように、そして当業者に知られているように、BCM1510は、1つまたは複数のマイクロコントローラまたは中央処理ユニット1602を備え得る。CPU1602は、信号灯およびハザードライトの動作を含むがこれらに限定されるものではない、BCMの様々な機能に関連するロジックを実行できる。ここで、BCM1502は、本明細書で説明されるように、ハザードライトのストロボ発光機能を直接制御するよう構成される(ストロボ発光機能がBCMの「後段」に実装される
図16Aのシステムとは対照的に)。これは、ハザードライトの適切なタイミング(たとえば、1つまたは複数のストロボ効果)のためのメモリおよび命令を備え得る、補助チップ1604によって実現され得る。かかる補助チップ1604は、BCM1510またはCPU1602に直接配線され得るか、またはコントローラエリアネットワーク(CAN:controller area network)バス(今日、多くの車両が既にCANバスを装備されている)などのバス(図示せず)を介して、BCM1510またはCPU1602と通信し得る。別の実施形態では、BCM1510は、ハザードスイッチおよび/または方向指示器の柄からの入力に応答して、ストロボ発光のやり方で車両のライトを駆動するために必要な、ロジックおよびタイミング情報のすべてを格納しているので、追加のチップまたはメモリは必要ない。
【0066】
本開示によるストロボモジュールの様々な実施形態を使用する、上記で説明され、
図5~
図16Bに示される様々な構成は、例示にすぎず、網羅的であると解釈されるべきではないことを理解されたい。当技術分野の技術者は、本明細書に記載のストロボモジュール(たとえば、ストロボモジュール300)の様々な実施形態の機能および能力を使用する、さらなる構成を開発できる。
【0067】
動作においては、導入が完了すると、既存の車両回路および既存の車両回路固有の制限に応じて、複数のストロボパターンが、ドライバまたはユーザによって利用され、起動され得る。たとえば、ハザードスイッチの展開に関連するストロボモジュール300の最初の起動時に、ストロボモジュール300は、従来のやり方で(たとえば、約2Hzの周期で)点滅するようプログラムされ得る。車両のハザードスイッチ(たとえば、
図2のハザードスイッチ206)を起動する2回目の押下が、ストロボモジュールの低速周期からストロボ発光周期(たとえば、約8Hz)への切り替わりをもたらし得る。右から左に、またはその逆に移動するストロボパターンなど、さらなるオプションが、ストロボモジュールに組み込まれるかまたはプログラムされ得る(たとえば、マイクロコントローラ102を使用して)。1つのかかるパターンが
図17に示されており、左側部のライトが、短時間ストロボ発光し、次いで右側部のライトがわずかにより長時間ストロボ発光する間は消え、その後このサイクルが繰り返される。これは、車またはハザードライトの他の観察者が、右に移動する必要があることを示唆している。
図18に示されるように、左への移動を示唆するために、類似のパターンが開発され得る。
【0068】
ストロボモジュール300の動作に対応する例示的な状態図が、
図19に示されている。いくつかの実施形態では、
図19に示されるように、ストロボモジュールを反復起動する(cycle)ために、ハザードスイッチの継続的な押下が必要とされ得る。1902で、オフ状態が示されている。ただ1回釦を押すこと1901か、またはスイッチ投入すること(たとえば、ハザードスイッチ206を展開すること)が、ストロボモジュール300を、従来の点滅構成1902に移すことができる。ここから、もう1回の押下1901が、ストロボモジュール300をストロボ1904に移す。いくつかの実施形態では、さらなる押下1901が、モジュール300を、右から左へのストロボ1906および左から右へのストロボ1908に移す。しかし、ストロボモジュール300が装着されている既存の車両で利用可能な開閉器によっては、ハザードスイッチのただ1回の長押し1910が、ストロボモジュールを他の任意の状態からオフ1902にリセットするために使用され得る。別の実施形態では、点火装置(たとえば、点火装置接続部402)を介したストロボモジュールへの電力供給を周期的にするかまたは遮断することが、ストロボモジュール300を「リセット」するために用いられ得る。
【0069】
ここで
図20を参照すると、本開示の態様によるストロボモジュール2000の構成図が示されている。
図21も参照すると、ストロボモジュール2000の概略入力/出力図が示されている。ストロボモジュール2000は、前述のストロボモジュール300と実質的に同様であるが、本明細書で説明されるように、追加の入力および出力を備える。ストロボモジュール2000は、ストロボモジュール2000が導入されている車両の通常の信号灯の構成の一部ではない、追加の車両のライトを組み込む能力を有する。 追加のライトは、目的に特有のものであり得る(ストロボ効果の一部となるように、特別に導入される)が、おそらくより重要なことに、既に対象の車両での機能または用途を有している照明であり得る。たとえば、追加のライトは、前照灯、尾灯、フォグライト、マーカライト、ブレーキ灯、内部ライトなどを含み得る。既に車両上で目的または用途を有している、かかるライトは、多目的ライトと呼ばれ得る。言い換えれば、多目的ライトは、車両上で既存の用途を有しているが、ストロボモジュール2000、すなわちストロボ機能へ接続することによって、追加の用途を得るであろう。ストロボモジュール2000の観点から、多目的ライトは、ストロボモジュール2000によってもたらされる機能により強化されているかまたは置き換えられている、通常の標準点滅器システムの一部ではないので、多目的補助ライトと見なされ得る。
【0070】
