(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】撮像装置および撮像装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
H04N 25/70 20230101AFI20240702BHJP
【FI】
H04N25/70
(21)【出願番号】P 2021562472
(86)(22)【出願日】2020-09-30
(86)【国際出願番号】 JP2020037164
(87)【国際公開番号】W WO2021111716
(87)【国際公開日】2021-06-10
【審査請求日】2023-08-28
(31)【優先権主張番号】P 2019219540
(32)【優先日】2019-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080160
【氏名又は名称】松尾 憲一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149205
【氏名又は名称】市川 泰央
(72)【発明者】
【氏名】辻 睦夫
(72)【発明者】
【氏名】茅野 大祐
【審査官】花田 尚樹
(56)【参考文献】
【文献】実開平03-021859(JP,U)
【文献】実開平05-062057(JP,U)
【文献】特開2001-308302(JP,A)
【文献】国際公開第2016/129409(WO,A1)
【文献】特開2008-258921(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/30 - 5/33
23/11
23/20 -23/30
25/00
25/20 -25/61
25/615-25/79
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射光を透過する透光部が配置されて当該透光部を透過した前記入射光に基づいて画像信号を生成する撮像チップおよび当該撮像チップにおける前記透光部が配置される面とは異なる面である底面に配置されて前記生成された画像信号を伝達するパッドを備える撮像素子と、
前記パッドに接続される配線を備えて表面に前記撮像素子が配置される配線基板と、
前記撮像チップの底面に隣接する面である側面に隣接して配置されて前記撮像チップを封止する封止部と、
前記封止部に配置されて前記撮像素子に光学画像を結像するレンズユニットの一部を嵌合させる嵌合部と
、を具備し、
前記封止部は、前記配線基板の前記表面に隣接する面である側面にさらに配置される
撮像装置。
【請求項2】
前記嵌合部は、凹部により構成される請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記嵌合部は、貫通孔により構成される前記凹部により構成される請求項2記載の撮像装置。
【請求項4】
前記嵌合部は、切欠きにより構成される請求項1記載の撮像装置。
【請求項5】
前記嵌合部は、突部により構成される請求項1記載の撮像装置。
【請求項6】
前記封止部は、前記透光部の前記入射光が照射される面である上面に隣接する面である側面に隣接して配置されるとともに自身の前記入射光が照射される面が前記上面を展延する平面に構成される請求項1
~5のいずれか1項記載の撮像装置。
【請求項7】
入射光を透過する透光部が配置されて当該透光部を透過した前記入射光に基づいて画像信号を生成する撮像チップおよび当該撮像チップにおける前記透光部が配置される面とは異なる面である底面に配置されて前記生成された画像信号を伝達するパッドを備える撮像素子と、
前記パッドに接続される配線を備えて表面に前記撮像素子が配置される配線基板と、
前記撮像チップの底面に隣接する面である側面に隣接して配置されて前記撮像チップを封止する封止部と、
前記封止部に配置されて前記撮像素子に光学画像を結像するレンズユニットの一部を嵌合させる嵌合部と
、を具備し、
前記配線基板は、前記撮像素子の外側の領域に延在して構成され、
前記透光部は、前記撮像チップの外側の領域に延在して構成され、
前記封止部は、前記外側の領域の前記透光部および前記外側の領域の前記配線基板に隣接して配置され、
前記嵌合部は、前記封止部、前記配線基板および前記透光部を貫通する形状に構成されている
撮像装置。
【請求項8】
前記撮像素子に光学画像を結像するレンズユニットをさらに具備し、
前記嵌合部は、前記レンズユニットの一部と嵌合する
請求項1
~7のいずれか1項記載の撮像装置。
【請求項9】
入射光を透過する透光部が配置されて当該透光部を透過した前記入射光に基づいて画像信号を生成する撮像チップおよび当該撮像チップにおける前記透光部が配置される面とは異なる面である底面に配置されて前記生成された画像信号を伝達するパッドを備える撮像素子に前記パッドに接続される配線を備えて表面に前記撮像素子が配置される配線基板を配置する配線基板配置工程と、
前記撮像チップを封止する封止部を前記撮像チップの底面に隣接する面である側面に隣接して配置する
とともに、前記封止部を前記配線基板の前記表面に隣接する面である側面に配置する封止工程と、
前記撮像素子に光学画像を結像するレンズユニットの一部を嵌合させる嵌合部を前記封止部に配置する嵌合部配置工程と
を具備する撮像装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、撮像装置および撮像装置の製造方法に関する。詳しくは、撮影レンズが配置されたレンズユニットが結合される撮像装置および当該撮像装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、撮像素子および撮影レンズが配置されてモジュール形状に構成された撮像装置が使用されている。このようなモジュール形状の撮像装置として、例えば、撮影用の光路となる孔が貫通形成された支持体および撮像素子を構成する撮像チップが実装された基板を備える撮像装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この従来技術の撮像装置において、基板は、撮像チップが支持体の孔の一端から他端を臨んだ状態で孔の貫通方向の一端を閉塞するように取着される。また、孔の他端には光学部材が孔を閉塞するように取着される。この光学部材には、例えば、透明なガラス材料により構成された矩形板状のカバーガラスが使用される。基板および光学部材は、熱硬化型接着剤により支持体に接着される。孔の両端に基板および光学部材が取着されることにより、撮像素子チップが収容された空間が封止される。
