IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニーの特許一覧

<>
  • 特許-布地上の悪臭を低減する方法 図1
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】布地上の悪臭を低減する方法
(51)【国際特許分類】
   C11D 3/20 20060101AFI20240702BHJP
   C11D 7/26 20060101ALI20240702BHJP
   C11D 1/22 20060101ALI20240702BHJP
   C11D 1/29 20060101ALI20240702BHJP
   C11D 3/28 20060101ALI20240702BHJP
   C11D 3/30 20060101ALI20240702BHJP
   C11D 3/50 20060101ALI20240702BHJP
   C11D 3/395 20060101ALI20240702BHJP
   C11D 3/386 20060101ALI20240702BHJP
   D06L 1/16 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
C11D3/20
C11D7/26
C11D1/22
C11D1/29
C11D3/28
C11D3/30
C11D3/50
C11D3/395
C11D3/386
D06L1/16
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022525739
(86)(22)【出願日】2020-11-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-26
(86)【国際出願番号】 US2020059271
(87)【国際公開番号】W WO2021092278
(87)【国際公開日】2021-05-14
【審査請求日】2022-05-02
(31)【優先権主張番号】62/932,518
(32)【優先日】2019-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】ミラクル、グレゴリー・スコット
(72)【発明者】
【氏名】ステンガー、パトリック・クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】メリ、ファブリツィオ
(72)【発明者】
【氏名】ビアンチェッチ、ギリア・オッタヴィア
【審査官】柴田 啓二
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-024753(JP,A)
【文献】特開昭49-053611(JP,A)
【文献】国際公開第2015/083800(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
布地上の悪臭を低減する方法であって、
a.布地を洗浄液と組み合わせる工程であって、前記布地が少なくとも1種の悪臭源を含み、前記洗浄液がCu2+を含み、前記洗浄液が、洗濯洗剤組成物を水で100~3000倍に希釈することによって調製される、工程と、
b.前記布地を、自動洗浄操作、手動洗浄操作、又はこれらの混合を使用して、前記洗浄液中で洗浄する工程と、
c.前記布地と前記洗浄液とを互いに分離する工程と、
d.前記布地を乾燥させる工程と、を含み、
前記洗濯洗剤組成物が、前記洗濯洗剤組成物の0.001重量%~5重量%のヒンダードフェノール酸化防止剤を含み、前記ヒンダードフェノール酸化防止剤の少なくとも1種が、1.50以上の、pH7におけるlogD値を有し、
前記ヒンダードフェノール酸化防止剤が、3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゼンプロパン酸,1,1’-[2,2-ビス[[3-[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]-1-オキソプロポキシ]メチル]-1,3-プロパンジイル]エステル;N,N’-1,6-ヘキサンジイルビス[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゼンプロパンアミド;3,4-ジヒドロ-2,2,5,7,8-ペンタメチル-2H-1-ベンゾピラン-6-オール及びこれらの混合物からなる群から選択される、方法。
【請求項2】
前記Cu2+が、前記洗浄液と接触する前に前記布地上に存在することによって、前記洗浄液を作製するために使用される前記水中に存在することによって、またはこれらの混合によって、前記洗浄液に導入される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
a.前記布地が、5℃~60℃の温度で、前記洗浄液中で洗浄される、
b.工程bにおける前記洗浄操作が、5分~60分間行われる、
c.又はこれらの混合である、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記洗浄液が、0.1ppm~100ppmの前記ヒンダードフェノール酸化防止剤を含む、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記洗濯洗剤組成物が非石鹸界面活性剤を含む、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記非石鹸アニオン性界面活性剤が、直鎖状アルキルベンゼンスルホネート、アルコキシル化アルキルサルフェート又はこれらの混合物を含む、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記洗濯洗剤組成物が、前記洗濯洗剤組成物の0重量%~10重量%の非イオン性界面活性剤を含む、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記洗濯洗剤組成物が、前記洗濯洗剤組成物の1.5重量%~20重量%の石鹸を含む、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記洗濯洗剤組成物が、カチオン性ポリマー、ポリエステルテレフタレート、両親媒性グラフトコポリマー、カルボキシメチルセルロース、酵素、香料、カプセル化香料、漂白剤、又はこれらの混合物を含むリストから選択される成分を含む、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記洗濯洗剤組成物がキレート剤を含む、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記洗濯洗剤組成物が、色相染料を含む、請求項1~1のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
記ヒンダードフェノール酸化防止剤の少なくとも1種が、2.50以上のpH7におけるlogD値を有する、請求項1~1のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
洗浄液中で布地上の悪臭を低減するための、請求項1~1のいずれか一項に記載の方法の使用であって、前記布地が、少なくとも1種の悪臭源を含み、前記洗浄液が、50ppb以上の濃度でCu2+を含む、方法の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化防止剤を含有する洗剤組成物を使用して布地上の悪臭を低減するための方法、並びに当該酸化防止剤及び当該方法の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
洗濯洗浄方法は、布地から汚れを除去するように設計されている。いくつかの汚れは、布地上の悪臭を引き起こし得るが、場合によっては、これらの悪臭は、洗濯洗浄操作後でも持続し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、布地上の悪臭を低減するための方法が継続的に必要とされている。
【0004】
驚くべきことに、提供される本発明による方法が、布地上の悪臭を低減することが見出された。
【0005】
理論に束縛されるものではないが、これは、本発明による酸化防止剤の特定の選択と、洗浄を通して布地上で悪臭を低減させる利益を提供する金属イオンとの組み合わせの配合であると考えられている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様は、布地上の悪臭を低減する方法であって、
a.布地を洗浄液と組み合わせる工程であって、布地が少なくとも1種の悪臭源を含み、洗浄液が金属イオン源、好ましくはCu2+を含み、洗浄液が、洗濯洗剤組成物を水で100~3000倍、好ましくは300~900倍に希釈することによって調製される、工程と、
b.布地を、自動洗浄操作、手動洗浄操作、又はこれらの混合、好ましくは自動洗浄操作を使用して、洗浄液中で洗浄する工程と、
c.布地と洗浄液とを互いに分離する工程と、
d.布地を乾燥させる工程と、を含み、
洗濯洗剤組成物は、洗濯洗剤組成物の0.01重量%~5重量%の酸化防止剤を含み、酸化防止剤は、アルキル化フェノールである。
【0007】
本発明の第2の態様は、布地上の悪臭を低減するための酸化防止剤の使用であり、布地は少なくとも1種の悪臭源を含み、酸化防止剤はヒンダードフェノールである。
【0008】
本発明の第3の態様は、洗浄液中の布地上の悪臭を低減するための本発明による方法の使用であり、布地は、少なくとも1種の悪臭源を含み、洗浄液は、金属イオン、好ましくはCu2+を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明による水溶性単位用量物品である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
