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特許7513683ワーキングチャネルを延長するためのデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】ワーキングチャネルを延長するためのデバイス
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/018 20060101AFI20240702BHJP
   A61F 2/95 20130101ALI20240702BHJP
   A61M 25/06 20060101ALI20240702BHJP
   A61M 25/00 20060101ALI20240702BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
A61B1/018 512
A61B1/018 515
A61F2/95
A61M25/06 550
A61M25/00 600
A61B1/00 650
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022179435
(22)【出願日】2022-11-09
(62)【分割の表示】P 2020541869の分割
【原出願日】2019-04-09
(65)【公開番号】P2023017943
(43)【公開日】2023-02-07
【審査請求日】2022-12-02
(31)【優先権主張番号】62/655,975
(32)【優先日】2018-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】フォラン、マーティン ジー.
(72)【発明者】
【氏名】マクナーン、ルイス
(72)【発明者】
【氏名】モンタギュー、マシュー
【審査官】北島 拓馬
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/143204(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/076154(WO,A1)
【文献】特開2015-181875(JP,A)
【文献】特開2007-159756(JP,A)
【文献】特表2010-517640(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00 - 1/32
A61B 13/00 -18/18
A61B 34/00 -34/20
A61B 42/00 -90/98
A61F 2/01
A61N 7/00 - 7/02
G02B 23/24 -23/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部を貫通して延びる管腔を有した管状の内側部材と、
内部を貫通して延びる管腔を有した管状の外側部材であって、前記外側部材の管腔は前記内側部材を受け入れるように構成され、前記外側部材及び前記内側部材は、入れ子式に延長デバイスの調整可能な長さに対応する所望の位置まで互いに相対して摺動可能である、外側部材と、
前記外側部材及び前記内側部材を所望の位置で互いに対して固定するように構成されたロックアセンブリと、
第1の医療用デバイスのハンドルの遠位端に接続するように構成され、及び、前記外側部材の近位端にある近位コネクタと、
第2の医療用デバイスの近位端に接続するように構成され、及び、前記内側部材の遠位端にある遠位コネクタと、を備え、
前記延長デバイスは、前記第1の医療用デバイスの前記ハンドルから遠位に延びるシャフトの遠位端からステントを送達するために前記第1の医療用デバイスが前記第2の医療用デバイスの遠位端を超えて延びるように、前記第1の医療用デバイスの延長を容易にするように構成される、延長デバイス。
【請求項2】
前記第1の医療用デバイスの前記シャフトは、前記延長デバイスの前記外側部材及び前記内側部材の管腔を通って、前記第2の医療用デバイスの近位端から遠位端に延びる管腔を通って、及び、前記第2の医療用デバイスの前記遠位端を超えて所定の距離だけ、伸張可能である、請求項1に記載の延長デバイス。
【請求項3】
前記所望の位置は、前記ロックアセンブリの少なくとも1つの所定の固定位置を含む、請求項1に記載の延長デバイス。
【請求項4】
前記所望の位置は、前記ロックアセンブリの複数の所定の固定位置を含む、請求項1に記載の延長デバイス。
【請求項5】
前記内側部材に沿って、前記遠位コネクタに沿って、かつ前記内側部材の管腔まで延びるチャネルと、
前記外側部材に沿って、前記近位コネクタに沿って、かつ前記外側部材の管腔まで延びるチャネルと、
をさらに備え、
前記内側部材及び前記外側部材の前記チャネルは、互いに位置合わせするように構成され、それにより、前記延長デバイスが前記第1の医療用デバイスの前記シャフト周りに配置され、及び除去され得る、請求項1に記載の延長デバイス。
【請求項6】
前記外側部材及び前記内側部材の少なくとも一方は、互いに相対して回転可能であり、それにより、前記延長デバイスが、前記内側部材の前記チャネルが前記外側部材の前記チャネルと位置合わせされる開放形態と、前記内側部材の前記チャネルが前記外側部材の前記チャネルと位置合わせされていない閉鎖形態との間を移行され得る、請求項5に記載の延長デバイス。
【請求項7】
前記遠位コネクタの近位にて、前記内側部材の遠位部分に配置された旋回可能なジョイントをさらに備え、前記ジョイントは、前記第2の医療用デバイスの長手方向軸及び前記旋回可能なジョイントに対して遠位の前記内側部材の一部と位置合わせ可能な第1の長手方向軸を有し、前記ジョイントは、前記内側部材の残りの部分の長手方向軸と位置合わせ可能な第2の長手方向軸を有する、請求項1に記載の延長デバイス。
【請求項8】
前記ジョイントは、
前記内側部材の遠位部分にある球状本体であって、前記内側部材の管腔と流体連通する管腔を有する球状本体と、
前記内側部材の遠位部分にて前記球状本体の周りに配置されたカップ状体であって、前記球状本体の管腔と流体連通する管腔を有するカップ状体と、を備え、