図21に示されるように、ストロボモジュール2000は、1つまたは複数の多目的補助ライトを選択的に照明またはストロボ発光するために使用され得る、補助ライト出力2102を備え得る。いくつかの実施形態では、複数の補助ライト出力が設けられ得る。すべての補助ライト出力で、関連するライト(1つまたは複数のLEDであり得る)の機能は、出力2102によって起動されたときにストロボ発光することであり得る。このようにして、多目的ライトは、既存の車両ハザード点滅器と共にストロボ発光するように変えられ、それにより、本開示のシステムの視認性および有用性を高めることができる。前述のように、ストロボモジュール300は、車両のどちらか一方の側部に付随するライトを、別々にストロボ発光させることができる(たとえば、左から右へのストロボ、またはその逆を生成するために)。ストロボモジュール2000は、同じ能力を備え、1つまたは複数の補助ライト出力2102をストロボライトの一方または両方の「バンク」に関連づけることができる。言い換えれば、補助ライト出力2102は、左側部の出力416、430、432、および/もしくは434が起動されたとき、右側部の出力436、438、440、および/もしくは442が起動されたとき、または左側部もしくは右側部のどちらかの出力が起動されたときに、起動され得る。いくつかの実施形態では、補助ライト出力2102は、単独で、あるいは左側部出力416、430、432、および/もしくは434、または右側部出力436、438、440、および/もしくは442とは無関係に、起動され得る。
【0071】
補助ライト出力2102は、追加の目的を持たないライト(たとえば、ストロボ発光専用に意図的に導入されたライトまたはライトのセット)に給電するために使用され得るが、補助ライト出力2102は、既存の回路で動作するように既に構成され得るライトを制御またはストロボ発光する、他の実施形態で利用される。1つの特定の実施形態では、補助ライト出力2102は、車両の既存のハイセンタマウント停車ランプ(HCMSL)を起動するために使用され得る。既存のHCMSL(または他の任意の補助ライト)は、HCMSLの元の回路から切り離され、単に本開示のストロボ発光システムの一部として使用され得る。しかし、既存のライトのストロボ発光動作を可能にするだけでなく、元の機能を維持することも強く望まれ得る。
【0072】
補助多目的ライトの既存の機能を考慮し、統合することを可能にする、1つの可能性のある手段として、ストロボモジュール2000は、さもなければ関連する補助多目的ライトに信号を送るかまたは給電する入力を受容する、補助ライト入力2104を備え得る。この入力2104は、既存の車両システムが、補助多目的ライトが起動されるかまたは照らされる必要があることを示す場合に、ストロボモジュール2000が、関連する補助多目的ライトを現在ストロボ発光機能で使用しているか否かにかかわらず、ストロボモジュール2000、および特にマイクロコントローラ302に信号を送るために利用され得る。
【0073】
ここで
図22も参照すると、本開示のストロボモジュール2000で実施されるOR機能の概略図が示されている。OR回路2200の機能は、ここでは論理的にORゲート2202で表されている(ただし、以下でさらに説明されるように、OR機能は、デジタルゲートによってではなく、機械式リレー、ソリッドステートリレー、電界効果トランジスタ、バイポーラ接合トランジスタ、またはシステムの信頼性の高い動作に適する他の任意のスイッチング方式によって実装されてもよい)。動作中、回路2200は、補助ライト入力2104をORゲート2202への1つの入力として受容する。ORゲートへの第2の入力は、内部で(たとえば、マイクロコントローラ302によって)生成され、ストロボモジュール2000が、補助ライト出力2102に接続され得るどの1つまたは複数のライトでもストロボ発光させるよう動作するときに有効となる。
【0074】
OR回路2200は、ストロボモジュール2000の他の構成要素と同じ物理的パッケージ内に実装されてもよく、または外部に実装されてもよい。図示のORゲート2202は、やはり論理表現にすぎない。物理的には、ORゲート2202および回路2200の機能は、機械式リレー、ソリッドステートリレー、電界効果トランジスタ、バイポーラ接合トランジスタ、またはシステムの信頼性の高い動作に適する他の任意のスイッチング方式によって実装され得る。
【0075】
ここで
図23を参照すると、5ピン点滅器システム内に導入され、さらに多目的補助ランプとしてハイセンタマウント停車ランプ(HCMSL)を制御する、ストロボモジュール2000の配線図が示されている。HCMSLは多目的補助ランプの唯一のオプションであり、ストロボモジュール2000は、ストロボモジュール2000が導入されている車両に関連する、追加のまたは相異なる多目的補助ランプまたはライトを利用できることを理解されたい。ストロボモジュール2000を使って変更する前の5ピン点滅器システムは、
図11に戻って確認され得る。補助ライトの制御を含まない、ストロボモジュール300を使った変更を含む5ピン点滅器システムは、
図12で確認され得る。
【0076】
他の状態で示されている場合を除いて、ストロボモジュール2000は、ストロボモジュール300が行うのと同様のやり方で、5ピンシステムと統合される。補助多目的ライト制御部を備えるストロボモジュール2000の場合、OR回路2200の補助ライト入力2104は、通常はHCMSLに供給される電力リード線または信号に接続されている。内部ストロボ信号2204は、入力2104と共に論理ORゲート2202に供給される。これらの入力2104、2204のどちらかが有効である場合、ゲート2202は、多目的補助出力2102に信号または電力を供給し、その結果、HCMSLが照らされる。
【0077】