【0003】
基板を支持体に取着させる際には、撮像チップの位置合わせを行いながら熱硬化型接着剤により接着する。この位置合わせは、撮像チップの表面に配置されたアライメントマークをCCDカメラで撮影しながら支持体の位置をX軸、Y軸およびZ軸方向に調節することにより行われる。
【0004】
基板および光学部材が取着された支持体は、撮影レンズが配置された鏡胴に取り付けられる。支持体には鏡胴に取り付ける際の位置決め孔が形成され、鏡胴には位置決めピンが配置される。組立ての際には、支持体の位置決め孔に鏡胴の位置決めピンが挿通されて、固定される。この固定は、ねじの締結により行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の従来技術では、撮像素子の位置合わせ精度が低下するという問題がある。上述のように、撮像素子チップは基板に実装され、この撮像素子チップが実装された基板が支持体に位置合わせされて取着される。この支持体は位置決めされた鏡胴に取り付けられるため、撮像チップは基板および支持体を介して位置合わせされる。基板および支持体へのそれぞれの取り付けの位置合わせ精度が乗算されることとなり、精度が低下するという問題がある。
【0007】
本開示は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、撮像素子と撮影レンズとの位置合わせ精度を向上させることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、上述の問題点を解消するためになされたものであり、その第1の態様は、入射光を透過する透光部が配置されて当該透光部を透過した上記入射光に基づいて画像信号を生成する撮像チップおよび当該撮像チップにおける上記透光部が配置される面とは異なる面である底面に配置されて上記生成された画像信号を伝達するパッドを備える撮像素子と、上記パッドに接続される配線を備えて表面に上記撮像素子が配置される配線基板と、上記撮像チップの底面に隣接する面である側面に隣接して配置されて上記撮像チップを封止する封止部と、上記封止部に配置されて上記撮像素子に光学画像を結像するレンズユニットの一部を嵌合させる嵌合部とを具備する撮像装置である。
【0009】
また、この第1の態様において、上記嵌合部は、凹部により構成されてもよい。
【0010】
また、この第1の態様において、上記嵌合部は、貫通孔により構成される上記凹部により構成されてもよい。
【0011】
また、この第1の態様において、上記嵌合部は、切欠きにより構成されてもよい。
【0012】
また、この第1の態様において、上記嵌合部は、突部により構成されてもよい。
【0013】
また、この第1の態様において、上記嵌合部は、上記封止部と同時に形成されてもよい。
【0014】
また、この第1の態様において、上記封止部は、上記配線基板が配置された上記撮像チップの側面に隣接して配置されてもよい。
【0015】
また、この第1の態様において、上記封止部は、上記配線基板の上記表面に隣接する面である側面にさらに配置されてもよい。
【0016】
また、この第1の態様において、上記配線基板は、上記撮像素子の外側の領域に延在する配線を備えてもよい。
【0017】
また、この第1の態様において、上記配線基板は、上記封止部が配置された上記撮像チップの底面に配置されてもよい。
【0018】
また、この第1の態様において、上記透光部は、上記撮像チップの外側の領域に延在して構成され、上記封止部は、上記延在する領域の透光部に隣接して配置されてもよい。
【0019】
また、この第1の態様において、上記封止部は、上記透光部の上記入射光が照射される面である上面に隣接する面である側面に隣接して配置されるとともに自身の上記入射光が照射される面が上記上面を展延する平面に構成されてもよい。
【0020】
また、この第1の態様において、上記撮像素子に光学画像を結像するレンズユニットをさらに具備し、上記嵌合部は、上記レンズユニットの一部と嵌合してもよい。
【0021】
また、本開示の第2の態様は、入射光を透過する透光部が配置されて当該透光部を透過した上記入射光に基づいて画像信号を生成する撮像チップおよび当該撮像チップにおける上記透光部が配置される面とは異なる面である底面に配置されて上記生成された画像信号を伝達するパッドを備える撮像素子に上記パッドに接続される配線を備えて表面に上記撮像素子が配置される配線基板を配置する配線基板配置工程と、上記撮像チップを封止する封止部を上記撮像チップの底面に隣接する面である側面に隣接して配置する封止工程と、上記撮像素子に光学画像を結像するレンズユニットの一部を嵌合させる嵌合部を上記封止部に配置する嵌合部配置工程とを具備する撮像装置の製造方法である。
【0022】
本開示の態様により、封止部にレンズユニットを嵌合する嵌合部が形成されるという作用をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本開示の第1の実施の形態に係る撮像装置の構成例を示す図である。
【
図2】本開示の第1の実施の形態に係る撮像装置の構成例を示す断面図である。
【
図3】本開示の第1の実施の形態に係る撮像モジュールの構成例を示す断面図である。
【
図4】本開示の第1の実施の形態に係る撮像装置の製造方法の一例を示す図である。
【
図5】本開示の第1の実施の形態に係る撮像装置の製造方法の一例を示す図である。
【
図6】本開示の第1の実施の形態に係る撮像装置の他の製造方法の一例を示す図である。
【
図7】本開示の第1の実施の形態の変形例に係る撮像装置の構成例を示す断面図である。
【
図8】本開示の第1の実施の形態の変形例に係る撮像装置の他の構成例を示す図である。
【
図9】本開示の第2の実施の形態に係る撮像装置の構成例を示す断面図である。
【
図10】本開示の第2の実施の形態に係る撮像装置の製造方法の一例を示す図である。
【
図11】本開示の第2の実施の形態に係る撮像装置の製造方法の一例を示す図である。
【
図12】本開示の第3の実施の形態に係る撮像装置の構成例を示す断面図である。
【
図13】本開示の第3の実施の形態に係る撮像装置の製造方法の一例を示す図である。
【
図14】本開示の第3の実施の形態に係る撮像装置の製造方法の一例を示す図である。
【