前記球状本体は、前記内側部材、前記球状本体、及び前記カップ状体の管腔を流体連通状態に維持しながら、前記カップ状体内で旋回可能である、請求項7に記載の延長デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用デバイスの分野に関する。具体的には、本発明は、ステントの送達などのための、内視鏡の作業チャネルを拡張するためのデバイス、システム、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
医療用デバイスは、患者の特定の治療部位に到達するため、及び/又は特定の補助医療用デバイス(例えば、内視鏡)と互換性を持たせるために、所定の長さの部品(例えば、デリバリーカテーテルのシャフトなど)を有し得る。シャフトの長さが事前に決定されているこれらの医療用デバイスの製造においては、他の患者の治療箇所や、互換性があるように設計されていない他の補助医療用デバイス(他のタイプの内視鏡や他の患者の体腔など)ではうまく機能しない場合がある。例えば、医療用デバイスは、それが適合するように設計されていない内視鏡に取り付けられる場合があるが、医療用デバイス(例えば、デリバリーカテーテル)のシャフトの長さが、内視鏡のワーキングチャネルよりもはるかに遠く遠位に延びてしまうことになり、デバイスやシステムが意図したとおりに動作できない、あるいは、完全に組み込むことができなくなる可能性がある。例えば、超音波内視鏡の端部から遠く遠位に延在するカテーテルシャフトの遠位先端は、超音波で画像化できない場合がある。多様な補助医療用デバイスと互換性のある適切な設計構造を備えた様々な代替医療用デバイスを設計及び製造する場合には、過度の追加開発及び在庫コストが必要となり得る。さらに、単に複数の補助デバイスと互換性を持たせるために、同一の医療用デバイスの異なるバージョンを購入する必要があることになると、市場活動において魅力が失われる場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、医療用デバイスが複数の補助デバイスと互換性を有することを可能にするデバイス及び/又はシステムを有することが望ましい場合がある。医療用デバイス及び/又は補助デバイスを操作するユーザのために、医療用デバイス及び/又はシステムを人間工学的に改善することも望ましい。これらの事項を考慮すると、本発明による改善が有利である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
様々な実施形態における本発明には、超音波内視鏡や他の内視鏡に結合し、それと連動するように設計されたデバイスを含み得る。デバイスのシャフトは、超音波内視鏡のワーキングチャネルの遠位端よりも患者内の所定の距離だけ延びることができる。この所定の距離は、超音波を介して使用者に治療部位を表示するために、超音波内視鏡の動作範囲内にある。これより長く延びるデバイスの遠位端の長さは、この処置における超音波内視鏡の機能範囲を超える可能性があるが、これより短く延びる遠位端の長さは、ステントの適切な挿入、配置、及び送達ができない場合がある。
【0005】
様々な実施形態における本発明には、内視鏡のワーキングチャネルを延長するためのデバイス、システム、及び方法を含む。一実施形態によると、延長デバイスは、内部を貫通して延びる管腔を有した管状内側部材を有し得る。管状外側部材は、内部を貫通して延びる管腔を有し得る。外側部材の管腔は、内側部材を受け入れるように構成することができ、外側部材及び内側部材は、装置の調節可能な長さに対応する所望の位置まで入れ子式に互いに相対して摺動可能であり得る。ロックアセンブリは、所望の位置で互いに対する外側部材及び内側部材の相対位置を固定する。近位コネクタは、外側部材の近位端にあり、第1の医療用デバイスの遠位端に接続するように構成され得る。遠位コネクタは、内側部材の遠位端にあり、第2の医療用デバイスの近位端に接続するように構成され得る。内側部材及び外側部材の管腔は、同軸に設けられ得る。近位コネクタ及び遠位コネクタのうちの少なくとも1つは、ルアーロックコネクタであり得る。複数の所望の位置は、3つの所定の固定位置を含み得る。固定された位置は、内側部材又は外側部材、あるいはその両方に視覚的インジケータを含み得る。視覚的インジケータにはマーキングが含まれ得る。固定位置には、内側部材及び外側部材の一方又は両方に留め具を含み得る。留め具は、内側部材上の第1の要素と、外側部材上の第2の要素とを含み得る。第1及び第2の要素は、互いに嵌合するように構成され得る。ジョイントは、第1の長手方向軸が第2の軸から90度~180度の角度になるように旋回することができる。ロックアセンブリは、戻り止めであってもよい。ロックアセンブリは、ねじであってもよい。ねじは、内側部材と係合することにより、内側部材に対して外側部材を所望の位置にロックすることができる。
【0006】
別の態様では、延長システムは、一定のワーキングチャネルを有する内視鏡を含み得る。システムは、送達デバイスを含み得る。シャフトは、送達デバイスよりも遠位に延在し得、ワーキングチャネル内に受容可能である。システムは延長デバイスを含み得る。延長デバイスは、内部を貫通して伸びる管腔を有した管状の内側部材を含み得る。デバイスは、内部を貫通して伸びる管腔を有した管状外側部材を含み得る。外側部材の管腔は、内側部材を受け入れるように構成され得、外側部材及び内側部材は、延長デバイスの調節可能な長さに対応する所望の位置まで互いに相対して入れ子式に摺動可能であり得る。デバイスは、所望の位置で互いに対する外側部材及び内側部材の相対位置を固定するように構成されたロックアセンブリを含み得る。デバイスは、外側部材の近位端に近位コネクタを有することができ、送達デバイスの遠位端に接続するように構成されている。デバイスは、内側部材の遠位端に遠位コネクタを有することができ、内視鏡の近位端に接続するように構成されている。所定の距離は、約8センチメートルであり得る。調節可能な長さは、最小で約0センチメートル、最大で約8センチメートルであり得る。内側部材及び外側部材の管腔は、同軸に設けられ得る。近位コネクタは、オスのルアーコネクタであり得、遠位コネクタは、メス型のルアーコネクタであり得る。所望の位置は、複数の所定の固定位置を含み得る。