説明された配置構成から、ストロボモジュール2000が導入されている車両のブレーキペダルの使用が、ユーザが期待するような、HCMSLの常に安定した照明をもたらすことを理解されたい。HCMSLが車両によって他の方法で起動されない場合にのみ、ストロボモジュール2000は、HCMSLを起動できる。このように、どんな補助ランプまたはライトの機能も、ストロボモジュール2000だけによって強化される。ストロボモジュール2000が接続されているHCMSLまたは他のどんな補助多目的ランプも、既存のハザード点滅器ライトと一緒に起動される、ストロボであり得る。ハザードライトがグループで(たとえば、左から右または右から左へ)ストロボ発光される場合、補助多目的ランプは、これらのグループの1つと一緒にストロボ発光されてもよく、または補助多目的ランプ自体のグループ(たとえば、左、中央、次いで右ストロボ、またはその逆)としてストロボ発光されてもよい。いくつかの実施形態では、接続された補助多目的ランプは、単独でストロボ発光され得る。こうした機能のすべてが、車両の既存のハザードスイッチ(たとえば、
図2のハザードスイッチ206)によって制御され得ることを理解されたい。この機能は、追加の制御部または開閉器がユーザの車両に装着される必要がないように、スイッチ206の連続した押下または起動によって、起動され得る。ただし、ユーザが複数の制御部またはスイッチを所望する場合は、望ましからざる場合がある車両の室内の変更費用を負担した上で、複数の制御部またはスイッチが装着され、ストロボモジュール(300または2000)に収容され得る。
【0078】
いくつかの実施形態では、ストロボモジュール2000は、スイッチ260単独で起動されるが、ブルートゥース(登録商標)または別の無線プロトコルを介して制御されてもよい。無線モジュール316は、ユーザが特定のストロボパターンまたはプロトコルを設定または選択することを可能にするために使用され得る。たとえば、スイッチ216のただ1回の押下によって、従来のハザード点滅器が起動され得る。無線通信を使用して、ユーザは、既存のハザードライトが点滅している間に、HCMSLがストロボ発光されることを選択できる。ユーザは、接続されているすべてのライトがストロボ発光するか、または左から右もしくは右から左のパターンが実施されるかを選択することもできる。HCMSLだけでなく、任意の補助ライトも、同様のやり方でストロボモジュール2000によって使用され得ることを理解されたい。
【0079】
ストロボモジュール2000は、前述のストロボモジュール300と同様のやり方で、任意の種類の既存のハザード点滅器システムに統合され得る。さらに、補助もしくは補助多目的ランプもしくはライト(または複数の補助もしくは補助多目的ランプもしくはライト)の展開が望まれるどんなシステムにおいても、補助または補助多目的ランプまたはライトは、たとえば、
図23に示されるように配線され、実装され得る。ストロボモジュール2000が,本明細書で説明されたように既存の車両システムに導入されると、多目的補助ライトは、既存の車両のシステムから多目的補助ライトへの既存の出力を、ストロボモジュール2000に関連する補助入力2104、および出力2102に接続されている多目的補助ライト自体に接続することによって統合され得る。このようにして、それぞれの補助ライトの元の機能が、保持される一方で、ストロボモジュール2000のストロボ発光機能の一部としても使用される。
【0080】
ここで
図24を参照すると、5ピン点滅器システム内に導入され、さらにHCMSLを制御する、本開示のストロボモジュール2000のさらなる実施態様のオプションを示す、配線図および概略図。ただし、HCMSLは単なる例示であり、
図24に示されているように接続され得る多目的補助ライトは、HCMSLに限定されるものではない。
図24は、HCMSL(または他の多目的補助ライト)の機能を、分離して保護する一方で、HCMSLの機能を、ストロボモジュール2000のストロボ発光機能に組み込むための1つのオプションを示している。OR回路2200(ストロボモジュール2000の残りの部分と物理的に統合されてもよく、または必要に応じて物理的に別個であってもよい)は、別の方法でHCMSLまたは他の多目的補助ライトに直接向かう出力を取り込むための補助入力2104を備えている。OR回路2200の一部として、この入力2104は、光アイソレータ2402に入る。入力2104からの接続は、光アイソレータ2402内部の発光ダイオード(LED)2403に入る。必要に応じて、LED2403は、抵抗器2405を介して接地され得る。入力2104が有効になるか、または通電されると、LEDは、対のフォトトランジスタ2104で検出される光子を生成する。フォトトランジスタ2104がLED2403によって起動されると、電流および電圧が出力2102で供給され、HCMSLまたは他の補助ライトデバイスに給電する。出力2102に給電する電圧および電流は、電源モジュール310を通して、または車両の電力への別個の常時接続または点火スイッチ接続部から供給され得る。
【0081】
フォトトランジスタ2404と並列に、ストロボモジュール2000の内部回路によって電流が流れることを可能にするよう起動され得る(たとえば、マイクロコントローラ302によって直接制御され得る)、第2のトランジスタ2406がある。内部的には、これはストロボ信号2204と表され得る。
【0082】
図24に示されるように、OR回路2200は、HCMSLまたは他の多目的補助ライトデバイスが、ストロボモジュール2000によって起動され得る一方で、HCMSLまたは他の多目的補助ライトの元の機能が、光アイソレータ2402を介して実現するのを可能にすること(点滅、定常状態、または他のいずれにせよ)を理解されたい。当然のことながら、既存の車両システムまたはストロボモジュール2000のいずれかが、HCMSLまたは他の多目的補助ライトを起動する限り、HCMSLまたは他の多目的補助ライトは照明することになる。車両システムによる定常状態の照明は、どんなストロボ、またはストロボモジュール2000の一部のどんな断続的起動をも無効にすることも理解されたい。したがって、HCMSLもしくは他の多目的補助ライトの既存の車両機能、または採用されていないがただ単に強化されている。
