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特許7513728コンタクトレンズ装着セット用組立体及び自動特定技術
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】コンタクトレンズ装着セット用組立体及び自動特定技術
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20240702BHJP
【FI】
G06Q30/0601 304
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022548451
(86)(22)【出願日】2021-02-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-30
(86)【国際出願番号】 IB2021051180
(87)【国際公開番号】W WO2021161242
(87)【国際公開日】2021-08-19
【審査請求日】2022-10-04
(31)【優先権主張番号】62/976,769
(32)【優先日】2020-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520000722
【氏名又は名称】アルコン インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】スタッド,シモーネ・ジャクリーヌ
(72)【発明者】
【氏名】カイザー,アダム
【審査官】野口 俊明
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0042138(US,A1)
【文献】特開2004-115256(JP,A)
【文献】特開2018-197947(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の異なるタイプのコンタクト装着レンズから所与のタイプのコンタクト装着レンズがないことを特定する方法であって、
システムが、アイケア専門家への供給のためのケースを含むストックで満たされた装着セット用組立体と、ハードウエァと含み、ここで前記組立体は、前記ケースの対応する既知の区画位置に、異なるタイプのコンタクト装着レンズの各々のレンズパッケージの少なくとも1つを収容するためのものであり、
前記対応する既知の区画位置内における、所与のタイプのコンタクト装着レンズのレンズパッケージの少なくとも1つは、可視インジケータを自動的に表示する前にドロップダウン式ドアである可視インジケータを見えないように前記対応する既知の区画位置内に保持するために用いられ、
前記対応する既知の区画位置から、所与のタイプのコンタクト装着レンズのレンズパッケージを使い果たされたとき、
前記システムが、所与のタイプのコンタクト装着レンズがないことの表示を提供するために、前記使い果たすことによって所与のタイプのコンタクト装着レンズの全てのレンズパッケージが取り出されて空の状態である前記対応する既知の区画位置にドロップダウン式ドアを自動的に表示することと、ここでドロップダウン式ドアを表示することは、ドロップダウン式ドアを対応する既知の区画位置の前面に露出し、
前記システムが、前記組立体の前面の画像を記録することと、ここで前記画像は、異なるタイプのコンタクト装着レンズのレンズパッケージが区画位置にある全ての区画位置、及び所与のタイプのコンタクト装着レンズのレンズパッケージが全くないことを反映するドロップダウン式ドアが表示された全ての区画位置の可視的証拠を含む、
を含む、方法。
【請求項2】
前記システムが、前記組立体の提供者に前記組立体の前面の記録された画像を提出することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ドロップダウン式ドアは、人間が読み取り可能なしるしを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記記録された画像は、スマートフォンによって得られ、
前記組立体の前面の前記記録された画像を提出することは、区画位置に対するコンタクト装着レンズの自動補充のために、表示されているドロップダウン式ドアによって前記組立体の提供者にメッセージを送信することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記スマートフォン及び前記提供者のデータベースのうちの一方は、自動補充注文に関する過去のデータを記憶するために用いられ、
前記方法は、前記システムが前記過去のデータに基づいて次の補充注文を調整することを更に含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
