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特許7513654情報処理装置、手続処理方法、プログラム、及びソフトウエア開発キット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】情報処理装置、手続処理方法、プログラム、及びソフトウエア開発キット
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240702BHJP
   G06Q 40/02 20230101ALI20240702BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q40/02
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2022079843
(22)【出願日】2022-05-13
(65)【公開番号】P2023168158
(43)【公開日】2023-11-24
【審査請求日】2022-05-18
(73)【特許権者】
【識別番号】598049322
【氏名又は名称】株式会社三菱UFJ銀行
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100190355
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 紀央
(72)【発明者】
【氏名】坂東 佐恵
(72)【発明者】
【氏名】藤後 里
(72)【発明者】
【氏名】塚田 稔
(72)【発明者】
【氏名】坪井 隆志
【審査官】田上 隆一
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-077336(JP,A)
【文献】特開2007-293598(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1事業者サーバから前記第1事業者サーバに登録されている顧客を識別する情報を受信する受信部、第2事業者サーバにて、前記第2事業者サーバからサービスの提供を受けるための手続を前記顧客を識別する情報に基づいて実行させる手続実行部、及び前記第2事業者サーバから前記第1事業者サーバに送信するための前記手続の結果を受信すると、前記手続の結果を前記第1事業者サーバに出力する出力部として機能させるためのプログラムを通信端末のコンピュータに実行させるためのソフトウエア開発キットを前記第1事業者サーバに送信する提供部を有する、情報処理装置。
【請求項2】
前記手続実行部は、前記第2事業者サーバと前記通信端末とを連携させる連携部を含み、
前記受信部が前記第1事業者サーバから前記第2事業者サーバへの連携要求を受信すると、前記連携部は、前記第2事業者サーバと前記通信端末とを連携させる、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記手続実行部は、前記第2事業者サーバに前記第1事業者サーバごとに設定された設定情報に基づく第1画面データを要求し、前記第2事業者サーバから受信した前記第1画面データに基づいて第1画面を出力する画面制御部を含む、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記手続実行部は、本人認証サーバと接続し、前記本人認証サーバにて登録情報と本人確認情報とを照合した照合結果を受信する本人確認部を含む、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記画面制御部は、前記第2事業者サーバに前記設定情報に基づく第2画面データを要求し、前記第2事業者サーバから受信した前記第2画面データに前記顧客を識別する情報を埋め込んで第2画面を表示する、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
通信端末のコンピュータが実行する方法であって、第1事業者サーバから前記第1事業者サーバに登録されている顧客を識別する情報を受信し、第2事業者サーバにて、前記第2事業者サーバからサービスの提供を受けるための手続を前記顧客を識別する情報に基づいて実行させ、前記第2事業者サーバから前記第1事業者サーバに送信するための前記手続の結果を受信すると、前記手続の結果を前記第1事業者サーバに出力する、手続処理方法。
【請求項7】
前記第2事業者サーバにて前記第2事業者サーバからサービスの提供を受けるための前記手続を前記顧客を識別する情報に基づいて実行させることは、
前記第1事業者サーバから前記第2事業者サーバへの連携要求を受信すると、前記第2事業者サーバと前記通信端末とを連携させることを含む、請求項6に記載の手続処理方法。
【請求項8】
前記第2事業者サーバにて前記第2事業者サーバからサービスの提供を受けるための前記手続を前記顧客を識別する情報に基づいて実行させることは、
前記第2事業者サーバに前記第1事業者サーバごとに設定された設定情報に基づく第1画面データを要求し、
前記第2事業者サーバから受信した前記第1画面データに基づいて第1画面を出力することを含む、請求項7に記載の手続処理方法。
【請求項9】
前記第2事業者サーバにて前記第2事業者サーバからサービスの提供を受けるための前記手続を前記顧客を識別する情報に基づいて実行させることは、
本人認証サーバと接続し、前記本人認証サーバにて登録情報と本人確認資料とを照合した照合結果を受信することを含む、請求項8に記載の手続処理方法。
【請求項10】
前記第2事業者サーバにて前記第2事業者サーバからサービスの提供を受けるための前記手続を前記顧客を識別する情報に基づいて実行させることは、
前記本人認証サーバと接続し、前記本人認証サーバにて登録情報と本人確認資料とを照合した照合結果を受信した後、前記第2事業者サーバに前記設定情報に基づく第2画面データを要求し、
前記第2事業者サーバから受信した前記第2画面データに前記顧客を識別する情報を埋め込んで第2画面を表示する、請求項9に記載の手続処理方法。
【請求項11】
第1事業者サーバから前記第1事業者サーバに登録されている顧客を識別する情報を受信し、第2事業者サーバにて、前記第2事業者サーバからサービスの提供を受けるための手続を前記顧客を識別する情報に基づいて実行させ、前記第2事業者サーバから前記第1事業者サーバに送信するための前記手続の結果を受信すると、前記手続の結果を前記第1事業者サーバに出力することを通信端末のコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項12】