方法
本発明は、布地上の悪臭を低減する方法に関する。
【0011】
本発明の文脈における「悪臭」とは、布地に対する好ましくない又は望ましくない臭いである。当業者であれば、望ましい臭いと比較して望ましくない臭いがあることを認識するであろう。
【0012】
方法は、以下の工程を含む。
【0013】
a.布地を洗浄液と組み合わせる工程であって、布地が少なくとも1種の悪臭源を含み、洗浄液が金属イオン源、好ましくはCu2+を含み、洗浄液が、洗濯洗剤組成物を水で100~3000倍、好ましくは300~900倍に希釈することによって調製される、工程。布地は、任意の好適な布地であってもよい。布地とは、好ましくは、天然繊維又は合成繊維のネットワークを含む、織物又は布を意味する。当業者であれば、好適な布地を認識するであろう。布は、綿、ポリエステル、綿/ポリエステルブレンド、ポリアミド、ライクラ、レーヨン、又はこれらの混合物から選択されてもよい。
【0014】
布は、少なくとも1種の悪臭源を含む。当業者であれば、適当な悪臭源を認識するであろう。悪臭源は、本体の汚れの化学的分解の生成物を含み得る。悪臭源は、本体の汚れ又はその分解生成物、例えば、6-メチル-5-ヘプタン-2-オン、トランス-2-ヘプタナール、3-メチル-2-ブテナール、デカン酸、ウンデカン酸、ウンデカナール、又はこれらの混合物を含んでもよい。
【0015】
当業者であれば、洗浄液の作製方法を認識するであろう。理論に束縛されるものではないが、洗濯洗剤組成物を水に添加することにより、洗濯洗剤組成物が溶解して、洗浄液の作製が引き起こされる。
【0016】
洗浄液は、自動洗濯機のドラム内で自動的に生成され得る、又は手動洗浄操作中に作製され得る。
【0017】
洗濯洗剤組成物は、水溶性単位用量物品中に含まれてもよく、水溶性単位用量物品は水溶性フィルムを含む。理論に束縛されるものではないが、水溶性単位用量物品を水に添加することによって、水溶性フィルムが溶解して洗濯洗剤組成物を水中に放出し、主洗浄液が生成される。自動洗濯機のドラム内で作製される場合、従来的には、洗浄される布地及び水溶性単位用量物品をドラムに添加してから洗濯機の扉を閉じる。次に、洗濯機がドラムに水を自動的に添加して洗浄液を生成する。
【0018】
好ましくは、洗浄液は、1L~64L、好ましくは2L~32L、より好ましくは3L~20Lの水を含む。
【0019】
洗濯洗剤組成物について、以下により詳細に説明する。
【0020】
洗浄液は、金属イオン、好ましくはCu2+を含む。金属イオンは、布が洗浄液と接触する前に、布地上に存在してもよい。金属イオンは、布が洗浄液と組み合わされる前に、布地上の悪臭源に存在してもよい。金属イオンは、布地と組み合わせた場合に洗浄液中に存在してもよい。洗浄液中に存在する場合、金属イオンは、洗濯洗剤、水、又はこれらの混合物中に存在してもよい。洗浄液を作製するために使用される水は、10ppb~2,000ppb、好ましくは50ppb~1,00ppbの金属イオンを含んでもよい。理論に束縛されるものではないが、水道水は、10ppb~2,000ppb、好ましくは50ppb~1,000ppbのCu2+を含む。悪臭源は、悪臭源が布に付く段階で金属イオンを含む場合がある。あるいは、悪臭源は、布地が着用者の皮膚と接触し得、その後に金属イオンが加えられる場合に着用中に起こり得るように、布地に付く場合がある。
【0021】
好ましくは、洗浄液は、0.1ppm~100ppm、好ましくは0.15ppm~50ppmの酸化防止剤を含む。
【0022】
b.布地を、自動洗浄操作、手動洗浄操作、又はこれらの混合、好ましくは自動洗浄操作を使用して、洗浄液中で洗浄する工程。
【0023】
当業者であれば、自動洗浄操作、手動洗浄操作、又はこれらの混合における、布地の洗浄方法を周知であろう。
【0024】
好ましくは、洗浄液は、5℃~90℃、好ましくは10℃~60℃、より好ましくは12℃~45℃、最も好ましくは15℃~40℃の温度である。
【0025】
好ましくは、洗浄液中での布地の洗浄は、完了までに5分~50分、好ましくは5分~40分、より好ましくは5分~30分、更により好ましくは5分~20分、最も好ましくは6分~18分かかる。
【0026】
好ましくは、洗浄液は、1kg~20kg、好ましくは3kg~15kg、最も好ましくは5~10kgの布地を含む。
【0027】
洗浄液は、好ましくは0gpg~40gpgで変化する任意の硬度の水を含んでもよい。より低い水硬度は、軟水と呼ばれ、一方でより高い水硬度は、硬水と呼ばれる。
【0028】
c.布地と洗浄液とを互いに分離する工程。
【0029】
布地及び洗浄液は、布地の洗浄後に互いに分離される。このような分離は、布地を洗浄液から取り出すこと、又は洗浄液を布地から排水することを伴ってもよい。自動洗濯機の操作においては、洗浄液を布地から排水することが好ましい。疑念を避けるため、布地と主洗浄液との分離後も洗浄液の一部は布地に浸み込んだままであってもよい、すなわち、布地は濡れたままであってもよい。本発明に関しては、一旦、布地が洗浄液の主要量から分離されたら、又は洗浄液の主要量が排出されていたら、場合によってはいくらかの残留洗浄液が布地に浸み込んだままであっても、布地及び洗浄液は互いに分離されていると見なされる。
【0030】
d.布地を濯ぐ工程。
【0031】
本方法は、洗剤を含有しない場合がある液体による布地の濯ぎを含む追加の工程を含んでもよい。追加の工程は、布地中の残留洗浄液を除去する目的を果たし得る。濯ぎ工程中に使用される液体は、水であってもよい。更に、液体は、水と、布地柔軟剤などの1種以上の添加剤との組み合わせであってもよい。
【0032】
e.布地を乾燥させる工程。
【0033】
本方法は、布地を乾燥させることを含む追加の工程を含んでもよい。当業者であれば、布地を乾燥させるための好適な手段を認識するであろう。布地は、ロープで(屋内又は屋外)、室温にて自動乾燥機で、又はこれらの混合を含むがこれらに限定されない任意の好適な手段によって、乾燥されてもよい。当業者であれば、どの時点で、濡れているのとは対照的に布地が乾燥しているかについて、周知であろう。
【0034】
洗濯洗剤組成物
本発明に従った方法は、洗濯洗剤組成物を希釈する工程を含む。
【0035】
洗濯洗剤組成物は、粉末、液体、水溶性単位用量物品、又はこれらの混合、好ましくは、液体組成物を含む水溶性単位用量であってもよい。
【0036】
固体洗濯洗剤組成物は、固体粒子を含んでもよい、又は単一の均質な固体であってもよい。好ましくは、固体洗濯洗剤組成物は粒子を含む。これは、単一の均質な固体である固体とは対照的に、固体洗濯洗剤組成物が、個々の固体粒子を含むことを意味する。粒子は、自由流動性であり得る、又は圧縮され得るが、好ましくは自由流動性である。
【0037】
用語「液体洗濯洗剤組成物」とは、布地を濡らし、処理することが可能な液体を含む、任意の洗濯洗剤組成物を意味し、限定するものではないが、液体、ゲル、ペースト、分散液等が挙げられる。液体組成物は、好適に細分された形態の固体又は気体を含み得るが、液体組成物は、粉末、錠剤、又は顆粒などの、全体として非流動性である形態を除外する。
【0038】
水溶性単位用量物品について、以下により詳細に説明する。
【0039】
洗濯洗剤組成物は、洗濯洗剤組成物の0.001重量%~5重量%、より好ましくは0.01重量%~1重量%、最も好ましくは0.025重量%~0.5重量%のアルキル化フェノール酸化防止剤又はヒンダードフェノール酸化防止剤を含む。酸化防止剤について、以下により詳細に説明する。
【0040】
洗濯洗剤組成物は、好ましくは、非石鹸界面活性剤を含む。より好ましくは、非石鹸界面活性剤は、非石鹸アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、又はこれらの混合物から選択される。洗濯洗剤組成物は、好ましくは、洗濯洗剤組成物の10重量%~60重量%、より好ましくは20重量%~55重量%の非石鹸界面活性剤を含む。
【0041】
好ましくは、非石鹸アニオン性界面活性剤は、直鎖状アルキルベンゼンスルホネート、アルコキシル化アルキルサルフェート、アルキルサルフェート、又はこれらの混合物を含む。好ましくは、アルキルサルフェートは、エトキシル化アルキルサルフェートである。
【0042】
好ましくは、洗濯洗剤組成物は、洗剤組成物の5重量%~50重量%、好ましくは15重量%~45重量%、より好ましくは25重量%~40重量%、最も好ましくは30重量%~40重量%の非石鹸アニオン性界面活性剤を含む。
【0043】
好ましくは、非石鹸アニオン性界面活性剤は、直鎖状アルキルベンゼンスルホネート及びアルコキシル化アルキルサルフェートを含み、直鎖状アルキルベンゼンスルホネートとアルコキシル化アルキルサルフェートとの比、好ましくは、直鎖状アルキルベンゼンスルホネートとエトキシル化アルキルサルフェートとの重量比は、1:2~20:1、好ましくは1.1:1~15:1、より好ましくは1.2:1~10:1、更により好ましくは1.3:1~5:1、最も好ましくは1.4:1~3:1である。
【0044】
好ましくは、洗濯洗剤組成物は、洗濯洗剤組成物の0重量%~10重量%、好ましくは0.01重量%~8重量%、より好ましくは0.1重量%~6重量%、最も好ましくは0.15重量%~4重量%の非イオン性界面活性剤を含む。非イオン性界面活性剤は、好ましくは、アルコールアルコキシレート、オキソ合成アルコールアルコキシレート、ゲルベアルコールアルコキシレート、アルキルフェノールアルコールアルコキシレート、又はこれらの混合物から選択される。
【0045】
好ましくは、洗濯、好ましくは液体洗濯洗剤組成物は、洗濯洗剤組成物の1.5重量%~20重量%、より好ましくは2重量%~15重量%、更により好ましくは3重量%~10重量%、最も好ましくは4重量%~8重量%の石鹸、好ましくは脂肪酸塩、より好ましくはアミン中和脂肪酸塩を含み、好ましくは、アミンは、より好ましくはモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、又はこれらの混合物から選択されるアルカノールアミンであり、より好ましくはモノエタノールアミンである。