図15】本技術が適用され得る撮像装置の一例であるカメラの概略的な構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に、図面を参照して、本開示を実施するための形態(以下、実施の形態と称する)を説明する。以下の図面において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付している。また、以下の順序で実施の形態の説明を行う。
1.第1の実施の形態
2.第2の実施の形態
3.第3の実施の形態
4.カメラへの応用例
【0025】
<1.第1の実施の形態>
[撮像装置の構成]
図1は、本開示の第1の実施の形態に係る撮像装置の構成例を示す図である。同図の撮像装置100は、撮像素子110が封止部130により封止された半導体パッケージにより構成される。後述するように、撮像素子110の内部には半導体チップである撮像チップ(後述する撮像チップ111)が配置される。撮像素子110の表面側には、入射光を透過させる透光部114が配置される。透光部114を透過した入射光が撮像チップ111に照射される。この透光部114は撮像装置100の上面に配置され、後述するレンズユニットにより被写体からの入射光が照射される。撮像装置100は、レンズユニットと結合されて撮像モジュールを構成する。
【0026】
同図の封止部130は、撮像素子110の側面に配置される。封止部130には、嵌合部140が配置される。この嵌合部140は、レンズユニットの取付けの際の位置決めのために、レンズユニットの一部と嵌合する。同図の嵌合部140は、丸孔に構成され、封止部130の上面における4隅に配置される例を表したものである。
【0027】
[撮像装置の断面の構成]
図2は、本開示の第1の実施の形態に係る撮像装置の構成例を示す断面図である。同図は、撮像装置100の構成例を表す模式断面図であり、
図1の撮像装置100の上面の対角線に沿った模式断面図である。同図の撮像装置100は、撮像素子110と、配線基板120と、封止部130と、嵌合部140と、接続部150とを備える。
【0028】
撮像素子110は、入射光に基づいて画像信号を生成する半導体素子である。この撮像素子110は、撮像チップ111、絶縁膜115、パッド116、接着剤113および透光部114を備える。
【0029】
撮像チップ111は、入射光に基づいて画像信号を生成する半導体チップである。この撮像チップ111は、入射光に基づいて画像信号を生成する複数の画素を備える。この画素には、入射光に応じて光電変換を行う光電変換部および光電変換により生成された電荷に基づいて画像信号を生成する画素回路が配置される。撮像チップ111は、入射光が照射される面である受光面に複数の画素が2次元格子状に配置されて構成される。また、それぞれの画素には、オンチップレンズ112が配置される。このオンチップレンズ112は、半球形状に構成され、入射光を光電変換部に集光するレンズである。同図に表したように、このオンチップレンズ112は、撮像チップ111の受光面に配列される。光電変換部等は、撮像チップ111の内部に形成される。
【0030】
絶縁膜115は、撮像チップ111の受光面とは異なる面である裏面に配置されて撮像チップ111の裏面を絶縁する膜である。この絶縁膜115は、例えば、酸化シリコン(SiO2)等の絶縁物の膜により構成することができる。また、ソルダレジスト等の樹脂により構成することもできる。
【0031】
パッド116は、撮像チップ111に配置されて画素により生成される画像信号等の信号を伝達する電極である。このパッド116は、撮像チップ111の裏面に配置され、上述の絶縁膜115に埋め込まれる形状に構成される。画像信号以外の制御信号や電源等もパッド116を介して伝達される。撮像チップ111の底面にはこのようなパッド116が複数配置され、撮像チップ111の入出力端子を構成する。パッド116は、銅(Cu)や金(Au)等の金属により構成することができる。なお、パッド116は、撮像チップ111の内部に形成された配線により上述の画素回路等に接続される。
【0032】
接着剤113は、撮像チップ111の受光面に隣接して配置されて撮像チップ111および後述する透光部114を接着するものである。この接着剤113には、透明な樹脂を使用することができる。
【0033】
透光部114は、入射光を透過する基板である。同図の透光部114の上面に入射光が照射される。また、透光部114は、撮像チップ111の保護をさらに行う。この透光部114は、ガラスや樹脂等の透明な部材により構成することができる。
【0034】
配線基板120は、表面に撮像素子110が搭載される基板である。この配線基板120は、配線層122および絶縁層121を備える。配線層122は、撮像素子110の信号を伝達する配線である。同図の配線層122は、撮像素子110のパッド116に接続され、画像信号等を伝達する。配線層122は、例えば、Cu、Au、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)およびパラジウム(Pd)等の金属により構成することができる。また、配線層122は、めっきにより形成することができる。
【0035】
絶縁層121は、配線層122を絶縁するものである。この絶縁層121は、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂およびフェノール樹脂等により構成することができる。配線層122および絶縁層121は、多層に構成することができる。同図は、2層に構成される配線層122および絶縁層121の例を表したものである。異なる層に配置される配線層122同士は、ビア123を介して接続することができる。なお、配線基板120の裏面には、配線基板パッド124が配置される。この配線基板パッド124は、配線層122やビア123を介して撮像チップ111のパッド116に接続される。また配線基板パッド124には、後述する接続部150が接合される。
【0036】
この配線基板120が撮像チップ111の裏面に配置される。これは、例えば、配線基板120を撮像チップ111の裏面に貼り合わせることにより行うことができる。具体的には、配線基板120の配線層122を撮像チップ111のパッド116に接合することにより行うことができる。この接合には、例えば、半田付けを適用することができる。また、例えば、撮像チップ111の裏面に配線基板120を形成することにより行うことができる。具体的には、撮像チップ111の裏面に絶縁層121の膜を形成し、ビア123を形成する位置、すなわち、パッド116に隣接する位置の絶縁層121に開口部を形成する。次に、この絶縁層121に隣接して配線層122の材料となる金属膜を配置する。これは、例えば、めっきにより行うことができる。この際、絶縁層121の開口部にも配線層122の材料となる金属膜を配置する。次に、この金属膜をパターニングして配線層122を形成する。この絶縁層121および配線層122の形成を必要な回数繰り返すことにより、配線基板120を撮像チップ111の裏面に配置することができる。