装着セット用組立体であって、
アイケア専門家への供給のためのケースと、
前記ケースの複数の区画位置であって、各区画位置は、装着セットの複数の異なるタイプのコンタクト装着レンズのレンズパッケージから既知のタイプのコンタクト装着レンズ夫々のレンズパッケージの少なくとも1つを収容するためのものである、区画位置と、
各区画位置におけるドロップダウン式ドアである可視インジケータであって、各ドロップダウン式ドアは、既知のタイプのコンタクト装着レンズ夫々のレンズパッケージの少なくとも1つが区画内に存在するときには、対応する区画内に既知のタイプのコンタクト装着レンズ夫々のレンズパッケージの少なくとも1つによって視認不能に保持されるように構成される、可視インジケータと、ここで各ドロップダウン式ドアは、既知のタイプのコンタクト装着レンズ夫々がないことの表示を提供するために、対応する空になった区画位置を自動的に視認可能に表示するようにさらに構成され、その結果可視インジケータを対応する区画位置の前面に露出し、
前記装着セット用組立体の前面図は、前記ドロップダウン式ドアを有する前記装着セット用組立体の全ての区画の単一の可視記録、既知のタイプのコンタクト装着レンズ夫々の全てのレンズパッケージ夫々が取り出されている全ての区画の単一の可視記録を提供する、装着セット用組立体。
【請求項7】
前記区画位置及び既知のタイプのコンタクト装着レンズ夫々のレンズパッケージの少なくとも1つは、所定のレイアウトである、請求項6に記載の装着セット用組立体。
【請求項8】
前記可視記録は、レンズパッケージの補充注文のために前記装着セット用組立体の提供者に電子伝送するためのフォーマットである、請求項7に記載の装着セット用組立体。
【請求項9】
前記ドロップダウン式ドアは、発注の事前確認のために人間が読み取り可能なしるし及び電子的に読み取り可能なしるしのうちの一方であるしるしを含む、請求項8に記載の装着セット用組立体。
【請求項10】
前記ケースは、合計60個の区画位置に及びレンズパッケージを収容するための3層構造のモジュール式集合体である、請求項6に記載の装着用組立体。
【請求項11】
システムであって、
請求項6~10のいずれか一項に記載の装着用組立体と、
前記装着用組立体の前面の画像を記録するためのハードウェアであって、前記画像は、表示されたドロップダウン式ドアに基づいて前記装着用組立体についての全ての使い果たした既知のタイプのコンタクト装着レンズ夫々のレンズパッケージの全体像を写し出す、前記ハードウェアと、
を含む、システム。
【請求項12】
前記ハードウェアは、アイケア専門家管理者のスマートフォンである、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記スマートフォンは、前記装着用組立体の前面の前記画像の管理用の補充注文アプリケーションを伴うグラフィカルユーザインターフェースを含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記補充注文アプリケーションは、前記装着用組立体のレイアウトを確認して適切な補充を確実にするために、前記アイケア専門家管理者のログイン情報を記憶する、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
ドロップダウン式ドアは、適切な補充を確実にするために対応する区画の使い果たした既知のタイプのコンタクト装着レンズ夫々のレンズパッケージを前記アイケア専門家管理者が確認するためのしるしをドロップダウン式ドア上に含む、請求項14に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
長年にわたって、コンタクトレンズ事業は、様々な形で発展しており、新しいレンズを提供する業界標準の方法を生み出している。このことは、コンタクトレンズの新規顧客の状況に特に当てはまる。すなわち、顧客は、以前は、眼鏡のみを使用する人か又は矯正レンズを全く利用しない人であった後に、初めてコンタクトレンズを探し求めている場合がある。或いは、顧客は、度数を強める当然の必要性のためか又は新たに生じた視力の問題に対処するためかにかかわらず、新たなコンタクトレンズの処方を必要としている場合がある。
【0002】
いずれの状況でも、アイケア専門(ECP)施設のそのような顧客には、コンタクトレンズの「試用パック」が提供される可能性がある。このように、顧客は、短期間、おそらく1週間にわたって安全に利用できる1セットのコンタクトレンズを持ってECP施設を後にすることができる。初期試用期間後に問題がないと仮定して、新規顧客は、初期試用期間をはるかに超える期間をカバーするために、新しい毎日又は長期装用レンズを注文し得る。当然ながら、問題が生じた場合には、新規顧客は、異なるサイズ及び/若しくは度数、又は更にはコンタクトレンズのブランド及びタイプの代替選択肢に関してECPを再訪問し得る。