【0046】
洗濯洗剤組成物は、好ましくは、カチオン性ポリマー、ポリエステルテレフタレート、両親媒性グラフトコポリマー、カルボキシメチルセルロース、酵素、香料、カプセル化香料、漂白剤、又はこれらの混合物を含むリストから選択される成分を含む。理論に束縛されるものではないが、これら材料を更に添加すると、悪臭低減を更に促進することができると考えられる。
【0047】
洗濯洗剤組成物は、補助成分を含んでもよく、補助成分は、非水性溶媒、水、色相染料、審美染料、酵素、洗浄ポリマー、脂肪酸様のビルダ、漂白剤、分散剤、移染阻害剤ポリマー、蛍光増白剤、乳白剤、消泡剤、又はこれらの混合物から選択される。
【0048】
本組成物は、当該技術分野で周知である、布地シェーディング剤と呼ばれることもある色相染料を含んでもよい。好適な布地シェーディング剤としては、染料、染料-クレイ結合体、及び顔料が挙げられる。好適な染料としては、低分子染料及びポリマー染料が挙げられる。好適な低分子染料としては、ダイレクトブルー、ダイレクトレッド、ダイレクトバイオレット、アシッドブルー、アシッドレッド、アシッドバイオレット、ベーシックブルー、ベーシックバイオレット及びベーシックレッド、又はこれらの混合物のカラーインデックス(Colour Index、C.I.)分類に区分される染料からなる群から選択される、低分子染料が挙げられる。好ましい染料としては、アルコキシル化アゾチオフェン、ソルベントバイオレット13、アシッドバイオレット50及びダイレクトバイオレット9が挙げられる。
【0049】
好ましくは、洗濯洗剤組成物はキレート剤を含み、キレート剤は、好ましくは、ホスホネート、アミノカルボキシレート、アミノホスホネート、多官能置換された芳香族キレート剤、又はこれらの混合物から選択され、より好ましくは、DTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)、HEDP(ヒドロキシエタンジホスホン酸)、EDDS(エチレンジアミン二コハク酸(EDDS)、DTPMP(ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸))、EDTMP(エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸))、Tiron(登録商標)(1,2-ジヒドロキシベンゼン-3,5-ジスルホン酸)、HPNO(2-ピリジノール-N-オキシド)、MGDA(メチルグリシン二酢酸)、GLDA(グルタミン酸-N,N-二酢酸)、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、これらの任意の好適な誘導体、これらの塩、及びこれらの混合物から選択される追加のキレート剤から選択される。
【0050】
液体洗濯洗剤組成物は、好ましくは6~10、より好ましくは6.5~8.9、最も好ましくは7~8のpHを有し、液体洗濯洗剤組成物のpHは、20℃で脱塩水中の10%希釈物として測定される。
【0051】
水溶性単位用量物品
水溶性単位用量物品は、水溶性フィルムと洗濯洗剤組成物と、を含む。洗濯洗剤組成物及び水溶性フィルムについて、以下により詳細に説明する。
【0052】
水溶性単位用量物品は、単位用量物品が水溶性フィルムによって取り囲まれた少なくとも1つの内部区画を含むような形状の水溶性フィルムを含み、洗濯洗剤組成物が当該区画内に存在する。単位用量物品は、内部区画を画定するように互いに封止された、第1の水溶性フィルムと、第2の水溶性フィルムと、を含んでもよい。水溶性単位用量物品は、保管中に洗濯洗剤組成物が区画から漏れ出さないように構成される。しかし、水溶性単位用量物品を水に加えると、水溶性フィルムが溶解して、内部区画の内容物が洗浄液中に放出される。
【0053】
区画は、洗剤組成物を保持する、単位用量物品内の密閉された内部空間を意味すると理解するべきである。製造中、第1の水溶性フィルムは、洗剤組成物が添加される開口区画を含むような形状であってもよい。次に、区画の開口部を閉じる向きで、第1のフィルムを第2の水溶性フィルムで覆う。次に、第1のフィルム及び第2のフィルムは、封止領域に沿って共に封止される。
【0054】
単位用量物品は、2つ以上の区画、更には少なくとも2つの区画、又は更には少なくとも3つの区画を含んでもよい。区画は、重ね合わせる配向で、すなわち、一方が他方の上に位置するように配置されてもよい。このような配向では、単位用量物品は、上部、中央部及び下部の3つのフィルムを含む。あるいは、区画は、隣り合った配向で、すなわち、一方が他方に隣接する配向で位置してもよい。区画は、更には「タイヤ及びリム」構成での配向であってもよく、すなわち、第1の区画は、第2の区画に隣接して位置するが、第1の区画は、第2の区画を少なくとも部分的に囲み、ただし、第2の区画を完全には封入しない。あるいは、1つの区画が、別の区画内に完全に封入されてもよい。
【0055】
単位用量物品が少なくとも2つの区画を含む場合、区画の一方が他方の区画より小さくてもよい。単位用量物品が少なくとも3つの区画を含む場合、区画のうちの2つが第3の区画より小さくてもよい、好ましくは、小さい方の区画が大きい方の区画上に重ね合わせられている。重ね合わせられた区画は、好ましくは、隣り合って配向される。
【0056】
複数区画の向きにおいて、本発明による洗濯洗剤組成物が、区画のうちの少なくとも1つに含まれてもよい。例えば、洗濯洗剤組成物は1つの区画のみに含まれてもよい、又は2つの区画、又は更には3つの区画に含まれてもよい。
【0057】
各区画は、同一の組成物又は異なる組成物を含んでもよい。異なる組成物は全て同一形態であってもよく、又は異なる形態であってもよい。
【0058】
水溶性単位用量物品は少なくとも2つの内部区画を含んでもよく、液体洗濯洗剤組成物が本区画の少なくとも1つ内に含まれ、好ましくは、単位用量物品が少なくとも3つの区画を含み、洗剤組成物が本区画の少なくとも1つ内に含まれる。
【0059】
図1は、本発明による水溶性単位用量物品(1)を開示する。水溶性単位用量物品(1)は、第1の水溶性フィルム(2)及び第2の水溶性フィルム(3)を含み、これらは、封止領域(4)で共に封止されている。洗濯洗剤組成物(5)は、水溶性可溶性単位用量物品(1)内に含まれる。
【0060】
本発明のフィルムは、水溶性又は水分散性である。水溶性フィルムは、好ましくは、20~150マイクロメートル、好ましくは35~125マイクロメートル、更により好ましくは50~110マイクロメートル、最も好ましくは約76マイクロメートルの厚さを有する。
【0061】
好ましくは、最大孔径が20マイクロメートルのガラスフィルタの使用後に、本明細書に記載の方法によって測定した際に、フィルムの水溶性は、少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%、又は更には少なくとも95%である。
【0062】
予め秤量した3Lのビーカーに、5グラム±0.1グラムのフィルム材料を添加し、2L±5mLの蒸留水を添加する。これを、600rpmに設定した磁気撹拌器(Lablineモデル番号1250又は等価物及び5cmの磁気撹拌器)で、30℃で30分間にわたって激しく撹拌する。次に、混合物を、上記で定義した孔径(最大20マイクロメートル)の折り畳まれた定性焼結ガラスフィルタにより濾過する。任意の従来の方法によって、回収した濾液から水を乾燥させ、残った材料の重量を求める(これが溶解画分又は分散画分である)。次に、溶解度又は分散率を計算し得る。
【0063】
好ましいフィルム材料は、好ましくはポリマー材料である。フィルム材料を、当該技術分野において周知の、例えば、ポリマー材料の注型成形、吹込成形、押出成形又は吹込押出成形によって得ることができる。
【0064】
パウチ材料として使用するのに好適な好ましいポリマー、コポリマー又はこれらの誘導体は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、アクリルアミド、アクリル酸、セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、ポリビニルアセテート、ポリカルボン酸及び塩、ポリアミノ酸又はペプチド、ポリアミド、ポリアクリルアミド、マレイン酸/アクリル酸のコポリマー、デンプン及びゼラチンを含む多糖類、キサンタン及びカラガムなどの天然ガムから選択される。より好ましいポリマーは、ポリアクリレート及び水溶性アクリレートコポリマー、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレートから選択され、最も好ましくは、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、並びにこれらの組み合わせから選択される。好ましくは、パウチ材料中のポリマー、例えば、PVAポリマーの濃度は、少なくとも60%である。ポリマーは、任意の重量平均分子量を有してもよく、好ましくは、約1000~1,000,000、より好ましくは、約10,000~300,000、更により好ましくは、約20,000~150,000である。
【0065】
また、ポリマー及び/又はコポリマーの混合物、特にポリビニルアルコールポリマー及び/又はコポリマーの混合物、特に、ポリビニルアルコールホモポリマー及び/又は、好ましくはスルホン化及びカルボキシル化アニオン性ポリビニルアルコールコポリマー、特にカルボキシル化アニオン性ポリビニルアルコールコポリマーから選択されるアニオン性ポリビニルアルコールコポリマーの混合物を、パウチ材料として使用することもできる。最も好ましくは、水溶性フィルムは、ポリビニルアルコールホモポリマーとカルボキシル化アニオン性ポリビニルアルコールコポリマーとのブレンドを含む。