【0037】
封止部130は、撮像素子110を封止するものである。同図の封止部130は、撮像素子110の側面に隣接して配置され、撮像素子の側面を封止する。また、封止部130は、配線基板120の側面にも隣接して配置される。封止部130は、エポキシ樹脂やポリイミド樹脂等により構成することができる。また、封止部130の強度を向上するためフィラーをこれらの樹脂に分散させることもできる。
【0038】
同図の封止部130は、透光部114の側面に隣接して配置されるとともに透光部114の上面を展延する平面に自身の上面が構成される。これにより、撮像装置100の上面が単一の平面に構成される。
【0039】
嵌合部140は、前述のように、レンズユニットの取付けの際の位置決めのために、レンズユニットの一部と嵌合するものである。この嵌合部140は、封止部130に配置されてレンズユニットの一部と嵌合し、レンズユニットの位置を固定する。嵌合部140は、例えば、封止部130に形成された凹部により構成することができる。同図の嵌合部140は、封止部130の凹部の例として貫通孔により構成される嵌合部140を表したものである。
【0040】
接続部150は、配線基板120の裏面に配置されるとともに配線基板パッド124に接続されるものである。この接続部150は、画像信号等の信号を伝達し、撮像素子110の端子を構成する。接続部150は、半田ボール等の金属により構成することができる。
【0041】
なお、同図の撮像素子110は、透光部114および配線基板120が撮像チップ111と略同じ平面サイズに構成される例を表したものである。
【0042】
[撮像モジュールの断面の構成]
図3は、本開示の第1の実施の形態に係る撮像モジュールの構成例を示す断面図である。同図は、撮像モジュール10の構成例を表す断面図である。同図の撮像モジュール10は、撮像装置100およびレンズユニット200により構成される。また、同図の撮像モジュール10は、基板20に実装される。
【0043】
レンズユニット200は、鏡胴210および撮影レンズ220を備える。鏡胴210は、撮影レンズを保持するものである。撮影レンズ220は、被写体を撮像素子110に結像するレンズである。この撮影レンズ220は、鏡胴210に複数個配置することができる。また、鏡胴210には、撮影レンズを駆動してピントを調整するためのアクチュエータを配置することもできる。鏡胴210の底部には、凸部211が配置される。この凸部211が撮像装置100の嵌合部140に挿通されて、レンズユニット200が撮像装置100に位置決めされる。
【0044】
撮像装置100における撮像素子110の中心に対する複数の嵌合部140の相対的な位置とレンズユニット200における撮影レンズ220の光軸に対する複数の凸部211の相対的な位置とを合わせることにより、X軸およびY軸方向の位置決めを行うことができる。また、前述のように撮像素子110(透光部114)の上面と封止部130の上面とを同一の平面に構成することにより、X軸およびY軸の回転方向の位置ずれであるあおり方向のずれを低減することができる。この際、レンズユニット200の底面に対して撮影レンズ220を平行に配置することは勿論である。この位置決めにより、撮影レンズ220が撮像素子110の撮像チップ111の受光面の中央に被写体を結像することができる。なお、Z軸方向の位置決めは、撮影レンズ220の位置を調整することにより行うことができる。
【0045】
なお、本開示の第1の実施の形態の撮像装置100の構成は、この例に限定されない。例えば、封止部130の上面の3つの隅部に嵌合部140を配置することもできる。また、隅部以外の封止部130に嵌合部140を配置することもできる。
【0046】
[撮像装置の製造方法]
図4および5は、本開示の第1の実施の形態に係る撮像装置の製造方法の一例を示す図である。
図4および5は、撮像装置100の製造工程の一例を示す図である。まず、半導体ウェハ形状の撮像素子300を形成する。この撮像素子300は、複数の撮像チップが形成された半導体ウェハの受光面に接着剤113(不図示)を使用して透光部114を構成するガラス板が貼り合わされ、裏面に配線基板120が配置されて構成されたものである。この撮像素子300をダイシングテープ301に着設する(
図4におけるA)。次に、撮像素子300のダイシングを行う。ダイシングブレードにより撮像素子300に溝302を形成し、撮像素子300を複数の撮像素子110に個片化する(
図4におけるB)。これにより、配線基板120が配置された撮像素子110を製造することができる。当該工程は、請求の範囲に記載の配線基板配置工程の一例である。
【0047】
次に、個片化された撮像素子110を樹脂成形用シート303に再配置する。この再配置は、以降の工程において形成される嵌合部140対して比較的高い位置の精度に配置する。この再配置の際、撮像素子110の透光部114が配置される側を樹脂成形用シート303に着設する(
図4におけるC)。
【0048】
次に、金型304を撮像素子110および樹脂成形用シート303に隣接して配置する。この金型304には、嵌合部140を形成する位置にピン305が配置される。次に、金型304および樹脂成形用シート303の間に封止部130の材料となる樹脂306を配置する。これは、金型304および樹脂成形用シート303の間に樹脂306を流し込み、硬化させることにより行うことができる(
図4におけるD)。次に、金型304を除去する。これにより、封止部130を撮像素子110の側面に配置することができ、撮像素子110を封止することができる(
図5におけるE)。当該工程は、請求の範囲に記載の封止工程の一例である。また、金型304のピン305の位置には、嵌合部140が形成されて配置される。当該工程は、請求の範囲に記載の嵌合部配置工程の一例である。
【0049】
次に、樹脂成形用シート303を除去し、配線基板120の配線基板パッド124(不図示)に接続部150を配置する。これは、配線基板パッド124に接続部150を半田付けすることにより行うことができる(