【0003】
上記で説明したシナリオでは、コンタクトレンズの試用パックを提供する標準的な商習慣は、ECPが診療室で利用できる試用パックのブランド及びタイプに応じて異なる。より具体的には、ECPスタッフである熟練した管理員は、顧客訪問時にECPから新たなコンタクトレンズ処方を取得し、利用可能な試用パックのセットに戻る可能性が高い。例えば、異なる企業は、様々なタイプ、度数などの試用パックのアレイをECPに提供し得る。ECP又はECP管理者は、異なるアレイに素早く目を向けて、新たに提供される処方に利用可能な試用パックをどの企業ブランドが有するかを判断し得る。処方に利用可能な試用セットのブランドが、顧客に提供されるブランドであり得る。試用期間が顧客にどのように適用されるかに応じて、これは、最終的に、顧客にとってこの先長く続く長期的又は更には永続的なブランド選択になり得る。選択された特定のブランドは、偶然によるものである場合があるか、又は選択されたブランドは、ECP診療室で利用可能ないずれかの潜在的ブランドの最後の試用セットである場合がある。
【0004】
当然ながら、管理者及びECPは、企業である様々な提供者から入手可能な全てのタイプの試用パックの供給が十分であることを切望し得る。しかしながら、実際問題として、ECP診療室に供給される全ての企業ブランドからの全てのタイプ及び処方の利用可能な及び利用できない試用パックを管理者が追跡するための使いやすい方法は現時点では存在しない。一般に言えば、企業ブランドの試用パックは、厚意としてECP診療室に供給される。所与の企業の任意の所与のタイプの試用パックを使い果たしたときに、ブランド及びタイプの補充では、ブランド及びタイプがないことに管理者が気付き、供給者である企業に対して試用パックの新たな注文を手作業で行うことが必要となる。
【0005】
多くの場合、特定のブランド及びタイプの試用パックの再注文は、どれだけ多くの他のブランドの求められている処方及びタイプの試用パックが利用可能な状態であるかによって決まる。すなわち、特定のタイプの試用パックの所与の処方が1つのブランドを除く全てのブランドで利用可能である場合、管理者は、使い果たした1つのブランドの補充に優先して他の作業に取りかかる可能性がある。残念ながら、このことは、管理者の作業時間や偶発的な出来事を優先して、潜在顧客及び/又はECPのブランド選好が概して二の次になることを意味する。
【0006】
おそらく更に懸念されるのは、全ての潜在的ブランドに関する任意の所与の処方及びタイプの補充によって管理者に誤った安心感が生じ得ることである。例えば、管理者は、所与のブランドのアレイから所与の処方及びタイプの試用パックを引き出し、その試用パックが、指定されたタイプ及び処方でのそのブランドの利用可能な最後の試用パックであることに気付く場合がある。しかしながら、他のブランドのアレイにおいて他のそのような試用パックが利用可能である可能性が高いという思い込みは、使い果たしたブランドの試用パックを管理者が再注文し損なう要因であり得る。これは、思い込みが間違いであると判明した場合に、残念な結果となる。これは、管理者の衰えた記憶力、他の管理者によって他のブランドの試用パックが使い果たされたこと、又は数多くの他の人的要因が原因である場合がある。
【0007】
代替案として、全てのブランドの試用パックアレイは、全ての試用パックの供給について管理者にリアルタイムで自動的に警告するために、自動追跡センサ及び他の高コストの機能を具備し得る。当然ながら、これは、任意の所与の使い捨て試用パックの比較的安価なコストを考慮すると、コスト効率が高くない場合がある。したがって、実際問題として、顧客及びECPは、選好に関係なく、利用可能な状態の試用パックであれば何でも利用することを迫られることがある。実際には、概して、管理者の他の優先事項のために、顧客が試用パックを1つも持たずにECPを後にするという現実的な可能性が残る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
複数の装着レンズにおける所与のタイプの任意のコンタクト装着レンズがないことを特定するための使いやすいシステムが提供される。システムは、各々が複数の所与のタイプのレンズのうちの1つを収容する、複数の個々の区画位置を有するモジュール式の装着セット用組立体を含む。更に、システムはまた、インジケータが各区画位置にある複数のインジケータを含む。作動時に、各インジケータは、所与の装着レンズタイプがなくなったときにそのような装着レンズタイプが対応する位置にないという表示を自動的に提供し得る。このシステムはまた、スマートフォンのアプリケーションに対応するためなどのハードウェアを含む。アプリケーションは、指定された装着レンズタイプが組立体にないことを示す使いやすい画像を提供するために、モジュール式の装着セット用組立体の視認可能な前面を撮像し得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】特有の装着セット用インジケータ機能を備えたモジュール式の装着セット用組立体の前面斜視図である。