【0066】
好ましいフィルムは、冷水、すなわち、加熱されていない蒸留水中で良好な溶解を示すものである。好ましくは、そのようなフィルムは、24℃の温度にて、更により好ましくは10℃にて良好な溶解を示す。良好な溶解とは、上記の最大孔径が20マイクロメートルのガラスフィルタの使用後に、本明細書に記載の方法によって測定した際に、フィルムが、少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%、又は更には少なくとも95%の水溶性を示すことを意味する。
【0067】
好ましいフィルムには、Monosolによって商品参照番号M8630、M8900、M8779、M8310として供給されているものがある。
【0068】
フィルムは、不透明、透明又は半透明であってもよい。フィルムは、印刷された領域を含んでもよい。
【0069】
印刷領域は、フレキソ印刷又はインクジェット印刷などの標準的な技術を使用して得てもよい。
【0070】
フィルムは、嫌悪剤、例えば苦味剤を含んでもよい。好適な苦味剤としては、ナリンギン、スクロースオクタアセテート、塩酸キニーネ、デナトニウムベンゾエート、又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。任意の好適な濃度の嫌悪剤をフィルムに使用してもよい。好適な濃度としては、1~5000ppm、又は更には100~2500ppm、又は更には250~2000rpmが挙げられるが、これらに限定されない。
【0071】
酸化防止剤
布地処理組成物は、酸化防止剤を含む。酸化防止剤は、Kirk-Othmer(第3巻、424ページ)及びUllmannのEncyclopedia(第3巻、91ページ)に記載されているような物質である。布地処理組成物は、処理液において、少なくとも25ppb、好ましくは少なくとも100ppb、より好ましくは少なくとも250ppb、更により好ましくは少なくとも500ppb、更により好ましくは少なくとも1000ppbの酸化防止剤濃度を提供するように十分な濃度の酸化防止剤を含む。酸化防止剤の濃度は、布地処理組成物の約0.001重量%~約50重量%であってもよい。
【0072】
酸化防止剤は、アルキル化フェノールからなる群から選択されてもよい。
【0073】
アルキル化フェノールは、以下の一般式を有してもよい:
【0074】
【化1】
式中、Rは、C~C分岐鎖状アルキル、好ましくは、tert-ブチルであり、xは、1又は2であり、Rは、C~C22直鎖状アルキル又はC~C22分岐鎖状アルキルであり、それぞれ、(1)任意に、その中に1つ以上のエステル(-CO-)又はエーテル(-O-)結合を有し、(2)任意に、EO、PO、BO、及びこれらの混合物から、より好ましくは、EO単独又はEO/PO混合物から選択されるアルキレンオキシ又はポリアルキレンオキシ基を含む有機基によって置換されており、一態様では、Rは、好ましくは、メチル、又は分岐鎖C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、好ましくは、メトキシである。
【0075】
アルキル化フェノールは、ヒンダードフェノールであってもよい。本明細書で使用する場合、用語「ヒンダードフェノール」とは、(a)少なくとも1つのフェノール-OH基に対してオルト位に結合している、少なくとも1つのC以上の分枝鎖状アルキル、好ましくはC~C分枝鎖状アルキル、好ましくはtert-ブチル、又は(b)少なくとも1つのフェノール-OH基に対してそれぞれオルト位で、C~Cアルコキシ、好ましくはメトキシ、C~C22直鎖状アルキル、若しくはC~C22分枝鎖状アルキル、好ましくはメチル若しくは分枝鎖状C~Cアルキル、又はこれらの混合物からなる群から独立して選択される置換基、のいずれかを有する、フェノール基を含む化合物を意味するために、使用される。フェニル環が1つ以上の-OH基を含む場合、化合物は、少なくとも1つのこのような-OH基が直前に記載されているように置換されている限りヒンダードフェノールである。
【0076】
組成物に使用するために好適なヒンダードフェノール酸化防止剤の更なる分類は、以下の式の有するベンゾフラン誘導体又はベンゾピラン誘導体である。
【0077】
【化2】
式中、R及びRは、それぞれ独立してアルキルである、又はR及びRは一緒になってC~C環状ヒドロカルビル部分を形成し得、Bは、存在しない、又はCHであり、Rは、C~Cアルキルであり、Rは、水素又は-C(O)Rであり、Rは、水素又はC~C19アルキルであり、Rは、C~Cアルキルであり、Rは、水素又はC~Cアルキルであり、Xは、-CHOH又は-CHAであり、Aは、窒素含有単位、フェニル、又は置換フェニルである。好ましい窒素含有A単位としては、アミノ、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノ、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0078】
本明細書で使用するのに好適なヒンダードフェノールとしては、3,3’-ビス(1,1-ジメチルエチル)-5,5’-ジメトキシ-[1,1’-ビフェニル]-2,2’-ジオール;3-(1,1-ジメチルエチル)-1,2-ベンゼンジオール;2-(1,1-ジメチルエチル)-4,6-ジニトロフェノール;2,2’-ブチリデンビス[6-(1,1-ジメチルエチル)-4-メチルフェノール;4,4’-[チオビス(メチレン)]ビス[2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)フェノール;3-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-5-メチルベンゼンプロパン酸メチルエステル;2-(1,1-ジメチルエチル)-4-(1-メチルエチル)フェノール;4,4’-ジチオビス[2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)]フェノール;ジメチルカルバモジチオ酸[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]メチルエステル;2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-(2-プロペン-1-イル)フェノール;3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゼンプロパン酸ニトリロトリ-2,1-エタンジイルエステル;4,4’-チオビス[2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)フェノール;3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-1,2-ベンゼンジオール;3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゼンプロパン酸ヒドラジド;3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゼンプロパン酸エチルエステル;3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ安息香酸エチルエステル;4,4’-[オキシビス(メチレン)]ビス[2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)フェノール;2-[2-(4-クロロ-2-ニトロフェニル)ジアゼニル]-6-(1,1-ジメチルエチル)-4-メチルフェノール;α-[3-[3-(2Hベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]-1-オキソプロピル]-ω-ヒドロキシ-ポリ(オキシ-1,2-エタンジイル);2,2’-メチレンビス[4,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)]フェノール;2,6-ビス[[3-(1,1-ジメチルエチル)-2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル]メチル]-4-メチルフェノール;2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ノニルフェノール;3,3’-チオビスプロパン酸1,1’-ビス[2-[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]エチル]エステル;2-(1,1-ジメチルエチル)-6-メチル-4-[3-[[2,4,8,10-テトラキス(1,1-ジメチルエチル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン-6-イル]オキシ]プロピル]フェノール;2-(1,1-ジメチルエチル)-1,4-ベンゼンジオール、4-アセテート;2,4-ビス(1,1-ジメチルエチル)-6-(1-フェニルエチル)フェノール;3,4’,5-トリス(1,1-ジメチルエチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-オール;3,3’,5,5’-テトラキス(1,1-ジメチルエチル)-[1,1’-ビフェニル]-2,2’-ジオール;3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゼンプロパン酸メチルエステル;4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルベンゾニトリル;2-[(2-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)メチル]-4,6-ジメチルフェノール;2-エチル-6-メチルフェノール;3,4-ジヒドロ-2,2,5,7,8-ペンタメチル-2H-1-ベンゾピラン-6-オール;4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルベンズアルデヒド;3,4-ジヒドロ-6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチル-2H-1-ベンゾピラン-2-カルボン酸;2,6-ビス[(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)メチル]-4-メチルフェノール;2,2’-メチレンビス[6-シクロヘキシル-4-メチルフェノール];2,3,5,6-テトラメチルフェノール;2,3,4,5,6-ペンタメチルフェノール;及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0079】