所望の位置は、3つの所定の固定位置を含み得る。ジョイントは、第1の長手方向軸が第2の軸から90度~180度の角度になるように旋回することができる。継手は、内側部材の遠位部分に球体を含み得る。球体には、内部管腔と流体連通している第1の管腔が貫通していてもよい。カップ状体は、内側部材の遠位部分にあり、球体の周りに配置され得る。カップ状の本体には、第1の管腔と流体連通している第2の管腔が貫通していてもよい。球体は、カップ状体内で旋回可能であり得る。第1の管腔及び第2の管腔は、デバイスを受け入れるように構成され得る。ロックアセンブリは、外側部材の予め設定された開口に対応する内側部材の突出部であってもよい。ロックアセンブリは、複数の所望の位置に対応することができる複数の予め設定された開口を含むことができ、これは、所定の複数の調整可能な長さを規定することができる。突出部は、ボタンを圧縮して内側部材を外側部材から離脱させることができるように、圧縮可能なボタンを含むことができる。ロックアセンブリは、ねじであってもよい。ねじは、内側部材と係合することにより、内側部材に対して外側部材を所望の位置にロックすることができる。
【0007】
別の態様では、ワーキングチャネルの長さを延長する方法は、ワーキングチャネルが内部を貫通する内視鏡を患者に挿入する工程を含み得る。カテーテルは、ワーキングチャンネルを通して患者に挿入される。延長デバイスは、カテーテルのシャフトの周りに、内部を貫通して延びる管腔を有して配置されてもよい。延長デバイスは、ワーキングチャネルの近位端に取り付けられ得る。カテーテルは、延長デバイスの近位端に取り付けられてもよい。延長装置は、延長装置の調整可能な長さに対応する所望の位置に調整することができる。延長装置は、所望の位置でロックされ得る。カテーテルの先端は、内視鏡を使用して視覚化できる。シャフトの周りに延長デバイスを配置することは、カテーテルを患者に挿入する前であり得る。所望の位置は、調節可能な長さを固定するように構成された、延長デバイスのロックアセンブリの少なくとも1つの所定の固定位置を含み得る。所望の位置は、複数の所定の固定位置を含み得る。延長デバイスの複数のチャネルは、延長デバイスがシャフトの周りに配置及び除去され得るように、互いに位置合わせされ得る。延長デバイスは、チャネルが実質的に位置合わせされた開放形態と、チャネルが実質的に位置合わせされていない閉鎖形態との間で回転することができる。
【0008】
本開示の非限定的な実施形態は添付の図面を参照して一例として説明されるものであるが、これらは概略を示すものであり、一定の縮尺で描かれることを意図されていない。図面では、図示された同一又はほぼ同一の各構成要素は、通常、単一の参照符号を用いて表されている。明確にするために、すべての構成要素がすべての図で符号を付されているわけではなく、また、当業者が開示を理解できるようにするために例示が必要ではない各実施形態のすべての構成要素が示されているわけではない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】内視鏡に固定長をもって接続された医療用デバイスを操作するユーザの例を示す斜視図。
図2】本発明の実施形態に従い、直列に接続された医療用デバイス、延長デバイス、及び内視鏡を通ってステントを送達している間の状態を図示する斜視図。
図3】本発明の実施形態による延長デバイスを示す斜視図。
図4】本発明の実施形態による、所定のロック位置を有する延長デバイスを示す斜視図。
図5A】本発明の実施形態による、開放形態における内側チャネル及び外側チャネルを有した延長デバイスを示す分解斜視図。
図5B】本発明の実施形態による、開放形態における内側チャネル及び外側チャネルを有した延長デバイスを示す分解斜視図。
図5C】本発明の実施形態による、開放形態における内側チャネル及び外側チャネルを有した延長デバイスを示す分解斜視図。
図5D図5A図5Cの延長装置が閉鎖形態にある状態を示す斜視図。
図5E図5A図5Cの延長装置が閉鎖形態にある状態を示す斜視図。
図5F図5A図5Cの延長装置が閉鎖形態にある状態を示す斜視図。
図6A】本発明の実施形態による、旋回可能なジョイントを有する延長デバイスを示す斜視図。
図6B図6Aのデバイスの部分を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、記載された特定の実施形態に限定されない。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的とし、限定することを意図するものではない。特に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。
【0011】
本明細書で使用する場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、複数形も含むことを意図している。本明細書で使用される場合、「備える(comprises)」及び/又は「備える(comprising)」又は「含む(includes)」及び/又は「含む(including)」という用語は、述べられた特徴、領域、ステップ要素及び/又は構成要素の存在を指定するが、1つ以上の他の機能、領域、整数、ステップ、操作、要素、構成要素、及び/又はそれらの組合せ、又は追加を排除しないものである。
【0012】
本明細書で使用される場合、「及び」は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、そのように結合された構造、構成要素、特徴などのそれぞれを含み、「又は」は、構造の一方又は他方を含むものであり、文脈から明らかにそうでないことが示されていない限り、構成要素、機能などは、単独で、又は、任意の組み合わせと数で組み合わされるものである。
【0013】
本明細書で使用される場合、「遠位」という用語は、デバイスを患者に導入するときの医療専門家から最も遠い端を指し、「近位」という用語は、デバイスを患者に導入するとき医療専門家に最も近い端を指す。
【0014】