図5におけるF)。これにより、封止部130により連結された状態の複数の撮像装置100を形成することができる。
【0050】
次に、封止部130により連結された複数の撮像装置100をダイシングテープ307に着設する(
図5におけるG)。
【0051】
次に、ダイシングを行って封止部130に溝308を形成し、撮像装置100を個片化する(
図5におけるH)。次に、ダイシングテープ307を除去する。これにより、撮像装置100を製造することができる。以上説明した製造方法は、封止部130および嵌合部140を同時に形成する例を表したものである。
【0052】
[撮像装置の他の製造方法]
図6は、本開示の第1の実施の形態に係る撮像装置の他の製造方法の一例を示す図である。同図は、撮像装置100の製造工程を表した図であり、
図4におけるDおよび
図5におけるEの工程の代わりに実行する工程である。
【0053】
まず、金型309を撮像素子110および樹脂成形用シート303に隣接して配置する。この金型309は、
図4におけるDにおいて説明した金型304とは異なり、嵌合部140を形成する位置のピン305が配置されない金型である。次に、金型309および樹脂成形用シート303の間に封止部130の材料となる樹脂310を配置し、撮像素子110を封止する(
図6におけるA)。当該工程は、請求の範囲に記載の封止工程の一例である。
【0054】
次に、金型309を除去する(
図6におけるB)。次に、封止部130に嵌合部140を配置する。これは、封止部130に嵌合部140を構成する貫通孔を形成することにより行うことができる(
図6におけるC)。この貫通孔の形成は、例えば、レーザ光の照射により行うことができる。この際、撮像素子110の位置を測定して撮像素子110に対する相対的な嵌合部140を形成する位置を取得して貫通孔を形成する。これにより、嵌合部140の位置精度を向上させることができる。
【0055】
なお、撮像装置100の製造方法は、この例に限定されない。例えば、撮像素子110の配線基板120の側を樹脂成形用シート303に配置し、透光部114を含む撮像素子110全体を封止することもできる。この場合には、封止後に封止部130を研削して透光部114の面を表面に露出させる。この際、透光部114の研削をさらに行うことにより、撮像装置100を低背化することができる。
【0056】
[変形例]
上述の撮像装置100は、貫通孔により構成された嵌合部140が配置されていたが、異なる形状の嵌合部を配置してもよい。
【0057】
図7は、本開示の第1の実施の形態の変形例に係る撮像装置の構成例を示す断面図である。同図は、
図2と同様に、撮像装置100の構成例を表した図である。同図においては、配線基板120等の記載を簡略化している。
【0058】
同図におけるAは、凹部により構成される嵌合部141の例を表した図である。同図におけるAの嵌合部141は、封止部130を貫通しない丸孔に構成され、
図3において説明した鏡胴210の凸部211を挿入可能な深さに構成することができる。
【0059】
同図におけるBは、凸部により構成される嵌合部142の例を表した図である。同図におけるBの嵌合部142は円柱形状に構成され、この嵌合部142と嵌合するレンズユニット200の鏡胴210には丸孔が形成される。
【0060】
図8は、本開示の第1の実施の形態の変形例に係る撮像装置の他の構成例を示す図である。同図におけるAは、撮像装置100の底面図であり、切欠きにより構成された嵌合部143が配置される撮像装置100の例を表した図である。同図におけるAの撮像装置100の底面には、配線基板120の裏面が配置される。嵌合部143は、封止部130の隅部の近傍に配置される。この嵌合部143は、嵌合部140を半分に切断した形状と等価であり、嵌合部140より小さいサイズに構成することができる。このため、嵌合部140を配置する領域を縮小することができ、配線基板120の外側の封止部130を薄肉化することができる。なお、同図の撮像装置100は、配線基板120の裏面に接続部150が4行4列に配置される例を表したものであるが、接続部150の個数等を限定するものではない。
【0061】
同図におけるBは、嵌合部143の製造方法を表した図である。同図におけるBは、
図5におけるGにおいて説明したダイシングテープ307に着設された複数の撮像装置100の構成を表す平面図である。同図におけるBの点線は、ダイシングブレードにより切断する位置を表したものである。ダイシング前の封止部130には貫通孔311が形成される。この貫通孔311は、同図におけるBに表したように2つに切断される封止部130の両方に掛かる位置に配置される。これらの撮像装置100をダイシングして個片化することにより、平面視において半円形状の嵌合部143を形成することができる。
【0062】
なお、撮像装置100の構成は、この例に限定されない。例えば、矩形等の異なる形状の切欠きにより嵌合部143を構成することもできる。
【0063】
以上説明したように、本開示の第1の実施の形態の撮像装置100は、撮像装置100の封止部130のレンズユニット200と結合される面に嵌合部140を配置して位置合わせを行う。これにより、撮像装置100およびレンズユニット200の位置合わせの精度を向上させることができる。
【0064】
<2.第2の実施の形態>
上述の第1の実施の形態の撮像装置100は、撮像素子110と同じサイズの配線基板120を使用していた。これに対し、本開示の第2の実施の形態の撮像装置100は、撮像素子110より大きいサイズの配線基板を使用する点で、上述の第1の実施の形態と異なる。
【0065】
[撮像装置の断面の構成]
図9は、本開示の第2の実施の形態に係る撮像装置の構成例を示す断面図である。同図は、
図2と同様に、撮像装置100の構成例を表す模式断面図である。配線基板120および封止部130の代わりに配線基板125および封止部131が配置される点で、
図2の撮像装置100と異なる。
【0066】
配線基板125は、撮像素子110より大きいサイズの配線基板である。同図の配線基板125は、撮像装置100の底部の全体を占める形状に構成される例を表したものである。この配線基板125には、配線層126が配置される。この配線層126は、撮像素子110の外側の領域に延在する配線である。具体的には、配線層126は、撮像チップ111の裏面に配置されるパッド116と撮像素子110の外側の領域の配線基板125に配置される配線基板パッド124との間を接続する。すなわち、撮像チップ111のパッド116の位置が後述する封止部131の領域に拡張された形状に再配置される。このような半導体パッケージは、ファンアウトウェハレベルパッケージ(FOWLP:Fan Out Wafer Level Package)と称され、CSP(Chip Size Package)と比較して多くのパッドを備える半導体チップに適用することが可能なパッケージである。