一態様では、本明細書で使用するための好ましいヒンダードフェノールとしては、2,6-ジメチルフェノール;2,6-ジエチルフェノール;2,6-ビス(1-メチルエチル)-フェノール;2,4,6-トリメチルフェノール;2-(1,1-ジメチルエチル)-4-メトキシフェノール;3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-安息香酸;3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-2-ヒドロキシ-安息香酸;3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼンメタノール;2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)-フェノール;2-(1,1-ジメチルエチル)-4-エチル-フェノール;2-(1,1-ジメチルエチル)-6-メチル-フェノール;2,2’-メチレンビス[6-(1,1-ジメチルエチル)-4-エチルフェノール;2,6-(1,1-ジメチルエチル)-4-エチルフェノール;4,4’-チオビス[2-(1,1-ジメチルエチル)-6-メチルフェノール;3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゼンプロパン酸1,1’-[(1,2-ジオキソ-1,2-エタンジイル)ビス(イミノ-2,1-エタンジイル)]エステル;2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ニトロソフェノール;2,2’-チオビス[6-(1,1-ジメチルエチル)-4-メチルフェノール;2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-(1-メチルプロピル)フェノール;2,4-ビス(1,1-ジメチルエチル)-6-メチルフェノール;2,2’-エチリデンビス[4,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)]フェノール;N,N’-1,3-プロパンジイルビス[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゼンプロパンアミド;2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)-1,4-ベンゼンジオール;4,4’-(1-メチルエチリデン)ビス[2-(1,1-ジメチルエチル)フェノール;2-[[[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]メチル]チオ]酢酸2-エチルヘキシルエステル;4-ブチル-2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)フェノール;亜リン酸2-(1,1-ジメチルエチル)-4-[1-[3-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]-1-メチルエチル]フェニルビス(4-ノニルフェニル)エステル;4,4’-(2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン-3,9-ジイル)ビス[2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)フェノール];3-(5-クロロ-2Hベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゼンプロパン酸オクチルエステル;4,4’-(1-メチルエチリデン)ビス[2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)フェノール;3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゼンプロパン酸1,1’,1’’-[(2,4,6-トリオキソ-1,3,5-トリアジン-1,3,5(2H,4H,6H)-トリイル)トリ-2,1-エタンジイル]エステル;2,6-ビス(1-メチルエチル)フェノール;2,6-ジエチルフェノール;2,6-ジメチル-1,4-ベンゼンジオール;3,3’,5,5’-テトラメチル-[1,1’-ビフェニル]-4,4’-ジオール;2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-(1-メチルプロピル)フェノール;2,2’-メチレンビス[4-メチル-6-(1-メチルシクロヘキシル)フェノール;3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-オール;4-(1,1-ジメチルエチル)-2,6-ジメチルフェノール;2,3,4,6-テトラメチルフェノール;2,4,6-トリス(1-メチルエチル)フェノール;2,2’-(2-メチルプロピリデン)ビス[4,6-ジメチルフェノール];及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0080】
別の態様では、本明細書で使用するための非常に好ましいヒンダードフェノールとしては、2,6-ビス(1-メチルプロピル)フェノール;2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-メチル-フェノール(ヒドロキシブチル化トルエン、「BHT」としても知られている);2-(1,1-ジメチルエチル)-1,4-ベンゼンジオール;2,4-ビス(1,1-ジメチルエチル)-フェノール;2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)-フェノール;3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼンプロパン酸メチルエステル;2-(1,1-ジメチルエチル)-4-メチルフェノール;2-(1,1-ジメチルエチル)-4,6-ジメチル-フェノール;3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゼンプロパン酸1,1’-[2,2-ビス[[3-[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]-1-オキソプロポキシ]メチル]-1,3-プロパンジイル]エステル;3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゼンプロパン酸オクタデシルエステル;2,2’-メチレンビス[6-(1,1-ジメチルエチル)-4-メチルフェノール;2-(1,1-ジメチルエチル)-フェノール;2,4,6-トリス(1,1-ジメチルエチル)-フェノール;4,4’-メチレンビス[2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)-フェノール;4,4’,4’’-[(2,4,6-トリメチル-1,3,5-ベンゼントリイル)トリス(メチレン)]トリス[2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)-フェノール];N,N’-1,6-ヘキサンジイルビス[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゼンプロパンアミド;3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ安息香酸ヘキサデシルエステル;P-[[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]メチルホスホン酸ジエチルエステル;1,3,5-トリス[[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]メチル]-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン;3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゼンプロパン酸2-[3-[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]-1-オキソプロピル]ヒドラジド;3-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-5-メチルベンゼンプロパン酸1,1’-[1,2-エタンジイルビス(オキシ-2,1-エタンジイル)]エステル;4-[(ジメチルアミノ)メチル]-2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)フェノール;4-[[4,6-ビス(オクチルチオ)-1,3,5-トリアジン-2-イル]アミノ]-2