図2A】装着セットが取り出されている状態の、図1の装着セット用組立体の区画の側断面図である。
図2B】装着セットが取り出され且つ可視インジケータを作動させた状態の、図2Aの区画の側断面図である。
図3A図1のモジュール式の装着セット用組立体による収容のためのコンタクト装着セットのアレイの前面図である。
図3B図3Aのアレイからの装着セットのパッケージから取り出された試用コンタクトレンズの斜視図である。
図4】試用コンタクトが取り出されたときの組立体の前面を撮像するためのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を備えたモバイル電子機器を描いた図である。
図5】組立体からの試用コンタクトの補充を追跡及び管理するために図4のGUIを用いる実施形態を要約したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の説明において、本開示の理解を提供するために、多数の詳細を記載する。しかしながら、説明する実施形態が、これらの特定の詳細なしで実施され得ることは、当業者であれば理解するであろう。更に、具体的に説明する実施形態において依然として企図される多数の変形又は修正が採用され得る。
【0011】
コンタクトレンズの分野における例示的なモジュール式の装着セット用組立体を有する特定のタイプのシステムに関して、実施形態を説明する。特に、既知のサイズ、処方、タイプ及びレイアウトの多くの既知の装着セットレンズを収容する3層構造のモジュール式システムが示されている。具体的には、図1に示す60個の装着セットが業界標準のレイアウトである。本明細書で使用される場合、用語「装着セット」、「試用レンズ」、及び他の類似の表現は、交換可能に利用され、これらの用語間の何らかの違いを暗に示すことを意味するものではない。更に、処方範囲、寸法、タイプ、ブランドなどに関係なく、任意の数の異なるタイプのコンタクトレンズ装着セットに使用できるシステムでは、様々な異なるレイアウトが利用され得る。すなわち、本システムを調整して利用するのに、レイアウトに関して業界標準を採用する必要はない。組立体が、既知のレイアウトを採用しており、組立体の任意のレンズタイプがなくなったことを示す自動的な可視インジケータを組み込んでいる限り、相当の利益が得られる可能性がある。
【0012】
ここで図1を参照すると、モジュール式の装着セット用組立体100の前面斜視図が示されている。組立体100は、独特の装着セット用インジケータ機能を含む。図示の実施形態では、これらの機能は、ドロップダウン式の可視インジケータ110によって果たされる。より具体的には、組立体100は、異なるモジュール式構成要素101、105、107から構成されたケースである。これらの構成要素の各々は、区画125のアレイを収納する。さもなければ、区画125は、空のスロット、引き出し、又は所与のタイプのコンタクトレンズ301を収容するための他の適切な場所であり得る(例えば、図3Bを参照)。いずれにしても、各区画125は、レンズパッケージ175を収容するか又は収容しない。
【0013】
図1に示すように、レンズパッケージ175が任意の所与の区画125に対して存在するときに、これは視覚的に明らかである。しかしながら、任意の所与の区画位置においてパッケージ175がもはや利用可能でない場合に、可視インジケータ110が、自動的に現れて、その区画位置のレンズタイプがもはや利用可能でないという即時の表示を提供する。図示の実施形態では、この自動的に現れるインジケータ110は、任意のパッケージ175が区画位置に存在している間は見えないように保持されるヒンジ又はばね付きドアであり得る。しかしながら、区画125内のパッケージ175が使い果たされた時点で、ドア型インジケータ110が、図2A図2Bに示すように、図内で下方に落下し得る。
【0014】