【0083】
ここで
図25を参照すると、5ピン点滅器システム内に取り付けられ、さらにハイセンタマウント停車ランプを制御する、本開示のストロボモジュール2000のさらなる実施態様のオプションを示す、別の概略配線図が示されている。ここで、OR回路2200は、1対の単極単投(SPST:single pole,single throw)リレー2502および2504を備える。リレー2502は、入力2104を受容し、車両によるリレー2502の起動時に、閉じて、出力2102上にあるHCMSLまたは他の補助ライトに電力および電圧を供給する。同様に、リレー2504は、ストロボ信号2204からの入力時に閉じる。入力2104またはストロボ信号2204それぞれが起動した結果として、リレー2502、2504のいずれかが閉じると、出力2102が通電されるようになることが理解されよう。したがって、システムは、
図24のシステムと、実質的に同様に機能する。
【0084】
ここで
図26Aを参照すると、BCM点滅器システムと共に導入され、HCMSLを制御するストロボモジュール2000を示す、配線図が示されている。
図26Aのシステムは、上記の
図15において、修正以前が示されている。
図16Aには、ストロボモジュール300の導入後(HCMSLまたは他の補助制御なしの)も示されている。ここで
図26Aでは、ストロボモジュール2000が、BCMベースのシステム内に、既存のハザードライトに対するシステム300と実質的に同様のやり方で導入され得ることがわかる。ストロボモジュール2000は、HCMSL120をさらに制御する状態で、
図26に示されている。前の実施形態と同様に、HCMSLは多目的補助ライトを例示しているが、他の多目的補助ライトが、ストロボモジュール2000のストロボ機能を有するために、同様のやり方で接続されてもよい。
【0085】
ここで、HCMSL120への既存の出力は、ブレーキペダルを踏むドライバまたは車両乗員によって起動されるブレーキ灯起動回路2602からの出力2604として示されている。この出力は、次に、OR回路2200またはストロボモジュール2000に入る、ブレーキ信号入力2104への入力となる。BCM自体がHCMSL120を制御するかどうか、またはHCMSL120が自動車の別個のシステムまたは回路(たとえば、ブレーキ灯起動回路2602)によって制御されるかどうかにかかわらず、ストロボモジュール2000は、HCMSL120への車両の通常の出力を入力2104に受容することを理解されたい。前述のように、OR回路2200(ストロボモジュール2000の残りの部分の内部または外部にあり得る)は、内部ストロボ信号(たとえば、マイクロコントローラ1602からの)または入力2104の起動のいずれかに応答して、出力2102を起動する。したがって、図示されるように、ストロボモジュール2000は、車両の信号灯回路またはハザードライト回路に存在するすべてのライトまたはランプばかりでなく、HCMSL120または他の多目的補助ライトも機能的に制御する。したがって、ストロボモジュール2000は、信号灯またはハザードライト、ならびにHCMSLおよび/または他の補助ライトもしくは多目的補助ライトの両方を備える、BCMで制御される自動車の構成で、本明細書に記載されるようなストロボ発光機能を実現できる。どんな多目的補助ライトも、多目的補助ライトの元の機能(ブレーキ灯としてであっても、そうでなくても)を保持するだけでなく、ストロボ発光機能が他の方法で展開されていない場合に、ストロボ発光機能を有する。
【0086】
図26Bは、マイクロコントローラの変更によってBCM制御点滅器システム内に導入された、多目的補助ライト制御機能を有するストロボモジュールの実施形態を示す配線図である。
図16Bに示される実施形態と同様に、BCM1510の既存の機能への修正は、ハザードライトの適切なタイミング(たとえば、1つまたは複数のストロボ効果)のためのメモリおよび命令を格納し得る補助チップ1604を使って実現され得る。この場合も、かかる補助チップ1604は、BCM1510もしくはマイクロコントローラ1602に直接配線され得るか、またはCANバスなどのバス(図示せず)を介して通信し得る。1つまたは複数の多目的補助ライトをストロボ発光のプログラムに統合するために、ストロボ発光出力を供給するBCM1510からの出力の1つが、かかる多目的補助ライトに接続されなければならない。かかる多目的補助ライトは、現在の既存の車両点滅器(たとえば、102、104、106、108、110、または112のうちの1つまたは複数)へのストロボ対応出力のうちの1つから供給され得る。
【0087】
一方、いくつかの実施形態では、BCM1510からの別個のストロボ対応出力2610は、OR回路2200のストローブ信号リード線2204に入り得る。ブレーキ起動回路2602からの出力2604は、ブレーキ信号入力2104に接続されている。このようにして、ストロボの起動は、BCM1510によって完全に制御され得、HCMSL120などの1つまたは複数の多目的補助ライトは、多目的補助ライトの元の機能も同様に保持しながら、ストロボ機能に統合され得る。
【0088】
別の実施形態では、BCM1510は、ハザードスイッチおよび/または方向指示器の柄からの入力に応答して、ストロボ発光のやり方で車両のライト(新しい出力2610を含む)を駆動するために必要な、ロジックおよびタイミング情報のすべてを格納しているので、追加のチップまたはメモリは必要ない。BCM1510が(補助チップ1604を介して、またはマイクロコントローラの元のプログラムもしくはコードによって)ストロボ発光機能を直接制御するように作製され得る場合、多目的補助ライトが、多目的補助ライトの元の機能を失うことなく、ストロボ発光機能の一部となることを可能にするために、別個のOR回路2200が、依然として必要であり得ることを理解されたい。BCM1510によって独占的に多目的補助ライトを制御する場合(たとえば、補助ライトの別個の機能が必要とされないか、またはブレーキ灯回路などの別の回路と共有されることが意図されていない場合)、BCM1510に搭載されているロジックをプログラムするか、再プログラムするか、または強化することによって、すべての機能が、独占的に実現され得る。