前記第2事業者サーバにて前記第2事業者サーバからサービスの提供を受けるための前記手続を前記顧客を識別する情報に基づいて実行させることは、
前記第1事業者サーバから前記第2事業者サーバへの連携要求を受信すると、前記第2事業者サーバと前記通信端末とを連携させることを含む、請求項11に記載のプログラム。
【請求項13】
前記第2事業者サーバにて前記第2事業者サーバからサービスの提供を受けるための前記手続を前記顧客を識別する情報に基づいて実行させることは、
前記第2事業者サーバに前記第1事業者サーバごとに設定された設定情報に基づく第1画面データを要求し、
前記第2事業者サーバから受信した前記第1画面データに基づいて第1画面を出力することを含む、請求項12に記載のプログラム。
【請求項14】
前記第2事業者サーバにて前記第2事業者サーバからサービスの提供を受けるための前記手続を前記顧客を識別する情報に基づいて実行させることは、
本人認証サーバと接続し、前記本人認証サーバにて登録情報と本人確認資料とを照合した照合結果を受信することを含む、請求項13に記載のプログラム。
【請求項15】
前記第2事業者サーバにて前記第2事業者サーバからサービスの提供を受けるための前記手続を前記顧客を識別する情報に基づいて実行させることは、
前記本人認証サーバと接続し、前記本人認証サーバにて登録情報と本人確認資料とを照合した照合結果を受信した後、前記第2事業者サーバに前記設定情報に基づく第2画面データを要求し、
前記第2事業者サーバから受信した前記第2画面データに前記顧客を識別する情報を埋め込んで第2画面を表示する、請求項14に記載のプログラム。
【請求項16】
請求項11~15のいずれか一項に記載のプログラムを開発するためのソフトウエア開発ツールのセットを含むソフトウエア開発キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一実施形態は、情報処理装置、手続処理方法、プログラム、及びソフトウエア開発キットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、サービス事業者と金融機関とが互いに連携して金融取引サービスを提供することが検討されている。特許文献1に記載の証券管理方法では、証券管理会社のユーザが、証券管理会社と連携する銀行において口座開設を行う方法について開示されている。特許文献1では、証券管理会社のユーザは端末のアプリケーションにより証券管理サーバにアクセスし、証券会社に対してユーザ登録を実行した後、証券会社が指定した銀行の口座開設用のURLにアクセスして、ウェブページから証券を購入する際の購入金を振り込む振込専用口座を開設する処理を行うことが記載されている。特許文献1の方法の場合、ユーザは証券会社における登録情報と紐づいた銀行口座を開設するために、証券会社が提供するアプリケーションから、銀行が提供するURLにアクセスする必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-23792号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、異なる事業者間で互いに連携して口座開設などの複雑で手間のかかる手続を実行する場合、顧客は、端末において、異なる事業者の各々が提供するアプリケーションの間を遷移する必要がある。
【0005】
口座開設のみならず、異なる事業者間で一方の事業者の顧客の通信端末からシームレスに他方の事業者が提供する手続を実行するために、一方の事業者側で、手続を実行するためのアプリケーションを開発することが考えられる。しかしながら、当該手続が法令に伴う要件を満たす必要がある場合、この要件に対する機能を一方の事業者側で実装することは困難である。
【0006】
そこで、本発明の一実施形態では、異なる事業者間で複雑で手間のかかる手続きに関する負担を軽減することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、通信端末に第1事業者サーバから手続情報を受信する受信部と、第2事業者サーバを利用して手続を実行させる手続実行部と、第2事業者サーバから手続の結果を受信すると、第1事業者サーバに手続の結果を出力する出力部を実行させるためのソフトウエア開発キットを提供する提供部を有する。
【0008】
上記構成において、手続実行部は、第2事業者サーバと通信端末とを連携させる連携部を含み、受信部が第1事業者サーバから第2事業者サーバへの連携要求を受信すると、連携部は、第2事業者サーバと通信端末とを連携させる。
【0009】
上記構成において、手続実行部は、第2事業者サーバに第1事業者サーバごとに設定された設定情報に基づく第1画面データを要求し、第2事業者サーバから受信した第1画面データに基づいて第1画面を出力する画面制御部を含む。
【0010】
上記構成において、手続実行部は、本人認証サーバと接続し、本人認証サーバにて登録情報と本人確認情報とを照合した照合結果を受信する本人確認部を含む。
【0011】
上記構成において、画面制御部は、第2事業者サーバに設定情報に基づく第2画面データを要求し、第2事業者サーバから受信した第2画面データに手続情報を埋め込んで第2画面を表示する。
【0012】
本発明の一実施形態に係る手続処理方法は、コンピュータが実行する方法であって、通信端末が第1事業者サーバから手続情報を受信し、第2事業者サーバにて手続情報に従って手続を実行させ、第2事業者サーバから手続の結果を受信すると、第1事業者サーバに手続の結果を出力する。
【0013】
上記方法において、第2事業者サーバにて手続情報に従って手続を実行させることは、第1事業者サーバから第2事業者のサーバへの連携要求を受信すると、第2事業者サーバと通信端末とを連携させることを含む。
【0014】
上記方法において、第2事業者サーバにて手続情報に従って手続を実行させることは、第2事業者サーバに第1事業者のサーバごとに設定された設定情報に基づく第1画面データを要求し、第2事業者サーバから受信した第1画面データに基づいて第1画面を出力することを含む。
【0015】
上記方法において、第2事業者サーバにて手続情報に従って手続を実行させることは、本人認証サーバと接続し、本人認証サーバにて登録情報と本人確認資料とを照合した照合結果を受信することを含む。
【0016】
上記方法において、第2事業者サーバにて手続情報に従って手続を実行させることは、本人認証サーバと接続し、本人認証サーバにて登録情報と本人確認資料とを照合した照合結果を受信した後、第2事業者サーバに設定情報に基づく第2画面データを要求し、第2事業者サーバから受信した第2画面データに手続情報を埋め込んで第2画面を表示する。