本明細書では、すべての数値は、明示的に示されているかどうかにかかわらず、「約」という用語で修飾されていると想定されている。「約」という用語は、数値の文脈において、一般に、当業者が列挙された値と同等である(すなわち、同じ機能又は結果を有する)と見なすであろう数値の範囲を指す。多くの場合、「約」という用語には、最も近い有効数字に四捨五入された数値が含まれる場合がある。「約」という用語の他の使用(つまり、数値以外の文脈での使用)は、特に明記されていない限り、明細書の文脈から理解され、一貫しているため、通常の慣習的な定義を有するものと見なされる。
【0015】
終端による数値範囲の列挙には、終端を含む、その範囲内のすべての数値が含まれる(例えば、1~5には、1,1.5,2,2.75,3,3.80,4,5が含まれる)。
本明細書における「実施形態」、「一部の実施形態」、「他の実施形態」などへの言及は、記載された実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を含み得ることを示すが、すべての実施形態において、特定の機能、構造、又は特性が含まれているとは限らない。さらに、そのような語句は、必ずしも同じ実施形態を指しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造、又は特性が実施形態に関連して説明されている場合、明示的であろうとなかろうと、反対に明確に述べられていない限り、他の実施形態に関連してそのような特徴、構造、又は特性をもたらすことは当業者の知識の範囲内にあることが説明されているものとする。換言すると、特定の組み合わせで明示的に示されていない場合でも、以下で説明するさまざまな個々の要素は、当業者によって理解されるように、他の追加の実施形態を形成するため、又は説明した実施形態を補完及び/又は強化するために互いに組み合わせる又は配置可能であると考えられる。
【0016】
本発明の実施形態は、ワーキングチャネルを延長するために使用されるデバイス及びシステム、ならびに方法を含む。患者の特定の治療部位まで延びるように、及び/又は特定の補助医療用デバイス(例えば、内視鏡)と互換性があるように設計され得る医療用デバイス(例えば、カテーテル)は、他の治療部位に到達するため、及び/又は他の補助医療用デバイスとの互換性をもたらすために、本発明の延長デバイスとともに使用され得る。
【0017】
一例として、超音波内視鏡を使用して、自己拡張型排液ステントを送達するためにデリバリーカテーテルを使用することができる。ステント送達デバイスは、超音波内視鏡に接続し、それと共に機能するように設計され得る。体内へのドレナージステントの留置は、超音波の案内のもとで、ステントを運ぶカテーテルを挿入することにより行うことができる。カテーテルは、第1の体管腔(例えば、胃腸管)の壁を通って隣接する管腔(例えば、偽嚢胞)に通され、ステントの遠位保持部材が展開される。次に、カテーテルを後退させ、近位保持部材をGI管(例えば、胃)内に配置することができる。そのような超音波による手順は、送達デバイスのシャフトが超音波内視鏡を通して挿入される超音波内視鏡を使用して実行され得る。超音波内視鏡のワーキングチャネルは、通常、特定の長さ、例えば、約125cm~約130cmであり、デリバリーカテーテル又はデバイスは、通常、約137cm~約138cmのシャフト長をもってワーキングチャネルの長さ全体に伸びるので、カテーテルの遠位端の約8cmがワーキングチャネルの遠位端から患者内の所定の距離だけ外に延びることになる。 この所定の距離は、超音波を介して使用者にカテーテル先端及びステントを含む治療部位を表示するために、超音波内視鏡の動作範囲内にある可能性がある。これより長く延びるカテーテルの遠位端の長さは、この手順における超音波内視鏡の機能範囲を超える可能性があるが、延長された遠位端の長さがこれより短い場合には、ステントの適切な挿入、配置、及び送達ができないことがある。
【0018】
図1を参照すると、ドレナージステントの送達のための上記の説明によるデバイス及び超音波内視鏡の例が示されている。デバイス140は、ユーザ150による操作のために、超音波内視鏡130に接続される。デバイス140は、ルアーロック継手であるコネクタ142を介して超音波内視鏡130に接続され、デバイス140を超音波内視鏡130に対してロックされた位置に設ける。ユーザ150は、片方の手で超音波内視鏡130を操作しながら、他方の手でデバイス140を操作することができる。デバイス140のシャフトは、超音波内視鏡130のワーキングチャネルを通って延び、超音波内視鏡130の遠位端から所定の距離だけ延びる。デバイス140は、超音波内視鏡130とロック位置にあり、所定の距離が定められたシャフト長を有することで、ユーザによる超音波内視鏡に対するデバイス140の移動を通じて近位方向又は遠位方向に変化しないようにすることができる。デバイス140のハンドル146は、処置中に順次作動させて、装置のシャフトの遠位先端を超音波内視鏡で視覚化しながらステントを送達することができる。
【0019】
医療専門家は、所定のワーキングチャネル長を有する特定の補助医療用デバイス(例えば、超音波内視鏡)用に設計された医療用デバイスを、ワーキングチャネル長が異なる、別の補助医療用デバイス(例えば、直接撮像内視鏡又は異なるブランド又は構成の内視鏡)と共に使用することを望む場合がある。 プロのユーザがデバイスを別の補助デバイスに接続した場合、デバイスの機能に必要な部分(例えば、カテーテルシャフトの長さ)が手順のニーズに適合しない可能性がある。例えば、異なる補助デバイスのワーキングチャネルの遠位端から医療用デバイスが延びる距離は、様々な補助デバイスの長さが異なると変化する可能性がある。例えば、医療用デバイスが内視鏡にロックされることが必要又は望ましい場合があり、これによって、例えば、使用者の片手で内視鏡と共に操作できるようにするか、又は医療用デバイスが部分的に又は不注意で内視鏡から引き抜かれるか、又は延長されることがないようにすることができ、所望の量だけワーキングチャネルを越えて所定の延長距離を維持することができる。
【0020】