【0067】
封止部131は、撮像素子110の側面に隣接して配置されるとともに撮像素子110の外側の領域の配線基板125に隣接して配置される封止部である。封止部131には、封止部130と同様に嵌合部140が形成される。この嵌合部140によりレンズユニット200との位置合わせを行うことができる。
【0068】
同図の撮像装置100においては、配線基板125の略全面に配線基板パッド124を配置することができる。この場合、嵌合部140は、配線基板パッド124の隙間に配置することができる。
図2の撮像装置100と比較して嵌合部140を配置する領域の封止部131を縮小することができ、撮像装置100を小型化することができる。
【0069】
[撮像装置の製造方法]
図10および11は、本開示の第2の実施の形態に係る撮像装置の製造方法の一例を示す図である。
図10および11は、
図6および7と同様に、撮像装置100の製造工程の一例を示す図である。撮像素子110が封止された後に配線基板125が配置される点で、
図6および7に表した製造工程と異なる。
【0070】
まず、半導体ウェハ形状の撮像素子321を形成する。この撮像素子321は、複数の撮像チップが形成された半導体ウェハの受光面に接着剤113(不図示)を使用して透光部114を構成するガラス板が貼り合わされて構成されたものである。この撮像素子321をダイシングテープ301に着設する(
図10におけるA)。
【0071】
次に、ダイシングブレードにより撮像素子321に溝322を形成し、撮像素子321のダイシングを行う。撮像素子321を複数の撮像素子110に個片化する(
図10におけるB)。
【0072】
次に、個片化された撮像素子110を樹脂成形用シート303に再配置する。
図4におけるCの工程と同様に、撮像素子110の透光部114が配置される側を樹脂成形用シート303に着設する(
図10におけるC)。
【0073】
次に、金型324を撮像素子110に隣接して配置する。この金型324には、嵌合部140を形成する位置にピン325が配置される。次に、金型324および樹脂成形用シート303の間に封止部131の材料となる樹脂326を流し込み、硬化させる(
図10におけるD)。次に、金型3
24を除去する。これにより、封止部131を撮像素子110の側面および撮像素子110の外側の領域の配線基板125に隣接して配置することができ
、撮像素子110を封止することができる(
図10におけるE)。当該工程は、請求の範囲に記載の封止工程の一例である。また、金型324のピン325の位置には、嵌合部140が形成されて配置される。当該工程は、請求の範囲に記載の嵌合部配置工程の一例である。
【0074】
次に、撮像素子110の裏面に配線基板327を配置する(
図11におけるF)。この配線基板327は、複数の配線基板125が形成された配線基板である。この配線基板327の配置は、他の製造工程において形成されたビルドアップ基板等の配線基板327を撮像素子110に接合することにより行うことができる。また、撮像素子110の裏面に絶縁層121および配線層126を順に積層して配線基板327を形成することにより行うこともできる。当該工程は、請求の範囲に記載の配線基板配置工程の一例である。
【0075】
次に、樹脂成形用シート303を除去し、配線基板327の配線基板パッド124に接続部150を配置する(
図11におけるG)。これにより、封止部131および配線基板327により連結された状態の複数の撮像装置100を形成することができる。
【0076】
次に、封止部131により連結された複数の撮像装置100をダイシングテープ307に着設し(
図11におけるH)、ダイシングを行って封止部131に溝328を形成し、撮像装置100を個片化する(
図11におけるI)。次に、ダイシングテープ307を除去する。これにより、撮像装置100を製造することができる。以上説明した製造方法は、封止部131および嵌合部140を同時に形成する例を表したものである。
【0077】
なお、撮像装置100の製造方法は、この例に限定されない。例えば、
図6において説明したように撮像素子110を封止した後に嵌合部140を形成する製造方法を適用することもできる。
【0078】
これ以外の撮像装置100の構成は本開示の第1の実施の形態において説明した撮像装置100の構成と同様であるため、説明を省略する。
【0079】
以上説明したように、本開示の第2の実施の形態の撮像装置100は、撮像素子110の外側の領域に延在された配線層126を備える配線基板125を配置することにより、配線基板パッド124を比較的広い範囲に分散して配置することができる。配線基板パッド124および接続部150の配置のピッチを大きくすることができ、容易に実装することができる。
【0080】
<3.第3の実施の形態>
上述の第2の実施の形態の撮像装置100は、撮像素子110と同じサイズの透光部114を使用していた。これに対し、本開示の第3の実施の形態の撮像装置100は、撮像素子110より大きいサイズの透光部を使用する点で、上述の第2の実施の形態と異なる。
【0081】
[撮像装置の断面の構成]
図12は、本開示の第3の実施の形態に係る撮像装置の構成例を示す断面図である。同図は、
図9と同様に、撮像装置100の構成例を表す模式断面図である。封止部131、透光部114および嵌合部140の代わりに封止部132、透光部118および嵌合部144が配置される点で、
図9の撮像装置100と異なる。
【0082】
透光部118は、透光部114と同様に、入射光を透過する基板である。この透光部118は、撮像チップ111の外側の領域に延在して配置される。同図の透光部118は、平面視において配線基板125と同じサイズに構成される。また、透光部118には、後述する嵌合部144が穿孔される。
【0083】
同図の配線基板125は、
図9の配線基板125とは異なり、嵌合部144が穿孔される。
【0084】