【0089】
本開示によれば、上記のものなどのシステムが、任意のストロボ対応ライトの視認性の高いストロボが展開され得る条件に関して、制限される状況があり得る。マイクロコントローラ、BCM、または他の電子制御デバイスを利用するそうした実施形態では、視認性の高いライトの展開を示すユーザ入力またはシステム入力が受信されるときに、様々な車両状態が考慮され得る。たとえば、視認性の高いストロボ発光は、車両が特定の速度未満で走行しているときにだけ、利用可能であり得る(これは、本当の緊急事態を示している可能性がより高いはずである)。ストロボライトが展開されているときには、車両がかかる閾値速度を下回っているが、その後で閾値速度を超えた場合、マイクロコントローラまたはBCMは、ストロボを停止し、かつ/またはハザードライトの動作を「通常の」低速での点滅に戻すことができる。いくつかの実施形態では、自動車が閾値速度に近づくと、可聴のまたは視覚的な警告が与えられ得る。これは、操作者またはドライバに、速度を落として視認性の高いストロボ発光動作を維持する機会を与える。
【0090】
他の実施形態では、任意の速度でのストロボ発光または他の視認性の高い展開を可能にするために、さらなる車両状態が考慮され得る。たとえば、車両のABSが有効であるか、または最近有効になった場合、ストロボ発光動作は、少なくとも限られた時間にわたって、任意の速度で可能とされ得る。他の実施形態では、ストロボ発光は、操作者がストロボ発光を要求したかどうかにかかわらず、ABSが有効であるときに自動的に有効となり得る。悪路の状態を示す他の車両システムも、ストロボ発光ハザードライトまたは非ストロボ発光ハザードライトの展開に関して考慮され得る入力を、可能にすることができる。この車両システムは、安定化制御、駆動力制御、および雨または霧検出の仕組みを含むが、これらに限定されるものではない。
【0091】
ストロボ発光は、エアバッグの展開時に自動的に起動され得るか、またはエアバッグの展開後に任意の速度で可能とされ得る。ストロボ発光動作を処理するマイクロコントローラまたはBCMが、車両操作者または乗客が警察、EMS、消防署などと連絡をとっている、または最近連絡したという適切な情報を供給され得る場合(たとえば、ブルートゥース(登録商標)または他の通信モジュールを介して)、ストロボ発光は、少なくとも一定期間にわたって可能とされ得る。
【0092】
一部のより新しい車両は、定速走行・車間距離制御装置、車線逸脱警報システム、さらには完全自動駐車、自動操縦/自動ドライブシステムなどの自動運転機能が装備されている。いくつかの実施形態では、特定の自動制御機能(上記のものに限定されるものではない)の利用は、関連するマイクロコントローラまたはBCMによるストロボ発光機能の展開を妨げることになる。
【0093】
誤ってストロボ発光機能を展開している可能性がある、気が散っている運転者を示唆するシステムは、ストロボ発光機能を制限するか、または標準の低速点滅器に戻させるためにも使用され得る。たとえば、車両エンターテインメントシステム(たとえばラジオまたはDVDプレーヤ)が特定の音量を超えている場合、本当の緊急事態ではなく、気が散っていることを示唆していることがあり、そのためストロボ発光動作は妨げられる。
【0094】
特定の実施形態では、特定のライトのストロボ発光は、車両入力に基づいて、マイクロコントローラまたはBCMによってのみ展開され得、ドライバまたは操作者の手動入力だけに基づいては展開され得ない。たとえば、操作者は、いつでもハザード点滅器を展開するオプションを有し得るが、別の車両システムがハザード点滅器展開の必要性を示さない限り、前部に向く点滅器は(ストロボではなく)点滅しかしないであろう。示される必要性は、エアバッグの展開、ABSの展開、駆動力制御もしくは安定化制御の展開、または他の情報源など、いくつかの情報源からもたらされ得る。
【0095】
さらなる実施形態では、いつ方向ストロボ発光が可能にされるかを判断するために、または自動的に方向ストロボ発光を展開するために、GPS情報または他の車載センサからの情報が考慮され得る。たとえば、マイクロコントローラまたはBCMへの、車両が車道の右側にまたは車道の右側の近くで停車されていることを示す情報は、右から左へのストロボをもたらすことになる。これは、ユーザによる展開に基づいて、または上記の自動化されたシステムによる展開に続いて、自動的に行われ得る。同様に、車両が車道の左側にまたは車道の左側の近くで停車されている場合、左から右へのストロボが展開され得る。
【0096】
適切なストロボ発光の方向を判断するための情報は、いくつかの情報源からもたらされ得る。GPSは一例であるが、車両に備えられているかまたはアドオンされている、他のシステムが利用され得る。たとえば、現代の自動車には、車線逸脱警報、スマートクルーズ制御、さらには自動駐車および運転機能を可能にするのに十分な精度で、車道上の車両の位置を判断することができる、カメラ、音響センサ、レーダセンサ、および他の入力デバイスが備えられている。かかるセンサおよびシステムは、ハザードストロボ発光用マイクロコントローラまたはBCMに情報を提供して、ドライバまたは他のユーザからの明示的な入力の有無にかかわらず、マイクロコントローラまたはBCMが適切なストロボ発光パターンを選択するのを可能にすることができる。
【0097】
(ハザードライトスイッチによるか、またはその他の方法によるかにかかわらず)いつストロボ発光動作へのユーザの要求が適切であるかを判断するために、論理的に多くの決定木が実装され得ることが理解されよう。いくつかの実施形態では、ドライバの状況および/または車両の種類に応じて、複数の決定木が使用され得る。