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)フェノール;3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゼンプロパン酸1,1’-(チオジ-2,1-エタンジイル)エステル;3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ安息香酸2,4-ビス(1,1-ジメチルエチル)フェニルエステル;3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゼンプロパン酸1,1’-(1,6-ヘキサンジイル)エステル;3-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-5-メチルベンゼンプロパン酸1,1’-[2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン-3,9-ジイルビス(2,2-ジメチル-2,1-エタンジイル)]エステル;3-(1,1-ジメチルエチル)-β-[3-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]-4-ヒドロキシ-β-メチルベンゼンプロパン酸1,1’-(1,2-エタンジイル)エステル;2-[[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]メチル]-2-ブチルプロパン二酸1,3-ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)エステル;3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゼンプロパン酸1-[2-[3-[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]-1-オキソプロポキシ]エチル]-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジニルエステル;3,4-ジヒドロ-2,5,7,8-テトラメチル-2-[(4R,8R)-4,8,12-トリメチルトリデシル]-(2R)-2H-1-ベンゾピラン-6-オール;2,6-ジメチルフェノール;2,3,5-トリメチル-1,4-ベンゼンジオール;2,4,6-トリメチルフェノール;2,3,6-トリメチルフェノール;4,4’-(1-メチルエチリデン)-ビス[2,6-ジメチルフェノール];1,3,5-トリス[[4-(1,1-ジメチルエチル)-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルフェニル]メチル]-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン;4,4’-メチレンビス[2,6-ジメチルフェノール];及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0081】
別の態様では、本明細書で使用するための非常に好ましいヒンダードフェノールとしてはまた、2-(1,1-ジメチルエチル)-4-メトキシフェノール、3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-安息香酸、3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-2-ヒドロキシ-安息香酸、3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼンメタノール、2-(2H-ベンゼントリアゾール-2-イル)-4,6ビス(1,1-ジメチルエチル)-フェノール、2-(1,1-ジメチルエチル)-4-エチル-フェノール、2-(1,1-ジメチルエチル)-6-メチル-フェノール、3-(1,1-ジメチルエチル)-1,2-ベンゼンジオール、2,2’-メチレンビス[6-(1,1-ジメチルエチル)-4-エチルフェノール、2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-エチルフェノール、4,4’-チオビス[2-(1,1-ジメチルエチル)-6-メチルフェノール、2-(1,1-ジメチルエチル)-4,6-ジニトロフェノール、2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ニトロソフェノール、2,2’-チオビス[6-(1,1-ジメチルエチル)-4-メチルフェノール、2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-(1-メチルプロピル)フェノール、2,2’-ブチリデンビス[6-(1,1-ジメチルエチル)-4-メチルフェノール、2,4-ビス(1,1-ジメチルエチル)-6-メチルフェノール、4,4’-[チオビス(メチレン)]ビス[2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)フェノール、2,2’-エチリデンビス[4,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)]フェノール、N,N’-1,3-プロパンジイルビス[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゼンプロパンアミド、3-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-5-メチルベンゼンプロパン酸メチルエステル、2-(1,1-ジメチルエチル)-4-(1-メチルエチル)フェノール、2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)-1,4-ベンゼンジオール、4,4’-(1-メチルエチリデン)ビス[2-(1,1-ジメチルエチル)フェノール、4,4’-ジチオビス[2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)]フェノール、ジメチルカルバモジチオ酸[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]メチルエステル、2-[[[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]メチル]チオ]酢酸2-エチルヘキシルエステル、3-(5-クロロ-2Hベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゼンプロパン酸メチルエステル、4-ブチル-2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)フェノール、2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-(2-プロペン-1-イル)フェノール、亜リン酸2-(1,1-ジメチルエチル)-4-[1-[3-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]-1-メチルエチル]フェニルビス(4-ノニルフェニル)エステル、4,4’-(2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン-3,9-ジイル)ビス[2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)フェノール]、3-(5-クロロ-2Hベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゼンプロパン酸オクチルエステル、3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゼンプロパン酸ニトリロトリ-2,1-エタンジイルエステル、4,4’-チオビス[2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)フェノール、4,4’-(1-メチルエチリデン)ビス[2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)フェノール、3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゼンプロパン酸1,1’,1’’-[(2,4,6-トリオキソ-1,3,5-トリアジン-1,3,5(2H,4H,6H)-トリイル)トリ-2,1-エタンジイル]エステル、2,6-ビス(1-メチルエチル)フェノール、2,6-ジエチルフェノール、2-エチル-6-メチルフェノール、3,3’,5,5’-テトラメチル-[1,1’-ビフェニル]-4,4’-ジオール、3,4-ジヒドロ-2,2,5,7,8-ペンタメチル-2H-1-ベンゾピラン-6-オール、2,2’-メチレンビス[4-メチル-6-(1-メチルシクロヘキシル)フェノール、3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-オール、4-(1,1-ジメチルエチル)-2,6-ジメチルフェノール、2,3,4,6-テトラメチルフェノール、2,2’-(2-メチルプロピリデン)ビス[4,6-ジメチルフェノール]、及びこれらの混合物が挙げられ得る。
【0082】