封止部132は、撮像素子110の側面に隣接して配置されるとともに撮像素子110の外側の領域の配線基板125および透光部118に隣接して配置される封止部である。封止部132には、嵌合部144が形成される。
【0085】
嵌合部144は、封止部132、配線基板125および透光部118を貫通する形状に構成された嵌合部である。この嵌合部144によりレンズユニット200との位置合わせを行うことができる。
【0086】
同図の撮像装置100は、受光面の全面が透光部118により構成されるため、受光面を容易に平坦化することができる。レンズユニット200を配置する際のあおり方向の誤差を低減することができる。また、透光部118の端面が撮像チップ111の端面から離隔された構成となるため、透光部118の端面により反射された入射光の影響を軽減することができる。
【0087】
[撮像装置の製造方法]
図13および14は、本開示の第3の実施の形態に係る撮像装置の製造方法の一例を示す図である。
図13および14は、
図10および11と同様に、撮像装置100の製造工程の一例を示す図である。個片化された撮像チップ111が透光部118の材料となる透明基板に再配置される点で、
図10および11に表した製造工程と異なる。
【0088】
まず、半導体ウェハ形状の撮像素子331を形成する。この撮像素子331は、複数の撮像チップが形成された半導体ウェハである。この撮像素子321をダイシングテープ301に着設する(
図13におけるA)。
【0089】
次に、ダイシングブレードにより撮像素子331に溝332を形成し、撮像素子331のダイシングを行う。撮像素子331を複数の撮像チップ111に個片化する(
図13におけるB)。
【0090】
次に、個片化された撮像チップ111を透明基板333に再配置する。この際、接着剤113(不図示)により撮像チップ111を透明基板333に接着する(
図13におけるC)。
【0091】
次に、
図6におけるAにおいて説明した金型309を撮像チップ111に隣接して配置する。次に、金型309および透明基板333の間に封止部132の材料となる樹脂336を流し込み、硬化させる(
図13におけるD)。次に、金型309を除去する。これにより、封止部131を撮像チップ111の側面および撮像チップ111の外側の領域の透明基板333に隣接して配置することができ
、撮像素子110を封止することができる(
図13におけるE)。当該工程は、請求の範囲に記載の封止工程の一例である。
【0092】
次に、撮像素子110の裏面に
図11において説明した配線基板327を配置する(
図14におけるF)。当該工程は、請求の範囲に記載の配線基板配置工程の一例である。
【0093】
次に、配線基板327の配線基板パッド124に接続部150を配置する(
図14におけるG)。これにより、封止部132、配線基板327および透明基板333により連結された状態の複数の撮像装置100を形成することができる。
【0094】
次に、封止部132等により連結された複数の撮像装置100に嵌合部144を配置する(
図14におけるH)。これは、
図6におけるCにおいて説明した工程と同様に行うことができる。当該工程は、請求の範囲に記載の嵌合部配置工程の一例である。
【0095】
次に、封止部132等により連結された複数の撮像装置100をダイシングテープ307に着設し(
図14におけるI)、ダイシングを行って封止部131に溝338を形成し、撮像装置100を個片化する(
図14におけるJ)。次に、ダイシングテープ307を除去する。これにより、撮像素子110を製造することができ、撮像装置100を製造することができる。樹脂成形用シート303を使用しないため、撮像装置100の製造工程を簡略化することができる。
【0096】
これ以外の撮像装置100の構成は本開示の第2の実施の形態において説明した撮像装置100の構成と同様であるため、説明を省略する。
【0097】
以上説明したように、本開示の第3の実施の形態の撮像装置100は、撮像装置100の受光面の全面が透光部118により構成されるため、レンズユニット200を配置する際の位置合わせ精度を向上させることができる。
【0098】
<4.カメラへの応用例>
本開示に係る技術(本技術)は、様々な製品に応用することができる。例えば、本技術は、カメラ等の撮像装置に搭載される撮像素子として実現されてもよい。
【0099】
図15は、本技術が適用され得る撮像装置の一例であるカメラの概略的な構成例を示すブロック図である。同図のカメラ1000は、レンズ1001と、撮像素子1002と、撮像制御部1003と、レンズ駆動部1004と、画像処理部1005と、操作入力部1006と、フレームメモリ1007と、表示部1008と、記録部1009とを備える。
【0100】
レンズ1001は、カメラ1000の撮影レンズである。このレンズ1001は、被写体からの光を集光し、後述する撮像素子1002に入射させて被写体を結像させる。
【0101】
撮像素子1002は、レンズ1001により集光された被写体からの光を撮像する半導体素子である。この撮像素子1002は、照射された光に応じたアナログの画像信号を生成し、デジタルの画像信号に変換して出力する。
【0102】
撮像制御部1003は、撮像素子1002における撮像を制御するものである。この撮像制御部1003は、制御信号を生成して撮像素子1002に対して出力することにより、撮像素子1002の制御を行う。また、撮像制御部1003は、撮像素子1002から出力された画像信号に基づいてカメラ1000におけるオートフォーカスを行うことができる。ここでオートフォーカスとは、レンズ1001の焦点位置を検出して、自動的に調整するシステムである。このオートフォーカスとして、撮像素子1002に配置された位相差画素により像面位相差を検出して焦点位置を検出する方式(像面位相差オートフォーカス)を使用することができる。また、画像のコントラストが最も高くなる位置を焦点位置として検出する方式(コントラストオートフォーカス)を適用することもできる。撮像制御部1003は、検出した焦点位置に基づいてレンズ駆動部1004を介してレンズ1001の位置を調整し、オートフォーカスを行う。なお、撮像制御部1003は、例えば、ファームウェアを搭載したDSP(Digital Signal Processor)により構成することができる。
【0103】
レンズ駆動部1004は、撮像制御部1003の制御に基づいて、レンズ1001を駆動するものである。このレンズ駆動部1004は、内蔵するモータを使用してレンズ1001の位置を変更することによりレンズ1001を駆動することができる。