【0098】
本開示によるストロボ発光システムは、BCM、マイクロコントローラ、または他のプログラム可能なデバイスに依存して、低速での点滅に対してストロボをいつどのように展開するかに関して、きめ細かい判断を可能にすることができる。かかるプログラミングは、工場で行われる場合もあれば、プログラミングの改善、ファームウェアの更新などによって後で行われる場合もある。本開示は、論理制御およびプログラミングを行う特定の手段に限定されることを意味するものではない(特許請求の範囲に列挙されていない限り)。本開示は、任意のストロボ発光システムの安全性、有用性、または有益性を低下させることを意味するものではないことも理解されたい。したがって、いくつかの実施形態では、条件がストロボ発光ライトを展開するのに妥当なものであるかどうかを判断するのに十分なセンサ入力が供給され得ない場合、初期設定条件は、ストロボ発光を、ユーザが起動するときに可能にすることである。これは、1つまたは複数の車両センサが、欠陥があるかまたは損傷している場合に起こり得る。
【0099】
ここで
図27を参照すると、本開示の態様による、ハザードライトのストロボ発光を可能にするための決定木の一実施形態を示す、フローチャート2700が示されている。フローチャート2700は、本開示によるシステムおよびデバイスの様々な実施形態の実施態様に好適であり得る。かかるシステムは、マイクロプロセッサ、BCM、ならびに/または様々なアナログ構成要素およびデジタルシステムの組合せによって、フローチャート2700で表される決定および論理的判断を実施する能力を有する。ステップ2702で、ストロボが要求される。実施形態によれば、ストロボは、非ストロボの点滅にも利用されるハザードライトのストロボ発光であり得、かつ/あるいは信号灯/ハザードライトまたは補助ライトもしくはアドオンライトであり得る。いくつかの実施形態では、ステップ2704で、ストロボ発光要求が車両に付随する緊急システムからもたらされたどうかが、(たとえば、マイクロプロセッサまたはBCMによって)判断される。緊急システムは、車両テレマティクスシステム、またはBCMもしくはマイクロコントローラと通信する別のデバイスであり得る。通信は、無線プロトコル(たとえばBluetooth)を使ったバス(たとえばCANBUS)または別のシステムを介して、直接接続によって行うことができる。いくつかの実施形態では、要求が、自動化されたシステムまたは緊急システムからのものである場合、ステップ2714に示されるように、ストロボ発光が直ちに展開され得る。
【0100】
場合によっては、要求が、ステップ2704で、自動システムまたは緊急システムからもたらされたものではないと判断された場合、ステップ2706で、車両が閾値速度未満で走行しているか、または停車されているかが判断され得る。この判断は、車速計、GPS、加速度計、または他のセンサからの情報に基づき得る。車両が停車されているか、または閾値速度未満で移動している場合、ステップ2714で、ストロボ発光が起動され得る。それ以外の場合は、さらなる分析が実施され得る。
【0101】
たとえば、ステップ2708で、ABSが最近展開されたかどうかが判断され得、これは、ストロボ発光を必要とする状況を示している可能性がある。そうでない場合は、さらなる分析が続き得る。場合によっては、BCMまたは他のマイクロコントローラは、ステップ2710で、(たとえば、警察、消防、EMSへの)緊急連絡が最近行われたことを判断できることがある。このステップは、車両テレマティクスシステムまたは他の自動化されたシステムに照会するか、さもなければ上記システムからデータを受信することによって実施され得る。ステップ2710での判断は、どの種類またはサービスと連絡をとったか(たとえば、警察、消防、道路脇での援助)および他の要因を含む、いくつかの要因を考慮するために多層化され得る。緊急サービスの連絡先が妥当なものである場合は、ステップ2714で、ストロボ発光が実行され得る。そうでない場合は、ステップ2712で、現在自動ドライブシステムが展開されているかどうかが考慮され得る。自動ドライブシステムは、自動駐車、クルーズ制御、自動操縦などを含むことができる。かかる場合において、ストロボ発光が無効にされ得、ステップ2716で、車両は(BCMまたは他の制御デバイスによって)、ストロボの代わりに点滅することができる。さらに、ステップ2718で、(たとえば計器盤、表示画面、または他の場所に)、ストロボ発光が有効でないことを示すメッセージが表示され得る。
【0102】
フローチャート2700で表される制御プログラムは、「邪魔もの(nuisance)」であるストロボシステムの起動を、減らすかまたは排除するのに有用であり得ることが理解されよう。ただし、ストロボ要求が、エラーまたは邪魔ものの起動である可能性が高いと判断され得ない場合は、注意しすぎるぐらい注意して、ステップ2714で、ストロボが可能にされ得る。調査する順序は、チャート2700に示されている通りではない場合があり、ストロボ発光が可能になる前に、より多くのまたはより少ない数の調査が要求される場合があることが理解されよう。ただし、最新の車両のプロセッサおよびBCMの速度を考えると、決定木全体が、ユーザに気づかれないほど短い順序で通過され得、その結果、関連するすべての安全性およびストロボ発光に伴う通知の恩恵をもたらすために、ストロボ発光が非常に迅速に開始されることになる。
【0103】
ここで
図28を参照すると、本開示の態様による、方向ストロボ発光の展開方法の一実施形態を示す、フローチャート2800が示されている。フローチャート2800は、本開示によるシステムおよびデバイスの様々な実施形態の実施態様に好適であり得る。かかるシステムは、マイクロプロセッサ、BCM、ならびに/または様々なアナログ構成要素およびデジタルシステムの組合せによって、フローチャート2800で表される決定および論理的判断を実施する能力を有する。チャート2800に示されるように、方向ストロボ発光は、本開示のシステムでは、有用性、安全性、および通知する能力を高めるために、自動的に実施され得る。しかし、方向ストロボ発光は、手動で実施される場合もあることを理解されたい(たとえば、上記のように)。