【0017】
本発明の一実施形態に係るプログラムは、通信端末が第1事業者サーバから手続情報を受信し、第2事業者サーバにて手続情報に従って手続を実行させ、第2事業者サーバから手続の結果を受信すると第1事業者サーバに手続の結果を出力することをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0018】
上記構成において、第2事業者サーバにて手続情報に従って手続を実行させることは、第1事業者サーバから第2事業者サーバへの連携要求を受信すると、第2事業者サーバと通信端末とを連携させることを含む。
【0019】
上記構成において、第2事業者サーバにて手続情報に従って手続を実行させることは、第2事業者サーバに第1事業者サーバごとに設定された設定情報に基づく第1画面データを要求し、第2事業者サーバから受信した第1画面データに基づいて第1画面を出力することを含む。
【0020】
上記構成において、第2事業者サーバにて手続情報に従って手続を実行させることは、本人認証サーバと接続し、本人認証サーバにて登録情報と本人確認資料とを照合した照合結果を受信することを含む。
【0021】
上記構成において、第2事業者サーバにて手続情報に従って手続を実行させることは、本人認証サーバと接続し、本人認証サーバにて登録情報と本人確認資料とを照合した照合結果を受信した後、第2事業者サーバに設定情報に基づく第2画面データを要求し、第2事業者サーバから受信した第2画面データに手続情報を埋め込んで第2画面を表示する。
【0022】
本発明の一実施形態に係るソフトウエア開発キットは、上記のプログラムを開発するためのソフトウエア開発キットである。
【発明の効果】
【0023】
本発明の一実施形態は、異なる事業者間で複雑で手間のかかる手続に関する負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の一実施形態に係る手続処理システムの構成を示すブロック図である。
図2】本発明の一実施形態に係る情報処理装置のハードウエア構成を示すブロック図である。
図3】通信端末のハードウエア構成を示すブロック図である。
図4】本発明の一実施形態に係るアプリケーションのソフトウエア構成を示すブロック図である。
図5】本発明の一実施形態に係る手続処理方法を説明するフローチャートである。
図6】本発明の一実施形態に係る手続処理方法を説明するフローチャートである。
図7】本発明の一実施形態に係る手続処理方法を説明するフローチャートである。
図8】本発明の一実施形態に係る手続処理方法を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下に示す実施形態は本発明の実施形態の一例であって、本発明はこの実施形態に限定して解釈されるものではない。すなわち、以下に説明する複数の実施形態に公知の技術を適用して変形をして、様々な態様で実施をすることが可能である。
【0026】
なお、本明細書において、「第1」、「第2」等の序数は、当該序数が付された事項を区別するためのものであり、各事項の順序や優先度、重要度等を意味するものではない。
【0027】
(第1実施形態)
本実施形態では、本発明の一実施形態に係る手続処理システム1及び情報処理装置22について、図1図8を参照して説明する。以下、ソフトウエア開発キット(SDK:Software Development Kit)をSDKという。
【0028】
<手続処理システムの概要>
第1事業者の顧客に対して、第1事業者と連携した第2事業者にて各種サービスを提供するために伴う手続を実行させるために、第1事業者が第2事業者から手続を実行するためのSDKの提供を受けてアプリケーションの開発を行う。そのために、本発明の一実施形態では、アプリケーションを開発する第1事業者に、手続を実行するためのSDKを提供するための情報処理装置を提供する。また、第1事業者の顧客に対して、第1事業者と連携した第2事業者と手続を実行させるために、本発明の一実施形態では、手続処理システム、手続処理方法、及びコンピュータで実行可能なプログラムを提供する。また、当該SDKが組み込まれたアプリケーションにより、第1事業者と第2事業者との各種手続に関するサービスをシームレスに実行することが可能となる。
【0029】
図1は、本発明の一実施形態に係る手続処理システム1の構成を示すブロック図である。手続処理システム1は、第1事業者サーバ10、第2事業者システム20、プラットフォームサーバ40、及び通信端末30を含む。通信端末30は、ネットワークNWを介して、第1事業者サーバ10、第2事業者システム20、及びプラットフォームサーバ40と接続されている。
【0030】
本明細書等において、事業者とは、有線又は無線により音声通話やデータ通信などの通信サービスを提供する通信事業者、又は電子商取引などで商品の販売を行う商品販売企業、金融取引等の種々のサービスを提供する事業者をいう。本明細書等において、金融機関とは、例えば、銀行、信用金庫、郵便局、保険会社、または証券会社などをいう。
【0031】
本明細書等において、ユーザとは、第1事業者の顧客であって、第2事業者からサービスの提供を受ける者をいう。図1では、ユーザが通信端末30を保有している。
【0032】
手続処理システム1は、第1事業者サーバ10を、第2事業者システム20と連携させることで、第1事業者サーバ10に登録されているユーザの情報を利用して、第2事業者が各種サービスを提供するために伴う手続をユーザの通信端末30で実行させる。手続処理システム1では、ユーザの通信端末30にインストールされたアプリケーション11を実行させる。通信端末30は、アプリケーション11に組み込まれたSDK13によって第2事業者サーバ21との間で適宜通信を行うことで手続を実行する。本実施形態では、アプリケーション11は通信端末30にインストールして使用するネイティブアプリケーションである場合について説明する。
【0033】
第1事業者サーバ10は、第1事業者が保有するサーバである。第1事業者は、第2事業者と連携して第2事業者が提供するサービスを第1事業者の顧客に提供する。第2事業者からサービスの提供を受ける第1事業者は1又は複数である。
【0034】