【0104】
画像処理部1005は、撮像素子1002により生成された画像信号を処理するものである。この処理には、例えば、画素毎の赤色、緑色および青色に対応する画像信号のうち不足する色の画像信号を生成するデモザイク、画像信号のノイズを除去するノイズリダクションおよび画像信号の符号化等が該当する。画像処理部1005は、例えば、ファームウェアを搭載したマイコンにより構成することができる。
【0105】
操作入力部1006は、カメラ1000の使用者からの操作入力を受け付けるものである。この操作入力部1006には、例えば、押しボタンやタッチパネルを使用することができる。操作入力部1006により受け付けられた操作入力は、撮像制御部1003や画像処理部1005に伝達される。その後、操作入力に応じた処理、例えば、被写体の撮像等の処理が起動される。
【0106】
フレームメモリ1007は、1画面分の画像信号であるフレームを記憶するメモリである。このフレームメモリ1007は、画像処理部1005により制御され、画像処理の過程におけるフレームの保持を行う。
【0107】
表示部1008は、画像処理部1005により処理された画像を表示するものである。この表示部1008には、例えば、液晶パネルを使用することができる。
【0108】
記録部1009は、画像処理部1005により処理された画像を記録するものである。この記録部1009には、例えば、メモリカードやハードディスクを使用することができる。
【0109】
以上、本開示が適用され得るカメラについて説明した。本技術は以上において説明した構成のうち、撮像素子1002に適用され得る。具体的には、
図1において説明した撮像装置100は、撮像素子1002に適用することができる。撮像素子1002に撮像装置100を適用することにより、カメラ1000を小型化することができる。また、
図3において説明した撮像モジュール10をレンズ1001および撮像素子1002に適用することもできる。
【0110】
なお、
図7の嵌合部141および142ならびに
図8の嵌合部143は
図9および12の撮像装置100に適用することができる。
【0111】
最後に、上述した各実施の形態の説明は本開示の一例であり、本開示は上述の実施の形態に限定されることはない。このため、上述した各実施の形態以外であっても、本開示に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【0112】
また、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無い。また、他の効果があってもよい。
【0113】
また、上述の実施の形態における図面は、模式的なものであり、各部の寸法の比率等は現実のものとは必ずしも一致しない。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれることは勿論である。
【0114】
なお、本技術は以下のような構成もとることができる。
(1)入射光を透過する透光部が配置されて当該透光部を透過した前記入射光に基づいて画像信号を生成する撮像チップおよび当該撮像チップにおける前記透光部が配置される面とは異なる面である底面に配置されて前記生成された画像信号を伝達するパッドを備える撮像素子と、
前記パッドに接続される配線を備えて表面に前記撮像素子が配置される配線基板と、
前記撮像チップの底面に隣接する面である側面に隣接して配置されて前記撮像チップを封止する封止部と、
前記封止部に配置されて前記撮像素子に光学画像を結像するレンズユニットの一部を嵌合させる嵌合部と
を具備する撮像装置。
(2)前記嵌合部は、凹部により構成される前記(1)に記載の撮像装置。
(3)前記嵌合部は、貫通孔により構成される前記凹部により構成される前記(2)に記載の撮像装置。
(4)前記嵌合部は、切欠きにより構成される前記(1)に記載の撮像装置。
(5)前記嵌合部は、突部により構成される前記(1)に記載の撮像装置。
(6)前記嵌合部は、前記封止部と同時に形成される前記(1)から(5)の何れかに記載の撮像装置。
(7)前記封止部は、前記配線基板が配置された前記撮像チップの側面に隣接して配置される前記(1)から(6)の何れかに記載の撮像装置。
(8)前記封止部は、前記配線基板の前記表面に隣接する面である側面にさらに配置される前記(7)に記載の撮像装置。
(9)前記配線基板は、前記撮像素子の外側の領域に延在する配線を備える前記(1)から(7)の何れかに記載の撮像装置。
(10)前記配線基板は、前記封止部が配置された前記撮像チップの底面に配置される前記(9)に記載の撮像装置。
(11)前記透光部は、前記撮像チップの外側の領域に延在して構成され、
前記封止部は、前記延在する領域の透光部に隣接して配置される
前記(1)から(5)および(7)から(10)の何れかに記載の撮像装置。
(12)前記封止部は、前記透光部の前記入射光が照射される面である上面に隣接する面である側面に隣接して配置されるとともに自身の前記入射光が照射される面が前記上面を展延する平面に構成される前記(1)から(10)の何れかに記載の撮像装置。
(13)前記撮像素子に光学画像を結像するレンズユニットをさらに具備し、
前記嵌合部は、前記レンズユニットの一部と嵌合する
前記(1)から(12)の何れかに記載の撮像装置。
(14)入射光を透過する透光部が配置されて当該透光部を透過した前記入射光に基づいて画像信号を生成する撮像チップおよび当該撮像チップにおける前記透光部が配置される面とは異なる面である底面に配置されて前記生成された画像信号を伝達するパッドを備える撮像素子に前記パッドに接続される配線を備えて表面に前記撮像素子が配置される配線基板を配置する配線基板配置工程と、
前記撮像チップを封止する封止部を前記撮像チップの底面に隣接する面である側面に隣接して配置する封止工程と、
前記撮像素子に光学画像を結像するレンズユニットの一部を嵌合させる嵌合部を前記封止部に配置する嵌合部配置工程と
を具備する撮像装置の製造方法。
【符号の説明】
【0115】
10 撮像モジュール
100 撮像装置
110、1002 撮像素子
111 撮像チップ
113 接着剤
114、118 透光部
115 絶縁膜
116 パッド
120、125 配線基板
121 絶縁層
122、126 配線層
124 配線基板パッド
130~132 封止部
140~144 嵌合部
150 接続部
200 レンズユニット
210 鏡胴
211 凸部
220 撮影レンズ
1001 レンズ