当然ながら、インジケータ110は、様々なインジケータのタイプであり得る。すなわち、本明細書で具体的に説明するようなドロップダウン式ドアは必要ない。ここでもまた、用語「可視」とは、図4に示すように、スマートフォン400におけるカメラ機能などのハードウェア及びそのアプリケーションにとってインジケータが見えることを暗に示すことを意味する。しかしながら、他の実施形態では、インジケータのタイプは、カメラ機能に関して可視であり得るが、必ずしもアプリケーションのユーザにとって明らかであるとは限らない。このインジケータのタイプは、空の区画が生じたときに、光によって、電子的に、又は別の方法で存在するインジケータを含み得る。ここでもまた、ユーザ補助として、各ドロップダウン式の引き出し型インジケータ110の前面に処方度数が示されていることに留意されたい。しかしながら、システムは、このような使いやすい説明的補助を必要とせずに、十分に活用され得る。そのようなものは、単に人間による照合手段として提供され得る。追加的又は代替的に、そのような番号付けされた、人間による可視照合手段の代わりに、バーコード、QRコード(登録商標)又は他の可視しるしの形態の電子アプリケーションによる照合手段は、インジケータ110の前面に位置し得る。
【0015】
続いて図1を参照すると、ECPに供給されるときに、組立体100は、レンズパッケージ175の積み重ねられたモジュール101、105、107として配置されることに留意されたい。これらは、各モジュール101、105、107が異なる適合サイズを有し且つ所定の順序で積み重ねられた状態で、配置され得る。ここでもまた、組立体100自体は、特定のブランド及びタイプ(例えば、所与の企業の長期装用製品の特定のラインのための試用レンズ)のみを有するパッケージ175を含み得る。組立体100がECPにおいて適切に配置され、この所定の配置情報が既知である状態で、以下で更に詳述するように、試用パック補充の使いやすい方法が用いられ得る。
【0016】
また、注目すべき点は、空間の利用可能性は別として、各区画125において最初に利用可能なパッケージ175の数に関して特定の要件がないことである。例えば、全ての区画125が、単一の試用パッケージ175を含み得る。代替的に、全ての区画125が、複数のパッケージ175を含み得るか、又はより頻繁に使用されるパッケージ175のみが、処方、サイズ、及び他の過去のユーザデータに応じて、複数であり得る。複数で提供される場合、区画125は、区画125が空でない限り、任意のパッケージ175が視認可能であり且つ手動でアクセス可能であることを確実にするために、前進させるばね又は他の適切な前進補助手段を備え得る。いずれにしても、以下に詳述する使いやすいシステムは、任意の区画位置にパッケージ175がないことの可視インジケータが自動的に利用可能になる限りにおいて有用である。
【0017】
ここで図2Aを参照すると、装着セット又は試用レンズパッケージ175が取り出されている状態で、図1の装着セット用組立体100の区画125の側断面図が示されている。図示の実施形態では、区画125は、図1の最上部モジュール101の区画である。更に、例えばECPスタッフである管理者による、区画125からのパッケージ175の取り出しを示す矢印275に留意されたい。
【0018】
続いて図2Aを参照すると、ドア型インジケータ110は、パッケージ175が取り出される前のパッケージ175の存在によって、区画125内に隠されていることにも留意されたい。更に図1を参照すると、この時点では、区画位置は、パッケージがないことの通知又は表示を提供しない。むしろ、区画位置は、図1の左上のモジュール位置で明らかであるようにパッケージ175を露出させる。
【0019】
ここで図2Bを参照すると、レンズ試用パッケージ175が取り出された状態で、図2Aの区画125の側断面図が示されている。結果として、ドア型インジケータ110は、ヒンジ250を中心に下方に揺動し得る。したがって、ここで、これ以上パッケージ175がないことの可視インジケータは、図1の組立体100の前面を視認する人には明らかである。すなわち、ここで、この区画位置における外観は、図1の組立体100の最上行における左位置から2番目の外観のようになる(この位置のドア110における「-0.75」のインジケータを参照)。図2A及び図2Bの実施形態は、取り出され、次いで、ドア型インジケータ110が露出される、区画125内の単一のパッケージ175を前提している。しかしながら、上記のように、同じ試用レンズタイプの追加のパッケージ175が、例えば、区画125に荷重をかけるばねによって、先行するパッケージ175の取り出し時の前進の際に更に補助され得る区画125内に見られることがある。これらの状況では、ドア型インジケータ110は、(例えば、図2Bに示すように)最後のパッケージ175が取り出されるまで、それらの後続のパッケージ175によって図2Aの位置に保持されたままである。
【0020】
注目すべき点は、可視インジケータ「-0.75」が、例えば、図1の組立体100を利用するECP管理者にとって使いやすいことである。しかしながら、以下で更に詳述するように、ドア開位置は単独で、かかる使用しやすいマークがなくても、閉じたドア110とパッケージ175とを区別できるスマートフォンアプリケーション用のインジケータとしての役割を依然として果たし得る。