第2事業者システム20は、第2事業者が保有するシステムである。第2事業者は、第1事業社と連携して各種サービスを提供するために伴う手続を実行する。第2事業者サーバ21及び情報処理装置22を含む。第2事業者システム20は、通信端末30と適宜通信を行うことで手続を実行する。情報処理装置22は、第1事業者サーバ10を第2事業者システム20と連携させることで、第1事業者サーバ10に登録されているユーザの情報(手続情報ともいう)を利用して、第2事業者が各種サービスを提供するために伴う手続をユーザの通信端末30で実行させるためのSDK13を生成する。
【0035】
情報処理装置22は、第2事業者サーバ21に各種手続を実行させるためのSDK13を生成して、第1事業者側のアプリケーション11の開発者の端末に提供する。アプリケーション11の開発者は提供されたSDK13を利用して、各種手続を実行するためのアプリケーション11を開発する。第1事業者サーバ10は、開発されたSDK13が組み込まれたアプリケーション11を、プラットフォームサーバ40に提供する。プラットフォームサーバ40は、例えば、Google Play(登録商標)、App Store(登録商標)などのデジタルコンテンツを提供するサーバに対応する。アプリケーション11は、プラットフォームサーバ40から、通信端末30に提供される。
【0036】
通信端末30は、例えば、ユーザによって所有される、スマートフォン等の携帯端末である。通信端末30として、PDA、タブレット、ラップトップコンピュータ、及びウエアラブルコンピュータなどが挙げられる。通信端末30は、ブラウザアプリケーションを実行可能に構成され、HTML(Hypertext Markup Language)等で記述された文字データ、図形画像データ又は制御データを受信する。通信端末30は、受信した文字データ若しくは図形データに基づいて文字若しくは図形画像を表示部に表示する。また、通信端末30は、第1事業者サーバ10又は第2事業者サーバ21から受信した制御データに応じた制御を行うことができる。また、通信端末30は、ユーザによる操作を受付け、受付けた操作に応じた制御を行うことができる。通信端末30は、プラットフォームサーバ40からアプリケーション11をダウンロードして、通信端末30にインストールすることで、当該アプリケーション11によって第2事業者サーバ21に手続を実行させることが可能となる。
【0037】
<情報処理装置のハードウエア構成>
次に、SDK13を生成するための情報処理装置22のハードウエア構成について、図2を参照して説明する。
【0038】
図2は、情報処理装置22のハードウエア構成を示すブロック図である。図2に示すように、情報処理装置22は、制御部121、表示部122、操作部123、通信部124、及び記憶部125を備える。制御部121、表示部122、操作部123、通信部124、及び記憶部125は、バス126を介して相互に接続されている。
【0039】
表示部122は、ディスプレイなどを含み、情報処理装置22による処理結果を表示する。操作部123は、タッチセンサ、キーボード、又はマウス等を含み、情報処理装置22に各種操作信号を入力するために用いられる。なお、ディスプレイ及びタッチセンサにより、タッチパネルが構成されていてもよい。
【0040】
通信部124は、情報処理装置22をネットワークNWに接続するインタフェースである。これにより、情報処理装置22は通信部124を介して、第1事業者側のアプリケーションの開発者の端末、又は第1事業者サーバ10と通信を行うことができる。
【0041】
記憶部125は、プログラムやデータを格納する。格納されるプログラムやデータとして、情報処理装置22を制御する基本ソフトウエアであるOS及びOS上において各種機能を提供するアプリケーションソフトウェア等が挙げられる。記憶部125には、SDKソースファイル1251が格納されている。SDKソースファイル1251は、SDK13のソースコードを含むファイルであって、第2事業者によって開発されたものである。本実施形態では、SDKソースファイル1251は、JAVA(登録商標)等により記述されている。記憶部125は格納しているプログラム、データ、SDKソースファイル1251を、所定のファイルシステム及び/又はDB(Data Base)により管理している。記憶部125に格納されるプログラム、データ、及びSDKソースファイル1251は、複数の記憶装置に分散して格納されていてもよい。
【0042】
制御部31は、CPU(中央演算処理装置:Central Processing Unit)、MPU(マイクロプロセッサ:Micro-Processing Unit)等によって構成される。制御部31による制御は、情報処理装置22に備えられた記憶部125に記憶されている各種プログラムがRAM(ランダムアクセスメモリ:Random Access Memory)を作業領域として実行されることにより実現される。
【0043】
制御部121は、SDK生成部131及びSDK提供部132を有する。SDK生成部131は、SDKソースファイル1251に基づいて、手続を実行可能なアプリケーション11に組み込まれるSDK13を生成する。SDK13は、受信部1311、手続実行部1312、及び出力部1313を少なくとも有する手続方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを、第1事業者の開発者が、アプリケーション11に実装できるソフトウエア開発ツールのセットを含む。
【0044】
受信部1311は、第1事業者サーバ10から第2事業者サーバ21への連携要求を受信すると、SDK13を起動する。
【0045】
手続実行部1312は、連携部1315、画面制御部1314、本人確認部1316、及び事業者設定部1317を有する。連携部1315は、第1事業者サーバ10から連携要求を受信すると、第2事業者サーバ21と連携させる。連携部1315によって、SDK13と第2事業者サーバ21とが連携することで、通信端末30と第2事業者サーバ21との間でデータを送受信することが可能となる。画面制御部1314は、フロント業務サーバ210から受信した画面データに基づいて各種画面を出力する。ここで、画面データとは、ユーザの入力を受け付けるユーザインターフェースを含む。本人確認部1316は、アプリケーション11を利用するユーザが手続を実行する本人であることを確認する。事業者設定部1317は、SDK13を提供する第1事業者が複数ある場合に、各第1事業者を識別するために設定された設定情報が格納されている。
【0046】
出力部1313は、第2事業者サーバ21から受信した手続の結果を第1事業者サーバ10に出力することでSDK13の処理を終了させる。
【0047】