図2を参照すると、本発明によるワーキングチャネルを延長するためのシステムの実施形態が示されており、内視鏡230を貫通してデバイスが通過するためのワーキングチャネルを有して患者に挿入された内視鏡230を含む。ボストン・サイエンティフィック・コーポレーションによって製造されたAXIOS(商標)デバイスとして例示の目的でここに示される例示的なステント送達デバイス240は、そこから遠位に延びるシャフト244を備えた遠位端を含む。シャフト244は、ワーキングチャネル内に受容可能である。シャフト244は、ステント246を患者の標的組織260に送達するように描かれている。送達デバイスと内視鏡との間に延在する延長デバイスは、送達デバイス240がシャフト244を内視鏡230の遠位端から所定の距離に維持することを可能にする。延長デバイス200は、送達デバイス240と内視鏡230との間に取り付けられる。延長デバイス200は、内部を貫通して伸びる管腔を有した管状の内側部材202を有する。延長デバイス200はまた、内部を貫通して伸びる管腔を有した管状の外側部材204を有する。外側部材204の管腔は、内側部材202を受け入れるように構成される。外側部材204と内側部材202は、延長デバイス200の調節可能な長さに対応する所望の位置まで入れ子式に互いに相対して摺動可能である。外側部材204の近位端の近位コネクタは、送達デバイス240のハンドルの遠位端のコネクタ210に接続するように構成される。内側部材の遠位端にある遠位コネクタ208は、内視鏡230の近位端に接続するように構成される。デバイス200の調節可能な長さは、シャフト244が、延長デバイス200の外側部材204及び内側部材202の管腔を通って、内視鏡230の近位端から遠位端までワーキングチャネルを通って、そして、内視鏡230の遠位端を越えて所定の距離だけ延伸することが可能である。
【0021】
本明細書に記載されている、又は本発明の範囲内にある多様な実施形態では、内視鏡の遠位端からのシャフトの所定の距離は、例えば、約7.5cm~約8.5cmの範囲にあり得る。延長デバイスは、延長デバイスの内側部材及び外側部材の管腔を通して近位にシャフトを抜去することなく、内視鏡及び送達デバイスなどの補助医療用デバイスのシャフトの周りから着脱自在であり得る。延長装置の調節可能な長さは、例えば、最小で約0センチメートル、最大で約3センチメートル、又は最小で約0センチメートルかつ最大で約8センチメートルであり得る。内側部材及び外側部材の管腔は、同軸に設けられ得る。内側部材の管腔は、内視鏡のワーキングチャネルの直径と実質的に一致する直径を有し得る。外側部材の管腔は、内側部材の外径と実質的に一致する直径を有し得る。延長装置は、図2に示される止めねじなどのロックアセンブリを含み、外側部材204及び内側部材202を、延長部材200の調節可能な長さに対応する所望の位置に互いに対して固定することができる。延長デバイスのロックアセンブリは、医療用デバイスのシャフト(例えば、カテーテル)の長さに一致する、内視鏡の近位端と医療用デバイスの遠位端(例えば、送達デバイス)の間の所定の固定位置を有することができる。
【0022】
図3を参照すると、本発明によるワーキングチャネルを延長するための延長デバイスの実施形態が示されている。延長デバイス300は、内部を貫通して伸びる管腔を有した管状の内側部材302を有する。デバイス300はまた、内部部材302を受容するように構成された、内部を貫通して伸びる管腔を有する管状の外部部材304を含む。外側部材304の管腔は、内側部材302の外径と実質的に一致する直径を有し得る。外側部材304及び内側部材302は、装置300の調整可能な長さに対応する所望の位置まで、入れ子式に互いに相対して摺動可能である。ロックアセンブリ306(例えば、ねじなど)は、所望の位置で外側部材304と内側部材302の互いに対する相対位置を固定するように構成される。ロックアセンブリ306は、内側部材302に係合することによって、内側部材302に対して外側部材304を所望の位置にロックする。図2~3に示されるロックアセンブリ306は、外側部材304の開口部を通って配置されるツマミ付きねじを含む。ユーザは、外側部材304に対して内側部材302を係合及びロックするように、ツマミ付きねじを締めることができる。外側部材304の近位端における近位コネクタ310(例えば、ルアーロックコネクタ)は、第1の医療用デバイス(例えば、ステント送達デバイス)の遠位端に接続するように構成される。内側部材302の遠位端の遠位コネクタ308(例えば、メス型のルアーロックコネクタ)は、第2の医療用デバイス(例えば、内視鏡)の近位端に接続するように構成される。
【0023】
図4を参照すると、本発明によるワーキングチャネルを延長するためのデバイスの実施形態が図示されており、これは、ロックアセンブリを備えた延長デバイス400を含む。ロックアセンブリは、外側部材404に予め設定された開口412に対応する、内側部材402上の突出部406(例えば、圧縮可能なボタン、戻り止め)を含む。突出部406は、外側部材404の管腔の内面に完全に進入してそれを通過させ、外側部材404の開口部412から内側部材402を外すように、半径方向に圧縮することができる。これにより、内側部材402及び突出部406が外側部材404に対してスライドすることが可能になり、その結果、デバイス400の全長が調整される。いくつかの実施形態では、ロックアセンブリ406は、複数の所望の位置に対応する、複数の予め設定された開口412を含み得る。ロッキングアセンブリ406の多数の位置は、デバイス400の所定の調節可能な長さを規定し得る。例えば、開口部412及び所望の位置は、異なる長さのワーキングチャネルを有する内視鏡などの様々な補助デバイスと共に使用するために必要な既知の長さに対応し得る。各開口412は、一定の種類の補助デバイスに対応し得る。突出部406は、デバイス400の適切な調整可能な長さを達成するために、使用されている補助デバイスに対応する開口412と係合することができる。デバイス400の適切な調整可能な長さは、シャフトがデバイス400を通って延在し、シャフトの所定の長さのみが補助デバイスの遠位端から延在するようなものであり得る。例えば、図4は、デバイスの外側部材404に対する内側部材402の3つの所定の固定位置に対応する3つの開口412を示している。したがって、この実施形態では、3つの固定位置の例は、延長デバイスの調整可能な長さの量だけシャフトの有効長を短くする、延長デバイスの3つの所定の調整可能な長さに対応する。マーキングなどの視覚的インジケータが所望の位置に対応して内側部材及び/又は外側部材上に設けられ得る。突出部及び開口の代替として、他の実施形態では、内側部材及び外側部材の一方又は両方は、互いに嵌合するように構成された内側部材上の第1の要素及び外側部材上の第2の要素を含んでなる留め具を有するものであってもよい。