好ましくは、ヒンダードフェノールは、2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-メチル-フェノール;δ-トコフェロール;3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼンプロパン酸のC~C18直鎖状アルキルエステル又は分岐鎖状アルキルエステル、及びこれらの混合物からなる群から選択される。3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼンプロパン酸のC~C18直鎖状アルキルエステル又は分岐鎖状アルキルエステルの好ましい例としては、3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼンプロパン酸メチルエステル(Raschig USA、Arlington,Texas,United Statesから商品名RALOX(登録商標)35として市販)、及び3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼンプロパン酸オクタデシルエステル(BASF、Ludwigshafen,Germanyから商品名TINOGARD(登録商標)TSとして市販)が挙げられる。
【0083】
好ましい非限定的な例では、ヒンダードフェノールは、2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-メチル-フェノールであってもよい。
【0084】
製造方法
当業者であれば、当該技術分野において周知の技術を使用して、本発明による水溶性単位用量物品及び洗濯洗剤組成物を作製する方法を理解するであろう。
【0085】
使用
本発明の更なる態様は、布地上の悪臭を低減するためのアルキル化フェノール酸化防止剤又はヒンダードフェノール酸化防止剤の使用であり、布地は、少なくとも1種の悪臭源を含む。
【0086】
洗浄液は、金属イオン、好ましくはCu2+を含む。金属イオンは、布が洗浄液と接触する前に、布地上に存在してもよい。金属イオンは、布が洗浄液と組み合わされる前に、布地上の悪臭源に存在してもよい。金属イオンは、布地と組み合わせた場合に洗浄液中に存在してもよい。洗浄液中に存在する場合、金属イオンは、洗濯洗剤、水、又はこれらの混合物中に存在してもよい。悪臭源は、悪臭源が布に付く段階で金属イオンを含む場合がある。あるいは、悪臭源は、後に適用される布地及び金属イオンに適用されてもよい。
【0087】
好ましくは、少なくとも1種の悪臭源は、金属イオン、より好ましくはCu2+を含む。
【0088】
本発明の更なる態様は、洗浄液中の布地上の悪臭を低減するための本発明による方法の使用であり、布地は、少なくとも1種の悪臭源を含み、洗浄液は、金属イオン、好ましくはCu2+を含む。
【0089】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法はそれぞれ、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0090】
試験法
悪臭低減試験方法
以下の方法を使用して、組成物の悪臭低減効果を試験する。
【0091】
A.75グラムの悪臭マーカーの調製
脂肪酸及び悪臭マーカーを、表Aに従ってテフロン(登録商標)ライニングされたキャップを有する100mLのガラスジャーに添加し、渦を用いてよく混合する。
【0092】
【表1】
【0093】
B.身体汚れ悪臭組成物の調製
表Bによる指定の量の各材料を、テフロン(登録商標)ライニングされたキャップを有する200mLのガラスジャーに供給する。人工身体汚れ(artificial body soil、ABS)は、Accurate Product Development(2028 Bohlke Blvd,Fairfield,OH 45014)により市販されている。
【0094】
【表2】
【0095】
C.悪臭試験布地の調製
300μLの、表Bに記載の身体汚れ悪臭組成物を、2×5インチの白色ポリコットン50/50(PCW50/50)見本に適用することによって、洗浄投入分当たり16の悪臭試験布地を調製する。試験する48グラムの液体洗剤(例えば、以下の実施例1、表1を参照のこと)を、通常サイクル、すなわち、77°Fの洗浄サイクル、続いて60°Fの濯ぎサイクルに設定したDuet9200洗浄具に添加する。例えば、Cincinnati,OH,USAの市営水道水を使用するが、これは、銅配管系により周囲濃度の銅を含有する。悪臭試験布地を、7gpgの洗浄水中にて3.9kg、50×50cmのきれいなコットン及びポリコットンバラストを用いて洗浄し、次に、低温に設定したMaytag二重スタック回転式乾燥機で20分間乾燥させる。乾燥した布地をマイラー袋に入れ、24時間密封する。
【0096】
D.布地上の悪臭の分析的検出
ABS/スクワレン悪臭センサーを使用して、悪臭低減について、質量選択検出器(5977B)、Chemstation定量パッケージ、及び固相マイクロ抽出(SPME)プローブを備えたGerstel多目的サンプラーを備えた、Agilientガスクロマトグラフ7890Bを使用して、ガスクロマトグラフィ質量分析により定量的に求める。6-メチル-5-ヘプテン-2-オン(CAS番号110-93-0)、トランス-2-ヘプテナール(18829-55-5)、及び3-メチル-2-ブテナール(107-86-8)の較正標準を、これらの材料の周知の重量を軽質鉱油(CAS番号8020-83-5)(各材料はSigma Aldrichから入手可能)に溶解することによって、調製する。布地を、均一な2インチ×2.5インチの小片に切断し、10mLのヘッドスペースクリンプバイアルに入れる。バイアルを、分析前に、12時間以上平衡化する。以下の設定をオートサンプラーで使用する:80℃のインキュベーション温度、90分のインキュベーション時間、VT32-10サンプルトレータイプ、22mmのバイアル浸透、20分の抽出時間、54mmの注入浸透、及び300秒の脱着時間。以下の設定をFront Split/Splitless入口ヘリウムについて使用する:スプリットモード、250℃の温度、12psiの圧力、79.5mL/分の総流量、3mL/分のセプタムパージ流量、50:1のスプリット比、及び22.5分のGC実行時間。以下の設定をオーブンにて使用する:40℃の初期温度、12℃/分の加熱プログラム、250℃の温度、及び5分の保持時間。各成分の分配係数(K、80℃で)に基づいて、6-メチル-5-ヘプテン-2-オン(K=3353)、トランス-2-ヘプテナール(K=3434)、及び3-メチル-2-ブテナール(K=1119)の総計nモル/Lリットルを計算する。
【0097】
これらの値の3つの測定値(nmol/L)を足して一つにし、所与の試験区分についての総計ABS/スクワレンマーカー(nmol/L)を得る。
【0098】
E.酸化生成物の悪臭低減%の計算
酸化生成物の悪臭低減%については、(酸化防止剤なしの)基準組成物と比較して、試験組成物によってもたらされた、選択された悪臭マーカーの量の低減を比較する百分率として示す。値を、以下のように決定する:
酸化生成物の低減%=(マーカーref-マーカーtest)×100/マーカーref
【0099】
マーカーref及びマーカーtestの値を、以下のように定義する。
マーカーref=酸化防止剤を含まない配合物(例えば、基準又は対照配合物)が投入された布地の総ABS/スクワレンマーカー(nmol/L)
マーカーtest=試験酸化防止剤を有する配合物で洗浄した布地の総計ABS/スクワレンマーカー(nmol/L)
【0100】
測定した酸化生成物は、典型的には悪臭であると考えられるため、組成物によってもたらされた酸化生成物の低減%が高くなるほど、処理した布地では悪臭が減少する可能性が高いと考えられる。したがって、酸化生成物の悪臭低減%の値が大きくなることが、典型的には好ましい。本開示の組成物及び方法により、少なくとも約10%、又は少なくとも約20%、又は少なくとも約30%、又は少なくとも約40%、又は少なくとも約50%、又は少なくとも約60%、又は少なくとも約70%、又は少なくとも約80%の、酸化生成物の悪臭低減%をもたらし得る。
【0101】
悪臭低減はまた、マーカーrefとマーカーtestとの間の差として報告されてもよく、これにより、絶対差(例えば、デルタABS/スクワレン酸化)を示す。
【0102】
pH7におけるオクタノール/水分配係数の対数(logD)を決定するための試験方法
pH7.00におけるオクタノール/水分配係数の対数(logD)の値が、各酸化防止剤について決定される。周知の酸化防止剤のpH7におけるlogDの単位未満の値は、利用可能な場合、Chemical Abstracts Service(CAS,Columbus,Ohio,USA)から取得される。CASは、Advanced Chemistry Development(ACD/Labs)ソフトウェアV11.02((著作権)1994-2019ACD/Labs)を使用して計算された値を提供する。値がCASから入手できない場合、logDの計算のためのデフォルト対数Pコンセンセス及びpKaクラシックアルゴリズムを用いて、ACDソフトウェア(バージョン14.02(Linux(登録商標))、Advanced Chemistry Development Inc.,ACD/Labs,Toronto,Canadaから入手可能)を使用して、値を決定する。
【0103】
本発明の酸化防止剤は、1つ以上の特許請求される値(CV)以上のpH7.00における対数Dを有する。Chemical Abstracts Service(CAS,Columbus,Ohio,USA)から入手可能な情報から、対象となる抗酸化化合物について対数Dが列挙されていない場合、ACDソフトウェアを使用して直接計算してもよい。
【0104】
計算されたlogDのpH7における値が、CASから入手可能であるか、又はソフトウェアを用いて計算された場合、CV-0.50未満であるか、又は列挙されていないが、CD-0.50未満のpH7における対数Dを有するようにACDソフトウェアを使用した計算を介して決定され、実験値の測定は必要ない。pH7において計算されたlogDの値が、CV-0.50以上及びCV±0.50以下であると既に列挙されているか、又は列挙されていない場合、CV-0.50以上及びCV±0.50以下のpH7においてlogDを有するようにACDソフトウェアを使用した計算を介して決定され、次に、値の実験的決定は、本発明の目的のための値へと達成されなければならない。本発明では、オクタノール-水分配係数の測定は、OECD試験番号117:分配係数(n-オクタノール/水)、HPLC法に従って達成されるべきである。本方法は、OECD iLibrary(https://www.oecd-ilibrary.org/)、経済協力開発機構(Organisation for Economic Cooperation and Development(OECD))のオンラインライブラリから入手可能である。