SDK提供部132は、SDK生成部131にて生成されたSDK13を、第1事業者側のアプリケーションの開発者の端末、又は第1事業者サーバ10に提供する。第1事業者側で手続を実行可能なアプリケーション11を開発する。
【0048】
<通信端末のハードウエア構成>
次に、通信端末のハードウエア構成について、図3を参照して説明する。
【0049】
図3は、通信端末30のハードウエア構成を示すブロック図である。図3に示すように、通信端末30は、制御部31、表示部32、操作部33、通信部34、記憶部35、及び画像撮像部36を備える。制御部31、表示部32、操作部33、通信部34、記憶部35、及び画像撮像部36は、バス37を介して相互に接続されている。
【0050】
表示部32は、通信端末30のユーザに対して画像などを表示するデバイスである。表示部32として、例えば、液晶ディスプレイ、有機ディスプレイ、又はLEDディスプレイが挙げられる。表示部32は、例えば、制御部31から供給されるデータに応じた画像を表示する。また、表示部32は、通信部34が受信した画面データに応じた画面を表示する。
【0051】
操作部33は、タッチセンサ、物理的なボタンを含み、通信端末30に各種操作信号を入力するために用いられる。なお、ディスプレイ及びタッチセンサにより、タッチパネルが構成されていてもよい。操作部33は、ユーザによる文字、数字、記号などの入力操作を受け付ける。また、操作部33は、表示部32に表示される画面にオブジェクトが含まれる場合、表示部32に表示された画面に含まれるオブジェクトを指定する操作を受け付ける。操作部33は、ユーザによる操作を受付けると、その操作に対応する信号を生成し、制御部31に供給する。
【0052】
通信部34は、通信端末30をネットワークNWに接続するインタフェースである。これにより、通信端末30は通信部34を介して、第1事業者サーバ10、第2事業者サーバ21、プラットフォームサーバ40と通信を行うことができる。通信部34は、制御部31から供給されたデータを第1事業者サーバ10又は第2事業者サーバ21に送信する。また、通信部34は、第1事業者サーバ10又は第2事業者サーバ21からデータを受信し、制御部31に供給する。
【0053】
画像撮像部36は、結像光学系、撮像素子及び画像処理部等を備える。結像光学系は、例えば光学レンズであり、被写体からの光束を撮像素子の撮像面上に結像させる。撮像素子は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等であり、撮像面上に結像した被写体像の画像信号を出力する。画像撮像部36は、撮像素子によって生成された画像信号から所定のファイル形式の画像データを作成して出力する。また、画像撮像部36は、画像データを記憶部35に格納する。
【0054】
記憶部35は、プログラムやデータを格納する。格納されるプログラムやデータとして、通信端末30を制御する基本ソフトウエアであるOS及びOS上において各種機能を提供するアプリケーションソフトウェア等が挙げられる。記憶部35には、アプリケーション11のプログラムが格納されている。アプリケーション11は、プラットフォームサーバ40からダウンロードされてインストールされたものである。また、記憶部35には、画像撮像部36によって撮像された画像データが格納されてもよい。記憶部35は、アプリケーション11に入力された情報を一時的に保持してもよい。
【0055】
制御部31は、CPU(中央演算処理装置:Central Processing Unit)、MPU(マイクロプロセッサ:Micro-Processing Unit)等によって構成される。制御部31による制御は、記憶部35に記憶されている各種プログラムがRAM(ランダムアクセスメモリ:Random Access Memory)を作業領域として実行されることにより実現される。本実施形態では、記憶部35に格納されたアプリケーション11は制御部31のRAMを作業領域として実行される。
【0056】
以降の説明では、図1に示す手続処理システム1において、第1事業者を通信事業者、第2事業者を金融機関、及びユーザを通信事業者の顧客に適用した場合について説明する。金融機関は、通信事業者と連携して金融取引のサービスを提供するために伴う手続を実行する。
【0057】
本明細書等において、金融取引とは、銀行、保険会社、証券会社等が扱う商品であって、例えば、預金、投資信託、保険商品、株式、国債、外国為替、融資、仮想通貨、コモディティまたはこれらの組み合わせを含み、これらの金融取引のための新規口座開設、口座振替を含む。また、金融取引情報とは、上記の金融取引を実行するために必要な情報をいう。金融取引情報とは、例えば、氏名、住所、電話番号、ID、パスワード、口座番号、金融商品、及び金額などの情報の少なくとも一つを含む。
【0058】
図4に、通信端末30にて実行可能なアプリケーション11と、通信事業者サーバ110及び金融機関システム200との関係を示す。本実施形態では、手続として、通信事業者の顧客がアプリケーション11により金融機関において新規口座開設を実行する場合について、図4を参照して説明する。通信端末30には、SDK13が組み込まれたアプリケーション11がインストールされている状態である。
【0059】
アプリケーション11は、事業者アプリケーション111及びSDK13を含む。事業者アプリケーション111は、通信事業者側で開発されたアプリケーションである。通信端末30は、事業者アプリケーション111により、通信事業者サーバ110とAPIによって接続される。また、事業者アプリケーション111によって、表示部32に、通信事業者サーバ110と連携して手続を実行するための画面を表示する。事業者アプリケーション111は、SDK13を呼び出して、手続を実行させる。
【0060】
通信事業者サーバ110は、通信事業者が保有するサーバである。通信事業者サーバ110は、顧客情報DB120と接続されている。顧客情報DB120には、通信事業者の顧客の氏名、住所、電話番号、生年月日、電話番号等が顧客情報として格納されている。通信事業者サーバ110は、事業者アプリケーション111から顧客情報の提供が要求されると、顧客情報DB120を参照して該当する顧客に対して、氏名、住所、電話番号、生年月日、電話番号等の少なくとも一つを顧客情報を抽出して、事業者アプリケーション111に送信する。また、通信事業者サーバ110は、事業者アプリケーション111から、手続に関する処理結果を受信する。
【0061】