【0104】
ステップ2802で、ストロボが要求される。ストロボは、手動または自動で要求され得る(たとえば、CANBUS上の別のシステムまたは他の電子通信システムから)。ステップ2804で、要求が、邪魔ものの要求である可能性が高いかどうかが判断され得る(たとえば、
図27に示される決定木を利用して)。邪魔ものの要求である場合、ステップ2806で、メッセージが表示され得、ステップ2808に示されるように、通常の低速点滅が展開され得る。ステップ2810で、車両の位置情報が利用可能であるかどうかに関して、(たとえば、コントローラまたはBCMによって)判断が行われ得る。位置情報は、GPS、カメラ、加速度計、または他のデータからのものであり得る。かかる情報が利用できない場合(たとえば、センサの故障、解決できないこと、または他の任意の理由のために)、ステップ2814に示されるように、方向性のないストロボ発光が行われ得る。別法として、システムは、ステップ2806で、位置特定が解決されないことを示すメッセージが表示され、続いてステップ2808で、ストロボ発光ではなく点滅するよう配置構成され得る。
【0105】
本文脈において、位置データは、車道、車線、または他の関連する交通路に対して車両がどこにあるか、かつ/または車両がどのように方向づけられているかを指すことを理解されたい。たとえば、位置情報は、車両が車道の左の路肩にあるかまたは右の路肩にあるか、車両が通行における右方向に向いているかどうか、車両が交差点内にあるかどうか、車両が右側を上にしているかどうか、車両が車道を離れたかどうか、および/または他の情報を伝えることができる。
【0106】
ステップ2812で、たとえば、車両が中央に位置することが位置情報から判断される場合、ステップ2814で、方向性のないストロボが行われ得る。中央に位置する車両は、車両が車道、交差点などの中央にあり、片側もしくは反対側、または路肩にあまり近くないことを示しているであろう。かかる場合において、最も有用な行動方針は、危険の一般的な警告である、車両のすべての角にあるライトをストロボ発光することであり得る。GPSまたは他のデータが、車両がどの道路からも完全に離れたことを示している場合も、車両は中央に位置していると見なされ得る。この場合、最も有用な行動方針は、車両を探し出すための助けになるものとしてストロボ発光すること、または一般に起こり得る危険を他のドライバに警告することであり得る。
【0107】
車両が中央に位置していると判断されない場合、ステップ2816で、車両が右方に置かれているかどうかに関して判断が行われ得る。これは対面交通についての右方となり、そこで、車両が他の車両に対して間違った方向を向いているかどうかが考慮され得る(かかる場合、車両の右が通行の左であり得、その逆もある)。いくつかの実施形態では、この意図するものは、最大の視覚的通知も実現しながら、危険または遭難を信号で知らせることである。したがって、車両点灯システムは、遭難車両を回避するためにどちらの方向に移動すべきかを通行車両に示すために、ストロボ発光にされ得る。ステップ2816で、車両が通行に対して「右」に向けられていると判断された場合、ステップ2818で、(車両が向いている方向に関係なく)右から左へのストロボが展開され得る。このようにして、遭難車両に最も接近する通行車両は、遭難車両を回避するために適切な方向に誘導され得る。
【0108】
車両が「左」に向けられているかどうかについても、明確な判断が行われ得る。しかし、車両がおそらく中央に位置しておらず(ステップ2812)、また右にない(ステップ2816)場合、車両は左にあると推定され得、ステップ2820で、左から右へのストロボが展開され得る。この場合も、左から右へのストロボは、遭難車両に接近する他の車両に最も有用な情報を提供する。車道の左側にある故障車両または遭難車両は、右への移動を示す必要があり、一方車道の右側にある故障車両または遭難車両は、左への移動を示す必要がある。
【0109】
図29は、BCM1510または他のマイクロコントローラによって、車両が左2908、右2910、または中央2912のいずれにあるかの結論に到達するために使用され得るデータ間の、論理関係を示している。位置情報2902、位置特定情報2904、車両の向き情報2906ばかりでなく、他の情報もすべて、BCM1510または他のマイクロプロセッサによって利用され得る。矛盾する情報は、必要に応じて、最大の安全性または有用性のために重みづけされ得る。たとえば、方向がわからなくなった(たとえば、ひっくり返った)車両は常に、2912で示される、中央ストロボの判断になり得る。左2908または右2910ストロボ発光が起動されるかどうかを判断するために、位置(たとえば、向いている方向)2902が、位置特定2904および向き2906(たとえば、車両が反転されていない)と共に考慮され得る。
【0110】
図30は、上記の制御論理による方向制御および/または邪魔ものの制御を展開する、本開示のシステム内の構成要素間の関係を大まかに示している。ただし、方向制御および邪魔ものの制御は、ここで全体を通して説明されている他のシステムで動作可能であり、これらおよび他のものに基づいて考案され得るので、