【0024】
図5A~5Fを参照する。本発明によるワーキングチャネルを延長するためのデバイスの実施形態が図示されており、これは、内側部材502に沿って、遠位コネクタ508に沿って、そして、内側部材502の管腔まで延びるチャネル514を含む。チャネル516は、外側部材504に沿って、近位コネクタ510に沿って、そして外側部材504の管腔まで延びる。内側部材502及び外側部材504のチャネル514及び516は、互いに対して位置合わせするように構成される。チャネル514及び516が位置合わせされているときには、延長部の内側部材502及び外側部材504の管腔を通って延びる医療用デバイスのシャフトの周りに、デバイス500が配置され、及び除去され得るが、これには近位に延長デバイスから医療用デバイスのシャフトを引き抜く必要がない場合もふくんでいる。外側部材504及び内側部材502の一方又は両方は、互いに相対して回転可能である。デバイスは、チャネル514及びチャネル516が実質的に位置合わせされた(例えば、図5A~5Cに示されるような)開放形態と、チャネル514及びチャネル516が実質的に位置合わせされていない(例えば、図5D~5Fに示されるような)閉鎖形態との間で変化し得る。装置500が閉鎖位置にあり、シャフトが内側部材502及び外側部材504を通って延在する場合、装置500及びシャフトは、それらを互いに分離できないように固定され、シャフトを内側部材502及び外側部材504を通して近位に向かって取り外す以外は、分離できない。装置500が開放位置にあり、シャフトが内側部材502及び外側部材504を通って配置されている場合、デバイス500は、シャフトの長さに沿ってチャネル514,516を延びる長手方向軸に対して実質的に半径方向にシャフトの周りから取り外されてもよい。ここ又は当初明細書等の範囲に記載される様々な実施形態では、遠位コネクタ508及び/又は近位コネクタ510に沿って延びる1つ以上のチャネル514及び/又は516は、代替手段として、多孔質材料、弱化材料、及び/又は又は、コネクタ508及び/又は510の残りの部分よりも薄い材料からなることもできる。あるいは、コネクタ508及び/又は510は、ユーザが延長デバイス500をシャフトから引っ張る又は引き剥がすことによる意図的な力によって破壊可能である材料で全体が作られてもよい。そのような実施形態は、最初にシステムの他の部分を除去することなく、デバイス500を内視鏡及び/又は医療用デバイスのシャフトから除去することを可能にし得る。そのような実施形態はまた、延長デバイス500を除去する前に、システムの他の補助デバイス又は他の医療用デバイスを除去することと比較して、デバイス500がより迅速に除去されることを可能にし得る。
【0025】
本明細書に記載されている、又は本件発明の範囲内の他の実施形態では、内側部材及び外側部材は、様々なポリマー及び/又は金属材料からなることができる。材料には、ステンレス鋼、アルミニウム、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、ポリオキシメチレン(POM、たとえばデュポン社から入手可能なDELRIN(登録商標))、ポリエーテルブロックエステル、ポリウレタン(例えば、ポリウレタン85A)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエーテルエステル(例えば、DSMエンジニアリングプラスティクスから入手可能なARNITEL(登録商標))、エーテル又はエステルベースのコポリマー(例えば、ブチレン/ポリ(アルキレンエーテル)フタル酸塩、及び/又はデュポン社から入手可能なHYTREL(登録商標)などのポリエステルエラストマー)、ポリアミド(例えばバイエル社から入手可能なDURETHAN(登録商標)又はエルフ・アトケム社から入手可能なCRISTAMID(登録商標))、エラストマーポリアミド、ブロックポリアミド/エーテル、ポリエーテルブロックアミド(PEBA、例えばPEBAX(登録商標)の商標名で入手可能なもの)、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)、シリコーン、ポリエチレン(PE)、Marlex(登録商標)高密度ポリエチレン、Marlex(登録商標)低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン(REXELL(登録商標)など) 、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンオキシド(PPO) 、ポリパラフェニレンテレフタルアミド(KEVLAR(登録商標)など)、ポリスルホン、ナイロン、ナイロン-12(EMSアメリカン・グリロン社から入手可能なGRILAMID(登録商標)など)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PFA)、エチレンビニルアルコール、ポリオレフィン、ポリスチレン、エポキシ、及び/又はポリ塩化ビニリデン(PVdC)が含まれる。 材料は、患者内での医療用デバイス及び内視鏡の前進及び後退に伴う力に耐えるように選択することができる。
【0026】