金融機関システム200は、いわゆるBaas(Banking As A Service)によって、各種金融取引を可能にする。Baasとは、金融機関が提供する機能や金融サービスをAPI経由で提供するクラウドサービスである。金融機関システム200は、例えば、フロント業務サーバ210、後方事務支援サーバ220などを含む。フロント業務サーバ210は、通信端末30とデータの送受信を行うサーバである。ここで、通信端末30と接続されるフロント業務サーバ210はBaaSを利用している。金融機関システム200は、フロント業務サーバ210及び後方事務支援サーバ220以外に、サービスを提供するために伴う各種手続に応じてサーバを複数有していてもよい。フロント業務サーバ210は、通信端末30と種々のデータを送受信することで手続を実行させる。
【0062】
フロント業務サーバ210は、連携部241、アプリケーションサーバ242、及び金融機関内連携部243を有する。連携部241は、通信端末30の連携部1315からの要求により、フロント業務サーバ210と通信端末30とをREST API(Representational State Transfer Application Programming Interface)により接続する。アプリケーションサーバ242として、例えば、JBoss(登録商標)を用いる。アプリケーションサーバ242には、通信端末30に手続を実行させるための各種画面データが格納されている。アプリケーションサーバ242は、通信端末30からの要求に応じて、画面データを選択して連携部241を介して、連携部1315に送信する。金融機関内連携部243は、後方事務支援サーバ220と連携してデータを送受信する。後方事務支援サーバ220は、フロント業務サーバ210からの要求により、口座開設処理を実行するためのサーバである。例えば、後方事務支援サーバ220は、通信端末30から取得した申込情報に基づいて、金融機関における口座を開設するための処理を実行する。後方事務支援サーバ220は、口座開設処理後、口座番号をフロント業務サーバ210に送信する。
【0063】
SDK13は、金融機関が保有する情報処理装置22によって生成されたものである。SDK13は、受信部1311、手続実行部1312、及び出力部1313を有する。受信部1311は、事業者アプリケーション111を介して通信事業者サーバ110からSDK13を起動する信号を受信すると、SDK13を呼び出して処理を開始する。
【0064】
手続実行部1312において、連携部1315は、フロント業務サーバ210と、REST APIにより接続する。画面制御部1314は、連携部1315がフロント業務サーバ210から受信した画面データに基づいて、表示部32に画面を表示させる。事業者設定部1317は、複数の事業者ごとを識別するための設定事項を格納する。複数の事業者に手続の機能を提供する場合には、複数の事業者ごとに、事業者設定部1317に格納された設定情報を変更すればよい。事業者設定部1317において、事業者を識別する識別情報を変更する、サーバの定義値を変更する、又は事業者ごとに静的コンテンツを変更して配置するだけで、事業者に応じたSDK13を提供することができる。例えば、事業者設定部1317には、画面制御部1314において、表示させる画面の設定事項が格納されていてもよい。口座を開設するための注意事項及び規約が、事業者ごとに異なる場合がある。また、金融機関が提供する手続のサービスが、事業者ごとに異なる場合がある。そのため、事業者設定部1317では、注意事項及び規約に関する情報、並びに金融機関が提供する金融取引に関する情報について、事業者ごとに異なるように設定されている。事業者設定部1317は画面制御部1314に設定情報を提供することで、画面制御部1314は、設定情報を反映して、通信事業者ごとに異なる画面を提供する。また、設定情報には、事業者を識別するための識別情報が含まれていてもよい。識別情報は、フロント業務サーバ210において要求を受信した際に、どの事業者からの要求であるかを識別するための情報である。フロント業務サーバ210が識別情報を受信すると、識別情報に応じて異なる処理を実行することができる。本実施形態では、事業者設定部1317には、通信事業者に対応する設定情報が設定されている。
【0065】
本人確認部1316は、e-KYC SDKによって本人確認を実行する。ここで、e-KYCとは、インターネットを介してユーザから送信された運転免許証等の本人確認書類の画像に基づいてオンラインで当該ユーザの本人確認を行う電子的本人確認を実行する。e-KYCとは、electronic Know Your Customerを意味する。本人確認部1316は、本人認証サーバ50と接続して、本人確認書類の画像及び通信端末30から取得した顔写真を本人認証サーバ50に送信する。本人認証サーバ50は、本人確認書類の画像と通信端末30から取得した顔写真とを照合して、照合結果を本人確認部1316に送信する。本実施形態では、本人確認部1316は、SDK13の内部にパッケージング(カプセル化ともいう)せずに、依存関係のあるライブラリとして提示する場合について説明するが、SDK13の内部に本人確認部1316をパッケージングしてもよい。
【0066】
出力部1313は、事業者アプリケーション111を介して、通信事業者サーバ110にデータを出力すると、SDK13による処理を終了する。
【0067】
本発明の一実施形態に係るソフトウエア開発キットによれば、金融機関が保有する情報処理装置22によりフロント業務サーバ210と連携が可能なSDK13を通信事業者側に提供し、通信事業者側で手続を実行可能なアプリケーション11を開発することができる。通信事業者側で、手続を実行するための法令に基づく処理を担保できる機能を実装することが容易となる。
【0068】
本発明の一実施形態に係るソフトウエア開発キットによれば、事業者設定部1317に複数の事業者ごとに異なる設定情報を格納されている。このようなSDK13を複数の事業者に提供することにより、金融機関が複数の事業者に金融取引のサービスを提供する場合であっても、金融機関側における開発の工数を削減することができる。また、各事業者における開発の工数を削減することができる。また、金融機関側で金融取引のための仕様に改変が生じた場合であっても、SDK13の画面制御部1314に含まれる修正であれば、再度事業者側でSDK13を取り込む処理が不要となる。また、画面制御部1314以外の一部のネイティブアプリケーションを修正する必要がある場合には、事業者側へ改変したSDK13の再配布を行えばよい。
【0069】
<新規口座開設フロー>