図30は、制限を考慮される必要はない。マイクロコントローラまたはBCM1510は、右前部信号ランプまたはライト108、左前部ライト102、右後部ライト112、左後部ライト106、および場合によっては他のもの(HCMSLまたは補助ライトなど)に対して動作制御する。BCM1510は、本明細書に記載されている制御プロセスかまたは他のプロセスに基づき、ハザードスイッチ206(および、場合によってはあり得る補助スイッチまたはストロボスイッチ)などのスイッチ、カメラ3002(たとえば自動操縦、自動駐車、クルーズ制御などにも使用され得る前方、後方、または側面カメラ)からの入力またはデータに基づいて、様々なライトのストロボ発光または点滅をどのように実施すべきかを、最終的に判断することができる。レーダのデータ(図示せず)も、使用され得る。速度計3004からの速度計が、使用され得る。ABSシステム3006および/またはGPSシステム3008も、データを供給することができる。マイクロコントローラ3010は、車両に付随し得るか、さもなければ、任意の手段によってBCM1510に供給され得る関連するデータを有することができる、任意の追加システムを表す。
【0111】
「含む」、「備える」、「からなる」という用語、およびその文法的変形は、1つもしくは複数の構成要素、特徴、ステップ、または整数、あるいはこれらのグループの追加を排除するものではなく、これらの用語は、構成要素、特徴、ステップ、または整数を特定するものと解釈されるべきであることを理解されたい。
【0112】
明細書または特許請求の範囲が「追加の」要素に言及している場合、複数の追加の要素が存在することを排除するものではない。
【0113】
特許請求の範囲または明細書が「a」または「an」要素に言及している場合、かかる言及は、その要素の1つだけしかないと解釈されるものではないことを理解されたい。
【0114】
明細書が、構成要素、特徴、構造、または特性が「may」、「might」、「can」、または「could」で含まれると記載している場合、その特定の構成要素、特徴、構造、または特性は、含まれる必要がないことを理解されたい。
【0115】
該当する場合、状態図、流れ図、またはその両方が、実施形態を説明するために使用され得るが、本発明はこれらの図または対応する説明に限定されるものではない。たとえば、フローは、図示されている各ボックスまたは状態を通過する必要がないか、または図示され、説明されているものとまったく同じ順序で通過する必要がない。
【0116】
本発明の方法は、手動で、自動で、またはその組合せで、選択されたステップまたはタスクを実行または完了することによって実施され得る。
【0117】
「方法」という用語は、本発明が属する技術分野の専門家に知られているか、または知られているやり方、手段、技法、および手順から容易に開発される、そうしたやり方、手段、技法、および手順を含むが、それに限定されるものではない、所与のタスクを実現するためのやり方、手段、技法、および手順を指し得る。
【0118】
後に数字が続く「少なくとも」という用語は、本明細書では、その数字で始まる範囲の開始を示すために使用される(該範囲は、定義されている変数に応じて、上限を有しているかまたは上限を有していない範囲であり得る)。たとえば、「少なくとも1」は、1または1を超えることを意味する。後に数字が続く「最大」という用語は、本明細書では、その数字で終わる範囲の終了を示すために使用される(該範囲は、定義されている変数に応じて、範囲の下限として1もしくは0を有する範囲か、または下限を有していない範囲であり得る)。たとえば、「最大4」は4または4未満を意味し、「最大40%」は40%または40%未満を意味する。
【0119】
この文書で、範囲が「(最初の数値)から(2番目の数値)」または「(最初の数値)~(2番目の数値)」と示されている場合、これは、下限が最初の数値であり、上限が2番目の数値である範囲を意味する。たとえば、25から100は、下限が25で、上限が100の範囲を意味すると解釈されたい。さらに、範囲が与えられている場合、文脈が逆を示していない限り、その範囲内のあらゆる可能な部分的範囲または区間も特に意図されていることに留意されたい。たとえば、明細書が25から100の範囲を示している場合、かかる範囲は、26~100、27~100など、25~99、25~98などの部分的範囲ばかりでなく、たとえば33~47、60~97、41~45、28~96など、記載された範囲内の、他のどんな下側の値と上側の値との可能な組合せを含むことも意図されている。整数範囲の値が、この段落において、例示のためだけに使用されていることに留意されたい。また、特に除外されていない限り、小数および分数の値(たとえば、46.7~91.3)も、可能な部分的範囲の端点として意図されていることも理解されたい。
【0120】
本明細書において、2つ以上の定義されたステップを含む方法が参照される場合、定義されたステップは、任意の順序でまたは同時に実行され得(文脈がこの可能性を除外する場合を除く)、該方法は、定義されたステップのいずれかの前に、定義された2つのステップ間に、または定義されたすべてのステップの後に実行される、1つまたは複数の他のステップも含み得る(文脈がこの可能性を除外する場合を除く)ことに留意されたい。
【0121】
さらに、概算の用語(たとえば、「約」、「実質的に」、「ほぼ」など)は、本明細書で別段の指示がない限り、本発明の属する関連技術分野で使用される、上記用語の通常の慣習的な意味にしたがって解釈されるべきであることに留意されたい。この開示内に特定の定義がなく、本発明の属する関連技術における通常の慣習的な使用法がない場合、かかる用語は、基本値のプラス10%からマイナス10%であると解釈されたい。
【0122】
したがって、本発明は、諸目的を実行し、上記の目標および利点、ならびに目標および利点に固有のものを達成するように、十分に適合されている。本発明のデバイスは、本明細書に添付されている図面に関する特定の好ましい実施形態を参照することによって、本明細書で説明および図示されてきたが、本明細書に示されるかまたは示唆されているもの以外の様々な変更およびさらなる修正が、以下の特許請求の範囲によってその範囲が判断されるべき、本発明の概念の精神から逸脱することなく、その中で当業者によって行われ得る。