【0021】
なお、図3A及び図3Bは、最終的にエンドユーザに提供されるパッケージ175及びコンタクト301の実際の態様(指310を参照)を示すために提供されている。より具体的には、図3Aは、コンタクト装着セット(例えば、パッケージ175)のアレイの前面図である。パッケージ175は、図1の組立体100のモジュール101、105、107のうちの1つに装填されるように、互いに積み重ねられた状態で示されている。
【0022】
図3Bは、図3Aのアレイからの装着セットのパッケージ175から取り出された試用コンタクトレンズ301の斜視図である。パッケージ175のこの「アレイ」は、既知の列325及び行350で構成され、各パッケージ175が、図1に示すようなモジュール101、105、107内への装填のために既知の所定のタイプのレンズ301を収容することに留意されたい。したがって、上記で示唆したように、使いやすいしるしがなくても、どのコンタクトタイプがもはや図1の組立体100で利用できないかをスマートフォンのアプリケーションが解明するには、パッケージ175の代わりにインジケータ110を提示すれば十分であり得る。
【0023】
ここで図4を参照すると、上記で説明したシステムを用いてアプリケーション401を実行する様々な段階における、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)410を備えたモバイル電子機器400を描いた図が示されている。具体的には、アプリケーション401は、試用コンタクト301のパッケージ175がECPの通常業務の過程で取り出されたときの、図1の組立体100の前面を撮像するように構成される。具体的には、アプリケーションの実行を開始するために、スマートフォン400のアプリケーションアイコン401が選択され得る。特定のECP情報を確認するために用いられるログイン画面425に留意されたい。これは、アプリケーション401が実行されたときに、組立体100と、その特定のレイアウトと、試用レンズパッケージ175及びコンタクト301の詳細とに関する情報が、事前に知られていることを意味する(図1図3A、及び図3Bを参照)。すなわち、そのような情報に関する過去のデータは、スマートフォン400自体に、コンタクト用組立体の提供者のデータベースに、又はその両方に記憶されるかにかかわらず、記憶され得る。いずれにしても、アプリケーション401が実行されたときに、ECPに提供されたときの組立体100とその現在の状態との間のいかなる相違も、以下に説明するように即座に確認され得る。
【0024】
続いて図4を参照し、更に図1を参照すると、ログインされた時点で、アプリケーション401は、様々な選択肢を提示し得、これらの選択肢の1つは、試用レンズ301の補充注文450を行う選択肢である(図3を参照)。図示の実施形態では、この選択肢を選択することによって、カメラ型機能がインターフェース410に提示され得る(ディスプレイ480を参照)。ディスプレイ480の画像の角に留意されたい。これらの角は、アプリケーション401による撮像のために組立体100の前面のカメラ視界を位置合わせするのに役立ち得る。実際には、490のディスプレイに示すように、組立体100の前面の画像又は写真がスマートフォン400によって撮影されている。この点に関して、ディスプレイ490での画像撮影のチェックマーク確認に留意されたい。
【0025】
スマートフォン400によって撮影された組立体100の前面の画像を用いて、確認用ディスプレイ495の外観によって確認されるように、注文が行われ得る。480及び490に示す組立体100の画像は、ドロップダウン式のドア型インジケータ110におけるしるしへの参照を含まないことに留意されたい。これらの図において、しるしを参照できないことは、単に図1の組立体100のより小さな例示的描写の結果である。しかしながら、各区画125が依然として試用レンズパッケージ175を内蔵しているか、又は上記で説明したようにユーザとスマートフォン400のアプリケーション撮像能力の両方にとって、ここで、ドロップダウン式のドア型インジケータ110が視認可能であるかのいずれかであることも考慮されたい。したがって、実際には何のしるしもないとしても、電話機400のプロセッサにおいてか又はおそらくより適切には、提供者においてかにかかわらず、レンズのない区画125及びレンズ自体の一致を正確に達成するために、従来の計算が利用され得る。これは、上記のようなレンズ301及びパッケージ175に関する記憶された情報によって可能である(図3Bを参照)。したがって、たとえECP管理スタッフが詳細に全く気付かなくても、補充注文が行われたときに、再供給されるべき特定のレンズ301が自動的に分かる。実際には、しるしが与えられない実施形態では(又はしるしが与えられたとしても)、スタッフは、注意を払う必要が全くない可能性がある。管理スタッフによる追加の動作なしにレンズの補充を達成するのに、提出される撮影画像のみがあれば十分である。当然ながら、他の実施形態では、スタッフには、発注前に注文の妥当性確認の選択肢が提示され得る。そのような状況では、しるしは、発注前の迅速な照合に有用な補助であり得る。