図6A及び6Bを参照する。本発明によるワーキングチャネルを延長するためのデバイスの実施形態が図示されており、デバイス600の内側部材602の遠位部分に配置された旋回可能なジョイント620を含む。デバイス600は、内視鏡の遠位端を超えて所定の距離をシャフトが延びることができるように、医療用デバイス640のシャフトと適合するように内視鏡630のワーキングチャネルを延長する。旋回ジョイント620は、デバイス600を内視鏡630に接続する遠位コネクタ608の近位にある。ジョイント620は、内視鏡630の長手方向軸及び旋回ジョイントに対して遠位の内側部材602の一部と位置合わせ可能な第1の長手方向軸627を有する。ジョイント620はまた、内側部材602の残りの部分の長手方向軸と位置合わせ可能な第2の長手方向軸621を有する。ジョイント620は、遠位コネクタ608の近傍にある内側部材602の遠位部分に球体622を含む。球体620は、その内部を貫通する管腔624を有し、管腔624は内部部材602の管腔と流体連通している。ジョイント620はまた、遠位コネクタ608の近位にある内側部材602の遠位部分にカップ状体626を含む。カップ状体626は、球状本体620の周りに配置される。カップ状体626は、その内部を貫通する管腔628を有し、管腔628は球体622の管腔624と流体連通している。球体620は、内側部材602、球状体622、及びカップ状体626の管腔を流体連通状態に維持しながら、カップ状体626内で旋回可能である。医療用デバイス640のシャフト642は、ジョイント620の管腔624,628を通って伸長可能である。ジョイント620は、第1の長手方向軸627が第2の軸621から約90度~約180度の角度になるように旋回することができる。医療用デバイス640及びデバイス600がカップ状体626及び内視鏡630に対して角度を付けて自由に動くことを可能にすることができるので、ユーザは、旋回可能なジョイント620から利益を得ることができる。第2の軸621は、90度(第1の軸627に垂直)から180度(第1の軸627に平行)までの任意の平面で360度移動する自由を有する。これは、処置の間に人間工学的にユーザを支援し得る。医療用デバイス640及び内視鏡630を操作するユーザにとって、医療用デバイス、延長デバイス、及び内視鏡が互いに相対して枢動できない1つの位置に一緒にロックされる他の実施形態よりも、より多くの自由及び快適さがあり得る。
【0027】
本明細書に記載されている、又は本発明の範囲内にある様々な実施形態では、近位及び/又は遠位コネクタは、オス型又はメス型のルアー継手であってもよい。1つ以上のコネクタは、回転するルアーナット及び/又は巻き付けられたルアー継手を含み得る。コネクタは、様々な内視鏡及び医療用デバイスに着脱自在に接続及び締め付けることができる。
【0028】
ここで説明する、又は本発明の範囲内の他の実施形態では、ロックアセンブリは、クイックリリースロックナット、ねじり摩擦フィットロック、スロット付きフィットロック、ボタンフィットロック、戻り止めロックなどを含むことができる。
【0029】
ここ又は本発明の範囲内に記載される様々な実施形態において、延長デバイスは、カテーテルのシャフトが内視鏡から所定の距離遠位に延びるように、内視鏡に対応する長さの管状部材であり得る。管状部材は、医療装置の遠位端に接続するように構成された、部材の近位端に近位コネクタを有することができる。管状部材は、内視鏡の近位端に接続するように構成された部材の遠位端に遠位コネクタを有することができる。
【0030】
様々な実施形態において、ワーキングチャネルの長さを延長する方法は、一定のワーキングチャネルを有する内視鏡を患者に挿入する工程を含み得る。カテーテルは、ワーキングチャンネルを通して患者に挿入される。延長デバイスは、カテーテルのシャフトの周りを貫通して延びる管腔を有し得る。延長デバイスは、ワーキングチャネルの近位端に取り付けられ得る。カテーテルは、延長デバイスの近位端に取り付けられてもよい。延長デバイスは、延長デバイスの調整可能な長さに対応する所望の位置に調整することができる。延長デバイスは、所望の位置でロックされ得る。延長デバイスは、カテーテルの遠位先端が内視鏡の遠位端から最大で約8cm延びるように、所望の位置に調整することができる。カテーテルの先端は、内視鏡を使用して視覚化できる。延長デバイスは、カテーテルが内視鏡のワーキングチャネル内に留まっている間に、内視鏡及びカテーテルのシャフトの周りから取り外すことができる。配置工程は、カテーテルを患者に挿入した後、延長デバイスをシャフトの周りに配置することを含み得る。配置する工程は、カテーテルを患者に挿入する前に、延長デバイスをシャフトの周りに配置することを含み得る。所望の位置は、調節可能な長さを固定するように構成された、延長デバイスのロックアセンブリの少なくとも1つの所定の固定位置を含み得る。所望の位置は、複数の所定の固定位置を含み得る。延長デバイスの複数のチャネルは、延長デバイスがカテーテルのシャフトの周りに配置及び除去され得るように、互いに位置合わせされ得る。延長デバイスは、チャネルが実質的に整列した開放形態と、チャネルが実質的に整列していない閉鎖形態との間を移行することができる。
【0031】
(付記)
上記実施形態から把握できる技術的思想について、以下記載する。
[項目1]
内部を貫通して延びる管腔を有した管状の内側部材と、
貫通する管腔を有した管状の外側部材であって、前記外側部材の管腔は前記内側部材を受け入れるように構成され、外側部材及び内側部材は、入れ子式に延長デバイスの調整可能な長さに対応する所望の位置まで互いに相対して摺動可能である、外側部材と、
外側部材及び内側部材を所望の位置で互いに対して固定するように構成されたロックアセンブリと、
第1の医療用デバイスの遠位端に着脱自在に接続するように構成され、及び、前記外側部材の近位端にある近位コネクタと、
第2の医療用デバイスの近位端に着脱自在に接続するように構成され、及び、前記内側部材の遠位端にある遠位コネクタとを備え、
前記第1の医療用デバイスは、前記第1の医療用デバイスの遠位端からステントを送達すべく、前記第2の医療用デバイスの遠位端を貫通し、かつ前記第2の医療用デバイスの遠位端を超えて延びており、
前記第1の医療用デバイスの遠位端は、そこから遠位に延びるシャフトをさらに備え、前記延長デバイスの調節可能な長さは、前記シャフトが、前記延長デバイスの外側部材及び内側部材の管腔と、前記第2の医療用デバイスの前記近位端から遠位端までとを通って、前記第2の医療用デバイスの遠位端を所定の距離だけ超えて延びるものであり、