【0105】
逆相HPLCは、シリカ上に化学的に結合した長炭化水素鎖を含有する固相を充填した分析カラムに対して実施される。化学物質は、それらの炭化水素-水分配係数に比例してカラムに保持され、親水性化学物質が最初に溶離し、親油性化学物質が最後に溶離される。HPLC法は、0~6の範囲のlogPowを網羅するが、例外的な場合に6~10のlogPow範囲を網羅するように拡大し得る。HPLC動作モードは、アイソクラティックである。試験物質は、カラム内において最小の検出可能な量で注入される。保持時間は、二重に決定される。試験物質の分配係数は、較正グラフに対する計算された容量係数の補間によって取得される。非常に低い、及び非常に高い分配係数の外挿が必要である。
【0106】
溶離液のpHは、イオン化可能な物質に重要である。本発明の目的のために、OECD117試験を実施する場合に、溶離液のpH7.00±0.05への緩衝が必要である。取得された値は、目的の材料についてpH7におけるlogDであると解釈される。
【実施例
【0107】
以下に提供される実施例は、事実上例示を意図するものであり、限定することを意図するものではない。
【0108】
実施例1.代表的な配合物(重質液体洗濯洗剤)
以下の重質液体洗濯洗剤組成物を、当業者に周知である既存の手段により、表1に列挙した成分を混合することによって調製してもよい。組成物1Aは、本開示の酸化防止剤を含有していない従来の上等な洗濯洗剤である。組成物1B~1Hは、0.035重量%の示された酸化防止剤を添加することによって1Aから調製される。
【0109】
【表3】
1.Stepan(Northfield,Illinois,USA)により供給されている、平均脂肪族炭素鎖長C11~C12を有する直鎖状アルキルベンゼンスルホネート
2.AE9は、Huntsman(Salt Lake City,Utah,USA)により供給されている、平均エトキシル化度が9のC12~14アルコールエトキシレートである。
3.ジエチレンテトラアミン五酢酸(DTPA)は、Dow Chemical(Midland,Michigan,USA)から供給されている。Solutia(St.Louis,Missouri,USA)により供給されているヒドロキシエタンジホスホネート(HEDP)、又はAkzoNobel(Amsterdam,The Netherlands)により供給されているグルタミン酸ジ酢酸テトラナトリウム(GLDA)、又はHuntsman(The Woodlands,Texas,US)により供給されているジエチレントリアミン(DETA)もまた、使用されてもよい。
4.-NH当たり20のエトキシレート基を有するポリエチレンイミン(MW=600)。
5.両親媒性アルコキシル化油脂洗浄ポリマーは、-NH当たり24のエトキシレート基、及び-NH当たり16のプロポキシレート基を有するポリエチレンイミン(MW=600)である。
6.プロテアーゼは、Genencor International(Palo Alto,California,USA)により供給されているもの(例えばPurafect Prime(登録商標))、又はNovozymes(Bagsvaerd,Denmark)により供給されているもの(例えばLiquanase(登録商標)、Coronase(登録商標))であってもよい。
7.Natalase(登録商標)、Mannaway(登録商標)は全て、Novozymes(Bagsvaerd,Denmark)の製品である。
8.好適な蛍光白化剤は、例えば、Tinopal(登録商標)AMS、Tinopal(登録商標)CBS-Xである。
9.メチル(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、CAS番号6386-38-5
10.3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゼンプロパン酸1,1’-[2,2-ビス[[3-[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]-1-オキソプロポキシ]メチル]-1,3-プロパンジイル]エステル、CAS番号6683-19-8
11.N,N’-1,6-ヘキサンジイルビス[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゼンプロパンアミド、CAS番号23128-74-7
12.1,3,5-トリス[[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]メチル]-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン、CAS番号27676-62-6
13.アルファ-トコフェロール(3,4-ジヒドロ-2,5,7,8-テトラメチル-2-(4,8,12-トリメチルトリデシル)-2H-1-ベンゾピラン-6-オール)、CAS番号10191-41-0
14.クロマノール(3,4-ジヒドロ-2,2,5,7,8-ペンタメチル-2H-1-ベンゾピラン-6-オール)、CAS番号950-99-2
15.3,4-ジヒドロ-6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチル-2H-1-ベンゾピラン-2-カルボン酸、CAS番号53188-07-1
【0110】
実施例2.酸化防止剤の使用による悪臭の制御
本開示の酸化防止剤の悪臭制御有効性を示すために、上記実施例1、表1に従って種々の液体洗剤組成物を調製する。組成物を、上記で示した試験方法に従って、酸化生成物低減%について試験する。結果を表2に示す。
【0111】
【表4】
【0112】
結果は、多種多様なこのような構造が、検出された全酸化マーカーの有意な低減を提供する一方で、全ての酸化防止剤がそうではないことを実証する。イオン化可能なカルボン酸基を有する1Hの酸化防止剤は、利点を示すことができなかった。組成物1F及び1Gは、フェノール部分に関して非常に類似した構造を有するが、中性pH又はその他の強い可溶化基で容易にイオン化された基を有さない酸化防止剤を有する。組成物1Hに使用される酸化防止剤は、pH7での-0.93の計算されたlogD値(Advanced Chemistry Development(ACD/Lab)ソフトウェアV11.02を使用して計算)を有するが、これは、水がpH7にあり、水及びオクタノールの体積が同じである場合に、それがオクタノールよりも水でほぼ10倍高い可能性があることを意味する。組成物1F及び1G中のものを含む、使用されるその他のヒンダードフェノール酸化防止剤は、pH7で3.79~18.83の範囲のlogD値を有する。本体の汚れが主に疎水性であることを考えると、製剤9Hで使用される3,4-ジヒドロ-6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチル-2H-1-ベンゾピラン-2-カルボン酸のようなより高い水溶性材料が利点を提供しない理由が、おそらく理解可能であるが、それは、洗浄後の汚れの自己酸化事象に影響を与える場合に必要である疎水性汚れに分配するための駆動力が、ほとんどないということである。
【0113】
実施例3.悪臭におけるCu2+の影響
本実施例は、洗浄中の銅の存在が、その後の洗浄後の、検出可能な悪臭をもたらす自己酸化の量に有意に影響を与えることを、実証している。3種の洗浄溶液に400、800、又は1200ppbの銅を添加した1000ppmの市販のTide液体洗剤を使用して、標準的な身体汚れ見本の4つの同時洗浄を実施した。第4の洗浄には銅が添加されず、対照レッグとして機能した。
【0114】
洗浄され乾燥した見本の分析によって悪臭マーカーのレベル(3-メチル-2-ブテナール、トランス-2-メチル-ヘプテナール及び6-メチル-5-ヘプテン-2-オン)を決定することは、以下の表3に示すように、洗浄に銅を追加することで、生成される悪臭マーカーのレベルの増加をもたらすことを示した。
【0115】
【表5】
【0116】
興味深いことに、400ppbを超えてより多くの銅を添加することは、検出されたマーカーのレベルを更には増加させず、400ppbの銅が、存在した汚れのその後の自己酸化を最大化するのに十分であることを示している。布上に残っている汚れの所与のレベルについては、その汚れから生成され得る悪臭マーカーの対応する最大量があると仮定することは妥当である。
【0117】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法はそれぞれ、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0118】
相互参照される又は関連する任意の特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又はその他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0119】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく種々のその他の変更及び修正を行うことができる点が、当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。
図1