次に、本発明の一実施形態に係るプログラム(SDK13が組み込まれたアプリケーション11)による手続処理方法の一例について、図2図8を参照して説明する。当該プログラムは、通信端末30の制御部31によって実行される。図5図8には、通信端末30、通信事業者サーバ110、フロント業務サーバ210、後方事務支援サーバ220、及び本人認証サーバ50におけるフローについて記載されている。図5図8は、通信事業者サーバ110と金融機関システム200とが連携して、通信端末30に金融機関システム200において手続を実行させる一連のフローである。
【0070】
通信端末30において、アプリケーション11を起動すると、事業者アプリケーション111によって表示部32に新規口座開設申込のための画面が表示される。画面には新規口座開設申し込みのオブジェクトが含まれている。表示部32に表示された画面のうち新規口座開設申込のオブジェクトが選択されるとフローを開始する(ステップS11)。事業者アプリケーション111は新規口座開設申込のオブジェクトが選択されると、表示部32に本人情報を入力するための画面を出力する。ここで、本人情報とは、名前、性別、生年月日、及び住所を含む。また、本人情報として、電話番号を含んでいてもよい。事業者アプリケーション111は、本人情報を入力するための画面に、本人情報が入力されると、通信部34から通信事業者サーバ110に本人情報を送信する(ステップS12)。
【0071】
通信事業者サーバ110は本人情報を受信すると、本人情報に基づいて顧客情報データベース120を参照して該当する顧客を検索する。通信事業者サーバ110は該当する顧客の情報を顧客情報データベース120から抽出する(ステップS13)。本実施形態において、抽出された顧客情報は、手続情報に相当し、SDK13に連携する情報である。通信事業者サーバ110は、事業者アプリケーション111に、SDK13への連携要求及び顧客情報を送信する(ステップS14)。また、通信事業者サーバ110は、顧客情報データベース120から抽出した顧客情報を事業者アプリケーション111に送信する。
【0072】
SDK13の受信部1311は、事業者アプリケーション111からSDK13への連携要求及び顧客情報を受信する(ステップS15)。受信部1311は、SDK13への連携要求を受信すると、SDK13を起動してSDK13によるフローを開始する(ステップS16)。SDK13の連携部1315は、フロント業務サーバ210にAPI連携を要求する(ステップS17)。フロント業務サーバ210の連携部1315とAPIにより連携されることで、通信端末30は、フロント業務サーバ210と通信することが可能となる。SDK13の手続実行部1312は、フロント業務サーバ210と通信しながら新規口座開設の手続きを進めていく。
【0073】
フロント業務サーバ210から提供される各種画面は、金融機関にて予め生成された画面データである。画面データはアプリケーションサーバ242に格納されている。フロント業務サーバ210はSDK13と連携されると、注意事項及び規約の画面データを連携部1315に送信する(ステップS18)。連携部1315は、注意事項及び規約の画面データを受信すると、画面制御部1314は、表示部122に注意事項及び規約の画面を表示する(ステップS19)。画面には注意事項及び規約のテキストとともに、注意事項及び規約に同意する旨のオブジェクトが含まれている。注意事項として、例えば、ステップS11にて、アプリケーション11から取得した本人情報を通信事業者サーバ110及び金融機関システム200にて共有可能にすることについて記載されている。操作部33によって、注意事項及び規約に同意する旨のオブジェクトを指定する操作を受け付けると、連携部1315は、注意事項及び規約に同意する旨の信号を、フロント業務サーバ210に送信する(ステップS21)。
【0074】
フロント業務サーバ210は、注意事項及び規約に同意する旨の信号を受信すると、本人確認のための画面データを、連携部1315に送信する(ステップS22)。ここで、本人確認とは、通信端末を利用したオンラインでの手続の手続きを可能とするための確認処理をいう。本人確認は、本人確認部1316に含まれるe-KYC SDKによって実行する。本人確認では、例えば、運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなどの公的な証明書を用いた確認を行う。本人確認情報とは、公的な証明書を撮影した画像であってもよいし、公的な証明書に含まれるICチップに記憶された画像、氏名、住所等のデータであってもよい。
【0075】
e-KYCの一例を説明すると、本人確認部1316は本人確認の画面データを受信すると、表示部122に本人確認のための画面を表示する(ステップS23)。本人確認のための画面には、画像撮像部36のカメラを起動するためのオブジェクトが含まれていてもよい。操作部33によって、当該オブジェクトを指定する操作を受け付けると、画像撮像部36を起動する。ユーザは、画像撮像部36によって、本人確認画像データを取得する。ここでは、本人確認画像データとして、運転免許証の画像、パスポートの画像、マイナンバーカードの画像などが挙げられる。本人確認部1316は、これらの画像データのうちいずれか一つを取得すると、本人確認画像から顔写真画像を抽出して、抽出した顔写真画像データを通信端末30の記憶部35に記憶させる。また、本人確認部1316は、ユーザが画像撮像部36のカメラを操作して自身の顔を撮影することで、ユーザの顔画像である照合に用いる照合画像データを取得し、取得した照合画像データを記憶部に記憶させる(ステップS24)。本人確認部1316は、記憶部35に記憶された顔写真画像データと照合画像データとを本人認証サーバ50に送信し、本人確認を依頼する(ステップS25)。本人認証サーバ50、顔写真画像と照合画像とを照合する(ステップS26)。本人認証サーバ50は、ユーザが本人確認書類の持ち主と同一人物であるとの認証結果が得られた場合、本人確認を正常終了する。本人認証サーバ50は、ユーザが本人確認書類の持ち主と同一人物であるとの認証結果が得られなかった場合、エラー処理を実行する。本人認証サーバ50は、本人確認部1316に認証結果を送信する(ステップS27)。
【0076】
本人確認部1316は、認証結果を受信する(ステップS28)。本人確認部1316は、認証結果として本人認証に成功したことが示された場合、連携部1315からフロント業務サーバ210に申込確認画面データを要求する(ステップS29)。連携部1315は、金融機関サーバから申込確認画面データを受信すると(ステップS31)、画面制御部1314は、ステップS15において事業者サーバが取得した申込確認画面データに顧客情報を埋め込んで(フィルイン)(ステップS32)、表示部122に申込確認画面を表示する(ステップS33)。