前記延長デバイスは、前記内側及び外側部材の管腔を通して近位方向に前記シャフトを抜去することなく、前記第1の医療用デバイスの前記シャフトの周りから取り外し可能である、延長デバイス。
[項目2]
前記所定の距離は、8センチメートルである、項目1に記載の延長デバイス。
[項目3]
前記第1の医療用デバイスがデリバリーカテーテルであり、前記第2の医療用デバイスが内視鏡である、項目1又は2に記載の延長デバイス。
[項目4]
前記調整可能な長さは、最小で0センチメートル、最大で8センチメートルである、項目1に記載の延長デバイス。
[項目5]
前記所望の位置は、前記ロックアセンブリの少なくとも1つの所定の固定位置を含む、項目1に記載の延長デバイス。
[項目6]
前記所望の位置は、前記ロックアセンブリの複数の所定の固定位置を含む、項目1に記載の延長デバイス。
[項目7]
内部を貫通して延びる管腔を有した管状の内側部材と、
貫通する管腔を有した管状の外側部材であって、前記外側部材の管腔は前記内側部材を受け入れるように構成され、外側部材及び内側部材は、入れ子式に延長デバイスの調整可能な長さに対応する所望の位置まで互いに相対して摺動可能である、外側部材と、
外側部材及び内側部材を所望の位置で互いに対して固定するように構成されたロックアセンブリと、
第1の医療用デバイスの遠位端に着脱自在に接続するように構成され、及び、前記外側部材の近位端にある近位コネクタと、
第2の医療用デバイスの近位端に着脱自在に接続するように構成され、及び、前記内側部材の遠位端にある遠位コネクタと、
前記管状の内側部材に沿って、前記遠位コネクタに沿って、そして前記管状の内側部材の管腔まで延びるチャネルと、
前記管状の外側部材に沿って、前記近位コネクタに沿って、そして前記管状の外側部材の管腔まで延びるチャネルとを備え、
前記管状の内側部材及び管状の外側部材のチャネルは、前記延長デバイスが前記第1の医療用デバイスのシャフトの周りに配置され、及び前記シャフトの周りから除去されるように、互いに位置合わせされており、
前記第1の医療用デバイスは、前記第1の医療用デバイスの遠位端からステントを送達すべく、前記第2の医療用デバイスの遠位端を貫通し、かつ前記第2の医療用デバイスの遠位端を超えて延びている、延長デバイス。
[項目8]
前記外側部材及び前記内側部材の少なくとも一方が、互いに相対して回転可能であり、それにより、前記延長デバイスが、前記内側部材のチャネルが前記外側部材のチャネルと位置合わせされている開放形態と、前記内側部材のチャネルが前記外側部材のチャネルと位置合わせされていない閉鎖形態との間で移行され得る、項目7に記載の延長デバイス。
[項目9]
内部を貫通して延びる管腔を有した管状の内側部材と、
貫通する管腔を有した管状の外側部材であって、前記外側部材の管腔は前記内側部材を受け入れるように構成され、外側部材及び内側部材は、入れ子式に延長デバイスの調整可能な長さに対応する所望の位置まで互いに相対して摺動可能である、外側部材と、
外側部材及び内側部材を所望の位置で互いに対して固定するように構成されたロックアセンブリと、
第1の医療用デバイスの遠位端に接続するように構成され、及び、前記外側部材の近位端にある近位コネクタと、
第2の医療用デバイスの近位端に接続するように構成され、及び、前記内側部材の遠位端にある遠位コネクタとを備え、
前記遠位コネクタの近位にて、前記内側部材の遠位部分に配置された旋回可能なジョイントをさらに備え、前記ジョイントは、前記第2の医療用デバイスの長手方向軸と、前記旋回可能なジョイントの遠位にある内側部材の部分と、位置合わせ可能な第1の長手方向軸を有し、前記ジョイントは、前記内側部材の残りの部分の長手方向軸と位置合わせ可能な第2の長手方向軸を有し、
前記第1の医療用デバイスは、前記第1の医療用デバイスの遠位端からステントを送達すべく、前記第2の医療用デバイスの遠位端を貫通し、かつ前記第2の医療用デバイスの遠位端を超えて延びる、延長デバイス。
[項目10]
前記旋回可能なジョイントは、
前記内側部材の遠位部分にある球体であって、前記球体は内部を貫通して延び、かつ前記内側部材の管腔と流体連通している管腔を有する、球体と、
前記球体の周りに配置され、かつ前記内側部材の遠位部分にあるカップ状体であって、前記カップ状体は、内部を貫通して延び、かつ前記球体の管腔と流体連通している管腔を有する、カップ状体とを備え、
前記球体は、前記内側部材、前記球体、及びカップ状体の管腔を流体連通状態に維持しながら、前記カップ状体内で旋回可能である、項目9に記載の延長デバイス。
[項目11]
前記ロックアセンブリは、前記外側部材の予め設定された開口に対応する前記内側部材の突出部である、項目10に記載の延長デバイス。
[項目12]
前記ロックアセンブリは、複数の所望の位置に対応する複数の予め設定された開口を有し、これにより所定の複数の調整可能な長さを規定する、項目11に記載の延長デバイス。
[項目13]
前記突出部が、前記内側部材を前記外側部材から外すために圧縮可能なボタンを備える、項目11又は12に記載の延長デバイス。
[項目14]
前記ロックアセンブリは前記外側部材に予め設定された開口に対応する、前記内側部材上の突出部である、項目1~8のいずれか1項に記載の延長デバイス。
[項目15]
前記ロックアセンブリは、複数の所望の位置に対応する複数の予め設定された開口を備え、前記複数の予め設定された開口によって、複数の所定の調節可能な長さを規定する、項目14に記載の延長デバイス。
[項目16]
前記突出部は前記内側部材を前記外側部材から離脱させるべく圧縮可能なボタンを含んでなる、項目14又は15に記載の延長デバイス。
本明細書に開示及び請求されるすべてのデバイス及び/又は方法は、本発明に照らして、過度の実験なしに作成及び実行することができる。本発明のデバイス及び方法は、特定の実施形態に関して説明されているが、デバイス及び/又は方法に、及び本発明の概念、精神及び範囲から逸脱することなく、本明細書に記載される方法の工程又は工程の順序に変形が適用され得ることは、当業者には明らかであろう。当業者に明らかなすべてのそのような類似の代替物及び修正は、本発明の範囲内にあるものと見なされる。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図6A
図6B