【0026】
試用パックの補充注文のための説明した技術を用いることによって、数多くの利点が得られる。例えば、スタッフの視点から考えると、補充を容易にする自動アプリケーションを利用することによって、発注する際の人為的ミスの可能性が低減されるだけでなく、最初に発注する際にスタッフが費やす時間も大幅に削減される。結果として、スタッフの時間は、かかる自動化が利用可能でない他の作業でより有効に活用され得る。このことは、業務上のいくつかのプラスの影響をもたらし得る。それは、例えば、スタッフの時間が良好に最適化されるだけでなく、様々な提供者ブランドの選択肢を考慮すると、本明細書で説明するようなシステムを採用する提供者は、試用パックを十分にストックしたままである可能性が高いことも意味する。このことは、本質的に、長期間にわたって提供者に下流業務上の追加の利益をもたらし得る。
【0027】
ここで図5を参照すると、上で説明した組立体からの試用コンタクトの補充を追跡及び管理するために図4のGUIを用いる実施形態を要約したフローチャートが示されている。具体的には、上記で説明したように及び510に記載されているように、十分にストックで満たされた組立体が提供される。通常業務の間に、組立体では、既知の区画位置から試用パックが着実に使い果たされ得る(530を参照)。すなわち、各区画は、最初は、既知のサイズ、タイプ、処方などの試用パックのコンタクトレンズで満たされている。
【0028】
区画位置及びレンズ情報が全ての位置に関して記憶された状態で、全ての試用パックレンズが取り出されて所与の区画位置が空の状態になるとすぐに、インジケータの表示が提示され得る(550を参照)。したがって、570に記載されているように、組立体の全ての位置を記録することによって、ストックで満たされた区画位置と空になった区画位置の全てについての記録が瞬時に提供される。例えば、上記で説明した実施形態では、空になった区画に対してのみドア型インジケータが提示された状態の組立体の前面の画像は、十分な記録であり得る。すなわち、空になった区画に試用パックのコンタクトレンズを自動的に補充するには、590に示すように、この画像を提供者に提出すれば十分であり得る。
【0029】
補充のための上記で詳述した技術は、高度な電子機器又はセンサを必要とせずに達成され得ることに留意されたい。自動補充を達成するには、従来の利用可能なスマートフォンでの簡単な組立体画像があれば十分であり得る。しかしながら、同様に、より高度な利点が利用可能であり得る。例えば、スマートフォンのアプリケーション又は提供者による計算では、過去の補充作業が考慮され得る。これは、例えば、最初に組立体をストックで満たす際に、補充予測因子を確立する際に、今後の注文を調整する際に、サプライチェーンに情報を提供する際に、又は様々な他の更なる利益において、ECP及び提供者にとって有益であり得る。
【0030】
上で説明した実施形態は、ECPにおいて試用パックレンズが使い果たされたことを使いやすい方法で追跡するためのシステム及び技術を含む。更に、これらの技術は、使い果たされた又は残っている製品に組み込まれたセンサを用いる複雑で高機能の又は高価な追跡システムを必要としない。むしろ、システムは、外観、スマートフォン、メッセージ送受信といったすぐに利用可能なツールを利用して、管理スタッフの作業を最小化し、ほぼ完全に自動化された方法で補充を達成する。
【0031】
前述の説明は、現在の好ましい実施形態を参照して提示されている。しかし、開示されているが上で詳述されていない他の実施形態及び/又は実施形態の特徴が採用され得る。更に、これらの実施形態が属する技術の当業者は、説明された構造及び動作方法における更に他の改変及び変更が、これらの実施形態の原理及び適用範囲から有意に逸脱することなく実施され得ることを理解するであろう。加えて、前述の説明は、説明し、添付の図面に示す正確な構造にのみ関係するものとして読み取るべきではなく、むしろ、それらの最大限且つ最も適正な範囲を有することになる以下の特許請求の範囲と整合し、それらを支持するものとして読み取るべきである。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5