【0077】
ユーザは、表示部に表示された申込確認画面における顧客情報に誤りがないかを確認する。ユーザは、表示部32に表示された申込確認画面における顧客情報に誤りがある場合には、操作部33によって正しい顧客情報に訂正する。ユーザは、表示部32に表示された申込確認画面に顧客情報に誤りがない場合には、操作部33によって、申込確認画面に含まれる内容を確認した旨のオブジェクトを指定する操作を実行する。操作部33は、オブジェクトを指定する操作を受け付けると、当該操作に対応する信号を生成する。連携部1315はフロント業務サーバ210に申込内容を確認した旨の信号を送信する(ステップS34)。フロント業務サーバ210は、申込内容を確認した旨の信号を受信すると、口座開設のための受付番号を生成する(ステップS35)。本実施形態において、受付番号は手続の結果に相当する。フロント業務サーバ210は、申込内容を確認した旨の信号を口座開設の申込情報として、後方事務支援サーバ220に送信する(ステップS36)。後方事務支援サーバ220における処理については後述する。
【0078】
フロント業務サーバ210は、受付番号を連携部1315に送信する(ステップS37)。連携部1315にて受付番号を受信すると、出力部1313から事業者アプリケーション111に受付番号を出力する。これにより、SDK13による処理が終了する(ステップS38)。
【0079】
事業者アプリケーション111は、通信事業者サーバ110とAPI連携を要求し、通信事業者サーバ110に受付番号を送信する(ステップS39)。事業者アプリケーション111は、受付番号を通信事業者サーバ110に送信すると、表示部に口座開設申込の受付完了案内の画面を表示する(ステップS41)。受付完了案内の画面には、受付番号が含まれる。また、通信事業者サーバ110は受付番号を受信すると、顧客情報データベース120において顧客情報と受付番号とを紐づける処理を実行する(ステップS42)。
【0080】
後方事務支援サーバ220はフロント業務サーバ210から申込情報を受信すると、申込情報院基づいて口座開設処理を実行する(ステップS43)。後方事務支援サーバ220は口座が開設された場合には、フロント業務サーバ210に口座番号を送信する(ステップS44)。なお、後方事務支援サーバ220にて口座が開設できなかった場合には、口座が開設できなかった旨の理由を、フロント業務サーバに送信する。フロント業務サーバ210は口座番号を受信すると、口座番号と受付番号を紐づける(ステップS45)。次に、フロント業務サーバ210は、通信事業者サーバ110に口座番号を送信する(ステップS46)。通信事業者サーバ110は口座番号を受信すると、顧客情報と口座番号とを紐づけして、顧客情報DB120に格納する。
【0081】
以上により、新規口座開設のフローが完了する。
【0082】
以上説明した通り、本発明の一実施形態に係るプログラム(SDK13が組み込まれたアプリケーション11)によれば、金融機関システム200と通信事業者サーバ110とのデータの連携を容易にすることができる。これにより、通信事業者の顧客が、銀行で新規口座開設を希望する場合、通信事業者が提供するアプリケーションと、銀行が提供するアプリケーション又はウェブサイトを行き来することなく、シームレスに手続きを実行することができる。
【0083】
SDK13には、手続について、金融機関側で担保する法令に伴う要件に対する機能を組み込むことができる。これにより、例えば、本人確認のような金融機関側で担保する必要がある法令に伴う要件に対する機能を、通信事業者側でアプリケーション11に実装することが容易となる。
【0084】
事業者設定部1317に、各事業者に対する設定情報が格納されている。複数の事業者に手続の機能を提供する場合には、複数の事業者ごとに、事業者設定部1317に格納された設定情報を変更すればよい。事業者設定部1317において、事業者を識別する識別情報を変更する、サーバの定義値を変更する、又は事業者ごとに静的コンテンツを変更して配置するだけで、事業者に応じたSDK13を提供することができる。
【0085】
SDK13に設定された識別情報により、フロント業務サーバ210にて、アプリケーション11を識別することができる。つまり、フロント業務サーバ210にて、フロント業務サーバ210にアクセス可能な他のアプリケーションと、アプリケーション11とを識別することができる。また、異なる事業者に、設定情報が異なるSDK13を配布した場合に、いずれのSDK13が組み込まれたアプリケーション11であるかを識別することができる。これにより、後方事務支援サーバ220において、口座開設処理を実行して口座が開設された後、異なるアプリケーション11ごと、又は異なる事業者ごとに異なるサービスを提供することができる。
【0086】
したがって、ユーザ、金融機関、通信事業者のいずれにとっても利便性の高い手続スキームを実現することができる。
【0087】
本実施形態では、アプリケーション11として、ネイティブアプリケーションである場合ついて説明したが、これに限定されず、ウェブブラウザ上で操作可能なウェブアプリケーションであってもよい。
【0088】
本実施形態では、通信事業者と金融機関とが連携して手続を実行する場合について説明したが、これに限定されず、金融機関と金融機関とが連携して手続を実行してもよいし、事業者と他の事業者とが連携して手続を実行する場合にも適用できる。
【符号の説明】
【0089】
1:手続処理システム、10:第1事業者サーバ、11:アプリケーション、20:第2事業者システム、21:第2事業者サーバ、22:情報処理装置、30:通信端末、31:制御部、32:表示部、33:操作部、34:通信部、35:記憶部、36:画像撮像部、37:バス、40:プラットフォームサーバ、50:本人認証サーバ、110:通信事業者サーバ、111:事業者アプリケーション、120:顧客情報データベース(顧客DB)、121:制御部、122:表示部、123:操作部、124:通信部、125:記憶部、126:バス、131:生成部、132:提供部、200:金融機関システム、210:フロント業務サーバ、220:後方事務支援サーバ、241:連携部、242:アプリケーションサーバ、243:金融機関内連携部、1251:ソースファイル、1311:受信部、1312:手続実行部、1313:出力部、1314:画面制御部、1315:連携部、1316:本人確認部、1317:事業者設定部、NW:ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8